JP2003052359A - 微生物によるホルムアルデヒドの分解 - Google Patents

微生物によるホルムアルデヒドの分解

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JP2003052359A JP2002147844A JP2002147844A JP2003052359A JP 2003052359 A JP2003052359 A JP 2003052359A JP 2002147844 A JP2002147844 A JP 2002147844A JP 2002147844 A JP2002147844 A JP 2002147844A JP 2003052359 A JP2003052359 A JP 2003052359A
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Tsukasa Ishida
司 石田
Chie Nagahama
智恵 長濱
Toshio Kimura
俊夫 木村
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EBISU YAKUHIN KAKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ホルムアルデヒド、特に海水中の
ホルムアルデヒドを効率良く分解することのできる方法
に関する。 【解決手段】 ホルムアルデヒド分解能力を有し、かつ
メチロファガ・スルフィドボランス(Methylophaga sulf
idovorans)と相同率90〜95%の塩基配列を含むメチ
ロファガ・スルフィドボランスの近縁菌株、特に、FE
RM P−17872菌株、および上記分解菌を用いて
ホルムアルデヒド、特に海水中のホルムアルデヒドを分
解する方法、およびこの菌株を含む分解剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホルムアルデヒ
ド、特に海水で希釈したホルムアルデヒドを効率良く分
解することのできる方法に関するものであり、具体的に
は微生物を用いて蟻酸を経由してホルムアルデヒドを分
解することのできる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ホル
ムアルデヒドは強い刺激臭を有する無色の可燃性気体で
あり、種々の樹脂、ビニロン繊維などの合成原料として
使用される。ホルムアルデヒドの水溶液はホルマリンと
して取り扱われ、消毒や防腐に用いられている。ホルム
アルデヒドは毒性や臭気が強く、ホルムアルデヒドの蒸
気は粘膜を刺激し、目や気管支粘膜に及ぼす影響が極め
て大きい。ホルムアルデヒドは劇物、危険物として指定
されており、ホルマリンは大気汚染防止法では特定物質
として、海洋汚染防止法では有害液体物質に指定されて
いる。ホルマリンは養殖魚などの稚魚などの消毒にも大
量の海水とともに用いられ海水汚染の原因になってい
る。
【0003】ホルムアルデヒドの毒・劇物としての廃棄
方法は、(1)多量の水を加えて希薄な水溶液とした後、
次亜塩素酸塩水溶液で分解、またはアルカリ性にした後
過酸化水素水を加えて分解後廃棄、(2)焼却炉に噴霧し
焼却、または(3)活性汚泥を用いる生物学的処理方法が
用いられている。しかしながら、従来の生物学的処理方
法はホルムアルデヒド分解能に乏しく、多大な労力と時
間、コストを費やす割には満足のいく成果が得られなか
った。特に海水でホルムアルデヒドを希釈して消毒剤と
して用いた場合は分解処理を行わず、十分に海水で希釈
して廃棄することが多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は海水由来であっ
て、メチロファガ・スルフィドボランス(Methylophaga
sulfidovorans)と近縁である菌株が、効率よくホルムア
ルデヒドを分解するとの知見を得て完成されたものであ
る。
【0005】本発明の第1は、ホルムアルデヒド分解能
力を有し、かつメチロファガ・スルフィドボランスと相
同率90〜95%の塩基配列を含むメチロファガ・スル
フィドボランスの近縁菌株である。
