JP2003041379A - アルミニウムの化成処理方法および化成皮膜 - Google Patents

アルミニウムの化成処理方法および化成皮膜

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JP2003041379A JP2001229016A JP2001229016A JP2003041379A JP 2003041379 A JP2003041379 A JP 2003041379A JP 2001229016 A JP2001229016 A JP 2001229016A JP 2001229016 A JP2001229016 A JP 2001229016A JP 2003041379 A JP2003041379 A JP 2003041379A
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▲隆▼由 藤野
Makoto Mihoya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐食性を有する化成皮膜を生成すること
ができ、かつ強度等に優れる合金系のアルミニウムに対
しても適用することができるアルミニウムの化成処理方
法および化成皮膜を提供する。 【解決手段】 純アルミ系または合金系のアルミニウム
を水酸化カルシウム水溶液に浸漬する一次処理と、該一
次処理されたアルミニウムをさらにアルミン酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウムおよびシュウ酸ナトリウムを含む
水溶液に浸漬する二次処理とを含んでなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムの化
成処理方法および化成皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは軽く、重量当りの強度も
高く、かつ外観性も優れていることから非常に有用な材
料であり、多方面で利用されている。アルミニウムは活
性な金属であり、空気中に放置しておくだけでも酸化す
る。高純度アルミニウムの酸化膜は緻密で密着性に優れ
ていることから保護性があり、内部まで腐食が進むこと
を抑える作用がある。しかし、実用的に用いられるアル
ミニウムは種々の金属との合金であり、形成される酸化
膜は完全性が低く、十分な耐腐食性を与えない。このた
め、これまでに様々な表面処理方法が提案されてきた。
耐食性を高める効果の高い方法として、クロム酸クロメ
ート法がある。しかし、この方法は有害物質であるクロ
ムイオンを含有するため環境的な問題から、近年、使用
が規制される方向にある。ノンクロメート法として、例
えば、MBV法などがあるが、得られる皮膜の耐腐食性
能は低いという問題がある。
【0003】このような状況に鑑みて、「水酸化ストロ
ンチウム浴中で生成するアルミニウム化成皮膜の二次処
理による高耐食性化」(軽金属学会誌、第50巻、第1
0号、2000年、486〜490頁)には、アルミニ
ウムを水酸化ストロンチウムに浸漬した後に、さらにア
ルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよびシュウ酸
ナトリウムを含む水溶液に浸漬させて、MBV法の10
倍以上の耐食性を有する化成皮膜を生成させる方法が記
載されているが、この方法で化成皮膜が生成するアルミ
ニウムは、純アルミ系(JIS合金番号の1000番
系)であり、合金系(同番号の2000〜7000番
系)ではこの化成皮膜が生成しないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、高い耐食性を有する化成皮膜を生成すること
ができ、かつ強度等に優れる合金系のアルミニウムに対
しても適用することができるアルミニウムの化成処理方
法および化成皮膜を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ムの化成処理方法は、純アルミ系または合金系のアルミ
ニウムを水酸化カルシウム水溶液に浸漬する一次処理
と、該一次処理されたアルミニウムをさらにアルミン酸
ナトリウム、水酸化ナトリウムおよびシュウ酸ナトリウ
ムを含む水溶液に浸漬する二次処理とを含んでなること
を特徴とする。上記一次処理において、上記水酸化カル
シウム水溶液の濃度は0.002〜0.1モル/リット
ル、処理液温度は60〜100℃、処理時間は5〜60
分とすることができる。また、上記二次処理において、
上記水溶液中のアルミン酸ナトリウム濃度は0.02〜
0.2モル/リットル、水酸化ナトリウム濃度は0.0
02〜0.1モル/リットル、シュウ酸ナトリウム濃度
