JP2003023713A - 電線の絶縁被膜を削り取る除去具 - Google Patents

電線の絶縁被膜を削り取る除去具

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JP2003023713A
JP2003023713A JP2001205458A JP2001205458A JP2003023713A JP 2003023713 A JP2003023713 A JP 2003023713A JP 2001205458 A JP2001205458 A JP 2001205458A JP 2001205458 A JP2001205458 A JP 2001205458A JP 2003023713 A JP2003023713 A JP 2003023713A
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wire
edge
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Tatsu Kioka
達 喜岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性があって簡単に除去できない絶縁被膜
を簡単に綺麗に能率よく、しかも電線を切断することな
く除去する。 【解決手段】 電線の絶縁被膜を削り取る除去具は、弾
性変形できるU曲部2でもって、互いに平行な一対のグ
リップ部1を連結している。一対のグリップ部1は、そ
の先端部に互いに接近する対向面4を設けている。一対
の対向面4は、グリップ部1を握らない状態で、電線を
挿入できる隙間5を有する。一対の対向面4は、電線の
表面を擦って電線の絶縁被膜を削り取る凹凸のあるヤス
リ面である。一対の対向面4の間に電線を入れ、グリッ
プ部1を握って対向面4を電線の表面に押し付ける状態
で、電線に沿って移動して、ヤスリ面で絶縁被膜を除去
するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電線の表面に付着し
ている絶縁被膜を削りとる除去具に関する。
【0002】
【従来の技術】俗称、「エナメル線」と呼ばれる電線
は、銅線やアルミニウム線の表面に絶縁被膜を付着して
いる。エナメル線は、たとえばモーターやトランスの巻
線に多用される。エナメル線は絶縁被膜があるので、絶
縁チューブ等で被覆をすることなく、直接に巻いて絶縁
できる。エナメル線は、先端を端子に接続するとき、絶
縁被膜を綺麗に除去する必要がある。絶縁被膜が正常な
電気接続を阻害するからである。たとえば、モーターや
トランスは、巻線の先端で絶縁被膜を除去し、この部分
を半田付け等の方法で端子にしっかりと接続している。
絶縁被膜が綺麗に除去されないエナメル線は、正常な状
態では接続できない。このエナメル線は、接続部分の接
触抵抗を増加させる。また、電線の接続強度も低下させ
る。絶縁被膜が綺麗に除去されないで接続されたエナメ
ル線は、故障の原因となり、製品の信頼性を低下させ
る。したがって、エナメル線はいかにして絶縁被膜を綺
麗に除去して接続するかが極めて大切である。
【0003】エナメル線は、絶縁被膜としてポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリイミド等
を使用している。絶縁被膜をポリウレタンとするエナメ
ル線は、絶縁被膜を除去しないで半田付けして固定でき
る。半田付けするときに絶縁被膜を綺麗に除去できるか
らである。さらに、ポリエステルの絶縁被膜は、剥離剤
で簡単に除去でき、またライターの火で焼いて除去する
こともできる。しかしながら、ポリエステルイミドやポ
リイミド等のように耐熱性のある絶縁被膜は、簡単に除
去できない。この絶縁被膜は、ペーパーやカッターで削
り取る以外に方法がない。このため、絶縁被膜を綺麗に
除去するのに極めて手間がかかっているのが実状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ペーパーは、絶縁被膜
を能率よく綺麗に除去するのが難しい。それは、電線か
ら除去された絶縁被膜がペーパー表面に付着してペーパ
