JP2003016965A - 管内用抵抗器並びにその製造方法及びカラー陰極線管 - Google Patents

管内用抵抗器並びにその製造方法及びカラー陰極線管

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JP2003016965A
JP2003016965A JP2001199818A JP2001199818A JP2003016965A JP 2003016965 A JP2003016965 A JP 2003016965A JP 2001199818 A JP2001199818 A JP 2001199818A JP 2001199818 A JP2001199818 A JP 2001199818A JP 2003016965 A JP2003016965 A JP 2003016965A
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terminal piece
insulating substrate
terminal
electrode
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Yoshihisa Kaminaga
善久 神長
Misao Hayashi
操 林
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管等の管内用の抵抗器では、端子片と
他の構成物との熱膨張差によって端子用電極と端子片間
に間隙が発生し、この間隙でグロー放電を発生させる恐
れがあり、また抵抗比率が変化して電子銃の各電極に供
給している分圧電圧に変動を生じフォーカス品位の低下
があったが、この端子片と抵抗体との電気的接続及び固
定を確実に行い間隙の発生をなくした管内用抵抗器並び
にその製造方法及びカラー陰極線管を提供する。 【解決手段】 セラミックス系の材料によって形成され
た絶縁基板29に、複数の端子用電極30を配置し、こ
の端子用電極30間を所定の抵抗値となるように抵抗体
35を配設し、この抵抗体35もしくは端子用電極30
に透孔31を穿設し、この透孔31に端子片27のはと
め部31を挿入してはとめ部31を所定の温度で加熱し
ながらはとめ止めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管等
に内蔵されグリッド電極に分圧された電圧を供給するた
めの管内用抵抗器並びにこの抵抗器を製造する製造方
法、及びこの管内用抵抗器を備えたカラー陰極線管に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般的なカラーテレビジョン受像
機等に使用されているカラー陰極線管は、図8に示すよ
うに、略矩形状を呈するフェースパネル71と、このフ
ェースパネル71に一体的に接合された漏斗状のファン
ネル72からなる外囲器を有し、そのフェースパネル7
1の内面に、青、緑、赤に発光するストライプ状あるい
はドット状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン7
3が形成され、この蛍光体スクリーン73に対向して、
その内側に多数のアパーチャの形成されたシャドウマス
ク74が装着されている。
【0003】一方、ファンネル72のネック75内に
は、3電子ビーム76B,76G,76Rを放出する水
平方向に一列に配列されたインライン型の電子銃77が
配設され、この電子銃77から放出される3電子ビーム
76B,76G,76Rを、ファンネル72の外側に装
着された偏向ヨーク78の発生する水平及び垂直偏向磁
界によって偏向し、シャドウマスク74を介して蛍光体
スクリーン73を、水平、垂直走査することによって、
蛍光体スクリーン73上にカラー画像を再生表示するよ
うに構成されている。
【0004】このようなカラー陰極線管においては、特
に電子銃77を同一水平面上を通るセンタービーム76
G、及びその両側の一対のサイドビーム76B,76R