【0006】 上記の菌株うちの1つ(S−FIT)は、配列番号1: TGGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGATTGAACGCTGGCGGCATGCCTAACACATGCAAGTCGAACGCCAGCATA AGAGAGCTTGCTCTCTTGATGGCGAGTGGCGGACGGGTGAGTAATGTATAGGGATCTGCCCAGTAGTGGGGG ACAACAGTCGGAAACGACTGCTAATACCGCATACGCTCTACGGAGGAAAGCGGGGGACCTTTCGGGGCCTCG TGCTATTGGATGAACCTATATCAGATTAGCTAGTTGGTGGGGTAACGGCCTACCAAGGCGACGATCTGTAGC TGGTCTGAGAGGATGATCAGCCACACTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGG AATATTGGACAATGGGCGAAAGCCTGATCCAGCAATGCCGCGTGTGTGAAGAAGGCCTTCGGGTTGTAAAGC ACTTTCAATAGGGAGGAAAAGTTGTGTCCTAATACGGCATAACCCTGACGGTACCCATTGAAGGAGGCACCG GCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTA (531bases) の塩基配列を有し、平成12年5月23日に独立行政法
人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号
FERM P−17872のもとに寄託された。
【0007】本発明の第2は、塩基配列の相同率90〜
95%のメチロファガ・スルフィドボランスの近縁とさ
れるホルムアルデヒド分解能力を有する菌株を用いて、
生物学的にホルムアルデヒドを分解処理することを特徴
とする、ホルムアルデヒド分解方法である。
【0008】本発明のホルムアルデヒド分解方法はホル
ムアルデヒド含有廃水に適用することができ、特にホル
ムアルデヒド含有海水に好適に適用される。なお、ホル
ムアルデヒド含有海水に通気して溶存酸素を増加させる
場合は、海水中に本来存在するS−FITのみでもホル
ムアルデヒドを分解することができる。
【0009】本発明の分解方法においては、さらに無機
塩を添加することによってより効率的に分解処理でき
る。
【0010】本発明の分解方法においては、さらに有機
物を添加することによってより効率的に分解処理でき
る。
【0011】本発明の分解方法においては、さらに炭酸
水素ナトリウムを添加することによってより効率的に分
解処理できる。
【0012】本発明の第3は、上記菌株を含むホルムア
ルデヒドの分解剤であり、この分解剤は、さらに、無機
塩、有機物、炭酸水素ナトリウムの少なくとも1種を含
むとき効率よくホルムアルデヒドを分解できる。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明に用いられる菌について説
明する。本発明者らは、海水中のホルムアルデヒドの挙
動を調べたところ、ホルムアルデヒドが蟻酸を経て水、
二酸化炭素にまで分解されるとの知見を得た(図1)。こ
れが微生物による分解であることをつきとめ、海水から
ホルムアルデヒドを効率良く分解し得る微生物をスクリ
ーニングし、本発明のホルムアルデヒド分解菌S−FI
Tを単離した。
【0014】この菌株は、平成12年5月23日に独立
行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受
託番号FERM P−17872のもとに寄託された。
【0015】海水を使用した寒天培地に供試菌株を接種
し、培養し菌学的性質を観察した。
【0016】本発明の分解菌は、溶存酸素がなくなると
ホルムアルデヒドの分解も止まるところから、好気性細
菌であることが判明した。
【0017】本発明で用いられる微生物S−FITは、
配列番号1の塩基配列を有し、データベース:BLAST Se
archでの検索結果は、最も近縁とされる株が、メチロフ
ァガ・スルフィドボランス(Methylophaga sulfidovora
ns)であり、その相同率は、93.56%であった。
【0018】本願発明のS−FIT菌株は、そのまま、
または活性炭などへの固定や凍結乾燥などの処理によっ
て、装置またはキットの一部に組み込むことができる。
【0019】本発明の菌株S−FITは、通常海洋微生
物用の培地として用いられる人工的に調製される合成培
地、例えば、MPS−5培地(実施例2)によって増殖さ
