JP2003043253A - 積層位相差フィルム - Google Patents

積層位相差フィルム

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JP2003043253A
JP2003043253A JP2001231225A JP2001231225A JP2003043253A JP 2003043253 A JP2003043253 A JP 2003043253A JP 2001231225 A JP2001231225 A JP 2001231225A JP 2001231225 A JP2001231225 A JP 2001231225A JP 2003043253 A JP2003043253 A JP 2003043253A
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retardation
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JP2001231225A
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Koji Azuma
浩二 東
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム面内のレターデーション値が小さ
く、フィルム厚み方向のレターデーション値が大きい位
相差フィルムが容易に得られるようにする。 【解決手段】 フィルム面内のレターデーション(R)
値が80〜1,000nmであり、フィルム面内の遅相軸
方向及び進相軸方向の屈折率をそれぞれnX及びnY、フ
ィルム厚み方向の屈折率をnZとして、Z=(nX
Z)/(nX−nY)に相当する配向パラメータ(Z)
値が0.5未満である位相差フィルム2枚を、両者のフ
ィルム面内の進相軸が90°±10°となるように積層
したものであって、積層フィルムを一体物として測定し
たときのフィルム面内のレターデーション(Rt)値が
50nm以下で、厚み方向のレターデーション(Rt′)
値が50〜1,000nmである積層位相差フィルムが提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相差フィルムに
関するものであり、中でも液晶ディスプレイに用いられ
る積層位相差フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(以下LCD)は、時計や
電卓に用いられる小型のものから、大表示容量を必要と
するノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型
パーソナルコンピュータ等に用いられるもの、また携帯
電話や携帯情報端末(PDA)などに用いられる反射型
のものまで、平面表示装置として広く利用されるように
なってきた。このようなLCDの中でも高い表示品位が
必要な用途については、ネマチック液晶分子を用いて薄
膜トタンジスタにより駆動するねじれネマチック型LC
D(TFT−TN−LCD)や、垂直配向型LCD(V
A−LCD)、超ねじれネマチック型LCD(STN−
LCD)などが用いられている。これらのLCDは、斜
め方向から見た場合にコントラストが低下したり、階調
表示で明るさが逆転する階調反転等が起こることにより
表示特性が悪くなったりするという視野角特性を有して
おり、その改良のために様々な位相差フィルムが用いら
れている。例えば、フィルム面内にレターデーション値
を有する一軸性位相差フィルムや二軸性位相差フィル
ム、またディスコティック液晶をハイブリッド配向させ
た位相差フィルムなどが知られている。
【0003】フィルム面内のレターデーション(R)値
は、下式(1)で表されるが、位相差フィルムの特性を
左右する因子としてその他に、下式(2)で表される配
向パラメータ(Z)値や、下式(3)で表されるフィル
ム厚み方向のレターデーション(R′)値がある。
【0004】 R=(nX−nY)×d (1) Z=(nX−nZ)/(nX−nY) (2) R′={nZ−(nX+nY)/2}×d (3) ここに、nX はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表
