JP2003047410A - 鳥類用産卵性調節剤および該鳥類用産卵性調節剤を配合した鳥類用飼料 - Google Patents

鳥類用産卵性調節剤および該鳥類用産卵性調節剤を配合した鳥類用飼料

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JP2003047410A
JP2003047410A JP2001234168A JP2001234168A JP2003047410A JP 2003047410 A JP2003047410 A JP 2003047410A JP 2001234168 A JP2001234168 A JP 2001234168A JP 2001234168 A JP2001234168 A JP 2001234168A JP 2003047410 A JP2003047410 A JP 2003047410A
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birds
bird
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Yoshinori Takahashi
義典 高橋
Kazuya Iwasaki
和也 岩崎
Tamotsu Suzuki
保 鈴木
Hiroshi Horikawa
博 堀河
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ITOCHU SHIRYO
Itochu Feed Mills Co Ltd
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ITOCHU SHIRYO
Itochu Feed Mills Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鶏などの鳥類の産卵性を簡便に調節すること
ができる鳥類用産卵性調節剤、鳥類用飼料および鳥類の
産卵性調節方法、並びに鶏などの鳥類の産卵性を簡便に
改善して向上させることができる鳥類の産卵性改善方法
を提供する。 【解決手段】 鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料に
メラトニンを含有せしめ、これらを用いて鳥類の血中メ
ラトニン濃度を調節することにより、鳥類の産卵性を調
節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鶏などの鳥類の産
卵性を調節することができる鳥類用産卵性調節剤、鳥類
用飼料および鳥類の産卵性調節方法、並びに鳥類の産卵
性を改善して向上させることができる鳥類の産卵性改善
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鶏はその繁殖性が季節によって影響を受
ける季節繁殖性の動物であり、鶏の産卵性と光とは密接
な関係を持っている。すなわち、光が鶏の脳下垂体前葉
を刺激すると、性腺刺激ホルモンが分泌され、鶏の産卵
を促す。したがって、日長時間が長くなる時期には産卵
活動は活発であるが、日長時間が短くなる時期には産卵
活動は低下する。これは、産卵性を向上させるために育
種改良されてきた採卵鶏(鶏卵を生産する目的で飼う
鶏)や種鶏(採卵用・ブロイラー用の雛の生産を目的と
して飼う鶏)であっても同様である。
【0003】このように鶏の産卵性と光とが密接な関係
を持つ結果、外光の影響を受ける開放鶏舎で鶏を飼養す
る場合には、餌付けの時期(雛に初めて餌を与える時
期)が重要となってくる。すなわち、餌付けした雛が産
卵を開始するまでの期間は約4ヶ月(約120日齢)で
あるので、餌付けする時期がおよそ7〜12月(この時
期は一般に「インシーズン」と呼ばれる)である場合に
は、産卵開始時期は11〜4月となり、これは日長時間
が長くなる時期にあたるので、産卵開始後の産卵活動は
活発である。したがって、インシーズンの鶏群では、産
卵開始後速やかに産卵率が増加する。これに対して、餌
付けする時期がおよそ1〜6月(この時期は一般に「ア
ウトシーズン」と呼ばれる)である場合には、産卵開始
時期は5〜10月となり、これは日長時間が短くなる時
期にあたるので、産卵開始後の産卵活動が低下する。し
たがって、アウトシーズンの鶏群では、産卵開始後の産
み出しが遅く産卵率の増加が非常に緩やかなものとな
る。
【0004】そこで、従来、外光の影響を受けないよう
に、鶏舎を開放型のものから閉鎖型、例えば、ウィンド
ウレス(無窓)鶏舎やブラックアウト(開放鶏舎のうち
