JP2003028049A - エネルギ変換装置およびこれを備えた機器 - Google Patents

エネルギ変換装置およびこれを備えた機器

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JP2003028049A
JP2003028049A JP2001213843A JP2001213843A JP2003028049A JP 2003028049 A JP2003028049 A JP 2003028049A JP 2001213843 A JP2001213843 A JP 2001213843A JP 2001213843 A JP2001213843 A JP 2001213843A JP 2003028049 A JP2003028049 A JP 2003028049A
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energy conversion
rod
energy
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Kenichi Miyazawa
健一 宮沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】省スペース化を図ることができるとともに、回
転範囲およびトルクが大きい回転運動を取り出すことが
できるエネルギ変換装置およびこれを備えた機器を提供
すること。 【解決手段】略円弧状のロッド16と、ロッド16の一
端側が摺動可能に挿通されかつロッド16と略同じ曲率
を有する略円弧状の摺動路13Bおよびこの摺動路13
Bに連通されかつ周囲の温度変化により体積が変化する
変換体を収容する変換体収容部13Aが内部に形成され
た第1部材13と、ロッド16の他端が固定された外輪
142および第1部材13を支持する内輪141を有し
たベアリング14とを備えたサーモエレメント10。変
換体の体積変化に伴う第1部材13の回転運動は、サー
モエレメント10の設置スペース内で行われるから、占
有スペースが変化しないから、省スペース化を図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギ変換装置
およびこれを備えた機器に係り、詳しくは、熱エネルギ
および/または燃焼エネルギを機械的エネルギに変換す
るエネルギ変換装置およびこれを備えた機器に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、熱エネルギを機械的エネルギに
変換する熱エネルギ変換装置として、周囲の温度変化に
より得られる熱エネルギを機械的エネルギに変換する、
以下の1)〜4)の熱エネルギ変換装置が知られてい
る。 1)伸縮可能な容器と、この容器内に収容されたワック
ス等の常温で固体および液体の一方から他方へ相変化す
る相変化物質と、前記容器に設けられかつ当該容器の伸
縮方向に沿って延びる略直線棒状のラックとを備えた熱
エネルギ変換装置。この熱エネルギ変換装置では、周囲
温度の変化によって相変化物質が相変化することによ
り、容器が伸縮してラックが直線運動を行う。ラックに
ピニオンを噛み合わせておくことで、熱エネルギから回
転運動(機械的エネルギ)が得られるようになる。
【0003】2)伸縮可能な容器と、この容器内に収容
されたワックス等の常温で固体および液体の一方から他
方へ相変化する相変化物質と、前記容器に長手方向の軸
を回転中心として回転可能に設けられかつ当該容器の伸
縮方向に沿って延びる略直線棒状のロッドと、このロッ
ドの外周面に形成された螺旋状の案内溝と、前記容器に
対して固定されかつ前記案内溝に係合するガイドピンと
を備えた熱エネルギ変換装置(特開昭61−15149
5号公報参照)。この熱エネルギ変換装置では、周囲温
度の変化により相変化物質が相変化することで、容器が
伸縮してロッドが直線運動を行うとともに、ガイドピン
が案内溝に倣うことで、ロッドが容器に対して軸を回転
中心とした回転運動を行うようになり、熱エネルギから
回転運動(機械的エネルギ)が得られるようになる。
【0004】3)熱膨張率が異なる2種類の金属板を貼
り合わせたバイメタルを利用した熱エネルギ変換装置で
あり、ゼンマイ状に巻かれたバイメタルを備えている
(特開昭56−066833号公報参照)。この熱エネ
ルギ変換装置では、周囲の温度変化によってゼンマイ状
のバイメタルが湾曲変形して回転運動を行うようにな
り、熱エネルギから回転運動(機械的エネルギ)が得ら
れるようになる。
【0005】4)細長い板状のバイメタルを利用した熱
エネルギ変換装置であり、バイメタルの一端が固定され
ている。この熱エネルギ変換装置では、周囲の温度変化
によってバイメタルが湾曲変形して一端を支点とした回
転運動を行うようになり、熱エネルギから回転運動(機
械的エネルギ)が得られるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た1)〜4)の熱エネルギ変換装置は、以下のような問
題点を有している。 1)、2)の熱エネルギ変換装置では、容器を伸縮させ
てラックまたはロッドに直線運動を行わせることによ
り、回転運動を取り出している。従って、熱エネルギ変
換装置を設置するための設置スペースの他に、ラックま
たはロッドを直線的に作動させるためのストロークスペ
ースが必要になり、省スペース化が図ることが難しいと
いう問題がある。
【0007】3)の熱エネルギ変換装置では、ゼンマイ
状のバイメタルから直接回転運動を得ているので、この
バイメタルから大きなトルクの回転運動を得るために
は、バイメタルの厚さを厚くしたり、ゼンマイの巻数を
多くしたりする必要があり、装置が大型化するという問
題がある。 4)の熱エネルギ変換装置では、板状のバイメタルの一
端を支点とした他端側の回転運動を利用しているから、
その他端側の作動範囲、つまり回転範囲が狭い。このた
め、大きな回転運動を取り出すことができないという問
題がある。
【0008】本発明の目的は、省スペース化を図ること
ができるとともに、回転範囲およびトルクが大きい回転
運動を取り出すことができるエネルギ変換装置およびこ
れを備えた機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のエネルギ変換装
置は、上記目的を達成するために、熱エネルギおよび/
または燃焼エネルギを機械的エネルギに変換するエネル
ギ変換装置であって、略円弧状のロッドと、前記ロッド
の一端側が摺動可能に挿通されかつ前記ロッドと略同じ
曲率を有する略円弧状の摺動路と、この摺動路と連通さ
れかつ熱エネルギおよび/または燃焼エネルギを機械的
