JP2003036437A - 鮮鋭性評価方法、鮮鋭性評価装置および画像記録装置 - Google Patents

鮮鋭性評価方法、鮮鋭性評価装置および画像記録装置

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JP2003036437A
JP2003036437A JP2001224493A JP2001224493A JP2003036437A JP 2003036437 A JP2003036437 A JP 2003036437A JP 2001224493 A JP2001224493 A JP 2001224493A JP 2001224493 A JP2001224493 A JP 2001224493A JP 2003036437 A JP2003036437 A JP 2003036437A
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Akira Yamano
明 山野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮鋭性測定用チャートを用いて鮮鋭性を評価
する際において、ノイズによる測定誤差を低減した客観
的な評価を可能にする。 【解決手段】 前記鮮鋭性測定用チャート像プロファイ
ルにフーリエ変換を施したフーリエ解析データ系列のう
ち、前記鮮鋭性測定用チャート像プロファイルが有する
空間周波数である固有空間周波数U、あるいは前記固有
空間周波数の整数倍mのmUに対応するデータである固有
フーリエ解析データを算出し、前記前記固有フーリエ解
析データを用いて鮮鋭性評価指標を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の鮮鋭性を評
価するに適した鮮鋭性評価方法、鮮鋭性評価装置および
画像記録装置に関し、特に、医用画像撮影装置などの装
置で得られた医用画像の鮮鋭性を評価するに適した鮮鋭
性評価方法、鮮鋭性評価装置および画像記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】主に医療を目的とするX線画像形成装置
における画像評価方法、例えば、従来のスクリーン/フ
ィルム系における鮮鋭性評価方法として、鮮鋭性測定用
チャートを用いてSWTF(Square Wave Transfer Fun
ction)を求め、さらにコルトマンの変換式でMTF(M
odulation Transfer Function)を求める方法、すなわ
ちチャート法が良く用いられている。
【0003】この方法は、チャートと呼ばれるテストパ
ターンの濃度をミクロ濃度計で測定し、その濃度プロフ
ァイルを用いて解析を行う方法である。チャート法によ
る鮮鋭性測定方法の概要を以下に示す。
【0004】まず、鉛チャートをX線撮影し、自動現像
機を用いてフィルムに現像する。作成されたチャート画
像をミクロ濃度計で濃度を測定し、矩形波チャート像プ
ロファイルデータを得る。矩形波チャート像プロファイ
ルの各空間周波数部分におけるピークを検出し、最高濃
度DH(U)及び最低濃度DL(U)を求める。
【0005】予め作成したX線照射量−濃度の特性曲線
を基に最大X線照射量EH(U)及び最小X線照射量EL
(U)に換算し、コントラストC(U)=(EH(U)
−EL(U))/(EH(U)+EL(U))を求める。
この各々の空間周波数におけるコントラストをゼロ周波
数で規格化した値C(U)/C(0)はSWTFと呼ば
れている。さらに、コルトマン変換式を用いることによ
り、コントラスト応答関数SWTFから正弦波応答関数
MTFに変換することができる。通常はこのMTFを用
いて鮮鋭性評価が行われている。詳細は、『放射線画像
情報工学(I)』(内田、金森、稲津著:日本放射線技
術学会編)p167−172に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】デジタル装置の近年の
普及により、その鮮鋭性評価方法も必要とされ、実際に
各装置に対して物理評価が行われている。スクリーン/
フィルム系と異なり、デジタル装置ではトータルの画像
記録システムを入力装置、出力装置に分割できるので、
各々の装置の評価が可能であり、またその評価が必要。
従来のMTF算出方法を踏襲するとX線照射量というエ
ネルギー量に基づいてコントラストを求める必要があ
る。
【0007】システム全体、もしくは入力装置単独のよ
うな入力装置込みのシステム評価を行う場合は「X線照
射量−信号値」、「X線照射量−濃度」の特性を用いて
エネルギーに換算して適用することができるが、出力装
置単独で評価する場合には入力部に相当するはずのエネ
ルギーに相当する量がないため、MTF本来の定義で鮮
鋭性を評価するのは不可能である。
【0008】画像入力装置の「X線照射量−信号値」特
性に遡っていけば一応の評価および比較は可能である。
しかし、入力装置毎に「X線照射量−信号値」特性が異
なるため一概に比較できないのが現状である。例えば、
X線照射量に対して得られる電気信号を線形アンプある
いは対数アンプでA/D変換を行うかの選択によって、
線形特性を有するか対数特性を有するかが決まり、その
結果、全く評価結果の異なるものになってしまう。
【0009】そこで、デジタル医用画像記録装置におけ
る鮮鋭性評価方法として、画像記録装置を用いてチャー
ト画像データをプリントし、濃度プロファイルに基づい
たSWTFを用いることが多い。
【0010】しかし、SWTFを求める場合、矩形波チ
ャート像のピークを検出方法によって最終的に得られる
物理評価値に差異が生じてしまう。ピーク検出のアルゴ
リズムに関して様々な方法が提案されているが、ピーク
検出の方針によって全く同一のプロファイルに対しても
異なった物理評価値が得られる場合もある。例えば、記
録方式によって同一波形を保つ、個々のピークの分布に
バラツキが生じやすい、矩形幅が細りやすい、矩形幅は
保つが濃度差が潰れやすい、等。また、位置による濃度
変動、プロファイルにノイズが生じやすいと測定誤差が
大きくなる。ノイズ低減のため予めプロファイルの移動
平均を取った後にピークを検出する方法もあるが、高周
波では移動平均でピークが鈍化してしまう場合もあり好
ましくない。さらに、高空間周波数では完全な矩形波で
ある入力像に対して出力像は矩形波にならないので厳密
な矩形波応答特性とは言い難い。
【0011】以上より、記録装置に矩形波チャート像を
記録させた場合においても、記録方式によって出力像の
形状が変化し必ずしも矩形波にはならないので、SWT
Fのようなピーク値を用いた鮮鋭性評価では正当な評価
がされない可能性がある。
【0012】特開2000−298076号公報による
と、中央値のピーク値または該中央値±nの平均値、あ
るいは最大、最小値からm個を除いた残りのデータを用
いる方法が提案されている。しかし、この方法は、個々
のピークのバラツキを低減する方法であるに過ぎず、ピ
ーク検出方法そのものの改善になってはいない。
【0013】そこで、主観評価によらない有力な鮮鋭性
評価方法が提案されている。『日本放射線技術学会雑
誌,50(3),p379(1994):室・他』によると、矩形
波チャート像そのものをフーリエ変換し、前記鮮鋭性測
定用チャート像プロファイルと略同空間周波数における
フーリエ変換成分を基にMTFを計算する方法が提案さ
れている。本稿では、スクリーン/フィルム系での適用
例のみであるが、デジタル画像入力装置単独、あるいは
デジタル装置全体(入力装置+出力装置のシステム全
体)に適用した報告もされている。
【0014】実際に評価を行うべき空間周波数に相当す