外光の入る部分を遮光した)鶏舎への建て替え・改造が
実施されてきた。また、人工照明により計画的に照明時
間(日長時間+人工照明点灯時間)をコントロールする
方法も採られてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鶏舎の
建て替え・改造や人工照明による従来の手段では、多大
な費用及び労力が必要となる。特に、外光の影響を受け
ない鶏舎は、外気とも遮断されるため、強制的に外気を
取り入れるために、換気装置の設置・運転費が新たに必
要となってくる。また、少量の外光の漏れにも鶏は反応
してしまうため、外光の遮断が少しでも不完全であると
期待通りの効果が得られない。
【0006】そこで、本発明は、鶏などの鳥類の産卵性
を簡便に調節することができる鳥類用産卵性調節剤、鳥
類用飼料および鳥類の産卵性調節方法、並びに鶏などの
鳥類の産卵性を簡便に改善して向上させることができる
鳥類の産卵性改善方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の鳥類用産卵性調節剤は、メラトニンを有効
成分として含有することを特徴とし、本発明の鳥類用飼
料は、本発明の鳥類用産卵性調節剤を配合したことを特
徴とする。
【0008】また、本発明の鳥類の産卵性調節方法は、
本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料を用いて
鳥類の血中メラトニン濃度を調節することにより、前記
鳥類の産卵性を調節することを特徴とする。
【0009】また、本発明の鳥類の産卵性改善方法は、
本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料を育成期
の鳥類に投与することを特徴とする。本発明の鳥類の産
卵性改善方法において、前記育成期の鳥類が産卵を開始
する前に前記鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料の投
与を中止することが好ましい。本発明の鳥類の産卵性改
善方法は、前記育成期の鳥類が、日長時間が減少する時
期に産卵を開始する場合、あるいは前記鳥類が、開放舎
で飼養される家禽類である場合など、外光によって産卵
開始後の産卵性が低下する場合に特に有用である。
【0010】本発明の鳥類用産卵性調節剤、鳥類用飼
料、鳥類の産卵性調節方法および鳥類の産卵性改善方法
は、鶏などの鳥類において、産卵開始時期の血中メラト
ニン濃度が育成期の血中メラトニン濃度よりも低くな
り、その後の産卵期においても血中メラトニン濃度が育
成期の血中メラトニン濃度よりも低い状態で維持される
という知見を利用している。すなわち、鶏などの鳥類の
産卵性は血中メラトニン濃度と密接な関係があり、育成
期、産卵開始時期または産卵期の血中メラトニン濃度を
調節することによって鳥類の産卵性を調節(向上または
低下)することができる。
【0011】例えば、育成期の血中メラトニン濃度を産
卵開始時期の血中メラトニン濃度よりも高くすることに
よって、産卵開始後の産卵性を向上させることができ
る。特に、育成期の血中メラトニン濃度と産卵開始時期
の血中メラトニン濃度との差を大きくするほど、産卵開
始後の産卵性が向上させることができる。また、育成期
の血中メラトニン濃度と産卵開始時期の血中メラトニン
濃度との差を小さくすることによって、産卵開始後の産
卵性を低下させることができる。
【0012】したがって、本発明の鳥類用産卵性調節
剤、鳥類用飼料、鳥類の産卵性調節方法および鳥類の産
卵性改善方法によれば、外因性のメラトニンを用いて育
成期、産卵開始時期または産卵期における鳥類の血中メ
ラトニン濃度を調節することにより、鳥類の産卵性を人
為的に簡便に調節することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の鳥類用産卵性調節剤の有効成分であるメ
ラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)
は、天然から単離・精製されたものであっても、合成さ
れたものであってもよい。また、メラトニンと同様の作
用効果を有する限り、メラトニンに化学修飾を加えたメ
ラトニン誘導体を有効成分としてもよい。
【0014】本発明の鳥類用産卵性調節剤は、メラトニ
ンを有効成分として含有する限りその剤形は特に限定さ
れるものではなく、投与方法などに応じて錠剤、粉剤、
顆粒剤、液剤などの任意の剤形に製剤化して用いること
ができる。また、本発明の鳥類用産卵性調節剤として、