エネルギに変換する変換体を収容する変換体収容部とが
内部に形成された第1部材と、前記ロッドの他端側に取
り付けられる第2部材とを備え、前記第1部材および前
記第2部材のうちの一方が他方に対して回転可能に設け
られ、かつその回転中心位置が前記ロッドの円弧がなす
円の中心位置と略一致することを特徴とするものであ
る。
【0010】ここで、熱エネルギおよび/または燃焼エ
ネルギを機械的エネルギに変換する変換体としては、周
囲の温度変化によって相変化を生じて体積が変化する相
変化物質、および、点火されて燃焼することによって体
積膨張する燃焼物質のいずれも採用することができる。
相変化物質としては、気体および液体の間で相変化を生
じるもの、および液体および固体の間で相変化を生じる
ものの両方が採用できる。気体および液体の間で相変化
する相変化物質としては、アンモニア、二酸化炭素、塩
化エチレン等が採用でき、液体および固体の間で相変化
する相変化物質としては、ワックス等が採用できる。一
方、燃焼物質としては、ガソリン、ディーゼル燃料、液
化石油ガス、アルコール燃料等の燃料を含んだ混合気が
採用できる。
【0011】この発明によれば、変換体が自身の温度変
化によって、その体積が増減すると、ロッドが第1部材
に対して進退する駆動力が得られる。ここで、第1部材
が第2部材に対して回転可能に設けられている場合、ロ
ッドは移動せずに、第1部材がロッドに対して当該ロッ
ドの円弧方向に沿って移動、すなわち回転運動するよう
になって、熱エネルギから回転運動を取り出すことがで
きるようになる。一方、第2部材が第1部材に対して回
転可能に設けられている場合、第1部材は移動せずに、
ロッドが第1部材から進退し、第2部材が当該ロッドの
円弧方向に沿って移動、すなわち回転運動するようにな
って、熱エネルギから回転運動を取り出すことができる
ようになる。本発明では、円弧状のロッドを、第1部材
に対して相対的に当該ロッドの円弧方向に沿って進退さ
せることで、第1部材または第2部材を回転させてい
る。ここで、第1部材または第2部材の回転運動の回転
中心位置は、ロッドの円弧がなす円の中心位置と略一致
している。このため、ロッドは、回転運動を行う第1部
材または第2部材の回転方向に沿うようにして、第1部
材に対して相対的に進退移動(つまりストローク)する
こととなる。従って、従来と異なって、ロッドの直線的
なストロークスペースが不要になるから、省スペース化
を図ることができ、小型の機器にも適したエネルギ変換
装置を構成できる。さらに、変換体収容部の変換体の収
納量等を適宜設定することによって、ロッドの第1部材
からの進退の大きさ、すなわち回転運動の回転範囲の大
きさを決定でき、ロッドの材質等を適宜設定することに
よって、回転運動のトルクの大きさを決定できるから、
回転範囲およびトルクの大きい回転運動を容易に得るこ
とができるようになる。
【0012】本発明のエネルギ変換装置では、前記第1
部材と前記第2部材との間には、当該第1部材または第
2部材の回転をガイドするガイド手段が設けられている
ことが望ましい。これによれば、第1部材と第2部材と
の間にガイド手段を設けたので、第1部材および第2部
材のいずれを回転可能に設けた場合でも、第1部材およ
び第2部材のうちの一方を他方の回転運動のガイドとす
ることができる。これにより、安定した回転駆動力(回
転運動)を第1部材または第2部材から得ることができ
る。
【0013】本発明のエネルギ変換装置では、前記ガイ
ド手段は、ベアリングであることが望ましい。ここで、
ベアリングとしては、滑り軸受けを採用してもよく、転
がり軸受けを採用してもよい。このようにすれば、第1
部材と第2部材との間に生じる摩擦をできるだけ少なく
できるから、第1部材または第2部材から得られる回転
運動のトルクを大きくできるとともに、本発明に係るエ
ネルギ変換装置の寿命を長くできる。
【0014】本発明のエネルギ変換装置では、前記摺動
路は、パイプ部材によって形成されていることが望まし
い。このように、摺動路を第1部材とは別体のパイプ材
によって構成すれば、第1部材内に一体に摺動路を形成
した場合と比べて、摺動路の形状加工が容易となり、ロ
ッド形状に対応した摺動路の形状加工を精度よく行うこ
とができる。これにより、ロッドおよび摺動路の摺動が
スムーズとなるから、ロッドの第1部材に対する進退に
よって得られる回転運動のトルクを大きくできるととも
に、本発明に係るエネルギ変換装置の寿命を長くでき
る。
【0015】本発明のエネルギ変換装置では、前記第1
部材は、第1分割体および第2分割体に二分割され、前
記パイプ部材は、前記第1分割体と前記第2分割体との
間に挟持されることが望ましい。このようにすれば、パ
イプ部材を第1部材に容易に取り付けることができるか
ら、本発明のエネルギ変換装置の製作を簡単にできる。
【0016】本発明のエネルギ変換装置では、前記第2
部材が基準として固定され、当該第2部材に対して前記
第1部材が回転可能に設けられていることが望ましい。
たとえば、第1部材を基準として固定し、当該第1部材
に対して第2部材を回転可能に設けた場合、変換体の体
積が増えると、当該変換体によってロッドが第1部材か
ら押し出され、第2部材が回転運動を行うようになる。
このような場合、第2部材がフリー(移動可能)、つま
りロッドの他端側がフリーとなっているため、ロッド
は、変換体に押し出される際、その外周側が摺動路内周
面の外周側に押しつけられることとなり、ロッドと摺動
路内周面との間に比較的大きな摩擦が生じる。このた
め、変換体の体積増によるエネルギが、第2部材の回転
運動に効率よく変換されず、また、このような摩擦力が
変換体の体積増減の繰り返しに伴ってロッドおよび摺動
路に繰り返し加えられると、ロッドおよび摺動路に過度
の負荷がかかるおそれがある。本発明では、第2部材を
基準として固定するから、変換体の体積が増えると、変
換体がロッドを押して第1部材が回転運動を行うように
なる。このような場合、第2部材が固定、つまりロッド
の他端側が固定されているため、ロッドは、変換体によ
って力が加えられても、ほとんどその外周側が摺動路内
周面に押しつけられず、ロッドと摺動路内周面との間に
生じる摩擦を小さくできる。このため、第1部材を固定
した場合よりも、変換体の体積増によるエネルギを、第
1部材の回転運動に効率よく変換することができ、エネ
ルギ効率を良好にできる。また、変換体の体積増減が繰
り返されても、ロッドおよび摺動路間に加わる力は小さ
いので、ロッドおよび摺動路にかかる負荷を小さくで
き、本発明に係るエネルギ変換装置の耐久性を向上させ
ることができる。
【0017】本発明のエネルギ変換装置では、前記ロッ
ドおよび前記第1部材のうちの一方を、前記ロッドの円
