JP2003029798A - 音響信号符号化方法、音響信号復号方法、これらの装置、これらのプログラム及びその記録媒体 - Google Patents
音響信号符号化方法、音響信号復号方法、これらの装置、これらのプログラム及びその記録媒体Info
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Abstract
ず、局所的に存在する場合は符号化品質が悪い。 【解決手段】 適応符号帳16からの適応符号帳ベクト
ルはそれぞれ帯域通過フィルタ(BPF)41−1,4
1−2で、16kHzサンプリング入力信号に対し、1
0Hz〜7kHz,50Hz〜5.5kHzに帯域制限
し、フィルタ41−1を通した適応符号帳ベクトルに対
し、入力信号をターゲットとして歪最小化により適応符
号帳14を探索し、フィルタ41−2を通した適応符号
帳ベクトルに対し、入力信号をフィルタ41−2と同一
特性のフィルタ51を通じた信号をターゲットとして歪
最小化により適応符号帳16を探索し、この探索結果の
ベクトルの入力信号に対する歪を求め、これと先の探索
結果の歪との小さい歪と対応するベクトルを周期符号C
P とし、そのベクトルが通されたフィルタ41−1又は
41−2を示す帯域符号CF1を符号化出力とする。
Description
の音響信号を入力し、入力された音響信号と合成された
再生信号の間の歪みを定められた距離尺度で最小にする
ことにより、少ない情報量でディジタル符号化する高能
率音響信号符号化方法、その復号方法、これら装置、そ
のプログラムおよびその記録媒体に関する。
率的に利用したり、音声または音楽蓄積サービス等で通
信回線や記録媒体を効率的に利用するために、高能率音
響信号符号化方法が用いられる。現在、入力された音響
信号と合成された再生信号の間の歪みを、定められた距
離尺度で最小にするような高能率符号化方式には、周波
数領域、時間領域の符号化がある。たとえば時間領域の
符号化では、原音響信号をフレームまたはサブフレーム
と呼ばれる5〜50ms程度の一定間隔の区分に分割
し、その1フレームの音響信号を周波数スペクトルの包
絡特性を表す線形フィルタの特性と、そのフィルタを駆
動するための駆動音源信号との2つの情報に分離し、そ
れぞれを符号化する手法が提案されている。この手法に
おいて、駆動音源信号を符号化する方法として、音声の
ピッチ周期(基本周波数)に対応すると考えられる周期
成分と、それ以外の成分に分離して符号化する方法が知
られている。
符号駆動線形予測符号化(Code−Excited
Linear Prediction:CELP)があ
る。上記技術の詳細については、文献M.R.Schr
oeder and B.S.Atal,“Code−
Excited Linear Prediction
(CELP):High Quality Speec
h at VeryLow Bit Rates”,I
EEE Proc.ICASSP−85,pp.937
〜940,1985に記載されている。図11に上記符
号化方法の機能的構成例を示す。
下、入力音声を例とす)は、線形予測分析部12におい
て、入力音声の周波数スペクトル包絡特性を表す線形予
測パラメータLPCが計算される。得られた線形予測パ
ラメータは線形予測パラメータ符号化部13において符
号化され、同時に復号され、合成フィルタ係数LPCI
nfoとして合成フィルタ14に送られる。また、歪み
計算に聴覚特性を考慮するなど、入力音声のスペクトル
情報を利用して歪み計算を行う場合には、線形予測パラ
メータは適応重み付け処理部15へも送られる。歪み計
算に聴覚特性を考慮する場合に、上記復号された線形予
測パラメータLPC Infoを歪み計算に使用するこ
ともできる。なお、線形予測分析の詳細および線形予測
パラメータの符号化例については、例えば古井貞煕著
“ディジタル音声処理”(東海大学出版会)に記載され
ている。ここで、線形予測分析部12、線形予測パラメ
ータ符号化部13、および合成フィルタ14は非線形な
ものに置き換えてもよい。
た直前の過去の駆動音源ベクトル(既に量子化された直
前の1〜数フレーム分の駆動音源ベクトル)c(t−
1)を、ある周期に相当する長さで切り出し、その切り
出したベクトルをフレームの長さになるまで繰り返し配
置することによって、音声の周期成分に対応する時系列
ベクトルの候補(適応符号帳ベクトル)が出力され、合
成フィルタ14へ供給される。合成フィルタ14で生成
された合成信号が入力信号から減算部28で差し引かれ
て適応聴覚重み付け処理部15へ供給される。上記「あ
る周期」とはピッチ分析部17において、入力された信
号成分と合成フィルタ14によって生成される合成信号
の間の歪が、聴覚重み付けされた距離尺度によって最も
小さくなるような周期が選択されるが、選択された周期
は、一般には音声のピッチ周期に相当することが多い。
または適応符号帳ベクトルによって表現しきれなかった
残差成分を表わす1フレーム分の長さの時系列符号ベク
トル候補(固定符号帳ベクトル)が出力される。これら
の候補(固定符号帳ベクトル)は入力音響信号とは独立
に符号化のためのビット数に応じてあらかじめ指定され
た数の候補ベクトルとして記憶されたものである。固定
符号帳探索部19では、固定符号帳18から出力された
固定符号帳ベクトルのうち、入力信号と合成フィルタ1
4からの出力信号の間の歪が適応聴覚重み付け処理部1
5で重み付けされた距離尺度において、最も小さくなる
ようなベクトル候補が選択される。
符号で指定される周期(前述のように一般にピッチ周期
に相当)で必要に応じて固定符号帳ベクトルが周期化さ
れる場合もある。周期化とは、指定された周期位置にタ
ップを持つ櫛形フィルタをかけるか、適応符号帳と同様
にベクトルの先頭から指定された周期に相当する長さで
切り出したベクトルを繰り返すことをいう。ピッチ分析
部17で得られた入力信号の周期性の度合いに応じて、
たとえば母音区間など、音声にピッチ成分が多く含まれ
る場合に周期化が行われる。子音区間など音声そのもの
にピッチ成分がないかまたは少ない場合には周期化を行
わない場合もある。
出力された適応符号帳ベクトル及び固定符号帳ベクトル
(時系列ベクトルの候補)は、乗算部21および22に
おいて、それぞれ重み決定部23で生成された重みGP
およびGCが乗算され、これら乗算されたベクトルは加
算部24において加算され、駆動音源ベクトルの候補c
となって合成フィルタ14へ供給される。図11に示し
た構成例において、適応符号帳16を用いないで、固定
符号帳18のみの構成としてもよく、子音部や背景雑音
などのピッチ周期性の少ない信号を符号化するときに
は、符号化ビットを節約するために、適応符号帳16を
用いない構成にすることも多い。
符号化部13で生成された、符号化歪を含んだ線形予測