メラトニンをそのまま用いることもできる。
【0015】本発明の鳥類用産卵性調節剤の投与方法
は、鳥類の血中メラトニン濃度を上昇させることができ
る限り特に限定されるものではなく、具体的な投与方法
としては、経口投与、経皮投与、筋肉内投与、皮下投与
などが挙げられるが、簡便性の点からは経口投与が好ま
しい。経口投与する場合、本発明の鳥類用産卵性調節剤
を単独で摂取させてもよいし、本発明の鳥類用産卵性調
節剤を配合した鳥類用飼料(本発明の鳥類用飼料)を摂
取させてもよい。なお、メラトニンの経口投与によって
鶏の血中メラトニン濃度を上昇させることができること
は公知である(Noddegaard F.ら,J.Pineal.Res. 1999
Oct;27(3):129-38)。
【0016】本発明の鳥類用飼料は、本発明の鳥類用産
卵性調節剤を配合する限りその他の配合成分は特に限定
されるものではなく、一般的な鳥類用飼料の配合成分と
同様にすることができる。鳥類用飼料の配合成分として
は、例えば、とうもろこし、小麦、大麦、ライ麦、マイ
ロ等の穀類、米ぬか、ふすま、麦ぬか等のぬか類、大豆
油粕、コーングルテンミール、糖蜜等の製造粕類、魚
粉、脱脂粉乳、ホエー、イエローグリース、タロー等の
動物性飼料類、ビタミン類、無機質等の栄養素材配合物
等が挙げられる。各成分の配合比も特に限定されるもの
ではないが、例えば、とうもろこし;20〜80重量
%、マイロ;0〜40重量%、大豆油粕;0〜40重量
%、魚粉;0〜10重量%、コーングルテンミール;0
〜10重量%、アルファルファミール;0〜10重量
%、肉骨粉;0〜10重量%、ミネラル;0〜3重量
%、ビタミン;0〜3重量%、飼料添加物;0.5〜2
0重量%とすることができる。本発明の鳥類用飼料に
は、この他にも飼育の条件にあわせて、抗生物質、生理
活性物質、薬品などの成分を配合してもよい。
【0017】本発明の鳥類用飼料における本発明の鳥類
用産卵性調節剤の配合量は、飼料1gあたりのメラトニ
ン量が通常0.005〜10μg、好ましくは0.02
〜6μgとなるように調整する。
【0018】本発明の鳥類用飼料には、種々の栄養成分
が配合された飼料のほか、本発明の鳥類用産卵性調節剤
が配合される限り、飲水も含まれる。
【0019】本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用
飼料を投与する鳥類の種類は特に限定されるものではな
く、その具体例としては、鶏、ガチョウ、アヒル、七面
鳥、ウズラ、合鴨などの家禽類のほか、ダチョウなどが
挙げられる。本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用
飼料は、これらの鳥類のうち、卵を採取する目的で飼育
している鳥類、例えば、採卵鶏や種鶏などの鶏をはじめ
とする家禽類に投与するのに特に適している。
【0020】本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用
飼料を投与する鳥類の成長段階は特に限定されるもので
はないが、鳥類の成長段階によって作用効果が異なるの
で、目的に応じて投与する鳥類の成長段階を選別する。
【0021】鳥類の産卵性を向上させる目的の場合に
は、育成期の鳥類に投与する。投与は、血中メラトニン
濃度が増加する限り、連続的に行なってもよいし、断続
的に行なってもよい。本発明の鳥類用産卵性調節剤また
は鳥類用飼料を育成期の鳥類に投与すると、育成期の血
中メラトニン濃度が産卵開始時期の血中メラトニン濃度
よりも高くなり、産卵開始後の産卵性が向上する。すな
わち、産卵開始後速やかに産卵率が上昇し、産卵率が高
レベルで維持される。ここで、「育成期」とは、餌付け
から産卵開始までの期間、その中でも特に性成熟開始か
ら産卵開始までの期間を意味し、その期間は鳥類の種類
によって異なるが、例えば鶏の場合には、約18週齢に
至るまでの期間、その中でも特に性成熟を開始する約1
0週齢以降の期間を意味する。約10週齢以前の鶏に投
与しても性成熟以前であるために産卵性を向上させる効
果が小さく、また、約18週齢以降の鶏に投与すると育
成期と産卵開始時期における血中メラトニン濃度の差が
小さくなり、産卵開始後の産卵性を向上させる効果が小
さくなるので、鶏の場合には上記期間に投与することが
好ましい。
【0022】また、鳥類の産卵性を低下させる目的の場
合には、産卵開始時期または産卵開始後の鳥類に投与す
る。このとき、産卵開始時期または産卵開始後の血中メ
ラトニン濃度と育成期の血中メラトニン濃度との差が小
さくなり、産卵開始後の産卵性が低下する。
