JP2003025171A - XYθ移動装置及びその制御方法 - Google Patents

XYθ移動装置及びその制御方法

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JP2003025171A
JP2003025171A JP2001215096A JP2001215096A JP2003025171A JP 2003025171 A JP2003025171 A JP 2003025171A JP 2001215096 A JP2001215096 A JP 2001215096A JP 2001215096 A JP2001215096 A JP 2001215096A JP 2003025171 A JP2003025171 A JP 2003025171A
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moving
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Yoichi Kamata
洋一 蒲田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 θ方向の移動量を大きくすることができ、か
つ設計上の柔軟性に富み小型化及び軽量化が可能な、固
定ベースと移動ベースとの2層からなるXYθ移動装置
と、その制御方法とを提供すること。 【解決手段】 移動ベースまたは固定ベースのいずれか
一方のベースに配設されたXY平面に平行な3本の直線
ガイドと、XY平面に平行な面内で回動可能に、他方の
ベースに配設された3つの近接回動体と、直線ガイドに
近接回動体を近接させる近接手段と、他方のベースに配
設された3つの駆動機構とを備えており、3本の直線ガ
イドはXY平面視で、少なくとも1つの交点を持ち、ま
た近接回動体は、接触中心軸で回動自在に軸着された回
動半径提供部と接触半径提供部とから構成され、回動半
径提供部は回動軸で駆動機構に連結され、さらに近接手
段により直線ガイドが接触半径提供部に近接して移動可
能であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種製造装置や検
査装置において物品(ワーク)の位置決めを必要とする
分野、並びに、ワークのX方向、Y方向及びθ方向への
移動もしくはこれらの合成方向への移動を必要とする分
野に用いられるXYθ移動装置及びその制御方法に関す
る。なお、ここでX、Yは直交する2軸からなる座標平
面における各軸を指し、また、θはXY平面上の点を回
転中心とするXY平面内における回転を指す。
【0002】
【従来の技術】図29は固定ベース(1)、X方向移動
ベース(2X)、Y方向移動ベース(2Y)及びθ方向
移動ベース(2θ)の4層からなる従来のXYθ移動装
置の中立状態を示す図である。(a)は斜視図であり、
(b)は正面図である。図において、モーター(MX)
を駆動することによりボールネジ軸(BX)が回転して
ボールネジナット(NX)がX方向に移動し、ボールネ
ジナットが固着されたX方向移動ベース(2X)がX方
向に移動する。モーター(MY)もモーター(MX)と
同様に、モーター(MY)を駆動することによりY方向
移動ベース(2Y)がY方向に移動する。モータ(M
θ)に関しては、モーター(Mθ)を駆動することによ
りウォーム(WG)が回転して、その回転がホイール
(HG)に伝達され、ホイールが固着されたθ方向移動
ベース(2θ)がθ方向に回転する。従って、θ方向移
動ベースにワークを乗せた場合にはこれら3つのモータ
を駆動制御することにより、ワークの移動、位置決めを
行うことができる。
【0003】次に、図30は固定ベース(1)及び移動
ベース(2)の2層からなる従来のXYθ移動装置の一
例の中立状態を示す図である。(a)は斜視図であり、
(b)は平面図である。図において、固定ベース(1)
の上に移動ベース(2)が保持器付スラストボール軸受
(302)を介して保持されており、移動ベースはX方
向、Y方向及びθ方向に移動可能に構成されている。移
動は、固定ベースの側辺に取り付けられた、移動ベース
を含む平面内で伸縮するアームを有する3つのリニアア
クチュエータ(LA1、LA2及びLA3)と、各リニ
アアクチュエータと対をなし、移動ベースの側辺に取り
付けられたスライドガイドレール(GR1、GR2及び
GR3)と、該スライドガイドレールにスライド可能、
かつアームに対して回動可能なスライドガイドブロック
のような継手(GL1、GL2及びGL3)とによって
行われる。すなわち、3つのリニアアクチュエータを駆
動すると、継手を介してそれぞれのスライドガイドレー
ルが変位し、従動的に移動ベースが移動する。従って、
移動ベースにワークを乗せた場合にはこれら3つのリニ
アアクチュエータを駆動制御することにより、ワークの
移動、位置決めを行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図29に示す4層から
なる従来のXYθ移動装置では、移動装置全体の容積と
重量とが大きくなり小型化、軽量化及び高速化には不適
当であるという問題点がある。また、図30に示す2層
からなる従来のXYθ移動装置では、アームの剛性とス
トロークとの関係により、アームのストロークを大きく
するとアームがたわみ易くなり、位置決め精度が低下す
るため、移動ベースのX方向、Y方向及びθ方向への移
動量を大きくできないという問題点がある。実際、図3
0に示す2層からなる従来のXYθ移動装置では、θ方
向の移動限界は正方向、負方向それぞれ90°未満であ
る。従って、XYθ移動装置に要求されるθ方向の移動
量が90°以上あるいは−90°以下の場合では、図3
0に示す2層からなる従来のXYθ移動装置を採用する
ことができない。
【0005】また、2層からなる従来のXYθ移動装置
では、アクチュエータの作用する方向をX方向及びそれ
に直交するY方向とし、そして1方向に1つのアクチュ
エータを作用させ、直交方向に2つのアクチュエータを
作用させることによりθ方向への移動を可能にしてお
り、直感的にそれぞれのアクチュエータの駆動量を把握
容易にしている。しかしながら、アクチュエータの作用
する方向を直交させることにより、それらの配設位置が
制約され、設計上の柔軟性に欠ける点が揚げられる。
【0006】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたものであり、従来2層からなるXYθ移動装
置では不可能であったθ方向の移動量を正方向及び負方
向にそれぞれ90°以上にすることを可能とし、また駆
動機構の設置位置や直線ガイドの設置角度に関して柔軟
に対応可能とすることにより、要求されるX方向、Y方
向及びθ方向の移動量を満足し、かつ設計上の柔軟性に
富み小型化及び軽量化が可能な、固定ベースと移動ベー
スとの2層からなるXYθ移動装置と、そのXYθ移動
装置の制御方法とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の構成は次の通りとする。
【0008】すなわち、第1構成(請求項1)のXYθ
移動装置は、固定ベースと、XY平面に垂直な方向(Z
方向)に安定的に支持され、かつXY平面を移動可能な
移動ベースとの2層で構成されるXYθ移動装置におい
て、前記移動ベースまたは固定ベースのいずれか一方の
ベースに配設された3本の直線ガイドと、各直線ガイド
と対をなし、XY平面に平行な面内で回動可能に、他方
のベースに配設された3つの近接回動体と、各直線ガイ
ドに近接回動体を近接させる近接手段と、各近接回動体
を回動させる、前記他方のベースに配設された3つの回
動機構(駆動機構)とを備えており、前記直線ガイドは
それぞれXY平面に平行な直線形状であり、かつそれら
の長さ方向の軸線あるいはその延長線が、XY平面視
で、少なくとも1つの交点を持ち、また前記近接回動体
は、回動の中心軸となる回動軸から接触中心軸までの所
要距離(回動半径)を提供する回動半径提供部と、接触
中心軸から直線ガイドの軸線までの所要距離(接触半
径)を提供する接触半径提供部とから構成され、回動半
径提供部は回動軸で前記他方のベースに配設され、かつ
前記回動機構により回動可能であり、接触半径提供部は
近接手段により直線ガイドと近接して移動可能であり、
回動半径提供部と接触半径提供部とは、XY平面に平行
な面内で回動自在に、接触中心軸で軸着され、さらに前
記近接手段は、直線ガイドを接触半径提供部に摺接させ
る摺接機構、または直線ガイドを接触半径提供部に常時
圧接する常時押圧機構、または前記移動ベースの停止時
のみ直線ガイドを接触半径提供部に圧接し、移動時には
圧接しない停止時押圧機構、または引力により直線ガイ
ドを接触半径提供部に密接させる引力手段のいずれかで
あることである。
【0009】また、第2構成(請求項2)のXYθ移動
装置は、固定ベースと、XY平面に垂直な方向(Z方
向)に安定的に支持され、かつXY平面を移動可能な移
動ベースとの2層で構成されるXYθ移動装置におい
て、前記移動ベースまたは固定ベースのいずれか一方の
ベースに配設された3本の直線ガイドと、各直線ガイド
と対をなし、XY平面に平行な面内で回動自在に、他方
のベースに配設された3つの近接回動体と、各直線ガイ
ドに近接回動体を近接させる近接手段と、前記近接回動
体を直線移動(直動)させる3つの直動機構(駆動機
構)とを備えており、前記直線ガイドはそれぞれXY平
面に平行な直線形状であり、かつそれらの長さ方向の軸
線あるいはその延長線が、XY平面視で、少なくとも1
つの交点を持ち、また前記近接回動体は、回動の中心軸
となる回動軸から接触中心軸までの所要距離(回動半
径)を提供する回動半径提供部と、接触中心軸から直線
ガイドの軸線までの所要距離(接触半径)を提供する接
触半径提供部とから構成され、回動半径提供部は回動軸
で前記他方のベースに軸着され回動自在であり、接触半
径提供部は近接手段により直線ガイドと近接し、かつ前
記直動機構により直動可能であり、回動半径提供部と接
触半径提供部とは、XY平面に平行な面内で回動自在
に、接触中心軸で軸着され、さらに前記近接手段は、直
線ガイドを接触半径提供部に摺接させる摺接機構、また
は直線ガイドを接触半径提供部に常時圧接する常時押圧
機構、または前記移動ベースの停止時のみ直線ガイドを
接触半径提供部に圧接し、移動時には圧接しない停止時
押圧機構、または引力により直線ガイドを接触半径提供
部に密接させる引力手段のいずれかであることである。
【0010】また、第3構成(請求項3)のXYθ移動
装置は、第1または2構成に加え、前記近接回動体の少
なくとも1つにおいて、回動半径提供部と接触半径提供
部とが、XY平面に平行な面内で回動自在に、接触中心
軸で軸着されることに替えて、回動半径提供部と接触半
