JP2003055000A - 曇化ガラスとその製造方法 - Google Patents

曇化ガラスとその製造方法

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JP2003055000A
JP2003055000A JP2001240048A JP2001240048A JP2003055000A JP 2003055000 A JP2003055000 A JP 2003055000A JP 2001240048 A JP2001240048 A JP 2001240048A JP 2001240048 A JP2001240048 A JP 2001240048A JP 2003055000 A JP2003055000 A JP 2003055000A
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Yoshiya Tsutsui
義也 筒井
Kazuo Goto
和生 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス表面に1層目の内層と2層目の外層を
積層した皮膜付きのガラスを焼成することによって、耐
衝撃性、耐薬品性等の耐久性にすぐれ、すりガラス様の
外観を呈する曇化ガラスとその製造方法を提供する。 【解決手段】 曇化ガラスの製造方法において、ガラス
表面5に1層目の内層6として(A)有機チタン化合
物、(B)バインダー樹脂、そして(C)有機溶剤を配
合した処理液を塗布して乾燥した後、2層目の外層7と
して(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物、(B)
バインダー樹脂、そして(C)有機溶剤を配合した処理
液を塗布して乾燥し、得られた皮膜付きのガラスを40
0〜800°Cで焼成することにより、焼成膜2には微
小亀裂3が網目状に張り巡らした状態になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は曇化ガラスとその製
造方法に係り、詳しくはガラス表面に1層目の内層と2
層目の外層を積層した皮膜付きのガラスを焼成すること
によって、耐衝撃性、耐薬品性等の耐久性にすぐれ、任
意に曇りの程度を制御できる曇化ガラスとその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】曇化ガラスの主なものとしてすりガラス
があり、従来、すりガラスの加工方法としては、透明な
ガラス表面に金剛砂を吹き付けてガラス表面を荒らし、
光を散乱させてすりガラス加工を行うサンドブラスト法
や、サンドブラストによって、表面を荒らしたガラスを
フッ酸水溶液中に浸漬し、ガラス表面をエッチングする
ことにより、すりガラスの表面の凹凸を滑らかに仕上げ
るエッチング法が知られている。
【0003】また、ガラスフリット、光を散乱させるた
めの粉体、そしてバインダーからなる塗料をガラス表面
に印刷し、500°C以上の温度で焼きつけてすりガラ
ス状の風合いを出すガラスフリット法、あるいは塗料用
の有機樹脂に光を散乱させるような粉体を混合し、ガラ
ス表面にスプレー、刷毛塗り等の方法で塗布し、300
°C以下の温度で熱処理・硬化・着色させ、すりガラス
状の風合いをだす有機樹脂法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サンドブラス
ト法はその加工方法からガラス表面に傷をつけてしまう
ため、ガラス表面の傷が衝撃の加わった際の破壊点とな
り、ガラス強度を低下させる問題点があった。エッチン
グ法はフッ酸水溶液を使用するため、危険でありまた人
体に有害である問題点があった。ガラスフリット法は5
00°C以上の温度で焼きつけるためガラスフリットと
ガラスが溶融し、ガラスフリットがサンドブラストでつ
けた傷と同様の働きをするためガラス強度が低下した。
【0005】また、有機樹脂法では強度低下の少ないす
りガラスを得る事は可能であるが、有機の樹脂を使用し
ているため、無機化合物に比較して塗膜の硬度が低い問
題点を有していた。
【0006】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、ガラス表面に1層目の内層と2層目の外層を積
層した皮膜付きのガラスを焼成することによって、耐衝
