JP2003020903A - 軸流タービンとその静翼および動翼 - Google Patents

軸流タービンとその静翼および動翼

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JP2003020903A
JP2003020903A JP2001209010A JP2001209010A JP2003020903A JP 2003020903 A JP2003020903 A JP 2003020903A JP 2001209010 A JP2001209010 A JP 2001209010A JP 2001209010 A JP2001209010 A JP 2001209010A JP 2003020903 A JP2003020903 A JP 2003020903A
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JP2001209010A
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Sakae Kawasaki
崎 榮 川
Junichi Tominaga
永 純 一 富
Akihiro Onoda
昭 博 小野田
Masahito Sugiura
浦 将 人 杉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次流れ損失および翼型損失の両方を減少可
能な高性能3次元翼の静翼および動翼を備えた軸流ター
ビンを提供する。 【解決手段】 二次流れの影響がない翼長手方向中央部
における翼断面背側の曲率半径を、二次流れの影響の大
きい翼先端部および翼根本部における翼断面背側の曲率
半径よりも大きくする。また、軸流タービンの回転軸中
心から翼根本部後縁を通過して半径方向外側に延びるラ
ジアル線に対し、翼長手方向中央部における翼後縁を回
転軸の円周方向で静翼および動翼の腹側に離間させる。
これにより、翼先端部から翼根本部における二次流れ損
失を減少させつつ、翼長手方向中央部における翼型損失
をも減少可能な、高性能な3次元静翼およひ3次元動翼
を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸流タービンとその
静翼および動翼に関し、より詳しくは、二次流れ損失お
よび翼型損失の両方を減少可能な高性能3次元翼を静翼
および動翼として備える軸流タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発電プラントで用いられる蒸気タ
ービン等の軸流タービンにおいては、図11および図1
2に示すように、ダイアフラム外輪1およびダイアフラ
ム内輪2にそれぞれ固設された複数枚の静翼3、回転軸
4およびシュラウド5間に固設された複数枚の動翼6、
ダイアフラム外輪7およびダイアフラム内輪8にそれぞ
れ固設された複数枚の静翼9が交互に配設されている。
【0003】ところで近年、環境問題や省エネルギ等の
観点から、このような軸流タービンのより一層の高効率
化が重要な課題となっている。そこで、互いに隣接する
翼間に形成された流路内に発生する二次流れを低減させ
ることにより、タービン効率の向上が図られて来た。
【0004】この二次流れについて図13を参照して説
明すると、互いに隣接する静翼3a,3b間に形成され
る流路内を作動流体が流れるときに、端壁10の表面近
傍に流入する低エネルギ流体の入口境界層11a、11
bは静翼3a、3bの前縁12a、12bにそれぞれ衝
突し、背側馬蹄形渦13a、13bと腹側馬蹄形渦14
a、14bとに分かれる。そして、例えば背側馬蹄形渦
13bは、静翼3bの背15bおよび端壁10の表面に
おける境界層の発達により次第に成長しながら下流側へ
流出する。また、例えば腹側馬蹄形渦14bは、静翼3
bの腹16bと静翼3aの背15aとにおける圧力差を
駆動力として、静翼3bの腹16bから静翼3aの背1
5aへ向かう流路渦14bへと成長する。
【0005】このような背側馬蹄形渦13a、13bお
よび流路渦14a,14bは二次流れ渦と称されるが、
このような二次流れ渦が形成されるために作動流体の持
つエネルギが散逸してタービン性能の低下を招くため、
これを二次流れ損失と称している。特に、翼間流路を横
切って端壁10の表面上の境界層を巻き上げながら翼下
流側へ流出する流路渦14a,14bが、二次流れ損失
の大きな部分を占めている。これにより、流路渦14
a,14bを抑制することが二次流れ損失の低減にとっ
て必要不可欠である。
【0006】そこで、特開平6−212902号公報お
よび特公平4−78803号公報に開示されている3次
