JP2003046091A - 微小構造体とその製造方法 - Google Patents

微小構造体とその製造方法

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JP2003046091A JP2001234277A JP2001234277A JP2003046091A JP 2003046091 A JP2003046091 A JP 2003046091A JP 2001234277 A JP2001234277 A JP 2001234277A JP 2001234277 A JP2001234277 A JP 2001234277A JP 2003046091 A JP2003046091 A JP 2003046091A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部の厚さが厚く、可動部と固定部との間
の空隙幅が広く、それでいながら、可動部と空隙の上方
に電極等の構造層が配置された微小構造体を実現するこ
とを目的とする。 【解決手段】 上記課題を解決する微小構造体の製造方
法は、 (1)基板の表面に、製造終了時に可動状態となる可動
部106aと、可動部106aとの間に空隙を隔てて配
置された固定部106cと、可動部106aと固定部1
06cとの間の空隙内に配置されているとともに製造終
了時に消失するダミー部106bとに分離されている凸
パターンを形成する。 (2)可動部106aからダミー部106bを経て固定
部106cに至る領域に犠牲層を堆積する。 (3)犠牲層上に構造層を形成する。 (4)犠牲層を堆積した後、または、構造層を形成した
後に、ダミー部106bを除去する。 (5)構造層を形成した後に、犠牲層を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、半導体製造技術
を用いて微小構造体を製造する方法に関する。本発明は
また、その結果製造される新規な微小構造体にも関す
る。本発明は、例えば角速度センサや加速度センサとし
て利用することができる振動式センサ等を製造する場合
に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】 図1に従来の角速度センサの平面図を
示す。図1の角速度センサは、大きく分けて、基板2
と、基板2の中央に配置された振動体3と、振動体3の
x軸方向(図示上下方向)両側に固定された2つの励振
電極4a、4bと、振動体3のy軸方向(図示左右方
向)両側に固定された4つの検出電極28a〜28dを
備えている。振動体3は、開口群24を有する可動部2
2と、可動部22からy軸方向に伸びる櫛歯電極26
a、26bと、可動部22からx軸方向に伸びる4本の
ビーム20a〜20dと、各ビーム20a〜20dのx
軸方向上端または下端に結合されたリンク16a、16
bと、各リンク16a、16bのx軸方向上端または下
端に結合された櫛歯電極18a、18bと、各リンク1
6a、16bからy軸方向に伸びる4本のビーム12a
〜12dと、各ビーム12a〜12dの左端または右端
に結合された4つのリンク14a〜14dと、各リンク
14a〜14dからy軸方向に伸びる8本のビーム10
a〜10hと、各ビーム10a〜10hの右端または左
端に結合された8つのアンカー8a〜8hを有する。各
アンカー8a〜8hは基板2に固定されている。振動体
3のアンカー8a〜8h以外の部分は、基板2との間に
z軸方向(紙面垂直方向)に間隙を隔てて配置されてい
る。この構成によって、可動部22はx軸方向とy軸方
向に変位可能(振動可能)となっている。
【0003】各励振電極4a、4bにはそれぞれ櫛歯電
極6a、6bが結合されている。各櫛歯電極6a、6b
はそれぞれ、振動体3の櫛歯電極18a、18bと非接
触で噛合っている各検出電極28a〜28dにはそれぞ
れ櫛歯電極30a〜30dが結合されている。櫛歯電極
30a、30bは振動体3の櫛歯電極26aと非接触で
噛合っている。櫛歯電極30c、30dは振動体3の櫛
歯電極26bと非接触で噛合っている。
【0004】図1の角速度センサでは、励振電極4a、
4bに交互に電圧を印加することによって、櫛歯電極6
aと櫛歯電極18a間、あるいは櫛歯電極6bと櫛歯電
極18b間に静電引力を交互に発生させて可動部22を
x軸方向に振動させる。この状態で角速度センサの全体
がz軸回りに角速度Ωで回転すると、可動部22にはコ
リオリ力が作用する。この結果、可動部22はy軸方向
にも振動する。このy軸方向の振動を櫛歯電極30a、
30bと櫛歯電極26aの間、あるいは櫛歯電極30
c、30dと櫛歯電極26bの間の静電容量の変化とし
て検出することによって、角速度Ωを検出することがで
きる。
【0005】図1の角速度センサの形状を簡略化して示
す図2の角速度センサの製造方法を次に説明する。図2
の角速度センサは、SOI(Silicon On Insulator)基
板との間にz軸方向に空隙を隔てて配置された開口群4
8を有する可動部44aと、基板に結合されているとと
もに可動部44aの周囲に空隙50を隔てて配置されて
いる固定部44bと、可動部44aと固定部44bとを
繋ぐビーム44c(基板との間にz軸方向に空隙を隔て
て伸びている)とを備えている。
【0006】以下では、図2の角速度センサの製造工程
を、図2のA−A断面を参照しながら説明する。まず図
3に示すように、単結晶シリコンからなる基板40と、
シリコン酸化膜からなる絶縁層42と、単結晶シリコン
からなる活性層44を備えたSOI基板を用意する。次
に図4に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposit
ion)によって活性層44上にシリコン酸化膜46を堆
積させた後、そのシリコン酸化膜46を可動部形成用の
マスク46aと固定部形成用のマスク46bにパターニ
ングする。次に、図5に示すように、RIE(Reactive
Ion Etching)によって可動部44aと固定部44bと
の間に幅の広い空隙50を形成する。この結果、活性層
44に、可動部44aと可動部44aとの間に空隙50
を隔てて配置された固定部44bに分離された凸パター
ンが形成される。次に図6に示すように、絶縁層42を
フッ化水素(HF)を含むエッチング液等によってエッ
