JP2003021576A - 波長計測装置 - Google Patents

波長計測装置

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JP2003021576A
JP2003021576A JP2001209115A JP2001209115A JP2003021576A JP 2003021576 A JP2003021576 A JP 2003021576A JP 2001209115 A JP2001209115 A JP 2001209115A JP 2001209115 A JP2001209115 A JP 2001209115A JP 2003021576 A JP2003021576 A JP 2003021576A
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temperature
signal
wavelength
electric signal
sensor
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Application number
JP2001209115A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Yoshino
俊彦 芳野
Masahide Yoneyama
誠秀 米山
Yasukazu Sano
安一 佐野
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SLD等の広帯域光源が持つスペクトラルリ
ップルを等価的になくして波長計測精度を高める。 【解決手段】 温度により発光スペクトラムが変化する
広帯域光源の温度を第1の設定温度に保つ手段と、第1
の設定温度のもとで光フィルタから出力される光信号を
受光素子により電気信号に変換してその信号を第1の電
気信号として記憶する手段と、広帯域光源の温度を第2
の設定温度に保つ手段と、第2の設定温度のもとで光フ
ィルタから出力される光信号を受光素子により電気信号
に変換してその信号を第2の電気信号として記憶する手
段と、第1及び第2の電気信号を加算して第3の電気信
号を求める手段と、第3の電気信号を用いてセンサの透
過光スペクトラムまたは反射光スペクトラムを演算処理
により求める手段と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スーパールミネッ
セントダイオード等の広帯域光源を用いた波長計測装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光応用計測装置として、光量計測により
温度、歪み等の物理量を計測するのではなく、光ファイ
バブラッググレーティング(以下、FBGという)を用
いた波長計測型の物理量計測装置が報告されている(Y.
Sano, N. Hirayama, T. Yoshino, “Wavelength Inter
rogator Employing Arrayed Waveguide Grating for Di
stributed Fiber Bragg Grating Sensors”, 14th OFS,
pp788-791, 2000:参考文献1とする)。
【0003】上記のシステムは、光ファイバ伝送ライン
の光量損失や光源の光量変動の影響を直接受けるため高
精度計測には向いていない光量計測型のシステムではな
く、センサヘッドから発せられる波長そのものを計測す
るシステムであるため、高い計測精度が期待され、各研
究機関で研究が進められている。このシステムにおいて
は、多くの場合、光源として広帯域光源が用いられ、実
用的には安価なスーパールミネッセントダイオード(以
下、SLDという)がよく用いられている。
【0004】図4は、この種の従来の波長計測装置の構
成を示している。図4において、広帯域光源20のSL
D22から出射した光は、光カプラ/スプリッタ30及
び光ファイバ40を経由してFBG41,41,4
,……,41に達し、これらのFBGが検出した
温度、歪み等の物理量に対応した反射波長を持った光と
して反射される。ここで、光ファイバ40及びFBG4
,41,41,……,41の全体を、光ファ
イバセンサと称することにする。
【0005】FBGによる反射光は光カプラ/スプリッ
タ30を経由して波長検出器50に導入され、この検出
器50により反射光の中心波長が検出される。ここで、
波長検出器50は光フィルタ51,フォトダイオード5
2及び信号処理部53から構成されており、光フィルタ
51としては、例えばアレー導波路格子(以下、AWG
という)やファブリペローフィルタ(ファブリペロー干
渉計)が使用されている。信号処理部53から出力され
る計測波長を前記物理量に変換することにより、温度、
歪み等の物理量検出センサを実現することができる。
【0006】ここで、光フィルタ51としてAWGを用
いた波長検出器は、例えば前記参考文献1や特開200
0−283844号公報等に記載されており、また、フ
ァブリペローフィルタを用いた波長検出器は、A. D. Ke
rsey, T. A. Berkoff, and W. W. Morey,“Multiplexed
fiber Bragg grating strain sensor system with afi
ber Fabry-Perot wavelength filter”, OPTICS LETTER
S, vol.18, No.16, 1993(参考文献2とする)に記載さ
れている。AWGを用いた波長検出原理は、前記特開2
000−283844号公報にも記載されているよう
に、例えばAWGの隣接する二つの出力チャンネルの受
光素子による光電流I,Iから、 λ=alog(I/I)+a (λ:波長、 a,a:定数[nm])という演算
を行う。
【0007】なお、図4において、光源の発光スペクト
ラムを安定させ計測精度を上げるために、SLD22に
は温度センサ21及びペルチェ素子23が取り付けられ
ており、温度コントローラ10によるフィードバック制
御によってSLD22の温度を一定値に保っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示した
波長計測装置においては、広帯域光源20として使用さ
れるSLD22のス発光ペクトラムがスムーズでなく局
所的に変動する成分(リップル)を含むので、波長計測
精度に大きな影響を与えることが知られている(T. A.
