JP2003043330A - 遮蔽部材及び該遮蔽部材を有するレンズ鏡枠 - Google Patents

遮蔽部材及び該遮蔽部材を有するレンズ鏡枠

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JP2003043330A
JP2003043330A JP2001227398A JP2001227398A JP2003043330A JP 2003043330 A JP2003043330 A JP 2003043330A JP 2001227398 A JP2001227398 A JP 2001227398A JP 2001227398 A JP2001227398 A JP 2001227398A JP 2003043330 A JP2003043330 A JP 2003043330A
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frame
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Masaru Yamazaki
大 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鏡枠間の隙間を狭めて、塵や挨の
侵入の確率を物理的に低減でき、摺動性に優れた相対移
動する二つの鏡枠間用の遮蔽部材を備えたレンズ鏡枠を
提供する。 【解決手段】 主鏡枠5と、この主鏡枠5に内装され光
学系を保持して光軸方向に移動可能な副鏡枠3と、前記
主鏡枠5内面に固着され前記副鏡枠3の外周面4に摺接
するように設けられていて、前記主鏡枠5と前記副鏡枠
3との隙間を遮蔽する遮蔽部材1とを具備するレンズ鏡
枠であって、前記遮蔽部材1は、少なくとも前記副鏡枠
3の外周面に摺接する部分にダイヤモンド・ライク・カ
ーボン膜が形成された弾性発泡材からなることを特徴と
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡枠等の枠部材、
特に複数の鏡枠部材を有して相対的に摺動移動する鏡枠
部材間における隙間からの光や塵埃等の侵入を防止する
ための遮蔽部材及び該遮蔽部材を有するレンズ鏡枠に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、撮影、撮像を目的とするカメラ
等におけるズームレンズ鏡筒等のような光学機器鏡枠に
おいては、筒状の第1枠部材と該第1枠部材に対して相
対的に出入移動自在に設けられた筒状の第2枠部材とを
具備している。具体的には、例えば、主鏡筒(第1枠部
材)と、前記主鏡筒に内設され撮影光学系を保持してこ
の光学系の光軸方向に移動する副鏡筒(第2枠部材)と
を有し、副鏡筒を光軸方向に移動させることで撮影光学
系の焦点合わせや変倍操作等を行っている。
【0003】このような光学機器鏡枠では、上記第1枠
部材と上記第2枠部材との隙間より漏れる光や、侵入す
る塵、埃が、撮影、撮像時の障害になり、例えばカメラ
等では感光材料を露光させたり、故障の原因になってし
まうため、主鏡枠の先端部内周面に枠状の遮蔽部材を設
け、この遮蔽部材を副鏡枠外周面に隙間なく摺接させる
ことにより、前述したような漏光や塵、埃、及び水滴等
の侵入を防止することが行われている。
【0004】このような遮蔽部材としては、副鏡枠の移
動に追随して副鏡枠外周面に押接し得る弾性素材、例え
ばゴム等が用いられている。こうしたゴムのほとんどは
摩擦係数が大きく、これらゴムからなる遮蔽部材を副鏡
枠外周面に押接して遮蔽し、この遮蔽部材の押接面を副
鏡枠外周面が滑動するといった構造上、駆動系への負荷
が大きくなるため摩擦係数を下げる潤滑処理を施してい
る。
【0005】潤滑処理の一般的なものとして、ゴムから
なるリング状遮蔽部材の上に潤滑素材を被覆して潤滑性
被膜を形成する技術(従来技術1)がある。潤滑素材と
してはフッ素系樹脂等が一般的で、生産性の観点からシ
ンナー等の溶剤に配合したものをスプレー塗布する等し
てフッ素樹脂被膜を形成した後、加熱してゴム基材表面
に焼付けている。
【0006】また、実開平6−64239号公報には、
弾性リング材にフッ素樹脂フィルムを貼り付けて潤滑性
シール層を形成する方法が提案されている(従来技術
