JP2003031528A - Cmp用スラリーおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

Cmp用スラリーおよび半導体装置の製造方法

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JP2003031528A
JP2003031528A JP2001218526A JP2001218526A JP2003031528A JP 2003031528 A JP2003031528 A JP 2003031528A JP 2001218526 A JP2001218526 A JP 2001218526A JP 2001218526 A JP2001218526 A JP 2001218526A JP 2003031528 A JP2003031528 A JP 2003031528A
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cmp
slurry
abrasive
polishing
semiconductor device
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JP2001218526A
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Fukugaku Minami
学 南幅
Hiroyuki Yano
博之 矢野
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体装置の性能および品質を損なうおそれを
低減して、生産効率を容易に向上できるCMP用スラリ
ーおよび半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】CMP用スラリー1は、一方向に沿って延
ばされた長尺形状を有する研磨剤本体2と、この研磨剤
本体2の表面に付着される複数個の研磨粒子3と、によ
って形成された研磨剤4を複数個含有している。半導体
装置の製造方法は、本発明に係るこのCMP用スラリー
1を用いて化学的機械的研磨処理を行う工程を含んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学的機械的研磨
処理に用いられるCMP用スラリー、および半導体装置
の製造方法に関し、特に、DRAMや高速ロジックLS
Iなどに用いられる、Al, Cu, W などによって形成され
る埋め込み配線(ダマシン配線)を形成するためのCM
P用スラリー、および半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIを始めとする各種半導体装
置の製造分野(製造プロセス)において、デバイスの微
細化および高密度化などが進んでいる。また、これに伴
って種々様々な微細加工技術の開発および研究がなされ
ている。
【0003】例えば、絶縁膜の表層部に配線を加工して
形成する工程においては、従来よりRIE(reactive i
on etching)が用いられている。ところが、配線を形成
する金属が例えば銅(Cu)である場合、銅は蒸気圧が高
いため、RIEを適用した加工形成プロセスでは、微細
かつ高密度な銅配線を所望通りの形状に加工して形成す
ることは困難である。また、膜厚が1μm程度の金属膜、
例えばアルミニウム(Al)膜を、RIEによる加工形成
プロセスで所望通りの形状に加工して形成することも困
難になりつつある。したがって、RIEによる加工形成
プロセスでは、デバイスのさらなる微細化および高密度
化が進むことが予想される次世代LSIなど、将来の半
導体装置の製造に欠かすことのできない、極めて微細か
つ高密度な構造からなる配線などの加工形成が極めて困
難となることが容易に予想される。
【0004】このような状況を鑑みて、微細かつ高密度
な配線などの加工形成を可能とするために、RIEに取
って代わる微細加工技術として、化学的機械的研磨(C
MP:Chemical Mechanical Polishing)技術が必須の
プロセスとなりつつある。実際、前述したような困難を
克服するために、CMP技術を利用した埋め込み配線
(ダマシン配線)などの製造プロセスの技術開発および
研究が、近年、急速に進展している。
【0005】現在のCMP技術(CMP法)において
は、配線金属のディッシング(dishing)や絶縁膜のシ
ニング(thinning)などを含めた被研磨部のエロージョ
ン(erosion)やスクラッチ(scratch)の低減と、研磨
速度(研磨レート)の高速化とは、互いに排他的な関係
(トレード・オフ)にある。エロージョンやスクラッチ
の発生は、半導体装置の性能や品質が劣化する要因、ひ
いては歩留まりが低下する要因となる。また、研磨速度
の低下は、半導体装置の生産効率の低下につながる。し
たがって、エロージョンやスクラッチの低減と、研磨速
度の高速化とを両立させる試みが、研究者や、あるいは
技術者達の間で盛んに行われている。
【0006】主なところでは、例えば研磨パッド(研磨
布)の硬質化や、あるいは研磨粒子の研磨パッドへの固
定化など、研磨パッドの改良が試みられている。また、
例えばCMP用スラリーの成分の工夫など、CMP用ス
ラリーの改良も試みられている。
【0007】研磨パッドの改良は、現段階においては、
配線金属に入るスクラッチが多いことや、あるいは研磨
速度が不安定であるなど、前述したCMP技術の短所を
克服するまでには至っておらず、未だ実用化できる水準
には達していない。他方、CMP用スラリーの改良は、
一般的に使用されている実績ある研磨パッドの使用を前
提とした改良であるため、その実用化が期待されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、CM
P法を行う際のエロージョンの低減と、研磨速度の高速
化とを両立させるために、CMP用スラリーの改良が盛
んに行われている。例えば、CMP用スラリーに含まれ
ている各成分の中でも、研磨作用の観点において主要な
働きをする研磨粒子を適正なものに調整する改良が試み
られている。
【0009】高い研磨速度を得るためには、図12
(a)に示すように、できるだけ大きい研磨粒子102
を含んでいるCMP用スラリー101を用いることが好
ましい。具体的には、各研磨粒子102は、それぞれの
大きさを表す一次粒子径Xが、約35nm以上の大きさを有
していることが好ましい。ところが、このような大きさ
の研磨粒子102を含んでいるCMP用スラリー101
を用いると、研磨速度の高速化を図ることはできるが、
図13(a)に示すように、被研磨基板103の被研磨
部104に、エロージョン105やスクラッチ106な
どが発生し易くなる。
【0010】他方、エロージョンやスクラッチなどを低
減するためには、図12(b)に示すように、できるだ
け小さい研磨粒子202を含んでいるCMP用スラリー
201を用いることが好ましい。具体的には、各研磨粒
子202は、それぞれの一次粒子径Xが、約35nm未満の
大きさであることが好ましい。ところが、このような大
きさの研磨粒子を含んでいるCMP用スラリー201を
用いると、図13(b)に示すように、エロージョンや
スクラッチなどの発生を抑制することはできるが、研磨
速度が著しく遅くなり、実用的な研磨速度を得ることが
困難となるおそれがある。
【0011】これは、研磨粒子202が小さいために、
研磨粒子202の大きさと、図示しない研磨パッドの表
面の凹凸の大きさ、すなわち研磨パッドの表面の粗さと
の大小関係が適切な状態になっていないことによるもの
と考えられる。具体的には、研磨粒子202の大きさと
比較して、研磨パッドの表面が粗過ぎるため、その凹凸
の中に研磨粒子202が埋もれてしまい、研磨粒子20
2の研磨力が被研磨基板103の被研磨部104に適切
な状態で伝達されないためであると考えられる。
【0012】そのような状態を回避するためには、研磨
粒子202の大きさに合わせて、研磨パッドの表面の凹
凸をより細かくすればよい。ところが、現段階のコンデ
ィショニング技術では、ドレッサー側の目詰まりなどに
より、研磨パッドの切れ込みの深さや、あるいは粗大さ
などを、所定の大きさに安定して保持できるように制御