係数をフィルタ係数とする線形フィルタで、駆動音源ベ
クトル候補cを入力として再生音声の候補yを出力す
る。合成フィルタ14の次数すなわち線形予測分析の次
数は、7kHz程度の周波数帯域を含んだ信号を符号化
する場合には、一般に10〜20次程度が用いられるこ
とが多い。なお、既に述べたように、合成フィルタ14
は非線形なフィルタでもよい。ピッチ分析部17、固定
符号帳探索部19、重み決定部23では、合成フィルタ
14の出力である再生音声の候補yの、入力音声xに対
する歪みdが聴覚重み付けされた距離尺度で最小になる
ように再生音声y、つまり適応符号帳ベクトル(ピッチ
遅延)、固定符号帳ベクトル及び重みGP、GCが決定さ
れる。適応聴覚重み付けは、合成フィルタ14の係数ま
たは量子化していない線形予測係数を考慮に入れて行う
ことが多い。
固定(雑音)符号CC、重み符号CW)と、線形予測パラ
メータ符号化部13の出力である線形予測パラメータ符
号C LPCは、符号情報として符号出力部25に送られ、
利用の形態に応じて記憶装置に記憶されるか、または通
信路を介して受信側へ送られる。図12に、上記符号化
方法に対応する復号方法の機能的構成例を示す。伝送路
または記憶媒体から符号受信部31に受信された符号情
報のうち、線形予測パラメータ符号CLPCは線形予測パ
ラメータ復号部32において合成フィルタ係数に復号さ
れ、合成フィルタ33および必要に応じて後処理部(ポ
ストフィルタ)34に送られる。受信された符号情報中
の周期符号CPは適応符号帳35へ送られ、直前の駆動
音源ベクトルが周期長分取り出され、これが1フレーム
分繰返されて適応符号帳ベクトルとされ、また符号情報
中の固定符号CCが固定符号帳36へ供給され、これよ
り対応する固定符号帳ベクトルが取出され、これら適応
符号帳ベクトル及び固定符号帳ベクトルはそれぞれ乗算
部37及び38で符号情報中の重み符号CWで決る重み
GP及びGCが乗算され、これら重みが乗算された符号帳
ベクトルは加算部39で加算されて駆動音源ベクトルと
されて合成フィルタ33へ供給される。合成フィルタ3
3は、駆動音源ベクトルを入力として、音声信号を再生
する。その再生音声信号は後処理部34へ供給され、再
生された音声信号の雑音感を聴覚的に低下させるような
処理(ポストフィルタリングとも呼ばれる)が行われ
る。後処理部34は処理量の削減等の関係から用いられ
ないことも多い。合成フィルタ33に対する駆動音源ベ
クトル(励振ベクトル)は適応符号帳35に格納され
る。
ルを符号化する場合は復号装置において、現サブフレー
ムに対する音声合成を合成フィルタ33で行い、その最
後のサンプルを出力した時に、合成フィルタ33の内部
状態はゼロになっていない。従って、この状態で次のサ
ブフレームの駆動音源ベクトルを入力しても歪の少ない
合成音声が得られるように、符号化装置でその処理がな
される。つまり図11に示すように現サブフレームで得
られた周期符号CP 、固定符号CC 、重み符号CW を励
振ベクトルとして合成フィルタ14を駆動した際に合成
フィルタ14がその合成信号の最後のサンプルを出力し
た時に、合成フィルタ14の内部状態を、合成フィルタ
よりなる自由応答生成部26に転送し、自由応答生成部
26にゼロを入力して自由応答を生成し、この自由応答
を入力信号から加算部27で減算して、加算部24へ供
給して、次のサブフレームにおけるターゲットベクトル
とする。つまりこのターゲットベクトルに対する歪が最
小になるように処理する。
ひとつとして、AlgebraicCode−Exci
ted Linear Prediction(ACE
LP)という方式が提案されている。この方式は、固定
符号帳を、フレーム長のベクトルパターンとして蓄える
のではなく、高さが1のパルスをフレーム内に数本、例
えば80サンプルのフレームまたはサブフレームに対し
て、4本、適当な位置に立てることによって、固定符号
ベクトルとする方法であって、この駆動音源方式の採用
と、歪み計算において演算順序を工夫することによっ
て、従来の方式に比べて演算処理とメモリの必要量を減
らすことができる。なお、ACELP方式の詳細は、例
えば、文献、R.Salami,C.Laflamm
e,andJ−P.Adoul,“8kbit/s A
CELP Coding ofSpeech with
10ms Speech−Frame:a Cand
idate for CCITT Standardi
zation”,IEEE Proc.ICASSP−
94,pp.II−97に記載されている。
方法では適応符号帳ベクトルと固定符号帳ベクトル、あ
るいは更に周期的固定符号帳ベクトルというモデルを用
いて、入力音響信号を表現しようとするものである。適
応符号帳ベクトルというモデルはそのピッチ遅延(周
期)TP が指定されると、そのスペクトルは例えば図1
3Aに示すように周波数1/TP の間隔で、その符号化
装置の周波数帯域FA の全体に渡って生じている。また
固定符号帳ベクトルは雑音又はパルスであって、そのス
ペクトルは例えば図13Bに示すように周波数帯域FA
に一様に、つまり白色雑音のように生じている。周期的
固定符号帳ベクトルというモデルは繰返し周期TP が指
定されると、そのスペクトラムは、例えば図13Cに示
すように雑音の集合が1/TPの間隔で、周波数帯域F
A に生じる。
数帯域を含む広帯域音響信号を符号化する場合には、ピ
ッチ周期性は全ての帯域に存在するわけではなく、局所
的なものである場合が多い。例えば図13A中に破線で
示すように高域成分にはピッチ周期性がなかったり、ま
た高域成分がゆらいで、図13Dに示すように、明確で
はないが一時的に高い周波数のピッチ成分が現れたり、
逆に図13Eに示すように高域に低い周波数のピッチ成
分が含まれたりする場合もあった。また周期性が無い部
分でも非周期的信号は周波数的には局在している場合が
多い。例えば図13B中に破線で示すように高域成分あ
るいは低域成分、もしくはその両者がない場合があっ
た。周期的雑音成分についても同様のことが云える。
は、たとえば適応符号帳ベクトルで実際には周期性が存
在しない周波数の範囲に対しても周期性が生成されるこ
ととなり、かえって歪を増加させ符号化品質が悪くなる
場合があった。このことは他のモデル、つまり固定符号
帳ベクトル及び周期的固定符号帳ベクトルについても云
える。
の符号化において、入力された音響信号の性質に応じて
モデルの周波数帯域を制限し、つまりそのモデルで表現
すべき信号の存在する周波数の範囲に、あるいは実際に
そのモデルを用いて十分精度良く信号成分を表現可能な
周波数の範囲に、モデルの周波数帯域を適応的に制御し
て符号化する。この発明の符号化方法によれば、適応符
号帳から選択された適応符号帳ベクトルと、固定符号帳
