JP2003042858A - 温度センサの動的校正装置及び温度センサの動的校正方法 - Google Patents

温度センサの動的校正装置及び温度センサの動的校正方法

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JP2003042858A
JP2003042858A JP2001230603A JP2001230603A JP2003042858A JP 2003042858 A JP2003042858 A JP 2003042858A JP 2001230603 A JP2001230603 A JP 2001230603A JP 2001230603 A JP2001230603 A JP 2001230603A JP 2003042858 A JP2003042858 A JP 2003042858A
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JP2001230603A
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Hideo Bito
日出夫 尾藤
Hirotaka Nakagawa
博高 中川
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National Space Development Agency of Japan
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
National Space Development Agency of Japan
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温条件下での温度センサの高信頼度の校正の
ための技術の確立。 【解決手段】短秒時にレーザーを標準品5F(図示せ
ず)と校正対象の熱電対5Sにそれぞれに照射する。そ
の時のレーザーの強度q/aを測定する。aは、パラメ
ータであり平均定数である。それぞれの温度変化量T1
(t),T2(t)を計算機に入力する。レーザ強度Q
1(t),Q2(t)を因子とする関数F(t−τ)・
Q1(t)及び関数F2(t−τ)・Q1(t)を積分
範囲を時間幅として変数τに関してそれぞれに積分し、
第1,2供試体5F,5Sの温度変化量をそれぞれの積
分値を因数として持つ量で割って第1,2供試体5F,
5Sのそれぞれの既知物性値と未知定数との第1因子を
持つ量を計算してその未知定数を既知定数として求め
る。同一系の2つの同形式中に互いに未知数である物性
値とパラメータaと既知数である物性値とパラメータa
が入れ代わっているので、アナロジックに両未知数が求
められる。同形関数からアナロジックに求められた校正
値は、その系で信頼度が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度センサの動的
校正装置及び温度センサの動的校正方法に関し、特に、
高エンタルピー風洞のような特別な環境に置かれ温度が
数ミリ秒の短秒時で変化し熱的に非定常時の熱電対のよ
うな温度センサの校正を行うための温度センサの動的校
正装置及び温度センサの動的校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの燃焼試験、タービンの回転試
験を行うために風洞が用いられる。このような風洞の中
は、高温状態にありそのエンタルピーが高い。温度の検
出のために、熱電対が用いられる。熱電対は、基準に対
して校正されて用いられる。計測される温度が定常状態
である低エンタルピー状態での熱電対の校正は、定常状
態の基準温度センサとの比較により校正されうる。カバ
ー、絶縁材、熱電対線から構成されている熱電対の校正
は、それらの構成部品の個々について定常状態での計測
を行って校正し、全体の校正は計算により求めてその物
性値(ρ(=密度)・C(=比熱)・k(=熱伝導
率))を正しく知ることができる。
【0003】計測される温度が非定常状態である高エン
タルピー環境におかれ温度が数ミリ秒の間に動的に変化
する熱電対の校正は、定常状態での基準温度センサとの
比較によっては校正することができない。高エンタルピ
ー下での熱電対のような温度センサの校正のための技術
は、これまで知られていない。
【0004】高エンタルピー風洞模型のような物体の表
面に負荷される入熱量は、短秒時に計測が完了される量
である。表面層でのみ変化する物理量が計測される。熱
電対もその表面層のみで、短秒時に温度変化する。校正
された熱電対を用いて、短秒時に計測された温度時刻歴
から、半無限1次元熱伝導解を求めることにより、熱電
