JP2003028809A - 紙カップ検査方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】抽出された欠陥の種類を区別することができる
紙カップ検査方法と装置を提供する。 【解決手段】紙カップの撮像画像に基づいてその紙カッ
プを検査する紙カップ検査方法であって、黒欠陥抽出過
程と、白欠陥抽出過程とを有し、黒欠陥抽出過程におい
て、前記撮像画像に対してクロージング処理を行い前記
撮像画像との差異から黒欠陥を抽出し、白欠陥抽出過程
において、前記撮像画像に対してオープニング処理を行
い前記撮像画像との差異から白欠陥を抽出するようにし
た紙カップ検査方法。および、その方法を適用した紙カ
ップ検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は物品の外観検査をそ
の撮像画像に基づいて自動で行なう技術分野に属する。
特に、外観や機能に係わる欠陥の種類を区別して紙コッ
プを検査する検査装置に関する。

【０００２】

【従来技術】紙カップに存在する欠陥としては、製造工
程で発生する欠陥である「汚れ」、「しわ」、「ピンホ
ール」等の欠陥がある。また原材料である原反にも微少
な「異物（黒い点として見える）」が含まれていること
がある。そのため、エリアセンサカメラ等によって撮像
して得た撮像画像に基づいて欠陥を抽出し、紙カップの
良否を判定する紙カップ検査が行なわれる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】たとえば、紙カップの
内面の撮像画像を所定のしきい値によって２値化し欠陥
を抽出することが行なわれる。通常は、紙カップの内面
は模様がない白色面であるが、立体的な形状を有するた
め照明光の反射特性が場所によって異なり、欠陥の背景
画像としては濃淡を有することとなる。したがって、固
定しきい値では欠陥を検出することが困難である。

【０００４】そこで、撮像画像に対して微分処理を行っ
て背景画像が有する濃淡の影響をなくし、さらに胴紙の
つなぎ目や胴紙と底紙の境界をマスク処理した後に、固
定しきい値で２値化し欠陥を抽出することが行なわれ
る。微分処理によって欠陥の輪郭が強調されるため、こ
の方法で、かなり微少な欠陥であっても検出することが
できる。しかしながら、欠陥の寸法や欠陥の白黒を区別
することなく、輪郭の強調度合いだけで抽出することに
なる。そのため、欠陥が抽出された紙カップが、重大な
不良品（大ヤレ）なのか軽微な不良品なのかを判定する
ことができない。また、欠陥によって異なる対処方法を
判断することができない。

【０００５】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものである。その目的は、欠陥が抽出された紙
カップが、重大な不良品（大ヤレ）なのか軽微な不良品
なのかを判定することができるようにすることにある。
また、欠陥によって異なる対処方法を判断することがで
きるようにすることにある。そのため、抽出された欠陥
の種類を区別することができる紙カップ検査方法と装置
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題は下記の本発明
によって解決される。すなわち、本発明の請求項１に係
る紙カップ検査方法は、紙カップの撮像画像に基づいて
その紙カップを検査する紙カップ検査方法であって、黒
欠陥抽出過程と、白欠陥抽出過程とを有し、黒欠陥抽出
過程において、前記撮像画像に対してクロージング処理
を行い前記撮像画像との差異から黒欠陥を抽出し、白欠
陥抽出過程において、前記撮像画像に対してオープニン
グ処理を行い前記撮像画像との差異から白欠陥を抽出す
るようにしたものである。

【０００７】本発明によれば、黒欠陥抽出過程において
撮像画像に対してクロージング処理が行われ撮像画像と
の差異から黒欠陥が抽出され、白欠陥抽出過程において
撮像画像に対してオープニング処理が行われ撮像画像と
の差異から白欠陥が抽出される。すなわち、黒欠陥と白
欠陥とが区別され抽出される。また、クロージング処理
とオープニング処理の形態（最大値フィルタと最小値フ
ィルタの回数）により抽出される黒欠陥と白欠陥の寸法
を区別することもできる。したがって、抽出された欠陥
の種類を区別することができる紙カップ検査方法が提供
される。