から選択された固定符号帳ベクトルとを合成フィルタの
励振ベクトルとして合成信号を生成し、その合成信号の
入力音響信号に対する歪を最小とする両符号帳ベクトル
を選択して入力音響信号を符号化する方法において、上
記適応符号帳ベクトルの周波数帯域を制限し、その周波
数帯域制限された適応符号帳ベクトルを、上記合成信号
の生成に用い、入力音響信号に応じて上記周波数帯域の
制限を適応的に変化し、その周波数帯域の制限を示す帯
域符号を符号情報に加える。
帯域を、上記残差の表現をよりよくするように制限す
る。この発明の復号方法によればフレームごとに入力さ
れた符号情報中の周期符号により適応符号帳の過去の励
振ベクトルから適応符号帳ベクトルを生成し、上記符号
情報中の固定符号により固定符号帳から固定符号帳ベク
トルを取出し、これら適応符号帳ベクトル及び固定符号
帳ベクトルにより、合成フィルタを励振して音響信号を
合成する方法において、上記符号情報中の帯域符号によ
り上記適応符号帳ベクトルの周波数帯域を制限し、その
周波数帯域制限された適応符号帳ベクトルを上記合成フ
ィルタの励振に用いる。
上記固定符号帳ベクトルの周波数帯域を制限し、その周
波数帯域制限された固定符号帳ベクトルを上記合成フィ
ルタの励振に用いる。更に好ましくは、上記符号化方
法、及び復号方法において、上記符号帳ベクトルの長さ
を、当該フレームの前後に、上記周波数帯域制限に基づ
く遅延時間に相当する時間を付加した長さとする。
法及びその装置の実施形態を、実施例により、図面を用
いて説明する。この実施例では、16kHzのサンプリ
ング周波数でサンプリングされた7kHz帯域音声信号
法を対象とする場合である。この発明の符号化装置の実
施例の機能的構成例を図1に示し、図11と対応する部
分に同一参照番号を付けてある。図11に示した従来例
と主に異なる点は、適応符号帳ベクトルに対し互いに異
なる周波数帯域を制限する帯域通過フィルタ41−1お
よび41−2を設け、適応符号帳ベクトル探索にかかわ
る部分と、同じく固定符号帳ベクトルに対し周波数帯域
を制限する帯域通過フィルタ42−1および42−2を
設け、固定符号帳ベクトル探索にかかわる部分とであ
る。
測(LPC)分析部12において、線形予測分析され、
線形予測係数Aが計算される。線形予測係数Aは線形予
測パラメータ(LPC)符号化部13に送られ、例え
ば、多段のベクトル量子化によって符号化される。逆フ
ィルタ43では線形予測パラメータ符号化部13で符号
化された線形予測係数を復号したものを用いて、入力信
号に対する線形予測残差を計算し、その線形予測残差を
励振ベクトルとして、前記符号化線形予測係数を復号し
たものをフィルタ係数とする合成フィルタ44で音声信
号を合成し、この合成信号を歪最小化のためのターゲッ
トベクトルとした場合である。
レームごとにその最終サンプルを出力した合成フィルタ
14の内部状態を自由応答生成部26へ転送し、自由応
答生成部26をゼロ入力駆動して自由応答を生成し、こ
の自由応答を次サブフレームのターゲットベクトルから
差し引く。その際、この実施例ではその自由応答を低域
通過(又は帯域通過)フィルタ45によって高域成分を
遮断して、減算部46において合成フィルタ44からの
合成信号から差し引いてターゲットベクトルとする。こ
のように高域成分を除去することにより、自由応答にお
ける正しく予測できない成分が除去され、誤った予測に
より返って復号音響信号に歪を与えるおそれがなくな
る。この低域通過フィルタ45の遮断周波数は、隣接サ
ブフレーム間で入力信号の定常性が保証されない範囲の
周波数成分を除去するように設定され、これは入力信号
の統計的性質から求めることができ、例えば入力信号が
16kHzサンプリングの場合、5.5kHz〜7kH
z程度が上限とされる。
覚重み付け処理部(図ではAPW処理部と表示してあ
る)47で聴覚重み付け処理がなされる。一方、適応符
号帳16から選出された適応符号帳ベクトルは帯域通過
フィルタ41−1および41−2によりそれぞれ周波数
帯域が制限され、これら帯域制限された適応符号帳ベク
トルは乗算部21−1および21−2で重みGP1および
GP2がそれぞれ与えられ、これら重みが与えられた適応
符号帳ベクトルはそれぞれ聴覚重み付け合成フィルタ
(図ではPWSFと表示してある)48−1および48
−2に励振ベクトルとして入力され、それぞれ音響信号
に合成される。帯域通過フィルタ41−1,41−2の
通過周波数帯域は、例えば8kHz程度の周波数成分を
含む16kHzサンプリング入力信号の場合、それぞれ
10Hz〜7kHz程度、50Hz〜5.5kHz程度
とすることができる。聴覚重み付け合成フィルタ48−
1,48−2のフィルタ特性は、合成フィルタ44及び
聴覚重み付け処理部47の総合フィルタ特性と同一とさ
れている。聴覚重み付け合成フィルタ48−1よりの合
成信号の、聴覚重み付け処理部47からのターゲットベ
クトルTg1に対する歪が最小になる適応符号帳ベクト
ルVp1がピッチ分析部49−1及び17により選択さ
れる。
域通過フィルタ41−2と同一のフィルタ特性の帯域通
過フィルタ51に通されて、帯域制限され、その出力を
ターゲットベクトルTg2として、聴覚重み付け合成フ
ィルタ48−2からの合成信号が歪最小となるように、
ピッチ分析部49−2および17により適応符号帳ベク
トルVp2が選択される。この歪最小適応符号帳ベクト
ルVp2に対する聴覚重み付け合成フィルタ48−2の
合成信号のターゲットベクトルTg1に対する歪をピッ
チ分析部49−2で計算し、この歪と、ピッチ分析部4
9−1で求めた歪最小の適応符号帳ベクトルVp1のタ
ーゲットベクトルTg1に対する歪とを帯域決定部52
で比較し、歪の小さい方と対応する適応符号帳ベクトル
を採用し、その周期符号CP を決定し、また帯域通過フ
ィルタ41−1と41−2の何れにより帯域制限したも
のを採用したことを示す。つまり制限した周波数帯域を
表わす帯域符号CF1を決定する。
信号に対して帯域制限を行うフィルタと同一特性のもの
とされ、従って、この帯域通過フィルタ41−1は省略
してもよく、帯域通過フィルタ41−2は帯域通過フィ
ルタ41−1よりも高域の遮断周波数が低く設定された
ものであれば、入力信号のピッチスペクトラムが例えば
図13Aの破線や図13D、Eに示す特性の場合は、帯
域通過フィルタ41−2により帯域制限した適応符号帳
ベクトルが選択され、図13Aに示す特性の場合は、帯
域通過フィルタ41−1により帯域制限された適応符号
帳ベクトルが選択され、つまり適応符号帳ベクトル(モ
デル)は入力信号のピッチの周波数特性の主要部をよく
生成可能な周波数帯域に制限され、不用な成分がなく、
不用な歪を発生するおそれがない。図13には示してい
ないが、音響信号のピッチ周期性が周波数帯域FAの中
