JP2003023894A - ペット及び家畜の糞尿処理材組成物及びペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法 - Google Patents

ペット及び家畜の糞尿処理材組成物及びペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法

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JP2003023894A
JP2003023894A JP2001215830A JP2001215830A JP2003023894A JP 2003023894 A JP2003023894 A JP 2003023894A JP 2001215830 A JP2001215830 A JP 2001215830A JP 2001215830 A JP2001215830 A JP 2001215830A JP 2003023894 A JP2003023894 A JP 2003023894A
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livestock
excrement
pets
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JP2001215830A
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English (en)
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Tomoaki Washio
朝昭 鷲尾
Yoshiji Ikebe
佳司 池部
Mayumi Irita
真由美 入田
Hachiro Ueda
八郎 上田
Kunihiro Ganno
邦広 願能
Takashi Suzuki
隆史 鈴木
Masaharu Matsumoto
雅治 松本
Nobutaka Murofushi
伸孝 室伏
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Electric Power Development Co Ltd
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、燃焼灰中のホウ素やハロゲン化合
物によって害虫の繁殖を防止し清潔性や、機械的強度を
有し粉化せず取扱性に優れ、交換頻度が少なく作業性に
優れるとともに脱臭性と防臭性に優れ再利用が可能なペ
ット及び家畜の糞尿処理材組成物を提供することを目的
とする。また、本発明は、機械的強度に優れるとともに
防臭性に優れ、さらにアルカリによる刺激の少ないペッ
ト及び家畜の糞尿処理材が得られるペット及び家畜の糞
尿処理材の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のペット及び家畜の糞尿処理材組
成物は、(a)燃焼灰と、(b)セメント系固化材と、
(c)アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,ゼオライ
トのいずれか1種以上と、を含有した構成を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペット及び家畜の
糞尿処理材組成物及びペット及び家畜の糞尿処理材の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ペット及び家畜が排出する糞尿が
原因の悪臭が問題になっている。最近の研究で、ペット
及び家畜が排出する糞尿には、飼料等に含まれるたんぱ
く質(窒素)のうち体内に蓄積されなかった余剰分が含
有されており、尿に含有される窒素の主体は尿素(鶏の
場合は尿酸)であり、尿には糞に含まれる約2倍の窒素
量が含有されていることがわかってきた。また、糞尿に
よる悪臭の主な原因はアンモニアであるが、尿素はこれ
自体では臭わず、尿素がペット及び家畜の消化管内の微
生物によって生産される尿素分解酵素であるウレアーゼ
によって(化1)の反応式で分解されてアンモニアが発
生することもわかってきた。
【化1】 ウレアーゼは糞中に存在するが尿中には存在しない尿素
分解酵素である。但し、糞中の嫌気的状態でのウレアー
ゼによる糞中物質の分解は極めて緩慢であり、これの分
解によるアンモニアの発生量は少ない。糞中のウレアー
ゼと尿中の尿素とが混ざったときに、糞の約2倍の窒素
量を有する尿素がウレアーゼによって分解されてアンモ
ニアが大量に発生し悪臭を発するのである。なお、この
尿素の分解反応はpHが高いとウレアーゼの活性が活発
になり著しく進むが、pHが低くなるとウレアーゼの活
性が鈍くなるため反応が遅くなりアンモニアの発生が抑
制される。
【0003】近年、このようにして発生するペットや家
畜の糞尿が原因の悪臭を除去したり糞尿を固化させて掃
除を簡便に行うために、ペット用トイレ(箱状容器)や
鶏舎や豚舎等に敷き詰めるペット及び家畜の糞尿処理材
が研究開発され用いられている。
【0004】従来の技術としては、特開昭61−745
28号公報(以下、イ号公報という)に、セメント等の
石灰質材料と、フライアッシュ等の珪酸塩材料と、発泡
剤と、水と、を混合したものを発泡凝固させ、高温,高
圧,蒸気下で養生した後に粒状化させて得られた「ペッ
ト動物用排泄物処理材及びその製造方法」が開示されて
いる。
【0005】特開平4−176466号公報(以下、ロ
号公報という)には、石炭灰及び/又は使用済石炭系排
ガス処理剤に、消石灰,生石灰,石膏,火山灰のいずれ
か1種以上を混合し、水和硬化して得られた「脱臭剤及
びその製造方法」が開示されている。
【0006】特開平4−278036号公報(以下、ハ
