JP2003023816A - 植物体の滅菌方法 - Google Patents

植物体の滅菌方法

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JP2003023816A
JP2003023816A JP2001212290A JP2001212290A JP2003023816A JP 2003023816 A JP2003023816 A JP 2003023816A JP 2001212290 A JP2001212290 A JP 2001212290A JP 2001212290 A JP2001212290 A JP 2001212290A JP 2003023816 A JP2003023816 A JP 2003023816A
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sterilization
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seeds
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Mamoru Masuda
守 増田
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Japan Science and Technology Agency
Sugimura Chemical Industrial Co Ltd
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Japan Science and Technology Corp
Sugimura Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】植物体の滅菌を短時間に行うことができるとと
もに、籾殻付きの種子をも短時間に滅菌し得る滅菌方法
を提供する。 【解決手段】植物の種子、茎、葉等の植物体を滅菌液に
浸漬する滅菌処理工程を備え、前記植物体を前記滅菌液
に浸漬することにより前記植物体を滅菌処理する植物体
の滅菌方法であって、前記滅菌処理工程における植物体
が浸漬されている滅菌液に超音波を付与する方式を採
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の種子、茎、
葉等の植物体を滅菌するための植物体の滅菌方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】植物の種子、茎、葉等の植物体またはそ
の一部を供試料として組織培養し、或いは遺伝子操作す
る分野では、供試料として無菌状態の植物体が不可欠で
ある。このため、当該供試料である植物体を提供するた
めに、植物体を滅菌処理することが行われている。ま
た、植物の種子を直接播種する場合においても、播種す
る種子として無菌状態の種子を採用すれば、その後の病
害虫の発生の予防に有利であり、農薬の使用を低減する
ことができる。このため、無菌状態の種子を提供するた
めに、種子を滅菌処理することが多い。
【0003】植物体を滅菌処理する従来の方法は、基本
的には、植物体を滅菌液に浸漬して滅菌処理するもので
ある。滅菌処理に使用される滅菌液としては、一般に、
次亜塩素酸ナトリウムの希薄水溶液が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の植物
体の滅菌方法は、植物体を滅菌液に浸漬して滅菌処理す
るにすぎないことから、植物体を十分に滅菌するには相
当の時間を要している。特に、籾殻付きの種子の場合に
は、籾殻と種子の実との間に空気層が介在していて、空
気層が滅菌液の種子の実に対する接触を遮断することか
ら、従来の滅菌方法では、籾殻付きの種子を完全に滅菌
することは容易ではなかった。
【0005】従って、本発明の目的は、植物体の滅菌を
短時間に行うことができるとともに、籾殻付きの種子を
も短時間に滅菌し得る滅菌方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物の種子、
茎、葉等の植物体の滅菌方法に関するもので、本発明に
係る第1の滅菌方法は、植物体を滅菌液に浸漬する滅菌
処理工程を備え、前記植物体を前記滅菌液に浸漬するこ
とにより、前記植物体を滅菌処理する植物体の滅菌方法
であって、前記滅菌処理工程における植物体が浸漬され
ている滅菌液に超音波を付与することを特徴とするもの
である。
【0007】また、本発明に係る第2の滅菌方法は、植
物体をアルコール液に浸漬する洗浄処理工程と、前記植
物体を滅菌液に浸漬する滅菌処理工程を備え、前記植物
体を前記アルコール液に浸漬して洗浄し、次いで、洗浄
処理された植物体を前記滅菌液に浸漬することにより、
