JP2003023394A - 無線通信システム,無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム,無線通信方法

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JP2003023394A
JP2003023394A JP2001208985A JP2001208985A JP2003023394A JP 2003023394 A JP2003023394 A JP 2003023394A JP 2001208985 A JP2001208985 A JP 2001208985A JP 2001208985 A JP2001208985 A JP 2001208985A JP 2003023394 A JP2003023394 A JP 2003023394A
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signal
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JP2001208985A
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Yoshito Fukumoto
吉人 福本
Chitayoshi Manabe
知多佳 真鍋
Yuichiro Goto
有一郎 後藤
Mitsuyoshi Kegasa
光容 毛笠
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Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 子局装置から送信する信号の電力レベルを親
局装置が受信可能なレベルに調整するとともに,送信す
る無線信号に歪を生じさせることなく通信品質を向上さ
せる。 【解決手段】 子局装置が,親局装置から受信する信号
の受信電力レベルPxを検出し,検出した受信電力レベ
ルが所定値以下の場合は,所定の上限レベルを超えない
ように送信電力レベルPyを決定し,受信電力レベルが
所定値以上である場合は,受信電力レベルの上昇分に相
当する分だけ送信電力レベルを低下させることにより,
親局装置に到達する信号の電力レベルが,親局装置が受
信可能な電力レベルの許容範囲内の所定のレベルになる
よう送信電力レベルを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,子局装置が,親局
装置から受信する信号の受信電力レベルを検出し,検出
した該受信電力レベルに基づいて親局装置に送信する信
号の送信電力レベルを決定する無線通信システム及び無
線通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,データ通信の急速な普及に伴い,
高速な回線網への需要がますます増大している。しかし
ながら,有線により提供される高速回線は,各戸別に導
入配線工事が必要である上,屋内のレイアウト変更時に
も屋内配線工事が必要となる等,利用者にとって手間と
金銭的負担を伴う場合が多い。そこで,煩雑な各戸別の
配線工事が不要な無線通信ネットワークの普及が望まれ
ている。このようなニーズに対応するシステムとして,
例えば特開2000−299848号公報(公報1)に
は,既存のCATV(ケーブルテレビ)網を用いて,そ
のネットワークの末端部分を無線に置き換えた双方向無
線CATVシステムが提案されている。これは,10G
Hz以上のマイクロ波〜ミリ波を用いて親局装置(基地
局)と複数の子局装置(加入者局)との間でデータの送
受信を行う1対多(PMP)双方向無線通信システムで
あり,インターネットへの接続サービスの他,映画等の
映像データをオンデマンドで提供する等,ブロードバン
ドが必要な通信サービスに利用可能なものである。
【0003】図1は一般的なPMP双方向無線通信シス
テムの概略構成図である。子局装置10aから親局装置
10bに対してデータを送信する際,子局装置10aに
おいては,子局モデム11aから出力される信号が子局
無線機12aによって電力レベルの調整,周波数変換及
び信号の増幅が行われた後,子局アンテナ13aを介し
て無線信号が送信される。一方,親局装置10bにおい
ては,子局装置10aから送信された信号が親局アンテ
ナ13bを介して親局無線機12bに取り込まれ,ノイ