るチャート画像を作成し一部抜粋した矩形波プロファイ
ルデータに対して離散フーリエ変換を行いパワースペク
トル(空間周波数特性)を求める。スペクトルのピーク
が最も高い部分が出力像の空間周波数に相当し、そのス
ペクトル値の平方根が振幅値に相当する。
【0015】しかし、フーリエ積分を用いて上記スペク
トル値を計算する場合には、出力チャート像と作用する
正弦波の空間周波数を一致させることが肝要で、計算誤
差を低減するためには計算距離を出力像の周期またはそ
の整数倍としなければならない。
【0016】そこで、出力像の周期を別途周波数解析に
より求める。矩形波の空間周波数を検出するため、プロ
ファイルの一部に対して高速フーリエ変換(以下、FF
T)を用いている。この際に、別途空間周波数解析を行
う必要がある。また、FFTを用いる場合にはプロファ
イルデータ数を2のべき乗に揃える必要があるので、特
に高周波成分においてサンプリング間隔・空間周波数に
制限が生じる。さらに、プロファイルデータ数を充分多
く取らないときにパワースペクトルのピークが鈍る場合
がある。また、得られるスペクトルにおける空間周波数
の間隔Δuはプロファイルデータ数Nに反比例するの
で、出力像の空間周波数を厳密に求めたい場合はNを充
分取る必要がある。すなわち、異常のような点を守らな
い場合には、測定誤差が大きくなる可能性がある。
【0017】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
のであって、鮮鋭性測定用チャートを用いて鮮鋭性を評
価する際において、ノイズによる測定誤差を低減した客
観的な評価が可能である鮮鋭性評価方法、および、鮮鋭
性を簡便に測定し得る鮮鋭性測定手段を有する鮮鋭性評
価装置、ならびに、評価手段を内蔵する画像記録装置
で、前記評価方法を用いて求めた物理評価値が特定の評
価基準を満たす良好な鮮鋭性を有する画像を記録し得る
画像記録装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、鮮鋭性
測定用チャート像のプロファイルをチャート固有の空間
周波数、あるいはその整数倍でフーリエ解析を行うこと
によって、その空間周波数の特徴量を抽出し、鮮鋭性評
価を行うことが可能である。
【0019】なお、評価方法としては、鮮鋭性測定用チ
ャート像プロファイルにフーリエ解析を施し、前記鮮鋭
性測定用チャート像プロファイルが有する固有空間周波
数、もしくはその整数倍空間周波数に対応するフーリエ
解析データ(前記空間周波数の振幅成分)を用いて鮮鋭
性評価指標を求める。
【0020】すなわち、以下に述べるそれぞれの解決手
段によって解決されるものである。 (1)請求項1記載の発明は、鮮鋭性測定用チャート像
プロファイルから求めた評価指標により鮮鋭性を評価す
る鮮鋭性評価方法であって、前記鮮鋭性測定用チャート
像プロファイルにフーリエ変換を施したフーリエ解析デ
ータのうち、チャート像が有する空間周波数である固有
空間周波数U、あるいは、前記固有空間周波数Uの整数
倍mのmUに対応するデータである固有フーリエ解析デー
タを算出し、前記固有フーリエ解析データを用いて鮮鋭
性評価指標を求める、ことを特徴とする鮮鋭性評価方法
である。
【0021】(2)請求項2記載の発明は、前記固有フ
ーリエ解析データは、前記鮮鋭性測定用チャート像プロ
ファイルの有する固有空間周波数Uの正弦波Cを前記鮮
鋭性測定用チャート像プロファイルに乗算して得られる
プロファイルに対し、n/U(ただし、nは自然数)の
長さだけ離散フーリエ変換した値をIc(U)、前記正
弦波Cと同一空間周波数Uを有するが前記正弦波Cと9
0度だけ位相が異なる正弦波Sを前記鮮鋭性測定用チャ
ート像プロファイルに乗算して得られるプロファイルに
対し、n/Uの長さだけ離散フーリエ変換した値をIs
(U)、振幅値をamp()とするとき、任意の整数m(m
≧1)に対して、amp(mU)=√(Ic(mU)・Ic(m
U)+Is(mU)・Is(mU))、により算出される固
有フーリエ解析データである、ことを特徴とする請求項
1に記載の鮮鋭性評価方法である。
【0022】(3)請求項3記載の発明は、固有空間周
波数U近傍で細かく振った各空間周波数Uiに対して、
請求項2に記載のamp(mU)に基づいてamp(m・Ui)
を計算し、各々算出されたamp(m・Ui)のうち最大値
をとる空間周波数Umaxにおいて、Umaxを固有空間周波
数、amp(m・Umax)を固有フーリエ解析データとす
る、ことを特徴とする請求項2記載の鮮鋭性評価方法で
ある。
【0023】(4)請求項4記載の発明は、前記固有フ
ーリエ変換データは、前記鮮鋭性測定用チャート像プロ
ファイルに高速フーリエ変換を施して得られるフーリエ
解析データ系列のうち、前記鮮鋭性測定用チャート像プ
ロファイルの有する固有空間周波数Uに最も近い空間周
波数U’に対応する固有フーリエ解析データである、こ
とを特徴とする請求項1記載の鮮鋭性評価方法である。
【0024】(5)請求項5記載の発明は、前記鮮鋭性
測定用チャート像プロファイルは矩形波チャート像であ
る、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
の鮮鋭性評価方法である。
【0025】(6)請求項6記載の発明は、チャート像
は、(N+1)個の異なる空間周波数(U0,U1,…,U
N)を有し、空間周波数がU0である正規化部分と、空間
周波数がUk(k=1,2,3,…,N)である被正規化部分とを
有し、請求項2に記載のamp(mU)をamp(Uk)にあて
はめて、ARTF(Uk)=amp(Uk)/amp(U0)、
を鮮鋭性評価指標とする、ことを特徴とする請求項2乃
至請求項5のいずれかに記載の鮮鋭性評価方法である。
【0026】(7)請求項7記載の発明は、空間周波数
Uを有する前記矩形波チャート像において、mを整数と
して、請求項2に記載のamp(Uk)を用いて、ARTF
((2m+1)U)=(2m+1)・amp((2m+1)U)/amp
(U)、を鮮鋭性評価指標とする、ことを特徴とする請
求項5記載の鮮鋭性評価方法である。
【0027】(8)請求項8記載の発明は、空間周波数
U0を有するチャート像において算出された前記ART
FをARTF0、空間周波数U1=k・U0を有する前記鮮
鋭性測定用チャート像において算出された前記ARTF
をARTF1、kおよびmを整数とするとき、ARTF(m
・U1) = ARTF0(U1)× ARTF1(m・U
1)、により鮮鋭性評価指標を算出して評価する、こと
を特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の
鮮鋭性評価方法である。
【0028】(9)請求項9記載の発明は、前記矩形波
チャート像は、ナイフエッジチャート像を位置的に線対
称となるように反転したチャート像を外挿することによ
り補完された矩形波チャート像である、ことを特徴とす
る請求項5あるいは7に記載された鮮鋭性評価方法であ
る。
【0029】(10)請求項10記載の発明は、請求項
1乃至9のいずれかに記載の鮮鋭性評価方法を用いて鮮
鋭性を評価する鮮鋭性評価手段を有することを特徴とす
る鮮鋭性評価装置である。
【0030】(11)請求項11記載の発明は、請求項
1乃至9のいずれかに記載の鮮鋭性評価方法を用いて鮮
鋭性を評価するとき、2.0cycle/mmで鮮鋭性が0.
9以上である画像を記録する画像記録手段を備えた、こ
とを特徴とする画像記録装置である。
【0031】(12)請求項12記載の発明は、請求項
1乃至9のいずれかに記載の鮮鋭性評価方法を用いて鮮
鋭性を評価するとき、5.0cycle/mmで鮮鋭性が0.
