JP2003048534A - 空気振動を低減する鉄道車両設計方法及び設計された鉄道車両 - Google Patents

空気振動を低減する鉄道車両設計方法及び設計された鉄道車両

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JP2003048534A
JP2003048534A JP2001234764A JP2001234764A JP2003048534A JP 2003048534 A JP2003048534 A JP 2003048534A JP 2001234764 A JP2001234764 A JP 2001234764A JP 2001234764 A JP2001234764 A JP 2001234764A JP 2003048534 A JP2003048534 A JP 2003048534A
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Takeshi Kaida
武司 海田
Ichiro Maeda
一郎 前田
Shiro Hosaka
史郎 保坂
Hiroki Tsunoda
裕樹 角田
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Central Japan Railway Co
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気振動を低減する鉄道車両設計方法及び設
計された車両に関し、V wall値を最小にすることにより
空気振動を低減する形状の車両を設計する。 【解決手段】 (A)トンネル入口空気振動と線形音響
理論の〔(B)トンネル内圧力変動(微気圧波)の時間
波形〕とは比例関係にあり、(B)と(C)Vwa ll平均
値(仮想壁面に垂直な速度成分)の空間波形とは比例関
係にある。従って(A)の入口空気振動と(C)Vwall
平均値とは比例関係にあることになり、V wall値を最小
化すれば、入口空気振動を低減することができる。従っ
て、明かり区間で定常CFD解析を行い、Vwall平均値
を最小となるような車両の形状を選択できれば、低コス
トで車両設計ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気振動を低減する
鉄道車両設計方法及び設計された鉄道車両に関し、明か
り区間における定常CFD解析により求められる速度成
分値(Vwall値)が空気振動に比例するとの理論に基
き、この値を最小にするような車両形状を求め、車両の
トンネル(緩衝工)突入・退出時の空気振動を低減させ
るようにした方法であり、その方法により設計された鉄
道車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道車両の高速化に伴い、走行時
に発生する騒音の対策が問題となっており、特に高速の
車両がトンネル(緩衝工)に突入する場合及び車両がト
ンネル(緩衝工)から退出する場合には、空気振動や微
気圧波に伴う圧力変動が発生して騒音等の原因となって
おり、これら圧力変動を低減する鉄道車両の設計が必要
となってきている。
【0003】図9は鉄道車両が緩衝工に突入する際及び
緩衝工から退出する際に発生する圧力変動の原因を示す
説明図である。図9(a)において、車両50が高速で
トンネル入口の緩衝工51に突入し、トンネル52内へ
進行する場合を示している。車両50が緩衝工51入口
に入ると、入口において空気振動60が発生し、トンネ
ル区間(L)で生じた圧縮波61がトンネル52反対側
坑口から微気圧波62として放射される。車両50がト
ンネル52に突入する際にも空気振動60及び微気圧波
62は発生する。図9(b)において、車両50が高速
でトンネル52内からトンネル出口の緩衝工51に進行
し、緩衝工51から退出する場合を示している。車両5
0が緩衝工51出口から出ると、出口において空気振動
60が発生し、トンネル52内に圧縮波61が発生す
る。車両50がトンネル52から退出する際にも空気振
動60は発生する。空気振動60とは、車両50がトン
ネル52(緩衝工51)に突入する際及びトンネル52
(緩衝工51)から退出する際にトンネル52(緩衝工
51)の突入側及び退出側坑口から外部(明かり区間
(M))に放射される圧力波であり、微気圧波62と
は、車両がトンネル52(緩衝工51)に突入する際に
トンネル52(緩衝工51)の内部に発生する圧縮波6
1が成長し、トンネル52の反対側坑口から放射される
圧力波である。このように車両50がトンネル52(緩
衝工51)内へ突入する際及びトンネル52(緩衝工5