Berkoff, M. A. Davis, and A. D. Kersey, ”Source s
tructure InducedMeasurement Errors in Fiber Bragg
Grating Sensors Arrays”, SPIE, vol.2294, 1994 :
参考文献3を参照)。
【0009】すなわち図4に示したような構成で波長を
計測した場合、広帯域光源20としてのSLD22の光
スペクトラル変調の影響により、図5に示す如く波長検
出器50のフォトダイオード52に入射する各FBGか
らの反射スペクトラムはリップルを含んだものとなり、
物理量に対応したFBGの反射中心波長を正確に測定す
ることが困難であるという問題があった。なお、図5
(a)は光スペクトラル変調(光スペクトラルリップ
ル)がない場合、(b)は光スペクトラル変調がある場
合の、FBGの反射スペクトラム、光源の発光スペクト
ラムをそれぞれ示している。
【0010】そこで本発明は、広帯域光源としてSLD
等を使用した場合においても、光スペクトラル変調のな
い光を等価的に作り出してセンサからの反射光や透過光
の光スペクトラムリップルをなくし、高精度な波長計測
を可能にした波長計測装置を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】まず、本発明では、広帯
域光源であるSLD等の発光スペクトラムが温度によっ
て変化することを利用する。ここで、λをSLDの発光
波長、TをSLDの活性層の温度、gをSLDのスペク
トラム成分のうちリップル以外のスムーズな発光スペク
トラム成分、mをスペクトラム変調度、qを変調周期、
θを初期位相とすると、SLDの発光スペクトラムS
(λ,T)は、近似的に数式1によって示される。
【0012】
【数1】
【0013】数式1におけるq及びθは、数式2、数式
3によって示される。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
【0016】数式2、数式3において、λは発光中心
波長、nはSLDの活性層の屈折率、Lは活性層の長
さ、αはnの温度係数、βはLの線膨張係数である。数
式2、数式3を数式1に代入して、活性層の温度Tまで
含めた形でS(λ,T)を示すと、通常のSLDの場合、
L≫λを考慮すれば、近似的に数式4を得る。
【0017】
【数4】
【0018】ここで、温度を時間で変調する。すなわ
ち、まず最初にrを自然数として、数式5とおき、こ
れを変形して数式6を得る。
【0019】
【数5】
【0020】
【数6】
【0021】次に、rを自然数として、数式7とお
き、これを変形して数式8を得る。
【0022】
【数7】
【0023】
【数8】
【0024】一方、一般的に、光電変換によりフォトダ
イオード等の受光素子に流れる電流I(T)は、SLDの
温度増加に対して、光学利得係数やキャリア寿命等の温
度依存性により減少する。数式4、数式6、数式8か
ら、数式9、数式10を得る。
【0025】
【数9】
【0026】
【数10】
【0027】いま、SLDから光ファイバ、FBG、波
長検出器の光学系(光フィルタ)を経由して受光素子に
至る経路の伝達関数(スペクトラルレスポンス)をG
(λ)とすると、受光素子に入射するスペクトラムP
(λ)は、温度T=Tのとき数式11により表され、
温度T=Tのとき数式12により表される。
【0028】
【数11】
【0029】
【数12】
【0030】ここで、次の数式13、数式14のよう
に、前述の数式9,数式11により表されるP(λ,
)と、前述の数式10,数式12により表されるP
(λ,T)を、受光素子の出力側に接続される積分
時間可変、増幅度可変の積分器(マイコン等)を使って
時間t,tにわたり積分する。
【0031】
【数13】
【0032】
【数14】
【0033】数式13、数式14において、η,I
それぞれ受光素子の光電変換効率及びS(λ,T)のピー
クを1として規格化したときの光源の単位波長当たりの
エネルギー密度、M,Mはそれぞれ積分時間t
における積分器の増幅度(増幅度1を含む)であ
る。なお、増幅ではなく任意の減衰率で減衰させる場合
も本発明の技術的範囲に包含されるものである。更に、
数式13と数式14とを加算することとし、その際に数
式15が成立するように各パラメータt,t
,M、m(λ,T),m(λ,T)を選ぶと、数
式13と数式14との加算結果Aは数式16のようにな
る。
【0034】
【数15】
【0035】
【数16】
【0036】すなわち、数式6、数式8に従ってSLD
の温度(活性層の温度)TをTからTに変化させる
と、数式9、数式10によりSLDの発光スペクトラム
の変調位相をπ[rad](180度)変化させることが
