JP2003014839A - 水中探知装置および水中探知装置のテスト方法 - Google Patents

水中探知装置および水中探知装置のテスト方法

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JP2003014839A
JP2003014839A JP2002086047A JP2002086047A JP2003014839A JP 2003014839 A JP2003014839 A JP 2003014839A JP 2002086047 A JP2002086047 A JP 2002086047A JP 2002086047 A JP2002086047 A JP 2002086047A JP 2003014839 A JP2003014839 A JP 2003014839A
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channels
test
channel
ultrasonic transducer
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Minoru Handa
実 半田
Hideji Morimatsu
秀治 森松
Teruyuki Ozaki
照幸 尾崎
Mitsuaki Watanabe
光昭 渡辺
Takanobu Sato
隆宣 佐藤
Yasutaka Morioka
泰隆 森岡
Shinji Ishihara
真次 石原
Koichi Nakano
孝一 中野
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Furuno Electric Co Ltd
Original Assignee
Furuno Electric Co Ltd
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】多チャンネルの受信回路およびトランスデュー
サの異常を判定することができるとともに、受信回路の
バラツキを補正することができる水中探知装置を提供す
る。 【解決手段】チャンネル数分の受信回路のフロントエン
ドにエコー信号と同じようなテスト信号を供給する。テ
スト信号は各受信回路に対して全く同じ信号である。受
信回路から出力された信号のレベルおよび位相を比較す
ると、各受信回路間のゲイン、位相遅れのバラツキが分
かり、これをキャンセルするような補正係数を各受信回
路の出力信号に掛けることでバラツキを補正する。ま
た、レベル、位相が極端に他のチャンネルと異なるチャ
ンネルは受信回路またはトランスデューサの異常である
と判断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多数の超音波振
動子を有するトランスデューサと、各超音波振動子に対
応する送信回路、受信回路を備えた水中探知装置および
そのテスト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海底探査ソナー、スキャニングソナー、
スプリットビーム魚群探知機等の水中探知装置は幅の狭
い鋭いビームを形成するため多数の超音波振動子をアレ
イ状に配列したトランスデューサを備えている。受信チ
ャンネル数すなわち超音波振動子−受信回路の数は、海
底探査ソナーの場合64〜200、スキャニングソナー
で256〜1000チャンネル程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】受信回路間のゲイン、
位相のバラツキは受信ビームのメインビーム幅、サイド
ローブレベルに悪影響を与えるため、高いビーム性能を
得るためには、受信回路のバラツキは、ゲイン:±0.
5dB、位相:±λ/32程度の範囲内におさめる必要
がある。しかし、多チャンネルの受信回路を上記所定の
バラツキ範囲内に納めることは、多くの調整工程数や高
精度部品が必要になり、コストアップにつながる問題点
があった。また、製造時のバラツキが少なくても経年変
化や温度変化で各受信回路間の性能のバラツキが増大す
る場合もあった。
【0004】多チャンネルで部品点数が多いことから製
造不良や故障発生などの受信回路の異常も少なくないう
え、数チャンネルの受信回路に異常がある程度では、映
像品質が劣化するもののビーム形成が行われるため、故
障などの異常を発見することが困難であるという問題点
があった。これを無くそうとすると、製造時に多くの検
査工程数を必要とし、船舶に取り付けられて運用を開始
したのちは、トランスデューサが船外に取り付けられる
ため、点検や修理がより困難になるという問題点があっ
た。すなわち、トランスデューサに故障が発生すると交
換のために上架が必要になり、多額の費用が発生する。
したがって、トランスデューサの特定の超音波振動子に
