JP2003027074A - エマルジョン燃料用乳化剤 - Google Patents

エマルジョン燃料用乳化剤

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JP2003027074A
JP2003027074A JP2001213502A JP2001213502A JP2003027074A JP 2003027074 A JP2003027074 A JP 2003027074A JP 2001213502 A JP2001213502 A JP 2001213502A JP 2001213502 A JP2001213502 A JP 2001213502A JP 2003027074 A JP2003027074 A JP 2003027074A
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Japan
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emulsifier
carbon atoms
average
emulsion fuel
group
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Application number
JP2001213502A
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English (en)
Inventor
Takatsugu Yamashiro
高嗣 山白
Hideo Nakanishi
秀男 中西
Takeshi Okamoto
毅 岡本
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 乳化安定性に優れたエマルジョン燃料用乳化
剤を提供する。 【解決手段】 下記およびを満たすアルコール類の
アルキレンオキサイド付加物(A)を含有するエマルジ
ョン燃料用乳化剤。 (A)が下記一般式(1)で表される化合物の1種ま
たは2種以上の混合物からなる。 R1−[(OA)k−OH]x (1) (A)の水酸基1個当たりの重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mn、が下記の
式(2)又は(3)を満たす。 Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.010(但
し、v<10)(2) Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.139
(但し、v≧10)(3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエマルション燃料用
乳化剤に関し、さらに詳しくは、軽油または重油などの
燃料油と水を乳化して得られるエマルション燃料を製造
するための乳化剤、および該乳化剤を使用して得られる
エマルジョン燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】エマルション燃料とは水を軽油または重
油などの燃料油に乳化したもので、燃焼にともない生成
する窒素酸化物や煤塵を通常の燃料より低減できること
が知られている。乳化するためには、通常、乳化剤が使
用され、代表的な乳化剤としてはアルコールのアルキレ
ンオキサイド付加物などのノニオン性界面活性剤や脂肪
酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン性
界面活性剤、またそれらの配合物などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアルコ
ールのアルキレンオキサイド付加物を乳化剤として使用
したエマルジョン燃料は十分な乳化安定性が無く、経時
的または経日的にエマルジョンが分離するという問題点
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のアルキレンオ
キサイド付加物が優れた乳化分散能を有することを見出
し、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、下記およびを満た
すアルコール類のアルキレンオキサイド付加物(A)を
含有することを特徴とするエマルジョン燃料用乳化剤、
および該乳化剤を含有してなるエマルジョン燃料であ
る。 (A)が下記一般式(1)で表される化合物の1種ま
たは2種以上の混合物からなる。 R1−[(OA)k−OH]x (1) [式中、R1は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基を有
する1価アルコールまたは多価アルコールの残基;Aは
炭素数2以上の1種以上のアルキレン基;kは平均が1
〜50となる0または1以上の整数、xは1または2〜
6の整数] (A)の水酸基1個当たりの重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mnが下記関係
式(2)または(3)を満たす。 Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(2) Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.139(但し、v≧10)(3) [但し、vはアルコール類(a)の水酸基1個当たりに
付加したアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表
