JP2003017669A - 部材の分離方法及び分離装置 - Google Patents

部材の分離方法及び分離装置

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JP2003017669A
JP2003017669A JP2001199346A JP2001199346A JP2003017669A JP 2003017669 A JP2003017669 A JP 2003017669A JP 2001199346 A JP2001199346 A JP 2001199346A JP 2001199346 A JP2001199346 A JP 2001199346A JP 2003017669 A JP2003017669 A JP 2003017669A
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JP2001199346A
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Kazutaka Yanagida
一隆 柳田
Kiyobumi Sakaguchi
清文 坂口
Mitsuharu Eda
光治 江田
Akira Fujimoto
亮 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貼り合わせ基板のゆがみや等に関らず、貼り合
わせ基板を適正に分離する。 【解決手段】この分離装置は、流体を噴射する噴射ノズ
ル120に反復運動をさせる反復駆動機構140を備え
ている。貼り合わせ基板は、噴射ノズル120を反復駆
動機構140により反復運動させながら分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼り合わせ基板等
の部材の分離装置及び処理方法、半導体基板の製造方
法、並びに、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁層上に単結晶Si層を有する基板と
して、SOI(silicon on insulator)構造を有する基
板(SOI基板)が知られている。このSOI基板を採
用したデバイスは、通常のSi基板では到達し得ない数
々の優位点を有する。この優位点としては、例えば、以
下のものが挙げられる。 (1)誘電体分離が容易で高集積化に適している。 (2)放射線耐性に優れている。 (3)浮遊容量が小さく、素子の動作速度の高速化が可
能である。 (4)ウェル工程が不要である。 (5)ラッチアップを防止できる。 (6)薄膜化による完全な空乏型電界効果トランジスタ
の形成が可能である。
【0003】SOI構造は、上記のような様々な優位点
を有するため、ここ数十年、その形成方法に関する研究
が進められている。
【0004】単結晶Si基板を、熱酸化した別の単結晶
Si基板に、熱処理又は接着剤により貼り合わせて、S
OI構造を形成する方法がある。この方法では、デバイ
スを形成するための活性層を均一に薄膜化する必要があ
る。すなわち、数百ミクロンもの厚さを有する単結晶S
i基板をミクロンオーダー或いはそれ以下に薄膜化する
必要がある。
【0005】薄膜化の方法としては、研磨による方法
と、選択エッチングによる方法とがある。
【0006】研磨による方法では、単結晶Siを均一に
薄膜化することが困難である。特にサブミクロンオーダ
ーへの薄膜化では、ばらつきが数十%になる。ウェハの
大口径化が進めば、その困難性は増す一方である。
【0007】本出願人は、特開平5−21338号公報
において、新たなSOI技術を開示した。この技術は、
単結晶Si基板に多孔質層を形成し、その上に非多孔質
層単結晶層を形成した第1の基板を、絶縁層を介して第
2の基板に貼り合わせ、その後、貼り合わせ基板を多孔
質層の部分で2枚に分離することにより、第2の基板に
非多孔質単結晶層を移し取るものである。この技術は、
SOI層の膜厚均一性が優れていること、SOI層の結
晶欠陥密度を低減し得ること、SOI層の表面平坦性が
良好であること、高価な特殊仕様の製造装置が不要であ
ること、数100Å〜10μm程度の範囲のSOI膜を
有するSOI基板を同一の製造装置で製造可能なこと等
の点で優れている。
【0008】貼り合わせられた第1及び第2の基板の双
方を破壊することなく2枚に分離する方法としては、例
えば、貼り合わせ面に対して垂直な方向に力が加わるよ
うにして両基板を互いに反対方向に引っ張る方法、貼り
合わせ面に対して平行に剪断応力を加える方法(例え
ば、貼り合わせ面に平行な面内で両基板を互いに反対方
向に移動させる方法や、円周方向に力が加わるようにし
て両基板を反対方向に回転させる方法など)、貼り合わ
せ面に対して垂直な方向に加圧する方法、分離領域に超
音波などの波動エネルギーを印加する方法、分離領域に
対して貼り合わせ基板の側面側から貼り合わせ面に平行
に剥離用部材(例えばナイフのような鋭利なブレード)
を挿入する方法、分離領域として機能する多孔質層に染
み込ませた物質の膨張エネルギーを利用する方法、分離
領域として機能する多孔質層を貼り合わせ基板の側面か
ら熱酸化させることにより、該多孔質層を体積膨張させ
て分離する方法、分離領域として機能する多孔質層を貼
り合わせ基板の側面から選択的にエッチングして分離す
る方法などがある。
【0009】貼り合わせ基板の分離方法として、本出願
人は、特開平10−77347号公報(特許第2877
800号)において画期的な技術を開示した。特開平1
0−77347号公報に記載された分離方法では、分離
層として機能する多孔質層やイオン注入層を有する貼り
合わせ基板の側面に流体を吹き付けることにより該貼り
合わせ基板を2枚の基板に分離する方法である。
【0010】より具体的な例を挙げると、特開平10−
77347号公報に記載された分離方法では、例えば、
貼り合わせ基板よりも径が小さい一対のホルダ(基板保
持部)で該貼り合わせ基板を保持し、該貼り合わせ基板
を回転させながら該貼り合わせ基板の側面に流体を吹き
付けることにより、該貼り合わせ基板を多孔質層の部分
で2枚の基板に分離する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】貼り合わせ基板よりも
径が小さい一対のホルダで該貼り合わせ基板を保持した
場合に、自重等により外周部に歪みが生じたり、貼り合
わせ基板の製造工程で生じたゆがみが矯正されない状態
で保持される可能性がある。ホルダによって保持された
貼り合わせ基板にゆがみが存在すると、該貼り合わせ基