1)内から退出する際には、空気振動60や微気圧波6
2による圧力変動が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の鉄
道車両においては、高速でトンネル(緩衝工)へ突入す
る際には、トンネル(緩衝工)入口で空気振動が発生
し、トンネル(緩衝工)内では圧縮波が発生してトンネ
ル出口で微気圧波が放射され大きな圧力変動が生じる。
また、退出する際にもトンネル(緩衝工)出口で空気振
動が発生する。このような高速走行する鉄道車両がトン
ネル(緩衝工)に突入する際及びトンネル(緩衝工)か
ら退出する際に発生する空気振動を低減するための車両
の設計手法は充分に確立されておらず、又、その解析に
も多大なコストを伴うものである。又、このような空気
振動を低減させる形状を採用した車両も充分に開発され
ていないのが現状である。
【0005】そこで本発明では、空気振動とトンネル
(緩衝工)内圧力変動が比例するという理論(線型音響
理論の応用)、明かり区間における定常CFD解析によ
り求められる速度成分値(Vwall値)とトンネル(緩衝
工)内圧力変動が比例するという理論(Vwall理論)か
ら、空気振動とVwall値が比例するとしてVwall値を最
小化するような車両の形状を設計し、鉄道車両がトンネ
ル(緩衝工)内へ突入する際及びトンネル(緩衝工)内
から退出する際に発生する空気振動を低減することので
きる鉄道車両設計方法及び設計された鉄道車両を提供す
ることを課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の手段を提供する。
【0007】(1)明かり区間において車両まわりに仮
想トンネル(緩衝工)壁面を想定し;同仮想壁面全周囲
に対して仮想壁面に垂直な空気流の速度成分(V
wall値)を求め;前記Vwall値を小さくするような候補
形状を複数例設定し;同複数の候補形状の中から前記V
wall値の最も小さな形状の車両を選択することを特徴と
する空気振動を低減する鉄道車両設計方法。
【0008】(2)前記(1)記載の鉄道車両設計方法
により設計された鉄道車両。
【0009】(3)xを車両に設定した車両進行方向の
座標系の座標値(添字A〜Dは特定の点の座標を表し、
x=0は車両の先端部とする)、L0 を車両の先端部か
ら一様断面までのx方向の長さ、Sを車両の断面積(添
字0は一様断面の値を表す)、dS/ dxを断面積変化
率とすると、前記鉄道車両において、x=0〜xA (0
≦xA / L0 ≦0.05)の範囲でd( S/ S0)/ d(
x/ L0)=30〜40; x=xA 〜xB (0.2≦x
B / L0 ≦0.3)の範囲でd( S/ S0)/ d( x/ L
0)=0.9〜1.1;x=xB でS/ S0 =0.4〜
0.6;x=xB〜xC ( 0.4≦xC / L0 ≦0.6)
の範囲でd( S/ S0)/ d( x/ L0)=0.7〜0.
8;x=xC 〜xD ( 0.9≦xD / L0 ≦1.0) の
範囲でS/S0 =0.6〜1.0;に設定したことを特
徴とする(2)記載の鉄道車両。
【0010】本発明の(1)においては、空気振動と
(緩衝工)内圧力変動とが比例するという理論(線形音
響理論の応用)、Vwall値とトンネル内圧力変動とが比
例するという理論(Vwall理論)から、空気振動とV
wall値が比例関係にあるという理論が導き出せる。V
wall値は、明かり区間における定常CFD(Computatio
nalFluid Dynamics )解析により求められ、任意の仮想
壁面を想定し、その壁面に垂直な速度成分として求める
ことができる。
【0011】上記理論に基いて、本発明の(1)ではV
wall値を最小化するような車両の形状を選定する。即
ち、明かり区間において、定常CFD解析を行うことに
よりV wall値を小さくする車両形状を複数例求めてお
き、この中からVwall値の最も小さな形状の車両を選ぶ
ことにより空気振動を低減する車両の形状を設計するこ
とができる。又、空気振動低減効果は、トンネル(緩衝
工)突入・退出非定常CFD解析により、実際に車両を
トンネル(緩衝工)に突入及びトンネル(緩衝工)から
突入させ空気振動を計算することにより確認することが
できる。
【0012】本発明の(2),(3)では、上記(1)
の発明の鉄道車両設計方法により、定常CFD解析で設
計できるので、開発コストが削減でき、より多数の候補
の車両形状の中から最適な車両形状を選定でき、空気振
動を大幅に低減した鉄道車両が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基いて具体的に説明する。まず最初に本発明は