できる。そして、数式13、数式14による温度T
の受光素子入射スペクトラムP(λ,T),P
(λ,T)の時間積分値を加算し、数式16を得るよう
に各パラメータを選択すれば、位相を変化させないもと
の発光スペクトラムと位相をπ[rad]変化させた発光
スペクトラムとを合成した状態を実現でき、もとの発光
スペクトラムに光スペクトラル変調があったとしてもリ
ップルをキャンセルさせた発光スペクトラムを等価的に
得ることができる。言い換えれば、数式16は、光スペ
クトラルリップルのない安定した光源の発光スペクトラ
ムをスペクトラルレスポンスG(λ)にインプットでき
ることを示している。
【0037】すなわち、請求項1に記載した発明は、広
帯域光源の光をセンサに入射し、その透過光スペクトラ
ムまたは反射光スペクトラムを光フィルタ及び受光素子
を介し検出して透過光または反射光の波長を計測する波
長計測装置において、温度により発光スペクトラムが変
化する前記広帯域光源の温度を第1の設定温度に保つ手
段と、第1の設定温度のもとで前記光フィルタから出力
される光信号を前記受光素子により電気信号に変換して
その信号を第1の電気信号として記憶する手段と、前記
広帯域光源の温度を第2の設定温度に保つ手段と、第2
の設定温度のもとで前記光フィルタから出力される光信
号を前記受光素子により電気信号に変換してその信号を
第2の電気信号として記憶する手段と、第1の電気信号
と第2の電気信号とを加算して第3の電気信号を求める
手段と、第3の電気信号を用いて前記センサの透過光ス
ペクトラムまたは反射光スペクトラムを演算処理により
求める手段と、を備えたものである。
【0038】請求項2に記載した発明は、広帯域光源の
光をセンサに入射し、その透過光スペクトラムまたは反
射光スペクトラムを光フィルタ及び受光素子を介し検出
して透過光または反射光の波長を計測する波長計測装置
において、温度により発光スペクトラムが変化する前記
広帯域光源の温度を第1の設定温度に保つ手段と、第1
の設定温度のもとで前記光フィルタから出力される光信
号を前記受光素子により電気信号に変換してその信号を
任意の時間積分すると共に任意の増幅度または減衰率に
より増幅しまたは減衰させて第1の電気信号として記憶
する手段と、前記広帯域光源の温度を第2の設定温度に
保つ手段と、第2の設定温度のもとで前記光フィルタか
ら出力される光信号を前記受光素子により電気信号に変
換してその信号を任意の時間積分すると共に任意の増幅
度または減衰率により増幅しまたは減衰させて第2の電
気信号として記憶する手段と、第1の電気信号と第2の
電気信号とを加算して第3の電気信号を求める手段と、
第3の電気信号を用いて前記センサの透過光スペクトラ
ムまたは反射光スペクトラムを演算処理により求める手
段と、を備えたものである。
【0039】請求項3に記載した発明は、請求項1また
は請求項2の全体に記載した波長計測装置において、光
フィルタとしてアレー導波路格子を用いたものであり、
請求項4に記載した発明は、光フィルタとしてファブリ
ペローフィルタを用いたものである。
【0040】請求項5に記載した発明は、請求項1,
2,3または4の何れか1項の全体に記載した波長計測
装置において、センサが光ファイバを用いたセンサであ
ることを特徴とし、請求項6に記載した発明は、センサ
が光ファイバブラッググレーティングを用いた光ファイ
バセンサであることを特徴とし、更に請求項7に記載し
た発明は、センサが光導波路にブラッググレーティング
を書き込んだセンサであることを特徴とする。
【0041】また、請求項8に記載した発明は、上記請
求項1〜7の何れか1項の全体に記載した波長計測装置
において、第1の設定温度及び第2の設定温度は、光源
の発光スペクトラムに観測される光スペクトラル変調の
位相に180度の位相差を発生させる温度であることを
特徴とする。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の第1実
施形態を説明する。図1は、センサとしてFBGを用い
た波長計測装置の構成を示しており、図4と同一の構成
要素には同一の番号を付してある。
【0043】図1において、前記同様に広帯域光源20
のSLD22からの出射光は、光カプラ/スプリッタ3
0及び光ファイバ40を経由してFBG41,4
,41,……,41(以下、一括して指す場合
には番号41とする)に達し、これらのFBG41が検
出した温度、歪み等の物理量に対応する反射波長を持っ
た光として反射される。FBG41による反射光の中心
波長は、光カプラ/スプリッタ30を経由して波長検出
器60内のAWG61に入射する。
【0044】ここで、AWGは、周知のように多入力多
出力の波長選択フィルタデバイスであって、所定の曲率