(調整)することは困難である。
【0013】また、前述したような一次粒子径Xが約35
nm未満の小さい研磨粒子202を多数個含んでいるCM
P用スラリー301を用いる場合においても、図12
(c)に示すように、それらを多数個凝集させて凝集体
302を形成させることによって、研磨速度を向上させ
ることはできる。これは、凝集体302全体が擬似的に
一つの研磨粒子として働いて、被研磨部104を研磨す
るためである。ただし、各研磨粒子202の一次粒子径
Xを大きくした場合と同様に、凝集体302全体の大き
さを表す二次粒子径Y,Zが大きくなればなる程、図1
3(c)に示すように、エロージョン105やスクラッ
チ106などが発生し易くなる。
【0014】さらに、研磨粒子202の凝集状態は経時
変化を起こし易い。例えば、CMP用スラリー301を
使用せずに保存しておくと、その内部に含まれる凝集体
302同士がさらに凝集し合って、図示しない粗大粒子
が時間の経過とともに増加する。これにより、長い間使
用されなかったCMP用スラリー301は、これを使用
した際に、エロージョン105やスクラッチ106を引
き起こす原因となるおそれが高い。また、粗大粒子数が
増えると、各粗大粒子同士の間で凝集が起こり、さらに
巨大な粗大粒子数が増える。すると、凝集した各粗大粒
子は、CMP用スラリー301の溶媒(溶液)303中
に溶解(浮遊)していることができなくなり、沈殿(沈
降)する。一旦沈殿した粗大粒子の凝集体は、再び溶媒
中に溶解する可能性は殆ど無い。
【0015】このように、CMP用スラリー301中の
粗大粒子数が増加したり、あるいはCMP用スラリー3
01中に粗大粒子の凝集体からなる図示しない沈殿物が
一旦形成されたりすると、そのCMP用スラリー301
は実質的に使用不可能となる。このような現象は、図1
2(a)に示すように、CMP用スラリー101に含ま
れている研磨粒子102の一次粒子径Xを大きくした場
合においても同様に起こり得る。
【0016】以上説明したように、単に研磨粒子の大き
さを変えたり、あるいはその凝集状態を調整したりする
だけでは、CMP法を行う際のエロージョンやスクラッ
チの低減と、研磨速度の高速化とを両立させることは極
めて困難である。ひいては、半導体装置の歩留まりや生
産効率を向上させることは極めて困難である。
【0017】本発明は、以上説明したような課題を解決
するためになされたものであり、その目的とするところ
は、半導体装置の性能および品質を損なうおそれを低減
できるとともに、その生産効率を容易に向上できるCM
P用スラリーおよび半導体装置の製造方法を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係るCMP用スラリーは、所定の方向に沿
って延ばされた長尺形状を有する研磨剤本体と、この研
磨剤本体の表面に付着される複数個の研磨粒子と、によ
って形成された研磨剤を含有することを特徴とするもの
である。
【0019】このCMP用スラリーにおいては、これに
含まれている研磨剤が、長尺形状を有する研磨剤本体
と、この研磨剤本体の表面に付着される複数個の研磨粒
子と、によって形成されている。これにより、研磨粒子
が被研磨部の一部に部分的に集中してしまい、一つの箇
所を過剰に研磨したり、あるいは他の箇所を殆ど研磨し
なかったりするおそれを抑制できる。すなわち、研磨粒
子が被研磨部を偏って研磨するおそれを抑制して、被研
磨部を略均一に研磨することができる。また、研磨剤
と、この研磨剤によって研磨される被研磨部との接触面
積を増大させて研磨速度の向上を図ることができる。
【0020】また、本発明に係るCMP用スラリーを実
施するにあたり、その材料などの一部を、以下に述べる
ような設定としても構わない。
【0021】前記研磨剤本体は、弾性的に変形可能な棒
状に形成されている。
【0022】前記研磨剤本体は、樹脂またはゴムによっ
て形成されている。
【0023】前記樹脂またはゴムは、ポリメチルメタク
リル酸、ポリスチレン、ナイロン、塩化ビニール、およ
びポリプロピレンのうちの少なくとも1種類を主成分と
する。
【0024】前記研磨剤本体は、自在に変形可能な紐状
に形成されている。
【0025】前記研磨剤本体は、界面活性剤によって形
成されている。
【0026】前記界面活性剤は、ポリアクリル酸塩また
はポリカルボン酸塩を主成分とする。
【0027】前記研磨剤本体は、その分子量が10000以
下である。
【0028】前記研磨剤本体は、その長さが、0.1〜30
μmに形成されている。
【0029】前記研磨粒子は、その一次粒子径の大きさ
が、30nm以下である。
【0030】前記研磨粒子は、Al, Cu, Si, Cr, Ce, T
i, C, Fe のうちの少なくとも1種類の元素を主成分と
する酸化物、炭化物、または窒化物、あるいはこれら各
化合物の混合物または混晶物である。
【0031】前記研磨剤は、スラリー溶液中でその長手
方向の端部同士が互いに接触して連なるように複数個が
凝集する。
【0032】本発明に係るCMP用スラリーを実施する
にあたり、このCMP用スラリーに含まれている研磨剤
の構成などを、以上述べたような各種設定とすることに
より、研磨剤によって研磨される被研磨部を、その材質
などに応じて適正な研磨剤を用いて適正な状態で研磨で
きる。したがって、被研磨部をより均一に、かつより迅
速に研磨することができる。
【0033】また、前記課題を解決するために、本発明
に係る半導体装置の製造方法は、本発明に係るCMP用
スラリーを用いて化学的機械的研磨処理を行う工程を含
むことを特徴とするものである。
【0034】この半導体装置の製造方法においては、本
発明に係るCMP用スラリーを用いて化学的機械的研磨
処理を行う。これにより、被研磨部を略均一に研磨し
て、被研磨部を適正な状態に形成することができる。ま
た、研磨速度を向上させて、化学的機械的研磨処理を迅
速に行うことができる。
【0035】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
を実施するにあたり、その工程などの一部を、以下に述
べるような設定としても構わない。
【0036】前記化学的機械的研磨処理が、表層部に埋
め込み配線用の凹部を設けた絶縁膜と、その埋め込み配
線用の凹部を覆うように前記絶縁膜の上に形成した所定
の金属を主成分とする金属膜とを備える被研磨基板の被
研磨部に対して施されるものであり、前記絶縁膜の表面
が露出するまで前記金属膜を研磨することで、前記埋め
込み配線用の凹部内に前記金属膜の一部を選択的に残留
させる。
【0037】前記所定の金属を主成分とする金属膜は、
Cu, Al, W, Ti, Mo, Nb, Ta, V, Ru, Agのうちのいずれ
か1種類の金属元素によって形成される単一金属の膜、
あるいは前記金属元素のうちの少なくとも1種類を主成
分として含有している合金、窒化物、ホウ化物、酸化
物、またはこれらの混合物によって形成される膜、ある
いは前記単一金属の膜または前記混合物の膜が単層また
は複数層に積層形成されたものである。
【0038】前記CMP用スラリーにおける前記研磨剤
本体は、その長さが、前記凹部に埋め込み形成される埋
め込み配線の配線幅の半分以上となるように設定されて
いる。
【0039】本発明に係る半導体装置の製造方法を実施
するにあたり、その工程などの一部を、以上述べたよう
な各種設定とすることにより、研磨剤によって研磨され
る被研磨部を、その材質などに応じて適正な研磨剤を用
いて適正な状態で研磨できる。したがって、被研磨部を
より適正な状態に、かつより迅速に研磨して形成するこ
とができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1および第2の
実施の形態に係るCMP用スラリーおよび半導体装置の
製造方法を、図1〜図11に基づいて各実施形態ごとに
説明する。
【0041】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態に係るCMP用スラリーおよび半導体装置
の製造方法を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0042】まず、本実施形態のCMP用スラリーにつ
いて、図1〜図4、ならびに図6および図7を参照しつ