チングする。この結果、可動部44aの下方に空隙52
が形成され、可動部44aが基板40に対し変位可能な
状態となる。このようにして、図2に示す形状の角速度
センサが製造される。可動部44aと固定部44bの間
の空隙50の幅W4(図6参照)が広いと、可動部44
aが大きく変位することができる。また、角速度センサ
の出力を大きくするためには、可動部44aの質量を大
きくすることが有効である。可動部44aの質量を大き
くするためには、可動部44a(活性層44)の厚さW
2(図6参照)を厚くすることが有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 以上に例示したよう
に、可動部44aや固定部44bの厚さW2を厚くし、
可動部44aと固定部44bとの間の空隙50の幅W4
を広くしたい場合がある。しかしながら、例えば、図6
等に示す可動部44aの厚さを厚くし、可動部44aと
固定部44bとの間の空隙50の幅を広くした状態で、
可動部44aから固定部44bに至る領域に犠牲層を堆
積させると、可動部44aと固定部44bとの間の空隙
50内に犠牲層の上面が入り込んでしまう。このため、
その犠牲層の上に構造層(例えば電極として用いる)を
形成したとしても、その構造層が可動部44aと固定部
44bとの間の空隙50内に入り込んでしまう。この結
果、その構造層の上面にレジストを塗っても、レジスト
を均一に濡れず、フォトリソグラフィができなくなるの
で、その構造層のパターニングができなくなるという問
題があった。また、可動部44aを空隙50内で変位さ
せることができなくなるという問題もあった。このた
め、製造終了時には可動部の厚さが厚く、可動部と固定
部との間の空隙幅が広い微小構造体を実現しながらも、
製造工程中には可動部から固定部に至る領域上を平坦化
させる技術の実現が望まれていた。この技術が実現され
れば、可動部の厚さが厚く、可動部と固定部との間の空
隙幅が広く、それでいながら、可動部と空隙の上方に電
極やキャップ等の構造層が配置された微小構造体を実現
することができる。
【0008】本発明は、製造終了時には可動部の厚さが
厚く、可動部と固定部との間の空隙幅が広い微小構造体
を実現しながらも、製造工程中には可動部から固定部に
至る領域上をほぼ平坦化させる技術を実現することを第
1の目的とする。また、本発明は、可動部の厚さが厚
く、可動部と固定部との間の空隙幅が広く、それでいな
がら、可動部と空隙の上方に電極やキャップ等の構造層
が配置された微小構造体を実現することを第2の目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用と効果】 上記
した目的の少なくとも1つを達成するための本発明は、
微小構造体の製造方法に具現化される。その製造方法で
は、最初に基板の表面に、製造終了時に可動状態となる
可動部と、可動部との間に空隙を隔てて配置された固定
部と、可動部と固定部との間の空隙内に配置されている
とともに製造終了時に消失するダミー部とに分離されて
いる凸パターンを形成する。その後に、可動部からダミ
ー部を経て固定部に至る領域に犠牲層を堆積する。そし
て、犠牲層を堆積した後にダミー部を除去する。ここ
で、可動部と固定部は、どこかで繋がっていてもよい
し、完全に分離されていてもよい。
【0010】この製造方法では、可動部と固定部の間
に、製造工程中に除去してしまうために製造終了時には
消失するダミー部をあえて形成することによって、可動
部と固定部との間の空隙幅を狭める。空隙幅を狭めた状
態で、可動部からダミー部を経て固定部に至る領域に犠
牲層を堆積するために、犠牲層の表面をほぼ平坦化する
ことができる。この製造方法によると、製造終了時には
可動部の厚さが厚く、可動部と固定部との間の空隙幅が
広い微小構造体を実現しながらも、製造工程中には可動
部から固定部に至る領域上をほぼ平坦化させることがで
きる。
【0011】この製造方法では、犠牲層上に構造層を形
成し、犠牲層を堆積した後、または、構造層を形成した
後に、ダミー部を除去し、構造層を形成した後に、犠牲
層を除去することが好ましい。上記したように可動部と
固定部上の犠牲層の表面をほぼ平坦化できると、犠牲層
の表面が、可動部と固定部との間の空隙内に入り込まな
いようにすることができる。この犠牲層上に構造層を形
成すると、その構造層は可動部と固定部との間の空隙内
には入り込まない。ダミー部を設けることによって、可
動部とダミー部の間、あるいはダミー部と固定部の間の
空隙幅を狭くすることができるので、可動部の厚さが厚
くても、構造層が可動部と固定部との間の空隙内に入り
込まないようにすることができる。このために、その後
にダミー部と犠牲層を除去することで、可動部と構造層
を分離でき、さらに、可動部と固定部との間に充分な幅
の空隙を確保して可動部の変位可能な幅を大きく確保す
ることができる。この製造方法によると、可動部の厚さ
が厚く、可動部と固定部との間の空隙幅が広い場合に、
可動部の上方に電極等を構成する構造層が配置された微
小構造体を実現することができる。
【0012】SOI基板を用い、その絶縁層上のSOI
層に絶縁層に達する凸パターンを形成し、その後に絶縁
層を除去することによって半導体基板に対して可動状態
となる可動部を形成することが好ましい。この製造方法
によると、SOI基板の絶縁層上のSOI層(これは必
要なだけ厚く形成することができる)を利用して可動部
を形成することができるために、基板から分離された可
動部の厚さを厚く確保することができる。厚くて重い可
動部を備えているために感度が高く、可動部の変位可能
幅が大きいために測定レンジが広く、しかも可動部の上
方に電極等の構造層を備えた3次元構造の微小構造体を
実現することができる。
【0013】犠牲層を堆積した後に、犠牲層の上面から
ダミー部に達する孔を形成し、その孔からダミー部をエ
ッチングして除去し、その犠牲層上にさらに別の犠牲層
を堆積し、その別の犠牲層上に開口群を有する構造層を
形成し、その開口群から犠牲層をエッチングして除去す
ることが好ましい。この製造方法によると、構造層を形
成する前にダミー部を除去することができる。
【0014】あるいは、開口群を有する構造層を形成
し、その後に、エッチングマスクとなる別の犠牲層で構