前記植物体を滅菌処理する植物体の滅菌方法であって、
前記滅菌処理工程における植物体が浸漬されている滅菌
液に超音波を付与することを特徴とするものである。当
該滅菌方法においては、前記洗浄処理工程における植物
が浸漬されているアルコール液にも超音波を付与するよ
うにすることができる。
【0008】また、本発明に係る第3の滅菌方法は、植
物体をアルコール液に浸漬する洗浄処理工程と、前記植
物体を滅菌液に浸漬する滅菌処理工程と、前記植物体を
無菌水にて洗浄する第2の洗浄処理工程を備え、前記植
物体を前記アルコール液に浸漬して洗浄し、次いで、洗
浄処理された植物体を前記滅菌液に浸漬して滅菌処理
し、その後、滅菌処理された植物体を無菌水にて洗浄処
理する植物体の滅菌方法であって、前記滅菌処理工程に
おける植物体が浸漬されている滅菌液に超音波を付与す
ることを特徴とするものである。当該滅菌方法において
は、前記洗浄処理工程における植物が浸漬されているア
ルコール液にも超音波を付与するようにすることができ
る。
【0009】
【発明の作用・効果】本発明に係る各滅菌方法は、基本
的には、植物体を滅菌液に浸漬する滅菌処理工程におい
て、植物体が浸漬されている滅菌液に超音波を付与する
ものである。このような滅菌方法においては、滅菌液に
付与された超音波は、滅菌液を介して植物体に伝達され
て、植物体を振動させて植物体の表面を被覆している空
気層を飛散させて、植物体の表面を滅菌液に直接露呈さ
せる。また、超音波は滅菌液を振動させて、滅菌液を植
物体の表面に無数の超微小粒子状態で衝突させる。この
ため、滅菌液は植物体の表面に万遍なく、迅速かつ十分
に接触されて、植物体を短時間に十分に滅菌する。
【0010】このように、当該滅菌方法では、滅菌液に
超音波を付与することにより、滅菌液に伝達される超音
波振動を有効に利用するものであり、植物の種子、茎、
葉等に対しては極めて短時間で十分に滅菌することがで
きる。この効果は、籾殻付きの種子に対しても奏するこ
とができるもので、当該種子に付与される超音波振動
は、籾殻と種子の実との間に介在する空気層を飛散また
は分裂するとともに、滅菌液を無数の超微小粒子状態で
籾殻の表面に衝突させて、滅菌液を籾殻の表面から内部
に浸透させる。このため、籾殻付きの種子についても、
短時間で十分に滅菌することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る滅菌方法は、基本的
には、植物の種子、茎、葉等の植物体を滅菌液に浸漬す
る滅菌処理工程において、植物体が浸漬されている滅菌
液に超音波を付与するものであるが、当該処理方法は、
下記に示す各方式の滅菌方法にそれぞれ適用されるもの
である。
【0012】すなわち、当該処理方法が適用される滅菌
方法の第1は、植物体を滅菌液に浸漬する滅菌処理工程
を備え、植物体を滅菌液に浸漬することにより滅菌処理
する方式の滅菌方法(第1の滅菌方法)である。
【0013】また、当該処理方法が適用される滅菌方法
の第2は、植物体をアルコール液に浸漬する洗浄処理工
程と、植物体を滅菌液に浸漬する滅菌処理工程を備え、
植物体を前記アルコール液に浸漬して洗浄し、次いで、
洗浄処理された植物体を滅菌液に浸漬することにより植
物体を滅菌処理する方式の滅菌方法(第2の滅菌方法)
である。
【0014】また、当該処理方法が適用される滅菌方法
の第3は、植物体をアルコール液に浸漬する洗浄処理工
程と、植物体を滅菌液に浸漬する滅菌処理工程と、植物
体を無菌水にて洗浄する第2の洗浄処理工程を備え、植
物体をアルコール液に浸漬して洗浄し、次いで、洗浄処
理された植物体を滅菌液に浸漬して滅菌処理し、その
後、滅菌処理された植物体を無菌水にて洗浄処理する方
式の滅菌方法(第3の滅菌方法)である。
【0015】これらの方式の滅菌方法のうち、第2の滅
菌方法および第3の滅菌方法においては、滅菌処理工程
における植物体が浸漬されている滅菌液に超音波を付与
する手段を採ることは不可欠であるが、洗浄処理工程に
おける植物が浸漬されているアルコール液に超音波を付
与するようにすることもできる。
【0016】本発明に係る滅菌方法で採用する滅菌液
は、植物の種子等の滅菌に使用されている公知のもので
よく、例えば、次亜塩素酸ナトリウムを主要成分とする
水溶液が好ましい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を主要
成分とする滅菌液の代表例は、アロンクリンという商品
名(東亜合成株式会社製)で広く市販されている。アロ
ンクリン(以下アンチホルミンという)は、有効塩素濃
度が12wt%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液であ
る。
【0017】当該滅菌方法では、例えば、アンチホルミ