を放出するインライン型の電子銃77として構成し、電
子銃77の主レンズ部分の低圧側と高圧側の電極のサイ
ドビーム通過孔の位置を偏心させることによって、蛍光
体スクリーン73中央において3本の電子ビーム76
B,76G,76Rを集中させ、偏向ヨーク78の発生
する水平偏向磁界をピンクッション形に、また垂直偏向
磁界をバレル形に構成することで、一列配置の3電子ビ
ーム76B,76G,76Rを画面全域で自己集中する
セルフコンバーゼンス方式のカラー陰極線管が広く実用
化されている。
【0005】このようなカラー陰極線管に使用されてい
る電子銃77は、その詳細な構成の説明は省略するが、
例えば水平方向に一列配置された3本のカソードKと、
このカソードKを加熱するヒータH及びカソードKから
電子ビーム76B,76G,76Rの進行方向に順次配
置された第1グリッド電極G1〜第8グリッド電極G8
からなる複数個のグリッド電極G、並びにコンバーゼン
スカップCVを有し、これら各グリッド電極G1〜G8
は、ビードガラスからなる絶縁支持体によって所定の間
隔で支持固定されており、この電子銃77の側面には、
電子銃77の長手方向に沿って管内用抵抗器79が配設
され、この抵抗器79の高圧側にはコンバーゼンスカッ
プCVを介して陽極電圧が供給されている。
【0006】これら各グリッド電極G1〜G8は、所定
の電位となるようにバイアスされており、例えば第3グ
リッド電極G3と第5グリッド電極G5は共通に接続さ
れて、抵抗器79の中間部に設けた電圧供給端子から所
定のフォーカス電圧が、また第4グリッド電極G4と第
6グリッド電極G6が共通に接続され、この第4グリッ
ド電極G4には、抵抗器79の中間部に設けた他の電圧
供給端子から25〜35KV程度の陽極電圧の約35〜
45%程度に相当する電圧が供給され、また第7グリッ
ド電極G7には、抵抗器79の中間部に設けた他の電圧
供給端子を介して、陽極電圧の50〜70%程度に相当
する電圧が供給され、第8グリッドG8にはまた別の電
圧供給端子及びコンバーゼンスカップCVを介して陽極
電圧がそのまま印加され、これら各グリッド電極G1〜
G8によって、電子ビーム76B,76G,76Rを蛍
光体スクリーン73上に集束する主レンズを含む複数の
電子レンズが形成されており、また、抵抗器79の一端
はアースされる。
【0007】このように陽極電圧を分圧して必要なグリ
ッド電極に動作電圧を供給する管内用抵抗器79は、図
9及び図10に示すように構成されている。
【0008】即ち、酸化アルミニウム等のセラミックス
系の材料で形成された長方形状の絶縁基板80を備え、
この絶縁基板80の所定の箇所には、端子用電極81が
配置されており、この電極81は、酸化ルテニウムを含
む金属酸化物とほう硅酸鉛系のガラスよりなる電極材料
を印刷して乾燥させ、焼成して形成されるものである。
この電極81の中央部には、図11に示すように、絶縁
基板80を貫通する透孔82が形成され、更にこの電極
81には、一端にはとめ部83を有する舌片状の端子片
84が、はとめ部83を透孔82中に挿入して後に、は
とめ部83をかしめることによってかしめ部85を形成
して絶縁基板80と端子用電極81とを鍔部86とかし
め部85とで両側から挟持するように取着されている。
【0009】この電極81には、電極81間で所定の抵
抗値が得られるように、その幅や電極81間での長さを
設定した抵抗体87が配設されている。この抵抗体87
は、酸化ルテニウムを含む金属酸化物とほう硅酸鉛系の
ガラスよりなる抵抗材料を、所定の抵抗値が得られるよ
うにその幅や長さを、例えば図示のように、蛇行させた
り間隔を異ならせる等して印刷し、乾燥後に焼成して設
けているものである。これらの抵抗体87及び絶縁基板
80面は、端子用電極81部分を除いて絶縁被膜層88
によって被覆して管内用抵抗器79が構成されている。
【0010】このような管内用抵抗器79としては、偏
向ヨーク78にて発生する偏向磁界に影響を与えないよ
うにするとともに、電子銃77の電界部分を乱し、放電
や電子の軌道をずらしたりしないことが必要であり、こ