間部でゆらぎが生じ一時的に消えたり、他の周波数のピ
ッチ成分が現われたりする。従って、このような場合は
帯域通過フィルタ41−2の代りに帯域阻止フィルタを
用いるとよい。同様に帯域通過フィルタ41−2の代り
に高域通過フィルタを用いるとよい場合もある。またこ
の説明から理解されるように帯域決定部52は入力信号
の性質、特性に応じて制限する周波数帯域をフレーム又
はサブフレームごとに適応的に決定していることにな
る。
を先づ行い、その後固定符号帳ベクトルの選択を行う。
この場合のターゲットベクトルTgcとして次のように
して求めた場合である。前述のようにして周期符号Cp
と帯域符号CFIが決定されるが、その帯域符号CFIを決
定した帯域決定部52の出力によりスイッチ91が制御
され、帯域符号CFIと対応して聴覚重み付け合成フィル
タ48−1と48−2の一方の出力が選択され、その選
択された聴覚重み付け合成フィルタの出力を、ターゲッ
トベクトルTg1から減算部92で差し引いて、固定符
号帳探索用のターゲットベクトルTgcとする。
ベクトルは帯域通過フィルタ42−1及び42−2でそ
れぞれ互いに異なる周波数帯域制限を受ける。これら帯
域制限された固定符号帳ベクトルはスイッチ55により
一方が選択され、乗算部22で重みGC が付与され、そ
の重みが与えられた固定符号帳ベクトルは聴覚重み付け
合成フィルタ93に励振ベクトルとして供給され、その
聴覚重み付け合成フィルタ93からの合成信号がターゲ
ットベクトルTgcから減算部54で減算されて固定符
号探索部19へ供給される。固定符号探索部19は各固
定符号帳ベクトルのそれぞれ帯域通過フィルタ42−
1,42−2で帯域制限されたもののうちで、聴覚重み
付け合成フィルタ93の合成信号のターゲットベクトル
Tgcに対する歪が最小となるものを選択してその固定
符号帳ベクトルの固定符号CC と、スイッチ55による
帯域通過フィルタ42−1,42−2の何れを選択した
か、つまり固定符号帳ベクトルに対する帯域制限を表わ
す帯域符号CF2を決定する。
対する重み符号CW の決定は従来技術と同様にして行
う。また最終的にはスイッチ53で選択された重みが与
えられた適応符号帳ベクトルとスイッチ55で選択さ
れ、かつ重みGCが与えられた固定符号帳ベクトルとが
加算部94で加算され、その加算ベクトルが合成フィル
タ14に励振ベクトルとして入力され、その合成フィル
タ14で合成された信号が合成フィルタ44の合成信号
に対して歪が最小になるように制御される。このように
して得られた周期符号CP 、固定符号CC 、帯域符号C
F1,CF2、重み符号CW 、線形予測パラメータ符号C
LPC は符号情報として符号出力部25から出力される。
ル)に対して、周波数帯域を制限することにより、適応
符号帳ベクトルにより表現できなかった残差成分の実際
の周波数特性、例えば図13Bの破線で示す特性に近づ
けることができ、固定符号帳ベクトルに不用な成分が含
まれず、それだけ復号信号の歪を小さくすることができ
る。上述において帯域制限フィルタ41−1,41−
2,42−1,42−2,45,51を用いているが、
これらにFIRフィルタを用いると、2N+1タップ数
のFIRフィルタ処理によりNサンプルの遅延が生じ
る。従って、この遅延に悪影響がないようにすることが
好ましい。
においては各フレームTF ごとに行われるが当該フレー
ムの前後にまたがって窓関数をかけて行い、線形予測パ
ラメータ符号CLPC はフレームごとに符号化し、周期符
号CP 、固定符号CC 、重み符号CW 、帯域符号CF1,
CF2はサブフレームごとに符号化する場合で、図2では
サブフレームの数は4である。前述したように自由応答
生成部26よりの自由応答成分に対して、フレーム・サ
ブフレーム間で相関がない周波数成分に関しては低域通
過フィルタ45による帯域制限を行うことで、符号化効
率を上げている。この帯域制限に基づく遅れを補償する
ため、この実施例では図2Bに示すように合成フィルタ
14Pにおいて前サブフレームの合成に使用した内部状
態のNサンプル分(2−1)を用いてサブフレーム長+
Nサンプルの自由応答成分を計算する(2−2)。ここ
で得られたサブフレーム長+2Nのサンプル列(2−
3)に対して、2N+1タップのFIRフィルタよりな
る低域通過フィルタ45を用いて帯域制限がなされる
が、その出力として各サブフレームと位相同期して帯域
制限された自由応答成分が得られることになる。
答成分による補正がされたターゲットベクトルTg1
t1s1,Tg1t1s2,Tg1t1s3…を各サブフレームごと
に聴覚重み付け処理部47から得られる。このターゲッ
トベクトルTg1に帯域通過フィルタ51で帯域制限を
行って図2Dに示すようにターゲットベクトルTg2ts
1,Tg2ts2,…を求める。この帯域通過フィルタ51
も片側Nタップ・総タップ数2N+1のFIRフィルタ
で構成される場合、このフィルタ処理でNサンプル分の
時間遅れが生じる。これを解決するために、この実施例
では線形予測係数の計算に用いた先読み部分の信号のう
ちNサンプルを使用してFIRフィルタリングに必要な
だけの先読みを含めた残差信号を逆フィルタ45で計算
する。先読み信号を用いれば時間遅れを生じることなく
帯域制限されたターゲットベクトルTg2を得ることが
出来る。Nサンプル分だけの先読みを含めた残差信号の
計算は近似的に現サブフレームの線形予測係数を使用し
て行う。
(20ms:320点)に一度とし、4つのサブフレー
ムごとに過去の線形予測係数との補間によって得られた
係数が用いられる構成では、サブフレームの線形予測係
数は例えば第tフレームにおいては図3Aに示すように
現フレームtで得られた線形予測係数Atと前フレーム
t−1で得られた線形予測係数At-1との補間により各
サブフレームの線形予測係数が求められる。この実施例
では、帯域通過フィルタ51におけるFIRフィルタ処
理に伴う位相遅れ(時間遅れ)を生じさせないために、
現フレームを第tフレームの第1サブフレームとする
と、次サブフレームにあたるNサンプル分の領域(2−
4)に対しても現サブフレームの線形予測係数At-1+
2(At−At-1)/4を用いて残差を計算する。過去の
Nサンプル分の領域(2−5)に対しては、前サブフレ
ーム(第t−1フレームの最後のサブフレーム)で既に
生成した励振ベクトルを用いる。このようにして得られ
る現サブフレームを次のNサンプル分の残差信号と、前
サブフレームのNサンプル分の残差信号とのサブフレー
ム長+2Nサンプル分の残差信号に対し、合成フィルタ
44、減算部46、聴覚重み付け処理部47で順次処理
したサンプル列を帯域通過フィルタ51で処理すること
により現サブフレームのターゲットベクトルTg2t1s1
が時間遅れを生じることなく得られる。
ムごとの計算領域を図3Bに、帯域通過フィルタ51で
