JP2003038634A - 外科用接着剤 - Google Patents

外科用接着剤

Info

Publication number
JP2003038634A
JP2003038634A JP2001227110A JP2001227110A JP2003038634A JP 2003038634 A JP2003038634 A JP 2003038634A JP 2001227110 A JP2001227110 A JP 2001227110A JP 2001227110 A JP2001227110 A JP 2001227110A JP 2003038634 A JP2003038634 A JP 2003038634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
group
surgical adhesive
surgical
polyether polyol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001227110A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehisa Matsuda
武久 松田
Tetsuo Ito
哲雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001227110A priority Critical patent/JP2003038634A/ja
Publication of JP2003038634A publication Critical patent/JP2003038634A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】外科手術時だけ生体内で接着剤として有効に働
くが、生体の修復が終了する時期には速やかに分解する
ような特性を有する外科用接着剤を提供する。 【解決手段】α-ケト基を有するジカルボン酸とオキシ
エチレン基を30重量%以上有するポリエーテルポリオ
ールとの脱水縮合物(A)と含フッ素脂肪族ポリイソシ
アネート(B)とを反応させて得られるイソシアネート
基末端ウレタンプレポリマーからなることを特徴とする
外科用接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外科用接着剤に関す
る。さらに詳しくは、生体内で一定期間経過後、容易に
分解する外科用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】血管や実質臓器の接合や止血に際して用
いる外科用接着剤は、生体にとって異物である。従っ
て、必要な期間だけ生体内で接着剤として働き、生体の
修復が終了する時期には分解して無くなるような特性を
有する接着剤が望ましい。従来、このような分解性を有
する外科用接着剤としては、(a)ε-カプロラクトン
またはラクチドの開環重合によって得られたポリエステ
ルポリオールと芳香族系ポリイソシアネートとの反応で
得られるウレタンプレポリマー(例えば、USP4,8
04,691号明細書)、(b)一般式 -R-(CH2)n-CO
O- 「 nは0、1、2 の何れか; Rは電子吸引誘導効果
を有する特性基」で表される結合を持つポリオールと他
のポリオールを含有するポリオール類とポリイソシアネ
ート類とからのイソシアネート基末端ウレタンプレポリ
マー(例えば、特許公報第2928892号明細書)が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(a)は生体内でのエステル結合の加水分解性が低く、
生体の修復後も長期間にわたって患部に接着剤が残ると
いう問題があった。また、上記(b)においても、加水
分解性官能基を導入しているものの生体内中における分
解性が低く医療現場において望まれているような満足な
分解性能が得られないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、外科手術
時だけ生体内で接着剤として有効に働くが、生体の修復
が終了する時期には速やかに分解するような特性を有す
る外科用接着剤を得るべく鋭意検討した結果、本発明に
到達した。すなわち本発明は、α-ケト基を有するジカ
ルボン酸もしくはそのエステルと、オキシエチレン基を
30重量%以上有するポリエーテルポリオールとの反応
で得られるエステル結合を有し、且つ末端に水酸基を有
する化合物(A)と含フッ素脂肪族ポリイソシアネート
(B)とを反応させて得られるイソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマーからなることを特徴とする外科用接
着剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、α-ケト基を有
するジカルボン酸としては、特に限定はないが好ましく
はα-位にケト基を有する炭素数2〜20のジカルボン
酸が挙げられる。具体的にはシュウ酸、オキサロ酢酸、
α-ケトグルタル酸、α-ケトアジピン酸、α-ケトピメ
リン酸、α-ケトスベリン酸、α-ケトアゼライン酸、α
-ケトセバシン酸等が挙げられる。好ましくは、入手が
容易で生体内由来の材料であることから安全性の点で有
利なオキサロ酢酸、α-ケトグルタル酸である。さらに
好ましくは、α-ケトグルタル酸である。そのエステル
としては炭素数1〜3のモノ又はジアルキルエステルが
