JP2003047957A - 浄水器 - Google Patents

浄水器

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JP2003047957A
JP2003047957A JP2001240977A JP2001240977A JP2003047957A JP 2003047957 A JP2003047957 A JP 2003047957A JP 2001240977 A JP2001240977 A JP 2001240977A JP 2001240977 A JP2001240977 A JP 2001240977A JP 2003047957 A JP2003047957 A JP 2003047957A
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JP2001240977A
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Shigeo Tochikubo
滋夫 栃窪
Ichiro Tomatsu
一郎 戸松
Takashi Kachi
岳志 加知
Kazuto Matsue
和人 松江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】捕捉性及び吐水性の双方を向上させた浄水器を
提供すること。 【解決手段】浄水器は、通水室100を有する容器10
1と、通水室100に給水する給水具104と、通水室
100に給水された水を浄化する濾過材1と、濾過材1
で浄化された水を吐出する吐水具105とを有する。濾
過材1は互いに並設された第1の濾過材と第2の濾過材
とを有する。第1の濾過材10Aと第2の濾過材10B
とのうちの一方は、平均細孔径が相対的に小さく且つ吐
水性が相対的に小さい活性炭フィルタで形成されてい
る。第1の濾過材10Aと第2の濾過材10Bとのうち
の他方は、平均細孔径が一方よりも相対的に大きく且つ
吐水性が一方よりも相対的に大きい活性炭フィルタで形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性炭フィルタを有
する浄水器に関する。本発明に係る浄水器としては、一
般家庭、医院、飲食店等に飲用また調理用として使用さ
れる浄水器が例示される。
【0002】
【従来の技術】従来、日本においては、水道水からカル
キ分、トリハロメタン類等を吸着、化学反応等により除
去するには、粒状の活性炭を利用したフィルタを有する
浄水器が広く使用されている。フィルタとして活性炭の
集合体を焼成して固形化した焼成活性炭ブロックフィル
タも採用されている。
【0003】また、情報開示の進んだアメリカでは、天
然起源のポリオウイルスに加え、ワクチンとして投与さ
れた弱毒化したポリオウイルスが糞便とともに、河川に
流出し、毒性を回復するケースが確認されて、日本にお
いても指摘される事例が出て来た。即ち、ポリオウイル
スを含めて、生体の消化管内で増殖し、糞便中に多量に
含まれる、コクサッキーウイルス、エコウイルス、伝染
性肝炎ウイルス、アデノウイルス、レオウイルスの6群
が指摘されている。
【0004】更に、日本にはないが、アメリカでは、上
記ポリオウイルス等のウイルスの除去が上水の基準とし
て決められている。その他の地域では、ロシア、東南ア
ジア、アフリカ、中南米において、相変わらず、ポリオ
は猛威を振っており、そこで、簡易、安価に、また、使
い勝手のよい、ポリオウイルス等の菌を効果的に除去で
きる浄水器が緊急に必要となっている。
【0005】アメリカでは、水道水中の原虫、例えば十
数μmの大きさのクリプトスポリジューム、一般細菌等
を除去する目的で、微粉末の活性炭と熱可塑性樹脂粉末
とを混合した原料で形成された中空円筒状の圧縮活性炭
ブロックフィルタが普及している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】固形化した焼成活性炭
ブロックフィルタを実用に供する場合、上記した焼成活
性炭ブロックフィルタでは、中空糸膜を利用した浄水器
と比較して、水の透過面積が圧倒的に少ない。このため
焼成活性炭ブロックフィルタでは、捕捉性を高めるべく
細孔を小さくしようとすると、通常の水圧では、浄水器
の単位時間当たりの吐水量が小さくなり、実用的な浄水
器として使用出来ない。
【0007】そこで、焼成活性炭ブロックフィルタにお
いて単位時間当たりの吐水量を一定レベル以上に確保す
るためには、活性炭の粒径を大き目に設定することが必
要となる。しかしこの場合には、焼成活性炭ブロックフ
ィルタの単位時間当たりの吐水量は確保されるものの、
捕捉性が不足する。即ち、日本国内で一般に細菌保証と
して用いられる0.3μm径のbrevundimonas diminuta
(以下、brevundimonasともいう)、0.65μmの大腸
菌等の捕捉性が不足し、焼成活性炭ブロックフィルタを
透過してしまう欠点があった。更に、25〜35nm径
のポリオウイルス(polio-virus)、ポリオウイルスの
試験代替として用いられるbacteriophageMS-2 も、焼成
活性炭ブロックフィルタを透過してしまい、焼成活性炭
ブロックフィルタで良好に捕捉できるものではなかっ
た。このように従来の浄水器において捕捉性及び単位時
間当たりの吐水性の双方を向上させることは、必ずしも
容易ではなかった。
【0008】本発明は上記した課題に鑑みてなされたも
のであり、捕捉性及び単位時間当たりの吐水性の双方を
向上させた浄水器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る浄水器は、
通水室を有する容器と、通水室に連通し通水室に給水す
る給水具と、通水室に給水された水を浄化するように通
水室に収容された濾過材と、通水室に連通し濾過材で浄
化された水を吐出する吐水具とを有する浄水器におい
て、濾過材は、互いに並設された第1の濾過材と第2の
濾過材とを有しており、第1の濾過材と第2の濾過材と
のうちの一方は、平均細孔径が相対的に小さく且つ単位
時間当たりの吐水性が相対的に小さい活性炭フィルタで
形成されており、第1の濾過材と第2の濾過材とのうち
の他方は、平均細孔径が前記一方よりも相対的に大きく
且つ単位時間当たりの吐水性が前記一方よりも相対的に
大きい活性炭フィルタで形成されていることを特徴とす
るものである。
【0010】本発明に係る浄水器によれば、第1の濾過
材と第2の濾過材とのうちの一方は、平均細孔径が相対
的に小さく且つ単位時間当たりの吐水性が相対的に小さ
い活性炭フィルタで形成されており、このため菌及び微
粒子等に対する捕捉性が確保される。また第1の濾過材
と第2の濾過材とのうちの他方は、平均細孔径が前記一
方よりも相対的に大きく且つ単位時間当たりの吐水性が
相対的に大きい活性炭フィルタで形成されており、この
ため単位時間当たりの吐水性が確保される。このため本
発明に係る浄水器によれば、第1の濾過材及び第2の濾
過材を組み合わせているため、菌及び微粒子等に対する
捕捉性及び吐水性の双方を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】・本発明に係る浄水器の好ましい
形態によれば、第1の濾過材と第2の濾過材とは筒形状
をなしており、第1の濾過材と第2の濾過材とのうちの
一方は外周側に配置され、且つ、第1の濾過材と第2の
濾過材とのうちの他方は内周側に配置されている形態を
採用できる。第1の濾過材と第2の濾過材とのうちの一
方は、平均細孔径が相対的に小さいため、菌及び微粒子
等に対する捕捉性が良好であるものの、通水時における
圧損が大きく、単位時間当たりの吐水性が小さい。しか
し前記したように単位時間当たりの吐水性が小さい前記