異常があることが確実に判断できるまでは、修理の決断
をするこことが困難であった。
【0005】また、近年の水中探知装置は、スタビライ
ズ機能などを実現するために、各超音波振動子に対応し
て個別の送信回路が設けられているものがあるが、上記
のようにチャンネル数が多いため、送信回路が数チャン
ネル程度不調であっても送波ビームの精度が劣化する程
度で、その不調に気づきにくいという問題点があり、ま
た、船底に設置されている多チャンネルの送信回路を各
々点検するのは大変な作業であった。
【0006】この発明は、多チャンネルの受信回路、受
信回路、超音波振動子の故障を判定することができると
ともに、受信回路のバラツキを補正することができる水
中探知装置およびそのテスト方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の超音波振動子と、各超音波振動子が受信したエコー信
号を増幅する複数の受信回路と、を備えた水中探知装置
において、各受信回路のフロントエンドにテスト信号を
供給するテスト信号供給手段と、前記テスト信号の入力
に対応した各受信回路の出力信号のレベルまたは位相を
表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、アレイ状に配列された
複数の超音波振動子と、各超音波振動子が受信したエコ
ー信号を増幅する複数の受信回路と、を備えた水中探知
装置において、各受信回路のフロントエンドにテスト信
号を供給するテスト信号供給手段と、前記テスト信号の
入力に対応した前記複数の受信回路の出力信号のレベル
および位相を対応する超音波振動子の配列順に一覧表示
する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、エコー信号を受信する
複数の超音波振動子と、各超音波振動子が受信したエコ
ー信号を増幅するアンプと、エコー信号の周波数帯域の
みを通過させるフィルタと、各アンプおよびフィルタで
処理された各超音波振動子のエコー信号をサンプリング
してデジタルデータに変換するADコンバータと、を備
え、デジタルデータに変換されたエコー信号に基づいて
受波ビームを形成する水中探知装置において、各アンプ
のフロントエンドにテスト信号を供給するテスト信号供
給手段と、前記テスト信号の入力に対応した前記ADコ
ンバータの出力信号のレベルまたは位相を表示すること
により、前記アンプ、フィルタまたは超音波振動子の動
作状態を判定可能にしたことを特徴とする。
【0010】上記の発明では、複数チャンネルの受信回
路のそれぞれのフロントエンドにテスト信号を供給し、
その出力のレベル、位相の一方または両方を表示する。
ここで、上記請求項の「または」は「いずれか一方また
は両方」の意である。各チャンネルの受信回路が完全に
同じ性能であれば、各受信回路からは、入力信号に完全
に相関したレベル(振幅)、位相の出力信号が得られる
はずであるが、各受信回路の性能のバラツキにより必ず
しもそのようにならず、それぞれ相関の度合いが異なる
信号が出力される。各チャンネルの受信回路が完全に同
じ性能であれば、各チャンネルに同一のテスト信号を供
給すれば、同じレベル(振幅)、位相の出力信号が得ら
れるはずであるが、各受信回路の性能のバラツキにより
必ずしもそのようにならず、それぞれ異なる信号が出力
される。
【0011】この出力信号を表示することにより、利用
者は、各チャンネル間のゲイン、位相のバラツキを知る
ことができるとともに、出力信号のレベル(ゲイン)、
位相が他のチャンネルと大きく異なるチャンネルがある
場合には、そのチャンネルに故障などの異常が発生して
いると判断することができる。また、異常とは言えない
範囲であっても各チャンネル間の出力信号のレベル、位
相のバラツキを視覚的に確認することができる。なお、
レベル、位相の表示は、絶対値表示であっても相対値
(たとえば平均値からの偏差)表示であってもよい。ま
た、表示方式は、全チャンネルの出力信号のレベル、位
相を一覧表示しても異常と思われるチャンネルのものの
みを選択して表示するようにしてもよい。
【0012】請求項4の発明は、エコー信号を受信する
複数の超音波振動子と、各超音波振動子が受信したエコ
ー信号を増幅するアンプと、エコー信号の周波数帯域の
みを通過させるフィルタと、各アンプおよびフィルタで
処理された各超音波振動子のエコー信号をサンプリング
してデジタルデータに変換するADコンバータと、を備
え、デジタルデータに変換されたエコー信号に基づいて
受波ビームを形成する水中探知装置において、各アンプ
のフロントエンドにテスト信号を供給するテスト信号供
給手段と、前記テスト信号の入力に対応した前記ADコ
ンバータの出力信号のレベルまたは位相に基づき、前記
アンプ、フィルタまたは超音波振動子の動作状態を判定