径提供部とが一体に形成された偏心円盤または円形端付
きアームであることである。
【0011】また、第4構成(請求項4)のXYθ移動
装置は、第1ないし3のいずれか1構成に加え、前記接
触半径提供部と直線ガイドとの接触部において、転がり
要素を持つことである。
【0012】また、第5構成(請求項5)のXYθ移動
装置は、第1ないし4のいずれか1構成に加え、前記3
つの近接回動体に関して、回動半径提供部における回動
半径が回動軸を原点としてX方向となす角度(回動角
度)と、接触半径提供部における接触半径が接触中心軸
を原点としてX方向となす角度(接触角度)との角度差
が、それぞれ同時に直角になる状態(平行移動中立状
態)を取ることが可能であることである。
【0013】さらに、第6構成(請求項6)のXYθ移
動装置の制御方法は、第1ないし5のいずれか1構成の
XYθ移動装置に加えて、該XYθ移動装置を制御する
に当たり必要な定数データを記憶する基本データ記憶手
段と、移動ベースのX方向の平行移動量(ΔX)、Y方
向の平行移動量(ΔY)及び回転移動量(Δθ)からな
る目標移動量、並びに回転中心の座標Pc(Xc,Y
c)を取得する移動データ取得手段と、駆動機構の制御
量を計算する計算手段と、該計算手段による計算結果を
記憶する計算データ記憶手段と、計算結果に基づき駆動
機構を駆動制御する駆動制御手段と、からなるXYθ移
動装置において、目標移動量及び回転中心の座標を取得
すること、該目標移動量及び回転中心の座標と移動ベー
スの現在状態における移動可能領域とから、移動ベース
を目標状態に移動可能か判断すること、これが移動可能
なら、それぞれの駆動機構に対して、最小駆動量となる
駆動量単位で、最適目標駆動量を計算し、目標移動量
(ΔX、ΔY及びΔθ)を補正すること、移動ベースの
移動中、実際の移動量(ΔXt、ΔYt及びΔθt)が
補正された目標移動量(ΔXr、ΔYr及びΔθr)を
逐次按分しながら、移動が進行するように、時系列にそ
れぞれの駆動量を計算すること、それらの駆動量に基づ
いて逐次3つの駆動機構を連動させて制御すること、移
動後の状態を新たな現在状態として更新すること、を含
むことである。
【0014】そして、第7構成(請求項7)のXYθ移
動装置の制御方法は、第1ないし5のいずれか1構成の
XYθ移動装置に加えて、該XYθ移動装置を制御する
に当たり必要な定数データを記憶する基本データ記憶手
段と、移動ベースの平行移動方向(Dp)及び回転移動
方向(Dr)からなる目標移動方向データと平行移動速
度(Vp)及び回転移動速度(Vr)からなる目標移動
速度データとを取得する移動方向取得手段と、駆動機構
の制御量を計算する計算手段と、該計算手段による計算
結果を記憶する計算データ記憶手段と、計算結果に基づ
き駆動機構を駆動制御する駆動制御手段と、からなるX
Yθ移動装置において、移動ベースの平行移動方向(D
p)または回転移動方向(Dr)の目標移動方向データ
を取得したら移動工程を開始すること、移動工程は複数
の周期からなること、第1周期において先ず目標移動方
向データ及び目標移動速度データを取得すること、該目
標移動方向データ及び所定の回転中心の座標Pc(X
c,Yc)と移動ベースの現在状態とから、移動ベース
を目標移動方向に移動可能か判断すること、これが移動
可能なら、目標移動方向データ、目標移動速度データ及
び回転中心の座標と移動ベースの現在状態とから移動可
能領域内における目標移動量(ΔX、ΔY及びΔθ)を
計算すること、それぞれの駆動機構に対して、最小駆動
量となる駆動量単位で、最適目標駆動量を計算し、適宜
目標移動量を補正すること、移動ベースが移動中、実際
の移動量(ΔXt、ΔYt及びΔθt)が補正された目
標移動量(ΔXr、ΔYr及びΔθr)を逐次按分しな
がら、目標移動速度で移動が進行するように、時系列に
それぞれの駆動量を計算し、それらの駆動量に基づいて
逐次3つの駆動機構を連動させて制御すること、第1周
期が終了したら、終了時の状態を新たな現在状態として
更新すること、第1周期と同様に順次周期を繰り返すこ
と、前記移動ベースを目標移動方向に移動可能かの判断
が移動不可能なら移動しないこと、前記目標移動方向デ
ータを取得できないときは移動工程を停止すること、を
含むことである。
【0015】図1は、前記のように構成されたXYθ移
動装置を説明するための平面図である。図2は、XYθ
移動装置の設計原理を説明するために、各構成要素を平
面上に図示した概念図であり、実際に各構成要素を配置
したXYθ移動装置とは異なっている。以下、前記のよ
うに構成されたXYθ移動装置の設計原理を説明する。
【0016】図2において、P1、P2及びP3はXY
座標系に固定された近接回動体の回動軸であり、C1、
C2及びC3は近接回動体の接触中心軸であり、T1、
T2及びT3はXY座標系を移動する直線ガイドであ
る。近接回動体の回動軸から接触中心軸までの所要距離
(回動半径)をd1、d2及びd3、接触中心軸から直
線ガイドまでの所要距離(接触半径)をr1、r2及び
r3、回動半径が回動軸を原点としてX方向となす角度
(回動角度)をτ1、τ2及びτ3、接触半径が接触中
心軸を原点としてX方向となす角度(接触角度)をψ
1、ψ2及びψ3とする。また、直線ガイドあるいはそ
の延長線の交点をA、B及びCとする三角形において、
∠CABをλ1、∠ABCをλ2及び∠BCAをλ3、
辺BC、CA及びABの長さをL1、L2及びL3とす
る。このとき、近接回動体と三角形ABCとの間に数1
なる関係式が成り立つ。
【0017】
【数1】
【0018】数1において、X1、X2及びX3は回動
軸P1、P2及びP3のX座標を、Y1、Y2及びY3
は同じくY座標を示す。また、sign(ψ1)はP1
を回動軸とする近接回動体の接触半径提供部が直線ガイ
ド(T1)の点A側にあるときは1を、点A側にないと
きは−1をとる関数である。同様に、sign(ψ2)
はP2を回動軸とする近接回動体の接触半径提供部が直
線ガイド(T2)の点B側にあるときは1を、点B側に
ないときは−1をとる関数であり、sign(ψ3)は
P3を回動軸とする近接回動体の接触半径提供部が直線
ガイド(T3)の点C側にあるときは1を、点C側にな
いときは−1をとる関数である。
【0019】
【数2】
【0020】数2は三角形ABCが点G(Gx0,Gy
0)を中心として角度ω回転移動し、かつX方向及びY
方向にGx及びGy平行移動するときの各近接回動体の
関係式である。数2において、ψ10、ψ20及びψ3
0は移動前の接触角度を、τ10、τ20及びτ30は
移動前の回動角度を、ψ1、ψ2及びψ3は移動後の接
触角度を、τ1、τ2及びτ3は移動後の回動角度を示
す。ここで、数2における3つの関係式の右辺は移動前
の状態を示し、左辺は移動後の状態を示している。ま
た、接触角度ψ1、ψ2及びψ3は回転移動に伴い角度
ωだけ変化する変数で、移動が平行移動のみのときは一
定である。数1及び数2の関係式から、回動角度τ1、
τ2及びτ3を含む余弦関数が−1以上かつ1以下とな
り、τ1、τ2及びτ3が実数となる範囲内で回転移動
及び平行移動することが可能である。
【0021】次に、回動半径d1、d2及びd3と接触
半径r1、r2及びr3との大小関係について、図2に
おいては、d1>r1≧0、d2>r2≧0及びd3>
r3≧0となり、近接回動体の形状は回動するアームに
円形体を固着した構造になる。また、0<d1≦r1、
0<d2≦r2及び0<d3≦r3のときは図3(a)
の概念図に図示するように、近接回動体の形状は偏心円
盤形になる。ここで、円形体は直線ガイドと円形体の中
心点との距離を一定に保つために、また偏心円盤は直線
ガイドと偏心円盤の中心点との距離を一定に保つために
あるので、図3(b)の概念図に図示するように、直線
ガイドに対して一定角度(h1、h2及びh3)を持っ
て一定距離(r1、r2及びr3)を保つ、アームに対
して回動自在に軸着された連結継手(J1、J2及びJ
3)でもよい。このときの接触半径はr1、r2及びr
3、接触角度はψ1、ψ2及びψ3である。
【0022】次に、三角形ABCの特殊なケースとし
て、次の3通りがある。 3本の直線ガイドあるいはその延長線が1点で交差す
る(*型) 2本の直線ガイドあるいはその延長線が平行で、それ
らに他の直線ガイドあるいはその延長線が2点で交差す
る(≠型) 2本の直線ガイドあるいはその延長線が一致し、それ
らに他の直線ガイドあるいはその延長線が1点で交差す
る(+型) のケースは、三角形ABCが無限に小さくなったもの
として捕らえ、3辺BC、CA及びABの長さを0とし
て、この原理を適用することができる。また、のケー
スは、三角形ABCの2辺の長さが無限に大きくなり、
かつその2辺のなす角が限りなく0に近づいたものとし
て捕らえ、2辺の長さを無限大(∞)、かつその2辺の
なす角を0として、この原理を適用することができる。
さらに、のケースは、三角形ABCの2辺の長さが無
限に大きくなり、その2辺のなす角が限りなく0に近づ
き、かつ他の1辺の長さが限りなく0に近づいたものと
して捕らえ、2辺の長さを無限大(∞)、その2辺のな
す角を0、かつ他の1辺の長さを0として、この原理を
適用することができる。
【0023】図4はXY平面視で3本の直線ガイドの配
置例を図示したものである。基本型はΔ型の他に前記*
型、≠型及び+型の4種類あり、それぞれの応用例とし
て種々のものがある。+型においてXY平面視で2本の
直線ガイドの一部が一致する場合は、その応用例は2本
の線分からなる。また、直線ガイドまたはその延長線の
交差する角度は特に限定されるものではなく、柔軟に設
定することが可能である。
【0024】次に、図2においてはXY座標系に近接回
動体の回動軸を固定することにより、直線ガイドを移動
させている。しかしながら、近接回動体と直線ガイドと
の座標位置関係を相対的に捕らえると、逆にXY座標系
に直線ガイドを固定することにより回動軸を移動させる
ことができる。この原理は実施態様に応じて、どちらを
XY座標系に固定しても適用可能である。ただし、回動
軸を固定する場合と直線ガイドを固定する場合とでは、
平行移動及び回転移動の方向が逆になる。
【0025】さらに、図3(b)において、直線ガイド
が連結継手に接触しながらスムーズに連続移動する過程
においては、回動角度τ1、τ2及びτ3が定まると、
一意的に直線ガイドの座標位置と連結継手の接触角度と
が定まる。それとは逆に、連結継手を直線ガイドに接触
させながらスムーズに連続移動させる過程においては、
連結継手と直線ガイドとが接触する座標位置(接触座標
位置)が定まると、回動角度τ1、τ2及びτ3と連結
継手の接触角度とが一意的に定まる。すなわち、直線ガ
イドと接触半径提供部との接触座標位置が定まると回動
角度と接触角度とが一意的に定まる。このことにより、
駆動機構により回動半径提供部を回動させる代わりに、