板を回転させながらその全周に対して流体を打ち込む際
に、該貼り合わせ基板に流体が打ち込まれる位置が適正
な位置(例えば、貼り合わせ界面又は分離層)からずれ
る箇所が生じ得る。
【0012】理解を容易にするために極端な例を挙げる
と、例えば、貼り合わせ基板のゆがみが大きいと、ゆが
みがないことを想定して位置が調整されたノズルから噴
射された流体は、貼り合わせ基板の分離層又は貼り合わ
せ界面に打ち込まれず、このため分離が全く進まないこ
とが予想される。これを図9を参照して説明する。
【0013】図9は、ゆがみの大きな貼り合わせ基板5
0を分離層12の部分で2枚の基板に分離する様子を示
す図である。図9に示す例では、ゆがみがない状態の分
離層の位置(理想的な分離層の位置)から実際の分離層
12の位置が大きくずれている。この場合において、分
離層12が理想的な位置にあることを想定してノズル1
20の位置を調整し、その状態で分離を実施すると、ノ
ズル120から噴射された流体は、分離層12に打ち込
まれず、分離が円滑に進まない。このようなゆがみが大
きい部分が貼り合わせ基板50の外周上に存在すると、
その部分の分離が速やかに進まず、分離不良が発生する
可能性がある。
【0014】以上のような分離不良の可能性は、要求さ
れるSOI基板の大口径化に伴って貼り合わせ基板が大
口径化することによって一層顕著になると考えられる。
【0015】また、貼り合わせ基板をホルダによって保
持する際に該貼り合わせ基板とホルダとの間に異物が挟
まる可能性がある。この場合においても、ノズルから噴
射された流体は、貼り合わせ基板の分離層又は貼り合わ
せ界面からずれた位置に吹き付けられる可能性がある。
【0016】本発明は、上記の背景に鑑みてなされたも
のであり、例えば、貼り合わせ基板等の、分離層を有す
る部材の分離において、例えば、該部材のゆがみや、該
部材を保持する際の精度の不足等に関らず、該部材が適
正に分離されることを保証することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面は、
内部に分離層を有する部材を噴流により分離する分離方
法に係り、前記部材の少なくとも外周部分を分離する際
に、前記噴流を形成する噴射ノズル及び前記部材の少な
くとも一方に反復運動をさせる制御工程を有することを
特徴とする。
【0018】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
制御工程では、前記部材の前記分離層に直交する方向
に、前記噴流を形成する噴射ノズル及び前記部材の少な
くとも一方に往復運動をさせることが好ましい。くれに
加えて、又は、これとは別に、前記制御工程では、前記
噴流を形成する噴射ノズルに首振り運動を含む運動をさ
せてもよい。
【0019】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
分離層に直交する軸を中心として前記部材を回転させる
ことが好ましい。
【0020】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
部材の回転の周期は、前記反復運動の周期の50倍以上
であることが好ましい。
【0021】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
制御工程では、前記部材の外周部分が実質的に全周にわ
たって分離されるまで、前記噴流を形成する噴射ノズル
及び前記部材の少なくとも一方に反復運動をさせること
が好ましい。
【0022】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
制御工程は、前記部材の外周部分が実質的に全周にわた
って分離された後に、前記反復運動を停止させる工程を
有することが好ましい。
【0023】本発明の好適な実施の形態によれば、この
分離方法は、分離層上に半導体層を有するシード基板
と、ハンドル基板とを、絶縁層を介在させて貼り合わせ
て得られる貼り合わせ基板の分離に好適である。
【0024】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
噴流は、例えば、噴射部から液体又は気体を噴射させて
得られる。
【0025】本発明の第2の側面は、内部に分離層を有
する部材を噴流により分離する分離装置であって、部材
を保持する保持部と、噴流を形成する噴射ノズルと、前
記部材の少なくとも外周部分を前記分離層の部分で分離
する際に、前記噴射ノズル及び前記部材を保持した前記
保持部の少なくとも一方に反復運動をさせる駆動機構と
を備えることを特徴とする。
【0026】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
駆動機構は、前記保持部の保持面に直交する方向に、前
記噴射ノズル及び前記部材の少なくとも一方に往復運動
をさせることが好ましい。これに代えて、又は、これに
加えて、前記駆動機構は、前記噴射ノズルに首振り運動
を含む運動をさせてもよい。
【0027】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
分離層に直交する軸を中心として、前記部材を保持した
前記保持部を回転させる回転機構を更に備えることが好
ましい。
【0028】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
回転の周期は、前記反復運動の周期の50倍以上である
ことが好ましい。
【0029】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
駆動機構は、前記部材の外周部分が実質的に全周にわた
って分離されるまで、前記噴射ノズル及び前記部材を保
持した前記保持部の少なくとも一方に反復運動をさせる
ことが好ましい。
【0030】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
駆動機構は、前記部材の外周部分が実質的に全周にわた
って分離された後に、前記反復運動を停止することが好
ましい。
【0031】本発明の好適な実施の形態によれば、この
分離装置は、分離層上に半導体層を有するシード基板
と、ハンドル基板とを、絶縁層を介在させて貼り合わせ
て得られる貼り合わせ基板の分離に好適である。
【0032】本発明の好適な実施の形態によれば、前記
噴流は、例えば、噴射部から液体又は気体を噴射させて
得られる。
【0033】本発明の第3の側面は、半導体基板の製造