一方を濾過材の外周側に配置すれば、単位時間当たりの
吐水性が低い一方の通水開始面の面積を大きくさせるの
に有利となり、菌及び微粒子等に対する捕捉性を確保し
つつ、該一方における吐水性を大きくさせるのに有利と
なる。
【0012】なお、第1の濾過材と第2の濾過材とのう
ちの一方(平均細孔径が相対的に小さい側)に係る平均
細孔径としては、0.1〜0.5μm、殊に0.2〜
0.3μmを例示することができるが、これらに限定さ
れるものではない。また、第1の濾過材と第2の濾過材
とのうちの他方(平均細孔径が相対的に大きい側)の平
均細孔径としては、0.5〜3.0μm、殊に0.5〜
1.0μmを例示することができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0013】・本発明に係る浄水器の好ましい形態によ
れば、濾過材は円筒形状をなしており、濾過材の半径方
向において電圧を印加する電極端子が設けられている形
態を採用できる。この場合、濾過材全体に電圧を印加さ
せるのに有利であり、濾過材の細孔に捕捉した菌等に電
圧を印加させて制菌を行うのに有利である。
【0014】・また、第1の濾過材と第2の濾過材とは
筒形状をなしており、同軸的に配置されている形態を採
用できる。この場合、第1の濾過材と第2の濾過材とを
一体成形により同軸的に配置できる。一体成形されてい
る場合には、第1の濾過材と第2の濾過材とは接合され
ている。また第1の濾過材と第2の濾過材とを互いに独
立させて同軸的に配置できる。独立させる場合には、互
いに第1の濾過材と第2の濾過材とを嵌合させることが
好ましい。
【0015】・本発明に係る浄水器の好ましい形態によ
れば、濾過材側に直接的または間接的に付設され正極及
び負極のいずれか一方につながる第1電極端子と、容器
側に直接的または間接的に付設され正極及び負極のいず
れか他方につながる第2電極端子とを具備する形態を採
用できる。この場合、濾過材の細孔に捕捉した菌等に電
圧を印加させて制菌を行うのに有利である。
【0016】・本発明に係る浄水器の好ましい形態によ
れば、濾過材は、孔を有する筒形状をなしており、孔に
は、給水具または吐水具に連通する通水路を形成する筒
部材が配置されており、筒部材につながると共に正極及
び負極のいずれか一方につながる電極端子が設けられて
形態を採用できる。
【0017】(焼成活性炭ブロックフィルタ)濾過材を
構成する第1の濾過材及び第2の濾過材としては、ウイ
ルス等の菌に対する捕捉性を高めた焼成活性炭ブロック
フィルタで形成することができる。以下、この捕捉性を
高めた焼成活性炭ブロックフィルタ(以下、ブロックフ
ィルタともいう)について説明を加える。本発明者は、
平均粒径が35(または30)〜200μmの基材活性
炭と、粒径が30μm以下の超微粉活性炭とを配合した
配合活性炭と、人造あるいは天然のセラミックス系のバ
インダとを混合した原料を加圧成形した後、焼成し、多
数の細孔を生成した焼成活性炭ブロックフィルタを製造
すれば、ウイルス等の菌の捕捉性の向上に有効であり、
且つ、超微粉活性炭の配合を増加させた分、ブロックフ
ィルタの細孔径を小さくでき、更に超微粉活性炭の他に
平均粒径が大きな基材活性炭が配合されているため、ブ
ロックフィルタの単位時間当たり吐水量も確保でき、実
用的な吐水量が得られることを知見した。ウイルス等の
菌の捕捉性の向上に有効である理由としては、焼成活性
炭ブロックフィルタ内の水が通過する微細透過路の内壁
において、ウイルス等の菌の捕捉性が良好な超微粉活性
炭等の活性炭が高い頻度で表出し易くなるためと推察さ
れる。殊に、超微粉活性炭は焼成活性炭ブロックフィル
タ内の水が通過する微細透過路の内壁において、負帯電
するウイルス等の菌に対して良好なる静電吸着部位とな
ると思料される。
【0018】更に本発明者は、上記した知見において、
配合活性炭とセラミックス系のバインダとの重量配合比
において、配合活性炭の割合を増加させると共に、人造
あるいは天然セラミックス系のバインダの量を減少させ
れば、ウイルス等の菌の捕捉性の向上に更に有効であ
り、且つ、実用的な吐水量が得られることを知見し、本
発明に係る浄水器の濾過材として好適な焼成活性炭ブロ
ックフィルタ、焼成活性炭ブロックフィルタの製造方法
を完成した。即ち、焼結のために配合される人造あるい
は天然のセラミックス系のバインダは、活性炭の表面を
覆う傾向があり、本来的には、焼成活性炭ブロックフィ
ルタの内部に形成されている水が通過する微細透過路に
おいて活性炭が表出しにくくなる。このためセラミック
ス系のバインダを減少させれば、焼成活性炭ブロックフ
ィルタ内の水が通過する微細透過路において、ウイルス
等の菌の捕捉に有利な超微粉活性炭等の活性炭が高い頻
度で表出し易くなるためと推察される。
【0019】更に、バインダは人造あるいは天然のセラ
ミックス系のバインダであるため、焼成活性炭ブロック
フィルタに熱湯を透過させても、樹脂系バインダとは異
なり、焼成活性炭ブロックフィルタは耐熱性における問
題が生じないため、焼成活性炭ブロックフィルタに捕捉
したウイルス等の菌を熱湯殺菌できる効能をも本発明者
は見出した。
【0020】好ましい形態に係る焼成活性炭ブロックフ
ィルタの製造方法は、平均粒径が35(または30)〜
200μmの基材活性炭と、粒径が30μm以下の超微
粉活性炭とを配合した配合活性炭と、人造あるいは天然
のセラミックス系のバインダとを混合し、配合活性炭及
びセラミックス系のバインダの合計を100重量%とし
たとき、セラミックス系のバインダを重量比で50重量
%以下とすると共に、配合活性炭を50重量%以上に配
合した原料を加圧成形した後、焼成し、多数の細孔を生
成したことを特徴とするものである。
【0021】好ましい形態に係る浄水器に使用される濾
過材を構成する焼成活性炭ブロックフィルタ(殊に、平
均細孔径及び吐水性が相対的に小さい側の前記一方)に
おける設計思想としては、次の(1)〜(3)である。 (1)平均粒径が35(または30)〜200μmの基
材活性炭の他に、粒径が30μm以下の超微粉活性炭を
積極的に補充する。これによりブロックフィルタ内の水
が通過する微細透過路において、超微粉活性炭が表出し
易くなると思料される。超微粉活性炭としては20μm
以下のものが好ましい。従って、超微粉活性炭は、1〜
20μmの粒子が80重量%以上、1μm未満が20重
量%以下とすることができる。なお基材活性炭により、
焼成活性炭ブロックフィルタの強度が確保され、細孔径
の過小化も抑えられ、単位時間当たりの吐水性が確保さ
れるる。 (2)樹脂バインダは帯電列で負側にかなり寄ってお
り、負帯電することが知られている。またウイルス等の
菌も負帯電することが文献上知られている。このため樹
脂バインダを用いたブロックフィルタでは、静電反発に
よりウイルス等の菌の捕捉性は損なわれると推察され
る。しかしながらバインダを人造または天然のセラミッ
クス系とすれば、負帯電するウイルス等の菌に対して静
電反発を抑えることができ、ブロックフィルタが本来的
に有する捕捉性、吸着性を確保し易い。 (3)焼結のために配合される人造あるいは天然のセラ
ミックス系のバインダは、活性炭の表面を覆う傾向があ
り、本来的には、ブロックフィルタの内部に形成されて
いる水が通過する微細透過路において超微粉活性炭等の
活性炭が表出しにくくなる。そこで、配合活性炭及びセ
ラミックス系のバインダを混合した原料において、配合
活性炭を多目にし、セラミックス系のバインダを少な目
にしている。即ち、配合活性炭及びセラミックス系のバ
インダの合計を100重量%としたとき、バインダを重
量比で50重量%以下とすると共に、配合活性炭を50
重量%以上に配合している。このようにセラミックス系
のバインダを減少させれば、ブロックフィルタ内の水が