【０００８】また本発明の請求項２に係る紙カップ検査
方法は、請求項１に係る紙カップ検査方法において、前
記黒欠陥抽出過程は、クロージング処理過程と、平滑化
処理過程と、差分画像生成過程と、２値化過程とから成
り、前記クロージング処理過程において、前記撮像画像
に対してクロージング処理を行いクロージング処理済み
画像を生成し、前記平滑化過程において、前記クロージ
ング処理済み画像に対して平滑化処理を行い平滑化処理
済み画像を生成し、前記差分画像生成過程において、前
記撮像画像と前記平滑化処理済み画像との差分の絶対値
を対応画素ごとに演算し黒欠陥抽出画像を生成し、前記
２値化過程において、前記黒欠陥抽出画像に対して２値
化処理を行い黒欠陥２値化画像を生成するようにしたも
のである。

【０００９】本発明によれば、クロージング処理過程に
おいて撮像画像に対してクロージング処理が行われクロ
ージング処理済み画像が生成され、平滑化過程において
クロージング処理済み画像に対して平滑化処理が行われ
平滑化処理済み画像が生成され、差分画像生成過程にお
いて撮像画像と平滑化処理済み画像との差分の絶対値が
対応画素ごとに演算され黒欠陥抽出画像が生成され、２
値化過程において黒欠陥抽出画像に対して２値化処理が
行われ黒欠陥２値化画像が生成される。平滑化過程と差
分画像生成過程との組合せによりクロージング処理によ
り除去されない大きな寸法を有する欠陥（大ヤレ）の輪
郭が抽出される。したがって、大ヤレを含む黒欠陥の抽
出が行なわれる。

【００１０】また本発明の請求項３に係る紙カップ検査
方法は、請求項１または２に係る紙カップ検査方法にお
いて、前記白欠陥抽出過程は、オープニング処理過程
と、平滑化処理過程と、差分画像生成過程と、２値化過
程とから成り、前記オープニング処理過程において、前
記撮像画像に対してオープニング処理を行いオープニン
グ処理済み画像を生成し、前記平滑化過程において、前
記オープニング処理済み画像に対して平滑化処理を行い
平滑化処理済み画像を生成し、前記差分画像生成過程に
おいて、前記撮像画像と前記平滑化処理済み画像との差
分の絶対値を対応画素ごとに演算し白欠陥抽出画像を生
成し、前記２値化過程において、前記白欠陥抽出画像に
対して２値化処理を行い白欠陥２値化画像を生成するよ
うにしたものである。

【００１１】本発明によれば、オープニング処理過程に
おいて撮像画像に対してオープニング処理が行われオー
プニング処理済み画像が生成され、平滑化過程において
オープニング処理済み画像に対して平滑化処理が行われ
平滑化処理済み画像が生成され、差分画像生成過程にお
いて撮像画像と平滑化処理済み画像との差分の絶対値が
対応画素ごとに演算され白欠陥抽出画像が生成され、２
値化過程において白欠陥抽出画像に対して２値化処理が
行われ白欠陥２値化画像が生成される。平滑化過程と差
分画像生成過程との組合せによりオープニング処理によ
り除去されない大きな寸法を有する欠陥（大ヤレ）の輪
郭が抽出される。したがって、大ヤレを含む白欠陥の抽
出が行なわれる。

【００１２】また本発明の請求項４に係る紙カップ検査
方法は、請求項１〜３のいずれかに係る紙カップ検査方
法において、前記黒欠陥および／または前記白欠陥の面
積に基づいて前記紙カップにおける欠陥の種類を区別す
る欠陥種類区別過程を有するようにしたものである。本
発明によれば、欠陥種類区別過程において黒欠陥および
／または白欠陥の面積に基づいて紙カップにおける欠陥
の種類が区別される。したがって、欠陥の面積の大小が
区別される。

