JP2003040837A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

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JP2003040837A
JP2003040837A JP2001230387A JP2001230387A JP2003040837A JP 2003040837 A JP2003040837 A JP 2003040837A JP 2001230387 A JP2001230387 A JP 2001230387A JP 2001230387 A JP2001230387 A JP 2001230387A JP 2003040837 A JP2003040837 A JP 2003040837A
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Yasuhiro Shintani
恭宏 新谷
Norimasa Ishida
徳政 石田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロム(Cr)化合物や鉄(Fe)化合物を
利用しつつ、従来よりも触媒性能を向上させた、反応液
に可溶な均一系触媒を用いる、新規なヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの製造方法を提供する。 【解決手段】 触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とア
ルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記触
媒は、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)
化合物と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(L
a)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン
(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン
(Ti)化合物,バナジウム(V)化合物、リン(P)
化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(M
o)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触
媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒である
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下で
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させて
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシ
ドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トを製造する際には、通常、触媒が使用される。
【0003】上記触媒として従来から検討され、あるい
は、使用されてきたものとしては、塩化クロム、アセチ
ルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢酸クロム、アクリル
酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジ
ブチルジチオカルバミン酸クロムなどのクロム化合物、
鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタク
リル酸鉄などの鉄化合物、トリアルキルアミン類、ピリ
ジン等の環状アミン類およびその4級塩などの含窒素化
合物、スルフィド、スルホニウム塩などの含硫黄化合
物、などの反応液に可溶な均一系触媒と、アミノ基、4
級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換
基をもつアニオン交換樹脂、などの反応液に不溶な不均
一系触媒とがある。
【0004】上記均一系触媒は、反応基質と触媒が溶液
中で均一に分散された状態で進行する。このため、一般
的に、均一系触媒を用いた場合には、反応速度が速く、
反応転化率が高いものが多く、なかでも、クロム化合
物、鉄化合物には非常に反応速度が速く、反応転化率が
高い傾向を示すものが多かった。すなわち、上記ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートの製造においては、
原料物質として用いる(メタ)アクリル酸全体のうち、
実際に生成反応に関与する(メタ)アクリル酸の割合を
高くすることができる。しかしながら、触媒としてクロ
ム化合物や鉄化合物を使用した場合、反応液の重合を促
進し、装置を閉塞させてしまうことが多い等の問題点を
有していた。
【0005】また、均一系触媒は、不均一系触媒に比べ
ると触媒の分離操作が困難であり、結果として、反応精
製後に触媒を含んだ廃液が生じる。従って、該廃液処理
を行う必要があるが、その廃液に含まれる触媒が有害物
質を含んでいると環境汚染につながるという問題点を有
していた。つまり、クロム化合物に代表されるように、
従来汎用の均一系触媒には、有害物質として認められる
ものが多かったのである。さらに、含窒素化合物や含硫
黄化合物を触媒として用いた場合は、その廃液を燃焼に
て処理すると、NOx、SOxが発生し、環境汚染につ
ながるという問題点を有していた。
【0006】一方、上記不均一系触媒は、反応液に不溶
な触媒であるため、反応後に触媒を含んだ廃液が生じな
い。しかしながら、触媒の分離操作が必要であるため、
製造プロセスとしては煩雑である。また、不均一系触媒
は、一般に上記均一系触媒に比べて目的生成物の反応選
択率は高い。すなわち、上記ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの製造においては、製造後の全生成物
中に占めるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
割合を高くすることができる。しかしながら、不均一系
触媒は、例えば、イオン交換樹脂等のように、担体ある
いは母体表面に固定化された官能基を活性点として反応
が進行するため、その反応は触媒表面で起こり、このた
め、反応速度が遅く、反応転化率が低いという問題点を
有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、反応速度が速く、反応転化率
が高く、触媒の分離操作が不要という従来の均一系触媒
の利点と、反応選択率が高いという従来の不均一系触媒
の利点とを共に備え、しかも、有害物質の使用を避ける
ことにより環境にも配慮した、反応液に可溶な均一系触