好ましい。具体的にはメチルエステル、ジメチルエステ
ル、エチルエステル、ジエステルが挙げられる。
【0006】本発明において、オキシエチレン基の含有
量を30重量%以上有するポリエーテルポリオールとし
ては、少なくとも2個の活性水素を有する化合物(例え
ばポリオール、多価フェノール等)とエチレンオキシド
(以下EOと略記)及び必要により他のアルキレンオキ
シド(以下他のアルキレンオキシドをAOと略記)との
開環付加物が挙げられる。ポリオールとしては、二価ア
ルコール(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1.3−または1,4−ブチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、水添ビス
フェノールF、ポリテトラメチレングリコール、ポリエ
ステルジオール、末端シラノールポリシロキサン化合物
等)、三価アルコール(トリメチロールプロパン、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、グリセリン、ポリエステルトリオール等)、四
〜八価アルコール(ジグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、ショ糖等)が挙げられる。多価フェ
ノールとしてはビスフェノール類(ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS等)が挙げられ
る。これらのうち、好ましいのは二価アルコールであ
る。AOとしては炭素数3〜4のアルキレンオキシド、
例えばプロピレンオキシド(以下POと略記)、ブチレ
ンオキシド(1,2−,1,3−,2,3−及び1,4−
ブチレンオキシド)及びこれら二種以上が挙げられる。
これらの内で好ましいものはPOである。EOとAOを
併用する場合にはランダム共重合物でも、ブロック共重
合物でもよく、また両者の混合系でも良い。好ましくは
ランダム共重合物である。
【0007】ポリエーテルポリオールの当量(ヒドロキ
シ基当りの分子量)は好ましくは100〜5,000、
さらに好ましくは200〜3,000である。当量が1
00以上の場合には接着剤としての柔軟性が与えられ、
生体の動きに充分に追従できる外科用接着剤が得られ
る。また等量が5,000以下の場合には、大きな粘度
上昇も無く作業性の良い外科用接着剤として実用性に優
れたものが得られる。該ポリエーテルポリオール中のオ
キシエチレン基含有量は、通常30重量%以上、好まし
くは50〜90重量%である。オキシエチレン含有量
が、30重量%未満では親水性能力が低下するため、体
液との反応性が低下し、硬化速度は遅くなる。また、水
分に富む生体組織との結合性にも欠けることとなり、外
科用接着剤として満足なものを得ることはできない。特
に好ましいポリエーテルポリオールとしては、EOとP
Oのランダム共重合物で数平均分子量が2,000〜
5,000、オキシエチレン含有量が60〜90重量%
のものである。
【0008】α-ケト基を有するジカルボン酸もしくは
そのエステルとポリエーテルポリオールの反応モル数
は、両化合物の官能基数によって異なってくるが、得ら
れる化合物(A)の末端官能基が水酸基になるように反
応モル数を規定する。本発明においてα-ケト基を有す
るジカルボン酸もしくはそのエステルとポリエーテルポ
リオールとの反応で得られるエステル結合を有し、且つ
末端に水酸基を有する化合物(A)の製造方法について
は、従来からの公知の方法でよく、例えば「第4版実験
化学講座28 高分子合成」丸善株式会社発行に記載さ
れている方法、例えばα-ケト基を有するジカルボン
酸とポリエーテルポリオールとの脱水縮合反応による製
造方法、α-ケト基を有するジカルボン酸のジメチル
エステルとポリエーテルポリオールとのエステル交換に
よる方法上記二つの方法の併用等が挙げられる。また
縮合重合時に、反応を促進するために必要により触媒が
用いられる。触媒としては、プロトン酸触媒[硫酸、P
−トルエンスルホン酸、「ナフィオン」(固体酸:デユ
ポン社製)等]、チタン、錫、鉛等の有機金属化合物、
重金属の酸化物や塩等が挙げられる。このようにして得
られる脱水縮合物(A)の数平均分子量としては、3,
000〜9,000が好ましく、3,000〜7,00
0が特に好ましい。
【0009】本発明における含フッ素ポリイソシアネー
ト(B)としては、特開昭57−108055号で例示さ
れている含フッ素脂肪族ポリイソシアネート{例えばOC
N-Rf-NCO及びOCN-CH2-Rf-CH2-NCO(但し、両式中Rfは、
エーテル結合を含有してもよい炭素数1〜20 のパー
フルオロアルキレン基を表す)等};炭素数6〜30の
含フッ素脂環族イソシアネート{例えば含フッ素イソホ
ロンジイソシアネート等}等が挙げられる。好ましいも
のは、反応性が高く、変異原性試験等によって安全性が
高いと確認されている含フッ素脂肪族ポリイソシアネー
トであり、さらに好ましくは、OCN-CH2-(CF2)n-CH2-NCO
(ただしnは、1〜6の整数)である。
【0010】ポリイソシアネートとポリエーテルポリオ
ールとの反応において、前記ポリイソシアネートのイソ
シアネート基と前記ポリエーテルポリオールの水酸基の
配合比はモル比で好ましくは1.5〜5.0、さらに好
ましくは1.9〜2.3である。該ポリエーテルポリオ
ールと該ポリイソシアネートとからイソシアネート基末