は0.002〜0.2モル/リットル、処理液温度は5
0〜90℃、処理時間は5〜80分とすることができ
る。このようにして、一次処理によりアルミニウム表面
に生成した一次皮膜の上に、二次処理によって成長、緻
密化させた二次皮膜を生成することによって、高い耐食
性を有す化成皮膜を得ることができる。
【0006】本発明に係る化成皮膜は、純アルミ系また
は合金系のアルミニウムを水酸化カルシウム水溶液に浸
漬する一次処理と、該一次処理されたアルミニウムをさ
らにアルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよびシ
ュウ酸ナトリウムを含む水溶液に浸漬する二次処理とを
行うことによって、該アルミニウムの表面に得られるこ
とを特徴とする。また、本発明に係る化成皮膜は、アル
ミニウム合金の表面に形成されたバイヤライト(Al
(OH)3)を主成分とする化成皮膜であって、該皮膜
は表面が緻密で、高耐食性を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、詳細に説明する。本発明は、純アルミ系または合金
系のアルミニウムに対する化成処理であり、先ず、その
一次処理として、水酸化カルシウム水溶液にこのアルミ
ニウムを浸漬することを特徴とする。純アルミ系のアル
ミニウムとは、JISの合金番号の1000番系をい
い、その例として、A1085とA1050の組成を表
1に示す。また、合金系のアルミニウムとは、JIS合
金番号2000〜7000番系であり、その一例とし
て、A6061の組成を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】一次処理に用いる水酸化カルシウム水溶液
の濃度は、特に限定されないが、約0.002〜0.1
モル/リットルが好ましい。水酸化カルシウムの濃度が
約0.002モル/リットル未満の場合、生成する一次
皮膜の厚さが非常に薄く、皮膜の効果を十分に得ること
ができない。濃度が高くなるにつれて一次皮膜の厚さも
増すが、濃度が約0.1モル/リットルを超えると、一
次皮膜の厚さが厚くなりすぎて、剥離を生じるおそれが
ある。
【0010】水溶液の温度は、約60〜100℃が好ま
しい。水溶液の温度が約60℃未満の場合、一次皮膜の
厚さが非常に薄いか生成せず、好ましくない。一方、約
100℃を超えると、水溶液の取扱いが難しくなり実用
的でない。浸漬の処理時間は、特に限定されないが、約
5〜60分が好ましい。処理時間が5分未満の場合、生
成する一次皮膜の厚さが非常に薄く、皮膜の効果を十分
に得ることができない。処理時間が長くなるにつれて一
次皮膜の厚さも増すが、60分を超えると、膜厚の著し
い増加は認められず、作業効率上、好ましくない。
【0011】このようにして、純アルミ系または合金系
のアルミニウムの表面に、バイヤライトの結晶性水酸化
アルミニウムを主成分とする一次皮膜を生成することが
できる。この一次皮膜は、表面に粗さがあり、十分な耐
食性を有していない。そこで、本発明では、二次処理と
して、一次処理されたアルミニウムをアルミン酸ナトリ
ウム、水酸化ナトリウムおよびシュウ酸ナトリウムを含
む水溶液に浸漬する。
【0012】二次処理に用いる水溶液中のアルミン酸ナ
トリウムの濃度は、特に限定されないが、約0.02〜
0.2モル/リットルが好ましい。アルミン酸ナトリウ
ムの濃度が約0.02モル/リットル未満の場合、生成
する二次皮膜の厚さが非常に薄く、二次皮膜が成長、緻
密化する効果を十分に得ることができない。濃度が高く
なるにつれて二次皮膜の厚さも増すが、ある濃度でピー
クに達した後、再び膜厚は下がり、濃度が約0.2モル
/リットルを超えると、未溶解のアルミン酸ナトリウム
が増加し、作業性が損なわれ好ましくない。より好まし
い濃度は、膜厚のピーク付近である約0.06〜0.1
モル/リットルである。
【0013】また、水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度
は、特に限定されないが、約0.002〜0.1モル/
リットルが好ましい。水酸化ナトリウムの濃度が約0.
002モル/リットル未満の場合、生成する二次皮膜の
厚さが非常に薄く、二次皮膜が成長、緻密化する効果を
十分に得ることができない。一方、濃度が約0.1モル
/リットルを超えると、二次皮膜の厚さの著しい変化は
認められず、コスト上好ましくない。
【0014】さらに、水溶液中のシュウ酸ナトリウムの
濃度は、特に限定されないが、約0.002〜0.2モ
ル/リットルが好ましい。シュウ酸ナトリウムの濃度が
約0.002モル/リットル未満の場合、生成する二次
皮膜の厚さが非常に薄く、二次皮膜が成長、緻密化する
効果を十分に得ることができない。一方、濃度が約0.