元翼においては、上述した流路渦を抑制するべく端壁1
0の表面に対して翼を傾斜させ、流路渦の駆動力である
翼面間の圧力差(マッハ数差)を減少させることにより
流路渦14a,14bの発達を抑制し、これによって二
次流れ損失を減少させてタービン効率の向上を図ってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところでタービン段落
内に発生する損失には、静翼3および動翼6の端壁10
の表面近傍に発生する上述した二次流れ損失に加えて、
静翼3および動翼6の各表面と作動流体との間に発生す
る摩擦損失(以後、翼型損失と称す)、および図11中
に矢印Cで示すように静翼3と動翼6の間からシュラウ
ド5の外周隙間を介して作動流体が漏洩して有効な仕事
を行わないことによる漏洩損失がある。
【0008】このとき、各タービン段落においては二次
流れ損失および翼型損失の割合が高いから、タービン効
率の向上を図るためには二次流れ損失ばかりでなく、翼
型損失をも減少させる必要がある。
【0009】翼型損失は翼と流体との摩擦や剥離により
発生するものであり、翼形状そのものに起因している。
翼間流路の最も幅の狭い部分(スロート部)における翼
断面背側の曲率半径は、翼型損失に大きな影響を与える
パラメータとなっている。そして図14に示すように、
翼断面背側の曲率半径が大きいほど翼型損失は小さくな
る。
【0010】これに対して二次流れ損失においては、翼
断面背側の曲率半径が小さくなるほど翼面間の圧力差が
最も大きくなる領域が下流側に移動するため、二次流れ
の駆動力となる流路渦の発達が抑制される。これによ
り、図15に示すように翼断面背側の曲率半径が小さく
なるほど二次損失が小さくなる。すなわち、翼断面背側
の曲率半径の大きさは、翼型損失および二次流れ損失に
対して相反する効果を与える。
【0011】一方、タービン高圧部においては作動流体
が高圧であるために比容積が小さく、それに伴って翼長
も短い。そして、翼長が短いほど二次流れ損失の割合が
大きくなるから、従来の3次元翼においては二次流れ損
失の低減に着目した翼形状が選択されてきた。
【0012】しかしながら、従来の3次元翼の翼型は翼
長手方向に同一であるため、二次流れ損失の影響のない
翼長手方向中央部においても翼断面背側の曲率半径が小
さい。これにより、翼長手方向中央部における翼型損失
が大きくなり、タービン全体の効率低下を招いていた。
【0013】そこで本発明の目的は、上述した従来技術
が有する問題点を解消し、二次流れ損失および翼型損失
の両方を減少可能な高性能3次元翼の静翼および動翼を
備える軸流タービンを提供することにある。
【0014】
【問題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の請求項1に記載の手段は、軸流タービンに取り付
けられ互いに隣接して作動流体の流路を形成する静翼で
あって、前記流路の幅が最も狭い部分に臨む前記静翼の
翼断面背側の曲率半径が、前記静翼の長手方向中央部に
おいて最も大きく、かつ前記静翼の長手方向中央部から
翼先端部および翼根本部に向かってそれぞれ連続的に小
さくなることを特徴としている。
【0015】このように構成される軸流タービンの静翼
によれば、二次流れの影響の大きい翼先端部および翼根
本部における翼断面背側の曲率半径が小さいから、これ
らの部分に生じる二次流れ損失を減少させることができ
る。また、二次流れの影響がない翼長手方向中央部にお
ける翼断面背側の曲率半径は大きいから、翼長手方向中
央部における翼型損失を減少させることができる。した
がって、翼先端部から翼根本部に至る翼長手方向の全体
において翼断面背側の曲率半径が小さい従来の静翼に比
較し、翼型損失の小さい高性能の3次元翼を提供するこ
とができる。
【0016】請求項2に記載の手段は、請求項1に記載
の軸流タービンの静翼において、前記静翼の長手方向中
央部における翼後縁が、前記軸流タービンの回転軸中心
から前記翼根本部後縁を通過して半径方向外側に延びる
ラジアル線に対し、前記回転軸の円周方向で前記静翼の
腹側に離間して位置することを特徴としている。好まし
くは、この静翼を組み付けた軸流タービンをその下流側
から回転軸方向に見たときに、静翼の長手方向の翼後縁
線が、回転軸の円周方向で静翼の腹側に凸状に湾曲する
ように静翼を形成する。
【0017】このように構成される軸流タービンの静翼
によれば、流路の幅が最も狭い部分に臨む翼断面背側の
曲率半径が先端部および翼根本部において小さく、かつ
翼長手方向中央部において大きく、さらには3次元的に
滑らかな形状を有する静翼を形成することができる。
【0018】また、上記の課題を解決する本発明の請求