方法に係り、内部に分離層を有し、その上に移設層を有
する第1の基板の表面と、第2の基板とを貼り合わせ
て、分離対象の部材としての貼り合わせ基板を作成する
工程と、上記の分離方法を適用して前記貼り合わせ基板
を分離層の部分で分離する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0034】本発明の第4の側面は、半導体装置の製造
方法に係り、上記の製造方法を適用して製造されたSO
I基板を準備する工程と、前記SOI基板のSOI層を
素子分離して、素子分離されたSOI層にトランジスタ
を作り込む工程とを含むことを特徴とする。
【0035】前記トランジスタは、部分空乏型のFET
であってもよいし、完全空乏型のFETであってもよ
い。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の好適な実施の形態を説明する。
【0037】本発明の好適な実施の形態に係る分離装置
は、流体を噴射する噴射ノズルと、貼り合わせ基板を保
持する基板保持部(ホルダ)とを備える。この分離装置
は、貼り合わせ基板の少なくとも外周部分を分離層の部
分で分離する際に、噴射ノズル及び貼り合わせ基板(基
板保持部)の少なくとも一方に、好適にはいずれか一方
に、所定範囲内で反復運動をさせる。
【0038】貼り合わせ基板がゆがみを有する場合や、
基板保持部と貼り合わせ基板との間に異物が挟まること
によって貼り合わせ基板の保持位置が適正位置(設計上
の位置)からずれてしまう場合がある。このような場
合、貼り合わせ基板の分離層或いは貼り合わせ界面が適
正な位置にあることを前提として位置決めされた噴射ノ
ズル(噴射機構)から噴射された流体(噴流)は、該分
離層或いは貼り合わせ界面からずれた位置に打ち込まれ
る。
【0039】そこで、上記のように、貼り合わせ基板の
少なくとも外周部分を分離層の部分で分離する際に、噴
射ノズル及び貼り合わせ基板(基板保持部)の少なくと
も一方に所定範囲内で反復運動をさせることにより、適
正位置からの分離層或いは貼り合わせ界面のずれに関ら
ず、該外周部分を確実に分離することができる。しか
も、このような反復運動の採用により、貼り合わせ基板
のゆがみの程度に比べて幅が狭い噴流を利用しつつ貼り
合わせ基板の外周部分を確実に分離することができる。
ここで、幅が狭い噴流を利用した場合、貼り合わせ基板
の内部に打ち込まれる、或いは注入される流体の量を少
量に抑えることができるため、貼り合わせ基板の内部に
過度の圧力が加わることを効果的に防止することができ
る。
【0040】上記の反復運動は、貼り合わせ基板の外周
部分を分離する際は変位量(変位範囲)を1mm以内と
して行うことが好ましく、その内部を分離する際は0.
5mm以内として行うことが好ましい。例えば、貼り合
わせ基板の外周部分の分離は、0.5mm〜1mmの変
位量(第1の変位量)で反復運動を行い、その後、内部
の分離は、0.05mm〜0.5mmの変位量で反復運
動を行うことができる。
【0041】分離対象の貼り合わせ基板はその外周側面
に凹部を有することが好ましく、上記反復運動は、貼り
合わせ基板の全周にわたって、凹部に流体が打ち込まれ
るようになされる。べべリング部が断面形状において丸
くなっているウェハを利用して第1の基板(seed wafe
r)及び第2の基板(handle wafer)を利用して貼り合
わせ基板を作製することにより、上記凹部を形成するこ
とができる。
【0042】図2は、本発明の好適な実施の形態に係る
分離装置の構成を示す図である。この分離装置100
は、分離対象の板部材である貼り合わせ基板50を水平
に保持し、これを回転させながら、貼り合わせ基板50
の外周側面に向けて流体(例えば、水等の液体、空気等
の気体)を噴射することによって、貼り合わせ基板50
を多孔質層(分離層)の部分で2枚の基板に分離する。
【0043】貼り合わせ基板50は、中心軸が共通の一
対の基板保持部105及び106によって保持される。
貼り合わせ基板50は、一対の基板保持部105及び1
06の保持面に吸着機構を設け、これにより保持されて
もよいし、一対の基板保持部105及び106によって
挟持されてもよい。
【0044】上方の基板保持部105は、回転シャフト
103及びカップリング102を介してモータ101に
連結されている。モータ101は、コントローラ160
により回転速度が任意に制御される。回転シャフト10
3は、ベアリング104を介して上部テーブル113に
よって軸支されている。
【0045】下方の基板保持部106は、回転シャフト
108及びカップリング109を介してエアシリンダ1
10に連結されている。したがって、下方の基板保持部
106は、エアシリンダ110によって昇降される。エ
アシリンダ110は、貼り合わせ基板50を本分離装置
100にセットする際及び分離された基板を本分離装置
100から取り外す際に駆動される他、分離処理の際に
必要に応じて貼り合わせ基板50に押圧力又は引張力
(貼り合わせ基板を吸着している場合)を印加するため
にも駆動され得る。エアシリンダ110は、コントロー
ラ160により制御される。回転シャフト108は、ベ
アリング107を介して下部テーブル114によって軸
支されている。
【0046】下部テーブル114上には、流体(噴流)
を噴射する噴射ノズル120が配置されている。噴射ノ
ズル120は、反復駆動機構140により、例えば、貼
り合わせ基板50の軸方向(分離層に直交する方向)
に、噴射ノズル120に反復運動(往復運動)をさせ
る。反復駆動機構140としては、例えばリニアモータ
や振動素子等を採用することができる。反復駆動機構1
40は、貼り合わせ基板50の軸方向に平行な方向(上
下方向)及び/又は貼り合わせ基板50の面方向に平行
な方向(水平方向)の位置調整機構を兼ねてもよいし、
そのような位置調整機構によって位置調整がなされるよ
うに構成されてもい。
【0047】噴射ノズル120は、耐高圧ホース12
1、バルブ123、高圧配管124を介してサーボ駆動
式ポンプ200の出口に接続されている。サーボ駆動式
ポンプ200は、出口における流体の圧力を検知する圧
力計210を有し、圧力計210の出力に基づいて、流
体の圧力変動を所定値(例えば、目標圧力の10%)以
内に抑える。
【0048】図3は、噴射ノズル120及び貼り合わせ
基板50を拡大して示した図である。図3に示すよう
に、分離対象の貼り合わせ基板50は、断面においてγ
形状の凹部51を有することが好ましい。貼り合わせ基
板50に凹部51を設けることにより、ノズル120か
