JP2003018591A - 動画像符号化システム、動画像符号化方法およびプログラム - Google Patents

動画像符号化システム、動画像符号化方法およびプログラム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】低レートで画質の維持が困難な状況下であって
も、主観画質を向上できる動画像符号化システムを提供
する。 【解決手段】合成されることで1つの画面を構成するオ
ブジェクト1,...,nをそれぞれ符号化する符号化
部101−1,...,101−nと、オブジェクト
1,...,nのそれぞれについて、符号化される画素
またはブロックの位置毎にどのような符号化を行うか、
または、符号化するか否かを上記画面上における他のオ
ブジェクトとの位置関係に応じて定めたオブジェクト符
号化制御マップを作成して符号化部101−
1,...,101−nにそれぞれ供給する符号化制御
マップ作成部120とを有し、符号化部101−1〜1
01−nはそれぞれ供給されたオブジェクト符号化制御
マップに従って符号化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人物や背景などオ
ブジェクト単位で動画像を符号化するシステムおよび方
法ならびにそのような符号化を実行するためのプログラ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、画像圧縮方式の1つであるMPE
G−4(Moving Picture Experts Group Phase 4)が注
目を浴びている。このMPEG−4は、有線、無線を問
わず、種々のネットワークを介した動画通信が可能であ
り、その特徴の1つに、人物や背景などのオブジェクト
単位での動画像の符号化がある。
【0003】動画像をオブジェクト単位で符号化する場
合、1つの画像から抽出された複数のオブジェクトを符
号化するシステムと、別々に撮影された画像からそれぞ
れ抽出された複数のオブジェクトを符号化を行うシステ
ムとがある。ここでは、後者の別々に取得した複数の画
像オブジェクトをそれぞれ符号化する方式について説明
する。
【0004】特開2000−78572号公報には、背
景用と目的物用の撮像装置を別個にし、それぞれの撮像
装置から得られる背景画像、目的物画像からそれぞれ背
景オブジェクト、目的物オブジェクトを抽出して符号化
する方式が記載されている。図9は、その公報に記載さ
れている伝送システムを説明するためのブロック図であ
る。
【0005】図9を参照すると、第1のテレビカメラで
撮影した目的物画像1101についてオブジェクト生成
部1102で領域抽出が行われる。この領域抽出では、
目的物画像1101からシーン毎に人物などの目的物オ
ブジェクト(図9中、オブジェクト1で表わされてい
る。)の切り出しが行われる。他方、第2のテレビカメ
ラで撮像された背景画像1112はそのまま背景オブジ
ェクト(図9中、オブジェクト2で表わされている。)
となる。
【0006】目的物オブジェクト、背景オブジェクトは
それぞれ別々に符号化され、多重化部1104に入力さ
れる。図9の例では、目的物オブジェクトの符号化デー
タ1103aと、背景オブジェクトの符号化データ11
03bが多重化部1104に入力されている。
【0007】多重化部1104では、その入力された符
号化データ1103a、1103bが多重化され、この
多重化された符号化データがビットストリューム110
5のデータ形式で通信回線1106を介して受信側の多
重分離部1107に伝送される。この伝送の際、各オブ
ジェクトの配置・形状情報も符号化データと一緒に伝送
される。
【0008】受信側では、通信回線1106を介して受
信した、符号化データ1103a、1103bの多重化
データは多重分離部1107で各オブジェクト毎に分離
され、それぞれ復号化部にて目的物オブジェクト(オブ
ジェクト1)の復号化データ1108aと背景オブジェ
クト(オブジェクト2)の復号化データ1108bとし
て復号化される。各復号化データ1108a、1108
bはコンボジター部1109で画面上の各オブジェクト
の配置位置(元の配置位置)などを考慮して合成され、
表示部で再現画像1110として表示される。
【0009】上記の伝送システムの場合、背景動画像を
目的物動画像より解像度を下げて送ることにより、伝送
容量を低減させることができる。また、テレビ会議のよ
うに背景に変化を伴わない場合は、背景画像1112の
画像データの伝送はその都度行う必要はなく、受信側
で、最初に受信した背景画像を以降のオブジェクト合成
に用いることも可能である。この場合は、背景動画像を
送らない分だけ、トータル的な伝送容量を低減すること
が可能である。
【0010】上述したような伝送システムにおいて、各
オブジェクトの符号化データを一定レートの伝送路で送
る場合、通常は、符号化器の最終段にバッファが設けら
れ、このバッファに蓄積された符号化データが一定のレ
ートで読み出されて伝送路に送り出される。このような
システムでは、符号化遅延の問題からバッファの容量に
限りがあることから、符号化器から大量の情報が発生す
るとオーバーフローする危険性がある。このオーバーフ
ローを回避するために、通常は、各オブジェクトの発生
符号量を調節したり、バッファに蓄積される符号化デー
タをフレームスキップ(コマ落とし)したりして、レー
ト制御を行う。
【0011】図10に、オブジェクト単位での動画像の
符号化を行う、レート制御可能な従来の動画像符号化シ
ステムの一例を示す。この動画像符号化システムは、n
個のオブジェクトからなる動画像を符号化するシステム
であって、オブジェクト1,...,nのそれぞれに対
応して設けられたn個の符号化器1001−1,100
1−2,...,1001−nと、レート制御部101
0とからなる。
【0012】レート制御部1010は、各符号化器10
01−1〜1001−nの目標符号量をそれぞれ決定す
る。符号化器1001−1,1001−2,...,1
001−nにはそれぞれ、オブジェクト1,...,n
のテクスチャデータおよび形状データが入力されてい
る。
【0013】各符号化器1001−1〜1001−nは
それぞれ、入力されたオブジェクトのテクスチャデータ
および形状データを周知の技術である動き補償とDCT
変換を用いて符号化する構造になっており、その符号化
の際の発生符号量がレート制御部1010から与えられ
た目標符号量となるように制御される。各符号化器10
01−1〜1001−nからは符号化データが出力(第
1の出力)されるとともに、符号化に際して用いられ、
あるいは、生じた情報であるレート制御パラメータが出
力(第2の出力)される。この第2の出力のレート制御
パラメータはレート制御部1010へ供給され、目標符
号量を決定するために用いられる。
【0014】レート制御パラメータは、符号化で用いら
れたパラメータや符号化に付随して生じる情報で、レー
ト制御に用いられる情報の総称である。上述の特開20
00-92489号公報には、レート制御パラメータと
して、局所復号画像のSNR(Signal to Noise Rati
o)、発生符号量、オブジェクト間で輪郭が接触してい
るか否かを表す情報を用いることが記載されている。図
10の例でも、同様の情報がレート制御パラメータとし
て用いられる。
【0015】次に、この動画像符号化システムの動作に
ついて説明する。
【0016】符号化器1001−1,1001−
2,...,1001−nにオブジェクト1,...,
nのテクスチャデータおよび形状データがそれぞれ入力
される。各符号化器1001−1〜1001−nは、入
力されたオブジェクトのテクスチャデータおよび形状デ
ータを符号化してオブジェクト符号列を生成し出力する
と同時に、次回の符号化の際のレート制御に必要なパラ
メータを算出し、その算出したレート制御パラメータを
レート制御部1010に対して出力する。最初の時点で
は、レート制御部1010から各符号化器1001−1
〜1001−nへの目標符号量の供給はなされていない
ため、各符号化器1001−1〜1001−nでは、そ
の発生符号量が予め設定された目標符号量(各符号化器
毎に任意に設定可能)となるように制御される。
【0017】レート制御部1010は、各符号化器10
01−1〜1001−nから入力されたレート制御パラ
メータに基づいて各オブジェクトの符号化の目標符号量
を算出する。そして、レート制御部1010は、その算
出した目標符号量をそれぞれ対応する符号化器へ供給す
る。この目標符号量の算出において、レート制御部10
10は、発生符号量と符号化レートの比で表される符号
化率と局所復号画像のSNRとの関係を用い、こま落と
しをするか否かと各オブジェクトの目標符号量とを決定
する。こま落しの制御において、オブジェクト間で輪郭
が接触しているものについては同時にこま落しが起きる
ように制御することで、視覚的な劣化を抑えられる。
【0018】レート制御部1010から目標符号量が供
給されてからは、各符号化器1001−1〜1001−
nでは、入力されたオブジェクトのテクスチャデータお
よび形状データを符号化するに際して、その発生符号量
がレート制御部1010から供給された目標符号量とな
るように符号化制御が行われる。
【0019】図11に、フレーム単位にオブジェクト符
号化が行われる場合の、目標符号量の生成を模式的に示
す。この図11から分かるように、現フレームに関する
オブジェクトのテクスチャデータおよび形状データを符
号化する際の目標符号量は、その前に符号化されるフレ
ームに関するオブジェクトのテクスチャデータおよび形
状データを符号化する際に算出されたレート制御パラメ
ータから取得した目標符号量が用いられる。
【0020】なお、図10には示されていないが、各符
号化器1001−1〜1001−nはそれぞれ、符号化
したデータを復号化(逆DCT変換)して元のデータに
戻す機能を有しており、この復号化データがレート制御
部1010へ供給される。レート制御部1010では、
その供給された復号化データから局所復号画像のSN
R、すなわち各オブジェクト毎の優先度に応じた個別の
画質とフレーム全体の画質バランスとの比が得られるよ
うになっている。
【0021】複数のオブジェクト間でレート制御を行う