6以上である画像を記録する画像記録手段を備えた、こ
とを特徴とする画像記録装置である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、鮮鋭性評
価に関する本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。なお、本発明は、実施の形態に限定されるものでは
ない。
【0033】〈第1の実施の形態例:チャート法〉ここ
で、「チャート」とは、「チャート像を作成するための
雛型」であり、具体的には鉛チャートやチャート像作成
用画像データに相当する。また、「チャート画像」ある
いは「チャート像」とは、「チャートを基に作成された
ハードコピー」である。さらに、「チャート像プロファ
イル」とは、「チャート像を再サンプリングしたデータ
列」である、と定義する。
【0034】以下、第1の実施の形態例として、チャー
トを用いたフーリエ変換法により鮮鋭性を評価する方法
および装置について説明する。なお、この第1の実施の
形態例では、鮮鋭性の測定のために用いる正規化部分と
被正規化部分とを有する鮮鋭性測定用チャートの具体例
として、矩形波チャートあるいは矩形波チャート像を用
いた場合を説明する。
【0035】まず、評価用チャート画像データ(図2
(a))を作成し、銀塩レーザ書込方式・銀塩熱現像方
式・インクジェット方式、等の評価対象となる画像記録
装置10(図1(a))で記録紙p上にチャート画像
(図1、図2(b)のテストパターン100)をプリ
ントする。
【0036】画像記録装置10の機種によっては出力画
素サイズが異なるので、プリントされたチャート画像の
サイズが異なったものになる。そこで、得られるチャー
ト画像のサイズが濃度測定するのに適切なサイズになる
ように、出力画素サイズに適合した画像データを作成す
る必要がある。また、チャート画像の設計濃度、すなわ
ちハイレベル濃度DH(濃度プロファイルにおける「山」
の濃度)及びローレベル濃度DL(濃度プロファイルに
おける「谷」の濃度)は各空間周波数においてすべて一定
にしなければばらない(図2(a)のDH,DL参照)。
【0037】図2(b)は濃度の異なる矩形パターンが
繰り返される代表的な矩形波チャート像によるテストパ
ターン100の模式図である。空間周波数が十分に低く
コントラストの基準となる正規化部分101と、各空間
周波数において測定するべき被正規化部分102とに分
けられる。
【0038】すなわち、この実施の形態例で使用する前
記鮮鋭性測定用チャートは、(N+1)個の異なる空間
周波数(U0,U1,…,UN)を有し、空間周波数がU0
である正規化部分101と、空間周波数がUk(k=1,2,
…,N)である被正規化部分102とを有するチャートで
ある。
【0039】なお、正規化部分ではコントラストの基準
になるように、コントラスト低下がほとんど起こらない
程度に低空間周波数であることが好ましい。例えば、ス
クリーン/フィルム系鮮鋭性評価用の鉛チャート(化成
オプトニクス株式会社製:Type1)では正規化部分
における空間周波数は0.05cycle/mm、被正規化部
分における空間周波数は0.5−1.0−1.5−2.
0−2.5−3.0−4.0−5.0−6.0−8.0
−10.0cycle/mmであり、チャート要素は全部で1
2個である。
【0040】ここで、図2(b)のテストパターン10
0は、鮮鋭性評価用のテストパターンである。ここで示
した鮮鋭性評価とは、前記SWTF或いはMTFを求め
ることに相当する。テストパターン100は最も空間周
波数の低い正規化部分101と、その他の各空間周波数
をもつ被正規化部分102を有する。
【0041】そして、図1(b)に示すように、マイク
ロデンシトメータと呼ばれる濃度計20を用いてテスト
パターン100の濃度を測定する(図3S1)ことによ
りチャート像濃度プロファイル(図1、図2(c))
を得る(図3S2)。図1および図2(c)は濃度測
定により得られたチャート像濃度プロファイルの模式図
であり、横軸は位置(プロット番号)、縦軸は濃度であ
る。
【0042】図6は、矩形波チャートを用いたフーリエ
変換法に関する概略図である。図6(a−1)は矩形波
チャートを用いて本来得られるべき矩形波チャート像プ
ロファイル、すなわち理想的な矩形波チャート像プロフ
ァイルに相当する。このプロファイルをフーリエ解析し
た結果が図6(a−2)であり、矩形波チャートの有す
る空間周波数と略同空間周波数(以後、固有空間周波
数)の奇数倍の振幅値のみが現われる。しかし、実際は
画像記録時、或いは濃度測定時におけるプロファイル劣
化により、図6(b−1)に示すようなノイズを含んだ
矩形波チャート像プロファイルが得られる。このプロフ
ァイルをフーリエ解析した結果が図6(b−2)であ
る。図6(b−2)の空間周波数特性は、図6(a−
2)の特性と比較すると、固有空間周波数の奇数倍にお
けるフーリエ解析データ(チャート像固有の信号に相
当)が低下し、他の空間周波数におけるフーリエ解析デ
ータ(チャート像に付加されるノイズに相当)が微増す
ることがわかる。
【0043】空間周波数Uを有する矩形波チャート像プ
ロファイルに対してフーリエ解析を行うとき、最も大き
な振幅値として現われるのは空間周波数Uにおけるフー
リエ解析データであり、そのフーリエ解析データが前記
プロファイルにおける最も特徴的な情報量であるのは当
然である。そこで、フーリエ変換法とは、矩形波チャー
ト像プロファイルの固有空間周波数におけるフーリエ解
析データを求め、そのフーリエ解析データの割合をもっ
て評価指標とし鮮鋭性を評価する方法である。
【0044】上述のフーリエ解析とは以下の解析を示す
ものとする。正規化部分および各被正規化部分における
矩形波チャート像プロファイルに対して、山谷が周期的
に連なる矩形波チャート要素の一部分を抜粋し、そのプ
ロファイルに関して離散フーリエ変換を行う。フーリエ
変換後は複素数データ列(実数部と虚数部)として得ら
れるが、前記複素数データ列の2乗値(いわゆる「パワ
ースペクトル」)の平方根が各空間周波数成分における
振幅値に相当し、この振幅値が上述のフーリエ解析デー
タである。振幅値が大きいほどその空間周波数における
情報量が多いことを意味し、その振幅値の減衰率がプリ
ント画像の鮮鋭性を評価する指標に成りうる。
【0045】以下、空間周波数Uにおけるフーリエ解析
データをamp(U)、固有空間周波数Ukにおけるフーリ
エ解析データを固有フーリエ解析データ(単に、amp
(Uk))、固有空間周波数Ukの整数倍に相当する空間
周波数mUk(mは整数)におけるフーリエ解析データ
を固有フーリエ解析データ列(単に、amp(mUk))と
呼ぶことにする。
【0046】まず、実際に矩形波チャート像プロファイ
ル{Dp}(p=1,2,…,P)を基にamp(U)を算
出する方法について簡単に説明する。結局は、{Dp}
に対して離散フーリエ変換を施し、式で示されるよう
なI(U)を求め、その絶対値|I(U)|がamp
(U)に相当するが、具体的な計算方法を以下に示す。
