JP2003018688A - 円筒型水中音源 - Google Patents

円筒型水中音源

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JP2003018688A
JP2003018688A JP2001195679A JP2001195679A JP2003018688A JP 2003018688 A JP2003018688 A JP 2003018688A JP 2001195679 A JP2001195679 A JP 2001195679A JP 2001195679 A JP2001195679 A JP 2001195679A JP 2003018688 A JP2003018688 A JP 2003018688A
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Kunio Hashiba
邦夫 橋場
Yutaka Masuzawa
裕 鱒沢
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒型水中音源の外寸法を変化させることな
く、円筒型水中音源の低周波化をはかる。 【解決手段】円筒の一端付近に、前記円筒の内周を外周
とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造を有
して一体成形された二つの円筒型の音源支持11および
12と、円筒型の圧電磁器2とを有し、前記二つの音源
支持11および12の中心軸を合わせて、前記皿ばね構
造を有する側の一端同士が対向するようにはり合わせら
れており、圧電磁器2が音源支持11および12の外表
面側にはり合わせられた構造とする。 【効果】円筒型水中音源の内面側に皿ばね構造を有して
いるため、円筒型水中音源の外寸法を変えることなく、
共振周波数を低下させることができ、小型で低周波の超
音波を発生できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低周波の超音波を
放射する小型の円筒型水中音源に関する。
【0002】
【従来の技術】水中音響通信における航送体や曳航体な
どの軸対称構造体に設置される水中音源には、軸対称構
造体の中心軸と同軸上に設けられた円筒型の水中音源な
どが用いられる。水中においては低周波の超音波の方
が、高周波のそれに比べて伝播損失が小さく、遠距離の
通信が可能となる。このため、遠距離ソーナーや海洋地
底探査用水中音源には低周波の超音波が有効である。
【0003】このような円筒型の水中音源では、その径
方向の呼吸振動を利用して、円筒外表面から超音波を放
射している。大音圧の超音波を発生させるためには、円
筒型音源の径方向の呼吸振動の変位を大きくとる必要が
ある。このため、使用周波数は円筒型音源の径方向の呼
吸振動における基本共振周波数の値で決まる。この呼吸
振動の基本共振周波数(fr)は、「超音波技術便覧
(新訂版):日刊工業新聞社、1991年、p.35
3」に記載されているように、音源の音速(c)と音源
の半径(a)によって、近似的にfr≒c/2πaで定
まり、音源の平均半径(a)を大きくすることによって
低周波化が可能になる。
【0004】なお、この種の水中音源として関連するも
のに、例えば特開平11−136198、特開2000
−224686などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、低周
波で大音圧の音波を円筒型音源で発生させるには、音源
の基本共振周波数(fr)を低くする必要があり、この
ためには、音源の半径(a)が必然的に大きくなる。し
たがって、航送体や曳航体などの軸対称構造体に設置さ
れる円筒型水中音源において、音源を設置する空間の寸
法が限定される場合には、その低周波化が困難であっ
た。
【0006】また、低周波を送波する際には、ハイパワ
ー駆動になるため、音源は構造的にボルト締めランジュ
バン型のように、機械的に圧電磁器を締結した方が望ま
しい。
【0007】そこで本発明の目的は、低周波で大音圧の
音波を放射できる小型の円筒型水中音源を提供すること
にある。
【0008】また、本発明の別の目的は、上記発明によ
って得られた円筒型水中音源において、強度的に強い構
