JP2003053391A - 腐敗性廃棄物の処理方法 - Google Patents

腐敗性廃棄物の処理方法

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JP2003053391A
JP2003053391A JP2001282347A JP2001282347A JP2003053391A JP 2003053391 A JP2003053391 A JP 2003053391A JP 2001282347 A JP2001282347 A JP 2001282347A JP 2001282347 A JP2001282347 A JP 2001282347A JP 2003053391 A JP2003053391 A JP 2003053391A
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drying
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Junichi Habata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機質汚泥、家畜糞尿、生ゴミおよび食品残
渣などの腐敗性廃棄物を活性度の高い生石灰で処理し、
この反応生成物のスラリを通気乾燥して乾燥した固体の
土壌改良資材とするにあたり、余剰の水分の処理が簡単
で乾燥負荷の少ない腐敗性廃棄物の処理方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 腐敗性廃棄物を活性度の高い生石灰で反
応処理した反応生成物であるスラリを第1ろ過工程でろ
過し、さらに第1ろ過工程のろ液を第2ろ過工程でろ過
して清澄なろ液を得て、該清澄液を酸で中和した後に活
性汚泥法により浄化処理し、かつ、第1ろ過工程の脱水
ケーキを通気乾燥して乾燥した土壌改良資材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腐敗性廃棄物の処
理方法に関し、詳しくは、家畜糞尿、有機汚泥、動植物
残渣、生ゴミなどのような腐敗性廃棄物に活性度の高い
生石灰を添加して混合して腐敗性廃棄物を殺菌、分解し
て土壌改良資材へ転換するようにした腐敗性廃棄物の処
理方法において反応生成物を簡便に乾燥するようにした
腐敗性廃棄物の処理方法である。
【0002】
【従来の技術】特開昭58−27699号公報には、家
畜糞尿のような腐敗性廃棄物に活性度の高い生石灰を添
加して混合して迅速に殺菌、分解した後、その反応生成
物を土壌改良資材とする廃棄物の処理方法が開示され、
水質汚染や悪臭公害などさまざまな環境公害を招いてい
た腐敗性廃棄物の効果的な処理方法として普及してい
る。この反応生成物はスラリ状で得られ、このスラリそ
のものを土壌改良資材として直接圃場に散布して土壌と
混合することで作物の収量を増加させることができる。
他方、この反応生成物のスラリをロータリ搬送機型乾燥
設備で乾燥した後、固体粉末状の土壌改良資材として圃
場に散布して土壌と混合するような利用形態も可能であ
り、農業資材として見ればスラリよりも固体粉末の方が
通常の化成肥料や有機配合肥料の形態に近く、農業生産
者としても取扱が容易な側面を持つ。
【0003】特開昭59−69198号公報には、前記
と同種の反応処理後のスラリをロータリ搬送機型乾燥設
備で通気乾燥する際に乾燥負荷を軽減するため、事前に
フィルタによりスラリの水分を除去することが示されて
いる。ロータリ搬送機型乾燥設備では全ての余剰の水分
を主として外気を利用した通気乾燥によって蒸発させる
ため外気の条件によって乾燥速度が著しく変化し、こと
に冬季間のように外気温が低い時期には極端に乾燥能力
が低下する傾向にあった。
【0004】さらに、特開昭61−114800号公報
には、前記第二番目の従来技術に提案されているフィル
タによってスラリから分離された水分をロータリ搬送機
型乾燥設備の乾燥後の固体粉末に散布して通気乾燥する
ことが示されている。生石灰による腐敗性廃棄物の処理
では反応生成物であるスラリには多量の石灰分が残留し
ているためpHが高い。このため、フィルタによってス
ラリから水分を分離しても、分離された水分のpHは消
石灰の飽和容液と同等の12.5程度と高く、そのまま