ズ処理,増幅,周波数変換等が行われた後,親局モデム
11bに入力される。前記PMP無線通信システムで
は,親局装置10bに到達する信号の電力レベルが,親
局装置10bが受信可能な電力レベルとなるようにする
必要がある。即ち,降雨等によって変化する親局装置1
0aとの間における無線信号の減衰量に応じて,子局無
線機12aが備える自動パワーコントロール(APC)
部によって親局装置10bへの送信電力レベルを調整
し,親局装置に到達する信号の電力レベル(以下,親局
到達電力レベルという)が予め定められた所定の電力レ
ベルに近づくようにする必要がある。
【0004】前記子局装置10aの前記APC部による
前記送信電力レベルの調整方法として,特開平6−37
681号公報(公報2)には,子局装置10aにおいて
親局装置10bから受信する信号の電力レベルを検出
し,該受信電力レベルが降雨等により低下した分に相当
する分だけ,前記送信電力レベルを上昇させる方法が提
案されている。即ち,親局装置10bからは所定の電力
レベルで信号が送信されるため,該所定の電力レベルと
前記受信電力レベルとの差が,親局装置10bから子局
装置10aへ送られる信号(以下,下り信号という)の
減衰量(以下,親→子減衰量という)である。また,子
局装置10aから親局装置10bへ送られる信号(以
下,上り信号という)の経路と,下り信号の経路とは同
じ空間を通過するので,両者における前記減衰量はほぼ
同一とみなすことができる。従って,前記受信電力レベ
ルが低下した分に相当する分だけ前記送信電力レベルを
上昇させれば,前記親局到達電力レベルを所定の電力レ
ベルに保持することができる。
【0005】図2は前記公報2に示される通信方法にお
いて,上り信号の経路の途中の各位置における電力レベ
ルを模式的にダイヤグラムとして表したものである。こ
こで,各位置とは,子局モデム11aの出力部,子局無
線機12aが備えるAPC部21a,アップコンバータ
22a,及びパワーアンプ23aの各出力部,親局無線
機12bが備えるローノイズアンプ24b及びダウンコ
ンバータ25bの各入力部,親局モデム11bの入力部
である。まず,子局装置10aにおいては,子局モデム
11aから出力された所定の電力レベルの信号が,AP
C部21aによってレベル調整される。次に,該レベル
調整後の信号が,アップコンバータ22aによってマイ
クロ波〜ミリ波の所定周波数に変換(電力レベルは不変
又は所定レベルだけ変化)された後,パワーアンプ23
aによって一定のゲインで増幅され,子局アンテナ13
a(図2に不図示)を介して送信される。このようにし
て送信された信号の電力レベルは,親局装置10bに到
達するまでに減衰し,該減衰の量は,信号が通過する空
間の状況によって異なる。一方,親局装置10bにおい
ては,親局アンテナ13bを介して受信された信号が,
ローノイズアンプ24bによってノイズ処理と一定のゲ
インでの増幅処理が行われ,さらにダウンコンバータ2
5bによって中間周波数に周波数変換(電力レベルは不
変又は所定レベルだけ変化)された後,親局モデム11
bに入力される。ここで,前記公報2に示される通信方
法では,各子局装置10aからの送信電力レベル(パワ
ーアンプ23aから出力される信号の電力レベル)が,
APC部21aによって前記受信電力レベルの低下量
(前記親→子減衰量に相当)(図2に不図示)に相当す
る分だけ増大させるよう調整されるので,各子局装置1
0aと親局装置10bとの間の信号経路の状況(降雨
等)の違いにかかわらず,親局装置10bに到達する各
信号の電力レベルが同一のレベルP0となる。図2にお
いて,ある子局装置Aから送信される上り信号2aは,
子局装置10aから定格(最大)送信電力レベルPmax
で信号が送信され,各子局装置10aと親局装置10b
との間の通信空間における減衰量が最大(通信経路の通
信環境が最悪)の場合を示すものである。その他の子局
装置B,Cから送信される上り信号2b,2cは,上り
信号2aよりも子局装置10aから送信される電力レベ
ルは低いが,通信空間での減衰量が小さいため,親局装
置10bに到達するレベルは上り信号2aと同レベルP
0である。ここで,前記公報2に示される方法におい
て,通信空間における減衰量が所定の最大の減衰量dP
0である場合にも通信可能とするためには,親局装置1
0bに到達させる所定の電力レベルP0を,定格送信電