造層を覆い、その別の犠牲層の上面からダミー部に達す
る孔を形成し、その孔からダミー部をエッチングして除
去し、ついで犠牲層をエッチングして除去することもで
きる。この製造方法によっても、可動部と固定部と構造
層を残しながら、ダミー部と犠牲層をエッチングして除
去することができる。
【0015】犠牲層を堆積した後に、犠牲層の上面から
固定部に達するコンタクト孔を形成し、その後に犠牲層
上に構造層を形成することが好ましい。この製造方法に
よって犠牲層上に構造層を形成すると、コンタクト孔に
構造層が埋め込まれ、構造層と固定部を接触させること
ができる。このため、例えば構造層が電極として機能す
る場合には、固定部から構造層(電極)に電圧をかける
ことができる。
【0016】開口群を持つ構造層を形成しておいてか
ら、その上に透過膜を形成し、その透過膜上に真空中ま
たは不活性ガス雰囲気中で封止膜を形成することが好ま
しい。可動部が高速で振動する角速度センサ等の微小構
造体では、可動部の周囲に大気が存在していると、空気
の粘性によって可動部の振動が減衰するという問題があ
った。空気の粘性によって可動部の振動が減衰すると、
センサの高感度化が妨げられる。空気の粘性によって振
動が減衰するのを防ぐためには、真空封止をする必要が
ある。また、水分の侵入や酸化による劣化を防ぐために
は不活性ガス雰囲気中で封止することが望ましい。従来
は、キャンパッケージを用いたり、あるいはウェハ接合
することによって真空封止や不活性ガス雰囲気中での封
止を行っていた。しかしながら、キャンパッケージを用
いる場合は、微小構造体を1つずつキャンパッケージに
装着する必要があり、チップ単位の処理が必要となるた
めに生産性が低く、低コスト化に適さないという問題が
ある。また、ダイシング後に封止するために、組立時の
歩留まりが低下するという問題もある。一方、ウェハ接
合をする場合は、2枚のウェハを位置合わせするための
陽極接合装置が必要となる。また陽極接合時には酸素が
発生するために脱ガス対策も必要となる。さらに、ウェ
ハ接合の接合面をまたいで室内から室外へ配線を引出す
ことが必要とされる。上記した製造方法によると、構造
層に開口群が形成されている場合でも、その構造層上に
透過膜を形成することで、塵等の異物は通さないように
しながら、エッチングガスやエッチング液を通してエッ
チングを行うことができる。また、半導体製造技術の流
れの中で真空封止または不活性ガス雰囲気中で封止を行
えるため、キャンパッケージやウェハ接合を用いて真空
封止または不活性ガス雰囲気中で封止を行う必要がなく
なる。
【0017】本発明は、従来技術では実現できなかった
微小構造体を実現する。本発明ではじめて実現される微
小構造体は、基板と、基板との間に空隙を隔てて配置さ
れた厚さ1μm以上の可動部と、基板に結合されるとと
もに可動部との間に1μm以上の空隙を隔てて配置され
た固定部と、可動部の上方を空隙を隔てて配置されると
ともに固定部に結合された構造層を備えている。ここ
で、構造層が固定部に「結合」されるとは、構造層が固
定部に直接的に接触して取付けられている場合のみなら
ず、他の部材を介して固定部に間接的に取付けられてい
る場合も含む。
【0018】可動部の厚さが1μm以上であって、可動
部と固定部間の空隙幅が1μm以上である場合、可動部
と固定部に亘って犠牲層を堆積すると、犠牲層の上面
は、可動部と固定部間の空隙内に入り込んでしまう。こ
の結果、犠牲層上に構造層を形成してもその構造層が空
隙内に入り込んでしまうために、従来では、上記構成の
微小構造体は実現されなかった。この発明によると、可
動部の厚さが1μm以上と厚く、可動部と固定部の間の
空隙幅が1μm以上と広い場合でも、上記した製造方法
によって、可動部の上方に構造層が配置された微小構造
体を実現することができる。
【0019】開口群が形成された構造層上に透過膜が形
成され、その透過膜上に封止膜が形成されていると、可
動部に異物が侵入することを防止でき、可動部が真空中
で変位可能な微小構造体が実現される。
【0020】微小構造体の可動部と固定部が、SOI基
板の絶縁層上のSOI層で形成されている微小構造体
は、半導体製造技術で発展した様々な技術と設備を利用
することで、安価に簡単に製造することができる。
【0021】本発明は、また、可動部が存在しない微小
構造体の製造方法にも具現化することができる。この製
造方法では、基板の表面に、断面視したときに空隙を隔
てて配置されている少なくとも2つの凸パターンを提供
する固定部と、2つの凸パターン間の空隙内に配置され
ているとともに製造終了時に消失する凸パターンを提供
するダミー部を形成する。その後に、固定部の2つの凸
パターン間に亘る領域に犠牲層を堆積する。そして、犠
牲層を堆積した後にダミー部を除去する。高感度化のた
めに、図1に示すような検出電極28(固定部に相当す
る)等を厚くしたい場合がある。また、微小構造体(上
記角速度センサ等)の設計上の理由から、2つの固定部
(例えば図1の検出電極28aと28b)間の空隙幅を
広くせざるを得ない場合もある。この製造方法による
と、製造終了時には固定部の厚さが厚く、固定部の2つ
の凸パターン間の空隙幅が広い微小構造体を実現しなが
らも、製造工程中には固定部の2つの凸パターンに亘る
領域上をほぼ平坦化させることができる。
【0022】この製造方法では、犠牲層を堆積した後に
ダミー部を除去する。この製造方法ではさらに、犠牲層
上に構造層を形成し、犠牲層を堆積した後、または、構
造層を形成した後に、ダミー部を除去し、構造層を形成
した後に、犠牲層を除去することが好ましい。この製造
方法によると、固定部の2つの凸パターンの高さが高
く、その2つの凸パターンが大きく隔てられているため
に、従来であれば2つの凸パターン間に亘って伸びる構
造層を形成できない場合に、ダミー部(例えば、図1の
検出電極28aと28bを固定部とした場合は、ダミー
部32a)を利用することによって2つの凸パターン間
に亘って伸びる構造層を形成することができる。この製
造方法によると、固定部の厚さが厚く、固定部の2つの
凸パターン間の空隙幅が広く、それでいながら、固定部
と空隙の上方に電極等の構造層が配置された微小構造体
を実現できる。
【0023】上記の方法が開発されたために、基板と、
基板に結合されているとともに断面視したときに1μm