媒を用いる、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した。その結果、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート製造用の触媒として従来用いられ
ていなかった特定の化合物、すなわち、イットリウム
(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(C
e)化合物、タングステン(W)化合物から選ばれる少
なくとも1種を触媒として用いると、上記課題がすべて
解決できることが判明した。
【0009】すなわち、本発明に係るヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させ
てヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する
方法において、前記触媒は、イットリウム(Y)化合
物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物
およびタングステン(W)化合物から選ばれる少なくと
も1種であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒で
ある、ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】(メタ)アクリル酸とアルキレン
オキシドとの反応における原料の仕込み量は、(メタ)
アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1モ
ル以上が好ましい範囲であり、より好ましくは1.0〜
10モル、さらにより好ましくは1.0〜5.0モル、
最も好ましくは1.0〜3.0モル、特に好ましくは
1.0〜2.0モルである。アルキレンオキシドの仕込
み量が1.0モル未満の場合には、反応転化率が低下
し、副生成物が増加するので好ましくない。また、アル
キレンオキシドの仕込み量が多すぎると、特に、10モ
ルを超えると、経済的に好ましくない。
【0011】本発明において用いることが出来る(メ
タ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸を意味
する。
【0012】本発明において用いることが出来るアルキ
レンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、より好まし
くは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、例え
ば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシドである。
【0013】本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メタ)ア
クリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法におい
て、前記触媒は、イットリウム(Y)化合物、ランタン
(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステ
ン(W)化合物から選ばれる少なくとも1種であり、か
つ、前記反応液に可溶な均一系触媒であることを特徴と
する。
【0014】本発明において触媒として使用できるイッ
トリウム(Y)化合物は、イットリウム(Y)原子を分
子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれ
ば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチル
アセトンイットリウム、塩化イットリウム、酢酸イット
リウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、アクリ
ル酸イットリウムおよびメタクリル酸イットリウムなど
が挙げられる。
【0015】本発明において触媒として使用できるラン
タン(La)化合物は、ランタン(La)原子を分子内
に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、
特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセ
トンランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ラン
タン、硫酸ランタン、アクリル酸ランタンおよびメタク
リル酸ランタンなどが挙げられる。
【0016】本発明において触媒として使用できるセリ
ウム(Ce)化合物は、セリウム(Ce)原子を分子内
に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、
特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセ
トンセリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリ
ウム、硫酸セリウム、アクリル酸セリウムおよびメタク
リル酸セリウムなどが挙げられる。
【0017】本発明において触媒として使用できるタン
グステン(W)化合物は、タングステン(W)原子を分
子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれ
ば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化タン
グステン、アクリル酸タングステンおよびメタクリル酸
タングステンなどが挙げられる。
【0018】本発明においては、上記イットリウム
(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(C
e)化合物およびタングステン(W)化合物から選ばれ
る2種以上を併用してもよい。
【0019】本発明において、触媒として、イットリウ
ム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム
(Ce)化合物、タングステン(W)化合物から選ばれ
る少なくとも1種であり、かつ、前記反応液に可溶な均
一系触媒を用いることにより、反応速度が速く、反応転
化率が高く、触媒の分離操作が不要という従来の均一系
触媒の利点と、反応選択率が高いという従来の不均一系
触媒の利点とを共に発現できる。しかも、イットリウム
(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(C
e)化合物、タングステン(W)化合物のごとく有害物
質の使用を避けることにより環境にも配慮することがで
きる。
【0020】本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートの製造方法においては、上述の、イットリ
ウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム
(Ce)化合物、タングステン(W)化合物から選ばれ
る少なくとも1種であり、かつ、前記反応液に可溶な均
一系触媒触媒に、クロム(Cr)化合物、鉄(Fe)化
合物から選ばれる少なくとも1種を触媒として併用して
もよい。
【0021】本発明において触媒として使用できるクロ
ム(Cr)化合物は、クロム(Cr)原子を分子内に有
する化合物であれば、特に限定されない。好ましくは、
前記反応液に可溶なものであり、具体的には、例えば、
塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢
酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重
クロム酸ソーダおよびジブチルジチオカルバミン酸クロ
ムなどが挙げられる。
【0022】本発明において触媒として使用できる鉄
(Fe)化合物は、鉄(Fe)原子を分子内に有する化
合物であれば、特に限定されない。好ましくは、前記反
応液に可溶なものであり、具体的には、例えば、鉄粉、
塩化鉄、蟻酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄などが
挙げられる。
【0023】本発明においては、上述のように、クロム
(Cr)化合物、鉄(Fe)化合物から選ばれる少なく
とも1種を触媒として併用してもよい。なお、クロム
(Cr)化合物、鉄(Fe)化合物から選ばれる2種以
上を併用してもよい。
【0024】本発明において、触媒として、上述のよう
に、クロム(Cr)化合物、鉄(Fe)化合物から選ば
れる少なくとも1種を触媒として併用することにより、
前述の併用する前の効果に加えて、さらに、触媒活性に
相乗効果が見られ、反応転化率が高くなるなどの効果が
得られる。
【0025】本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートの製造方法においては、上述の、イットリ
ウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム
(Ce)化合物、タングステン(W)化合物から選ばれ
る少なくとも1種であり、かつ、前記反応液に可溶な均
一系触媒触媒に、アミン化合物を触媒として併用しても
よい。
【0026】本発明において触媒として使用できるアミ
ン化合物は、アミン官能基を分子内に有する化合物であ
れば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリア
ルキルアミン類、ピリジン等の環状アミン類およびその
4級塩などの均一系アミン化合物や、3級アミノ基、4
級アンモニウム基およびピリジニウム基などの塩基性官
能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂
などの不均一系アミン化合物が挙げられ、好ましくは、
3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム
基などの塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性
アニオン交換樹脂であり、より好ましくは、3級アミノ
基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基から選ば
れる少なくとも1種の官能基を含有する塩基性アニオン
交換樹脂である。
【0027】本発明において、触媒として、上述のよう
に、アミン化合物を触媒として併用することにより、前
述の併用する前の効果に加えて、さらに、触媒活性に相
乗効果が見られ、反応転化率が高くなるうえ、反応選択
率も高くなる、などの効果が得られる。
【0028】本発明で使用できる触媒の使用量は特に限
定されないが、例えば、イットリウム(Y)化合物、ラ
ンタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タン
グステン(W)化合物、から選ばれる少なくとも1種で
あり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒を用いる場
合には、原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜
10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好まし
くは0.05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1
〜3モル%である。0.01モル%未満では、反応速度
が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下する
こととなり、10モル%を超えると、副生成物の反応選
択性が高くなるので好ましくない。
【0029】また、上記触媒に、クロム(Cr)化合
物、鉄(Fe)化合物から選ばれる少なくとも1種を触
媒として併用する場合には、原料(メタ)アクリル酸に
対して、0.01〜10モル%の範囲で用いることが好
ましく、より好ましくは0.05〜5モル%、さらによ
り好ましくは0.1〜3モル%である。0.01モル%
未満では、反応速度が小さくなるため反応時間が長くな
り生産性が低下することとなり、10モル%を超える
と、副生成物の反応選択性が高くなるので好ましくな
い。
【0030】また、上記触媒に、均一系触媒であるアミ
ン化合物を触媒として併用する場合には、原料(メタ)
アクリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用
いることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル
%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。
0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反
応時間が長くなり生産性が低下することとなり、10モ
ル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるので
好ましくない。
【0031】一方、上記触媒に、不均一系であるアミン
化合物をバッチ反応の触媒として併用する場合は、原料
(メタ)アクリル酸に対して、5〜80重量%の範囲で
用いることが好ましく、より好ましくは10〜70重量
%である。また、連続反応の触媒として併用する場合
は、槽型反応器などで流動床形式で使用する場合には、
反応液の体積に対して5〜90体積%の範囲で用いるこ
とが好ましく、より好ましくは10〜80体積%、さら
により好ましくは20〜80体積%であり、その際の滞
留時間は0.01〜24時間の範囲で行うことが好まし
く、より好ましくは0.1〜15時間である。また、管
型反応器などで固定床形式で使用する場合には、反応原
料を含んだ液を、液空間速度(LHSV:h-1)が0.