撃性、耐薬品性等の耐久性にすぐれ、すりガラス様の外
観を呈する曇化ガラスとその製造方法を提供する。
【0007】本発明では、すりガラス様の外観を呈する
のは、1層目の内層に使用する有機チタン化合物の真の
添加量と2層目の外層に使用するオリゴマータイプの有
機珪素化合物量の真の添加量との比に関係して働くもの
で、焼成時における内外層の収縮応力の差によって焼成
膜に微小亀裂が入る。この亀裂により光が散乱されて膜
の曇りが発生し、すりガラス様の外観を呈する。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、ガラス表面に形成された焼成膜に、光の散乱
を起こす微小亀裂が網目状に張り巡らしている曇化ガラ
スにあり、耐衝撃性、耐薬品性等の耐久性にすぐれ、微
小亀裂の量及び大きさに応じて光の散乱がおこり、膜の
曇りを引き起こし、また経時変化によって微小亀裂が成
長することもない。
【0009】本願請求項2記載の発明は、微小亀裂の幅
が50〜1,000nmである曇化ガラスにあり、これ
によって光の散乱がおこり、膜の曇りを引き起こす。
【0010】本願請求項3記載の発明は、曇化ガラスの
製造方法において、ガラス表面に1層目の内層として
(A)有機チタン化合物、(B)バインダー樹脂、そし
て(C)有機溶剤を配合した処理液を塗布して乾燥した
後、2層目の外層として(D)オリゴマータイプの有機
珪素化合物、(B)バインダー樹脂、そして(C)有機
溶剤を配合した処理液を塗布して乾燥し、得られた皮膜
付きのガラスを400〜800°Cで焼成し、ガラス表
面に形成された焼成膜に、光の散乱を起こす微小亀裂を
設けることにより、焼成膜には微小亀裂が網目状に張り
巡らした状態になる。これは内外層の処理液成分の脱水
時に発生する収縮応力に起因している。その微小亀裂の
量は(A)有機チタン化合物の真の添加量Mと(D)オ
リゴマータイプの有機珪素化合物の真の添加量Nとの比
であるN/Mに関係して、微小亀裂の量及び大きさに応
じて光の散乱がおこり、膜の曇りを引き起こす。
【0011】本願請求項4記載の発明は、1層目の内層
中に存在する(A)有機チタン化合物の真の添加量M
と、2層目の外層中に存在する(D)オリゴマータイプ
の有機珪素化合物の真の添加量Nとの比であるN/Mを
6〜100の範囲にして、曇りの程度を任意に制御でき
るようにした曇化ガラスの製造方法にあり、N/Mを6
〜100の範囲を特定することによって、耐衝撃性、耐
薬品性等に優れ、微小亀裂の量及び大きさを制御し、同
時に光の散乱を制御した曇化ガラスを製造できる。
【0012】本願請求項5記載の発明は、オリゴマータ
イプの有機珪素化合物が、重量平均分子量100〜5,
000ポリシロキサン骨格を持つシリコーンオリゴマー
である曇化ガラスの製造方法にある。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る曇化ガラスの
表面状態の模試図であり、図2は図1の断面図である。
曇化ガラス1は透明なガラス表面5に形成された焼成膜
2に、光の散乱を起こす微小亀裂3が連続して網目状に
張り巡らしている。光の散乱は微小亀裂3の量及び幅に
応じて起こり、膜の曇りを引き起こしている。この微小
亀裂3の量及び幅のうち、亀裂の幅が最も適切であり、
具体的には50〜1,000nm、より好ましくは10
0〜800nmであり、50nm未満の場合には、曇化
ガラスなりにくく、他方1,000nmを超えると、焼
成膜2が剥離しやすくなる。
【0014】焼成膜2の厚みは、50〜500nm、よ
り好ましくは100〜300nmであり、50nm未満
になると微小亀裂3が発生しにくくなり、また500n
mを超えると、焼成膜2の一部がガラス表面5から剥離
しやすくなる。微小亀裂3は焼成膜2の表面層に侵入し
てガラス表面5まで至っていない。微小亀裂3が焼成膜
2の深くまで侵入すると、焼成膜2がガラス表面5から
剥離しやすくなる。
【0015】上記曇化ガラス1の製造方法では、図3に
示すようにガラス表面5に(A)有機チタン化合物、
(B)バインダー樹脂、そして(C)有機溶剤を配合し
た処理液を塗布し乾燥して1層目の内層6を形成し、そ
の上に(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物、
(B)バインダー樹脂、そして(C)有機溶剤を配合し
た処理液を塗布し乾燥して2層目の外層7を設けて皮膜