通過する微細透過路において、超微粉活性炭等の活性炭
が高い頻度で表出し易くなると推察される。
【0022】上記した(1)〜(3)により、浄水器に
おける捕捉性及び吸着性が向上する。殊に、後述するウ
イルス等の菌の捕捉に有効となる。故に、日本における
試験最小細菌、即ち、外径0.3μmx長さ0.8μm
とされるbrevundimonasをブロックフィル
タで捕捉することができる。後述するアメリカでのpo
lio−virusに対する試験代替菌、即ち、bac
teriophageMS−2については、日本で試験
水圧1.0kgf/cm2においても、アメリカ国内で
の試験水圧60psi(4.2kgf/cm2)におい
ても、焼成活性炭ブロックフィルタにより効率よく捕捉
することができる。なお、polio−virusは病
菌であるため、直接的には試験せず、polio−vi
rusに対する安全な試験代替菌であるbacteri
ophage MS−2で試験を行うのが一般的であ
る。
【0023】・好ましい形態に係る浄水器の濾過材に使
用される焼成活性炭ブロックフィルタ(殊に、平均細孔
径及び吐水性が相対的に小さい側の前記一方)の製造方
法の基本設計思想としては、次の(4)(5)も追加的
に併用することが更に好ましい。 (4)焼成温度を1200℃以下(950〜1200
℃)とすることが好ましい。これにより活性炭自身がも
つ細孔が焼き締まりにより過剰に収縮することを抑え、
吸着の機能が劣化しない温度限界以内とする。また、活
性炭の粒子と活性炭の粒子のつなぎとなっているセラミ
ックス系のバインダにおいては、逆に収縮量を大きめに
し、ブロックフィルタの細孔を大きくし、捕捉性能を下
げないことにすることが好ましい。上記した基本設計思
想(1)〜(3)との組み合わせにより、理想的な細孔
径とし易い。 (5)成形圧力を増加させることが好ましい。例えば1
MPaとすることができる。成形圧力の増加により、原
料を顆粒化した場合には、圧力の増加によって顆粒化し
た原料の接触面が潰れ合い、細孔の縮小に有利となる。
【0024】・好ましい形態に係る浄水器の濾過材とし
て使用される焼成活性炭ブロックフィルタにおいて、配
合活性炭に占める超微粉活性炭が過剰に多いと、基材活
性炭が不足するため、ブロックフィルタがボソボソとな
り、強度が不足する。配合活性炭に占める超微粉活性炭
が過剰に少ないと、適切な細孔を得るに不利となる。ブ
ロックフィルタの好ましい形態によれば、重量比で、超
微粉活性炭/基材活性炭は、0.1〜0.8に設定され
ていることが好ましい。殊に、重量比で、超微粉活性炭
/基材活性炭は、0.2〜0.5の範囲、または、0.
25〜0.40の範囲、または、0.25〜0.35の
範囲にできる。
【0025】・ブロックフィルタの平均細孔径が過剰に
大きいと、単位時間当たりの吐水量は確保されるもの
の、捕捉性及び吸着性が低下する。ブロックフィルタの
平均細孔径が過剰に小さいと、捕捉性及び吸着性は確保
されるものの、単位時間当たりの吐水量が低下する。ブ
ロックフィルタの好ましい形態によれば、細孔の分布に
おいて、最頻度ピークは、10μm以下に存在してい
る。この場合、細孔体積を100体積%としたとき、1
0μmを越える細孔は、20体積%以下、10体積%以
下、5体積%以下または0体積%である形態を採用でき
る。
【0026】・セラミックス系のバインダおよび配合活
性炭を100重量%としたとき、超微粉活性炭の割合は
最も理想的には、下限としては8重量%以上、14重量
%以上が好ましい。例えば、10重量%以上、15重量
%以上、20重量%以上、30重量%以上、上限として
は40重量%以下を例示できる。
【0027】・配合活性炭及びセラミックス系のバイン
ダを100重量%としたとき、バインダとしては30〜
50重量%の範囲、殊に30〜48重量%の範囲、30
〜45重量%の範囲とすることができる。バインダとし
ては、人造または天然のものを採用でき、アルミナ成分
及びシリカ成分の少なくとも一方を主要成分とするもの
を例示できる。
【0028】・ブロックフィルタの好ましい形態に寄れ
ば、細孔の分布において最頻度ピークは10μm以下に
存在しており、細孔体積を100体積%としたとき、
2.5μm以下の細孔は40体積%以上または50体積
%以上であり、且つ、8μmを越える細孔は30体積%
以下である形態を採用できる。
【0029】・人造あるいは天然のセラミックス系のバ
インダは微粉であって細かいほど好ましい。この場合、
ブロックフィルタの細孔径を小さくするのに有利であ
る。セラミックス系のバインダは、粒度が150μm以
下であることが好ましい。殊にバインダは、平均粒度が
50μm以下、30μm以下、10μm以下、5μm以
下の粒子を採用できる。
【0030】・ブロックフィルタの細孔径を小さくする
ことを考慮すると、バインダは、人造あるいは天然のセ
ラミックス系のバインダを100重量%としたとき、5
μm以下の微小な粒子が30重量%以上を占めているも
のが好ましい。殊に40重量%以上、なかでも50重量
以上、60重量%以上を占めているものが好ましい。な
かでも、人造あるいは天然のセラミックス系のバインダ
を100重量%としたとき、5μm以下の微小な粒子が
70重量%以上を占めているものが好ましく、殊に、1
μm以下の極微小な粒子が30重量%以上を占めている
ものが好ましい。
【0031】・好ましいブロックフィルタの製造方法に
よれば、人造あるいは天然のセラミックス系のバインダ
の重量%は、配合活性炭の重量%よりも少ない。この場
合、ブロックフィルタにおける細孔径を小さくするのに
有利である。超微粉活性炭の割合が多い場合には、ブロ
ックフィルタの強度が低下して割れやすくなる傾向があ
る。しかしながら人造あるいは天然のセラミックス系の
バインダの粒度を上記したように細かいものを選択すれ
ば、ブロックフィルタの強度を確保しつつ、ブロックフ
ィルタにおける細孔径の縮小化を図り得る。
【0032】・好ましいブロックフィルタの製造方法に
よれば、基材活性炭は平均粒径が大きく、ブロックフィ
ルタの強度確保、吐水性の確保に有効である。このため
基材活性炭を100重量%としたとき、30〜200μ
mの粒子を10〜70重量%占める形態を採用できる。
超微粉活性炭は、基材活性炭の平均粒径よりも小さな平
均粒径を有し、粒径が20μm以下とすることが好まし
い。超微粉活性炭としては、1〜20μmの粒子が80
重量%以上、1μm未満の粒子が20重量%以下の粒度
をもつ形態が採用できる。但し、これに限定されるもの
ではない。超微粉活性炭は、ブロックフィルタの強度を
低下させる傾向があるものの、超微粉活性炭が配合され
ると、ブロックフィルタにおける細孔径縮小に有利であ
る。
【0033】・好ましいブロックフィルタの製造方法に
よれば、原料を加圧成形するとき、成形圧力を1.0M
Pa以上とする形態を採用できる。この場合、原料が顆
粒であるとき、顆粒原料の接触面同士を押し潰し、粒子
同士で形成される細孔を小さくするのに有利である。成
形圧力を1.2MPa以上、1.5MPa以上にでき
る。成形圧力の上限値としては、加圧装置によっても異
なり、例えば、2.0MPa、4.0MPa、5.0M
Paとすることができる。
【0034】・配合活性炭とセラミックス系のバインダ
とを混合した原料を加圧成形したとき、セラミックス系
のバインダにより活性炭の表面が覆われ、活性炭が本来
もつ比表面積が減少する傾向がある。本発明に係る製造
方法によれば、バインダの割合が比較的少ないため、活
性炭が本来もつ比表面積をブロックフィルタの微細透過
路に表出させるのに有利となる。焼成活性炭ブロックフ
ィルタは、ウイルス等の菌の捕捉性に優れているが、超
微粉活性炭を主要成分として含むため、圧損が高く、吐
水性が低い傾向がある。しかし上記したように平均細孔
径が大きく低圧損の濾過材を併有すれば、ウイルス等の