のために端子片84は、Fe−Ni−Cr合金からなる
非磁性ステンレス鋼等の比透磁率が1.01以下、好ま
しくは1.005以下の磁界に影響を与えない非磁性合
金によって形成されるのが一般的である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、端子片8
4は、はとめ部83を絶縁基板80の透孔82中に挿入
した後にかしめられて、端子片84のはとめ部83周辺
の鍔部86とかしめ部85とで、絶縁基板80と共に端
子用電極81とを強固に挟持させて電気的な接続と共に
固定を行っているが、端子片84は非磁性ステンレス鋼
材によって形成されているので、その熱膨張係数は他の
絶縁基板80や電極81、絶縁被膜層88に対して3倍
程度大きいために、カラー陰極線管を動作させた場合、
あるいは抵抗器79の端子片84が絶縁基板80にかし
め固定された以降の製造工程において加熱された場合
に、抵抗器79の自己発熱や電子銃77を構成している
ヒータからの放射熱等の影響を受けて、この熱膨張係数
差に基づき、特にはとめ部83の軸方向への膨張の影響
で端子片84と電極81間に間隙が発生する場合があっ
た。
【0012】このような間隙が生じてしまうと、この間
隙には最大で数十kVの電位差を生ずるためにグロー放
電を誘発させる恐れがあり、更に端子片84と電極81
との接続不良のために、中間部に形成した電極81の端
子片84では、分圧電圧を取出すことができないばかり
か抵抗器79全体としての分圧比率が崩れてフォーカス
の不良を発生させる要因ともなり、また陽極側の端子片
84の場合には、抵抗器79に電圧が供給されず全く機
能をしない恐れもあり、またアース側の端子片84の場
合には、アースが採れず分圧比率を崩す恐れもあり、ま
た製造工程で発生した場合には、抵抗値の測定が不可能
になったり抵抗器の測定結果が安定せずに製造歩留りの
低下や再測定を行う等の製造悪化要因となっていた。
【0013】このようなことから、端子片84を絶縁基
板80や電極81、絶縁被膜層88等と同じような熱膨
張係数を有するFe−Ni−Co合金であるコバール
や、42%Fe−Ni合金の42アロイ等の合金で形成
することも考えられ、このような合金を使用すれば前述
の熱膨張係数差に基づく間隙を発生させることがない反
面、これらの合金の材料は透磁率の高い磁性合金である
ために、偏向ヨーク78で発生された磁界に影響を与え
て磁界が歪められて画像不良という新たな問題が発生す
る。従ってこの画像不良を改善するための別の対策を採
らない限り、透磁率の高い磁性合金を使用することはで
きない。
【0014】本発明は、このような課題に対処してなさ
れたものであり、簡単な構成でありながら常に端子片と
端子との接続を確保することができ、しかも良好な画像
品位が得られる製品を提供することができるものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
系材料によって形成された方形の絶縁基板と、この絶縁
基板上に所定の抵抗値を得るように配設された抵抗体
と、この抵抗体と電気的に接続されるように絶縁基板を
貫通して固定されるはとめ部を有する端子片を備え、端
子片は抵抗体及び絶縁基板よりも熱膨張係数を大きく設
定し、常に接触圧力が付与された状態で固定されている
管内用抵抗器である。
【0016】また、セラミックス系材料によって形成さ
れた長方形状の絶縁基板上に所定の抵抗値を得るように
抵抗体を配設し、この抵抗体と電気的に接続されるよう
に前記絶縁基板に穿設した透孔中にはとめ部を挿入して
端子片をかしめ固定する際に少なくともはとめ部を加熱
して固定するようにした管内用抵抗器の製造方法であ
る。
【0017】更に、略矩形状のフェースパネルと、この
フェースパネルに連接する漏斗状のファンネルと、フェ
ースパネル内面に形成された蛍光体スクリーンと、ファ
ンネルのネック内に配置され電子ビームを形成及び蛍光
体スクリーン上に集束させる複数のグリッド電極を備え
た電子銃と、電子ビームを偏向させるファンネル外周に