付きのガラス8にする。この皮膜付きのガラス8を所定
条件下で焼成すると、図1及び図2に示すように得られ
た焼成膜2には、微小亀裂3が連続して網目状に張り巡
らした状態になる。これは焼成時に内外層6、7が処理
液成分の脱水によって発生する収縮応力に起因してい
る。即ち、焼成時において、外層7の収縮応力が内層6
のそれより大きくなって、焼成膜2の表面層に微小亀裂
3が発生する。
【0016】その微小亀裂3の量及び大きさは(A)有
機チタン化合物の真の添加量Mと(D)オリゴマータイ
プの有機珪素化合物の真の添加量Nとの比であるN/M
に大きく関係している。微小亀裂の量及び大きさに応じ
て光の散乱が変化し、膜の曇りを引き起こしている。
【0017】上記1層目の内層6に使用する(A)有機
チタン化合物は、チタンのエトキシド、プロポキシド、
ブトキシド等のアルコキシド類、アセチルアセトナー
ト、アミナート等のキレート類、ステアレイト等の有機
酸エステル類、その他グリコレートやアルコキシドが重
縮合化したオリゴマーが挙げられる。
【0018】上記2層目の外層7に使用する(D)オリ
ゴマータイプの有機珪素化合物は、重量平均分子量が1
00〜5,000程度のメトキシ基を含有するものが好
ましく、ポリシロキサン骨格を持つシリコーンオリゴマ
ーを挙げることができる。
【0019】(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物
の重量平均分子量が、100未満になると焼成時に発生
する内外層6、7の収縮応力によって、焼成後の膜面に
数十μm以上の大きさの亀裂が発生して所望の曇化ガラ
ス様を呈する膜が得られなくなる。他方、重量平均分子
量が5,000以上になると、収縮応力が小さくなって
微小亀裂が発生しなくなり、すりガラス様の外観を呈す
る膜が得られなくなる。
【0020】上記1層目の内層6と上記2層目の外層7
に使用する(B)バインダー樹脂は、各処理液の粘度を
適度に維持してガラスへの塗布、乾燥後の取扱を良好に
している。このバインダー樹脂は焼成時において低温で
分解することが好ましいが、特に限定されるものではな
く有機溶剤に可溶なものであればよい。具体的なバイン
ダー樹脂としては、例えばニトロセルロース、エチルセ
ルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセル
ロース類、メチルアクリレート等のアクリル類、ナイロ
ン6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド類、
ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン等の
ポリエステル類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル
類、ポリカーボネート類、ポリスチレン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン等のポリビニル類等である。この真
の添加量は各処理液の粘度と所望する膜厚によって決定
され、制限はない。
【0021】上記1層目の内層6と上記2層目の外層7
に使用する(C)有機溶剤は、(A)有機チタン化合物
と(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物を溶解でき
るものであれば特に制限はなく、各処理液の塗布方法な
どにより適宜選択される。具体的には、メタクレゾー
ル、ジメチルホルムアミド、カルビトール、α−テレピ
ネオール、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコ
ール、パラキシレン、トルエン等の高沸点溶剤がスクリ
ーン印刷、フレキソ印刷等を利用して各処理液をガラス
表面に塗布するうえで好ましい。
【0022】処理液中の(A)有機チタン化合物の真の
添加量Mと、(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物
の真の添加量Nとの重量比であるN/Mは、その種類に
よっても異なるが、6〜100の範囲に配合されること
が望ましい。重量比N/Mが100を越えると、有機珪
素化合物量が多くなりすぎ、製膜性が悪くなり耐磨耗性
が悪くなる。一方で重量比N/Mが6未満になると有機
チタン化合物量が多くなりすぎ、すりガラス様の外観が
