JP2003039873A - 筆記具の外装部品 - Google Patents
筆記具の外装部品Info
- Publication number
- JP2003039873A JP2003039873A JP2001229274A JP2001229274A JP2003039873A JP 2003039873 A JP2003039873 A JP 2003039873A JP 2001229274 A JP2001229274 A JP 2001229274A JP 2001229274 A JP2001229274 A JP 2001229274A JP 2003039873 A JP2003039873 A JP 2003039873A
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- JP
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- titanium oxide
- apatite
- fine particles
- fitting part
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- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 安全で抗菌性能が強く、しかも抗菌性能が経
時変化せずに長期間持続する筆記具の外装部品を提供す
る。 【解決手段】 軸筒やキャップなどの筆記具の外装部品
を、アパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均一に混合し
たプラスチック成形材料によって成形する。
時変化せずに長期間持続する筆記具の外装部品を提供す
る。 【解決手段】 軸筒やキャップなどの筆記具の外装部品
を、アパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均一に混合し
たプラスチック成形材料によって成形する。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸筒やキャップな
どの筆記具の外装部品に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】筆記具の外装部品、つまり筆記具の軸筒
やキャップなどは筆記時に直接指先に触れるので、細菌
や汚染物質が付着するが、最近では清潔性を好む風潮が
強く、このため、付着した細菌や汚染物質を分解する抗
菌性能を有する筆記具が実用化されている。特に、市役
所などの公共の場所に配置されている筆記具は、不特定
の多数の人が使用するので、抗菌筆記具の必要性が大き
い。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】従来の抗菌筆記具は、
軸筒やキャップなどの外装部品を銀系抗菌剤などを混合
したプラスチック成形材料で成形したものが多い。この
銀系抗菌剤を使用した抗菌筆記具は、当初は強い抗菌性
を発揮するが、時間の経過とともに抗菌性能が低下する
不具合がある。また、抗菌剤自体に刺激性があり、有害
性が問題視されることがある。 【０００４】そこで本発明は、安全で抗菌性能が強く、
しかも抗菌性能が経時変化せずに長期間持続する筆記具
の外装部品を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項１の発明は、筆記具の外装部品を、アパタ
イト被覆型酸化チタン微粒子を均一に混合したプラスチ
ック成形材料によって成形する。 【０００６】酸化チタンは紫外線照射下で水分と接触す
ると水を酸化分解して非常に酸化力の大きいヒドロキシ
ラジカルを発生させるので、その光触媒作用を利用して
有害化学物質を分解して無害化することが行われてい
る。このため従来より、酸化チタンは水処理や大気浄
化、あるいは抗菌材料として利用されている。 【０００７】そこで、この酸化チタンを筆記具の外装部
品に利用すると、発生したヒドロキシラジカルが表面に
付着した細菌や汚染物質などの有機物を水と二酸化炭素
に分解し、無害化することが考えられる。この酸化チタ
ンは、それ自体非常に安全性が高い物質であるため、人
体に与える影響は極めて少ない。また、酸化チタンの光
触媒としての機能は劣化しないので、半永久的にその効
果を持続することができる。 【０００８】しかし、この光触媒機能のある酸化チタン
をプラスチック成形材料に直接練り込むと、酸化チタン
の光触媒機能によりプラスチック成形材料自体を分解す
るチョーキング現象が生じる。また、酸化チタンをプラ
スチック成形材料に直接練り込んでも、酸化チタンの粒
子が表面に露出していない限り、抗菌効果は発揮されな
い。 【０００９】そこで本発明においては、粒径が１５〜３
０ｎｍ程度の酸化チタンの微粒子の表面に数オングスト