トンネル(緩衝工)内に突入及びトンネル(緩衝工)内
から退出する鉄道車両の空気振動を低減するような形状
とする車両の設計方法であり、トンネル(緩衝工)内に
突入する際の空気振動を低減するための車両設計法の基
本的な手順を図4〜9に基いて説明する。本車両設計方
法で設計された鉄道車両については図1〜図3により後
述する。
【0014】空気振動を低減する車両の先頭形状を策定
する際に、各候補形状に対してトンネル(緩衝工)突入
・退出非定常CFD解析を行うことは、計算コストの増
大につながり、候補形状数についても制限される。そこ
で、本発明では、『空気振動がVwall値と比例する』と
いう理論を導出し、明かり区間の定常CFD解析を多数
の候補形状について行い、Vwall値を低減する形状を策
定した(Vwall値については後述する)。その後に、低
減効果の見込まれるものに対してトンネル(緩衝工)突
入非定常CFD解析を行い、空気振動低減効果を確認し
た。
【0015】上記した『空気振動がVwall値と比例す
る』という理論は以下の,の2つの考え方を組み合
わせることにより得られるものである。即ち、Vwall
値とトンネル内圧力変動が比例する(Vwall理論);及
び空気振動とトンネル(緩衝工)内圧力変動が比例す
る(線形音響理論の応用);とを組合せる。以下にこれ
ら,の理論を説明し、『空気振動がVwall値と比例
する』という理論が成立つことについて説明する。
【0016】Vwall理論について;Vwall理論とは、
明かり区間における車両まわりの流れ場から、トンネル
突入時の微気圧波を予測するための理論である。この理
論としては、既に、例えば、「定常解を用いた列車トン
ネル突入時の圧力上昇予測法」、第26回流体力学講演
会〔(1994):小川隆申、藤井孝蔵〕において公表
されている理論である。
【0017】図4において、(a)は車両50が突入速
度U1 でトンネルに突入し、時間の経過と共に車両50
が(b),(c)のように進行している時の、車両から
見た車両トンネル突入時の流れ場を示している。車両が
トンネルに突入するということは、トンネルが車両と同
じ速度で車両を覆うことに相当する。図4(b)に示す
ようにトンネル壁面によって構成される流管62を考え
ると、トンネル突入時にはこの流管62の断面積が
1 ,S2 のように時間的に変動することになる。この
理論は、車両トンネル突入時のトンネル内圧力の時間変
化(微気圧波)が、流管断面積の時間的な変動によると
の考えに基づき、この流管62内の流れを1次元流れと
してモデル化して得られる。
【0018】モデル化する際の仮定は次の(a),
(b),(c)の通りであり、実際の車両については通
常満足される。即ち、(a)車両・トンネル断面積比が
小さい、(b)車両断面積の空間的な勾配が小さい、及
び(c)車両トンネル突入時のトンネル内圧力上昇量が
微小である。この理論によると、車両トンネル突入時の
トンネル内圧力の時間変化(微気圧波)が明かり区間で
の車両まわりの流れ場における仮想的なトンネル断面に
垂直な方向の速度成分(Vwall)に比例する。
【0019】評価方法としては、Vwall理論におけるV
wall値を、明かり区間での定常CFD解析により得られ
た物理量から評価する。Vwall値として、3次元流れに
おける評価断面での平均値(Vwall平均値)を用いた場
合の手順を以下の(1),(2),(3)に示す。これ
ら手順については、図5,図6を参照して説明する。
【0020】図5(a)は仮想トンネル壁面70内での
車両50を、(b)は仮想緩衝工壁面71内での車両5
0を、それぞれ示す断面図であり、各断面に垂直な方向
のV wallを示している。図6は車両進行方向座標値
(x)とVwall平均値〔m/秒〕の関係を、それぞれ図
5(a),図5(b)の例について示しており、それぞ
れVwall平均値MAX(トンネル)とVwall平均値MA
X(緩衝工)を持つカーブが示されている。図中、x=
0は車両先端を、x≦0は車両の前方部分、x≧0は車
両部分の領域を示している。
【0021】まず、手順(1)として;図5(a),
(b)に示す仮想壁面70,71の評価断面に垂直な方
向の速度成分(Vwall)を抽出する。
【0022】次に手順(2)として;図6に示すよう
に、車両進行方向(x方向)の各位置で評価断面内の平
均(線積分を全周の長さで割る)をとる(Vwall平均
値)。
【0023】手順(3)として;Vwall平均値のx方向
分布から最大値を求める(Vwall平均値MAX)。V
wallの評価断面についてはトンネル断面または緩衝工断
面を用い、トンネル断面で評価した場合を、Vwall平均