2)。さらに特開平10−115758号公報には、シ
リコーンオイルを基材のシリコーンゴムから滲み出させ
て潤滑油膜層を形成させるゴム製パッキンが提案されて
いる(従来技術3)。
【0007】しかしながら、上述した従来技術1乃至3
には以下のような問題がある。即ち、従来技術1では、
ゴム上に摩擦係数を低下させ得る膜厚までフッ素系塗料
を塗布すると塗膜の弾性が不足してひび割れを生じ、逆
に摩擦係数を大きく損なうことがある。
【0008】また遮蔽部材を構成する基材のゴムが塗膜
のひび割れに呼応して断裂し、漏光不具合を発生すると
いう問題があった。また潤滑塗料を塗布する際には、シ
ンナー等の溶剤により基材のゴムが膨潤した状態で平滑
に塗膜を塗布形成するが、焼き付け時にシンナーにより
膨潤したゴム基材が収縮するのに併せて塗膜が変形し、
波打ってしまうという問題があった。
【0009】従来技術2では、フッ素樹脂フィルムから
なるシール層を接着剤や粘着剤、または両面テープによ
り貼設しているが、フッ素樹脂は難接着性素材であり、
時間経過と共に剥離が生じ、遮蔽部材としての性能が長
期間維持できないという問題があった。
【0010】従来技術3では、遮蔽部材が摺接する鏡枠
外周面に油膜汚れを生じて、レンズ鏡枠の外観を損ねる
惧れがある。また、シリコーンオイルの一般的組成から
電気接点部において不導体皮膜が形成されてしまい、レ
ンズ鏡枠において電気的な動作不良が発生するという問
題があった。
【0011】これに対し、本願出願人は、特開2000
−193870号公報において、上記問題点を解決する
ための、遮蔽部材及びレンズの鏡枠の提案を行った。図
5及び図6はこの従来技術を説明するための図であり、
図5はレンズの鏡枠の縦断面図、図6は要部拡大図であ
る。図5において、鏡枠103(第1枠部材)は樹脂か
らなり、図示しない光学系を内包する。この鏡枠103
に、図示しない光学系を保持してこの光学系の光軸方向
に出入移動可能な樹脂からなる鏡枠102(第2枠部
材)が遮蔽部材104を介在しつつ内装している。
【0012】遮蔽部材104は、カーボンブラックが添
加されたシリコーンゴムから成形された遮蔽を目的とし
た部材であり、図6に示すように、遮蔽部材104の薄
肉の羽状に形成された押接片105の摺接面が鏡枠10
2の外周面101に押接するように、鏡枠103の先端
部内側に接着剤により固着されている。
【0013】押接片105の摺接面には、ダイヤモンド
・ライク・カーボン膜(商品名F−DLC/日本アイ・
ティ・エフ株式会社)106が1.0±0.2μmの厚
さで形成されている。鏡枠102と鏡枠103との間に
は遮蔽部材104の押接片105を組み込むために必要
な1.2mmの隙間が設けられている。
【0014】このような構成では、押接片105の摺接
面にダイヤモンド・ライク・カーボン膜106を設けて
いるので、押接片105の摺接面には低摩擦性の表面被
膜が形成され、シリコーンゴム基材表面の摩擦係数が低
下して、摩擦係数μ=0.14となり、鏡枠102を出
入移動させると、押接片105は鏡枠102の外周面1
01に押接しながら平滑に摺動する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た遮蔽部材は、鏡枠103と鏡枠102との間の隙間を
遮蔽しつつ前記両鏡枠103、鏡枠102間の相対移動
に必要以上の負荷を与えることがないように鏡枠102
の外周面に押接する部分を薄肉羽状に形成して押接片1
05とし、この押接片105の変形応力を利用して鏡枠
102と摺接させている。
【0016】従って、前記両鏡枠103と鏡枠102と
の間には、押接片105がある程度自由に変形し、鏡枠
103に摺接するための間隔が必要となるため、外部か
らの直接的な衝撃による塵、埃、水滴等が侵入し易い構
造となってしまうという問題がある。
【0017】また、前述のような鏡枠102に摺接する
押接片105を有する遮蔽部材は、寸法公差が厳しいた
め成形が困難であったり、成形のための金型加工が難し
いことから、生産コストが掛かりすぎるという問題もあ
った。
【0018】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1に係る発明の課題は、枠部材間の
隙間を狭めて、塵や挨の侵入の確率を物理的に低減で