項3に記載の手段は、軸流タービンに取り付けられ互い
に隣接して作動流体の流路を形成する動翼であって、前
記流路の幅が最も狭い部分に臨む前記動翼の翼断面背側
の曲率半径は、前記動翼の長手方向中央部において最も
大きく、かつ前記動翼の長手方向中央部から翼先端部お
よび翼根本部に向かってそれぞれ連続的に小さくなるこ
とを特徴としている。
【0019】このように構成される軸流タービンの動翼
によれば、二次流れの影響の大きい翼先端部および翼根
本部における翼断面背側の曲率半径が小さいから、これ
らの部分に生じる二次流れ損失を減少させることができ
る。また、二次流れの影響がない翼長手方向中央部にお
ける翼断面背側の曲率半径は大きいから、翼長手方向中
央部における翼型損失を減少させることができる。した
がって、翼先端部から翼根本部に至る翼長手方向の全体
において翼断面背側の曲率半径が小さい従来の動翼に比
較し、翼型損失の小さい高性能の3次元翼を提供するこ
とができる。
【0020】また、請求項4に記載の手段は、請求項3
に記載の軸流タービンの動翼において、前記動翼の長手
方向中央部における翼後縁が、前記軸流タービンの回転
軸中心から前記翼根本部後縁を通過して半径方向外側に
延びるラジアル線に対し、前記回転軸の円周方向で前記
動翼の腹側に離間して位置することを特徴としている。
好ましくは、この動翼を組み付けた軸流タービンをその
下流側から回転軸方向に見たときに、動翼の長手方向の
翼後縁線が、回転軸の円周方向で動翼の腹側に凸状に湾
曲するように動翼を形成する。
【0021】このように構成される軸流タービンの動翼
によれば、流路の幅が最も狭い部分に臨む翼断面背側の
曲率半径が先端部および翼根本部において小さく、かつ
翼長手方向中央部において大きく、さらには3次元的に
滑らかな形状を有する動翼を形成することができる。
【0022】また、上記の課題を解決する本発明の請求
項5に記載の手段は、請求項1または2に記載の前記静
翼と、請求項3または4に記載の前記動翼とを備えるこ
とを特徴とする軸流タービンである。
【0023】このように構成された軸流タービンは、翼
先端部および翼根本部における二次流れ損失が小さく、
かつ翼長手方向中央部における翼型損失が小さく、さら
には滑らかな3次元形状を有する静翼および動翼を組み
合わせたものであるから、従来の軸流タービンに比較し
てその全体効率を大幅に向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸流タービン
とその静翼および動翼の各実施形態について、図1〜図
10を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明にお
いては、同一の部分には同一の符号を用いるとともに、
軸流タービンの軸線に沿って作動流体が流れる方向を前
後方向と言い、かつ軸流タービンの軸線を基準として半
径方向および円周方向と言う。
【0025】第1実施形態 まず最初に図1を参照すると、本第1実施形態の軸流タ
ービン20は、ダイアフラム外輪1およびダイアフラム
内輪2間にそれぞれ固設された複数枚の静翼21、回転
軸4およびシュラウド5間にそれぞれ固設された複数枚
の動翼22、ダイアフラム外輪7およびダイアフラム内
輪8にそれぞれ固設された複数枚の静翼23が、回転軸
中心Sの方向に交互に配設されている。なお、静翼23
は静翼21とほぼ同一の構造であるため、説明を省略す
る。
【0026】図2に示すように、複数枚の静翼21は互
いに隣接して作動流体の流路24を形成する。そして、
この流路24の幅が最も狭い部分に臨む静翼21の翼断
面背側の曲率半径が符号RSNで表されている。同様
に、複数枚の動翼22は互いに隣接して作動流体の流路
25を形成している。そして、この流路25の幅が最も
狭い部分に臨む動翼22の翼断面背側の曲率半径が符号
RSBで表されている。なお、静翼21および動翼22
の各翼断面における背21a,22aとは、凸状に湾曲
するとともにその部分を作動流体が通過すると圧力が低
下する側を言う。これに対して、静翼21および動翼2
2の各翼断面における腹21b,22bとは、凹状に湾
曲するとともにその部分を作動流体が通過すると圧力が
上昇するする側を言う。
【0027】静翼21の上述した翼断面背側の曲率半径
RSNの値は、図3および図4に示したように静翼21
の長手方向の中央部(無次元翼高さ=0.5)において
最も大きく、翼根本部(無次元翼高さ=0)および翼先
端部(無次元翼高さ=1.0)において最も小さい。ま
た、翼断面背側の曲率半径RSNの値は、翼根本部から
翼先端部にかけて連続的に、かつ徐々に変化している。