つ説明する。
【0043】本実施形態のCMP用スラリー1は、所定
の方向に沿って延ばされた長尺形状を有する研磨剤本体
2と、この研磨剤本体2の表面に付着される複数個の研
磨粒子3と、によって形成された研磨剤4を含有するこ
とを前提とするものである。
【0044】また、このCMP用スラリー1は、次に述
べる特徴を備えるものとする。
【0045】研磨剤本体2は、弾性的に変形可能な棒状
に形成されている。
【0046】研磨剤本体2は、樹脂またはゴムによって
形成されている。
【0047】研磨剤本体2を形成している樹脂またはゴ
ムは、ポリメチルメタクリル酸、ポリスチレン、ナイロ
ン、塩化ビニール、およびポリプロピレンのうちの少な
くとも1種類を主成分とする。
【0048】研磨粒子3は、その一次粒子径の大きさC
が、30nm以下である。
【0049】研磨粒子3は、Al, Cu, Si, Cr, Ce, Ti,
C, Fe のうちの少なくとも1種類の元素を主成分とする
酸化物、炭化物、または窒化物、あるいはこれら各化合
物の混合物または混晶物である。
【0050】研磨剤4は、スラリー溶液7中でその長手
方向の端部同士が互いに接触して連なるように複数個が
凝集する。
【0051】さらに、このCMP用スラリー1は、次に
述べる特徴を備えるものとする。
【0052】研磨剤本体2は、その長さAが、研磨剤4
によって研磨される被研磨部5に形成されている配線6
の配線幅Dの半分以上となるように形成されている。
【0053】以下、本実施形態のCMP用スラリー1
を、図1〜図4、ならびに図6および図7を参照しつ
つ、具体的に説明する。
【0054】このCMP用スラリー1に含まれている研
磨剤4は、図2(a)に示すように、その研磨剤本体2
が、ポリメチルメタクリル酸(PMMA)を主成分とす
る樹脂によって、弾性的に変形可能な棒状に形成されて
いる。また、研磨剤4は、その研磨粒子3が、図2
(b)に示すように、シリコン(Si)を主成分とする酸
化物によって形成されている。
【0055】具体的には、図3に示すように、例えば、
pH4程度の弱酸性の溶液9中において、研磨剤本体と
しての棒状のPMMA2の表面に負に帯電しているアミ
ノ基(NH2、カチオン)10を形成する。このアミノ基
10に正に帯電している研磨粒子としてのシリカ3を静
電気的に吸着させる。これにより、研磨剤4が形成され
る。研磨剤本体2が弾性的に変形可能な樹脂製であるた
め、この研磨剤4を含んでいるCMP用スラリー1を用
いて、後述する化学的機械的研磨処理(CMP処理)を
行う際に、研磨剤本体2に大きな外力(ストレス)が加
わっても、研磨剤本体2が折れるおそれは殆どない。し
たがって、CMP処理中に、研磨剤4が被研磨部を必要
以上に研磨するおそれは殆どない。ひいては、本実施形
態の研磨剤4が、CMP処理中におけるエロージョン
(erosion)やスクラッチ(scratch)の発生要因となる
おそれは殆どない。
【0056】研磨剤本体2と研磨粒子3とは、互いに静
電気力により結合(イオン結合)しているので、それら
の間の結合力は極めて大きい。したがって、これらの研
磨剤本体2および研磨粒子3からなる研磨剤4を含んで
いるCMP用スラリー1を用いて、CMP処理を行って
も、研磨剤4が摩擦力などによって分解されて、その研
磨能力がなくなるおそれは殆どない。研磨剤本体2と研
磨粒子3との間の結合力は、従来の技術に係る研磨粒子
が凝集体を形成する際の凝集力に比べて、はるかに強大
である。
【0057】以上説明した構造により、研磨剤4は、C
MP用スラリー1の溶液(分散液)7中における存在状
態の調整(制御)を容易に行うことができる。ひいて
は、CMP処理中における存在状態の調整(制御)も容
易に行うことができる。具体的には、複数個の研磨剤4
を、図1(a)に示すように、CMP用スラリー1の溶
液(分散液)7中において、互いに分散させた状態で保
存することができる。あるいは、複数個の研磨剤4を、
図1(b)に示すように、CMP用スラリー1の溶液
(分散液)7中において、互いに凝集させた状態で保存
することができる。
【0058】特に、本実施形態の研磨剤4は、CMP用
スラリー1の溶液(分散液)7中において、互いに凝集
して凝集体8を形成する場合、各研磨剤4の長手方向の
端部同士が互いに接触して連なるように凝集する特徴を
有している。これは、次に説明するように考えられる。
各研磨剤4の研磨剤本体2の表面、とくに端部を除く外
周部には、正に帯電している研磨粒子3が複数個付着し
ている。これにより、研磨剤4同士が分子間引力により
接近すると、それぞれの研磨粒子3同士が電気的に反発
し合うので、各研磨剤4は互いに一定の距離以内には接
近することができない。したがって、各研磨剤4は、互
いに反発し合う研磨粒子3の数が少ない、研磨剤本体2
の長手方向の端部同士を互いに接触させて連なるように
凝集すると考えられる。
【0059】以上説明したように、複数個の研磨剤4が
長手方向に沿って延びるように連なって形成される凝集
体8は、研磨剤4同士の接触面積が小さいので、従来の
技術に係る研磨粒子の凝集体と比較して、僅かな外力で
も簡単に崩壊する。したがって、本実施形態の研磨剤4
が形成する凝集体8は、CMP処理中におけるエロージ
ョンやスクラッチなどの発生要因となるおそれは殆どな
い。また、研磨剤4が形成する凝集体8は、僅かな外力
でも簡単に崩壊するため、粗大粒子や沈殿物を形成し難
い。たとえ、それらを形成したとしても、前述した特性
によって、研磨剤4からなる粗大粒子や沈殿物は、容易
に分散状態にすることができる。したがって、この研磨
剤4を含んでいるCMP用スラリー1は、その品質が劣
化し難く、かつ長期間の保存に耐えることができるの
で、長寿命かつ経済的である。
【0060】また、本実施形態の研磨剤4は、図2
(a)および図4に示すように、その研磨剤本体2の長
さAが、研磨剤4によって研磨される被研磨部5に形成
されている配線6の配線幅Dの半分以上となるように形
成されている。これにより、各研磨剤4は、その全体が
CMP処理中に配線6の幅の間に位置するおそれが極め
て低くなる。各研磨剤4は、図4に示すように、その長
手方向両端部が配線6の幅方向両縁部に引っ掛かった
り、あるいは被研磨部5を構成している絶縁膜10の表
面(フィールド面)と配線6とを跨ぐような姿勢で位置
したりする確率がきわめて高い。したがって、本実施形
態の研磨剤4は、CMP処理中に図示しない研磨パッド
から強い外力を加えられても、配線6を抉り取る(深く
研磨する)おそれが殆ど無いので、エロージョンやスク
ラッチなどの発生要因となるおそれは殆どない。
【0061】研磨剤4の研磨剤本体2の長さAの具体的
な値としては、図7に示すように、例えば約0.1〜30μm
が好ましい。これは、研磨剤本体2の長さAが0.1μm未
満では、CMP処理中の研磨速度、エロージョンの発生
率、スクラッチ密度など、研磨剤4の研磨特性が、従来
技術に係る研磨粒子の研磨特性と殆ど変わらなくなって
しまうためである。また、研磨剤本体2の長さAが30μ
mを超えると、CMP用スラリー1の溶液7中におい
て、適正な分散状態を安定して保持できなくなるおそれ
が生じるためである。
【0062】また、現在の配線パターンの配線ルール
(設計ルール、デザインルール)においては、配線6の
配線幅Dは、殆どが約30μm以下に設定されているため
である。研磨剤本体2の長さAが約0.1〜30μmであれ
ば、CMP処理中において、研磨剤4が前述したような
エロージョンやスクラッチなどの発生を抑制できる姿勢
をとることができる確率が極めて高くなる。さらに、将
来に向けて、配線6のさらなる微細化が容易に予想され
る。したがって、研磨剤本体2の長さAが、図7に示す
ように、約0.1〜30μmであることが、現在も含めた今後
の半導体装置の製造プロセスにおいても、必要十分な設
定条件である。
【0063】また、研磨粒子3は、これが独立して存在
している場合の大きさを表す一次粒子径の大きさCが、
約30nm以下であることが好ましい。これは、一般的なC
MP処理の研磨特性の観点からは、基本的に研磨粒子3
の一次粒子径の大きさCが小さくなるのに伴って、エロ
ージョンやスクラッチなどの発生率が低くなるためであ
る。特に好ましくは、研磨粒子3は、その一次粒子径の