方式としては、上記の他に、特開2000−50254
号公報や文献「1999年2月,アイ・イー・イー・イ
ー・トランザクションズ・オン・サーキッツ・アンド・
システムズ・フォー・ビデオ・テクノロジー,第CSV
T−9巻,第1号,186〜199頁(IEEE TRANSACTI
ONS ON CIRCUITS AND SYSTEMS FOR VIDEO TECHNOLOGY,
VOL. CSVT-9, NO. 1,FEBRUARY, 1999)」によって開示
されているような方式もある。この方式では、各オブジ
ェクトの符号量、動き補償予測誤差電力、サイズ、動き
情報がレート制御パラメータとして用いられる。そし
て、各フレームにおいて全オブジェクトに割り当てる符
号量を、前のフレームにおける発生符号量の総和から決
定し、これをサイズ、動き情報、動き補償予測誤差電力
の線形和で与えられる指標に従って各オブジェクトに配
分する。このようにして、複数オブジェクト間でのレー
ト制御を実現する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の符号化手法においては、各符号化器への目標符
号量の配分に際して各オブジェクト間でのバランスが考
慮されるようになっているものの、符号化に際しては各
オブジェクトを独立に符号化しているだけ、オブジェク
ト間の関係は考慮されていない。このため、以下のよう
な問題がある。
【0023】例えば、あるカメラで撮像された画像から
抽出した第1のオブジェクトの一部の領域が別のカメラ
で撮像された画像から抽出した第2のオブジェクトの一
部の領域によって隠蔽されるような場合(例えば、図9
の再現画像1110におけるオブジェクト1とオブジェ
クト2の重なり)、第1のオブジェクトの隠蔽領域の符
号化データは合成時には必要なくなる。しかしながら、
従来の場合は、第1のオブジェクトの隠蔽領域も他の領
域と同様に符号化されてしまうため、第1のオブジェク
トに関する発生符号量は、隠蔽領域を符号化しない場合
と比べて、その隠蔽領域に割り当てられる分だけ減るこ
ととなる。このため、低レートにおいては画質が大きく
劣化する場合がある。
【0024】本発明の主な目的は、上記問題を解決し、
画質の維持が困難な低レートの状況下であっても、主観
画質を向上できる複数オブジェクトの符号化システムお
よび符号化方法を提供することにある。
【0025】本発明のさらなる目的は、そのようなオブ
ジェクト符号化を実現することのできるプログラムを提
供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の動画像符号化システムは、合成されること
で1つの画面を構成する複数の画像オブジェクトをそれ
ぞれ符号化する複数の符号化手段と、前記複数の画像オ
ブジェクトのそれぞれについて、符号化される画素また
はブロックの位置毎にどのような符号化を行うか、また
は、符号化するか否かを前記画面上における他の画像オ
ブジェクトとの位置関係に応じて定めたオブジェクト符
号化制御マップを作成して前記複数の符号化手段にそれ
ぞれ供給する符号化制御マップ作成手段とを有し、前記
複数の符号化手段はそれぞれ、前記符号化制御マップ作
成手段から供給された前記オブジェクト符号化制御マッ
プに従って符号化を行うことを特徴とする。
【0027】本発明の動画像符号化方法は、合成される
ことで1つの画面を構成する複数の画像オブジェクトを
それぞれ符号化する方法であって、前記複数の画像オブ
ジェクトのそれぞれについて、符号化される画素または
ブロックの位置毎にどのような符号化を行うか、また
は、符号化するか否かを前記画面上における他の画像オ
ブジェクトとの位置関係に応じて定めたオブジェクト符
号化制御マップを作成する第1のステップと、前記第1
のステップにて作成されたオブジェクト符号化制御マッ
プに従って前記複数の画像オブジェクトをそれぞれ符号
化する第2のステップとを含むことを特徴とする。
【0028】本発明のプログラムは、合成されることで
1つの画面を構成する複数の画像オブジェクトのそれぞ
れについて、符号化される画素またはブロックの位置毎
にどのような符号化を行うか、または、符号化するか否
かを前記画面上における他の画像オブジェクトとの位置
関係に応じて定めたオブジェクト符号化制御マップを作
成する第1の処理と、前記第1の処理にて作成されたオ
ブジェクト符号化制御マップに従って前記複数の画像オ
ブジェクトをそれぞれ符号化する第2の処理とをコンピ
ュータに実行させることを特徴とする。
【0029】上記のとおりの本発明においては、複数の
画像オブジェクトのそれぞれについて、符号化される画
素またはブロックの位置毎にどのような符号化を行う
か、または、符号化するか否かを前記画面上における他
の画像オブジェクトとの位置関係に応じて定めたオブジ
ェクト符号化制御マップを作成し、このオブジェクト符
号化制御マップに従って符号化が行われる。この構成に
よれば、例えば、あるカメラで撮像された画像から抽出
した第1のオブジェクトの一部の領域が別のカメラで撮
像された画像から抽出した第2のオブジェクトの一部の
領域によって隠蔽されるような場合に、第1のオブジェ
クトの隠蔽領域については、符号化を行わない、また
は、他の領域より符号化を粗く行う、といった符号化制
御が可能である。このため、第1のオブジェクトに関す
る発生符号量の割り当てについては、隠蔽領域を他の領
域と同様に符号化してしまう従来の場合と比べて、その
隠蔽領域の符号化を粗くした分、または、符号化しない
ようにした分だけ多くすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0031】図2は、本発明の動画像符号化システムの
全体の構成を示すブロック図である。この動画像符号化
システムは、複数の画像取得部11−1〜11−n、複
数のオブジェクト抽出部12−1〜12−n、複数の蓄
積部13−1〜13−n、オブジェクト符号化部14、
多重伝送部15、合成情報生成部16、合成情報符号化
部17からなる。
【0032】各画像取得部11−1〜11−nはそれぞ
れ撮影カメラを備え、該撮影カメラにて撮影された画像
をフレーム単位で出力する。画像取得部11−
1,...,〜11−nの出力はオブジェクト抽出部1
2−1,...,12−nにそれぞれ供給される。
【0033】各オブジェクト抽出部12−1〜12−n
はそれぞれ、入力画像データに対して輪郭抽出などの周
知のオブジェクト抽出を行い、その抽出したオブジェク
トの画像内容を表わすテクスチャデータおよびその形状
を表わす形状データを出力するとともに、そのオブジェ
クトが画面のどの位置に存在したか(または、オブジェ
クトの3次元空間内での存在位置)を表わす位置情報を
出力する。オブジェクト抽出部12−1,...,12
−nの出力(テクスチャデータ、形状データおよび位置
情報)は蓄積部13−1,...,13−nにそれぞれ
格納される。
【0034】各蓄積部13−1〜13−nの出力のうち
オブジェクトのテクスチャデータおよび形状データはオ
ブジェクト符号化部14に供給され、位置情報は合成情
報生成部16に供給される。オブジェクト符号化部14
には、オブジェクトのテクスチャデータおよび形状デー
タの他に、合成情報生成部16で生成された合成情報が
供給される。
【0035】オブジェクト符号化部14は、本発明の最
も特徴的な部分であって、オブジェクト毎に符号化を行
うように構成されている。このオブジェクト符号化部1
4は、詳しくは後述するが、一定レートでの通信が可能
なように、符号化に際して各オブジェクト毎に発生符号
量が制限されるとともに、各オブジェクト間の関係を考
慮した符号化が行われる。
【0036】合成情報生成部16で生成された合成情報
は、オブジェクト符号化部14に供給されるとともに合
成情報符号化部17にも供給される。合成情報符号化部
17は、入力された合成情報を符号化する。
【0037】多重化伝送部15は、オブジェクト符号化
部14からの各オブジェクトの符号化データおよび合成
情報符号化部17からの合成情報の符号化データがそれ
ぞれ供給されており、これら符号化データを多重化した
符号化列(多重化符号化列)を伝送路上に送出する。
【0038】次に、この動画像符号化システムの動作に
ついて説明する。各画像取得部11−1,...,11
−nでオブジェクト1,...,nをそれぞれ撮影し、
オブジェクト1,...,nに関する画像を取得する。
このようにして取得したオブジェクト画像i(i=
1,...,n)はそれぞれオブジェクト抽出部12−
1,...,12−nに入力される。画像取得部11−
1〜11−n、オブジェクト抽出部12−1〜12−n
および蓄積部13−1〜13−nにおける動作は基本的
には同じであるため、以下、画像取得部11−i(i=
1,...,n)、オブジェクト抽出部12−i(i=
1,...,n)、蓄積部13−i(i=1,...,
n)、オブジェクトi(i=1,...,n)として動
作を説明する。
【0039】画像取得部11−iによって取得されたオ
ブジェクトi画像はオブジェクト抽出部iに入力され
る。オブジェクト抽出部iは、入力されたオブジェクト
i画像からオブジェクトiの領域を抽出し、その画像内
容を表わすオブジェクトiテクスチャデータおよびオブ
ジェクトi形状データを取得すると同時に、オブジェク
トiの位置(位置情報)を算出する。そして、これらオ
ブジェクトiのテクスチャデータ、形状データおよび位
置情報(以下、これらをまとめてオブジェクトi属性デ
ータと称す。)を蓄積部iへ出力する。
【0040】ここで、オブジェクトi位置情報は、オブ
ジェクトを抽出した際に、その抽出したオブジェクトが
画面のどの位置に存在したかを表わす情報、あるいはオ
ブジェクトの3次元空間内での存在位置を示す情報であ
り、後に行われる画像合成(各オブジェクトの符号化デ
ータを復号して合成すること)を行う際に必要とされ
る。
【0041】オブジェクト抽出部iから出力されたオブ
ジェクトi属性データは、蓄積部iに一旦格納される。
蓄積部iに格納されたオブジェクトi属性データのうち
オブジェクトiテクスチャデータおよびオブジェクトi
形状データはオブジェクト符号化部14へ入力され、オ
ブジェクトi位置情報は合成情報生成部16へ入力され
る。合成情報生成部16は、入力されたオブジェクトi
