JP2003032687A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

画像処理方法および装置

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JP2003032687A
JP2003032687A JP2001217387A JP2001217387A JP2003032687A JP 2003032687 A JP2003032687 A JP 2003032687A JP 2001217387 A JP2001217387 A JP 2001217387A JP 2001217387 A JP2001217387 A JP 2001217387A JP 2003032687 A JP2003032687 A JP 2003032687A
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JP2001217387A
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English (en)
Inventor
Giyouzo Akiyoshi
仰三 秋吉
Nobuo Akiyoshi
信雄 秋吉
Yoshihisa Shinagawa
嘉久 品川
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Monolith Co Ltd
Original Assignee
Monolith Co Ltd
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  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ圧縮率と画質の面で優れた画像符号化
・復号技術が望まれる。さらに、そうした技術が広く利
用される糸口も必要である。 【解決手段】 動画像サーバ800は画像符号化装置6
00を含む。画像符号化装置600は、動画像のキーフ
レーム間で特異点をベースとする画素マッチングにより
対応点情報を生成する。キーフレームと対応点情報によ
り、補間で中間フレームが生成でき、動画像が再生でき
る。コンテンツストレージ802には既存の符号化手法
によるデータが格納されている。画像符号化装置600
はこのデータの符号化形式を特異点ベースのものに変換
してネットワークへ送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像処理技術に
関し、とくに画像の符号化と復号に関する処理方法、装
置、システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ブロードバンド時代の到来とともに、通
信はさらに人々の日常生活に深く浸透することが期待さ
れている。この時代においてマルチメディア文化は真の
進展を遂げるであろうし、その中でもとりわけ動画の配
信はキーテクノロジーとなる。人間が外界から取得する
情報の量において、画像は音声の200倍の内容を伝達
できるといわれる。画像は娯楽用途にとどまらず、広く
人間の生活と文化を支えるソフトインフラとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】画像処理のひとつの常
用テーマはデータの圧縮にある。ブロードバンドという
ことばは、ともすればデータ圧縮技術を無用化するごと
き誤解を生むが、バンド幅の拡大と別に、実質的に同一
の画像情報をいかに少ないデータで表現または伝送する
かは、別次元の話である。
【0004】動画像の圧縮には、MPEG(Moving Pic
ture Experts Group)が事実上の世界標準であるが、圧
縮率の交換にブロック歪みが問題になる。MPEGをと
りまく状況はそれとしても、MPEGよりも画質と圧縮
率に秀でた画像処理の実現は、今後もつねに求められる
ことになる。この発明はこうした観点からなされたもの
であり、その目的は、圧縮率と画質の両立、さらには既
存技術のと親和性の高い画像処理技術の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のある態様は画像
処理方法に関する。この方法は、複数の画像フレームを
所定の手法で符号化した結果生じた第1の符号化データ
を取得する工程と、前記第1の符号化データを復号する
工程と、復号の結果得られた複数の画像フレームを、そ
れらの中で定められたキーフレーム間の対応点を記述す
る対応点ファイルを含む第2の符号化データへ変換する
工程とを含む。
【0006】以下、本明細書において「第1の符号化デ
ータ」およびそれに類する表現は、既存の符号化手法に
よる符号化データをいう。一方、「第2の符号化デー
タ」およびそれに類する表現は、本発明に特徴的な符号
化手法による符号化データをいう。
【0007】第2の符号化データを伝送用または記録用
のデータ形式であってもよく、その場合、伝送直前また
は記録直前の場面において第2の符号化データを生成し
てもよい。すなわち本発明は、本発明に特徴的な第2の
符号化を伝送または記録のために利用する一方、その符
号化データと既存の符号化の変換機能を備えることによ
り、既存の符号化手法によるデータをそのまま活かすも
のである。その結果、既存の画像データ資産、ハードウ
エアその他の資産を無駄にすることがない。
【0008】第2の符号化に、実施の形態で述べる「前
提技術」による画像マッチングを利用する場合、後述の
ごとく、データ圧縮率と画質の両面で優れた効果が確認
されている。したがって、第2の符号化が一般には画像
圧縮に必要かつ十分ともいえるが、新規の技術が市場に
浸透するひとつの方途として既存の技術との親和性を求
めたものである。
【0009】変換する工程は、キーフレームと対応点フ
ァイルから復号側にて復元されるべき中間フレーム(以
下仮想的な中間フレームという)と現実の中間フレーム
の差分に関する情報を第2の符号化データへ組み込んで
もよい。たとえば前提技術で対応点ファイルを生成した
とき、その精度は一般に高く、仮想的な中間フレームも
一般に現実の中間フレームに近くなる。したがって、そ
の差分は小さいことが期待でき、しかも一般にはゼロを
中心とする統計的な偏りがでるため、エントロピー符号
化による圧縮効果も期待できる。したがって「差分に関
する情報」は差分そのものでもよいし、それを圧縮等処
理したものでもよい。
【0010】変換する工程は、前記の所定の手法の表示
を第2の符号化データに組み入れてもよい。「所定の手
法」はたとえばMPEG(Moving Picture Experts Gro
up)のビデオパートによる圧縮である。それを表示すれ
ば、復号側が第2の符号化データを取得したとき、オリ
ジナルの符号化手法を知ることができる。そのため、そ
の形式に戻すことにより、データのロスレス/ロッシー
の性質は一旦おくとしても、最初の形式による符号化デ
ータを再現することができる。したがって、本発明に特
徴時な符号化を伝送の場面や記録の場面に特化して利用
する用途が増える。
【0011】なお、このとき前述の差分に関する情報を
第2の符号化データに組み込んでおけば、少なくとも第
2の符号化とその復号によるデータのロスはゼロにする
ことも可能であり、第1の符号化データを完全に再現す
ることも可能になる。
【0012】変換する工程は、前記の所定の手法に代え
て、指定された手法の表示を前記第2の符号化データに
組み入れてもよい。たとえば当初MPEGで符号化され
ていたデータを何らかの都合で別の形式に符号化しなお
す必要がある場合、第2の符号化データにてその符号化
を指定しておけば好都合である。
【0013】本発明の別の態様は、画像処理、とくに復
号の方法に関する。この方法は、複数の画像フレームの
中で定められたキーフレーム間の対応点を記述する対応
点ファイルを含む第2の符号化データを取得する工程
と、前記対応点ファイルを用いて補間計算を実行し前記
キーフレーム間の中間フレームを生成する工程と、前記
キーフレームおよび生成された中間フレームを含む複数
の画像フレームを所定の手法で符号化し、第1の符号化
データを生成する工程とを含む。中間フレームを生成す
る工程は、第2の符号化データに含まれる前記所定の手
法の表示を検出し、第1の符号化データを生成する工程
は検出された表示にしたがって符号化を行ってもよい。
【0014】本発明のさらに別の態様は、画像処理装置
に関する。この装置は符号化側に関するもので、複数の
画像フレームを所定の手法で符号化した結果生じた第1
の符号化データを取得する画像入力部と、前記第1の符
号化データを復号する復号部と、復号の結果得られた複
数の画像フレームを、それらの中で定められたキーフレ
ーム間の対応点を記述する対応点ファイルを含む第2の
符号化データへ変換する符号化部と、前記第2の符号化
データを出力するストリーム生成部とを含む。
【0015】本発明のさらに別の態様は、画像処理装置
に関する。この装置は復号側に関するもので、複数の画
像フレームの中で定められたキーフレーム間の対応点を
記述する対応点ファイルを含む第2の符号化データを取
得する画像入力部と、前記対応点ファイルを用いて補間
計算を実行し前記キーフレーム間の中間フレームを生成
する中間画像生成部と、前記キーフレームおよび生成さ
れた中間フレームを含む複数の画像フレームを所定の手
法で符号化し、第1の符号化データを生成する符号化部
とを含む。
【0016】本発明のさらに別の態様は、画像処理シス
テムに関する。このシステムは動画像のサーバとクライ
アントを含み、サーバは、所定の手法で符号化された動
画像に関する第1の符号化データを取得し、これを所定
のキーフレーム間の対応点を記述する対応点ファイルを
含む第2の符号化データへ変換して出力する。一方、ク
ライアントは、第2の符号化データを取得し、これを復
号して再生する。
【0017】クライアントは、第2の符号化データを第
1の符号化データへ変換したうえでこれを保存してもよ
いし、第2の符号化データを当該クライアントにて再生
可能な画像形式へ変換したうえでこれを再生してもよ
い。
【0018】以上の態様のいくつかで触れた「ポリゴン
をもちいたマッチング」は、キーフレームの一方(第1
画像ともいう)上に設けられたメッシュの格子点に対応
するキーフレームの他方(第2画像ともいう)上の点を
画像マッチングによって検出する工程と、その結果をも
とに、第1画像上のメッシュを構成する起点ポリゴン
に、第2画像上にて対応する終点ポリゴンを定義する工
程とを含む。
【0019】検出する工程は、第1画像と第2画像の間
で画素単位のマッチング計算を行ってもよい。この計算
は、全画素について行ってもよいし、格子点のみ、また
は格子点とそれに関連する画素について行ってもよい。
検出する工程は、第1画像について二次元的な探索を行
って検出した特異点と、第2画像について二次元的な探
索を行って検出した特異点との対応をもとに画素単位の
マッチング計算を行ってもよい。この場合さらに、検出
する工程は、第1画像と第2画像を、それぞれ特異点を
抽出することによって多重解像度化したうえで、同一解
像度レベル間で画像単位のマッチング計算を行い、その
結果を異なる解像度レベルにおけるマッチング計算に継
承しながら、最終的に最も解像度の細かいレベルにおけ
る画素単位の対応関係を取得してもよい。
【0020】定義する工程は、起点ポリゴンと終点ポリ
ゴンの対応関係を対応点ファイルに出力し、このファイ
ルを第1画像および第2画像と関連づけて保持してもよ
い。また本発明は、対応点ファイルを利用し、第1画像
と第2画像の中間画像をポリゴン単位の補間計算にて生
成する工程をさらに含んでもよい。
【0021】第1、第2画像がそれぞれn×m画素を有
する場合、それらの画素単位の対応をそのまま記述する
と、(n×m)という組合せが生じ、対応点ファイル
が膨大なデータ量になる。しかし、これを格子点どうし
の対応関係、または実質的に同じことであるが、格子点
で決まるポリゴンどうしの対応関係を記述することに改
めることでデータ量が大幅に減る。
【0022】一方、第1、第2画像およびこの対応点フ
ァイルがあれば、補間計算で中間画像が生成できる。し
たがって、本発明は画像処理でいうモーフィングを実現
する。第1、第2画像をともに動画の中のフレームと考
えれば、本発明はモーフィングではなく、動画の圧縮技
術と把握できる。したがって、第1、第2画像および対
応点ファイルのみを保有すれば、動画を再現でき、動画
の伝送、ストレージ等において大きな効果を発揮する。
【0023】なお、本発明は前提技術を必須とはしな
い。また、以上の各構成、工程を任意に入れ替えたり、
方法と装置の間で表現を一部または全部入れ替え、また
は追加したり、表現をコンピュータプログラム、記録媒
体等に変更したものもまた、本発明として有効である。
【0024】
【発明の実施の形態】はじめに、実施の形態で利用する
多重解像度特異点フィルタ技術とそれを用いた画像マッ
チング処理を「前提技術」として詳述する。これらの技
術は本出願人がすでに特許第2927350号を得てい
る技術であり、本発明との組合せに最適である。本発明
では、画像上にメッシュを設け、その格子点によって多
数の画素を代表されるため、もともと前提技術のような
画素単位のマッチング技術に対する適用効果が高いため
である。ただし、実施の形態で採用可能な画像マッチン
グ技術はこれに限られない。
【0025】図18以降、前提技術を利用した画像デー
タ符号化および復号技術を具体的に説明する。 [前提技術の背景]ふたつの画像の自動的なマッチング、
つまり画像領域や画素どうしの対応付けは、コンピュー
タビジョンやコンピュータグラフィックスにおける最も
難しくかつ重要なテーマのひとつである。例えば、ある
オブジェクトに関して異なる視点からの画像間でマッチ
ングがとれれば、他の視点からの画像を生成することが
できる。右目画像と左目画像のマッチングが計算できれ
ば、立体画像を用いた写真測量も可能である。顔の画像
のモデルと他の顔の画像のマッチングがとれたとき、
目、鼻、口といった特徴的な顔の部分を抽出することが
できる。例えば人の顔と猫の顔の画像間でマッチングが
正確にとられたとき、それらの中割画像を自動的に生成
することでモーフィングを完全自動化することができ
る。
【0026】しかし従来一般に、ふたつの画像間の対応
点は人がいちいち指定しなければならず、多大な作業工
数を要した。この問題を解消するために数多くの対応点
自動検出方法が提案されている。例えば、エピポーラ直
線を用いることによって対応点の候補の数を減らす考え
がある。しかし、その場合でも処理はきわめて複雑であ
る。複雑さを低減するために、左目画像の各点の座標は
通常右目画像でもほぼ同じ位置にあると想定される。し
かし、こうした制約を設けると、大域的特徴及び局所的
特徴を同時に満たすマッチングをとることは非常に困難
になる。
【0027】ボリュームレンダリングでは、ボクセルを
構成するために一連の断面画像が用いられる。この場
合、従来一般に、上方の断面画像における画素が下方の
断面画像の同一箇所にある画素と対応すると仮定され、
これらの画素のペアが内挿計算に用いられる。このよう
にきわめて単純な方法を用いるため、連続する断面間の
距離が遠く、オブジェクトの断面形状が大きく変化する