対表面のみに負荷された加熱量を求めることが要請され
ている。
【0005】高温条件下での温度センサの校正のための
技術の確立が求められる。更には、短秒時の間のダイナ
ミックな温度変化を検出して高精度な校正を行って、セ
ンサ面の表層部のみに温度変化が生じるために短秒時で
計測を完了させなければならない温度センサの高精度の
校正を行う技術の確立が急務である。更には、空気中で
の水分の吸湿度が1本1本で異なる校正対象の熱電対の
全体を単体として校正するようにすることが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高温
条件下での温度センサの校正のための技術を確立するこ
とができる温度センサの動的校正装置及び温度センサの
動的校正方法を提供することにある。本発明の他の課題
は、高温条件下での温度センサの信頼度の高い校正のた
めの技術を確立することができる温度センサの動的校正
装置及び温度センサの動的校正方法を提供することにあ
る。本発明の更に他の課題は、更に、短秒時の間のダイ
ナミックな温度変化を検出して高精度な校正を行うこと
ができる温度センサの動的校正装置及び温度センサの動
的校正方法を提供することにある。本発明の更に他の課
題は、更に、センサ面の表層部のみに温度変化が生じる
ために短秒時で計測を完了させなければならない温度セ
ンサの高精度の校正を行う技術を確立することができる
温度センサの動的校正装置及び温度センサの動的校正方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が請求項に対応して表現される次の記載中に現れ
る()つきの数字は、請求項の記載事項が詳しく後述さ
れる実施の複数の形態のうちの少なくとも1つの形態の
部材、工程、動作に対応することを示すが、本発明の解
決手段がそれらの数字が示す実施の形態の部材に限定し
て解釈されるためのものではなく、その対応関係を明白
にするためのものである。
【0008】本発明による温度センサの動的校正装置
は、短秒時にレーザー光束を誘導放出するパルス発振器
(2)と、そのレーザー光束を第1光束(4)と第2光
束(7)に分離するための分離器(3)と、第2光束
(7)のレーザー強度を計測するための計測器(8)
と、標準品でありその温度変化量を計測する第1供試体
(5F)と、物性値の校正が行われその温度変化量を計
測する校正対象の第2供試体(5S)とを交換自在に装
着するための固定治具と、前記第1供試体(5S)と前
記第2供試体(5F)とによりそれぞれに計測され時刻
を関数とする温度変化量T1(t),T2(t)に対応
する第1電気信号(6’)と、前記計測器(8)により
計測される前記レーザー強度に対応する第2電気信号
(9’)とが入力される計算機(14)とからなり、計
算機(14)は第1供試体(5F)に関する計測時にお
ける時刻tの関数であるレーザ強度Q1(t)及び第2
供試体(5S)に関する計測時における時刻tの関数で
あるレーザ強度Q2(t)を因子とする関数F1 (t
−τ)・Q1(t)及び関数F2(t−τ)・Q1
(t)を積分範囲を時間幅として変数τに関してそれぞ
れに積分する積分部分と、第1供試体(5F)の温度変
化量を積分部分により積分された第1積分値を因数とし
て持つ量で割って第1供試体(5F)の既知物性値と未
知定数との第1因子を持つ量を計算してその未知定数を
既知定数として求める第1割算部分と、第2供試体(5
S)の温度変化量を積分部分により積分された第2積分
値を因数として持つ量で割って第2供試体(5S)の未
知物性値と既知定数との第2因子を第1供試体(5F)
に関する第1因子と同形で持つ量を計算する第2割算部
分とを備えている。
【0009】同じシステムを用いて標準品である第1供
試体(5F)と校正対象である第2供試体(5S)につ
いて、2つの関数関係を計測値と計算値とで同形式で表
し、一方の式からその式中の既知の物性値を用いてその
式中の未知数のパラメータを既知化し、他方の式ではそ
の既知パラメータを用いてその式中の未知の物性値を計
算により求めることになるので、同じ系において、未知
物性値の高精度な校正を行うことができる。計測値は時
刻列として求められ、ダイナミックな変化をする非定常
状態の物性値を求め、それを校正値として使用すること
ができる。
【0010】第1因子の既知物性値は、第1,2供試体
(5F,5S)がカロリーメータであれば、第1供試体
(5F)のρ・Cp・kである。ρはその密度、Cpは
その比熱、kはその熱伝導率である。第1因子の未知定
数は、パラメータとしての平均定数aであり、この場
合、第1因子は、a/{第1供試体(5F)の(ρ・C
p・k)の平方根}で表される。レーザ強度Q1(t)