し、nY はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、
Z はフィルム厚み方向の屈折率を表し、dはフィルム
厚みを表す。
【0005】そして、上記の一軸性位相差フィルムでは
通常、Z値がほぼ1となり、二軸性位相差フィルムで
は、Z>1又は1>Z>0又はZ<0となる。
【0006】一方、フィルム面内のレターデーション
(R)値がほぼ0nmであり、フィルム厚み方向の屈折率
がフィルム面内の屈折率よりも大きい位相差フィルム、
すなわち、フィルム厚み方向のレターデーション
(R′)値が特定の値を示す位相差フィルムの使用など
も検討されている。このようなフィルム厚み方向にレタ
ーデーション値を示す位相差フィルムを得る方法とし
て、例えば、特開平 7-230086 号公報に記載されている
ような、高分子液晶のメソゲン(分子構造中の液晶性を
発現させる中核的単位)を基板垂直方向に配向させて固
定化する方法などが知られている。しかしながら、高分
子液晶を用いた場合には、製造コストがかかる他、メソ
ゲンを安定的に垂直方向に配向させることが難しいなど
の問題があり、工業的に必ずしも優れているとは言えな
い状況にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、従来とは異なる態様で、フィルム面内のレターデー
ション値が小さく、フィルム厚み方向のレターデーショ
ン値が大きい位相差フィルムを提供することにある。
【0008】本発明者は、上記問題を解決するために鋭
意研究を行った結果、フィルム面内のレターデーション
(R)値が80〜1,000nmであり、かつ前記式
(2)に相当するZ値が0.5未満である位相差フィル
ム2枚を、それぞれのフィルム面内の遅相軸がほぼ直交
するように積層することで、積層フィルム全体としてフ
ィルム面内のレターデーション値が50nm以下でかつフ
ィルム厚み方向のレターデーション値が50nm以上であ
る位相差フィルムが得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、前記
式(1)に相当するフィルム面内のレターデーション
(R)値が80〜1,000nmであり、かつ前記式
(2)に相当する配向パラメータ(Z)値が0.5未満
である位相差フィルム2枚を、両者のフィルム面内の進
相軸が90°±10°となるように積層したものであっ
て、積層フィルムを一体物として測定したときのフィル
ム面内のレターデーション(Rt)値が50nm以下であ
り、かつ厚み方向のレターデーション(Rt′)値が5
0〜1,000nmである積層位相差フィルムを提供する
ものである。ここで、積層フィルムを一体物として測定
したときのフィルム面内のレターデーション(Rt)値
及びフィルム厚み方向のレターデーション(Rt′)値
は、それぞれ下式(4)及び(5)に相当する。
【0010】 Rt =(nXt−nYt)×D (4) Rt′={nZt−(nXt+nYt)/2}×D (5) ここに、nXtは積層フィルム全体としての面内遅相軸方
向の屈折率を表し、nYtは積層フィルム全体としての面
内進相軸方向の屈折率を表し、nZtは積層フィルム全体
としての厚み方向の屈折率を表し、Dは積層フィルム全
体としてのフィルム厚みを表す。
【0011】上記の積層位相差フィルムを少なくとも1
枚用い、液晶セルと組み合わせて、液晶表示装置とする
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる位相差フィルム
は、一般に高分子フィルムで構成され、これに用いる高
分子は、前記式(2)に相当するZ値が0.5未満とな
る特性を発現できるものであれば特に制限はなく、負の
屈折率異方性を有する高分子も、正の屈折率異方性を有
する高分子も用いることができる。
【0013】負の屈折率異方性を有する高分子として
は、ポリスチレン系高分子やアクリル系高分子が例示で
き、例えば、ポリスチレンフィルムやポリメチルメタク
リレートフィルムを一軸延伸することで、Z値が0に近
い位相差フィルムを得ることができる。この位相差フィ
ルム2枚をフィルム面内の進相軸が互いにほぼ直交する
ように積層することで、前記式(4)に相当するRt
が50nm以下で、かつ前記式(5)に相当するRt′値
が50〜1,000nmの積層位相差フィルムを得ること
ができる。