以上の空隙を隔てて配置されている少なくとも2つの凸
パターンを提供する厚さ1μm以上の固定部と、固定部
の2つの凸パターン間に亘って伸びているとともに基板
から分離された構造層を備えた微小構造体が実現され
た。
【0024】
【発明の実施の形態】 図7に本発明の実施の形態の角
速度センサにダミー部32が形成された状態の平面図を
示す。図7の角速度センサの場合、可動部22とビーム
10a〜10hとビーム20a〜20dとリンク16a
〜16bとリンク14a〜14dは、特許請求の範囲に
記載の可動部に相当し、励振電極4a、4bと検出電極
28a〜28dは、特許請求の範囲に記載の固定部に相
当し、ダミー部32(特に32a〜32e)がダミー部
に相当する。
【0025】図7に示すようなダミー部32を形成する
ことは、マイクロローディング効果対策としても有用で
ある。ここで、マイクロローディング効果とは、エッチ
ング幅/エッチング深さの値が約1以上になると、深さ
方向へのエッチング速度が速くなるという効果である。
この効果によると、固定部や可動部等のパターン間の空
隙幅が広い箇所(例えば、ダミー部32bが存在しない
と仮定すると、検出電極28aとビーム20aの間)
は、パターン間の空隙幅が狭い箇所(例えば、櫛歯電極
30aと櫛歯電極26aの間)よりもエッチング速度が
速くなる。この結果、パターン間の空隙幅が狭い箇所に
エッチング時間を合わせると、パターン間の空隙幅が広
い箇所ではオーバーエッチングとなってしまう。特に、
パターン間の空隙幅が広い箇所にビーム(例えば上記し
たビーム20a)等の細いパターンが形成されている場
合、細いビームがオーバーエッチングされると所望のセ
ンサ特性が得られなくなるという問題が生じる。また、
パターン間の空隙幅が広い箇所にエッチング時間を合わ
せても、パターン間の空隙幅が狭い箇所のエッチングが
不足し、この場合も所望のセンサ特性が得られなくなる
という問題が生じる。
【0026】しかし、図7に示すようなダミー部32を
形成して、パターン間の空隙の幅をほぼ均一に揃えるこ
とで、上記したようなマイクロローディング効果が引き
起こす問題を解消することができる。それでいながら、
以下の実施例に示すように製造工程中でダミー部32を
除去することで、製造終了時には、パターン間の空隙幅
が広い微小構造体を実現することができる。
【0027】
【実施例】(第1実施例) 第1実施例の角速度センサ
の製造方法を説明する。この製造方法によって、図8の
平面図に示すように、基板と、基板との間に空隙を隔て
て配置された開口群110aを有する単結晶シリコンか
らなる可動部106aと、基板に結合されるとともに可
動部106aの周囲に空隙を隔てて配置された単結晶シ
リコンからなる固定部106cと、可動部106aと固
定部106cを繋ぐビーム106dと、図9の平面図に
示すような可動部106aの上方に空隙を隔てて配置さ
れるとともに固定部106cに結合された開口群121
を有する上部電極(構造層に相当)120を備えた角速
度センサが製造される。この角速度センサは図7に示す
角速度センサの形状を簡略化したものである。図8で
は、製造終了時には消失するダミー部106bが示され
ている。以下では第1実施例の角速度センサの製造方法
を、図8と、図9と、図9のA−A断面からみた状態に
よって説明する。
【0028】まず、図10に示すような、単結晶シリコ
ンからなる基板102と、シリコン酸化膜からなる絶縁
層104と、単結晶シリコンからなる活性層106を備
えたSOI基板を用意する。本実施例では活性層106
の厚さW6が10μmのSOI基板を用いる。次に、図
11に示すように、活性層106上に、CVD等によっ
てシリコン酸化膜108を堆積させる。次に、図12に
示すように、シリコン酸化膜108をパターニングす
る。このパターニングによって可動部形成用のマスク1
08aと、ダミー部形成用のマスク108bと、固定部
形成用のマスク108cを形成する。このパターニング
形状は、各マスク108a〜108cによって活性層1
06がパターニングされた後の形状を示す図8と同じ形
状である。
【0029】次に、図13に示すように、上記のように
パターニングされたシリコン酸化膜108a〜108c
をマスクとして、活性層106をRIE等によりエッチ
ングして、活性層106に、可動部106aと、ダミー
部106bと、固定部106cを構成する凸パターンを
形成する。本実施例では、 (1)可動部106aのエッチング孔110aの幅W7 (2)可動部106aの一番外側と、内側のダミー部1
06bとの間のエッチング孔110bの幅W8 (3)2つのダミー部106b間のエッチング孔110
dの幅W9 (4)外側のダミー部106bと固定部106cとの間
のエッチング孔110cの幅W10、のそれぞれを2μ
mとしている。また、各ダミー部106bの幅W11を
2μmとしている。 即ち、可動部106aの一番外側と固定部106cの間
の幅W12は10μmであり、ここに3つの空隙と2つ
のダミー部を形成している。可動部106aとダミー部
106bと固定部106cのパターニング形状を平面視
すると、図8のようになる。なお、図8に示す略正方形
状の可動部106aの全長は約200μmであり、実際
には、図示より多数の開口群110aが形成されてい
る。
【0030】次に、図14に示すように、可動部106
aからダミー部106bを経て固定部106cに至る領
域に亘って、CVD等によってシリコン酸化膜112を
堆積させる。シリコン酸化膜112を堆積させると、各
エッチング孔110a〜110d(図13参照)内にシ
リコン酸化膜112が入り込み、埋込まれる。ただし、
上記したように、各エッチング孔110a〜110dの
幅は2μmとしているので、シリコン酸化膜112の上
面がエッチング孔110a〜110c内には入り込ま
ず、シリコン酸化膜112の上面はほぼ平坦化される。
次に、図15に示すように、ダミー部106bの直上の
シリコン酸化膜112と108b(図14参照)をRI
E等によって除去してエッチング孔114を形成する。
この結果、SOI基板を平面視すると、ダミー部106
bが露出した状態となる。なお、可動部106aはシリ
コン酸化膜112aによって、また、固定部106cは
シリコン酸化膜112bによってエッチングマスクされ
た状態となっている。次に、図16に示すように、ダミ