き、摺動性に優れた相対移動する二つの枠部材間用の遮
蔽部材を安価に提供することである。
【0019】請求項2に係る発明の課題は、鏡枠間の隙
間を狭めて、塵や挨の侵入の確率を物理的に低減でき、
摺動性に優れた相対移動する二つの鏡枠間用の遮蔽部材
を安価に提供することである。
【0020】請求項3に係る発明の課題は、鏡枠間の隙
間を狭めて、塵や挨の侵入の確率を物理的に低減でき、
摺動性に優れた相対移動する二つの鏡枠間用の遮蔽部材
を備えたレンズ鏡枠を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手投】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、第1枠部材に固設され、該
第1枠部材に対して相対的に出入移動自在に設けられた
第2枠部材の外周面に摺接する遮蔽部材であって、少な
くとも前記第2枠部材と摺接する面にダイヤモンド・ラ
イク・カーボン膜を形成した弾性発泡材からなることを
特徴とするものである。
【0022】この発明では、弾性発泡材から成形して得
た遮蔽部材の第2枠部材と摺接する表面に、ダイヤモン
ド・ライク・カーボン膜を形成しており、遮蔽部材を第
2枠部材外周面に摺接させても、第1枠部材と第2枠部
材の相対移動の際に過剰な負荷を与えることがない。こ
のため、遮蔽部材に成形が困難な薄肉羽部を形成する必
要がなくなり、安価に生産ができるともに、枠部材間の
間隔を必要以上にとる必要もなく、塵、挨、水滴等に対
する遮蔽性を容易に向上できる。
【0023】請求項2記載の発明は、主鏡枠と、この主
鏡枠に内装され光学系を保持して光軸方向に移動可能な
副鏡枠とを有するレンズ鏡枠に対して、前記主鏡枠内面
に固着され、前記副鏡枠の外周面に摺接し主鏡枠と前記
副鏡枠との隙間を遮蔽する遮蔽部材であって、少なくと
も前記副鏡枠の外周面に摺接する部分にダイヤモンド・
ライク・カーボン膜を形成した弾性発泡材からなること
を特徴とするものである。
【0024】この発明では、弾性発泡材から成形して得
た遮蔽部材の、副鏡枠と摺接する表面にダイヤモンド・
ライク・カーボン膜を形成しており、遮蔽部材を副鏡枠
外周面に摺接させても、主鏡枠と副鏡枠の相対移動の際
に過剰な負荷を与えることがない。このため、遮蔽部材
に成形が困難な薄肉羽部を形成する必要がなくなり、安
価に生産ができるとともに、鏡枠間の間隔を必要以上に
とる必要もなく、塵、埃、水滴等に対する遮蔽性を容易
に向上できる。
【0025】請求項3記載の発明は、主鏡枠と、この主
鏡枠に内装され光学系を保持して光軸方向に移動可能な
副鏡枠と、前記主鏡枠内面に固着され前記副鏡枠の外周
面に摺接するように設けられていて、前記主鏡枠と前記
副鏡枠との隙間を遮蔽する遮蔽部材とを具備するレンズ
鏡枠であって、前記遮蔽部材は、少なくとも前記副鏡枠
の外周面に摺接する部分にダイヤモンド・ライク・カー
ボン膜が形成された弾性発泡材からなることを特徴とす
るものである。
【0026】この発明では、弾性発泡材から成形して得
た遮蔽部材の副鏡枠と摺接する表面に、ダイヤモンド・
ライク・カーボン膜が形成されているため、遮蔽部材を
副鏡枠外周面に摺接させても、主鏡枠と副鏡枠の相対移
動の際に過剰な負荷を与えることがない。このため遮蔽
部材は成形が困難な薄肉羽部を形成する必要がなくな
り、鏡枠間の間隔を必要以上にとる必要もなく、塵、
挨、水滴等に対する遮蔽性を容易に向上できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0028】本発明の実施の形態は、一般的に第1枠部
材と、この第1枠部材に対して相対的に出入移動自在に
設けけられた第2枠部材とからなる鏡枠、例えば主鏡枠
と、該主鏡枠に内装された撮像光学系を保持してこの光
学系の光軸方向に移動する副鏡枠とを有するズームレン
ズ鏡筒等の鏡枠に設けられ、上記主鏡枠の内面に固着さ
れ、少なくとも該遮光部材の副鏡枠外周面に摺接する部
分にダイヤモンド・ライク・カーボン膜を形成し、副鏡
枠の外周面に摺接して両枠部材の隙間より漏光したり、
塵、挨、水滴が侵入することを防止する遮光部材であ
り、該遮光部材を弾性発泡体にて形成したことを特徴と
している。
【0029】本実施の形態で用いるダイヤモンド・ライ