【0014】このようにポリスチレンフィルムやポリメ
チルメタクリレートフィルムの一軸延伸フィルムを用い
ることができるが、ポリスチレンやポリメチルメタクリ
レートは、ガラス転移温度(Tg )が100℃前後であ
り、耐熱性が必ずしも十分とは言えない。そこで、耐熱
性が要求される場合には、ガラス転移温度が140℃以
上の熱可塑性高分子が好ましく用いられる。かかるガラ
ス転移温度の高い高分子としては、正の屈折率異方性を
有する熱可塑性高分子が主に知られており、ポリカーボ
ネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリエステ
ル系高分子、ポリサルフォン、セルロース系高分子、ノ
ルボルネン系高分子などが例示される。
【0015】これらの正の屈折率異方性を有する熱可塑
性高分子は通常、一軸延伸すると、Z値がほぼ1の位相
差フィルムとなるため、本発明におけるZ値が0.5未
満という要件を達成することができない。そこで、この
ような正の屈折率異方性を有する高分子を用いてZ値が
0.5未満となるようにするには、単なる一軸延伸フィ
ルムではなく、フィルム厚み方向への配向度を上げたも
のとする必要がある。
【0016】正の屈折率異方性を有する位相差フィルム
を厚み方向にも配向させるには、例えば、特開平 7-230
007 号公報に記載される方法などが採用できる。すなわ
ち、一軸延伸された正の屈折率異方性を有する熱可塑性
高分子フィルムの少なくとも片面に、熱収縮性を有する
一軸延伸又は二軸延伸フィルムを熱収縮軸方向が一軸延
伸された熱可塑性高分子フィルムの延伸軸方向と直交す
るように貼合し、熱収縮させた後、この熱収縮性を有す
るフィルムを剥離除去することで、厚み方向にも配向し
た位相差フィルムを得ることができる。このために用い
る熱収縮性を有するフィルムは、一軸延伸された正の屈
折率異方性を有する熱可塑性高分子フィルムとほぼ同じ
熱収縮開始温度を有するものが適している。そこで、一
軸延伸された正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子
フィルムと同じ高分子からなるフィルムを熱収縮性フィ
ルムとして用いるのが好ましいが、収縮開始温度が同程
度である他の高分子からなる熱収縮性フィルムを用いて
もよい。
【0017】また、別の方法として、特開平 5-157911
号公報に記載されているように、未延伸の熱可塑性高分
子フィルムの少なくとも片面に、熱収縮性を有する一軸
延伸又は二軸延伸フィルムを、熱収縮性を有するフィル
ムの熱収縮軸方向が未延伸の熱可塑性樹脂フィルムを延
伸する方向と直交するように貼合し、延伸と同時に延伸
方向と直交する方向に通常の延伸時よりも大きく収縮さ
せた後に、この熱収縮性を有するフィルムを剥離除去す
る方法を用いることもできる。
【0018】これらの方法において、一軸延伸フィルム
又は未延伸フィルムと熱収縮性を有するフィルムとの貼
合は、例えば、それぞれのフィルム自体の粘着力を利用
したり、アクリル系粘着剤などの粘着剤を用いたりする
ことによって行うことができる。また、貼合方法として
は、加圧式貼合ロールやテーブル型貼合機などを用いる
方法が例示される。
【0019】本発明に用いる正又は負の屈折率異方性を
有する熱可塑性高分子フィルムは、溶融押出し法や溶剤
キャスト法で製膜したものであればよいが、均一性の点
からは、溶剤キャスト法で製膜したものが好ましく用い
られる。未延伸のフィルムを用いる場合にはそのまま使
用されるが、一軸延伸する場合には、縦一軸延伸法や横
一軸延伸法などの方法で一軸延伸したものが使用され
る。
【0020】また、熱収縮性を有するフィルムも、加工
後の位相差フィルムの均一性という点からは、溶剤キャ
スト法によって製膜されたものであるのが好ましいが、
溶融押出し法により製膜した後に一軸延伸又は二軸延伸
された均一性に優れたポリエチレンテレフタレートフィ
ルムなどを用いることも可能である。
【0021】得られる位相差フィルムのR値やZ値は、
加工条件の設定により適宜調整することができる。一軸
延伸された熱可塑性高分子フィルムを熱収縮する場合
は、一軸延伸フィルムのR値や熱収縮時の収縮率の調整
をすることで所望の値とすることができる。特開平 7-2
30007 号公報には、一軸延伸フィルムのレターデーショ
ン値がR0nmであるとき、レターデーション値がほぼ0.
