JP2003038648A - 呼吸用気体供給装置 - Google Patents

呼吸用気体供給装置

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JP2003038648A
JP2003038648A JP2001227281A JP2001227281A JP2003038648A JP 2003038648 A JP2003038648 A JP 2003038648A JP 2001227281 A JP2001227281 A JP 2001227281A JP 2001227281 A JP2001227281 A JP 2001227281A JP 2003038648 A JP2003038648 A JP 2003038648A
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breathing
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humidifying
respiratory
breathing gas
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Kazuma Yamada
一馬 山田
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガスを供給させる液体酸素供給装置1
と、その液体酸素供給装置1で発生した酸素ガスを使用
者の呼吸位相の変化に合わせて供給する呼吸同調器2
と、その呼吸同調器2から使用者に供給される酸素ガス
を加湿するバブリング式加湿器3とを順に配管した呼吸
用気体供給装置において、呼吸同調器2が結露すること
なく、患者の呼吸に合わせて、加湿された適切な量の酸
素ガスを供給できるようにする。 【解決手段】 呼吸用気体供給装置のバブリング式加湿
器3において、呼吸同調器2と加湿器3内の水収容領域
13にある加湿部11とを接続する導入パイプ10に、
加湿器3内の空間部12に連通する孔15を開け、呼吸
同調器2に対して呼吸位相の変化を伝達するようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、慢性呼吸不全患者
の在宅酸素療法等に使用される呼吸用気体供給装置に関
する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、慢性呼吸不全患者は通常の空
気呼吸では血液中の酸素分圧が不十分となるので、吸気
中の酸素濃度を高くする必要があり、そのための酸素療
法として呼吸用気体供給装置を利用している。この呼吸
用気体供給装置は、呼吸用気体を供給させる気体供給手
段と、この気体供給手段で発生した呼吸用気体を使用者
の呼吸位相の変化に合わせて供給する同調手段と、この
同調手段から使用者に供給される呼吸用気体を加湿する
加湿手段とを備えている。
【0003】一般的に、呼吸用気体の気体供給手段とし
て酸素ガスを発生する酸素ボンベ又は液体酸素供給装置
が用いられている。また、空気中の酸素を機械で濃縮し
て高濃度にして供給する酸素濃縮装置も普及している。
前者の酸素ボンベ及び液体酸素供給装置に充填できる酸
素ガスの量は限られており、その充填作業は非常に面倒
なものとなっている。そのため、できるだけ酸素の使用
量を減らし、酸素の充填作業を減らすために酸素節約器
としての呼吸同調器が使われている。さらに、酸素濃縮
装置の小型化にも呼吸同調器は有効な機器となる。
【0004】この呼吸同調器は、一般には患者が酸素ガ
スを吸ったときの呼吸位相変化を検知し、その呼吸位相
に基づいて酸素ガスを一定時間供給した後、その供給を
止めるというものである。通常、患者の酸素ガスの呼気
時間は吸気時間の2倍程度となり、呼吸同調器を使うこ
とで、酸素の充填回数をおよそ3分の1に減らすことが
できる。通常、呼吸位相変化は患者の吸気による圧力変
化として検出されている。
【0005】また、呼吸用気体の気体供給手段から得ら
れた酸素ガスを直接鼻カニューラを通して患者に供給す
ると、そのままでは湿度が低すぎるために患者の鼻孔内
を乾燥させる虞れがある。そこで、加湿手段として、酸
素ガスを水中で気泡化して飽和水蒸気近くまで加湿した
状態で患者に供給するいわゆるバブリング式加湿器が多