弧方向に沿って他方側に付勢する付勢手段が設けられて
いることが望ましい。ここで、付勢手段としては、直接
的にロッドまたは第1部材を付勢する付勢手段であって
もよく、また、間接的にロッドまたは第1部材を付勢す
る付勢手段であってもよい。このようにすれば、変換体
の体積が減った際に、付勢手段によって、ロッドを第1
部材に向かって確実に押し戻すことができるようにな
る。このため、再び変換体の体積が増えた際、この増量
分を略全て、ロッドまたは第1部材の運動に変換できる
ようになり、効率よく機械的エネルギを発生させること
ができる。
【0018】本発明のエネルギ変換装置では、前記第1
部材および第2部材のうち、一方が略リング状に形成さ
れ、他方が一方のリング内に配置されていることが望ま
しい。このように、第1部材および第2部材のうちの一
方を略リング状に形成し、このリング内に他方を配置す
れば、本発明に係るエネルギ変換装置をコンパクトにで
きる。
【0018A】本発明のエネルギ変換装置では、前記第
2部材が、略リング状に形成されるとともに、基準とし
て固定され、前記第1部材が、略円盤状に形成され、か
つ、前記第2部材のリング内に配置されるとともに、前
記第2部材に対して回転可能に設けられるように構成し
てもよい。このように、第1部材を略円盤状としたの
で、内部に変換体収容部を大きくとることが可能とな
り、第1部材の小型化が図れるようになる。そして、第
1部材の小型化に合わせて、第2部材の小型化も図れる
ようになるので、本発明のエネルギ変換装置全体の小型
化を図ることができる。
【0018B】また、本発明のエネルギ変換装置では、
前記第1部材が、略リング状に形成されるとともに、基
準として固定され、前記第2部材が、前記第1部材のリ
ング内に配置されるとともに、前記第1部材に対して回
転可能に設けられるように構成されていてもよい。この
ような構成では、第1部材のリング内に、変換体収容部
を有さず小型化可能な第2部材を配置するとともに、こ
の第2部材が回転運動を行うようにしているから、第1
部材のリング内に、第2部材の回転駆動力によって駆動
する機構を配置できるようになる。これにより、本発明
に係るエネルギ変換装置を機器に用いた場合、機器のコ
ンパクト化が図れるようになる。
【0018C】このような場合、前記第2部材は、前記
ロッドの円弧がなす円の中心位置を略回転中心位置とす
る内歯車であることが望ましい。第2部材を、スペース
をとらない内歯車で構成したので、第1部材のリング内
における第2部材の占有スペースを小さくできる。
【0019】本発明のエネルギ変換装置では、前記第1
部材は、熱伝導率が167W/m・K以上、かつ、単位
体積当たりの熱容量が3.4J/cm以下の材料から
形成されていることが望ましい。ここで、熱伝導率が1
67W/m・K以上、かつ、単位体積当たりの熱容量が
3.4J/cm以下の材料としては、たとえば、金、
銀、タングステン、マグネシウム、アルミニウム、銅等
が採用できる。このような材料で第1部材を形成すれ
ば、熱伝導率が大きいので、外部から熱エネルギが与え
られると第1部材全体に素早く伝わり、単位体積当たり
の熱容量が小さいので、第1部材自身の温度変化が大き
くなる。これにより、第1部材を介して、外部から与え
られた熱エネルギを効率よく変換体に与えることがで
き、機械的エネルギを効率よく発生させることができ
る。
【0020】一方、本発明の機器は、上述したエネルギ
変換装置のいずれかを備えていることを特徴とするもの
である。この発明によれば、上述したエネルギ変換装置
の作用および効果と、同様な作用および効果を奏する機
器を享受できる。
【0021】本発明の機器では、前記エネルギ変換装置
で得られた機械的エネルギによって駆動する機構と、前
記機構を内部に収容する筐体とを備え、前記第1部材ま
たは前記第2部材は、前記筐体と一体に形成されている
ことが望ましい。このように、第1部材または第2部材
を筐体に一体に形成すれば、筐体が第1部材または第2
部材の機能を兼ね備えることになるので、部品点数を低
減でき、コストダウンを図ることができる。
【0022】本発明の機器では、前記エネルギ変換装置
で得られた機械的エネルギによって駆動される指針を備
えた計時装置であることが望ましい。このように、指針
の駆動に回転駆動力が用いられる計時装置に、本発明に
係るエネルギ変換装置を適用すれば、本発明の有用性が
高く、本発明のエネルギ変換装置はスペース効率が良好
なので、腕時計等の小型の計時装置にも適用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明の第1実施形態
に係る機器としての電子制御式機械時計1を示す平面図
が示されている。この電子制御式機械時計1は、熱エネ
ルギを機械的エネルギに変換するエネルギ変換装置とし
てのサーモエレメント10と、このサーモエレメント1
0で発生した機械的エネルギで駆動されて電力を発生す
る発電手段としての発電機20とを備えている。これら
サーモエレメント10と発電機20との間には、サーモ
エレメント10で発生した機械的エネルギを蓄えるゼン
マイ31を内部に備えた香箱車30と、サーモエレメン
ト10で発生した機械的エネルギを香箱車30に伝達す
る伝達車40と、複数の歯車52〜55が組み合わされ
て構成されて香箱車30に蓄えられた機械的エネルギを
発電機20および指針56,57に伝達する輪列50と
が設けられている。
【0024】香箱車30は、サーモエレメント10が発
生する機械的エネルギを蓄積する機械的エネルギ蓄積手
段であり、図2にも示すように、ゼンマイ31の内端
が、香箱車30の中心軸である香箱真32に固定され、
ゼンマイ31の外端が香箱車30の内側面に係合されて
いる。この香箱車30では、香箱真32の回転によっ
て、ゼンマイ31が巻き上げられるようになっている。
香箱真32には、角穴ネジ33によって角穴車34が固
定され、香箱真32と角穴車34が一体的に回転するよ
うになっている。この角穴車34には、逆回転防止のた
めに、こはぜ35(図1)が噛み合っている。
【0025】図1および図2において、サーモエレメン
ト10は、伝達車40に噛み合う歯車11を備え、外部
から与えられる熱エネルギにより体積が変化する変換体
の体積の増減を利用して、歯車11を回転させるものと
なっている。具体的に、サーモエレメント10は、図3
および図4に示すように、上述の歯車11と、この歯車
11がネジ12によって固定された第1部材13とを備
えている。この第1部材13は、摺動部材としてのベア
リング14によって支持されており、第1部材13の外
周がベアリング14の内輪141に固定されている。ベ
アリング14の外輪142は、たとえば、電子制御式機