大きさCが、約10nm〜約20nmであるとよい。このような
大きさであれば、後述するように、研磨速度とエロージ
ョンやスクラッチなどの低減とを高い水準で両立するこ
とが可能となる。
【0064】従来の技術に係る研磨粒子においては、図
6中△印および一点鎖線で示すように、その一次粒子径
が小さくなるのに伴って、エロージョンの発生率も低下
した。ところが、図6中□印および二点鎖線で示すよう
に、研磨粒子の一次粒子径が小さくなるのに伴って、そ
の研磨速度が低下した。
【0065】これに対して、本実施形態の研磨剤4にお
いては、研磨剤本体2に研磨粒子3が複数個付着するこ
とにより、実質的な凝集状態を形成している。したがっ
て、本実施形態の研磨粒子3においては、図6中☆印で
示すように、その一次粒子径の大きさCが15nmと極めて
小さいにも関わらず、その研磨速度は従来技術の研磨粒
子の研磨速度に比較して、2倍に向上されている。具体
的には、一次粒子径の大きさCが15nmの場合、従来技術
の研磨粒子の研磨速度は、約200(nm/min)であった。こ
れに対して、本実施形態の研磨粒子3の研磨速度は、約
400(nm/min)であった。
【0066】また、本実施形態の研磨粒子3において
は、図6中○印で示すように、これを用いた場合のエロ
ージョンの深さは約30nmであった。同じ大きさの一次粒
子径を有している従来技術の研磨粒子を用いた場合のエ
ロージョンの深さは、約20nmであった。すなわち、研磨
粒子3を用いた際のエロージョンの深さは、従来技術の
研磨粒子を用いた場合のエロージョンの深さに比べる
と、約10nmほど深くなっている。ただし、前述したよう
に、配線6の配線幅Dの大きさは約30μmであるので、
これに比べると、エロージョンの深さの差は僅かにその
3000分の1程度である。これは十分に誤差範囲内であ
る。したがって、本実施形態の研磨粒子3は、エロージ
ョンの発生率やその大きさ(深さ)などの観点におい
て、従来技術の研磨粒子に比べて何ら遜色はない。
【0067】むしろ、本実施形態の研磨剤4は、その研
磨粒子3の一次粒子径の大きさCを小さくすることによ
って、従来の技術においては互いに排他的であった研磨
速度の飛躍的な向上と、エロージョンの低減とを両立さ
せている点において、革新的なものである。これは、さ
らなる微細化および高密度化が望まれている半導体装置
の製造プロセスにおいて、利用価値が極めて高い。
【0068】さらに、前述したように、CMP処理中の
エロージョンやスクラッチなどの低減を図るために、C
MP用スラリーではなく、研磨パッドの硬質化(ハード
・パッド化)や、あるいは研磨粒子の研磨パッドへの固
定化など、研磨パッドの改良が試みられている。ところ
が、これらは未だ実用化できる水準には達していない。
【0069】本実施形態の研磨剤4を含むCMP用スラ
リー1によれば、一般的に使用されている実績ある研磨
パッドを使用できる。そして、そのような環境におい
て、前述したような研磨速度の飛躍的な向上と、エロー
ジョンの低減とを両立することができる。つまり、CM
P用スラリーを、本実施形態の研磨剤4を含むCMP用
スラリー1に交換するだけで、他の特別な装置や作業を
要することなく、研磨速度の飛躍的な向上と、エロージ
ョンの低減とを両立することができる。したがって、本
実施形態のCMP用スラリー1は、半導体装置の性能お
よび品質を損なうおそれを低減して歩留まりを向上でき
るとともに、半導体装置の生産効率を容易に向上でき
る。
【0070】また、本実施形態のCMP用スラリー1
は、その汎用性が極めて高いとともに、品質が劣化し難
く長寿命であるので、極めて経済的である。これは、こ
のCMP用スラリー1を用いたCMP処理が施される半
導体装置の低コスト化にも反映させることができる。す
なわち、このCMP用スラリー1を用いたCMP処理を
施すことにより、微細かつ高密度なデバイスを搭載した
半導体装置のコストパフォーマンスを向上させることが
できる。
【0071】さらに、本実施形態のCMP用スラリー1
が含んでいる研磨剤4は、その形状から、ロール、ペン
シル、あるいはブラシなどの掃除用具に容易に絡んだり
するなど、付着し易い。したがって、CMP処理が終了
した後の被研磨基板を洗浄する際などに、基板上に研磨
剤4や、あるいは研磨剤4によって削り取られた削りか
すなどが残り難い。これにより、CMP処理が終了した
後の被研磨基板をより清浄な状態に保持することができ
るので、半導体装置の性能および品質を損なうおそれを
より低減して、歩留まりをより向上できる。
【0072】次に、本実施形態の半導体装置の製造方法
について、図1〜図7を参照しつつ説明する。
【0073】本実施形態の半導体装置の製造方法は、本
発明に係るCMP用スラリー1を用いて化学的機械的研
磨処理を行う工程を含むことを前提とするものである。
【0074】また、この半導体装置の製造方法は、次に
述べる特徴を備えるものとする。
【0075】化学的機械的研磨処理が、表層部10aに
埋め込み配線6用の凹部11を設けた絶縁膜10と、そ
の埋め込み配線6用の凹部11を覆うように絶縁膜10
の上に形成した所定の金属を主成分とする金属膜12と
を備える被研磨基板13の被研磨部5に対して施される
ものであり、絶縁膜10の表面が露出するまで金属膜1
2を研磨することで、埋め込み配線6用の凹部11内に
金属膜12の一部を選択的に残留させる。
【0076】所定の金属を主成分とする金属膜12は、
Cu, Al, W, Ti, Mo, Nb, Ta, V, Ru, Agのうちのいずれ
か1種類の金属元素によって形成される単一金属の膜、
あるいは金属元素のうちの少なくとも1種類を主成分と
して含有している合金、窒化物、ホウ化物、酸化物、ま
たはこれらの混合物によって形成される膜、あるいはそ
れら単一金属の膜または混合物の膜が単層または複数層
に積層形成されたものである。
【0077】CMP用スラリー1における研磨剤本体2
は、その長さが、凹部11に埋め込み形成される埋め込
み配線6の配線幅Dの半分以上となるように設定されて
いる。
【0078】以上簡潔に説明した本実施形態の半導体装
置の製造方法は、具体的にはCMP法である。
【0079】以下、この第1実施形態のCMP法の工程
などについて、図1〜図7を参照しつつ,一実施例を挙
げて詳しく説明する。
【0080】この第1実施形態のCMP法は、半導体装
置の配線6として、銅(Cu)の埋め込み配線(Cuダマシ
ン配線)6を形成する際に行う、いわゆるCu−CMP法
である。本実施例のCMP法を実施するにあたり、前述
したCMP用スラリー1を用いる。
【0081】まず、CMP用スラリー1の具体的な成分
について説明する。研磨剤4の研磨剤本体2は、PMM
Aを主成分とする樹脂を核として、弾性的に変形可能に
形成されている。研磨剤本体2は、図2(a)において
Aで示す長さが約40μm、また図2(a)においてBで
示す直径が約50nm(<<0.2μm)の棒状に形成されてい
る。この研磨剤本体2に電気的に吸着される研磨粒子3
は、コロイダル・シリカによって形成されている。研磨
粒子3は、図2(b)においてCで示す一次粒子径の大
きさが約15nm(<<0.2μm)の略球形状に形成されてい
る。
【0082】CMP用スラリー1の溶液7は、まずその
溶媒16が純水によって構成されている。この溶媒16
の中に、それぞれ重量パーセント濃度で、図示しない酸
化剤としての過硫酸アンモニウムを約1%、図示しない錯
化剤としてのキナルジン酸を約0.5%、同じく図示しない
錯化剤としてのアラニンを約0.1%ずつ加える。さらに、
所定の界面活性剤を加える。これにより、CMP用スラ
リー1の溶液7は調製されている。界面活性剤は、CM
P用スラリー1に含まれている研磨剤4が、図1(b)
に示すように、凝集して凝集体8(二次粒子)を形成し
た際に、その分散性の改善、ならびに研磨パッドの表面
および被研磨部との親水化を適正な状態に調整(制御)
するためのものである。これにより、CMP用スラリー
1の研磨特性のさらなる向上を図ることができる。
【0083】また、本実施形態のCMP法を実施するに
あたり、使用する図示しない研磨パッドは、現在、一般
に用いられているIC1000−Pad(ロデール社製)
とした。この研磨パッドの研磨面の表面の粗さは、おお
よそ20μmである。