号公報という)には、フライアッシュと、大豆油等の植
物油,魚油等の動物油,重油等の鉱物油,水溶性の廃糖
蜜等の凝集性添加剤と、を混合、撹拌し、凝集、造粒化
して得られた「鶏舎内脱臭材及びその製造方法」が開示
されている。
【0007】また、畜産の研究,45巻6号,1991
年(以下、ニ号文献という)には、フライアッシュに水
酸化ナトリウム水溶液を加えスラリー化し、還流冷却し
ながらスラリーを80〜90℃で約24時間加熱し、冷
却後、遠心分離器を用いて固液分離しながら水で水酸化
ナトリウムを洗浄除去し風乾して粉末とした「アルカリ
処理した石炭フライアッシュによる家畜ふんの脱臭剤及
びその製造方法」が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術においては、以下のような課題を有していた。 (1)イ号公報に記載のペット及び家畜の糞尿処理材
は、養生固化されたケーキをカッターあるいは破砕機で
細断するので角張っており、尖った形状よりも滑らかな
形状を好む敏感な猫等の足の裏に刺激を与えたり傷付け
たりするため、ペット用トイレに用いた場合は、猫等が
嫌ってその中で糞尿を行わないという課題を有してい
た。 (2)糞中のウレアーゼによる糞中物質の分解によって
アンモニアが発生し悪臭を発するという課題を有してい
た。 (3)ロ号公報に開示のペット及び家畜の糞尿処理材
は、燃焼灰を石膏で硬化させているため、その方法で得
られる糞尿処理材の機械的強度が小さく、ペット及び家
畜が踏みつけたときには粉化し易くペットや家畜の手足
に付着しやすく掃除の手間を要するという課題を有して
いた。 (4)ハ号公報に開示のペット及び家畜の糞尿処理材
は、大豆油や廃糖蜜等の凝集性添加物でフライアッシュ
を造粒しているので、その方法で得られた糞尿処理材
は、機械的強度が小さいとともに尿が接触したときには
崩壊し易く、ペットや家畜の手足に付着しやすく掃除の
手間を要するという課題を有していた。 (5)イ号乃至ハ号公報に開示のペット及び家畜の糞尿
処理材は、イオン交換容量の大きなゼオライト物質又は
ゼオライト様物質を有していないので、糞から発生する
少量のアンモニア(アンモニウムイオン)を吸収するこ
とができず、悪臭の除去能力が小さいという課題を有し
ていた。 (6)ニ号文献に開示のペット及び家畜の糞尿処理材
は、水酸化ナトリウム水溶液を加えスラリー化し、還流
冷却しながらスラリーを80〜90℃で約24時間加熱
することで、フライアッシュがゼオライト化し、生成さ
れたゼオライトがアンモニウムイオンを吸着する。アン
モニウムイオン吸着によって糞尿処理材のpHが高まる
のでウレアーゼの活性が高まり、それによる尿素の分解
反応が進みアンモニアが大量に発生する。従って、糞尿
処理材の有するイオン交換容量以上のアンモニウムイオ
ンが発生した場合には悪臭を抑えることができず、脱臭
能力が不足するという課題を有していた。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、燃焼灰中のホウ素やハロゲン化合物によって害虫の
繁殖を防止し清潔性や、機械的強度を有し粉化せず取扱
性に優れ、交換頻度が少なく作業性に優れるとともに脱
臭性と防臭性に優れ再利用が可能なペット及び家畜の糞
尿処理材組成物を提供することを目的とする。また、本
発明は、機械的強度に優れるとともに防臭性に優れ、さ
らにアルカリによる刺激の少ないペット及び家畜の糞尿
処理材が得られるペット及び家畜の糞尿処理材の製造方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明のペット及び家畜の糞尿処理材組成物及
びペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法は、以下の構
成を有している。
【0011】本発明の請求項1に記載のペット及び家畜
の糞尿処理材組成物は、(a)燃焼灰と、(b)セメン
ト系固化材と、(c)アルカリ金属塩,アルカリ土類金
属塩,ゼオライトのいずれか1種以上と、を含有した構
成を有している。この構成により、以下のような作用が
得られる。 (1)燃焼灰を有しているので、燃焼灰に含有されるZ
nOや紫外線との作用で高い抗菌性を有するTiO2
の抗菌性物質が、糞尿処理材に付着した糞尿による雑菌
や蛆等の害虫の繁殖を防止し清潔性に優れる。 (2)セメント系固化材を有しているので、糞尿処理材
がペットや家畜に踏みつけられても粉化しないだけの機
械的強度を有し取扱性に優れる。 (3)セメント系固化材を有しているので硬化後は水に
不溶で、糞尿処理材を水洗することができ、周囲に付着
している糞尿を水洗して除去すれば何度でも再利用可能
で省資源性に優れる。 (4)セメント系固化材によって固化された燃焼灰は吸
水性に優れるので、糞尿処理材は頻繁に交換しなくても
糞尿を処理することができ、交換頻度が少なく作業性に
優れる。 (5)燃焼灰粒子がセメント系固化材によって固着され
ているので、糞尿処理材の表面に燃焼灰による微細な凹
凸が形成され、ペットや家畜の足の裏に付着し難く、ま
た付着しても容易に除去することができるので周囲に散
乱せず清潔性や快適性に優れる。 (6)アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を有して
いるので、珪酸,アルミニウムを含有する燃焼灰との相
互作用で、糞尿処理材はイオン交換容量を有するゼオラ
イト様物質が生成され、又はゼオライトを含有し、アン
モニウムイオンの吸着能が高く脱臭性に優れる。 (7)ゼオライトを含有させることで軽量化を図ること
ができ、搬送性と生産性に優れる。 (8)燃焼灰とアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩と