【0047】矩形波チャート像プロファイル{Dp}
(p=1,2,…,P)が有する固有空間周波数Uと略
同空間周波数をもつ正弦波Cをプロファイルに掛けて積
和を取り、その計算値をIc(U)とする。同様に、前
記正弦波Cと略同空間周波数を有し、位相が90度ずれ
ている正弦波Sを掛けて積和を取り、その計算値をIs
(U)とする。計算範囲は周期1/Uのn周期分n/U
(nは整数)、Xp=pΔXとするとき、式および式
で表されるIcおよびIsを用いて、amp(U)が算出
される(式)。なお、jは虚数単位(j=√(−
1))であり、位相θは任意の値である。 I(U)=ΣDp・exp(j2πU・pΔX+θ)/(n/U)…、 Ic(U)=ΣDp・cos(2πU・pΔX+θ)/(n/U)…、 Is(U)=ΣDp・sin(2πU・pΔX+θ)/(n/U)…、 amp(U)=|I(U)|=√(Ic(U)・Ic(U)+Is(U)・Is(U) )…、 まず、考えられる算出方法は、チャート像プロファイル
に高速フーリエ変換(Fast Fourier Tr
ansform:以下、FFT)を施し、実際のプロフ
ァイルが有する空間周波数に最も近い空間周波数の値を
読んで、振幅値とする方法である。また、空間周波数が
不明な場合は、FFT後のスペクトルのうち最大となる
値を読めば良い。FFTに関しては各種の文献を参考に
することができる。。ただ、FFTを用いるためには計
算に用いるデータ数を2のべき乗にする、空間周波数の
刻み幅がデータ数に反比例するためデータを充分細かく
取らないとピーク値を外れてしまい真の値が得られな
い、などの問題がある。また、設計した空間周波数と実
際の周波数が若干異なる可能性があるため、出力像の周
期を別途周波数解析により求める必要がある。
【0048】しかし、マイクロデンシトメータの走査方
向に対してハードコピーを斜置して濃度測定する等の理
由により、設計した矩形波の空間周波数と実際に記録さ
れた空間周波数が異なる場合もある(図4(a))た
め、実際の空間周波数を別途求める必要がある。この第
1の実施の形態例では、計算開始点を固定しながら矩形
波チャート像に作用する正弦波の空間周波数を細かく振
って(図4(b))、振幅値ampの算出を繰り返し、振
幅値ampのピークから固空間周波数を類推する方法を用
いた(図4(c))。
【0049】FFTを用いた方法では、前記の空間周波
数解析法では、(1)出力チャート像の空間周波数を求
め、(2)フーリエ変換を行う、という2段階解析を行
う必要が生じるため第1の算出方法よりも多少手間が掛
かる。FFTは計算速度が速く、プログラムも簡単であ
るという利点もある。特に固有空間周波数の整数倍のデ
ータも同時に読み取る場合、真の値とのずれが大きくな
り得られる振幅値の測定誤差が大きくなるのが難点であ
る。なお、データ列は必要ない。
【0050】〈(1):1対1対応型〉第1の算出方法
として、1個のチャート要素に対して1個のamp()を
求める1対1対応型測定法について説明する。
【0051】図3はARTFを解析するまでのフローチ
ャートであり、計算開始点を固定しつつプロファイルに
作用する正弦波の空間周波数を細かく振りながら離散フ
ーリエ変換を行っていき、その計算値を基に空間周波数
を検出する方法である。
【0052】図3S1ではチャート情報の読み込みを行
う。例えば、チャート像濃度プロファイルや、濃度計の
再サンプリング間隔、チャート要素の個数、各チャート
要素の設計空間周波数、チャート要素のライン数、計算
開始点の目安、使用チャートの種類、などの解析を迅速
化するために必要なチャートに関する付属情報でもよ
い。
【0053】図3S2では必要に応じて物理量の変換を
行う。プロファイル物理量は、医用分野における画像評
価では主に濃度プロファイルを用いる場合が多いが、そ
れに限らず用途に応じて透過率、又は明度プロファイル
でも良い。
【0054】図3S3では計算開始点及び計算範囲の設
定を行う。計算開始点は波形が周期的に続くプロファイ
ルのうちの1点を選ぶ必要があり、不適切な設定は計算
結果に大きな誤りが生じてしまう。チャート像プロファ
イルの形状が既知である場合には、S1で読み込んだ計
算開始点の目安(具体的には、各チャート要素に対応し
たプロット番号)となるデータを用いればよい。しか
し、濃度測定開始位置が不定であるためプロファイルに
応じて設定することが好ましい。計算範囲は、出力チャ
ート像と作用する正弦波の空間周波数を一致させること
が肝要で、計算誤差を低減するためには計算距離を出力
像の周期またはその整数倍としなければならない。
【0055】計算開始点は波形が周期的に続くプロファ
イルのうちの1点を選ぶ必要があり、不適切な設定は計
算結果に大きな誤りが生じてしまう。図7(a)は、各
チャート要素におけるフーリエ解析の計算開始点を設定
する方法の一例を示す説明図である。簡単のため、図7
(a)ではチャート要素が3個(N=2)のチャート像
濃度プロファイルを例に挙げる。まず、各空間周波数U
kにおける濃度ピーク値、ハイレベルDH(Uk)及びロ
ーレベルDL(Uk)を求める。すべてのiに対してDH
(Uk)<D*<DL(Uk)を満たすようなD*を選出す
る。例えば、図7(a)では、Dmin(U2)<D*<
Dmax(U2)を満たすようなD*ならばどの値でも構わ
ない。周期的波形が開始するピーク立ち上がり部分にお
ける印(○)を計算開始点p=po(Uk)として選べば
よい。各po(Uk)を選ぶためには、個々の空間周波数
のチャート部分における境界を認識する必要がある。例
えば、常に同型のチャート画像を用いて評価する場合に
は、プロファイル形状が略同型であることを利用して、
計算開始点となる目安点を予め記憶、若しくは入力する
手段を設けておけば、その情報を基づいて容易に計算開
始点の設定を行うことができる。また、チャート要素の
個数及び各空間周波数、各チャート要素が有するピーク
個数、及びチャート要素間の間隔等のチャート情報でも
よい。
【0056】図7(b)は、チャート像プロファイルに
対してampを算出する際の計算範囲を示す図である。各
ピークの端ではピーク形状が異なり、計算結果にばらつ
きが生じる場合があるため、すべてのピークを計算に用
いるのではなく、中央に近い連続した複数のピークに対
し解析を行うことが好ましい。図ではピークが10本で
ある場合を示すが、中央の7周期で計算するのが好まし
い。
【0057】図3S4では、すべてのチャート要素に対
してampの計算が終了したか否かの判定を行う。(N+
1)個の異なる空間周波数(U0,U1,…,UN)の
チャート要素を有するチャートを用いた場合において、
すべてのamp(Uk)(k=0,1,…,N)の計算が終
了するまで繰り返す(図3S4〜図3S6)。計算が終
了したらamp(Uk)を規格化空間周波数で規格化しAR
TF(Amplitude−Rate Transfe
r Function)を求める(図3S7)。このと
き、ARTFは、 ARTF(Uk)=amp(Uk)/amp(U0)、 と求められる。
【0058】〈amp計算のフローチャート〉図5のフロ
