JP2003018698A - プログラマブル補聴器用データの取得装置およびその取得システム並びにその取得方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最新のフィッティング計算プログラムで最適
にプログラマブル補聴器を設定するデータを簡易に取得
可能にすること。 【解決手段】 携帯電話機２０からアクセス可能なサイ
トを提供するサーバー装置１０が、携帯電話機２０から
入力された利用者の聴力データに基づいてプログラマブ
ル補聴器に設定する設定データを演算して返信すること
により、オペレータは、その携帯電話機２０の液晶画面
２１に表示して取得された設定データを補聴器に接続し
た携帯型プログラム装置を操作して設定することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プログラマブル補
聴器の簡易な設定を実現するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、補聴器にあっても小型化・高度化
が進められており、利用者の聴力に応じて入力音声を調
整して出力することができるように、補聴器による音声
の調整をプログラム化して、その音声の調整出力特性を
個々に設定できるようになってきている。

【０００３】この種のプログラマブル補聴器は、図５に
示すように、利用者Ａの使用する補聴器１に携帯コント
ローラー２を接続することができるようになっており、
予め測定された利用者Ａの聴力（各周波数での可聴限界
しきい値など）の測定データをオペレータＢが携帯コン
トローラー２に入力することによって、その測定データ
に基づいて補聴器１を利用者Ａの聴力に最適な音声の調
整出力特性にする設定データ（各種パラメータなど）
を、携帯コントローラー２に内蔵するフィッティング計
算プログラムにより演算して取得し、あるいは、予め準
備されているデータベース内を検索して取得し、その補
聴器１に書き込み設定することができるようになってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のプログラマブル補聴器の設定は、補聴器１に
接続する小型の携帯コントローラー２に測定データに基
づく設定データの演算処理などを行わせていたため、フ
ィッティング計算プログラムのバージョンアップは個々
の携帯コントローラー２に対して行わなければならず、
そのインストール作業が負担になることから、迅速に最
新のフィッティング計算プログラムに更新して補聴器１
の音声の調整出力特性を設定し直すことができない、と
いう問題があった。

【０００５】また、携帯コントローラー２は難聴者の居
場所などに持っていって補聴器１の音声の調整出力特性
を設定する作業を行うために小型に設計されているが、
小型であるために、演算速度やワークエリア容量などの
関係から、設定データを演算するのに時間が掛かってし
まったり、複雑なフィッティング計算プログラムを内蔵
させることができず、補聴器１の音声の調整出力特性を
最適化するのにも限界がある、という問題があった。

【０００６】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、最新のフィッティング計算プログラ
ムで最適にプログラマブル補聴器を設定するデータを簡
易に取得することのできる装置、システムおよび方法を
提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のプログラマブル
補聴器用データの取得装置は、携帯端末装置との間で通
信を行う通信手段を備え、前記携帯端末装置から送信さ
れてきた難聴者の聴力測定データに基づいてプログラマ
ブル補聴器を調整するための設定データを演算または検
索して前記携帯端末装置に返信する構成を有しており、

【０００８】本発明のプログラマブル補聴器用データの
取得システムとしては、通信を互いに行う携帯端末装置
およびサーバー装置を備え、前記携帯端末装置は、前記
サーバー装置に難聴者の聴力測定データを送信するとと
もに、前記サーバー装置からプログラマブル補聴器を調
整するための設定データを受信し、前記サーバー装置
は、前記聴力測定データに基づいて演算または検索した
前記設定データを前記携帯端末装置に返信する構成を有
している。

【０００９】このような構成により、携帯電話機などの
携帯端末装置から利用者の聴力測定データをサーバー装
置などに送信することにより、その測定データに基づく
補聴器設定データの演算処理（あるいはデータベースか
らの検索処理、以下、演算処理として説明する。）を携
帯端末装置から遠隔するサーバー装置で行うことがで
き、そのサーバー装置から携帯端末装置に返信されてき
た補聴器設定データを用いて補聴器の設定をすることが
できる。したがって、携帯端末装置から遠隔する装置と
して、演算処理能力やワークエリアなどを十分に備えた
サーバー装置などを採用して、そのサーバー装置に最新
のフィッティング計算プログラムを逐次インストールす
ることができ、補聴器に入力装置から入力して設定する
利用者に最適な設定データを簡易に取得することができ
る。