力レベルPmaxから最大の減衰量dP0を差し引いた値と
する必要がある。なぜなら,それより高く前記レベルP
0を設定すると,減衰量がdP0である場合に,APC部
21aは,減衰量dP0に相当する分だけ送信電力を増
大させるため,定格送信電力レベルPmaxを超える出力
が行われてしまい,その結果上り信号に信号歪が生じ,
かえって通信品質が劣化するからである。また,定格送
信電力レベルPmaxよりも高いレベルで送信を行うと,
電波技術適合検定の適合条件や,電波法に定められた許
容スプリアス特性を満たさなくなるという問題も生じ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで,一般に,無
線通信の品質を表すビット誤り率(BER)は,信号の
SN比(信号の電力レベルと雑音レベルとの差)が大き
いほど急激にBERが改善する。通常,雑音レベルはほ
ぼ一定であるので,SN比は,信号の電力レベルを高く
すればするほど向上する。しかしながら,前記文献2に
示される方法では,親局装置10bに到達させる所定の
電力レベルが,減衰量が最大dP0である場合に合わせ
て最も低く設定されるため,減衰量が小さい良好な通信
環境であってもSN比を上げることができず,高い通信
品質を確保できないという問題点があった。従って、本
発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、子局装置から送信する信号の電力レベ
ル(送信電力レベル)を親局装置が受信可能なレベルに
調整するとともに,送信する無線信号に歪を生じさせる
ことなく通信品質を向上させる無線通信システム及び無
線通信方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、子局装置が,親局装置から受信する信号の
受信電力レベルを検出し,検出した該受信電力レベルに
基づいて親局装置に送信する信号の送信電力レベルを決
定する無線通信システムにおいて,前記子局装置におけ
る前記送信電力レベルが,前記子局装置における前記受
信電力レベルが第1の所定値以下の条件のもとでは,所
定の上限レベルで一定となるように,又は前記受信電力
レベルの低下につれて前記所定の上限レベルに向かって
曲線状に上昇させるように前記子局装置により決定され
てなることを特徴とする無線配信システムである。ま
た,前記所定の上限レベルが,前記子局装置が有する前
記無線信号出力用アンプの飽和電力レベル以下の所定の
レベルであるものが考えられる。これにより,子局装置
が,親局装置から受信する信号のレベルが下がった場合
であっても,無線信号出力用アンプの飽和電力レベルを
超えるレベルの信号を出力することがなくなり,送信信
号のレベルを上げ過ぎることによって信号歪が発生する
ことを防止できる。
【0008】また,前記子局装置が, 前記受信電力レ
ベルが第2の所定値以上である条件のもとでは,前記受
信電力レベルの上昇分に相当する分だけ前記送信電力レ
ベルを低下させ,前記親局装置に到達する信号の電力レ
ベルが前記親局装置が受信可能な電力レベルの許容範囲
内の所定のレベルになるよう前記送信電力レベルを決定
するものが考えられる。これにより,受信電力レベルが
所定以上の場合,即ち,通信経路における信号レベルの
減衰量が小さい場合には,親局装置に到達する信号の電
力レベルを一定にすることができる。このとき,送信電
力レベルを親局装置が受信可能な電力レベルの許容範囲
内において比較的高いレベルで一定となるように設定す
れば,送信信号のSN比を向上させることができる。も
ちろん,受信電力レベルが所定以下に低下した場合で
も,送信電力レベルは所定の上限レベルを超えないの
で,前記信号歪が発生することはない。また,前記第1
及び第2の所定値が同じ値であるものや,前記受信電力
レベルが前記第1の所定値以上かつ前記第2の所定値以
下である条件のもとでは,前記送信電力レベルを滑らか
に変化させるよう決定するものであってもよい。また,
前記無線通信システムにおいて用いられる前記送信電力
レベルの決定方法に特徴を有する無線通信方法として捉
えたものも考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら、本
発明の実施の形態及び実施例について説明し、本発明の
理解に供する。尚、以下の実施の形態及び実施例は、本
発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここに、図3は本発明の