く用いられている。このようにして加湿された呼吸用気
体がバブリング式加湿器の下流に接続された鼻カニュー
ラを通して患者に供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バブリング
式加湿器と呼吸同調器を併用する場合、酸素ガスを発生
させる液体酸素供給装置、バブリング式加湿器、呼吸同
調器の順に配管したレイアウト(これを第1レイアウト
とする)の場合には、患者の呼吸に合わせて、加湿され
た酸素ガスが鼻カニューラを通して供給される。この場
合、呼吸同調器が鼻カニューラのすぐ上流側にあるた
め、患者の呼吸位相変化を示す呼吸による圧力変化が直
接呼吸同調器に届き、呼吸同調器は通常通り機能する。
【0007】しかし、第1レイアウトにおいては呼吸同
調器がバブリング式加湿器の下流側にあるため、呼吸同
調器内を加湿された酸素ガスが通過することになり、呼
吸同調器が結露により故障するという問題が生じる。
【0008】一方、液体酸素供給装置、呼吸同調器、バ
ブリング式加湿器の順に配管したレイアウト(これを第
2レイアウトとする)の場合には、呼吸同調器がバブリ
ング式加湿器の上流にあるため、上記のように呼吸同調
器が結露により故障するという問題は解消される。
【0009】しかし、その反面、一般に使用されている
バブリング式加湿器は、呼吸用気体の流入部と呼吸用気
体の流出部がバブリング式加湿器内の空間部等で連通し
ていないため、患者の呼吸位相変化を示す呼吸による圧
力変化が呼吸同調器まで伝わらず、呼吸同調器が正常に
機能しないという別の問題が生じることになる。
【0010】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上記した第2レイア
ウトの場合においても加湿手段が同調手段に対して呼吸
位相の変化を伝達できるようにすることで、同調手段が
結露することなく、患者の呼吸に合わせて、加湿された
適切な量の呼吸用気体を供給できるようにすることにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、加湿手段に、同調手段に対して呼
吸位相の変化を伝達する手段を備えることにより、同調
手段を結露で故障させることなく、呼吸用気体を使用者
の呼吸位相の変化に合わせて供給することができるよう
にした。
【0012】具体的には、請求項1の発明では、呼吸用
気体を供給させる気体供給手段(1)と、この気体供給
手段(1)で発生した呼吸用気体を使用者の呼吸位相の
変化に合わせて供給する同調手段(2)と、この同調手
段(2)から使用者に供給される呼吸用気体を加湿する
加湿手段(3)とを備えている。
【0013】そして、上記加湿手段(3)は、水が収容
された水収容領域(13)及び該水収容領域(13)の
上側に位置する空間部(12)を内部に有する密閉状の
容器部(6)と、この容器部(6)に開口され、上記同
調手段(2)からの呼吸用気体を容器部(6)内に流入
させる流入部(9)と、上記容器部(6)に空間部(1
2)と連通するように開口され、該空間部(12)の呼
吸用気体を容器部(6)から使用者に向けて流出させる
流出部(14)と、上流端が上記流入部(9)に接続さ
れる一方、下流側に、上記水収容領域(13)に位置し
かつ呼吸用気体を加湿する加湿部(11)が設けられた
管部(10)と、この管部(10)に設けられ、上記同
調手段(2)に対して呼吸位相の変化を伝達する呼吸位
相変化伝達手段(15)とを備えたことを特徴としてい
る。
【0014】上記の構成によると、加湿手段(3)の呼
吸用気体流出部(14)に届いた使用者からの呼吸位相
変化は、管部(10)に設けた呼吸位相変化伝達手段
(15)によって管部(10)内部に伝えられる。そし
て、その呼吸位相変化は、管部(10)内部を通して呼
吸用気体流入部(9)に伝達され、さらにその呼吸用気
体流入部(9)から同調手段(2)に伝えられる。同調
手段(2)は、この伝達された呼吸位相変化に合わせて
呼吸用気体を供給する。これにより、加湿手段(3)が
同調手段(2)の下流にある場合でも適切に呼吸位相変
化が同調手段(2)に伝えられる。従って、同調手段
(2)の内部を加湿された呼吸用気体が通過することは
なくて同調手段(2)が結露により故障することなく、
患者の呼吸位相変化に合わせて加湿された適切な量の呼