値MAX(トンネル)、緩衝工断面で評価した場合を、
wall平均値MAX(緩衝工)と呼ぶ。Vwall平均値M
AXをもつx位置での評価断面では、車両に近い側のト
ンネル(緩衝工)壁面で、ガイドウェイの影響を受けな
い位置(図5における車両右側上)でVwallが最大とな
る。
【0024】このように求められたVwall平均値MAX
を最小とするように、明かり定常CFD解析によりV
wall平均値MAXを低減する先頭形状の策定を行い、ト
ンネル(緩衝工)突入非定常CFD解析により得られる
空気振動を明かり定常CFD解析により得られるVwall
平均値MAXと比較して低減効果を評価する。
【0025】空気振動とトンネル(緩衝工)内圧力変
動が比例する理論について;(A)線形音響理論;線形
音響理論の支配方程式は、流体の連続の式と運動量保存
の式を組み合わせて速度の二乗の項を無視することによ
り、次の(1)式のように得られる。
【0026】
【数1】
【0027】点音源(湧き出しまたは吸い込み)がつく
る圧力場は線形音響理論の支配方程式を極座標に変換し
たものを用いて次の(2)式のように得られる。
【0028】
【数2】
【0029】上式より、湧き出しが時間的に変化する
と、その時間変化率に比例したパルスが遠方場で観測さ
れることがわかる。湧き出し(mが正)が減少するとき
には負のパルスが、吸い込み(mが負)が減少するとき
には正のパルスが発生する。
【0030】(B)空気振動発生のメカニズムを図7
(緩衝工に突入する場合)に基いて説明する。ポテンシ
ャル流れ理論では、(a)に示すように車両50先端を
移動湧き出し53、車両後端を移動吸い込み54でモデ
ル化することができる。車両50の先端が緩衝工51に
突入する場合には、(b)に示すように先端の湧き出し
53が緩衝工51内に入ることにより、外部領域から見
ると湧き出しが減少し消滅することになり、負のパルス
(空気振動の負のパルス)63が発生する。緩衝工51
内部から見ると湧き出し53が発生することになり、そ
の増加率は外部領域から見た場合の湧き出しの減少率と
大きさが同じで符号が反対である。緩衝工51内部では
この湧き出し53の増加に比例した圧力上昇64が発生
することになり、緩衝工51内の圧力の時間変化は緩衝
工内の湧き出しの増加率に比例し、外部領域から見た湧
き出しの減少率に比例(符号は反対)する。
【0031】つまり、外部領域で観測される負のパルス
は緩衝工51内の圧力の増加率に比例(符号は反対)す
ることが分かる。車両50の後端が緩衝工51に突入す
る場合には、湧き出しを吸い込み54に置き換えて考え
ると、外部領域で観測される正のパルスが緩衝工51内
の圧力の減少率に比例(符号は反対)することが導出で
きる。トンネル52に突入するときのパルス波について
も同様な説明ができる。上記に説明した理論は、例え
ば、「列車のトンネル突入時に突入側坑口から放射され
る圧力波」、流体力学会年会講演論文集〔(199
9):飯田雅宣、菊池克弘、福田傑〕において公表され
ている技術である。
【0032】次に、Vwall理論との組合せで空気振動が
wall値と比例するとの本発明の特徴について図8に基
いて説明する。上記「空気振動とトンネル(緩衝工)
内圧力変動が比例する理論」で述べたように、線形音響
理論の応用より、空気振動の時間波形とトンネル(緩衝
工)内圧力の時間微分波形が比例する(符号は反対)す
る。一方、上記に説明した「Vwall理論」によると、
wall値の空間波形はトンネル(緩衝工)内圧力の時間
微分波形に比例する。本発明では、この2つの理論を組
み合わせることにより、空気振動の時間波形がVwall
空間波形に比例(符号は反対)すると言える。この仮定
はトンネル(緩衝工)突入非定常CFD解析結果でも確
認されている。以上により、空気振動がVwall値と比例
(符号は反対)することが証明できた。
【0033】上記のように本発明においては、冒頭にも
述べたように『空気振動がVwall値に比例する』との理
論により、明かり区間での定常CFD解析を行うことに
より、Vwall値を低減することができる車両の形状を求
め、これにより、トンネル(緩衝工)入口及びトンネル
(緩衝工)出口での空気振動を低減できる車両の形状の
設計がなされるものである。
【0034】図1は本発明の実施の一形態に係る鉄道車
両の斜視図であり、上記に説明した車両設計方法により
設計したトンネル(緩衝工)入口及び出口での空気振動
を低減する形状を有する車両である。図2において、
(a)は平面図、(b)は側面図である。
【0035】本発明の車両設計方法により設計した鉄道
車両は図示のように空気流を考慮し先端部へ向って細く