実施の形態に係る無線通信システムAを構成する子局装
置の構成を表すブロック図,図4は本発明の実施の形態
に係る無線通信システムAを構成する子局装置の送信電
力レベルの決定方法を説明する図,図5は本発明の実施
の形態に係る無線通信システムAを構成する子局装置か
ら親局装置へ送信される上り受信電力レベルの通信経路
の途中における変化を模式的に表した図,図6は本発明
の実施例に係る無線通信システムBを構成する子局装置
の送信電力レベルの決定方法を説明する図である。
【0010】まず,本無線通信システムAの全体構成
は,図1に示す一般的な1対多双方向無線通信システム
と変わりはないのでここでは説明を省略する。次に,図
3を用いて,本無線通信システムAを構成する子局装置
10aの概略構成について説明する。前記子局装置10
aは,子局モデム11a,子局無線機12a,受信アン
テナ13a1,送信アンテナ13a2から構成される。
さらに,前記子局無線機12aは,ローノイズアンプ2
4a,ダウンコンバータ25a,自動レベルコントロー
ル部(以下,ALC部という)26a,受信電力レベル
検出装置27a,ダイプレクサ28a,演算装置29
a,自動パワーコントロール部(以下,APC部とい
う)21a,アップコンバータ22a,及びパワーアン
プ23aから構成される。前記演算装置29aは,不図
示のMPU,ROM,及び周辺機器から構成され,前記
ROMに予め登録されたプログラム従って,前記ALC
部26a及び前記APC部21aに対して制御指令を出
力するものである。前記親局装置から送信される信号
(下り信号)は,前記受信アンテナ13a1によって受
信され,該受信信号が前記ローノイズアンプ24aによ
って所定のゲインで増幅された後,前記ダウンコンバー
タ25aによって中間周波数に周波数変換される。さら
に,該周波数変換された信号は,前記ALC部26aに
よって電力レベルが一定に保持された後,前記ダイプレ
クサ28aを介して前記子局モデム11aに取り込まれ
る。また,前記ダウンコンバータ25aにより周波数変
換された信号は,前記受信電力レベル検出装置27aに
も取り込まれ,該受信電力レベル検出装置27aによっ
て検出された受信電力レベルは,前記演算装置29aに
取り込まれる。
【0011】一方,前記子局モデム11aから出力され
た信号は,前記ダイプレクサ28aを介して前記APC
部21aに取り込まれ,前記演算制御部29aから出力
される制御指令に従って,前記演算制御部29aによっ
て決定される電力レベルとなるようにレベル調節され
る。次に,該調節後の信号が前記アップコンバータ22
aによってマイクロ波〜ミリ波の所定の周波数に変換さ
れ(電力レベルは不変又は所定レベルだけ変化),さら
に前記パワーアンプ23aによって所定のゲインで増幅
された後,前記送信アンテナ13a2を介して前記親局
装置10bに対して送信される。本無線通信システムA
は,前記文献1等に示されるような一般的な無線通信シ
ステムが備える機能及び構成も有しているが,特に本発
明を説明するために必要なものではないのでここでは説
明を省略する。
【0012】次に,図4を用いて,前記演算装置29a
による電力レベルの決定方法について説明する。以下,
便宜上,前記演算装置29aが,前記子局装置10aの
送信電力レベル(前記送信アンテナ13a2から出力さ
れる信号の電力レベル)を決定するものとして説明す
る。従って,実際に前記演算装置29aによって決定さ
れる電力レベル(前記APC部21aから出力される電
力レベル)は,前記子局装置10aの送信電力レベルか
ら前記パワーアンプ23aによって増幅される分を差し
引いたレベルである。図4(a)〜(c)に示すグラフ
のX軸は共通(図4(c)のX軸)であり,前記子局装
置10aの前記受信電力レベル検出装置27aによって
検出される受信電力レベルPxを表す。図4(a)に実
線で示すグラフは,前記受信電力レベルPx(X軸)に
応じて決定される前記子局装置10aから出力する送信
電力レベルPy(Y軸)を表すグラフである。図4
(a)の実線に示すように,前記演算制御部29aは,
前記受信電力レベルPxが所定のしきいレベルPx1以
下である場合には,前記送信電力レベルPyを所定の上
限レベルPmaxとする。また,前記受信電力レベルPx
が前記しきいレベルPx1以上である場合には,前記受