場合、ボリュームレンダリングで構築されたオブジェク
トは不明瞭になりがちである。
【0028】立体写真測量法など、エッジの検出を利用
するマッチングアルゴリズムも多い。しかしこの場合、
結果的に得られる対応点の数が少ないため、マッチング
のとれた対応点間のギャップを埋めるべく、ディスパリ
ティの値を内挿計算しなければならない。一般にあらゆ
るエッジ検出器は、それらが用いる局所的なウィンドウ
の中で画素の輝度が変化したとき、これが本当にエッジ
の存在を示唆するかどうかを判断することが難しい。エ
ッジ検出器は、本来的にすべてハイパスフィルタであ
り、エッジと同時にノイズも拾ってしまう。
【0029】さらに別の手法として、オプティカルフロ
ーが知られている。二枚の画像が与えられたとき、オプ
ティカルフローでは画像内のオブジェクト(剛体)の動
きを検出する。その際、オブジェクトの各画素の輝度は
変化しないと仮定する。オプティカルフローでは例えば
(u,v)のベクトル場の滑らかさといった、いくつか
の付加的な条件とともに、各画素の動きベクトル(u,
v)を計算する。しかし、オプティカルフローでは画像
間の大域的な対応関係を検出することはできない。画素
の輝度の局所的な変化に注目するのみであり、画像の変
位が大きい場合、システムの誤差は顕著になる。
【0030】画像の大域的な構造を認識するために、多
重解像度フィルタも数多く提案されてきた。それらは線
形フィルタと非線形フィルタに分類される。前者の例と
してウェーブレットがあるが、線形フィルタは一般に、
画像マッチングにはさして有用ではない。なぜなら、極
値をとる画素の輝度に関する情報がそれらの位置情報と
ともに次第に不鮮明になるためである。図1(a)と図
1(b)は顔の画像に対して平均化フィルタを適用した
結果を示している。同図のごとく、極値をとる画素の輝
度が平均化によって次第に薄れるとともに、位置も平均
化の影響でシフトしていく。その結果、目(輝度の極小
点)の輝度や位置の情報は、このような粗い解像度レベ
ルで曖昧になり、この解像度では正しいマッチングを計
算することができない。したがって、粗い解像度レベル
を設けるのが大域的なマッチングのためでありながら、
ここで得られたマッチングは画像の本当の特徴(目、つ
まり極小点)に正確に対応しない。より精細な解像度レ
ベルで目が鮮明に現れたとしても、大域的なマッチング
をとる際に混入した誤差は、もはや取り返しがつかな
い。入力画像にスムージング処理を加えることにより、
テクスチャ領域のステレオ情報が落ちてしまうこともす
でに指摘されている。
【0031】一方、最近地形学の分野で利用されはじめ
た非線形フィルタとして一次元の「ふるい(sieve)」
演算子がある。この演算子は、所定の大きさの一次元ウ
ィンドウ内の極小値(または極大値)を選択することに
より、縮尺と空間の因果関係を保存しながら画像にスム
ージング処理を加える。その結果得られる画像は元の画
像と同じ大きさであるが、小さな波の成分が取り除かれ
ているため、より単純になる。画像の情報を落とすとい
う点で、この演算子は広い意味での「多重解像度フィル
タ」に分類することはできるが、実際にはウェーブレッ
トのように画像の解像度を変えながら画像を階層化する
わけではなく(つまり狭い意味での多重解像度フィルタ
ではなく)、画像間の対応の検出には利用できない。 [前提技術が解決しようとする課題]以上をまとめれば以
下の課題が認められる。 1.画像の特徴を正確に、かつ比較的簡単な処理で把握
する画像処理方法が乏しかった。特に、特徴のある点に
関する情報、例えば画素値や位置を維持しながら特徴を
抽出できる画像処理方法に関する有効な提案が少なかっ
た。 2.画像の特徴をもとに対応点を自動検出する場合、一
般に処理が複雑であるか、ノイズ耐性が低いなどの欠点
があった。また、処理に際していろいろな制約を設ける
必要があり、大域的特徴及び局所的特徴を同時に満たす
マッチングをとることが困難だった。 3.画像の大域的な構造または特徴を認識するために多
重解像度フィルタを導入しても、そのフィルタが線形フ
ィルタの場合、画素の輝度情報と位置情報が曖昧になっ
た。その結果、対応点の把握が不正確になりやすかっ
た。非線形フィルタである一次元ふるい演算子は画像を
階層化しないため、画像間の対応点の検出には利用でき
なかった。 4.これらの結果、対応点を正しく把握しようとすれ
ば、結局人手による指定に頼るほか有効な手だてがなか
った。
【0032】本発明はこれらの課題の解決を目的として
なされたものであり、画像処理の分野において、画像の
特徴の的確な把握を可能にする技術を提供するものであ
る。
【0033】[前提技術が課題を解決するための手段]こ
の目的のために本発明のある態様は、新たな多重解像度
の画像フィルタを提案する。この多重解像度フィルタは
画像から特異点を抽出する。したがって、特異点フィル
タともよばれる。特異点とは画像上特徴をもつ点をい
う。例として、ある領域において画素値(画素値とは、
色番号、輝度値など画像または画素に関する任意の数値
を指す)が最大になる極大点、最小になる極小点、ある
方向については最大だが別の方向については最小になる
ような鞍点がある。特異点は位相幾何学上の概念であっ
てもよい。ただし、その他どのような特徴を有してもよ
い。いかなる性質の点を特異点と考えるかは、本発明に
とって本質問題ではない。
【0034】この態様では、多重解像度フィルタを用い
た画像処理が行われる。まず検出工程において、第一の
画像に対し、二次元的な探索を行って特異点が検出され
る。つぎに生成工程において、検出された特異点を抽出
して第一の画像よりも解像度の低い第二の画像が生成さ
れる。第二の画像には第一の画像のもつ特異点が引き継
がれる。第二の画像は第一の画像よりも解像度が低いた
め、画像の大域的な特徴の把握に好適である。
【0035】本発明の別の態様は特異点フィルタを用い
た画像マッチング方法に関する。この態様では、始点画
像と終点画像間のマッチングがとられる。始点画像およ
び終点画像とは、ふたつの画像の区別のために便宜的に
与えた名称であり、本質的な違いはない。
【0036】この態様では、第一工程にて、始点画像に
特異点フィルタを施して解像度の異なる一連の始点階層
画像が生成される。第二工程では、終点画像に特異点フ
ィルタを施して解像度の異なる一連の終点階層画像が生
成される。始点階層画像、終点階層画像とは、それぞれ
始点画像、終点画像を階層化して得られる画像群をい
い、それぞれ最低2枚の画像からなる。つぎに第三工程
において、始点階層画像と終点階層画像のマッチングが
解像度レベルの階層の中で計算される。この態様によれ
ば、多重解像度フィルタによって特異点に関連する画像
の特徴が抽出され、および/または明確化されるため、
マッチングが容易になる。マッチングのための拘束条件
は特に必要としない。
【0037】本発明のさらに別の態様も始点画像と終点
画像のマッチングに関する。この態様では、予め複数の
マッチング評価項目のそれぞれに関して評価式を設け、
それらの評価式を統合して総合評価式を定義し、その総
合評価式の極値付近に注目して最適マッチングを探索す
る。総合評価式は、評価式の少なくもひとつに係数パラ
メータを掛けたうえでそれらの評価式の総和として定義
してもよく、その場合、総合評価式またはいずれかの評
価式がほぼ極値をとる状態を検出して前記パラメータを
決定してもよい。「極値付近」または「ほぼ極値をと
る」としたのは、多少誤差を含んでいてもよいためであ
る。多少の誤差は本発明にはさして問題とならない。
【0038】極値自体も前記パラメータに依存するた
め、極値の挙動、つまり極値の変化の様子をもとに、最
適と考えられるパラメータを決定する余地が生じる。こ
の態様はその事実を利用している。この態様によれば、
元来調整の困難なパラメータの決定を自動化する途が拓
かれる。
【0039】[前提技術の実施の形態]最初に[1]で前
提技術の要素技術の詳述し、[2]で処理手順を具体的
に説明する。さらに[3]で実験の結果を報告する。
【0040】[1]要素技術の詳細 [1.1]イントロダクション 特異点フィルタと呼ばれる新たな多重解像度フィルタを
導入し、画像間のマッチングを正確に計算する。オブジ
ェクトに関する予備知識は一切不要である。画像間のマ
ッチングの計算は、解像度の階層を進む間、各解像度に
おいて計算される。その際、粗いレベルから精細なレベ
ルへと順に解像度の階層を辿っていく。計算に必要なパ
ラメータは、人間の視覚システムに似た動的計算によっ
て完全に自動設定される。画像間の対応点を人手で特定
する必要はない。
【0041】本前提技術は、例えば完全に自動的なモー
フィング、物体認識、立体写真測量、ボリュームレンダ
リング、少ないフレームからの滑らかな動画像の生成な
どに応用できる。モーフィングに用いる場合、与えられ
た画像を自動的に変形することができる。ボリュームレ
ンダリングに用いる場合、断面間の中間的な画像を正確
に再構築することができる。断面間の距離が遠く、断面
の形状が大きく変化する場合でも同様である。
【0042】[1.2]特異点フィルタの階層 前提技術に係る多重解像度特異点フィルタは、画像の解
像度を落としながら、しかも画像に含まれる各特異点の
輝度及び位置を保存することができる。ここで画像の幅
をN、高さをMとする。以下簡単のため、N=M=2n
(nは自然数)と仮定する。また、区間[0,N]⊂R
をIと記述する。(i,j)における画像の画素をp
(i,j)と記述する(i,j∈I)。
【0043】ここで多重解像度の階層を導入する。階層
化された画像群は多重解像度フィルタで生成される。多
重解像度フィルタは、もとの画像に対して二次元的な探
索を行って特異点を検出し、検出された特異点を抽出し
てもとの画像よりも解像度の低い別の画像を生成する。
ここで第mレベルにおける各画像のサイズは2m×2m
(0≦m≦n)とする。特異点フィルタは次の4種類の
新たな階層画像をnから下がる方向で再帰的に構築す
る。
【0044】
【数1】 ただしここで、
【0045】
【数2】 とする。以降これら4つの画像を副画像(サブイメー
ジ)と呼ぶ。min x≦t ≦x+1、max x≦t≦x+1
それぞれα及びβと記述すると、副画像はそれぞれ以下
のように記述できる。
【0046】 P(m,0)=α(x)α(y)p(m+1,0) P(m,1)=α(x)β(y)p(m+1,1) P(m,2)=β(x)α(y)p(m+1,2) P(m,3)=β(x)β(y)p(m+1,3) すなわち、これらはαとβのテンソル積のようなものと
考えられる。副画像はそれぞれ特異点に対応している。
これらの式から明らかなように、特異点フィルタはもと
の画像について2×2画素で構成されるブロックごとに
特異点を検出する。その際、各ブロックのふたつの方
向、つまり縦と横について、最大画素値または最小画素
値をもつ点を探索する。画素値として、前提技術では輝
度を採用するが、画像に関するいろいろな数値を採用す
ることができる。ふたつの方向の両方について最大画素
値となる画素は極大点、ふたつの方向の両方について最
小画素値となる画素は極小点、ふたつの方向の一方につ
いて最大画素値となるとともに、他方について最小画素
値となる画素は鞍点として検出される。
【0047】特異点フィルタは、各ブロックの内部で検
出された特異点の画像(ここでは1画素)でそのブロッ
クの画像(ここでは4画素)を代表させることにより、
画像の解像度を落とす。特異点の理論的な観点からすれ
ば、α(x)α(y)は極小点を保存し、β(x)β
(y)は極大点を保存し、α(x)β(y)及びβ
(x)α(y)は鞍点を保存する。
【0048】はじめに、マッチングをとるべき始点(ソ
ース)画像と終点(デスティネーション)画像に対して
別々に特異点フィルタ処理を施し、それぞれ一連の画像
群、すなわち始点階層画像と終点階層画像を生成してお
く。始点階層画像と終点階層画像は、特異点の種類に対
応してそれぞれ4種類ずつ生成される。
【0049】この後、一連の解像度レベルの中で始点階
層画像と終点階層画像のマッチングがとれらていく。ま
ずp(m,0)を用いて極小点のマッチングがとられ
る。次に、その結果に基づき、p(m,1)を用いて鞍
点のマッチングがとられ、p(m,2)を用いて他の鞍
点のマッチングがとられる。そして最後にp(m,3)
を用いて極大点のマッチングがとられる。
【0050】図1(c)と図1(d)はそれぞれ図1
(a)と図1(b)の副画像p(5,0)を示してい
る。同様に、図1(e)と図1(f)はp(5,1)、
図1(g)と図1(h)はp(5,2)、図1(i)と
図1(j)はp(5,3)をそれぞれ示している。これ
らの図からわかるとおり、副画像によれば画像の特徴部
分のマッチングが容易になる。まずp(5,0)によっ
て目が明確になる。目は顔の中で輝度の極小点だからで
ある。p(5,1)によれば口が明確になる。口は横方
向で輝度が低いためである。p(5,2)によれば首の
両側の縦線が明確になる。最後に、p(5,3)によっ
て耳や頬の最も明るい点が明確になる。これらは輝度の
極大点だからである。
【0051】特異点フィルタによれば画像の特徴が抽出
できるため、例えばカメラで撮影された画像の特徴と、
予め記録しておいたいくつかのオブジェクトの特徴を比
較することにより、カメラに映った被写体を識別するこ
とができる。
【0052】[1.3]画像間の写像の計算 始点画像の位置(i,j)の画素をp(n)(i,j)
と書き、同じく終点画像の位置(k,l)の画素をq
(n)(k,l)で記述する。i,j,k,l∈Iとす
る。画像間の写像のエネルギー(後述)を定義する。こ
のエネルギーは、始点画像の画素の輝度と終点画像の対
応する画素の輝度の差、及び写像の滑らかさによって決
まる。最初に最小のエネルギーを持つp(m,0)とq
(m,0)間の写像f(m,0):p(m,0)→q
(m,0)が計算される。f(m,0)に基づき、最小
エネルギーを持つp(m,1)、q(m,1)間の写像
f(m,1)が計算される。この手続は、p(m,3)
とq(m,3)の間の写像f(m,3)の計算が終了す
るまで続く。各写像f(m,i)(i=0,1,2,
…)を副写像と呼ぶことにする。f(m,i)の計算の
都合のために、iの順序は次式のように並べ替えること
ができる。並べ替えが必要な理由は後述する。
【0053】
【数3】 ここでσ(i)∈{0,1,2,3}である。
【0054】[1.3.1]全単射 始点画像と終点画像の間のマッチングを写像で表現する
場合、その写像は両画像間で全単射条件を満たすべきで
ある。両画像に概念上の優劣はなく、互いの画素が全射
かつ単射で接続されるべきだからである。しかしながら
通常の場合とは異なり、ここで構築すべき写像は全単射
のディジタル版である。前提技術では、画素は格子点に
よって特定される。
【0055】始点副画像(始点画像について設けられた
副画像)から終点副画像(終点画像について設けられた
副画像)への写像は、f(m,s):I/2n−m×I
/2n−m→I/2n−m×I/2n−m(s=0,
1,…)によって表される。ここで、f(m,s)
(i,j)=(k,l)は、始点画像のp(m,s)
(i,j)が終点画像のq(m,s)(k,l)に写像
されることを意味する。簡単のために、f(i,j)=
(k,l)が成り立つとき画素q(k,l)をqf
(i,j)と記述する。
【0056】前提技術で扱う画素(格子点)のようにデ