し、上記一般式(1)でのkの平均に相当する。]
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、アルコール類
(a)としては、炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基を
有する1価アルコールまたは多価アルコールを含み、一
般式(1)または(1’)のR1はこれらのアルコール
から水酸基を除いた残基である。
【0007】R1のうち、炭素数8〜24の炭化水素基
を有する1価アルコールの残基としては、直鎖または分
岐の以下のものが挙げられる。 (1)脂肪族鎖状炭化水素系1価アルコールの残基;アル
キル基(オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、トリデ
シル、ミリスチル、セチル、ステアリル、ノナデシル、
2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル基など)、ア
ルケニル基(オクテニル、デセニル、ドデセニル、トリ
デセニル、ペンタデセニル、オレイル、ガドレイル基な
ど)およびアルカジエニル基(リノレイル基など)。 (2)芳香環含有炭化水素系1価アルコールの残基;アラ
ルキル基(フェニルノニル、フェニルオクチル基など)
など。 (3)脂環基含有炭化水素系1価アルコールの残基;単環
脂環基含有炭化水素基(エチルシクロヘキシル、プロピ
ルシクロヘキシル、オクチルシクロヘキシル、ノニルシ
クロヘキシル、シクロヘキシルオクチル、シクロヘキシ
ルノニル、シクロヘキシルビスメチレン、シクロヘキシ
ルビスエチレン基など)および多環脂環基含有炭化水素
基(アダマンチル基など)。
【0008】R1のうち、炭素数8〜24の炭化水素基
を有する多価アルコールの残基としては以下のものが挙
げられる。 (4)脂肪族鎖状炭化水素系多価アルコールの残基;アル
キレン基(オクタメチレン、ノナメチレン、ドデカメチ
レン基など)、アルケニレン基(オクタメチレニレン基
など)。 (5)脂環基含有炭化水素系多価アルコールの残基;シク
ロヘキシルビスメチレン、シクロヘキシルビスエチレン
基など。 (6)芳香環含有炭化水素系多価アルコールの残基; (7)炭素数9〜25の脂肪族モノカルボン酸の多価アル
コール部分エステルの残基;炭素数9〜25の脂肪族モ
ノカルボン酸(炭素数はカルボキシル基の炭素も含む)
[例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸(ペラルゴン酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸など)および不飽和脂肪族カルボン酸
(ウンデシレン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン
酸など)]と多価アルコール[例えば、2価アルコール
(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキシレング
リコールなど)および3価以上のアルコール(グリセリ
ン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ソルバイ
ドなど)]とのエステルであって、少なくとも1個以上
の水酸基が残存する部分エステルから水酸基を除いた残
基が挙げられる。
【0009】R1のうち、好ましいものは、炭素数8〜
24の脂肪族炭化水素基を有する1価アルコールの残
基、および炭素数9〜25の脂肪族モノカルボン酸の多
価アルコール部分エステルの残基であり、さらに好まし
いものは、炭素数8〜24の脂肪族鎖状炭化水素基を有
する1価アルコールの残基、および炭素数11〜19の
脂肪族モノカルボン酸の多価アルコール部分エステルの
残基である。多価アルコールのうち、好ましいものはソ
ルビタンおよびソルバイドである。
【0010】一般式(1)中、Aは炭素数2以上、好ま
しくは2〜8、さらに好ましくは2〜4、特に好ましく
は炭素数2または3のアルキレン基を表し、(OA)の部
分は、炭素数2以上のアルキレンオキサイド(c)の付
加により形成される。このようなアルキレンオキサイド
(c)としては、エチレンオキサイド(以下、EOと略
記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、
1,2−または2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒ
ドロフラン、スチレンオキサイドなどが挙げられる。好
ましくはEOおよび/またはPOである。
【0011】一般式(1)中、kは(c)の付加モル数
に相当し、平均が1〜50となる整数であり、好ましく
は2〜40、さらに好ましくは2〜20である。kが5
0を超えると、十分な乳化性能が得られない。
【0012】一般式(1)中のxは、好ましくは1〜
4、さらに好ましくは1〜3である。
【0013】前記アルコール類(a)は、残基R1 を与
えるものであり、炭素数8〜24の炭化水素基を有する
1価アルコールまたは多価アルコールである。
【0014】(A)としては、工程が煩雑でないことか
ら、(a)から直接製造されたものであることが好まし
い。ここで、「直接製造された」とは、上記付加物が、
精留などにより未反応アルコールや付加モル数の異なる
ものを分別する操作なしで、直接得られたものであるこ
とを意味する。但し、分別を目的としないで、簡単な操
作で未反応アルキレンオキサイドや低沸点物をストリッ