せることができる。この培地はメタノールを炭素源とし
ていることが特徴である。
【0020】本発明のホルムアルデヒド分解菌は、ホル
ムアルデヒドを含むものであれば、特に限定されない
が、産業廃水、特にホルムアルデヒド含有の海水の処理
に適しており、海水に直接添加するか、または活性汚泥
などの生物学的処理槽に添加することもできる。
【0021】ホルムアルデヒドの分解に用いるホルムア
ルヒド分解菌の濃度は、処理の対象のホルムアルデヒド
の含有量によって、広い範囲で変化させることができ、
通常行われるように予備試験を行った後、ホルムアルデ
ヒド分解が好適に行われるように調整して分解菌を用い
る。
【0022】本発明のホルムアルデヒド分解菌は無機塩
の存在下でより効率よくホルムアルデヒドを分解する。
無機塩としては、硝酸または/および硫酸のアルカリ金
属塩、例えば、硝酸塩または硫酸塩のナトリウム塩また
はカリウム塩が好ましく、例えば、硝酸ナトリウム、硫
酸ナトリウムなどを用いることができる。無機塩の1種
またはそれ以上を組合せて用いる。無機塩の濃度は培地
中約0.01〜約1.0%であり、好ましくは、約0.0
5〜約0.5%、より好ましくは、約0.1〜約0.2%
である。
【0023】本発明のホルムアルデヒド分解菌はホルム
アルデヒドを分解して蟻酸を生成し、さらに蟻酸を水と
二酸化炭素に分解するが、生成する蟻酸と分解される蟻
酸のバランスが崩れたとき、PHによる障害が生じ分解
菌が死滅しやすくなる。炭酸水素ナトリウムはその緩衝
作用によってホルムアルデヒド分解菌が生存し得るPH
を維持するように添加される。分解菌が生存し得るPH
は、約6〜約9、好ましくは、約7〜約8.5である。
【0024】炭酸水素ナトリウムは、ホルムアルデヒド
分解処理の開始時に添加し炭酸水素ナトリウムの緩衝作
用的PH維持によることもできるし、分解処理中、少量
づつ分割してまたは連続的に添加することもできる。
【0025】本発明のホルムアルデヒド分解菌による処
理にあたって、さらに有機物を添加することによって、
分解処理が促進される。有機物およびその添加量は本発
明の分解菌の生存を妨げない有機物およびその量であれ
ばよいが、有機物として、ビタミンB12および酵母エキ
スなどを挙げることができる。
【0026】ホルムアルデヒド分解は、分解菌が好気性
細菌であるところから、通気または撹拌しながら約5〜
約38℃、好ましくは、約10〜約35℃、より好まし
くは、約25〜約35℃で行う。
【0027】分解処理時間は処理の対象となる廃水中の
ホルムアルデヒド含有量によって変わるが、分解処理の
終了点は、ホルムアルデヒド濃度測定キットなどにより
簡単に知ることができる。
【0028】例えば、本発明の方法は、図2記載のよう
な培養瓶を用いてホルムアルデヒドを含有する海水40
0mLに、硝酸ナトリウム0.4g、硫酸ナトリウム0.4
g、分解菌1.1×108個を添加し、室温にて24時間
通気すると、海水中の100ppmのホルムアルデヒドが
0ppmになる。
【0029】
【実施例】実施例1 S−FIT菌株の分離 使用した培地は海水を利用した液体培地および寒天培地
であり、組成は以下に示す。 液体培地 滅菌後、ホルムアルデヒド濃度が100ppmになるよう
にホルムアルデヒドを添加した。海水はADVANTEC NO.5A
を用いて濾過した。
【0030】寒天培地 滅菌後、ホルムアルデヒド濃度が100ppmになるよう
にホルムアルデヒドを添加した。海水はADVANTEC NO.5A
を用いて濾過した。
【0031】供試菌株を培地に接種した後、30℃で3
日間培養し、菌学的性質を観察した。
【0032】供試菌株を培地に接種した後、30℃で3
日間培養し、16SrRNA遺伝子塩基配列を解析し
た。 TGGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGATTGAACGCTGGCGGCATGCCTAACACATGCAAGTCGAACGCCAGCATA AGAGAGCTTGCTCTCTTGATGGCGAGTGGCGGACGGGTGAGTAATGTATAGGGATCTGCCCAGTAGTGGGGG ACAACAGTCGGAAACGACTGCTAATACCGCATACGCTCTACGGAGGAAAGCGGGGGACCTTTCGGGGCCTCG TGCTATTGGATGAACCTATATCAGATTAGCTAGTTGGTGGGGTAACGGCCTACCAAGGCGACGATCTGTAGC