JP2003043971A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行中に回転可能であり、かつ外部から観察可能な回転体である生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に、粘着部を有するフィルムからなる広告を表示させてなることを特徴とする広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック。
【請求項2】上記タンクの回転に従って、上記広告の全てを車両の片側から見ることができるように構成されている請求項1に記載の広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック。
【請求項3】上記タンク自体を立体的な他の物体に見立てて広告を表示させてなる請求項1又は2に記載の広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中に宣伝広告機能を発揮する広告手段を備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人目に触れる機会の多い路線バス、電車、営業用ワゴン車等の車両の表面に、広告用の文字、絵柄等を表示して、宣伝広告を行なうことが多くなっている。特に、マーキングフィルムと称される車両の装飾用の粘着フィルムは、装飾の対象となる車両への貼付及び剥離を容易に行なうことができるため、広告期間が限定されている場合や広告の内容を随時変更する必要がある場合等において、広く用いられている。
一方、輸送用車両のタンクの部分については、曲面の部分が多いため、広告用の文字や絵柄を表すことは、積極的には行なわれていなかった。この点、特開2001−117520号公報には、積載型タンク自動車の荷台上のタンクの両側を平板状の部材で覆い、この立設した平板状の部材の外面に広告を表示することが提案されている。この例に見られるように、車両の荷台上のタンクは、一般に、広告表示体としては不適当であると認識されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、マーキングフィルム等によって自動車等の車両に表示された広告は、広告の観察者(例えば、道路の脇に立つ歩行者)にとって、観察者の位置する側の車両の面に表示されたものしか見ることができなかった。また、車両に表示された広告は、車両に対する相対的な動きがないため、観察者に訴えかける力にも乏しかった。
一方、輸送用車両のタンクの表面は、曲面であるため、広告を表示しづらい上に、仮に広告を表示しても、外部から見易い部分と見づらい部分とが生じてしまうなど、種々の問題があった。
したがって、本発明は、車両に表示された広告が、車両の片側に位置する観察者によって全て読み取られることができるとともに、従来、広告表示の媒体として適していなかった荷台上のタンクの曲面部分を広告表示体として有効に利用した車両を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に、広告を表示させれば、生コンクリート用アジテータトラックの走行時に、道路の脇に立つ歩行者や他の車両の運転者等が、回転移動する斬新な形態の広告に注意を喚起されて、その広告の全部または主要部分を見るであろうと期待され、よって、大きな宣伝広告効果を発揮することができることに想到し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明(請求項1)は、走行中に回転可能であり、かつ外部から観察可能な回転体である生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に、粘着部を有するフィルムからなる広告を表示させてなることを特徴とする広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラックを提供するものである。
このように構成すれば、生コンクリート用アジテータトラックの走行時において、生コンクリート用アジテータトラックの周囲にいる歩行者や他の車両の運転者等(観察者)は、回転体であるタンク上の動く広告によって注意を喚起されて、広告に注目するとともに、タンクが一回転する間に広告の全てを見ることができる。
【0006】
上記生コンクリート用アジテータトラックの具体的な態様の一例としては、例えば、上記タンクの回転に従って上記広告の全てを車両の片側(特に、車両の進行方向と垂直な一方向)から見ることができるように構成されている車両を挙げることができる(請求項2)。
【0007】
生コンクリート用アジテータトラックのタンクは、広告媒体として用いるのに十分な大きさの外面を有し、かつ、観察者が広告情報を認識するのに支障のない適当な回転速度で回転するので、本発明における広告表示体として好ましいものである。
【0008】
本発明においては、粘着部を有するフィルムを用いているので、宣伝期間が限定されている場合等において、フィルムの貼付及び剥離によって、広告の新設、削除、変更を容易に行なうことができる。
本発明の生コンクリート用アジテータトラックは、上記タンク自体を立体的な他の物体に見立てて広告を表示させてなるものとすることができる(請求項3)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる車両は、走行中に回転可能であり、かつ外部から観察可能な回転体であるタンクを備えている生コンクリート用アジテータトラックである。
【0010】
回転体であるタンクは、車両の走行中に回転可能であることが必要である。車両の走行中に回転体が回転することによって、車両の出発地から目的地までの間、回転体上の広告が回転して、外部の観察者(すなわち、車両の周囲にいる歩行者や他の車両の運転者等)の注意を惹き、目的とする広告宣伝機能を発揮することができる。