位置情報から合成の際に必要となる合成情報を生成す
る。この合成情報生成部16で生成された合成情報は、
オブジェクト符号化部14および合成情報符号化部17
のそれぞれに入力される。
【0042】オブジェクト符号化部14では、蓄積部1
3−iから入力されたオブジェクトiテクスチャデータ
およびオブジェクトi形状データが符号化されるが、そ
の符号化に際して合成情報生成部16から入力された合
成情報を用いた、オブジェクト間の関系を考慮した符号
化制御が行われる。この符号化制御が本実施形態の最も
特徴的な部分であり、その詳しい説明については後述す
る。オブジェクト符号化部14からは、各オブジェクト
のテクスチャデータおよび形状データが符号化されたオ
ブジェクトi符号列が出力される。
【0043】合成情報符号化部17では、合成情報生成
部16から入力された合成情報の符号化が行われる。こ
の合成情報符号化部17から出力される合成情報符号列
と上記オブジェクト符号化部14から出力されるオブジ
ェクトi符号列は、多重化送信部15へ入力されて多重
化処理が施され、多重化符号列として伝送路上へ送出さ
れる。ここで、伝送路とはネットワークのような通信路
であってもよいし、あるいは記録媒体へ記録する手段へ
のデータ転送路であってもよい。
【0044】上述の図2に示した伝送システムでは、各
オブジェクトを別々の画像取得部によって撮影している
が、1つの画像取得部を時間を分けて使用して複数のオ
ブジェクトを撮影するようにしてもよい。例えば、背景
がそれほど変化しないテレビ会議のような画像の場合に
は、先に背景のみを撮影して背景画像を取得しておき、
その後に同じ画像取得部で前景のオブジェクトを撮影す
るようにしてもよい。
【0045】また、各画像取得部は、複数の撮影カメラ
を組み合わせたもの、例えばステレオカメラより構成さ
れてもよい。
【0046】さらに、オブジェクトi位置情報は、オブ
ジェクト抽出部iにて算出されるようになっているが、
別の手段によって取得するような構成にしてもよい。例
えば、レンジファインダのような装置によって、オブジ
ェクトiの3次元位置を取得し、これをオブジェクトi
位置情報として用いてもよい。
【0047】また、上述の伝送システムでは、背景オブ
ジェクト(合成した際に背景になるオブジェクト)に対
しては、オブジェクト抽出は特に必要ではないため、オ
ブジェクト抽出部を設けなくてもよい。
【0048】さらに、別々のオブジェクト抽出部によっ
て各オブジェクトを抽出するようになっているが、互い
に重なり合わないオブジェクトについては、1つのオブ
ジェクト抽出部によってまとめてオブジェクト抽出を行
うようにしてもよい。あるいは、1つのオブジェクト抽
出部を時間を分けてしようし、複数のオブジェクトを取
得するような構成とすることもできる。
【0049】さらに、各蓄積部13−1〜13−nは、
抽出されたオブジェクトi属性データを蓄積するバッフ
ァであってもよい。また、各蓄積部13−1〜13−n
は、抽出されたオブジェクトを画像部品として蓄積して
おく手段、あるいは、抽出されたオブジェクトをデータ
ベースとして格納する手段であってもよい。なお、図2
に示した例では、各オブジェクト毎に蓄積部を設けてい
るが、1つの蓄積部に複数のオブジェクトの属性データ
を蓄積するようにしてもよい。
【0050】また、上述の伝送システムは、画像取得部
で取得した画像のみを合成する場合のシステム構成にな
っているが、これ以外に、CGのように人工的に生成さ
れる画像を用いるような構成にすることもできる。図3
に、オブジェクトm(1≦m≦n)が人工的に生成され
た画像から抽出される場合のシステムの一例を示す。こ
のシステムは、図2に示したシステムのオブジェクトm
に関する画像取得部およびオブジェクト抽出部を人工画
像生成部18−mに置き換えたものである。人工画像生
成部18−mは、オブジェクトmの画像を生成するとと
もに、この生成したオブジェクトmの画像のテクスチャ
データ、形状データおよび位置情報を出力する。人工画
像生成部18−mから出力されたオブジェクトmテクス
チャデータ、オブジェクトm形状データおよびオブジェ
クトm位置情報は蓄積部13−mに格納される。その他
の動作は、図2に示したシステムと同様である。
【0051】次に、本発明の特徴であるオブジェクト符
号化部の構成について説明する。
【0052】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態の動画像符号化システムの主要構成を示すブ
ロック図である。この動画像符号化システムは、上述の
図2または図3に示したシステムのオブジェクト符号化
部を構成するものであって、その構成は、オブジェクト
1,...,nのそれぞれに対応して設けられたn個の
符号化器101−1〜101−nと、レート制御部11
0と、符号化制御マップ作成部120とからなる。
【0053】本形態の動画像符号化システムは、各符号
化器101−1〜101−nにおける符号化に際して、
前述した従来のシステムにおけるレート制御と同様の制
御が行われるとともに、各オブジェクト間の関係を考慮
した符号化制御が行われる。レート制御に関する構成お
よび動作ついては、従来のシステムと同様であるため、
ここではその詳細な説明は省略する。
【0054】符号化制御マップ作成部120は、各オブ
ジェクト1〜nの形状データがそれぞれ入力されるとと
もに、各オブジェクト1〜nの合成時の配置位置、すな
わち各オブジェクトを重ね合せる際の前後(手前、奥)
の位置関係および上下左右の位置関係を示す合成情報が
入力され、これら入力情報に基づいて符号化制御マップ
を作成する。この符号化制御マップの作成は各オブジェ
クト1〜n毎に行われ、それぞれ符号化器101−1,
101−2,...,101−nに供給される。
【0055】各符号化器101−1〜101−nは、符
号化制御マップ作成部120から受け取った符号化制御
マップに従って、入力されたオブジェクトのテクスチャ
データおよび形状データを符号化するとともに、その符
号化の際の発生符号量がレート制御部110から与えら
れた目標符号量となるように制御される。
【0056】オブジェクト符号化制御マップは、符号化
制御の方法あるいは符号化制御で用いるパラメータをオ
ブジェクトの位置に応じて定めた情報である。例えば、
MPEG−4に従って画像を符号化する場合は、符号化
はブロック/マクロブロック単位で行われるが、この場
合は、各ブロック/マクロブロックでの符号化制御法を
特定するための情報を各ブロック/マクロブロック毎に
表したものがオブジェクト符号化制御マップである。符
号化制御法を特定するための情報としては、そのブロッ
ク/マクロブロックを符号化するか否かという情報、符
号化する際には、どのような符号化を行うかという情報
(具体的には、直流成分のみ符号化、低域変換係数のみ
符号化、全係数の符号化などを識別する情報)、各ブロ
ック/マクロブロックで行う量子化の粗さを規定するパ
ラメータ、ブロック/マクロブロックの符号化モードを
決定するための情報、マクロブロックの動きを記述する
のに必要な情報などが挙げられる。
【0057】上記の他、画素単位で符号化制御を行う符
号化方式の場合は、オブジェクト符号化制御マップは、
画素単位で符号化制御パラメータを規定する情報であっ
てもよい。また、サブバンド符号化のように、各サブバ
ンドの変換係数が画像の空間的な位置と対応づけられる
場合は、オブジェクト符号化制御マップは各変換係数の
符号化制御を規定する情報であってもよい。さらに、オ
ブジェクトを様々な領域やレイヤーに分解して符号化す
る方式の場合は、オブジェクト符号化制御マップは、領
域やレイヤーごとに符号化制御法を決定する情報であっ
てもよい。
【0058】上記のように、符号化制御に必要な情報を
位置の関数として記述したものがオブジェクト符号化制
御マップである。目標符号量は前フレームから算出して
いたが、このオブジェクト符号化制御マップは、符号化
すべきフレームと同じフレーム(図11の例で示した現
フレーム)から抽出された情報に基づいて作成される。
【0059】次に、本実施形態の動画像符号化システム
の動作について説明する。
【0060】オブジェクト1,…,nのテクスチャデー
タおよび形状データが符号化器101−1,…,101
−nへそれぞれ入力される。各符号化器101−1〜1
01−nの動作は基本的には同じであるため、以下、符
号化器101−i(i=1,...,n)、オブジェク
トi(i=1,...,n)として動作を説明する。
【0061】オブジェクトiのテクスチャデータおよび
形状データが符号化器101−iに入力されると同時
に、そのオブジェクトiの形状データが符号化制御マッ
プ作成部120に入力される。
【0062】符号化制御マップ作成部120は、入力さ
れたオブジェクトi形状データからオブジェクトi符号
化制御マップを作成する。具体的には、オブジェクト間
の隠蔽関係や合成画像上でのオブジェクト間の距離情報
を算出し、これらの情報に基づいてオブジェクト符号化
制御マップを作成するが、その作成処理の詳細な詳細に
ついては後述する。符号化制御マップ作成部120にて
作成されたオブジェクトi符号化制御マップは符号化器
101−iへ供給される。なお、オブジェクトiが背景
オブジェクトのように形状データがないオブジェクトの
場合は、このオブジェクトに対する形状データは入力さ
れないようになっていてもよい。この場合は、オブジェ
クト符号化制御マップの符号化制御マップ作成部120
から符号化器101−iへ供給はなされないため、符号
化器101−iは予め設定された条件(初期設定条件)
での符号化を行う。
【0063】符号化器101−iでは、オブジェクトi
のテクスチャデータおよび形状データが入力され、符号
化制御マップ作成部120からオブジェクトi符号化制
御マップが供給されると、その供給されたオブジェクト
i符号化制御マップに基づいて、入力されたオブジェク
トiのテクスチャデータおよび形状データを符号化して
オブジェクトi符号列を生成する。この符号化方式とし
ては、例えば、MPEG−4の符号化方式を用いること
ができる。
【0064】上記のオブジェクトiの符号化時に、符号
化器101−iは、符号化に用いられ、あるいは、生じ
る情報であって、レート制御に必要な情報をオブジェク
トiレート制御パラメータとしてレート制御部110へ