下水や河川に放流できない。この第三番目の従来技術で
は表面積を大きくできる乾燥した固体粉末の部分に分離
液を散布することで気液接触表面積を拡大して乾燥の効
率化をはかっている。
【0005】そして、特開平7−2589号公報には、
同様に活性度の高い生石灰で腐敗性廃棄物を処理した生
成物スラリを30℃の乾燥室で水分を20%程度低下さ
せてアルカリ醗酵により温度上昇させて乾燥することが
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】活性度の高い生石灰を
反応剤に用いて家畜糞尿、有機汚泥あるいは生ゴミなど
の腐敗性廃棄物を処理して土壌改良資材へ転換する処理
方法は、理想的な殺菌処理がなされて且つ良質の農業資
材(土壌改良資材)、緑化資材が生産できることから今
後の循環型社会構造にとって不可欠の技術といえる。し
かし、日本のように四季がある地域では四季を考慮した
農業が営まれることが多く、この種の土壌改良資材の需
要が秋や春に集中する傾向が強い。このため、反応生成
物であるスラリを約半年にわたり保管しなければなら
ず、スラリを乾燥して保管の容易な固体粉末とする要請
が強く、このため、スラリの反応生成物を通気乾燥によ
り乾燥して固体状にするための大きな乾燥設備を設置す
るケースが多く、設備面でも操業面でも負担が大きいも
のとなっていた。
【0007】即ち、反応生成物であるスラリを前記従来
技術のように乾燥して固体粉末にするにしても、大量の
水分を蒸発させねばならず、技術的には容易であっても
外気温の低い時期を想定した乾燥設備は巨大なものとな
っていた。
【0008】また、近年の傾向として腐敗性廃棄物に一
般家庭から排出される生ゴミもダイオキシン問題から焼
却処理方式ではなく緑地や農地への環境還元をはかる傾
向にあり、生石灰で反応処理する事例も増えている。し
かし、生ゴミには味噌汁、漬物、塩辛、梅干のように塩
分を多量に含む成分が含まれているために家畜糞尿や排
水処理汚泥よりも食塩濃度が高く、これに生石灰を添加
混合して処理して圃場に供給する場合には食塩が集積し
て土壌のEC(電気伝導度)を高めて植物の生育を阻害
することが指摘されている。とくに施設栽培では降雨に
よる地下浸透が期待できず、生ゴミを原料とする堆肥の
ような農業資材を施用すると塩類集積によるEC(電気
伝導度)の上昇が激しく、この種のリサイクルが難しい
とされていた。
【0009】本発明は、上述のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、排水処理汚泥、家畜糞尿、生ゴミのよ
うな腐敗性廃棄物を活性度の高い生石灰により反応処理
して迅速に殺菌、分解して土壌改良資材へ転換する処理
方法において、生成されるスラリを簡便に乾燥すると共
に生ゴミのように食塩濃度の高い原料(腐敗性廃棄物)
であっても簡便に食塩濃度を低減できる腐敗性廃棄物の
処理方法を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成したものであって、本発明は、水分が85〜94重量
%の状態となした生ゴミ、家畜糞尿、排水処理汚泥等の
腐敗性廃棄物と該腐敗性廃棄物の重量の7〜20重量%
の活性度の高い生石灰と混合して殺菌、分解して土壌改
良資材へ転換する腐敗性廃棄物の処理方法において、該
腐敗性廃棄物と該生石灰との反応生成物であるスラリを
ろ過により脱水ケーキとろ液とに固液分離する第1ろ過
工程と、該第1ろ過工程のろ液を更にろ過により固液分
離して清澄液を得る第2ろ過工程と、該第2ろ過工程の
ろ液である該清澄液に酸を添加して中和する中和工程
と、該中和工程で中和された清澄液を活性汚泥法により
浄化して放流する排水浄化工程と、該第1ろ過工程で分
離された脱水ケーキを通気乾燥により固体の土壌改良資
材とする乾燥工程とを備えたことを特徴とする腐敗性廃
棄物の処理方法である。
【0011】また、本発明では、前記中和工程のつぎの
前記排水浄化工程で排出される汚泥の一部または全部が
前記腐敗性廃棄物の一部または全部として該活性度の高
い生石灰で処理されるものであり、汚泥を生石灰で処理
することと排水の浄化処理とがが効率的に実施できる。
【0012】さらに、本発明では、前記乾燥工程で乾燥
された脱水ケーキの固体粉末をろ過助剤として前記反応
生成物であるスラリに混合して前記第1ろ過工程でろ過