【0084】さらに、本実施形態のCMP法を用いて形
成するCu埋め込み配線6は、図4中Dで示す配線幅が約
50μmであるものを、図5(a)〜(e)に示すよう
に、1対近接させて形成されるものである。また、各Cu
埋め込み配線6の間の距離は、約10μmである。
【0085】以下、図5(a)〜(e)を参照しつつ、
本実施例のCu−CMP法について順次説明する。
【0086】まず、図5(a)に示すように、例えばシ
リコン(Si)からなる下地基板14の表面上に絶縁膜1
0を形成する。この絶縁膜10は、例えば二酸化シリコ
ン(SiO2)を主な材料として、塗布法などによって形成
される。
【0087】次に、図5(b)に示すように、リソグラ
フィ技術およびRIE(reactive ion etching)などを
用いて、絶縁膜10の表層部10aに埋め込み配線6用
の凹部(配線溝)11を形成する。
【0088】次に、図5(c)に示すように、絶縁膜1
0の表層部10aに、埋め込み配線用凹部11を全面的
に覆うように、スパッタリングなどによって、所定の金
属を主成分とする金属膜のうちの一つであるバリア・メ
タル用の膜(バリア・メタル膜、バリア金属膜)15を
設ける。この膜15は、例えば窒化タンタル(TaN)に
よって形成されており、TaNライナ15とも称する。
【0089】次に、図5(d)に示すように、TaNライ
ナ15の上に、同じくスパッタリングなどによって、所
定の金属を主成分とする金属膜のうちの他の一つである
埋め込み配線6用の銅(Cu)の膜(配線用Cu膜)12を
設ける。
【0090】以上説明した状態に形成された被研磨基板
としての半導体基板13に、本実施例のCu−CMP法を
適用する。
【0091】CMP用スラリー1(図5(d)において
図示せず。)を図示しない研磨パッドやCMP装置とと
もに用いて、図5(d)に示すように、被研磨部5の主
要部を形成している配線用Cu膜12を、その表面側から
研磨して削り取っていく。配線用Cu膜12を適正な状態
で研磨していくと、配線用Cu膜12の下側にTaNライナ
15が露出してくる。この状態のまま、さらに研磨を続
けると、TaNライナ15の下側に絶縁膜10の表層部1
0aが露出してくる。
【0092】図5(e)に示すように、絶縁膜10の表
層部10aが略全面的に露出して、埋め込み配線用凹部
11の内部にのみ、配線用Cu膜12およびTaNライナ1
5が、選択的に残留した状態になった時点で本実施例の
Cu−CMP法を終了とする。この状態をジャスト・ポリ
ッシュ状態と称する。実際には、ジャスト・ポリッシュ
状態でCMP装置の動作を停止させるのは困難であり、
絶縁膜10の表層部10aも多少研磨される。この状態
をオーバー・ポリッシュ状態と称する。
【0093】また、従来の技術に係るCMP法に対する
本実施例のCu−CMP法の優位性を検討するために、本
実施例のCu−CMP法と同様の条件下において、CMP
用スラリーだけを従来技術のCMP用スラリーに交換し
て、Cu−CMP法を行った。その際、従来技術のCMP
用スラリーには、図12(c)に示すように、比較的小
さい一次粒子径を有する研磨粒子202が複数個凝集し
た凝集体302を形成した状態で含まれているCMP用
スラリー301を用いた。また、凝集体302の大きさ
を表す二次粒子径X,Yは、ともに約0.2μmであった。
【0094】この結果、本発明の第1実施形態に係るC
MP用スラリー1の効果において前述したように、本実
施例のCu−CMP法は、従来技術のCu−CMP法に対し
て、図6で示すように、研磨速度の向上およびエロージ
ョンの低減の2点において、明らかな優位性を得ること
が出来た。例えば、実際に半導体装置を製造する上では、
半導体基板13の仕上げ状態のばらつきや、あるいはC
MPプロセスの実施状態のばらつきなどを考慮して、C
MP処理は、約50%程度のオーバー・ポリッシュ状態に
なるまで行われる。この状態で、エロージョンの深さを
比較すると、従来技術のCu−CMP法では約100nmであ
った。これに対して、本実施例のCu−CMP法では、30
nm未満であった。
【0095】実際の半導体装置の製造プロセスにおいて
は、エロージョンの深さを50nm未満に抑えることができ
れば十分である。したがって、従来技術のCu−CMP法
ではそのスペックを満足することはできなかったのに対
して、本実施例のCu−CMP法は、そのスペックを十分
に満足している。
【0096】また、本実施例のCu−CMP法において
は、IC1000−Padよりも柔らかい研磨パッドを用
いた場合においても、エロージョンの深さが前述した値
よりも大きく(深く)なることはなかった。これに対し
て、従来技術のCu−CMP法においては、エロージョン
の深さが大き過ぎて、埋め込み配線用凹部11内に配線
用金属12としてのCuを残すことすらできなかった。
【0097】これは、例えば次のように考えられる。
【0098】従来の技術においては、研磨速度を向上さ
せるために、図12(c)に示すように、研磨粒子とし
てのシリカ202の二次凝集体302を、物理吸着を主
体に形成している。この二次凝集体302は、CMP用
スラリー溶液(分散液)303中においては、略球形状
あるいはこれに近い形状の塊として存在している。その
大きさを示す図12(c)中X,Yの値は、前述したよ
うに、それぞれ約0.2μmである。
【0099】そのような二次凝集体302を形成してい
るシリカ202を用いて従来技術のCu−CMP法を行う
と、オーバー・ポリッシュ状態となった際に、二次凝集
体302が研磨パッドの弾性変形などによるCMPスト
レスを受ける。すると、CMPスラリー溶液303中の
二次凝集体302が変形または分解(破壊または解体と
も称する。)される。このように、従来の二次凝集体3
02、およびこれを形成しているシリカ202は、CM
P用スラリー溶液303中における存在状態を保持する
ように調整(制御)されていないため、埋め込み配線用
金属12としてのCuへのエロージョンを大きく生じさせ
るような挙動を示す。例えば、埋め込み配線用金属12
(Cu埋め込み配線6)の深さ方向への侵入が激しくな
り、その結果、エロージョンが大きく生じてしまう。
【0100】以上説明したようなメカニズムによって、
従来技術のCu−CMP法においては、埋め込み配線用凹
部11内に配線用金属12としてのCuを残すことすらで
きなかったと考えられる。
【0101】これに対して、本実施例のCu−CMP法に
おいては、前述したように、CMP用スラリー溶液7中
における存在状態を適正な状態に保持するように調整
(制御)されている研磨剤4を含んでいるCMP用スラ
リー1を用いている。したがって、埋め込み配線用凹部
11内に配線用金属12としてのCuを良好な状態で残す
ことができた。
【0102】以上、一実施例を挙げて説明したように、
本実施形態の半導体装置の製造方法である、CMP法に
よれば、前述した研磨剤4を含むCMP用スラリー1を
利用することによって、良好な状態のCu埋め込み配線6
を迅速に形成できる。したがって、この第1実施形態の
CMP法は、半導体装置の性能および品質を損なうおそ
れを低減して歩留まりを向上できるとともに、半導体装
置の生産効率を容易に向上できる。
【0103】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態に係るCMP用スラリーおよび半導体装置
の製造方法を、図6〜図11に基づいて説明する。
【0104】この第2実施形態のCMP用スラリーおよ
び半導体装置の製造方法は、図6〜図11に示すよう
に、CMP用スラリーに含まれている研磨剤の構成、お
よび半導体装置の製造方法を施す被研磨部が、前述した
第1実施形態のCMP用スラリーに含まれている研磨剤
の構成、および半導体装置の製造方法を施す被研磨部と
異なっているだけで、その他の構成、作用、および効果
は同様である。よって、その異なっている部分について
説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成
部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0105】まず、本実施形態のCMP用スラリーにつ
いて、図6〜図10を参照しつつ説明する。
【0106】このCMP用スラリー21は、次に述べる