出力する。レート制御パラメータとしてどのような情報
を用いるかはレート制御部110で行うレート制御に依
存するが、基本的には、図7に示したシステムと同様の
ものを用いることができる。
【0065】レート制御部110は、符号化器101−
iから入力されたオブジェクトiレート制御パラメータ
から、次回のオブジェクトiの符号化の目標符号量を算
出し、これを符号化器101−iに供給する(図8参
照)。
【0066】本実施形態においても、図8に示した例と
同様、最初のフレームについては、各オブジェクトに対
して予め設定された目標符号量を用いたレート制御が行
われる。それ以降のフレームについては、前に符号化さ
れたフレームから算出されたレート制御パラメータから
取得した目標符号量を用いたフレーム制御が行われる。
具体的には、符号化器101−iには、レート制御部1
10からオブジェクトi目標符号量が入力されるととも
に、符号化制御マップ作成部120からオブジェクトi
オブジェクト符号化制御マップが入力され、オブジェク
トiのテクスチャデータと形状データの符号化に際し
て、オブジェクトiオブジェクト符号化制御マップに基
づいて符号化が行われるとともに、その発生符号量がオ
ブジェクトi目標符号量となるように制御される。符号
化して得られるビットストリームは、オブジェクトi符
号列として出力される。
【0067】以上の説明した動作は、レート制御に必要
な目標符号量およびオブジェクト符号化制御マップに基
づいて符号化制御が行われるようになっているが、特殊
な例として、オブジェクト符号化制御マップのみで符号
化制御を行う場合も考えられる。
【0068】次に、オブジェクト符号化制御マップ作成
部120の動作について、さらに詳しく説明する。以下
の説明では、オブジェクトの隠蔽情報を使用する場合、
他のオブジェクトからの距離情報を使用する場合、これ
ら隠蔽情報および距離情報の両方を使用する場合の3つ
の例を挙げる。
【0069】(1)隠蔽情報の使用:ここでは、オブジ
ェクトの隠蔽情報のみを用いてオブジェクト符号化制御
マップを作成する場合について述べる。
【0070】符号化制御マップ作成部120は、まず、
各オブジェクトの形状データと合成情報を用い、オブジ
ェクトiについて、他のオブジェクトによって隠される
領域(以下、隠蔽領域と呼ぶ。)を求める。ここで、合
成情報は、各オブジェクトの前後関係を示す情報と、重
ね合わせる際の位置情報である。
【0071】次に、符号化制御マップ作成部120は、
オブジェクトiの各位置(各領域の位置)においてどの
ような符号化を行うかを決定し、それに基づいてオブジ
ェクトiに関するオブジェクト符号化制御マップを作成
する。例えば、符号化制御マップ作成部120は、隠蔽
領域か否かによって、各位置での符号化制御法を決定
し、その情報を含むオブジェクト符号化制御マップを作
成する。より具体的には、符号化制御マップ作成部12
0は、隠蔽領域を符号化しないか、あるいは、隠蔽領域
を他の領域よりも粗く符号化する、といった符号化制御
情報を含むオブジェクト符号化制御マップを作成する。
このようなオブジェクト符号化制御マップにしたがって
オブジェクトの符号化を行うことで、隠蔽領域以外へ符
号量配分を増やすことができ、その結果として、合成後
の画像全体の画質を改善できる。
【0072】オブジェクト符号化制御マップについてさ
らに詳細に説明する。例えば、符号化するか否かを識別
する情報をオブジェクト符号化制御マップとして記述す
る場合は、隠蔽領域は符号化しないようなオブジェクト
符号化制御マップを作成することができる。また、量子
化幅を制御するパラメータをオブジェクト符号化制御マ
ップに記述する場合は、隠蔽領域では量子化幅が粗くな
るようなオブジェクト符号化制御マップを作成すること
ができる。さらに、符号化する変換係数の数、符号化す
るビットプレーンの数、符号化する周波数帯域などを表
す情報をオブジェクト符号化制御マップに記述する場合
は、隠蔽領域では変換係数やビットプレーンの数を減ら
したり、周波数帯域を低域のみに限定したりすることに
よって粗く符号化するようなオブジェクト符号化制御マ
ップを作成することができる。このようにして、符号化
制御マップ作成部120は、オブジェクトiに関するオ
ブジェクト符号化制御マップを作成し、出力する。
【0073】なお、隠蔽領域が全く存在しない場合に
は、オブジェクト符号化制御マップは位置に依存せず一
様となる。例えば、量子化幅を制御するパラメータをオ
ブジェクト符号化制御マップに記述する場合であれば、
隠蔽領域が全く存在しない場合は、量子化幅が全体に渡
って一様となるオブジェクト符号化制御マップが作成さ
れる。あるいは、オブジェクト符号化制御マップを作成
せず、そのオブジェクトの符号化を行う符号化器では、
予め設定された条件で符号化が行われるようになってい
てもよい。
【0074】また、合成の際に特定のオブジェクトが必
ず一番手前側に重ねられることが既知である場合には、
そのオブジェクトに対しては、オブジェクト符号化制御
マップを作成しなくてもよい。この場合、そのオブジェ
クトの符号化を行う符号化器では、予め設定された条件
で符号化が行われる。
【0075】(2)距離情報の使用:ここでは、他のオ
ブジェクトからの距離情報に基づいてオブジェクトi符
号化制御マップを作成する場合について述べる。各オブ
ジェクトには、何らかの方法により優先度情報が付加さ
れていると仮定する。例えば、視覚的に重要なオブジェ
クトから順に優先度が高くなるように設定されている。
ただし、優先度は複数のオブジェクト間で同一であって
もよい。
【0076】符号化制御マップ作成部120は、まず、
オブジェクトiに設定された優先度よりも高い優先度を
有するオブジェクトを求める。ここでは、オブジェクト
iよりも優先度が高いオブジェクトの数をNiとし、そ
れらのオブジェクトのインデックスをjk(k=1,
…,Ni)として説明する。
【0077】次に、符号化制御マップ作成部120は、
合成した際の(画面上での)、オブジェクトiと、この
オブジェクトiの優先度よりも高い優先度をもつオブジ
ェクトjk(k=1,…,Ni)との間の距離を算出す
る。この距離は、例えば、画面上での、オブジェクトi
の所定の位置の点と各オブジェクトjk(k=1,…,
Ni)の所定の位置の点(望ましくは、オブジェクトと
して抽出された領域の境界、すなわち輪郭上にある点)
とを結ぶ直線の長さで定義することができる。また、距
離は必ずしも距離の公理を厳密に満たしている指標でな
くてもよく、遠近感を表す指標であればよい。例えば、
マクロブロック単位で符号化を行う場合には、距離情報
は、何マクロブロック程度離れているかを表す指標であ
ってもよい。
【0078】上記距離情報の算出は、オブジェクトiの
各位置に対して行われる。すなわち、オブジェクトiの
各位置の、オブジェクトjkの境界からの距離が算出さ
れる。以下、オブジェクトiの位置pにおけるオブジェ
クトjkの境界からの距離をdi,p(jk)で表すこと
とし、その距離di,p(jk)の算出の仕方を説明す
る。
【0079】距離di,p(jk)の算出には、例えば、
良く知られている距離変換を用いることができる。ここ
で、距離変換とは、0と1からなる2値画像において、
値が1の各画素に値が0の画素までの最短距離を与える
変換であり、2値画像に対して最小値フィルタを反復す
ることで実現することができる。この処理、画素値が1
から0にかわるまでの処理の反復回数が、その画素にお
ける距離となる。
【0080】具体的には、オブジェクトjkが存在する
領域とそうでない領域を2値で区別した2値画像を作
り、これに距離変換を行うことによって、オブジェクト
iの各位置におけるオブジェクトjkの境界からの距離
を算出できる。
【0081】また、MPEGなどの場合は、マクロブロ
ック単位で符号化が行われるため、マクロブロック単位
でオブジェクトiの有無を判定し、オブジェクトjkの
各マクロブロックに対して距離変換値を算出するように
してもよい。この値は、例えば、マクロブロック単位で
オブジェクトiの有無を判定した結果を2値画像として
表現し、これに対して距離変換を行うことで算出でき
る。
【0082】次に、距離変換などによって算出された距
離を用いて符号化制御情報を求め、オブジェクト符号化
制御マップを作成する。すなわち、オブジェクトiの位
置pに対しては、di,p(jk)(k=1,…,Ni)
に基づいて符号化する。視覚的に重要なオブジェクトは
注目されやすいことを考慮すると、視覚的に重要な(優
先度の高い)オブジェクトの近くを高画質で符号化すれ
ば、全体の主観画質を向上できる。このことから、上述
の処理で求まった距離が小さい位置ほど高画質になるよ
うに制御するようにオブジェクト符号化制御マップを作
成する。
【0083】Niが2以上の場合には、距離値d
i,p(jk)も複数存在するが、この場合は、di,p(j
k)(k=1,…,Ni)の関数として求まる値を用い
ればよい。例えば、di,p(jk)(k=1,…,N
i)の最小値を求め、この値に基づいて符号化制御パラ
メータを決定するようにすればよい。また、di,p(j
k)の平均値を用いてもよい。さらには、オブジェクト
jkとオブジェクトiとの優先度の差を求め、この差に
よる重み付けを行って求めた平均値を用いてもよい。
【0084】符号化制御の方法は、具体的には、量子化
幅を距離に応じて制御するようにし、距離が小さいほ
ど、量子化幅を小さくするようにすればよい。例えば、
MPEG−4などの符号化の場合であれば、量子化スケ
ール値に乗じる重み係数を定義し、これを距離値によっ
て変化させるようにすることで実現できる。ビットプレ
ーン符号化を行う場合には、距離値が小さいほど下位の
ビットプレーンまで符号化するように制御すればよい。
DCTやウェーブレット変換のように、周波数領域に変
換して符号化する符号化方式の場合には、低周波から符
号化する係数の数を、距離値が小さいほど大きくするよ
うに制御すればよい。オブジェクト符号化制御マップ
は、これらの符号化制御に必要なパラメータ等の情報を
記述したものになる。
【0085】(3)隠蔽情報および距離情報の両方を使
用:ここでは、隠蔽情報と他のオブジェクトからの距離
情報の両方を用いてオブジェクトi符号化制御マップを
作成する場合について述べる。