械時計1の図示しない地板等に固定されている。なお、
ベアリング14の外輪142が、本発明に係る第2部材
である。また、本実施形態では、ベアリング14とし
て、ボールベアリングを用いるが、ローラベアリング等
のベアリングを用いてもよく、ベアリング14にかかる
負荷が大きい場合には、ローラベアリングを用いること
が望ましい。
【0026】ベアリング14の外輪142には、ネジ止
めされた取付部材15を介して略円弧状のロッド16の
一端が固定され、このロッド16は、ベアリング14の
内輪の上方に配置されている。ロッド16は、断面略円
形状に形成され、その円弧がなす円の中心位置は、ベア
リング14の回転中心位置、すなわち第1部材13の回
転中心位置と略一致している。ロッド16の他端側は、
第1部材13内部に摺動可能な状態で挿入されている。
【0027】第1部材13は、図5にも示すように、第
1分割体131および第2分割体132に上下二分割さ
れており、これら第1分割体131と第2分割体132
との間には、円筒状のパイプ部材133が挟持されてい
る。このパイプ部材133によって、第1部材13内部
に形成された変換体収容部13Aと、外部とが連通され
ている。変換体収容部13Aには、周囲温度の変化によ
り体積が変化する変換体17(図4)が内部に収容され
ている。変換体17は、固体および液体の一方から他方
へ相変化し、この相変化により体積が変化する相変化物
質であるワックスを含んだものとなっている。なお、第
1部材13の第1分割体131および第2分割体132
間には、変換体収容部13Aを囲むパッキン134が設
けられ、これにより、変換体収容部13Aからの変換体
17の漏れ、および変換体収容部13Aへの異物の混入
を防止している。
【0028】パイプ部材133は、ロッド16の円弧と
略同じ曲率を有する略円弧状に形成され、その内部が、
ロッド16の他端側が摺動可能な状態で挿入される摺動
路13Bとなっている。このパイプ部材133は、その
円弧がなす円の中心位置が、ベアリング14の回転中心
位置、すなわち第1部材13の回転中心位置と略一致し
た状態で、第1分割体131および第2分割体132間
に配置されている。ここで、ロッド16の他端にはパッ
キン161が設けられ、このパッキン161により、ロ
ッド16および摺動路13B間の隙間から変換体17が
漏れるのを防止している。
【0029】このようなパイプ部材133をたとえば金
属で形成する場合には、円筒状のパイプ材を所定の円弧
形状に曲げ加工した後、ロッド16の断面円形状の直径
と略同等の直径を有するボールを当該パイプ材内に通す
ことで、内径のサイズがロッド16に対応したパイプ部
材133を製作することが可能となる。なお、パイプ部
材133をたとえば樹脂で形成する場合には、樹脂で形
成された円筒状のパイプ材を、所定の円弧形状のキャビ
ティを有する型内に入れ、パイプ材を加熱して樹脂を柔
らかくした状態で、パイプ材の円筒内に所定の空気圧力
をかけ、パイプ材を型形状にならわせることで、内径の
サイズがロッド16に対応したパイプ部材133を製作
してもよい。
【0030】また、第1部材13の下面には、ネジ18
を介して付勢手段としてのねじりばね19が固定されて
いる。ねじりばね19の両端は、ベアリング14の内輪
141下面から下方に突出した第1ピン141Aと、外
輪142下面から下方に突出した第2ピン142Aとの
間に配置され、ねじりばね19によって、第1ピン14
1Aと第2ピン142Aとは互いに離れる方向に付勢さ
れている。つまり、ねじりばね19によって、電子制御
式機械時計1の地板等に固定されたベアリング14の外
輪142に対して、内輪141(第1部材13)は図3
中反時計方向に回転する方向に付勢されている。
【0031】ここで、サーモエレメント10の変換体1
7に含まれるワックスとしては、炭素数が19〜70の
範囲にあるn−パラフィンが採用できる。このn−パラ
フィンは、炭素数によって融点が異なるため、炭素数の
異なるn−パラフィンのなかから適宜な炭素量を備えた
n−パラフィンを選択することにより、所望の温度に近
い融点を有する相変化物質が得られる。また、炭素数が
異なり、相変化が生じる温度も異なるn−パラフィンを
複数種類混合することにより、所望の融点を有する相変
化物質が得られる。このため、変換体17に含まれるワ
ックスとしては、複数種類のn−パラフィンが混合さ
れ、使用する環境に応じた動作特性が得られるように、
その混合比率が調整された相変化物質が採用されてい
る。
【0032】そして、変換体17には、その相変化物質
と融点が異なるラウリン酸、ステアリン酸、脂肪酸カル
シウム、脂肪酸、オレイン酸、デカン酸およびグリセリ
ン等の添加剤が適宜混合されている。ここで、変換体1
7は、融点の異なるラウリン酸(融点45℃)、ステア
リン酸(融点55℃)、脂肪酸カルシウム(融点65
℃)およびグリセリン(融点20℃)等を混合すること
により、その融点が変化する特性があるので、この特性
を利用し、動作温度範囲(−10〜+40℃)の全域で
温度−伸び量の直線性が確保されるように、ラウリン
酸、ステアリン酸、脂肪酸カルシウムおよびグリセリン
を適宜な割合で混合したものとなっている。
【0033】このような構成を有するサーモエレメント
10では、周囲の温度変化によって変換体17の体積が
増えると、変換体17によってロッド16が押される。
ここで、ベアリング14の外輪142およびロッド16
は固定されているので、第1部材13およびベアリング
14の内輪141が、ねじりばね19の付勢力に抗して
時計方向に回転する(図6(A)参照)。一方、周囲の
温度変化によって変換体17の体積が減ると、変換体1
7によってロッド16が押されないから、第1部材13
およびベアリング14の内輪141が、ねじりばね19
の付勢力により、反時計方向に回転する(図6(B)参
照)。このように、第1部材13はロッド16の円弧方
向に沿って回転運動を行うため、第1部材13の回転運
動は、サーモエレメント10の設置スペース内で行われ
るようになる。なお、変換体収容部13Aの容積や変換
体17の量を適宜設定したり、変換体17の成分を適宜
設定することでその膨張率・収縮率を調整したりするこ
とで、第1部材13の回転範囲(回転角度)の大きさを
任意に決定できる。また、ロッド16および摺動路13
Bの円弧の大きさを適宜設定したりすることで、第1部
材13の回転運動のトルクの大きさを決定できる。
【0034】図1および図2に戻って、サーモエレメン
ト10と香箱車30との間に配置された伝達車40は、
サーモエレメント10で発生した時計方向および反時計
方向の回転駆動力のうち、一方向の回転駆動力のみを香
箱車30へ伝達するための伝達手段である。この伝達車