ー部106bが露出し、可動部106aと固定部106
cがエッチングマスクされた状態でTMAH(テトラメ
チルアンモニウムハイドライド)溶液等によってダミー
部106bをエッチングして除去する。この結果、エッ
チング孔116が形成される。
【0031】次に、図17に示すように、シリコン酸化
膜112上にCVD等によってシリコン酸化膜118を
堆積させる。シリコン酸化膜118を堆積させると、各
エッチング孔116(図16参照)内にシリコン酸化膜
118が入り込み、埋込まれる。ただし、図13に示し
たようにダミー部106bの幅W11は2μmであるた
め、エッチング孔116の幅も2μmとなるから、シリ
コン酸化膜118の上面がエッチング孔116内には入
り込まず、シリコン酸化膜118の上面はほぼ平坦化さ
れる。次に、図18に示すように、ほぼ平坦化されてい
るシリコン酸化膜118上にポリシリコンからなる上部
電極120を成膜する。このように、ほぼ平坦化されて
いるシリコン酸化膜118上に上部電極120を成膜す
ることによって、上部電極120が図13に示したエッ
チング孔110a〜110d内に入り込むことがない。
【0032】次に、図19に示すように、上部電極12
0に犠牲層エッチング用の多数の開口群121を形成す
るようにパターニングする。上部電極120のパターニ
ング形状を平面視すると、図9のようになる。次に、図
20に示すように、フッ化水素(HF)を含むエッチン
グ液等によって犠牲層エッチングして可動部106aの
周辺のシリコン酸化膜104、108、112、118
(図19参照)を除去する。この結果、可動部106a
と固定部106cの間に幅の広い空隙122が形成され
る。また、可動部106aと上部電極120の間に空隙
124が形成される。さらに、可動部106aと基板1
02の間に空隙126が形成される。なお、犠牲層エッ
チングを行っても、上部電極120に形成された開口群
121の深さ方向からずれた位置にあるシリコン酸化膜
104a、108d、112c、118aは除去されな
いで残る。シリコン酸化膜104aは基板102上に固
定部106cを固定する役割を果たし、シリコン酸化膜
108d、112c、118aは固定部106c上に上
部電極120を固定する役割を果たす。
【0033】以上で説明した第1実施例の製造方法によ
ると、図20に示すような、基板102と、基板102
との間に空隙126を隔てて配置された単結晶シリコン
からなる厚さW6(10μm)の可動部106aと、基
板102に結合されるとともに可動部106aとの間に
空隙幅W12(10μm)を隔てて配置された単結晶シ
リコンからなる固定部106cと、可動部106aの上
方に空隙124を隔てて配置されるとともに固定部10
6cに結合された上部電極(構造膜)120を備えた角
速度センサを実現できる。この角速度センサによると、
図20に示すように、可動部106aの厚さW6が10
μmと厚いので、可動部106aの質量を大きくするこ
とができる。このため、角速度センサの出力(コリオリ
力)を大きくすることができる。また、空隙幅W12が
10μmと広いので、可動部106aが固定部106c
に近づく方向(基板面に平行な方向)に大きく変位する
ことができる。また、空隙幅W12が10μmと広いの
で、空気の粘性による可動部106aの振動の減衰を少
なくすることができるという効果も得られる。空隙幅W
12の広さは、ダミー部106bの数を増やすことで、
制限を受けることなく広くできる。また、SOI基板を
用いることで、シリコン酸化膜(中間絶縁層)104上
のシリコンの厚さ(即ち、可動部106aの厚さW6)
を100μm以上に厚くすることもできる。さらに、こ
のセンサは、従来の2次元的な平面構造のセンサではな
く、可動部106aの上方に上部電極120が配置され
た3次元的な立体構造のセンサとなっているので、基板
面に垂直な方向(上下方向)の加速度(例えば重力加速
度)が可動部106aに加わったときの可動部106a
と上部電極120間の距離の単位時間当たりの変化を静
電容量の単位時間当たりの変化として検出することがで
きるため、基板面に垂直な方向の加速度を検出するセン
サとして用いることができる。
【0034】(第2実施例) 第2実施例の角速度セン
サの製造方法を説明する。第2実施例の角速度センサの
製造方法は、第1実施例の角速度センサの製造方法と図
10から図17に示す製造工程までは共通する。図17
に示すように、シリコン酸化膜112上にCVD等によ
ってシリコン酸化膜118を堆積させた後、図21に示
すように、固定部106cの直上に、シリコン酸化膜1
18の上面から固定部106cの上面に達する、固定部
106cより幅の狭い孔119をRIEによりエッチン
グして形成する。次に、図22に示すように、ほぼ平坦
化されているシリコン酸化膜118上にポリシリコンか
らなる上部電極120を成膜する。この結果、上記した
エッチング孔119内が上部電極120aによって埋込
まれ、埋込まれた上部電極120aの下面は固定部10
6cの上面に接触する。エッチング孔119はコンタク
トホールとして機能し、そこに埋め込まれるポリシリコ
ンによって、上部電極120と固定部106c間での電
気的導通が確保される。次に、図23に示すように、上
部電極120に犠牲層エッチング用の多数の開口群12
1を形成するようにパターニングする。次に、図24に
示すように、フッ化水素を含むエッチング液等による犠
牲層エッチングによって可動部106aの周辺の絶縁層
104、108、112、118(図23参照)を除去
する。
【0035】以上で説明した第2実施例の製造方法によ
ると、図24に示すような、上部電極120の下面を固
定部106cの上面に接触させた角速度センサを実現で
きる。このため、固定部106cから上部電極120に
電圧をかけることができるので、可動部106aの上方
に上部電極120が配置されていながら、コンパクトな
構成の角速度センサを実現できる。
【0036】(第3実施例) 第3実施例の角速度セン
サの製造方法を説明する。第3実施例の角速度センサの
製造方法は、第1実施例の角速度センサの製造方法と図
10から図19に示す製造工程までは共通する。図19
に示すように、上部電極120に犠牲層エッチング用の
多数の開口群121を形成するようにパターニングした
後、図25に示すように、多数の開口群121が形成さ