ロームの厚みでアパタイトを被覆したものを使用する。
つまり、かかるアパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均
一に混合したプラスチック成形材料によって成形する。
アパタイト被覆型酸化チタン微粒子の添加量は１〜３０
％程度が好ましい。アパタイト被覆型酸化チタン微粒子
の添加量が１％より少ないと十分な抗菌効果が期待でき
ず、逆に３０％より多いとプラスチック成形材料の成形
性が低下する。 【００１０】アパタイトは、フッ素、塩素、水酸基を含
む非常に安定性の高いカルシウムのリン酸塩であるが、
蛋白質の吸着能があり、細菌や汚染物質を吸着する特性
を有する。このアパタイト被覆型酸化チタン微粒子を、
プラスチック成形材料に直接練り込むと、この微粒子が
外装部品の表面の露出するとともに、アパタイトの膜が
あるため酸化チタンの微粒子が直接プラスチック成形材
料に接触せず、従ってプラスチック成形材料を分解せ
ず、チョーキング現象が生じない。そして、軸筒やキャ
ップなどの外装部品の表面に露出したアパタイトが吸着
した細菌や汚染物質の有機物を酸化チタンの光触媒作用
により強力に分解するので、優れた抗菌効果を得ること
ができる。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下に示す実施例１、２および比
較例１、２の配合によりボールペンおよびシャープペン
シルの軸筒を成形した。 〔実施例１〕ポリプロピレンに「ジュピターＦ４−Ａ
Ｐ」２０％混合してマスターバッチを調製し、このマス
ターバッチ１部とポリプロピレン９部を混合し、ボール
ペンの軸筒を射出成形した。「ジュピターＦ４−ＡＰ」
は、粒径３０ｎｍ、比表面積３５〜６０ｍ２／ｇ、ルチ
ル度５０％以下の昭和電工株式会社製アパタイト被覆型
酸化チタン微粒子である。 〔実施例２〕ポリカーボネイトに「ジュピターＦ６−Ａ
Ｐ」２０％混合してマスターバッチを調製し、このマス
ターバッチ１部とポリカーボネイト４部を混合し、シャ
ープペンシルの軸筒を射出成形した。「ジュピターＦ６
−ＡＰ」は、粒径１５ｎｍ、比表面積８５〜１１０ｍ２
／ｇ、ルチル度３０％以下の昭和電工株式会社製アパタ
イト被覆型酸化チタン微粒子である。 〔比較例１〕前記の実施例１の「ジュピターＦ４−Ａ
Ｐ」に代えて着色用ルチル型酸化チタンを添加してボー
ルペンの軸筒を射出成形した。 〔比較例２〕前記の実施例２の「ジュピターＦ６−Ａ
Ｐ」に代えて着色用ルチル型酸化チタンを添加してシャ
ープペンシルの軸筒を射出成形した。 【００１２】前記４本のボールペンおよびシャープペン
シルを１日２時間程度１週間連続して使用し、軸筒の表
面に付着した微生物の一般性菌数を調べた。そして、
７：００〜１９：００の間の平均照度が５５００ルクス
の室内窓際に１週間放置し、微生物の一般性菌数を調べ
て、テスト（紫外線照射下で１週間放置）前後の一般性
菌数の変化を調査した。一般性菌数の測定方法は、先
ず、４本の供試の軸筒を標準寒天培地の上にそれぞれ載
せ、培地に菌を付着させる。これを３５℃において４８
時間培養して培養器から取り出し、培地上で発育してい
る菌のコロニー数をカウントした。その結果を表１に示
す。表１の数値はコロニー数を示す。 【００１３】 【表１】 【００１４】表１から分かるように、アパタイト被覆型
酸化チタン微粒子を添加した実施例１および実施例２
は、紫外線照射によって一般性菌数が著しく減少し、抗
菌効果が大きいことが確認できた。これに対して、アパ
タイト被覆型酸化チタン微粒子を添加しない比較例１お
よび比較例２は、抗菌効果がなく、逆に室内放置中に菌
自体が増殖したり、新たな空中落下菌が付着して一般性
菌数が増加した。 【００１５】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、筆記具
の外装部品を、アパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均
一に混合したプラスチック成形材料によって成形したの
で、安全で抗菌性能が強く、しかも抗菌性能が経時変化
せずに長期間持続する筆記具の外装部品とすることがで
きる。
どの筆記具の外装部品に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】筆記具の外装部品、つまり筆記具の軸筒
やキャップなどは筆記時に直接指先に触れるので、細菌
や汚染物質が付着するが、最近では清潔性を好む風潮が
強く、このため、付着した細菌や汚染物質を分解する抗
菌性能を有する筆記具が実用化されている。特に、市役
所などの公共の場所に配置されている筆記具は、不特定
の多数の人が使用するので、抗菌筆記具の必要性が大き
い。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】従来の抗菌筆記具は、
軸筒やキャップなどの外装部品を銀系抗菌剤などを混合