の相互作用によって生成されたゼオライト様物質やゼオ
ライトが、糞中のウレアーゼによる糞中物質の分解によ
るアンモニウムイオンの吸収を行い、吸収されたアンモ
ニアはニトロソモナス属やニトロバクター属等の硝化細
菌により硝酸イオンに分解される。これにより糞尿処理
材のpHが低下するので、ウレアーゼの活性が鈍りそれ
による尿素の分解によるアンモニアの発生が抑制され防
臭性に優れる。 (9)ペットの糞尿が付着・浸透した使用済みの糞尿処
理材は、土壌の改質に有用な尿素,アンモニア,有機物
等を含有しているので、土壌中に埋めたときには土壌の
改質性に優れる。 (10)使用済みの糞尿処理材を土に埋設すると、土壌
中の硝化細菌が糞尿処理材に含まれるアンモニア態窒素
から硝酸を製造し、製造された硝酸が糞尿処理材に含有
される重金属を流し出すとともに糞尿処理材を崩壊さ
せ、さらに土壌微生物や土壌動物の活動により糞尿が無
機成分に分解され、容易に泥化させることができリサイ
クル性に優れる。
【0012】ここで、燃焼灰としては、石炭発電やゴミ
発電,若しくは都市ゴミ焼却炉等の固体燃料を主として
使用する燃焼装置の石炭灰等が用いられる。好ましく
は、流動床燃焼装置や微粉炭燃焼装置等の燃焼装置にお
ける燃焼ガス流路で脱塵を行うサイクロンで捕捉された
サイクロン灰,サイクロンの下流の燃焼ガス流路に配設
されたセラミックチューブフィルタ(CTF)で捕捉さ
れたCTF灰,さらに下流の電気集塵機(EP)で捕捉
されたEP灰,煙突入口前のバグフィルタが配設された
バグハウス(BH)で捕捉されたBH灰等のフライアッ
シュ、流動床燃焼装置等の炉底部から抜き出されたベッ
ド灰等が用いられる。中でも、サイクロン灰やCTF灰
等のフライアッシュは粒径が細かく略球状の形状に調整
されているので、混練・造粒等の後処理が容易で好適に
用いられる。特に、加圧流動床燃焼装置で生成されたフ
ライアッシュは平均粒径が細かく反応性に富み、アルカ
リ金属塩やアルカリ土類金属塩との相互作用が増しゼオ
ライト様物質の生成量が多く、また、水と接触して(化
2)の反応により炭酸ガスを発生するので、製造時に糞
尿処理材の内部に気泡を形成するとともに外表面に凹部
を形成し、嵩密度と比表面積を適度のものにすることが
でき好ましい。
【化2】
【0013】セメント系固化材としては、ポルトランド
セメント,マグネシアセメント,シリカセメント,高炉
セメント,フライアッシュセメント,スラグセメント等
が用いられる。なお、セメント系固化材の凝結や硬化の
促進の目的で通常用いられるセメント用化学混和剤を添
加することもできる。
【0014】アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩とし
ては、塩化リチウム,塩化ナトリウム,塩化カリウム,
塩化ルビジウム,塩化セシウム,塩化マグネシウム,塩
化カルシウム,塩化ストロンチウム,塩化バリウム等の
塩化物、炭酸カリウム,炭酸カルシウム,炭酸マグネシ
ウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム等の硫酸塩等が用いら
れる。なお、アルカリ土類金属塩としては、塩化カルシ
ウムや炭酸カルシウム等のカルシウムを含有するものを
用いず、塩化マグネシウムや炭酸マグネシウム等を用い
るのが好ましい。カルシウムは尿素との作用により尿石
を生成し、生成された尿石は尿素の分解を促進する細菌
繁殖の温床となるため、アンモニアの発生量が増加し悪
臭が増すが、塩化マグネシウムや炭酸マグネシウム等
は、細菌繁殖の温床となる尿石を形成せずアンモニアの
発生量を増加させないからである。特に、塩化マグネシ
ウムは、潮解性を有し水に容易に溶解されるので、均一
混合し易く好適に用いられる。また、硫酸カルシウムを
混合した場合には、硫酸カルシウムの水和反応により、
セメント系固化材の強度が発現するまでの初期強度が得
られるため好ましい。
【0015】ゼオライトとしては、珪酸原子とアルミニ
ウム原子が3次元の網目状に結合し配列したテクトケイ
酸塩といわれる化学構造をとる鉱物が用いられ、天然に
産するものや工業的に製造されたNa−A型,Na−X
型,Na−P型,Li−A型等のものが用いられる。
【0016】なお、ペットや家畜としては、各家庭やペ
ット販売店,動物園,養豚場等の大規模な飼育場で飼育
されている猫,犬,ハムスター,モルモツト,兎,ねず
み,りす,猿,牛,豚,馬,鶏等が挙げられる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のペット及び家畜の糞尿処理材組成物であって、(a)
前記燃焼灰100重量部に対し、(b)前記セメント系
固化材0〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、よ
り好ましくは5〜10重量部と、(c)前記アルカリ金
属塩,前記アルカリ土類金属塩のいずれか1以上の配合
量が0〜20重量部、好ましくは1〜10重量部と、及
び/又は、前記ゼオライト0〜50重量部、好ましくは
10〜30重量部と、を含有した構成を有している。こ
の構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下の
ような作用が得られる。 (1)吸水性に優れ機械的強度に優れるので、交換頻度
が少なく作業性に優れる。 (2)イオン交換容量が大きいので、アンモニウムイオ
ンの吸着を行うことができ脱臭性に優れる。
【0018】ここで、セメント系固化材の含有率として
は、燃焼灰100重量部に対して0〜20重量部、好ま
しくは1〜15重量部、より好ましくは5〜10重量部
とされる。燃焼灰100重量部に対して5〜10重量部
のときは、糞尿処理材に最適な吸水性、機械的強度が得
られるので好ましい。1〜5重量部のときは糞尿処理材
の機械的強度が低下する傾向がみられ、10〜15重量