ーチャートは、図3S5に相当し、固有空間周波数の決
定およびamp(Uk)の計算のフローチャートである。本
来ならば固有空間周波数を別途求めた後にamp(Uk)を
計算するのが通常であるが、本実施例では、計算開始点
を固定しながら矩形波チャート像に作用する正弦波の空
間周波数を細かく振ってampの算出を繰り返し、固有空
間周波数を類推する方法を用いた。本方法では、固有空
間周波数の類推と同時にamp計算を同時に行うことがで
きるため非常に有効な方法である。
【0059】図4(a)は、設計した矩形波の空間周波
数Uと実際に記録された固有空間周波数との関係を示す
図である。大抵の場合には両者の空間周波数に若干のず
れが生じるため、何らかの方法で実際の固有空間周波数
を求める必要がある。画像記録装置毎の書込ピッチの誤
差(例えば、仕様では50μmと記載されていたが実際
は51μm)が生じたり、濃度計の走査方向に対してハ
ードコピーを斜置して濃度測定するときプロファイル上
での空間周波数が異なったりするのが主な理由である。
すなわち、マイクロデンシトメータの走査方向に対して
ハードコピーを斜置して濃度測定する等の理由により、
設計した矩形波の空間周波数と実際に記録された空間周
波数が異なる場合もある(図4(a))ため、実際の空
間周波数を別途求める必要がある。この第1の実施の形
態例では、計算開始点を固定しながら矩形波チャート像
に作用する正弦波の空間周波数を細かく振って(図4
(b))、振幅値ampの算出を繰り返し、振幅値ampのピ
ークから固空間周波数を類推する方法を用いた(図4
(c))。
【0060】図5S1ではM個の空間周波数Uk,iの割
り当てを行う(i=1,2,…,M)。例えば、サンプ
リング間隔ΔX、矩形チャートの設計周期L'k(1周期
当りのプロット数)のとき、Lkを中心に1%刻みで±
5%まで空間周波数を振る場合は以下の通りになる。 Uk,i=1/L'k(0.94+0.01i)ΔX、ただ
し、[i=1,2,……,11]とする。
【0061】図4(b)は、例えば、サンプリング間隔
ΔX=0.01mm、設計周期L'k=100のとき、L'k
を中心に0,1%刻みで±5%まで空間周波数を振る場
合は、Uk,1=1/0.95[cycle/mm]からUk,11
=1/1.05[cycle/mm]まで空間周波数を振って
計算することに相当する(M=11)。Uk,iは固有空
間周波数U'k近傍で振るほど固有空間周波数を類推でき
る可能性が高くなるため好ましく、さらに空間周波数の
振り幅が細かいほど厳密な結果が得られるためなお好ま
しい。
【0062】図5S2では、amp_max値を0に設定す
る。amp_maxは以下、各々のUk,iに対して算出されたam
p(Uk,i)のうち最大値に相当するパラメータである。
図5S3では、割り当てたM個の空間周波数に対して各
々のamp(Uk,i)を繰り返し計算する(図5S4)、am
pの大小判定を行い(図5S5)、もし、amp_max<amp
(Uk,i)であるときはamp_maxを更新し、そのときのi
を記憶する(図5S6)。M回のamp計算、および最大
値の更新が終了するまで図5S4〜図5S6が繰り返さ
れる。そして、図5S4では、各々のUk,iに対してamp
(Uk,i)を計算する。
【0063】矩形波プロファイル{Dj}(j=1,
2,…,P)が有する固有空間周波数Uk,iと略同空間
周波数をもつ正弦波Cをプロファイルに掛けて積和を取
り、その計算値をIc(Uk,i)とする。同様に、前記正
弦波Cと略同空間周波数を有し、位相が90度ずれてい
る正弦波Sを掛けて積和を取り、その計算値をIs(U
k,i)とする。計算範囲は周期1/Uk,iのn周期分n/
Uk,i(nは整数)、Xp=pΔXとするとき、式およ
び式で表されるIcおよびIsを用いて、amp(Uk,i)
が算出される(式)。なお、位相θは任意の値であ
る。 Ic(Uk,i)=ΣDp・cos(2πUk,i・pΔX+θ)/(n/Uk,i)…、 Is(Uk,i)=ΣDp・sin(2πUk,i・pΔX+θ)/(n/Uk,i)…、 amp(Uk,i)=√(Ic(Uk,i)・Ic(Uk,i)+Is(Uk,i)・Is(Uk,i) )…、 なお、作用する正弦波CおよびSの位相(cosおよびsin
の位相)さえ揃えれば、矩形波と正弦波C(あるいは正
弦波S)との位相のずれ度合、あるいは計算開始点に関
わらずamp(U)は一定であることは既に確認されてい
るので、簡単のためθ=0でも良い。矩形波の固有周期
がサンプリング間隔の整数倍になる場合は問題ないが、
固有周期がサンプリング間隔の整数倍にならない場合に
は、作用する正弦波の位相ずれにより計算値がばらつく
可能性があるため、固有空間周波数Ukに最も近い値U
k,i*=1/LΔX(L:1周期当たりのプロット数で整
数値)を採用するのが好ましい。
【0064】図4(c)は、作用させる正弦波の空間周
波数と固有空間周波数とのずれ割合とamp値との関係を
示す。横軸は作用させる正弦波の空間周波数と固有空間
周波数とのずれ割合η=Uk,i/Uk、縦軸は規格化済am
p(ampの最大値で規格化)のプロットを示す。その結
果、Uo近傍ではη=1をピークとするバンドパス特性
を示すことが確認された。空間周波数を振って得られた
amp(Uk,i)のうち最大値amp(Uk)を振幅値として採
用すればよく、またその空間周波数Ukを固有空間周波
数とすればよい。検証の結果、両者の空間周波数が完全
に一致するとき(Uk,i=Uk)に最大になり、空間周波
数のずれが増えるにつれて値が小さくなることがわかっ
ている。この方法の最大の利点は、出力像の空間周波数
認識とフーリエ変換を同時に行うことが可能であるこ
と、さらに、空間周波数を細かく振ることができるの
で、出力像の空間周波数が厳密に検出される点である。
検証の結果、両者の空間周波数が完全に一致するときに
最大になり、空間周波数のずれが増えるにつれて値が小
さくなることがわかっている。また、セグメント(計算
長)が大きくなるほどピークが鋭くなるため、空間周波
数の検出が容易になる。
【0065】図5S3では、割り当てたM個の空間周波
数に対してamp(Uk,i)を繰り返し計算する(図5S4
〜図5S7)。もし、ampの最大値となるiがi=imax
であるとき、Uk=Uk,imaxと類推され、amp(Uk)=a
mp(Uk,imax)となる(図5S8)。
【0066】以上より、個々のチャート要素kに対し
て、amp(Uk)を求めることができ、同時にそのチャー
ト像プロファイルが有する固有空間周波数を知ることが
できる。
【0067】〈補足説明〉ARTFを求める方法とし
て、ARTF(Uk)=amp(Uk)/amp(U0)と定義
する場合について述べたが、従来のコントラストの定義
に基づいて、コントラストC(Uk)について、 C(Uk)=(DH(Uk)−DL(Uk))/(DH(U
k)+DL(Uk))=Damp(Uk)/Dave(Uk)、 を規格化したコントラスト比C(Uk)/C(U0)をも
って鮮鋭性評価指標を定義しても構わない。ただし、D
ampは濃度差(=(DH−DL)/2)、Daveは濃度平均