01〜20の範囲で通液することが好ましく、より好ま
しくは0.1〜10である。
【0032】本発明において、(メタ)アクリル酸とア
ルキレンオキシドとの反応形態は、この種の反応に一般
的に用いられている方法に従って行うことができる。
【0033】例えば、バッチ式で反応を行う場合、(メ
タ)アクリル酸中に液状のアルキレンオキシドを導入し
て行われる。溶媒中に(メタ)アクリル酸を溶解させて
からアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、ア
ルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にまた
は間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠的
に添加する場合、この種の反応においてよく行われるよ
うに、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させて、
いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもできる。
また、(メタ)アクリル酸も初期に一度に仕込む必要は
必ずしもなく、いくつかに分割して投入することもでき
る。
【0034】また、バッチ式で反応を行う場合、触媒
は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解
しておき、その後にアルキレンオキシドを導入するのが
好ましい。また、(メタ)アクリル酸を分割投入する場
合には、分割投入する(メタ)アクリル酸に触媒の一部
を溶解し、(メタ)アクリル酸と共に投入してもよい。
【0035】連続式で反応を行う場合には、(メタ)ア
クリル酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型など
の反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器
から抜き出して行われる。この際、触媒は、原料ととも
に連続的に供給して反応液とともに連続的に抜き出して
もよいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反
応器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用
してもよく、また、槽型の反応器の場合には、固体触媒
を反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわ
ゆる流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反
応の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとって
もよい。
【0036】連続式で反応を行う場合、触媒は、(メ
タ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解しておい
てから、反応器へ投入するのが好ましい。
【0037】原料(メタ)アクリル酸と原料アルキレン
オキシドの反応器への投入については、それぞれ別々の
投入ラインから投入してもよいし、反応器へ投入する前
に、配管、又は、ラインミキサー、ミキシングタンクな
どで予め混合してから投入してもよい。また、反応器出
口液を反応器入口へ循環させる場合には、この液を原料
(メタ)アクリル酸、原料アルキレンオキシドと混合し
てから反応器へ投入してもよい。しかし、(メタ)アク
リル酸とアルキレンオキシドを別々の投入ラインから反
応液中に投入した場合、(メタ)アクリル酸の投入口付
近では反応液中のモル比が(メタ)アクリル酸過剰にな
るので、好ましくは、反応器へ投入する前に、それぞれ
の原料を配管などで予め混合してから投入するのがよ
い。
【0038】反応温度は、通常、40〜130℃の範囲
で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃
の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応
の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一
方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多
くなったり、原料である(メタ)アクリル酸や生成物で
あるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合等
が起こるので好ましくない。
【0039】また、この反応において反応を温和に進行
させることなどを目的として、溶媒中で反応を行っても
よい。溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、
オクタンなどの一般的なものを用いることができる。反
応時の系内圧力は、使用する原料の種類や混合比にもよ
るが、一般には加圧下で行われる。
【0040】また、反応の際には、一般に用いられてい
る重合防止剤を使用することができる。重合防止剤とし
ては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t
ert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert
−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’
−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3
−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレ
ンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェ
ニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニ
ル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナ
フチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレン
ジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等
のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエ
チルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン
酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;ニトロ
ソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ
−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−
N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン又はその塩等の
ニトロソ化合物;2,2,4,4−テトラメチルアゼチ
ジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプ
ロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テ
トラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5
−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシ
ル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オ
キシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメ
チル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン
−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル等のN−オ
キシル化合物などが例示される。重合防止剤の添加量
は、カルボン酸に対して0.0001〜1重量%が好ま
しく、より好ましくは0.001〜0.5重量%であ
る。
【0041】本発明で使用する触媒を回収再利用する場
合には、蒸留により触媒と生成物とを分離させ、蒸留ボ
トム液として触媒を回収し、反応工程で再利用する方法
や、他の溶剤を加え、触媒層と反応液層を2相分離させ