固定された偏向ヨークと、電子銃に並設してネック内に
配置されセラミックス系材料によって形成された長方形
状の絶縁基板と、この絶縁基板上に所定の抵抗値を得る
ように配設された抵抗体と、この抵抗体と電気的に接続
されるように絶縁基板を貫通して固定され、抵抗体及び
絶縁基板よりも大きな熱膨張係数を有する端子片を備
え、端子片によって分圧された電圧を所定のグリッド電
極に供給するようにしたカラー陰極線管である。
【0018】このように、加熱温度以下では熱膨張差を
端子片の鍔部に撓み量として発生させて、端子用電極に
常に接触圧力が加わるように構成し、端子用電極と端子
片との間の接触抵抗を小さくするとともに、熱膨張差に
基づく間隙の発生を防止して信頼性を向上させることが
できるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0020】本発明に係るカラー陰極線管は、図1に示
すように構成されている。即ち、略矩形状を呈するフェ
ースパネル11と、このフェースパネル11に一体的に
接合された漏斗状のファンネル12からなる外囲器を有
し、このフェースパネル11の内面に、青、緑、赤に発
光するストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層か
らなる蛍光体スクリーン13が形成され、この蛍光体ス
クリーン13に対向して、その内側に多数のアパーチャ
の形成されたシャドウマスク14がマスクフレーム15
に取着され、このマスクフレーム15は、弾性支持体1
6及びスタッドピン17を介してフェースパネル11内
側に装着され、このマスクフレーム15には、磁気シー
ルド板18が取着されている。
【0021】一方、ファンネル12のネック19内に
は、3電子ビーム20B,20G,20Rを放出する水
平方向に一列に配列されたインライン型の電子銃21が
配設され、この電子銃21から放出される3電子ビーム
20B,20G,20Rを、ファンネル12の外側に装
着された偏向ヨーク22の発生する水平及び垂直偏向磁
界によって偏向し、シャドウマスク14を介して蛍光体
スクリーン13を水平、垂直走査することにより、蛍光
体スクリーン13上にカラー画像を再生表示するように
構成されている。
【0022】このようなカラー陰極線管においては、特
に電子銃21が、同一水平面上を通るセンタービーム2
0G、及びその両側の一対のサイドビーム20B,20
Rを放出するインライン型の電子銃21として構成さ
れ、電子銃21の主レンズ部分の低圧側と高圧側の電極
のサイドビーム通過孔の位置を偏心させることによっ
て、蛍光体スクリーン13中央において3本の電子ビー
ム20B,20G,20Rを集中させ、偏向ヨーク22
の発生する水平偏向磁界をピンクッション形に、また垂
直偏向磁界をバレル形に構成することで、セルフコンバ
ーゼンス方式のカラー陰極線管を構成している。
【0023】この電子銃21構体は、図2及び図3に示
すように、水平方向に一列配置された3本のカソードK
と、このカソードKを加熱するヒータ(図示せず)及び
カソードKから電子ビーム20B,20G,20Rの進
行方向に順次同軸上に共通に配置された第1グリッド電
極G1〜第8グリッド電極G8からなる複数個のグリッ
ド電極、並びにコンバーゼンスカップCVを有し、これ
らカソードK及び各グリッド電極G1〜G8は、ビード
ガラスからなる一対の絶縁支持体23によって、所定の
間隔で絶縁支持体23間に支持固定されており、この絶
縁支持体23の側面には、絶縁支持体23の長手方向に
沿って管内用抵抗器24が配設され、この抵抗器24の
高圧側には、陽極電圧が供給されている。
【0024】この第3グリッド電極G3と第5グリッド
電極G5とは共通に接続されており、コンバーゼンスカ
ップCVは第8グリッド電極G8と溶接にて固定され、
電気的な接続も行われている。このコンバーゼンスカッ
プCVには、導電スプリング25が取付けられており、
この導電スプリング25は、陽極電圧が供給される管内
内壁に被着されているグラファイト導電膜26に弾性的