ンを、滅菌の対象する植物体に応じて適宜の濃度に希釈
して使用する。適宜の濃度に調製されたアンチホルミン
は、処理槽に収容されて、滅菌処理工程が構成される。
滅菌処理工程では、植物体を処理槽内の滅菌液に浸漬し
て、処理槽の外側に配設されている超音波発振器を駆動
して、処理槽内の滅菌液に超音波を付与する。これによ
り、滅菌処理工程においては、滅菌液および植物体に超
音波振動が付与されて、植物体は効果的に滅菌処理され
る。
【0018】なお、本発明に係る滅菌方法では、滅菌処
理に先だって、植物体をアルコール液例えばエタノール
に浸漬して洗浄する公知の洗浄処理工程を付加すること
ができ、さらには、滅菌処理された植物を無菌水で洗浄
する第2の洗浄処理工程を付加することができるが、こ
れらの洗浄処理工程を付加する滅菌方法においては、植
物体が浸漬するアルコール液に超音波を付与するように
することができる。これにより、アルコール液による植
物体の洗浄効果の向上を図り、次工程である滅菌処理工
程での滅菌効果を一層向上させることができる。
【0019】このように、本発明に係る各滅菌方法にお
ける滅菌処理工程では、植物体が浸漬されている滅菌液
に超音波を付与するものであり、滅菌液に超音波を付与
すると、超音波は滅菌液を介して植物体に伝達され、植
物体を振動させて植物体の表面を被覆している空気層を
飛散させて、植物体の表面を滅菌液に直接露呈させるこ
とになる。また、超音波は滅菌液を振動させて、滅菌液
を植物体の表面に無数の超微小粒子状態で衝突させる。
このため、滅菌液は植物体の表面に万遍なく十分に接触
して、植物体を短時間に十分に滅菌する。
【0020】このため、本発明に係る滅菌方法では、滅
菌液に超音波を付与することにより、滅菌液に伝達され
る超音波振動を有効に利用して、植物の種子、茎、葉等
に対して極めて短時間で十分な滅菌効果を得ることがで
きる。この効果は、籾殻付きの種子に対しても十分に奏
することができるもので、籾殻付きの種子に付与される
超音波振動は、籾殻と種子の実との間に介在する空気層
を飛散または分裂するとともに、滅菌液を無数の超微小
粒子状態で籾殻の表面に衝突させて、滅菌液を籾殻の表
面から内部に浸透させる。このため、籾殻付きの種子に
ついても、短時間で十分に滅菌することができる。
【0021】
【実施例】本実施例では、植物体として、ノシバ種子、
タカノツメの茎および葉の一部、グロキシニアの茎およ
び葉の一部を滅菌処理して、本発明に係る滅菌方法の作
用効果を確認する実験(実験1,2,3)を試みた。各
実験に供した試料(供試料)、滅菌処理に採用した滅菌
液、洗浄処理に採用したアルコール液、および、供試料
の培養に採用した培地は下記の通りのものである。
【0022】すなわち、ノシバ種子、タカノツメ苗およ
びグロキシニア苗は市販品を使用し、植物体を培養する
培地を構成する物質は、MS培地(Life Tech
nologies製)、スクロース(和光純薬工業株式
会社製の特級)、イナアガー(伊那食品株式会社製の寒
天)を使用した。また、滅菌処理工程で使用した滅菌液
は、アンチホルミン(東亜合成株式会社製の次亜塩素酸
ナトリウム水溶液、有効塩素濃度12wt%)であり、
洗浄処理工程で使用したアルコール液はエタノール(甘
糟化学産業株式会社製、一級)である。
【0023】また、本実施例の各実験において、滅菌処
理後の植物体を取り扱う器具、装置、培地等の全てのも
のは、殺菌灯による紫外線照射、火炎処理、オートクレ
ーブによる加圧蒸気処理等の方法により適宜に滅菌処理
している。
【0024】(実験1):本実験は、ノシバ種子の滅菌
処理を行って、滅菌処理の効果を確認するとともに、滅
菌処理の発芽に及ぼす影響を確認するものである。
【0025】本実験では、滅菌方法として、ノシバ種子
(以下単に種子という)をエタノール水溶液に浸漬する
洗浄処理工程と、種子をアンチホルミンに浸漬する滅菌
処理工程と、種子を無菌水にて洗浄する第2の洗浄処理
工程を備えた上記した第3の滅菌方法を採用して、種子
をエタノールに浸漬して洗浄し、次いで、洗浄処理され
た種子をアンチホルミンに浸漬して滅菌処理し、その
後、滅菌処理された種子を無菌水にて洗浄処理した。
【0026】滅菌処理工程で使用したアンチホルミン
は、次亜塩素酸ナトリウムを主要成分とする水溶液で有
効塩素濃度が12wt%のものであり、この濃度のアン
チホルミンを濃度100%の基準濃度として、濃度10
0%のアンチホルミン、無菌水で希釈した濃度80%、
濃度60%、濃度40%、濃度20%の各アンチホルミ
ンの5種類の濃度のアンチホルミンを調製して使用し
た。
【0027】なお、第2の洗浄処理工程で使用した無菌
水は、超純水を煮沸する等の手段で殺菌処理したもので
あり、また、洗浄処理工程で使用したエタノールは濃度
70wt%のものである。
【0028】本実験では、30個の種子からなる種子を