て触媒を回収し、反応に再利用する方法などが挙げられ
る。いずれの方法にせよ、本発明で用いる触媒は有害物
質を避けているので、環境保全面で優れている。
【0042】本発明の製造方法においては、得られた粗
ヒドロキシアルキルエステルについて、必要に応じ、さ
らに精製を行ってもよい。精製方法としては、特に限定
されないが、例えば、蒸留による精製が挙げられる。よ
り具体的には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘
塔、多孔板塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられ
るが、特にこれらに限定されない。また、蒸留精製に他
の精製手段を併用してもよい。また、精製時にも、前述
の重合防止剤を適宜使用できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0044】−実施例1− 温度計、加熱冷却装置および攪拌機を備えた容積100
mlのSUS−316製オートクレーブを用意し、オー
トクレーブ内を窒素ガス(窒素濃度100%)で置換し
た。
【0045】このオートクレーブ内に、アクリル酸41
g、重合防止剤としてのフェノチアジン0.04g、酸
化プロピレン36g仕込み、触媒としてアセチルアセト
ンイットリウムを上記アクリル酸に対して3.0モル%
となるように添加した。
【0046】次に、オートクレーブ内の液温を反応温度
である70℃に昇温した。この後、70℃を維持しなが
ら2時間反応を継続した。
【0047】反応後、反応液を冷却し、得られた反応液
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アク
リル酸の反応転化率は45%、目的生成物であるヒドロ
キシプロピルアクリレートの反応選択率は91モル%、
副生成物であるジプロピレングリコールモノアクリレー
トの反応選択率は7.7モル%であった。この結果を表
1に示す。
【0048】−実施例2〜8− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムの代わりに
表1に示す触媒にした以外は、実施例1と同様の反応操
作を行った。
【0049】上記反応操作の後に得られた反応液につい
て、アクリル酸の反応転化率、目的生成物であるヒドロ
キシプロピルアクリレートの反応選択率、および、副生
成物であるジプロピレングリコールモノアクリレートの
反応選択率を、ガスクロマトグラフィーにより分析し
た。その結果を表1に示す。
【0050】−比較例1− 触媒(アセチルアセトンイットリウム)を用いなかった
以外は、実施例1と同様の反応操作を行った。
【0051】上記反応操作の後に得られた反応液につい
て、アクリル酸の反応転化率、目的生成物であるヒドロ
キシプロピルアクリレートの反応選択率、および、副生
成物であるジプロピレングリコールモノアクリレートの
反応選択率を、ガスクロマトグラフィーにより分析し
た。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】−実施例9− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムをアクリル
酸に対して3.0モル%用いることに加えて、さらにア
ニオン交換樹脂(三菱化学(株)製、商品名:DIAI
ON PA316)をアクリル酸に対して30重量%用
いた以外は、実施例1と同様の反応操作を行った。(ア
クリル酸に対するアニオン交換樹脂の官能基は8.2モ
ル%であった。) 反応後、反応液を冷却し、得られた反応液をガスクロマ
トグラフィーにより分析したところ、アクリル酸の反応
転化率は71%、目的生成物であるヒドロキシプロピル
アクリレートの反応選択率は95モル%、副生成物であ
るジプロピレングリコールモノアクリレートの反応選択
率は3.5モル%であった。
【0054】−比較例2− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムの代わりに
塩化クロムを用いた以外は、実施例1と同様の反応操作
を行った。
【0055】上記反応操作の後、オートクレーブ内を確
認したところ、反応液全量が重合してしまっていた。
【0056】−比較例3− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムの代わりに
塩化鉄を用いた以外は、実施例1と同様の反応操作を行
った。
【0057】上記反応操作の後、オートクレーブ内を確
認したところ、反応液全量が重合してしまっていた。
【0058】−比較例4− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムの代わりに
トリベンジルアミンを用いた以外は、実施例1と同様の
反応操作を行った。
【0059】反応後、反応液を冷却し、得られた反応液
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アク
リル酸の反応転化率は37%、目的生成物であるヒドロ
キシプロピルアクリレートの反応選択率は82モル%、
副生成物であるジプロピレングリコールモノアクリレー
トの反応選択率は15モル%であった。
【0060】−比較例5− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムの代わりに
フェニルスルフィドを用いた以外は、実施例1と同様の
反応操作を行った。
【0061】反応後、反応液を冷却し、得られた反応液
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アク
リル酸の反応転化率は24%、目的生成物であるヒドロ
キシプロピルアクリレートの反応選択率は69モル%、
副生成物であるジプロピレングリコールモノアクリレー
トの反応選択率は25モル%であった。
【0062】−比較例6− 触媒として、アセチルアセトンイットリウムの代わりに
アニオン交換樹脂(三菱化学(株)製、商品名:DIA
ION PA316)をアクリル酸に対して30重量%
用いた以外は、実施例1と同様の反応操作を行った。
(アクリル酸に対するアニオン交換樹脂の官能基は8.
2モル%であった。)反応後、反応液を冷却し、得られ
た反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、アクリル酸の反応転化率は46%、目的生成物であ
るヒドロキシプロピルアクリレートの反応選択率は94
モル%、副生成物であるジプロピレングリコールモノア
クリレートの反応選択率は5.1モル%であった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、反応速度が速く、反応
転化率が高く、触媒の分離操作が不要という従来の均一
系触媒の利点と、反応選択率が高いという従来の不均一
系触媒の利点とを共に備え、しかも、有害物質の使用を
避けることにより環境にも配慮した、反応液に可溶な均
一系触媒を用いる、新規なヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートの製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA08 BA14 BA34 BA36 BA37 BA45 BA72 BN10 KA19 KE00 4H039 CA66 CF30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
    キレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートを製造する方法において、 前記触媒は、イットリウム(Y)化合物、ランタン(L
    a)化合物、セリウム(Ce)化合物およびタングステ
    ン(W)化合物から選ばれる少なくとも1種であり、か
    つ、前記反応液に可溶な均一系触媒である、ことを特徴
    とする、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記触媒に、アミン化合物を触媒として併
    用する、請求項1に記載のヒドロキシアルキル(メタ)
    アクリレートの製造方法。
  3. 【請求項3】前記アミン化合物は、3級アミノ基、4級
    アンモニウム基およびピリジニウム基から選ばれる少な
    くとも1種の官能基を含有する塩基性アニオン交換樹脂
    である、請求項2に記載のヒドロキシアルキル(メタ)
    アクリレートの製造方法。
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