【0086】上述の「(1)隠蔽情報の使用」の場合と
同様に、まず、オブジェクトiの隠蔽領域を求める。そ
して、隠蔽領域外については、優先度の高いオブジェク
トの境界からの距離を上述の「(2)距離情報の使用」
の場合と同様にして求め、隠蔽領域については、その領
域を隠蔽しているオブジェクトの境界からの距離を求め
る。もし、2つ以上のオブジェクトが隠蔽している場合
には、それらのオブジェクトそれぞれに対してオブジェ
クトの境界からの距離を求める。
【0087】次に、上述の方法によって得られた隠蔽領
域と距離値に基づき、オブジェクトiのオブジェクト符
号化制御マップを作成する。オブジェクト符号化制御マ
ップの作成は、隠蔽領域とそれ以外の領域とで異なる。
【0088】隠蔽領域外については、上述の「(2)距
離情報の使用」の場合ように距離値に基づいて符号化制
御情報を求め、オブジェクト符号化制御マップを作成す
る。距離値を用いない場合は、単に符号化することを示
す情報のみをオブジェクト符号化制御マップとして記述
してもよい。
【0089】隠蔽領域については、隠蔽するオブジェク
トの境界からの距離値を考慮し、その距離値が小さい場
合は符号化し、その距離値がある一定値以上の場合は符
号化しないように、オブジェクト符号化制御マップを作
成する。これにより、伝送の途中でパケット廃棄などに
よるフレームスキップが生じた場合であっても、合成し
た際に非符号化領域が現れないようにすることができ
る。
【0090】なお、オブジェクトの境界に近い隠蔽領域
は、オブジェクトの移動によって次のフレームで現れる
可能性が高い。そのため、そのような隠蔽領域について
も全く符号化しないとすると、十分な符号量が割り当て
られない状況では、実際に現れた際に画質が大きく劣化
可能性がある。そこで、境界に近い隠蔽領域は、粗くで
はあっても必ず符号化するようにしておき、実際に現れ
た際に、大きな画質劣化が生じないようにする。一方、
オブジェクトの境界から離れた隠蔽領域は、すぐに現れ
る可能性は低いため、符号化しないようにする。これに
より、見える領域に割り当て可能な符号量を向上でき、
合成後の復号画質を改善できる。
【0091】また、距離値に応じて符号化の粗さを変化
させ、距離値が小さい場合にはそれほど粗くなく符号化
し、距離値が大きくなるにつれ、符号化の粗さを上げる
ようにしてもよい。符号化の粗さは、符号化する低周波
変換係数の数、量子化幅、符号化するビットプレーンの
枚数などによって調節できる。この場合、オブジェクト
符号化制御マップの情報には、量子化パラメータや符号
化するか否かを表す情報、どの程度まで低周波係数を符
号化するかを識別する情報、量子化幅を決定する情報、
ビットプレーンの数などが含まれる。
【0092】複数のオブジェクトが隠蔽する領域の場合
には、それぞれのオブジェクトに対して求めた距離値の
中で最大値を求め、上述の制御を行えばよい。また、距
離値の平均値を用いるようにしてもよい。
【0093】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態の動画像符号化システムの主要構成を示すブ
ロック図である。この動画像符号化システムは、上述の
図1に示したシステムにおいて、レート制御部110、
符号化制御マップ作成部120をそれぞれレート制御部
210、符号化制御マップ作成部220に置き換えたも
のである。
【0094】各符号化器101−1〜101−nと符号
化制御マップ作成部220の接続関係は図1の動画像符
号化システムと同様である。レート制御部210には、
各符号化器101−1〜101−nの第2の出力である
レート制御パラメータが供給されるとともに、符号化制
御マップ作成部220から各符号化器101−1〜10
1−nへ供給されるオブジェクト符号化制御マップが供
給されるようになっている。符号化制御マップ作成部2
20は、図1に示した符号化制御マップ作成部120と
同じものである。
【0095】以下、本実施形態の動画像符号化システム
の動作について説明する。各符号化器101−1〜10
1−nにおける動作は基本的には同じであるため、ここ
でも、符号化器101−i(i=1,...,n)、オ
ブジェクトi(i=1,...,n)として動作を説明
する。
【0096】符号化制御手段101−i、符号化制御マ
ップ作成部220の動作は、図1の符号化システムのも
のと同様である。符号化手段101−iから出力される
オブジェクトiレート制御パラメータと符号化制御マッ
プ作成部220から出力されるオブジェクトiオブジェ
クト符号化制御マップは、レート制御部210へ入力さ
れる。レート制御部210は、これらの入力情報に基づ
いてレート制御を行う。図1のレート制御部110との
違いは、各オブジェクトのレート制御パラメータに加え
て、各オブジェクトのオブジェクト符号化制御マップ情
報がレート制御に用られる点である。例えば、オブジェ
クトの隠蔽領域を符号化しないように制御するオブジェ
クト符号化制御マップの場合には、非符号化領域の面積
を求め、これをレート制御に反映させる、といった制御
が行われる。また、実際に符号化する領域の大きさに応
じて各オブジェクトに符号量を配分することも可能であ
る。さらに、オブジェクトの隠蔽領域を粗く符号化する
ように制御するオブジェクト符号化制御マップの場合に
は、粗く符号化する領域とそうでない領域とを区別して
符号量配分を行うようにすることができる。この場合、
各領域に適した符号量配分が可能になる。さらにまた、
符号化の粗さを距離に応じて変化させるオブジェクト符
号化制御マップの場合には、距離ごとに領域を区分し、
符号量配分を行うことが可能である。
【0097】上記のように、各オブジェクトのオブジェ
クト符号化制御マップの情報も用いてレート制御を行う
ことにより、各オブジェクトの各領域の符号化状態を反
映した、より適したレート制御を行うことが可能にな
る。
【0098】(第3の実施形態)図5は、本発明の第3
の実施形態の動画像符号化システムの主要構成を示すブ
ロック図である。この動画像符号化システムは、上述の
図1に示したシステムにおいて、符号化器101−1〜
101−n、符号化制御マップ作成部120をそれぞれ
符号化器301−1〜301−n、符号化制御マップ作
成部320に置き換えたものである。
【0099】各符号化器301−1〜301−nはそれ
ぞれ、図1に示した符号化器101−1〜101−nと
基本的には同じものであるが、ここでは、入力されたオ
ブジェクトの動き情報を周知の動き補償予測を用いて取
得できるように構成されており、第3の出力としてオブ
ジェクト動き情報を出力することができる。本実施形態
では、この符号化器301−1〜301−nの第3の出
力(オブジェクト動き情報)が符号化制御マップ作成部
320に供給されている。これ以外の各構成部の接続関
係は、図1の動画像符号化システムと同様である。
【0100】以下、本実施形態の動画像符号化システム
の動作について説明する。符号化器301−1〜301
−nにおける動作は基本的には同じであるため、ここで
も、符号化器301−i(i=1,...,n)、オブ
ジェクトi(i=1,...,n)として動作を説明す
る。
【0101】符号化器301−iの動作は、第3の出力
であるオブジェクトi動き情報を符号化制御マップ作成
部320へ供給する以外は、基本的には図1の符号化器
101−iと同様である。すなわち、符号化器301−
iは、符号化制御マップ作成部320から出力されるオ
ブジェクトiオブジェクト符号化制御マップに基づき、
発生符号量がレート制御部110から出力されるオブジ
ェクトi目標符号量となるように符号化制御を行い、入
力されたオブジェクトiテクスチャデータとオブジェク
トi形状データとを符号化する。そして、符号化器30
1−iは、オブジェクトiレート制御パラメータをレー
ト制御部110へ出力すると同時に、オブジェクトiの
動きを表すオブジェクトi動き情報を符号化制御マップ
作成部320へ出力する。
【0102】レート制御部110の動作は、図1の動画
像符号化システムの場合と同様であり、符号化部301
−iから出力されるオブジェクトiレート制御パラメー
タに基づいて、オブジェクトi目標符号量を決定し、そ
れを符号化器301−iへ出力する。
【0103】符号化制御マップ作成部320の動作も基
本的には図1の符号化制御マップ作成部120と同様で
あるが、オブジェクトi符号化制御マップの作成に、オ
ブジェクトi形状データに加えてオブジェクトi動き情
報が用いられる。具体的には、符号化制御マップ作成部
320は、オブジェクトiの動き情報を用いて、現在は
隠蔽領域であっても次のフレームの符号化では現れる可
能性が高い領域を求め、その求めた領域については隠蔽
領域であっても符号化するようなオブジェクト符号化制
御マップを設定する。これにより、次のフレームの符号
化において隠蔽領域が実際に現れるような場合であって
も、少ない符号量で符号化することが可能となり、十分
に符号量が割り当てられない状況であっても、大きな画
質劣化を回避できる。
【0104】上記符号化制御マップ作成部320による
オブジェクト符号化制御マップの作成において、現れる
可能性が高い領域の推定において動き情報の信頼性を考
慮するようにし、信頼性の度合いに応じて、オブジェク
ト符号化制御マップの作成法を制御してもよい。具体的
には、信頼性が高い場合は上記の方法で動き情報による
予測を用いてオブジェクト符号化制御マップを作成する
ようにし、そうでない場合には、その程度に応じて予測
を用いる度合いを減らすように制御する。この信頼性の
判定には、例えば動きベクトルのばらつきの度合いを用
いることができる。
【0105】以上のように、オブジェクト符号化制御マ
ップの作成において、各オブジェクトの動き情報を用い
ることにより、より適切にオブジェクト符号化制御マッ
プを作成できるようになり、復号後に合成して得られる
画像の画質を向上することができる。
【0106】(第4の実施形態)図6は、本発明の第4
の実施形態の動画像符号化システムの主要構成を示すブ
ロック図である。この動画像符号化システムは、上述の
図5に示したシステムにおいて、レート制御部110を
図4に示したシステムのレート制御部210に置き換え
たものである。符号化器301−1〜301−nと符号
化制御マップ作成部320の接続関係は図5に示したも