ク・カーボン膜は、水素や窒素を含むアモルファスカー
ボン類からなる薄膜であり、メタン、エタン等の炭化水
素ガスを原料として、プラズマ化学気相蒸着法、イオン
プレーティング法、あるいはスパッタリング法により形
成される。
【0030】ダイヤモンド・ライク・カーボン膜の膜厚
としては、0.1μm〜5.0μmの範囲で種々形成可
能であるが、弾性部材を構成する基材の特性を考慮して
望ましくは0.5μm〜2.0μmの厚さに形成するの
が良い。即ち、0.5μm未満では十分な潤滑性が得ら
れず、2.0μm以上では膜応力が増大し遮蔽部材が僅
かに変形する。また2.0μm以上の厚さとしても潤滑
性は著しく向上することもなく、処理コストのみ増大す
ることになる。
【0031】また、ダイヤモンド・ライク・カーボン膜
の硬度については、ビッカース硬度Hvで2000以下
であることが望ましく、ダイヤモンド・ライク・カーボ
ン膜の状態としては均一な単一膜であっても良いが、微
細なダイヤモンド・ライク・カーボン膜片が折り重なる
ようになっているものを用いると、弾性体としの特性が
より強調されより良い結果が得られる。
【0032】ダイヤモンド・ライク・カーボン膜は、本
実施の形態における遮蔽部材の少なくとも前記副鏡枠の
外周面に摺接する部分に設けてあれば良いが、成膜の都
合で遮蔽部材全面にダイヤモンド・ライク・カーボン膜
が形成されたとしても、なんら不具合を生じない。
【0033】また種々の膜厚のダイヤモンド・ライク・
カーボン膜を設けることにより、赤や緑の干渉色が発現
するが、前述のいかなる膜状態であっても目視では均一
膜としか認識されず、外観的な色ムラ等は発生しない。
【0034】一方、前述の遮蔽部材を形成する弾性発泡
体としては、主にフォーム材が用いられ、ポリウレタン
フォームが本実施の形態において最も望ましいが、ポリ
エステルフォーム、ポリエーテルフォーム、ポリエステ
ルポリオールフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプ
ロピレンフォームでも代替することが可能である。フォ
ームの色は、用途に遮光目的が含まれる遮蔽部材である
ことからも黒色であることが望ましい。
【0035】遮蔽部材の形態は、スラブフォームから切
り出したり、プレスで打ち抜いたりしてもよいし、モー
ルドフォーム等種々の方法によって成形されたものでも
よい。フォーム密度は、20Kg/m〜60Kg/m
のものが適用しやすくてよいが、成形後、クラッシン
グ(圧縮)処理によりフォーム密度を130Kg/m
程度まで上げてもよい。
【0036】尚、本実施の形態の遮蔽部材の用途は、ズ
ームレンズ鏡枠等のレンズ鏡枠に限定されるものではな
く、光学機器、例えば顕微鏡の接眼レンズ鏡枠(第2枠
部材)と本体(第1枠部材)との摺動部における遮蔽
や、双眼鎖の観察光学鏡枠(第2枠部材)と本体(第1
枠部材)との摺動部の隙間からの漏光によるフレアの防
止等、光学機器全般において様々に変形して適用するこ
とができる。
【0037】また、光学機器への適用箇所は、必ずしも
光学系を内蔵する部分とは限らず、光学系を内蔵してい
なくても塵や挨、水滴の遮断を必要とする摺動枠部分に
も適用が可能である。さらに、本発明の具体的な実施の
形態においては、円環状の遮滋部材を例としているが、
互いに出入移動自在に構成されている複数の枠部材の形
状に合わせた多角形や異形の形状を有するものであって
もよい。
【0038】以下、図1、図2を参照して本発明の請求
項1乃至3に対応する実施の形態1を説明する。
【0039】(実施の形態1)図1は本実施の形態1の
遮蔽部材の断面図である。図2は本実施の形態1のレン
ズ鏡枠の縦断面図である。
【0040】図1において、遮蔽部材1はカーボンブラ
ックが添加された黒色のポリウレタンフォーム(商品名
ERl/(株)イノアックコーポレーション)をクラッ
シング処理により圧縮したものを円環状に打ち抜いた切
断面が長方形を呈する環状部材であり、接着剤によりズ
ームレンズ鏡枠の主鏡枠5の内面先端に環状配置で固着
されている。また、遮蔽部材1において、ズームレンズ
鏡枠の副鏡枠3の外周面に押接する摺接面には、図1に
点々で示すダイヤモンド・ライク・カーボン膜2(商品
名F−DLC/日本アイ・ティ・エフ株式会社)が1.