は、関数q1(t)/aで表され、レーザ強度Q2
(t)は関数q2(t)/aで表され、これら強度に関
する因子は同形である。
【0011】第2因子の未知物性値は、第2供試体のρ
・Cp・kである。第2因子の既知定数は求められた平
均定数aである。第2因子は、a/{第2供試体(5
S)の(ρ・Cp・k)の平方根}で表される。第1因
子も第2因子も、同形で表される。このように2つの同
形関係式を用いて、アナロジックに未知の物性値が校正
値として実測と計算とにより求められ得るので、同一系
において、その校正値はその信頼度が高い。
【0012】本発明による温度センサの動的校正方法
は、言い換えれば、パルスレーザーを第1光束(4)と
第2光束(7)とに分離するためのステップと、第1光
束(4)を第1供試体(5F)に照射して第1供試体
(5F)の温度変化T1(t)を計測するステップと、
あるパラメータをaで表して第2光束(7)のレーザー
強度q1/aを計測するためのステップと、他のパルス
レーザーを他の第1光束(4)と他の第2光束(7)と
に分離するためのステップと、他の第1光束(4)を第
2供試体(5S)に照射して第2供試体(5S)の温度
変化T2(t)を計測するステップと、他の第2光束
(7)の他のレーザー強度q2/aを計測するためのス
テップと、レーザー強度q1/aを因子とする関数F1
(t−τ)・(q1/a)を積分して第1積分値を計算
するためのステップと、第1積分値で温度変化T1
(t)を割って、パラメータaを分子とし第1供試体
(5S)の既知の物性値(ρ・Cp・k)の平方根を分
母とする第1因数を算出するためのステップと、他のレ
ーザー強度q2/aを因子とする関数F(t−τ)・
(q2/a)を積分して第2積分値を計算するためのス
テップと、第2積分値で温度変化T2(t)を割って、
既知のパラメータaを分子とし第2供試体(5S)の未
知の物性値(ρ・Cp・k)の平方根を分母とする第2
因数を算出するためのステップと、第2因数を既知のパ
ラメータaで割って第2供試体の未知の物性値(ρ・C
p・k)を求めるためのステップとからなる。
【0013】このようなステップスで表される校正方法
は、既述の通りのアナロジックな算出の作用効果を共有
している。同一系の同一関数形により求めた物性値は、
ダイナミックな系において、高精度の校正物性値として
共通に使用することができる。第2供試体として熱電対
が用いられる場合に、特に、その校正値は有効である。
なお付記すれば、計算機による計算は、その計算順序に
よらず、同じ結果を導くあらゆるプロセスの変化例えば
迂回計算を含めて、同じ計算であるとみなす。積分計算
では、積分領域を変更して、積分定数を正負に足し加え
ることは、迂回計算の一例である。式とその式に恒等な
式のそれぞれの計算は、同じ計算とみなす。そのように
みなさなければ、数式が現れる請求項は、請求項として
の意義が完全に消失する。
【0014】
【発明の実施の形態】図に一致対応して、本発明による
温度センサの動的校正装置に、レーザー電源1が設けら
れている。レーザー電源1により励起されルビー・光学
結晶体が用いられている高密度レーザーを出力すること
ができるルビーレーザー発振装置2がレーザー電源1に
接続されている。ルビーレーザー発振装置2から出力さ
れるレーザーは、プリズム3により2光束に分束され
る。
【0015】プリズム3により分束される第1光束4
は、供試体5に照射される。供試体5は、エネルギー関
連量を検出するためのエネルギー関連量検出手段であ
り、後述するように、基準検出体と被校正検出体とが置
換されて、レーザー照射位置に置かれる検出手段であ
る。第1供試体5の基準検出体は、物性値が標準化され
て既知になっているカロリーメータ5F(図示せず)で
ある。第2供試体の被校正検出体は、熱電対5Fであ
る。供試体5は、固定治具10に固定されて試験器具本
体(図示せず)に装着される。
【0016】供試体5は、これが検出したエネルギー関
連量を電圧信号などの第1電気信号6に変換してそれを
出力することができる温度センサーである。プリズム3
により分束される第2光束7は、フォトセンサー8に入
射する。フォトセンサー8は、第2光束7のエネルギー
関連量を検出するためのエネルギー関連量検出手段であ
り、これが検出したエネルギー関連量を電圧信号などの
第2電気信号9に変換してそれを出力することができる
温度センサーである。
【0017】第1電気信号6、第2電気信号9とは、シ
グナルコンディショナ11に入力される。第1電気信号
6、第2電気信号9とは、シグナルコンディショナ11
によりA/D変換され、高速メモリ装置12に入力され
る。高速メモリ装置12は、このように変換された第1
デジタル信号6’,第2デジタル信号9’をリアルタイ