特徴を備えるものとする。
【0107】研磨剤本体23は、自在に変形可能な紐状
に形成されている。
【0108】研磨剤本体23は、ポリアクリル酸塩また
はポリカルボン酸塩を主成分とする界面活性剤によって
形成されている。
【0109】研磨剤本体23は、その分子量が10000以
下である。
【0110】研磨剤本体23は、その長さが、0.1〜30
μmに形成されている。
【0111】以下、本実施形態のCMP用スラリー21
を、図8〜図10を参照しつつ、具体的に説明する。
【0112】このCMP用スラリー21に含まれている
研磨剤22は、図8および図9に示すように、その研磨
剤本体23が、ポリアクリル酸アンモニウムを主成分と
する高分子界面活性剤を核として、自在に変形可能な紐
状に形成されている。また、研磨剤22は、その研磨粒
子3がシリコン(Si)を主成分とする酸化物によって形
成されている。
【0113】具体的には、例えば、pH4程度の弱酸性
の溶液中において、研磨剤本体としての紐状のポリアク
リル酸アンモニウム23の表面に負に帯電しているカチ
オンを形成する。このカチオンに正に帯電している研磨
粒子としてのシリカ3を静電気的に吸着させる。これに
より、研磨剤22が形成される。この研磨剤本体23
は、前述した第1実施形態の弾性的に変形可能な研磨剤
本体4よりもさらに柔軟性に富んでいる、自在に変形可
能な高分子界面活性剤によって形成されている。このた
め、本実施形態の研磨剤22が、CMP処理中における
エロージョン(erosion)やスクラッチ(scratch)の発
生要因となるおそれは殆どない。
【0114】以上説明した構造により、研磨剤22は、
CMP用スラリー21の溶液(分散液)24中における
存在状態の調整(制御)を容易に行うことができる。ひ
いては、CMP処理中における存在状態の調整(制御)
も容易に行うことができる。具体的には、複数個の研磨
剤22を、図8(a)に示すように、CMP用スラリー
21の溶液(分散液)24中において、互いに分散させ
た状態で保存することができる。あるいは、複数個の研
磨剤22を、図8(b)に示すように、CMP用スラリ
ー21の溶液(分散液)24中において、互いに凝集さ
せた状態で保存することができる。本実施形態の研磨剤
22は、CMP用スラリー21の溶液(分散液)24中
において、互いに凝集して凝集体25を形成する場合、
各研磨剤22の長手方向の端部同士が互いに接触して連
なるように凝集する特徴を有している。
【0115】また、研磨剤本体23を形成している高分
子界面活性剤は、その分子構造が平面的であるものや、
あるいは直線的であるものが好ましい。そのような分子
構造からなる高分子界面活性剤を用いて研磨剤本体23
を形成することにより、エロージョンを生じやすい状
態、例えば、Cu埋め込み配線6の深さ(厚さ)方向への
粒子溜りなどを抑制できる。これにより、エロージョン
やスクラッチなどをさらに低減できる。
【0116】また、研磨剤本体23を形成している高分
子界面活性剤は、その分子量が約10000以下であること
が好ましい。分子量が10000を超えるようになると、研
磨剤本体23を形成している高分子界面活性剤が互いに
絡み合い易くなる。すると、図8(b)を参照しつつ説
明した研磨剤22からなる凝集体25が、前述した適正
な分散性を保持できなくなるなどの好ましくない凝集状
態を形成し易くなる。また、分子量が10000を超えるよ
うになると、研磨粒子3が高分子界面活性剤の中に実質
的に埋もれてしまい、その研磨能力を適正な状態で発揮
できなくなるおそれがある。以上説明したような状態を
回避するために、研磨剤本体23を形成している高分子
界面活性剤は、その分子量が約10000以下であることが
好ましい。具体的な目安としては、図9に示すように、
研磨剤本体23はその長さEが約30μm以下に形成され
ていることが好ましい。
【0117】さらに、本実施形態の研磨剤22は、図9
および図10に示すように、その研磨剤本体23の長さ
Eが、研磨剤22によって研磨される被研磨部5に形成
されているCu埋め込み配線6の配線幅Dの半分以上とな
るように形成されている。これにより、各研磨剤22
は、その全体がCMP処理中にCu埋め込み配線6の幅の
間に位置するおそれが極めて低くなる。各研磨剤22
は、図10に示すように、その長手方向両端部がCu埋め
込み配線6の幅方向両縁部に引っ掛かったり、あるいは
被研磨部5を構成している絶縁膜10の表面(フィール
ド面)とCu埋め込み配線6とを跨ぐような姿勢で位置し
たりする確率がきわめて高い。したがって、本実施形態
の研磨剤22は、CMP処理中に図示しない研磨パッド
から強い外力を加えられても、Cu埋め込み配線6を抉り
取る(深く研磨する)おそれが殆ど無いので、エロージ
ョンやスクラッチなどの発生要因となるおそれは殆どな
い。
【0118】研磨剤22の研磨剤本体23の長さEの具
体的な値としては、図7に示すように、前述した第1実
施形態の研磨剤本体2の長さAと同様に、例えば約0.1〜
30μmが好ましい。現在の配線パターンの配線ルール
(設計ルール、デザインルール)においては、配線6の
配線幅Dは、殆どが約30μm以下に設定されているため
である。研磨剤本体23の長さEが約0.1〜30μmであれ
ば、CMP処理中において、研磨剤22が前述したよう
なエロージョンやスクラッチなどの発生を抑制できる姿
勢をとることができる確率が極めて高くなる。さらに、
将来に向けて、配線6のさらなる微細化が容易に予想さ
れる。したがって、研磨剤本体23の長さEが、図7に
示すように、約0.1〜30μmであることが、現在も含めた
今後の半導体装置の製造プロセスにおいても、必要十分
な設定条件である。
【0119】また、研磨粒子3も、その一次粒子径の大
きさが、前述した第1実施形態の研磨粒子3の一次粒子
径の大きさCと同様に、約30nm以下であることが好まし
い。特に好ましくは、研磨粒子3は、その一次粒子径の
大きさCが、約10nm〜約20nmであるとよい。
【0120】次に、本実施形態の半導体装置の製造方法
について、図6〜図11を参照しつつ説明する。
【0121】本実施形態の半導体装置の製造方法は、次
に述べる特徴を備えるものとする。
【0122】化学的機械的研磨処理を施すことによっ
て、絶縁膜10の表面が露出するまで所定の金属を主成
分とする金属膜26を研磨して、埋め込み配線6用の凹
部11の内側に金属膜26の一部を選択的に残留させ
る。この際、所定の金属を主成分とする金属膜26は、
Taを主成分として含有している窒化物によって形成され
る金属化合物の膜である。
【0123】以下、この第2実施形態のCMP法の工程
などについて、図6〜図11を参照しつつ,一実施例を
挙げて詳しく説明する。
【0124】この第2実施形態のCMP法は、前述した
第1実施形態のCu−CMP法で形成した、図示しない半
導体装置の配線6として、銅(Cu)の埋め込み配線(Cu
ダマシン配線)6の上に、さらに所定の金属を主成分と
する金属膜としてのTaNバリア層26を形成する際に適
用するものである。本実施例のCMP法を実施するにあ
たり、前述した第2実施形態のCMP用スラリー21を
用いる。
【0125】まず、CMP用スラリー21の具体的な成
分について説明する。研磨剤22の研磨剤本体23は、
ポリアクリル酸アンモニウムを主成分とする高分子界面
活性剤を核として、自在に変形可能に形成されている。
研磨剤本体23は、図9においてEで示す長さが約30μ
m、また図9においてFで示す直径が約50nm(<<0.2μ
m)の紐状に形成されている。この研磨剤本体23に電
気的に吸着される研磨粒子3は、コロイダル・シリカに
よって形成されている。研磨粒子3は、図2(b)にお
いてCで示す一次粒子径の大きさが約15nm(<<0.2μm)
の略球形状に形成されている。
【0126】CMP用スラリー21の溶液24は、まず
その溶媒16が純水によって構成されている。この溶媒
24の中に、それぞれ重量パーセント濃度で、図示しな
い酸化剤としての過酸化水素を約0.5%、同じく図示しな
い酸化剤としてのマロン酸を約0.5%ずつ加える。また、
水酸化カリウム(KOH)水溶液を加えて、pHが約9と
なるようにpHコントロールする。その上で、紐状の研
磨剤22を約3%加える。この研磨剤22は、コロイダル