40によって、サーモエレメント10の時計方向への回
転駆動力のみが香箱車30に伝達され、反時計方向への
回転駆動力が香箱車30に伝達されないようになってい
る。具体的に、伝達車40は、サーモエレメント10の
歯車11と噛み合う歯車41と、香箱車30に固定され
た角穴車34と噛み合う歯車42とを備えたものであ
り、これら歯車41および歯車42は、回転軸が略同軸
上に配置されている。歯車41および歯車42は、スプ
リング43により回転軸方向に沿って互いに接近する方
向に付勢されているとともに、互いに噛み合う鋸歯状の
歯44A,44Bを有するワンウェイクラッチ44を介
して連結されている。
【0035】このような構成を有する伝達車40では、
サーモエレメント10で発生する駆動力のうち、伝達す
べき方向の駆動力が歯車41に伝達されると、ワンウェ
イクラッチ44の歯44A,44Bは、互いに噛み合
い、当該駆動力が歯車42を介して角穴車34に伝達さ
れるようになっている。一方、サーモエレメント10で
発生する駆動力のうち、伝達すべきでない方向の駆動力
が歯車41に伝達されると、ワンウェイクラッチ44の
鋸歯状の歯44A,44Bの傾斜により、スプリング4
3の付勢力に抗して歯車41が後退し、ワンウェイクラ
ッチ44の歯44A,44Bの噛み合いが解除され、当
該駆動力は、角穴車34に伝達されないようになってい
る。
【0036】図1に戻って、輪列50は、香箱車30と
噛み合う二番車52と、発電機20のロータ21に噛み
合う五番車55と、これら二番車52および五番車55
間に配置されて二番車52の回転駆動力を増速して五番
車55に伝達する三番車53および四番車54とを備え
ている。各車52〜55には、発電効率の良好な回転数
で発電機20のロータ21を回転させるための増速比が
設定されている。また、二番車52には、時針56が取
り付けられ、四番車54には、分針57が取り付けられ
ている。輪列50を構成するこれらの車52〜55は、
ゼンマイ1Aの機械的エネルギをロータ21に伝達する
とともに、その駆動に伴って、時針56および分針57
を駆動するようになっている。
【0037】発電機20は、略環状に形成されるととも
に、中間部分にコイル22が巻かれたステータ23を備
え、ステータ23のギャップの間に、永久磁石からなる
ロータ21を回転自在に設けた交流発電機である。ここ
で、発電機20が効率よく発電できるように、ロータ2
1の回転数、ロータ21とステータ23とのギャップの
寸法、ロータ21を形成する永久磁石の材質、コイル2
2の巻線の太さや巻き数が適宜設定されている。発電機
20のコイル22の両端には、ダイオードおよび平滑コ
ンデンサからなる整流回路24と、ロータ21の回転に
制動を加えるための調速回路25とが並列に接続されて
いる。発電機20で得られた交流電力は、整流回路24
で直流電力に変換され、この直流電力が制御部60に供
給されている。
【0038】調速回路25は、発電機20のコイル22
に流れる電流を調節することにより、発電機20のロー
タ21に加わる電磁ブレーキの制動力を加減するもので
ある。ここでは、ロータ21に加わる電磁ブレーキの制
動力を微妙に調節可能としたいので、調速回路25とし
ては、トランジスタ等のスイッチング素子と直流抵抗と
を直列に接続し、スイッチング素子のON−OFF動作
を高速で繰り返させ、OFF時間に対するON時間を調
節することにより、電磁ブレーキの制動力を微妙に調節
できるようにしたものを採用している。
【0039】制御部60は、発電機20のロータ21の
回転数制御を行う部分である。ここでは、発電機20が
出力する交流出力電圧に基づいて求められるロータの回
転数信号と、時間標準源となる水晶振動子を用いて作成
される所定の周波数信号とを比較し、その差に基づいて
算出した操作信号を調速回路25へ出力している。操作
信号は、例えば、High状態およびLow状態が交互
に繰り返される矩形波電圧信号が採用でき、発電機20
のロータ21の回転速度を遅らせる場合には、High
状態時間のLow状態時間に対する割合、換言すれば、
デューティ比を大きくし、これにより、電磁ブレーキの
制動力を強める一方、発電機20のロータ21の回転速
度を速くする場合には、デューティ比を小さくし、これ
により、電磁ブレーキの制動力を弱めるものとなってい
る。
【0040】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。本実施形態では、サーモエレメント1
0において、周囲の温度変化によって変換体17の体積
が増減すると、第1部材13が回転運動を行うので、熱
エネルギから回転駆動力を取り出すことができる。ここ
で、円弧状のロッド16を用いるとともに、第1部材1
3の回転運動の回転中心位置を、ロッド16の円弧がな
す円の中心位置と略一致させたため、第1部材13はロ
ッド16の円弧方向に沿って回転運動を行うようにな
り、第1部材13の回転運動は、サーモエレメント10
の設置スペース内で行われる。従って、従来と異なり、
ロッドの直線的なストロークによってエネルギ変換装置
の占有スペースが変化しないから、サーモエレメント1
0の省スペース化を図ることができ、小型の機器にも適
したサーモエレメント10を構成できる。
【0041】さらに、変換体収容部13Aの変換体17
の収納量等を適宜設定することによって、第1部材13
の回転範囲の大きさを任意に決定でき、ロッド16の材
質等を適宜設定することによって、第1部材13の回転
運動のトルクの大きさを任意に決定できるから、サーモ
エレメント10から回転範囲およびトルクの大きい回転
駆動力を容易に得ることができる。
【0042】第1部材13をベアリング14で支持した
ので、第1部材13の回転運動を確実にガイドでき、安
定した回転駆動力(回転運動)を歯車11から得ること
ができる。また、ガイド手段としてベアリング14を採
用しているため、第1部材13の回転運動をスムーズに
でき、変換体17の体積の増減によって生じる駆動力
を、効率よく第1部材13の回転運動に変換できるよう
になる。
【0043】第1部材13内の摺動路13Bをパイプ部
材133によって構成したので、摺動路13Bの形状加
工が容易となり、ロッド16の形状に対応した摺動路1
3Bの形状加工を精度よく行うことができる。これによ
り、ロッド16および摺動路13Bの摺動をスムーズに
できる。
【0044】本実施形態では、ベアリング14の外輪1
42を電子制御式機械時計1の地板等に固定したため、
変換体17の体積が増えると、ロッド16には、変換体
17によって、第1部材13を回転させるためだけの比
較的小さな力が加えられる。これにより、変換体17の
体積の増減の繰り返しに伴ってロッド16に繰り返し力