したプラスチック成形材料で成形したものが多い。この
銀系抗菌剤を使用した抗菌筆記具は、当初は強い抗菌性
を発揮するが、時間の経過とともに抗菌性能が低下する
不具合がある。また、抗菌剤自体に刺激性があり、有害
性が問題視されることがある。 【０００４】そこで本発明は、安全で抗菌性能が強く、
しかも抗菌性能が経時変化せずに長期間持続する筆記具
の外装部品を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項１の発明は、筆記具の外装部品を、アパタ
イト被覆型酸化チタン微粒子を均一に混合したプラスチ
ック成形材料によって成形する。 【０００６】酸化チタンは紫外線照射下で水分と接触す
ると水を酸化分解して非常に酸化力の大きいヒドロキシ
ラジカルを発生させるので、その光触媒作用を利用して
有害化学物質を分解して無害化することが行われてい
る。このため従来より、酸化チタンは水処理や大気浄
化、あるいは抗菌材料として利用されている。 【０００７】そこで、この酸化チタンを筆記具の外装部
品に利用すると、発生したヒドロキシラジカルが表面に
付着した細菌や汚染物質などの有機物を水と二酸化炭素
に分解し、無害化することが考えられる。この酸化チタ
ンは、それ自体非常に安全性が高い物質であるため、人
体に与える影響は極めて少ない。また、酸化チタンの光
触媒としての機能は劣化しないので、半永久的にその効
果を持続することができる。 【０００８】しかし、この光触媒機能のある酸化チタン
をプラスチック成形材料に直接練り込むと、酸化チタン
の光触媒機能によりプラスチック成形材料自体を分解す
るチョーキング現象が生じる。また、酸化チタンをプラ
スチック成形材料に直接練り込んでも、酸化チタンの粒
子が表面に露出していない限り、抗菌効果は発揮されな
い。 【０００９】そこで本発明においては、粒径が１５〜３
０ｎｍ程度の酸化チタンの微粒子の表面に数オングスト
ロームの厚みでアパタイトを被覆したものを使用する。
つまり、かかるアパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均
一に混合したプラスチック成形材料によって成形する。
アパタイト被覆型酸化チタン微粒子の添加量は１〜３０
％程度が好ましい。アパタイト被覆型酸化チタン微粒子
の添加量が１％より少ないと十分な抗菌効果が期待でき
ず、逆に３０％より多いとプラスチック成形材料の成形
性が低下する。 【００１０】アパタイトは、フッ素、塩素、水酸基を含
む非常に安定性の高いカルシウムのリン酸塩であるが、
蛋白質の吸着能があり、細菌や汚染物質を吸着する特性
を有する。このアパタイト被覆型酸化チタン微粒子を、
プラスチック成形材料に直接練り込むと、この微粒子が
外装部品の表面の露出するとともに、アパタイトの膜が
あるため酸化チタンの微粒子が直接プラスチック成形材
料に接触せず、従ってプラスチック成形材料を分解せ
ず、チョーキング現象が生じない。そして、軸筒やキャ
ップなどの外装部品の表面に露出したアパタイトが吸着
した細菌や汚染物質の有機物を酸化チタンの光触媒作用
により強力に分解するので、優れた抗菌効果を得ること
ができる。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下に示す実施例１、２および比
較例１、２の配合によりボールペンおよびシャープペン
シルの軸筒を成形した。 〔実施例１〕ポリプロピレンに「ジュピターＦ４−Ａ
Ｐ」２０％混合してマスターバッチを調製し、このマス
ターバッチ１部とポリプロピレン９部を混合し、ボール
ペンの軸筒を射出成形した。「ジュピターＦ４−ＡＰ」
は、粒径３０ｎｍ、比表面積３５〜６０ｍ２／ｇ、ルチ
ル度５０％以下の昭和電工株式会社製アパタイト被覆型
酸化チタン微粒子である。 〔実施例２〕ポリカーボネイトに「ジュピターＦ６−Ａ
Ｐ」２０％混合してマスターバッチを調製し、このマス
ターバッチ１部とポリカーボネイト４部を混合し、シャ
ープペンシルの軸筒を射出成形した。「ジュピターＦ６
−ＡＰ」は、粒径１５ｎｍ、比表面積８５〜１１０ｍ２
／ｇ、ルチル度３０％以下の昭和電工株式会社製アパタ
イト被覆型酸化チタン微粒子である。 〔比較例１〕前記の実施例１の「ジュピターＦ４−Ａ
Ｐ」に代えて着色用ルチル型酸化チタンを添加してボー
ルペンの軸筒を射出成形した。 〔比較例２〕前記の実施例２の「ジュピターＦ６−Ａ
Ｐ」に代えて着色用ルチル型酸化チタンを添加してシャ
ープペンシルの軸筒を射出成形した。 【００１２】前記４本のボールペンおよびシャープペン
シルを１日２時間程度１週間連続して使用し、軸筒の表
面に付着した微生物の一般性菌数を調べた。そして、
７：００〜１９：００の間の平均照度が５５００ルクス
の室内窓際に１週間放置し、微生物の一般性菌数を調べ
て、テスト（紫外線照射下で１週間放置）前後の一般性
菌数の変化を調査した。一般性菌数の測定方法は、先