【００１３】また本発明の請求項５に係る紙カップ検査
方法は、請求項４に係る紙カップ検査方法において、前
記欠陥種類区別過程において区別される欠陥の種類は、
前記黒欠陥の面積が大のときには「凹しわ」または「大
ヤレ」、中のときには「汚れ」、小のときには「原反不
良」であり、前記白欠陥の面積が大のときには「凸し
わ」または「大ヤレ」、小のときには「ピンホール」と
するようにしたものである。本発明によれば、黒欠陥に
おける面積の大小により「凹しわ」または「大ヤレ」
「汚れ」「原反不良」が区別され、白欠陥における面積
の大小により「大ヤレ」「ピンホール」が区別される。

【００１４】また本発明の請求項６に係る紙カップ検査
装置は、紙カップの撮像画像に基づいてその紙カップを
検査する紙カップ検査装置であって、黒欠陥抽出手段
と、白欠陥抽出手段とを有し、黒欠陥抽出手段は、前記
撮像画像に対してクロージング処理を行い前記撮像画像
との差異から黒欠陥を抽出し、白欠陥抽出手段は、前記
撮像画像に対してオープニング処理を行い前記撮像画像
との差異から白欠陥を抽出するようにしたものである。

【００１５】本発明によれば、黒欠陥抽出手段により撮
像画像に対してクロージング処理が行われ撮像画像との
差異から黒欠陥が抽出され、白欠陥抽出手段により撮像
画像に対してオープニング処理が行われ撮像画像との差
異から白欠陥が抽出される。すなわち、黒欠陥と白欠陥
とが区別され抽出される。また、クロージング処理とオ
ープニング処理の形態（最大値フィルタと最小値フィル
タの回数）により抽出される黒欠陥と白欠陥の寸法を区
別することもできる。したがって、抽出された欠陥の種
類を区別することができる紙カップ検査装置が提供され
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、本発明について実施の形態
を説明する。本発明の紙カップ検査装置における撮像系
の構成と、紙カップに発生する欠陥の一例を図１、図２
にを参照して説明する。図１は撮像系と紙カップの側面
図、図２は紙カップの上面図である。図１、図２におい
て、１はエリアセンサカメラ、２は反射照明、３は透過
照明、１１は凸しわ、１２は凹しわ、１３はピンホー
ル、１４は汚れ、１５は原反不良、１００は紙カップで
ある。

【００１７】エリアセンサカメラ１は、受光素子（画
素）を２次元に配列したＣＣＤ（charge coupled devic
e）等の光センサ、駆動回路、結像光学系、等からなる
カメラ（撮像装置）である。エリアセンサカメラ１は、
図１に示すように、紙カップ１００の上方に配置されて
おり、紙カップ１００の真上方向からその底面を覗き込
むようにして紙カップ１００の内面を撮像し、撮像信号
を出力する。

【００１８】反射照明２は、反射光によってエリアセン
サカメラ１が撮像を行うための光源である。図１、図２
に示す欠陥においては、凸しわ１１、凹しわ１２、汚れ
１４、原反不良１５は反射照明２によって撮像が行なわ
れる欠陥である。透過照明３は、透過光によってエリア
センサカメラ１が撮像を行うための光源である。図１、
図２に示す欠陥においては、ピンホール１３は透過照明
３によって撮像が行なわれる欠陥である。

【００１９】反射照明２、透過照明３は、たとえば、発
光体としてＬＥＤを使用し、そのＬＥＤの複数個（多数
個）を配置して面状の照明器としたものである。反射照
明２においては、エリアセンサカメラ１の視界を妨げな
いように、その面状の照明器の中央付近に開口部を有す
る形状（ドーナツ形状またはリング形状）となってい
る。