TGGTCTGAGAGGATGATCAGCCACACTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGG AATATTGGACAATGGGCGAAAGCCTGATCCAGCAATGCCGCGTGTGTGAAGAAGGCCTTCGGGTTGTAAAGC ACTTTCAATAGGGAGGAAAAGTTGTGTCCTAATACGGCATAACCCTGACGGTACCCATTGAAGGAGGCACCG GCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTA (531bases) データベース:BLAST Searchでのもっとも近縁とされる
株とその相同率
【0033】実施例2 合成培地によるS−FIT菌株
の育成 本発明のホルムアルデヒド分解能力を有する菌S−FI
T(FERM P−17872)は次の培地で育成する。海洋微生物
用合成培地の1種であるMSP−5を用いた。 MSP−5 *:試験管斜面培地の場合添加する。 **:他の培地成分を湿式滅菌(121℃、20min)した後、無
菌的に添加する。
【0034】Mineral Mix.の成分の詳細は次の通りであ
る。
【0035】鉄溶液 FeSO4・7H2O 2.0g、Yeast extract Ash1.0gを1N-
HCl溶液100mLに溶かし保存する。<鉄溶液0.5mL添
加するとFeSO4・7H2O 10mg、Yeast extractAsh 5.0m
g添加したことになる。>Yeast extract Ashは次のよ
うに調製する。
【0036】Yeast extract Ash の調製 (1)酵母エキス粉末(Difco)100gをビーカーにとり0.
1N-KOH 50mLを加えてペースト状にする。 (2)これを約10g蒸発皿にとり、電熱器の上で加熱し、
灰化が進む毎にペースト状酵母エキスを蒸発皿に加え、
煙が出なくなるまで加熱する。 (3)更に電気炉で550℃2日間加熱して完全に灰化す
る。
【0037】実施例3 無機塩添加の効果1 ホルムアルデヒド約100ppmを含む海水または滅菌海
水に本発明のS−FITを添加して、20℃にて通気し
ながら、無機塩を添加した場合についての効果を検討し
た。結果をホルムアルデヒドの濃度(ppm)で示した。
【0038】結果 ホルムアルデヒド約100ppmを含む海水に無機塩を添
加した場合、20℃にて通気しながら処理すると2日
後、ホルムアルデヒドは0ppmになる。ホルムアルデヒ
ド約100ppmを含む滅菌海水に本発明のS−FITと
無機塩を添加すると同様に、2日後0ppmになる。
【0039】実施例4 無機塩添加の効果2 実際の海水(未滅菌)中のホルムアルデヒド分解 方法 次の3種類を静置(通気せず)、室温にて無機塩の存在下
または不存在下で処理し、ホルムアルデヒド濃度を経時
的に測定した。 海水:大阪湾の海水 菌液:菌数測定(MPN法) 2.0×108個/mL 結果をホルムアルデヒドの濃度(ppm)で示した。
【0040】結果 本発明の分解菌および無機塩の顕著な効果が認められる
(A参照)。
【0041】実施例5 海水に硝酸ナトリウム0.1%、硫酸ナトリウム0.1%
を加え、滅菌後ホルムアルデヒドを添加し、ホルムアル
デヒド分解菌S−FITを接種して30℃にて通気し
た。 ホルムアルデヒド濃度:87ppm 装置は、実施例5と同じく培養瓶を用いた。
【0042】結果
【0043】実施例6 ホルムアルデヒド分解菌S−FITを凍結乾燥したもの
を用いて滅菌した海水400mL中のホルムアルデヒドを分
解した。海水に硝酸ナトリウム0.1%、硫酸ナトリウ
ム0.1%を加え、滅菌後ホルムアルデヒドを添加し凍
結乾燥菌0.4gを接種して25℃にて通気した。 海水のホルムアルデヒド濃度:97ppm 海水はADVANTEC NO.5Aを用いて濾過した。装置は、培養
瓶を用いた。(図2参照)
【0044】結果 2日後、ホルムアルデヒド濃度は0ppmになった。
【0045】実施例7 ホルムアルデヒド約200ppmを含む滅菌海水に本発明のS-
FITを添加して25℃にて通気しながら、ビタミンB12
酵母エキス(Difco)を添加した場合についての効果を検
討した。 上記の成分を121℃20分間滅菌処理した。ホルムアルデ
ヒドは滅菌・冷却後、添加した。海水はADVANTEC NO.5A
を用いて濾過した。装置は、培養瓶を用いた。(図2参