ータが離散的な場合、全単射の定義は重要である。ここ
では以下のように定義する(i,i’,j,j’,k,
lは全て整数とする)。まず始めに、始点画像の平面に
おいてRによって表記される各正方形領域、
【0057】
【数4】 を考える(i=0,…,2m−1、j=0,…,2m−
1)。ここでRの各辺(エッジ)の方向を以下のように
定める。
【0058】
【数5】 この正方形は写像fによって終点画像平面における四辺
形に写像されなければならない。f(m,s)(R)に
よって示される四辺形、
【0059】
【数6】 は、以下の全単射条件を満たす必要がある。
【0060】1.四辺形f(m,s)(R)のエッジは
互いに交差しない。 2.f(m,s)(R)のエッジの方向はRのそれらに
等しい(図2の場合、時計回り)。 3.緩和条件として収縮写像(リトラクション:retrac
tions)を許す。
【0061】何らかの緩和条件を設けないかぎり、全単
射条件を完全に満たす写像は単位写像しかないためであ
る。ここではf(m,s)(R)のひとつのエッジの長
さが0、すなわちf(m,s)(R)は三角形になって
もよい。しかし、面積が0となるような図形、すなわち
1点または1本の線分になってはならない。図2(R)
がもとの四辺形の場合、図2(A)と図2(D)は全単
射条件を満たすが、図2(B)、図2(C)、図2
(E)は満たさない。
【0062】実際のインプリメンテーションでは、写像
が全射であることを容易に保証すべく、さらに以下の条
件を課してもよい。つまり始点画像の境界上の各画素
は、終点画像において同じ位置を占める画素に写影され
るというものである。すなわち、f(i,j)=(i,
j)(ただしi=0,i=2m−1,j=0,j=2m
−1の4本の線上)である。この条件を以下「付加条
件」とも呼ぶ。
【0063】[1.3.2]写像のエネルギー [1.3.2.1]画素の輝度に関するコスト 写像fのエネルギーを定義する。エネルギーが最小にな
る写像を探すことが目的である。エネルギーは主に、始
点画像の画素の輝度とそれに対応する終点画像の画素の
輝度の差で決まる。すなわち、写像f(m,s)の点
(i,j)におけるエネルギーC(m,s)(i,j)
は次式によって定まる。
【0064】
【数7】 ここで、V(p(m,s)(i,j))及びV(q
(m,s)f(i,j))はそれぞれ画素p(m,s)
(i,j)及びq(m,s)f(i,j)の輝度であ
る。fのトータルのエネルギーC(m,s)は、マッチ
ングを評価するひとつの評価式であり、つぎに示すC
(m,s)(i,j)の合計で定義できる。
【0065】
【数8】 [1.3.2.2]滑らかな写像のための画素の位置に
関するコスト 滑らかな写像を得るために、写像に関する別のエネルギ
ーDfを導入する。このエネルギーは画素の輝度とは関
係なく、p(m,s)(i,j)およびq(m,s)f
(i,j)の位置によって決まる(i=0,…,2m−
1,j=0,…,2m−1)。点(i,j)における写
像f(m,s)のエネルギーD(m,s)(i,j)は
次式で定義される。
【0066】
【数9】 ただし、係数パラメータηは0以上の実数であり、ま
た、
【0067】
【数10】
【0068】
【数11】 とする。ここで、
【0069】
【数12】 であり、i’<0およびj’<0に対してf(i’,
j’)は0と決める。E0は(i,j)及びf(i,
j)の距離で決まる。E0は画素があまりにも離れた画
素へ写影されることを防ぐ。ただしE0は、後に別のエ
ネルギー関数で置き換える。E1は写像の滑らかさを保
証する。E1は、p(i,j)の変位とその隣接点の変
位の間の隔たりを表す。以上の考察をもとに、マッチン
グを評価する別の評価式であるエネルギーDfは次式で
定まる。
【0070】
【数13】 [1.3.2.3]写像の総エネルギー 写像の総エネルギー、すなわち複数の評価式の統合に係
る総合評価式はλC(m,s)f+D(m,s)fで定
義される。ここで係数パラメータλは0以上の実数であ
る。目的は総合評価式が極値をとる状態を検出するこ
と、すなわち次式で示す最小エネルギーを与える写像を
見いだすことである。
【0071】
【数14】 λ=0及びη=0の場合、写像は単位写像になることに
注意すべきである(すなわち、全てのi=0,…,2m
−1及びj=0,…,2m−1に対してf(m,s)
(i,j)=(i,j)となる)。後述のごとく、本前
提技術では最初にλ=0及びη=0の場合を評価するた
め、写像を単位写像から徐々に変形していくことができ
る。仮に総合評価式のλの位置を変えてC(m,s)f
+λD(m,s)fと定義したとすれば、λ=0及びη
=0の場合に総合評価式がC(m,s)fだけになり、
本来何等関連のない画素どうしが単に輝度が近いという
だけで対応づけられ、写像が無意味なものになる。そう
した無意味な写像をもとに写像を変形していってもまっ
たく意味をなさない。このため、単位写像が評価の開始
時点で最良の写像として選択されるよう係数パラメータ
の与えかたが配慮されている。
【0072】オプティカルフローもこの前提技術同様、
画素の輝度の差と滑らかさを考慮する。しかし、オプテ
ィカルフローは画像の変換に用いることはできない。オ
ブジェクトの局所的な動きしか考慮しないためである。
前提技術に係る特異点フィルタを用いることによって大
域的な対応関係を検出することができる。
【0073】[1.3.3]多重解像度の導入による写
像の決定 最小エネルギーを与え、全単射条件を満足する写像fm
inを多重解像度の階層を用いて求める。各解像度レベ
ルにおいて始点副画像及び終点副画像間の写像を計算す
る。解像度の階層の最上位(最も粗いレベル)からスタ
ートし、各解像度レベルの写像を、他のレベルの写像を
考慮に入れながら決定する。各レベルにおける写像の候
補の数は、より高い、つまりより粗いレベルの写像を用
いることによって制限される。より具体的には、あるレ
ベルにおける写像の決定に際し、それよりひとつ粗いレ
ベルにおいて求められた写像が一種の拘束条件として課
される。
【0074】まず、
【0075】
【数15】 が成り立つとき、p(m−1,s)(i’,j’)、q
(m−1,s)(i’,j’)をそれぞれp(m,s)
(i,j)、q(m,s)(i,j)のparentと
呼ぶことにする。[x]はxを越えない最大整数であ
る。またp(m,s)(i,j)、q(m,s)(i,
j)をそれぞれp(m−1,s)(i’,j’)、q
(m−1,s)(i’,j’)のchildと呼ぶ。関
数parent(i,j)は次式で定義される。
【0076】
【数16】 p(m,s)(i,j)とq(m,s)(k,l)の間
の写像f(m,s)は、エネルギー計算を行って最小に
なったものを見つけることで決定される。f(m,s)
(i,j)=(k,l)の値はf(m−1,s)(m=
1,2,…,n)を用いることによって、以下のように
決定される。まず、q(m,s)(k,l)は次の四辺
形の内部になければならないという条件を課し、全単射
条件を満たす写像のうち現実性の高いものを絞り込む。
【0077】
【数17】 ただしここで、
【0078】
【数18】 である。こうして定めた四辺形を、以下p(m,s)
(i,j)の相続(inherited)四辺形と呼ぶことにす
る。相続四辺形の内部において、エネルギーを最小にす
る画素を求める。
【0079】図3は以上の手順を示している。同図にお
いて、始点画像のA,B,C,Dの画素は、第m−1レ
ベルにおいてそれぞれ終点画像のA’,B’,C’,
D’へ写影される。画素p(m,s)(i,j)は、相
続四辺形A’B’C’D’の内部に存在する画素q
(m,s)f(m)(i,j)へ写影されなければなら
ない。以上の配慮により、第m−1レベルの写像から第
mレベルの写像への橋渡しがなされる。
【0080】先に定義したエネルギーE0は、第mレベ
ルにおける副写像f(m,0)を計算するために、次式
に置き換える。
【0081】
【数19】 また、副写像f(m,s)を計算するためには次式を用
いる。
【0082】
【数20】 こうしてすべての副写像のエネルギーを低い値に保つ写
像が得られる。式20により、異なる特異点に対応する
副写像が、副写像どうしの類似度が高くなるように同一
レベル内で関連づけられる。式19は、f(m,s)
(i,j)と、第m−1レベルの画素の一部と考えた場
合の(i,j)が射影されるべき点の位置との距離を示
している。
【0083】仮に、相続四辺形A’B’C’D’の内部
に全単射条件を満たす画素が存在しない場合は以下の措
置をとる。まず、A’B’C’D’の境界線からの距離
がL(始めはL=1)である画素を調べる。それらのう
ち、エネルギーが最小になるものが全単射条件を満たせ
ば、これをf(m,s)(i,j)の値として選択す
る。そのような点が発見されるか、またはLがその上限
のL(m)maxに到達するまで、Lを大きくしてい
く。L(m)maxは各レベルmに対して固定である。
そのような点が全く発見されない場合、全単射の第3の
条件を一時的に無視して変換先の四辺形の面積がゼロに
なるような写像も認め、f(m,s)(i,j)を決定
する。それでも条件を満たす点が見つからない場合、つ
ぎに全単射の第1及び第2条件を外す。
【0084】多重解像度を用いる近似法は、写像が画像
の細部に影響されることを回避しつつ、画像間の大域的
な対応関係を決定するために必須である。多重解像度に
よる近似法を用いなければ、距離の遠い画素間の対応関
係を見いだすことは不可能である。その場合、画像のサ
イズはきわめて小さなものに限定しなければならず、変
化の小さな画像しか扱うことができない。さらに、通常
写像に滑らかさを要求するため、そうした画素間の対応
関係を見つけにくくしている。距離のある画素から画素
への写像のエネルギーは高いためである。多重解像度を
用いた近似法によれば、そうした画素間の適切な対応関
係を見いだすことができる。それらの距離は、解像度の
階層の上位レベル(粗いレベル)において小さいためで
ある。
【0085】[1.4]最適なパレメータ値の自動決定 既存のマッチング技術の主な欠点のひとつに、パレメー
タ調整の困難さがある。大抵の場合、パラメータの調整
は人手作業によって行われ、最適な値を選択することは
きわめて難しい。前提技術に係る方法によれば、最適な
パラメータ値を完全に自動決定することができる。
【0086】前提技術に係るシステムはふたつのパレメ
ータ、λ及びηを含む。端的にいえば、λは画素の輝度
の差の重みであり、ηは写像の剛性を示している。これ
らのパラメータの値は初期値が0であり、まずη=0に
固定してλを0から徐々に増加させる。λの値を大きく
しながら、しかも総合評価式(式14)の値を最小にす
る場合、各副写像に関するC(m,s)fの値は一般に
小さくなっていく。このことは基本的にふたつの画像が
よりマッチしなければならないことを意味する。しか
し、λが最適値を超えると以下の現象が発生する。
【0087】1.本来対応すべきではない画素どうし
が、単に輝度が近いというだけで誤って対応づけられ
る。 2.その結果、画素どうしの対応関係がおかしくなり、
写像がくずれはじめる。
【0088】3.その結果、式14においてD(m,
s)fが急激に増加しようとする。 4.その結果、式14の値が急激に増加しようとするた
め、D(m,s)fの急激な増加を抑制するようf
(m,s)が変化し、その結果C(m,s)fが増加す
る。 したがって、λを増加させながら式14が最小値をとる
という状態を維持しつつC(m,s)fが減少から増加
に転じる閾値を検出し、そのλをη=0における最適値
とする。つぎにηを少しづつ増やしてC(m,s)fの
挙動を検査し、後述の方法でηを自動決定する。そのη
に対応してλも決まる。
【0089】この方法は、人間の視覚システムの焦点機
構の動作に似ている。人間の視覚システムでは、一方の
目を動かしながら左右両目の画像のマッチングがとられ
る。オブジェクトがはっきりと認識できるとき、その目
が固定される。
【0090】[1.4.1]λの動的決定 λは0から所定の刻み幅で増加されていき、λの値が変
わる度に副写像が評価される。式14のごとく、総エネ
ルギーはλC(m,s)f+D(m,s)fによって定
義される。式9のD(m,s)fは滑らかさを表すもの
で、理論的には単位写像の場合に最小になり、写像が歪
むほどE0もE1も増加していく。E1は整数であるか
ら、D(m,s)fの最小刻み幅は1である。このた
め、現在のλC(m,s)(i,j)の変化(減少量)
が1以上でなければ、写像を変化させることによって総
エネルギーを減らすことはできない。なぜなら、写像の
変化に伴ってD(m,s)fは1以上増加するため、λ
C(m,s)(i,j)が1以上減少しない限り総エネ
ルギーは減らないためである。
【0091】この条件のもと、λの増加に伴い、正常な
場合にC(m,s)(i,j)が減少することを示す。
C(m,s)(i,j)のヒストグラムをh(l)と記
述する。h(l)はエネルギーC(m,s)(i,j)
がl2である画素の数である。λl2≧1が成り立つた
めに、例えばl2=1/λの場合を考える。λがλ1か
らλ2まで微小量変化するとき、
【0092】
【数21】 で示されるA個の画素が、
【0093】
【数22】 のエネルギーを持つより安定的な状態に変化する。ここ
では仮に、これらの画素のエネルギーがすべてゼロにな
ると近似している。この式はC(m,s)fの値が、
【0094】
【数23】 だけ変化することを示し、その結果、
【0095】
【数24】 が成立する。h(l)>0であるから、通常C(m,
s)fは減少する。しかし、λが最適値を越えようとす
るとき、上述の現象、つまりC(m,s)fの増加が発
生する。この現象を検出することにより、λの最適値を
決定する。
【0096】なお、H(h>0)及びkを定数とすると
き、
【0097】
【数25】 と仮定すれば、
【0098】
【数26】 が成り立つ。このときk≠−3であれば、
【0099】
【数27】 となる。これがC(m,s)fの一般式である(Cは定
数)。
【0100】λの最適値を検出する際、さらに安全を見
て、全単射条件を破る画素の数を検査してもよい。ここ
で各画素の写像を決定する際、全単射条件を破る確率を
p0と仮定する。この場合、
【0101】
【数28】 が成立しているため、全単射条件を破る画素の数は次式
の率で増加する。
【0102】
【数29】 従って、
【0103】
【数30】 は定数である。仮にh(l)=Hlkを仮定するとき、
例えば、
【0104】
【数31】 は定数になる。しかしλが最適値を越えると、上の値は
急速に増加する。この現象を検出し、B0λ3/2+k
/2/2mの値が異常値B0thresを越えるかどう
かを検査し、λの最適値を決定することができる。同様
に、B1λ3/2+k/2/2mの値が異常値B1th
resを越えるかどうかを検査することにより、全単射
の第3の条件を破る画素の増加率B1を確認する。ファ
クター2mを導入する理由は後述する。このシステムは
これら2つの閾値に敏感ではない。これらの閾値は、エ
ネルギーC(m,s)fの観察では検出し損なった写像
の過度の歪みを検出するために用いることができる。
【0105】なお実験では、副写像f(m,s)を計算
する際、もしλが0.1を越えたらf(m,s)の計算
は止めてf(m,s+1)の計算に移行した。λ>0.