ピングしたものは分別操作に含まれない。
【0015】また、本発明で、(A)の水酸基1個当た
りの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比:Mw/Mnが上記関係式(2)または(3)を満
たす必要がある。これらの式で、Ln(v)はvの自然対
数を意味し、vはアルコール類(a)の水酸基1個当た
りに付加したアルキレンオキサイドの平均付加モル数を
表し、前記一般式(1)でのアルキレンオキサイドの付
加モル数であるkの平均に相当する。(以下同じ) 関係式(2)または(3)を満たさない、すなわち分子
量分布が広くなると、乳化剤としたときに、充分な乳化
能が得られない。また、Mw/Mnは下記関係式
(2')または(3')を満たすことが好ましい。 Mw/Mn≦0.031×Ln(v)+1.000(但し、v<10)(2') Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.129(但し、v≧10)(3')
【0016】一般式(1)においてAがエチレン基のみ
である場合、即ち、アルコール類にエチレンオキサイド
のみを付加した場合には、Mw/Mnが関係式(6)ま
たは(7)を満たすことが好ましい。 Mw/Mn≦0.020×Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(6) Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.116(但し、v≧10)(7) 関係式(6)または(7)を満たす場合、即ち分子量分
布が狭くなると、乳化剤としたときに、良好な乳化能を
示す。また、この場合、Mw/Mnは下記関係式
(6')または(7')を満たすことがさらに好ましい。 Mw/Mn≦0.018×Ln(v)+1.015 (但し、v<10) (6') Mw/Mn≦−0.023×Ln(v)+1.113(但し、v≧10)(7')
【0017】さらに(A)は、vが12以下の場合に下
記関係式(4)において分布定数cが2.0以下である
ことが好ましい。関係式(4)は、下記Weibull
の分布則の式(8)から導き出される式である。cは好
ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.7以下であ
る。分布定数cの値が小さい、すなわち未反応のアルコ
ールの含有量が少ないほど分子量分布が狭いことを意味
する。 なお、この式は、未反応のアルコールの量が検
出限界(0.001質量%)以上の場合に適用される式
であり、(A)の場合はアルキレンオキサイド(c)の
水酸基1個当たりの平均付加モル数が12モル程度まで
適用可能である。cが2を超えると、乳化剤としたとき
に充分な乳化能が得られない。 c=(v+n0/n00−1)/[Ln(n00/n0)+n0/n00−1] (4) v=c×Ln(n00/n0)−(c−1)×(1−n0/n00) (8) これらの式で、Ln(n00/n0)は(n00/n0)の自然対
数を意味し、vは上記に同じ、n00は反応に用いたアル
コールのモル数、n0 は未反応のアルコールのモル数を
表す。
【0018】本発明において、上記(A)としては、さ
らに下記一般式(1’)で表される化合物が乳化能の点
で好ましい。 R1−[{(OC24)m/(OD)n}−(OC24)p−OH]x (1’) [式中、R1 は炭素数8〜24の炭化水素基を有する1
価アルコールまたは多価アルコールの残基;Dは炭素数
3または4のアルキレン基;mは平均が0〜5となる0
または1以上の整数、nは平均が0〜5となる0または
1以上の整数、pは平均が1〜40となる0または1以
上の整数であり、(m+n+p)は平均が1〜50とな
る整数であり、(m+p)/(m+n+p)は平均0.
5以上である。[(OC24)m/(D)n]は、m≠0かつ
n≠0のときブロック付加またはランダム付加を表す。
xは1または2〜6の整数を表す。]
【0019】上記一般式(1’)中、(OC24)の部分
は、EOの付加により形成される。Dは炭素数3または
4のアルキレン基を表し、(OD)の部分は、炭素数3ま
たは4のアルキレンオキサイドの付加により形成され
る。このようなアルキレンオキサイドとしては、PO、
1,2−もしくは2,3−ブチレンオキサイドなどが挙
げられる。
【0020】上記一般式(1’)中、mは平均が0〜5
となる0または1以上の整数であり、さらに好ましくは
0〜3の整数である。nは平均が0〜5となる0または
1以上の整数であり、さらに好ましくは0または1であ
る。pは平均が1〜40となる0または1以上の整数で
あり、さらに好ましくは1〜20である。(m+n+
p)は平均が1〜50の整数であり、さらに好ましくは
2〜30である。(m+p)/(m+n+p)は平均
0.5以上であり、さらに好ましくは0.7以上であ
る。0.5以上であると、乳化分散剤としたときの乳化
分散能が良好となる。[(OC24)m/(OD)n]
の部分は、ブロック付加〔(OC24)m、(OD)nの
順〕 でもランダム付加でもよいが、さらに好ましくは
ブロック付加である。xは1または2〜6の整数であ
り、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3であ
る。
【0021】本発明において、(A)としては、以下に
述べる方法により製造された(A1)または(A2)で
あることが好ましい。すなわち、分布定数cが2.0以
下の付加物を与える触媒(d)の存在下、アルコール類
(a)にアルキレンオキサイド(b1)を平均1〜2.