駆動機構により接触半径提供部を直線ガイドに沿って移
動させても、この原理を適用することができる。
【0026】図5は接触座標位置の変位による直線ガイ
ドの移動を図示した概念図である。図において、Δt
1、Δt2及びΔt3は接触座標位置の変位量を示して
いる。接触座標位置を変位させることにより、回動角
度、接触角度及び直線ガイドの位置が、図3(b)に示
す状態から図5に示す状態に変化するのである。
【0027】ここで、スムーズに連続移動する過程につ
いて説明する。数1及び数2の関係式において、回動角
度τ1、τ2及びτ3は余弦関数の変数となっているた
め、2つの値を取り得ることになるが、回動角度は逐次
変化するものであり、ある一時点における回動角度は直
前の回動角度の近傍になければならないので、通常は1
つの値が定まる。例外として、直前の余弦関数が1ある
いは−1になるときのみ、回動角度として取り得る2つ
の値は共に近傍にあるが、移動ベースが連続移動してい
る限り、XYθ移動装置における移動ベース及び駆動機
構の慣性により、回動角度の増減方向(正負)が定めら
れ、1つの値が選ばれることになる。このように、移動
ベースが連続移動している限り、回動角度が定まれば直
線ガイドの座標位置と連結継手の接触角度とが定まり、
それとは逆に、接触座標位置が定まれば回動角度が定ま
る。このような関係を保持しながら移動ベースが連続移
動する過程を、スムーズに連続移動する過程という。
【0028】
【数3】
【0029】数3は三角形ABCが点G(Gx0,Gy
0)を中心として角度ω回転移動し、かつX方向及びY
方向にGx及びGy平行移動するときの接触座標位置と
近接回動体との関係式である。数3において、Lt1、
Lt2及びLt3は接触座標位置を示しており、Lt1
は点Bからの距離を点C方向を正方向として、Lt2は
点Cからの距離を点A方向を正方向として、Lt3は点
Aからの距離を点B方向を正方向として示している。ま
た、Const1、Const2及びConst3は移
動前の状態(数2における右辺)を示している。数1な
いし3の関係式からも、直線ガイドと接触半径提供部と
が接触しながらスムーズに連続移動する過程において
は、回動角度が定まれば接触座標位置を定めることが可
能であり、逆に、接触座標位置が定まれば回動角度τ
1、τ2及びτ3を実数となる範囲内で定めることが可
能である。
【0030】また、この原理における大切な条件とし
て、直線ガイドは近接回動体に近接して移動しなければ
ならないことがある。ここで近接とは、接して存在する
こと、または近くにあることを意味する。図6は直線ガ
イドと近接回動体とが遊離することにより、接触角度が
異なる状態へ転移(状態転移)することを図示した概念
図である。図において、(a)は接触角度の変域帯が別
の変域帯へ転移(変域転移)することを伴う状態転移の
1例を図示した概念図であり、(b)は変域転移を伴わ
ない状態転移の1例を図示した概念図である。
【0031】図6(a)において、実線は本来の状態
を、破線は状態転移した状態を示しており、近接回動体
の回動角度(τ1、τ2及びτ3)は同じであるが、2
つの状態を比べると、接触角度(ψ1、ψ2及びψ3)
の変域の組合せに違いがあり、それぞれの変域の組合せ
が交わりを持たない別個の変域帯として存在する。個々
の変域帯の中では、スムーズに連続して移動することが
可能であるが、他の変域帯への転移(変域転移)は、少
なくとも1つ以上の直線ガイドと近接回動体との遊離を
伴わなければ不可能である。このような状態転移を回避
するために、直線ガイドは近接回動体に近接して移動
し、変域転移するほど遊離してはならない。そして、移
動終了時における近接回動体及び三角形ABCの位置を
定めるために、移動終了時には、直線ガイドと近接回動
体とが接触していなければならない。また、移動ベース
の移動経路そのものが重要である場合は、直線ガイドと
近接回動体とを常時接触させ、移動ベースがガタ付かな
いようにしなければならない。
【0032】次に、図6(b)に図示する例のように、
直線ガイドと近接回動体との関係が1つの変域帯しか取
り得ない場合は、変域転移を考える必要はないが、1つ
の変域帯の中で状態転移を起こし得るので、スムーズに
連続して移動させるために、直線ガイドと近接回動体と
を常時接触させることが好ましい。
【0033】また、この原理に基づくXYθ移動装置の
設計において、X方向及びY方向に対する平行移動可能
量と回転に対する回転移動可能量とが、正方向及び負方
向に適当な大きさを持ち、全方向への移動が可能な状態
(中立状態)を設定するに当たり、近接回動体の回動角
度と接触角度との角度差がそれぞれ同時に直角になる状
態(平行移動中立状態)としてもよい。すなわち、数1
の関係式において、回動角度τ1、τ2及びτ3を含む
余弦関数の値が0となる状態であり、余弦関数の正負方
向への振幅の中央値となる状態である。この平行移動中
立状態は移動可能範囲の中の1つの状態を意味するもの
で、X方向及びY方向への平行移動における正負方向へ
の移動可能量が同量となる状態である。尚、回転移動に
ついては正負方向への移動可能量が必ずしも同量となる
わけではない。
【0034】また、図7に図示するように、近接回動体
の回動角度と接触角度との角度差がそれぞれ同時に直角
になる状態を取り得ない場合でも、中立状態を定めるこ
とは可能であり、この原理を適用することは可能であ
る。図7において、(a)は角度差が直角でない中立状
態を図示した概念図であり、(b)は平行移動により2
つの角度差が直角になる状態を図示した概念図である。
【0035】以下、順を追って本発明の構成における作
用を記載する。以下の記載では、近接回動体が配設され
たベースをXY座標系に固定し、直線ガイドが配設され
たベースがXY座標系を移動するものとして説明する。
【0036】第1構成のXYθ移動装置において、1つ
の駆動機構を駆動させると、その駆動量分だけ回動軸を
中心として近接回動体の回動半径提供部が回動する。す
ると接触半径提供部が変位し、近接手段の作用により接
触角度が適宜変化しながら、直線ガイドが該接触半径提
供部に近接して移動する。そのとき、他の2つの近接回
動体も含めた3つの近接回動体の回動角度の関係によ
り、各接触角度及び接触座標位置が定まり、3本の直線
ガイドの座標位置が決定される。すなわち、1つの駆動
機構を駆動させると、3本の直線ガイドが変位し、それ
ら直線ガイドが固定されたベースの他方ベースに対する
相対位置が従動的に定まる。さらに、3つの駆動機構を
駆動させる場合も、1つの駆動機構を駆動させる場合と
同様に、3つの近接回動体の回動角度の関係により、各
接触角度及び接触座標位置が定まり、3本の直線ガイド
の座標位置が決定され、従動的に移動ベースの位置が定
まる。従って、移動ベースにワークを乗せた場合にはこ
れら3つの駆動機構を駆動制御することにより、ワーク
の移動、位置決めを行うことができる。
【0037】また、前記近接手段は、直線ガイドと接触
半径提供部とを常時摺接させる構造を持つ摺接機構、ま
たは直線ガイドを接触半径提供部に常時圧接する構造を
持つ常時押圧機構、または前記移動ベースの停止時のみ
直線ガイドを接触半径提供部に圧接固定し、移動時には
直線ガイドと接触半径提供部とが遊びを持ちながら係合
移動する構造を持つ停止時押圧機構、または重力、磁力
及び分子間引力等により直線ガイドを接触半径提供部に
密接させる引力手段のいずれかである。例えば、XY平
面が水平面と充分な角度をなし、移動ベースの自重によ
り、直線ガイドと近接回動体とが常時密接している場合
は、重力そのものが近接手段となる。該近接手段により
直線ガイドが接触半径提供部に近接して移動することが
可能になる。
【0038】さらに、3本の直線ガイドの位置関係につ
いて、3本の直線ガイドの長さ方向の軸線あるいはその
延長線が平行もしくは一致する場合、1つの駆動機構を
駆動させると、回動半径提供部が回動し、接触半径提供
部が変位することにより、接触角度が変化しながら直線
ガイドが移動する。直線ガイドの移動方向を、その長さ
方向とそれに垂直な方向とに分解すると、垂直な方向へ
の移動分が発生するとき、他の2つの回動半径提供部が
停止した状態では、3本の直線ガイドと接触半径提供部
とを密接させることができない。すなわち、3本の直線
ガイドの内の1本が近接手段で保持不能となり、移動ベ
ースの位置を従動的に定めることができない。そこで、
XY平面視で、3本の直線ガイドの長さ方向の軸線ある
いはそれらの延長線の内、少なくとも1本は他の2本と
平行もしくは一致してはならない。すなわち、3本の直
線ガイドの長さ方向の軸線あるいはそれらの延長線を少
なくとも1点で交差させることにより、常に3本の直線
ガイドを近接手段で保持可能とすることができる。
【0039】次に、第2構成のXYθ移動装置におい
て、1つの駆動機構を駆動させると、その駆動量分だけ
直線ガイドに近接して接触半径提供部が移動し、接触座
標位置が変位する。すると近接回動体の接触中心軸も変
位するため、接触角度が適宜変化しながら、回動半径提
供部が回動し、回動角度が変化する。そのとき、他の2
つの近接回動体も含めた3つの近接回動体の接触座標位
置の関係により、各接触角度及び回動角度が定まり、3
つの回動軸に対する直線ガイドの相対的な座標位置が決
定される。すなわち、1つの駆動機構を駆動させると、
3つの近接回動体の回動角度が変化し、それらの近接回
動体が軸着されたベースに対する他方ベースの相対位置
が従動的に定まる。さらに、3つの駆動機構を駆動させ
る場合も、1つの駆動機構を駆動させる場合と同様に、
3つの近接回動体の接触座標位置の関係により、各接触
角度及び回動角度が定まり、3つの回動軸に対する直線
ガイドの相対的な座標位置が決定され、従動的に移動ベ
ースの位置が定まる。従って、移動ベースにワークを乗
せた場合にはこれら3つの駆動機構を駆動制御すること
により、ワークの移動、位置決めを行うことができる。
【0040】また、3本の直線ガイドの位置関係につい
て、3本の直線ガイドの長さ方向の軸線あるいはその延
長線が平行もしくは一致する場合、1つの駆動機構を駆
動させると、接触座標位置が変位することにより、接触
角度が変化しながら、回動半径提供部が回動し、すなわ
ち回動角度が変化して、回動軸に対する直線ガイドの相
対的な位置が移動する。3本の直線ガイドは、回動軸が
固定されたXY座標系において同一方向に移動しなけれ
ばならないが、他の2つの接触座標位置が固定された状
態では、同一方向に移動することができない。すなわ
ち、3本の直線ガイドの内の1本が近接回動体で保持不
能となり、移動ベースの位置を従動的に定めることがで
きない。そこで、XY平面視で、3本の直線ガイドの長
さ方向の軸線あるいはそれらの延長線の内、少なくとも
1本は他の2本と平行もしくは一致してはならない。す