ら噴射された流体が効率的に多孔質層12に打ち込ま
れ、多孔質層12での分離を円滑に進めることができ
る。前述のように、このような凹部51は、べべリング
部が断面形状において丸くなっている一般的なウェハを
利用して第1の基板(seed wafer)及び第2の基板(ha
ndle wafer)を利用して貼り合わせ基板を作成すること
により形成される。
【0049】貼り合わせ基板50を構成する第1の基板
10及び第2の基板20の厚さは、それぞれ、100〜200
0μmであることが好ましく、典型的には700μm程
度である。第1の基板10及び第2の基板20の厚さが
それぞれ700μmである場合に形成される凹部51の
幅Gは約700μmである。ノズル120から噴射させ
る流体の径Dは、50〜1000μmであることが好ましく、
典型的には100μm程度である。ここで、流体の径
(幅)Dは、凹部の幅Gの1/20〜1/2であることが
好ましい。なお、外周部に分離層が露出していない場合
には、外周部をエッチングして分離層を露出させたり、
分離層付近に鋭利なブレードを差し込んでもよい。
【0050】次に、図4及び図5を参照しながら図2に
示す分離装置による分離処理を説明する。図4は、第1
段階の分離処理を示す図であり、図5は、第2段階の分
離処理を示す図である。この例では、分離処理の第1段
階において、貼り合わせ基板50の外周部分50aが分
離層で分離され、分離処理の第2段階において、該外周
部分50aの内側50bが分離層で分離される。
【0051】第1段階の分離処理は、貼り合わせ基板5
0をモータ101により回転させると共に噴射ノズル1
20から流体を噴射(すなわち、噴流を形成)させなが
ら実施される。ここで、第1段階の分離処理では、コン
トローラ160による制御の下、図4に示すように、反
復駆動機構140により、噴射ノズル120は、貼り合
わせ基板50の分離層に直交する方向(すなわち、基板
保持部の保持面に直交する方向)に往復駆動される。こ
れにより、噴射ノズル120によって形成される噴流も
反復運動し、貼り合わせ基板の凹部が存在しうる範囲を
反復的に走査する。このような反復運動により、貼り合
わせ基板がゆがみを有する場合や、基板保持部と貼り合
わせ基板との間に異物が挟まることによって貼り合わせ
基板の保持位置が適正位置(設計上の位置)からずれて
いる場合であっても、貼り合わせ基板50の外周部分の
凹部に対してその全周にわたって確実に噴流が打ち込ま
れ、該外周部分は全周にわたって確実に分離される。こ
こで、貼り合わせ基板50の回転の周期は、反復運動の
周期の50倍以上であることが好ましく、50〜600
0倍であることが更に好ましい。
【0052】第2段階の分離処理もまた、噴射ノズル1
20から流体をさせながら実施される。また、典型的に
は、貼り合わせ基板50は、回転されながら分離され
る。ここで、第2段階の分離処理は、典型的には、コン
トローラ160による制御の下、図5に示すように、往
復駆動機構140による噴射ノズル120の反復駆動を
行わず、噴射ノズル120を静止させた状態で実施され
る。ただし、この代わりに、反復量を第1段階の分離処
理よりも小さくしてもよい。図5に示すように、貼り合
わせ基板50の外周部分50aが既に分離されており、
この分離された部分に少量の流体が打ち込まれることに
より深いγ状の凹部が形成されるため、噴射ノズル12
0の反復運動と止めても、或いは、反復運動の反復量を
小さくしても、分離層の未分離部分(凹部の深部)に効
果的に噴流の圧力を作用させることができる。この第2
段階の分離処理により、貼り合わせ基板50は、その分
離層の全域で2枚の基板に完全に分離される。
【0053】ここまで述べた図2に示す分離装置100
では、貼り合わせ基板50の軸方向(鉛直方向)の位置
を固定した状態で、噴射ノズル120のみに反復運動を
させる。しかしながら、噴射ノズル120に反復運動を
させる代わりに、又は、噴射ノズル120に反復運動を
させることに加えて、図6に示すように、貼り合わせ基
板50(基板保持部105及び106)に反復運動をさ
せてもよい。
【0054】また、噴射ノズル120に首振り(回動運
動)をさせる機構を反復駆動機構140に追加してもよ
い。図7は、噴射ノズル120に首振り運動及び往復運
動の双方を伴う反復運動をさせる機構を備えた反復駆動
機構140の一例を示す図である。図7に示す反復駆動
機構140は、噴射ノズル120に鉛直方向(及び面方
向位置)の往復運動をさせる第1駆動機構141と、噴
射ノズル120に首振り運動をさせる第2駆動機構14
2とを有する。なお、第1駆動機構141を設けず、第
2駆動機構142のみを設けてもよい。
【0055】また、図2に示す分離装置100では、貼
り合わせ基板50を水平に保持するが、貼り合わせ基板
50は、例えば、垂直に保持されてもよい。ただし、貼
り合わせ基板50を水平に保持する場合、他の装置との
間での貼り合わせ基板50の受渡が容易である。
【0056】次に、分離装置100を使用した分離方法
の全体的な流れについて説明する。
【0057】まず、エアシリンダ110を作動させて、
下方の基板保持部106を降下させ、搬送ロボット等に
より一対の基板保持部105及び106の間の所定位置
に貼り合わせ基板50を搬送する。そして、エアシリン
ダ110を作動させて下方の基板保持部106を上昇さ
せて、一対の基板保持部105及び106に貼り合わせ
基板50を保持させる。この際、一対の基板保持部10
5及び106の保持面に吸着機構が備えられている場合
には、それを作動させて貼り合わせ基板50を吸着して
もよいし、これに加えて、エアシリンダ110により貼
り合わせ基板50に対して押圧力又は引張力を印加して
もよい。また、貼り合わせ基板50を吸着することな
く、エアシリンダ110により該貼り合わせ基板50に
押圧力を印加することにより、貼り合わせ基板50を保
持してもよい。
【0058】次いで、コントローラ160による制御の
下、噴射ノズル120から流体を噴射させると共に、モ
ータ101を駆動することにより貼り合わせ基板50を
回転させる。また、これと並行して、前述のように、コ
ントローラ160による制御の下、噴射ノズル120及
び貼り合わせ基板50(基板保持部105、106)の
少なくとも一方に反復運動をさせながら第1段階の分離
処理を実施し、貼り合わせ基板50の外周部を分離す
る。これにより、例えば貼り合わせ基板50が所定範囲
内のゆがみを有する場合であっても、その外周部分が全
周にわたって分離される。次いで、コントローラ160