造を有する円筒型水中音源を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の円筒型水中音源
は、径方向に呼吸振動をする中空の円筒型水中音源にお
いて、前記円筒型水中音源の中空空間内部に、前記円筒
型水中音源と結合された皿ばねを有することを特徴とす
る。本発明の特徴を有する音源の具体的構造は、様々な
変形が可能であるが、以下に好ましい具体例のいくつか
を挙げる。
【0010】本発明の円筒型水中音源は、円筒の一端付
近に、前記円筒の内周を外周とし、前記円筒内部の空間
側に凸となる皿ばね構造を有して一体成形された二つの
円筒型の音源支持と、円筒型の圧電磁器とを有し、前記
二つの音源支持の中心軸を合わせて、それぞれの前記音
源支持における前記皿ばね構造を有する側の一端同士が
対向するようにはり合わされており、前記圧電磁器が前
記音源支持の外表面側にはり合わされた構造を有する。
【0011】本発明の円筒型水中音源は、二つの円筒型
圧電磁器(A1、A2とする)と、前記円筒型圧電磁器
の内径以下の外周径を有する二つの皿ばね(B1、B2
とする)を有し、前記皿ばね(B1、B2)の外周部に
はそれぞれリング状の座が一体成形されており、前記皿
ばね(B1)のリング状の座と、前記皿ばね(B2)の
リング状の座を、前記皿ばね(B1、B2)の中心軸が
一致するようにはり合わせた皿ばね構造となし、前記円
筒型圧電磁器(A1、A2)のそれぞれの一端で、前記
皿ばね構造における前記皿ばね(B1、B2)のリング
状の座を、前記皿ばね構造と前記円筒型圧電磁器(A
1,A2)の中心軸が一致するように挟み込んではり合
わせた構造を有する。
【0012】本発明の円筒型水中音源は、円筒の一端付
近において、前記円筒の内表面側にリング状の座を有
し、前記リング状の座の内周を外周とし、前記円筒内部
の空間側に凸となる皿ばね構造を有して一体成形された
二つの円筒型の振動板と、円筒型の圧電磁器とを有し、
二つの前記振動板の中心軸を合わせて、それぞれの前記
リング状の座を有する側の一端同士が対向し、前記圧電
磁器が、それぞれの前記リング状の座によって、前記円
筒型の振動板と同軸上に挟み込み、はり合わせた構造を
有する。
【0013】このような構造にすることによって、円筒
型音源の径方向の呼吸振動に対する基本共振周波数が低
くなるため、小型で、かつ低周波の音波を大音圧で放射
することが可能になる。
【0014】本発明の別の円筒型水中音源は、円筒の一
端付近に、前記円筒の内周を外周とし、前記円筒内部の
空間側に凸となる皿ばね構造を有して一体成形された二
つの円筒型の音源支持と、円筒型の圧電磁器とを有し、
前記音源支持の前記皿ばね構造が施されていない一端側
において、前記音源支持の外表面側にリング状の座を有
しており、前記リング状の座によって、前記円筒型の圧
電磁器を軸方向に挟み込み、円筒端面の円周の少なくと
も二箇所以上において、前記リング状の座と前記圧電磁
器とを軸方向に貫通するボルトによって、軸方向に締結
する構造を有する。
【0015】円筒の一端付近において、前記円筒の内表
面側にリング状の座を有し、前記リング状の座の内周を
外周とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造
を有して一体成形された二つの円筒型の振動板と、円筒
型の圧電磁器とを有し、前記二つの振動板の一つには、
前記リング状の座の側の一端にめねじ加工が施されてお
り、前記二つの振動板の他の一つには前記リング状の座
の側の一端に前記めねじに合うおねじ加工が施されてお
り、前記二つの振動板の中心軸を合わせて、それぞれの
前記リング状の座を有する側の一端同士が対向して配置
され、前記圧電磁器がそれぞれの前記リング状の座によ
って、前記円筒型の振動板と同軸上に挟み込まれ、かつ
前記めねじと前記おねじによって軸方向に締結される構
造を有する。
【0016】また、本発明の円筒型水中音源では、これ
らの前記円筒型の圧電磁器が、同寸法の偶数個の円筒型
の圧電磁器を、中心軸を合わせて同軸上に積層した構造
を有する。
【0017】このような構造にすることによって、強度
的に優れ、小型で、かつ低周波、大音圧の超音波を放射
できる円筒型水中音源が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の皿ばね構造を備
えた円筒型水中音源の基本的構造を示した、音源中心軸