また、回転体であるタンクは、外部から観察可能であることが必要である。すなわち、回転体であるタンクは、外部の観察者が当該回転体の表面(広告表示体が付いている。)の少なくとも一部を目視で観察することができるように、車両上に配設されることが必要である。なお、回転体であるタンクは、回転軸及びその付属機器を除いて、周囲に被覆物を有していないことが望ましいが、回転によって全広告情報を外部(特に、車両の進行方向と垂直な一方向)から読み取ることができる限りにおいて、一部に被覆物を有していてもよい。
【0011】
回転体であるタンクの回転方法は、一方向にのみ回転するものであっても、あるいは両方向に一定時間毎に交互に回転するものであってもよく、また、連続的に回転するものであっても、あるいは間欠的に回転するものであってもよい。好ましい態様は、一方向の連続回転である。
回転体であるタンクの回転軸の軸線は、車両の進行方向と略同一の方向であることが望ましい。この場合、外部の観察者は、車両の左右方向(車両の進行方向とは垂直の方向)の一方の側から、回転体上の広告を順次、連続的に見ることができる。
【0012】
回転体であるタンクの好適な態様としては、車両の荷台に設置された連続回転可能なタンクであって、該タンクの回転に従ってタンクに表示された広告の全てを車両の片側(特に、車両の進行方向と垂直な一方向)から見ることができるように配設されたタンクを挙げることができる。
【0013】
生コンクリート用アジテータトラックは、生コンクリートの材料分離を防止するために、生コンクリートの製造工場から、生コンクリートの打設現場までの輸送中、常時、生コンクリートを収容したタンクを回転させている。
このタンクは、トラックの荷台上に、トラックの走行方向と略一致(ただし、水平面に対しては所定の角度を有する。)する方向の軸線を持つ回転軸を有するように配設され、かつ、トラックの走行中に比較的緩やかな一定の速度で一定方向に連続回転するものである。また、このタンクは、表面積が大きくて、被覆物がないため、目立ち易いという特徴がある。さらに、このタンクは、車両の走行中に回転させて用いることを前提としているため、広告表示を回転させるために特別に回転させるといった事情もなく、追加の設備や動力も不要である。
【0014】
回転体の表面に広告を表示する際の表示媒体としては、粘着部を有するフィルムが用いられる。粘着部を有するフィルムは、貼付作業や、張替時の剥離作業が容易である点で、好適に用いられる。
なお、粘着部を有するフィルムは、車両の外面を装飾するフリートマーキングの用途に用いるものとして、一般に、「マーキングフィルム」、「マーキングシート」等と称されている。
【0015】
粘着部を有するフィルム(マーキングフィルム)は、例えば、フィルム本体である基材の片面に粘着層を形成させ、粘着層の面に剥離用フィルムを貼り合わせた積層体として用意される。この場合、剥離用フィルムを粘着層から剥がし、基材と粘着層とからなるフィルムを、生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に貼付して使用する。
【0016】
ここで、フィルム本体である基材を構成する材料としては、フィルム状(シート状)に成形可能なものであればよく、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体(例えば、エチレン−塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル樹脂等)、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、軟質ポリ塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体は、柔軟性、曲面貼付性、耐候性、成形性等に優れるため、好ましい。
なお、基材の材料中には、必要に応じて、可塑剤、顔料、紫外線吸収剤、熱安定剤等を添加することができる。
基材の厚みは、通常、10〜200μm、好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。厚みが10μm未満であると、フィルムの貼付時に作業しづらくなり、また、しわが生じ易くなる。厚みが200μmを超えると、フィルムのコストが増大し、また、曲面に対する貼付性が低下する。
【0017】
粘着層の材料に用いる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。粘着剤中には、必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、粘着付与剤等を添加することができる。
粘着層の厚みは、通常、5〜200μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜50μmである。厚みが5μm未満では、所望の接着力が得られないおそれがあり、厚みが200μmを超えると、フィルムのコストが増大する。
【0018】
剥離用フィルムとしては、例えば、不織布、紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のプラスチックフィルム、シリコン樹脂等の合成樹脂を被覆した紙等が挙げられる。
【0019】
粘着部を有するフィルム(マーキングフィルム)は、通常、単色で無地の形態のものが用いられる。単色(有色)で無地のフィルムに対して、カッティングマシーン等の切断手段を用いて所望の形状に切り抜けば、文字や図柄を作製することができる。あるいは、無地のフィルム上に、シルクスクリーン印刷等の印刷手段で所望の文字や図柄を表してもよい。
【0020】
回転体であるタンクに表示される広告の内容としては、例えば、一般企業の広告、テレビ局の新番組等の宣伝、映画の広告等が挙げられる。
本発明において、生コンクリート用アジテータトラックのタンクに表示される、粘着部を有するフィルムからなる広告は、90分以内で片道を走行可能な路線をトラックが繰り返し往復することや、生コンクリート製造工場が全国各地に数多く存在する等の事情から、建設中の物件(マンション、公共施設等)の宣伝・広告、イベント行事の宣伝、地方自治体での村おこしの宣伝等に効果的に利用することができる。