ーを目詰まりさせるからである。さらに、目詰まりした
ペーパーは、絶縁被膜を削り取る能力も低下する。この
ため、ペーパーを頻繁に交換する必要があり、ランニン
グコストが高くなる。カッターで絶縁被膜を削り取る方
法は、絶縁被膜を確実に除去できる。ただ、この方法
は、エナメル線の全周に付着している絶縁被膜を除去す
るために、何回も繰り返しエナメル線の表面を削り取る
必要があり、ペーパーよりもさらに手間がかかる。カッ
ターが狭い幅でしか絶縁被膜を除去できないからであ
る。さらに、カッターは、絶縁被膜のみでなくエナメル
線を切断してしまうことがある。絶縁被膜を除去すると
きには切断されないにしても、絶縁被膜を除去した部分
と除去しない部分との境界で電線が細くなって切れやす
くなることがある。このため、カッターで絶縁被膜を除
去するには相当な熟練を必要とする。
【0005】以上のように、ペーパーとカッターでは簡
単かつ容易に、しかも能率よく綺麗に絶縁被膜を除去で
きない欠点があった。本発明は、この欠点を解決するこ
とを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、耐熱性があって簡単に除去できない絶縁被膜をも簡
単に綺麗に能率よく、しかも電線を切断することなく除
去できる電線の絶縁被膜を削り取る除去具を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電線の絶縁被膜
を削り取る除去具は、前述の目的を達成するために下記
の全ての構成を有することを特徴とする。 (a) 除去具は、弾性変形できるU曲部2でもって、
互いに平行な一対のグリップ部1を連結している。 (b) 一対のグリップ部1は、その先端部に互いに接
近する対向面4を設けている。 (c) 一対の対向面4は、グリップ部1を握らない状
態で、電線10を挿入できる隙間5を有する。 (d) 一対の対向面4は、電線10の表面を擦って電
線10の絶縁被膜11を削り取る凹凸のあるヤスリ面で
ある。 (e) 一対の対向面4の間に電線10を入れ、グリッ
プ部1を握って対向面4を電線10の表面に押し付ける
状態で、電線10に沿って移動して、ヤスリ面で絶縁被
膜11を除去するようにしている。
【0007】本発明の除去具は、全体を1枚の弾性金属
プレートで製作することができる。さらに、除去具は、
一対のグリップ部1の先端部を互いに接近する方向に折
曲して、折曲部3の先端面をヤスリ面とすることができ
る。
【0008】ヤスリ面は、好ましくは、電線10の引っ
張り方向に対して傾斜する方向に延長された複数列のエ
ッジ6を有する。さらに、ヤスリ面は、これらのエッジ
6に交差する複数列の交差溝8を設けることができる。
【0009】U曲部2は、好ましくは、横断面積をグリ
ップ部よりも小さくする。さらに、ヤスリ面の硬度は、
60〜68HRCとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための電線の絶縁被膜を削り取
る除去具を例示するものであって、本発明は除去具を下
記のものに特定しない。
【0011】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0012】図1ないし図3に示す電線の絶縁被膜を削
り取る除去具は、細長い帯状の弾性金属プレートをU曲
して、U曲部2の両側に一対のグリップ部1を設けてい
る。さらに、除去具は、一対のグリップ部1の先端部
に、互いに接近する対向面4を設けている。一対のグリ
ップ部1は、各々の先端部を互いに接近する内側方向に
折曲して、この折曲部3の先端面に対向面4を設けてい
る。一対の対向面4は、電線の表面を擦って絶縁被膜を
削り取る凹凸のあるヤスリ面としている。除去具は、グ
リップ部1を握らない状態では、一対の対向面4が拡開
されており、電線を挿入できる隙間5を形成している。
さらに、除去具は、グリップ部1を握って一対の対向面
4を互いに接近させて、ヤスリ面で電線の絶縁被覆を除
去できるようにしている。。
【0013】弾性金属プレートは、U曲した状態で、こ
のU曲部2を中心として両側のグリップ部1の先端が互