部のときは糞尿処理材の機械的強度は増すが吸水性が低
下し尿の吸収量が低下する傾向がみられるためやや好ま
しくない。0〜1重量部のときは燃焼灰の種類によって
は機械的強度が著しく低くなる傾向がみられ、15〜2
0重量部のときは燃焼灰の種類によっては吸水性が著し
く低下する傾向がみられるため好ましくない。特に、2
0重量部より大きくなると、この傾向が著しくなるため
好ましくない。
【0019】また、アルカリ金属塩,アルカリ土類金属
塩のいずれか1以上の配合量としては、燃焼灰100重
量部に対して0〜20重量部、好ましくは1〜10重量
部とされる。燃焼灰100重量部に対して1〜10重量
部のときは、糞尿処理材が最適なイオン交換容量を有し
良好な脱臭性が得られるので好ましい。1重量部より少
なくなるにつれ糞尿処理材の脱臭性が低下する傾向がみ
られ、10重量部より多くなるにつれ糞尿処理材のイオ
ン交換容量が増しアンモニウムイオンの吸収によってp
Hが高まり、それによって尿素のウレアーゼによる分解
が促進されてアンモニアの発生量が増加する傾向がみら
れるため好ましくない。特に、20重量部より多くなる
と、この傾向が著しくなるため好ましくない。
【0020】さらに、ゼオライトの含有率としては、燃
焼灰100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは
10〜30重量部とされる。燃焼灰100重量部に対し
て10〜30重量部のときは、糞尿処理材が最適なイオ
ン交換容量を有し良好な脱臭性が得られるとともに軽量
化を図ることができるので好ましい。10重量部より少
なくなるにつれ糞尿処理材の脱臭性が低下するとともに
重量感が増す傾向がみられ、30重量部より多くなるに
つれ糞尿処理材のイオン交換容量が増しアンモニウムイ
オンの吸収によってpHが高まり、それによって尿素の
ウレアーゼによる分解が促進されてアンモニアの発生量
が増加する傾向がみられるとともに機械的強度が低下す
る傾向がみられるため好ましくない。特に、50重量部
より多くなると、この傾向が著しくなるため好ましくな
い。
【0021】なお、ペット及び家畜の糞尿処理材組成物
によって得られるペット及び家畜の糞尿処理材のイオン
交換容量としては、5〜500meq/100g、好ま
しくは25〜90meq/100gとされる。イオン交
換容量が25〜90meq/100gのときは、最適な
アンモニウムイオン吸着能力が得られ糞中のウレアーゼ
による糞中物質の分解によるアンモニアを吸収するので
好ましい。イオン交換容量が25meq/100gより
小さくなるにつれ糞中物質の分解等によって発生するア
ンモニアの吸収が困難になり脱臭性が低下する傾向がみ
られ、90meq/100gより大きくなるにつれアン
モニウムイオンの吸収によってpHが高まり、それによ
って尿素のウレアーゼによる分解が促進されてアンモニ
アの発生量が増加する傾向がみられるため好ましくな
い。特に、イオン交換容量が5meq/100gより小
さくなるか、500meq/100gより大きくなる
と、これらの傾向が著しくなるためいずれも好ましくな
い。
【0022】本発明の請求項3に記載のペット及び家畜
の糞尿処理材の製造方法は、請求項1又は2に記載のペ
ット及び家畜の糞尿処理材組成物に水を添加して混練す
る混練工程と、前記混練工程で得られた混練物を造粒す
る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を養生す
る養生工程と、を備えた構成を有している。この構成に
より、以下のような作用が得られる。 (1)混合物に水を添加して混練する混練工程を有して
いるので、混合物の各粒子をほぐしながらその周囲を必
要最小限の水で濡らすことができるので、混練物の粒子
間の気泡をなくし水分量を少なくすることができ、その
後の造粒工程で高嵩密度の造粒物を得ることができる。
この高嵩密度の造粒物は、養生工程によって高い機械的
強度を発現し機械的強度に優れる。 (2)ペット及び家畜の糞尿処理材組成物がゼオライト
様物質の生成のために水酸化ナトリウム等を含有してい
ないので、水酸化ナトリウム等を用いてゼオライトを生
成する場合に必要な還流冷却をしながらの加熱や固液分
離をしながらの水洗等の工程が不要で作業性に優れる。
【0023】ここで、混練工程で用いられる混練装置と
しては、シンプソンミル,ウェットパンミル,スピード
マラー等のホイール型、回転ミル等のボール型、タービ
ュライザ,フロージェット等のブレード型、ロールミキ
サ,バンバリミキサ等のロール型等が用いられる。な
お、混練工程における水の添加量は、燃焼灰とセメント
系固化材の合計100重量部に対し10〜100重量部
が好ましいとされる。10重量部より少なくなるにつれ
混練が困難になり混合ムラが生じたり固化物の仕上がり
が悪くなる傾向がみられ、100重量部より多くなるに
つれ固化時にひび割れが生じやすくなるとともに固化後
の吸水性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ま
しくない。
【0024】混練工程で得られた混練物は造粒工程で造
粒され、所定の形状と粒子径を有する造粒物が形成され
る。造粒工程で用いられる造粒装置としては、回転皿や
回転円筒等を有する転動造粒装置が好適に用いられる。
【0025】養生工程においては、造粒物は、温度10
〜40℃、相対湿度50〜100%で、又は温度40〜
120℃、相対湿度100%等の環境下で養生されるの
が好ましく、水和反応が促進され表面に気孔が形成され
るとともにセメント系固化材によって強度が発現されて
固化物が生成される。
【0026】ここで、養生工程で得られた固化物の嵩密
度としては、0.3〜0.9g/cm3が好ましいとさ
れる。嵩密度が0.3g/cm3より小さくなるにつれ