【0023】鳥類の産卵性を向上させる目的で、本発明
の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料を育成期の鳥類
に投与する場合には、当該育成期の鳥類が産卵開始時期
に至る前にその投与を中止することが好ましい。本発明
の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料の投与を中止す
ることにより、育成期の血中メラトニン濃度と産卵開始
時期の血中メラトニン濃度との差が大きくなり、産卵開
始後の産卵性がより一層向上する。なお、育成期の血中
メラトニン濃度と産卵開始時期の血中メラトニン濃度と
の差を所望の範囲に維持できるのであれば、本発明の鳥
類用産卵性調節剤または鳥類用飼料の投与を完全に中止
せずに、断続的な投与を行なってもよい。
【0024】本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用
飼料を育成期の鳥類に投与する場合、当該育成期の鳥類
が、日長時間が減少する時期に産卵を開始するのであれ
ば、本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼料によ
って得られる産卵開始後の産卵性の向上効果は極めて高
い。また、本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用飼
料を開放舎で飼養される家禽類に投与する場合も同様に
産卵開始後の産卵性の向上効果は極めて高い。すなわ
ち、これらの場合には、外光によって産卵開始後の産卵
性が低下するため、本発明の鳥類用産卵性調節剤または
鳥類用飼料による効果が顕著である。但し、本発明の鳥
類用産卵性調節剤または鳥類用飼料を、閉鎖舎(例えば
ウィンドウレス鶏舎やブラックアウト鶏舎)で飼養され
る家禽類に適用してもよいし、人工照明による照射時間
のコントロールと組み合わせて適用してもよい。
【0025】本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用
飼料の投与量は、投与方法や有効成分含有量などに応じ
て適宜設定することができるが、鳥類1羽あたりのメラ
トニンの摂取量が0.5〜500μg/日となるように
投与するのが好ましく、2〜300μg/日となるよう
に投与するのがさらに好ましい。
【0026】本発明の鳥類用産卵性調節剤または鳥類用
飼料の投与期間は、投与方法や有効成分含有量などに応
じて適宜設定することができるが、例えば、鳥類の産卵
性を向上させる目的で育成期の鳥類に投与する場合に
は、産卵開始時期の前2〜18週間に投与するのが好ま
しく、2〜9週間に投与するのがさらに好ましい。投与
は連続的に行なっても断続的に行なってもよいが、血中
メラトニン濃度がほぼ一定となるように連続的に行なう
ことが好ましい。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕ブロイラー種鶏の産卵性は、餌
付け時期に伴うその後の日長時間推移の違いいよって、
一般的にインシーズン(7月〜12月餌付け)とアウト
シーズン(1月〜6月餌付け)に分けることができる。
この区分けは、開放鶏舎で飼養した場合でのみ用いられ
る。アウトシーズンの鶏群では、産み出しが遅く産卵の
立ち上がりも非常に緩やかとなる。これに対して、イン
シーズンの鶏群では、スムーズな産卵の立ち上がりが認
められる。本実施例では、このような現象の要因を追求
するため、5月餌付けのブロイラー種鶏を用いて、開
放鶏舎にて自然日長下で飼養した場合、ウィンドウレ
ス鶏舎で人工照明により点灯管理を行なった場合、にお
ける育成期、産卵開始時期および産卵期の血中メラトニ
ン濃度を比較した。
【0028】1.試験条件 (1)試験期間 2000年5月23日〜12月18日 (2)試験場所 1〜5週齢のときはウィンドウレス鶏舎(WL鶏舎) 6〜30週齢のときはウィンドウレス鶏舎(WL鶏舎)
または開放鶏舎(OP鶏舎) (3)供試鶏 Cobb種ブロイラー種鶏メス160羽(各区40羽×
2区×2ペン) (4)試験処理 5週齢まではWL鶏舎で飼養し、6週齢から21週齢ま
では区分またはにおいて、以下のような点灯プログ
ラムに従って点灯管理を行なった。 WL鶏舎:人工照明により点灯時間を21週齢まで8
時間(一定)とする。 OP鶏舎:21週齢まで自然日長とする。 21週齢以降の点灯プログラムはCobb飼養管理ガイ
ドに従った。WL鶏舎およびOP鶏舎における点灯プロ
グラムを図1に示す。 (5)測定条件 採血は、14,20,29週齢において1日4時間毎に