(=DH+DL)/2)を表す。具体的には、Damp(U
k)には上述のamp(Uk)を、Dave(Uk)にはampの計
算範囲内でのプロファイル平均を、それぞれ当てはめて
コントラストC(Uk)を計算すればよい。
【0068】また、amp(U)の計算精度を向上させる
方法として様々な方法が考えられる。例えば、実施の形
態例1では計算開始点を1つに固定して計算を行った
が、計算開始点を複数回変えてそれぞれampを計算し、
その平均を取ることにより統計的バラツキを低減する方
法も有効である。
【0069】〈(2):1対多対応型〉 〈1対多対応型:1個のチャート要素〉第2の算出方法
は、1個のチャート要素に対して複数個のampを求める
1対多対応型測定法について説明する。従来のチャート
法では、測定の対象となる空間周波数に対して前記空間
周波数相当のチャート像を作成する必要があった。しか
し、本実施例では、唯一のチャート要素からなるチャー
ト像から複数の空間周波数における情報を取り出し、鮮
鋭性評価指標を求める方法について述べる。
【0070】空間周波数Uである関数は一般的に、F
(x)=ΣDp・exp(j・2πmUx)と記述すること
ができる(ただし、mは整数)。例えば、最大値が1、
最小値が0である空間周波数Uをもつ理想的な矩形波チ
ャート像プロファイルでは、 Finput(x)=(4/π)・Σ(−1)^m・sin(2
π(2m+1)Ux)/(2m+1)、 と書き表すことができる。ここで、mは整数であり、m
=1は矩形波と略同空間周波数に相当し、m=2はその
3倍空間周波数、m=3はその5倍空間周波数に相当す
る。理想的な矩形波チャート像プロファイルにおいて、
正弦波の振幅は1、1/3、1/5、…、と高周波にな
るほど振幅が減衰する。一方、実際に出力として得られ
たチャート像プロファイルに対して、式により固有フ
ーリエ解析データ列がamp(U)、amp(3U)、amp
(5U)、…、となるものとする。固有空間周波数の
(2m+1)倍に相当する正弦波の振幅は固有空間周波数に
おける振幅の1/(2m+1)であるので、amp((2m+1)
U)を(2m+1)倍することで補正すれば、上記のART
Fを同様に適用することができる。
【0071】例えば、空間周波数がU(周期1/U)で
ある矩形波において、空間周波数Uが極めて低周波のチ
ャートを用いるため、ARTF(U)=1とみなし、 ARTF((2m+1)U)=(2m+1)・amp((2m+1)
U)/amp(U)、 として各空間周波数における鮮鋭性を計算することがで
きる。
【0072】なお、振幅比に係数(2m+1)を乗算する理
由は、ただし、完全な矩形波チャートの場合、Finput
(x)には固有空間周波数の奇数倍の空間周波数の成分
しか存在していないので、とびとびの値しか計算するこ
とができない。逆に、Uを極めて小さくすれば、ほとん
どの空間周波数における鮮鋭性を求めることができる。
【0073】矩形波チャートに限らず、任意の関数形に
対して本方法を用いることができる。フーリエ級数展開
をしたときの固有空間周波数Uにおけるフーリエ係数を
C1としたとき、空間周波数mUにおけるARTFは、
ARTF(mU)=(C1/Cm)・amp(mU)/amp
(U)にて計算することが可能である。例えば、正弦
波、三角波などのチャートにも適用はできる。しかし、
チャートを作成するのが最も簡便であり、画像記録装置
の書込ピッチ(1ピクセル当りの記録サイズ)やチャー
ト像の空間周波数に依らず入力波形が不変であることか
ら、矩形波チャートを用いるのが最も現実的である。
【0074】しかし、(2m+1)倍の空間周波数における
振幅を取り出す場合は、仮に画像が劣化しなかったとき
でも固有空間周波数Uのampの1/(2m+1)しか取り出
せることができず、信号(具体的には、amp)がノイズ
に埋もれてしまうことがある。Uを小さくすることが好
ましいが、過度に小さくした場合は反対に高周波におけ
るampに対して信頼性が失われてしまう。
【0075】例えば、空間周波数Ua=0.11を有す
るチャート画像aを用いた場合、空間周波数5.0cycl
e/mmにおけるARTFaは次式で表される。ただし、A
RTFaとはチャート画像aを用いて求めたARTFで
ある。 ARTFa(45Ua)=45・amp(45Ua)/ amp(Ua)…、 ampを計算するときは、空間周波数5.0cycle/mmは固
有空間周波数の45倍であるため、振幅値は1/45、
すなわち2.2%となってしまう。濃度コントラストが
1.0の画像を作成したとして、0.022程度の振幅
を抽出しなければならない計算になる。実測において
は、0.022の濃度差は測定装置が有する測定ノイズ
と同等、若しくはそれ以下であり、測定ノイズを含んだ
プロファイルから微小の信号を取り出すことは困難であ
る。そもそも本方法は、信号・ノイズを問わずその空間
周波数における情報量として取り出す方法であり、かつ
信号とノイズとの分離が困難なため、信号と比較してノ
イズが大きい状況で鮮鋭性評価を行うのは解析上好まし
くない。特に、高空間周波数において信号が減衰するた
め注意が必要である。ノイズに対して信号が充分大きい
場合では問題なく測定することができる。
【0076】〈1対多対応型:2個のチャート要素〉以
上、1個のチャート要素を用いて鮮鋭性を測定するのは
実用的ではない。そこで、ARTFはゼロ周波数で規格
化された振幅比であることを利用し、2種類のチャート
像で得られた結果を組み合わせて求める方法について説
明する。
【0077】例として、DH、DL、及び振幅の設計値は
同じであるが空間周波数が異なる2種類のチャート画像
a、bを作成し、各々の空間周波数がUa=0.11、
Ub=9Ua≒1.0であるとする。チャート画像a
が、通常のチャートにおけるいわゆる被正規化部分に相
当する極めて低空間周波数を有し、一方のチャート画像
bは任意の空間周波数でよい。Uaは規格化空間周波
数、Ubは準規格化空間周波数とよぶことにする。各々
の空間周波数のチャートに対し、本方法を用いてART
Fa(U)、ARTFb(U)を求め、 ARTFa(9Ua)=9・amp(9Ua)/amp(U
a)、 ARTFb(5Ub)=5・amp(5Ub)/amp(U
b)、 を得る。チャート画像a及びbの振幅が同じであること
から、上記の2つの式におけるampは同一とみなしてよ
い。
【0078】また、amp(9Ua)=amp(Ub)が成り
立つことから、 ARTFa(9Ua)・ARTFb(5Ub)=45・amp(5Ub)/amp(Ua )…、 となり、式と式は一致するので、 ARTFa(45Ua)=ARTFa(9Ua)・ARTFb(5Ub)…(10)、 が成り立つ。具体的に言うと、U0=0.11のチャー
ト像を用いて求めたU1=1.0におけるARTF0
(1.0)が0.95であったとし、またU1=1.0
のチャート像を用いて求めたU2=5.0におけるAR
TF1(5.0)が0.80であったとする。このと
き、両者の測定結果を合成することにより、真のART
F(5.0)はARTF(5.0)=ARTF0(1.