を通る断面における斜視図である。この円筒型水中音源
は、円筒の一端の内周を外周とし、円筒内部に凸となる
ような皿ばねを有して一体成形された円筒型の音源支持
11および12を、これらの中心軸を合わせて、音源支
持11および12のそれぞれの前記皿ばね構造を有する
側の端が対向するように同軸上にはり合わせ、円筒型の
音源支持11および12の外表面側に、円筒型の圧電磁
器2をはり合わせた構造になっている。圧電磁器2の分
極方向は、径方向あるいは軸方向のいずれでもよい。ま
た、音源全体は図示しないゴムモールドなどによって水
密性が保たれている。
【0019】次に、図2、図3および図4を用いて、音
源支持11および12に設けられた皿ばね構造が、円筒
型音源における径方向の呼吸振動の基本共振周波数に与
える影響について説明する。
【0020】図2は、円筒型の音源支持31および32
と、円筒型の圧電磁器からなる円筒型音源の断面図の斜
視図であり、図3は、皿ばねの特性を決定する基本的な
寸法と、自由振動時の振動モードを示した断面図であ
る。図2における円筒型の音源支持31および32は、
図1における音源支持11および12の皿ばね構造部分
がない他は、すべて音源支持11および12と同じであ
る。
【0021】「超音波技術便覧(新訂版):日刊工業新
聞社、1991年、p.353」に記載されているよう
に、一般に円筒型音源の径方向の呼吸振動の基本共振周
波数(fr)は音源の音速(c)と音源の平均半径
(a)によって、近似的にfr≒c/2πaで定まり、
円筒型音源の平均の周の長さと音波の波長がほぼ等しく
なったときに共振状態になる。
【0022】例えば図2に示す構造において、音源支持
31と32の材質としてアルミニウム合金を、圧電磁器
2の材質としてジルコン・チタン酸鉛をそれぞれ仮定
し、音源支持31および32の外径および内径をそれぞ
れ130mmおよび120mm、軸方向長さを20m
m、圧電磁器2の外径および軸方向長さをそれぞれ15
0mmおよび40mmとし、圧電磁器が径方向に一様に
分極されているものとする。この円筒型音源の径方向の
呼吸振動における基本共振周波数(fr)を圧電性も考
慮して有限要素法により解析すると、fr≒8.5kH
zになる。
【0023】一方、図3(a)に示すような内周および
外周の平均半径がそれぞれrおよびrで、高さH、
肉厚hの皿ばね50の自由振動を考えると、その振動の
様子は図3(b)の振動モード51および52のように
なる。このように皿ばね50が振動すると、皿ばね50
の外周部は径方向に呼吸振動することになる。
【0024】r=60mm、h=4mmとして、皿ば
ね50の材質がアルミニウム合金であると仮定すると、
皿ばね50のrをパラメータとして、皿ばね50の高
さHに対する共振周波数の変化は図4のようになる。図
4から、rあるいはHを小さくすることによって、皿
ばね50の外周の平均半径rを変えずに、共振周波数
を低くすることが可能である。この例の場合は、皿ばね
50の外周部の平均直径が120mmであり、この値は
前述した図2の円筒型音源の計算例における外径寸法と
等しいが、皿ばねの計算例では、共振周波数が低いとこ
ろで2〜3kHz程度にすることもでき、円筒型音源の
円筒内部に皿ばね構造を備えることで、円筒型音源の外
寸法をそのままにして、円筒型音源の共振周波数を低下
させることが可能になる。
【0025】図1に示した円筒型音源の計算例として、
音源支持11と12の材質にアルミニウム合金を、圧電
磁器2の材質にジルコン酸チタン酸鉛をそれぞれ仮定
し、音源支持11および12の外径および内径をそれぞ
れ130mmおよび120mm、圧電磁器2の外径およ
び軸方向長さをそれぞれ150mmおよび40mmと
し、圧電磁器が径方向に一様に分極されているものとす
る。さらに、音源支持11および12における皿ばね構
造部分の寸法として、外周部平均直径および内周部平均
直径をそれぞれ120mmおよび20mmとし、この皿
ばね構造部分において、図3の皿ばね50の高さHと肉
厚hに相当すると寸法を、それぞれH=5mm、h=4
mmとする。これらの条件のもと、圧電性を考慮した有
限要素法による解析を行い、基本共振周波数を求めると
約3.6kHzになる。
【0026】この計算例における図1の円筒型音源の外
寸法は、前述した図2の円筒型音源の計算例における外
寸法と同じであり、外寸法を変化させずに低周波化が可