ムで高速に記録する。
【0018】電源1は、ルビーレーザ発振装置2の出力
を制御することができる。その出力の制御は、共振ミラ
ーの一方の回転速度の制御、ルビーに供給する励起用光
の光源の一瞬の電力量の制御により行うことができる。
その時の出力パワーの制御値は、レーザーパワーメータ
13で表示することができる。
【0019】レーザーパワーメータ13は、レーザー電
源1の出力電圧・電流量を表示することができるよう
に、ルビーレーザ発振装置2とレーザー電源1との間に
直列に又は並列に介設される。ルビーレーザー発振装置
2から出力されるレーザーパルスは、数ミリ秒以下好ま
しくは2ミリ秒以下の短時間幅で瞬間的に誘導放出され
時間的にも空間的にも高密度のエネルギーを持つ。供試
体5は、それの測定される部分の表面が入射する第1光
束4のビーム又はその光軸に直交するようにセットされ
る。
【0020】高速メモリ装置12に記録された第1デジ
タル信号6’,第2デジタル信号9’は、データ処理装
置14に送信される。第1デジタル信号6’,第2デジ
タル信号9’は、データ処理装置14内でインターフェ
ース15を介してパソコン16に入力される。
【0021】パソコン16は、横軸を時間tとし縦軸を
供試体5の表面温度Tとするグラフである関数T(t)
を作成することができる。このように作成される関数T
(t)は、供試体5が標準カロリーメータである場合の
標準温度関数T1(t)と、供試体5が校正対象である
熱電対である場合の校正対象温度関数T2(t)との2
つである。パソコン16は、更に、横軸を時間tとし縦
軸をフォトセンサ8が計測するフォトセンサ計測値とす
るレーザ強度関数Q(t)を作成することができる。パ
ソコン16がこのように作成する標準温度関数T1
(t)、校正対象温度関数T2(t)、レーザ強度関数
Q(t)は、これらをプリンタ17に出力させて視覚化
することができる。
【0022】このような電気光学系により、データ処理
を行って、校正対象の熱電対の物性値であるρ・Cp・
kを計算によりつぎのようなステップにより求めること
ができる:ρ=密度、Cp=比熱、k=熱伝導率。
【0023】ステップ1:標準化されている供試体5F
であるカロリーメータを固定治具10にセットする。そ
の標準化によりカロリーメータの第1物性値ρ・Cp・
kは、定められており、既知の定数である。2ミリ秒以
下の狭い時間幅の高密度レーザパルスをルビーレーザー
発振装置2から発射させる。
【0024】ステップ2:第1光束4が照射されるカロ
リーメータは、第1デジタル信号6’を出力し、その出
力値である第1デジタル信号6’はパソコン16に入力
され、図2に示されるように、標準温度関数T1(t)
が作成される。同時に第2光束7がフォトセンサー8に
入射し、第2デジタル信号9’がパソコン16に入力さ
れ、図3に示されるように、第1レーザ強度関数Q1
(t)が作成される。
【0025】ステップ3:標準温度関数T1(t)は、
下記理論式により表現される。
【数1】 丸2で示される右辺の第1因子の分母のaは平均定数で
あり、その平均定数aは式(1)では未知数である。そ
の第1因子の分子のカロリーメータの第1物性値ρ・C
p・kは、既述の通り、既知定数である。丸3で示され
る右辺の第2因子の被積分関数の分子は、第1レーザ強
度関数Q1(t)であり、フォトセンサ8により直接に
計測されている。式(1)で、右辺の全体に係数をかけ
ることは自由である。その係数としては、1パルスのレ
ーザーの全体のカロリーとフォトセンサ8に入射するエ
ネルギーの比に関する係数が含まれる。 Q1(t)=q1(t)/a.・・・(2) 式(2)中、その分母は平均定数aである。量{q1
(t)/a}が、フォトセンサ8により実測される。
【0026】ステップ4:実測値T1(t)、実測値を
含む理論値を積分計算により求めた丸3で示される第2
因子、第1物性値ρ・Cp・kは、既知であるので、式
(1)から未知数である平均定数aがパソコン16によ
り求められる。この計算により、図4に示されるよう
に、平均値aは、図1に示す電気光学系において既知定
数になる。時間の関数である図3の値q(t)/aで時
間の関数である図1の温度T(t)を割るときは、その
同じ時刻の値q(t)/aと温度T(t)とが用いられ
るので、それぞれに、その時刻の比が計算され、図4に
示す時間の関数である比が得られる。これにより平坦な
部分の時間長さが、平均定数aになる。
【0027】ステップ5:固定治具10からカロリーメ
ータが取り外され、その代わりに、第2供試体である熱
電対5Sが固定治具10に取り付けられる。図1は、こ
の状態を示している。再度、レーザーがルビーレーザー
発振装置2から発射される。第1光束4が照射される熱