0)×ARTF1(5.0)=0.95×0.80=
0.76と求めることができる。空間周波数が5倍或い
は9倍における鮮鋭性を求めるときは、元画像の振幅値
に対し1/5或いは1/9となり、濃度差(DH−DL)
の大きい画像を用いれば充分抽出できる範囲である。
【0079】また、この方法の特徴は、画像記録装置の
単位記録サイズの整数倍に相当する空間周波数だけでな
く、非整数倍の空間周波数における鮮鋭性も仮想的に求
めることが可能であることである。例えば、記録単位サ
イズが50μmの画像記録装置の鮮鋭性を測るとき、
…、5.0cycle/mm(=2記録単位/ライン)、1
0.0cycle/mm(=1記録単位/ライン)が限界であ
る。
【0080】しかし、本実施の形態例によると、理論的
には1.0cycle/mmの整数倍の空間周波数でナイキス
ト周波数(=10.0cycle/mm)まで計算することが
可能である。実際には、前述の抽出振幅値の限界がある
が、適切なUa、Ubを選ぶことによって所望の空間周
波数における鮮鋭性評価を行うことができる。2種類の
チャート像で求めた測定結果を合成することにより、任
意の鮮鋭性評価を行うことが可能になる。また、理論的
には2種類のチャートに限らず、3種類以上のチャート
の合成によりほぼ任意の空間周波数における鮮鋭性を評
価することが可能である。
【0081】従来の方法では、出力画素サイズが異なる
画像記録装置において、特に高空間周波数において略同
空間周波数のチャート像を記録することができないた
め、略同空間周波数における鮮鋭性の直接的な比較は不
可能であった。しかし、本実施例により、出力画素サイ
ズが異なる画像記録装置に対して、規格化空間周波数U
a、及び準規格化空間周波数Ubの組み合わせを適切に
選択することで、特定の空間周波数における鮮鋭性を直
接比較することが可能になった。
【0082】〈第2の実施の形態例:ナイフエッジ像へ
の適用〉また、チャート画像ではなく、ナイフエッジ画
像に対しても本方法を用いた評価を行うことができる。
例えば、ナイフエッジのプロファイルを一部抜粋し、そ
のプロファイルデータを位置反転した反転プロファイル
を作成し、両者プロファイルを組み合わせて矩形波プロ
ファイルを作成する方法が考えられる。具体的には、プ
ロファイル番号を逆転させれば良く、Dp(p=1、
2、…、n)のナイフエッジ像プロファイルに対して、
Dp=Dp(1≦p≦n)、D'p=Dn-p(n≦p≦2
n)として1個のチャート像プロファイルDp(p=
1、2、…、2n)を作成する。このようにすれば、ナ
イフエッジ画像を用いて本方法により同様に解析を行う
ことができる。
【0083】特開平9−98292号公報に記載されて
いるように、ナイフエッジ像を用いて鮮鋭性を評価する
場合、ESF(Edge Spread Functi
on)だけでなく、本実施の形態例のようにチャート像
を作成した後にARFTを用いて評価することも可能で
ある。
【0084】〈第3の実施の形態例:鮮鋭性評価装置お
よび画像記録装置〉この第3の実施の形態例では、上述
した鮮鋭性評価方法を実施する鮮鋭性評価装置、およ
び、この鮮鋭性評価装置(鮮鋭性評価処理部)を内蔵し
た画像記録装置について説明する。
【0085】なお、鮮鋭性評価装置としては、既に図1
で説明したように、マイクロデンシトメータで測定して
得られた濃度プロファイルをフロッピー(登録商標)デ
ィスク等の電子媒体を介して画像記録装置に入力する
と、鮮鋭性評価手段(図1(c)におけるデータ取得用
計算機30)により鮮鋭性評価を行い、その評価結果を
ディスプレイ等に表示する。
【0086】まず、鮮鋭性評価処理部を備えた鮮鋭性評
価装置200について、図8を参照して説明する。マイ
クロデンシトメータなどの濃度計20(図1参照)によ
り得られた濃度プロファイルは、濃度プロファイルデー
タ入力部210に供給される。この濃度プロファイルデ
ータは、濃度プロファイル以外に、付属情報として、サ
ンプリング間隔、チャート要素の個数、チャート要素の
空間周波数、チャート要素のライン数、計算開始点の目
安、使用チャートの種類、などが含まれている。この濃
度プロファイルデータは、鮮鋭性評価処理部220内の
データ分離手段221にて、濃度プロファイル部分と付
属情報222aとに分離される。
【0087】なお、付属情報222aはデータ記憶手段
222に一時的に格納されて、必要に応じて鮮鋭性評価
演算処理手段223から読み出される。あるいは、付属
情報222aに基づいて予め記録されているチャートに
関する付属情報222a’を選択し、必要に応じて鮮鋭
性評価演算処理手段223から読み出される。鮮鋭性評
価演算処理手段223は、データ分離手段221にて分
離された濃度プロファイルと付属情報とから、以上詳細
に説明したように評価指標を求めて鮮鋭性評価結果22
2bを得る。そして、この鮮鋭性評価結果222bを、
鮮鋭性評価結果判断手段224が判断して、その評価結
果をディスプレイなどの評価結果表示部230に表示す
る。
【0088】つぎに、鮮鋭性評価装置200を備えた画
像記録装置300について、図9を参照して説明する。
画像処理部310は、外部から与えられるか、あるい
は、予め保持している評価用チャート画像データ(図2
(a)参照)に画像記録用の処理を施して、画像記録部
320に供給する。画像記録部320では、銀塩レーザ
書込方式・熱転写方式・インクジェット方式、等の評価
対象となるいずれかの方式で記録媒体p上にチャート画
像(図1、図2(b)のテストパターン100)をプ
リントする。
【0089】その後、濃度計330を構成するスポット
光照射部331からのスポット光を受光部332で検出
する。そして、受光部332にて光電変換された電気信
号をログアンプ340で対数圧縮し、さらにA−Dコン
バータ350によりディジタルデータの濃度プロファイ
ルが生成される。このようにして画像記録装置300内
で生成された濃度プロファイルは、画像記録装置300
内に内蔵されている鮮鋭性評価装置200で鮮鋭性評価
結果が求められる。
【0090】このように、画像記録装置300に濃度計
330を内蔵し、テストパターン100に応じて画像記
録後に濃度測定し、自動的に鮮鋭性評価のための解析を
行う。この場合、測定結果を保存して過去の履歴と今回
の測定結果と比較し、大きく異なったら警告を発するよ
うにしてもよい。また、鮮鋭性評価基準を予め設け、そ
の値を下回った場合に警告を発するようにしてもよい。
【0091】例えば、インクジェット方式記録装置の場
合、インク吐出不良、ヘッドの位置ずれ、インク終了、
装置の故障等の異常を察知することに応用できる。この
場合、原因は特定されないまでも、プリント不良の警告
として効果的である。
【0092】〈第4の実施の形態例:鮮鋭性評価に適し
た画像記録装置〉主観評価の結果、5.0cycle/mmに
おいて、上記方法で求めたMTFが0.70以上であれ
ば鮮鋭性が良好な画像であることを確認した。また、
2.0cycle/mmにおいて0.90以上であると更に好
ましい。すなわち、この鮮鋭性を満足する画像記録装置
を、鮮鋭性評価に用いることが望ましい。なお、以上の
第3の実施の形態例のように、画像記録装置内に鮮鋭性
評価装置を内蔵して、この値を閾値にして、鮮鋭性の閾
値を下回った場合に警告を発するようにすれば好まし
い。
【0093】以下、この説明を具体的におこなう。 [画像記録装置]:銀塩レーザ書込方式の画像記録装置
であるLi−62P(コニカ株式会社製)において、フ
ィルムに露光するために用いるレーザーのビーム径を変
えることにより、プリント画像の鮮鋭度を変化させた
(画像記録装置1〜4)。なお、書込ピッチ(1ピクセ
ル当りのサイズ)は主走査、副走査とも40μmであ
る。
【0094】[テストパターン]:矩形波チャート画像
を作成し、上記画像記録装置でプリントした。なお、チ
ャート要素は4個であり、各々の空間周波数は、(1)
0.05cycle/mm(1ライン当り250ピクセル)、
(2)1.0cycle/mm(1ライン当り13ピクセ
ル)、(3)2.1cycle/mm(1ライン当り6ピクセ
ル)、(4)6.3cycle/mm(1ライン当り2ピクセ
ル)である。また、濃度はハイレベルDH=2.0、ロ
ーレベルDL=1.0として設計した。
【0095】[主観評価]:以上の(2)〜(4)の3
個のチャート要素に関し、解像度についての目視による
主観評価を行った。観察者とテストパターンとの距離は
20cmとした。なお、解像レベルとして、隣同士のライ
ンが識別できるか否かを基準に判定を行い、◎…明確に
識別できる、○…比較的識別できる、△…良く観察すれ
ば識別できる、×…全く識別ができない、の4段階評価
にて採点を行った。
【0096】[客観評価]:マイクロデンシトメータP
DM−7B(コニカ株式会社製)を用いてテストパター