これに対して、図4中に点線で描いた従来の静翼3にお
いては、翼断面背側の曲率半径RSNの値が翼根本部か
ら翼先端部にかけて一定である。さらに、静翼21の翼
根本部および翼先端部における翼断面背側の曲率半径R
SNの値は、従来の静翼3における翼断面背側の曲率半
径RSNの値よりも小さくなっている。
【0028】このように構成された本第1実施形態の静
翼21においては、二次流れの影響の大きい翼先端部お
よび翼根本部における翼断面背側の曲率半径RSNの値
が、従来の静翼3における翼断面背側の曲率半径RSN
の値よりも小さいから、これらの部分に生じる二次流れ
損失を従来の静翼3よりも減少させることができる。ま
た、二次流れの影響がない翼長手方向中央部における翼
断面背側の曲率半径RSNの値が、従来の静翼3におけ
る翼断面背側の曲率半径RSNよりも大きいから、翼長
手方向中央部における翼型損失を減少させることができ
る。さらに、本第1実施形態の静翼21においては、翼
断面背側の曲率半径RSNの値が翼根本部から翼先端部
にかけて連続的にかつ徐々に変化しているから、3次元
的に滑らかな形状を有する。これにより、本第1実施形
態の静翼21は、二次流れ損失および翼型損失の両方を
減少可能な高性能3次元翼となる。
【0029】同様に、動翼22の上述した翼断面背側の
曲率半径RSBの値は、図5および図6に示したように
動翼22の長手方向の中央部(無次元翼高さ=0.5)
において最も大きく、翼根本部(無次元翼高さ=0)お
よび翼先端部(無次元翼高さ=1.0)において最も小
さい。また、翼断面背側の曲率半径RSBの値は、翼根
本部から翼先端部にかけて連続的に、かつ徐々に変化し
ている。これに対して、図6中に点線で描いた従来の動
翼6においては、翼断面背側の曲率半径RSBの値が翼
根本部から翼先端部にかけて一定である。さらに、動翼
22の翼根本部および翼先端部における翼断面背側の曲
率半径RSBの値は、従来の動翼6における翼断面背側
の曲率半径RSBの値よりも小さくなっている。
【0030】このように構成された本第1実施形態の動
翼22においては、二次流れの影響の大きい翼先端部お
よび翼根本部における翼断面背側の曲率半径RSBの値
が、従来の動翼6における翼断面背側の曲率半径RSB
の値よりも小さいから、これらの部分に生じる二次流れ
損失を従来の動翼6よりも減少させることができる。ま
た、二次流れの影響がない翼長手方向中央部における翼
断面背側の曲率半径RSBの値が、従来の動翼6におけ
る翼断面背側の曲率半径RSBよりも大きいから、翼長
手方向中央部における翼型損失を減少させることができ
る。さらに、本第1実施形態の動翼22においては、翼
断面背側の曲率半径RSBの値が翼根本部から翼先端部
にかけて連続的にかつ徐々に変化しているから、3次元
的に滑らかな形状を有する。これにより、本第1実施形
態の動翼22は、二次流れ損失および翼型損失の両方を
減少可能な高性能3次元翼となる。
【0031】したがって、上述した静翼21および動翼
22を備える本第1実施形態の軸流タービン20は、従
来の静翼3および動翼6を備える軸流タービンに比較し
てその全体効率を大幅に向上させることができる。
【0032】第2実施形態 次に図7〜図10を参照し、第2実施形態の軸流タービ
ンの静翼および動翼について詳細に説明する。
【0033】図7に示した本第2実施形態の静翼31
は、前述した第1実施形態の静翼21と全く同様に、翼
断面背側の曲率半径RSNの値が翼長手方向中央部にお
いて最も大きく、翼根本部および翼先端部において最も
小さい。また、翼断面背側の曲率半径RSNの値は、翼
根本部から翼先端部にかけて連続的にかつ徐々に変化し
ている。さらに、翼根本部および翼先端部における翼断
面背側の曲率半径RSNの値は、従来の静翼3における
翼断面背側の曲率半径RSNの値よりも小さい。
【0034】さらに、本第2実施形態の静翼31におい
ては、図7に示したように、翼長手方向中央部における
翼後縁31cが、翼根本部および翼先端部における翼後
縁31cに対し、軸流タービンの回転軸の円周方向で静
翼31の腹31b側に位置している。言い換えると、本
第2実施形態の静翼31を組み付けた軸流タービンをそ
の下流側から回転軸方向に見たときに、軸流タービンの
回転軸中心から翼根本部における翼後縁31cを通過し
て半径方向外側に延びるラジアル線に対し、翼長手方向
中央部における翼後縁31cが、軸流タービンの回転軸
の円周方向で静翼31の腹側に離間して位置している。
また図8に示すように、静翼31の長手方向の翼後縁線
が、回転軸の円周方向で静翼31の腹31bに凸となる
ように湾曲して延びている。
【0035】このように構成された本第2実施形態の静