なわち、3本の直線ガイドの長さ方向の軸線あるいはそ
れらの延長線を少なくとも1点で交差させることによ
り、常に3本の直線ガイドを近接手段で保持可能とする
ことができる。
【0041】次に、第3構成のXYθ移動装置におい
て、第1構成の近接回動体を偏心円盤または円形端付き
アームに替えた場合、駆動機構を駆動させると、その駆
動量分だけ偏心円盤または円形端付きアームが回動軸を
中心として回動し、近接手段の作用により接触角度が適
宜変化しながら、直線ガイドが偏心円盤または円形端の
外周に近接して移動する。そして他の2つの近接回動体
も含めた3つの近接回動体の回動角度の関係により、各
接触角度及び接触座標位置が定まり、3本の直線ガイド
の座標位置が決定され、直線ガイドが固定されたベース
の他方ベースに対する相対位置が従動的に定まる。
【0042】また、第2構成の近接回動体を偏心円盤ま
たは円形端付きアームに替えた場合、駆動機構を駆動さ
せると、その駆動量分だけ偏心円盤または円形端が、近
接手段の作用により直線ガイドにその外周を近接させて
移動し、接触座標位置が変位する。すると、接触角度及
び回動角度が適宜変化しながら、回動軸に対して直線ガ
イドが相対的に移動する。そして他の2つの近接回動体
も含めた3つの近接回動体の接触座標位置の関係によ
り、各接触角度及び回動角度が定まり、回動軸に対する
3本の直線ガイドの座標位置が相対的に決定され、直線
ガイドが固定されたベースの他方ベースに対する相対位
置が従動的に定まる。
【0043】次に、第4構成のXYθ移動装置において
は、第1ないし3のいずれか1構成に加え、接触半径提
供部と直線ガイドとの接触部に転がり要素を持たせ、接
触半径提供部と直線ガイドとの摩擦を減らし、移動ベー
スがスムーズに移動するようにしたものである。ここ
で、転がり要素が接触半径提供部に装着されたものであ
れば、該転がり要素を接触半径提供部の一部として見な
すことができ、直線ガイドに装着されたものであれば、
直線ガイドの一部として見なすことができる。さらに、
近接手段と直線ガイドとの接触部に転がり要素を持たせ
てもよい。
【0044】次に、第5構成のXYθ移動装置において
は、第1ないし4のいずれか1構成に加え、近接回動体
の回動角度と接触角度との角度差が、それぞれ同時に直
角になる状態(平行移動中立状態)を取ることを可能に
したものである。この平行移動中立状態においては、X
方向及びY方向への平行移動における正負方向への移動
可能量が同量となる。尚、回転移動については正負方向
への移動可能量が必ずしも同量となるわけではない。
【0045】また、第1ないし5のいずれか1構成のX
Yθ移動装置の設計に当たり、該XYθ移動装置が平行
移動中立状態を取る場合、それぞれの近接回動体の回動
軸の座標位置、回動半径、接触半径、回動角度、接触角
度、並びに直線ガイドの長さ及び座標位置からなる設計
要因に関して、それらの内の1要因は、他の要因が全て
設定されると、設計原理に基づいて必然的に決定され、
移動ベースの移動可能領域が求まる。このとき制約要因
として、移動ベースがはみ出てはならない領域(移動制
約領域)を追加設定してもよい。そこで、XYθ移動装
置を実装するに当たり、装置を小型化したり、周辺機器
との空間的干渉回避のために、設計要因の座標位置や長
大さを制限したりする必要がある場合は、先ず制限すべ
き設計要因を設定することにより、目的とするXYθ移
動装置を柔軟に設計することが可能である。
【0046】図8は移動制約領域の影響を図示した概念
図であり、(a1)ないし(a4)は移動制約領域が未
設定のXYθ移動装置、及び(b1)ないし(b4)は
移動制約領域(25)が設定されたXYθ移動装置にお
ける回転移動を図示した概念図である。(a1)ないし
(a4)において、実線は平行移動中立状態を示し、破
線は最大回転中心(MaxC)を回転中心として、最大
回転角度分だけ回転移動した状態を示し、2点鎖線は最
小回転中心(MinC)を回転中心として、最小回転角
度分だけ回転移動した状態を示す。また、直線ガイド
(4)は移動ベース(2)に配設されており、該移動ベ
ースの平行移動可能領域(26)が、平行移動中立状態
における移動ベース左上端部に図示されている。前記平
行移動可能領域(26)は六角形で表され、移動ベース
左上角部が平行移動可能な領域を示している。さらに、
これらの全図において、近接回動体(5)の回動軸の座
標位置、回動半径及び接触半径が同じであり、かつ各図
の平行移動中立状態において、それぞれの接触角度が3
0°、90°、または150°のいずれかである、Δ型
の直線ガイドの配置である。
【0047】(a1)と(a3)とを比較すると、直線
ガイドの配置が右部と中央部とで逆になっただけ、すな
わち接触角度が右部と中央部とで逆になっただけである
が、最大回転角度、最小回転角度及び直線ガイドの長さ
が大きく相違する。(a2)と(a4)との比較におい
ても同様である。次に(a1)と(a2)とを比較する
と、直線ガイドの配置が左部と中央部とで逆になり、す
なわち接触角度が左部と中央部とで逆になり、最大回転
角度と最小回転角度との大きさが同値で逆になってい
る。(a3)及び(a4)の場合は、最大回転角度と最
小回転角度との大きさが同じであるため解りにくいが、
直線ガイドの配置が左部と右部とで逆になり、すなわち
接触角度が左部と右部とで逆になり、(a1)と(a
2)との比較の場合と同様に、最大回転角度と最小回転
角度との大きさが同値で逆になっている。つまり、(a
1)と(a2)、及び(a3)と(a4)とは、共役な
関係にある。
【0048】移動制約領域(25)が設定された(b
1)ないし(b4)は原点(15)を回転中心として正
方向(反時計方向)に回転移動した状態を図示した概念
図である。これらを移動制約領域が未設定の(a1)な
いし(a4)と比較すると、部分的に直線ガイドの長さ
が短くなっている。特に(b3)及び(b4)では短く
なる度合が大きい。このことは、移動制約領域の設定に
より、移動可能領域を十分には利用できてないことを意
味している。また、移動制約領域が設定された(b1)
ないし(b4)を比較すると、平行移動可能領域及び原
点を中心とした回転角度に違いがなく、同じような移動
領域を有している。これらのことから、移動制約領域を
設定する場合、(b1)及び(b2)は、(b3)及び
(b4)に比較して、設計要因の利用効率が良いと言え
る。具体的には(b1)及び(b2)の方が、近接回動
体の回動角度τ1、τ2及びτ3の変域が広くなり、駆
動機構の駆動量単位当りの移動ベースの移動量が精細に
なるという点が挙げられる。
【0049】XYθ移動装置を設計するに当たり、前記
のような設計要因が及ぼす平行移動可能領域及び回転移
動角度への影響や、移動制約領域の設定が及ぼす設計要
因への影響を考慮して設計要因を設定することにより、
設計原理に基づいて柔軟に対処することが可能である。
【0050】次に、図9は第6構成のXYθ移動装置の
制御方法を図示したフローチャートであり、図10は該
制御方法を実施する制御装置のブロック線図である。図
9において、目標移動量(ΔX、ΔY及びΔθ)と回転
中心の座標Pc(Xc,Yc)とを取得する方法とし
て、例えば、 移動量入力手段によりオペレーターに直に移動ベース
の目標移動量と回転中心の座標とを入力してもらう 状態入力手段により移動ベースに載値されたワークの
現在状態と目標状態を直に入力してもらい、それら2つ
の状態から目標移動量と回転中心の座標とを計算する 状態検出手段によりワークの現在状態を検出し、その
現在状態と予め設定された目標状態とから目標移動量と
回転中心の座標とを計算する 等の方法がある。では、それぞれの目標移動量ΔX、
ΔY及びΔθと回転中心の座標値Xc及びYcとが確定
するものの、一般に、回転移動を伴う場合、回転中心を
どこに定めるかにより、ワークを現在状態から目標状態
に移動する経路が異なるため、及びでは一意的にそ
れらの目標移動量と回転中心の座標値とを定めることが
できない。そこで、ワークに2点以上の検出点を設定
し、現在状態における検出点のX座標値及びY座標値の
平均値を求め、その値を回転中心の座標値Xc及びYc
として、目標移動量ΔX、ΔY及びΔθを定めてもよ
い。または、回転中心の座標として所定の点を予め設定
してもよい。
【0051】前記目標移動量及び回転中心の座標と、移
動ベースの現在状態における移動可能領域とから移動ベ
ースの移動可能性を判断する。ここで、移動可能領域と
は設計原理に基づいて算定される移動可能な領域のこと
である。また、固定ベース、移動ベース及びXYθ移動
装置のその他構成部品による空間的干渉の回避のために
移動制約領域が設定されている場合は、該移動制約領域
も加味して移動可能性を判断する必要がある。判断の結
果、次の2つの場合に移動不可能となる。 (ア)目標状態を移動可能領域内で実現できない (イ)目標状態を移動可能領域内で実現できるものの、
移動中、一時的に移動可能領域内で実現できなくなる (ア)の場合は実質的に移動不可能である。(イ)の場
合は形式的に移動可能であることから、1回の移動を、
移動可能領域内で実現可能な複数回の移動に分けて段階
的に行い、最終的に目標状態を実現させることで達成可
能である。
【0052】目標状態に移動可能であれば、それぞれの
駆動機構に対して、最小駆動量となる駆動量単位で、最
適目標駆動量を計算し、目標移動量を補正する。ここ
で、最小駆動量となる駆動量単位とは、例えば駆動機構
にステッピングモーター、サーボモーターもしくはダイ
レクトドライブモーターが使用されていれば、1パルス
が駆動量単位となる。目標移動量と回転中心の座標とか
らそれぞれの近接回動体の回動角度または直線ガイドの
接触座標位置を計算し、さらにそれらの計算結果を駆動
量単位に換算して目標駆動量を算出すると、小数部分を
含むことがある。そこで、小数部分を排除するために、
それぞれの目標駆動量の近傍における整数化された駆動
量の組合せの中から、目標状態に最も近い状態となる1
つの駆動量の組合せを選び、それを最適目標駆動量とす
る。
【0053】ここで、目標状態に最も近い状態とは、前
記の目標移動量と回転中心の座標とを取得する方法の
場合、整数化された駆動量分だけ駆動した状態における
検出点と目標状態おける検出点との距離の分散が最小と
なる状態としてもよい。また、及びの方法の場合
は、移動ベースまたはワーク上に予め複数の検出点を定
めておき、それらの検出点に対しての方法の場合と同
様に、検出点の距離の分散が最小となる状態としてもよ
い。または、目標駆動量の少数部分を四捨五入し、その
分だけ駆動したときの状態としてもよい。そして、目標
移動量を、現在状態から最適目標駆動量分だけ駆動した
状態への移動量に補正する。
【0054】移動ベースの移動中、駆動機構の駆動速度
がそれぞれの許容速度を越えないように、かつ実際の移
動量がそれぞれの補正された目標移動量(ΔXr、ΔY