菌の捕捉性を確保しつつ、吐水性を確保できる。
【0035】なお、上記した焼成活性炭ブロックフィル
タについての説明は、平均細孔径及び単位時間当たりの
吐水性が相対的に小さい側の前記一方を構成する焼成活
性炭ブロックフィルタについて適用することが好まし
い。しかしこれに限らず、場合によっては、平均細孔径
及び単位時間当たりの吐水性が相対的に大きい側の前記
他方を構成する焼成活性炭ブロックフィルタに適用する
こともできる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を示す。ま
ず、説明の便宜上、濾過材を構成する焼成活性炭ブロッ
クフィルタの製造から説明を加える。本実施例で用いた
超微粉活性炭としては20μm以下のものが大部分を占
めていた。この超微粉活性炭の粒度分布を図1に示す。
図1に示すように、粒径は25μm以内に設定されてお
り、20μm以内のものが99.80重量%を占めてい
た。この超微粉活性炭において、最頻度領域は4.47
〜13.25μmとされ、メジアン径は6〜7μmであ
った。本実施例で用いた基材活性炭によれば、平均粒径
が30〜100μmの範囲に設定されていた。
【0037】図2は、基材活性炭と超微粉活性炭とを混
合した発明品1に係る配合活性炭の粒度分布を示す。図
2に示すように、配合活性炭全体を100重量%とした
とき、粒径が30μm以下の活性炭が多かった。図3
は、従来品に係る配合活性炭の粒度分布を示す。図3に
示すように、従来品に係る配合活性炭全体を100重量
%としたとき、粒径が30μm以下の活性炭は少なかっ
た。
【0038】本実施例で用いたセラミックス系のバイン
ダは、150μm以下のアルミナ−シリカ系(アルミ
ナ:40〜70重量%ーシリカ:30〜60重量%)で
あった。即ち、バインダを100重量%としたとき、約
5μmの超微粉の粒子が80重量%を占めていた。
【0039】そして、バインダと基材活性炭と超微粉活
性炭との配合割合を、表1に示すように設定し、発明品
1に係る原料を形成した。この場合、超微粉活性炭、バ
インダを十分混合できるよう、粉体調合のための混合機
により混和した。本実施例によれば、混合機により5分
間混和した後、所定量の水を噴霧して、5秒後に停止し
た。出来あがった顆粒は水分量が少なく、顆粒径は小さ
い。この場合、顆粒同士が粘結せず、大きな細孔を形成
してしまう。このため、原料中の水分量を多くすること
が肝要である。そのため、水分を補充するため、高圧の
霧吹きで、室内を加湿して過飽和の湿度状態を作り、3
日放置して、水分量が50%を越えたものを顆粒状の原
料とした。
【0040】
【表1】
【0041】油圧プレス装置を用い、成形圧力:1.5
MPaとし、上記した顆粒状の各原料の集合体を加圧成
形し、中空円筒状の成形体(外径129mmx内径29
mmx高さ200mm)を成形した。この成形体に乾燥
熱風を当て、強制乾燥させた。その後、窒素雰囲気で最
高温度1195℃のまま、10時間の移動時間を保持す
る連続式トンネルキルンで成形体を焼成し、表1に示す
発明品1に係る焼成活性炭ブロックフィルタを作成し
た。
【0042】更に、表1に示す条件に基づいて、同様な
手順で、発明品2に係る原料を作成し、発明品2に係る
ブロックフィルタを形成した。同様に表1に示す条件に
基づいて、発明品3〜発明品5に係る原料、従来品に係
る原料をそれぞれ作成し、発明品3〜発明品5に係るブ
ロックフィルタ、従来品に係るブロックフィルタをそれ
ぞれ作成した。
【0043】表1は、各ブロックフィルタにおける物性
値を示す。表1に示すように、発明品3では、バインダ
の割合が58%と多かった。発明品4では、バインダの
割合が60%と多かった。発明品5では、バインダの割
合が30%と少なく、超微粉活性炭は配合されているも
のの、基材活性炭は配合されていなかった。従来品で
は、基材活性炭は配合されているものの、超微粉活性炭
は配合されていなかった。
【0044】超微粉活性炭の割合が多い場合には、焼成
活性炭ブロックフィルタの強度が低下して割れやすくな
る傾向がある。しかしながら本実施例においては上記し
たように人造あるいは天然のセラミックス系のバインダ
の粒度を細かいものを選択しているため、焼成活性炭ブ
ロックフィルタの強度を確保でき、しかも焼成活性炭ブ
ロックフィルタにおける細孔径の縮小化に有利となる。
【0045】図4は発明品1に係る焼成活性炭ブロック
フィルタの顕微鏡写真(試験片:No.11−3)を示
す。図5は従来品に係る焼成活性炭ブロックフィルタの
顕微鏡写真(試験片:No.2W−3)を示す。図4、
図5において黒色っぽい部分は活性炭を示し、白色っぽ
い部分はセラミックス系のバインダを示す。図4に示す
ように、発明品1では、黒色っぽい部分の占有面積が多
く、ブロックフィルタの微細透過路に超微粉活性炭等の
活性炭が高頻度で表出しているのがわかる。このような
発明品1では、捕捉性、吸着性の向上に有効である。な
お、図4に示す視野全体を100面積%とすると、黒色
っぽい部分の占有面積は70〜85%程度と推察され
る。
【0046】図5に示すように、従来品では、白色っぽ
い部分の占有面積が多く、従ってブロックフィルタの微
細透過路に多数のバインダが高頻度で表出しており、活
性炭があまり表出していないことがわかる。このような
従来品では、捕捉性、吸着性の向上にはあまり有効でな
いことがわかる。
【0047】図6は発明品1に係る焼成活性炭ブロック
フィルタにおける細孔径の分布を示す。細孔径の分布は
水銀圧入法で試験した。図6に示すように、発明品1に
おいて、細孔径は小さく、10μmを越える細孔は実質
的に含まれておらず、良好であった。発明品2について
も同様な細孔分布が得られた。即ち、発明品1、2に係
る焼成活性炭ブロックフィルタにおいて、1μm以下の
細孔体積を100体積%としたとき、2.5μm以下の
細孔径をもつ細孔は、40体積%以上であり、且つ、8
μmを越える細孔径をもつ細孔は少なかった。即ち、こ
のようにすれば、焼成活性炭ブロックフィルタの気孔率
を高く確保でき、焼成活性炭ブロックフィルタから吐水
される吐水量を確保しつつ、焼成活性炭ブロックフィル
タの細孔径を小さくし、且つ、ウイルスの捕捉に効果的
である。
【0048】図7は従来品に係る焼成活性炭ブロックフ
ィルタにおける細孔径の分布を示す。従来品に係る焼成
活性炭ブロックフィルタにおいては、細孔径は大きく、
20μmを越える大きなサイズの細孔の体積%は高かっ
た。図7に示すように従来品では、2.5μm以下の微
細な細孔は多いものの、20μm付近に大きな頻度ピー
クが発生しており、且つ、100μm程度の大きな細孔
もかなり存在していた。このように、20μm以上の大
きな細孔の存在は、単位時間当たりの吐水量を確保でき
るものの、焼成活性炭ブロックフィルタにおける捕捉
能、吸着能は必ずしも充分ではない。
【0049】表1に示すように、ブロックフィルタの気
孔率については、発明品1、発明品2は39〜42%で
あった。一方、超微粉活性炭が配合されていない従来品
に係るブロックフィルタについては、気孔率がやや低
く、37%であった。圧縮強さについては、発明品1、
発明品2、発明品3、発明品4は良好であった。しかし
基材活性炭が配合されていない発明品5は、圧縮強さが
かなり低かった。超微粉活性炭が配合されていない従来
品は、圧縮強さは高かった。クロロホルム除去率につい
ては、クロロホルムを溶解した原水(40ppb)を透
過させて除去率を測定した行った。クロロホルム除去率
については、発明品1、発明品2は発明品3、発明品
4、従来品よりも良好であった。
【0050】(浮遊塵透過)0.3μm以上の粒子を含
む空気をブロックフィルタに透過させる試験を行った。
この場合には、0.3μmの空気中の浮遊塵を透過させ