なるような滑らかな曲面で変化しており、図示のように
〜の特徴を有するものであり、次にその細部を説明
する。
【0036】xを車両に設定した車両進行方向の座標系
の座標値(添字A〜Dは特定の点の座標を表し、x=0
は車両の先端部とする。)、L0 を車両の先端部から一
様断面までのx方向の長さ、Sを車両の断面積(添字0
は一様断面積の値を表す)、dS/ dxを断面積変化率
とする。
【0037】台車先端の断面積;構造、装備等拘束条
件の厳しい台車先端の断面積を小さくする。即ち、x=
B ( 0.2≦xB / L0 ≦0.3)での断面積をS/
0=0.4〜0.6とする。
【0038】Vwall平均値のピークになりやすい台車
前方の断面積変化率を小さくする。即ち、台車前方、x
=xA 〜xB (0≦xA / L0 ≦0.05)の間は、断
面積変化率を小さく、d( S/ S0)/ d( x/ L0)=
0.9〜1.1の範囲とする。
【0039】台車前方の断面積変化を小さくするた
め、あらかじめ車両先端の断面積変化を大きくする。即
ち、車両先端(x=0〜xA の範囲)では断面積変化率
を大きく、d( S/ S0)/ d(x/ L0 )=30〜40
とする。
【0040】台車部の断面積変化率は小さい方が望ま
しい。即ち、x=xB 〜xC (0.40≦xC / L0
0.60)の範囲において、断面積変化率は、d( S/
0)/ d( x/ L0)=0.7〜0.8の範囲とする。
【0041】車両前方で断面積変化率を小さくするた
めに生じた一定断面積との面積差は、車両後方(x=x
C 〜xD (0.9≦xD / L0 ≦1.0))においてS
字カーブ(カスプ)を用いて対応する。この車両後方、
x=xC 〜xD においては断面積、S/ S0 =0.6〜
1.0の範囲で変化させる。
【0042】図3は上記に説明した車両進行方向の座標
値xと断面積S/ S0 、断面積変化率d( S/ S0)/ d
( x/ L0 ) との関係を示し、(a)は断面積S/ S0
を、(b)はd(S/ S0 )/ d( x/ L0 )を、それ
ぞれ示している。
【0043】上記に説明した図1に示した車両10にお
いては、空気振動とVwall値とが比例関係にある、とい
う本発明の理論に基いて、明かり区域での定常CFD解
析を行ってVwall値を小さくする図1に示すような車両
の形状を決定することができる。この理論により設計さ
れた車両は従来よりも著しく空気振動を低減させること
ができる。このような車両の設計では定常CFD解析で
車両設計ができるので、開発コストが削減でき、より多
くの候補形状を計画し、その中から最適な形状の車両を
選択することができる。
【0044】なお、低減効果は、トンネル(緩衝工)突
入・退出非定常CFD解析により、実際に車両をトンネ
ル(緩衝工)へ突入及びトンネル(緩衝工)から退出さ
せて空気振動を計算することができ、効果を確認するこ
とが可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明の空気振動を低減する鉄道車両の
設計方法は、(1)明かり区間において車両まわりに仮
想トンネル(緩衝工)壁面を想定し;同仮想壁面全周囲
に対して仮想壁面に垂直な空気流の速度成分(V
wall値)を求め;前記Vwall値を小さくするような候補
形状を複数例設定し;同複数の候補形状の中から前記V
wall値の最も小さな形状の車両を選択することを特徴と
している。
【0046】本発明の(1)においては、空気振動とト
ンネル(緩衝工)内圧力変動とが比例するという理論
(線形音響理論の応用)、Vwall値とトンネル内圧力変
動とが比例するという理論(Vwall理論)から、空気振
動とVwall値が比例関係にあるという理論が導き出せ
る。
【0047】上記理論に基いて、本発明の(1)ではV
wallを最小化するような車両の形状を選定する。即ち、
明かり区間において、定常CFD解析を行うことにより
wa ll平均値を小さくする車両形状を複数例求めてお
き、この中からVwall値の最も小さな形状の車両を選ぶ
ことにより空気振動を低減する車両の形状を設計するこ
とができる。又、空気振動低減効果は、トンネル(緩衝
工)突入・退出非定常CFD解析により、実際に車両を
トンネル(緩衝工)に突入及びトンネル(緩衝工)から
退出させ空気振動を計算することにより確認することが
できる。
【0048】本発明の(2),(3)では上記(1)の
発明の鉄道車両設計方法により設計された車両であり、
(2)では特に車両の形状を車両の各位置において数値
により特定したものである。本発明の(1)の方法によ
り、定常CFD解析で設計できるので、開発コストが削