連続して行なった。なお、採血は毎回、各区の個体識別
された10羽〜14羽を無作為に抽出して行なった。 (6)その他の飼養管理についてはCobb種鶏飼養管
理マニュアル・ガイドに準じて行なった。
【0029】2.結果 点灯プログラムと採血ポイントとの関係を図2に示す。
図2中、●は1日の日長時間(宇都宮)、◆はWL鶏舎
における点灯時間、■はOP鶏舎(21週齢まで自然日
長)、矢印は採血ポイント(14,20,29週齢)を
表す。なお、その他の図における◆および■も同義であ
る。
【0030】育成期の体重推移を図3に示す。図3に示
すように、WL鶏舎およびOP鶏舎のいずれの条件で飼
養した鶏も順調に成長した。
【0031】産卵率(HD%)の推移を図4に示す。図
4に示すように、WL鶏舎で飼養した鶏とOP鶏舎で飼
養した鶏との間には産卵率に大きな差が見られた。すな
わち、WL鶏舎で飼養したものはOP鶏舎で飼養したも
のと比較して、産卵開始後の産卵率の立ち上がりが早
く、産卵開始後速やかに産卵率が高レベルに達した。な
お、WL鶏舎で飼養した鶏の22〜37週齢の各週齢に
おける産卵率(HD%)は、それぞれ0,0.4,12.8,2
7.5,50.4,64.1,65.3,70.4,72.7,71.4,72.3,70.
8,73.5,74.5,71.6,67.4(HD%)であり、OP鶏
舎で飼養した鶏の22〜37週齢の各週齢における産卵
率(HD%)は、それぞれ0,0.4,0.8,3.8,6.2,1
1.1,18.8,29.8,36.9,46.8,53.8,60.5,62.9,66.
8,68.6,71.2(HD%)であった。
【0032】このような産卵率の違いの原因を究明する
ために、各条件で飼養した鶏の14週齢、20週齢およ
び29週齢における血中メラトニン濃度をラジオイムノ
アッセイにより測定した。14週齢、20週齢および2
9週齢における血中メラトニン濃度(pg/ml)の推
移をそれぞれ図5、6および7に示す。また、14週
齢、20週齢および29週齢における血中メラトニン濃
度(pg/ml)の測定値(平均値±SD)をそれぞれ
表1、2および3に示す。
【0033】 [表1] 時 刻 WL鶏舎 OP鶏舎 7:30 219.9±113.2 284.8±106.9 11:30 172.0±107.4 173.9±113.1 15:30 44.3±29.1 70.8±57.2 19:30 675.7±167.4 353.9±137.0 23:30 396.6±72.4 482.6±206.7 3:30 442.8±33.6 307.9±102.6
【0034】 [表2] 時 刻 WL鶏舎 OP鶏舎 7:30 35.2±37.8 33.6±26.5 11:30 23.7±20.6 26.8±20.6 15:30 22.6±20.6 22.5±16.5 19:30 107.3±24.3 164.6±38.5 23:30 135.3±45.1 138.9±15.1 3:30 107.1±39.5 126.3±68.3
【0035】 [表3] 時 刻 WL鶏舎 OP鶏舎 7:30 19.1±22.1 12.3±19.6 11:30 14.6±16.9 8.8±7.6 15:30 18.6±20.4 17.6±28.7 19:30 25.7±34.1 71.4±53.0 23:30 120.4±68.0 121.9±59.6 3:30 54.6±43.7 60.8±59.5
【0036】AUC(pg/ml・hr)を求めたとこ
ろ、次の表4のとおりであった。
【0037】 [表4] WL鶏舎 OP鶏舎 14週齢 7805.0±1951.8 6695.8±2704.7 20週齢 1724.6±727.9 2050.8±699.8 29週齢 1012.1±755.2 1171.4±877.6
【0038】14週齢は育成期(産卵開始前)、20週
齢は産卵開始時期、29週齢は産卵開始後であり、WL
鶏舎で飼養した鶏では14週齢と20週齢との血中メラ
トニン濃度(AUC)の差および14週齢と29週齢との
血中メラトニン濃度(AUC)の差が、OP鶏舎で飼養し
た鶏よりも大きかった。すなわち、WL鶏舎で飼養した
鶏とOP鶏舎で飼養した鶏の産卵率の違いは、産卵開始
前後における血中メラトニン濃度の差と関連していると
考えられ、産卵開始前後における血中メラトニン濃度の
差が大きいほど、産卵開始後の産卵率が高いと考えられ
る。
【0039】したがって、育成期、産卵開始時期または
産卵期の血中メラトニン濃度を調節することによって鶏
の産卵性を調節(向上または低下)することができると