て、レーザー光で浮遊塵を測定する。表1に示すよう
に、平均径が0.3μmの粒子の透過粒子の検出数につ
いては、空気1リットルあたり、発明品1は透過粒子の
検出数10個以下であり、良好であった。発明品2は4
0〜50個であり、良好であった。発明品3は600個
であり、あまり良好ではなかった。発明品4は透過粒子
検出数は20個であり、良好であった。発明品5は、強
度が不足しているため、試験できなかった。従来品は5
000個以上であり、良好ではなかった。このとき、ブ
ロックフィルタに供給する前の空気1リットルあたり
0.3μmの粒子数は、平均45000個をカウントし
た。このように発明品1、発明品2は、発明品3、発明
品4、従来品に比べて、微粒子に対する捕捉性が優れて
いることが分かる。
【0051】(brevundimonas菌の透過)
外径0.3μmx長さ0.8μmのbrevundim
onas菌をブロックフィルタに透過させる試験も行っ
た。発明品1においては、ブロックフィルタの平均細孔
径が、0.40μmと比較的大きめを示したにも拘わら
ず、brevundimonas菌の透過数は0であ
り、捕捉性が極めて優れていた。発明品2において透過
数は510個/ml/350万個であり、ブロックフィ
ルタとしては良好であった、ここで、510個/ml/
350万個とは、1mlあたりbrevundimon
as菌を350万個含む原水を用いたとき、透過数は5
10個であることを意味する。発明品4において350
個/ml/120万個であり、ブロックフィルタとして
は良好であった。
【0052】吐水性が良好であるものの捕捉性が必ずし
も充分ではない従来品では、透過菌数は1000個を越
えており、良好ではなかった。従って、発明品1〜発明
品4は従来品に比較して優位性を有する。殊に発明品
1,2、なかでも発明品1は、バクテリアプルーフ性を
有する焼成活性炭ブロックフィルタになり得たことにな
り、従来品に比較して特に優位性を有する。
【0053】(ポリオウイルスの代替菌の除去試験)ポ
リオウイルスの代替菌の除去試験を行った。日本国内で
は、ポリオの発症例が殆どなくなって来ているため、上
水においては除去の対象となっていない。しかしながら
上水技術に関するアメリカ等の先進国では、国として上
水浄化の基準を設けている。この状況により、アメリカ
国内市場の家庭用浄水器の半分は、細孔径が10オング
ストロームの逆浸透膜方式が占め、各家庭においてポリ
オウイルスに対する防衛を図っている。ポリオウイルス
は外径25〜35nm(250〜350オングストロー
ム:0.025〜0.035μm)の円球状であって、
周囲に多数の突起を持ち、コンペイ糖状である。実際の
ポリオウイルスを使っての透過試験は極めて危険であ
り、実施は不可能である。そこで、アメリカでは代替試
験菌として普及しているほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ形状
を有する”bacteriophage MS−2”を
使用した試験が医療分野を含む各方面で利用されてい
る。そこで本発明者は、このMS−2を用いた透過試験
を実施した。ブロックフィルタに透過させる前の原水に
含まれているMS−2の数は、100万/mlであっ
た。
【0054】試験結果によれば、表1に示すように、発
明品1は、MS−2を透過させなかった。このように発
明品1に係るブロックフィルタは、MS−2ひいてはポ
リオウイルスを効果的に捕捉することができると推察さ
れる。図4に示すように、発明品1では、ブロックフィ
ルタのうち水が通る微細透過路に超微粉活性炭等の活性
炭が高頻度で表出しているためと推察される。このとき
のブロックフィルタに作用する試験水圧は、30psi
(2.1kgf/cm2)、60psi(4.2kgf
/cm2)に設定した。特に後者の水圧条件は、アメリ
カでの平均水圧に近似するものである。発明品4に係る
ブロックフィルタは、一番小さな平均細孔径(0.24
μm)を有するため、MS−2の捕捉率が大きいことを
期待した。発明品4においては、30psi(2.1k
gf/cm2)では、MS−2は発明品4に係るブロッ
クフィルタを透過することがなく、60psi(4.2
kgf/cm2)のときには、MS−2の透過数を50
個以下に抑えることができた。
【0055】ところで、アメリカ市場の通常の浄水器に
おいて普及しているポリエチレンバインダの圧縮活性
炭、また日本市場で普及しているポリプロピレンの中空
糸膜においては、溶解性鉛、即ち、鉛イオンを良好に除
去できることは、広く開示されている。ポリエチレン及
びポリプロピレンは素材として、元来負荷電に帯電する
ものであり、水中にあっても、流速を伴う界面において
は、数万ボルトの負の静電気を発生することは公知であ
る。従って、正荷電の鉛イオンは、ポリエチレン及びポ
リプロピレンに静電吸着により除去され易い。
【0056】しかしながらポリエチレンバインダを混合
したブロックフィルタでは、ポリオウイルス等のウイル
スが捕捉された報告は、従来、一切ない。その理由は、
負荷電をもつウイルスは、負荷電に帯電するポリエチレ
ン、ポリプロピレンに静電反発し、捕捉困難であるため
と思料される。従来、菌についての捕捉報告としては、
細孔によって捕捉できる最小径0.3μmのサイズをも
つbrevundimonas、0.65μmのサイズ
をもつ大腸菌、十数μmのサイズをもつクリプトスポリ
ジューム等の原虫の類、あるいは、数十μmの雑菌の類
のみに限定されて来た。
【0057】ポリオウイルス、または、その代替菌であ
るbacteriophage MS−2の場合には、
全体がVP1〜VP4のカプシドタンパク質で形成され
ていものと推測され、その表面はVP1〜VP3で覆わ
れ、カルボキシル基に由来する負荷電であることが知ら
れている。従って、表面が負荷電となる特性をもつポリ
エチレンバインダでは、負荷電のウイルス類は、静電反
発し、捕捉されないものと推察される。
【0058】しかしながら、人造あるいは天然のセラミ
ックス系のバインダを燒結しブロックフィルタを形成し
た場合には、完全な無機の燒結体の性状、特性を呈する
から、浄水器の使用条件では、正、負いずれも帯電する
ことはないと考えられる。このため、ポリエチレンバイ
ンダが負帯電する場合とは全く異なり、負帯電するウイ
ルスを静電反発せず、ブロックフィルタに捕捉できるも
のと推察される。
【0059】なお、従来、負荷電のウイルスを上水場で
除去する技術として、正荷電の凝集剤を使う方法が数多
くの文献(例:浄水の技術 技報堂出版、丹保憲仁他、
45頁、凝集とフロック形成の項)で開示されている。
また従来、ウイルスが負荷電であることは、各方面で知
られている。
【0060】発明品5においては、セラミックス系のバ
インダの割合を極端に低減し、且つ、基材活性炭を配合
していない。このため気孔率は39.1%と比較的大き
くなるが、焼成強度が不足し、透過した水の圧力で細孔
が一挙に崩れてしまう欠点を生じた。なお、上記した発
明品5と同一組成について、表1に記載されていない成
形圧力3.1MPa、2.5MPa、0.8MPaでそ
れぞれ個別に加圧した試験体を作成した。これらについ
ても、焼成活性炭ブロックフィルタの細孔分布がどのよ
うに変化するか調べたが、基材活性炭が配合されていな
いとき、バインダが30%程度と少ない場合には、成形
圧力を大きくしたとしても、透過した水の圧力で、細孔
が一挙に崩れて破損してしまう欠点を生じた。従って発
明品5については、透過させる水の圧力がかなり小さい
用途、あるいは、破損しても支障がない部位に適用する
ことができる。
【0061】また従来品については、基材活性炭は配合
されているものの、超微粉活性炭が全く含まれておら
ず、且つ、原料において活性炭が50重量%、アルミナ
バインダが50重量%である。このため従来品に係るブ