【００２０】紙カップ１００は、図１、図２に示す一例
においては、円形の底面と円形の開口部（飲み口）を有
する回転対象形状となっているが、その他の形状であっ
てもよい。本発明の紙カップ検査装置における検査対象
は紙カップの形状によって制約されない。 図１、図２
に示す紙カップ１００には、紙カップに発生する欠陥と
して、凸しわ１１、凹しわ１２、ピンホール１３、汚れ
１４、原反不良１５が示されている。

【００２１】凸しわ１１は、紙カップ１００の内面から
見るとき、出っ張って見えるしわ（皺）であり、図１に
示す撮像光学系においては、周囲と比較して明るく撮像
される。凹しわ１２は、紙カップ１００の内面から見る
とき、引っ込んで見えるしわ（皺）であり、図１に示す
撮像光学系においては、周囲と比較して暗く撮像され
る。この凸しわ１１と凹しわ１２は、主として、紙カッ
プ１００を成型加工するときに発生する。

【００２２】また、ピンホール１３は、紙カップ１００
の底面、等に開いた微少な孔である。紙カップ１００の
底面は、胴紙と底紙とを成型加工し貼り合わせることに
より造られる。そのときに、ピンホール１３やそれより
も長さのある切れ目が発生することがある。ピンホール
１３、切れ目は透過照明３を減衰させることなく通過さ
せるため図１に示す撮像光学系においては、周囲と比較
して明るく撮像される。ピンホール１３、切れ目が存在
すると紙カップ１００は容器としての役割を果たせない
から重大欠陥の１つである。

【００２３】また、汚れ１４は、紙カップ１００の製造
工程の全体（印刷工程、加工工程、保管、等）におい
て、紙カップの原材料（原反、糊、等）や製造途中の紙
カップに混入付着する印刷インキ、機械油、スス、等の
異物である。また、原反不良１５は、原反に最初から付
着している異物である。紙カップ１００の内面は、一般
的に白色であるから、汚れ１４や原反不良１５は、周囲
と比較して暗く撮像される。

【００２４】上述のような紙カップ１００の内面がエリ
アセンサカメラ１によって撮像され撮像信号が出力され
る。そして、その撮像信号に基づいて、紙カップ検査装
置の処理部（図示せず）においては、上述のような欠陥
の抽出と紙カップ１００の良否判定が行われる。処理部
は、撮像信号を入力してＡ／Ｄ（analog-to-digital）
変換し撮像画像（画像データ）を得る画像入力処理を行
なう。また、その撮像画像に対するデータ処理を行な
う。処理部は、マイクロコンピュータ、パーソナルコン
ピュータ、画像処理装置、等のデータ処理装置のハード
ウェアとソフトウェアとによって実現される。

【００２５】次に、紙カップ検査装置の処理部において
行なわれる欠陥の抽出処理について図３、図４を参照し
て説明する。図３は、凹しわ１２、大ヤレ１６、汚れ１
４、原反不良１５、等の黒欠陥を抽出する処理の過程に
おける処理と画像とを示す説明図である。また、図４
は、凸しわ１１、大ヤレ１６、ピンホール１３、等の白
欠陥を抽出する処理の過程における処理と画像とを示す
説明図である。図３、図４の順番に、その処理について
説明する。

【００２６】まず、処理部は、撮像信号を入力してＡ／
Ｄ変換し撮像画像を得る。図３のに示す入力画像は、
図１、図２に示す撮像光学系においてエリアセンサカメ
ラ１が紙カップ１００を撮像して得た撮像画像である。
入力画像には、図３に示すように、凸しわ１１、凹しわ
１２、ピンホール１３、汚れ１４、原反不良１５、大ヤ
レ１６（２箇所）の欠陥の陰影が含まれている。