電対は、第1デジタル信号6’を出力し、その出力値で
ある第1デジタル信号6’はパソコン16に入力され、
図5に示されるように、標準温度関数T2(t)が作成
される。同時に第2光束7がフォトセンサー8に入射
し、第2デジタル信号9’がパソコン16に入力され、
図6に示されるように、第2レーザ強度関数Q2(t)
が作成される。
【0028】ステップ6:標準温度関数T1(t)は、
前記理論式と同形の下記理論式で表現される。
【数2】 右辺の第1因子の分母のaは、式(1)により既知の平
均定数であり、その第1因子の分母の熱電対の第2物性
値ρ・Cp・kは、未知数である。第2因子の被積分関
数の分子は、第2レーザ強度関数Q2(t)であり、フ
ォトセンサ8により直接に計測され、式(3)により示
される。 Q1(t)=q2(t)/a.・・・(4) 式(4)中、その分母は既知平均定数aである。量{q
2(t)/a}が、フォトセンサ8により実測される。
【0029】ステップ7:実測値T2(t)、実測値を
含む理論値を積分計算により求めた右辺第2因子、平均
定数aは、既知であるので、式(3)から、未知数であ
る第2物性値ρ・Cp・kがパソコン16により求めら
れる。この計算により、熱電対の(第2)物性値ρ・C
p・kは、図1に示す電気光学系において、既知定数に
なる。
【0030】このように標準値との比較で求められた熱
電対の(第2)物性値ρ・Cp・kは、カバー、絶縁
材、熱電対線を含めた単体の物性値である。図1に示さ
れる光学系の計測システムの一部の供試体は、真空排気
系17(図1参照)の中に配置することができる。この
場合の熱電対物性値は、湿度に影響されず高精度に校正
された物性値である。非定常状態を形成することがで
き、その入熱量の値の高精度計測が容易である高密度パ
ルスレーザーの使用により、校正の精度が極めて高く、
且つ、その信頼性が高い。
【0031】標準品としてのカロリーメータとして、薄
膜センサが用いられている。この薄膜センサは、三菱重
工・高砂研究所が開発した高分解能センサであり、0.
5ミリ秒以下の時間幅のレーザーの入熱量を高分解能の
時刻歴で検出することができる温度センサである。
【0032】このように物性値が校正された熱電対は、
高エンタルピー風洞模型の表面に装着されて使用され
る。高エンタルピー風洞模型のような物体の表面に負荷
される入熱量は、短秒時に計測が完了される量である。
表面層でのみ変化する物理量が計測される。熱電対もそ
の表面層のみで、短秒時に温度変化する。このように校
正された熱電対を用いて、短秒時に計測された温度時刻
歴から、半無限1次元熱伝導解を求めることにより、熱
電対表面のみに負荷された加熱量を求めることができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明による温度センサの動的校正装置
及び温度センサの動的校正方法は、非定常状態の温度に
関する物性値の校正の信頼度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による温度センサの動的校正装
置の実施の形態を示す電気光学回路図である。
【図2】図2は、時間tを変数とする温度を示すグラフ
である。
【図3】図3は、時間tを変数とするレーザー強度を示
すグラフである。
【図4】図4は、時間を変数とする計算値を示すグラフ
である。
【図5】図5は、時間tを変数とする他の温度を示すグ
ラフである。
【図6】図6は、時間tを変数とする他のレーザー強度
を示すグラフである。
【符号の説明】
2…ルビーレーザ発信装置(パルス発振器) 3…分離器(プリズム) 4…第1光束 5F…第1供試体(カロリーメータ、交換部材のため図
に表れない) 5S…第2供試体(熱電対) 6’…第1デジタル信号 7…第2光束 8…計測器(フォトセンサー) 9’…第2デジタル信号 14…計算機 T1(t),T2(t)…温度変化量 Q1,Q2…レーザ強度
フロントページの続き (72)発明者 中川 博高 愛知県名古屋市港区大江町10番地 三菱重 工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作 所内 Fターム(参考) 2F056 XA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短秒時にレーザー光束を誘導放出するパル
    ス発振器と、 前記レーザ光束を第1光束と第2光束に分離するための
    分離器と、 前記第2光束のレーザー強度を計測するための計測器
    と、 標準品でありその温度変化量を計測する第1供試体と物
    性値の校正が行われその温度変化量を計測する校正対象
    の第2供試体とを交換自在に装着するための固定治具