信電力レベルPxの上昇分に相当する分だけ前記送信電
力レベルPyを低下させる。これにより,図4(b)の
実線に示すように,前記受信電力レベルPxが前記しき
いレベルPx1以下である場合には,前記親局装置に到
達する信号の電力レベルPpin(以下,親局到達電力レ
ベルという)は,前記受信電力レベルPxの低下分,即
ち,通信空間における減衰量の増大分に相当する分だけ
低下する。ここで,前記親局到達電力レベルPpinが最
も低いレベルP0となる点は,前記子局装置10aと前
記親局装置10bとの間の通信経路の空間における減衰
量が最大である場合を示し,このときの前記受信電力レ
ベルPx0が,本無線通信システムAにおいて通信が可
能な最低のレベルである。また,前記受信電力レベルP
xが前記しきいレベルPx1以上である場合には,前記
親局到達電力レベルは所定のレベルPaveに保持され
る。ここで,前記受信電力レベルP0及びPaveは,前記
親局装置10bが受信可能な信号の電力レベルの許容範
囲内の所定のレベルである。通常,該許容範囲は予め前
記親局モデム11bに設定される所定のレベル±5〜6
dBm程度である。また,図4(c)の実線に示すよう
に,前記親局装置に到達する信号のSN比(以下,上り
SN比という),即ち,前記親局装置到達電力レベルP
pinから所定の雑音レベルを差し引いた値も,前記親局
到達電力レベルPpinと同様に,前記受信電力レベルP
xが前記しきいレベルPx1以下である場合には,前記
受信電力レベルPxの低下分に相当する分だけ低下し,
前記受信電力レベルPxが前記しきいレベルPx1以上
である場合には一定の値に保持される。
【0013】一方,前記従来技術によれば,前記送信電
力レベルPy,前記親局到達電力レベルPpin,及び前
記上りSN比は,各々図4(a)〜(c)の破線で示す
通りとなる。ここで,無線通信システムを構成する機器
の能力(前記定格送信電力レベルPmax等)は同じ条件
とする。即ち,図4(a)の破線に示すように,前記送
信電力レベルPyが,前記電力レベルPxの上昇分だけ
低下するよう決定されるため,前記親局到達電力レベル
Ppinが所定のレベルP0に保持される。ここで,該所定
のレベルP0は,通信経路の空間における信号の減衰量
が最大の場合,即ち,前記受信電力レベルPxが最小値
Px0である場合に,前記送信電力レベルPyを前記定
格送信電力レベルPmaxで送信したときに前記親局装置
10bに到達する信号の電力レベルである。このよう
に,前記従来技術では,前記親局到達電力レベルPpin
が,前記受信電力レベルPxの全ての領域について,前
記減衰量が最大の状況に合わせた最も低いレベルP0と
なる。これに対し,本発明によれば,前記受信電力レベ
ルPxが前記しきいレベルPx1以上の場合(前記減衰
量が比較的小さい場合)には,前記親局到達電力レベル
Ppinを前記P0よりも高いレベルPaveに上げることが
できる。しかも,前記受信電力レベルPxが前記しきい
レベルPx1以下の場合(前記減衰量が比較的大きい場
合)であっても,前記送信電力レベルPyが前記定格送
信電力レベルPmaxを超えることはなく,送信信号に歪
が生じない。従って,図4(c)に示すように,本発明
によれば前記従来技術に比べ,前記上りSN比を高くす
ることが可能となり,その結果,高品質の通信が可能と
なる。もちろん,前記受信電力レベルPxが前記しきい
レベルPx1よりも低下するほど,本発明による前記上
りSN比は前記従来技術による前記上りSN比に近づく
が,通常,前記受信電力レベルPxが前記Px1未満と
なるのは,激しく雨が降っている場合等まれな状況であ
り,多くの場合において高品質の通信が可能となる。
【0014】以上示したように,本発明によれば,前記
従来技術よりも前記上りSN比を高くできるので,通信
品質を表すビット誤り率(BER)が向上する。図4
(c)の例において,前記従来技術では前記受信電力レ
ベルPxの全領域において前記上りSN比=16dBで
あり,これに相当する前記BERを計算すると1E−6
程度である。一方,本発明によれば前記受信電力レベル
Pxが前記Px1以上の領域では,前記上りSN比=2
1dBであり,これに相当する前記BERは1E−8未
満となり,前記従来技術に比べ2桁のオーダーで通信品
質が改善される。
【0015】図5は,本無線通信システムAにおいて,
図4(a)の実線で示されるグラフに従って,前記送信
電力レベルPyが決定された場合の前記上り信号の電力