能になることがわかる。また、前記皿ばね構造部の肉厚
をより薄くしたり、音源支持11および12を音速の小
さい材料で形成することにより、円筒型音源の外寸法を
変化させずに、さらに低周波化をはかることが可能であ
る。
【0027】図5は、本発明による、皿ばね構造を有し
た別の円筒型水中音源の断面図である。図5に示した円
筒型水中音源は、寸法の等しい二つの円筒型圧電磁器2
01および202と、円筒型圧電磁器201および20
2の内径以下の外周径を有する、寸法の等しい二つの皿
ばね501および502を有している。
【0028】皿ばね501および502の外周部にはリ
ング状の座が一体成形されており、皿ばね501のリン
グ状の座と、皿ばね502のリング状の座を、皿ばね5
01と502の中心軸が一致するようにはり合わせた皿
ばね構造500が形成されている。そして、円筒型圧電
磁器201と202のそれぞれの一端で、皿ばね構造5
00におけるリング状の座部分を、皿ばね構造500と
円筒型圧電磁器201および202の中心軸が一致する
ように、絶縁材91および92を介して挟み込んで、は
り合わせている。
【0029】また、皿ばね構造500部が水密になるよ
うに、円筒型圧電磁器201と202の他端は、絶縁材
93および94を介して円板80および81によって密
閉され、さらにゴムやウレタンなどのモールド材71に
よって、円筒状放射面が覆われている。
【0030】図1や図2に示した円筒型水中音源では、
圧電磁器と皿ばね構造部を一体にするためには、前記音
源支持の外周面と前記円筒型圧電磁器の内周面とが密着
している必要があるが、上記構造では機械加工が困難に
なるなどの問題がある。これに対し、図5に示した円筒
型水中音源は、細かい寸法精度が要求されない分、製作
が容易である。なお、圧電磁器201および202は、
その軸方向に積層した構造にしてもよい。
【0031】図5に示した円筒型水中音源の圧電性を考
慮した有限要素法解析による計算例を以下に示す。皿ば
ね構造500の材質をアルミニウム合金、圧電磁器20
1および202の材質をジルコン酸チタン酸鉛、円板8
0および81の材質をステンレス、絶縁材91〜94の
材質をゴム、モールド材71の材質をウレタンとして、
皿ばね501および502の平均外周径および平均内周
径、高さH、厚さhをそれぞれ130mmおよび20m
m、10mm、4mm、また、皿ばね501および50
2のリング状の座の外周径および厚さをそれぞれ150
mmおよび4mm、圧電磁器201および202の外周
径、内周径および軸方向長さをそれぞれ150mm、1
30mmおよび10mm、モールド材および絶縁材の厚
さを1mm、円板80および81の厚さを5mmと仮定
すると、共振周波数は約3.8kHzになる。皿ばね構
造500が厚さ4mmのリング状の座のみである場合、
共振周波数は約10.5kHzであり、皿ばね構造50
0により、共振周波数が低減され、小型低周波化が実現
できる。
【0032】次に、本発明による別の実施の形態につい
て説明する。図6は、本発明の皿ばね構造を備えた別の
円筒型水中音源の構造を示した、音源中心軸を通る断面
における斜視図である。図6に示した円筒型水中音源
は、円筒の一端付近に、前記円筒の内周を外周とし、前
記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造を有して一体
成形された二つの円筒型の音源支持13および14と、
円筒型の圧電磁器部20とを有し、音源支持13および
14の前記皿ばね構造が施されていない一端側におい
て、音源支持13および14の外表面側にリング状の座
を有しており、圧電磁器部を前記リング状の座によっ
て、音源の軸方向に挟み込み、前記リング状の座と圧電
磁器部200とを軸方向に貫通するボルト61とナット
62によって、放射状に6箇所、軸方向に締結してい
る。
【0033】図6に示した円筒型水中音源において、圧
電磁器部20は、同一の寸法からなる円筒型の圧電磁器
21〜28の8枚を積層した構造になっており、圧電磁
器21〜28はすべて音源の軸方向に分極され、分極方
向が互い違いになるように積層されている。
【0034】図6に示した円筒型水中音源は、音源の構
造が強度的に優れたボルト締めランジュバン型の構造に
なっている。このため、ハイパワーでの駆動にも十分絶
えることが可能であり、接着剤などではり合わせた場合