さらに、上記の回転体であるタンク自体を3次元の何らかの物体に見立てた装飾を施すことによって、立体的な該物体が、回転という動きを伴っている印象を観察者に与え、より注意を喚起し得る広告を行なうことができる。例えば、アジテータトラックのタンク全体に豚の形状の装飾を施し、これを回転させると、豚の丸焼きを行なっている状況をイメージさせることができ、関連する事業の広告に用いることができる。
【0021】
生コンクリート用アジテータトラックのタンクに広告を表示した例を、図1及び図2に示す。図1は、本発明の車両の一例を示す斜視図であり、建設中のマンションの名称を記載した部分がタンクの側面に位置する状態を示している。図2は、図1に示すタンクが回転して、マンションの入居開始日を記載した部分がタンクの側面に位置する状態を示している。
図1及び図2中、生コンクリート用アジテータトラック1は、生コンクリートを撹拌するためのタンク2を有する。タンク2の表面には、建設中のマンションの広告3が表示されている。
【0022】
【発明の効果】
本発明の広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラックによれば、タンクに表示された広告は、車両の走行中に、外部の観察者(歩行者等)に対して大きな宣伝広告効果を発揮することができる。
すなわち、広告が、回転移動して経時的に変化するものであるため、観察者は、他の静止した広告よりも、本発明の車両の広告に注意を惹かれることになり、また、回転体(生コンクリート用アジテータトラックのタンク)が回転する間に広告の全情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生コンクリート用アジテータトラックの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す生コンクリート用アジテータトラックのタンクが回転した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 生コンクリート用アジテータトラック
2 タンク
3 広告
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行中に回転可能であり、かつ外部から観察可能な回転体である生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に、粘着部を有するフィルムからなる広告を表示させてなることを特徴とする広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック。
【請求項2】上記タンクの回転に従って、上記広告の全てを車両の片側から見ることができるように構成されている請求項1に記載の広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック。
【請求項3】上記タンク自体を立体的な他の物体に見立てて広告を表示させてなる請求項1又は2に記載の広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラック。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中に宣伝広告機能を発揮する広告手段を備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人目に触れる機会の多い路線バス、電車、営業用ワゴン車等の車両の表面に、広告用の文字、絵柄等を表示して、宣伝広告を行なうことが多くなっている。特に、マーキングフィルムと称される車両の装飾用の粘着フィルムは、装飾の対象となる車両への貼付及び剥離を容易に行なうことができるため、広告期間が限定されている場合や広告の内容を随時変更する必要がある場合等において、広く用いられている。
一方、輸送用車両のタンクの部分については、曲面の部分が多いため、広告用の文字や絵柄を表すことは、積極的には行なわれていなかった。この点、特開2001−117520号公報には、積載型タンク自動車の荷台上のタンクの両側を平板状の部材で覆い、この立設した平板状の部材の外面に広告を表示することが提案されている。この例に見られるように、車両の荷台上のタンクは、一般に、広告表示体としては不適当であると認識されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、マーキングフィルム等によって自動車等の車両に表示された広告は、広告の観察者(例えば、道路の脇に立つ歩行者)にとって、観察者の位置する側の車両の面に表示されたものしか見ることができなかった。また、車両に表示された広告は、車両に対する相対的な動きがないため、観察者に訴えかける力にも乏しかった。
一方、輸送用車両のタンクの表面は、曲面であるため、広告を表示しづらい上に、仮に広告を表示しても、外部から見易い部分と見づらい部分とが生じてしまうなど、種々の問題があった。
したがって、本発明は、車両に表示された広告が、車両の片側に位置する観察者によって全て読み取られることができるとともに、従来、広告表示の媒体として適していなかった荷台上のタンクの曲面部分を広告表示体として有効に利用した車両を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に、広告を表示させれば、生コンクリート用アジテータトラックの走行時に、道路の脇に立つ歩行者や他の車両の運転者等が、回転移動する斬新な形態の広告に注意を喚起されて、その広告の全部または主要部分を見るであろうと期待され、よって、大きな宣伝広告効果を発揮することができることに想到し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明(請求項1)は、走行中に回転可能であり、かつ外部から観察可能な回転体である生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に、粘着部を有するフィルムからなる広告を表示させてなることを特徴とする広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラックを提供するものである。