吸用気体が使用者に供給される。
【0015】請求項2の発明では、上記管部(10)の
一部が容器部(6)内の空間部(12)に臨んでおり、
呼吸位相変化伝達手段は、上記加湿部(11)上流側の
空間部(12)に臨む管部(10)に、管部(10)内
部と空間部(12)とを連通させるように開口された孔
(15)としている。
【0016】上記の構成によると、加湿部(11)上流
側の空間部(12)に臨む管部(10)に孔(15)を
開口させるだけで、呼吸位相変化を同調手段(2)に伝
えることができ、望ましい呼吸位相変化伝達手段を具体
化できる。
【0017】請求項3の発明では、請求項1の発明にお
ける管部(10)の下流端は容器部(6)内の空間部
(12)に臨んでおり、呼吸位相変化伝達手段は、この
管部(10)の下流端に設けられた開口(15)として
いる。
【0018】上記の構成によると、上記開口(15)は
加湿部(11)下流側管部(10)の下流端に設けられ
ているため、同調手段(2)より供給されてきた呼吸用
気体が全て加湿手段(3)の加湿部(11)を通過する
こととなり、この開口(15)を設けたことによる加湿
効果の低下を防止しながら、同調手段(2)が結露によ
り故障することなく、患者の呼吸位相変化に合わせて加
湿された適切な量の呼吸用気体が使用者に供給される。
よって、望ましい呼吸位相変化伝達手段(15)を具体
化できる。
【0019】請求項4の発明では、上記管部(10)の
下流端に設けられた開口(15)にオリフィス(15
a)を設ける。
【0020】上記の構成によると、オリフィス(15
a)が加湿部(11)下流側の管部(10)の下流端の
開口(15)に設けられているため、呼吸用気体の供給
量が大きいときでも開口(15)から容器部(6)内の
空間部(12)に流出する呼吸器用気体の量が制限さ
れ、管部(10)の内圧が上昇し、呼吸用気体の一部が
加湿部(11)から水中に気泡となって漏れ出して加湿
されるため、加湿が不十分になることはない。
【0021】請求項5の発明では、上記同調手段(2)
は、呼吸位相変化伝達手段(15)から伝達される呼吸
用気体の圧力変化を検知する圧力センサを備えている。
【0022】上記の構成によると、同調手段(2)は患
者の呼吸位相変化を圧力の変化速度によって素早く検知
して呼吸器用気体を下流側に供給するようになり、安定
して最適な量の呼吸器用気体が患者に供給される。
【0023】請求項6の発明では、上記加湿手段(3)
における加湿部(11)は、透湿膜又は多孔質体とす
る。
【0024】上記の構成によると、管部(10)に供給
されてきた呼吸器用気体は透湿膜の微細孔又は多孔質体
の小孔から水収容領域(13)内に漏れ出し、水中で微
小な気泡となって加湿され容器部(6)の空間部(1
2)に達する。特に、管部(10)の下流端に開口(1
5)が設けられている場合には、呼吸器用気体が透湿膜
や多孔質体を通過する際に適度に加湿されて管部(1
0)の下流端の開口(15)から空間部(12)に流出
される。これにより、最適な湿度の呼吸用気体が患者に
供給される。
【0025】請求項7の発明では、上記呼吸用気体は、
酸素又は酸素富化空気とする。上記の構成によると、酸
素は一般に入手性がよく携帯にも適し、酸素富化空気は
経済的である。
【0026】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明の実
施形態1を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の
実施形態1に係る第2レイアウトの呼吸器用気体供給装
置を示し、(1)は呼吸用気体である酸素ガスを供給さ
せる気体供給手段としての液体酸素供給装置であって、
この液体酸素供給装置(1)には流量調節弁(図示せ
ず)が設けられており、この流量調節弁によって適切な
量の酸素ガスを供給するようにしている。尚、液体酸素
供給装置(1)に代えて酸素ボンベを設けてもよい。
【0027】(2)は、上記液体酸素供給装置(1)と
第1配管(20)を介して接続された同調手段としての
呼吸同調器で、使用者である慢性呼吸不全患者の呼吸位
相変化に合わせて酸素ガスを供給するものである。
【0028】上記呼吸同調器(2)は、患者が酸素ガス
を吸った場合にその圧力変化を検知する圧力センサ(図
示せず)を内部に備えており、その圧力変化の検知に伴