各サブフレームごとに処理する信号領域を図3Cにそれ
ぞれ示す。またピッチ分析部49−1で用いるターゲッ
トベクトルTg1としては、聴覚重み付け処理部47よ
り得られる各サブフレームのサンプルとその前後の各N
サンプル中の当該サブフレームのサンプルのみを用いれ
ばよい。領域(2−4)の残差信号は次サブフレームで
正しい線形予測係数At-1+2(At−A t-1)/4を用
いて再度計算される。先読みにあたる領域(1)に対し
ても、同様に線形予測係数Atを使用して残差を計算し
ている。領域(2−6)に対する残差信号は、次のフレ
ームで得られる線形予測係数At+1とAtを用いて補間し
て得られる係数At+(At+1−At)/4を用いて、次
フレームで再度計算される。
も、例えば図3Dに示すように選択された適応符号帳ベ
クトルと対応するピッチ遅延(周期)分の過去の励振ベ
クトルを当該サブフレーム(3−1)分だけではなく、
その次のサブフレームのNサンプル分の領域(3−2)
まで生成し、かつそのサブフレームの直前のNサンプル
の領域(3−3)については、前のサブフレーム生成し
た符号化後の励振しベクトルを用いる。これにより、帯
域通過フィルタ41−2による2N+1タップのFIR
フィルタ処理に基づくNサンプリングの時間遅れが生
じ、サブフレーム長のベクトルとなり、丁度当該サブフ
レームでフィルタリングの処理を終了することが可能と
なる。
5)と帯域通過フィルタ41−2に入力するベクトル中
の図3Dに示す領域(3−3)には過去に生成した励振
ベクトルが用いられており、二つの領域(2−5)と
(3−3)の成分は同一である。従って聴覚重み付け合
成フィルタ48−2の出力合成信号と、帯域通過フィル
タ51の出力ターゲットベクトルTg2との差が生じる
部分は、図3D中の領域(3−1)及び(3−3)と図
3B中のサブフレーム及び領域(2−4)とそれぞれ対
応する部分であるから、これら領域(2−5)と(3−
3)の信号をともに0で置き換えて計算し、演算量を削
減することも可能である。
号は、実際には、固定符号帳ベクトルを合成フィルタ9
3に通すかわりに、合成フィルタ93のインパルス応答
hを固定符号帳ベクトルに畳み込む形で計算されること
が多い。従って図1に示した実施例において帯域通過フ
ィルタ42−1,42−2にあらかじめ合成フィルタ9
3のインパルス応答hを畳み込んだものを用いて固定符
号帳ベクトルの探索を行う。探索に使用するインパルス
応答hは、通常ならばサブフレーム長さだけ計算される
インパルス応答hを、サブフレーム長+Nサンプル分計
算し、さらに先頭にタップ数分の0を補完したものを帯
域通過フィルタ42−1,42−2でフィルタ処理する
ことで近似的に得ることができる。合成フィルタ93で
合成する場合は固定符号帳ベクトルの前後にN個の0を
補完したものを帯域通過フィルタ42−2に通して、サ
ブフレーム長の帯域制限された固定符号帳ベクトルを
得、これを合成フィルタ93に励振ベクトルとして供給
すればよい。
1の周波数特性は、入力信号をFFT(高速フーリエ変
換)などにより周波数分析して、その分析結果と対応し
た帯域制限を行うこともできる。この場合は、帯域通過
フィルタ41−2と51の通過周波数帯域を別の特性と
することもできる。つまりフィルタ51の帯域の方を広
くすれば例えば入力信号にレベルが低いか高域成分があ
れば、その部分を考慮しながら適応符号帳ベクトルを決
定することができる。あるいは帯域通過フィルタ41−
1,41−2,51の通過周波数帯域は線形予測分析部
12で計算可能な反射係数を用い、反射係数はスペクト
ル包絡の働きを表わすから、これが急であれば、ピッチ
の高調波成分がなく、帯域通過フィルタ41−2の帯域
を狭くしたり、音響信号の定常性をあらわす指標が変化
しなければ各通過周波数帯域を前フレーム又はサブフレ
ームと同一としたり、ピッチ高調波の分析をし、ピッチ
高調波が一様な所を通過周波数帯域にする等によって適
応的に制御することが可能である。また、サブフレーム
単位の急激な変化を抑制するために、帯域通過フィルタ
41−1と41−2の通過周波数帯域の変動にヒステリ
シスを持たせることも可能である。たとえばサブフレー
ムごとにA〜Cのような状態遷移形式にすることもでき
る。ここでBPF1及びBPF2はそれぞれ帯域通過フ
ィルタ41−1及び41−2を表わす。
フレームはAまたはBの状態しかとれない。同様に状態
CからはCまたはBの状態にしか遷移できない。適応符
号帳ターゲットベクトルの帯域制限されたものTg2と
帯域制限していないものTg1を比較することで入力信
号の高域成分のパワーを知ることが可能である。高域成
分のパワーが大であれば、帯域の広い帯域通過フィルタ
41−1のみを、パワーが小であれば帯域の狭い帯域通
過フィルタ41−2のみを通した適応符号帳ベクトルを
探索して演算量を削減することも可能である。このとき
帯域通過フィルタ51は用いないことも可能である。こ
の場合のターゲットベクトルはTg1である。また、入
力信号のパワーが非常に小さい場合や、無音区間と判断
できる場合にも同様に帯域通過フィルタ41−1と41
−2の一方のみを用いて演算量削減を行うことができ
る。
既知の場合には、その知識(入力信号が入力される際に
入力される)を利用した帯域制限を行うことが可能であ
る。例えば、当該フレームでは電話帯域の信号のみが入
力されるという情報が得られた場合には、帯域通過フィ
ルタ41−2のみを用いて適応符号帳ベクトルの探索を
行い、帯域通過フィルタ41−2及び51の通過周波数
帯域は100Hz〜4kHz程度にすることも可能であ
る。例えば図4Aに示すように帯域決定部52に、入力
信号が電話帯域信号であることの情報が入力され、ある
いは帯域決定部52において入力信号の高域成分のパワ
ーの大小が検出され、又は入力信号のパワーが非常に小
さい又は無音区間が判断され、これらに応じて帯域決定
部52がスイッチ58及び59を同時に切替えて適応符
号帳16を帯域通過フィルタ41−1又は41−2を通
じて乗算部21と接続するようにしてもよい。
6を帯域通過フィルタ41を通じて乗算部21に接続
し、帯域符号帳61に予め決められた2つの通過周波数
帯域を決めるフィルタ係数を格納しておき、帯域決定部
52により、図4Aにおいてスイッチ58,59の切替
えを行う代りに帯域符号帳61のフィルタ係数の一方を
選択して帯域通過フィルタ41に設定するようにしても
よい。この場合、帯域決定部52において用いる判断要
素、つまり入力信号の高域成分のパワー1無音区間、電
話帯域などに応じて、予め決められた異なる通過周波数
帯域をフィルタ41に設定するようにしてもよい。つま
りこの場合は帯域符号帳61内には3つ以上の異なる通
過帯域フィルタ係数が格納されることになる。