1のとき、画素の輝度255レベル中のわずか「3」の
違いが副写像の計算に影響したためであり、λ>0.1
のとき正しい結果を得ることは困難だったためである。
【0106】[1.4.2]ヒストグラムh(l) C(m,s)fの検査はヒストグラムh(l)に依存し
ない。全単射及びその第3の条件の検査の際、h(l)
に影響を受けうる。実際に(λ,C(m,s)f)をプ
ロットすると、kは通常1付近にある。実験ではk=1
を用い、B0λ2とB1λ2を検査した。仮にkの本当
の値が1未満であれば、B0λ2とB1λ2は定数にな
らず、ファクターλ(1−k)/2に従って徐々に増加
する。h(l)が定数であれば、例えばファクターはλ
1/2である。しかし、こうした差は閾値B0thre
sを正しく設定することによって吸収することができ
る。
【0107】ここで次式のごとく始点画像を中心が(x
0,y0)、半径rの円形のオブジェクトであると仮定
する。
【0108】
【数32】 一方、終点画像は、次式のごとく中心(x1,y1)、
半径がrのオブジェクトであるとする。
【0109】
【数33】 ここでc(x)はc(x)=xkの形であるとする。中
心(x0,y0)及び(x1,y1)が十分遠い場合、
ヒストグラムh(l)は次式の形となる。
【0110】
【数34】 k=1のとき、画像は背景に埋め込まれた鮮明な境界線
を持つオブジェクトを示す。このオブジェクトは中心が
暗く、周囲にいくに従って明るくなる。k=−1のと
き、画像は曖昧な境界線を持つオブジェクトを表す。こ
のオブジェクトは中心が最も明るく、周囲にいくに従っ
て暗くなる。一般のオブジェクトはこれらふたつのタイ
プのオブジェクトの中間にあると考えてもさして一般性
を失わない。したがって、kは−1≦k≦1として大抵
の場合をカバーでき、式27が一般に減少関数であるこ
とが保障される。
【0111】なお、式34からわかるように、rは画像
の解像度に影響されること、すなわちrは2mに比例す
ることに注意すべきである。このために[1.4.1]
においてファクター2mを導入した。
【0112】[1.4.3]ηの動的決定 パラメータηも同様の方法で自動決定できる。はじめに
η=0とし、最も細かい解像度における最終的な写像f
(n)及びエネルギーC(n)fを計算する。つづい
て、ηをある値Δηだけ増加させ、再び最も細かい解像
度における最終写像f(n)及びエネルギーC(n)f
を計算し直す。この過程を最適値が求まるまで続ける。
ηは写像の剛性を示す。次式の重みだからである。
【0113】
【数35】 ηが0のとき、D(n)fは直前の副写像と無関係に決
定され、現在の副写像は弾性的に変形され、過度に歪む
ことになる。一方、ηが非常に大きな値のとき、D
(n)fは直前の副写像によってほぼ完全に決まる。こ
のとき副写像は非常に剛性が高く、画素は同じ場所に射
影される。その結果、写像は単位写像になる。ηの値が
0から次第に増えるとき、後述のごとくC(n)fは徐
々に減少する。しかしηの値が最適値を越えると、図4
に示すとおり、エネルギーは増加し始める。同図のX軸
はη、Y軸はCfである。
【0114】この方法でC(n)fを最小にする最適な
ηの値を得ることができる。しかし、λの場合に比べて
いろいろな要素が計算に影響する結果、C(n)fは小
さく揺らぎながら変化する。λの場合は、入力が微小量
変化するたびに副写像を1回計算しなおすだけだが、η
の場合はすべての副写像が計算しなおされるためであ
る。このため、得られたC(n)fの値が最小であるか
どうかを即座に判断することはできない。最小値の候補
が見つかれば、さらに細かい区間を設定することによっ
て真の最小値を探す必要がある。
【0115】[1.5]スーパーサンプリング 画素間の対応関係を決定する際、自由度を増やすため
に、f(m,s)の値域をR×Rに拡張することができ
る(Rは実数の集合)。この場合、終点画像の画素の輝
度が補間され、非整数点、
【0116】
【数36】 における輝度を持つf(m,s)が提供される。つまり
スーパーサンプリングが行われる。実験では、f(m,
s)は整数及び半整数値をとることが許され、
【0117】
【数37】 は、
【0118】
【数38】 によって与えられた。
【0119】[1.6]各画像の画素の輝度の正規化 始点画像と終点画像がきわめて異なるオブジェクトを含
んでいるとき、写像の計算に元の画素の輝度がそのまま
では利用しにくい。輝度の差が大きいために輝度に関す
るエネルギーC(m,s)fが大きくなりすぎ、正しい
評価がしずらいためである。
【0120】例えば、人の顔と猫の顔のマッチングをと
る場合を考える。猫の顔は毛で覆われており、非常に明
るい画素と非常に暗い画素が混じっている。この場合、
ふたつの顔の間の副写像を計算するために、まず副画像
を正規化する。すなわち、最も暗い画素の輝度を0、最
も明るいそれを255に設定し、他の画素の輝度は線形
補間によって求めておく。
【0121】[1.7]インプリメンテーション 始点画像のスキャンに従って計算がリニアに進行する帰
納的な方法を用いる。始めに、1番上の左端の画素
(i,j)=(0,0)についてf(m,s)の値を決
定する。次にiを1ずつ増やしながら各f(m,s)
(i,j)の値を決定する。iの値が画像の幅に到達し
たとき、jの値を1増やし、iを0に戻す。以降、始点
画像のスキャンに伴いf(m,s)(i,j)を決定し
ていく。すべての点について画素の対応が決まれば、ひ
とつの写像f(m,s)が決まる。
【0122】あるp(i,j)について対応点qf
(i,j)が決まれば、つぎにp(i,j+1)の対応
点qf(i,j+1)が決められる。この際、qf
(i,j+1)の位置は全単射条件を満たすために、q
f(i,j)の位置によって制限される。したがって、
先に対応点が決まる点ほどこのシステムでは優先度が高
くなる。つねに(0,0)が最も優先される状態がつづ
くと、求められる最終の写像に余計な偏向が加わる。本
前提技術ではこの状態を回避するために、f(m,s)
を以下の方法で決めていく。
【0123】まず(s mod 4)が0の場合、(0,
0)を開始点としi及びjを徐々に増やしながら決めて
いく。(s mod 4)が1の場合、最上行の右端点を
開始点とし、iを減少、jを増加させながら決めてい
く。(s mod 4)が2のとき、最下行の右端点を開
始点とし、i及びjを減少させながら決めていく。(s
mod 4)が3の場合、最下行の左端点を開始点と
し、iを増加、jを減少させながら決めていく。解像度
が最も細かい第nレベルには副写像という概念、すなわ
ちパラメータsが存在しないため、仮にs=0及びs=
2であるとしてふたつの方向を連続的に計算した。
【0124】実際のインプリメンテーションでは、全単
射条件を破る候補に対してペナルティを与えることによ
り、候補(k,l)の中からできる限り全単射条件を満
たすf(m,s)(i,j)(m=0,…,n)の値を
選んだ。第3の条件を破る候補のエネルギーD(k、
l)にはφを掛け、一方、第1または第2の条件を破る
候補にはψを掛ける。今回はφ=2、ψ=100000
を用いた。
【0125】前述の全単射条件のチェックのために、実
際の手続として(k,l)=f(m,s)(i,j)を
決定する際に以下のテストを行った。すなわちf(m,
s)(i,j)の相続四辺形に含まれる各格子点(k,
l)に対し、次式の外積のz成分が0以上になるかどう
かを確かめる。
【0126】
【数39】 ただしここで、
【0127】
【数40】
【0128】
【数41】 である(ここでベクトルは三次元ベクトルとし、z軸は
直交右手座標系において定義される)。もしWが負であ
れば、その候補についてはD(m,s)(k,l)にψ
を掛けることによってペナルティを与え、できるかぎり
選択しないようにする。
【0129】図5(a)、図5(b)はこの条件を検査
する理由を示している。図5(a)はペナルティのない
候補、図5(b)はペナルティがある候補をそれぞれ表
す。隣接画素(i,j+1)に対する写像f(m,s)
(i,j+1)を決定する際、Wのz成分が負であれば
始点画像平面上において全単射条件を満足する画素は存
在しない。なぜなら、q(m,s)(k,l)は隣接す
る四辺形の境界線を越えるためである。
【0130】[1.7.1]副写像の順序 インプリメンテーションでは、解像度レベルが偶数のと
きにはσ(0)=0、σ(1)=1、σ(2)=2、σ
(3)=3、σ(4)=0を用い、奇数のときはσ
(0)=3、σ(1)=2、σ(2)=1、σ(3)=
0、σ(4)=3を用いた。このことで、副写像を適度
にシャッフルした。なお、本来副写像は4種類であり、
sは0〜3のいずれかである。しかし、実際にはs=4
に相当する処理を行った。その理由は後述する。
【0131】[1.8]補間計算 始点画像と終点画像の間の写像が決定された後、対応し
あう画素の輝度が補間される。実験では、トライリニア
補間を用いた。始点画像平面における正方形p(i,
j)p(i+1,j)p(i,j+1)p(i+1,j
+1)が終点画像平面上の四辺形qf(i,j)qf
(i+1,j)qf(i,j+1)qf(i+1,j+
1)に射影されると仮定する。簡単のため、画像間の距
離を1とする。始点画像平面からの距離がt(0≦t≦
1)である中間画像の画素r(x,y,t)(0≦x≦
N−1,0≦y≦M−1)は以下の要領で求められる。
まず画素r(x,y,t)の位置(ただしx,y,t∈
R)を次式で求める。
【0132】
【数42】 つづいてr(x,y,t)における画素の輝度が次の式
を用いて決定される。
【0133】
【数43】 ここでdx及びdyはパラメータであり、0から1まで
変化する。
【0134】[1.9]拘束条件を課したときの写像 いままでは拘束条件がいっさい存在しない場合の写像の
決定を述べた。しかし、始点画像と終点画像の特定の画
素間に予め対応関係が規定されているとき、これを拘束
条件としたうえで写像を決定することができる。
【0135】基本的な考えは、まず始点画像の特定の画
素を終点画像の特定の画素に移す大まかな写像によって
始点画像を大まかに変形し、しかる後、写像fを正確に
計算する。
【0136】まず始めに、始点画像の特定の画素を終点
画像の特定の画素に射影し、始点画像の他の画素を適当
な位置に射影する大まかな写像を決める。すなわち、特
定の画素に近い画素は、その特定の画素が射影される場
所の近くに射影されるような写像である。ここで第mレ
ベルの大まかな写像をF(m)と記述する。
【0137】大まかな写像Fは以下の要領で決める。ま
ず、いくつかの画素について写像を特定する。始点画像
についてns個の画素、
【0138】
【数44】 を特定するとき、以下の値を決める。
【0139】
【数45】 始点画像の他の画素の変位量は、p(ih,jh)(h
=0,…,ns−1)の変位に重み付けをして求められ
る平均である。すなわち画素p(i,j)は、終点画像
の以下の画素に射影される。
【0140】
【数46】 ただしここで、
【0141】
【数47】
【0142】
【数48】 とする。
【0143】つづいて、F(m)に近い候補写像fがよ
り少ないエネルギーを持つように、その写像fのエネル
ギーD(m,s)(i,j)を変更する。正確には、D
(m,s)(i,j)は、
【0144】
【数49】 である。ただし、
【0145】
【数50】 であり、κ,ρ≧0とする。最後に、前述の写像の自動
計算プロセスにより、fを完全に決定する。
【0146】ここで、f(m,s)(i,j)がF(m)
(i,j)に十分近いとき、つまりそれらの距離が、
【0147】
【数51】 以内であるとき、E2(m,s)(i,j)が0になる
ことに注意すべきである。そのように定義した理由は、
各f(m,s)(i,j)がF(m)(i,j)に十分近い限
り、終点画像において適切な位置に落ち着くよう、その
値を自動的に決めたいためである。この理由により、正
確な対応関係を詳細に特定する必要がなく、始点画像は
終点画像にマッチするように自動的にマッピングされ
る。
【0148】[2]具体的な処理手順 [1]の各要素技術による処理の流れを説明する。図6
は前提技術の全体手順を示すフローチャートである。同
図のごとく、まず多重解像度特異点フィルタを用いた処
理を行い(S1)、つづいて始点画像と終点画像のマッ
チングをとる(S2)。ただし、S2は必須ではなく、
S1で得られた画像の特徴をもとに画像認識などの処理
を行ってもよい。
【0149】図7は図6のS1の詳細を示すフローチャ
ートである。ここではS2で始点画像と終点画像のマッ
チングをとることを前提としている。そのため、まず特
異点フィルタによって始点画像の階層化を行い(S1
0)、一連の始点階層画像を得る。つづいて同様の方法
で終点画像の階層化を行い(S11)、一連の終点階層
画像を得る。ただし、S10とS11の順序は任意であ
るし、始点階層画像と終点階層画像を並行して生成して
いくこともできる。
【0150】図8は図7のS10の詳細を示すフローチ
ャートである。もとの始点画像のサイズは2n×2nと
する。始点階層画像は解像度が細かいほうから順に作ら
れるため、処理の対象となる解像度レベルを示すパラメ
ータmをnにセットする(S100)。つづいて第mレ
ベルの画像p(m,0)、p(m,1)、p(m,
2)、p(m,3)から特異点フィルタを用いて特異点
を検出し(S101)、それぞれ第m−1レベルの画像
p(m−1,0)、p(m−1,1)、p(m−1,
2)、p(m−1,3)を生成する(S102)。ここ
ではm=nであるため、p(m,0)=p(m,1)=
p(m,2)=p(m,3)=p(n)であり、ひとつ
の始点画像から4種類の副画像が生成される。