ペットや家畜の足が埋まり込んだり周囲に散乱し易くな
る傾向がみられ、0.9g/cm3より大きくなるにつ
れ吸水性が低下するとともに粒子間の隙間が小さくなり
糞尿の分離に時間を要する傾向がみられ、糞中のウレア
ーゼが尿素を分解しアンモニアを発生させ易くなる傾向
がみられるため好ましくない。
【0027】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
3に記載のペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法であ
って、前記養生工程で得られる固化物のpHを調整する
pH調整工程を備えた構成を有している。この構成によ
り、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用
が得られる。 (1)pH調整工程を有しているのでpHを最適にする
ことができ、アルカリによるペットや家畜の足の裏に対
する刺激を少なくすることができる。 (2)また、pHを最適にすることで、ウレアーゼの活
性を鈍くし尿素の分解反応を抑制しアンモニアの発生量
を抑制することができ防臭性を高めることができる。
【0028】ここで、pH調整工程では、(a)固化物
を水洗しpHを低下させる水洗方法、(b)固化物を酸
処理しpHを低下させる酸処理方法、(c)固化物を屋
外に放置し雨等に曝しpHを低下させる自然放置方法、
(e)固化物を浸した水中に空気を吹き込み、吹き込ま
れた空気(気泡)に含有される炭酸ガスでpHを低下さ
せる曝気方法等が用いられる。なかでも、酸処理のため
の排水処理設備等を要さず短期間で所定のpHに低下さ
せることができる曝気方法が好ましく用いられる。曝気
方法としては、水中の固化物に気泡を直接吹き付ける直
接曝気方法や、固化物の浸された水槽と曝気を行い溶存
空気量の多い水を製造する水槽とを分離し、溶存空気量
の多い水を固化物の浸された水槽に流入させる分離曝気
方法を用いることができる。分離曝気方法は、直接曝気
方法に比べて、固化物同士の衝突による粉化が起こり難
いため好適に用いられる。
【0029】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
3又は4に記載のペット及び家畜の糞尿処理材の製造方
法であって、前記養生工程で得られる固化物の形状が、
略球状等の角部を有さない形状又は角部が丸みを帯びた
形状を有し、平均粒径が、0.1〜10mm、好ましく
は0.5〜8mm、より好ましくは1.5〜5mmであ
る構成を有している。この構成により、請求項3又は4
で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。 (1)固化物が、略球状等の角部を有さない形状又は角
部が丸みを帯びた形状を有しているため、敏感な猫等の
足の裏に刺激を与えたり傷付けたりすることがなく、猫
等が好んでその上に乗って糞尿を行うのでペットや家畜
の糞尿処理材として最適である。 (2)猫は排泄した糞を、足の裏で周囲の砂を蹴って埋
めて隠そうとする習性があるが、固化物の平均粒径が
0.1〜10mmなので、猫が蹴り易く糞を埋め易い大
きさであり、また、蹴ったときに飛散しないのでペット
や家畜の糞尿処理材として最適である。 (3)固化物の平均粒径が0.1〜10mmなので、敷
き詰めたときに粒子間に適度の大きさの隙間を形成させ
ることができる。そのため、排泄された糞尿のうち尿は
粒子間の隙間を通って下部に流れ、糞が上部に残るの
で、短時間で糞と尿を分離することができる。これによ
り、糞中に含有されるウレアーゼと尿中に含有される尿
素との分解反応が起こり難く、アンモニアの発生量を抑
制することができ防臭性に優れる。
【0030】ここで、角部を有さない形状としては、略
球状の他、略円筒部の中央部が膨らんだ略俵状,略円筒
部の中央部に凹みが形成された略繭型状等が用いられ
る。角部が丸みを帯びた形状としては、略円柱状,略多
角柱状,略円錐状,略多角錐状等の角部が尖らないよう
に丸みを帯びた形状に形成されたものが用いられる。
【0031】平均粒径としては、0.1〜10mm、好
ましくは0.5〜8mm、より好ましくは1.5〜5m
mとされる。平均粒径が1.5〜5mmのときは、ペッ
ト等が蹴り易く糞を埋め易い大きさであり、また、蹴っ
たときに飛散せず、さらに、敷き詰めたときに粒子間に
形成される隙間の大きさが最適で短時間で糞と尿との分
離ができ好ましい。平均粒径が0.5〜1.5mmのと
きは、粒子間に形成される隙間の大きさが小さく糞と尿
との分離に時間を要する傾向がみられ、5〜8mmのと
きはペット等が糞を埋め難くなり糞尿の排泄のために近
寄り難くなる傾向がみられるため好ましくない。平均粒
径が0.1〜0.5mmのときは、散乱し易くなり掃除
に手間がかかる傾向がみられ、8〜10mmのときは小
さなペットになると粒子間の隙間に足が埋まり込み易く
なる傾向がみられるため好ましくない。特に、0.1m
mよりも小さくなるか10mmよりも大きくなるとこれ
らの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。な
お、平均粒径としては、3軸径の短径が用いられる。ま
た、養生工程後の固化物を分級して、0.1〜10m
m、好ましくは0.5〜8mm、より好ましくは1.5
〜5mmの範囲にすることもできる。
【0032】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
4又は5に記載のペット及び家畜の糞尿処理材の製造方
法であって、前記pH調整工程で、pHが6〜12好ま
しくは7〜10に調整された構成を有している。この構
成により、請求項4又は5で得られる作用に加え、以下
のような作用が得られる。 (1)pHが6〜12好ましくは7〜10に調整されて