ロックフィルタについては、成形圧力によってブロック
フィルタの細孔径及び分布がかなり変化するが、成形圧
力を上げるにつれて、ブロックフィルタの気孔率が減少
する傾向が得られ、細孔径は大きいままであり、2.5
μm〜数10μmのかなり粗大な細孔が多数残留してい
た。従ってブロックフィルタの細孔径を小さくするに
は、超微粉活性炭等の微粉活性炭の配合が有効であるこ
とが分かる。
【0062】前記したように、原料においてセラミック
ス系のバインダが少ない場合には、成形圧力を増加させ
ても、焼成活性炭ブロックフィルタの細孔の縮小に貢献
することはなかった。むしろ、超微粉活性炭の配合比を
増やすことの方が効果は高かった。
【0063】上記した実施例によれば、バインダとして
シリカーアルミナ系を使用しているが、粘りの強いもの
であれば、これに代えてまたは共に、シリカ、マグネシ
ア、粘土系等広範囲のものが使用できる。
【0064】実施例1に係る浄水器を図8に示す。浄水
器の濾過材1は、上記した発明品1に係るブロックフィ
ルタを利用して形成されている。濾過材1は、縦型の円
筒形状(外径122mmx内径35mmx高さ186m
m)をなしており、軸芯に軸芯方向に沿って貫通する貫
通孔3を区画する内周面140を有する。濾過材1の軸
端面の欠けを防止する樹脂製のキャップ4、4がシリコ
ン接着剤等の接着剤により濾過材1の軸端面にそれぞれ
固定されている。
【0065】図8に示すように、浄水器は、通水室10
0を持つ導電性を持つ金属製(例えばステンレス鋼)の
円筒形状を示す容器101と、容器101に通水室10
0に収容された水透過性を持つ濾過材1と、濾過材1の
貫通孔3内に配置された筒部材としての内筒2と、容器
101の底部に装備された導電性を有しない材料(例え
ば樹脂)台座102と、容器101の天井部に装備され
た導電性を有する材料(例えばステンレス鋼)で形成さ
れた蓋部103と、容器101に保持され容器101の
通水室100に給水する給水具104と、容器101に
保持された通水室100及び内筒2に連通する吐水具1
05と、濾過材1の底側に挿入されて保持された導電性
材料(例えばチタン合金または銅合金)で形成された突
起状の複数個の第1電極107と、第1電極107に電
気的に接続する導電部材108と、導電部材108を介
して第1電極107に通電するように濾過材1側に付設
された電極端子109(第1電極端子)と、内筒2の下
部に電気的に接続されるように台部102に保持された
第2電極110と、第2電極110に通電すると共に内
筒2及び蓋部103を介して容器101側に付設された
電極端子111(第2電極端子)とを有する。
【0066】図8に示すように、浄水器に搭載されてい
る筒形状の濾過材1は、内側に配置された円筒形状の内
側濾過材10Aと、外側に同軸的に配置された円筒形状
の外側濾過材10Bとで複数層構造で構成されている。
外側濾過材10Bは、内側濾過材10Aと同軸的配置と
されており、超微粉活性炭が配合されている上記した発
明品1または発明品2のブロックフィルタで形成された
緻密層で構成されている。前記したように発明品1また
は発明品2は、ウイルス等の菌に対する捕捉性に優れて
おり、緻密層であるため、表1に示すように、従来品に
比較して、平均細孔径が小さく、通水時における圧損が
高く、単位時間当たりの吐水量が小さい。
【0067】そこで、吐水性を補うべく、内側濾過材1
0Aは、超微粉活性炭が配合されておらず且つ平均細孔
径が大きい従来品(表1参照)で形成された粗径層で構
成されている。この従来品は、捕捉性が必ずしも充分で
はないものの、通水時における圧損が低くく、単位時間
当たりの吐水量が大きい。したがって本実施例に係る浄
水器によれば、ウイルス等の菌に対する捕捉性を確保し
つつ、単位時間当たりの吐水量を高めることができる。
【0068】なお内側濾過材10Aと外側濾過材10B
とは互いに一体成形されていても良いし、あるいは、独
立して形成したものを実質的に同軸的に嵌合して配置す
ることにしても良い。
【0069】上記したように発明品1または発明品2か
らなる外側濾過材10Bは緻密層であり、単位時間当た
りの吐水量が少ない。しかし外側濾過材10Bの外周面
(濾過材1の外周面1m)は濾過材1の中心軸芯からの
半径距離r1が大きいため、外側濾過材10Bのうち通
水開始面である外周面(濾過材1の外周面1m)の表面
積を大きくするのに有利となる。この結果、単位時間当
たりの外側濾過材10Bの通水量を大きくでき、ひいて
は浄水器の単位時間当たりの吐水量を大きくするのに貢
献できる。
【0070】本例では濾過材1の外周面1mと容器10
1の内周面101mとの間には、リング形状の隙間13
0が同軸的に形成されている。第1電極107は正電極
とされている。このため第1電極107が埋設されてい
る濾過材1は正極となる。第2電極110は負極とされ
ている。このため、第2電極110に導通する導電材料
で形成されている内筒2は負極となる。濾過材1では細
孔同士が連通しているため、水透過性を有する。
【0071】浄水器を使用して水を浄化する場合には、
第1電極107に導通する電極端子109を正極側に、
第2電極110に導通する電極端子111を負極側に電
気接続する。この状態で、電極端子109及び電極端子
111間に電圧(例えば1〜6ボルト、2〜3ボルト)
を印加する。従って、第1電極107に導通する濾過材
1は正極となる。第2電極110に導通する内筒2は負
極となる。内筒2、更には内筒2の上部に蓋部103を
介して導通する容器101は、負極となる。この結果、
濾過材1はこれの半径方向に電圧が印加され、濾過材1
の細孔に捕捉された菌に対して電圧を印加させて制菌を
行うことができる。
【0072】浄水の際には、給水具104から通水室1
00内に水を流す。濾過材1の外周面1mと容器101
との間の隙間130から、水は濾過材1の内部をこれの
半径方向に沿って中心方向に向けて(矢印W方向)透過
する。濾過材1を透過した水は、濾過材1の貫通孔3に
至り、濾過材1内の内筒2の通孔2cから内筒2内の通
路2aに浸入し、内筒2の通路2a内を流れ、吐水具1
05の吐水口105aから外部に浄水として吐出され
る。
【0073】上記した電圧の印加により、濾過材1の細
孔内壁は正極をなしている。故に、通過する細菌、殊
に、静電的影響を受けやすい超微細な25nm〜35n
mのウイルス等は、静電吸着されて、表出している細孔
内壁の微粉活性炭部分に固定され、系外に出ることは抑
えられる。このようにすれば、濾過材1における捕捉能
及び吸着能の向上効果を一層に期待できる。
【0074】尚、上記した実施例においては、第1電極
107及び電極端子109を正極とし、第2電極110
及び電極端子111を負極としているが、場合によって
は、第1電極107及び電極端子109を負極とし、第
2電極110及び電極端子111を正極とすることもで
きる。
【0075】上記したウイルス捕捉性に優れたブロック
フィルタによって、ウイルス、細菌の捕捉性に優れてい
ることを証明した。しかし菌が濾過材に捕捉されたまま
濾過材1の内部で生きていることには問題を生じる。こ
のため、本実施例によれば、本来的に耐熱性をもつ濾過
材1以外の浄水器の構成部品の全てを90〜100℃の
耐熱性をもつ耐熱部材で構成している。このため、浄水
器に定期的に熱湯を供給し、殺菌を熱湯によって可能と
した。ウイルス及び大腸菌は、75℃を越えると、少な
くとも1分以内で死滅することは公知である。
【0076】(実施例2)実施例2を図9に示す。実施
例2に係る浄水器は、実施例1に係る浄水器と基本的に
は同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。共通す
る部位には共通の符号を付する。実施例2においても、