する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】この発明では、判定手段が、各チャンネル
のレベルや位相を監視し、これらが正常の範囲を越えて
いるチャンネルや他のチャンネルに比べてレベルや位相
が大きく異なるチャンネルがあった場合には、そのチャ
ンネルが異常であると判定してその旨を出力する。これ
により、セルフテストで異常なチャンネルを自動的に発
見することが可能になる。
【0014】請求項5の発明は、請求項3、4の発明に
おいて、前記アンプおよびフィルタで処理された各超音
波振動子のエコー信号を該超音波振動子の個数よりも少
ない系統に多重化するマルチプレクサを備えるととも
に、前記ADコンバータをこの系統数のみ設け、前記テ
スト信号供給手段は、マルチプレクサの切り換えに同期
関係にあるテスト信号を供給することを特徴とする。
【0015】この発明では、複数の超音波振動子から入
力された信号がマルチプレクサによって多重化されてい
る場合には、マルチプレクサを各超音波振動子(チャン
ネル)に切り換えながらテスト信号を入力する。これに
よって各超音波振動子および受信回路系のテストをする
ことができる。さらにこのとき、テスト信号をマルチプ
レクサの切り換えタイミングに同期させて出力すること
で効率的に順次各チャンネルのテストをすることが可能
になる。
【0016】請求項6の発明は、複数の超音波振動子
と、各超音波振動子が受信したエコー信号を増幅する複
数の受信回路と、を備えた水中探知装置において、各受
信回路のフロントエンドにテスト信号を供給するテスト
信号供給手段と、前記テスト信号の入力に対応した各受
信回路の出力信号のレベルまたは位相を記憶する記憶手
段と、前記超音波振動子から入力されたエコー信号に対
応した各受信回路の出力信号のレベルまたは位相を前記
記憶手段に記憶されている各受信回路の出力信号のレベ
ルまたは位相のばらつきをキャンセルするような補正係
数で補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】この発明では、この各チャンネルの出力信
号のレベル、位相に関する情報を記憶しておき、通常の
動作すなわちエコー信号を受信して増幅しこの信号によ
って受波ビームを形成する動作において、各受信回路か
ら出力された信号に対して上記出力信号のレベル、位相
のバラツキをキャンセルするような係数を乗算する。こ
れにより、各受信回路の性能のバラツキをキャンセル
し、ゲインや位相が完全にそろった理想的な受信回路で
処理したのと同様になり、ビーム形成の精度を向上する
ことができる。なお、記憶手段に記憶する内容は、レベ
ル、位相そのもの(絶対値または相対値)であってもよ
く、バラツキをキャンセルするための補正係数そのもの
を記憶しておいてもよい。このようにこの発明では、各
受信回路の性能のバラツキをキャンセルしてゲインまた
は位相を何らかの点に揃えるが、どこに揃えるかは自由
である。たとえば、各チャンネルのゲイン、位相の平均
値に揃えるようにすればよい。
【0018】請求項7の発明は、請求項1〜6の発明に
おいて、テスト信号供給手段は、受信回路と超音波振動
子との接続を切断せずに、受信回路のフロントエンドに
テスト信号を供給することを特徴とする。
【0019】この発明では、超音波振動子との接続を切
断せずにテスト信号を供給する。これにより、超音波振
動子との接続が正常であれば、テスト信号の一部は超音
波振動子にも供給されるため、これによって受信回路に
入力される信号レベルが若干変動する。この信号レベル
の変動は、回路構成により低下するか上昇するかが決ま
る。例えば、超音波振動子が短絡していれば信号レベル
が低下し、超音波振動子との接続が切れていれば信号レ
ベルは上昇する。この場合、レベルまたは位相の異常が
受信回路に起因するものであるか超音波振動子に起因す
るものであるかはすぐに分からないが、受信回路を交換
することで異常箇所を特定することができる。一般的な
ソナー装置の場合、受信回路は船内の船底部に設置さ
れ、スロットで差し換え可能であるため、交換は容易で
ある。これにより、多チャンネルの受信回路および超音
波振動子のどれが異常であるかを容易に突き止めること
ができ、メンテナンスの効率を向上させることができ
る。
【0020】請求項8の発明は、複数チャンネルの超音
波振動子と、該複数チャンネルの超音波振動子に対して
個別に設けられ、送信信号を生成して前記超音波振動子
に入力する複数の送信回路と、前記複数チャンネルの超
音波振動子に対して個別に設けられ、対応するチャンネ
ルの超音波振動子から入力されたエコー信号を増幅して
出力する複数の受信回路と、テストを行うチャンネルに
おいて、送信回路に送信信号を生成させるとともに前記
超音波振動子から前記受信回路への信号の入力を制限