に接触することによって陽極電圧を取込んでいるもの
で、この陽極電圧はコンバーゼンスカップCV及び第8
グリッド電極G8に供給されるとともに、端子片27を
介して抵抗器24の一端に供給されている。この抵抗器
24に供給された陽極電圧は、抵抗器24の抵抗によっ
て分圧され、各端子片27から分圧電圧を取出して第7
グリッド電極G7、第6グリッド電極G6及び第5グリ
ッド電極G5に供給され、抵抗器24の他端には、アー
スピン28に導くための端子片27が設けられている。
【0025】このような管内用抵抗器24は、図4乃至
図6に示すように構成されている。
【0026】即ち、酸化アルミニウム等のセラミックス
系の材料で形成された長方形状の絶縁基板29を備え、
この絶縁基板29の所定の箇所には、端子用電極30が
配置されている。この端子用電極30は、酸化ルテニウ
ムを含む金属酸化物とほう硅酸鉛系のガラスよりなる電
極材料を印刷して、乾燥させた後に焼成して形成され、
例えば10kΩ程度の抵抗値を有するものである。この
端子用電極30の中央部には、絶縁基板29を貫通する
透孔31が穿設され、またこの端子用電極30には、一
端にはとめ部32を有する舌片状のFe−Ni−Cr合
金からなる非磁性ステンレス鋼材の端子片27が、はと
め部32を透孔31中に挿入して、はとめ部32を加熱
しながらかしめることによってかしめ部33を形成し、
このかしめ部33とはとめ部32周囲の鍔部34とで、
端子用電極30を含む絶縁基板29を挟持することで取
着、及び電気的な接続がなされている。
【0027】この端子用電極30には、端子用電極30
間で所定の抵抗値が得られるように、端子用電極30間
の長さや幅を所定の値に設定した抵抗体35が配設され
ている。この抵抗体35は、酸化ルテニウムを含む金属
酸化物とほう硅酸鉛系のガラスよりなる抵抗材料を、所
定の抵抗値が得られるように幅や長さを、例えば図示の
ように蛇行させたり、間隔を異ならせる等して印刷し
て、その後に乾燥及び焼成をして形成されているもので
ある。そして、これらの抵抗体35及び絶縁基板29面
は、端子用電極30部分を除いて絶縁被膜層36によっ
て被覆することで、管内用抵抗器24が構成されてい
る。
【0028】このような管内用抵抗器24は、次のよう
にして形成される。
【0029】即ち、酸化アルミニウムを主成分とするセ
ラミックス系絶縁基板29に、所定数の透孔31を穿設
し、次いで酸化ルテニウムを含む金属酸化物とほう硅酸
鉛系のガラスよりなる電極ペースト材を印刷して乾燥さ
せ、その後に焼成して端子用電極30を形成する。次い
でほう硅酸鉛系のガラスを含む抵抗ペーストを全体の抵
抗値が1.0×10〜2.0×10Ω程度になるよ
うに、スクリーン法を用いて印刷して乾燥させ、その後
に焼成を行って抵抗体35を形成する。
【0030】次にこの抵抗体35を覆い、且つ、各透孔
31並びに端子用電極30部分を除いた絶縁基板29両
面に、遷移金属酸化物とほう硅酸鉛を主成分とする絶縁
被膜を、絶縁基板29の表裏にわたってスクリーン法に
よって印刷して乾燥させ、その後に焼成させて絶縁被膜
層36を形成する。そして、一端にはとめ部32を設け
た別ピースの端子片27を、このはとめ部32を透孔3
1中に挿入して加熱しながらかしめることによって端子
用電極30に取着し、管内用抵抗器24が形成される。
【0031】このようにして管内用抵抗器24が構成さ
れているが、この抵抗器24を製造する際に、端子片2
7をはとめ固着するために、図7に示すようなかしめ用
のプレス機37が使用される。
【0032】即ち、セラミック材料からなるかしめ台3
8に常時ばね39によって外方向へ弾性力が付与された
はとめガイド40を内蔵し、このかしめ台38と対向す
るようにかしめポンチ41が離間して配置される。この
かしめポンチ41はかしめポンチホルダー42に取着さ
れており、このかしめポンチホルダー42内には、筒状
の加熱ヒータ43が内蔵されており、この加熱ヒータ4
3によってかしめポンチ41が加熱されるように構成さ
れている。
【0033】従って、かしめ台38のはとめガイド40