することも可能であり、格別新規なろ過助剤を用いるこ
となく前記第1ろ過工程のろ過性を改善する事ができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明にかかる腐敗性廃棄物の処
理方法の実施の形態について、図1のフロー図を参照し
て説明する。
【0014】(実施形態1)図1は、本発明の腐敗性廃
棄物の処理方法の実施形態を示している。同図は主とし
てハムやソーセージのような食料品製造施設の排水を浄
化する排水処理施設に設置された本発明の腐敗性廃棄物
の処理設備のフロー図であって、食料品製造施設からの
排水処理によって生じる活性汚泥法の有機質汚泥と豚
糞、鶏糞、牛糞などの高濃度の腐敗性廃棄物とを併せて
処理し、乾燥された士壌改良資材を得るものである。
【0015】まず、排水処理について述べれば、食料品
製造施設のような事業所からの排水1は、沈殿槽2にお
いて主たる固形物を沈殿分離し、エアレーションタンク
3において圧縮空気管4からの空気を曝気して微生物の
作用により汚濁成分が浄化されて汚泥に転換され、沈殿
槽5において汚泥が沈降分離されるとともに浄化された
上澄液は河川への放流管路6により放流され、下部に沈
降した濃縮汚泥は腐敗性廃棄物として管路7により引き
ぬかれて濃縮汚泥タンク8へ貯留され、また、濃縮汚泥
の一部は返送汚泥9としてエアレーションタンク3へ返
送されて流入する排水の浄化に寄与するものである。有
機物を主体とした排水の浄化ではこのような標準活性汚
泥法といわれる排水の浄化方法が多用されており、標準
的な管理指針としてはエアレーションタンク3内での汚
泥の濃度(MLSS)が約1500mg/リットル程度
に維持され、沈殿槽5は重力による汚泥分離のため、下
部から抜き出される濃縮汚泥の汚泥濃度は約2重量%程
度となっている。
【0016】次に、生石灰による処理段階について述べ
ると、濃縮汚泥タンク8の濃縮汚泥の所定量を攪拌ドラ
ム型反応機12へ充填し、また、豚糞、鶏糞、牛糞ある
いは食料品製造工程で得られる水分の低い有機質廃物
(例えば腸内残渣)などを貯留している高濃度廃物タン
ク11から所定量の腐敗性廃棄物を攪拌ドラム型反応機
12へ充填し、双方の腐敗性廃棄物の合計したものの水
分が85〜94重量%となるように充填して、図示しな
い攪拌ドラム型反応機12の攪拌翼によって混合し、生
石灰サイロ10から腐敗性廃棄物の充填重量の7〜20
%の活性度の高い生石灰を添加して約7〜15分程度の
攪拌を行って濃縮汚泥と水分の低い腐敗性廃棄物の混合
物を殺菌、分解して全体を滑らかなスラリとし、その
後、図示しないポンプによって生成物タンク13へ反応
生成物であるスラリを輸送する。
【0017】このようにして得られた反応生成物である
スラリは、減圧を利用したベルトフィルタ14からなる
第1ろ過工程において脱水ケーキ15とろ液22とに固
液分離され、脱水ケーキ15は乾燥ヤード16へ搬送さ
れた後にロータリ搬送機17の攪拌と移送作用により乾
燥ヤード16上に展開され薄い堆積層18を形成して移
動し、その間に図示しないファンによる強制通風を受け
て水分が蒸発して固体粉末19となって土壌改良資材と
なる。
【0018】そして、第1ろ過工程で分離されたろ液2
2は時々実施されるろ布の洗浄排水とともにろ液タンク
23に貯蔵され、図示しないポンプにより昇圧されて目
開きの小さなフィルタエレメントを有するカートリッジ
型ろ過器24からなる第2ろ過工程によってさらにろ過
されて清澄液となって清澄液タンク25に貯蔵され、清
澄液タンク25が所定のレベルに達したら塩酸や硫酸を
貯留している酸タンク27からの酸の供給を受けて中和
され、中和された清澄液は管路28により前記排水処理
施設の排水と共に活性汚泥法の排水処理施設3により浄
化される。
【0019】第2ろ過工程では、ろ液タンク23内のろ
液をろ過器24でさらに精密にろ過するものであるが、
ろ液タンク23内には主としてカルシウム化合物からな
る不溶解成分が蓄積される。しかし、ろ液タンク23の
低部から間欠的に沈殿物を抜き出して生成物タンク13
へ返送することで沈殿物の過剰な集積は解決される。ま
た、脱水ケーキが乾燥された固体粉末をろ過助剤として
ライン21のようにスラリに混合する場合には、スラリ
の取扱性を改善するための希釈液としてろ液タンク23
からろ液を供給して第1ろ過工程で循環することで、ろ