端ウレタンプレポリマーを製造する方法は、従来公知の
方法でよく、例えば該ポリイソシアネートに対して該ポ
リオールを投入し、好ましくは50〜100℃で、好ま
しくは1〜10時間反応させることにより上記プレポリ
マーを得ることができる。この場合、該ポリイソシアネ
ートに対する該ポリオールの投入方法は、最初から加え
ておく方法と徐々に適下する方法が挙げられる。また、
この反応は触媒(例えば、ジブチル錫オキサイド、ジブ
チル錫ジラウレート等の錫、鉛等の金属の有機化合物、
トリブチルアミン、等の3級アミン等)の存在下で行な
ってもよい。このようにして得られる本発明におけるイ
ソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは親水性であ
る。親水性とするには、前記のポリエーテルポリオール
を用いればよい。また、該イソシアネート基末端ウレタ
ンプレポリマーのNCO基含有率は好ましくは1〜10
重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。1重量
%以上であると、接着剤の反応性が良好となり、硬化速
度の向上及び生体との結合性の向上となる。10重量%
以下であると、得られた接着剤は硬化速度は速く、硬化
物も柔軟性があり、生体の動きに追従できることにな
る。
【0011】なお本発明の接着剤には、必要に応じて生
理活性を有する薬物(中枢神経用薬、アレルギー用薬、
循環器官用薬、呼吸器官用薬、消化器官用薬、ホルモン
剤、代謝性医薬品、抗悪性腫瘍剤、抗生物質製剤、化学
療法剤等)、充填剤(例えばカーボンブラック、ベンガ
ラ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、酸化チタ
ン、アクリル系樹脂粉末、各種セラミック粉末等)、軟
化剤(例えば、DBP、DOP、TCP、トリブトキシ
エチルホスフェート、その他各種エステル類等)、安定
剤(たとえばトリメチルジヒドロキノン、フェニルーβー
ナフチルアミン、Pーイソプロポキシジフェニルアミ
ン、ジフェニル-P-フェニレンジアミン等)、を配合す
ることができる。これらの配合量は、本発明の接着剤に
対して好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0
〜5重量%である。
【0012】前記イソシアネート基末端ウレタンプレポ
リマーは、微量の水分の存在、例えば空気中の水分によ
り急速に重合を起こし、強靭な膜を形成する。従って本
発明の接着剤に配合する各成分は、無水のものを用いる
必要がある。各構成成分を配合することにより接着剤を
製造する際も空気を遮断しておくのが好ましい。得られ
た接着剤は、例えば空気を遮断したアンプル等の容器に
充填しておくことにより、長期間保存しておくことがで
きる。
【0013】手術に於て、生体組織を本発明の接着剤で
接合する際の接合方法としては、切開部に直接本発明の
接着剤を塗布する直接接着法;ダクロン、酸化セルロー
ス、コラーゲン、キチン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、PVA等の薄い布片や綿状物及び静脈、筋膜、筋肉
等の生体組織片を患部に当て、本発明の接着剤を塗布す
る被覆接着法;部分的に縫合糸をかけ残りの接合部にシ
ールするように本発明の接着剤を塗布する縫合固定法等
が挙げられる。塗布方法としては、例えば毛筆、ピンセ
ット、特殊なヘラを用いる方法やフレオンないしは窒素
ガスを使用したスプレイによる方法が挙げられる。また
本発明の接着剤は生体組織の接着ばかりでなく、柔軟性
や生体組織との結合性を利用して動脈瘤等に対するコー
ティング物質、あるいは密栓物質、髄液漏等に対するシ
ーリング物質として患部への塗布やカテーテル等を用い
る注入等の方法で用いることができる。本発明の外科用
接着剤を生体に用いた場合、早いもので数週間以内、遅
いもので数ヶ月以内に分解が進行する。
【0014】上記効果を有することから本発明の接着剤
は、例えば血管、心臓、気管、肺、食道、胃、十二指
腸、小腸、大腸、直腸、腎臓、脾臓、膵臓、神経等の接
合、出血阻止、酵素の漏れ阻止、縫合に先立つ仮固定、
患部の補強、最小血管の狭窄事故の回避等に用いる外科
用接着剤として有用である。また、本発明の接着剤は手
術ばかりでなく創傷部や切創部等の接合、歯科における
接着治療および生理活性を有する薬物と組み合わせて薬
を徐々に放出させることによる治療等医療全般にわたっ
て有用であり、高信頼性と高性能を賦与するものであ
る。
【0015】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 α-ケトグルタル酸(1モル)、ポリエーテルジオール
(3モル;EOとPOとのランダム共重合物、数平均分
子量:4080、オキシエチレン含有量:80重量%)
を混合撹拌した後、固体酸である「ナフィオン」(デュ
ポン社製;上記混合物に対して1重量%)を反応触媒と
して添加し、加熱による脱水縮合反応(90℃で3時
間、130℃で2時間、さらに150℃で2時間)を行
った。反応生成物を分液操作によって未反応の出発物質
などを除去し、α-ケトグルタル酸の2つのカルボン酸
基がポリエーテルジオールで脱水縮合された両末端水酸
基の脱水縮合物を得た。本脱水縮合物を90℃にて減圧
下脱水した後、NCO基/OH基比が2/1になるよう
に OCN-CH2(CF2)4CH2-NCO を加え80℃の温度で8時間