2μm±0.2μmの膜厚で形成されている。
【0041】ズームレンズ鏡枠の副鏡枠3の外周面4に
摺接する遮蔽部材1の摺接面に、ダイヤモンド・ライク
・カーボン膜2を設けたことにより、前記摺接面の摩擦
係数が低下する。この結果、下記表1に示すようにズー
ムレンズ鏡枠のズーム駆動時の消費電力が、図5に示す
従来の押接片105を有するシリコーンゴム製の遮蔽部
材104と同等であり、前記摺接面はズームレンズ鏡枠
の副鏡枠3の外周面4と押接しつつ良好な摺動性を示
し、ズームレンズ鏡枠の駆動時における負荷が十分に抑
制されている。
【0042】またズームレンズ鏡枠の主鏡枠5と副鏡枠
3との間隔は、従来例の1.20mmより狭い0.8m
mであり、塵、埃等に対する遮蔽性が一段と向上する。
【0043】
【表1】
【0044】以上、本実施の形態1によれば、遮蔽部材
の材料にポリウレタンフォームを用いたことにより、成
形が困難な薄肉羽状を有する従来の押接片105のよう
な形状にする必要は無くなり、安価な遮光部材を提供で
きる。また、従来の押接片105の場合のようなスペー
スも不要であり、ズームレンズ鏡枠の主鏡枠と副鏡枠と
の間隔を狭めることができ、塵、埃、水滴等の遮蔽性を
向上させることができる。
【0045】(実施の形態2)次に、実施の形態2につ
いて図3、図4を参照して説明する。図3は本実施の形
態2を示す遮蔽部材6の断面図である。図4は本実施の
形態2を示すレンズ鏡枠の縦断面図である。
【0046】図3に示す遮蔽部材6は、ホットキュアモ
ールドにより成形したもので、カーボンブラックが添加
された黒色ポリウレタンフォームで構成される円環状枠
部材であり、切断面は直径1.0mmの円形を示す。図
4に示すズームレンズ鏡枠の副鏡枠8の外周面9に押接
する摺接面にはダイヤモンド・ライク・カーボン膜(商
品名F−DLC/日本アイ・ティ・エフ株式会社)7が
1.5μm±0.2μmの膜厚で形成されている。
【0047】ズームレンズ鏡枠の副鏡枠8の外周面9に
摺接する遮蔽部材6の摺接面にダイヤモンド・ライク・
カーボン膜7を設けており、前記摺接面の摩擦係数が低
下する。この結果、表1に示すようにズームレンズ鏡枠
のズーム駆動時の消費電力が図5に示す従来の押接片1
05を有するシリコーンゴム製の遮蔽部材104と同等
であり、前記摺接面はズームレンズ鏡枠の副鏡枠3の外
周面4と押接しつつ良好な摺動性を示し、ズームレンズ
鏡枠の駆動時における負荷が十分に抑制されている。
【0048】またズームレンズ鏡枠の主鏡枠5と副鏡枠
3との間隔は、従来例の1.20mmより狭い0.65
mmであり、塵、埃等に対する遮蔽性が一段と向上す
る。
【0049】以上、本実施の形態2によれば、遮蔽部材
6の材料にポリウレタンフォームを用いたことにより、
成形が困難な薄肉羽部を有する形状にする必要が無く、
安価な遮蔽部材6を提供できる。
【0050】また、従来の押接片105の場合のような
スペースも不要であり、ズームレンズ鏡枠の主鏡枠10
と副鏡枠8との間隔を狭めることができ、塵、埃、水滴
等の遮蔽性を向上させることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、遮蔽部材を第2枠部材外周面に摺接させて
も、第1枠部材と第2枠部材の相対移動の際に過剰な負
荷を与えることがないため、遮蔽部材に成形が困難な薄
肉羽部を形成する必要がなくなり、安価に生産ができる
とともに、枠部材間の間隔を狭くでき、塵、挨、水滴等
に対する遮蔽性を容易に向上できる。
【0052】請求項2記載の発明によれば、遮蔽部材を
副鏡枠外周面に摺接させても、主鏡枠と副鏡枠の相対移
動の際に過剰な負荷を与えることがないため、遮蔽部材