照)
【0046】結果 ビタミンB12、酵母エキスの顕著な効果が認められる。
【0047】実施例8 ホルムアルデヒド約400ppmを含む滅菌海水に本発明のS-
FITを添加して25℃にて通気しながら炭酸水素ナトリウ
ムを添加した場合についての効果を検討した。 上記培地成分を、121℃にて20分間滅菌し冷却後、別容
器に121℃にて20分間滅菌・冷却しておいた炭酸水素ナ
トリウム溶液(炭酸水素ナトリウム0.2gを蒸留水5mLに溶
解したもの)をに添加した。ホルムアルデヒドは滅菌
・冷却後、添加した。海水はADVANTEC NO.5Aを用いて濾
過した。装置は、培養瓶を用いた。(図2参照)
【0048】結果 炭酸水素ナトリウムの顕著な効果が認められる。
【0049】
【発明の効果】本願発明のホルムアルデヒド分解菌S−
FIT(FERM P−17872菌株)はホルムアルデ
ヒド対し顕著な分解能力を有し、特に海水中のホルムア
ルデヒドを効率よく分解する。また、硫酸または/およ
び硝酸のアルカリ金属塩、例えば、硫酸ナトリウム、硝
酸ナトリウムなどの存在下で通気(または撹拌)しながら
分解処理するとより優れた効果が得られる。さらに、有
機物、例えばビタミンB12または/および酵母エキスの
存在下で通気(または撹拌)しながら分解処理するとより
優れた効果が得られる。また、緩衝剤、例えば炭酸水素
ナトリウムの存在下で通気(または撹拌)しながら分解処
理するとより優れた効果が得られる。特に活性汚泥に添
加する必要がなく、処理操作が簡単であり、ホルムアル
デヒド含有海水に直接添加して通気するだけでよいとい
う利点も有する。
【0050】
【配列表】 <110> 恵美須薬品化工株式会社(EBISU YAKUHIN KAKOU CO., LTD.) <120> 微生物によるホルムアルデヒドの分解 <130> 174331 <140> JP <150> JP 特願2001-155566 <160> 1 <210> SEQ ID NO: 1 <211> 531 <212> RNA <213> Unknown <400> 1 TGGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGATTGAACGCTGGCGGCATGCCTAACACATGCAAGTCGAACGCCAGCATA AGAGAGCTTGCTCTCTTGATGGCGAGTGGCGGACGGGTGAGTAATGTATAGGGATCTGCCCAGTAGTGGGGG ACAACAGTCGGAAACGACTGCTAATACCGCATACGCTCTACGGAGGAAAGCGGGGGACCTTTCGGGGCCTCG TGCTATTGGATGAACCTATATCAGATTAGCTAGTTGGTGGGGTAACGGCCTACCAAGGCGACGATCTGTAGC TGGTCTGAGAGGATGATCAGCCACACTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGG AATATTGGACAATGGGCGAAAGCCTGATCCAGCAATGCCGCGTGTGTGAAGAAGGCCTTCGGGTTGTAAAGC ACTTTCAATAGGGAGGAAAAGTTGTGTCCTAATACGGCATAACCCTGACGGTACCCATTGAAGGAGGCACCG GCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTA
【図面の簡単な説明】
【図1】 海水中のホルムアルデヒドから蟻酸への経時
変化を示すグラフである。
【図2】 本発明のホルムアルデヒド分解方法に用いら
れる培養装置の一例を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 木村 俊夫 三重県津市上浜町1515番地 三重大学生物 資源学部内 Fターム(参考) 4B024 AA03 AA20 CA11 HA11 4B065 AA01X AC20 BB03 BB06 BB07 CA56 4D038 AA03 AA08 AB09 BB19 4D040 DD01 DD12

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒド分解能力を有し、かつ
    メチロファガ・スルフィドボランスと相同率90〜95
    %の塩基配列を含むメチロファガ・スルフィドボランス