射係数など、特に出力しないでも復号装置で求めること
ができる情報により、帯域符号帳61から予め決められ
た2〜4の帯域通過フィルタ係数にそれぞれについてフ
ィルタ41に設定し、その時、歪最小の適用符号帳ベク
トルの探索をそれぞれ行って、最適の帯域符号CF1と周
期符号CP を決定するようにしてもよい。固定符号帳ベ
クトルに対する周波数帯域の制限も、図4A及び図4B
に示した手法と同様に構成することもできる。このよう
にすれば符号情報のビット数は1又は2増加するが、入
力信号の性質に応じて帯域決定部52で2つ乃至4つの
通過帯域候補が決定され、それらについて、更に歪最小
化により、適応符号帳ベクトルと通過帯域、つまり周期
符号C P と帯域符号CF1を決定することができ、適応符
号帳ベクトル(モデル)の周波数特性を、入力信号のピ
ッチ周波数特性に一層近いものとすることができ、復号
信号の歪を小さくすることができる。
過フィルタ42−1,42−2の各通過周波数帯域も入
力、信号成分を分析してその周波数帯域に近づくように
切り替えることも可能であるが、入力信号のビットレー
トに応じて切り替えることも可能である。たとえば、1
2,16,20,24kbit/sの切替を行うような
実装では、ビットレートによって24kbpsでは帯域
制限を行わない全通過フィルタ42−1を、20kbp
sでは10Hz〜7kHzの帯域通過フィルタ42−2
を、12・16kbpsでは50Hz〜7kHzの帯域
通過フィルタ42−2をビットレート毎に固定の係数で
用いることで、各ビットレートで符号化効率の最適化を
図ることが可能である。この制御は図4Bに示したよう
帯域決定部と帯域符号帳を用いて行うことができる。
トのモードでは、適応符号帳ベクトル、固定符号帳ベク
トルに使用する帯域通過フィルタ41−1,41−2,
42−1,42−2の全てを、100Hz〜3.4kH
z程度の帯域通過フィルタとすることも可能である。図
1に示した例における、周期符号CP の決定方法は、図
5に示すようになる。即ち合成フィルタ44及び聴覚重
み付け処理部47によりターゲットベクトルTg1を生
成し(S1)、帯域通過フィルタ41−1を用いてター
ゲットベクトルTg1に対する歪最小となる適応符号帳
ベクトルVp1を決定し(S2)、ターゲットベクトル
Tg1を、帯域通過フィルタ41−2のそれと同一また
はわずかに広い帯域通過フィルタ51を用いて、周波数
帯域を制限してターゲットベクトルTg2を生成し(S
3)、ターゲットベクトルTg2に対する歪最小となる
適応符号帳ベクトルVp2を決定し(S4)、ステップ
S2及びS4でそれぞれ決定した適応符号帳ベクトルV
p1及びVp2のターゲットベクトルTg1に対する各
歪を計算し(S5)、この歪の小さい方と対応する適応
符号帳ベクトルにより周期符号CP を決定し、またその
適応符号ベクトルに対して帯域制限した帯域通過フィル
タを表わすものにより帯域符号CF1を決定する(S
6)。ステップS1,S2とステップS3,S4とは何
れを先に行ってもよい。
の復号方法及び装置の実施例を図6を参照して説明す
る。図6において図12と対応する部分に同一符号を付
けてある。図12と異なる部分は、適応符号帳35から
の適応符号帳ベクトルは帯域通過フィルタ63−1及び
63−2へ供給され周波数帯域が制限され、帯域通過フ
ィルタ63−1及び63−2の通過出力がスイッチ65
により選択されて乗算部37へ供給される。また同様に
固定符号帳36よりの固定符号帳ベクトルは帯域通過フ
ィルタ64−1及び64−2へ供給されて周波数帯域が
制限され、帯域通過フィルタ64−1及び64−2の通
過出力がスイッチ66により選択されて乗算部38へ供
給される。
4−1及び64−2の各通過周波数帯域は図1中の帯域
通過フィルタ41−1,41−2,42−1及び42−
2のそれと同一とされる。スイッチ65及び66はそれ
ぞれ帯域符号CF1及びCF2により制御され、符号化装置
において帯域通過フィルタ41−1を通過した適応符号
帳ベクトルが採用された場合はスイッチ65は帯域通過
フィルタ63−1に接続され、帯域通過フィルタ42−
1を通じた固定符号帳ベクトルが採用された場合はスイ
ッチ66は帯域通過フィルタ64−1に接続されるよう
になされる。図4Bに示して説明したと同様の手法で、
復号装置においても、適応符号帳ベクトル及び固定符号
帳ベクトルに対する周波数帯域制限を行ってもよい。
にもとづく適応符号帳ベクトルの時間遅れを補償するに
は、符号化装置で行ったと同様の手法で行えばよい当該
サブフレームに対する周期符号CP の、サブフレーム分
の適応符号帳ベクトルの前に、その次のサブフレームの
周期符号CP の適応符号帳ベクトルの後からNサンプル
分を加え、後に、直前のサブフレームの周期符号CP の
適応符号帳ベクトルの前からNサンプル分を加えたもの
を帯域通過フィルタへ通せばよい。帯域通過フィルタ6
4−2を通すことにもとづく固定符号帳ベクトルの時間
遅れを補償するには、当該サブフレーム分の固定符号帳
ベクトルの両端にNサンプル分だけ0をしきつめたベク
トルとして帯域通過フィルタ64−2へ供給すればよ
い。この場合、後につめる0の代りに、直前のサブフレ
ームで用いた固定符号帳ベクトルの前のNサンプル分を
用いてもよい。また復号装置においても、固定符号帳ベ
クトルに合成フィルタ33のインパルス応答を畳込んで
得た信号を合成結果として用いることもできる。この場
合は、帯域通過フィルタ64−1,64−2にインパル
ス応答を畳み込んでもよい。インパルス応答を選定符号
帳ベクトルに畳み込んで合成した信号を適応符号帳ベク
トルについて合成した信号と加算してポストフィルタ3
4へ供給すればよい。
45を設けて、自由応答成分中のフレーム、サブフレー
ム間で相関がない周波数成分を除去して符号化効率を上
げるようにした場合は、復号装置もこれに応じたものと
する必要がある。例えば各サブフレームごとに、合成フ
ィルタ33から最終サンプルを出力した時に、その合成
フィルタ33の内部状態における最後からNサンプル分
を、合成フィルタよりなる自由応答生成部68へ転送
し、自由応答生成部68にゼロ入力して2N+サブフレ
ーム長の自由応答成分を生成し、その自由応答成分を低
域通過(又は帯域通過)フィルタを通して高域成分を除
去し、一方、合成フィルタ33は各サブフレームごとに
内部状態をリセットして加算部39からの励振ベクトル
を入力する。合成フィルタ33の合成信号と低域通過フ
ィルタ69を通過した自由応答成分とを加算部71で合
成してポストフィルタ34へ供給する。前記自由応答成
分の生成処理符号化のおけるそれと同様である。
を示し、図1及び図11と対応する部分に同一参照符号
を付けてある。図1に対する重要な相違は固定符号帳1
8として、周期性のある成分の周期的固定符号帳18b