に比べて、性能の急速な劣化を防止することができる。
また、寸法の大きな円筒型の圧電磁器は一体で成形する
ことが難しいが、圧電磁器部20を積層構造にすること
により、圧電磁器の製作が容易になる。さらに、音の放
射面積も拡大することができ、インピーダンスを低下さ
せることもできる。なお、圧電磁器部20には、軸方向
に分極された円筒型の圧電磁器を、分極方向を互い違い
にして偶数枚積層したものや、径方向に分極された円筒
型の圧電磁器を一層ないしは複数層積層したものを用い
てもよい。
【0035】図7は、本発明による、皿ばね構造を有し
た円筒型水中音源の断面図である。図7に示した円筒型
水中音源は、円筒の一端付近において、前記円筒の内表
面側にリング状の座を有し、前記リング状の座の内周を
外周とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造
を有して一体成形された二つの円筒型の振動板41およ
び42と、二つの円筒型の圧電磁器203および204
から成る。圧電磁器203と204はその軸方向に分極
されており、それぞれの分極方向が異なるようにはり合
わされている。
【0036】振動板41および42には、対向する端側
にそれぞれめねじとおねじが加工されており、圧電磁器
203と204からなる圧電磁器部200を振動板41
および42によって、前記リング状の座で挟み込み、前
記めねじとおねじによってボルト締めしている。振動面
41と42の外表面には、ゴムなどのモールド材72が
はり合わされており、水密性が保たれるようになってい
る。前記めねじおよびおねじ加工を施さず、円筒型の振
動板41と42で圧電磁器部200を挟み込み、それぞ
れ強力な接着剤ではり合わせてもよい。
【0037】図1、図2、図5および図6に示した円筒
型水中音源のように、圧電磁器を放射面に用いると、そ
の密度が7500kg/m程度もあるため、必然的に
音源の重量が重くなる。図7に示した円筒型音源は、音
波の放射面を圧電磁器より密度の小さい、例えばアルミ
ニウム合金などで成形し、さらに、皿ばね構造を備える
ことによって、音源の軽量化と低周波化の双方を実現し
ている。また、図7に示した円筒型水中音源は、音源の
構造が強度的に優れたボルト締めランジュバン型の構造
になっている。このため、ハイパワーでの駆動にも十分
絶えることが可能であり、接着剤などではり合わせた場
合に比べて、性能の劣化を防止することができる。な
お、圧電磁器部200には、軸方向に分極された円筒型
の圧電磁器を、分極方向を互い違いにして偶数枚積層し
たものや、径方向に分極された円筒型の圧電磁器を一層
ないしは複数層積層したものを用いてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明による円
筒型水中音源は、前記円筒型水中音源の中空空間内部
に、前記円筒型水中音源と結合された皿ばねを有する構
造となっている。
【0039】本発明による円筒型水中音源は、円筒の一
端付近に、前記円筒の内周を外周とし、前記円筒内部の
空間側に凸となる皿ばね構造を有して一体成形された二
つの円筒型の音源支持と、円筒型の圧電磁器とを有し、
前記二つの音源支持の中心軸を合わせて、それぞれの前
記音源支持における前記皿ばね構造を有する側の一端同
士が対向するようにはり合わせられており、前記圧電磁
器が前記音源支持の外表面側にはり合わせられている構
造になっている。
【0040】また、本発明による円筒型水中音源は、二
つの円筒型圧電磁器(A1、A2)と、前記円筒型圧電
磁器の内径以下の外周径を有する二つの皿ばね(B1、
B2)を有し、前記皿ばね(B1、B2)の外周部には
リング状の座が一体成形されており、前記皿ばね(B
1)のリング状の座と、前記皿ばね(B2)のリング状
の座を、前記皿ばね(B1、B2)の中心軸が一致する
ようにはり合わせた皿ばね構造を、前記円筒型圧電磁器
(A1、A2)のそれぞれの一端で、前記皿ばね構造に
おける前記皿ばね(B1、B2)のリング状の座を、前
記皿ばね構造と前記円筒型圧電磁器(A1,A2)の中
心軸が一致するように、挟み込んで、はり合わされてい
る構造になっている。
【0041】このような構造によって、円筒型水中音源
の径方向の呼吸振動における共振周波数を、音源の外寸
法を変えることなく低下させることができ、小型で大出