【００１０】さらに、本発明のプログラマブル補聴器用
データの取得システムは、前記携帯端末装置は、前記サ
ーバー装置から送信されてくる情報を表示しつつ入力さ
れる前記測定データを前記サーバー装置に送信するとと
もに前記サーバー装置から返信されてくる前記測定デー
タに基づく前記設定データを画面表示する一方、前記サ
ーバー装置は、前記補聴器の設定を行うための情報を前
記携帯端末装置に送信するとともに前記情報に従って入
力されて前記携帯端末装置から送信されてくる前記測定
データに基づいて前記設定データを演算または検索して
前記携帯端末装置に返信する構成を有している。

【００１１】また、本発明のプログラマブル補聴器用デ
ータの取得方法は、入力装置から設定データを入力して
設定することのできるプログラマブル補聴器の利用者の
測定データを、発呼して呼び出したサーバー装置から送
信されてくる情報を携帯端末装置に表示しつつ、前記携
帯端末装置を操作して前記サーバー装置に送信し、次い
で、前記サーバー装置が前記測定データに基づいて演算
または検索した前記設定データを前記携帯端末装置に返
信し、次いで、前記携帯端末装置が受信した前記設定デ
ータを画面表示する構成を有している。

【００１２】このような構成により、例えば、携帯端末
装置として、汎用の携帯電話機などを利用してアクセス
したサーバー装置の提供するサイトなど（表示画面）か
ら利用者の測定データを入力することによりそのサーバ
ー装置に測定データを送信することができ、サーバー装
置が演算などした設定データを携帯電話機の表示器に表
示して取得することができる。このとき、その携帯電話
機から送られるＤＴＭＦ信号に基づいて補聴器に設定デ
ータを設定することができる入力装置を用意することに
より、サーバー装置から演算した設定データに対応する
携帯電話機のボタン操作でＤＴＭＦ信号を携帯電話機を
入力装置に送って補聴器に設定データを設定させること
ができる。したがって、汎用の携帯電話機などを用い
て、利用者に最適な設定データを簡易に取得・設定する
ことができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図１および図２は本発明に係るプログラマブル
補聴器用データの取得方法を実施するためのその取得装
置を含む取得システムの第１実施形態を示す図である。

【００１４】図１において、サーバー装置１０は、汎用
のＷＥＢ接続機能を備える携帯電話機２０との間でデー
タのやり取りをする通信手段を備えるとともに、ＣＰＵ
がメモリ内にインストールされた計算プログラムを実行
することにより入力されたデータの演算処理をワークエ
リアを使用しつつ行って、その演算結果を外部装置に通
信手段を介して送信することができるようになってい
る。

【００１５】このサーバー装置１０には、プログラマブ
ル補聴器の利用者の聴力データ（各周波数での可聴限界
しきい値などの測定データ）に基づいてその利用者の聴
力に最適な音声の調整出力特性に補聴器を設定する設定
データ（各種パラメータなど）を演算するフィッティン
グ計算プログラムがインストールされているとともに、
携帯電話機２０からアクセスしてその設定データを演算
させることのできるサイトが準備されており、サーバー
装置１０は、発呼して呼び出された携帯電話機２０の液
晶画面（表示画面）２１に表示するデータを送信すると
ともにその携帯電話機２０で入力されたデータを受信す
ることにより、その携帯電話機２０の液晶画面２１の表
示に従ってオペレータが入力した聴力データを受け取っ
て、その聴力データに基づいて演算した設定データを携
帯電話機２０の液晶画面２１に表示させることができる
ようになっている。