による制御の下、反復運動を止めて、又は、反復運動の
反復量を小さくして、第2段階の分離処理により貼り合
わせ基板50の外周部分の内側を分離層で分離する。貼
り合わせ基板50は、典型的には、その外周部が全周に
わたって分離された後、第2段階の分離処理において数
回転した後に中心部まで完全に2枚の基板に分離され
る。
【0059】貼り合わせ基板50が分離されたら、エア
シリンダ110を作動させて下方の基板保持部106を
降下させる。そして、搬送ロボット等により、分離され
た2枚の基板を基板保持部105及び106から受け取
る。
【0060】なお、本発明において、流体としては、
水、エッチング液等の液体、空気、窒素、アルゴン等の
気体、あるいは液体と気体の混合流体などを用いること
ができる。
【0061】また、反復運動が可能な複数のノズルを用
いてもよい。例えば、第1の変位量で第1のノズルを反
復運動させながら貼り合わせ基板の外周部分を分離し、
その後、第2の変位量で第2のノズルを反復運動させな
がら貼り合わせ基板の内部の分離を行うことができる。
また、第1の変位量で第1のノズルを反復運動させなが
ら貼り合わせ基板の外周部分を分離しつつ、それと並行
して、第2の変位量で第2のノズルを反復運動させなが
ら貼り合わせ基板の内部の分離を行うことができる。
【0062】次に上記の分離方法の適用例として基板の
製造方法を説明する。図1は、本発明の好適な実施の形
態に係るSOI構造等を有する基板の製造方法を説明す
る図である。
【0063】まず、図1(a)に示す工程では、第1の
基板(seed wafer)10を形成するための単結晶Si基
板11を用意して、その主表面上に分離層としての多孔
質Si層12を形成する。多孔質Si層12は、例え
ば、電解質溶液(化成液)中で単結晶Si基板11に陽
極化成処理を施すことによって形成することができる。
【0064】ここで、電解質溶液としては、例えば、弗
化水素を含む溶液、弗化水素及びエタノールを含む溶
液、弗化水素及びイソプロピルアルコールを含む溶液等
が好適である。より具体的な例を挙げると、電解質溶液
としては、例えば、HF水溶液(HF濃度=49wt
%)とエタノールを体積比2:1で混合した混合液が好
適である。
【0065】また、多孔質Si層12を互いに多孔度の
異なる2層以上の層からなる多層構造としてもよい。こ
こで、多層構造の多孔質Si層12は、表面側に第1の
多孔度を有する第1の多孔質Si層、その下に、第1の
多孔度より大きい第2の多孔度を有する第2の多孔質S
i層を含むことが好ましい。このような多層構造を採用
することにより、後の非多孔質層13の形成工程におい
て、第1の多孔質Si層上に、欠陥等の少ない非多孔質
層13を形成することができると共に、後の分離工程に
おいて、所望の位置で貼り合わせ基板を分離することが
できる。ここで、第1の多孔度としては、10%〜30
%が好ましく、15%〜25%が更に好ましい。また、
第2の多孔度としては、35%〜70%が好ましく、4
0%〜60%が更に好ましい。
【0066】電解質溶液として上記の混合液(HF濃度
が49wt%の弗化水素酸:エタノール=2:1)を利
用する場合は、例えば、電流密度8mA/cm、処理
時間5〜11minの条件で第1層(表面側)を生成
し、次いで、電流密度23〜33mA/cm、処理時
間80sec〜2minの条件で第2層(内部側)を生
成することが好ましい。
【0067】次いで、次の(1)〜(4)の少なくとも
1つの工程を実施することが好ましい。ここで、
(1)、(2)を順に実施することが好ましく、
(1)、(2)、(3)を順に実施すること、或いは、
(1)、(2)、(4)を順に実施することが更に好ま
しく、(1)、(2)、(3)、(4)を順に実施する
ことが最も好ましい。
【0068】(1)多孔質Si層の孔壁に保護膜を形成
する工程(プリ酸化工程) この工程では、多孔質Si層12の孔壁に酸化膜や窒化
膜等の保護膜を形成し、これにより、後の熱処理による
孔の粗大化を防止する。保護膜は、例えば、酸素雰囲気
中で熱処理(例えば、200℃〜700℃が好ましく、
300℃〜500℃が更に好ましい)を実施することに
より形成され得る。その後、多孔質Si層12の表面に
形成された酸化膜等を除去することが好ましい。これ
は、例えば、弗化水素を含む溶液に多孔質Si層12の
表面を晒すことによって実施され得る。
【0069】(2)水素ベ−キング工程(プリベーキン
グ工程) この工程では、水素を含む還元性雰囲気中において80
0℃〜1200℃で、多孔質Si層12が形成された第
1の基板1に熱処理を実施する。この熱処理により、多
孔質Si層12の表面の孔をある程度封止することがで
きると共に、多孔質Si層12の表面に自然酸化膜が存
在する場合には、それを除去することができる。
【0070】(3)微量原料供給工程(プリインジェク
ション工程) 多孔質Si層12上に非多孔質層13を成長させる場合
は、成長の初期段階で非多孔質層13の原料物質の供給
を微少量として、低速度で非多孔質膜13を成長させる
ことが好ましい。このような成長方法により、多孔質S
i層12の表面の原子のマイグレーションが促進され、
多孔質Si層12の表面の孔を封止することができる。
具体的には、成長速度が20nm/min以下、好まし
くは10nm/min以下、より好ましくは2nm/m
in以下になるように原料の供給を制御する。
【0071】(4)高温ベーキング工程(中間ベーキン
グ工程) 上記の水素ベーキング工程及び/又は微量原料供給工程
における処理温度よりも高い温度で、水素を含む還元性
雰囲気中で熱処理を実施することにより、多孔質Si層
12の更なる封止及び平坦化が実現することができる。
【0072】次いで、図1(b)に示す工程の第1段階
では、多孔質Si層12上に第1の非多孔質層13を形
成する。第1の非多孔質層13としては、単結晶Si
層、多結晶Si層、非晶質Si層等のSi層、Ge層、
SiGe層、SiC層、C層、GaAs層、GaN層、
AlGaAs層、InGaAs層、InP層、InAs
層等が好適である。勿論、第1の非多孔質層13として
は必要に応じて上記材料層を組み合せて用いることもで
きる。例えば、多孔質Si層12上に非多孔質単結晶S
i層、その上にSiGe層、更にその上に非多孔質単結
晶Si層を形成してもよい。
【0073】次いで、図1(b)に示す工程の第2段階
では、第1の非多孔質層13の上に第2の非多孔質層と
してSiO層(絶縁層)14を形成する。これにより
第1の基板10が得られる。SiO層14は、例え