れた上部電極120の全体領域に亘って透過膜128を
成膜する。透過膜128を成膜すると、開口群121が
形成されていない部分は上部電極120上に透過膜12
8aが堆積されるが、開口群121が形成された部分は
シリコン酸化膜118上に透過膜128bが堆積され
る。この透過膜128bは、犠牲層エッチングを行うた
めのエッチング液やエッチングガスは通すが塵等の異物
は通さない。次に、図26に示すように、透過膜128
をエッチングして図中130と132の部分の透過膜1
28を除去する。次に、図27に示すように、フッ化水
素を含むエッチング液等による犠牲層エッチングによっ
て可動部106aの周辺の絶縁層104、108、11
2、118(図26参照)を除去する。次に、図28に
示すように、上部電極120上と透過膜128上の全体
領域に亘って真空中で封止膜140を成膜する。
【0037】以上で説明した第3実施例の製造方法によ
ると、図28に示すような、第1実施例の製造方法で製
造した角速度センサの構成に加えて、開口群121が形
成された上部電極120上に形成された透過膜128
と、透過膜128上に形成された封止膜140をさらに
備えた角速度センサを実現できる。この角速度センサは
真空封止されているので、可動部106aの振動の際、
空気の粘性による振動の減衰が生じない。また、この製
造方法によると、上記したような半導体製造プロセスで
の連続したバッチ処理によって真空封止を行えるため、
キャンパッケージやウェハ接合を用いて真空封止を行う
ことによる問題を生じさせないで真空封止された角速度
センサを低コストで実現できる。
【0038】(第4実施例) 第4実施例の角速度セン
サの製造方法を説明する。この製造方法によって、図2
9の平面図(ただし、製造終了時には消失するダミー部
206bを含む)に示すような、基板と、基板との間に
空隙を隔てて配置された単結晶シリコンからなる可動部
206aと、基板に結合されるとともに可動部206a
の周囲に空隙を隔てて配置された単結晶シリコンからな
る固定部206cと、可動部206aと固定部206c
を繋ぐビーム206dと、可動部206aの上方に空隙
を隔てて配置されるとともに固定部206cに結合され
た上部電極(前記した図9の上部電極120と同じ形
状)を備えた角速度センサが製造される。以下では第4
実施例の角速度センサの製造方法を、図29と、図29
のA−A断面からみた状態によって説明する。
【0039】まず、図30に示すような、単結晶シリコ
ンからなる基板202と、シリコン酸化膜からなる絶縁
層204と、単結晶シリコンからなる活性層206を備
えたSOI基板を用意する。本実施例では活性層206
の厚さW14が10μmのSOI基板を用いる。次に、
図31に示すように、活性層208上に、CVD等によ
ってシリコン酸化膜208を堆積させる。次に、図32
に示すように、シリコン酸化膜208をパターニングす
る。このパターニングによって可動部形成用のマスク2
08aと、ダミー部形成用のマスク208bと、固定部
形成用のマスク208cを形成する。このパターニング
形状は、各マスク208a〜208cによって活性層2
06がパターニングされた後の形状を示す図29と同じ
形状である。
【0040】次に、図33に示すように、上記のように
パターニングされたシリコン酸化膜208a〜208c
をマスクとして、活性層206をRIE等によりエッチ
ングして、活性層206に可動部206aと、ダミー部
206bと、固定部206cを形成する。本実施例で
は、(1)可動部206aのエッチング孔210aの幅
W15、(2)可動部206aの一番外側とダミー部2
06bの間のエッチング孔210bの幅W16、(3)
ダミー部206bと固定部206cの間のエッチング孔
210cの幅W17、のそれぞれを2μmとしている。
また、ダミー部206bの幅W18は6μmである。即
ち、可動部206aの一番外側と固定部206cの間の
幅W20は10μmであり、ここに2つの空隙と1つの
ダミー部を形成している。可動部206aとダミー部2
06bと固定部206cのパターニング形状を平面視す
ると、図29のようになる。
【0041】次に、図34に示すように、可動部206
aとダミー部206bを経て固定部206cに至る領域
に亘って、CVD等によってシリコン酸化膜212を堆
積させる。シリコン酸化膜212を堆積させると、各エ
ッチング孔210a〜210c(図33参照)内にシリ
コン酸化膜212が入り込み、埋込まれる。ただし、各
エッチング孔210a〜210cの幅は2μmとしてい
るので、シリコン酸化膜212の上面がエッチング孔2
10a〜210c内にまでは入り込まず、シリコン酸化
膜212の上面はほぼ平坦化される。次に、図35に示
すように、ほぼ平坦化されているシリコン酸化膜212
上にポリシリコンからなる上部電極220を成膜する。
このように、ほぼ平坦化されているシリコン酸化膜21
2上に上部電極220を成膜することによって、上部電
極220が図33に示したエッチング孔210a〜21
0c内にまで入り込むことはない。次に、図36に示す
ように、上部電極220に犠牲層エッチング用の多数の
開口群221を形成するようにパターニングする。この
とき、ダミー部206bの直上の開口221aは他の開
口221に比較して大きめにパターニングする。
【0042】次に、図37に示すように、シリコン酸化
膜212と上部電極220の全体領域に亘って上部電極
220を覆うようにCVD等によってシリコン酸化膜2
23を堆積させる。次に、図38に示すように、ダミー
部206bの直上のシリコン酸化膜208b、212、
223をRIEによって除去してエッチング孔225を
形成する。このエッチング孔225は、上部電極220
に形成された大きめの開口221a(図36参照)を経
由するように形成する。この結果、SOI基板を平面視
すると、ダミー部206bが露出した状態となる。ま
た、上部電極220がシリコン酸化膜223によってエ
ッチングマスクされた状態となる。次に、図39に示す
ように、ダミー部206bが露出し、上部電極220が
エッチングマスクされた状態でTMAH溶液等によって
ダミー部206bを除去する。この結果、ダミー部20
6bが存在していた部分に空隙207が形成される。次
に、図40に示すように、フッ化水素を含むエッチング