液タンク23が沈殿物で閉塞するような障害は回避され
る。
【0020】なお、活性度の高い生石灰とは、酸化カル
シウムとしての純度が95重量%以上の生石灰であると
ともに、約10g程度の生石灰を100gの純水に添加
混合した時に10〜15秒以内の時間で理論的に推定さ
れる水和熱の95%以上が発生する生石灰をいう。ただ
し、このような活性度の高い生石灰は速やかに空気中の
水分や炭酸ガスを吸収することと、水に添加した場合に
は急速に水和反応が進行して激しく飛沫を飛散させると
共に水蒸気を発生するため測定には充分な注意を要す
る。
【0021】この活性度の高い生石灰は、炭酸カルシウ
ムとしての純度が高い石灰石を焼成して生石灰を製造す
るか、一旦純度の高い水酸化カルシウムとした後に再び
焼成して酸化カルシウムとすることで生産されるが、空
気中の水分や炭酸ガスを吸収することで速やかに劣化
し、活性度の低い生石灰となるため、いずれにしても焼
成直後から密閉性の良い容器に収容して外気から遮断し
て保管し、また、密閉性のよい容器に収容して腐敗性廃
棄物の処理施設へ搬入することで調達できる。また、通
常はローリー車で搬送されるものであり、ローリー車か
ら生石灰サイロなどへの移し替えに際しては圧縮空気を
利用した空気コンベアが利用されるため、圧縮空気を発
生する圧縮機の空気吸込口に生石灰サイロの排気口から
排出される空気を導いて循環使用することで、外気の水
分や炭酸ガスの影響を受けることなく活性度の高い生石
灰が保持できる。
【0022】このようにして得られる活性度の高い生石
灰と腐敗性廃棄物を混合する時の腐敗性廃棄物の水分は
あまり低すぎると生石灰と腐敗性廃棄物との混合が不均
一になりやすく、腐敗性廃棄物を殺菌処理する目的は達
成されるが農業資材とした場合には望ましいことではな
く、このため腐敗性廃棄物の最低の水分条件としては8
5重量%としており、この水分条件は一般的な活性汚泥
法などによって得られる余剰汚泥の脱水ケーキの水分
(約水分83重量%以下)よりもやや高く、混合し易い
程度の水分の多い状態としている。また、生石灰の添加
量が多くなることによって経済性が低下するため遠心分
離とか浮上分離など何らかの手段で水分を低下させるこ
とが望ましいため腐敗性廃棄物の最高の水分条件として
94重量%としている。この腐敗性廃棄物の水分の上限
および下限の範囲は前記の公知例やそれに基づく設備で
採用されている範囲内であり、本発明に固有の範囲では
ないが本発明をより明瞭とするために規定している。こ
こで腐敗性廃棄物とは活性汚泥法のような微生物を利用
した排水処理施設から排出される有機質の汚泥、家畜糞
尿、生ゴミ、食品残渣、食料品製造に際して発生する腐
敗原料、臓物、水産加工残渣など多種多様なものがあ
り、これらを単独若しくは混合して前記の水分条件で活
性度の高い生石灰と混合して処理できる。
【0023】また、反応機12における活性度の高い生
石灰の添加量は、反応機12に充填される腐敗性廃棄物
の実重量の7〜20重量%であり、反応機12の重量を
ロードセルのような計量器により計測することで最初に
所定量の腐敗性廃棄物を充填し、反応機12内を攪拌し
つつこの重量範囲と成るべく活性度の生石灰を添加して
反応処理を開始するものであり、かつ、その反応時間は
7〜15分間程度であって、生石灰の添加の割合や反応
時間は従来と異なるものではなく、この種の処理におい
て適宜選択されている範囲と言える。
【0024】この反応機12における腐敗性廃棄物と活
性度の高い生石灰との反応により、腐敗性廃棄物は生石
灰による発熱とアルカリ性とにより有機物が分解されて
激しくアンモニアが発生する。これは主としてペプチド
結合のように蛋白質の骨格を構成している窒素原子に由
来するものであり、生体組織を形成している巨大有機分
子が極めて小さな分子に分解され、結果として各種有機
酸カルシウムとアンモニアとなるためであって、腐敗性
廃棄物に含まれる各種微生物、細菌、ウイルスなどが効
果的に殺菌、分解され、以後、当初腐敗性廃棄物に含ま
れていた雑菌は完全に処理されて人的被害を防止できる
ものである。このような生石灰の処理を受けた反応機1
2内の内容物は滑らかなスラリとなっている。なお、こ
の活性度の高い生石灰と腐敗性廃棄物との反応の過程は
前記公知例と変わらない。
【0025】反応機12から取り出された内容物は生成