いるので、アルカリによるペットや家畜の足の裏に対す
る刺激が少なく、ペットや家畜の糞尿処理材として最適
である。 (2)pHが6〜12好ましくは7〜10に調整されて
いるので、ウレアーゼの活性が鈍く尿素の分解反応が抑
制されアンモニアの発生量を抑制することができ防臭性
に優れる。
【0033】ここで、pHは6〜12好ましくは7〜1
0に調整される。pHが7〜10のときは、アルカリに
よるペットや家畜の足の裏に対する刺激が少なく、また
ウレアーゼによる尿素の分解反応を抑制しアンモニアの
発生量を抑制することができ防臭性に優れ好ましい。p
Hが7より小さくなるにつれ燃焼灰に含有されるTiや
Zn等の抗菌性物質が溶出し抗菌性が低下する傾向がみ
られ、10より高くなるにつれアルカリによる刺激が高
まるとともに、ウレアーゼによる尿素の分解反応が進行
しアンモニアの発生が増加する傾向がみられるため好ま
しくない。特に、6より小さくなるか12より大きくな
るとこれらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましく
ない。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (実施例1)燃焼灰として石炭発電燃焼装置の(表1)
に示す石炭灰100重量部と、セメント系固化材として
ポルトランドセメント9重量部と、アルカリ土類金属塩
として塩化マグネシウム8重量部とを混合した後、この
混合物に純水40重量部を添加しながらシンプソンミ
ル,タービュライザ等の混練装置を用いて十分混練し
た。
【表1】 混練された混練物を転動造粒装置を用いて平均粒径が
0.1〜10mmの略球状の形状を有する造粒物を得
た。この造粒物を温度95℃、相対湿度100%の雰囲
気中で12時間養生を行った後、得られた固化物のpH
調整を行った。pH調整は、固化物を水槽に浸し、曝気
によって製造された溶存空気量の多い水を固化物の浸さ
れた水槽に流入させる分離曝気によって行った。このp
H調整の結果、pH調整前の初期のpH12が9まで低
下した。pH調整後、200℃で2時間乾燥してペット
及び家畜の糞尿処理材を得た。このペット及び家畜の糞
尿処理材のイオン交換容量は18.6meq/100
g、嵩密度は0.83g/cm3であった。
【0035】(実施例2)燃焼灰として(表1)に示す
71MW加圧流動層燃焼装置のセラミックチューブフィ
ルタ(CTF)で捕捉された粒子径75μm以下のCT
F灰100重量部と、Na−A型ゼオライト30重量部
とを混合した後、この混合物に純水45重量部を添加し
ながら、シンプソンミル,タービュライザ等の混練装置
を用いて十分混練した。混練された混練物を転動造粒装
置を用いて平均粒径が0.1〜10mmの略球状の形状
を有する造粒物を得た。この造粒物を温度95℃、相対
湿度100%の雰囲気中で12時間養生を行った後、得
られた固化物のpH調整を行った。pH調整は、固化物
を水槽に浸し水槽の水を交換しながら水洗しpHを低下
させる水洗方法によって行った。このpH調整の結果、
pH調整前の初期のpH12が9.4まで低下した。p
H調整後、200℃で2時間乾燥してペット及び家畜の
糞尿処理材を得た。このペット及び家畜の糞尿処理材の
イオン交換容量は23.7meq/100g、嵩密度は
0.76g/cm3であった。
【0036】(猫の糞尿処理)実施例1及び実施例2で
得られたペット及び家畜の糞尿処理材をペット用トイレ
(箱型容器)内に入れて10cmの厚さに敷き詰め、猫
の糞尿処理材として用いた。猫は糞尿処理材の上に糞尿
を排泄したが、1週間経過してもアンモニア臭もなく、
ハエ等の害虫も寄り付かなかった。1週間後、糞の付着
した糞尿処理材を除去し、それ以外の糞尿処理材は水洗
して乾燥した後再び糞尿処理材として用いた。糞が付着
して除去したために厚みが不足した場合は、新たな糞尿
処理材を補充した。これを繰り返し行ったが、数週間経
過後もアンモニア臭がなく、ハエ等の害虫も寄り付かな
かった。
【0037】(モルモットの糞尿処理)実施例1及び実
施例2で得られたペット及び家畜の糞尿処理材をペット
用トイレ(箱型容器)内に入れて3cmの厚さに敷き詰
め、その上におが屑を2cmの厚さに敷きモルモットの
糞尿処理材として用いた。おが屑は1週間毎に交換し、
糞尿処理材は1週間毎に水洗し乾燥後再使用した。数週
間経過してもアンモニア臭はなかった。 (比較例)おが屑をペット用トイレ(箱型容器)内に入
れて5cmの厚さに敷き詰め、モルモットの糞尿処理材
として用いた。おが屑はその全量を毎日交換しても、ア
ンモニア臭がひどかった。
【0038】(鶏の糞尿処理)実施例1及び実施例2で
得られたペット及び家畜の糞尿処理材を鶏舎に10cm
の厚さに敷き詰め、鶏の糞尿処理材として用いた。毎
日、糞尿の付着した部分だけを松葉箒で除去した。数週
間経過しても悪臭はなかった。
【0039】(使用済みの糞尿処理材について)猫用の
ペット用トイレで数週間使用した実施例1及び実施例2
で得られたペット及び家畜の糞尿処理材を、土壌中に埋
設したところ、約1週間で崩壊され泥状化された。糞尿
処理材が泥状化された土壌中には、ミミズ等の土壌動物
も生息していた。以上のように本発明のペット及び家畜
の糞尿処理材によれば、糞尿処理材の交換頻度が著しく
減少するとともに、アンモニア臭もなく快適性に優れ、
また、ハエ等の害虫も寄り付かず清潔性に優れることが
明らかになった。さらに、使用済みの糞尿処理材を土壌
中に埋設しておくと容易に崩壊されて泥状化されるとと
もに、ミミズ等の土壌動物も生息できることから、リサ
イクル性に優れることが明らかになった。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明のペット及び家畜
の糞尿処理材組成物及びペット及び家畜の糞尿処理材の