2モル/リットルを超えると、二次皮膜の厚さの著しい
変化は認められず、コスト上好ましくない。
【0015】水溶液の温度は、約50〜90℃が好まし
い。水溶液の温度が約50℃未満の場合、二次皮膜の厚
さが非常に薄いか生成せず、好ましくない。一方、約9
0℃を超えると、膜厚が下がるとともに水溶液の取扱い
も難しくなり実用的でない。浸漬の処理時間は、特に限
定されないが、約5〜80分が好ましい。処理時間が5
分未満の場合、生成する二次皮膜の厚さが非常に薄く、
皮膜の効果を十分に得ることができない。処理時間が長
くなるにつれて二次皮膜の厚さも増すが、80分を超え
ると、膜厚の著しい増加は認められず、作業効率上、好
ましくない。
【0016】このようにして、一次皮膜の上に成長、緻
密化した二次皮膜を生成することができる。この二次皮
膜は、一次皮膜と同様にバイヤライトの結晶性水酸化ア
ルミニウムを主成分としている。しかし、一次皮膜に比
べて表面の凹凸が少なく、また、一次皮膜よりも耐食性
に優れている。また、この化成皮膜は純アルミニウムに
限られず、アルミニウム合金の表面にも生成させること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明する。1.化成皮膜の生成 試験片のアルミニウムとしては、JIS A6061の
アルミニウム合金板を用い、先ず、この表面を脱脂処理
した。次に、一次処理として、このアルミニウム合金板
を、70℃に加熱した0.01モル/リットル濃度の水
酸化カルシウム水溶液に40分間に渡って浸漬させ、表
面に一次皮膜を生成させた。さらに、この一次皮膜を生
成させたアルミニウム合金板を、二次処理として、70
℃に加熱した0.08モル/リットル濃度のアルミン酸
ナトリウム、0.04モル/リットル濃度の水酸化ナト
リウムおよび0.02モル/リットル濃度のシュウ酸ナ
トリウムを含む水溶液に40分間に渡って浸漬させた。
これにより、二次皮膜を有すアルミニウム合金である実
施例1を得た。また、表2に示す条件に従って、実施例
1と同様にして、実施例2〜12および比較例1〜5を
得た。ここで、比較例1は、一次処理までを実施例1と
同じ条件で施した一次皮膜のみのものである。
【0018】
【表2】
【0019】2.化成皮膜の表面観察 走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−700
型)を用いて実施例1および比較例1の皮膜表面を観察
した。そのときに撮影した皮膜の表面写真をそれぞれ図
1および図2に示す。図1と図2はともに倍率が200
0倍である。図1に示す二次皮膜の表面は、図2の一次
皮膜の表面にあるような欠陥がなかった。また、図2の
一次表面は、直径約2〜5μmの孔が確認でき、凹凸の
ある粗い表面であるが、図1の二次表面は、一次皮膜で
確認された孔が見られなくなっており、全体的に皮膜が
緻密化していることが確認できた。
【0020】3.耐食性試験 実施例1、比較例1および未処理のアルミニウム合金板
に対して、50℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液に
5秒間浸漬する耐アルカリ試験を行った。表面の損傷状
態を調べるために、上記の電子顕微鏡を用いて未処理の
アルミニウム合金板、比較例1の一次皮膜および実施例
1の二次皮膜の表面を観察した。そのときに撮影した表
面写真をそれぞれ図3〜5に示す。図3〜5は全て倍率
が1000倍である。図3の未処理のアルミニウム合金
板はエッチングが進み、直径約10〜20μmの窪みが
多数できるなど、表面が大きく荒れていた。また、図4
の比較例1も、一次皮膜が溶解し、直径10〜20μm
程度の素地に達する穴が多数生じた。これに対し、図5
の実施例1では、二次皮膜にほとんど損傷が認められ
ず、高い耐食性を示した。
【0021】4.一次皮膜の膜厚と処理条件の関係 水酸化カルシウム水溶液の濃度に対する一次皮膜の膜厚
の関係を調べるため、水酸化カルシウム濃度を0.0
1、0.05、0.10モル/リットルにそれぞれ調製
した処理液を温度70℃に加熱して、アルミニウム合金
板を40分間に渡り浸漬させた。これによって得られた
各一次皮膜に対し、渦電流式皮膜厚さ測定器((株)サ
ンコウ電子研究所製、EL−30型)を用いて、各3点
ずつ皮膜の厚さを測定し、その平均値を膜厚とした。そ
の結果を図6に示す。図6に示すように、濃度が増加す
るにつれて膜厚も増加し、0.10モル/リットルでは