翼31においては、二次流れの影響の大きい翼先端部お
よび翼根本部における翼断面背側の曲率半径RSNの値
が、従来の静翼3における翼断面背側の曲率半径RSN
の値よりも小さいから、これらの部分に生じる二次流れ
損失を従来の静翼3よりも減少させることができる。ま
た、二次流れの影響がない翼長手方向中央部における翼
断面背側の曲率半径RSNの値が、従来の静翼3におけ
る翼断面背側の曲率半径RSNよりも大きいから、翼長
手方向中央部における翼型損失を減少させることができ
る。さらに、本第2実施形態の静翼31においては、翼
長手方向中央部における翼後縁31cが、翼根本部およ
び翼先端部における翼後縁31cに対して軸流タービン
の回転軸の円周方向で静翼31の腹側に離間して位置し
ているから、より一層滑らかな形状を有する3次元静翼
31を形成することができる。
【0036】図9に示した本第2実施形態の動翼32
は、前述した第1実施形態の動翼22と全く同様に、翼
断面背側の曲率半径RSBの値が翼長手方向中央部にお
いて最も大きく、翼根本部および翼先端部において最も
小さい。また、翼断面背側の曲率半径RSBの値は、翼
根本部から翼先端部にかけて連続的にかつ徐々に変化し
ている。さらに、翼根本部および翼先端部における翼断
面背側の曲率半径RSBの値は、従来の動翼6における
翼断面背側の曲率半径RSBの値よりも小さい。
【0037】さらに、本第2実施形態の動翼32におい
ては、図9に示したように、翼長手方向中央部における
翼後縁32cが、翼根本部および翼先端部における翼後
縁32cに対し、軸流タービンの回転軸の円周方向で動
翼32の腹32b側に位置している。言い換えると、本
第2実施形態の動翼32を組み付けた軸流タービンをそ
の下流側から回転軸方向に見ると、軸流タービンの回転
軸中心から翼根本部における翼後縁32cを通過して半
径方向外側に延びるラジアル線に対し、翼長手方向中央
部における翼後縁32cが、軸流タービンの回転軸の円
周方向で静翼31の腹側に離間している。また図10に
示すように、動翼32の長手方向の翼後縁線が、回転軸
の円周方向で動翼32の腹32b側に凸となるように湾
曲して延びている。
【0038】このように構成された本第2実施形態の動
翼32においては、二次流れの影響の大きい翼先端部お
よび翼根本部における翼断面背側の曲率半径RSBの値
が、従来の動翼6における翼断面背側の曲率半径RSB
の値よりも小さいから、これらの部分に生じる二次流れ
損失を従来の動翼6よりも減少させることができる。ま
た、二次流れの影響がない翼長手方向中央部における翼
断面背側の曲率半径RSBの値が、従来の動翼6におけ
る翼断面背側の曲率半径RSBよりも大きいから、翼長
手方向中央部における翼型損失を減少させることができ
る。さらに、本第2実施形態の動翼32においては、翼
長手方向中央部における翼後縁32cが、翼根本部およ
び翼先端部における翼後縁32cに対して軸流タービン
の回転軸の円周方向で動翼32の腹側に離間しているか
ら、より一層滑らかな形状を有する3次元動翼32を形
成することができる。
【0039】したがって、上述した静翼31および動翼
32を備える本第2実施形態の軸流タービンの全体効率
を、前述した第1実施形態の軸流タービン20よりも向
上させることができる。
【0040】以上、本発明に係る軸流タービンとその静
翼および動翼の各実施形態ついて詳しく説明したが、本
発明は上述した実施形態によって限定されるものではな
く、種々の変更が可能であることは言うまでもない。例
えば、上述した実施形態においては、翼根本部および翼
先端部における翼断面背側の曲率半径RSN、RSBの
値を等しくしているが、これらの値を翼根本部および翼
先端部で異ならせることもできる。また、上述した実施
形態においては、翼先端部における翼後縁が翼根本部の
翼後縁を通過するラジアル線上に位置しているが、翼先
端部における翼後縁の位置をこのラジアル線に対して円
周方向のいずれかにずらすこともできる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る軸流タービンの静翼および動翼は、二次流れの影
響がない翼長手方向中央部における翼断面背側の曲率半
径を、二次流れの影響の大きい翼先端部および翼根本部
における翼断面背側の曲率半径よりも大きくしたもので
あるから、翼先端部から翼根本部にいたる翼長手方向の
全体において翼断面背側の曲率半径が小さい従来の静翼
および動翼に比較し、翼型損失の小さい高性能の3次元
翼とすることができる。また、本発明に係る軸流タービ
ンの静翼および動翼は、軸流タービンの回転軸中心から
翼根本部の翼後縁を通過して半径方向外側に延びるラジ