製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られ
る。請求項1に記載の発明によれば、 (1)燃焼灰を有しているので、燃焼灰に含有されるZ
nOや紫外線との作用で高い抗菌性を有するTiO2
の抗菌性物質が、糞尿処理材に付着した糞尿による雑菌
や蛆等の害虫の繁殖を防止し清潔性に優れたペット及び
家畜の糞尿処理材を実現できるペット及び家畜の糞尿処
理材組成物を提供することができる。 (2)セメント系固化材を有しているので、糞尿処理材
がペットや家畜に踏みつけられても粉化しないだけの機
械的強度を有し取扱性に優れたペット及び家畜の糞尿処
理材を実現できるペット及び家畜の糞尿処理材組成物を
提供することができる。 (3)セメント系固化材を有しているので硬化後は水に
不溶で、糞尿処理材を水洗することができ、周囲に付着
している糞尿を水洗して除去すれば何度でも再利用可能
で省資源性に優れたペット及び家畜の糞尿処理材を実現
できるペット及び家畜の糞尿処理材組成物を提供するこ
とができる。 (4)セメント系固化材によって固化された燃焼灰は吸
水性に優れるので、糞尿処理材は頻繁に交換しなくても
糞尿を処理することができ、交換頻度が少なく作業性に
優れたペット及び家畜の糞尿処理材を実現できるペット
及び家畜の糞尿処理材組成物を提供することができる。 (5)燃焼灰粒子がセメント系固化材によって固着され
ているので、糞尿処理材の表面に燃焼灰による微細な凹
凸が形成され、ペットや家畜の足の裏に付着し難く、ま
た付着しても容易に除去することができるので周囲に散
乱せず清潔性や快適性に優れたペット及び家畜の糞尿処
理材を実現できるペット及び家畜の糞尿処理材組成物を
提供することができる。 (6)アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を有して
いるので、珪酸,アルミニウムを含有する燃焼灰との相
互作用で、糞尿処理材はイオン交換容量を有するゼオラ
イト様物質が生成され、又はゼオライトを含有し、アン
モニウムイオンの吸着能が高く脱臭性に優れたペット及
び家畜の糞尿処理材を実現できるペット及び家畜の糞尿
処理材組成物を提供することができる。 (7)ゼオライトを含有させることで軽量化を図ること
ができ、搬送性と生産性に優れたペット及び家畜の糞尿
処理材を実現できるペット及び家畜の糞尿処理材組成物
を提供することができる。 (8)燃焼灰とアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩と
の相互作用によって生成されたゼオライト様物質やゼオ
ライトが、糞中のウレアーゼによる糞中物質の分解によ
るアンモニウムイオンの吸収を行い、吸収されたアンモ
ニアはニトロソモナス属やニトロバクター属等の硝化細
菌により硝酸イオンに分解される。これにより糞尿処理
材のpHが低下するので、ウレアーゼの活性が鈍りそれ
による尿素の分解によるアンモニアの発生が抑制され防
臭性に優れたペット及び家畜の糞尿処理材を実現できる
ペット及び家畜の糞尿処理材組成物を提供することがで
きる。 (9)ペットの糞尿が付着・浸透した使用済みの糞尿処
理材は、土壌の改質に有用な尿素,アンモニア,有機物
等を含有しているので、土壌中に埋めたときには土壌の
改質性に優れたペット及び家畜の糞尿処理材を実現でき
るペット及び家畜の糞尿処理材組成物を提供することが
できる。 (10)使用済みの糞尿処理材を土に埋設すると、土壌
中の硝化細菌が糞尿処理材に含まれるアンモニア態窒素
から硝酸を製造し、製造された硝酸が糞尿処理材に含有
される重金属を流し出すとともに糞尿処理材を崩壊さ
せ、さらに土壌微生物や土壌動物の活動により糞尿が無
機成分に分解され、容易に泥化させることができリサイ
クル性に優れたペット及び家畜の糞尿処理材を実現でき
るペット及び家畜の糞尿処理材組成物を提供することが
できる。
【0041】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、 (1)吸水性に優れ機械的強度に優れるので、交換頻度
が少なく作業性に優れたペット及び家畜の糞尿処理材を
実現できるペット及び家畜の糞尿処理材組成物を提供す
ることができる。 (2)イオン交換容量が大きいので、アンモニウムイオ
ンの吸着を行うことができ脱臭性に優れたペット及び家
畜の糞尿処理材を実現できるペット及び家畜の糞尿処理
材組成物を提供することができる。
【0042】請求項3に記載の発明によれば、 (1)混合物に水を添加して混練する混練工程を有して
いるので、混合物の各粒子をほぐしながらその周囲を必
要最小限の水で濡らすことができるので、混練物の粒子
間の気泡をなくし水分量を少なくすることができ、その
後の造粒工程で高嵩密度の造粒物を得ることができる。
この高嵩密度の造粒物は、養生工程によって高い機械的
強度を発現し機械的強度に優れたペット及び家畜の糞尿
処理材の製造方法を提供することができる。 (2)ペット及び家畜の糞尿処理材組成物がゼオライト
様物質の生成のために水酸化ナトリウム等を含有してい
ないので、水酸化ナトリウム等を用いてゼオライトを生
成する場合に必要な還流冷却をしながらの加熱や固液分
離をしながらの水洗等の工程が不要で作業性に優れたペ
ット及び家畜の糞尿処理材の製造方法を提供することが
できる。
【0043】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の効果に加え、 (1)pH調整工程を有しているのでpHを最適にする
ことができ、アルカリによるペットや家畜の足の裏に対
する刺激の少ないペット及び家畜の糞尿処理材の製造方
法を提供することができる。 (2)また、pHを最適にすることで、ウレアーゼの活
性を鈍くし尿素の分解反応を抑制しアンモニアの発生量