    の近縁菌株。
  2. 【請求項2】 配列番号1: TGGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGATTGAACGCTGGCGGCATGCCTAACACATGCAAGTCGAACGCCAGCATA AGAGAGCTTGCTCTCTTGATGGCGAGTGGCGGACGGGTGAGTAATGTATAGGGATCTGCCCAGTAGTGGGGG ACAACAGTCGGAAACGACTGCTAATACCGCATACGCTCTACGGAGGAAAGCGGGGGACCTTTCGGGGCCTCG TGCTATTGGATGAACCTATATCAGATTAGCTAGTTGGTGGGGTAACGGCCTACCAAGGCGACGATCTGTAGC TGGTCTGAGAGGATGATCAGCCACACTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGG AATATTGGACAATGGGCGAAAGCCTGATCCAGCAATGCCGCGTGTGTGAAGAAGGCCTTCGGGTTGTAAAGC ACTTTCAATAGGGAGGAAAAGTTGTGTCCTAATACGGCATAACCCTGACGGTACCCATTGAAGGAGGCACCG GCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTA (531bases) の塩基配列を有するか、またはホルムアルデヒド分解能
    力を有し、かつメチロファガ・スルフィドボランスと相
    同率90〜95%の塩基配列を含む、請求項1記載のメ
    チロファガ・スルフィドボランスの近縁菌株。
  3. 【請求項3】 上記菌株が配列番号1の塩基配列を含む
    か、またはホルムアルデヒド分解能力を有し、かつ上記
    塩基配列の1〜10個の塩基が欠失、置換または付加し
    て得られた配列を含む、請求項1または2記載の菌株。
  4. 【請求項4】 FERM P−17872菌株。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の菌
    株を用いて、生物学的にホルムアルデヒドを分解処理す
    ることを特徴とする、ホルムアルデヒド分解方法。
  6. 【請求項6】 分解処理の対象がホルムアルデヒド含有
    廃水である、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 分解処理の対象がホルムアルデヒド含有
    海水である、請求項5または6記載の分解方法。
  8. 【請求項8】 海水中に本来存在するFERM P−1
    7872菌株を用いる、請求項5または7記載の分解方
    法。
  9. 【請求項9】 さらに無機塩を添加する、請求項5〜8
    のいずれか1項記載の分解方法。
  10. 【請求項10】 上記無機塩が、硝酸ナトリウムおよび
    硫酸ナトリウムである、請求項9記載の分解方法。
  11. 【請求項11】 さらに有機物を添加する、請求項5〜
    10のいずれか1項記載の分解方法。
  12. 【請求項12】 さらに炭酸水素ナトリウムを添加す
    る、請求項5〜11のいずれか1項記載の分解方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ホルムアルデヒド分解菌を含む、ホルムアルデヒド分解
    剤。
  14. 【請求項14】 さらに無機塩を含む、請求項13記載
    の分解剤。
  15. 【請求項15】 上記無機塩が、硝酸ナトリウムおよび
    硫酸ナトリウムである、請求項14記載の分解剤。
  16. 【請求項16】 さらに有機物を含む、請求項13〜1
    5記載のいずれか1項記載の分解剤。
  17. 【請求項17】 さらに炭酸水素ナトリウムを含む、請
    求項13〜16のいずれか1項記載の分解剤。
  18. 【請求項18】 FERM P−17872菌株を合成
    培地中で増殖させる方法であって、合成培地がメタノー
    ルを炭素源として添加されていることを特徴とする方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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