液等による犠牲層エッチングによって可動部206aの
周辺のシリコン酸化膜204、208、212、21
8、および上部電極220を覆うシリコン酸化膜223
を除去する。この結果、第1実施例の製造方法で製造し
た角速度センサと同様の、空隙222、224、226
が形成される。
【0043】以上で説明した第4実施例の製造方法によ
ると、第1実施例の製造方法の場合と同様に、図40に
示すような、基板202と、基板202との間に空隙2
26を隔てて配置された単結晶シリコンからなる厚さW
14(10μm)の可動部206aと、基板202に結
合されるとともに可動部206aとの間に空隙幅W20
(10μm)を隔てて配置された単結晶シリコンからな
る固定部206cと、可動部206aの上方に空隙22
4を隔てて配置されるとともに固定部222に結合され
た上部電極220を備えた角速度センサを実現できる。
【0044】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、
単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発
揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定さ
れるものではない。また、本明細書または図面に例示し
た技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、その
うちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を
持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の角速度センサの平面図を示す。
【図2】 角速度センサを構成するシリコンのパターニ
ング形状の概略平面図を示す。
【図3】 従来の角速度センサの製造工程の一部を示す
(1)。
【図4】 従来の角速度センサの製造工程の一部を示す
(2)。
【図5】 従来の角速度センサの製造工程の一部を示す
(3)。
【図6】 従来の角速度センサの製造工程の一部を示す
(4)。
【図7】 本発明の実施の形態の角速度センサにダミー
部が形成された状態の平面図を示す。
【図8】 第1実施例の角速度センサを構成するシリコ
ンのパターニング形状の概略平面図を示す。
【図9】 第1実施例の角速度センサを構成する電極の
パターニング形状の概略平面図を示す。
【図10】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(1)。
【図11】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(2)。
【図12】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(3)。
【図13】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(4)。
【図14】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(5)。
【図15】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(6)。
【図16】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(7)。
【図17】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(8)。
【図18】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(9)。
【図19】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(10)。
【図20】 第1実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(11)。
【図21】 第2実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(1)。
【図22】 第2実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(2)。
【図23】 第2実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(3)。
【図24】 第2実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(4)。
【図25】 第3実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(1)。
【図26】 第3実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(2)。
【図27】 第3実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(3)。
【図28】 第3実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(4)。
【図29】 第4実施例の角速度センサを構成するシリ
コンのパターニング形状の概略平面図を示す。
【図30】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(1)。
【図31】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(2)。
【図32】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(3)。
【図33】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(4)。
【図34】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(5)。
【図35】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(6)。
【図36】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(7)。