半径のアレイ導波路と、その入力側、出力側にそれぞれ
形成されたスラブ導波路と、これらのスラブ導波路にそ
れぞれ連続する複数チャンネルの入力導波路及び出力導
波路を備え、波長多重化された入力光を例えば1[n
m]以下の分解能で波長弁別可能な素子である。
【0045】前記AWG61の出力端には受光素子とし
てのフォトダイオード62が複数設けられ、これらのフ
ォトダイオード62による検出電流が電流電圧変換器6
3により電圧信号に変換され、AD(アナログ/ディジ
タル)変換器64によりディジタル信号に変換されてマ
イコン65に入力されている。このマイコン65では、
FBG41,41,41,……,41による反
射光の中心波長をそれぞれ演算して出力することによ
り、各FBGの位置に対応する温度、歪み等の物理量が
検出される。
【0046】また、マイコン65にはSLD22に取り
付けられた温度センサ21による温度検出信号が入力さ
れており、SLD22の温度を周期的に変化させるため
にペルチェ素子駆動信号が生成され、この駆動信号はペ
ルチェ素子23に加えられている。なお、SLD22の
温度検出手段及び加熱冷却手段は、上記の構成に何ら限
定されるものではない。
【0047】以下、本実施形態の動作を、図3のタイミ
ングチャートに基づいて説明する。まず、この実施形態
では、図3におけるタイミングP1からシーケンス動作
を開始する。SLD22の温度を温度センサ21により
検出し、その検出温度が目標の第1の設定温度T1にな
るようにマイコン65がペルチェ素子駆動信号を生成し
てペルチェ素子23に印加する。これにより、SLD2
2の温度はその後、T1に達する。
【0048】タイミングP2では、SLDの温度は第1
の設定温度T1に達している。このタイミングP2か
ら、FBG41の反射光はAWG61により分波され、
フォトダイオード62の出力信号が電流電圧変換器6
3、AD変換器64を経由してマイコン65に入力さ
れ、積分が開始される。この積分はP3まで実行される
(図3における積分制御信号)。このP2からP3まで
の積分は前述した数式13に相当し、P2からP3まで
の時間は数式13のtに相当する。
【0049】次に、マイコン65は、温度センサ21及
びペルチェ素子23を用いて、第1の設定温度T1の場
合と同様に、SLD22の温度を第2の設定温度T2に
一致させるように制御動作を行う。タイミングP5にお
いて、SLD22の温度はT2に達する。その間、タイ
ミングP4では前述のP2〜P3の時間積分値をメモリ
に記憶(ストア)する。
【0050】タイミングP5では、SLD22の温度は
第2の設定温度T2に完全に到達している。このタイミ
ングP5から、FBG41の反射光は再びAWG61に
より分波され、フォトダイオード62の出力信号が電流
電圧変換器63、AD変換器64を経由してマイコン6
5に入力され、積分が開始される。この積分はP6まで
実行される(図3における積分制御信号)。このP5か
らP6までの積分は前述した数式14に相当し、P5か
らP6までの時間は数式14のtに相当する。その
後、タイミングP7においてP5〜P6の時間積分値が
メモリにストアされる。
【0051】ここで、前述した数式13〜16における
増幅度M,Mは、マイコン65が実行するソフトウ
ェアによって任意に設定されるものである。次に、タイ
ミングP8において、前記2つのメモリにストアされた
時間積分値が加算される。この加算は、前述した数式1
6に相当する。その際、数式15が成立するように時間
,t、増幅度M,M、スペクトル変調度m
(λ,T),m(λ,T)を選ぶことにより、時間積分
値の加算結果は数式16に示したようになり、SLD2
2の発光スペクトラムに光スペクトラル変調があったと
しても、変調位相を変化させないもとの発光スペクトラ
ムと位相をπ[rad]変化させた発光スペクトラムとを
合成した状態を実現でき、スペクトラルリップルをキャ
ンセルさせた発光スペクトラムを等価的に得ることがで
きる。
【0052】また、タイミングP8からP9までの間
に、波長計測のための演算が行なわれる。前述した参考
文献1や特開2000−283844号公報等に示され
るようなAWGを用いた波長検出器の場合、タイミング
P8からP9までの間に行う波長計測演算は、一つのF
BGに対してAWG61の隣接する2つの出力チャンネ
ルに接続された2つのフォトダイオード62の出力信号
に対して上述した数式13,14,16の積分及び加算
を実行し、その演算結果の比の対数を求めて所定の定数
を乗算及び加算することに相当する。
【0053】次に、本発明の第2実施形態を図2を参照
しつつ説明する。この実施形態が第1実施形態と異なる
のは、波長検出器60’内において、フォトダイオード