いに接近し、あるいは離れる状態に変形できる弾性を有
する金属プレートである。すなわち、U曲部2の両側の
グリップ部1は、U曲部2の弾性によって、それぞれの
先端が互いに接近し、あるいは離れる方向に変形できる
ように構成されている。このため、弾性金属プレート
は、U曲部以外の部分を弾性的に変形させることなく、
U曲部2のみを弾性変形する状態にできる。この弾性金
属プレートは、グリップ部1や折曲部3を弾性変形しな
い充分な厚さと強度にできる。図に示す除去具は、グリ
ップ部1や折曲部3を、弾性変形しない厚さに設計して
いる。ただ、弾性金属プレートは、U曲部以外の部分に
おいても、多少は弾性変形できる状態とすることもでき
る。たとえば、グリップ部は、ある程度の長さを有する
ので、グリップ部自身がたわむことによって弾性変形す
る状態とすることもできる。
【0014】U曲部2の弾性力は、グリップ部1を握っ
た状態で、適度な力で両方の対向面4を接近させること
ができると共に、力を緩めると、両方の対向面4が速や
かに離れて電線を挿入できる隙間5を拡開する最適な強
さとする。U曲部2の弾性力が強すぎると、両方の対向
面4を接近させて電線の被覆を切断するのに大きな力を
必要とする。逆に、弾性力が小さすぎると、接近した対
向面4が元の位置に復元し難くなる。
【0015】U曲部2の弾性力は、U曲部2の厚さや幅
で調整できる。図2に示す除去具は、U曲部2の厚みを
その他の部分よりも薄くして、この部分の弾性力を最適
値に調整している。さらに、図4に示す除去具は、U曲
部2の幅をグリップ部1よりも狭くして、この部分の弾
性力を最適値に調整している。U曲部2の厚みを薄く
し、あるいは、幅を狭くすることで、弾性金属プレート
が弾性変形しやすくなるからである。
【0016】一対のグリップ部1は、U曲部2の両側に
設けられている。一対のグリップ部1は、互いに対向し
て直線状に延長されている。ただ、グリップ部は、必ず
しも直線状とする必要はなく、多少は湾曲し、あるいは
折曲させることもできる。一対のグリップ部1は、図2
に示すように、使用しない状態では、U曲部2の弾性
で、U曲部2から先端の折曲部3に向かって間隔が広く
なるようにしている。一対のグリップ部1の広がり具合
は、一対の対向面4の間の隙間5が電線の太さよりも大
きくなるように調整する。さらに、一対のグリップ部1
は、図3に示すように、一対の対向面4を当接させる状
態では、略平行となるようにしている。
【0017】グリップ部1は、手で握ることができる全
長を有する。グリップ部1の全長を長くすると、テコの
原理によって、グリップ部1の先端部を押圧して対向面
4を接近させるときの力を小さくできるが、全体として
大きくなり重くなる。逆に、グリップ部1を短くする
と、全体を小型化して軽量にできるが、グリップ部1を
押圧して対向面4を接近させるときの力が大きくなる。
したがって、グリップ部1の長さは、U曲部2の弾性力
とグリップ部1を押圧する力の大きさを考慮して、最適
な長さに設計する。さらに、グリップ部1は、外側に位
置する端縁の角を面取りして、手で握るときの肌触りを
良くできる。
【0018】折曲部3は、一対のグリップ部1の先端部
を内側に折曲して設けている。それぞれの折曲部3は、
図3に示すように、一対の対向面4が当接する状態で、
直線状に位置する形状に成形している。この状態に成形
される折曲部3は、一対の対向面4を平行の姿勢で当接
できる特長がある。
【0019】対向面4は、図1に示すように、折曲部3
の先端面に形成されている。一対の対向面4は、互いに
接近する状態で、平行となるように設けられている。す
なわち、一対のグリップ部1を握って使用する状態で
は、一対の対向面4がほぼ平行な姿勢を維持しながら互
いに接近し、あるいは離れるようにしている。このよう
に、互いに平行の姿勢で接近する対向面4は、対向面4
のどの部分で電線を挟着しても、常に同じ押圧力で電線
に当接して絶縁被覆を均一に除去できる。
【0020】図1に示す対向面4は、凹凸のあるヤスリ
面としている。ヤスリ面である対向面4は、電線の表面
を擦って、電線の絶縁被膜を能率よく削り取ることがで
きる。ヤスリ面は、図1の一部拡大斜視図と図5の平面