5×R0〜2×R0nmの範囲(ただし80〜1,200nm
の範囲)で、Z値が1〜0の範囲である厚み方向に配向
した位相差フィルムが得られることが記載されている。
また、未延伸高分子フィルムを延伸すると同時に、延伸
方向と直交する方向に通常以上に収縮させる場合も同様
に、延伸倍率や収縮フィルムによる延伸方向と直交する
方向の収縮率を調整することで、R値やZ値を所望の値
とすることができる。
【0022】上記の方法によって、R値が80〜1,0
00nmで、かつZ値が0.5未満である位相差フィルム
を得ることができる。R値やZ値は、必要とするRt
値の値によって決められるが、Rt′値を大きくするに
は、大きいR値あるいは小さいZ値とすることが好まし
い。
【0023】負の屈折率異方性を有する高分子フィルム
を用いる場合には、低倍率一軸延伸や二軸延伸を行うこ
とでZ値を0よりも小さくすることができ、0.1〜−
2のものを得ることができるが、連続フィルムの生産性
とR値の発現性の点から、Z値は0.1〜−0.5の範囲
が好ましく用いられる。また、正の屈折率異方性を有す
る高分子フィルムを用いる場合には、Z値が0.5未満
のものを得ることができるが、Z値が0.5に近いと
R′値発現性が低く、一方、Z値を小さくするほど加工
性が低下するため、0.4〜−0.4の範囲が好ましく用
いられる。
【0024】2枚の位相差フィルムの積層にあたって
は、両者の進相軸を互いに直交させるのが、Rt を最も
小さくできることから好ましい。ただ、2枚の位相差フ
ィルムの進相軸が90°±10°の範囲にあれば、実使
用上問題ないものとすることができ、90°±5°の範
囲がより好ましい。また、積層位相差フィルムのRt
小さい方が望ましいため、50nm以下となるようにする
が、Rt が30nm以下になれば、ほぼ0nmとして扱うこ
とも可能なのでより好ましく、10nm以下であるのがさ
らに好ましい。このため、R値がほぼ等しい位相差フィ
ルムを用いることは、好ましい使用形態となる。
【0025】また、本発明による積層位相差フィルムの
t′値は、1枚の位相差フィルムのR値及びZ値を制
御することで任意の値に制御することができるため、適
用するLCDに対して最適となるように適宜設定すれば
よいが、1枚の位相差フィルムにおける光学特性の制約
から、Rt′値は50〜1,000nmの範囲とされる。
【0026】本発明に用いる位相差フィルムのR値は、
偏光顕微鏡などを用いる常法によって測定される。また
Z値は、その位相差フィルムを構成する熱可塑性高分子
の平均屈折率をnとし、位相差フィルムの進相軸を傾斜
軸としてθ°傾斜させて測定されるレターデーション
(Rθ)値、並びにR値及びフィルム厚み(d)を用い
て、以下の式よりnX 、nY 及びnZ を求め、前記式
(2)により計算する。
【0027】n=(nX+nY+nz)/3 R=(nX−nY)×d Rθ=(nX *−nY)×d* ここで、nX * 及びd* は、それぞれ次のとおりであ
る。 nX *=nX×nZ×(nZ 2×cos2φ+nX 2×sin2φ)-1/2*=d/cosφ φ=sin-1(sinθ/n)
【0028】本発明による積層位相差フィルムのRt
は、偏光顕微鏡などを用いる常法によって測定される。
またRt′値は、その積層位相差フィルムの平均屈折率
をntとし、積層位相差フィルムの進相軸を傾斜軸とし
てθ°傾斜させて測定されるレターデーション(R
tθ)値、並びにRt値及び積層フィルム全体としてのフ
ィルム厚み(D)を用いて、以下の式よりnXt、nYt
びnZtを求め、前記式(5)により計算する。
【0029】nt=(nXt+nYt+nZt)/3 Rt=(nXt−nYt)×D Rtθ=(nXt *−nYt)×D* ここで、nXt * 及びD* は、それぞれ次のとおりであ
る。 nXt *=nXt×nZt×(nZt 2×cos2φt+nXt 2×sin