に成形が困難な薄肉羽部を形成する必要がなくなり、安
価に生産ができるとともに、鏡枠間の間隔を狭くでき、
塵、挨、水滴等に対する遮蔽性を容易に向上できる遮蔽
部材を提供できる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、遮蔽部材を
副鏡枠外周面に摺接させても、主鏡枠と副鏡枠の相対移
動の際に過剰な負荷を与えることがないため、遮蔽部材
は成形が困難な薄肉羽部を形成する必要がなくなり、鏡
枠間の間隔を狭くでき、塵、埃、水滴等に対する遮蔽性
を容易に向上できるレンズ鏡枠を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の遮蔽部材の構成を示す
断面図である。
【図2】本実施の形態1の遮蔽部材を有するレンズ鏡枠
の縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2の遮蔽部材の構成を示す
断面図である。
【図4】本実施の形態2の遮蔽部材を有するレンズ鏡枠
の縦断面図である。
【図5】従来の遮蔽部材を有するレンズ鏡枠の縦断面で
ある。
【図6】従来の遮蔽部材を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 遮蔽部材 2 ダイヤモンド・ライク・カーボン膜 3 副鏡枠 4 外周面 5 主鏡枠 6 遮蔽部材 7 ダイヤモンド・ライク・カーボン膜 8 副鏡枠 9 外周面 10 主鏡枠

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1枠部材に固設され、該第1枠部材に
    対して相対的に出入移動自在に設けられた第2枠部材の
    外周面に摺接する遮蔽部材であって、 少なくとも前記第2枠部材と摺接する面にダイヤモンド
    ・ライク・カーボン膜を形成した弾性発泡材からなるこ
    とを特徴とする遮蔽部材。
  2. 【請求項2】 主鏡枠と、この主鏡枠に内装され光学系
    を保持して光軸方向に移動可能な副鏡枠とを有するレン
    ズ鏡枠に対して、前記主鏡枠内面に固着され、前記副鏡
    枠の外周面に摺接し主鏡枠と前記副鏡枠との隙間を遮蔽
    する遮蔽部材であって、 少なくとも前記副鏡枠の外周面に摺接する部分にダイヤ
    モンド・ライク・カーボン膜を形成した弾性発泡材から
    なることを特徴とする遮蔽部材。
  3. 【請求項3】 主鏡枠と、 この主鏡枠に内装され光学系を保持して光軸方向に移動
    可能な副鏡枠と、 前記主鏡枠内面に固着され前記副鏡枠の外周面に摺接す
    るように設けられていて、前記主鏡枠と前記副鏡枠との
    隙間を遮蔽する遮蔽部材と、 を具備するレンズ鏡枠であって、 前記遮蔽部材は、少なくとも前記副鏡枠の外周面に摺接
    する部分にダイヤモンド・ライク・カーボン膜が形成さ
    れた弾性発泡材からなることを特徴とするレンズ鏡枠。
JP2001227398A 2001-07-27 2001-07-27 遮蔽部材及び該遮蔽部材を有するレンズ鏡枠 Withdrawn JP2003043330A (ja)

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EP1739958A1 (en) * 2005-06-28 2007-01-03 ASUSTeK Computer Inc. Electronic device and image capture module thereof

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