に端子片27の非かしめ状態のはとめ部32を端子片2
7側がかしめ台38側となるように挿入して配置する。
次いで絶縁基板29の端子用電極30側がかしめ台38
側となるようにはとめ部32を透孔31に挿入させて絶
縁基板29を配置する。そして加熱ヒータ43によって
加熱されたかしめポンチ41ではとめ部32を熱膨張さ
せた状態、即ち2秒間以上に亘って押圧変形させてかし
め部33を形成するようにプレスする。このとき端子片
27のかしめ部33は加熱ヒータ43によって加熱され
たかしめポンチ41の熱伝導によって400℃〜500
℃程度に加熱される。この設定温度は、電子銃21近傍
の使用温度が大体200℃前後であるために、この使用
温度以上の温度で、且つ抵抗体35の軟化点である50
0℃よりも低い温度に設定されているもので、概ね40
0℃以上〜500℃未満程度に設定される。
【0034】このように加熱された状態でかしめること
で、端子片27の鍔部34とかしめ部33の間と絶縁基
板29との間は熱膨張差を保った状態で押圧されること
になる。いま端子片27をFe−Ni−Cr合金の非磁
性ステンレス鋼で形成すると、その熱膨張係数は180
×10−7/℃であり、また絶縁基板29は77×10
−7/℃、端子用電極30や絶縁被膜層36は65×1
−7/℃の熱膨張係数となっているので、端子片27
の熱膨張係数は絶縁基板29や端子用電極30等に比し
て2〜3倍程度大きいために、加熱ヒータ43によって
加温された端子片27は、より大きく膨張した状態でか
しめ止めされることになる。
【0035】この結果、端子片27のかしめ時の加温さ
れた温度以下の通常一般に使用される管内用抵抗器24
の周囲温度であれば、この端子片27の鍔部34とかし
め部33との間に常に接触圧力が加わっていることにな
り、強固な固定ができるので、端子片27と端子用電極
30との接触抵抗が小さく、且つ間隙を生じることなく
安定な電気接続状態を保つことができる。
【0036】なお、本発明はこれら実施の形態に限定さ
れることなく、例えばグリッド電極構成が異なる電子銃
構体にも適用することが可能であり、また陰極線管に限
らず分圧抵抗器を内蔵するようなその他の電子管にも適
用が可能であり、更には絶縁基板の形状も長方形状に限
定されることなく、管内スペースに応じた方形状に形成
すれば使用可能であり、更に絶縁基板のスペースファク
ターの観点から、抵抗体を基板の両面に形成して、その
間をスルーホールピン等で電気的に接続するように構成
すれば、パターン配置に余裕を持たせたり、あるいはそ
れだけ基板自体を小型化することが可能となる。更に端
子用電極を形成して、この端子用電極に端子片をはとめ
止めしているが、端子用電極を設けることなく端子片を
直接抵抗体にはとめ止めすることも可能であり、また絶
縁基板とビードガラスを兼用させて形成することも可能
で、またはとめ部の形状も円形状に限らず二股の鉤状の
ものや四角形状等の種々の形状を採用することも可能
等、その他種々の応用や変形が可能なことはいうまでも
ない。
【0037】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、端子片と端子用電極もしくは抵抗体との間に間隙が
発生することがなく、抵抗器としての分圧比率の崩れや
機能不良といった現象を発生させることがないので、フ
ォーカス品位も安定して良好な画像品位を実現すること
が可能となり、また端子片の接触抵抗も小さくなるので
安定な状態を確保することができるので、製造段階での
抵抗値の測定も容易で製造歩留りを向上させることが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管内用抵抗器を内蔵したカラー陰
極線管を示す断面図。
【図2】同じくカラー陰極線管の電子銃部分を示す縦断
面図。
【図3】同じくカラー陰極線管の内蔵された管内用抵抗
器部分を示す説明用斜視図。
【図4】同じく管内用抵抗器を示す平面図。
【図5】同じく管内用抵抗器の断面図。
【図6】同じく管内用抵抗器の端子片部分を示す断面
図。