大きさの異なる2個の茶漉しに挟んで収容して形成した
種子群を60群用意するとともに、濃度が100%、8
0%、60%、40%、20%の各濃度のアンチホルミ
ンを収容した5槽の処理槽を用意して、6個の種子群毎
に滅菌処理に付した。各濃度のアンチホルミンの特性を
表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】洗浄処理工程では、6個の種子群を一単位
として、第1種子群〜第5種子群をエタノールに2分間
浸漬して、この間、エタノールに80Wの高周波出力の
超音波発振器から発信周波数38kHzの超音波をエタ
ノールに付与した。これにより、種子に付着する埃や油
分を洗浄した。
【0031】次いで、エタノールで洗浄処理された第1
種子群を濃度20%のアンチホルミンに、第2種子群を
濃度40%のアンチホルミンに、第3種子群を濃度60
%のアンチホルミンに、第4種子群を濃度80%のアン
チホルミンに、第5種子群を濃度100%のアンチホル
ミンに、それぞれ10分〜60分の範囲で異なる時間浸
漬して、この間、アンチホルミンに対して、洗浄処理と
同様の超音波(発信周波数38kHz)を付与した。
【0032】最後に、第2の洗浄処理工程では、各時間
浸漬処理された各群の種子群を浸漬処理終了後直ちに、
無菌水で繰り返し3回洗浄した。洗浄した種子について
は、予め滅菌しておいた濾紙に広げて、滅菌してあるピ
ンセットを使用して培地に播種して培養した。
【0033】培養実験では、オートクレーブ内で120
℃、20分間滅菌した培地を、径60mmのシャーレに
約8ml収容して培地プレートを形成し、当該培地プレ
ート上で、無菌状態の明雰囲気下で、温度23℃、湿度
55%で21日間培養した。なお、採用した培地は、M
S培地にスクロースとアガーを添加して調製したpHが
5.70のものであり、その組成成分を表2に示してい
る。
【0034】
【表2】
【0035】番種した種子についての状態については、
培地に播種してから21日経過の培地における各種子群
でのコンタミネーションの発生状況を観察するととも
に、発芽状況を観察した。また、本実験では、比較例と
して、洗浄処理工程および滅菌処理工程でのエタノール
およびアンチホルミンに対する超音波を付与する手段を
廃止した実験を、比較例として上記実験と同様に試み
た。
【0036】これらの観察の結果のうち、コンタミネー
ションの発生状況については表3(実施例)および表4
(比較例)に示し、発芽状況については表5(実施例)
および表6(比較例)に示している。但し、コンタミネ
ーションの発生、発芽の状況の観察は目視で行い、コン
タミネーションの発生の観察では、種子の中心にコロニ
ーを形成しているものを、コンタミネーションが発生し
ているものと評価した。また、各表における、コンタミ
ネーションの発生状況の評価の表示については、コンタ
ミネーションが発生していない場合を○印で表示し、コ
ンタミネーションが発生している場合は、(コンタミネ
ーションが発生している種子数)/(全体の種子数)と
して表示した。また、発芽状況の評価の表示について
は、(発芽している種子数)/(全体の種子数)として
表示した。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】(実験2):本実験は、タカノツメの茎お
よび葉の一部を滅菌処理して、滅菌処理の効果を確認す
るものであり、茎の供試料としては、茎を長さ約1cm
にカットしてその切り口をパラフィンで処理したもの
を、葉の供試料としては、約1cm四方にカットしてそ
の切り口をパラフィンで処理したものを使用した。
【0042】本実験では、滅菌方法として、タカノツメ
の茎の供試料(以下単に茎という)および葉の供試料
(以下単に葉という)をエタノール水溶液に浸漬する洗
浄処理工程と、茎、葉をアンチホルミンに浸漬する滅菌
処理工程と、茎、葉を無菌水にて洗浄する第2の洗浄処
理工程を備えた上記した第3の滅菌方法を採用して、
茎、葉をエタノールに浸漬して洗浄し、次いで、洗浄処
理された茎、葉をアンチホルミンに浸漬して滅菌処理
し、その後、滅菌処理された茎、葉を無菌水にて洗浄処
理した。
【0043】第2の洗浄処理工程での洗浄終了後は、
茎、葉を予め滅菌しておいた濾紙に移し、直径4.5m
mのコルクボーラを用いて組織を採取した。採取した葉
の組織については、その3個をそのまま培地上に移し、
採取した茎の組織については、ブレードで厚み約1mm
にカットしてその3個を培地上に移して培養した。
【0044】本実験の各処理工程では、洗浄処理工程に
おけるエタノール水溶液の超音波を付与する手段を廃止
している点、エタノール水溶液に対する浸漬時間を15
秒としている点、アンチホルミンに対する浸漬時間を3
分〜15分の範囲としている点を除き、実験1と同じ手
法および同じ条件を採用している。当該滅菌方法で茎お