r及びΔθr)を逐次按分しながら移動が進行するよう
に、すなわち、移動中の一時点までの移動量(ΔXt、
ΔYt及びΔθt)が数4記載の関係式を満たしながら
移動が進行するように、それぞれの駆動機構の駆動量を
時系列に逐次計算し、それらの駆動量に基づいて駆動機
構を時系列に逐次制御する。このとき、駆動量の時系列
計算と駆動機構の時系列制御とを並列処理してもよい
し、駆動量の時系列計算を一括処理した後、駆動機構の
時系列制御を一括処理してもよい。
【0055】
【数4】
【0056】そして、移動ベースの移動が終了したら、
終了時の状態を現在状態として更新し、1回の移動を終
える。
【0057】次に、図11は第7構成のXYθ移動装置
の制御方法を図示したフローチャートであり、図12は
該制御方法を実施する制御装置のブロック線図である。
図11において、目標移動方向データ(Dp及びDr)
を取得する方法として、例えば、ジョイスティク型方向
入力スイッチや移動方向毎に分割された複数の押圧型ス
イッチを有する集合スイッチを用いて、オペレーターに
直に移動方向を入力してもらう方法がある。また、目標
移動速度データ(Vp及びVr)を取得する方法とし
て、例えば、ロータリスイッチ等による段階的速度設定
方法や加減抵抗器等を利用した連続的速度設定方法があ
る。ここで、目標移動速度が一定でよい場合は、基本デ
ータ記憶手段に記憶された目標移動速度データを読み込
む方法でもよい。
【0058】前記目標移動方向データが入力されている
間、移動ベースは移動する。入力が途切れ目標移動方向
データを取得できなくなると、移動ベースは停止する。
さらに移動中、目標移動方向及び目標移動速度の変化に
追従するために、定期的に目標移動方向データ及び目標
移動速度データを取得する。この取得間隔が1周期であ
る。
【0059】取得された目標移動方向データと移動ベー
スの現在状態における移動可能領域とから、移動ベース
を目標移動方向に移動可能かを判断し、移動可能であれ
ば目標移動量(ΔX、ΔY及びΔθ)を計算し、駆動量
単位で目標移動量を補正し、時系列に駆動量を計算し、
逐次駆動機構を制御し、本周期が終了したら終了時の状
態を現在状態として更新し、次周期に移行する。前記、
移動ベースを目標移動方向に移動可能かの判断が移動不
可能であれば、本周期においては移動せず次周期に移行
する。
【0060】目標移動量は1周期中に移動する量、ある
いはそれ以上であり、周期終了時に目標移動量を達成し
なくてもよい。すなわち、目標移動方向に移動可能であ
るにも拘わらず、周期途中で目標移動量を達成し、次周
期まで移動が停止することのないように、目標移動量を
設定しなければならない。ただし、周期途中に移動可能
領域の限界に到達する場合はその限りではなく、到達後
次周期まで停止してもよい。数5は目標移動量の関係式
である。数5においてΔtは1周期を示す。また、比例
定数kは目標移動量を、1周期中に移動する量あるいは
それ以上の量に設定するための定数である。
【0061】
【数5】
【0062】そして、1周期においては、駆動量の時系
列計算と駆動機構の時系列制御とが並列処理され、駆動
量計算中及び周期移行時にも、移動ベースが連続してス
ムーズに移動することが好ましい。
【0063】図13は駆動機構のパルス制御を図示した
タイムチャートの概念図である。図において、3つの駆
動機構をパルス制御可能な駆動機構1、駆動機構2及び
駆動機構3とし、それぞれの駆動機構に発信されるパル
スがΠ形で示されている。各周期は複数分割されたパル
ス発信サイクルからなり、各パルス発信サイクルにおけ
るパルス発信の有無が時系列に示されている。そして1
周期内において、該周期の始めから各パルス発信サイク
ルまでの移動量(ΔXt、ΔYt及びΔθt)が、数4
記載の関係式を満たし、補正された目標移動量(ΔX
r、ΔYr及びΔθr)を按分している。尚、パルス制
御ではパルス単位の移動となるので、正確に言うと、1
パルス分未満の移動量誤差が数4記載の関係式に存在す
る。
【0064】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。図14はこの発明の適用さ
れるXYθ移動装置と状態検出手段とを備えた印刷版位
置決め装置の正面図である。図15は状態検出手段及び
外枠を省略した外観斜視図である。該印刷版位置決め装
置はパンチャー(191)に付設され、複数枚の印刷版
からなる多色刷り印刷版に、それらの同一位置にレジス
ター孔を穿設するための印刷版位置決め装置として使用
される。
【0065】図14及び図15において、針状ころ軸受
(801)を外嵌した偏心円盤(531)を、カップリ
ング(703)を介してステッピングモーター(70
1)に連結し、該ステッピングモーター(701)をモ
ーター軸受取付金具(704)を用いて、固定アングル
(103)に配設し、さらに、ワーク吸着板(21)の
傾倒を保持するフリーベア(301)を配設した背面板
(104)を固定アングル(103)に固定する。ここ
で、固定アングル及び背面板は、本発明におけるXYθ
移動装置の固定ベース(1)に該当する。このように、
固定ベースは1枚の板である必要はなく、偏心円盤及び
駆動機構を配設する支持体であれば、フレーム枠、構築
物、盤、台等、特に定めるものではない。
【0066】また、直線ガイド(4)をワーク吸着板
(21)の裏面に配設し、該直線ガイド(4)と偏心円
盤(531)とが係合するように、ワーク吸着板(2
1)を固定ベース(1)に載架する。ここで、ワーク吸
着板は本発明におけるXYθ移動装置の移動ベースに該
当する。なお、移動ベースは固定ベースと同様に、1枚
の板である必要はなく、直線ガイドを配設する支持体で
あれば、フレーム枠、構築物、盤、台等、特に定めるも
のではない。
【0067】ワーク吸着板の中立状態における、接触角
度と回動角度との角度差はそれぞれ直角になっており、
ワーク吸着板が外枠(105)(移動制約領域(2
5))の内側で任意の平行移動及び回転移動が可能とな
るように、直線ガイド(4)の長さが設けられている。
さらに、移動制約領域(25)内におけるワーク吸着板
(21)のいかなる状態においても、直線ガイド(4)
と偏心円盤(531)とがワーク吸着板の自重により、
針状ころ軸受(801)を介して常に密接した状態にな
っている。そして、該針状ころ軸受により摩擦が小さく
なり、ワーク吸着板はスムーズに移動することが可能で
ある。
【0068】また、CCDカメラを装着した2つのカメ
ラユニット(922)を、それぞれ対向しながら逆方向
に移動可能となるように、左右ネジを螺刻した台形ネジ
(923)に配置し、さらに、該台形ネジを固定アング
ルの左右に配設した2つのボールネジユニット(92
4)で、上下方向に移動可能とした状態検出手段(位置
検出ユニット(921))を設ける。台形ネジはその左
端部にカップリングを介して設けたステッピングモータ
ー(926)で駆動され、2つのボールネジユニット
(924)は、1つのステッピングモーター(92
6’)と図示しないタイミングベルトで繋がれ、同期を
取りながら駆動される。
【0069】本実施例における印刷版位置決め装置にお
いて、先ず、1枚目の印刷版をワーク吸着板(21)に
近づけると図示しない近接スイッチが作動し、固定アン
グルに出没可能に装着された図示しない印刷版支えピン
が出て印刷版を支持する。次いで、図示しない制御装置
のスタートスイッチを押すと、ワーク吸着板が減圧さ
れ、印刷版がワーク吸着板に吸着される。その後、印刷
版支えピンが没して、位置検出ユニット(921)が作
動して、印刷版のサイズに応じて予め設定された位置
(目標位置)にカメラユニット(922)が移動し、印
刷版上の2つの+形状のトンボマークを検出する。カメ
ラユニットは、目標位置でトンボマークを検出できない
ときは、目標位置を中心として、所定の移動ルートで移
動しながらトンボマークを探索する。制御装置は、CC
Dカメラの画像情報と台形ネジ駆動用ステッピングモー
ター(926)及びボールネジユニット駆動用ステッピ
ングモーター(926’)の駆動量とから、トンボマー
クの現在位置の座標を計算する。次いで、トンボマーク
を目標位置に移動するためのワーク吸着板の目標移動量
データと回転中心の座標とを計算する。ここで、回転中
心の座標は2つのトンボマークを結ぶ線分の中点であ
る。そして、それぞれの偏心円盤用ステッピングモータ
ー(701)の目標駆動量をパルス単位で計算する。こ
のとき、目標駆動量に小数部分が発生するときは、駆動
後のトンボマークの位置と目標位置との距離分散が最小
となるように目標駆動量を整数化し目標移動量を補正す
る。なお、制御装置は補正された目標位置を記憶する。
さらに、ワーク吸着板が移動中、偏心円盤用ステッピン
グモーターのパルス周波数がそれぞれの許容パルス周波
数を越えないように、かつ実際の移動量がそれぞれの補
正された目標移動量を逐次按分しながら、移動が進行す
るように、それぞれの偏心円盤用ステッピングモーター
のパルス量を逐次計算し、それらのパルス量に基づいて
駆動制御する。位置決め後、目的とする処理(レジスタ
ー孔の穿設)を施し、ワーク吸着板の圧力を大気圧に戻
し印刷版の吸着を解く。
【0070】次に、2枚目の印刷版も、1枚目の印刷版
と同様の方法で位置決めし、目的とする処理を施す。た
だし、2枚目の印刷版においては、トンボマークの目標
位置は1枚目の印刷版で制御装置に記憶された、補正さ
れた目標位置に置き換えられる。以下、3枚目以降の印
刷版については、2枚目の印刷版と同様である。
【0071】本実施例の印刷版位置決め装置では、3つ
のステッピングモーター(701)を固定アングル(1
03)に並設し、また、近接手段として引力手段を採用
したことにより、XYθ位置決め機構が構造上単純化さ
れた。
【0072】次に第2の実施例を示す。図16はその斜
視図であり、図17はその平面図であり、図18はA
A’面における正面断面図である。第2の実施例は、±
360°回転可能なXYθ位置決めテーブルである。
【0073】図において、先端部に針状ころ軸受(80
1)を軸着した回動アーム(511)を円筒状の外輪
(711)の上端部に外嵌固定し、ウォームホイール
(713)をその下端部に外嵌固定した3つのアームユ
ニット(571)を、シャフト(714)を中心とし
て、保持器付針状ころ(716)を介して3層に周設す
る。それぞれのアームユニットは、シャフトの外側にな
るに従い、外輪の全長は短くなり、1つ内側のアームユ
ニットの回動アームとウォームホイールとの間に収容さ
れている。また、それぞれのウォームホイールの下にス
ラスト針状ころ軸受(717)を設け、外輪に内接する
保持器付針状ころ(716)と合わせて、それぞれアー
ムユニットを独立してスムーズに回動可能としている。
シャフト(714)は固定ベース(1)の中央にシャフ