5モル付加して得られるアルコールアルキレンオキサイ
ド付加物(A1)であるか、(A1)にさらにアルカリ
触媒(f)の存在下でアルキレンオキサイド(b2)を
付加反応させてなるアルコールアルキレンオキサイド付
加物(A2)であるのが好ましい。
【0022】上記アルキレンオキサイド(b1)および
(b2)としては、炭素数2以上のアルキレンオキサイ
ドが挙げられる。具体例としては、一般式(1)におけ
るOAを形成するアルキレンオキサイド(b)の例とし
て前記したアルキレンオキサイドが挙げられ、2種以上
を併用してもよい。2種以上用いる場合は、ブロック付
加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付
加である。これらのうちで好ましくは、EOおよび/ま
たはPOである。
【0023】触媒(d)としては、得られるアルキレン
オキサイド付加物の分布定数cが2.0以下となるもの
を用いる。好ましくはcが1.0以下、さらに好ましく
は0.7以下、特に好ましくは0.45以下となるもの
である。分布定数cが2.0を超えるものを用いると、
乳化分散剤とした場合に、乳化分散能が低下する。
【0024】触媒(d)の具体例としては、過ハロゲン
酸もしくはその塩、硫酸もしくはその塩、燐酸もしくは
その塩、および硝酸もしくはその塩が挙げられる。塩を
形成する場合の金属は、特に限定されるものではない
が、アルカリ金属以外のものが好ましく、2価または3
価の金属が好ましい。これら金属として好ましくは、M
g、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu、Al
であり、より好ましくは、Mg、Zn、Ca、Sr、B
a、Alであり、特に好ましくは、Mg、Zn、Alで
ある。過ハロゲン酸(塩)のハロゲンとしては塩素、臭
素、沃素が挙げられ、塩素が好ましい。したがって、
(d)としては、2価もしくは3価の金属(特に、M
g、ZnおよびAlから選ばれる金属)の過塩素酸塩が
好ましい。また、(d)に2価もしくは3価の金属アル
コラートを併用してもよい。金属アルコラートのアルキ
ル基としては、アルコールとして留去し易い低級(炭素
数1〜4)アルキル基、または原料脂肪族系アルコール
と同一組成のアルキル基が挙げられる。これらの触媒は
1種でもよいが、2種以上の触媒〔たとえば、過塩素酸
マグネシウム/硫酸マグネシウム7水塩=95/5〜5
0/50、過塩素酸マグネシウム/過塩素酸アルミニウ
ム=99/1〜30/70(いずれも質量比)〕を併用
した方が好ましい。
【0025】触媒(d)の使用量としては、反応速度と
経済性の点から、(a)と(b1)の合計100質量部
当たり、0.001〜1質量部が好ましい。さらに好ま
しくは0.003〜0.8質量部、特に好ましくは0.
005〜0.5質量部である。
【0026】(a)に(b1)を付加して得られるアル
キレンオキサイド付加物(A1)に、アルキレンオキサ
イド(b2)を付加させる際に用いる触媒は、アルカリ
触媒(e)である。アルカリ触媒(e)としては、アル
カリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、たとえ
ば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。好ましいの
は水酸化カリウム、水酸化セシウムである。触媒(e)
の使用量としては、反応速度と経済性の点から、(A
1)と(b2)の合計100質量部当たり、0.000
1〜1質量部が好ましい。さらに好ましくは0.001
〜0.8質量部である。
【0027】(a)と(b1)を反応させる場合の反応
条件としては、(a)と(d)を混合し、窒素置換を行
った後、−0.8〜5kgf/cm2 Gで、80〜20
0℃で(b1)を導入し、所定量の(b1)を投入後、
80〜200℃で反応系内の圧力が平衡になるまで熟成
を行う方法などが挙げられる。このようにして得られた
アルキレンオキサイド付加物(A1)に、アルカリ触媒
(e)を添加し、アルキレンオキサイド(b2)を、上
記と同様の方法で反応することで、脂肪族系アルコール
アルキレンオキサイド付加物(A2)が得られる。
【0028】本発明の乳化剤のHLB値は燃料中に水を
安定に乳化するために1〜12がよい。好ましくはHL
B値が2〜8である。ここで扱うHLB値は小田法
(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行P
197)によって算出される値である。
【0029】本発明の(A)を含有する乳化剤は、単独
で乳化剤として用いてもよいが、必要により、本発明の
効果を妨げない量の本発明以外のアニオン性界面活性
剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤を配合
することができる。乳化剤中の界面活性剤の全量のう
ち、本発明の(A)の割合(有効成分換算:質量%)
は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは20
〜100%である。アニオン性界面活性剤を併用する場
合、界面活性剤の全量のうちアニオン性界面活性剤が好
ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下であ
る。また、(A)以外のノニオン性界面活性剤を併用す
る場合は、界面活性剤の全量のうち好ましくは90%以
下、さらに好ましくは80%以下である。同様に、カチ
オン性界面活性剤を併用する場合は好ましくは5%以
下、さらに好ましくは3%以下である。また、両性界面
活性剤を併用する場合は、好ましくは50%以下、さら
に好ましくは30%以下である。また、本発明以外の界
面活性剤は、上記のように予め配合して使用しても、ま
たは乳化工程の途中で別々に添加してもよい。この場合
の添加量の割合は、上記の配合する場合と同様である。
【0030】具体的には、アニオン性界面活性剤として
は、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカル
ボン酸またはその塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度
=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムな
ど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテル硫
酸エステル塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜
100)ラウリル硫酸ナトリウムなど]、炭素数8〜2
4の炭化水素基を有するスルホコハク酸エステル塩[モ
ノもしくはジアルキルスルホコハク酸エステルジもしく
はモノナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=
1〜100)モノもしくはジアルキルスルホコハク酸エ
ステルジもしくはモノナトリウム等]、(ポリ)オキシ
エチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタ
ノールアミド硫酸ナトリウム、炭素数8〜24の炭化水
素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有す
るリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポ
リ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエ
ーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナ
トリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシ
ル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウ
ム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸
サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸ア
シル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤ
シ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウ
ロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]、反応基を
有する硫酸エステル塩およびスルホン酸塩[アルキル
(炭素数3〜18)(メタ)アリルスルホコハク酸塩、
ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(アルキレン基
はエチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、
ブッロクでもよい)モノメタクリレート硫酸エステル化
物塩、などが挙げられる。
【0031】ノニオン性界面活性剤としては、本発明以
外の脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキレン
オキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜10
0)、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合
度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステ
ル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度
=20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重
合度=30)等]、多価(2価〜10価またはそれ以
上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モ
ノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレン
グリコール、モノラウリン酸ソルビタン等]、(ポリ)
オキシアルキレン(炭素数2〜8,重合度=1〜10
0)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール高
級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸
ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタン、ポリ
オキシエチレン(重合度=50)ジオレイン酸メチルグ
ルコシド等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤ
シ油脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジ
エタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭
素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1
〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン
(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素
数8〜24)アミノエーテルおよびアルキル(炭素数8
〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド
[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられ
る。
【0032】カチオン性界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪
酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、ア
ミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳
酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩
等]等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイ
ン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメ
チルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸
ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリル
ヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒ
ドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプ
ロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性
剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が
挙げられる。これらの1種または2種以上が使用出来
る。
【0033】本発明のアルキレンオキサイド付加物