2φt)-1/2*=D/cosφt φt=sin-1(sinθ/nt
【0030】なお、積層位相差フィルムにおいて、2枚
の位相差フィルムを積層するのに用いる接着剤は光学特
性を担っていないため、フィルム2枚の厚みの和をもっ
て、積層位相差フィルム全体のフィルム厚み(D)とす
ればよい。また、積層位相差フィルムの平均屈折率(n
t)については、2枚の位相差フィルムが同一の高分子
からなる場合にはその高分子の平均屈折率を用い、異な
る高分子からなる場合にはそれぞれのフィルムの厚みに
基づいて加重平均した値を用いる。Rt が0nmである
か、あるいは0nmに近いために、積層フィルム全体とし
ての進相軸を見出すのが難しい場合には、2枚の位相差
フィルムの進相軸をそれぞれ傾斜軸として傾斜させてレ
ターデーション値を測定し、傾斜時のレターデーション
値が大きい値を示す方の軸を積層フィルム全体としての
進相軸とする。
【0031】2枚の位相差フィルムの積層方法について
は、特に制限はなく、光学的異方性を示さない接着剤を
用いる方法などが適用できる。例えば、アクリル系やウ
レタン系の感圧接着剤、紫外線硬化型の接着剤や熱硬化
型の接着剤などを用いることができ、中でも光学的に透
明なアクリル系感圧接着剤が好ましく用いられる。
【0032】本発明の積層位相差フィルムのLCDへの
適用にあたっては、偏光フィルムと液晶セルの間に感圧
接着剤などの接着剤で貼合した状態で用いればよく、L
CDの光学特性を向上させるための他の位相差フィルム
と貼合した状態で用いてもよい。偏光フィルムや他の位
相差フィルムと貼合する場合には、LCDのコントラス
トや視野角特性などが最適となるような角度で貼合すれ
ばよく、例えば、偏光フィルムの吸収軸や他の位相差フ
ィルムの進相軸又は遅相軸と、積層位相差フィルムの進
相軸又は積層位相差フィルムに用いた位相差フィルム2
枚の進相軸のいずれかが、平行又は直交するように貼合
したりすればよい。
【0033】反射型のLCDに適用する場合には、光拡
散性フィルムや拡散粘着剤を1層以上積層した状態で用
いることもできる。光拡散性フィルムや拡散粘着剤は、
偏光状態をなるべく崩さないものが好ましく、中でも有
機フィラー又は無機フィラーを分散した高分子フィルム
や粘着剤が好ましい。これらの光拡散性フィルム又は拡
散粘着剤を積層する位置は、積層位相差フィルムの上、
下、あるいは2枚の位相差フィルムの間とすることも可
能である。
【0034】LCDへの適用については、本発明の積層
位相差フィルム1枚を液晶セルとその上又は下の偏光フ
ィルムとの間に配置したり、2枚をそれぞれ液晶セルと
その上下両方の偏光フィルムとの間に配置したりすれば
よい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。なお、R値、Z値、Rt 値及びRt′値は、王
子計測器(株)製の測定器“KOBRA-21ADH”を用い、傾
斜角度θを40°として、波長590nmの単色光で常法
により測定した。
【0036】実施例1 平均屈折率が1.59のポリカーボネートからなり、R
値が134nm、Z値が0.09、厚みが78μmである位
相差フィルム(住友化学工業(株)製の“スミカライト
SEZ070138E7”)を2枚切り出し、面内の進相軸のなす
角度が90°となるようにアクリル系感圧接着剤で積層
した。この積層位相差フィルムの光学特性は、Rt=4.
8nm、Rt40=43.4nmであり、Rt′=140nmであ
った。
【0037】実施例2 平均屈折率が1.59のポリカーボネートからなり、R
値が408nm、Z値が0.15、厚みが93μmである位
相差フィルム(住友化学工業(株)製の“スミカライト
SEZ190445E7”)を2枚切り出し、面内の進相軸のなす
角度が90°となるようにアクリル系感圧接着剤で積層
した。この積層位相差フィルムの光学特性は、Rt=1.