トホルダ(715)によって固定されている。ここで、
回動アーム(511)は回動半径提供部であり、針状こ
ろ軸受(801)は接触半径提供部である。また、回動
アームの先端部には、針状ころ軸受(801)と同軸
に、針状ころ軸受(801’)を軸着した摺接リンク
(611)が回動自在に軸着されている。ここで、6つ
の針状ころ軸受(801及び801’)は、それぞれ同
じ高さである。また、カップリング(703)を介して
ウォーム(712)を連結したステッピングモーター
(701)が、ウォームとウォームホイール(713)
とが噛合するように、図示しないモーター軸受取付金具
を介して固定ベース(1)に固定されている。さらに、
移動テーブル(22)の底面には3本の直線ガイド
(4)が配設され、該直線ガイド(4)が摺接リンクの
両端の針状ころ軸受(801及び801’)で滑動可能
に挟持されている。そして、移動テーブル(22)は保
持器付スラストボール軸受(302)を介して、固定ベ
ース(1)に載置されている。
【0074】この実施例における中立状態は、それぞれ
の回動アームの回動角度が他の2つの回動アームの回動
角度と120°の角度差を共に持ち、さらに、それぞれ
の接触角度が回動角度より90°小さい角度になる状態
であり、移動テーブルの原点はシャフトの中心、すなわ
ち3つの近接回動体の回動軸となっている。この状態を
保ちながら、3つの回動アームを同じ角速度で回転する
と、その回転角に応じて、移動テーブルは原点を中心と
して回転する。また、本XYθ位置決めテーブルの構成
部品が物理的に干渉しない移動制約領域から、移動テー
ブルがはみ出ない範囲内で、原点以外の点を中心とし
て、該移動テーブルを回転させることも可能である。
【0075】次に第3の実施例は、XYθ位置決めテー
ブルである。図19はその斜視図であり、図20はその
平面図であり、図21はその正面図である。
【0076】図において、3本のボールネジ軸(72
1)を、その支持側軸端及び固定側軸端をサポートユニ
ット(722)で支持して、固定ベース(1)の側面に
配設する。支持側軸端はカップリング(703)を介し
てステッピングモーター(701)に連結され、ステッ
ピングモーターはモーター軸受取付金具(704)を介
して、固定ベース(1)の側面に固定されている。ボー
ルネジナット(723)に固定された連結金具(52
4)には、回動アーム(511)の端部が回動自在に軸
着され(接触中心軸(55))、さらに、回動アーム
(511)の他端部が移動テーブル(22)の底面に回
動自在に軸着されている(回動軸(54))。移動テー
ブル(22)はフリーベア(301)を介して、固定ベ
ース(1)の上面に移動可能に載置されている。ここ
で、ボールネジ軸(721)は直線ガイドであり、ボー
ルネジナット(723)及び連結金具(524)は接触
半径提供部であり、回動アーム(511)は回動半径提
供部である。また、ボールネジナットがボールネジ軸に
螺合して移動する直動のメカニズムが、近接手段として
の摺接機構であり、かつステッピングモーターを含めて
直動機構(駆動機構)を形成している。
【0077】本実施例のXYθ位置決めテーブルでは、
3本の直線ガイドを≠型に配置し、平行な2本の直線ガ
イドと他の1本の直線ガイドとを直交させ、ステッピン
グモーターを固定ベースの正面側(図20平面図の下
側)に集約している。
【0078】次に第4の実施例は、リフト装置における
XYθ移動フォークユニットである。図22はその斜視
図であり、図23は近接手段部分の拡大正面図である。
【0079】図において、上下1対の偏心円盤(53
1)を、カップリングを介して両軸シャフトのサーボモ
ーター(702)に連結した3つのサーボ駆動偏心円盤
ユニット(572)を固定板(101)に配設する。そ
れぞれの偏心円盤の中心には、微小なストロークを有す
る油圧シリンダー(631)を固定した押圧リンク(6
01)が回動自在に軸着されている。油圧シリンダーの
ロッドの先端には押圧ブロック(632)が装着され、
ロッド突出時に直線ガイド(4)を偏心円盤(531)
に押圧する機能を担っている。直線ガイド(4)はフォ
ーク枠(201)に上下1対に配設されている。該直線
ガイド(4)の断面形状はL形をしており、偏心円盤が
近接する部分にレール溝が形設されている。そして、フ
ォーク枠は、フォーク枠に突設した上支持板(202)
を、スラストボール軸受(303)を介して、固定板に
突設した下支持板(102)で支持することにより、Z
方向に安定的に支持されている。
【0080】本実施例のXYθ移動フォークユニットで
は、上下3対の直線ガイドを+型に配置し、1直線に重
なる2本の直線ガイドと他の1本の直線ガイドとを直交
させ、サーボモーター(702)を固定板(101)に
並設している。
【0081】本XYθ移動フォークユニットは、前後左
右の4方向及びそれらの合成方向を指示可能な図示しな
いジョイスティックで平行移動方向に操作可能であり、
左右の2方向を指示可能な図示しないジョイスティック
で回転移動方向に操作可能である。回転移動の回転中心
はフォーク枠の梁部中央に固定されている。また、平行
移動速度及び回転移動速度は、操作上の安全性を考慮し
て、一定値が割り当てられている。平行移動方向または
回転移動方向を指示するジョイスティックがニュートラ
ルからシフトし移動方向が入力されると、目標移動方向
データの取得、移動可能かの判断、目標移動量の計算、
目標移動量の補正、時系列に駆動量の計算、移動ベース
の移動及び現在状態の更新からなる1周期が順次繰り返
され、ジョイスティックからの移動方向の入力が途切れ
るまで、あるいは移動可能領域の限界に到達するまで、
所定の移動速度で移動し続ける。
【0082】ジョイスティックからの移動方向が未入力
のとき、前記油圧シリンダー(631)のロッドが突出
して直線ガイド(4)を偏心円盤(531)に押圧して
おり、フォーク枠(201)は固定されている。移動方
向が入力され、第1周期における移動可能かの判断で移
動可能であれば、ロッドが微小に後退して押圧が解除さ
れ、フォーク枠は移動可能となる。そして移動方向の入
力が途切れると、あるいは移動可能領域の限界に到達す
ると、再度ロッドが突出してフォーク枠が固定される。
【0083】次に、本発明に係るXYθ移動装置の構成
部品の実施態様について記載する。図24はベアリング
(802)を外嵌した偏心円盤(531)からなる近接
回動体における近接手段の実施態様の図である。(a
1)ないし(a5)は左側面図であり、(b1)ないし
(b5)は斜視図である。また、図25は回動半径提供
部(51)と転がり要素を有する接触半径提供部とが接
触中心軸(55)で回動自在に軸着された近接回動体に
おける近接手段の実施態様の図である。(a1)ないし
(a7)は左側面図であり、(b1)ないし(b7)は
斜視図である。
【0084】図24及び25において、第1(a1及び
b1)はベアリング(802)の半径が接触半径であ
り、磁力や重力等の引力手段が近接手段である。第2
(a2及びb2)は端部にベアリング(802’)を軸
着した摺接リンク(611)を、その他端部で接触中心
軸(55)に回動自在に軸着した摺接機構が近接手段で
ある。第3(a3及びb3)は端部に弾性体モールドベ
アリング(803)を軸着した押圧リンク(601)
を、その他端部で接触中心軸(55)に回動自在に軸着
した常時押圧機構が近接手段である。第4(a4及びb
4)は引張りバネ(621)により接触中心軸(55)
に向かって弾発付勢されたベアリング(802’)を端
部に装着した押圧リンク(601)を、その他端部で接
触中心軸(55)に回動自在に軸着した常時押圧機構が
近接手段である。第5(a5及びb5)はロッド先端に
ベアリング(802)’が装着された油圧シリンダー
(631)を、接触中心軸(55)に向かって出没可能
に、端部に装着した押圧リンク(601)を、その他端
部で接触中心軸(55)に回動自在に軸着した停止時押
圧機構が近接手段である。
【0085】第5の実施態様において、ロッド先端にベ
アリングが装着された油圧シリンダーに換えて、ロッド
先端にベアリングが装着された空気圧シリンダー、また
はプランジャー先端にベアリングが装着されたプッシュ
型もしくはプル型ソレノイドであってもよい。
【0086】図25において、第6(a6及びb6)は
スライドガイドレール(401)が直線ガイドであり、
スライドガイドブロック(521)及び該スライドガイ
ドブロックを接触中心軸(55)に回動自在に連結する
金具(524)が接触半径提供部であり、かつスライド
ガイドの摺接メカニズムが近接手段である。第7(a7
及びb7)はリニアシャフト(402)が直線ガイドで
あり、リニアベアリング(522)及び該リニアベアリ
ングを接触中心軸(55)に回動自在に連結する金具
(524)が接触半径提供部であり、かつリニアシャフ
ト及びリニアベアリングの摺接メカニズムが近接手段で
ある。
【0087】第6または7の実施態様において、XY平
面視で直線ガイドの中心軸上に接触中心軸がある場合、
前記中心軸を直線ガイドの長さ方向の軸線とすると、接
触半径提供部は長さ0の接触半径を提供するものとな
る。しかしながら、直線ガイドの柱面における任意の母
線を直線ガイドの長さ方向の軸線とすると、接触半径は
0以外の値を取ることになる。また、本発明に係るXY
θ移動装置の設計原理は、接触半径が0でも何ら問題な
く適用することが可能である。これらのことから、本発
明に係るXYθ移動装置は、長さ0の接触半径を提供す
る接触半径提供部を許すものである。
【0088】また、第6の実施態様においてスライドガ
イドブロックの許容モーメントが十分に大きく、移動ベ
ースをZ軸方向に安定的に支持可能な場合は、固定ベー
スと移動ベースとの間に、スラスト軸受等の間隔を一定
に保ち摩擦抵抗を軽減する機構を省略することが可能で
ある。同様に、第7の実施態様においてリニアシャフト
及びリニアベアリングに替えてスプラインシャフト及び
ボールスプラインナットを用いることにより、ボールス
プラインナットの許容モーメントが十分に大きく、移動
ベースをZ軸方向に安定的に支持可能な場合は、固定ベ
ースと移動ベースとの間に、スラスト軸受等の間隔を一
定に保ち摩擦抵抗を軽減する機構を省略することが可能
である。
【0089】次に、図26は近接回動体の回動半径提供
部と接触半径提供部とが接触中心軸で軸着された直動機
構の実施態様の斜視図である。(a1)及び(a3)は
直線ガイドが直動のメカニズムを有するもの(一致直動
機構)であり、(b1)ないし(b3)は直線ガイドが
直動機構と分別されるもの(分別直動機構)である。
【0090】第1(a1及びb1)は直動のメカニズム
としてボールネジ・ユニットを用いたものである。(a
1)の一致直動機構では、ボールネジ軸(721)が直
線ガイドであり、ボールネジナット(723)が接触半