(A)および必要により他の界面活性剤からなる乳化剤
は、液体、ペースト、固体、粉末など種々の形態で使用
することができるが、液体およびペーストが使いやすく
好ましい。本発明の乳化剤において、(A)を含む界面
活性剤以外の成分は、特に限定されないが、油溶性有機
溶媒、水溶性有機溶媒、水およびこれらの2種以上の併
用が挙げられ、好ましいものは、油溶性有機溶媒であ
る。油溶性有機溶媒としては、例えば、軽油、アルキル
ベンゼン(ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼンな
ど)、炭素数6〜24の炭化水素(ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、2メチルヘキサン、オ
クチルシクロヘキサン)などおよびこれら2種以上の併
用が挙げられる。これらのうちで特に好ましいものは軽
油である。親水性有機溶媒としては、例えば炭素数5以
下の脂肪族炭化水素系モノアルコール(メタノール、エ
タノール、iso-およびn−プロパノール、iso-、sec-、
tert-およびn-ブタノール、並びにn-ペンタノールな
ど)、炭素数5以下の多価アルコール(エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
グリセリンなど)、炭素数5以下の脂肪族カルボン酸ア
ルキルエステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ルなど)、炭素数5以下の脂肪族ケトン(アセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトンなど)、炭素数5以
下の脂肪族グリコールモノアルキルエーテル(エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルなど)、炭素数5以下の環状エーテル
(テトラヒドロフランなど)が挙げられる。本発明の乳
化剤は、液体およびペースト状で使用する場合、(A)
を含む界面活性剤の濃度は、好ましくは3〜100質量
%、さらに好ましくは10〜100質量%である。
【0034】本発明のエマルション燃料を構成する燃料
油としては、石油留分、LNG、植物油等内燃機関の燃
料として使用しうる全ての燃料油が挙げられるが、好ま
しくは軽油、および重油である。
【0035】本発明の乳化剤(有効成分換算)の燃料油
への添加量は0.1〜10質量%が好ましい。0.1%
以上であれば十分な乳化力が得られ、10%以下であれ
ば経済的である。
【0036】本発明のエマルジョン燃料において、燃料
油、水および乳化剤(純分換算)の質量比は、好ましく
は50〜99.9/0〜50/0.1〜15、さらに好
ましくは70〜99.9/0〜29.9/0.1〜1
2、特に好ましくは75〜99.9/0〜24.9/
0.1〜10である。
【0037】本発明のエマルジョン燃料は、W/O型ま
たはO/W型であるが、好ましくはW/O型である。W
/O型の方がエマルション形成時の粘度が低く、燃焼室
内への燃料噴射の点で好ましい。
【0038】また、エマルジョン燃料は、水以外に水溶
性有機溶媒、例えば不凍液成分として使用されるジエチ
レングリコール、トリエチレングリコールなど、および
これらの2種以上の混合物を含有していてもよい。これ
らの水溶性有機溶媒の含有量はエマルジョン燃料の合計
質量に対して、好ましくは0〜20%(乳化剤中に親水
性有機溶媒を含む場合は、それらも含む合計が0〜20
%)である。
【0039】なお、本発明のエマルジョン燃料中には、
必要に応じてその他の添加剤、例えば防錆剤、流動点降
下剤、腐食防止剤などを配合することもできる。例え
ば、防錆剤の具体例としては、炭素数1〜30の脂肪族
アミン、炭素数1〜30の脂肪族アミンの炭素数2〜4
のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数=1〜20
0、無触媒またはアルカリ触媒による付加物)などが挙
げられる。炭素数1〜30の脂肪族アミンの具体例とし
ては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミ
ン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン
などが挙げられる。炭素数1〜30の脂肪族アミンの炭
素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物の具体例とし
ては、エチルアミンのEO付加物、エチルアミンのPO
付加物、エチルアミンのBO付加物、ドデシルアミンの
EO付加物、ドデシルアミンのPO付加物、ドデシルア
ミンのBO付加物、オレイルアミンのEO付加物、オレ
イルアミンのPO付加物、オレイルアミンのBO付加
物、モノエタノールアミンのBO付加物などが挙げられ
る。防錆剤の添加量はエマルジョン燃料全量に対して5
0〜50,000ppmが好ましい。
【0040】さらに低温流動性が必要な場合には流動点
降下剤を添加でき、流動点降下剤の具体例としては、E
VA(エチレン酢酸ビニル)系流動点降下剤、ASA
(アルケニルコハク酸)系流動点降下剤、PMA(ポリ
アルキルメタクリレート)系流動点降下剤などが挙げら
れる。EVA系流動点降下剤の具体例としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体のフマル酸アルキル(炭素数1〜12)エステルグラ
フト物、エチレン−酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ア
ルキル(炭素数1〜12)エステルグラフト物、エチレ
ン−酢酸ビニル−ベヘン酸ビニル3元共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル−ベヘン酸ビニル3元共重合体のフマル
酸アルキル(炭素数1〜12)エステルグラフト物、エ
チレン−酢酸ビニル−ベヘン酸ビニル3元共重合体のマ
レイン酸アルキル(炭素数1から12)エステルグラフ
ト物、エチレン−酢酸ビニル−(4−メチルペンテン−
1)3元共重合物、エチレン−酢酸ビニル−(4−メチ
ルペンテン−1)3元共重合物のフマル酸アルキル(炭
素数1〜12)エステルグラフト物、エチレン−酢酸ビ
ニル−(4−メチルペンテン−1)3元共重合物のマレ
イン酸アルキル(炭素数1〜12)エステルグラフト物
などが挙げられる。これらの共重合体における単量体の
構成比率は、2元共重合体の場合、通常、エチレン/酢
酸ビニル=90/10〜60/40質量%、3元共重合
体の場合はエチレン+酢酸ビニル/その他の単量体=9
0/10〜99.9/0.1質量%、さらにグラフト物
の場合、幹ポリマーに対するグラフト部分の質量割合が
通常50〜200質量%である。