【００２７】次に、処理部は、この入力画像に対して、
クロージング処理と平滑化処理とを続けて行う。クロー
ジング処理は、周囲の画素よりも黒い画素を侵食して除
去する処理である。たとえば、ｎを正の整数として、対
象画像に対してｎ回の最大値フィルターを適用した後
に、ｎ回の最小値フィルターを適用する処理である。ｎ
の大きさによって侵食して除去される黒い画像の最大サ
イズが決まる。処理部によって撮像画像に対するクロー
ジング処理が行なわれると、クロージング処理済み画像
が生成される（クロージング処理過程）。

【００２８】ここに、最大値フィルターは、局所オペレ
ータ領域内のデータを大きい順に並べたときの最大値を
新たな画素値とする処理である。また最小値フィルター
は、局所オペレータ領域内のデータを大きい順に並べた
ときの最小値を新たな画素値とする処理である。

【００２９】また、平滑化処理は、本発明においては、
局所オペレータの中心部に重みを持たせた平均値を新た
な画素値とする単純平均処理、局所オペレータ領域内の
データを大きい順に並べたときの真中の値を新たな画素
値とするメディアンフィルター処理、等の原画像をぼか
す（平均化する）処理のことである。本発明における平
滑化過程と差分画像生成過程（後述する）との組合せ
は、原画像からぼかした画像を引き算することに相当
し、微分オペレータであるラプラシアンによる処理と同
等となる。これにより欠陥（除去されなかった大きな寸
法の欠陥；大ヤレ）の輪郭が強調され抽出される。

【００３０】処理部によって撮像画像に対する平滑化処
理が行なわれると、平滑化処理済み画像が生成される
（平滑化処理過程）。図３のに示す画像は、クロージ
ング処理と平滑化処理とがその順番で行なわれ生成した
平滑化処理済み画像の一例を示すものである。に示す
入力画像との比較から判るように、に示す画像におい
ては、凹しわ１２と、汚れ１４と、原反不良１５とが除
去されなくなっている。

【００３１】次に、処理部は、撮像画像と平滑化処理済
み画像との差分の絶対値を対応画素ごとに演算し黒欠陥
抽出画像を生成する（差分画像生成過程）。図３のに
示す画像は、黒欠陥抽出画像の一例を示すものである。
に示す入力画像に存在しに示す平滑化処理済み画像
に存在しない欠陥、すなわち凹しわ１２と、汚れ１４
と、原反不良１５とが図３のに示す黒欠陥抽出画像に
おいて抽出される。また、大ヤレ１６については、その
輪郭が抽出される。

【００３２】次に、処理部は、黒欠陥抽出画像に対して
２値化処理を行い黒欠陥２値化画像を生成する（２値化
過程）。図３のに示す画像は、黒欠陥２値画像の一例
を示すものである。

【００３３】次に、処理部は、黒欠陥抽出画像におい
て、抽出された欠陥（黒欠陥）の像または輪郭の面積を
算出する処理を行う。そして、その欠陥（黒欠陥）の面
積が大のときには「凹しわ」または「大ヤレ」、中のと
きには「汚れ」、小のときには「原反不良」と判定する
（欠陥種類区別過程）。

【００３４】以上、図３に基づいて、処理部が行う黒欠
陥を抽出する処理について説明した。次に、図４に基づ
いて、処理部が行う白欠陥を抽出する処理について説明
する。まず、処理部は、撮像信号を入力してＡ／Ｄ変換
し撮像画像を得る。図４のに示す入力画像は、図１、
図２に示す撮像光学系においてエリアセンサカメラ１が
紙カップ１００を撮像して得た撮像画像である。入力画
像には、図４に示すように、凸しわ１１、凹しわ１２、
ピンホール１３、汚れ１４、原反不良１５、大ヤレ１６
（２箇所）の欠陥の陰影が含まれている。