・シリカを約2.99%、ポリアクリル酸アンモニウム塩を
約0.01%、それぞれ混合することにより形成される。
【0127】また、Cu埋め込み配線6の上部にTaNバリ
ア層26が形成される半導体基板は、図5(a)〜
(e)を参照しつつ説明した、第1実施形態で形成され
た半導体基板13と同様のものを用いるものとする。た
だし、図5(d)および(e)において使用される研磨
剤4(CMP用スラリー1)を、本実施形態の研磨剤2
2(CMP用スラリー21)に交換して使用されたもの
とする。したがって、図5(a)〜(e)に相当する工
程は、その説明および図示を省略する。
【0128】以下、図11(a)〜(d)を参照しつ
つ、本実施例のCMP法について順次説明する。
【0129】まず、図11(a)に示すように、Cu埋め
込み配線6が形成された半導体基板13を用意する。
【0130】次に、図11(b)に示すように、Cu埋め
込み配線6の表層部のみを図示しない過酸化水素および
塩酸などのエッチング溶液を用いて、約50nm程後退(蝕
刻)する。
【0131】次に、図11(c)に示すように、僅かに
凹まされたCu埋め込み配線6、および絶縁膜10をその
上方から全面的に覆うように、スパッタリングなどによ
って、所定の金属を主成分とする金属膜のうちの一つで
あるバリア・メタル用の膜(バリア・メタル膜、バリア
金属膜)26を設ける。この膜26は、例えば窒化タン
タル(TaN)によって形成されており、TaNバリア・メタ
ル膜26とも称する。このTaNバリア・メタル膜26
は、その厚さが約50nm程に堆積するように設けられる。
【0132】続けて、図11(c)に示すように、TaN
バリア・メタル膜26の不要部分を、前述した第2実施
形態の研磨剤22(CMP用スラリー21)を用いた本
実施例のCMP法を適用することにより、研磨して除去
する。具体的には、埋め込み配線用凹部11の内側にお
いて、Cu埋め込み配線6の上部に堆積されたTaNバリア
・メタル膜26だけを残すように、CMP法を行う。
【0133】図11(d)に示すように、絶縁膜10の
表層部10aが略全面的に露出して、埋め込み配線用凹
部11の内側において、Cu埋め込み配線6の上部に堆積
されたTaNバリア・メタル膜26だけが残った状態にな
った時点で、本実施例のCMP法を終了とする。
【0134】以上説明した本実施例のCMP法によれ
ば、研磨中のエロージョンは殆ど発生しなかった。具体
的には、約50nm程堆積されたTaNバリア・メタル膜26
のうち、約30nm程を残留させることができた。これに対
して、従来技術に係るCMP用スラリー301を用いた
場合では、TaNバリア・メタル膜26は全く残らなかっ
た。
【0135】この第2実施形態のCMP用スラリーおよ
び半導体装置の製造方法は、以上説明した点以外は、第
1実施形態のCMP用スラリーおよび半導体装置の製造
方法と同じであり、本発明が解決しようとする課題を解
決できるのはもちろんである。その上で、前述したよう
に、研磨剤本体が紐状の物質で形成された研磨剤を含ん
でいる本実施形態のCMP用スラリー、およびこのCM
P用スラリーを用いた本実施形態のCMP法は、以下の
点で優れている。
【0136】本実施形態のCMP用スラリー21は、自
在に変形可能な紐状の研磨剤22を含んでいる。この研
磨剤22と、第1実施形態の棒状の研磨剤4とを比較す
ると、第1実施形態の棒状の研磨剤4の方が研磨速度が
高く、かつ、エロージョンも小さくなる傾向がある。こ
れは、CMP中に研磨剤に掛かる外力(研磨パッドによ
る機械的ストレス)に対して、第1実施形態の棒状の研
磨剤4の方が変形し難く、所望通りの研磨能力を発揮し
易いためであると考えられる。
【0137】ところで、この第2実施形態で説明したC
MP法は、約50nm程の薄膜状態に堆積されたTaNバリア
・メタル膜26を研磨する繊細な作業である。このよう
な作業に対して、第1実施形態の棒状の研磨剤4を用い
ると、研磨し過ぎるおそれがある。このような薄膜を研
磨して形成する加工作業には、第1実施形態の棒状の研
磨剤4よりも、さらに柔軟性(弾性変形能力)に富んで
いる第2実施形態の紐状の研磨剤22を用いることが好
ましい。
【0138】すなわち、この第2実施形態のCMP用ス
ラリー21、およびこのCMP用スラリー21を用いた
本実施形態のCMP法は、より繊細な研磨作業に適して
いると言える。
【0139】ただし、この第2実施形態で説明したCM
P法によれば、図11(a)に示されている半導体基板
13を形成する際に行ったCu−CMP法においては、前
述した第1実施形態のCu−CMP法と同様に、従来技術
のCu−CMP法に対して、図6で示すように、研磨速度
の向上およびエロージョンの低減の2点において、明ら
かな優位性を得ることが出来た。
【0140】なお、本発明に係るCMP用スラリーおよ
び半導体装置の製造方法は、前述した第1および第2実
施の形態には制約されない。本発明の主旨を逸脱しない
範囲において、それらの構成や、あるいは工程などの一
部を種々様々な設定に変更したり、あるいは各種設定を
組み合わせて用いたりして実施することができる。
【0141】例えば、第1実施形態の棒状の研磨剤4
と、第2実施形態の紐状の研磨剤22とを同じCMPス
ラリー溶液中に混在させて用いても構わない。研磨処理
が施される被研磨部の材料や厚さなどに応じて、適正な
研磨速度と精度を得ることができるように、所定の割合
で混合させて用いればよい。
【0142】
【発明の効果】本発明に係るCMP用スラリーによれ
ば、被研磨部を略均一に研磨することができるととも
に、研磨速度の向上を図ることができる。したがって、
このCMP用スラリーを用いることによって、半導体装
置の性能および品質を損なうおそれを低減できるととも
に、その生産効率を容易に向上できる。
【0143】また、本発明に係るCMP用スラリーを実
施するにあたり、その材料などの一部を、種々様々な設
定とすることにより、被研磨部をより均一に、かつより
迅速に研磨することができる。したがって、半導体装置
の性能および品質を損なうおそれをより低減できるとと
もに、その生産効率をより容易に向上できる。
【0144】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
によれば、被研磨部を化学的機械的研磨処理によって略
均一に研磨して、適正な状態に形成することができると
ともに、その研磨処理を迅速に行うことができる。した
がって、この半導体装置の製造方法を用いることによっ
て、半導体装置の性能および品質を損なうおそれを低減
できるとともに、その生産効率をより容易に向上でき
る。
【0145】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
を実施するにあたり、その工程などの一部を、種々様々
な設定とすることにより、被研磨部をより適正な状態
に、かつより迅速に研磨して形成することができる。し
たがって、半導体装置の性能および品質を損なうおそれ
をより低減できるとともに、その生産効率をより容易に
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るCMP用スラ
リーを簡略化して示す平面図であり、(a)は、CMP
用スラリーに含まれている研磨剤が分散している状態を
示し、(b)は、図1(a)の研磨剤が凝集している状
態を示す。
【図2】(a)は、図1のCMP用スラリーに含まれて
いる研磨剤の構成を簡略化して示す側面図。(b)は、
図2(a)の研磨剤が具備している研磨粒子を簡略化し
て示す正面図。
【図3】図1のCMP用スラリーに含まれている研磨剤
が形成される原理を模式的に示す図。
【図4】図1のCMP用スラリーに含まれている研磨剤
と被研磨基板の被研磨部に形成されている配線との相対
的な関係を簡略化して示す斜視図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の
製造方法を示す工程断面図。
【図6】本発明に係るCMP用スラリーの研磨特性と、
従来の技術に係るCMP用スラリーの研磨特性とを比較
して示す特性図。
【図7】本発明に係るCMP用スラリーに含まれている
研磨剤の研磨剤本体の長さとその研磨特性との相関関係