約20μmに達した。そこで、水酸化カルシウム濃度を
0.12モル/リットルに調製し、温度80℃で60分
間に渡りアルミニウム合金板を浸漬させたところ、約2
0μmを超えたところで皮膜が厚くなりすぎたため剥離
を生じてしまった。
【0022】水酸化カルシウム水溶液の温度に対する一
次皮膜の膜厚の関係を調べるため、水酸化カルシウム濃
度を0.01モル/リットルに調製した水溶液を、3
0、50、60、70、100℃の温度にそれぞれ加熱
して、アルミニウム合金板を40分間に渡り浸漬させ
た。これによって得られた各一次皮膜に対し、上記と同
様に荷電流式皮膜厚さ測定器を用いて膜厚を測定した。
その結果を図7に示す。図7に示すように、50℃以下
では皮膜の生成が全く認められなかった。60℃および
70℃で温度が増加するにつれて膜厚も急激に増加した
が、100℃では膜厚の急激な増加はなく、70℃に対
して微増であった。
【0023】処理時間に対する一次皮膜の膜厚の関係を
調べるため、水酸化カルシウム濃度を0.01モル/リ
ットルに調製し、温度70℃に加熱して、アルミニウム
合金板をそれぞれ10、20、40、60、90分間に
渡り浸漬させた。これによって得られた各一次皮膜に対
し、上記と同様に荷電流式皮膜厚さ測定器を用いて膜厚
を測定した。その結果を図8に示す。図8に示すよう
に、処理時間が増加するにつれて膜厚も増加し、60分
間では約4.5μmに達した。しかし、90分間では6
0分間とほとんど膜厚は変わらなかった。
【0024】5.二次皮膜の膜厚と処理条件の関係 水溶液中のアルミン酸ナトリウムの濃度に対する二次皮
膜の膜厚の関係を調べるため、先ず、一次処理として、
水酸化ナトリウム水溶液の濃度を0.01モル/リット
ルを温度70℃に加熱して、アルミニウム合金を40分
間に渡り浸漬させた。次に、水酸化ナトリウム濃度を
0.04モル/リットル、シュウ酸ナトリウム濃度を
0.02モル/リットルと一定に調製し、アルミン酸ナ
トリウム濃度を0、0.02、0.04、0.08、
0.16、0.20モル/リットルにそれぞれ調製し、
温度70℃に加熱して、一次処理したアルミニウム合金
板を60分間に渡り浸漬させた。これによって得られた
各二次皮膜に対し、上記と同様に荷電流式皮膜厚さ測定
器を用いて膜厚を測定した。その結果を図9に示す。図
9に示すように、アルミン酸ナトリウムを加えなかった
場合(濃度0)は、二次皮膜の成長はなかったが、濃度
が増加するにつれて膜厚も増加し、0.08モル/リッ
トルで約7μmに達した。しかし、0.16モル/リッ
トルでは膜厚は0.08モル/リットルより下がった。
さらに、0.20モル/リットルでは未溶解のアルミン
酸ナトリウムが増加し、アルミン酸ナトリウムは飽和状
態に達した。
【0025】処理液の温度に対する二次皮膜の膜厚の関
係を調べるため、アルミン酸ナトリウム濃度を0.08
モル/リットル、水酸化ナトリウム濃度を0.04モル
/リットル、シュウ酸ナトリウム濃度を0.02モル/
リットルに調製し、20、40、50、70、90℃の
温度にそれぞれ加熱して、上記と同じ条件の一次処理を
したアルミニウム合金板を40分間に渡り浸漬させた。
これによって得られた各二次皮膜に対し、上記と同様に
荷電流式皮膜厚さ測定器を用いて膜厚を測定した。その
結果を図10に示す。図10に示すように、40℃以下
では二次皮膜の成長が認められなかった。50℃および
70℃で温度が増加するにつれて膜厚も急激に増加した
が、90℃では70℃より膜厚が下がった。
【0026】処理時間に対する二次皮膜の膜厚の関係を
調べるため、アルミン酸ナトリウム濃度を0.08モル
/リットル、水酸化ナトリウム濃度を0.04モル/リ
ットル、シュウ酸ナトリウム濃度を0.02モル/リッ
トルに調製し、温度70℃に加熱して、上記と同じ条件
の一次処理を行ったアルミニウム合金板をそれぞれ2
0、40、60、80、100分間に渡り浸漬させた。
これによって得られた各二次皮膜に対し、上記と同様に
荷電流式皮膜厚さ測定器を用いて膜厚を測定した。その
結果を図11に示す。図11に示すように、処理時間が
増加するにつれて膜厚も増加し、60分間では約7μm
に達した。しかし、80および100分間では60分間
とほとんど膜厚は変わらなかった。
【0027】6.化成皮膜のX線回析法 X線回析装置(理学電気(株)、RINT−2500)
を用い、Cu−Ka線、40kV−80mAの測定条件
下で、比較例1の一次皮膜および実施例1の二次皮膜の