図に示すように、複数列のエッジ6を有する。複数列の
エッジ6は、互いに平行であって、等間隔に設けてい
る。さらに、複数列のエッジ6は、電線の引っ張り方向
に対して傾斜する方向に延長して設けている。図に示す
エッジ6は、先端を薄くして鋭利な刃縁6Aとしてい
る。この形状のエッジ6は、刃縁6Aの先端縁6aを電
線の絶縁被膜に挿入させて、極めて効率よく絶縁被膜を
削り取って除去できる特長がある。鋭利な刃縁6Aであ
るエッジ6を有するヤスリ面は、隣接するエッジ6の間
隔(W)を狭くすることによって、電線との接触面積を
大きくして、電線が局部的に傷つくのを有効に防止でき
る。隣接するエッジ6の間隔(W)は、絶縁被覆が除去
される電線の種類によって最適に設計される。
【0021】複数列のエッジ6は、対向面4の表面に複
数列の傾斜溝7を成形して設けることができる。図に示
す傾斜溝7はV字溝で、エッジ6の側面を傾斜面7Aと
している。さらに、複数列の傾斜溝7は、互いに隣接す
る傾斜面7Aの上端縁でエッジ6の先端縁6aを形成し
てエッジ6を刃縁形状としている。傾斜溝7は、図5に
示すように、電線の引っ張り方向に対して、傾斜角
(α)だけ傾斜して設けている。したがって、傾斜溝7
と平行に形成されるエッジ6も、電線の引っ張り方向に
対して傾斜角(α)だけ傾斜して設けられる。エッジ6
を電線の引っ張り方向に対して傾斜させるのは、電線の
絶縁被膜を除去するときに、ヤスリ面を電線の引っ張り
方向にスムーズに移動させるためである。傾斜角(α)
は、大きすぎるとエッジ6が電線に引っかかりやすくな
り、ヤスリ面をスムーズに移動できなくなる。反対に、
傾斜角(α)を小さくすると、エッジ6で効率よく電線
の絶縁被膜を除去できなくなる。したがって、傾斜角
(α)は、電線に沿ってヤスリ面をスムーズに移動させ
て、しかも、エッジ6で効率よく絶縁被膜を除去できる
最適な角度に設計される。傾斜角(α)は、20〜60
度、好ましくは、25〜45度、最適には約30度にな
るように設計される。
【0022】傾斜溝7で形成される複数列のエッジ6
は、傾斜溝7の深さでエッジ6の高さ(H)が、傾斜溝
7の幅で隣接するエッジ6の間隔(W)が決定される。
ヤスリ面は、エッジ6の高さ(H)を低くして間隔
(W)を狭くすると、微細な凹凸面となる。反対に、エ
ッジ6の高さ(H)を高くして間隔(W)を広くする
と、粗い凹凸面となる。微細な凹凸面であるヤスリ面
は、細い電線に被覆された薄い絶縁被膜を除去するのに
最適である。電線の内部にある細い芯線を傷つけること
なく能率良く絶縁被膜を削り取ることができるからであ
る。逆に、粗い凹凸面であるヤスリ面は、太い電線に被
覆された厚い絶縁被膜を能率よく削り取ることができ
る。したがって、エッジ6の高さ(H)と間隔(W)
は、電線の太さや絶縁被膜の厚さに応じて最適な数値に
設計される。
【0023】本発明の除去具は、太さが0.1〜3mm
である電線、一般には、太さが0.5〜2mmの電線の
絶縁被膜を除去するのに最適である。したがって、エッ
ジ6は、たとえば、太さ1mmの電線の絶縁被膜を除去
する場合、高さ(H)を0.5〜1.5mm、間隔
(W)を0.5〜3mmとして能率よく絶縁被膜を除去
できる。エッジ6は、太い電線の絶縁被膜を除去する場
合には、高さ(H)と間隔(W)を大きくし、細い電線
の絶縁被膜を除去する場合には、高さ(H)と間隔
(W)を小さくして、理想的に芯線を傷つけることなく
能率よく絶縁被膜を除去できる。ただ、本発明の除去具
は、必ずしも電線の太さに応じて高さ(H)や間隔
(W)を変更する必要はなく、高さ(H)と間隔(W)
を前述の範囲として、太さが0.5〜2mmの電線の絶
縁被膜を充分に除去できる。
【0024】さらに、ヤスリ面は、複数列のエッジ6に
交差する複数列の交差溝8を有する。交差溝8は、複数
列のエッジ6を切断して分割する状態で設けられる。ヤ
スリ面に交差溝8を設けるのは、ヤスリ面を電線に沿っ
て移動させるときに、電線がエッジ6に沿って摺動する
のを防止してエッジ6で絶縁被膜を確実に除去すると共
に、ヤスリ面を複雑な凹凸面として、より効率よく絶縁
被膜を除去するためである。交差溝8で分割された一つ
のエッジ6は、図6の拡大斜視図に示すように、所定の