62が1個であることと、光カプラ/スプリッタ30と
フォトダイオード62との間に、光フィルタとしてAW
Gの代りに可変ファブリペローフィルタ66が配置され
ていることである。ここで、ファブリペローフィルタ
は、周知のように、対向する平行な反射板(エタロン)
の間隔を変化させることにより、一方の反射板に入射し
た波長多重光のうち任意の波長範囲の光を他方の反射板
から出射させる波長選択性を持った光フィルタである。
【0054】本実施形態では、図3におけるタイミング
P2,P3の間に可変ファブリペローフィルタ66がマ
イコン65からの可変ファブリペローフィルター駆動信
号により駆動され、同フィルタ66のバンドパスフィル
タとしての中心波長が掃引され、各中心波長におけるフ
ォトダイオード62の受光パワー(光電流)が記憶され
る。これが何度も繰り返され、各中心波長におけるパワ
ーが積分される。図3におけるタイミングP5,P6の
間にも、同様なシーケンスが繰り返される。その後、タ
イミングP2,P3の間の時間積分値とタイミングP
5,P6の間の時間積分値とが加算され、タイミングP
8から各中心波長ごとのパワーが比較されて、最もパワ
ーの大きな波長がFBG41からの反射波長として計測
される。なお、以上の第1,第2実施形態において、光
カプラ/スプリッタ30の代わりに光カプラ/スプリッ
タよりも光損失の少ない光サーキュレータを用いても良
いのは明らかである。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来のよ
うにSLD等の広帯域光源の発光スペクトラムがスペク
トラル変調(リップル)を有している場合でも、光源の
温度を変えてスペクトラムの変調位相をπ[rad]変化
させ、変調位相を変化させていないもとのスペクトラム
との加算を電子回路的に行うことで、スペクトラル変調
のない光源を等価的に作り出すことができる。これによ
り、図5(b)に示したようなリップルの多い反射スペ
クトラムでも、等価的に同図(a)のようにリップルの
ない反射スペクトラムを得ることができるので、精度の
良い波長計測が可能となる。図4に示したような従来の
波長計測装置は、光源の温度を一定に保つだけであり、
光源の温度を周期的に変化させる温度変調は行なってい
ない。
【0056】なお、本発明は、センサからの反射光スペ
クトラムだけでなく透過光スペクトラムを対象として波
長計測を行う場合にも適用可能である。また、本発明
は、前述した実施形態以外にも、例えば低コヒーレンス
光源を用いたファイバセンシングの分野(芳野俊彦、
「低コヒーレンス光源を用いたファイバセンシング」、
精密工学会誌、vol.64,No.9,1269−1273ページ、1998
等を参照)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の各実施形態の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図4】従来技術を示す波長計測装置の構成図である。
【図5】光源の発光パワースペクトラム及びFBGの反
射スペクトラム(フォトダイオードへの入射スペクトラ
ム)を示す図である。
【符号の説明】
20 広帯域光源 21 温度センサ 22 SLD(スーパールミネッセンスダイオード) 23 ペルチェ素子 30 光カプラ/スプリッタ 40 光ファイバ 41,41,41,41,……,41 FBG
(光ファイバブラッググレーティング) 60,60’ 波長検出器 61 AWG(アレー導波路格子) 62 フォトダイオード 63 電流電圧変換器 64 AD変換器 65 マイコン 66 可変ファブリペローフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 安一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 2G020 BA20 CB23 CC06 CD12 CD13 CD24 CD34 2G086 DD04 DD05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広帯域光源の光をセンサに入射し、その
    透過光スペクトラムまたは反射光スペクトラムを光フィ
    ルタ及び受光素子を介し検出して透過光または反射光の
    波長を計測する波長計測装置において、 温度により発光スペクトラムが変化する前記広帯域光源
    の温度を第1の設定温度に保つ手段と、 第1の設定温度のもとで前記光フィルタから出力される
    光信号を前記受光素子により電気信号に変換してその信
    号を第1の電気信号として記憶する手段と、 前記広帯域光源の温度を第2の設定温度に保つ手段と、 第2の設定温度のもとで前記光フィルタから出力される