ンの濃度測定を行い、サンプリング間隔が3μmである
矩形波チャート像プロファイルを取得した。その濃度プ
ロファイルを用いて、実施の形態例1[1対1対応型]
に従った方法で解析を行った。なお、正規化空間周波数
は0.05cycle/mmである。
【0097】[評価結果]:図10は主観評価結果を示
す。主観評価の結果、5.0cycle/mmにおいて、上記
方法で求めたARTFが少なくとも0.60以上、さら
には、0.70以上であれば鮮鋭性が良好な画像である
ことを確認した。
【0098】また、2.0cycle/mmにおいて0.90
以上であると更に好ましい。すなわち、この鮮鋭性を満
足する画像記録装置を、鮮鋭性評価に用いることが望ま
しい。なお、以上の第3の実施の形態例のように。画像
記録装置内に鮮鋭性評価装置を内蔵して、この値を閾値
にして、鮮鋭性の閾値を下回った場合に警告を発するよ
うにすれば好ましい。
【0099】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、鮮鋭性測定用チャートを用いて鮮鋭性を評価する
際において、ノイズによる測定誤差を低減した客観的な
評価が可能である鮮鋭性評価方法、および、鮮鋭性を簡
便に測定し得る鮮鋭性測定手段を有する鮮鋭性評価装
置、ならびに、評価手段を内蔵する画像記録装置で、前
記評価方法を用いて求めた物理評価値が特定の評価基準
を満たす良好な鮮鋭性を有する画像を記録し得る画像記
録装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置の電気的構成
を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態例による鮮鋭性評価用のテ
ストパターン(矩形チャート)による評価方法の説明図
である。
【図3】本発明の実施の形態例の動作状態を示すフロー
チャートである。
【図4】本発明の実施の形態例における空間周波数認識
の概略を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例の動作状態を示すフロー
チャートである。
【図6】本発明の実施の形態例におけるフーリエ変換の
説明図である。
【図7】本発明の実施の形態例における計算範囲設定の
概略を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態例における鮮鋭性評価装置
の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態例における鮮鋭性評価装置
を内蔵した画像記録装置の構成例を示すブロック図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態例による鮮鋭性評価結果
を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置 20 濃度計(マイクロデンシトメータ) 30 データ取得用計算機 100 テストパターン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鮮鋭性測定用チャート像プロファイルか
    ら求めた評価指標により鮮鋭性を評価する鮮鋭性評価方
    法であって、 前記鮮鋭性測定用チャート像プロファイルにフーリエ変
    換を施したフーリエ解析データのうち、チャート像が有
    する空間周波数である固有空間周波数U、あるいは、前
    記固有空間周波数Uの整数倍mのmUに対応するデータで
    ある固有フーリエ解析データを算出し、 前記固有フーリエ解析データを用いて鮮鋭性評価指標を
    求める、ことを特徴とする鮮鋭性評価方法。
  2. 【請求項2】 前記固有フーリエ解析データは、前記鮮
    鋭性測定用チャート像プロファイルの有する固有空間周
    波数Uの正弦波Cを前記鮮鋭性測定用チャート像プロフ
    ァイルに乗算して得られるプロファイルに対し、n/U
    (ただし、nは自然数)の長さだけ離散フーリエ変換し
    た値をIc(U)、前記正弦波Cと同一空間周波数Uを
    有するが前記正弦波Cと90度だけ位相が異なる正弦波
    Sを前記鮮鋭性測定用チャート像プロファイルに乗算し
    て得られるプロファイルに対し、n/Uの長さだけ離散
    フーリエ変換した値をIs(U)、振幅値をamp()とす
    るとき、任意の整数m(m≧1)に対して、 amp(mU)=√(Ic(mU)・Ic(mU)+Is(mU)
    ・Is(mU))、 により算出される固有フーリエ解析データである、こと
    を特徴とする請求項1に記載の鮮鋭性評価方法。
  3. 【請求項3】 固有空間周波数U近傍で細かく振った各
    空間周波数Uiに対して、請求項2に記載のamp(mU)
    に基づいてamp(m・Ui)を計算し、各々算出されたamp
    (m・Ui)のうち最大値をとる空間周波数Umaxにおい
    て、Umaxを固有空間周波数、amp(m・Umax)を固有フ
    ーリエ解析データとする、ことを特徴とする請求項2記
    載の鮮鋭性評価方法。
  4. 【請求項4】 前記固有フーリエ変換データは、前記鮮
    鋭性測定用チャート像プロファイルに高速フーリエ変換
    を施して得られるフーリエ解析データ系列のうち、前記
    鮮鋭性測定用チャート像プロファイルの有する固有空間
    周波数Uに最も近い空間周波数U’に対応する固有フー
    リエ解析データである、ことを特徴とする請求項1記載
    の鮮鋭性評価方法。
  5. 【請求項5】 前記鮮鋭性測定用チャート像プロファイ
    ルは矩形波チャート像である、ことを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の鮮鋭性評価方法。
  6. 【請求項6】 チャート像は、(N+1)個の異なる空間
    周波数(U0,U1,…,UN)を有し、空間周波数がU0
    である正規化部分と、空間周波数がUk(k=1,2,3,…,
    N)である被正規化部分とを有し、請求項2に記載のamp
    (mU)をamp(Uk)にあてはめて、 ARTF(Uk)=amp(Uk)/amp(U0)、 を鮮鋭性評価指標とする、ことを特徴とする請求項2乃
    至請求項5のいずれかに記載の鮮鋭性評価方法。
  7. 【請求項7】 空間周波数Uを有する前記矩形波チャー
    ト像において、mを整数として、請求項2に記載のamp
    (Uk)を用いて、 ARTF((2m+1)U)=(2m+1)・amp((2m+1)
    U)/amp(U)、 を鮮鋭性評価指標とする、ことを特徴とする請求項5記
    載の鮮鋭性評価方法。
  8. 【請求項8】 空間周波数U0を有するチャート像にお
    いて算出された前記ARTFをARTF0、空間周波数
    U1=k・U0を有する前記鮮鋭性測定用チャート像にお
    いて算出された前記ARTFをARTF1、kおよびmを
    整数とするとき、 ARTF(m・U1) = ARTF0(U1)× ARTF1
    (m・U1)、 により鮮鋭性評価指標を算出して評価する、ことを特徴
    とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の鮮鋭性
    評価方法。
  9. 【請求項9】 前記矩形波チャート像は、ナイフエッジ
    チャート像を位置的に線対称となるように反転したチャ
    ート像を外挿することにより補完された矩形波チャート
    像である、ことを特徴とする請求項5あるいは7に記載
    された鮮鋭性評価方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の鮮
    鋭性評価方法を用いて鮮鋭性を評価する鮮鋭性評価手段
    を有することを特徴とする鮮鋭性評価装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至9のいずれかに記載の鮮
    鋭性評価方法を用いて鮮鋭性を評価するとき、2.0cy
    cle/mmで鮮鋭性が0.9以上である画像を記録する画
    像記録手段を備えた、ことを特徴とする画像記録装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至9のいずれかに記載の鮮
    鋭性評価方法を用いて鮮鋭性を評価するとき、5.0cy
    cle/mmで鮮鋭性が0.6以上である画像を記録する画
    像記録手段を備えた、ことを特徴とする画像記録装置。
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