のと同様であり、レート制御部210の接続関係は図4
に示したものと同様である。
【0107】本実施形態の動画像符号化システムでは、
図5に示したシステムにおけるオブジェクトの動き情報
を用いたオブジェクト符号化制御マップの作成が行われ
るとともに、その作成したオブジェクト符号化制御マッ
プの情報を用いて図4に示したシステムと同様のレート
制御が行われる。これにより、さらに適したオブジェク
ト符号化制御マップの作成、レート制御を行うことが可
能になる。
【0108】(第5の実施形態)図7は、本発明の第5
の実施形態の動画像符号化システムの主要構成を示すブ
ロック図である。この動画像符号化システムは、上述の
図1に示したシステムにおいて、レート制御部110、
符号化制御マップ作成部120をそれぞれレート制御部
410、符号化制御マップ作成部420に置き換えたも
のである。これら構成部の接続関係は、レート制御部4
10からレート制御状態を示す信号(レート制御状態信
号)が符号化制御マップ作成部420に供給されている
以外は、図1に示したシステムと同様である。
【0109】以下、本実施形態の動画像符号化システム
の動作について説明する。各符号化器101−1〜10
1−nにおける動作は基本的には同じであるため、ここ
でも、符号化器101−i(i=1,...,n)、オ
ブジェクトi(i=1,...,n)として動作を説明
する。
【0110】符号化器101−iの動作は図1に示した
システムの場合と同様である。レート制御部410は、
基本的には図1に示したシステムのレート制御部110
の動作と同様の動作を行うが、本実施形態では、さらに
符号化制御マップ作成部420に対してレート制御の困
難さを表す信号であるレート制御状態信号を出力するよ
うになっている。レート制御の困難さの判断は、符号化
器101−iから出力されるレート制御パラメータに基
づいて行われる。量子化幅が非常に大きいなど、レート
制御が非常に困難な状態である場合には、そのことを表
す情報がレート制御状態信号として出力される。反対
に、量子化幅が十分小さいなど、どのオブジェクトも十
分高画質に符号化できており、レート制御が困難でない
状態にある場合には、そのことを表す情報がレート制御
状態信号として出力される。
【0111】符号化制御マップ作成部420の動作も基
本的には図1に示すシステムのものと同様であるが、本
実施形態では、さらに符号化制御マップ作成部420に
よるオブジェクト符号化制御マップの作成に、レート制
御部410から供給されるレート制御状態信号が用いら
れる。レート制御が困難であることをレート制御状態信
号が示している場合には、基本的には発生符号量を抑制
するように制御が行われる。これは、例えば、隠蔽情報
や距離情報から符号化制御情報を求める際のパラメータ
を制御することによって実現できる。
【0112】例えば、隠蔽領域のうち隠蔽する領域の境
界から離れた領域を符号化しないようにする場合には、
境界に近いところまで符号化しないようにする。また、
優先オブジェクトの境界からの距離によって符号化の粗
さを制御する場合には、距離に応じて符号化を粗くして
いく程度を大きくする。
【0113】反対に、レート制御が困難でないことをレ
ート制御状態信号が示している場合には、オブジェクト
符号化制御マップによる符号化制御が強くなりすぎない
ようにする。例えば、隠蔽領域のうち符号化しない領域
を小さくして、伝送でパケット損失などが生じた場合
に、非符号化領域が露見するリスクを抑えるようにす
る。
【0114】以上のように、レート制御の困難さに応じ
てオブジェクト符号化制御マップの作成法を調整するこ
とにより、レート制御の状態に適したオブジェクト符号
化制御マップの作成が可能となる。
【0115】なお、図7に示した動画像符号化システム
は、図1に示した動画像符号化システムに対して変更を
加えたものであるが、図4〜6に示した動画像符号化シ
ステムに対しても同様の変更が可能である。
【0116】(第6の実施形態)図8は、本発明の第6
の実施形態の動画像符号化システムの主要構成を示すブ
ロック図である。この動画像符号化システムは、上述の
図1に示したシステムにおいて、符号化器101−1〜
101−n、符号化制御マップ作成部120をそれぞれ
符号化器501−1〜501−n、符号化制御マップ作
成部520に置き換えたものである。
【0117】各符号化器501−1〜501−nはそれ
ぞれ、図1に示した符号化器101−1〜101−nと
基本的には同じものであるが、ここでは、入力されたオ
ブジェクトの符号化の状態を示す情報が第3の出力とし
て出力されるようになっている。この符号化器501−
1〜501−nの第3の出力(オブジェクト符号化状態
情報)は符号化制御マップ作成部520に供給されてい
る。これ以外の各構成部の接続関係は、図1の動画像符
号化システムと同様である。
【0118】以下、本実施形態の動画像符号化システム
の動作について説明する。符号化器501−1〜501
−nにおける動作は基本的には同じであるため、ここで
も、符号化器501−i(i=1,...,n)、オブ
ジェクトi(i=1,...,n)として動作を説明す
る。
【0119】符号化器501−iは、基本的には図1に
示した符号化部と同様の動作を行うものであって、符号
化制御マップ作成部520から出力されるオブジェクト
iオブジェクト符号化制御マップに基づき、発生符号量
がレート制御部110から出力されるオブジェクトi目
標符号量となるように符号化制御を行い、入力されたオ
ブジェクトiテクスチャデータとオブジェクトi形状デ
ータとを符号化する。そして、符号化器501−iは、
オブジェクトiレート制御パラメータをレート制御部1
10へ出力するととともに、オブジェクトiの符号化状
態を表す情報をオブジェクトi符号化状態情報として符
号化制御マップ作成部520へ出力する。
【0120】ここで、オブジェクト符号化状態情報と
は、符号化の困難さを表す情報あるいはそれを示す特徴
量である。この特徴量としては、例えば、量子化の粗さ
を記述するパラメータ、局所復号画像の画質を表す指標
などがある。また、これらから符号化の困難さを判断
し、その結果を表す情報をオブジェクト符号化状態情報
としてもよい。
【0121】レート制御部110の動作は、図1に示し
たシステムの場合と同様であり、符号化手段501−i
(i=1,…,n)から出力されるオブジェクトiレー
ト制御パラメータに基づいてオブジェクトiの目標符号
量を決定し、オブジェクトi目標符号量を符号化器50
1−iへ出力する。
【0122】符号化制御マップ作成部520の動作も、
基本的には図1に示した符号化制御マップ作成部120
と同様であるが、オブジェクトi符号化制御マップの作
成に、オブジェクトi形状データに加え、符号化器50
1−iから出力されるオブジェクトi符号化状態情報が
用いられる。このように、オブジェクトi符号化状態情
報を用いることで、そのオブジェクトiの符号化が困難
かどうかを判断することができる。この困難さの度合い
に応じて、図7に示した動画像符号化システムにおける
符号化制御マップ作成部420と同様にして、オブジェ
クト符号化制御マップの作成方法を調節する。
【0123】以上のように、各オブジェクトの符号化の
困難さに応じてオブジェクト符号化制御マップの作成法
を調整することにより、符号化状態に適したオブジェク
ト符号化制御マップの作成が可能となる。
【0124】なお、図8に示した動画像符号化システム
は、図1に示した動画像符号化システムに対して変更を
加えたものであるが、図4〜7に示した動画像符号化シ
ステムに対しても同様の変更が可能である。
【0125】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明の動画像符号化システムの動作を実現
できるプログラムを、CD−ROMやフロッピー(登録
商標)ディスク、不揮発性メモリカードなどの記憶媒体
に記憶し、この記憶媒体に記憶したプログラムをコンピ
ュータによって読み取り実行するようにしてもよい。
【0126】本発明は以上説明した各実施形態の構成に
限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内に
おいて、各実施形態の構成は適宜変更され得ることは明
らかである。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各符号化器に対する発生符号量の割り当てを従来のもの
より多くすることができるため、低レートの伝送路で送
信する場合であっても、複数オブジェクトからなる画像
を高画質に符号化することができ、合成後の復号画像の
主観画質を向上することができる。
【0128】また、本発明によれば、オブジェクトの符
号化を各画素または各ブロック毎に制御するため、従来
のものより視覚特性に優れた画像を提供することができ
る。
【0129】さらに、本発明によれば、注目されやすい
と考えられる優先度の高いオブジェクトの周囲を高画質
に符号化したり、重ね合わせた際に他のオブジェクトに
覆われる領域を符号化しないように制御したりすること
ができるので、合成後の主観画質がより高いものを提供
することができる。
【0130】また、本発明によれば、オブジェクト符号
化制御マップによる符号化制御とレート制御の両方を組
み合わせることで、より望ましい符号化制御を行うこと
ができる。
【0131】さらに、本発明のよれば、オブジェクト符
号化制御マップの作成にオブジェクトの動き情報を反映
できるので、特に隠蔽領域において、より望ましいオブ
ジェクト符号化制御を行うことができ、より視覚特性に
優れた画像を提供することができる。
【0132】さらに、本発明によれば、レート制御の状
態をオブジェクト符号化制御マップの作成に反映させる
ことができるので、オブジェクト符号化制御を効率的、
かつ、効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の動画像符号化システ
ムの主要構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の動画像符号化システムの全体構成を示
すブロック図である。
【図3】本発明の動画像符号化システムの全体構成であ
って、オブジェクトm(1≦m≦n)が人工的に生成さ