8nm、Rt40=49.9nmであり、Rt′=270nmであ
った。
【0038】実施例3 平均屈折率が1.59のポリカーボネートからなり、R
値が518nm、Z値が0.33、厚みが86μmである位
相差フィルム(住友化学工業(株)製の“スミカライト
SEZ390530E7”)を2枚切り出し、面内の進相軸のなす
角度が90°となるようにアクリル系感圧接着剤で積層
した。この積層位相差フィルムの光学特性は、Rt=2.
5nm、Rt40=33.1nmであり、Rt′=90nmであっ
た。
【0039】実施例4 平均屈折率が1.59のポリスチレンを溶剤キャスト法
により厚み100μmに製膜した後に一軸延伸して、R
値が375nm、Z値が−0.03、厚みが98μmの位相
差フィルムを得た。この位相差フィルムを2枚切り出
し、面内の進相軸のなす角度が90°となるようにアク
リル系感圧接着剤で積層した。この積層位相差フィルム
の光学特性は、Rt=12.2nm、Rt40=84.0nmであ
り、Rt′=402nmであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の積層位相差フィルムは、フィル
ム面内のレターデーション値が50nm以下でかつフィル
ム厚み方向のレターデーション値が50nm以上のもので
あり、液晶表示装置に好適に用いられる。そして本発明
によれば、このようなフィルム厚み方向レターデーショ
ン値の大きい位相差フィルムを容易に得ることできるよ
うになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB03 BB42 BB44 BB46 BB47 BB49 BB52 BC14 BC22 2H091 FA11 FB03 FC09 FD10 FD12 KA02 LA11 LA12 LA16 4F100 AJ04B AK01A AK01B AK02B AK12A AK12B AK25A AK25B AK41B AK45B AK55B AR00A AR00B BA02 BA26 GB41 JB16A JB16B JN18A JN18B YY00A YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnX
    とし、フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnY とし、
    フィルム厚み方向の屈折率をnZ とし、フィルム厚みを
    dとして、式(1) R=(nX−nY)×d (1) に相当するフィルム面内のレターデーション(R)値が
    80〜1,000nmであり、かつ式(2) Z=(nX−nZ)/(nX−nY) (2) に相当する配向パラメータ(Z)値が0.5未満である
    位相差フィルム2枚を、両者のフィルム面内の進相軸が
    90°±10°となるように積層したものであって、積
    層フィルムを一体物として測定したときに、積層フィル
    ム全体としての面内遅相軸方向の屈折率をnXtとし、積
    層フィルム全体としての面内進相軸方向の屈折率をnYt
    とし、積層フィルム全体としての厚み方向の屈折率をn
    Ztとし、積層フィルム全体としてのフィルム厚みをDと
    して、式(4) Rt =(nXt−nYt)×D (4) に相当するフィルム面内のレターデーション(Rt)値
    が 50nm以下であり、かつ式(5) Rt′={nZt−(nXt+nYt)/2}×D (5) に相当する厚み方向のレターデーション(Rt′)値が
    50〜1,000nmであることを特徴とする積層位相差
    フィルム。
  2. 【請求項2】Rt 値が30nm以下である請求項1に記載
    の積層位相差フィルム。
  3. 【請求項3】2枚の位相差フィルムがそれぞれ、負の屈
    折率異方性を有する熱可塑性高分子フィルムからなり、
    Z値が0.1〜−2である請求項1又は2に記載の積層
    位相差フィルム。
  4. 【請求項4】負の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子
    が、ポリスチレン系高分子又はアクリル系高分子である
    請求項3に記載の積層位相差フィルム。
  5. 【請求項5】2枚の位相差フィルムがそれぞれ、正の屈
    折率異方性を有する熱可塑性高分子フィルムからなり、
    Z値が0.4〜−0.4である請求項1又は2に記載の積
    層位相差フィルム。
  6. 【請求項6】正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子
    が、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレート系高分
    子、ポリエステル系高分子、ポリサルフォン、セルロー
    ス系高分子又はノルボルネン系高分子である請求項5に
    記載の積層位相差フィルム。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の積層位相
    差フィルムを少なくとも1枚用いてなる液晶表示装置。
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