【0151】図9は第mレベルの画像の一部と、第m−
1レベルの画像の一部の対応関係を示している。同図の
数値は各画素の輝度を示す。同図のp(m,s)はp
(m,0)〜p(m,3)の4つの画像を象徴するもの
で、p(m−1,0)を生成する場合には、p(m,
s)はp(m,0)であると考える。[1.2]で示し
た規則により、p(m−1,0)は例えば同図で輝度を
記入したブロックについて、そこに含まれる4画素のう
ち「3」、p(m−1,1)は「8」、p(m−1,
2)は「6」、p(m−1,3)を「10」をそれぞれ
取得し、このブロックをそれぞれ取得したひとつの画素
で置き換える。したがって、第m−1レベルの副画像の
サイズは2m−1×2m−1になる。
【0152】つづいてmをデクリメントし(図8のS1
03)、mが負になっていないことを確認し(S10
4)、S101に戻ってつぎに解像度の粗い副画像を生
成していく。この繰り返し処理の結果、m=0、すなわ
ち第0レベルの副画像が生成された時点でS10が終了
する。第0レベルの副画像のサイズは1×1である。
【0153】図10はS10によって生成された始点階
層画像をn=3の場合について例示している。最初の始
点画像のみが4つの系列に共通であり、以降特異点の種
類に応じてそれぞれ独立に副画像が生成されていく。な
お、図8の処理は図7のS11にも共通であり、同様の
手順を経て終点階層画像も生成される。以上で図6のS
1による処理が完了する。
【0154】前提技術では、図6のS2に進むためにマ
ッチング評価の準備をする。図11はその手順を示して
いる。同図のごとく、まず複数の評価式が設定される
(S30)。[1.3.2.1]で導入した画素に関す
るエネルギーC(m,s)fと[1.3.2.2]で導
入した写像の滑らかさに関するエネルギーD(m,s)
fがそれである。つぎに、これらの評価式を統合して総
合評価式を立てる(S31)。[1.3.2.3]で導
入した総エネルギーλC(m,s)f+D(m,s)f
がそれであり、[1.3.2.2]で導入したηを用い
れば、 ΣΣ(λC(m,s)(i,j)+ηE0(m,s)(i,j)+E1(m ,s)(i,j)) (式52) となる。ただし、総和はi、jについてそれぞれ0、1
…、2m−1で計算する。以上でマッチング評価の準備
が整う。
【0155】図12は図6のS2の詳細を示すフローチ
ャートである。[1]で述べたごとく、始点階層画像と
終点階層画像のマッチングは互いに同じ解像度レベルの
画像どうしでとられる。画像間の大域的なマッチングを
良好にとるために、解像度が粗いレベルから順にマッチ
ングを計算する。特異点フィルタを用いて始点階層画像
および終点階層画像を生成しているため、特異点の位置
や輝度は解像度の粗いレベルでも明確に保存されてお
り、大域的なマッチングの結果は従来に比べて非常に優
れたものになる。
【0156】図12のごとく、まず係数パラメータηを
0、レベルパラメータmを0に設定する(S20)。つ
づいて、始点階層画像中の第mレベルの4つの副画像と
終点階層画像中の第mレベルの4つの副画像のそれぞれ
の間でマッチングを計算し、それぞれ全単射条件を満た
し、かつエネルギーを最小にするような4種類の副写像
f(m,s)(s=0,1,2,3)を求める(S2
1)。全単射条件は[1.3.3]で述べた相続四辺形
を用いて検査される。この際、式17、18が示すよう
に、第mレベルにおける副写像は第m−1レベルのそれ
らに拘束されるため、より解像度の粗いレベルにおける
マッチングが順次利用されていく。これは異なるレベル
間の垂直的参照である。なお、いまm=0であってそれ
より粗いレベルはないが、この例外的な処理は図13で
後述する。
【0157】一方、同一レベル内における水平的参照も
行われる。[1.3.3]の式20のごとく、f(m,
3)はf(m,2)に、f(m,2)はf(m,1)
に、f(m,1)はf(m,0)に、それぞれ類似する
ように決める。その理由は、特異点の種類が違っても、
それらがもともと同じ始点画像と終点画像に含まれてい
る以上、副写像がまったく異なるという状況は不自然だ
からである。式20からわかるように、副写像どうしが
近いほどエネルギーは小さくなり、マッチングが良好と
みなされる。
【0158】なお、最初に決めるべきf(m,0)につ
いては同一のレベルで参照できる副写像がないため、式
19に示すごとくひとつ粗いレベルを参照する。ただ
し、実験ではf(m,3)まで求まった後、これを拘束
条件としてf(m,0)を一回更新するという手続をと
った。これは式20にs=4を代入し、f(m,4)を
新たなf(m,0)とすることに等しい。f(m,0)
とf(m,3)の関連度が低くなり過ぎる傾向を回避す
るためであり、この措置によって実験結果がより良好に
なった。この措置に加え、実験では[1.7.1]に示
す副写像のシャッフルも行った。これも本来特異点の種
類ごとに決まる副写像どうしの関連度を密接に保つ趣旨
である。また、処理の開始点に依存する偏向を回避する
ために、sの値にしたがって開始点の位置を変える点は
[1.7]で述べたとおりである。
【0159】図13は第0レベルにおいて副写像を決定
する様子を示す図である。第0レベルでは各副画像がた
だひとつの画素で構成されるため、4つの副写像f
(0,s)はすべて自動的に単位写像に決まる。図14
は第1レベルにおいて副写像を決定する様子を示す図で
ある。第1レベルでは副画像がそれぞれ4画素で構成さ
れる。同図ではこれら4画素が実線で示されている。い
ま、p(1,s)の点xの対応点をq(1,s)の中で
探すとき、以下の手順を踏む。
【0160】1.第1レベルの解像度で点xの左上点
a、右上点b、左下点c、右下点dを求める。 2.点a〜dがひとつ粗いレベル、つまり第0レベルに
おいて属する画素を探す。図14の場合、点a〜dはそ
れぞれ画素A〜Dに属する。ただし、画素A〜Cは本来
存在しない仮想的な画素である。 3.第0レベルですでに求まっている画素A〜Dの対応
点A’〜D’をq(1,s)の中にプロットする。画素
A’〜C’は仮想的な画素であり、それぞれ画素A〜C
と同じ位置にあるものとする。 4.画素Aの中の点aの対応点a’が画素A’の中にあ
るとみなし、点a’をプロットする。このとき、点aが
画素Aの中で占める位置(この場合、右下)と、点a’
が画素A’の中で占める位置が同じであると仮定する。 5.4と同様の方法で対応点b’〜d’をプロットし、
点a’〜d’で相続四辺形を作る。 6.相続四辺形の中でエネルギーが最小になるよう、点
xの対応点x’を探す。対応点x’の候補として、例え
ば画素の中心が相続四辺形に含まれるものに限定しても
よい。図14の場合、4つの画素がすべて候補になる。
【0161】以上がある点xの対応点の決定手順であ
る。同様の処理を他のすべての点について行い、副写像
を決める。第2レベル以上のレベルでは、次第に相続四
辺形の形が崩れていくと考えられるため、図3に示すよ
うに画素A’〜D’の間隔が空いていく状況が発生す
る。
【0162】こうして、ある第mレベルの4つの副写像
が決まれば、mをインクリメントし(図12のS2
2)、mがnを超えていないことを確かめて(S2
3)、S21に戻る。以下、S21に戻るたびに次第に
細かい解像度のレベルの副写像を求め、最後にS21に
戻ったときに第nレベルの写像f(n)を決める。この
写像はη=0に関して定まったものであるから、f
(n)(η=0)と書く。
【0163】つぎに異なるηに関する写像も求めるべ
く、ηをΔηだけシフトし、mをゼロクリアする(S2
4)。新たなηが所定の探索打切り値ηmaxを超えて
いないことを確認し(S25)、S21に戻り、今回の
ηに関して写像f(n)(η=Δη)を求める。この処
理を繰り返し、S21でf(n)(η=iΔη)(i=
0,1,…)を求めていく。ηがηmaxを超えたとき
S26に進み、後述の方法で最適なη=ηoptを決定
し、f(n)(η=ηopt)を最終的に写像f(n)
とする。
【0164】図15は図12のS21の詳細を示すフロ
ーチャートである。このフローチャートにより、ある定
まったηについて、第mレベルにおける副写像が決ま
る。副写像を決める際、前提技術では副写像ごとに最適
なλを独立して決める。
【0165】同図のごとく、まずsとλをゼロクリアす
る(S210)。つぎに、そのときのλについて(およ
び暗にηについて)エネルギーを最小にする副写像f
(m,s)を求め(S211)、これをf(m,s)
(λ=0)と書く。異なるλに関する写像も求めるべ
く、λをΔλだけシフトし、新たなλが所定の探索打切
り値λmaxを超えていないことを確認し(S21
3)、S211に戻り、以降の繰り返し処理でf(m,
s)(λ=iΔλ)(i=0,1,…)を求める。λが
λmaxを超えたときS214に進み、最適なλ=λo
ptを決定し、f(m,s)(λ=λopt)を最終的
に写像f(m,s)とする(S214)。
【0166】つぎに、同一レベルにおける他の副写像を
求めるべく、λをゼロクリアし、sをインクリメントす
る(S215)。sが4を超えていないことを確認し
(S216)、S211に戻る。s=4になれば上述の
ごとくf(m,3)を利用してf(m,0)を更新し、
そのレベルにおける副写像の決定を終了する。
【0167】図16は、あるmとsについてλを変えな
がら求められたf(m,s)(λ=iΔλ)(i=0,
1,…)に対応するエネルギーC(m,s)fの挙動を
示す図である。[1.4]で述べたとおり、λが増加す
ると通常C(m,s)fは減少する。しかし、λが最適
値を超えるとC(m,s)fは増加に転じる。そこで本
前提技術ではC(m,s)fが極小値をとるときのλを
λoptと決める。同図のようにλ>λoptの範囲で
再度C(m,s)fが小さくなっていっても、その時点
ではすでに写像がくずれていて意味をなさないため、最
初の極小点に注目すればよい。λoptは副写像ごとに
独立して決めていき、最後にf(n)についてもひとつ
定まる。
【0168】一方、図17は、ηを変えながら求められ
たf(n)(η=iΔη)(i=0,1,…)に対応す
るエネルギーC(n)fの挙動を示す図である。ここで
もηが増加すると通常C(n)fは減少するが、ηが最
適値を超えるとC(n)fは増加に転じる。そこでC
(n)fが極小値をとるときのηをηoptと決める。
図17は図4の横軸のゼロ付近を拡大した図と考えてよ
い。ηoptが決まればf(n)を最終決定することが
できる。
【0169】以上、本前提技術によれば種々のメリット
が得られる。まずエッジを検出する必要がないため、エ
ッジ検出タイプの従来技術の課題を解消できる。また、
画像に含まれるオブジェクトに対する先験的な知識も不
要であり、対応点の自動検出が実現する。特異点フィル
タによれば、解像度の粗いレベルでも特異点の輝度や位
置を維持することができ、オブジェクト認識、特徴抽
出、画像マッチングに極めて有利である。その結果、人
手作業を大幅に軽減する画像処理システムの構築が可能
となる。
【0170】なお、本前提技術について次のような変形
技術も考えられる。 (1)前提技術では始点階層画像と終点階層画像の間で
マッチングをとる際にパラメータの自動決定を行った
が、この方法は階層画像間ではなく、通常の2枚の画像
間のマッチングをとる場合全般に利用できる。
【0171】たとえば2枚の画像間で、画素の輝度の差
に関するエネルギーE0と画素の位置的なずれに関する
エネルギーE1のふたつを評価式とし、これらの線形和
Etot=αE0+E1を総合評価式とする。この総合
評価式の極値付近に注目してαを自動決定する。つま
り、いろいろなαについてEtotが最小になるような
写像を求める。それらの写像のうち、αに関してE1が
極小値をとるときのαを最適パラメータと決める。その
パラメータに対応する写像を最終的に両画像間の最適マ
ッチングとみなす。
【0172】これ以外にも評価式の設定にはいろいろな
方法があり、例えば1/E1と1/E2のように、評価
結果が良好なほど大きな値をとるものを採用してもよ
い。総合評価式も必ずしも線形和である必要はなく、n
乗和(n=2、1/2、−1、−2など)、多項式、任
意の関数などを適宜選択すればよい。
【0173】パラメータも、αのみ、前提技術のごとく
ηとλのふたつの場合、それ以上の場合など、いずれで
もよい。パラメータが3以上の場合はひとつずつ変化さ
せて決めていく。
【0174】(2)本前提技術では、総合評価式の値が
最小になるよう写像を決めた後、総合評価式を構成する
ひとつの評価式であるC(m,s)fが極小になる点を
検出してパラメータを決定した。しかし、こうした二段
回処理の代わりに、状況によっては単に総合評価式の最
小値が最小になるようにパラメータを決めても効果的で
ある。その場合、例えばαE0+βE1を総合評価式と
し、α+β=1なる拘束条件を設けて各評価式を平等に
扱うなどの措置を講じてもよい。パラメータの自動決定
の本質は、エネルギーが最小になるようにパラメータを
決めていく点にあるからである。
【0175】(3)前提技術では各解像度レベルで4種
類の特異点に関する4種類の副画像を生成した。しか
し、当然4種類のうち1、2、3種類を選択的に用いて
もよい。例えば、画像中に明るい点がひとつだけ存在す
る状態であれば、極大点に関するf(m,3)だけで階
層画像を生成しても相応の効果が得られるはずである。
その場合、同一レベルで異なる副写像は不要になるた
め、sに関する計算量が減る効果がある。
【0176】(4)本前提技術では特異点フィルタによ
ってレベルがひとつ進むと画素が1/4になった。例え
ば3×3で1ブロックとし、その中で特異点を探す構成
も可能であり、その場合、レベルがひとつ進むと画素は