物タンク13へポンプ輸送されて一旦貯留されてから第
1ろ過工程であるベルトフィルタ14で固液分離される
が、最初の段階ではスラリそのものをろ過するためろ加
速度を大きくすることは難しいが、乾燥した固体粉末の
土壌改良資材19が生成された段階では、ろ過助剤とし
て固体粉末の土壌改良資材をろ過助剤として利用するこ
とができるため、固体粉末19の一部をライン21のよ
うに生成物タンク13へろ過助剤として返送して混合し
て第1ろ過工程のろ過性の改善をはかることができる。
この場合、固体粉末19をろ過助剤とするため脱水ケー
キ15中に異物を添加することにはならないので最終的
に得られる土壌改良資材の性質に影響を及ぼすことがな
く、ろ過性を改善するために充分な量の固体粉末19を
ろ過助剤として添加することができ、固体粉末19をろ
過助剤を多量に使用する場合には必要に応じて第1ろ過
工程のろ液をろ液タンク23から生成物タンク13へ返
送してろ過原液の取扱性を調整できる。この脱水ケーキ
を乾燥した固体粉末19をライン21に従って反応生成
物と混合して第1ろ過工程のろ過を行う際の固体粉末1
9の添加量はスラリの乾燥固体重量に対してろ過助剤と
して添加される固体粉末19の乾燥固体重量が30%〜
100%の範囲がよく、通常のろ過助剤の添加割合より
もはるかに大きな割合で乾燥粉末を添加できる。しか
し、この固体粉末19の添加割合を増やしすぎると脱水
ケーキ15に含まれる水分の量が増えるため、必要以上
のろ過助剤の添加は脱水ケーキの通気乾燥の面からは注
意を要する。
【0026】第1ろ過工程は、後の脱水ケーキの乾燥の
負荷を軽減するために脱水ケーキの水分を低減すること
を主たる目的としているためにろ液22側にリークする
固体成分については許容している。フェルトからなるろ
布に付着し、ドクター(掻き取り板)で適正に剥離され
ずに脱落したり、洗浄水によって剥離するケーキはろ液
22とともにろ液タンク23に導かれ、このため、ろ液
タンク23内のろ液には相当量の不溶解分が含まれるこ
ととなる。
【0027】このため、第2ろ過工程では、ろ液タンク
23のろ液を再度ろ過して清澄液とするもので、第2ろ
過工程ではろ液タンク23内のろ液は大半が液相であり
固相の割合が少ないのでカートリッジ型ろ過器24のフ
ィルタエレメントは開口径が小さなものが用いられ、ろ
滓層によるろ過ではなくフィルターエレメントによるろ
過が支配的なろ過形態となる。そして、この第2ろ過工
程ではフィルタエレメントの開口径は極力小さなものが
よく、0.1〜0.45ミクロンメートルというような
精密フィルタエレメントが望ましい。
【0028】このようにして清澄液タンク25に取り出
される清澄液は水酸化カルシウムが飽和した容液となっ
ているが、第2ろ過工程で大多数の固相が除去されるた
めにろ液タンク23の平均的なろ液に比べて中和におけ
る酸の消費量が軽減される。
【0029】清澄液タンク25には中和の際にタンク内
を攪拌するためのミキサー26が設けられて必要に応じ
て攪拌されるが、この中和に際して使用する酸は硫酸や
塩酸以外にも硝酸や炭酸ガスが利用できる。清澄液の主
要なアルカリは消石灰(水酸化カルシウム)であって、
硫酸を用いれば硫酸カルシウムが沈殿し、塩酸や硝酸で
あれば水溶性の塩化カルシウム、硝酸カルシウムが生成
される。近隣に燃焼炉があればその排ガスをを炭酸ガス
源として利用することも可能であり、その中和生成物は
炭酸カルシウムの沈殿となる。いずれにしても中和工程
で清澄液を中和することで得られた中和された清澄液は
配管28によって活性汚泥法による排水浄化施設3へ導
いても汚泥を構成する微生物を死滅させるような障害を
与えない。なお、中和工程では、pH12.5程度の清
澄液をpH5〜8.5程度の中性にすればよく、この中
和の目的は後の活性汚泥法による排水浄化工程の微生物
に悪影響を及ぼさないことであり、pHが中性の範囲で
あれば問題はなく、また、第2ろ過工程で固液分離され
ているためろ液タンク23のろ液をそのまま中和するよ
りも少量の酸で中和できるため、酸の消費が少なく経済
性が高い。さらに、酸として燃焼排ガスを利用できれ
ば、極めて経済的な中和が可能となる。
【0030】また、該第1ろ過工程で分離された脱水ケ
ーキ15の水分を通気して乾燥させる方法として図1で
はロータリ搬送機17によって攪拌しつつ空気との接触
表面を更新して乾燥すると共に材料(脱水ケーキ)を移