長さの細長い山形に成形される。この形状のエッジ6
は、ヤスリ面を電線10に当接させた状態で矢印Aで示
す方向に移動させると、先端縁6aあるいは傾斜縁6b
〜6dのいずれかで電線10の絶縁被膜を削り取る。た
とえば、図6のXで示す位置を移動する電線10は、図
7に示すように、エッジ6の先端縁6aで、下端部の絶
縁被膜11が削り取られる。また、図のYで示す位置を
移動する電線10は、エッジ6を形成する傾斜面7Aと
傾斜面8Aの境界縁である傾斜縁6bで、左下部の絶縁
被膜11が削り取られる。さらにまた、図のZで示す位
置を移動する電線10は、傾斜縁6dで右下部の絶縁被
膜11が削り取られる。このように、複雑な凹凸面とな
るヤスリ面は、電線が移動する位置によって、エッジ6
の先端縁6aあるいは傾斜縁6b〜6dに当接して、よ
り広い範囲の絶縁被膜を除去する。
【0025】複数列の交差溝8は、互いに平行であっ
て、等間隔に設けている。さらに、複数列の交差溝8
は、エッジ6と傾斜溝7に対して交差角(β)で交差す
る方向に延長して設けている。交差角(β)は、傾斜面
7A、8Aがなす角度を決定する。したがって、交差角
(β)は、大きすぎても、また逆に小さすぎても、ヤス
リ面をスムーズに移動させて、効率よく絶縁被膜を除去
できなくなる。したがって、交差角(β)は、電線に沿
ってヤスリ面をスムーズに移動させて、しかも、エッジ
6で効率よく絶縁被膜を除去できる最適な角度に設計さ
れる。傾斜角(β)は、たとえば、60〜120度、好
ましくは、80〜100度に設計される。
【0026】さらに、交差溝8は、交差して分割するエ
ッジ6の長さを決定する。交差溝8の本数を多くして幅
(D)を広くすると箇々のエッジ6は短くなり、反対
に、交差溝8の本数を少なくして幅(D)を狭くすると
箇々のエッジ6は長くなる。エッジ6は、電線の絶縁被
膜を削り取る部分なので、短すぎると能率よく絶縁被膜
を除去できなくなる。したがって、交差溝8の本数と幅
(D)は、箇々のエッジ6を最適な長さとして、電線の
絶縁被膜を能率良く削り取ることができる最適な数値に
設計される。図に示すヤスリ面は、交差溝8の本数を傾
斜溝7の本数のおよそ半分として、箇々のエッジ6の長
さを最適な長さに調整している。さらに、図に示す交差
溝8の幅(D)は、傾斜溝7の幅(W)よりもやや小さ
くしている。ただ、交差溝の幅(D)は、傾斜溝の幅
(W)よりも大きくし、あるいは、ほぼ等しくすること
もできる。
【0027】以上の構造のヤスリ面は、一対の対向面に
それぞれ設けられる。一対の対向面4は、好ましくは、
図5に示す形状のエッジ6を互いに対向して設ける。こ
の構造の除去具は、一対の対向面4を接近させた状態
で、上下に位置するエッジ6で電線を確実に挟着して絶
縁被膜を能率良く除去できる。ただ、一対の対向面は、
必ずしも対応するヤスリ面の形状を同じ形状とする必要
はなく、対向するヤスリ面を異なる形状とすることもで
きる。上下に位置するヤスリ面は、エッジ6の高さ
(H)や間隔(W)、傾斜角(α)や交差角(β)、交
差溝8の本数や幅(D)等を変更して、異なる形状とす
ることができる。このように、上下のヤスリ面が異なる
除去具は、複雑な凹凸面が様々な状態で電線を挟着する
ので、絶縁被膜を斑なく除去できる。
【0028】さらに、本発明の除去具は、対向面4を、
図8ないし図10に示す形状のヤスリ面とすることもで
きる。これらの図に示すヤスリ面は、互いに接近する状
態で、少なくとも一部が面接触する平面部9と複数列の
エッジ6を有する。複数列のエッジ6は、平らな面であ
る対向面4に複数列の傾斜溝7を設けて成形している。
図に示すエッジ6は、平面部9と傾斜溝7の境界縁に形
成されるコーナーエッジ6Bである。図に示す傾斜溝7
はV字溝で、傾斜溝7の開口縁と平面部9との境界縁を
コーナーエッジ6Bとしている。ただ、傾斜溝は、必ず
しもV字溝とする必要はなく、U字溝や角溝とすること
もできる。このヤスリ面は、エッジ6を鋭利な刃縁とす
ることなく、ほぼ全体に平面部9を設けて、平面部9と
傾斜溝7との境界縁にコーナーエッジ6Bを設けてい
る。したがって、細い電線の絶縁被膜を除去する場合で
あっても、エッジで芯線を傷つけることなく、また電線