【0041】ASA系流動点降下剤としてはアルケニル
基の炭素鎖長が8〜50のアルケニルコハク酸アミドな
どが挙げられる。PMA系流動点降下剤の具体例として
は、アルキル基の炭素数が12〜30のポリアルキルメ
タクリレート、アルキル基の炭素数が12〜30のアル
キルメタクリレート−スチレン共重合物などが挙げられ
る。流動点降下剤の添加量としては、エマルジョン燃料
全量に対して50〜5,000ppmが好ましい。
【0042】腐食防止性を付与する場合には腐食防止剤
(例えばアルケニルコハク酸系防錆剤、アルケニルコハ
ク酸のエステル系防錆剤)、清浄性を付与する場合には
清浄剤(例えば、ジブチルアミンのEO付加物)を添加
してもよい。腐食防止剤の添加量はエマルジョン燃料全
量に対して50〜50,000ppmが好ましい。
【0043】本発明のエマルジョン燃料の製造方法とし
ては、前述の燃料油、水およびその他の添加剤を乳化で
きる方法であれば特に限定されない。例えば、まず、
燃料油に乳化剤を混合してから、水を徐々に添加する方
法、 水に乳化剤を混合してから、燃料油に添加する方法 水、燃料油、乳化剤を一括混合する方法 これらのうち、好ましい方法は混合機の簡略性、エマル
ション形成の容易さの点での方法である。乳化混合機
としては、特に限定されないが、櫂型もしくはスクリュ
ー型攪拌羽根を装着した撹拌混合機およびホモジナイザ
ーなどが例示される。
【0044】本発明のエマルジョン燃料の用途として
は、自動車、航空機、船舶、発電機、ボイラー、暖房機
など燃料を使用する対象であればいずれの用途にも使用
できる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。部
は質量部を示す。ゲルパーミエーションクロマトグラフ
(GPC)による分子量の測定、ガスクロマトグラフ
(GC)による未反応の脂肪族アルコールの含有量の測
定は次の通り。なお、一般式(1)または(1’)にお
けるxが2〜6の場合の水酸基1個当たりの重量平均分
子量Mwおよび数平均分子量Mnは、(A)のMwおよ
びMnをGPCで測定した後、xで除した値である。
【0046】 《GPCの測定条件》 カラム TSK gel SuperH4000 TSK gel SuperH3000 TSK gel SuperH2000 (いずれも東ソー株式会社製) カラム温度 :40℃ 検出器 :RI 溶媒 :テトラヒドロフラン 流速 :0.6ml/分 試料濃度 :0.25重量% 注入量 :10μl 標準 :ポリオキシエチレングリコール (東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE) データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
【0047】《GCの測定条件》 カラム シリコンGE−SE30 検出器 :FID Injection :280℃ 昇温速度 :100〜250℃/10℃毎分 内部標準 :オクタノール
【0048】製造例1 撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートク
レーブに、ラウリルアルコール186部、過塩素酸マグ
ネシウム0.32部および水酸化マグネシウム0.03
部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(2
0mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次い
でEO88部を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf
/cm2 となるように導入した。反応物に「キョーワー
ド600」;協和化学工業製を3部投入し、90℃にて
触媒を吸着処理後、ろ過により本発明の乳化剤(A−
1)を得た。乳化剤(A−1)の分子量分布と未反応ア
ルコール量をGPCおよびGCにより測定した結果、M
w/Mnは、1.020[一般式(2)をみたすMw/
Mnの上限計算値1.031]、未反応のラウリルアル
コールは全反応物中の3.98質量%(0.058モ
ル)であった。(定数c=0.558)
【0049】製造例2 製造例1と同様にして、ラウリルアルコールの第1段階
EO付加物(水酸化カリウム触媒使用前)得た。得られ
た生成物にさらに水酸化カリウム1.3部を加え、EO
88部を130℃で反応した。反応物に「キョーワード
600」;協和化学工業製を3部投入し、90℃にて触
媒を吸着処理後、ろ過により、乳化剤(A−2)を得
た。乳化剤(A−2)の分子量分布と未反応アルコール
量をGPCおよびGCにより測定した結果、Mw/Mn
は、1.037[一般式(2)をみたすMw/Mnの上
限計算値;1.043]、GCの測定条件により測定し
た未反応のラウリルアルコールは全反応物中の2.35
重量%(0.040モル)であった。(定数c=0.9
10)
【0050】比較製造例1 撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートク
レーブに、ラウリルアルコール186部、水酸化カリウ
ム0.3部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減
圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行っ
た。次いでEO176部を150℃にて、ゲージ圧が1
〜3kgf/cm2 となるように導入した。反応物に
「キョーワード600」;協和化学工業製を3部投入
し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により乳化剤
(B−1)を得た。乳化剤(B−1)の分子量分布と未
反応アルコール量をGPCおよびGCにより測定した結
果、はMw/Mnは、1.10[一般式(2)をみたす
Mw/Mnの上限計算値;1.052]、未反応のラウ
リルアルコールは全反応物中の11.0質量%(0.2
14モル)であった。(定数c=2.26)
【0051】比較製造例2 撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートク
レーブに、ラウリルアルコール186部、水酸化カリウ
ム0.3部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減
圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行っ
た。次いで、EO88部を150℃にて、ゲージ圧が1
〜3kgf/cm2 となるように導入した。反応物に
「キョーワード600」;協和化学工業製を3部投入
し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過により乳化剤