を抑制することができ防臭性に優れたペット及び家畜の
糞尿処理材の製造方法を提供することができる。
【0044】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
又は4の効果に加え、 (1)略球状等の角部を有さない形状又は角部が丸みを
帯びた形状を有しているため、敏感な猫等の足の裏に刺
激を与えたり傷付けたりすることがなく、猫等が好んで
その上に乗って糞尿を行うのでペットや家畜にとって最
適なペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法を提供する
ことができる。 (2)猫は排泄した糞を、足の裏で周囲の砂を蹴って埋
めて隠そうとする習性があるが、平均粒径が0.1〜1
0mmなので、猫が蹴り易く糞を埋め易い大きさであ
り、また、蹴ったときに飛散しないのでペットや家畜に
とって最適なペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法を
提供することができる。 (3)平均粒径が0.1〜10mmなので、敷き詰めた
ときに粒子間に適度の大きさの隙間を形成させることが
できる。そのため、排泄された糞尿のうち尿は粒子間の
隙間を通って下部に流れ、糞が上部に残るので、短時間
で糞と尿を分離することができる。これにより、糞中に
含有されるウレアーゼと尿中に含有される尿素との分解
反応が起こり難く、アンモニアの発生量を抑制すること
ができ防臭性に優れたペット及び家畜の糞尿処理材の製
造方法を提供することができる。
【0045】請求項6に記載の発明によれば、請求項4
又は5の効果に加え、 (1)pHが6〜12好ましくは7〜10に調整されて
いるので、アルカリによるペットや家畜の足の裏に対す
る刺激の少ないペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法
を提供することができる。 (2)pHが6〜12好ましくは7〜10に調整されて
いるので、ウレアーゼの活性が鈍く尿素の分解反応が抑
制されアンモニアの発生量を抑制することができ防臭性
に優れたペット及び家畜の糞尿処理材の製造方法を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入田 真由美 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 上田 八郎 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 願能 邦広 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 鈴木 隆史 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 松本 雅治 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 室伏 伸孝 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 Fターム(参考) 2B101 AA01 AA07 AA20 GB07 GB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)燃焼灰と、(b)セメント系固化
    材と、(c)アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,ゼ
    オライトのいずれか1種以上と、を含有していることを
    特徴とするペット及び家畜の糞尿処理材組成物。
  2. 【請求項2】 (a)前記燃焼灰100重量部に対し、
    (b)前記セメント系固化材0〜20重量部、好ましく
    は1〜15重量部、より好ましくは5〜10重量部と、
    (c)前記アルカリ金属塩,前記アルカリ土類金属塩の
    いずれか1以上の配合量が0〜20重量部、好ましくは
    1〜10重量部と、及び/又は、前記ゼオライト0〜5
    0重量部、好ましくは10〜30重量部と、を含有して
    いることを特徴とする請求項1に記載のペット及び家畜
    の糞尿処理材組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のペット及び家畜
    の糞尿処理材組成物に水を添加して混練する混練工程
    と、 前記混練工程で得られた混練物を造粒する造粒工程と、 前記造粒工程で得られた造粒物を養生する養生工程と、 を備えていることを特徴とするペット及び家畜の糞尿処
    理材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記養生工程で得られる固化物のpHを
    調整するpH調整工程を備えていることを特徴とする請
    求項3に記載のペット及び家畜の糞尿処理材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記養生工程で得られる固化物の形状
    が、略球状等の角部を有さない形状又は角部が丸みを帯
    びた形状を有し、平均粒径が、0.1〜10mm、好ま
    しくは0.5〜8mm、より好ましくは1.5〜5mm
    であることを特徴とする請求項3又は4に記載のペット
    及び家畜の糞尿処理材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記pH調整工程で、pHが6〜12好
    ましくは7〜10に調整されていることを特徴とする請
    求項4又は5の内いずれか1に記載のペット及び家畜の
    糞尿処理材の製造方法。
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