アル線に対し、翼長手方向中央部における翼後縁を回転
軸の円周方向で静翼および動翼の腹側に離間させたもの
であるから、3次元的に滑らかな形状を有する静翼およ
び動翼を形成することができる。したがって、本発明に
係る静翼および動翼を備える軸流タービンは、従来の軸
流タービンに比較して、その全体効率を大幅に向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の軸流タービンの要部
を示す縦断面図。
【図2】図1中に示したA−A破断線に沿った断面図。
【図3】図1に示した静翼の翼型を模式的に示す図。
【図4】図3に示した静翼の翼断面背曲率半径を示すグ
ラフ。
【図5】図1に示した動翼の翼型を示す図。
【図6】図5に示した動翼の翼断面背曲率半径を示すグ
ラフ。
【図7】図1に示した静翼の変形例の翼型を示す図。
【図8】図7に示した静翼の翼後縁位置の変化を示す
図。
【図9】図1に示した動翼の変形例の翼型を示す図。
【図10】図9に示した動翼の翼後縁位置の変化を示す
図。
【図11】従来の軸流タービンの要部を示す縦断面図。
【図12】図11中に示したB−B破断線に沿った断面
図。
【図13】図11中に示した静翼回りの流れの状態を模
式的に示す斜視図。
【図14】静翼の翼断面背曲率半径と翼型損失との関係
を示すグラフ
【図15】静翼の翼断面背曲率半径と二次損失との関係
を示すグラフ
【符号の説明】
1 ダイアフラム外輪 2 ダイアフラム内輪 3 静翼 4 回転軸 5 シュラウド 6 動翼 7 ダイアフラム外輪 8 ダイアフラム内輪 9 静翼 10 端壁 11 入口境界層 12 前縁 13 背側馬蹄形渦 14 腹側馬蹄形渦(流路渦) 15 背 16 腹 20 第1実施形態の軸流タービン 21 静翼 22 動翼 23 静翼 24 流路 25 流路 31 静翼 32 動翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野田 昭 博 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 杉 浦 将 人 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 3G002 BA02 BA03 BB01 GA07 GB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸流タービンに取り付けられ互いに隣接し
    て作動流体の流路を形成する静翼であって、 前記流路の幅が最も狭い部分に臨む前記静翼の翼断面背
    側の曲率半径は、前記静翼の長手方向中央部において最
    も大きく、かつ前記静翼の長手方向中央部から翼先端部
    および翼根本部に向かってそれぞれ連続的に小さくなる
    ことを特徴とする軸流タービンの静翼。
  2. 【請求項2】前記静翼の長手方向中央部における翼後縁
    は、 前記軸流タービンの回転軸中心から前記翼根本部後縁を
    通過して半径方向外側に延びるラジアル線に対し、前記
    回転軸の円周方向で前記静翼の腹側に離間して位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載した軸流タービンの静
    翼。
  3. 【請求項3】軸流タービンに取り付けられ互いに隣接し
    て作動流体の流路を形成する動翼であって、 前記流路の幅が最も狭い部分に臨む前記動翼の翼断面背
    側の曲率半径は、前記動翼の長手方向中央部において最
    も大きく、かつ前記動翼の長手方向中央部から翼先端部
    および翼根本部に向かってそれぞれ連続的に小さくなる
    ことを特徴とする軸流タービンの動翼。
  4. 【請求項4】前記動翼の長手方向中央部における翼後縁
    は、 前記軸流タービンの回転軸中心から前記翼根本部後縁を
    通過して半径方向外側に延びるラジアル線に対し、前記
    回転軸の円周方向で前記動翼の腹側に離間して位置する
    ことを特徴とする請求項3に記載した軸流タービンの動
    翼。
  5. 【請求項5】請求項1または2に記載の前記静翼と、請
    求項3または4に記載の前記動翼とを備えることを特徴
    とする軸流タービン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005121022A (ja) * 2003-10-15 2005-05-12 Alstom Technology Ltd ガスタービン機関のためのタービンロータブレード

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