って例えば酸素ガスを200ミリ秒間に35ミリリット
ル供給するとともに、次の圧力変化があるまでは酸素ガ
スを供給しないようにしている。そして、ここで万が
一、例えば45秒間無呼吸で圧力変化がないときに、呼
吸同調器(2)から警告音を発するようになっている。
【0029】さらに、(3)は、上記呼吸同調器(2)
と第2配管(21)を介して接続された加湿手段として
のバブリング式加湿器で、このバブリング式加湿器
(3)は呼吸同調器(2)から患者に供給される酸素ガ
スを加湿する。
【0030】さらに(4)は、第3配管(22)を介し
て上記バブリング式加湿器(3)と接続された鼻カニュ
ーラであり、患者の鼻腔内に挿入される。
【0031】そして、本発明の特徴は上記バブリング式
加湿器(3)の構造にある。すなわち、図1に拡大して
示すように、バブリング式加湿器(3)は、水が収容さ
れた下部の水収容領域(13)と、この水収容領域(1
3)の上側に位置する空間部(12)とを内部に有する
密閉状の容器部(6)を備えている。具体的には、容器
部(6)は、上端が開口した略有底円筒状の半透明のガ
ラス又は樹脂よりなる容器本体(7)と、この容器本体
(7)の上端開口をパッキン(図示せず)を介して密閉
する蓋部(8)とで構成されている。
【0032】また、上記蓋部(8)には、上記第2配管
(21)に接続されて呼吸同調器(2)からの酸素ガス
を容器部(6)内に流入させる流入部としての流入コネ
クタ(9)が形成され、この流入コネクタ(9)の他端
(下流端)には容器部(6)内に位置する管部としての
中空の導入パイプ(10)の上端(上流端)が接続され
ている。
【0033】そして、上記導入パイプ(10)の下流側
には上記水収容領域(13)の水中に完全に浸漬された
状態で位置しかつ酸素ガスを加湿する加湿部(11)が
設けられている。この加湿部(11)は、水滴を通さず
気体のみを微細孔を介して通す、例えばポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)のフッ素樹脂からなる透湿膜
で構成されている。尚、この加湿部(11)は、燒結金
属のごとく一側にある水を多孔質内部にしみ込ませる多
孔質体でもよい。
【0034】さらに、上記蓋部(8)には、容器部
(6)内の空間部(12)の酸素ガスを容器部(6)か
ら使用者に向けて流出させる流出部としての流出コネク
タ(14)が一端(上流端)を空間部(12)と連通さ
せるように設けられ、この流出コネクタ(14)の他端
(下流端)には、鼻カニューラ(4)に連通する第3配
管(22)を接続するためのコネクタ(14a)が設け
られいる。
【0035】また、上記空間部(12)に位置する導入
パイプ(10)には、導入パイプ(10)内を空間部
(12)と連通するように小径(例えば1mm)の圧力伝
達孔(15)が開口されている。この圧力伝達孔(1
5)は呼吸位相変化伝達手段を構成するもので、上記呼
吸同調器(2)に対して患者の呼吸位相の変化を伝達す
る。この圧力伝達孔(15)の孔径が大きすぎると、酸
素ガスが流入コネクタ(9)より供給されてきたときに
加湿部(11)を通過せずに直接に空間部(12)に漏
れ出し、流出コネクタ(14)から患者側に流出する酸
素ガスの量が増えすぎて酸素ガスの加湿が不十分となっ
てしまうので、この圧力伝達孔(15)の孔径の大きさ
は、上記呼吸同調器(2)の圧力センサが反応する程度
の小さなものでよく、その個数も一つが望ましい。
【0036】次に、上記実施形態の作用について説明す
る。まず、液体酸素供給装置(1)から適切な量の酸素
ガスが供給されるように流量調節弁を開くと、酸素ガス
が常に一定の圧力で第1配管(20)を通して呼吸同調
器(2)に供給される。しかし、この状態では呼吸同調
器(2)内の圧力センサが反応しない限り、酸素ガスが
呼吸同調器(2)から第2配管(21)に供給されるこ
とはない。
【0037】そして、患者がその鼻腔に挿入された鼻カ
ニューラ(4)を通して酸素ガスを吸い込むと、第3配
管(22)内に負圧が生じ、その負圧はバブリング式加
湿器(3)の空間部(12)にも伝達される。そして、
この空間部(12)内に負圧が伝達されると、この負圧
によって導入パイプ(10)内の酸素ガスが圧力伝達孔
(15)から空間部(12)に吸い出され、それに伴
い、導入パイプ(10)に流入コネクタ(9)を介して