得られなくなる。本発明では、すりガラス様の外観をも
つ曇化ガラスを得るためにN/Mが6〜100の範囲、
より好ましくは8〜70にする必要がある。
【0023】作製されたそれぞれの処理液は、ガラス上
にスプレー、ディップ、ロールコ−ト、スピンコート、
フレクソ印刷、スクリーン印刷等の方法でガラス表面に
塗付し、皮膜付きのガラスにする。
【0024】上記皮膜付きのガラスの焼成条件は、40
0〜800°Cの範囲で焼成することが好ましい。40
0°C未満で焼成を行うと、焼成膜の耐磨耗性が悪くな
り、一方800°Cを越えると、焼成膜表面の微小亀裂
が大きくなり、すりガラス様の外観が損なわれる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。尚、作製した曇化ガラスの評価方法は、
以下の通りである。
【0026】1.光学特性 色差計、濁度計を使用してHz率、透過率、透過色の測
定を行った。
【0027】2.耐衝撃性 台上に一対のレールを8cmの間隔をあけて設置し、該
レール上に試験用ガラスを置き、ガラスの上方から先端
にポリアミド製半球を装着した荷重250gの鋼製の重
りを落下させ、ガラスが割れるまでの高さを測定した。
【0028】3.耐酸性 試料を0.1NのH2SO4 水溶液に2時間浸積し、浸
積後の塗膜の状態を目視確認した。
【0029】4.耐アルカリ性 試料を0.1NのNaOH水溶液に2時間浸積し、浸積
後の塗膜の状態を目視確認した。
【0030】実施例1〜4、比較例1〜3 表1に示す配合で、有機チタン化合物含有処理液とオリ
ゴマータイプの有機珪素化合物含有処理液を作製した。
実施例1〜4はガラスから1層目の内層に塗布した膜中
に存在する(A)有機チタン化合物の真の添加量Mとガ
ラスから2層目の外層に塗布した膜中に存在する(B)
オリゴマータイプの有機珪素化合物の真の添加量Nとの
比を変量している。比較例2と比較例3については、N
/Mを変量していない。
【0031】比較例2はサンドブラストによって作製さ
れた厚さ3mmのすりガラスを用い、比較例3は有機チ
タン化合物とオリゴマータイプの有機珪素化合物を表2
に示す配合で処理液の中に一度に混入し、作製した処理
液を用いて、ガラスに塗布し焼成することによって得た
膜付きガラスを用いた。
【0032】実施例1〜4、比較例1の処理液を厚さ3
mmの透明なガラス上に有機チタン化合物を含有した処
理液をスクリーン印刷法により塗布し、150°Cの熱
風循環式オーブンで5分間乾燥し、その後有機珪素化合
物を含有した処理液をスクリーン印刷法により塗布、1
50°Cの熱風循環式オーブンで5分間乾燥し、600
°Cのマッフル炉中で5分間焼成し試料を得た。
【0033】比較例2は、サンドブラストによって作製
したすりガラス、比較例3は表3に記載する配合で有機
チタン化合物とオリゴマータイプの有機珪素化合物を予
め混合した処理液をスクリーン印刷法により塗布、15
0°Cの熱風循環式オーブンで5分間乾燥し、600°
Cのマッフル炉中で5分間焼成した試料を用いた。
【0034】表1に実施例1〜4、比較例1の配合及び
実施例1〜4、比較例1〜3のHz率、透過率、透過色
調及び耐薬品性試験結果を示す。表2に比較例3の配合
を示し、表3に耐衝撃性試験結果をそれぞれ示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表1より、実施例1〜4、比較例1より
(A)有機チタン化合物の真の添加量Mとガラスから2
層目に塗布した膜中に存在する(B)オリゴマータイプ
の有機珪素化合物の真の添加量Nとの比を変量すること
によって、Hz率を制御することができることが確認で
きる。比較例1ではN/Mの数値が低すぎるため、Hz
率が小さくなり曇化ガラスとしての機能を果たさなくな
る。そして実施例1〜4と比較例3を比較すると、比較
例3ではHz率が小さくなり曇化ガラスとしての機能を
果たさない。
【0039】耐衝撃性試験においては、焼成膜から試験
を実施すると実施例1〜4と比較例2での差は見られな
かった。しかし、非焼成膜(裏面)から試験を実施する
と実施例1〜4では高さ25cmから重りを落下させ
て、ガラスの破損が発生したが、比較例2では高さ15
cmから重りを落下させるとガラスの破損が発生した。
よって、実施例1〜4は比較例2よりも耐衝撃性が良好
であることを示している。
【0040】実施例1、実施例2、比較例1の焼成膜表