【００１６】すなわち、サーバー装置１０は、本発明に
係る取得装置を構成し、本発明に係る取得方法を実施す
ることができる取得システムを携帯電話機２０と共に構
成している。ここで、携帯電話機２０は、例えば、株式
会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの提供するｉモードを利
用可能な機能を備えて各種サイトを利用可能に構成して
もよく、また、ｉモードに限らず、他の通信事業者の提
供する各種サービスにより参照可能なサイトにおいて実
行可能にしてもよいことはいうまでもない。

【００１７】このために、プログラマブル補聴器を利用
する利用者宅を訪問したオペレータは、携帯電話機２０
を操作してサーバー装置１０にアクセスすることにより
プログラマブル補聴器の設定データを演算するサイトを
開き、次いで、その液晶画面２１の表示に従って予め測
定した利用者の聴力データを入力する操作をすることに
よって、そのサーバー装置１０に聴力データに基づく設
定データの演算処理を行わせることができ、続けて、返
信されてきて液晶画面２１に表示される演算結果の設定
データを参照して取得することができる。

【００１８】この後には、図２に示すように、オペレー
タは利用者Ａの利用するプログラマブル補聴器３０に携
帯型プログラム装置４０をケーブルを介して接続して、
携帯電話機２０の液晶画面２１に表示されている設定デ
ータを入力する操作をすることにより、利用者Ａに最適
な音声の調整出力特性に補聴器３０を設定することがで
きる。

【００１９】このように本実施形態においては、汎用の
携帯電話機２０から遠隔地に設置されたサーバー装置１
０に利用者Ａの聴力データを送信するだけで、サーバー
装置１０による演算結果の設定データを携帯電話機２０
の液晶画面２１に表示させて取得することができ、その
設定データを小型の携帯型プログラム装置４０から補聴
器３０に入力設定することができる。したがって、小型
の携帯型プログラム装置４０に複雑なフィッティング計
算プログラムを実行させることなく、大型に構築可能な
サーバー装置１０で聴力データに基づく演算処理をさせ
て設定データを取得することができる。そして、利用者
Ａにとって最適な音声の調整出力特性になるように補聴
器３０に設定する設定データは、複雑なフィッティング
計算プログラムをサーバー装置１０に処理させて迅速に
取得することができ、このフィッティング計算プログラ
ムは、サーバー装置１０にインストールするだけで容易
に最新のものに逐次バージョンアップすることができ
る。

【００２０】次に、図３および図４は本発明に係るプロ
グラマブル補聴器用データの取得方法を実施するための
その取得装置を含む取得システムの第２実施形態を示す
図である。なお、本実施形態は上述実施形態と略同様に
構成されているので、図１を流用して同様な構成には同
一の符号を付して特徴部分を説明する。

【００２１】図３において、インターフェース装置５０
は、上述実施形態で説明した携帯型プログラム装置４０
と同様にプログラマブル補聴器３０にケーブルを介して
接続することができるとともに、携帯電話機２０のイヤ
ホン端子にもケーブルを介して接続することができるよ
うになっており、携帯電話機２０のボタン操作で発生し
たＤＴＭＦ信号（トーン信号）を設定データに再変換し
て補聴器３０に設定データを入力設定することができ
る。

【００２２】このため、プログラマブル補聴器を利用す
る利用者宅を訪問したオペレータは、上述実施形態で説
明したように携帯電話機２０を操作してサーバー装置１
０にアクセスした上で、そのサーバー装置１０に聴力デ
ータに基づく設定データを演算させた後に、図４に示す
ように、液晶画面２１に表示される設定データに基づい
たボタン操作によりＤＴＭＦ信号を発生させ、そのＤＴ
ＭＦ信号を再変換した設定データを補聴器３０に入力し
て設定することができる。

【００２３】このように本実施形態においては、上述実
施形態による作用効果に加えて、汎用の携帯電話機２０
を用いて、利用者Ａの補聴器３０に最適な設定データを
簡易に取得して設定することができる。したがって、補
聴器３０の音声の調整出力特性を、特別な携帯端末装置
を用いることなく、汎用の携帯電話機２０を使用して、
利用者Ａにとって最適なものとすることができる。