このように構成すれば、生コンクリート用アジテータトラックの走行時において、生コンクリート用アジテータトラックの周囲にいる歩行者や他の車両の運転者等(観察者)は、回転体であるタンク上の動く広告によって注意を喚起されて、広告に注目するとともに、タンクが一回転する間に広告の全てを見ることができる。
【0006】
上記生コンクリート用アジテータトラックの具体的な態様の一例としては、例えば、上記タンクの回転に従って上記広告の全てを車両の片側(特に、車両の進行方向と垂直な一方向)から見ることができるように構成されている車両を挙げることができる(請求項2)。
【0007】
生コンクリート用アジテータトラックのタンクは、広告媒体として用いるのに十分な大きさの外面を有し、かつ、観察者が広告情報を認識するのに支障のない適当な回転速度で回転するので、本発明における広告表示体として好ましいものである。
【0008】
本発明においては、粘着部を有するフィルムを用いているので、宣伝期間が限定されている場合等において、フィルムの貼付及び剥離によって、広告の新設、削除、変更を容易に行なうことができる。
本発明の生コンクリート用アジテータトラックは、上記タンク自体を立体的な他の物体に見立てて広告を表示させてなるものとすることができる(請求項3)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる車両は、走行中に回転可能であり、かつ外部から観察可能な回転体であるタンクを備えている生コンクリート用アジテータトラックである。
【0010】
回転体であるタンクは、車両の走行中に回転可能であることが必要である。車両の走行中に回転体が回転することによって、車両の出発地から目的地までの間、回転体上の広告が回転して、外部の観察者(すなわち、車両の周囲にいる歩行者や他の車両の運転者等)の注意を惹き、目的とする広告宣伝機能を発揮することができる。
また、回転体であるタンクは、外部から観察可能であることが必要である。すなわち、回転体であるタンクは、外部の観察者が当該回転体の表面(広告表示体が付いている。)の少なくとも一部を目視で観察することができるように、車両上に配設されることが必要である。なお、回転体であるタンクは、回転軸及びその付属機器を除いて、周囲に被覆物を有していないことが望ましいが、回転によって全広告情報を外部(特に、車両の進行方向と垂直な一方向)から読み取ることができる限りにおいて、一部に被覆物を有していてもよい。
【0011】
回転体であるタンクの回転方法は、一方向にのみ回転するものであっても、あるいは両方向に一定時間毎に交互に回転するものであってもよく、また、連続的に回転するものであっても、あるいは間欠的に回転するものであってもよい。好ましい態様は、一方向の連続回転である。
回転体であるタンクの回転軸の軸線は、車両の進行方向と略同一の方向であることが望ましい。この場合、外部の観察者は、車両の左右方向(車両の進行方向とは垂直の方向)の一方の側から、回転体上の広告を順次、連続的に見ることができる。
【0012】
回転体であるタンクの好適な態様としては、車両の荷台に設置された連続回転可能なタンクであって、該タンクの回転に従ってタンクに表示された広告の全てを車両の片側(特に、車両の進行方向と垂直な一方向)から見ることができるように配設されたタンクを挙げることができる。
【0013】
生コンクリート用アジテータトラックは、生コンクリートの材料分離を防止するために、生コンクリートの製造工場から、生コンクリートの打設現場までの輸送中、常時、生コンクリートを収容したタンクを回転させている。
このタンクは、トラックの荷台上に、トラックの走行方向と略一致(ただし、水平面に対しては所定の角度を有する。)する方向の軸線を持つ回転軸を有するように配設され、かつ、トラックの走行中に比較的緩やかな一定の速度で一定方向に連続回転するものである。また、このタンクは、表面積が大きくて、被覆物がないため、目立ち易いという特徴がある。さらに、このタンクは、車両の走行中に回転させて用いることを前提としているため、広告表示を回転させるために特別に回転させるといった事情もなく、追加の設備や動力も不要である。
【0014】
回転体の表面に広告を表示する際の表示媒体としては、粘着部を有するフィルムが用いられる。粘着部を有するフィルムは、貼付作業や、張替時の剥離作業が容易である点で、好適に用いられる。
なお、粘着部を有するフィルムは、車両の外面を装飾するフリートマーキングの用途に用いるものとして、一般に、「マーキングフィルム」、「マーキングシート」等と称されている。
【0015】
粘着部を有するフィルム(マーキングフィルム)は、例えば、フィルム本体である基材の片面に粘着層を形成させ、粘着層の面に剥離用フィルムを貼り合わせた積層体として用意される。この場合、剥離用フィルムを粘着層から剥がし、基材と粘着層とからなるフィルムを、生コンクリート用アジテータトラックのタンクの表面に貼付して使用する。
【0016】
ここで、フィルム本体である基材を構成する材料としては、フィルム状(シート状)に成形可能なものであればよく、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体(例えば、エチレン−塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル樹脂等)、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、軟質ポリ塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体は、柔軟性、曲面貼付性、耐候性、成形性等に優れるため、好ましい。
なお、基材の材料中には、必要に応じて、可塑剤、顔料、紫外線吸収剤、熱安定剤等を添加することができる。
基材の厚みは、通常、10〜200μm、好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。厚みが10μm未満であると、フィルムの貼付時に作業しづらくなり、また、しわが生じ易くなる。厚みが200μmを超えると、フィルムのコストが増大し、また、曲面に対する貼付性が低下する。