径提供部(52)の一部となっている。(b1)の分別
直動機構では、リニアシャフト(402)が直線ガイド
であり、リニアベアリング(522)を装着した接触半
径提供部(52)が該直線ガイドに摺動自在である。接
触半径提供部(52)あるいはその延長部にはボールネ
ジナット(723)が装着され、該ボールネジナット、
リニアシャフトに平行に配設されたボールネジ軸(72
1)及びモーター(705)で直動機構を形成してい
る。本実施態様では、モーターは直線ガイドを配設した
ベースに固定され、ボールネジ軸に連結されている。
【0091】第2(b2)は直動のメカニズムとしてワ
イヤー及びワイヤープーリーを用いたものである。(b
2)の分別直動機構では、リニアシャフト(402)が
直線ガイドであり、リニアベアリング(522)を装着
した接触半径提供部(52)が該直線ガイドに摺動自在
である。接触半径提供部(52)あるいはその延長部に
はワイヤー(731)が固定され、該ワイヤーはワイヤ
ープーリー(732)によりリニアシャフトに平行に張
設され、ワイヤープーリーを回転させることにより接触
半径提供部を直動可能にしている。本実施態様では、モ
ーター(705)は直線ガイドを配設したベースに固定
され、ワイヤープーリーに連結されており、ワイヤー、
ワイヤープーリー及びモーターで直動機構を形成してい
る。
【0092】第3(a3及びb3)は直動のメカニズム
としてラック・ピニオンを用いたものである。(a3)
の一致直動機構では、ラック軸(733)が直線ガイド
であり、ピニオンを装着したモーター(705)が接触
半径提供部(52)の一部となっている。(b3)の分
別直動機構では、リニアシャフト(402)が直線ガイ
ドであり、リニアベアリング(522)を装着した接触
半径提供部(52)が該直線ガイドに摺動自在である。
接触半径提供部(52)あるいはその延長部にはピニオ
ンを装着したモーター(705)が固定され、該ピニオ
ン、リニアシャフトに平行に配設されたラック軸(73
3)及びモーター(705)で直動機構を形成してい
る。本実施態様では、モーターが接触半径提供部あるい
はその延長部に固定されている。
【0093】前記第1及び2の実施態様においては、モ
ーターが直線ガイドを配設したベースに固定され、第3
の実施態様においては、接触半径提供部あるいはその延
長部に固定されている。このように、直動機構における
モーターの固定箇所は直動機構の構造に応じて決定され
る。
【0094】前記第1ないし3の実施態様の他に、ボー
ルネジ・ユニット内蔵1軸テーブルやリニアモーターを
一致直動機構における直動のメカニズムとして用いても
よい。また、ボールネジ・ユニット内蔵1軸テーブル、
リニアモーター、チェーン及びスプロケット、タイミン
グベルト及びタイミングプーリー、または直線ガイドに
沿って移動可能な自走式車両等を分別直動機構における
直動のメカニズムとして用いてもよい。
【0095】次に、図27は近接回動体が偏心円盤であ
る直動機構の実施態様の斜視図である。図において、ベ
アリング(802)を外嵌した偏心円盤(531)が近
接手段により直線ガイド(4)に摺接して移動可能であ
る。ここで近接手段は、端部にワイヤー(731)を固
定し、途中にベアリング(802’)を軸着した摺接リ
ンク(611)を、その他端部で接触中心軸(55)に
回動自在に軸着した摺接機構である。該ワイヤーはワイ
ヤープーリー(732)により直線ガイドに平行に張設
され、ワイヤープーリーを回転させることにより偏心円
盤を直動可能にしている。本実施態様では、モーター
(705)は直線ガイドを配設したベースに固定され、
ワイヤープーリーに連結されており、ワイヤー、ワイヤ
ープーリー及びモーターで直動機構を形成している。
【0096】図27は分別直動機構の一例を図示したも
のであるが、偏心円盤においても、図26に図示した実
施態様と同様に設計原理に基づいて一致直動機構でも実
現することが可能である。また、直動機構は図24また
は25に図示したような種々の近接手段と種々の直動の
メカニズムとの組み合わせにより、様々な態様を実現す
ることが可能である。
【0097】次に、図28に直線ガイドのその他の実施
態様を図示する。図28(a)において、近接回動体
は、回動半径提供部(51)と接触半径提供部(52)
とが接触中心軸(55)で軸着され、さらに接触半径提
供部が連結金具(524)にスライドブロック(52
5)を固着して形成されており、該スライドブロックが
スライド溝レール(411)に刻設された溝に摺接して
直線移動可能である。ここで、該スライド溝レールに刻
設された溝は直線ガイドとして作用している。このよう
に直線ガイドは直線形状の溝でもよい。直線形状の溝
は、本実施態様のように所定の部材に形成された溝でも
よいし、固定ベースあるいは移動ベースに直に形成され
た溝でもよい。
【0098】また、図28(b)において、近接回動体
は、回動半径提供部(51)と接触半径提供部(52)
とが接触中心軸(55)で軸着され、さらに接触半径提
供部が連結金具(524)にスライドシャフト(52
6)を固着して形成されており、該スライドシャフトが
1対のシャフトガイド(412)に保持され、該シャフ
トガイドの内面に摺接して直線移動可能である。ここ
で、1対のシャフトガイド(412)は、仮想的に1本
のシャフトガイドが複数に分割され、空間的に連結金具
(524)と干渉する部位が排除され、かつスライドシ
ャフト(526)の直線移動を支持する上で十分な部位
が残されたものと解釈でき、該シャフトガイドの内面は
直線ガイドとして作用していると言える。このように直
線ガイドは接触半径提供部の直線移動を支持するため
に、1直線上に並べて設けられた1つ(1本)以上の直
線形状のガイドでもよい。
【0099】本発明は前記した実施例や実施態様に限定
されるものではなく、XYθ移動装置の設計原理に基づ
き、特許請求の精神及び範囲を逸脱せずに種々の変形を
含むものである。
【0100】
【発明の効果】本発明の構成により、従来の2層からな
るXYθ移動装置に比べて、θ方向の移動量を大きくす
ることが可能となり、また駆動機構の設置位置や直線ガ
イドまたは直線ガイドの設置角度に関して柔軟に対応で
きるので、要求されるX方向、Y方向及びθ方向の移動
量を満足し、かつ設計上の柔軟性に富み小型化及び軽量
化が可能な、固定ベースと移動ベースとの2層からなる
XYθ移動装置を提供することができる。
【0101】また、本発明で採用された設計原理は、マ
イクロマシンのような極小装置におけるXYθ位置決め
機構に採用することや、巨大な構造物のXYθ移動機構
に採用することできるため、本発明に係るXYθ移動装
置を産業上の広範囲の分野において利用することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】XYθ移動装置の平面図である。
【図2】XYθ移動装置の設計原理を説明するための概
念図である。
【図3】XYθ移動装置の設計原理を説明するための概
念図である。
【図4】直線ガイドの配置例の図である。
【図5】接触座標位置の変位による直線ガイドの移動を
図示した概念図である。
【図6】XYθ移動装置において、状態転移を例示した
概念図である。
【図7】角度差が直角でない中立状態を図示した概念図
である。
【図8】移動制約領域の影響を図示した概念図である。
【図9】XYθ移動装置の制御方法を図示したフローチ
ャートである。
【図10】制御装置のブロック線図である。
【図11】XYθ移動装置の制御方法を図示したフロー
チャートである。
【図12】制御装置のブロック線図である。
【図13】駆動機構のパルス制御を図示したタイムチャ
ートの概念図である。
【図14】第1の実施例のXYθ移動装置を図示した正
面図である。
【図15】第1の実施例のXYθ移動装置を図示した斜
視図である。
【図16】第2の実施例のXYθ位置決めテーブルの斜
視図である。
【図17】第2の実施例のXYθ位置決めテーブルの平
面図である。
【図18】第2の実施例のAA’面における正面断面図
である。
【図19】第3の実施例のXYθ位置決めテーブルの斜
視図である。
【図20】第3の実施例のXYθ位置決めテーブルの平
面図である。
【図21】第3の実施例のXYθ位置決めテーブルの正
面図である。
【図22】第4の実施例のXYθ移動フォークユニット
の斜視図である。
【図23】第4の実施例の近接手段部分の拡大正面図で
ある。
【図24】XYθ移動装置の近接手段の実施態様の図で
ある。
【図25】XYθ移動装置の近接手段の実施態様の図で
ある。
【図26】XYθ移動装置の直動機構の実施態様の斜視
図である。
【図27】XYθ移動装置の直動機構の実施態様の斜視
図である。
【図28】XYθ移動装置の直線ガイドの実施態様の斜
視図である。
【図29】4層からなる従来のXYθ移動装置の中立状
態を示す図である。
【図30】2層からなる従来のXYθ移動装置の中立状
態を示す図である。
【符号の説明】
1 固定ベース 101 固定板 102 下支持板 103 固定アングル 104 背面板 105 外枠 2 移動ベース 21 ワーク吸着板 22 移動テーブル 201 フォーク枠 202 上支持板 25 移動制約領域 26 平行移動可能領域 3 スラスト軸受 301 フリーベア 302 保持器付スラストボール軸受 303 スラストボール軸受 4 直線ガイド 401 スライドガイドレール 402 リニアシャフト 411 スライド溝レール 412 シャフトガイド 5 近接回動体 51 回動半径提供部 511 回動アーム 52 接触半径提供部 521 スライドガイドブロック 522 リニアベアリング 524 連結金具 525 スライドブロック 526 スライドシャフト 531 偏心円盤 532 円形端付きアーム 54 回動軸 55 接触中心軸 6 近接手段 601 押圧リンク 61 摺接機構 611 摺接リンク 62 常時押圧機構 621 引張りバネ 63 停止時押圧機構 631 油圧シリンダー 632 押圧ブロック 64 引力手段 7 駆動機構 701 ステッピングモーター 702 サーボモーター 703 カップリング 704 モーター軸受取付金具 705 モーター 711 外輪 712 ウォーム 713 ウォームホイール 714 シャフト 715 シャフトホルダ 716 保持器付針状ころ 717 スラスト針状ころ軸受 721 ボールネジ軸 722 サポートユニット 723 ボールネジナット 731 ワイヤー 732 ワイヤープーリー 733 ラック軸 734 ピニオン 8 転がり要素 801 針状ころ軸受 802 ベアリング 803 弾性体モールドベアリング 9 制御装置 91 基本データ記憶手段 92 移動データ取得手段 921 位置検出ユニット 922 カメラユニット 923 台形ネジ 924 ボールネジユニット 925 カップリング 926 ステッピングモーター 93 移動方向取得手段 94 計算手段 95 計算データ記憶手段 96 駆動制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F078 CA01 CA08 CB12 3C048 BC02 DD06 DD11 5F031 HA13 HA53 JA04 JA13 JA22 JA38 JA51 KA06 KA08 LA07 LA09 LA12 LA13 LA14 LA15 5H303 AA01 AA04 AA20 BB03 BB09 BB12 BB14 CC10 DD01 DD03 DD04 DD09 DD25 EE01 EE03 EE10 FF13 GG01 KK08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定ベースと、XY平面に垂直な方向(Z