が加えられても、ロッド16にかかる負荷を小さくで
き、サーモエレメント10の寿命を長くできる。
【0045】第1部材13の下面にねじりばね19を設
けたので、周囲の温度変化により変換体17の体積が減
ると、第1部材13を、ねじりばね19の付勢力によっ
て、ロッド16に向かって確実に押し戻すことができる
ようになる。このため、再び変換体17の体積が増えた
際、この増量分を略全て、ロッド16または第1部材1
3の運動に変換できるようになり、サーモエレメント1
0において、効率よく機械的エネルギを発生させること
ができる。
【0046】図7および図8には、本発明の第2実施形
態が示されている。本実施形態は、前述の第1実施形態
において、サーモエレメント10のベアリング14の内
輪141に変換体収容部を有した第1部材を設けて回転
させるようにしていたのを、ベアリングの外輪に変換体
収容部を有した第1部材を設けて固定し、ベアリングの
内輪に設けた内歯を有した歯車を回転させるようにした
ものである。
【0047】すなわち、機器としての電子制御式機械時
計2は、熱エネルギを機械的エネルギに変換するエネル
ギ変換装置としてのサーモエレメント70と、このサー
モエレメント70で発生した機械的エネルギによって駆
動される機構としての香箱車30、図示しない輪列、発
電機、制御部等を内部に収容した筐体80とを備えてい
る。筐体80は、リング状の胴81と、この胴81の下
面に取り付けられた裏蓋82と、胴81の上面に取り付
けられて裏蓋82と対向配置されたガラス板83とを備
えている。胴81および裏蓋82は、熱伝導率が167
W/m・K以上、かつ、単位体積当たりの熱容量が3.
4J/cm以下の材料から形成されており、たとえ
ば、銅、金、銀、アルミニウム、タングステン、マグネ
シウム等の材料から形成されている。また、香箱車3
0、図示しない輪列、発電機、制御部等の機構(ムーブ
メント)は、図示しない地板および輪列受間で支持され
た状態で、筐体80内に配置され、これらのムーブメン
トは、裏蓋82と接触しない状態とされている。これに
より、裏蓋82とムーブメントとの間に空気層を設ける
ことができるから、外部から裏蓋82に与えられた熱エ
ネルギがムーブメントに伝達されることを防止できるよ
うになる。
【0048】ここで、本実施形態では、筐体80の胴8
1の内部に、当該胴81の外周に沿って略円弧状の変換
体収容部81Aが形成されており、胴81がサーモエレ
メント70の第1部材としての役割を兼ね備えている。
なお、変換体収容部81Aには、前記実施形態と同じ変
換体17が充満されている。サーモエレメント70にお
いて、胴81は、第1分割体811および第2分割体8
12に上下二分割され、これら第1分割体811および
第2分割体812間にパイプ部材813が挟持されてい
る。このパイプ部材813内部には、変換体収容部81
Aと連通する摺動路81Bが形成されており、前記第1
実施形態のパイプ部材133と同様な方法で製作するこ
とができる。
【0049】また、筐体80の胴81は、その内周側に
配置されたサーモエレメント70のガイド手段としての
ベアリング71の外輪としての役割も兼ね備えており、
このベアリング71は、外輪としての胴81と、内輪7
11と、この内輪711と胴81との間を転がる転動体
としてのボール712とから構成されている。
【0050】ベアリング71の内輪711には、取付部
材72を介して、略円弧状のロッド73の一端が固定さ
れている。このロッド73は、筐体80の胴81内部に
形成された略円弧状の空間81C内に配置されている。
この空間81Cは、摺動路81Bと連通されており、ロ
ッド73の他端側は、摺動路81B内に摺動可能に挿入
されている。なお、ロッド73の他端には、パッキン7
31が固定され、このパッキン731によって、ロッド
73および摺動路81B間の隙間からの変換体17の漏
れを防止している。ここで、胴81の空間81C内に
は、ロッド73の一端と、空間81Cの内壁との間に付
勢手段としてのスプリング74が介装されており、この
スプリング74によって、ロッド73が摺動路81Bに
挿入される方向へ付勢されている。さらに、ベアリング
71の内輪711には、第2部材としての内歯車75が
固定されている。つまり、内歯車75は、ベアリング7
1の内輪711および取付部材72を介してロッド73
の一端に取り付けられることとなる。
【0051】このような構成を有するサーモエレメント
70では、周囲の温度変化によって変換体17の体積が
増えると、ロッド73が、スプリング74の付勢力に抗
してパイプ部材813から前進する駆動力が生じる。こ
のため、ベアリング71の内輪711および内歯車75
が図7中反時計方向に回転する。一方、周囲の温度変化
によって変換体17の体積が減ると、スプリング74の
付勢力によって、ロッド73がパイプ部材813内に後
退する駆動力が生じる。このため、ベアリング71の内
輪711および内歯車75が図7中時計方向に回転す
る。そして、内歯車75の回転駆動力(機械的エネル
ギ)は、当該内歯車75に噛み合う伝達車40を介して
香箱車30に伝達され、ゼンマイによって機械的エネル
ギが蓄積される。電子制御式機械時計2では、このよう
にして蓄積された機械的エネルギにより、前述の第1実
施形態と同様に、時刻を表示する指針や発電機が駆動さ
れることとなる。なお、本実施形態における電子制御式
機械時計2は、図示は省略するが、前記第1実施形態の
電子制御式機械時計1と同様に、輪列、発電機、制御部
等の構成要素を備えており、これらの機能は、前記第1
実施形態のものと同様なのでその説明を省略する。
【0052】上述のような本実施形態によれば、前記第
1実施形態の作用および効果と同様な作用および効果を
奏することができるとともに、次のような効果がある。
すなわち、本実施形態では、筐体80の胴81が、サー
モエレメント70の第1部材としての機能、およびベア
リング71の外輪としての機能を兼ね備えているので、
部品点数を削減でき、コストダウンを図ることができ
る。
【0053】筐体80の胴81および裏蓋82を、熱伝
導率が大きく、かつ単位体積当たりの熱容量が小さい
銅、金、銀、アルミニウム、タングステン、マグネシウ
ム等の材料から形成したので、外部から与えられた熱エ
ネルギを効率よく変換体17に与えることができ、機械
的エネルギを効率よく発生させることができる。
【0054】また、香箱車30、図示しない輪列、発電
機、制御部等のムーブメントを、裏蓋82と接触しない
状態で筐体80内に設置したので、裏蓋82とムーブメ
ントとの間に空気層を設けることができ、外部から裏蓋
82に与えられた熱エネルギがムーブメントに伝達され
ることを防止できるようになる。これにより、外部から