を切断することなく、薄い絶縁被膜を理想的に削り取る
ことができる。さらに、鋭利な刃縁形状でないエッジ6
は、先端縁が損傷したり磨耗するのを有効に防止して長
寿命にできる特長がある。この構造のヤスリ面は、たと
えば、太さが0.1〜0.5mmである細い電線の絶縁
被膜を有効に除去することができる。
【0029】複数列のエッジ6は、平行で、かつ等間隔
に設けている。さらに、複数列のエッジ6は、電線の引
っ張り方向に対して傾斜角(α)だけ傾斜する方向に延
長して設けている。この図に示すエッジ6は、傾斜溝7
の深さで高さ(H)が、傾斜溝7の幅(T)と傾斜溝7
の溝間距離(L)で隣接するエッジ6の間隔(W)が決
定される。エッジ6は、たとえば、太さ0.2mmの電
線の絶縁被膜を除去する場合、高さ(H)を0.5〜
1.5mm、傾斜溝7の幅(T)を0.5〜1.5m
m、間隔(W)を2〜5mm、傾斜角(α)を45〜8
0度として芯線を傷つけることなく能率よく絶縁被膜を
除去できる。
【0030】さらに、この構造の除去具は、一対の対向
面4に、図9に示す形状のエッジ6を、好ましくは互い
に非対称に設ける。この構造の除去具は、対向面4を接
近させた状態で、上下に位置するエッジ6が互いに対向
することなく非対称な位置にあるので、細い電線を局部
的に押圧して芯線を傷つけたり、切断するのを有効に防
止できる。さらに、非対称な位置にあるエッジ6は、電
線が横滑りするのを有効に防止しながら確実に絶縁被膜
を除去できる特長もある。この形状のヤスリ面が電線の
絶縁被膜を除去する状態を図10の拡大断面図に示す。
この図に示すように、矢印Aで示す方向に対向面4を接
近させて、互いに対向する平面部9で電線を挟着する状
態に保持する。この状態で除去具を矢印Bで示す方向に
引っ張ると、電線の絶縁被膜がエッジ6のコーナーエッ
ジ6Bで削り取られて除去される。
【0031】ヤスリ面の硬度は、好ましくは60〜68
HRCとなるようにする。ヤスリ面は、焼き入れによっ
て、硬度をこの範囲に調整できる。ヤスリ面の硬度が小
さすぎると、ヤスリ面のエッジ6が消耗しやすくなり、
工具としての寿命が短くなる。逆に、ヤスリ面の硬度を
大きくすると、ヤスリ面のエッジ6の消耗は極減する
が、低コストに多量生産できなくなる。したがって、ヤ
スリ面の硬度は、前述の範囲とするのが好ましい。
【0032】以上の除去具は、以下のように使用して、
ヤスリ面で電線の絶縁被覆を削り取って除去する。 一対の対向面4の拡開された隙間5に電線10の先
端部を挿入する。電線10は、被覆された絶縁被膜11
を除去する部分まで挿入する。 一対のグリップ部1の先端部を押圧して、それぞれ
の対向面4を接近させる。このとき、一対のグリップ部
1は、図2から図3に示すように、U曲部2を中心とし
て互いに接近する方向に傾動する。 接近する対向面4は、それぞれのヤスリ面を電線1
0の表面に押し付ける状態で電線10を挟着する。この
とき、図1に示す除去具は、図7に示すように、エッジ
6の先端縁6a、傾斜縁6b〜6dのいずれかが絶縁被
膜11に挿入された状態となる。また、図8に示す除去
具は、対向する平面部9で電線を挟着する状態となる。 の状態で、除去具を電線10に沿って、電線10
の先端方向に移動させて、絶縁被膜11をエッジ6で削
り取る。 以上の工程で、電線10は、特定方向の絶縁被膜1
1が除去される。さらに、電線または除去具の向きを変
えて、〜の動作を繰り返す。電線または除去具の向
きを変えながら、以上の動作を複数回繰り返すことによ
って、電線10の先端部の全周の絶縁被膜11を削り取
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の電線の絶縁被膜を削り取る除去
具は、耐熱性があって簡単に除去できない絶縁被膜を簡
単に綺麗に能率よく、しかも電線を切断することなく除
去できる特長がある。それは、本発明の除去具が、U曲
部で連結された一対のグリップ部の先端部に互いに接近
する対向面を設けており、一対の対向面の表面を凹凸の
あるヤスリ面としているからである。この除去具は、一
対の対向面の間に電線を入れて、グリップ部を握って対
向面を電線の表面に押し付ける状態で、電線に沿って移