減でき、より多数の候補の車両形状の中から最適な車両
形状を選定でき、空気振動を大幅に低減した鉄道車両が
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る空気振動を低減す
る鉄道車両の斜視図である。
【図2】図1に示す車両の先端からの距離を示す図で、
(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る鉄道車両の長さ方
向の形状を示す図で、(a)は断面積の分布、(b)は
断面積変化率の分布を、それぞれ示す。
【図4】本発明の空気振動を低減する鉄道車両の設計方
法の理論の説明図で、(a),(b),(c)は車両の
トンネル突入時の車両から見た流れ場の推移を、(d)
はトンネルを管流とした場合の図を、それぞれ示す。
【図5】本発明の空気振動を低減する鉄道車両の設計方
法の理論の説明図で、(a)はトンネルのVwall評価断
面、(b)は緩衝工のVwall評価断面を、それぞれ示
す。
【図6】本発明の空気振動を低減する鉄道車両の設計方
法におけるVwall平均値の分布図である。
【図7】本発明の空気振動を低減する鉄道車両の設計方
法の理論の説明図で、緩衝工突入時の空気振動のメカニ
ズムを示し、(a)は緩衝工突入前、(b)は緩衝工突
入時を、それぞれ示す。
【図8】本発明の空気振動を低減する鉄道車両の設計方
法の理論構成を示す全体図である。
【図9】車両が緩衝工に突入する際及び緩衝工から退出
する際の空気振動を示す一般的な説明図である。
【符号の説明】
10,50 車両 51 緩衝工 52 トンネル 60 空気振動 61 圧縮波 62 微気圧波 70 仮想トンネル壁面 71 仮想緩衝工壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 一郎 名古屋市港区大江町10番地 三菱重工業株 式会社名古屋航空宇宙システム製作所内 (72)発明者 保坂 史郎 名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海 旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 角田 裕樹 名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海 旅客鉄道株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 明かり区間において車両まわりに仮想ト
    ンネル(緩衝工)壁面を想定し;同仮想壁面全周囲に垂
    直な空気流の速度成分(Vwall値)を求め;前記Vwall
    値を小さくするような候補形状を複数例設定し;同複数
    の候補形状の中から前記Vwall値の最も小さな形状の車
    両を選択することを特徴とする空気振動を低減する鉄道
    車両設計方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の鉄道車両設計方法に
    より設計された鉄道車両。
  3. 【請求項3】 xを車両に設定した車両進行方向の座標
    系の座標値(添字A〜Dは特定の点の座標を表し、x=
    0は車両の先端部とする)、L0 を車両の先端部から一
    様断面までのx方向の長さ、Sを車両の断面積(添字0
    は一様断面の値を表す)、dS/ dxを断面積変化率と
    すると、前記鉄道車両において、x=0〜xA (0≦x
    A / L0 ≦0.05)の範囲でd(S/ S0)/ d( x/
    0)=30〜40;x=xA 〜xB (0.2≦xB / L
    0 ≦0.3)の範囲でd( S/S0)/ d( x/ L0)=
    0.9〜1.1;x=xB でS/ S0 =0.4〜0.
    6;x=xB 〜xC ( 0.4≦xC / L0 ≦0.6) の
    範囲でd( S/ S0)/ d(x/ L0)=0.7〜0.8;
    x=xC 〜xD ( 0.9≦xD / L0 ≦1.0) の範囲
    でS/ S0 =0.6〜1.0;に設定したことを特徴と
    する請求項2記載の鉄道車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016045128A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 公益財団法人鉄道総合技術研究所 移動体の長さ補正装置とその長さ補正プログラム

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