裏蓋82に与えられた熱エネルギを、効率よく胴81に
伝達して、変換体17に与えることができるようにな
る。
【0055】さらに、本実施形態では、サーモエレメン
ト70全体をリング状に形成し、そのリング内に、時計
のムーブメントを配置している。このため、電子制御式
機械時計2において、リング状の胴を有した筐体内に収
められる一般的な時計のムーブメントを、そのレイアウ
トをほとんど変更することなく利用できる。また、筐体
80の胴81の内部に変換体収容部81Aを形成してい
るから、変換体収容部81Aを大きく形成できて変換体
17の収容量を多くできる。これにより、ロッド73の
第1部材としの胴81に対する相対変位量を大きくとる
ことができるから、サーモエレメント70から大きな回
転駆動力を得ることができる。
【0056】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。たとえば、
前記第1実施形態では、第2部材としてのベアリング1
4の外輪142を基準として固定し、第1部材13を回
転駆動させるように構成したが、第1部材13を基準と
して固定し、ベアリング14の外輪142を回転駆動さ
せるようにしてもよく、このような場合には、伝達車4
0と噛み合う歯車11は、ベアリング14の外輪142
に固定され、当該外輪142と一体的に回転するように
なる。
【0057】エネルギ変換装置を組み込む計時装置とし
ては、電子制御式機械時計に限らず、たとえば、テンプ
等を備えた機械時計であってもよく、また、機器として
は、時計に限らず、タイムレコーダ、ストップウォッ
チ、キッチンタイマ等の他の計時装置でもよい。さら
に、本発明のエネルギ変換装置によって得た機械的エネ
ルギで発電機を駆動し、この発電機で発生した電気エネ
ルギをコンデンサで蓄え、当該電気エネルギでモータを
駆動するようにすれば、本発明のエネルギ変換装置を様
々な機器の駆動源(電源)として利用することができ
る。
【0058】また、本発明に係るエネルギ変換装置は、
温度計にも利用できる。エネルギ変換装置を温度計に適
用した場合、当該温度計は、エネルギ変換装置と、この
エネルギ変換装置で発生した機械的エネルギによって駆
動される指針と、エネルギ変換装置における第1部材ま
たは第2部材の回転運動を指針に拡大して伝達する拡大
伝達機構とを備えることとなる。このような場合、周囲
温度の変化に伴って、変換体の体積が変動すると、第1
部材または第2部材が回転し、この回転運動が拡大伝達
機構を介して指針に反映されることとなり、温度表示手
段を、指針と、温度を示す数字等が刻まれた文字盤とを
含んで構成すれば、温度が分かるようになる。なお、周
囲温度の変化に伴う変換体の膨張率および収縮率が十分
に大きい場合には、温度計は拡大伝達機構を備える必要
はなく、回転可能な第1部材または第2部材の回転中心
に指針を直接固定してもよい。
【0059】さらに、本発明に係るエネルギ変換装置
は、温度スイッチにも利用できる。エネルギ変換装置を
温度スイッチに適用した場合、当該温度スイッチは、エ
ネルギ変換装置と、このエネルギ変換装置の第1部材ま
たは第2部材の回転駆動力によって操作されるスイッチ
部とを備えることとなる。このような場合、周囲の温度
の変化に伴って、変換体の体積が変化し、たとえば周囲
の温度が所定温度以上になって、変換体の体積が所定量
以上に膨張し、第1部材または第2部材の回転運動量が
所定量以上となったときに、スイッチ部が操作されるよ
うに設定しておけば、所定の温度になったときに機器の
電源を入れたり落としたり等することができるようにな
る。
【0060】また、本発明に係るエネルギ変換装置は、
エンジンにも適用できる。ここで、エンジンとしては、
車両に載せるエンジンであってもよく、発電機等を駆動
する定置用のエンジンであってもよい。エネルギ変換装
置をエンジンに適用した場合、変換体として、燃焼エネ
ルギを機械的エネルギに変換する変換体、すなわち、点
火されることによって、または自己着火することによっ
て燃焼・爆発するガソリンやディーゼル燃料等の燃料を
含んだ混合気が採用される。
【0061】ガソリンのように点火されることによって
燃焼・爆発する燃料を含んだ混合気を採用した場合、第
1部材には、変換体収容部内に燃料を含んだ混合気を吸
気するための吸気口と、変換体収容部の排気を行うため
の排気口と、変換体収容部内の燃料を点火するための点
火プラグとが設けられ、ロッドが第1部材内に後退した
ときに、燃料を燃焼させることによって、ロッドを第1
部材から相対的に前進させる駆動力を得ることができ
る。
【0062】一方、ディーゼル燃料のように自己着火す
ることによって燃焼・爆発する燃料を含んだ混合気を採
用した場合、第1部材には、変換体収容部内に空気を吸
気するための吸気口と、変換体収容部の排気を行うため
の排気口と、変換体収容部内に燃料を噴射供給するため
の燃料噴射ノズルとが設けられ、ロッドが第1部材内に
後退して変換体収容部内の空気が圧縮されたときに、燃
料を供給して燃焼・爆発させることによって、ロッドを
第1部材から相対的に前進させる駆動力を得ることがで
きる。このようにして得た駆動力を利用して、シャフト
(レシプロエンジンで用いられるクランクシャフトや、
ロータリエンジンで用いられる偏心シャフト等)を一定
方向に回転駆動すれば、本発明に係るエネルギ変換装置
をエンジンとしても利用できるようになる。
【0063】ガイド手段としては、ベアリングに限ら
ず、フッ素樹脂等の摩擦係数が非常に小さい樹脂等を利
用してもよい。また、本発明に係るエネルギ変換装置に
は、ロッドおよび第1部材のうちの一方をロッドの円弧
方向に沿って他方側に付勢する付勢手段を必ずしも設け
る必要はなく、付勢手段を設けない場合には、外部から
与えられる駆動力によって、ロッドおよび第1部材のう
ちの一方をロッドの円弧方向に沿って他方側に付勢する
ように構成すればよい。さらに、摺動路としては、パイ
プ部材によって構成されたものに限らず、第1部材に直
接形成されたものであってもよく、このような場合も本
発明に含まれる。
【0064】
【発明の効果】本発明に係るエネルギ変換装置およびこ
れを備えた機器によれば、省スペース化を図ることがで
きるとともに、回転範囲およびトルクが大きい回転運動
を取り出すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子制御式機械時
計を示す概略構成図である。
【図2】前記実施形態におけるサーモエレメント、伝達
車、および香箱車の噛み合わせ状態を示す側面図であ
る。
【図3】前記実施形態におけるサーモエレメントを示す
平面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】前記実施形態における第1部材を示す分解斜視