反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
である本発明の外科用接着剤Iを得た。
【0016】比較例1 ポリエーテルポリオール(EOとPOとのランダム共重
合体、数平均分子量3,000、オキシエチレン含有量
80重量%)90部、ポリカプロラクトン系ポリオール
{H-(O-CH2CH2CH2CH2CH2-CO)n-O-CH2CH2O-(CO- CH2CH2C
H2CH2CH2-O)m-H、数平均分子量:520}10部の混合
物を90℃にて減圧下脱水した後、NCO基/OH基比
が2/1になるようにTDIを加え80℃の温度で8時
間反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ーである外科用接着剤IIを得た。 比較例2 ポリ乳酸(数平均分子量:2,900)を90℃にて減
圧下脱水した後、NCO基/OH基比が2/1になるよ
うにTDIを加え80℃の温度で8時間反応させてイソ
シアネート基末端ウレタンプレポリマーである外科用接
着剤IIIを得た。
【0017】比較例3 α-ケトグルタル酸(1モル)、ジエチレングリコール
(3モル)および無水塩化アルミニウム(0.001モ
ル)を混合撹拌し、加熱による脱水縮合反応(90℃で
3時間、130℃で2時間、さらに 150℃で2時
間)を行った。反応生成物をクロロフォルムに溶解させ
た後、分液操作(水で2回、炭酸水素ナトリウム水溶液
で1回さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で1回)を行っ
て精製し、クロロフォルムを除くことによってポリオー
ルを得た。本ポリオール 10部とポリエーテルポリオ
ール(PEO−PPOランダム共重合体、数平均分子
量:3,000、オキシエチレン含有量80%)90部
の混合物を減圧下脱水した後、NCO基/OH基比が2
/1になるように OCN-CH2(CF2)4CH2-NCO を加え80℃
の温度で8時間反応させてイソシアネート基末端ウレタ
ンプレポリマーである本発明の外科用接着剤IVを得た。 試験例1
【0018】(In-Vivo における接着性試験)成犬の肝
臓実質を約2cmの長さにわたる想定切離線に従って鉗子
をかけ、ついで鉗子の内側に沿って肝臓実質を切除し
た。この切断面全体に対して、用意した外科用接着剤I
〜IVを塗布し、その上からフッ素樹脂フィルムで押さえ
15分後、フィルムをはがし、患部の観察を行った。比
較例2および3で作成した外科用接着剤IIおよび外科用
接着剤IIIは、粘度が高く一部ワックス状であったた
め、取扱性、止血性の何れにも問題があった。また、接
着後の樹脂が固く、生体の柔軟な動きに追従できない問
題も見られた。それ以外の外科用接着剤Iおよび外科用
接着剤IVは、いずれも取扱性、止血性および接着後の樹
脂柔軟性にも問題は見られなかった。 試験例2 (In-Vivo における分解性試験)実施例および比較例に
記載した外科用接着剤I〜IVの各々をウスの肝臓表面に
少量塗布した後、患部を塞いだ。6ヶ月後、これらのマ
ウスの解剖を行い分解性について調べた。外科用接着剤
Iは、分解がかなりすすみ初期の形状を保っていなかっ
た。外科用接着剤IIおよび外科用接着剤IIIは、分解は
ほとんど見られず初期の形状のままであった。外科用接
着剤IVは、一部含水してゲル状になっているものの、分
解はほとんどすすまず初期の患部に残っていた。
【0019】
【発明の効果】本発明のNCO末端ウレタンプレポリマ
ー系外科用接着剤を生体に用いた場合、生体患部の修復
後、長期間に渡って患部に残ることなく分解消失する効
果を有しており、安全性の面でも優れた外科用接着剤で
ある。一方、分解性を有しているといわれているウレタ
ンプレポリマー系外科用接着剤についても、生体内にお
ける分解性が極めて遅いため、数年に渡って使用部位に
残っているのが実状であった。このような長期間に渡っ
て使用時のままの形状の物が存在していることは、化学
的にも物理的にも発ガン等の悪影響が考えられる。本発
明の外科用接着剤は、分解性という上記特徴以外に、基
本的性能である硬化速度、生体組織との結合性及び生体
組織の動きに追従可能な柔軟性の3点についても満足し
ており、手術をはじめとする医療行為における安全性と
確実性を大幅に高める効果を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α-ケト基を有するジカルボン酸もしく
    はそのエステルと、オキシエチレン基を30重量%以上
    有するポリエーテルポリオールとの反応で得られるエス
    テル結合を有し、且つ末端に水酸基を有する化合物
    (A)と含フッ素脂肪族ポリイソシアネート(B)とを
    反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレ
    ポリマーからなることを特徴とする外科用接着剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリエーテルポリオールがエチレン
    オキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合物であ
    り、且つ数平均分子量が2,000〜5,000である
    請求項1記載の外科用接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリエーテルポリオールのオキシエ
    チレン基含有量が60〜90重量%である請求項1又は
    2記載の外科用接着剤。
JP2001227110A 2001-07-27 2001-07-27 外科用接着剤 Pending JP2003038634A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001227110A JP2003038634A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 外科用接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001227110A JP2003038634A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 外科用接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003038634A true JP2003038634A (ja) 2003-02-12

Family

ID=19059819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001227110A Pending JP2003038634A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 外科用接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003038634A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003051952A1 (fr) * 2001-12-18 2003-06-26 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polymere et procede de production de polymere
JP2017518401A (ja) * 2014-04-24 2017-07-06 シージェイ チェイルジェダン コーポレーション 樹脂用ポリエステル系可塑剤

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003051952A1 (fr) * 2001-12-18 2003-06-26 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polymere et procede de production de polymere
GB2399345A (en) * 2001-12-18 2004-09-15 Sanyo Chemical Ind Ltd Polymer and process for producing polyer
GB2399345B (en) * 2001-12-18 2006-02-01 Sanyo Chemical Ind Ltd Polymer and process for producing polymer
JP2017518401A (ja) * 2014-04-24 2017-07-06 シージェイ チェイルジェダン コーポレーション 樹脂用ポリエステル系可塑剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2928892B2 (ja) 外科用接着剤
AU2003287204B2 (en) Fast curing compositions
JP2691722B2 (ja) 外科用接着剤
AU2008202473B2 (en) Foam control for synthetic adhesive/sealant
EP2244750B1 (en) A medically acceptable formulation of a diisocyanate terminated macromer for use as an internal adhesive or sealant
US7968668B2 (en) Diisocyanate terminated macromer and formulation thereof for use as an internal adhesive or sealant
US8470954B2 (en) Diisocyanate terminated macromer and formulation thereof for use as an internal adhesive or sealant
US7728097B2 (en) Method of making a diisocyanate terminated macromer
AU2009335854B2 (en) Isocyanate terminated macromer and formulation thereof for use as an internal adhesive or sealant
JP2003038634A (ja) 外科用接着剤
US8071663B2 (en) Medically acceptable formulation of a diisocyanate terminated macromer for use as an internal adhesive or sealant
JPH0622561B2 (ja) 外科用接着剤