浄水器に搭載されている筒形状の濾過材1は、内側に配
置された円筒形状の内側濾過材10Aと、外側に同軸的
に配置された円筒形状の外側濾過材10Bとで複数層構
造で構成されている。外側濾過材10Bは、内側濾過材
10Aと同軸的配置とされており、超微粉活性炭が配合
された上記した発明品1または発明品2のブロックフィ
ルタで形成された緻密層で構成されている。前記したよ
うに発明品1または発明品2は、ウイルス等の菌に対す
る捕捉性に優れており、緻密層であるため、表1に示す
ように、従来品に比較して、平均細孔径が小さく、通水
時における圧損が高く、単位時間当たりの吐水量が小さ
い。
【0077】そこで、吐水性を補うべく、内側濾過材1
0Aは、超微粉活性炭が配合されておらず且つ平均細孔
径が大きい従来品(表1参照)で形成された粗径層で構
成されている。この従来品は、通水時における圧損が低
くく、単位時間当たりの吐水量が大きい。したがって本
実施例によれば、ウイルス等の菌に対する捕捉性を確保
しつつ、単位時間当たりの吐水量を高めることができ
る。
【0078】但し本実施例においては、前記した実施例
で用いた第1電極107は設けられておらず、濾過材1
に対して電圧も印加しない。このように濾過材1に対し
て電圧を印加しない場合においても、水中での導電性異
材質による自然発生の起電力が通常250mV、400
μAであり、ブロックフィルタで形成された濾過材1が
正帯電していた。
【0079】(実施例3)実施例3に図10に示す。本
実施例に係る浄水器は、実施例1に係る浄水器と基本的
には同様の構成である。共通する部位には共通の符号を
付する。本実施例によれば、図10に示すように、浄水
器に搭載されている筒形状の濾過材1は、内側に配置さ
れた円筒形状の内側濾過材10Aと、外側に同軸的に配
置された円筒形状の外側濾過材10Bとを有している。
内側濾過材10Aは、外側濾過材10Bと同軸的配置と
されており、上記したようにウイルス等の菌に対する捕
捉性に優れた発明品1または発明品2に係るブロックフ
ィルタで形成された緻密層で構成されている。発明品1
または発明品2は緻密層であり、表1に示すように、平
均細孔径が小さく、圧損が高く、単位時間当たりの吐水
量が小さい。このためこれを補うべく、外側濾過材10
Bは、細孔径が大きい従来品に係るブロックフィルタ
(表1参照)で形成されている。従来品は、単位時間当
たりの吐水量が大きく且つ通水時における圧損が低い。
したがって本実施例によれば、ウイルス等の菌に対する
捕捉性を確保しつつ、単位時間当たりの吐水量を高める
ことができる。
【0080】単位時間当たりの吐水量が小さい内側濾過
材10Aの肉厚は、taとして示されている。単位時間
当たりの吐水量が大きい外側濾過材10Bの肉厚は、t
bとして示されている。肉厚taは肉厚tbよりも小さ
く設定されている。これにより浄水器の単位時間当たり
の吐水量が確保されている。
【0081】一つの指標として、ポリオウイルス捕捉性
を推測可能な代替菌であるbrevundimonas 透過試験によ
れば、4.2kgf/cm2の水圧の場合、捕捉性を良
好に確保するには、緻密層の肉厚は最低15mm必要で
あった。また吐水量との関係から見ると、緻密層の肉厚
が最大25mmまでは相関的に吐水量は変化するが、2
5mmを越えると差ほど変化しなくなる試験結果を得
た。
【0082】上記した実施例1〜実施例3によれば、緻
密層と粗径層との2本の異なるサイズを独立して切削加
工して寸法を出し、組み合わせて濾過材1を形成しても
良い。また、同一の成形プレス型のキャビティに、緻密
層となる原料と、粗径層となる原料とを分けて充填し、
まとめて加圧成形し、緻密層と粗径層とを一体的に成形
し、濾過材1を製造しても良い。これにより濾過材1の
生産性が向上する。この場合、緻密層となる原料と粗径
層となる原料とでは配合比が異なるため、乾燥収縮量、
焼成収縮量が緻密層と粗径層とで異なり、クラックが生
じないような配慮が要請される。
【0083】(その他)実施例1では、平均細孔径が相
対的に小さい外側濾過材10Bは、超微粉活性炭を配合
した発明品1または発明品2からなるブロックフィルタ
で形成されており、平均細孔径が相対的に大きい内側濾
過材10Aは、超微粉活性炭を配合していない従来品か
らなるブロックフィルタで形成されている。しかしこれ
に限らず、平均細孔径が相対的に小さい外側濾過材10
Bを、超微粉活性炭を配合した発明品3または発明品4
からなるブロックフィルタで形成し、平均細孔径が相対
的に大きい内側濾過材10Aを、超微粉活性炭を配合し
ていない従来品からなるブロックフィルタで形成しても
良い。
【0084】また上記した実施例1〜3では、ブロック
フィルタを形成するバインダとしてセラミックス系のバ
インダを採用しているが、これに限らず、樹脂バインダ
とすることもできる。上記した実施例では濾過材1は2
層構造とされているが、場合によっては、3層構造とし
ても良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実
施例、実施例のみに限定されるものではなく、例えば濾
過材1のサイズは上記したものに限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる
ものである。上記した実施形態、実施例に記載した語句
は各請求項に記載できるものである。
【0085】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握できる。 (付記項1)各請求項において、第1の濾過材と第2の
濾過材とのうちの一方は焼成活性炭ブロックフィルタで
形成されており、この焼成活性炭ブロックフィルタは、
基材活性炭と基材活性炭の平均粒径よりも平均粒径が小
さい超微粉活性炭とを配合した配合活性炭と、バインダ
とを混合した原料を用い、原料を加圧成形した後、焼成
して形成されていることを特徴とする浄水器。 (付記項2)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方は焼成活性炭ブロ
ックフィルタで形成されており、この焼成活性炭ブロッ
クフィルタは、基材活性炭と基材活性炭の平均粒径より
も平均粒径が小さい超微粉活性炭とを配合した配合活性
炭と、人造あるいは天然のセラミックス系のバインダと
を混合した原料を用い、原料を加圧成形した後、焼成し
て形成されていることを特徴とする浄水器。 (付記項3)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方は焼成活性炭ブロ
ックフィルタで形成されており、この焼成活性炭ブロッ
クフィルタは、平均粒径が35〜200μmの基材活性
炭と粒径が30μm以下の超微粉活性炭とを配合した配
合活性炭と、人造あるいは天然のセラミックス系のバイ
ンダとを混合した原料を用い、原料を加圧成形した後、
焼成して形成されていることを特徴とする浄水器。 (付記項4)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方は焼成活性炭ブロ
ックフィルタで形成されており、この焼成活性炭ブロッ
クフィルタは、平均粒径が35〜200μmの基材活性
炭と粒径が30μm以下の超微粉活性炭とを配合した配
合活性炭と、人造あるいは天然のセラミックス系のバイ
ンダとを混合し、配合活性炭及びセラミックス系のバイ
ンダの合計を100重量%としたとき、セラミックス系
のバインダを重量比で50重量%以下とすると共に、配
合活性炭を50重量%以上に配合した原料を用い、原料
を加圧成形した後、焼成して形成されていることを特徴
とする浄水器。 (付記項5)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方は焼成活性炭ブロ