構造解析を行った。この結果のX線回析パターンをそれ
ぞれ図12および図13に示す。図12の一次皮膜も図
13の二次皮膜も、アルミニウム基材の成分(図中の●
印)以外ではバイヤライト(Al(OH)3)(図中の
▽印)が確認でき、一次皮膜および二次皮膜ともに主成
分はバイヤライトであった。これは、二次処理を行うこ
とで、組成がより均一な皮膜を再製することができ、こ
れにより、耐食性において著しい向上が認められたと考
えられる。
【0028】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
高い耐食性を有する化成皮膜を生成することができ、か
つ強度等に優れる合金系のアルミニウムに対しても適用
することができるアルミニウムの化成処理方法および化
成皮膜を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化成皮膜の二次皮膜の表面を示す
写真である。
【図2】本発明に係る化成皮膜の一次皮膜の表面を示す
写真である。
【図3】耐アルカリ性試験結果の未処理のアルミニウム
合金の表面を示す写真である。
【図4】耐アルカリ性試験結果の一次皮膜表面を示す写
真である。
【図5】耐アルカリ性試験結果の二次皮膜表面を示す写
真である。
【図6】水酸化カルシウムの濃度に対する一次皮膜厚さ
を示すグラフである。
【図7】一次処理の処理液温度に対する一次皮膜厚さを
示すグラフである。
【図8】一次処理の時間に対する一次皮膜厚さを示すグ
ラフである。
【図9】アルミン酸ナトリウムの濃度に対する二次皮膜
厚さを示すグラフである。
【図10】二次処理の処理液温度に対する二次皮膜厚さ
を示すグラフである。
【図11】二次処理の時間に対する二次皮膜厚さを示す
グラフである。
【図12】一次皮膜のX線回析パターンを示すグラフで
ある。
【図13】二次皮膜のX線回析パターンを示すグラフで
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純アルミ系または合金系のアルミニウム
    を水酸化カルシウム水溶液に浸漬する一次処理と、該一
    次処理されたアルミニウムをさらにアルミン酸ナトリウ
    ム、水酸化ナトリウムおよびシュウ酸ナトリウムを含む
    水溶液に浸漬する二次処理とを含んでなることを特徴と
    するアルミニウムの化成処理方法。
  2. 【請求項2】 上記一次処理において、上記水酸化カル
    シウム水溶液の濃度は0.002〜0.1モル/リット
    ル、処理液温度は60〜100℃、処理時間は5〜60
    分であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム
    の化成処理方法。
  3. 【請求項3】 上記二次処理において、上記水溶液中の
    アルミン酸ナトリウム濃度は0.02〜0.2モル/リ
    ットル、水酸化ナトリウム濃度は0.002〜0.1モ
    ル/リットル、シュウ酸ナトリウム濃度は0.002〜
    0.2モル/リットル、処理液温度は50〜90℃、処
    理時間は5〜80分であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の化成処理方法。
  4. 【請求項4】 純アルミ系または合金系のアルミニウム
    を水酸化カルシウム水溶液に浸漬する一次処理と、該一
    次処理されたアルミニウムをさらにアルミン酸ナトリウ
    ム、水酸化ナトリウムおよびシュウ酸ナトリウムを含む
    水溶液に浸漬する二次処理とを行うことによって該アル
    ミニウムの表面に得られる化成皮膜。
  5. 【請求項5】 アルミニウム合金の表面に形成されたバ
    イヤライトを主成分とする化成皮膜であって、該皮膜は
    表面が緻密で、高耐食性を有することを特徴とする化成
    皮膜。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106435545A (zh) * 2016-10-16 2017-02-22 合肥太通制冷科技有限公司 一种铝管在线防腐试剂
WO2023169429A1 (zh) * 2022-03-11 2023-09-14 华为技术有限公司 一种结构件及其制备方法和电子设备

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