し、このときに前記受信回路から出力される信号をモニ
タする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】請求項9の発明は、複数チャンネルの超音
波振動子と、該複数チャンネルの超音波振動子に対して
個別に設けられ、送信信号を生成して前記超音波振動子
に入力する複数の送信回路と、前記複数チャンネルの超
音波振動子に対して個別に設けられ、対応するチャンネ
ルの超音波振動子から入力されたエコー信号を増幅して
出力する複数の受信回路と、を備えた水中探知装置のテ
スト方法であって、テストを行うチャンネルにおいて、
送信回路に送信信号を生成させるとともに前記超音波振
動子から前記受信回路への信号の入力を制限し、このと
きに前記受信回路から出力される信号をモニタすること
を特徴とする。
【0022】送信回路が送信信号を形成しているときの
受信回路の出力をモニタする。送信回路が送信信号を形
成すると、その信号は超音波振動子に入力される。受信
回路は、送信信号が超音波振動子に入力されているとき
は、回路を保護するため入力ゲインを0に絞ってこの信
号を入力しないようにしている。しかし、スキャニング
ソナーなどの水中探知装置では、送信回路と受信回路は
直近に設置されているため、若干の静電結合が生じてお
り、受信回路が入力ゲインを小となるように絞っていて
も、送信回路が形成した送信信号が受信回路に漏れ信号
として入力される。上記発明では、この漏れ信号を利用
し、送信回路が送信信号を形成しているときの受信回路
の出力のレベルや位相をモニタすることで、送信回路が
正常に機能しているか、および、受信回路が正常に機能
しているかをテストすることができる。なお、このテス
トは1チャンネルずつ行えばよいが、相互に影響しない
複数のチャンネルで同時に実行すれば効率的である。
【0023】請求項10の発明は、複数チャンネルの超
音波振動子と、該複数チャンネルの超音波振動子に対し
て個別に設けられ、送信信号を生成して前記超音波振動
子に入力する複数の送信回路と、前記複数チャンネルの
超音波振動子に対して個別に設けられ、対応するチャン
ネルの超音波振動子から入力されたエコー信号を増幅し
て出力する複数の受信回路と、テストを行うチャンネル
の送信回路に送信信号を生成させて該チャンネルの超音
波振動子にこの送信信号を入力し、前記テストを行うチ
ャンネル以外のチャンネルで受信したエコー信号をモニ
タする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】請求項11の発明は、複数チャンネルの超
音波振動子と、該複数チャンネルの超音波振動子に対し
て個別に設けられ、送信信号を生成して前記超音波振動
子に入力する複数の送信回路と、前記複数チャンネルの
超音波振動子に対して個別に設けられ、対応するチャン
ネルの超音波振動子から入力されたエコー信号を増幅し
て出力する複数の受信回路と、を備えた水中探知装置の
テスト方法であって、テストを行うチャンネルの送信回
路に送信信号を生成させて該チャンネルの超音波振動子
にこの送信信号を入力し、前記テストを行うチャンネル
以外のチャンネルで受信したエコー信号をモニタするこ
とを特徴とする。
【0025】超音波振動子が正常に動作しているかのテ
ストは、その超音波振動子に送信信号を印加して、これ
によってこの超音波振動子が振動するか(超音波信号を
出力するか)をチェックする。この発明は、このテスト
を自動的に行うため、テストを行うチャンネルの超音波
振動子に送信信号(超音波信号)を入力し、他の超音波
振動子でこの信号の反射エコーを受信する。これによ
り、テストを行うチャンネルの受信回路以下の回路部の
影響を受けることなく、当該チャンネルの超音波振動子
(または送信回路)が正常であるか否かを検出すること
ができる。テストを行うチャンネル以外の受信回路で受
信することによって、テストを行うチャンネルの超音波
振動子の正常/異常をテストするが、複数のチャンネル
の受信回路で受信することにより、各受信回路の性能の
バラツキに影響されることなく客観的に超音波振動子の
テストを行うことができる。
【0026】請求項12の発明は、複数チャンネルの超
音波振動子と、該複数チャンネルの超音波振動子に対し
て個別に設けられ、送信信号を生成して前記超音波振動
子に入力する複数の送信回路と、前記複数チャンネルの
超音波振動子に対して個別に設けられ、対応するチャン
ネルの超音波振動子から入力されたエコー信号を増幅し
て出力する複数の受信回路と、テストを行うチャンネル
において、送信回路に送信信号を生成させて該チャンネ
ルの超音波振動子に入力し、その後、送信信号を停止さ
せた直後の超音波振動子から受信回路に入力される信号
を一定時間モニタする制御手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0027】請求項13の発明は、複数チャンネルの超