とそれ以外の成分(周期性のない成分)の固定符号帳1
8aとに分離し、周期的固定符号帳18bでは、適応符
号帳ベクトル探索の結果得られたピッチ周期と前フレー
ムで得られた適応符号帳ゲインを用いて、固定(雑音)
ベクトルをピッチ周期で繰返し並べられて1サブフレー
ム(フレーム)の周期的固定符号帳ベクトルを生成す
る。この実施例ではこの周期的固定符号帳ベクトルに対
し、適応符号帳ベクトルで採択された周波数帯域制限と
同程度に帯域通過フィルタ73を用いて周波数帯域を制
限する。この帯域制限された周期的固定符号帳ベクトル
を乗算部74で重みGp-1を与えて加算部24へ供給す
る。前述と同様にして歪最小の適応符号帳ベクトルと帯
域制限周波数を決定し、その後、その帯域制限された適
応符号帳ベクトルと周期的固定符号帳ベクトルとを加算
したベクトルを励振ベクトルとして合成フィルタ14へ
供給した合成信号の入力信号に対する歪が最小となる周
期的固定符号帳ベクトルを決定する。次にこれら決定さ
れた適応符号帳ベクトルと周期的固定符号帳ベクトル
に、固定符号帳18aの固定符号帳ベクトルを加算し
て、同様にして歪最小となる固定符号帳ベクトルを決定
する。
周期性があるが過去の情報を繰り返して配置しただけで
は表現できない成分を表現するための周期的固定符号帳
ベクトルと、それ以外の周期性の無い成分をあらわす固
定符号帳ベクトルとの合成ベクトルとして、それぞれの
信号が存在する適切な周波数の範囲において効率的に表
現することが可能となる。つまり周期的固定符号帳ベク
トル(モデル)に対し、その周波数帯域を適応符号帳ベ
クトルと固定符号帳ベクトルで表現できない残差成分の
周波数帯域に近い状態にすることができ、それだけ復号
信号の歪を小さくすることができる。特に前述したよう
に適応符号帳ベクトル、周期的固定符号帳ベクトル、固
定符号帳ベクトルの順に歪最小ベクトルを決定する場合
は、入力信号をよく表現する符号化が行える。
1−1と21−2の出力をスイッチ75により切替えて
加算部24へ供給することにより、帯域通過フィルタ4
1−1を通した適応符号帳ベクトルの探索と帯域通過フ
ィルタ41−2を通した適応符号帳ベクトルの探索とを
スイッチ75の切替えにより行うようにし、またターゲ
ットベクトルとして入力端子11からの入力信号を直接
用いた場合である。固定符号帳18aの固定符号帳ベク
トルも、スイッチ55を切替えて帯域通過フィルタ42
−1を通したものと、帯域通過フィルタ42−2を通し
たものを、乗算部22を通じて加算部24へ供給し、入
力信号をターゲットベクトルとしてそれぞれ探索するよ
うにした場合である。周期的固定符号帳18bとしては
固定符号帳18aから選択した固定符号帳ベクトルを適
応符号帳ベクトル選択で求めた周期分取出し、それをサ
ブフレーム長になるまで繰返し並べて周期的固定符号帳
ベクトルを出力するものでもよい。なお歪最小化により
選択した周期的固定符号帳ベクトルを示す周期的固定符
号CCPも符号情報に加える。帯域通過フィルタ73を通
すことに基づく時間遅れを補償するために、周期的固定
符号帳ベクトルに対し、固定符号帳ベクトルに対して行
ったと同様に処理すればよい。
復号装置の実施例を示し、図6と対応する部分に同一符
号を付けてある。この実施例では周期的固定符号帳76
が設けられ、これより、符号情報中の周期的固定符号C
CPにより周期的固定符号帳ベクトルが取出され、帯域通
過フィルタ77により周波数帯域が制限され、その制限
された周期的固定符号帳ベクトルが乗算部78で重みが
与えられて加算部39へ供給される。周期的固定符号帳
76及び帯域通過フィルタ77はそれぞれ図8中の周期
的固定符号帳18b及び帯域通過フィルタ73と同様の
ものが用いられる。
ク内のゲートウェイ81に、入力される信号の周波数特
性に関する情報がネットワークから得られる場合や、入
力信号の周波数特性があらかじめわかっている場合に
は、その得られた周波数特性情報を利用して、ゲートウ
ェイ81内のこの発明による符号化装置82における各
モデルとなる符号帳ベクトルの周波数帯域を制限する帯
域通過フィルタの特性を決定することが可能である。例
えば電話で利用される音声信号や、ITU(国際電気通
信連合)で定められた周波数特性のフィルタを用いて処
理されている信号では、そのフィルタの特性を考慮して
帯域通過フィルタ41−1,41−2,42−1,42
−2の各周波数特性を決定することが可能である。周波
数特性に関する情報が得られない場合には、入力信号を
分析することでこれら帯域通過フィルタの特性を決定す
る。
も適応符号帳ベクトルに対する周波数帯域制限は行わ
ず、固定符号帳ベクトルに対してのみ周波数帯域制限を
行ってもよい。上述した符号化装置、復号装置はそれぞ
れコンピュータによりプログラムを実行させて機能させ
ることもできる。その際、そのプログラムはCD−RO
M、可撓性磁気ディスク、その他の記憶装置からコンピ
ュータのプログラムメモリにインストールし、又は通信
回線を介してダウンロードして使用される。
適応符号帳ベクトルや固定符号帳ベクトルのようなモデ
ルを、入力信号が有する、そのモデルにより表現しよう
とする成分の周波数帯域に合うように周波数帯域を適応
的に制限するため、不用な成分に基づく歪の発生が抑え
られ、復号信号の歪が小さいものが得られる。
す図。
すタイムチャート。
変更の他の手法の例を示す図。
れ図。
示す図。
を示す図。
示す図。
域の設定方法を説明するための図。
Claims (17)
- 【請求項1】 適応符号帳から選択された適応符号帳ベ
クトルと、固定符号帳から選択された固定符号帳ベクト
ルとを合成フィルタの励振ベクトルとして合成信号を生
成し、その合成信号の入力音響信号に対する歪を最小と
する両符号帳ベクトルを選択して入力音響信号を符号化
する方法において、 上記適応符号帳ベクトルの周波数帯域を制限し、その周
波数帯域制限された適応符号帳ベクトルを、上記合成信
号の生成に用い、 入力音響信号に応じて上記周波数帯域の制限を適応的に
変化し、その周波数帯域の制限を示す帯域符号を符号情
報に加えることを特徴とする音響信号符号化方法。 - 【請求項2】 適応符号帳から選択された適応符号帳ベ
クトルと、固定符号帳から選択され、適応符号帳ベクト
ルで表現できなかった残差を表現するための固定符号帳
ベクトルとを合成フィルタの励振ベクトルとして合成信
号を生成し、その合成信号の入力音響信号に対する歪を
最小とする両符号帳ベクトルを選択して入力音響信号を
符号化する方法において、 上記固定符号帳ベクトルの周波数帯域を、上記残差の表
現をよりよくするように制限することを特徴とする音響
信号符号化方法。 - 【請求項3】 上記固定符号帳の固定符号帳ベクトルは
周期性がないものであり、周期的固定符号帳から選択さ
れた固定符号帳ベクトルが周期的に繰返す周期的固定符