を示す特性図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るCMP用スラ
リーを簡略化して示す平面図であり、(a)は、CMP
用スラリーに含まれている研磨剤が分散している状態を
示し、(b)は、図8(a)の研磨剤が凝集している状
態を示す。
【図9】図8のCMP用スラリーに含まれている研磨剤
の構成を簡略化して示す側面図。
【図10】図8のCMP用スラリーに含まれている研磨
剤と被研磨基板の被研磨部に形成されている配線との相
対的な関係を簡略化して示す斜視図。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置
の製造方法を示す工程断面図。
【図12】(a)は、従来技術に係る一次粒子径が大き
い研磨粒子を含んでいるCMP用スラリーを簡略化して
示す平面図。(b)は、従来技術に係る一次粒子径が小
さい研磨粒子を含んでいるCMP用スラリーを簡略化し
て示す平面図。(c)は、図12(b)のCMP用スラ
リーに含まれている研磨粒子が凝集体を形成している場
合のCMP用スラリーを簡略化して示す平面図。
【図13】(a)は、図12(a)のCMP用スラリー
を用いて被研磨基板の被研磨部に化学的機械的研磨処理
を施している状態を簡略化して示す工程断面図。(b)
は、図12(b)のCMP用スラリーを用いて被研磨基
板の被研磨部に化学的機械的研磨処理を施している状態
を簡略化して示す工程断面図。(c)は、図12(c)
のCMP用スラリーを用いて被研磨基板の被研磨部に化
学的機械的研磨処理を施している状態を簡略化して示す
工程断面図。
【符号の説明】
1,21…CMP用スラリー 2,23…研磨剤本体 3…研磨粒子 4,22…研磨剤 5…被研磨部 6…Cu埋め込み配線(Cuダマシン配線、埋め込み配線) 7…スラリー溶液 10…絶縁膜 10a…絶縁膜表層部 11…埋め込み配線用凹部(配線溝) 12…配線用Cu膜(埋め込み配線用Cu膜、金属膜) 15…TaNライナ(バリア・メタル膜、バリア金属膜、
金属膜) 26…TaNバリア・メタル膜(TaNバリア層、金属膜) 13…被研磨基板 A,E…研磨剤本体の長さ C…研磨粒子の一次粒子径 D…埋め込み配線の配線幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/14 C09K 3/14 550Z

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の方向に沿って延ばされた長尺形状を
    有する研磨剤本体と、 この研磨剤本体の表面に付着される複数個の研磨粒子
    と、 によって形成された研磨剤を含有することを特徴とする
    CMP用スラリー。
  2. 【請求項2】前記研磨剤本体は、弾性的に変形可能な棒
    状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    CMP用スラリー。
  3. 【請求項3】前記研磨剤本体は、樹脂またはゴムによっ
    て形成されていることを特徴とする請求項2に記載のC
    MP用スラリー。
  4. 【請求項4】前記樹脂またはゴムは、ポリメチルメタク
    リル酸、ポリスチレン、ナイロン、塩化ビニール、およ
    びポリプロピレンのうちの少なくとも1種類を主成分と
    することを特徴とする請求項3に記載のCMP用スラリ
    ー。
  5. 【請求項5】前記研磨剤本体は、自在に変形可能な紐状
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のC
    MP用スラリー。
  6. 【請求項6】前記研磨剤本体は、界面活性剤によって形
    成されていることを特徴とする請求項5に記載のCMP
    用スラリー。
  7. 【請求項7】前記界面活性剤は、ポリアクリル酸塩また
    はポリカルボン酸塩を主成分とすることを特徴とする請
    求項6に記載のCMP用スラリー。
  8. 【請求項8】前記研磨剤本体は、その分子量が10000以
    下であることを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれ
    か1項に記載のCMP用スラリー。
  9. 【請求項9】前記研磨剤本体は、その長さが、0.1〜30
    μmに形成されていることを特徴とする請求項1〜8の
    うちのいずれか1項に記載のCMP用スラリー。
  10. 【請求項10】前記研磨粒子は、その一次粒子径の大き
    さが、30nm以下であることを特徴とする請求項1、8、
    または9のうちのいずれか1項に記載のCMP用スラリ
    ー。
  11. 【請求項11】前記研磨粒子は、Al, Cu, Si, Cr, Ce,
    Ti, C, Fe のうちの少なくとも1種類の元素を主成分と
    する酸化物、炭化物、または窒化物、あるいはこれら各
    化合物の混合物または混晶物であることを特徴とする請
    求項1に記載のCMP用スラリー。
  12. 【請求項12】前記研磨剤は、スラリー溶液中でその長
    手方向の端部同士が互いに接触して連なるように複数個
    が凝集することを特徴とする請求項1〜9のうちのいず
    れか1項に記載のCMP用スラリー。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のうちの少なくとも1項
    に記載のCMP用スラリーを用いて化学的機械的研磨処
    理を行う工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  14. 【請求項14】前記化学的機械的研磨処理が、表層部に
    埋め込み配線用の凹部を設けた絶縁膜と、その埋め込み
    配線用の凹部を覆うように前記絶縁膜の上に形成した所
    定の金属を主成分とする金属膜とを備える被研磨基板の
    被研磨部に対して施されるものであり、前記絶縁膜の表
    面が露出するまで前記金属膜を研磨することで、前記埋
    め込み配線用の凹部内に前記金属膜の一部を選択的に残
    留させることを特徴とする請求項13に記載の半導体装
    置の製造方法。
  15. 【請求項15】前記所定の金属を主成分とする金属膜
    は、Cu, Al, W, Ti, Mo, Nb, Ta, V, Ru, Agのうちのい
    ずれか1種類の金属元素によって形成される単一金属の
    膜、あるいは前記金属元素のうちの少なくとも1種類を
    主成分として含有している合金、窒化物、ホウ化物、酸
    化物、またはこれらの混合物によって形成される膜、あ
    るいは前記単一金属の膜または前記混合物の膜が単層ま
    たは複数層に積層形成されたものであることを特徴とす
    る請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】前記CMP用スラリーにおける前記研磨
    剤本体は、その長さが、前記凹部に埋め込み形成される
    埋め込み配線の配線幅の半分以上となるように設定され
    ていることを特徴とする請求項14または15に記載の
    半導体装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7266528B2 (en) * 1998-04-03 2007-09-04 Macrovision Corporation Method for computer network operation basis for usage fees
JP2010017841A (ja) * 2008-06-11 2010-01-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 合成石英ガラス基板用研磨剤
US9919962B2 (en) 2008-06-11 2018-03-20 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Polishing agent for synthetic quartz glass substrate

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