ば、O/H雰囲気、1100℃、10〜33min
の条件で生成され得る。
【0074】次いで、図1(c)に示す工程では、第2
の基板(handle wafer)20を準備し、第1の基板10
と第2の基板20とを、第2の基板20と絶縁層14と
が面するように室温で密着させて貼り合わせ基板30を
作成する。
【0075】なお、絶縁層14は、上記のように単結晶
Si層13側に形成しても良いし、第2の基板20上に
形成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、
第1の基板と第2の基板を密着させた際に、図1(c)
に示す状態になれば良い。しかしながら、上記のよう
に、絶縁層14を活性層となる第1の非多孔質層(例え
ば、単結晶Si層)13側に形成することにより、第1
の基板10と第2の基板20との貼り合せの界面を活性
層から遠ざけることができるため、より高品位のSOI
基板等の半導体基板を得ることができる。
【0076】基板10、20が完全に密着した後、両者
の結合を強固にする処理を実施することが好ましい。こ
の処理の一例としては、例えば、1)N雰囲気、11
00℃、10minの条件で熱処理を実施し、2)O
/H雰囲気、1100℃、50〜100minの条件
で熱処理(酸化処理)を実施する処理が好適である。こ
の処理に加えて、或いは、この処理に代えて、陽極接合
処理及び/又は加圧処理を実施してもよい。
【0077】第2の基板20としては、Si基板、Si
基板上にSiO層を形成した基板、石英等の光透過性
の基板、サファイヤ等が好適である。しかし、第2の基
板20は、貼り合わせに供される面が十分に平坦であれ
ば十分であり、他の種類の基板であってもよい。
【0078】次いで、図1(d)に示す工程では、上記
の分離方法を適用して貼り合わせ基板30を機械的強度
が脆弱な多孔質層12の部分で分離する。
【0079】図1(e)に示す工程では、分離後の第1
の基板10’の単結晶Si基板11上の多孔質層12b
をエッチング等により選択的に除去する。このようにし
て得られる単結晶Si基板11は、再び第1の基板10
を形成するための基板、又は第2の基板20として利用
され得る。
【0080】貼り合わせ基板としては、次のような方法
により作成されたものを採用してもよい。まず、ミラー
ウェハやエピタキシャルウェハ等の単結晶Si基板に代
表される半導体を準備する。ここで、必要に応じて、該
基板の表面に熱酸化シリコン等の絶縁膜を形成する。次
いで、ラインビームによるイオン打ち込み法、プラズマ
イマージョン法等により、正あるいは負の水素イオン、
希ガスイオン等のイオンを該基板に注入し、表面から所
定の深さに、分離層として、比較的高濃度のイオン注入
層を形成する。このようにして第1の基板を得る。
【0081】次いで、上記と同様の方法により作成され
た第2の基板を前述の貼り合わせ方法に従って第1の基
板と貼り合せる。これにより、移設すべき層(移設層)
を内部に有する貼り合わせ基板が得られる。
【0082】このイオン注入層は、ひずみが生じたり、
欠陥が生じたり、或いは、注入イオンによる微小気泡が
生じて多孔質体となっていたりする。このようなイオン
注入層は、機械的強度が相対的に弱いため、分離層とし
て機能する。なお、貼り合わせ部材の分離が完全に進行
してしまわない程度に当該貼り合わせ基板を熱処理した
後、上記のような流体による分離を行ってもよい。この
場合、熱処理により貼り合わせ界面における貼り合わせ
力を高めることができる。
【0083】ここで、分離層が貼り合わせ基板の外周に
露出していなくても、貼り合わせ基板に流体を噴きつけ
ることで分離層に引っ張り力が働くので、張り合わせ基
板は分離層を境にして分離される。
【0084】本発明の好適な実施の形態に係る分離装置
は、上記のように、例えば陽極化成により形成された多
孔質層やイオン注入により形成されたイオン注入層のよ
うな分離層を有する貼り合わせ基板(分離対象部材の一
例)を該分離層の部分で2枚の基板に分離するために有
用である。なお、図1(d)では、分離が分離層内部で
起こるように描かれているが、12と13の界面、及び
/又は、11と12の界面で分離されることもある。勿
論、分離層の層構成等を制御することにより、ほぼ12
と13の界面で分割されるようにすることも好ましい。
第2の基板上に移設された層13の表面を、必要に応じ
て研磨及び/又は水素を含む雰囲気中での熱処理(水素
アニール)により表面平坦化処理することも好ましいも
のである。
【0085】[半導体装置の例]次いで、上記の基板の
製造方法(図1参照)により製造され得る半導体基板を
利用した半導体装置及びその製造方法について図12を
参照しながら説明する。
【0086】図8は、本発明の好適な実施の形態に係る
基板の製造方法を適用して製造され得る半導体基板を利
用した半導体装置の製造方法を示す図である。
【0087】まず、非多孔質層13として半導体層、非
多孔質層14として絶縁層を有するSOI基板を上記の
基板の製造方法を適用して製造する。そして、埋め込み
絶縁膜14上の非多孔質半導体層(SOI層)13を島
状にパタニングする方法、又は、LOCOSと呼ばれる
酸化法等により、トランジスタを形成すべき活性領域1
3’及び素子分離領域54を形成する(図8(a)参
照)。
【0088】次いで、SOI層の表面にゲート絶縁膜5
6を形成する(図8(a)参照)。ゲート絶縁膜56の
材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、
酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、
酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化スカンジウム、酸化
イットリウム、酸化ガドリニウム、酸化ランタン、酸化
ジルコニウム、及びこれらの混合物ガラス等が好適であ
る。ゲート酸化膜56は、例えば、SOI層の表面を酸
化させたり、CVD法又はPVD法によりSOI層の表
面に該当する物質を堆積させたりすることにより形成さ
れ得る。
【0089】次いで、ゲート絶縁膜56上にゲート電極
55を形成する(図8(a)参照)。ゲート電極55
は、例えば、P型又はN型不純物がドープされた多結晶
シリコンや、タングステン、モリブデン、チタン、タン
タル、アルミニウム、銅などの金属又はこれらの少なく
とも1種を含む合金や、モリブデンシリサイド、タング
ステンシリサイド、コバルトシリサイドなどの金属珪化
物や、チタンナイトライド、タングステンナイトライ