【００２４】なお、上述実施形態では、携帯電話機２０
を用いる場合を説明するが、これに限らず、携帯可能な
パーソナルコンピュータや通信機能を持った専用端末で
も実現可能であることはいうまでもない。

【００２５】また、聴力データに基づいて設定データを
演算して取得する場合を説明するが、サーバー装置とい
う遠隔の外部装置を用いるので、そのサーバー装置内に
聴力データのパターンに対応する各種設定データを格納
する大きなデータベースを準備しておくこともでき、利
用者Ａの聴力データに最適な設定データを検索して携帯
電話機に送信するシステムを構築することもできる。こ
のシステムによっても本実施形態と同様な方法を実施し
て同様な作用効果を得ることができることはいうまでも
ない。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、携帯端
末装置から利用者の測定データを演算処理能力の優れた
取得装置（サーバー装置）に送信して設定データの演算
処理などを行うことができるので、最新のフィッティン
グ計算プログラムを容易にかつ逐次にインストールした
取得装置により、利用者の補聴器に設定する最適な設定
データを演算して簡易に取得することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るプログラマブル補聴器用データの
取得方法を実施するためのその取得装置を含む取得シス
テムの第１実施形態を説明する概念図

【図２】本発明に係るプログラマブル補聴器用データの
取得方法を実施するためのその取得装置を含む取得シス
テムの第１実施形態の使用を説明する概念図

【図３】本発明に係るプログラマブル補聴器用データの
取得方法を実施するためのその取得装置を含む取得シス
テムの第２実施形態を説明する概念図

【図４】本発明に係るプログラマブル補聴器用データの
取得方法を実施するためのその取得装置を含む取得シス
テムの第２実施形態の使用を説明する概念図

【図５】従来技術を説明する概念図

【符号の説明】

１０ サーバー装置 ２０ 携帯電話機 ２１ 液晶画面 ３０ プログラマブル補聴器 ４０ 携帯型プログラム装置 ５０ インターフェース装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 浩 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目３番１ 号 松下通信工業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 携帯端末装置との間で通信を行う通信手
   段を備え、前記携帯端末装置から送信されてきた難聴者
   の聴力測定データに基づいてプログラマブル補聴器を調
   整するための設定データを演算または検索して前記携帯
   端末装置に返信することを特徴とするプログラマブル補
   聴器用データの取得装置。
2. 【請求項２】 通信を互いに行う携帯端末装置およびサ
   ーバー装置を備え、前記携帯端末装置は、前記サーバー
   装置に難聴者の聴力測定データを送信するとともに、前
   記サーバー装置からプログラマブル補聴器を調整するた
   めの設定データを受信し、前記サーバー装置は、前記聴
   力測定データに基づいて演算または検索した前記設定デ
   ータを前記携帯端末装置に返信することを特徴とするプ
   ログラマブル補聴器用データの取得システム。
3. 【請求項３】 前記携帯端末装置は、前記サーバー装置
   から送信されてくる情報を表示しつつ入力される前記測
   定データを前記サーバー装置に送信するとともに前記サ
   ーバー装置から返信されてくる前記測定データに基づく
   前記設定データを画面表示する一方、前記サーバー装置
   は、前記補聴器の設定を行うための情報を前記携帯端末
   装置に送信するとともに前記情報に従って入力されて前
   記携帯端末装置から送信されてくる前記測定データに基
   づいて前記設定データを演算または検索して前記携帯端
   末装置に返信することを特徴とする請求項２に記載のプ
   ログラマブル補聴器用データの取得システム。
4. 【請求項４】 入力装置から設定データを入力して設定
   することのできるプログラマブル補聴器の利用者の測定
   データを、発呼して呼び出したサーバー装置から送信さ
   れてくる情報を携帯端末装置に表示しつつ、前記携帯端
   末装置を操作して前記サーバー装置に送信し、次いで、
   前記サーバー装置が前記測定データに基づいて演算また
   は検索した前記設定データを前記携帯端末装置に返信
   し、次いで、前記携帯端末装置が受信した前記設定デー
   タを画面表示することを特徴とするプログラマブル補聴
   器用データの取得方法。