力の低周波水中音源が実現できる。
【0042】また、本発明による他の円筒型水中音源
は、円筒の一端付近において、前記円筒の内表面側にリ
ング状の座を有し、前記リング状の座の内周を外周と
し、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造を有し
て一体成形された二つの円筒型の振動板と、円筒型の圧
電磁器とを有し、二つの前記振動板の中心軸を合わせ
て、それぞれの前記リング状の座を有する側の一端同士
が対向し、前記圧電磁器が、それぞれの前記リング状の
座によって、前記円筒型の振動板と同軸上に挟み込まれ
て、はり合わされている構造となっている。
【0043】このような構造によって、前記皿ばね構造
を備えたことによる円筒型水中音源の低周波化あるいは
小型化と、音源の軽量化をはかることができる。
【0044】本発明による他の円筒型水中音源は、円筒
の一端付近に、前記円筒の内周を外周とし、前記円筒内
部の空間側に凸となる皿ばね構造を有して一体成形され
た二つの円筒型の音源支持と、円筒型の圧電磁器とを有
し、前記音源支持の前記皿ばね構造が施されていない一
端側において、前記音源支持の外表面側にリング状の座
を有しており、前記圧電磁器を前記リング状の座によっ
て、前記圧電磁器の軸方向に挟み込み、前記リング状の
座と前記圧電磁器とを軸方向に貫通するボルトによっ
て、少なくとも二箇所以上軸方向に締結する構造になっ
ている。
【0045】また、本発明による他の円筒型水中音源
は、円筒の一端付近において、前記円筒の内表面側にリ
ング状の座を有し、前記リング状の座の内周を外周と
し、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造を有し
て一体成形された二つの円筒型の振動板と、円筒型の圧
電磁器とを有し、前記二つの振動板の一つには、前記リ
ング状の座の側の一端にめねじ加工が施されており、前
記二つの音源支持の他の一つには、前記リング状の座の
側の一端に前記めねじに合うおねじ加工が施されてお
り、前記二つの振動板の中心軸を合わせて、それぞれの
前記リング状の座を有する側の一端同士が対向して配置
され、前記圧電磁器が、それぞれの前記リング状の座に
よって、前記円筒型の振動板と同軸上に挟み込まれ、か
つ前記めねじと前記おねじによって軸方向に締結される
構造となっている。
【0046】さらに、本発明による円筒型水中音源は、
前記円筒型の圧電磁器が、同寸法の偶数個の円筒型の圧
電磁器を、中心軸を合わせて同軸上に積層した構造にな
っている。
【0047】これらの構造によって、前記皿ばね構造を
備えたことによる円筒型水中音源の低周波化あるいは小
型化と同時に、ボルト締めによる音源の強度の向上をは
かることができるため、ハイパワー駆動時にも性能劣化
の少ない円筒型水中音源を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型水中音源の基本的構造を示し
た、音源中心軸を通る断面における斜視図。
【図2】基本的な円筒型水中音源の構造を示した、音源
中心軸を通る断面における斜視図
【図3】皿ばねの構造と自由振動時の振動モードを示し
た断面図。
【図4】有限要素法により解析した、皿ばねの寸法を変
化させた際の共振周波数の変化を示した特性図。
【図5】本発明の別の円筒型水中音源の構造を示した断
面図。
【図6】本発明の別の円筒型水中音源の構造を示した、
音源中心軸を通る断面における斜視図。
【図7】本発明の別の円筒型水中音源の構造を示した断
面図。
【符号の説明】
11、12〜皿ばね構造を有する円筒型音源支持 13、14〜皿ばね構造とリング状の座を有する円筒型
音源支持 2、21〜28、201〜204〜円筒型圧電磁器 31、32〜円筒型音源支持 41、42〜皿ばね構造とリング状の座を有する円筒型
振動板 50〜皿ばね 51、52〜皿ばねの振動モード 501、502〜リング状の座を有した皿ばね 61〜ボルト 62〜ナット 71、72〜モールド材 80、81〜円板 91〜94〜絶縁材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】径方向に呼吸振動をする中空の円筒型水中
    音源において、前記円筒型水中音源の中空空間内部に、
    前記円筒型水中音源と結合された皿ばねを有すること特