接続されている第2配管(21)にも負圧が生じる。さ
らに、この第2配管(21)の負圧が呼吸同調器(2)
まで伝達されると、その呼吸同調器(2)の圧力センサ
が反応し、患者の呼吸量に合わせて設定した量の酸素ガ
スが呼吸同調器(2)から第2配管(21)に吐出供給
される。
【0038】そして、第2配管(21)から供給された
酸素ガスは、バブリング式加湿器(3)の流入コネクタ
(9)に達した後に導入パイプ(10)内に入ってそれ
を通過する。この酸素ガスの一部は上記圧力伝達孔(1
5)から空間部(12)に吸い出されるが、残りの大半
部は、導入パイプ(10)の下端に設けられた加湿部
(11)に流れ、その透湿膜の微細孔から水収容領域
(13)の水中に漏れ出し、その水中を微細な気泡とな
って上昇する。この間に酸素ガスが飽和蒸気圧付近まで
加湿され、この加湿状態の酸素ガスは、空間部(12)
に溜まる。
【0039】そのとき、上記浸透膜は水滴を通さず水蒸
気のみを通すため、水収容領域(13)の水が導入パイ
プ(10)内に侵入することはない。また、上記圧力伝
達孔(15)から空間部(12)に漏れ出した酸素ガス
は少量で、空間部(12)で充分に加湿された酸素ガス
と合流して加湿されるため、全体として空間部(12)
の酸素ガスの湿度が不足することはない。
【0040】さらに、こうしてバブリング式加湿器
(3)内で加湿されて空間部(12)に溜まった酸素ガ
スは、流出コネクタ(14)から第3配管(22)へ流
出し、鼻カニューラ(4)を介して患者に供給される。
【0041】このようにして、患者の吸気に伴う酸素ガ
スの供給の1サイクルが終了し、以後、患者の吸気によ
る負圧が圧力伝達孔(15)によって呼吸同調器(2)
に伝達される都度、上記したサイクルが繰り返される。
【0042】従って、この実施形態では、呼吸同調器
(2)を結露により故障させることなく、適切な湿度で
かつ適切な量の酸素を患者に供給することができる。
【0043】(実施形態2)図3及び図4は本発明の実
施形態2を示し、加湿手段であるバブリング式加湿器
(3)を変更したものである。尚、バブリング式加湿器
(3)以外の他の機器は実施形態1と同じであるので、
その詳細な説明は省略する。また、図3及び図4におい
て実施形態1のバブリング式加湿器(3)と同じ部分に
ついては同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0044】すなわち、この実施形態では、バブリング
式加湿器(3)は、上端(上流端)が流入コネクタ
(9)に接続されかつ下端(下流端)が加湿部(11)
に接続される流入側導入パイプ(10)と、下端(上流
端)が加湿部(11)に接続されかつ上端(下流端)が
容器部(6)内の空間部(12)に開口(15)を介し
て臨む流出側導入パイプ(10a)とからなり、この流
出側導入パイプ(10a)の下流端開口(15)により
患者から送られてくる呼吸位相変化を伝達する。
【0045】さらに、上記流出側導入パイプ(10a)
の下流端開口(15)にはオリフィス(15a)が設け
られており、このオリフィス(15a)の開口の大きさ
は、酸素ガスの流量に合わせて適切な加湿度を加えられ
るような大きさに設定される。その他の構成は上記実施
形態1と同様である。
【0046】次に、実施形態2の作用について説明する
に、患者の吸気動作により第3配管(22)内に負圧が
生じ、その負圧がバブリング式加湿器(3)の空間部
(12)にも伝達されて空間部(12)内に負圧が生じ
る。この負圧によって流出側導入パイプ(10a)から
酸素ガスが開口(15)にあるオリフィス(15a)を
介して空間部(12)に流れ、それに伴い、流出側導入
パイプ(10a)内に負圧が生じ、この負圧は流入側導
入パイプ(10)及び流入コネクタ(9)を伝わって第
2配管(21)に負圧が生じる。そして、この負圧が呼
吸同調器(2)まで伝達されると、その圧力センサが反
応し、患者の呼吸量に合わせて設定した量の酸素ガスが
供給される。
【0047】そして、上記呼吸同調器(2)から第2配
管(21)を介して供給されてきた酸素ガスは、バブリ
ング式加湿器(3)の流入コネクタ(9)から流入側導
入パイプ(10)内を通過して、流出側導入パイプ(1
0a)の下流端開口(15)から空間部(12)に出よ
うとする。しかし、上記流出側導入パイプ(10a)の