動させているが、第1ろ過工程で得られる脱水ケーキ1
5となればスラリとは異なって堆積できるので床面から
空気を供給するような他の通気乾燥手段を採用すること
もできる。ただし、図1のようにロータリ搬送機17を
用いれば最終的に固体粉末19として得られる土壌改良
資材が粉末状となっているために格別の粉砕処理をする
ことなく生成物タンク13のスラリにろ過助剤として利
用できる利点がある。しかし、本発明の脱水ケーキを乾
燥した固体の土壌改良資材は、脆弱であるため破砕する
にしても簡単に破砕できる利点がある。
【0031】本発明において、清澄液を中和した後の清
澄液の汚濁物質を河川や下水に放流するための活性汚泥
法による排水浄化工程を独立して設けても良いが、図1
に示したように活性度の高い生石灰で処理される腐敗性
廃棄物(濃縮汚泥)を排出する排水の活性汚泥法による
排水処理施設へ返送して処理することで格別の処理工程
を設けることなく浄化することができるため、活性汚泥
法による排水処理施設の汚泥を処理して土壌改良資材と
すること目的として生石灰による腐敗性廃棄物の処理施
設を設置する場合には有利となる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果を奏する。本発明の腐敗性廃棄物の処理方法
は、水分が85〜94重量%の状態となした生ゴミ、家
畜糞尿、排水処理汚泥等の腐敗性廃棄物と該腐敗性廃棄
物の重量の7〜20重量%の活性度の高い生石灰と混合
して殺菌、分解して土壌改良資材へ転換する腐敗性廃棄
物の処理方法において、該腐敗性廃棄物と該生石灰との
反応生成物であるスラリをろ過により脱水ケーキとろ液
とに固液分離する第1ろ過工程と、該第1ろ過工程のろ
液を更にろ過により固液分離して清澄液を得る第2ろ過
工程と、該第2ろ過工程のろ液である該清澄液に酸を添
加して中和する中和工程と、該中和工程で中和された清
澄液を活性汚泥法により浄化する排水浄化工程と、該第
1ろ過工程で分離された脱水ケーキを通気乾燥により固
体の土壌改良資材とする乾燥工程とを備えたことを特徴
とする腐敗性廃棄物の処理方法であり、第1ろ過工程で
固液分離されたろ液を更に第2ろ過工程で固液分離して
清澄液を得て、これを酸により中和した後に活性汚泥法
により中和された清澄液(中和液)の汚濁物質を浄化す
るため、前記スラリから固体の土壌改良資材を得るため
の水分蒸発量が削減され、通気乾燥の設備が大幅に削減
できる。
【0033】また、前記スラリから固液分離されたろ液
は、更に第2ろ過工程で精密にろ過されるために、清澄
液の中和に要する酸の量がより少ないものとなり、その
ための酸の消費は従来の水分蒸発による乾燥に比べて格
段に安価で、簡便なものとなる。
【0034】そして、中和された清澄液(中和液)は、
活性汚泥法により浄化されるため通風乾燥のような外気
温の影響を受けにくく、積雪がともなう冬季のような時
期においても安定した処理ができ、周辺の環境の保全に
役立つ。
【0035】さらに、本発明の別の形態では、前記の本
発明の形態において、中和工程のつぎの排水浄化工程で
排出される汚泥の一部または全部が腐敗性廃棄物の一部
または全部として活性度の高い生石灰で処理される腐敗
性廃棄物の処理方法であるため、活性汚泥法による排水
処理と活性度の高い生石灰による腐敗性廃棄物の処理と
が効果的に連結されて、活性汚泥法により生じる汚泥を
生石灰で処理して簡便に乾燥した土壌改良資材を得ると
ともに、固液分離された液体が中和されてもとの活性汚
泥法による排水処理施設で浄化されるので、設備的な負
担が軽減される利点がある。
【0036】さらに、本発明の別の形態では、前記乾燥
工程で乾燥された脱水ケーキの乾燥された固体粉末をろ
過助剤として該反応生成物であるスラリに混合して該第
1ろ過工程でろ過することも可能であり、土壌改良資材
となるべき脱水ケーキの固体粉末をろ過助剤としてスラ
リに混合して脱水ケーキを得るため、ろ過助剤の添加量
の多少が最終的に得られる土壌改良資材の品位に影響を
与えることがなく、このため、ろ過性を改善するために
多量のろ過助剤(脱水ケーキの固体粉末)を用いること
が可能となり、第1ろ過工程のろ過性を大きく改善でき
る利点がある。
【0037】また、本発明においては、活性度の高い生
石灰と腐敗性廃棄物とを反応処理して得られる反応生成