れた画像から抽出される場合のシステムの一例を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の動画像符号化システ
ムの主要構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の動画像符号化システ
ムの主要構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の動画像符号化システ
ムの主要構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施形態の動画像符号化システ
ムの主要構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第6の実施形態の動画像符号化システ
ムの主要構成を示すブロック図である。
【図9】特開2000−78572号公報に記載されて
いる伝送システムを説明するためのブロック図である。
【図10】オブジェクト単位での動画像の符号化を行
う、レート制御可能な従来の動画像符号化システムの一
例を示すブロック図である。
【図11】フレーム単位にオブジェクト符号化が行われ
る場合の、目標符号量の生成を説明するための模式図で
ある。
【符号の説明】
11−1〜11−n 画像取得部 12−1〜12−n オブジェクト抽出部 13−1〜13−n、13−m 蓄積部 14 オブジェクト符号化部 15 多重化伝送部 16 合成情報生成部 17 合成情報符号化部 18−m 人工画像生成部 101−1〜101−n、301−1〜301−n、5
01−1〜501−n、1001−1〜1001−n
符号化器 110、210、410、1010 レート制御部 120、220、320、420、520 符号化制御
マップ作成部 1101 目的物画像 1102 オブジェクト生成部 1103a、1103b 符号化データ 1104 多重化部 1105 ビットストリューム 1106 通信回線 1107 多重分離部 1108a、1108b 復号化データ 1109 コンボジター部 1110 再現画像 1112 背景画像

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成されることで1つの画面を構成する
    複数の画像オブジェクトをそれぞれ符号化する複数の符
    号化手段と、 前記複数の画像オブジェクトのそれぞれについて、符号
    化される画素またはブロックの位置毎にどのような符号
    化を行うか、または、符号化するか否かを前記画面上に
    おける他の画像オブジェクトとの位置関係に応じて定め
    たオブジェクト符号化制御マップを作成して前記複数の
    符号化手段にそれぞれ供給する符号化制御マップ作成手
    段とを有し、 前記複数の符号化手段はそれぞれ、前記符号化制御マッ
    プ作成手段から供給された前記オブジェクト符号化制御
    マップに従って符号化を行うことを特徴とする動画像符
    号化システム。
  2. 【請求項2】 符号化制御マップ作成手段は、複数の画
    像オブジェクトのそれぞれについて、画面上で他の画像
    オブジェクトによって隠蔽される領域を求め、該求めた
    隠蔽領域については符号化しない、または、その隠蔽領
    域以外の領域よりも粗く符号化するように定めたオブジ
    ェクト符号化制御マップを作成することを特徴とする請
    求項1に記載の動画像符号化システム。
  3. 【請求項3】 符号化制御マップ作成手段は、さらに、
    隠蔽領域について、符号化される画素またはブロックの
    位置毎に、画面上で前記隠蔽領域を隠蔽している画像オ
    ブジェクトからの距離を求め、該求めた距離が大きいほ
    ど符号化が粗くなるように定めたオブジェクト符号化制
    御マップを作成することを特徴とする請求項2に記載の
    動画像符号化システム。
  4. 【請求項4】 符号化制御マップ作成手段は、さらに、
    隠蔽領域について、符号化される画素またはブロックの
    位置毎に、画面上で前記隠蔽領域を隠蔽している画像オ
    ブジェクトからの距離を求め、該求めた距離が所定の値
    より大きい場合は符号化を行わないように定めたオブジ
    ェクト符号化制御マップを作成することを特徴とする請
    求項2に記載の動画像符号化システム。
  5. 【請求項5】 複数の符号化手段はそれぞれ、画像オブ
    ジェクトを符号化した際にオブジェクトの動きを求め、
    該求めたオブジェクトの動き情報を符号化制御マップ作
    成手段に供給し、 前記符号化制御マップ作成手段は、前記複数の符号化手
    段から供給されたオブジェクトの動き情報に基づいて隠
    蔽領域の符号化制御を特定することを特徴とする請求項
    2乃至4のいずれか1項に記載の動画像符号化システ
    ム。
  6. 【請求項6】 符号化制御マップ作成手段は、複数の画
    像オブジェクトのそれぞれについて、符号化される画素
    またはブロックの位置毎に画面上での他の画像オブジェ
    クトからの距離を求め、該求めた距離に応じて符号化の
    粗さを定めたオブジェクト符号化制御マップを作成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化システ
    ム。
  7. 【請求項7】 複数の画像オブジェクトはそれぞれ優先
    度が予め設定されており、 符号化制御マップ作成手段は、前記優先度の高い画像オ
    ブジェクトに近い画素またはブロックほど符号化を細か
    く行うように定めたオブジェクト符号化制御マップを作
    成することを特徴とする請求項6に記載の動画像符号化
    システム。
  8. 【請求項8】 複数の符号化手段はそれぞれ、画像オブ
    ジェクトを符号化した際にオブジェクトの動きを求め、
    該求めたオブジェクトの動き情報を符号化制御マップ作
    成手段に供給し、 前記符号化制御マップ作成手段は、画面上における他の
    画像オブジェクトとの位置関係に加え、さらに前記複数
    の符号化手段から供給されたオブジェクトの動き情報に
    基づいて符号化制御を特定することを特徴とする請求項
    1に記載の動画像符号化システム。
  9. 【請求項9】 複数の符号化手段はそれぞれ、画像オブ
    ジェクトを符号化した際にそのオブジェクトの符号化の
    困難さを示すオブジェクト符号化状態情報を符号化制御
    マップ作成手段に供給し、 前記符号化制御マップ作成手段は、前記複数の符号化手
    段から供給されたオブジェクト符号化状態情報から符号
    化の困難さの度合を判断し、該符号化の困難さの度合に
    応じて符号化を調節したオブジェクト符号化制御マップ
    を作成することを特徴とする請求項1に記載の動画像符
    号化システム。
  10. 【請求項10】 複数の符号化手段のそれぞれに対し
    て、供給されたレート制御パラメータから目標符号量を
    算出して供給するレート制御手段をさらに有し、 前記複数の符号化手段はそれぞれ、符号化時に発生する
    符号量が前記レート制御手段から供給された目標符号量
    となるように制御されるとともに、その符号化において
    用いられ、または、生じた所定の情報を前記レート制御
    パラメータとして前記レート制御手段に供給することを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の動画
    像符号化システム。
  11. 【請求項11】 符号化制御マップ作成手段は、作成し
    たオブジェクト符号化制御マップをレート制御手段に供
    給し、 前記レート制御手段は、前記符号化制御マップ作成手段
    から供給されたオブジェクト符号化制御マップに定めら
    れたオブジェクト符号化を反映した目標符号量を算出す
    ることを特徴とする請求項10に記載の動画像符号化シ
    ステム。
  12. 【請求項12】 レート制御手段は、さらに、供給され
    たレート制御パラメータからレート制御の困難さを判断
    し、その判断結果をレート制御状態情報として符号化制
    御マップ作成手段に供給し、 前記符号化制御マップ作成手段は、前記レート制御手段
    から供給されたレート制御状態情報がレート制御が困難
    であることを示す場合は、複数の符号化手段における総
    発生符号量を抑制するようなオブジェクト符号化制御マ
    ップを作成することを特徴とする請求項10または請求
    項11に記載の動画像符号化システム。
  13. 【請求項13】 合成されることで1つの画面を構成す
    る複数の画像オブジェクトをそれぞれ符号化する動画像
    符号化方法であって、 前記複数の画像オブジェクトのそれぞれについて、符号
    化される画素またはブロックの位置毎にどのような符号
    化を行うか、または、符号化するか否かを前記画面上に
    おける他の画像オブジェクトとの位置関係に応じて定め
    たオブジェクト符号化制御マップを作成する第1のステ
    ップと、 前記第1のステップにて作成されたオブジェクト符号化
    制御マップに従って前記複数の画像オブジェクトをそれ
    ぞれ符号化する第2のステップとを含む動画像符号化方
    法。
  14. 【請求項14】 第1のステップは、複数の画像オブジ
    ェクトのそれぞれについて、画面上で他の画像オブジェ
    クトによって隠蔽される領域を求め、該求めた隠蔽領域
    については符号化しない、または、その隠蔽領域以外の
    領域よりも粗く符号化するように定めたオブジェクト符
    号化制御マップを作成するステップを含むことを特徴と
    する請求項13に記載の動画像符号化方法。
  15. 【請求項15】 第1のステップは、さらに、隠蔽領域
    について、符号化される画素またはブロックの位置毎
    に、画面上で前記隠蔽領域を隠蔽している画像オブジェ
    クトからの距離を求め、該求めた距離が大きいほど符号
    化が粗くなるように定めたオブジェクト符号化制御マッ
    プを作成するステップを含むことを特徴とする請求項1