号帳ベクトルをも上記励振ベクトルとし、上記歪を最小
とするその符号帳ベクトルを選択し、 上記周期的固定符号帳ベクトルの周波数帯域を、上記残
差中の対応する成分をよりよく表現するように制限する
ことを特徴とする請求項2記載の音響信号符号化方法。 - 【請求項4】 フレーム又はサブフレーム(以下両者を
総称してフレームと記す)ごとに符号化を行い、上記符
号帳ベクトルの生成を、当該フレームの前後に、上記周
波数帯域制限に基づく遅延時間に相当する時間を付加し
た長さだけ行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れ
かに記載の音響信号符号化方法。 - 【請求項5】 現フレームの最後における上記合成フィ
ルタの状態に基づく自由応答成分を、減じて次フレーム
における上記歪最小化のためのターゲットベクトルを生
成する際に、上記自由応答成分中の高域成分を遮断して
用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載
の音響信号符号化方法。 - 【請求項6】 上記適応符号帳ベクトルの周波数帯域の
制限を複数の異なる帯域に対して行い、上記歪最小化の
ためのターゲットベクトルに対して同様の周波数帯域を
制限し、同一の周波数帯域制限した適応符号帳ベクトル
とターゲットベクトルによりそれぞれ歪最小化の適応符
号帳ベクトルを求め、 これら歪最小化の適応符号帳ベクトルについて、それぞ
れ帯域制限されないターゲットベクトルに対する歪を求
め、これら求めた歪中の最小のものと対応する適応符号
帳ベクトルを最終的に選択したものとすることを特徴と
する請求項1乃至5の何れかに記載の音響信号符号化方
法。 - 【請求項7】 フレームごとに入力された符号情報中の
周期符号により適応符号帳の過去の励振ベクトルから適
応符号帳ベクトルを生成し、上記符号情報中の固定符号
により固定符号帳から固定符号帳ベクトルを取出し、こ
れら適応符号帳ベクトル及び固定符号帳ベクトルにより
合成フィルタを励振して音響信号を合成する方法におい
て、 上記符号情報中の帯域符号により上記適応符号帳ベクト
ルの周波数帯域を制限し、その周波数帯域制限された適
応符号帳ベクトルを上記合成フィルタの励振に用いるこ
とを特徴とする音響信号復号方法。 - 【請求項8】 フレームごとに入力された符号情報中の
周期符号により適応符号帳の過去の励振ベクトルから適
応符号帳ベクトルを生成し、上記符号情報中の固定符号
により固定符号帳から固定符号帳ベクトルを取出し、こ
れら適応符号帳ベクトル及び固定符号帳ベクトルにより
合成フィルタを励振して音響信号を合成する方法におい
て、 上記符号情報中の帯域符号により上記固定符号帳ベクト
ルの周波数帯域を制限し、その周波数帯域制限された固
定符号帳ベクトルを上記合成フィルタの励振に用いるこ
とを特徴とする音響信号復号方法。 - 【請求項9】 上記符号情報中の周期的固定符号により
周期的固定符号帳から周期的固定符号帳ベクトルを取出
し、この周期的固定符号帳ベクトルの周波数帯域を上記
符号情報中の第2帯域符号により制限し、その周波数帯
域制限された周期的固定符号帳ベクトルも上記合成フィ
ルタの励振に用いることを特徴とする請求項8記載の音
響信号復号方法。 - 【請求項10】 上記符号帳ベクトルの長さを、当該フ
レームの前後に、上記周波数帯域制限に基づく遅延時間
に相当する時間を付加した長さとすることを特徴とする
請求項7乃至9の何れかに記載の音響信号復号方法。 - 【請求項11】 フレームの終りごとに上記合成フィル
タの内部状態に対する自由応答信号を生成し、その自由
応答信号の高域成分を遮断し、フレームの始めごとに上
記合成フィルタの内部状態をクリアし、上記合成フィル
タよりの合成信号と上記高域成分が遮断された自由応答
信号を加算して上記合成音響とすることを特徴とする請
求項7乃至10の何れかに記載の音響信号復号方法。 - 【請求項12】 過去の励振ベクトルが格納された適応
符号帳から適応符号帳ベクトルを選択生成し、固定符号
帳から固定符号帳ベクトルを選択し、これら適応符号帳
ベクトル及び固定符号帳ベクトルにより合成フィルタを
励振して合成信号を生成し、その合成信号と入力音響信
号に対する歪が最小となる各符号帳ベクトルを歪最小化
部により選択する符号化装置において、 上記適応符号帳ベクトルが入力され、その周波数帯域を
制限して上記合成フィルタへ供給する周波数帯域制限手
段と、 上記入力音響信号に応じて上記周波数帯域制限手段の制
限周波数帯域を変更し、その変更を示す帯域符号を出力
符号情報に加える周波数帯域決定部とを具備することを
特徴とする音響信号符号化装置。 - 【請求項13】 上記固定符号帳ベクトルが入力され、
その周波数帯域を制限して上記合成フィルタへ供給する
第2周波数帯域制限手段と、 上記入力音響信号に応じて上記第2周波数帯域制限手段
の制限周波数帯域を変更し、その変更を示す帯域符号を
出力符号情報に加える第2周波数帯域決定部とを具備す
ることを特徴とする請求項12記載の音響信号符号化装
置。 - 【請求項14】 フレームごとに入力された符号情報中
の周期符号により適応符号帳の過去の励振ベクトルから
適応符号帳ベクトルを生成し、上記符号情報中の固定符
号により固定符号帳から固定符号帳ベクトルを取出し、
これら適応符号帳ベクトル及び固定符号帳ベクトルによ
り合成フィルタを励振して音響信号を合成する装置にお
いて、 上記適応符号帳ベクトルが入力され、その周波数帯域を
制限して上記合成フィルタへ供給する周波数帯域制限手
段と、 上記符号情報中の帯域符号により上記周波数帯域制限手
段の制限周波数帯域を変更する帯域変更手段とを具備す
ることを特徴とする音響信号復号装置。 - 【請求項15】 上記固定符号帳ベクトルが入力され、
その周波数帯域を制限して上記合成フィルタへ供給する
第2周波数帯域制限手段と、 上記符号情報中の第2帯域符号により上記第2周波数帯
域制限手段の制限周波数帯域を変更する第2帯域変更手
段とを備えることを特徴とする請求項14記載の音響信
号復号装置。 - 【請求項16】 請求項1乃至11の何れかに記載の方
法をコンピュータに実行させるプログラム。 - 【請求項17】 請求項16記載のプログラムを記録し
たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2008304775A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Casio Comput Co Ltd | 音声符号化装置、音声復号装置、音声符号化方法、音声復号方法、及び、プログラム |
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