考えられる。例えば、OP鶏舎で飼養する場合、育成期
の鶏にメラトニンを経口投与するとともに、産卵を開始
する前にメラトニンの経口投与を中止することによっ
て、育成期の血中メラトニン濃度を産卵開始時期の血中
メラトニン濃度よりも高くすることによって、産卵開始
後の産卵性を向上させることができると考えられ、特に
育成期の血中メラトニン濃度と産卵開始時期の血中メラ
トニン濃度との差を大きくするほど、産卵開始後の産卵
性が向上させることができると考えられる。なお、メラ
トニンの経口投与によって鶏の血中メラトニン濃度を上
昇させることができる(Noddegaard F.ら,J.Pineal.Re
s. 1999 Oct;27(3):129-38)。
【0040】〔実施例2〕以下に示す配合組成の飼料を
製造した。この飼料は、メラトニンを1ppm(μg/
g)配合した鶏の育成後期飼料である。なお、以下の配
合組成中、「その他」とは、ミネラル、ビタミンプレミ
ックスなどのその他の原料である。 トウモロコシ 50重量% マイロ 15重量% 大豆油粕 10重量% 脱脂米糠 10重量% コーングルテンフィード 5重量% メラトニン 0.0001重量% その他 9.9999重量%
【0041】
【発明の効果】本発明の鳥類用産卵性調節剤、鳥類用飼
料および鳥類の産卵性調節方法によれば、鶏などの鳥類
の産卵性を簡便に調節することができる。また、本発明
の鳥類の産卵性改善方法によれば、鶏などの鳥類の産卵
性を簡便に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】WL鶏舎およびOP鶏舎における点灯プログラ
ムを示す図である。
【図2】点灯プログラムと採血ポイントとの関係を示す
図である。
【図3】育成期の体重推移を示す図である。
【図4】産卵率(HD%)の推移を示す図である。
【図5】14週齢における血中メラトニン濃度の推移を
示す図である。
【図6】20週齢における血中メラトニン濃度の推移を
示す図である。
【図7】29週齢における血中メラトニン濃度の推移を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 15/00 171 A61P 15/00 171 // C07D 209/16 C07D 209/16 (72)発明者 鈴木 保 栃木県黒磯市青木919番地 伊藤忠飼料株 式会社研究所内 (72)発明者 堀河 博 栃木県黒磯市青木919番地 伊藤忠飼料株 式会社研究所内 Fターム(参考) 2B005 DA02 2B101 AA07 DA00 2B150 AA05 AB20 DB10 4C086 AA01 AA02 BC13 MA01 MA04 MA34 MA52 NA09 NA14 ZA81 ZC61 4C204 BB01 CB03 DB14 EB02 FB01 GB25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メラトニンを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする鳥類用産卵性調節剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鳥類用産卵性調節剤を配
    合したことを特徴とする鳥類用飼料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の鳥類用産卵性調節剤また
    は請求項2記載の鳥類用飼料を用いて鳥類の血中メラト
    ニン濃度を調節することにより、前記鳥類の産卵性を調
    節することを特徴とする鳥類の産卵性調節方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の鳥類用産卵性調節剤また
    は請求項2記載の鳥類用飼料を育成期の鳥類に投与する
    ことを特徴とする鳥類の産卵性改善方法。
  5. 【請求項5】 前記育成期の鳥類が産卵を開始する前
    に、前記鳥類用産卵性調節剤または前記鳥類用飼料の投
    与を中止することを特徴とする請求項4記載の産卵性改
    善方法。
  6. 【請求項6】 前記育成期の鳥類が、日長時間が減少す
    る時期に産卵を開始することを特徴とする請求項5記載
    の産卵性改善方法。
  7. 【請求項7】 前記鳥類が、開放舎で飼養される家禽類
    であることを特徴とする請求項4〜6記載の産卵性改善
    方法。
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