よび葉を滅菌処理した結果を、表7および表9に示す。
また、滅菌処理工程においてアンチホルミンに超音波を
付与する手段を廃止して、上記実験と同様の実験を試み
た結果を、比較例として表8および表10に示す。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】(実験3):本実験は、グロキシニアの茎
および葉の一部を滅菌処理して、滅菌処理の効果を確認
するものであり、茎の供試料としては、茎を長さ約1c
mにカットしてその切り口をパラフィンで処理したもの
を、葉の供試料としては、約1cm四方にカットしてそ
の切り口をパラフィンで処理したものを採用した。
【0050】本実験では、滅菌方法として、グロキシニ
アの茎の供試料(以下単に茎という)および葉の供試料
(以下単に葉という)をエタノール水溶液に浸漬する洗
浄処理工程と、茎、葉をアンチホルミンに浸漬する滅菌
処理工程と、茎、葉を無菌水にて洗浄する第2の洗浄処
理工程を備えた上記した第3の滅菌方法を採用して、
茎、葉をエタノールに浸漬して洗浄し、次いで、洗浄処
理された茎、葉をアンチホルミンに浸漬して滅菌処理
し、その後、滅菌処理された茎、葉を無菌水にて洗浄処
理した。
【0051】本実験の各処理工程では、実験2と同じ手
法および同じ条件を採用しており、当該滅菌方法で茎お
よび葉を滅菌処理した結果を、表11および表13に示
す。また、滅菌処理工程においてアンチホルミンに超音
波を付与する手段を廃止して、上記実験と同様の実験を
試みた結果を、比較例として表12および表14に示
す。
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
【表13】
【0055】
【表14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B022 AA01 DA19 EA10 EB07 2B051 AA01 AB01 AB07 BA09 BB01 BB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物の種子、茎、葉等の植物体を滅菌液に
    浸漬する滅菌処理工程を備え、前記植物体を前記滅菌液
    に浸漬することにより前記植物体を滅菌処理する植物体
    の滅菌方法であり、前記滅菌処理工程における植物体が
    浸漬されている滅菌液に超音波を付与することを特徴と
    する植物体の滅菌方法。
  2. 【請求項2】植物の種子、茎、葉等の植物体をアルコー
    ル液に浸漬する洗浄処理工程と、前記植物体を滅菌液に
    浸漬する滅菌処理工程を備え、前記植物体を前記アルコ
    ール液に浸漬して洗浄し、次いで、洗浄処理された植物
    体を前記滅菌液に浸漬することにより前記植物体を滅菌
    処理する植物体の滅菌方法であり、前記滅菌処理工程に
    おける植物体が浸漬されている滅菌液に超音波を付与す
    ることを特徴とする植物体の滅菌方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の記載の植物体の滅菌方法
    において、前記洗浄処理工程における植物が浸漬されて
    いるアルコール液に超音波を付与することを特徴とする
    植物体の滅菌方法。
  4. 【請求項4】植物の種子、茎、葉等の植物体をアルコー
    ル液に浸漬する洗浄処理工程と、前記植物体を滅菌液に
    浸漬する滅菌処理工程と、前記植物体を無菌水にて洗浄
    する第2の洗浄処理工程を備え、前記植物体を前記アル
    コール液に浸漬して洗浄し、次いで、洗浄処理された植
    物体を前記滅菌液に浸漬して滅菌処理し、その後、滅菌
    処理された植物体を無菌水にて洗浄処理する植物体の滅
    菌方法であり、前記滅菌処理工程における植物体が浸漬
    されている滅菌液に超音波を付与することを特徴とする
    植物体の滅菌方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の記載の植物体の滅菌方法
    において、前記洗浄処理工程における植物が浸漬されて
    いるアルコール液に超音波を付与することを特徴とする
    植物体の滅菌方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102893725A (zh) * 2011-07-28 2013-01-30 恩施土家族苗族自治州农业科学院 一种魔芋种芋的消毒方法
CN105493820A (zh) * 2015-12-04 2016-04-20 安徽省康之源农业科技有限公司 一种秋菠菜的种植方法

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