ド、タンタルナイトライドなどの金属窒化物などで構成
され得る。ゲート絶縁膜56は、例えばポリサイドゲー
トのように、互いに異なる材料からなる複数の層を積層
して形成されてもよい。ゲート電極55は、例えば、サ
リサイド(セルフアラインシリサイド)と呼ばれる方法
で形成されてもよいし、ダマシンゲートプロセスと呼ば
れる方法で形成してもよいし、他の方法で形成してもよ
い。以上の工程により図8(a)に示す構造体が得られ
る。
【0090】次いで、燐、砒素、アンチモンなどのN型
不純物又はボロンなどのP型不純物を活性領域13’に
導入することにより、比較的低濃度のソース、ドレイン
領域58を形成する(図8(b)参照)。不純物は、例
えば、イオン打ち込み及び熱処理などにより導入するこ
とができる。
【0091】次いで、ゲート電極55を覆うようにして
絶縁膜を形成した後に、これをエッチバックすることに
より、ゲート電極59の側部にサイドウォール59を形
成する。
【0092】次いで、再び上記と同一の導電型の不純物
を活性領域13’に導入し、比較的高濃度のソース、ド
レイン領域57を形成する。以上の工程により図8
(b)に示す構造体が得られる。
【0093】次いで、ゲート電極55の上面並びにソー
ス及びドレイン領域57の上面に金属珪化物層60を形
成する。金属珪化物層60の材料としては、例えば、ニ
ッケルシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサ
イド、モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド
などが好適である。これらの珪化物は、ゲート電極55
の上面並びにソース及びドレイン領域57の上面を覆う
ように金属を堆積させて、その後、熱処理を施すことに
よって、該金属とその下部のシリコンとを反応させた後
に、該金属のうち未反応部分を硫酸などのエッチャント
で除去することによって形成することができる。ここ
で、必要に応じて、珪化物層の表面を窒化させてもよ
い。以上の工程により図8(c)に示す構造体が得られ
る。
【0094】次いで、シリサイド化したゲート電極の上
面並びにソース及びドレイン領域の上面を覆うように絶
縁膜61を形成する(図8(d)参照)。絶縁膜61の
材料としては、燐及び/又はボロンを含む酸化シリコン
などが好適である。
【0095】次いで、必要に応じて、CMP法により絶
縁膜61にコンタクトホールを形成する。KrFエキシ
マレーザ、ArFエキシマレーザ、Fエキシマレー
ザ、電子ビーム、X線等を利用したフォトリソグラフィ
ー技術を適用すると、一辺が0.25ミクロン未満の矩
形のコンタクトホール、又は、直径が0.25ミクロン
未満の円形のコンタクトホールを形成することができ
る。
【0096】次いで、コンタクトホール内に導電体を充
填する。導電体の充填方法としては、バリアメタル62
となる高融点金属やその窒化物の膜をコンタクトホール
の内壁に形成した後に、タングステン合金、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの導電体63
を、CVD法、PVD法、めっき法などを利用して堆積
させる方法が好適である。ここで、絶縁膜61の上面よ
りも高く堆積した導電体をエッチバック法やCMP法に
より除去してもよい。また、導電体の充填に先立って、
コンタクトホールの底部に露出したソース及びドレイン
領域の珪化物層の表面を窒化させてもよい。以上の工程
によりSOI層にFET等のトランジスタを作り込むこ
とができ、図8(d)に示す構造のトランジスタを有す
る半導体装置が得られる。
【0097】ここで、ゲート電極に電圧を印加してゲー
ト絶縁膜下に広がる空乏層が埋め込み絶縁膜14の上面
に届くように活性層(SOI層)10’の厚さ及び不純
物濃度を定めると、形成されたトランジスタは、完全空
乏型トランジスタとして動作する。また、空乏層が埋め
込み酸化膜14の上面に届かないように活性層(SOI
層)10’の厚さ及び不純物濃度を定めると、形成され
たトランジスタは、部分空乏型トランジスタとして動作
する。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、例えば、貼り合わせ基
板等の、分離層を有する部材の分離において、例えば、
該部材のゆがみや、該部材を保持する際の精度の不足等
に関らず、該部材が適正に分離されることを保証するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係るSOI構造等
を有する基板の製造方法を説明する図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態に係る分離装置の構
成を示す図である。
【図3】ノズル及び貼り合わせ基板を拡大して示した図
である。
【図4】第1段階の分離処理を示す図である。
【図5】第2段階の分離処理を示す図である。
【図6】基板保持部(貼り合わせ基板)に反復運動をさ
せながら貼り合わせ基板を分離する様子を示す図であ
る。
【図7】噴射ノズルに首振り運動及び往復運動を伴う反
復運動をさせる機構を備えた反復駆動機構を示す図であ
る。
【図8】本発明の好適な実施の形態に係る基板の製造方
法を適用して製造され得る半導
【図9】ゆがみの大きな貼り合わせ基板を多孔質層の部
分で2枚の基板に分離する様子を示す図である。
【符号の説明】
10 第1の基板 11 単結晶Si基板 12 多孔質Si層 13 第1の非多孔質層 14 第2の非多孔質層 20 第2の基板 50 貼り合わせ基板 140 反復駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江田 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤本 亮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F032 AA06 AA13 CA17 DA53 DA71 DA74 DA78 5F110 AA30 CC02 DD05 DD13 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EE09 EE32 FF01 FF02 FF03 FF04 FF22 FF29 GG02 GG12 HJ01 HJ13 HK05 HL02 HL04 HL11 HL21 HL24 HM15 NN02 NN25 NN26 NN62 QQ11 QQ17 QQ19