【図37】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(8)。
【図38】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(9)。
【図39】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(10)。
【図40】 第4実施例の角速度センサの製造工程の一
部を示す(11)。
【符号の説明】
106a、206a:可動部 106b、206b:固定部 106c、206c:ダミー部 120、220:構造層 122、222:空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 智由 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2F105 BB02 BB20 CC04 CD03 CD05 CD13 4M112 AA01 AA02 BA08 CA03 CA04 CA06 CA11 CA13 DA06 EA02 EA06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に、製造終了時に可動状態と
    なる可動部と、可動部との間に空隙を隔てて配置された
    固定部と、可動部と固定部との間の空隙内に配置されて
    いるとともに製造終了時に消失するダミー部とに分離さ
    れている凸パターンを形成し、 可動部からダミー部を経て固定部に至る領域に犠牲層を
    堆積し、 犠牲層を堆積した後にダミー部を除去する工程群を有す
    る微小構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 犠牲層上に構造層を形成し、 犠牲層を堆積した後、または、構造層を形成した後に、
    ダミー部を除去し、 構造層を形成した後に、犠牲層を除去することを特徴と
    する請求項1に記載の微小構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 SOI基板の絶縁層上のSOI層に絶縁
    層に達する凸パターンを形成し、その後に絶縁層を除去
    することによって半導体基板に対して可動状態となる可
    動部を形成することを特徴とする請求項1または2に記
    載の微小構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 犠牲層を堆積した後に、犠牲層の上面か
    らダミー部に達する孔を形成し、その孔からダミー部を
    エッチングして除去し、その犠牲層上にさらに別の犠牲
    層を堆積し、その別の犠牲層上に開口群を有する構造層
    を形成し、その開口群から犠牲層をエッチングして除去
    することを特徴とする請求項2または3に記載の微小構
    造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 開口群を有する構造層を形成した後に、
    エッチングマスクとなる別の犠牲層で構造層を覆い、そ
    の別の犠牲層の上面からダミー部に達する孔を形成し、
    その孔からダミー部をエッチングして除去し、ついで犠
    牲層をエッチングして除去することを特徴とする請求項
    2または3に記載の微小構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 犠牲層を堆積した後に、犠牲層の上面か
    ら固定部に達するコンタクト孔を形成し、その後に犠牲
    層上に構造層を形成することを特徴とする請求項2から
    5のいずれかに記載の微小構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 開口群が形成された構造層上に透過膜を
    形成し、その透過膜上に真空中または不活性ガス雰囲気
    中で封止膜を形成することを特徴とする請求項2から6
    のいずれかに記載の微小構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板と、基板との間に空隙を隔てて配置
    された厚さ1μm以上の可動部と、基板に結合されると
    ともに可動部との間に1μm以上の空隙を隔てて配置さ
    れた固定部と、可動部の上方を空隙を隔てて配置される
    とともに固定部に結合された構造層を備えた微小構造
    体。
  9. 【請求項9】 開口群が形成された構造層上に形成され
    た透過膜と、その透過膜上に形成された封止膜をさらに
    備えたことを特徴とする請求項8に記載の微小構造体。
  10. 【請求項10】 可動部と固定部が、SOI基板の絶縁
    層上のSOI層で形成されていることを特徴とする請求
    項8または9に記載の微小構造体。
  11. 【請求項11】 基板の表面に、断面視したときに空隙
    を隔てて配置されている少なくとも2つの凸パターンを
    提供する固定部と、2つの凸パターン間の空隙内に配置
    されているとともに製造終了時に消失する凸パターンを
    提供するダミー部を形成し、固定部の2つの凸パターン
    間に亘る領域に犠牲層を堆積し、 犠牲層を堆積した後にダミー部を除去する工程群を有す
    る微小構造体の製造方法。
  12. 【請求項12】 犠牲層上に構造層を形成し、 犠牲層を堆積した後、または、構造層を形成した後に、
    ダミー部を除去し、構造層を形成した後に、犠牲層を除
    去することを特徴とする請求項11に記載の微小構造体
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板と、基板に結合されているととも
    に断面視したときに1μm以上の空隙を隔てて配置され
    ている少なくとも2つの凸パターンを提供する厚さ1μ
    m以上の固定部と、固定部の2つの凸パターン間に亘っ
    て伸びているとともに基板から分離された構造層を備え
    た微小構造体。
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