物であるスラリを第1ろ過工程および第2ろ過工程で固
液分離し、そのろ液である清澄液を中和処理した後に活
性汚泥法により浄化処理するため、反応生成物であるス
ラリの液相に溶解しているものは主としてろ液として取
り出されるため、結果として活性汚泥法による排水浄化
工程へ移送され、そこで浄化処理された後に浄化された
水に溶解して放流水となって系から取り出される。この
ため、処理対象としての腐敗性廃棄物に漬物や塩蔵品の
ような食塩が多い成分が含まれていても、食塩は生石灰
とは反応せず、スラリの液相に溶解してろ液や清澄液と
して取り出され、結果として脱水ケーキに移行する割合
が低いために、脱水ケーキを乾燥して得られる土壌改良
資材は食塩分が削減されて、圃場に施用した際の塩類集
積のような問題がなく、施設栽培を中心として使用しや
すい土壌改良資材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる腐敗性廃棄物の処理方法の実施
形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 排水 2 沈殿槽 3 エアレーションタンク 4 圧縮空気管 5 沈殿槽 6 放流管路 7 濃縮汚泥管路 8 濃縮汚泥タンク 9 返送汚泥 10 生石灰サイロ 11 高濃度廃物タンク 12 反応機 13 生成物タンク 14 ベルトフィルタ 15 脱水ケーキ 16 乾燥ヤード 17 ロータリ搬送機 18 脱水ケーキ堆積物 19 乾燥脱水ケーキ 20 製品(土壌改良資材) 21 返送固体粉末 22 ろ液 23 ろ液タンク 24 カートリッジ型ろ過器 25 清澄液タンク 26 攪拌機 27 酸タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 101:00 C09K 101:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分が85〜94重量%の状態となした
    生ゴミ、家畜糞尿、排水処理汚泥等の腐敗性廃棄物と該
    腐敗性廃棄物の重量の7〜20重量%の活性度の高い生
    石灰と混合して殺菌、分解して土壌改良資材へ転換する
    腐敗性廃棄物の処理方法において、 該腐敗性廃棄物と該生石灰との反応生成物であるスラリ
    をろ過により脱水ケーキとろ液とに固液分離する第1ろ
    過工程と、 該第1ろ過工程のろ液を更にろ過により固液分離して清
    澄液を得る第2ろ過工程と、 該第2ろ過工程のろ液である該清澄液に酸を添加して中
    和する中和工程と、 該中和工程で中和された清澄液を活性汚泥法により浄化
    して放流する排水浄化工程と、 該第1ろ過工程で分離された脱水ケーキを通気乾燥によ
    り固体の土壌改良資材とする乾燥工程とを備えたことを
    特徴とする腐敗性廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記中和工程のつぎの前記排水浄化工程
    で排出される汚泥の一部または全部が前記腐敗性廃棄物
    の一部または全部として該活性度の高い生石灰で処理さ
    れる請求項1に記載の腐敗性廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記乾燥工程で乾燥された脱水ケーキの
    固体粉末をろ過助剤として前記反応生成物であるスラリ
    に混合して前記第1ろ過工程でろ過する請求項1または
    2に記載の腐敗性廃棄物の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005000489A1 (en) * 2003-06-30 2005-01-06 Sang-Kug Kim Filling-up method of wet waste
CN101863608A (zh) * 2010-06-02 2010-10-20 骆嘉成 钻孔桩废弃泥浆固液分离工艺
KR101146853B1 (ko) * 2007-05-01 2012-05-16 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 강판의 세정 방법 및 강판의 연속 세정 장치

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