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に分離層を有する部材を噴流により
    分離する分離方法であって、 前記部材の少なくとも外周部分を分離する際に、前記噴
    流を形成する噴射ノズル及び前記部材の少なくとも一方
    に反復運動をさせる制御工程を有することを特徴とする
    分離方法。
  2. 【請求項2】 前記制御工程では、前記部材の前記分離
    層に直交する方向に、前記噴流を形成する噴射ノズル及
    び前記部材の少なくとも一方に往復運動をさせることを
    特徴とする請求項1に記載の分離方法。
  3. 【請求項3】 前記制御工程では、前記噴流を形成する
    噴射ノズルに首振り運動を含む運動をさせることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の分離方法。
  4. 【請求項4】 前記分離層に直交する軸を中心として前
    記部材を回転させることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれか1項に記載の分離方法。
  5. 【請求項5】 前記部材の回転の周期は、前記反復運動
    の周期の50倍以上であることを特徴とする請求項4に
    記載の分離方法。
  6. 【請求項6】 前記制御工程では、前記部材の外周部分
    が実質的に全周にわたって分離されるまで、前記噴流を
    形成する噴射ノズル及び前記部材の少なくとも一方に反
    復運動をさせることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか1項に記載の分離方法。
  7. 【請求項7】 前記制御工程は、前記部材の外周部分が
    実質的に全周にわたって分離された後に、前記反復運動
    を停止させる工程を有することを特徴とする請求項6に
    記載の分離方法。
  8. 【請求項8】 前記部材は、分離層上に半導体層を有す
    るシード基板と、ハンドル基板とを、絶縁層を介在させ
    て貼り合わせて得られる貼り合わせ基板であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の
    分離方法。
  9. 【請求項9】 前記噴流は、噴射部から液体又は気体を
    噴射させて得られることを特徴とする請求項1乃至請求
    項8に記載の分離方法。
  10. 【請求項10】 前記部材の外周部分は、前記分離層の
    部分で分離されることを特徴とする請求項1乃至請求項
    9に記載の分離方法。
  11. 【請求項11】 内部に分離層を有する部材を噴流によ
    り分離する分離装置であって、 部材を保持する保持部と、 噴流を形成する噴射ノズルと、 前記部材の少なくとも外周部分を前記分離層の部分で分
    離する際に、前記噴射ノズル及び前記部材を保持した前
    記保持部の少なくとも一方に反復運動をさせる駆動機構
    と、 を備えることを特徴とする分離装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動機構は、前記保持部の保持面
    に直交する方向に、前記噴射ノズル及び前記部材の少な
    くとも一方に往復運動をさせることを特徴とする請求項
    11に記載の分離装置。
  13. 【請求項13】 前記駆動機構は、前記噴射ノズルに首
    振り運動を含む運動をさせることを特徴とする請求項1
    1又は請求項12に記載の分離装置。
  14. 【請求項14】 前記分離層に直交する軸を中心とし
    て、前記部材を保持した前記保持部を回転させる回転機
    構を更に備えることを特徴とする請求項11乃至請求項
    13のいずれか1項に記載の分離装置。
  15. 【請求項15】 前記回転の周期は、前記反復運動の周
    期の50倍以上であることを特徴とする請求項14に記
    載の分離装置。
  16. 【請求項16】 前記駆動機構は、前記部材の外周部分
    が実質的に全周にわたって分離されるまで、前記噴射ノ
    ズル及び前記部材を保持した前記保持部の少なくとも一
    方に反復運動をさせることを特徴とする請求項11乃至
    請求項15のいずれか1項に記載の分離装置。
  17. 【請求項17】 前記駆動機構は、前記部材の外周部分
    が実質的に全周にわたって分離された後に、前記反復運
    動を停止することを特徴とする請求項16に記載の分離
    装置。
  18. 【請求項18】 前記部材は、分離層上に半導体層を有
    するシード基板と、ハンドル基板とを、絶縁層を介在さ
    せて貼り合わせて得られる貼り合わせ基板であることを
    特徴とする請求項11乃至請求項17のいずれか1項に
    記載の分離装置。
  19. 【請求項19】 前記噴流は、噴射部から液体又は気体
    を噴射させて得られることを特徴とする請求項11乃至
    請求項18に記載の分離装置。
  20. 【請求項20】 半導体基板の製造方法であって、 内部に分離層を有し、その上に移設層を有する第1の基
    板の表面と、第2の基板とを貼り合わせて、分離対象の
    部材としての貼り合わせ基板を作成する工程と、 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の分離方
    法を適用して前記貼り合わせ基板を分離層の部分で分離
    する工程と、 を含むことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 半導体装置の製造方法であって、 請求項19に記載の製造方法を適用して製造されたSO
    I基板を準備する工程と、 前記SOI基板のSOI層を素子分離して、素子分離さ
    れたSOI層にトランジスタを作り込む工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記トランジスタは、部分空乏型のF
    ETであることを特徴とする請求項21に記載の半導体
    装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記トランジスタは、完全空乏型のF
    ETであることを特徴とする請求項21に記載の半導体
    装置の製造方法。
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