【0017】
粘着層の材料に用いる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。粘着剤中には、必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、粘着付与剤等を添加することができる。
粘着層の厚みは、通常、5〜200μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜50μmである。厚みが5μm未満では、所望の接着力が得られないおそれがあり、厚みが200μmを超えると、フィルムのコストが増大する。
【0018】
剥離用フィルムとしては、例えば、不織布、紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のプラスチックフィルム、シリコン樹脂等の合成樹脂を被覆した紙等が挙げられる。
【0019】
粘着部を有するフィルム(マーキングフィルム)は、通常、単色で無地の形態のものが用いられる。単色(有色)で無地のフィルムに対して、カッティングマシーン等の切断手段を用いて所望の形状に切り抜けば、文字や図柄を作製することができる。あるいは、無地のフィルム上に、シルクスクリーン印刷等の印刷手段で所望の文字や図柄を表してもよい。
【0020】
回転体であるタンクに表示される広告の内容としては、例えば、一般企業の広告、テレビ局の新番組等の宣伝、映画の広告等が挙げられる。
本発明において、生コンクリート用アジテータトラックのタンクに表示される、粘着部を有するフィルムからなる広告は、90分以内で片道を走行可能な路線をトラックが繰り返し往復することや、生コンクリート製造工場が全国各地に数多く存在する等の事情から、建設中の物件(マンション、公共施設等)の宣伝・広告、イベント行事の宣伝、地方自治体での村おこしの宣伝等に効果的に利用することができる。
さらに、上記の回転体であるタンク自体を3次元の何らかの物体に見立てた装飾を施すことによって、立体的な該物体が、回転という動きを伴っている印象を観察者に与え、より注意を喚起し得る広告を行なうことができる。例えば、アジテータトラックのタンク全体に豚の形状の装飾を施し、これを回転させると、豚の丸焼きを行なっている状況をイメージさせることができ、関連する事業の広告に用いることができる。
【0021】
生コンクリート用アジテータトラックのタンクに広告を表示した例を、図1及び図2に示す。図1は、本発明の車両の一例を示す斜視図であり、建設中のマンションの名称を記載した部分がタンクの側面に位置する状態を示している。図2は、図1に示すタンクが回転して、マンションの入居開始日を記載した部分がタンクの側面に位置する状態を示している。
図1及び図2中、生コンクリート用アジテータトラック1は、生コンクリートを撹拌するためのタンク2を有する。タンク2の表面には、建設中のマンションの広告3が表示されている。
【0022】
【発明の効果】
本発明の広告手段を備えた生コンクリート用アジテータトラックによれば、タンクに表示された広告は、車両の走行中に、外部の観察者(歩行者等)に対して大きな宣伝広告効果を発揮することができる。
すなわち、広告が、回転移動して経時的に変化するものであるため、観察者は、他の静止した広告よりも、本発明の車両の広告に注意を惹かれることになり、また、回転体(生コンクリート用アジテータトラックのタンク)が回転する間に広告の全情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生コンクリート用アジテータトラックの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す生コンクリート用アジテータトラックのタンクが回転した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 生コンクリート用アジテータトラック
2 タンク
3 広告
Priority Applications (1)
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JP2001229262A JP2003043971A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 広告手段を備えた車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001229262A JP2003043971A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 広告手段を備えた車両 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003043971A JP2003043971A (ja) | 2003-02-14 |
JP2003043971A5 true JP2003043971A5 (ja) | 2005-03-10 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2003043971A (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP2009151110A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Kazunori Fujisawa | ラッピングバス |
JP2015037836A (ja) * | 2013-05-13 | 2015-02-26 | トヨタ自動車九州株式会社 | 自動車用加飾シート |
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2001
- 2001-07-30 JP JP2001229262A patent/JP2003043971A/ja active Pending
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