【００３５】次に、処理部は、この入力画像に対して、
オープニング処理と平滑化処理とを続けて行う。オープ
ニング処理は、周囲の画素よりも白い画素を侵食して除
去する処理である。たとえば、ｎを正の整数として、対
象画像に対してｎ回の最小値フィルターを適用した後
に、ｎ回の最大値フィルターを適用する処理である。ｎ
の大きさによって侵食して除去される白い画像の最大サ
イズが決まる。処理部によって撮像画像に対するオープ
ニング処理が行なわれると、オープニング処理済み画像
が生成される（オープニング処理過程）。

【００３６】ここに、最小値フィルターと、最大値フィ
ルターと、平滑化処理とは、前述の黒欠陥を抽出する処
理で説明したとおりのものである。

【００３７】処理部によって撮像画像に対する平滑化処
理が行なわれると、平滑化処理済み画像が生成される
（平滑化処理過程）。図４のに示す画像は、オープニ
ング処理と平滑化処理とがその順番で行なわれ生成した
平滑化処理済み画像の一例を示すものである。に示す
入力画像との比較から判るように、に示す画像におい
ては、凸しわ１１と、ピンホール１３とが除去されなく
なっている。

【００３８】次に、処理部は、撮像画像と平滑化処理済
み画像との差分の絶対値を対応画素ごとに演算し白欠陥
抽出画像を生成する（差分画像生成過程）。図４のに
示す画像は、白欠陥抽出画像の一例を示すものである。
に示す入力画像に存在しに示す平滑化処理済み画像
に存在しない欠陥、すなわち凸しわ１１と、ピンホール
１３とが図４のに示す白欠陥抽出画像において抽出さ
れる。また、大ヤレ１６については、その輪郭が抽出さ
れる。

【００３９】次に、処理部は、白欠陥抽出画像に対して
２値化処理を行い白欠陥２値化画像を生成する（２値化
過程）。図４のに示す画像は、白欠陥２値画像の一例
を示すものである。

【００４０】次に、処理部は、白欠陥抽出画像におい
て、抽出された欠陥（白欠陥）の像または輪郭の面積を
算出する処理を行う。そして、その欠陥（白欠陥）の面
積が大のときには「凸しわ」または「大ヤレ」、小のと
きには「ピンホール」と判定する（欠陥種類区別過
程）。

【００４１】

【発明の効果】以上のとおりであるから、本発明の請求
項１に係る紙カップ検査方法によれば、抽出された欠陥
の種類を区別することができる紙カップ検査方法が提供
される。また本発明の請求項２に係る紙カップ検査方法
によれば、大ヤレを含む黒欠陥の抽出を行なうことがで
きる。また本発明の請求項３に係る紙カップ検査方法に
よれば、大ヤレを含む白欠陥の抽出を行なうことができ
る。また本発明の請求項４に係る紙カップ検査方法によ
れば、欠陥の面積の大小を区別することができる。また
本発明の請求項５に係る紙カップ検査方法によれば、黒
欠陥における面積の大小により「凹しわ」または「大ヤ
レ」「汚れ」「原反不良」を区別することができ、白欠
陥における面積の大小により「大ヤレ」「ピンホール」
を区別することができる。また本発明の請求項６に係る
紙カップ検査装置によれば、抽出された欠陥の種類を区
別することができる紙カップ検査装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の紙カップ検査装置における撮像系の構
成と、紙カップに発生する欠陥の一例を示す側面図であ
る。

【図２】紙カップに発生する欠陥の一例を示す上面図で
ある。

【図３】凹しわ１２、大ヤレ１６、汚れ１４、原反不良
１５、等の黒欠陥を抽出する処理の過程における処理と
画像とを示す説明図である。

【図４】凸しわ１１、大ヤレ１６、ピンホール１３、等
の白欠陥を抽出する処理の過程における処理と画像とを
示す説明図である。

【符号の説明】

１ エリアセンサカメラ ２ 反射照明 ３ 透過照明 １１ 凸しわ １２ 凹しわ １３ ピンホール １４ 汚れ １５ 原反不良 １００ 紙カップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末長 哲朗 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 坂田 英人 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 細井 直樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内 Ｆターム(参考） 2G051 AA21 AA90 AB02 AB04 BA01 CA04 CB01 CB02 EA08 EA11 EC01 EC03 EC05 ED21 5B047 AA11 BA02 BB04 BC12 5B057 AA01 BA02 CA12 CA16 CE06 DA03 DB02 DC04 DC09 DC22 DC36