    方向)に安定的に支持され、かつXY平面を移動可能な
    移動ベースとの2層で構成されるXYθ移動装置におい
    て、前記移動ベースまたは固定ベースのいずれか一方の
    ベースに配設された3本の直線ガイドと、各直線ガイド
    と対をなし、XY平面に平行な面内で回動可能に、他方
    のベースに配設された3つの近接回動体と、各直線ガイ
    ドに近接回動体を近接させる近接手段と、各近接回動体
    を回動させる、前記他方のベースに配設された3つの回
    動機構(駆動機構)とを備えており、前記直線ガイドは
    それぞれXY平面に平行な直線形状であり、かつそれら
    の長さ方向の軸線あるいはその延長線が、XY平面視
    で、少なくとも1つの交点を持ち、また前記近接回動体
    は、回動の中心軸となる回動軸から接触中心軸までの所
    要距離(回動半径)を提供する回動半径提供部と、接触
    中心軸から直線ガイドの軸線までの所要距離(接触半
    径)を提供する接触半径提供部とから構成され、回動半
    径提供部は回動軸で前記他方のベースに配設され、かつ
    前記回動機構により回動可能であり、接触半径提供部は
    近接手段により直線ガイドと近接して移動可能であり、
    回動半径提供部と接触半径提供部とは、XY平面に平行
    な面内で回動自在に、接触中心軸で軸着され、さらに前
    記近接手段は、直線ガイドを接触半径提供部に摺接させ
    る摺接機構、または直線ガイドを接触半径提供部に常時
    圧接する常時押圧機構、または前記移動ベースの停止時
    のみ直線ガイドを接触半径提供部に圧接し、移動時には
    圧接しない停止時押圧機構、または引力により直線ガイ
    ドを接触半径提供部に密接させる引力手段のいずれかで
    ある、ことを特徴とするXYθ移動装置。
  2. 【請求項2】固定ベースと、XY平面に垂直な方向(Z
    方向)に安定的に支持され、かつXY平面を移動可能な
    移動ベースとの2層で構成されるXYθ移動装置におい
    て、前記移動ベースまたは固定ベースのいずれか一方の
    ベースに配設された3本の直線ガイドと、各直線ガイド
    と対をなし、XY平面に平行な面内で回動自在に、他方
    のベースに配設された3つの近接回動体と、各直線ガイ
    ドに近接回動体を近接させる近接手段と、前記近接回動
    体を直線移動(直動)させる3つの直動機構(駆動機
    構)とを備えており、前記直線ガイドはそれぞれXY平
    面に平行な直線形状であり、かつそれらの長さ方向の軸
    線あるいはその延長線が、XY平面視で、少なくとも1
    つの交点を持ち、また前記近接回動体は、回動の中心軸
    となる回動軸から接触中心軸までの所要距離(回動半
    径)を提供する回動半径提供部と、接触中心軸から直線
    ガイドの軸線までの所要距離(接触半径)を提供する接
    触半径提供部とから構成され、回動半径提供部は回動軸
    で前記他方のベースに軸着され回動自在であり、接触半
    径提供部は近接手段により直線ガイドと近接し、かつ前
    記直動機構により直動可能であり、回動半径提供部と接
    触半径提供部とは、XY平面に平行な面内で回動自在
    に、接触中心軸で軸着され、さらに前記近接手段は、直
    線ガイドを接触半径提供部に摺接させる摺接機構、また
    は直線ガイドを接触半径提供部に常時圧接する常時押圧
    機構、または前記移動ベースの停止時のみ直線ガイドを
    接触半径提供部に圧接し、移動時には圧接しない停止時
    押圧機構、または引力により直線ガイドを接触半径提供
    部に密接させる引力手段のいずれかであることを特徴と
    するXYθ移動装置。
  3. 【請求項3】前記近接回動体の少なくとも1つにおい
    て、回動半径提供部と接触半径提供部とが、XY平面に
    平行な面内で回動自在に、接触中心軸で軸着されること
    に替えて、回動半径提供部と接触半径提供部とが一体に
    形成された偏心円盤または円形端付きアームであること
    を特徴とする請求項1または2記載のXYθ移動装置。
  4. 【請求項4】前記接触半径提供部と直線ガイドとの接触
    部において、転がり要素を持つことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1記載のXYθ移動装置。
  5. 【請求項5】前記3つの近接回動体に関して、回動半径
    提供部における回動半径が回動軸を原点としてX方向と
    なす角度(回動角度)と、接触半径提供部における接触
    半径が接触中心軸を原点としてX方向となす角度(接触
    角度)との角度差が、それぞれ同時に直角になる状態
    (平行移動中立状態)を取ることが可能であることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載のXYθ移
    動装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1記載のXY
    θ移動装置に加えて、該XYθ移動装置を制御するに当
    たり必要な定数データを記憶する基本データ記憶手段
    と、移動ベースのX方向の平行移動量(ΔX)、Y方向
    の平行移動量(ΔY)及び回転移動量(Δθ)からなる
    目標移動量、並びに回転中心の座標Pc(Xc,Yc)
    を取得する移動データ取得手段と、回動機構または直動
    機構(以下、駆動機構と総称する)の制御量を計算する
    計算手段と、該計算手段による計算結果を記憶する計算
    データ記憶手段と、計算結果に基づき駆動機構を駆動制
    御する駆動制御手段と、からなるXYθ移動装置におい
    て、目標移動量及び回転中心の座標を取得すること、該
    目標移動量及び回転中心の座標と移動ベースの現在状態
    における移動可能領域とから、移動ベースを目標状態に
    移動可能か判断すること、これが移動可能なら、それぞ
    れの駆動機構に対して、最小駆動量となる駆動量単位
    で、最適目標駆動量を計算し、目標移動量(ΔX、ΔY
    及びΔθ)を補正すること、移動ベースの移動中、実際
    の移動量(ΔXt、ΔYt及びΔθt)が補正された目
    標移動量(ΔXr、ΔYr及びΔθr)を逐次按分しな
    がら、移動が進行するように、時系列にそれぞれの駆動
    量を計算すること、それらの駆動量に基づいて逐次3つ
    の駆動機構を連動させて制御すること、移動後の状態を
    新たな現在状態として更新すること、を含むことを特徴
    とするXYθ移動装置の制御方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5のいずれか1記載のXY
    θ移動装置に加えて、該XYθ移動装置を制御するに当
    たり必要な定数データを記憶する基本データ記憶手段
    と、移動ベースの平行移動方向(Dp)及び回転移動方
    向(Dr)からなる目標移動方向データと平行移動速度
    (Vp)及び回転移動速度(Vr)からなる目標移動速
    度データとを取得する移動方向取得手段と、駆動機構の
    制御量を計算する計算手段と、該計算手段による計算結
    果を記憶する計算データ記憶手段と、計算結果に基づき
    駆動機構を駆動制御する駆動制御手段と、からなるXY
    θ移動装置において、移動ベースの平行移動方向(D
    p)または回転移動方向(Dr)の目標移動方向データ
    を取得したら移動工程を開始すること、移動工程は複数
    の周期からなること、第1周期において先ず目標移動方
    向データ及び目標移動速度データを取得すること、該目
    標移動方向データ及び所定の回転中心の座標Pc(X
    c,Yc)と移動ベースの現在状態とから、移動ベース
    を目標移動方向に移動可能か判断すること、これが移動
    可能なら、目標移動方向データ、目標移動速度データ及
    び回転中心の座標と移動ベースの現在状態とから移動可
    能領域内における目標移動量(ΔX、ΔY及びΔθ)を
    計算すること、それぞれの駆動機構に対して、最小駆動
    量となる駆動量単位で、最適目標駆動量を計算し、適宜
    目標移動量を補正すること、移動ベースが移動中、実際
    の移動量(ΔXt、ΔYt及びΔθt)が補正された目
    標移動量(ΔXr、ΔYr及びΔθr)を逐次按分しな
    がら、目標移動速度で移動が進行するように、時系列に
    それぞれの駆動量を計算し、それらの駆動量に基づいて
    逐次3つの駆動機構を連動させて制御すること、第1周
    期が終了したら、終了時の状態を新たな現在状態として
    更新すること、第1周期と同様に順次周期を繰り返すこ
    と、前記移動ベースを目標移動方向に移動可能かの判断
    が移動不可能なら移動しないこと、前記目標移動方向デ
    ータを取得できないときは移動工程を停止すること、を
    含むことを特徴とするXYθ移動装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102653058A (zh) * 2012-05-04 2012-09-05 西安电子科技大学 一种用于二维平面定位的超薄三轴伺服定位平台
TWI394634B (zh) * 2010-11-22 2013-05-01 Univ Nat Taiwan 驅動系統
CN112819884A (zh) * 2021-01-08 2021-05-18 苏州华兴源创科技股份有限公司 坐标修正方法及装置、电子设备、计算机可读介质

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