レベルの通信経路の途中における変化を模式的に表した
図であり,前述した図2(前記従来技術によるもの)に
対応するものである。図5において,ある子局装置Aか
ら送信される上り信号5aは,該子局装置Aから前記定
格出力電力レベルPmaxで送信され,前記親局装置10
bに前記最も低いレベルP0で到達する場合を示すもの
であり,子局装置10aと前記親局装置10bとの間の
通信空間における減衰量が最大(通信経路の通信環境が
最悪)の場合(図4における前記受信電力レベルPx=
Px0の場合)を表す。また,別の子局装置Bから送信
される上り信号レベル5bは,前記受信電力レベルPx
=Px1(前記しきいレベル)である場合を示すもので
ある。また,さらに別の子局装置Cから送信される上り
信号レベル5cは,前記受信電力レベルPx>Px1で
ある場合を示す。このように,前記従来技術(図2)で
は,前記通信空間における減衰量の違いにかかわらず,
前記親局到達電力レベルPpinが所定の前記最も低いレ
ベルP0で一定となるが,本発明(図5)によれば,前
記親局到達電力レベルPpinを前記レベルP0以上にで
き,その結果,前記上りSN比が向上する。
【0016】
【実施例】次に,前記無線通信システムAの応用例であ
る無線通信システムBについて説明する。該無線通信シ
ステムBは,前記演算制御部29aによる前記送信電力
レベルPyの決定方法のみが前記無線通信システムAと
異なるものである。本無線通信システムBでは,図6
(a)に実線で示すように,前記受信電力レベルPxが
前記しきいレベルPx1よりも小さい所定のレベルPx1
a以下である場合,及び前記しきいレベルPx1よりも大
きい所定のレベルPx1b以上である場合には,前記無線
通信システムA(図4(a))と同様に前記送信電力レ
ベルPyを決定する。しかし,前記レベルPx1a〜Px
1bの範囲では,二次曲線(二次式)や指数曲線(指数
式)等を用いて前記送信電力レベルPyを滑らかに変化
させる。これは,前記受信電力レベルPxが前記Px1
付近で変化した場合に,例えば,前記親局装置10bに
おいて,前記親局受信電力レベルPpinの変化が激しく
なり,該変化に追従して適切に受信できない等の弊害が
生じるような場合に有効である。また,図6(a)で
は,前記受信電力レベルPxが前記Px0〜Px1aの間
において,前記定格送信電力レベルPmaxで一定となる
ようにしているが,該一定部を設けず,例えば前記しき
いレベルPx1以下の領域において,二次曲線(二次
式)や指数曲線(指数式)等を用いて,前記受信電力レ
ベルPxの低下につれて前記送信電力レベルPyを前記
定格送信電力レベルPmaxに向かって曲線状に上昇させ
るものであってもよい。また,前記送信電力レベルPy
の決定方法は,前記定格送信電力レベルPmaxを超えな
いようにするとともに,前記親局到達電力レベルPpin
が前記親局装置10bが受信可能な電力レベルの許容範
囲となるように決定するものであれば,以上に示した方
法に限られるものではない。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば,
子局装置から送信する信号の電力レベルを親局装置が受
信可能なレベルに調整するとともに,送信する無線信号
に歪を生じさせることなくSN比を向上させ,ひいては
通信品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な1対多双方向無線通信システムの概略
構成図。
【図2】従来の子局装置から親局装置へ送信される上り
信号電力レベルの通信経路の途中における変化を模式的
に表した図。
【図3】本発明の実施の形態に係る無線通信システムA
を構成する子局装置の構成を表すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態に係る無線通信システムA
を構成する子局装置の送信電力レベルの決定方法を説明
する図。
【図5】本発明の実施の形態に係る無線通信システムA
を構成する子局装置から親局装置へ送信される上り受信
電力レベルの通信経路の途中における変化を模式的に表
した図。
【図6】本発明の実施例に係る無線通信システムBを構
成する子局装置の送信電力レベルの決定方法を説明する
図。
【符号の説明】