    4に記載の動画像符号化方法。
  16. 【請求項16】 第1のステップは、さらに、隠蔽領域
    について、符号化される画素またはブロックの位置毎
    に、画面上で前記隠蔽領域を隠蔽している画像オブジェ
    クトからの距離を求め、該求めた距離が所定の値より大
    きい場合は符号化を行わないように定めたオブジェクト
    符号化制御マップを作成するステップを含むことを特徴
    とする請求項14に記載の動画像符号化方法。
  17. 【請求項17】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、画像オブジェクトを符号化した際にオブジェク
    トの動きを求める第3のステップをさらに含み、 第1のステップは、前記第3のステップにて求めたオブ
    ジェクトの動き情報に基づいて隠蔽領域の符号化制御を
    特定するステップを含むことを特徴とする請求項14乃
    至16のいずれか1項に記載の動画像符号化方法。
  18. 【請求項18】 第1のステップは、複数の画像オブジ
    ェクトのそれぞれについて、符号化される画素またはブ
    ロックの位置毎に画面上での他の画像オブジェクトから
    の距離を求め、該求めた距離に応じて符号化の粗さを定
    めたオブジェクト符号化制御マップを作成するステップ
    を含むことを特徴とする請求項13に記載の動画像符号
    化方法。
  19. 【請求項19】 複数の画像オブジェクトはそれぞれ優
    先度が予め設定されており、 第1のステップは、前記優先度の高い画像オブジェクト
    に近い画素またはブロックほど符号化を細かく行うよう
    に定めたオブジェクト符号化制御マップを作成するステ
    ップを含むことを特徴とする請求項18に記載の動画像
    符号化方法。
  20. 【請求項20】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、画像オブジェクトを符号化した際にオブジェク
    トの動きを求める第3のステップをさらに含み、 第1のステップは、画面上における他の画像オブジェク
    トとの位置関係に加え、さらに前記第3のステップにて
    求めたオブジェクトの動き情報に基づいて符号化制御を
    特定するステップを含むことを特徴とする請求項13に
    記載の動画像符号化方法。
  21. 【請求項21】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、画像オブジェクトを符号化した際にそのオブジ
    ェクトの符号化の困難さを示すオブジェクト符号化状態
    情報を取得する第3のステップをさらに含み、 第1のステップは、前記第3のステップにて取得したオ
    ブジェクト符号化状態情報から符号化の困難さの度合を
    判断し、該符号化の困難さの度合に応じて符号化を調節
    したオブジェクト符号化制御マップを作成するステップ
    を含むことを特徴とする請求項13に記載の動画像符号
    化方法。
  22. 【請求項22】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、その符号化において用いられ、または、生じた
    所定の情報をレート制御パラメータとして取得し、該取
    得したレート制御パラメータからレート制御の困難さを
    判断する第3のステップをさらに含み、 第1のステップは、前記第3のステップのレート制御の
    困難さの判断結果がレート制御が困難であるとなった場
    合は、前記複数の画像オブジェクトの符号化における総
    発生符号量を抑制するようなオブジェクト符号化制御マ
    ップを作成するステップを含むことを特徴とする請求項
    13に記載の動画像符号化方法。
  23. 【請求項23】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、作成されたオブジェクト符号化制御マップに定
    められたオブジェクト符号化を反映した目標符号量を算
    出し、符号化時の発生符号量が前記算出した目標符号量
    となるようにレート制御するステップをさらに含むこと
    を特徴とする請求項13から22のいずれか1項に記載
    の動画像符号化方法。
  24. 【請求項24】 合成されることで1つの画面を構成す
    る複数の画像オブジェクトのそれぞれについて、符号化
    される画素またはブロックの位置毎にどのような符号化
    を行うか、または、符号化するか否かを前記画面上にお
    ける他の画像オブジェクトとの位置関係に応じて定めた
    オブジェクト符号化制御マップを作成する第1の処理
    と、 前記第1の処理にて作成されたオブジェクト符号化制御
    マップに従って前記複数の画像オブジェクトをそれぞれ
    符号化する第2の処理とをコンピュータに実行させるた
    めのプログラム。
  25. 【請求項25】 第1の処理は、複数の画像オブジェク
    トのそれぞれについて、画面上で他の画像オブジェクト
    によって隠蔽される領域を求め、該求めた隠蔽領域につ
    いては符号化しない、または、その隠蔽領域以外の領域
    よりも粗く符号化するように定めたオブジェクト符号化
    制御マップを作成する処理を含むことを特徴とする請求
    項24に記載のプログラム。
  26. 【請求項26】 第1の処理は、さらに、隠蔽領域につ
    いて、符号化される画素またはブロックの位置毎に、画
    面上で前記隠蔽領域を隠蔽している画像オブジェクトか
    らの距離を求め、該求めた距離が大きいほど符号化が粗
    くなるように定めたオブジェクト符号化制御マップを作
    成する処理を含むことを特徴とする請求項25に記載の
    プログラム。
  27. 【請求項27】 第1の処理は、さらに、隠蔽領域につ
    いて、符号化される画素またはブロックの位置毎に、画
    面上で前記隠蔽領域を隠蔽している画像オブジェクトか
    らの距離を求め、該求めた距離が所定の値より大きい場
    合は符号化を行わないように定めたオブジェクト符号化
    制御マップを作成する処理を含むことを特徴とする請求
    項25に記載のプログラム。
  28. 【請求項28】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、画像オブジェクトを符号化した際にオブジェク
    トの動きを求める第3の処理をさらに含み、 第1の処理は、前記第3の処理にて求めたオブジェクト
    の動き情報に基づいて隠蔽領域の符号化制御を特定する
    処理を含むことを特徴とする請求項25乃至27のいず
    れか1項に記載のプログラム。
  29. 【請求項29】 第1の処理は、複数の画像オブジェク
    トのそれぞれについて、符号化される画素またはブロッ
    クの位置毎に画面上での他の画像オブジェクトからの距
    離を求め、該求めた距離に応じて符号化の粗さを定めた
    オブジェクト符号化制御マップを作成する処理を含むこ
    とを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
  30. 【請求項30】 複数の画像オブジェクトはそれぞれ優
    先度が予め設定されており、 第1の処理は、前記優先度の高い画像オブジェクトに近
    い画素またはブロックほど符号化を細かく行うように定
    めたオブジェクト符号化制御マップを作成する処理を含
    むことを特徴とする請求項29に記載のプログラム。
  31. 【請求項31】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、画像オブジェクトを符号化した際にオブジェク
    トの動きを求める第3の処理をさらに含み、第1の処理
    は、画面上における他の画像オブジェクトとの位置関係
    に加え、さらに前記第3の処理にて求めたオブジェクト
    の動き情報に基づいて符号化制御を特定する処理を含む
    ことを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
  32. 【請求項32】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、画像オブジェクトを符号化した際にそのオブジ
    ェクトの符号化の困難さを示すオブジェクト符号化状態
    情報を取得する第3の処理をさらに含み、 第1の処理は、前記第3の処理にて取得したオブジェク
    ト符号化状態情報から符号化の困難さの度合を判断し、
    該符号化の困難さの度合に応じて符号化を調節したオブ
    ジェクト符号化制御マップを作成する処理を含むことを
    特徴とする請求項24に記載のプログラム。
  33. 【請求項33】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、その符号化において用いられ、または、生じた
    所定の情報をレート制御パラメータとして取得し、該取
    得したレート制御パラメータからレート制御の困難さを
    判断する第3の処理をさらに含み、 第1の処理は、前記第3の処理におけるレート制御の困
    難さの判断結果がレート制御が困難であるとなった場合
    は、前記複数の画像オブジェクトの符号化における総発
    生符号量を抑制するようなオブジェクト符号化制御マッ
    プを作成する処理を含むことを特徴とする請求項24に
    記載のプログラム。
  34. 【請求項34】 複数の画像オブジェクトのそれぞれに
    ついて、作成されたオブジェクト符号化制御マップに定
    められたオブジェクト符号化を反映した目標符号量を算
    出し、符号化時の発生符号量が前記算出した目標符号量
    となるようにレート制御する処理をさらに含むことを特
    徴とする請求項24から33のいずれか1項に記載のプ
    ログラム。
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