(B−2)を得た。乳化剤(B−2)の分子量分布と未
反応アルコール量をGPCおよびGCにより測定した結
果、Mw/Mnは、1.07[一般式(2)をみたすM
w/Mnの上限計算値;1.031]、GCの測定条件
により測定した未反応のラウリルアルコールは全反応物
中の38.0質量%(0.560モル)であった。(定
数c=11.15)
【0052】実施例 乳化剤(A−1)、(A−2)、(B−1)または(B
−2)によるエマルジョン燃料の乳化安定性の評価を行
った。それらの結果を表1に示す。
【0053】評価方法;櫂型撹拌羽根付きの攪拌機を装
着したステンレス製ビーカーに軽油(90ml)を仕込
み、さらに表1記載の乳化剤を添加し、低速撹拌(20
0rpm)して溶解した後、1000rpmの速度で撹
拌しながら1分間かけて水を徐々に加え、さらに3分間
1000rpmで撹拌してW/O型エマルジョンを製造
した(各成分の添加量は、表1に記載した部数であ
る)。製造したエマルジョンを共栓付きガラス製メスシ
リンダー(100ml)に移して25℃で静置した。エ
マルションが分離し始めるまでの時間を測定し、乳化安
定性の評価とした。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の乳化剤は燃料と水の乳化安定性
に優れる。したがって貯蔵安定性に優れたエマルション
燃料を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA07 AB09 AC01 AC02 BA02 BA07 DC01X DC15X DC20X DD04X DD30X DD32X DE01X 4H013 DC03 DC06 4J005 AA21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記およびを満たすアルコール類の
    アルキレンオキサイド付加物(A)を含有するエマルジ
    ョン燃料用乳化剤。 (A)が下記一般式(1)で表される化合物の1種ま
    たは2種以上の混合物からなる。 R1−[(OA)k−OH]x (1) [式中、R1は炭素数8〜24の炭化水素基を有する1
    価アルコールまたは多価アルコールの残基;Aは炭素数
    2以上の1種以上のアルキレン基;kは平均が1〜50
    となる0または1以上の整数、xは1または2〜6の整
    数] (A)の水酸基1個当たりの重量平均分子量(Mw)
    と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mnが下記関係
    式(2)または(3)を満たす。 Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(2) Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.139(但し、v≧10)(3) [但し、vはアルコール類(a)の水酸基1個当たりに
    付加したアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表
    し、上記一般式(1)でのkの平均に相当する。]
  2. 【請求項2】 さらに(A)は、vが12以下の場合に
    下記を満たす請求項1記載のエマルジョン燃料用乳化
    剤。 下記式(4)から求められる分布定数cが1.0以下
    である。(本項はvが12以下の場合のみ適用する。) c=(v+n0/n00−1)/[Ln(n00/n0)+n0/n00−1] (4) [但し、vは上記に同じ、n00は反応に用いた(a)の
    モル数、n0 は未反応の(a)のモル数を表す。]
  3. 【請求項3】 (A)が、下記一般式(1’)で表され
    る化合物である請求項1または2記載のエマルジョン燃
    料用乳化剤。 R1−[{(OC24)m/(OD)n}−(OC24)p−OH]x (1’) [式中、R1 は炭素数8〜24の炭化水素基を有する1
    価アルコールまたは多価アルコールの残基;Dは炭素数
    3または4のアルキレン基;mは平均が0〜5となる0
    または1以上の整数、nは平均が0〜5となる0または
    1以上の整数、pは平均が1〜40となる0または1以
    上の整数であり、(m+n+p)は平均が1〜50とな
    る整数であり、(m+p)/(m+n+p)は平均0.
    5以上である。[(OC24)m/(D)n]は、m≠0かつ
    n≠0のときブロック付加またはランダム付加を表す。
    xは1または2〜6の整数を表す。]
  4. 【請求項4】 一般式(1)または(1’)においてR
    1が炭素数8〜24の脂肪族鎖状炭化水素基、炭素数8
    〜24の脂環基含有炭化水素基または炭素数9〜25の
    脂肪族モノカルボン酸の多価アルコール部分エステルの
    残基である請求項1〜3のいずれか記載のエマルジョン
    燃料用乳化剤。
  5. 【請求項5】HLBが1〜12である請求項1〜4のい
    ずれか記載のエマルション燃料用乳化剤
  6. 【請求項6】 さらに、他のノニオン性界面活性剤、ア
    ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性
    界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性
    剤を含有する請求項1〜5のいずれか記載のエマルジョ
    ン燃料用乳化剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載のエマルジョ
    ン燃料用乳化剤、燃料油および水を含有してなるエマル
    ジョン燃料。
  8. 【請求項8】 W/O型エマルジョンである請求項7記
    載のエマルジョン燃料。
  9. 【請求項9】 燃料油に対する乳化剤の添加量が0.1
    〜10重量%である請求項7または8記載のエマルジョ
    ン燃料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008072391A1 (ja) 2006-12-14 2008-06-19 Ait Corporation エマルジョン燃料とその製造方法及び製造装置
JP2010095683A (ja) * 2008-10-20 2010-04-30 Kazuyuki Umemura 加水燃料及び添加剤調整燃料油及び添加剤とそれらの製造方法
JP2013518963A (ja) * 2010-02-05 2013-05-23 パロックス リミテッド 液体燃料の保護

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