    と、 前記第1供試体と前記第2供試体とによりそれぞれに計
    測され時刻を関数とする温度変化量T1(t),T2
    (t)に対応する第1電気信号と、前記計測器により計
    測される前記レーザー強度に対応する第2電気信号とが
    入力される計算機とからなり、 前記計算機は、 前記第1供試体に関する計測時における時刻tの関数で
    ある前記レーザ強度Q1(t)及び前記第2供試体に関
    する計測時における時刻tの関数である前記レーザ強度
    Q2(t)を因子とする関数F1(t−τ)・Q1
    (t)及び関数F2(t−τ)・Q1(t)を積分範囲
    を時間幅として変数τに関してそれぞれに積分する積分
    部分と、 前記第1供試体の前記温度変化量を前記積分部分により
    積分された第1積分値を因数として持つ量で割って前記
    第1供試体の既知物性値と未知定数との第1因子を持つ
    量を計算して前記未知定数を既知定数として求める第1
    割算部分と、 前記第2供試体の前記温度変化量を前記積分部分により
    積分された第2積分値を因数として持つ量で割って前記
    第2供試体の未知物性値と前記既知定数との第2因子を
    前記第1供試体に関する前記第1因子と同形で持つ量を
    計算する第2割算部分とを備える温度センサの動的校正
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記第1因子の既知物性値は、第1供試体のρ・Cp・
    kの平方根であり、ρはその密度、Cpはその比熱であ
    り、kはその熱伝導率であり、前記第1因子の未知定数
    は、パラメータとしての平均定数aであり、 前記第1因子は、a/{前記第1供試体の(ρ・Cp・
    k)の平方根}で表され、 前記レーザ強度Q1(t)は関数q1(t)/aで表さ
    れ、前記レーザ強度Q2(t)は関数q2(t)/aで
    表されることを特徴とする温度センサの動的校正装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記第2因子の既知物性値の未知物性値は、前記第2供
    試体のρ・Cp・kの平方根であり、ρはその密度、C
    pはその比熱であり、kはその熱伝導率であり、 前記第2因子の前記既知定数は求められた前記平均定数
    aであり、 前記第2因子は、a/{前記第2供試体の(ρ・Cp・
    k)の平方根}で表されることを特徴とする温度センサ
    の動的校正装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記第1供試体は熱電対であることを特徴とする温度セ
    ンサの動的校正装置。
  5. 【請求項5】パルスレーザーを第1光束と第2光束とに
    分離するためのステップと、 前記第1光束を第1供試体に照射して前記第2供試体の
    温度変化T1(t)を計測するステップと、 あるパラメータをaで表して前記第2光束のレーザー強
    度q1/aを計測するためのステップと、 他のパルスレーザーを他の第1光束と他の第2光束とに
    分離するためのステップと、 前記他の第1光束を第2供試体に照射して前記第2供試
    体の温度変化T2(t)を計測するステップと、 前記他の第2光束の他のレーザー強度q2/aを計測す
    るためのステップと、 前記レーザー強度q1/aを因子とする関数F(t−
    τ)・(q1/a)を積分して第1積分値を計算するた
    めのステップと、 前記第1積分値で前記温度変化T1(t)を割って、前
    記パラメータaを分子とし前記第1供試体の既知の物性
    値(ρ・Cp・k)の平方根を分母とする第1因数を算
    出するためのステップと、 前記他のレーザー強度q2/aを因子とする関数F(t
    −τ)・(q2/a)を積分して第2積分値を計算する
    ためのステップと、 前記第2積分値で前記温度変化T2(t)を割って、既
    知の前記パラメータaを分子とし前記第2供試体の未知
    の物性値(ρ・Cp・k)の平方根を分母とする第2因
    数を算出するためのステップと、 前記第2因数を前記既知のパラメータaで割って前記第
    2供試体の未知の物性値(ρ・Cp・k)を求めるため
    のステップとからなる温度センサの動的校正方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記第2供試体は熱電対であることを特徴とする温度セ
    ンサの動的校正方法。
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