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙カップの撮像画像に基づいてその紙カッ
   プを検査する紙カップ検査方法であって、黒欠陥抽出過
   程と、白欠陥抽出過程とを有し、 黒欠陥抽出過程において、前記撮像画像に対してクロー
   ジング処理を行い前記撮像画像との差異から黒欠陥を抽
   出し、 白欠陥抽出過程において、前記撮像画像に対してオープ
   ニング処理を行い前記撮像画像との差異から白欠陥を抽
   出する、 ことを特徴とする紙カップ検査方法。
2. 【請求項２】請求項１記載の紙カップ検査方法におい
   て、前記黒欠陥抽出過程は、クロージング処理過程と、
   平滑化処理過程と、差分画像生成過程と、２値化過程と
   から成り、 前記クロージング処理過程において、前記撮像画像に対
   してクロージング処理を行いクロージング処理済み画像
   を生成し、 前記平滑化過程において、前記クロージング処理済み画
   像に対して平滑化処理を行い平滑化処理済み画像を生成
   し、 前記差分画像生成過程において、前記撮像画像と前記平
   滑化処理済み画像との差分の絶対値を対応画素ごとに演
   算し黒欠陥抽出画像を生成し、 前記２値化過程において、前記黒欠陥抽出画像に対して
   ２値化処理を行い黒欠陥２値化画像を生成する、 ことを特徴とする紙カップ検査方法。
3. 【請求項３】請求項１または２記載の紙カップ検査方法
   において、前記白欠陥抽出過程は、オープニング処理過
   程と、平滑化処理過程と、差分画像生成過程と、２値化
   過程とから成り、 前記オープニング処理過程において、前記撮像画像に対
   してオープニング処理を行いオープニング処理済み画像
   を生成し、 前記平滑化過程において、前記オープニング処理済み画
   像に対して平滑化処理を行い平滑化処理済み画像を生成
   し、 前記差分画像生成過程において、前記撮像画像と前記平
   滑化処理済み画像との差分の絶対値を対応画素ごとに演
   算し白欠陥抽出画像を生成し、 前記２値化過程において、前記白欠陥抽出画像に対して
   ２値化処理を行い白欠陥２値化画像を生成する、 ことを特徴とする紙カップ検査方法。
4. 【請求項４】請求項１〜３のいずれかに記載の紙カップ
   検査方法において、前記黒欠陥および／または前記白欠
   陥の面積に基づいて前記紙カップにおける欠陥の種類を
   区別する欠陥種類区別過程を有することを特徴とする紙
   カップ検査方法。
5. 【請求項５】請求項４記載の紙カップ検査方法におい
   て、前記欠陥種類区別過程において区別される欠陥の種
   類は、前記黒欠陥の面積が大のときには「凹しわ」また
   は「大ヤレ」、中のときには「汚れ」、小のときには
   「原反不良」であり、前記白欠陥の面積が大のときには
   「凸しわ」または「大ヤレ」、小のときには「ピンホー
   ル」とすることを特徴とする紙カップ検査方法。
6. 【請求項６】紙カップの撮像画像に基づいてその紙カッ
   プを検査する紙カップ検査装置であって、黒欠陥抽出手
   段と、白欠陥抽出手段とを有し、 黒欠陥抽出手段は、前記撮像画像に対してクロージング
   処理を行い前記撮像画像との差異から黒欠陥を抽出し、 白欠陥抽出手段は、前記撮像画像に対してオープニング
   処理を行い前記撮像画像との差異から白欠陥を抽出す
   る、 ことを特徴とする紙カップ検査装置。