開口(15)にはオリフィス(15a)が設けられてい
るため、酸素ガスの流れが制限される。その結果、流入
側導入パイプ(10)及び流出側導入パイプ(10a)
の内圧が上昇し、酸素ガスの一部が流入側導入パイプ
(10)と流出側導入パイプ(10a)との間に設けら
れた加湿部(11)の透湿膜の微細孔から水収容領域
(13)の水中に漏れ出し、微細な気泡となって上昇し
て飽和蒸気圧付近まで加湿され、空間部(12)に溜ま
る。そして、加湿部(11)から水中に流出しなかった
残りの酸素ガスは、加湿部(11)を通過して流出側導
入パイプ(10a)の下流端開口(15)に至り、オリ
フィス(15a)から空間部(12)に排出される。こ
の排出された酸素ガスは加湿部(11)を通過する際に
適度に加湿されて空間部(12)の充分に加湿された酸
素ガスと合流し加湿されるため、湿度が不足することは
ない。従って、この実施形態でも、上記実施形態1と同
様の作用効果が得られる。
【0048】尚、上記実施形態2では、開口(15)に
オリフィス(15a)を設けているが、必ずしもオリフ
ィス(15a)を設ける必要はない。しかし、開口(1
5)から排出される酸素ガスを抑えて湿度を適度に保つ
ためにはオリフィス(15a)を設けるのが好ましい。
【0049】また、上記実施形態2において、オリフィ
ス(15a)を可変オリフィスにしてもよく、この可変
オリフィスにより導入パイプ(10)内の気体の流れの
制限具合が調整され、水中に漏れ出して飽和蒸気圧付近
まで加湿される酸素ガスと、加湿部(11)の通過によ
り加湿されて可変オリフィスから排出される酸素ガスと
の混合比が調整されて、適切に加湿された酸素ガスが得
られる。
【0050】さらに、上記実施形態1及び実施形態2に
おいては、気体供給手段(1)として液体酸素供給装置
または酸素ボンベを使用しているが、空気を所定の物理
・化学的処理によって酸素濃度の高い酸素富化空気とす
る酸素濃縮器を使用してもよく、経済的に有利である。
しかし、酸素濃縮器は質量が重く、携帯可能な機種はな
いため、外出時には液体酸素供給装置または酸素ボンベ
が必要となる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、呼吸用気体供給装置における加湿手段の管部
に、同調手段に対して使用者の呼吸位相の変化を伝達す
る呼吸位相変化伝達手段を設けたことにより、加湿手段
が同調手段の下流にある場合でも適切にかつ確実に呼吸
位相変化が同調手段に伝えられ、同調手段の結露による
故障を招来することなく、患者に対し呼吸位相変化に合
わせて加湿された適切な量の呼吸用気体を供給すること
ができる。
【0052】請求項2の発明によると、呼吸位相変化伝
達手段は、加湿手段の加湿部上流側の空間部に臨む管部
に管部内を空間部と連通するように開口された孔とした
ことにより、この孔を設けるだけの簡単な構造で容易に
呼吸位相変化を同調手段に伝えることができ、望ましい
呼吸位相変化伝達手段を具体化できる。
【0053】請求項3の発明によると、呼吸位相変化伝
達手段は、加湿部下流側の管部下流端に空間部に臨むよ
うに設けられた開口としたことにより、開口を設けたこ
とによる加湿効果の低下を防止しながら、同調手段が結
露により故障することなく、患者の呼吸位相変化に合わ
せて加湿された適切な量の呼吸用気体が使用者に供給さ
れ、この場合も望ましい呼吸位相変化伝達手段を具体化
できる。
【0054】請求項4の発明によると、上記加湿手段下
流側の管部の下流端開口にオリフィスを設けたことによ
り、呼吸用気体の供給量が大きいときでも、加湿が不十
分になることはなく、患者の呼吸位相変化に合わせて最
適な湿度及び量の呼吸用気体を患者に供給することがで
きる。
【0055】請求項5の発明によると、呼吸気体供給器
における同調手段に、呼吸位相変化伝達手段から伝達さ
れる呼吸用気体の圧力変化を検知する圧力センサを設け
たことにより、この同調手段において患者の呼吸位相変
化を素早く検知することができ、安定して最適な量の呼
吸用気体が患者に供給される。
【0056】請求項6の発明によると、上記加湿手段に
おける加湿部を透湿膜又は多孔質体としたことにより、
最適な湿度の呼吸用気体を患者に供給することができ
る。
【0057】請求項7の発明によると、上記呼吸用気体
を酸素又は酸素富化空気としたことにより、入手性がよ