1/9になる。
【0177】(5)始点画像と終点画像がカラーの場
合、それらをまず白黒画像に変換し、写像を計算する。
その結果求められた写像を用いて始点のカラー画像を変
換する。それ以外の方法として、RGBの各成分につい
て副写像を計算してもよい。
【0178】[画像処理に関する実施の形態]以上の前
提技術を利用した画像処理技術を説明する。ここではま
ず、ポリゴンをもちいた符号化処理と、差分情報を保存
することによるロスレスな処理を説明し、その後、符号
化データを変換して伝送する技術を説明する。ポリゴンをもちいた符号化データの軽減 図18は、キーフレームである第1画像I1、第2画像
I2を示し、それらの間で、ある画素p(x
)とp(x,y)が対応している。これらの
対応は前提技術で求められている。図19は、第1画像
I1上にメッシュを切り、そのメッシュを構成するポリ
ゴンの第2画像I2上の対応位置を示す。いま第1画像
I1上で注目するポリゴンR1は4個の格子点A、B、
C、Dによって決まっている。このポリゴンR1を「起
点ポリゴン」と名付ける。これら4個の格子点A、B、
C、Dは、図18に示したごとく、それぞれ第2画像I
2上に対応する点A’、B’、C’、D’を有し、これ
らの点で形成されるポリゴンR2を「終点ポリゴン」と
名付ける。起点ポリゴンは一般に長方形であるが、終点
ポリゴンは一般に四辺形である。いずれにせよ、この実
施の形態では、画素単位で第1画像I1と第2画像I2
の対応関係を記述せず、起点ポリゴンの格子点につい
て、その対応画素を記述する。その記述は対応点ファイ
ルに書き込まれる。格子点に注目することにより、対応
点ファイルの容量を非常に小さくすることができる。
【0179】対応点ファイルは第1画像I1と第2画像
I2の中間画像を生成するために利用される。この点は
前提技術で述べたごとく、対応点どうしの位置を補間す
ることにより、任意の時間的位置の中間画像を生成でき
る。したがって、第1画像I1、第2画像I2、および
対応点ファイルを保存しておくことで、それに2つの画
像間のモーフィングや滑らかな動画を生成することがで
きる。このため、動画の圧縮効果が得られる。
【0180】図20は対応点ファイルから格子点以外の
点に関する対応関係を計算する方法を示す。対応点ファ
イルには格子点に関する情報しかないので、ポリゴン内
部の点について対応情報を別途計算する必要がある。図
20では、図19の起点ポリゴンR1の下半分に当たる
三角形ABCと、同様に終点ポリゴンR2の下半分にあ
たる三角形A’B’C’との対応を示す。いま、起点ポ
リゴン側の三角形ABC内部の点Qが、線分ACをt:
(1−t)に内分し、その内分点と点Bの間をs:(1
−s)に内分する位置にあったとする。この点Qの終点
ポリゴン側の三角形A’B’C’における対応点Q’
は、線分A’C’をt:(1−t)に内分し、その内分
点と点B’の間をs:(1−s)に内分する位置にある
と考えればよい。すなわち、起点ポリゴンを三角形に分
割し、その三角形に関するベクトルの内分の形式にて終
点ポリゴン内部の点を求めればよい。ベクトル斜体で示
せば、 BQ=(1−s){(1−t)BA+tBC} であり、したがって、 B’Q’=(1−s){(1−t)B’A’+tB’
C’} 当然ながら、同様の処理を起点ポリゴンR1の上半分に
当たる三角形ACDと、同様に終点ポリゴンR2の上半
分にあたる三角形A’C’D’との間についてもなすと
する。
【0181】図21は、以上の処理手順を示す。まず図
19のごとく、第1画像I1上に取られた格子点に関す
るマッチング結果を取得する(S10)。このとき、前
提技術の画素単位のマッチングを実行し、その結果の中
から格子点に当たる部分を抽出すればよい。ただし、前
提技術を用いずに他のマッチング技術、例えばオプティ
カルフローやブロックマッチングをもとに格子点に関す
るマッチング結果を特定してもよい。
【0182】つづいて、図19の右側のごとく、第2画
像I2上に終点ポリゴンを定義する(S12)。以上で
対応点ファイルが生成できるので、このファイルに第1
画像I1、第2画像I2を識別するための情報を盛り込
んで出力する(S14)。ふたつの画像および対応点フ
ァイルは、任意の記録装置または媒体に保持され、また
は直接ネットワークや放送波に乗せて伝送されればよ
い。
【0183】図22は、対応点ファイルを用いて中間画
像を生成する手順を示す。まず、第1画像I1、第2画
像I2が読み込まれ(S20)、対応点ファイルが読み
込まれる(S22)。つづいて、起点ポリゴン内の点と
終点ポリゴン内の点の対応関係が図20の方法によって
算出される(S24)。この時点で、画像内のすべての
画素に関する対応関係を取得することができる。したが
って、前提技術で述べたごとく、互いに対応し合う点の
座標と色をu:(1−u)で内分すれば、第1画像I1
と第2画像I2の間を時間的に(1−u):uで内分す
る位置における中間画像を生成することができる(S2
6)。これが表示される(S28)。なお、内挿補間だ
けでなく、外挿補間をしてもよい。
【0184】図23は以上の処理を行う画像処理装置1
0の構成を示す。この装置10は、外部の記憶装置や撮
影カメラ等から第1画像I1、第2画像I2を取得する
画像入力部12と、それらの画像に前提技術その他の技
術によってマッチング計算を施すマッチングプロセッサ
14と、それによって生成された対応点ファイルFを格
納する対応点ファイル保持部16と、第1画像I1およ
び第2画像I2から中間画像を生成する中間画像生成部
18と、第1画像I1、第2画像I2および中間画像を
タイミング調整しながらもとの動画に近い画像として表
示する表示部20を含む。また、通信部22は、外部か
らの要望にしたがい、第1画像I1、第2画像I2およ
び対応点ファイルFをネットワークその他の伝送インフ
ラへ送出する。なお、マッチングプロセッサ14には、
メッシュの大きさや格子点の位置などを示すメッシュ情
報が入力されている。
【0185】以上の構成により、画像入力部12に入力
された第1画像I1と第2画像I2はマッチングプロセ
ッサ14へ送られる。マッチングプロセッサ14は、そ
れらの画像間で画素単位のマッチング計算を行う。マッ
チングプロセッサ14はメッシュ情報をもとに対応点フ
ァイルFを生成し、対応点ファイル保持部16へ出力す
る。
【0186】中間画像生成部18は、ユーザの求めに応
じ、またはその他の要因で対応点ファイルFを読み出
し、中間画像を生成する。この中間画像は表示部20へ
送られ、そこで画像出力の時間調整が行われ、動画また
はモーフィング画像が表示される。この動作からもわか
るとおり、中間画像生成部18と表示部20は、本装置
10とは別構成のリモート端末側にあってもよく、その
場合、その端末が第1画像I1、第2画像I2、対応点
ファイルFという比較的軽いデータを受け、自主的に動
画を再生できる。
【0187】通信部22はそのための構成であり、ここ
ではすでにリモート端末がネットワークの先で待ってい
ることを想定している。すなわち、通信部22は第1画
像I1、第2画像I2、対応点ファイルFをネットワー
クや放送波に乗せて送り出し、リモート端末側で動画の
表示が行われる。もちろんリモート端末は、表示ではな
く、ストレージを目的としてもよい。なお本装置は、ネ
ットワーク等の外部から通信部22を介して第1画像I
1、第2画像I2およびそれらの対応点ファイルを入力
し、これらを中間画像生成部18に渡して補間計算を
し、中間画像を生成する用途もある。図23にはそのた
めのデータの経路Pが記述されている。
【0188】差分情報の保持によるロスレスな表現 図24は、画像データを符号化する処理を概念的に示
す。ここでは画像データがキーフレームとそれ以外の中
間フレームからなるものとする。キーフレームは最初か
ら決められていてもよいし、符号化に際して定めてもよ
い。後者の場合、最初の画像データは、単に複数のフレ
ームからなる通常の動画や医療画像などでよい。
【0189】ここではキーフレーム決定の過程は不問と
し、2枚のキーフレームKF(KeyFrame)200、20
2があるとする。処理はまず、これらのキーフレーム間
でマッチングをとり、仮想的な中間フレームVIF(Vi
rtual Intermediate Frame)204を生成する。これら
の処理は前提技術で詳述されている。ただし、前提技術
ではマッチングの対象となる2枚のキーフレームは、始
点画像および終点画像と表現されている。「仮想的な中
間フレーム」とは、当初の画像データに実際に含まれて
いた中間フレーム、すなわち現実の中間フレームではな
く、キーフレームからマッチング計算をもとに得られた
フレームをいう。
【0190】つづいて、現実の中間フレームAIF(Ac
tual Intermediate Frame)206を仮想的な中間フレ
ームVIF204を利用して符号化する。いま現実の中
間フレームAIF206がふたつのキーフレームKF2
00、202の間をt:(1−t)に内分する位置にあ
ったとすれば、仮想的な中間フレームVIF204も同
様に、キーフレームKF200、202の間をt:(1
−t)に内分する位置にあると想定して補間する。これ
を対応点を頂点とする四辺形ベースでトライリニア補
間、すなわちx、yのふたつの方向に補間する技術は、
前提技術の[1.8]で述べた。ここでも同様の技術を
利用できるが、トライリニア補間以外の技術を採用して
もよい。たとえば、四辺形を考えずに対応点どうしを単
純に補間することもできる。
【0191】現実の中間フレームAIF206の符号化
は、それと仮想的な中間フレームVIF204の差分画
像DI210をハフマン符号化や算術符号化などのエン
トロピー符号化、DCT(Discrete Cosine Transfor
m)を用いたJPEGなどの符号化、辞書圧縮、ランレ
ングス符号化その他の手法で処理することにより実現す
る。画像データの最終的な符号化データ(以下、単に
「符号化画像データ」ともよぶ)は、この中間フレーム
に関する差分画像の符号化データ(以下、単に「中間フ
レームの符号化データ」とよぶ)とキーフレームデータ
の組合せとして得られる。
【0192】この方法では、符号化側と復号側に同じマ
ッチング機能を実装しておくことにより、キーフレーム
から同じ仮想的な中間フレームを得る。したがって、キ
ーフレームデータに加えて中間フレームの符号化データ
を取得すれば、復号側でもとの画像データに戻すことが
できる。差分画像もハフマン符号化その他の符号化によ
り、効果的に圧縮できる。なお、キーフレーム自体もフ
レーム内圧縮してもよい。中間フレーム、キーフレーム
とも、ロスレス、ロッシーいずれの圧縮手法を用いても
よく、その指定を可能とする構成であってもよい。
【0193】図25は以上の符号化処理を実現する画像
データ符号化装置400の構成である。各機能ユニット
は、たとえばPC(パーソナルコンピュータ)にCD−
ROMなどの記録媒体からロードされるプログラムで実
現できる。これは後述の復号装置にもいえる。図26
は、画像データ符号化装置400による処理のフローチ
ャートである。
【0194】画像データ入力ユニット402はネットワ
ーク、ストレージなどから符号化すべき画像データを入
力する(S1010)。画像データ入力ユニット402
は通信機能、ストレージ制御機能、または自身が画像を
撮影する光学機器であってもよい。
【0195】フレーム分別ユニット404は画像データ
に含まれるフレームをキーフレームと中間フレームへ分
類する(S1012)。キーフレーム検出部406は複
数のフレームのうち、直前のフレームとの画像の差が比
較的大きいものをキーフレームとして検出する。キーフ
レームどうしの差を大きくしない配慮であり、符号化効
率を改善するためである。キーフレーム検出部406の
他の例として、一定間隔でフレームを選択してそれらを
キーフレームとしてもよい。その場合、処理が単純にな
る。分別されたキーフレーム428は中間フレーム生成
ユニット408とキーフレーム圧縮ユニット420へ送
られる。キーフレーム以外のフレーム、すなわち現実の
中間フレーム426は中間フレーム符号化ユニット41
4へ送られる。
【0196】キーフレーム圧縮ユニット420はキーフ
レームを圧縮し、圧縮されたキーフレーム432を符号
化データ生成ユニット422へ送り出す。中間フレーム
生成ユニット408のマッチング計算部410は前提技
術その他の技術によってキーフレーム間のマッチングを
とり(S1014)、フレーム補間部412がマッチン
グ結果をもとに仮想的な中間フレームを生成する(S1
016)。生成された仮想的な中間フレーム424は中
間フレーム符号化ユニット414へ送られる。
【0197】中間フレーム符号化ユニット414の比較
部416は、仮想的な中間フレーム424と現実の中間
フレーム426の差分をとり、差分符号化部418がこ
の差分を符号化することにより、中間フレームの符号化
データ430を生成する(S1018)。中間フレーム
の符号化データ430は符号化データ生成ユニット42
2へ送られる。符号化データ生成ユニット422は中間
フレームの符号化データ430と圧縮されたキーフレー
ム432を組み合わせて最終的な符号化画像データを生
成、出力する(S1020)。
【0198】図27は、符号化画像データ300の構成
例である。符号化画像データ300は、画像データのタ
イトルやIDなど、画像データを識別するためのインデ
ックスを格納する画像インデックス領域302と、復号
の際に利用すべき情報を格納する参照情報領域304
と、キーフレームデータ格納領域306と、中間フレー
ムの符号化データ格納領域308を含み、それらの領域