2a,5a…子局装置Aの上り信号 2b,5b…子局装置Bの上り信号 2c,5c…子局装置Cの上り信号 10a…子局装置 10b…親局装置 11a…子局モデム 11b…親局モデム 12a…子局無線機 12b…親局無線機 13a…子局アンテナ 13a1…受信アンテナ 13a2…送信アンテナ 13b…親局アンテナ 21a…自動パワーコントロール部 22a…アップコンバータ 23a…パワーアンプ 24a,24b…ローノイズアンプ 25a,25b…ダウンコンバータ 26a…自動レベルコントロール部 27a…受信電力レベル検出装置 28a…ダイプレクサ 29a…演算制御部 Py…送信電力レベル Px,Px0,Px1…受信電力レベル Pmax…定格送信電力レベル Ppin,P0,Pave…親局到達電力レベル dP0…最大減衰量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 有一郎 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 毛笠 光容 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 5K027 AA12 BB03 EE00 5K067 AA23 BB02 BB21 EE02 EE10 GG08 GG09 KK13 KK15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 子局装置が,親局装置から受信する信号
    の受信電力レベルを検出し,検出した該受信電力レベル
    に基づいて親局装置に送信する信号の送信電力レベルを
    決定する無線通信システムにおいて,前記子局装置にお
    ける前記送信電力レベルが,前記子局装置における前記
    受信電力レベルが第1の所定値以下の条件のもとでは,
    所定の上限レベルで一定となるように,又は前記受信電
    力レベルの低下につれて前記所定の上限レベルに向かっ
    て曲線状に上昇させるように前記子局装置により決定さ
    れてなることを特徴とする無線通信システム。
  2. 【請求項2】 前記所定の上限レベルが,前記子局装置
    が有する前記無線信号出力用アンプの飽和電力レベル以
    下の所定のレベルである請求項1に記載の無線通信シス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記子局装置が,前記受信電力レベルが
    第2の所定値以上の条件のもとでは,前記受信電力レベ
    ルの上昇分に相当する分だけ前記送信電力レベルを低下
    させ,前記親局装置に到達する信号の電力レベルが前記
    親局装置が受信可能な電力レベルの許容範囲内の所定の
    レベルになるよう前記送信電力レベルを決定する請求項
    1又は2のいずれかに記載の無線通信システム。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の所定値が同じ値であ
    る請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 【請求項5】 前記子局装置が,前記受信電力レベルが
    前記第1の所定値以上かつ前記第2の所定値以下である
    条件のもとでは,前記送信電力レベルを滑らかに変化さ
    せるよう決定する請求項3に記載の無線通信システム。
  6. 【請求項6】 子局装置が,親局装置から受信する信号
    の受信電力レベルを検出し,検出した該受信電力レベル
    に基づいて親局装置に送信する信号の送信電力レベルを
    決定する無線通信方法において,前記子局装置における
    前記送信電力レベルが,前記子局装置における前記受信
    電力レベルが第1の所定値以下の条件のもとでは,所定
    の上限レベルで一定となるように,又は前記受信電力レ
    ベルの低下につれて前記所定の上限レベルに向かって曲
    線状に上昇させるように前記子局装置により決定されて
    なることを特徴とする無線通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012114931A (ja) * 2005-08-22 2012-06-14 Qualcomm Inc Rl品質インジケータに基づくcqiリポインティングのための開ループパワー調整

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