ックフィルタで形成されており、この焼成活性炭ブロッ
クフィルタは、平均粒径が30〜200μmの基材活性
炭と粒径が30μm以下の超微粉活性炭とを配合した配
合活性炭と、人造あるいは天然のセラミックス系のバイ
ンダとを混合し、配合活性炭及びセラミックス系のバイ
ンダの合計を100重量%としたとき、セラミックス系
のバインダを重量比で50重量%以下とすると共に、配
合活性炭を50重量%以上に配合した原料を用い、原料
を加圧成形した後、焼成して形成されていることを特徴
とする浄水器。 (付記項6)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方は、第1の濾過材
と第2の濾過材とのうちの他方よりも平均細孔径が小さ
く且つ単位時間当たりの吐水量が小さい焼成活性炭ブロ
ックフィルタで形成されていることを特徴とする浄水
器。 (付記項7)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの平均細孔径が相対的に
小さい側の一方の焼成活性炭ブロックフィルタは、これ
を構成する活性炭の平均粒径が相対的に小さく、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの平均細孔径が相対的に
大きい側の他方の焼成活性炭ブロックフィルタは、これ
を構成する活性炭の平均粒径が相対的に大きくされてい
ることを特徴とする浄水器。 (付記項8)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方または他方は、セ
ラミックス系のバインダで活性炭を結合して形成されて
おり、セラミックス系のバインダは粒度が150μm以
下であることを特徴とする浄水器。 (付記項9)各請求項または各付記項において、第1の
濾過材と第2の濾過材とのうちの一方または他方は、セ
ラミックス系のバインダで活性炭を結合して形成されて
おり、セラミックス系のバインダは、平均粒度が50μ
m以下、30μm以下、10μm以下、5μm以下のい
ずれかの粒子で形成されていることを特徴とする浄水
器。 (付記項10)各請求項または各付記項において、第1
の濾過材と第2の濾過材とのうちの一方または他方は、
セラミックス系のバインダで結合されており、セラミッ
クス系のバインダは、セラミックス系のバインダを10
0重量%としたとき、5μm以下の微小な粒子が30重
量%以上(殊に40重量%以上、なかでも50重量以
上、60重量%以上)を占めていることを特徴とする浄
水器。
【0086】
【発明の効果】本発明に係る浄水器によれば、捕捉性及
び吐水性の双方を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超微粉活性炭の粒子径の分布を示すグラフであ
る。
【図2】基材活性炭と超微粉活性炭とを混合した配合活
性炭の粒子径の分布を示すグラフである。
【図3】従来品に係る配合活性炭の粒子径の分布を示す
グラフである。
【図4】発明品1に係るブロックフィルタに係り、顕微
鏡写真(倍率:1000倍)である。
【図5】従来品に係るブロックフィルタに係り、顕微鏡
写真(倍率:1000倍)である。
【図6】発明品1に係るブロックフィルタの細孔分布を
示すグラフである。
【図7】従来品に係るブロックフィルタの細孔分布を示
すグラフである。
【図8】実施例1に係り、発明品に係る外側濾過材と従
来品に係る内側濾過材とで形成された濾過材を搭載した
浄水器の断面図である。
【図9】実施例2に係り、発明品に係る外側濾過材と従
来品に係る内側濾過材とで形成された濾過材を搭載した
浄水器の断面図である。
【図10】実施例3に係り、発明品に係る内側濾過材と
従来品に係る外側濾過材とで形成された濾過材を搭載し
た浄水器の断面図である。
【符号の説明】
図中、1は焼成活性炭ブロックフィルタで形成された濾
過材、10Aは内側濾過材、10Bは外側濾過材、10
0は通水室、101は容器、107は第1電極、109
は電極端子(第1電極端子)、110は第2電極、11
1は電極端子(第2電極端子)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加知 岳志 岐阜県多治見市大畑町3−1 東京窯業株 式会社内 (72)発明者 松江 和人 岐阜県多治見市大畑町3−1 東京窯業株 式会社内 Fターム(参考) 4D024 AA02 AB07 AB11 BA02 BB05 BC01 CA11 DB09 4D061 DA03 DB01 EA02 EB01 EB19 EB30 EB31 FA06 4G066 AA05 BA01 CA31 CA33 DA07 EA20 FA20 FA22 FA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通水室を有する容器と、通水室に連通し通
    水室に給水する給水具と、通水室に給水された水を浄化
    するように通水室に収容された濾過材と、通水室に連通
    し濾過材で浄化された水を吐出する吐水具とを有する浄
    水器において、 濾過材は、互いに並設された第1の濾過材と第2の濾過
    材とを有しており、 第1の濾過材と第2の濾過材とのうちの一方は、平均細
    孔径が相対的に小さく且つ単位時間当たりの吐水性が相
    対的に小さい活性炭フィルタで形成されており、 第1の濾過材と第2の濾過材とのうちの他方は、平均細
    孔径が前記一方よりも相対的に大きく且つ単位時間当た
    りの吐水性が前記一方よりも相対的に大きい活性炭フィ
    ルタで形成されていることを特徴とする浄水器。
  2. 【請求項2】請求項1において、濾過材は円筒形状をな
    しており、濾過材の半径方向において電圧を印加する電
    極端子が設けられていることを特徴とする浄水器。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、第1の濾過材
    と第2の濾過材とは筒形状をなしており、同軸的に配置
    されていることを特徴とする浄水器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、第1の
    濾過材と第2の濾過材とは筒形状をなしており、一体成
    形または互いに独立して同軸的に配置されていることを
    特徴とする浄水器。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、第1の
    濾過材と第2の濾過材とは筒形状をなしており、第1の
    濾過材と第2の濾過材とのうちの平均細孔径が相対的に
    小さい側の一方は、外周側に配置され、第1の濾過材と
    第2の濾過材とのうちの平均細孔径が相対的に大きい側
    の他方は、内周側に配置されていることを特徴とする浄
    水器。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、濾過材
    側に直接的または間接的に付設され正極及び負極のいず
    れか一方につながる第1電極端子と、 容器側に直接的または間接的に付設され正極及び負極の
    いずれか他方につながる第2電極端子とを具備すること
    を特徴とする浄水器。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、濾過材
    は、孔を有する筒形状をなしており、孔には、給水具ま
    たは吐水具に連通する通水路を形成する筒部材が配置さ
    れており、筒部材につながると共に正極及び負極のいず
    れか一方につながる電極端子が設けられてことを特徴と
    する浄水器。
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