面を走査型電子顕微鏡で撮影した写真をそれぞれ図4、
図5、そして図6に示す。実施例1〜2の写真では焼成
膜表面に微小亀裂が網目状に発生しており、M/Nの数
値が大きくなると微小亀裂の大きさ及び数量が多くなっ
ていることが確認できる。この膜面に生じている微小亀
裂によって光が散乱され、白濁が発生していると考えら
れる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の曇化ガラ
スでは、ガラス表面に形成された焼成膜に、光の散乱を
起こす微小亀裂が網目状に張り巡らしている曇化ガラス
にあり、耐衝撃性、耐薬品性等の耐久性にすぐれ、微小
亀裂の量及び大きさに応じて光の散乱がおこり、膜の曇
りを引き起こす効果がある。
【0042】また、本願請求項記載の曇化ガラスの製造
方法においては、ガラス表面に1層目の内層として
(A)有機チタン化合物、(B)バインダー樹脂、そし
て(C)有機溶剤を配合した処理液を塗布して乾燥した
後、2層目の外層として(D)オリゴマータイプの有機
珪素化合物、(B)バインダー樹脂、そして(C)有機
溶剤を配合した処理液を塗布して乾燥し、得られた皮膜
付きのガラスを400〜800°Cで焼成することによ
り、耐衝撃性、耐薬品性等の耐久性にすぐれ、また内外
層の処理液成分の脱水時に発生する収縮応力に起因して
焼成膜には微小亀裂が網目状に張り巡らした状態にな
り、更に(A)有機チタン化合物の真の添加量Mと
(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物の真の添加量
Nとの比であるN/Mに関係して、微小亀裂の量及び大
きさに応じて光の散乱がおこり、膜の曇りを引き起こす
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る曇化ガラスの表面状態の模試図で
ある。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明に係る曇化ガラスの製造方法において、
ガラス表面に内層と外層を積層した状態の断面図であ
る。
【図4】実施例1の焼成膜表面を走査型電子顕微鏡で撮
影した写真を示す。
【図5】実施例1の焼成膜表面を走査型電子顕微鏡で撮
影した写真を示す。
【図6】比較例1の焼成膜表面を走査型電子顕微鏡で撮
影した写真を示す。
【符号の説明】
1 曇化ガラス 2 焼成膜 3 微小亀裂 5 ガラス表面 6 内層 7 外層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス表面に形成された焼成膜に、光の
    散乱を起こす微小亀裂が網目状に張り巡らしていること
    を特徴とする曇化ガラス。
  2. 【請求項2】 微小亀裂の幅が50〜1,000nmで
    ある請求項1記載の曇化ガラス。
  3. 【請求項3】 曇化ガラスの製造方法において、ガラス
    表面に1層目の内層として(A)有機チタン化合物、
    (B)バインダー樹脂、そして(C)有機溶剤を配合し
    た処理液を塗布して乾燥した後、2層目の外層として
    (D)オリゴマータイプの有機珪素化合物、(B)バイ
    ンダー樹脂、そして(C)有機溶剤を配合した処理液を
    塗布して乾燥し、得られた皮膜付きのガラスを400〜
    800°Cで焼成し、ガラス表面に形成された焼成膜
    に、光の散乱を起こす微小亀裂を設けることを特徴とす
    る曇化ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 1層目の内層中に存在する(A)有機チ
    タン化合物の真の添加量Mと、2層目の外層中に存在す
    る(D)オリゴマータイプの有機珪素化合物の真の添加
    量Nとの比であるN/Mを6〜100の範囲にして、曇
    りの程度を任意に制御できるようにした請求項3記載の
    曇化ガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 オリゴマータイプの有機珪素化合物が、
    重量平均分子量100〜5,000ポリシロキサン骨格
    を持つシリコーンオリゴマーである請求項2または3記
    載の曇化ガラスの製造方法。
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