図である。
【図6】前記実施形態におけるサーモエレメントの作用
を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電子制御式機械時
計を示す横断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【符号の説明】 1,2 機器である電子制御式機械時計 10,70 エネルギ変換装置であるサーモエレメント 13 第1部材 13A,81A 変換体収容部 13B,81B 摺動路 14,71 ガイド手段であるベアリング 16,73 ロッド 17 変換体 19 付勢手段であるねじりばね 30 機構である香箱車 56 指針である時針 57 指針である分針 74 付勢手段であるスプリング 75 第2部材である内歯車 80 筐体 81 第1部材である胴 131,811 第1分割体 132,812 第2分割体 133,813 パイプ部材 142 第2部材である外輪

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギおよび/または燃焼エネルギ
    を機械的エネルギに変換するエネルギ変換装置であっ
    て、 略円弧状のロッドと、 前記ロッドの一端側が摺動可能に挿通されかつ前記ロッ
    ドと略同じ曲率を有する略円弧状の摺動路と、この摺動
    路と連通されかつ熱エネルギおよび/または燃焼エネル
    ギを機械的エネルギに変換する変換体を収容する変換体
    収容部とが内部に形成された第1部材と、 前記ロッドの他端側に取り付けられる第2部材とを備
    え、 前記第1部材および前記第2部材のうちの一方が他方に
    対して回転可能に設けられ、かつその回転中心位置が前
    記ロッドの円弧がなす円の中心位置と略一致することを
    特徴とするエネルギ変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエネルギ変換装置にお
    いて、 前記第1部材と前記第2部材との間には、当該第1部材
    または第2部材の回転をガイドするガイド手段が設けら
    れていることを特徴とするエネルギ変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエネルギ変換装置にお
    いて、 前記ガイド手段は、ベアリングであることを特徴とする
    エネルギ変換装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    エネルギ変換装置において、 前記摺動路は、パイプ部材によって形成されていること
    を特徴とするエネルギ変換装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のエネルギ変換装置にお
    いて、 前記第1部材は、第1分割体および第2分割体に二分割
    され、 前記パイプ部材は、前記第1分割体と前記第2分割体と
    の間に挟持されることを特徴するエネルギ変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    エネルギ変換装置において、 前記第2部材が基準として固定され、当該第2部材に対
    して前記第1部材が回転可能に設けられていることを特
    徴とするエネルギ変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    エネルギ変換装置において、 前記ロッドおよび前記第1部材のうちの一方を、前記ロ
    ッドの円弧方向に沿って他方側に付勢する付勢手段が設
    けられていることを特徴とするエネルギ変換装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の
    エネルギ変換装置において、 前記第1部材および第2部材のうち、一方が略リング状
    に形成され、他方が一方のリング内に配置されているこ
    とを特徴とするエネルギ変換装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のエネルギ変換装置にお
    いて、 前記第2部材は、略リング状に形成されるとともに、基
    準として固定され、 前記第1部材は、略円盤状に形成され、かつ、前記第2
    部材のリング内に配置されるとともに、前記第2部材に
    対して回転可能に設けられていることを特徴とするエネ
    ルギ変換装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のエネルギ変換装置に
    おいて、 前記第1部材は、略リング状に形成されるとともに、基
    準として固定され、 前記第2部材は、前記第1部材のリング内に配置される
    とともに、前記第1部材に対して回転可能に設けられて
    いることを特徴とするエネルギ変換装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のエネルギ変換装置
    において、 前記第2部材は、前記ロッドの円弧がなす円の中心位置
    を略回転中心位置とする内歯車であることを特徴とする
    エネルギ変換装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項11のいずれかに記
    載のエネルギ変換装置において、 前記第1部材は、熱伝導率が167W/m・K以上、か
    つ、単位体積当たりの熱容量が3.4J/cm以下の
    材料から形成されていることを特徴とするエネルギ変換
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項12のいずれかに記
    載のエネルギ変換装置を備えていることを特徴とする機
    器。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の機器において、 前記エネルギ変換装置で得られた機械的エネルギによっ
    て駆動する機構と、 前記機構を内部に収容する筐体とを備え、 前記第1部材または前記第2部材は、前記筐体と一体に
    形成されていることを特徴とする機器。
  15. 【請求項15】 請求項13または請求項14に記載の
    機器において、 前記エネルギ変換装置で得られた機械的エネルギによっ
    て駆動される指針を備えた計時装置であることを特徴と
    する機器。
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