    徴とする円筒型水中音源。
  2. 【請求項2】円筒の一端付近に、前記円筒の内周を外周
    とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造を有
    して一体成形された二つの円筒型の音源支持と、円筒型
    の圧電磁器とを有し、前記二つの音源支持の中心軸を合
    わせて、それぞれの前記音源支持における前記皿ばね構
    造を有する側の一端同士が対向するようにはり合わせら
    れており、前記圧電磁器が前記音源支持の外表面側には
    り合わせられていることを特徴とする請求項1に記載の
    円筒型水中音源。
  3. 【請求項3】二つの円筒型圧電磁器(A1、A2とす
    る)と、前記円筒型圧電磁器の内径以下の外周径を有す
    る二つの皿ばね(B1、B2とする)を有し、前記皿ば
    ね(B1、B2)の外周部にはリング状の座が一体成形
    されており、前記皿ばね(B1)のリング状の座と、前
    記皿ばね(B2)のリング状の座を、前記皿ばね(B
    1、B2)の中心軸が一致するようにはり合わせた皿ば
    ね構造を、前記円筒型圧電磁器(A1、A2)のそれぞ
    れの一端で、前記皿ばね構造における前記皿ばね(B
    1、B2)のリング状の座を、前記皿ばね構造と前記円
    筒型圧電磁器(A1,A2)の中心軸が一致するよう
    に、挟み込んで、はり合わされていることを特徴とする
    請求項1に記載の円筒型水中音源。
  4. 【請求項4】円筒の一端付近において、前記円筒の内表
    面側にリング状の座を有し、前記リング状の座の内周を
    外周とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造
    を有して一体成形された二つの円筒型の振動板と、円筒
    型の圧電磁器とを有し、二つの前記振動板の中心軸を合
    わせて、それぞれの前記リング状の座を有する側の一端
    同士が対向し、前記圧電磁器が、それぞれの前記リング
    状の座によって、前記円筒型の振動板と同軸上に挟み込
    まれて、はり合わされていることを特徴とする請求項1
    に記載の円筒型水中音源。
  5. 【請求項5】円筒の一端付近に、前記円筒の内周を外周
    とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造を有
    して一体成形された二つの円筒型の音源支持と、円筒型
    の圧電磁器とを有し、前記音源支持の前記皿ばね構造が
    施されていない一端側において、前記音源支持の外表面
    側にリング状の座を有しており、前記圧電磁器を前記リ
    ング状の座によって、前記圧電磁器の軸方向に挟み込
    み、前記リング状の座と前記圧電磁器とを軸方向に貫通
    するボルトによって、少なくとも二箇所以上軸方向に締
    結することを特徴とする請求項1に記載の円筒型水中音
    源。
  6. 【請求項6】円筒の一端付近において、前記円筒の内表
    面側にリング状の座を有し、前記リング状の座の内周を
    外周とし、前記円筒内部の空間側に凸となる皿ばね構造
    を有して一体成形された二つの円筒型の振動板と、円筒
    型の圧電磁器とを有し、前記二つの振動板の一つには、
    前記リング状の座の側の一端にめねじ加工が施されてお
    り、前記二つの音源支持の他の一つには、前記リング状
    の座の側の一端に前記めねじに合うおねじ加工が施され
    ており、前記二つの振動板の中心軸を合わせて、それぞ
    れの前記リング状の座を有する側の一端同士が対向して
    配置され、前記圧電磁器が、それぞれの前記リング状の
    座によって、前記円筒型の振動板と同軸上に挟み込ま
    れ、かつ前記めねじと前記おねじによって軸方向に締結
    されることを特徴とする請求項1に記載の円筒型水中音
    源。
  7. 【請求項7】前記円筒型の圧電磁器が、同寸法の偶数個
    の円筒型の圧電磁器を、中心軸を合わせて同軸上に積層
    した構造になっていることを特徴とする請求項2〜6に
    記載の円筒型水中音源。
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