ず、４本の供試の軸筒を標準寒天培地の上にそれぞれ載
せ、培地に菌を付着させる。これを３５℃において４８
時間培養して培養器から取り出し、培地上で発育してい
る菌のコロニー数をカウントした。その結果を表１に示
す。表１の数値はコロニー数を示す。 【００１３】 【表１】 【００１４】表１から分かるように、アパタイト被覆型
酸化チタン微粒子を添加した実施例１および実施例２
は、紫外線照射によって一般性菌数が著しく減少し、抗
菌効果が大きいことが確認できた。これに対して、アパ
タイト被覆型酸化チタン微粒子を添加しない比較例１お
よび比較例２は、抗菌効果がなく、逆に室内放置中に菌
自体が増殖したり、新たな空中落下菌が付着して一般性
菌数が増加した。 【００１５】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、筆記具
の外装部品を、アパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均
一に混合したプラスチック成形材料によって成形したの
で、安全で抗菌性能が強く、しかも抗菌性能が経時変化
せずに長期間持続する筆記具の外装部品とすることがで
きる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 アパタイト被覆型酸化チタン微粒子を均
一に混合したプラスチック成形材料によって成形された
ことを特徴とする筆記具の外装部品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001229274A JP2003039873A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 筆記具の外装部品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001229274A JP2003039873A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 筆記具の外装部品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003039873A true JP2003039873A (ja) | 2003-02-13 |
Family
ID=19061645
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001229274A Pending JP2003039873A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 筆記具の外装部品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003039873A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007100106A (ja) * | 2007-01-19 | 2007-04-19 | Fujitsu Ltd | 樹脂成形品 |
| CN100462405C (zh) * | 2003-07-11 | 2009-02-18 | 富士通株式会社 | 含光催化剂磷灰石的树脂 |
-
2001
- 2001-07-30 JP JP2001229274A patent/JP2003039873A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100462405C (zh) * | 2003-07-11 | 2009-02-18 | 富士通株式会社 | 含光催化剂磷灰石的树脂 |
| US7750064B2 (en) | 2003-07-11 | 2010-07-06 | Fujitsu Limited | Photocatalytic apatite-containing resin |
| US8354049B2 (en) | 2003-07-11 | 2013-01-15 | Fujitsu Limited | Photocatalytic apatite-containing resin |
| JP2007100106A (ja) * | 2007-01-19 | 2007-04-19 | Fujitsu Ltd | 樹脂成形品 |
| JP4552944B2 (ja) * | 2007-01-19 | 2010-09-29 | 富士通株式会社 | 樹脂成形品 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050701 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050712 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051220 |