が一体化されている。参照情報として、符号化の方式や
圧縮率などの各種パラメータがある。ここではキーフレ
ームとしてKF0、10、20…が、中間フレームの符
号化データとしてキーフレーム以外のフレームに関する
CDI(Coded Difference Image)1〜9、11〜19
が、それぞれ例示されている。以上が符号化側の処理で
ある。
【0199】一方、図28は画像データ復号装置500
の構成を示す。また、図29は画像データ復号装置50
0による処理のフローチャートである。画像データ復号
装置500は画像データ符号化装置400で得られた符
号化画像データをもとの画像データへ復号する。
【0200】符号化画像データ入力ユニット502は、
ネットワーク、ストレージその他から符号化画像データ
を取得する(S1050)。符号化フレーム分別ユニッ
ト504は、符号化画像データに含まれる圧縮されたキ
ーフレーム432と、それ以外の付加データ512を分
別する(S1052)。付加データ512には中間フレ
ームの符号化データが含まれる。圧縮されたキーフレー
ム432はキーフレーム復号ユニット506へ送られ、
復号される(S1054)。一方、付加データ512は
差分復号ユニット514へ送られ、復号された差分画像
516が加算器508へ送られる。
【0201】キーフレーム428は復号データ生成ユニ
ット510と中間フレーム生成ユニット408へ送られ
る。中間フレーム生成ユニット408では符号化の際と
同じマッチング(S1056)を経て仮想的な中間フレ
ームが生成される(S1058)。仮想的な中間フレー
ム424は加算器508へ送られ、復号された差分画像
516と加算される。加算の結果、現実の中間フレーム
426が復号され(S1060)、これが復号データ生
成ユニット510へ送られる。復号データ生成ユニット
510は、現実の中間フレーム426とキーフレーム4
28を組み合わせて画像データを復号する(S106
2)。
【0202】以上の画像符号化および復号によれば、画
素単位のマッチングで仮想的な中間フレームを生成でき
るため、画質を維持しながら比較的高い圧縮率が実現す
る。現実に初期実験でも、全フレームを一様にJPEG
で圧縮する場合に比べ、当然ではあるが、同等の主観画
質で高い圧縮率が得られている。
【0203】ひとつの変形例として、誤差制御の考え方
を導入することができる。すなわち、符号化画像データ
を復号したとき、もとの画像データとの誤差をある範囲
に抑える制御である。誤差の評価式として、ふたつの画
像間において位置的に対応しあう画素の輝度値の差分の
二乗和がある。この誤差をもとに、中間フレームおよび
キーフレームの符号化方式や圧縮率を調節したり、キー
フレームの選定をやりなおすことができる。たとえば、
ある中間フレームに関する誤差が許容値を超えた場合、
その中間フレームの近くにキーフレームを新設したり、
その中間フレームをはさむふたつのキーフレームの間隔
を狭めることができる。
【0204】別の変形例として、画像データ符号化装置
400と画像データ復号装置500は一体化することが
できる。その場合、中間フレーム生成ユニット408を
中心に構成を共用できる。一体化された画像符号化・復
号装置は、画像を符号化してストレージへ格納し、必要
なときにそれを復号して表示等することができる。
【0205】さらに別の変形例として、画像データ符号
化装置400は、キーフレームおよび装置外で生成され
た仮想的な中間フレームを入力するところから処理を開
始してもよい。その場合、図25の中間フレーム符号化
ユニット414と符号化データ生成ユニット422、お
よび場合によりキーフレーム圧縮ユニット420のみで
装置を構成することができる。そのほかにも、いずれの
構成を装置外に出すかについては当業者に理解されるご
とく相当の自由度があり、それらも実施の形態の変形例
とする。
【0206】同様に、画像データ復号装置500も、装
置外で復号されたキーフレームと仮想的な中間フレー
ム、および中間フレームの符号化データを入力するとこ
ろから処理を開始してもよい。その場合、図28の差分
復号ユニット514、加算器508、および復号データ
生成ユニット510のみで装置を構成できる。装置の構
成の自由度の高さは符号化の場合と同様である。
【0207】実施の形態では、画素単位のマッチングを
中心に説明した。しかし、本発明の画像データ符号化技
術はそれに限られることなく、キーフレーム間の処理か
ら仮想的な中間フレームを求める過程を経るか、それを
前処理とする技術全般を含む。キーフレーム間でブロッ
クマッチングがなされてもよいし、その他、仮想的な中
間フレームを生成する任意の線形、非線形処理を適用し
てよい。復号側についても同様のことがいえるが、実装
上のひとつのポイントは、符号化側と復号側が原則とし
て同じ方法で得られた仮想的な中間フレームを想定する
点にある。ただし、それとても絶対ではなく、復号側が
符号化の際の規則を認識して対応するか、符号化側が復
号側の処理を想定して符号化に配慮すればよい。
【0208】符号化データの変換 以下、実施の形態に特徴的な符号化データの変換を記
す。第1の符号化データは既存の手法、たとえばMPE
Gのビデオパートに準拠して符号化された画像データで
ある。一方、前提技術を利用して動画像を表現したデー
タ、すなわちキーフレームおよび対応点ファイル、さら
には場合によりキーフレームと対応点ファイルから復号
側で生成される仮想的な中間フレームと現実の中間フレ
ームの差分情報を含むデータが第2の符号化データであ
る。
【0209】ここでは、第2の符号化データを伝送と記
録のために利用する。したがって、符号化側は任意の第
1の符号化データをいったん第2の符号化データへ変換
して伝送または記録し、復号側は伝送された第2の符号
化データを復号して再生するか、またはいったん第1の
符号化データへ変換して保存しなおす。いずれにして
も、本実施の形態に特徴的な符号化および復号の形式変
換によれば、ユーザからは第1の符号化のみが用いられ
ているかのように見えながら、伝送や記録というデータ
量が問題になる場面では第2の符号化が利用されてい
る。
【0210】図30は、符号化手法の変換のための画像
符号化装置600の構成を示す。この装置600は、第
1の符号化データを入力する画像入力ユニット602
と、入力された第1の符号化データをその符号化手法に
則って復号する前置復号ユニット604と、復号によっ
ていったん原画像の形式に戻った画像データを第2の符
号化データへ変換する符号化器である画像データ符号化
装置400と、得られた第2の符号化データを記録する
ストレージ606と、同様に第2の符号化データをネッ
トワークへ送出する通信ユニット608とを含む。
【0211】前置復号ユニット604の主な機能はMP
EGデコーダのそれであるが、第1の符号化データの符
号化手法、たとえば「MPEG」という表示mを画像デ
ータ符号化装置400へ伝える。この表示m、またはユ
ーザが第2の符号化データを生成する際に明示的または
暗黙的に指定する表示m’は画像データ符号化装置40
0にて第2の符号化データが生成されるとき、符号化デ
ータストリームの中に組み込まれる。
【0212】画像データ符号化装置400は図25に示
したものであるが、その中でマッチング計算部410に
は図23のマッチングプロセッサ14の有する機能、す
なわちキーフレームをメッシュに分割したうえで処理す
る機能が加わる。図25の符号化データ生成ユニット4
22は「ストリーム生成部」として前述の表示mまたは
表示m’の一方を第2の符号化データの中に組み入れ
る。図27の符号化画像データ300がそれであり、そ
のいずれの個所に表示を組み入れてもよい。以上の構成
により、第1の符号化データは第2の符号化データへ変
換されたうえで伝送され、または記録される。
【0213】一方、復号側の構成は図31に示される。
画像復号装置700は、ネットワークから第2の符号化
データを入力する画像入力部702と、入力された第2
の符号化データを実施の形態に特徴的な方法で復号する
画像データ復号装置500と、復号によって原画像と同
じ形式に戻された画像データを第1の符号化データへ再
符号化する後置符号化ユニット704と、そうした得ら
れた第1の符号化データを記録するストレージ706
と、同様に第1の符号化データを復号する後置復号ユニ
ット708を含む。
【0214】画像データ復号装置500は図28に示し
たものであるが、復号の際にメッシュを利用する点は図
23の画像処理装置10の中間画像生成部18の機能を
利用するものとする。また、画像データ復号装置500
は、キーフレーム復号ユニット506その任意の個所に
おいて第1の符号化の手法に関する表示mを抽出し、こ
れを後置符号化ユニット704に通知するか、またはこ
の表示mが後置符号化ユニット704の符号化手法に合
致するときそれを起動する。表示mは符号化側では当初
の手法である表示mとユーザ指定の手法である表示m’
に分けて考えたが、復号の場面ではその差違はとくに問
題にならず、単に「表示m」とする。
【0215】なお、画像データ復号装置500によって
原画像の形式が再現できるため、この画像は直接表示装
置へ送出することができる。ただし、第1の符号化デー
タまで戻すことによってオリジナルの符号化データの形
式へ戻した場合、後置符号化ユニット704によって例
えばMPEGに準拠する第1の符号化データが生成さ
れ、ストレージ706へ記録される。例えばMPEGデ
コーダである後置復号ユニット708はこのデータを読
み出して復号し、表示装置へ送出する。なお、以上の処
理において、差分情報を利用して仮想的な中間フレーム
を完全に現実の中間フレームへ戻すオプションを利用す
れば、第2の符号化データへの変換、およびそれから第
1の符号化データへの再変換において、第2の符号化を
利用することによるデータのロスまたは画質の低下はな
くすことができる。そのため、第2の符号化を伝送や記
録のみに利用してその存在をユーザに見せたくない場
合、差分情報の利用は有用である。
【0216】図32は、図31の画像符号化装置600
と図31の画像復号装置700を利用する動画像のサー
バクライアントトステムの構成を示す。動画像サーバ8
00は画像符号化装置600を有し、コンテンツストレ
ージ802からMPEGその他の手法で符号化された第
1の符号化データを読み取り、これを第2の符号化デー
タへ変換してネットワーク804へ送出する。
【0217】クライアント806はそれぞれ画像復号装
置700を有し、第2の符号化データを取得し、これを
復号して再生するか、または復号の後に再符号化して第
1の符号化データを生成し、これを記録する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)とは図1(b)は、ふたりの人物
の顔に平均化フィルタを施して得られる画像、図1
(c)と図1(d)は、ふたりの人物の顔に関して前提
技術で求められるp(5,0)の画像、図1(e)と図
1(f)は、ふたりの人物の顔に関して前提技術で求め
られるp(5,1)の画像、図1(g)と図1(h)
は、ふたりの人物の顔に関して前提技術で求められるp
(5,2)の画像、図1(i)と図1(j)は、ふたり
の人物の顔に関して前提技術で求められるp(5,3)
の画像をそれぞれディスプレイ上に表示した中間調画像
の写真である。
【図2】 図2(R)はもとの四辺形を示す図、図2
(A)、図2(B)、図2(C)、図2(D)、図2
(E)はそれぞれ相続四辺形を示す図である。
【図3】 始点画像と終点画像の関係、および第mレベ
ルと第m−1レベルの関係を相続四辺形を用いて示す図
である。
【図4】 パラメータηとエネルギーCfの関係を示す
図である。
【図5】 図5(a)、図5(b)は、ある点に関する
写像が全単射条件を満たすか否かを外積計算から求める
様子を示す図である。
【図6】 前提技術の全体手順を示すフローチャートで
ある。
【図7】 図6のS1の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図8】 図7のS10の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図9】 第mレベルの画像の一部と、第m−1レベル
の画像の一部の対応関係を示す図である。
【図10】 前提技術で生成された始点階層画像を示す
図である。
【図11】 図6のS2に進む前に、マッチング評価の
準備の手順を示す図である。
【図12】 図6のS2の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図13】 第0レベルにおいて副写像を決定する様子
を示す図である。
【図14】 第1レベルにおいて副写像を決定する様子
を示す図である。
【図15】 図12のS21の詳細を示すフローチャー
トである。
【図16】 あるf(m,s)についてλを変えながら
求められたf(m,s)(λ=iΔλ)に対応するエネ
ルギーC(m,s)fの挙動を示す図である。
【図17】 ηを変えながら求められたf(n)(η=
iΔη)(i=0,1,…)に対応するエネルギーC
(n)fの挙動を示す図である。
【図18】 第1画像と第2画像間である画素の対応す
る様子を示す図である。
【図19】 第1画像上にとられた起点ポリゴンと第2
画像上にとられた終点ポリゴンの対応関係を示す図であ
る。
【図20】 起点ポリゴン内の点に対応する終点ポリゴ
ン内の点を求める手順を示す図である。
【図21】 実施の形態で対応点ファイルを生成する手
順を示すフローチャートである。
【図22】 実施の形態で、対応点ファイルをもとに中
間画像を生成する手順を示すフローチャートである。