    光信号を前記受光素子により電気信号に変換してその信
    号を第2の電気信号として記憶する手段と、 第1の電気信号と第2の電気信号とを加算して第3の電
    気信号を求める手段と、 第3の電気信号を用いて前記センサの透過光スペクトラ
    ムまたは反射光スペクトラムを演算処理により求める手
    段と、 を備えたことを特徴とする波長計測装置。
  2. 【請求項2】 広帯域光源の光をセンサに入射し、その
    透過光スペクトラムまたは反射光スペクトラムを光フィ
    ルタ及び受光素子を介し検出して透過光または反射光の
    波長を計測する波長計測装置において、 温度により発光スペクトラムが変化する前記広帯域光源
    の温度を第1の設定温度に保つ手段と、 第1の設定温度のもとで前記光フィルタから出力される
    光信号を前記受光素子により電気信号に変換してその信
    号を任意の時間積分すると共に任意の増幅度または減衰
    率により増幅しまたは減衰させて第1の電気信号として
    記憶する手段と、 前記広帯域光源の温度を第2の設定温度に保つ手段と、 第2の設定温度のもとで前記光フィルタから出力される
    光信号を前記受光素子により電気信号に変換してその信
    号を任意の時間積分すると共に任意の増幅度または減衰
    率により増幅しまたは減衰させて第2の電気信号として
    記憶する手段と、 第1の電気信号と第2の電気信号とを加算して第3の電
    気信号を求める手段と、 第3の電気信号を用いて前記センサの透過光スペクトラ
    ムまたは反射光スペクトラムを演算処理により求める手
    段と、 を備えたことを特徴とする波長計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の全体に記載し
    た波長計測装置において、 光フィルタとしてアレー導波路格子を用いたことを特徴
    とする波長計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2の全体に記載し
    た波長計測装置において、 光フィルタとしてファブリペローフィルタを用いたこと
    を特徴とする波長計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4の何れか1項
    の全体に記載した波長計測装置において、 センサが光ファイバを用いたセンサであることを特徴と
    する波長計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の全体に記載した波長計測装置
    において、 センサが光ファイバブラッググレーティングを用いた光
    ファイバセンサであることを特徴とする波長計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の全体に記載した波長計測装置
    において、 センサが光導波路にブラッググレーティングを書き込ん
    だセンサであることを特徴とする波長計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6または7
    の何れか1項の全体に記載した波長計測装置において、 第1の設定温度及び第2の設定温度は、光源の発光スペ
    クトラムに観測される光スペクトラル変調の位相に18
    0度の位相差を発生させる温度であることを特徴とする
    波長計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7366366B2 (en) 2003-09-17 2008-04-29 Kyocera Corporation FBG sensing system
JP2009122994A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Ihi Inspection & Instrumentation Co Ltd 異常検知システム
JP2012523104A (ja) * 2009-04-03 2012-09-27 エグザロス・アクチェンゲゼルシャフト 光源および光干渉断層モジュール

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US8971360B2 (en) 2009-04-03 2015-03-03 Exalos Ag Light source, and optical coherence tomography module

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