くて携帯にも適し、又は経済的な呼吸用気体が容易に得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のバブリング式加湿器の正
面図である。
【図2】実施形態1に係る呼吸用気体供給装置の全体構
成を概略的に示す図である。
【図3】実施形態2に係るバブリング式加湿器の断面図
である。
【図4】実施形態2に係るバブリング式加湿器の正面図
である。
【符号の説明】
(1) 液体酸素供給装置 (2) 呼吸同調器 (3) バブリング式加湿器 (6) 容器部 (9) 流入コネクタ (10) 導入パイプ (11) 加湿部 (12) 空間部 (13) 水収容領域 (14) 流出コネクタ (15) 圧力伝達孔(開口) (15a) オリフィス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呼吸用気体を供給させる気体供給手段
    (1)と、 上記気体供給手段(1)で発生した呼吸用気体を使用者
    の呼吸位相の変化に合わせて供給する同調手段(2)
    と、 上記同調手段(2)から使用者に供給される呼吸用気体
    を加湿する加湿手段(3)とを備え、 上記加湿手段(3)は、水が収容された水収容領域(1
    3)と該水収容領域(13)の上側に位置する空間部
    (12)とを内部に有する密閉状の容器部(6)と、 上記容器部(6)に開口され、上記同調手段(2)から
    の呼吸用気体を容器部(6)内に流入させる流入部
    (9)と、 上記容器部(6)に空間部(12)と連通するように開
    口され、該空間部(12)の呼吸用気体を容器部(6)
    から使用者に向けて流出させる流出部(14)と、 上流端が上記流入部(9)に接続される一方、下流側
    に、上記水収容領域(13)に位置しかつ呼吸用気体を
    加湿する加湿部(11)が設けられた管部(10)と、 上記管部(10)に設けられ、上記同調手段(2)に対
    して呼吸位相の変化を伝達する呼吸位相変化伝達手段と
    を備えたことを特徴とする呼吸用気体供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の呼吸用気体供給装置におい
    て、 管部(10)の一部が容器部(6)内の空間部(12)
    に臨んでおり、 呼吸位相変化伝達手段は、上記加湿部(11)上流側の
    空間部(12)に臨む管部(10)に、管部(10)内
    を空間部(12)と連通させるように開口された孔(1
    5)であることを特徴とする呼吸用気体供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の呼吸用気体供給装置におい
    て、 管部(10)の下流端は容器部(6)内の空間部(1
    2)に臨んでおり、 呼吸位相変化伝達手段は、上記管部(10)の下流端に
    設けられた開口(15)であることを特徴とする呼吸用
    気体供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の呼吸用気体供給装置におい
    て、 管部(10)下流端の開口(15)にオリフィス(15
    a)が設けられていることを特徴とする呼吸用気体供給
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つの呼吸用気
    体供給装置において、 同調手段(2)は、呼吸位相変化伝達手段(15)から
    伝達される呼吸用気体の圧力変化を検知する圧力センサ
    を備えていることを特徴とする呼吸用気体供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つの呼吸用気
    体供給装置において、 加湿手段(3)における加湿部(11)は、透湿膜又は
    多孔質体であることを特徴とする呼吸用気体供給装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの呼吸用気
    体供給装置において、 呼吸用気体は、酸素又は酸素富化空気であることを特徴
    とする呼吸用気体供給装置。
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