【図23】 実施の形態に係る画像処理装置の構成図で
ある。
【図24】 実施の形態による画像データ符号化の概念
を示す図である。
【図25】 実施の形態に係る画像データ符号化装置の
構成図である。
【図26】 実施の形態に係る画像データ符号化装置に
よる処理を示すフローチャートである。
【図27】 符号化画像データの構成図である。
【図28】 実施の形態に係る画像データ復号装置の構
成図である。
【図29】 実施の形態に係る画像データ復号装置によ
る処理を示すフローチャートである。
【図30】 実施の形態に係る、第1の符号化データを
第2の符号化データへ変換するための画像符号化装置の
構成図である。
【図31】 実施の形態に係る、第2の符号化データを
第1の符号化データへ戻す画像復号装置の構成図であ
る。
【図32】 図30の画像符号化装置と図31の画像復
号装置を利用したサーバクライアントシステムの構成図
である。
【符号の説明】
14 マッチングプロセッサ 18 中間画像生成部 200、202 キーフレーム 204 仮想的な中間フレーム 206 現実の中間フレーム 210 差分画像 400 画像データ符号化装置 404 フレーム分別ユニット 406 キーフレーム検出部 408 中間フレーム生成ユニット 410 マッチング計算部 412 フレーム補間部 414 中間フレーム符号化ユニット 420 キーフレーム圧縮ユニット 422 符号化データ生成ユニット 424 仮想的な中間フレーム 426 現実の中間フレーム 428 キーフレーム 430 中間フレームの符号化データ 432 圧縮されたキーフレーム 500 画像データ復号装置 502 符号化画像データ入力ユニット 504 符号化フレーム分別ユニット 506 キーフレーム復号ユニット 510 復号データ生成ユニット 512 付加データ 514 差分復号ユニット 516 復号された差分画像、すなわち復号された中間
フレームの符号化データ 600 画像符号化装置 602,702 画像入力ユニット 604 前置復号ユニット 606,706 ストレージ 608 通信ユニット 700 画像復号装置 704 後置符号化ユニット 708 後置復号ユニット 800 動画像サーバ 806 クライアント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 品川 嘉久 東京都江戸川区西葛西5−10−26 Fターム(参考) 5C053 FA29 GA11 GB22 GB26 GB29 GB36 GB37 KA11 LA14 5C059 KK03 MA00 MA23 MA31 MA45 MC38 ME02 ME11 PP04 PP12 SS08 SS11 UA02 UA05 UA15

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の画像フレームを所定の手法で符号
    化した結果生じた第1の符号化データを取得する工程
    と、 前記第1の符号化データを復号する工程と、 復号の結果得られた複数の画像フレームを、それらの中
    で定められたキーフレーム間の対応点を記述する対応点
    ファイルを含む第2の符号化データへ変換する工程と、 を含む画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の符号化データを伝送用のデー
    タ形式であり、伝送直前の場面において前記第2の符号
    化データを生成する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の符号化データを記録用のデー
    タ形式であり、記録媒体への格納直前の場面において前
    記第2の符号化データを生成する請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記変換する工程は、前記キーフレーム
    に含まれる特異点を検出し、これら特異点どうしの対応
    関係をもとに前記対応点ファイルを生成する請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記変換する工程は、前記キーフレーム
    間で画素単位のマッチングを計算することにより前記対
    応点ファイルを生成する請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記変換する工程は、前記キーフレーム
    をポリゴンに分割したうえでそのポリゴンどうしの対応
    関係をもとに前記対応点ファイルを生成する請求項1に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記変換する工程は、前記キーフレーム
    から多重解像度画像を生成したうえで複数の解像度の画
    像における特異点どうしの対応関係をもとに前記対応点
    ファイルを生成する請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記変換する工程は、前記キーフレーム
    に多重解像度特異点フィルタを作用させることにより前
    記対応点ファイルを生成する請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記変換する工程は、前記キーフレーム
    と前記対応点ファイルから復元されるべき中間フレーム
    と現実の中間フレームの差分に関する情報を前記第2の
    符号化データへ組み込む請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記変換する工程は、前記所定の手法
    の表示を前記第2の符号化データに組み入れる請求項1
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記変換する工程は、前記所定の手法
    に代えて、指定された手法の表示を前記第2の符号化デ
    ータに組み入れる請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 複数の画像フレームの中で定められた
    キーフレーム間の対応点を記述する対応点ファイルを含
    む第2の符号化データを取得する工程と、 前記対応点ファイルを用いて補間計算を実行し前記キー
    フレーム間の中間フレームを生成する工程と、 前記キーフレームおよび生成された中間フレームを含む
    複数の画像フレームを所定の手法で符号化し、第1の符
    号化データを生成する工程と、 を含む画像処理方法。
  13. 【請求項13】 前記中間フレームを生成する工程は、
    前記第2の符号化データに含まれる前記所定の手法の表
    示を検出し、前記第1の符号化データを生成する工程は
    検出された表示にしたがって符号化を行う請求項12に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記中間フレームを生成する工程は、
    前記中間フレームをポリゴン単位の補間計算にて生成す
    る請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記中間フレームを生成する工程は、
    生成された中間フレームと現実の中間フレームの差分に
    関する情報が前記第2の符号化データに含まれていれ
    ば、この情報を用いて中間フレームを修正する請求項1
    2に記載の方法。
  16. 【請求項16】 複数の画像フレームを所定の手法で符
    号化した結果生じた第1の符号化データを取得する画像
    入力部と、 前記第1の符号化データを復号する復号部と、 復号の結果得られた複数の画像フレームを、それらの中
    で定められたキーフレーム間の対応点を記述する対応点
    ファイルを含む第2の符号化データへ変換する符号化部
    と、 前記第2の符号化データを出力するストリーム生成部
    と、 を含む画像処理装置。
  17. 【請求項17】 前記第2の符号化データをネットワー
    クへ送出する通信部をさらに含む請求項16に記載の装
    置。
  18. 【請求項18】 前記符号化部は、前記キーフレームに
    含まれる特異点を検出し、これら特異点どうしの対応関
    係をもとに前記対応点ファイルを生成する請求項16に
    記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記符号化部は、前記キーフレームに
    多重解像度特異点フィルタを作用させることにより前記
    対応点ファイルを生成する請求項16に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記符号化部は、前記キーフレームと
    前記対応点ファイルから復元されるべき中間フレームと
    現実の中間フレームの差分に関する情報を前記第2の符
    号化データへ組み込む請求項16に記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記ストリーム生成部は、前記所定の
    手法の表示を前記第2の符号化データに組み入れる請求
    項16に記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記ストリーム生成部は、前記所定の
    手法に代えて、指定された手法の表示を前記第2の符号
    化データに組み入れる請求項16に記載の装置。
  23. 【請求項23】 複数の画像フレームの中で定められた
    キーフレーム間の対応点を記述する対応点ファイルを含
    む第2の符号化データを取得する画像入力部と、 前記対応点ファイルを用いて補間計算を実行し前記キー
    フレーム間の中間フレームを生成する中間画像生成部
    と、 前記キーフレームおよび生成された中間フレームを含む
    複数の画像フレームを所定の手法で符号化し、第1の符
    号化データを生成する符号化部と、 を含む画像処理装置。
  24. 【請求項24】 前記中間画像生成部は、前記第2の符
    号化データに含まれる前記所定の手法の表示を検出し、
    前記符号化部は検出された表示にしたがって符号化を行
    う請求項23に記載の装置。
  25. 【請求項25】 前記中間画像生成部は、前記中間フレ
    ームをポリゴン単位の補間計算にて生成する請求項23
    に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記中間画像生成部は、生成された中
    間フレームと現実の中間フレームの差分に関する情報が
    前記第2の符号化データに含まれていれば、この情報を
    用いて中間フレームを修正する請求項23に記載の装
    置。
  27. 【請求項27】 動画像のサーバとクライアントを含む
    システムであり、 前記サーバは、所定の手法で符号化された動画像に関す
    る第1の符号化データを取得し、これを所定のキーフレ
    ーム間の対応点を記述する対応点ファイルを含む第2の
    符号化データへ変換して出力し、 前記クライアントは、第2の符号化データを取得し、こ
    れを復号して再生することを特徴とする画像処理システ
    ム。
  28. 【請求項28】 前記クライアントは、前記第2の符号
    化データを前記第1の符号化データへ変換したうえでこ
    れを保存する請求項27に記載のシステム。
  29. 【請求項29】 前記クライアントは、前記第2の符号
    化データを当該クライアントにて再生可能な画像形式へ
    変換したうえでこれを再生する請求項27に記載のシス
    テム。
  30. 【請求項30】 複数の画像フレームを所定の手法で符
    号化した結果生じた第1の符号化データを取得する工程
    と、 前記第1の符号化データを復号する工程と、 復号の結果得られた複数の画像フレームを、それらの中
    で定められたキーフレーム間の対応点を記述する対応点
    ファイルを含む第2の符号化データへ変換する工程と、 をコンピュータに実行せしめることを特徴とするコンピ
    ュータプログラム。
  31. 【請求項31】 複数の画像フレームの中で定められた
    キーフレーム間の対応点を記述する対応点ファイルを含
    む第2の符号化データを取得する工程と、 前記対応点ファイルを用いて補間計算を実行し前記キー
    フレーム間の中間フレームを生成する工程と、 前記キーフレームおよび生成された中間フレームを含む
    複数の画像フレームを所定の手法で符号化し、第1の符
    号化データを生成する工程と、 をコンピュータに実行せしめることを特徴とするコンピ
    ュータプログラム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545931A (ja) * 2006-08-03 2009-12-24 クゥアルコム・インコーポレイテッド 領域変換を用いたメッシュベースのビデオ圧縮
JP2011024003A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Fujifilm Corp 立体動画記録方法および装置、動画ファイル変換方法および装置
CN113170109A (zh) * 2018-11-30 2021-07-23 交互数字Vc控股公司 视频编码/解码中通用预测的统一化的处理和语法

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