【図7】同じく管内用抵抗器の端子片を絶縁基板に固定
するために使用されるポンチ用プレス機の概要を説明す
るための説明図。
【図8】従来のカラー陰極線管を示す断面図。
【図9】同じく管内用抵抗器を示す平面図。
【図10】同じく管内用抵抗器を示す断面図。
【図11】同じく管内用抵抗器の端子片部分を示す断面
図。
【符号の説明】
11::フェースプレート 12:ファンネル 13:蛍光体スクリーン 19:ネック 21:電子銃 22:偏向ヨーク 24:管内用抵抗器 27:端子片 29:絶縁基板 30:端子用電極 31:透孔 32:はとめ部 35:抵抗体 37:かしめ用プレス機 41:かしめポンチ 43:加熱ヒータ G1〜G8:グリッド電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス系材料によって形成された
    方形の絶縁基板と、 この絶縁基板上に所定の抵抗値を得るように配設された
    抵抗体と、 この抵抗体と電気的に接続されるように前記絶縁基板を
    貫通して固定されるはとめ部を有する端子片とを具備
    し、 前記端子片は、前記抵抗体及び絶縁基板よりも熱膨張係
    数を大きく設定し常に接触圧力が付与された状態で固定
    されていることを特徴とする管内用抵抗器。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体は、前記絶縁基板に形成した
    複数の端子用電極間を連結するように形成され、前記端
    子片はこの端子用電極に配置されていることを特徴とす
    る請求項1記載の管内用抵抗器。
  3. 【請求項3】 前記端子片は、非磁性ステンレス鋼にて
    形成されていることを特徴とする請求項1または2記載
    の管内用抵抗器。
  4. 【請求項4】 セラミックス系材料によって形成された
    長方形状の絶縁基板上に所定の抵抗値を得るように抵抗
    体を配設し、この抵抗体と電気的に接続されるように前
    記絶縁基板に穿設した透孔中にはとめ部を挿入して端子
    片をかしめ固定する際に、少なくともはとめ部を加熱し
    て固定することを特徴とする管内用抵抗器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記端子片は、かしめ固定するかしめポ
    ンチによって加熱されることを特徴とする請求項4記載
    の管内用抵抗器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記端子片は、少なくとも前記抵抗体が
    受ける使用温度以上で、且つこの抵抗体の軟化点以下の
    温度によって加熱固定されることを特徴とする請求項4
    または5記載の管内用抵抗器の製造方法。
  7. 【請求項7】 略矩形状のフェースパネルと、 このフェースパネルに連接する漏斗状のファンネルと、 前記フェースパネル内面に形成された蛍光体スクリーン
    と、 前記ファンネルのネック内に配置され電子ビームを形成
    及び前記蛍光体スクリーン上に集束させる複数のグリッ
    ド電極を備えた電子銃と、 前記電子ビームを偏向させる前記ファンネル外周に固定
    された偏向ヨークと、 前記電子銃に並設して前記ネック内に配置されセラミッ
    クス系材料によって形成された長方形状の絶縁基板と、 この絶縁基板上に所定の抵抗値を得るように配設された
    抵抗体と、 この抵抗体と電気的に接続されるように前記絶縁基板を
    貫通して固定され、前記抵抗体及び絶縁基板よりも大き
    な熱膨張係数を有する端子片とを具備し、前記端子片に
    よって分圧された電圧を所定の前記グリッド電極に供給
    することを特徴とするカラー陰極線管。
  8. 【請求項8】 前記端子片は、非磁性ステンレス鋼によ
    って形成されていることを特徴とする請求項7記載のカ
    ラー陰極線管。
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