動して、ヤスリ面で絶縁被膜を確実に除去できる。した
がって、耐熱性があって簡単に除去できない絶縁被膜を
も、簡単にしかも能率よく削り取って除去できる。この
ように、対向するヤスリ面で絶縁被膜を除去する本発明
の除去具は、従来のペーパーのように、頻繁に交換する
ことなく長期間にわたって使用できる特長がある。さら
に、本発明の除去具は、対向するヤスリ面を電線の表面
に押し付けて絶縁被膜を除去するので、一度に複数箇所
の絶縁被膜を効率よく除去できると共に、カッターのよ
うに電線の芯線を傷つけて切断することなく綺麗に除去
できる。とくに、本発明の除去具は、一対のヤスリ面で
電線の表面を擦って絶縁被膜を除去するという極めて簡
単な操作で絶縁被膜を除去するので、熟練を必要とせず
誰でも簡単にしかも綺麗に絶縁被膜を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電線の絶縁被膜を削り取る
除去具の一部拡大斜視図
【図2】図1に示す除去具の側面図
【図3】図1に示す除去具の対向面を当接させた状態を
示す側面図
【図4】本発明の他の実施例の除去具の背面斜視図
【図5】図1に示す除去具の対向面の拡大平面図
【図6】エッジが電線の絶縁被覆を除去する状態を示す
拡大斜視図
【図7】エッジが電線の絶縁被覆を除去する状態を示す
正面図
【図8】本発明の他の実施例の除去具の一部拡大斜視図
【図9】図8に示す除去具の対向面の拡大平面図
【図10】図8に示す除去具が電線の絶縁被覆を除去す
る状態を示す拡大断面図
【符号の説明】
1…グリップ部 2…U曲部 3…折曲部 4…対向面 5…隙間 6…エッジ 6A…刃縁 6
B…コーナーエッジ 6a…先端縁 6b…傾斜縁 6c…傾斜縁 6d…傾斜縁 7…傾斜溝 7A…傾斜面 8…交差溝 8A…傾斜面 9…平面部 10…電線 11…絶縁被膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の全ての構成を有することを特徴と
    する電線の絶縁被膜を削り取る除去具。 (a) 除去具は、弾性変形できるU曲部(2)でもっ
    て、互いに平行な一対のグリップ部(1)を連結してい
    る。 (b) 一対のグリップ部(1)は、その先端部に互いに
    接近する対向面(4)を設けている。 (c) 一対の対向面(4)は、グリップ部(1)を握らない
    状態で、電線(10)を挿入できる隙間(5)を有する。 (d) 一対の対向面(4)は、電線(10)の表面を擦って
    電線(10)の絶縁被膜(11)を削り取る凹凸のあるヤスリ面
    である。 (e) 一対の対向面(4)の間に電線(10)を入れ、グリ
    ップ部(1)を握って対向面(4)を電線(10)の表面に押し付
    ける状態で、電線(10)に沿って移動して、ヤスリ面で絶
    縁被膜(11)を除去するようにしている。
  2. 【請求項2】 全体を1枚の弾性金属プレートで製作し
    てなる請求項1に記載される電線の絶縁被膜を削り取る
    除去具。
  3. 【請求項3】 一対のグリップ部(1)の先端部を互いに
    接近する方向に折曲して折曲部(3)の先端面をヤスリ面
    としている請求項1に記載される電線の絶縁被膜を削り
    取る除去具。
  4. 【請求項4】 ヤスリ面が、電線(10)の引っ張り方向に
    対して傾斜する方向に延長されてなる複数列のエッジ
    (6)を有する請求項1に記載される電線の絶縁被膜を削
    り取る除去具。
  5. 【請求項5】 ヤスリ面が、エッジ(6)に交差する複数
    列の交差溝(8)を有する請求項4に記載される電線の絶
    縁被膜を削り取る除去具。
  6. 【請求項6】 U曲部(2)の横断面積をグリップ部(1)よ
    りも小さくしている請求項1に記載される電線の絶縁被
    膜を削り取る除去具。
  7. 【請求項7】 ヤスリ面の硬度が60〜68HRCであ
    る請求項1に記載される電線の絶縁被膜を削り取る除去
    具。
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