音波振動子と、該複数チャンネルの超音波振動子に対し
て個別に設けられ、送信信号を生成して前記超音波振動
子に入力する複数の送信回路と、前記複数チャンネルの
超音波振動子に対して個別に設けられ、対応するチャン
ネルの超音波振動子から入力されたエコー信号を増幅し
て出力する複数の受信回路と、を備えた水中探知装置の
テスト方法であって、テストを行うチャンネルにおい
て、送信回路に送信信号を生成させて該チャンネルの超
音波振動子に入力し、その後、送信信号を停止させた直
後の超音波振動子から受信回路に入力される信号を一定
時間モニタすることを特徴とする。
【0028】上記の発明は、送信信号を印加して励振し
た超音波振動子において、送信信号が終了したときの動
作をチェックすることにより、超音波振動子が正常であ
るかをテストするものである。すなわち、超音波信号
(励振パルス)が印加された超音波振動子は、この超音
波信号が停止したとき即座に振動を停止せず、減衰振動
をして停止する。また、水中探知装置の超音波振動子は
ケースに収められているため、超音波振動子が送出した
超音波信号はそのケースで反射し、その反射エコーが送
出直後の同じ超音波振動子で受信される。上記の減衰信
号を尾引き信号といい、ケースの反射波を受信したもの
をケース反射信号という。
【0029】送信信号を印加した直後の超音波振動子の
振動をそのチャンネルの受信回路からモニタし、上記尾
引き信号、ケース反射信号の両方が正常なレベルで(受
信回路に)入力されている場合は、このチャンネルの超
音波振動子および送信回路は正常であると推定すること
ができる。一方、尾引き信号のレベルが小さい場合や殆
どない場合には送信回路が不調であると推定することが
できる。また、ケース反射信号がない場合には、超音波
振動子と送信回路が正常に接続されておらず、超音波振
動子に送信信号が印加されていない(超音波振動子が振
動していない)と推定することができる。これは、超音
波振動子に超音波が印加されていない場合であっても送
信回路と受信回路との静電結合による漏れ信号がこの尾
引き信号のような減衰振動であらわれ、実際の尾引き信
号がない場合には、この漏れ信号が受信波形として現れ
るからである。
【0030】請求項14の発明は、請求項8、10、1
2の発明において、前記制御手段は、前記複数チャンネ
ルについて前記テストを行うことを特徴とする。請求項
15の発明は、請求項14の発明において、前記制御手
段は、前記複数チャンネルについてのテスト結果を一覧
表示することを特徴とする。
【0031】請求項16の発明は、請求項8、10、1
2、14、15の発明において、前記制御手段は、前記
テスト結果に基づいて、そのテスト対象となったチャン
ネルの正常/異常を判定(推定)し、その判定(推定)
結果を表示することを特徴とする。請求項17の発明
は、請求項9、11、13の発明において、前記テスト
結果に基づいて、そのテスト対象となったチャンネルの
正常/異常を判定(推定)し、その判定(推定)結果を
表示することを特徴とする。
【0032】上記発明では、テスト結果に基づいてテス
トしたチャンネル(送信回路、超音波振動子、受信回路
など)が正常に動作しているか否かを判定し、この判定
結果を表示や音声などで出力するようにした。これによ
って、故障箇所を突き止めて修理しようとする保守係員
の対応が容易になる。なお、この発明における判定は、
対象となる素子、回路部が正常/異常と断定するもので
はなく、あくまでその蓋然性が高いという判断であり、
その後、保守係員がその素子、回路部に直接あたって正
確な故障箇所を突き止めるようにすればよい。
【0033】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施形態
であるソナー装置の概略構成図である。同図(A)に示
すように、多数の超音波振動子からなるトランスデュー
サ1は、船舶の船底に設けられており、送受信部2は、
トランスデューサ1に隣接した船室内に設けられてい
る。トランスデューサ1と送受信部2とは、前記超音波
振動子の数(チャンネル数)分のケーブルで接続されて
いる。送受信部2は、トランスデューサ1に超音波パル
ス信号を供給するとともに、トランスデューサ1が受信
したエコー信号を取り込んでAD変換する。AD変換さ
れたエコー信号は、デジタル信号線を介してブリッジに
設置されている演算処理部3に入力される。ブリッジに
は、演算処理部3のほか演算処理部3が映像化したエコ
ー映像などを表示するための表示部4が設置されてい
る。なお、ブリッジには、このソナー装置のほか、他の
航海用操作部および航海用計器類が設置されている。
【0034】なお、トランスデューサ1は、スキャニン
グソナーの場合、図2(A)に示すような、超音波振動
子を円筒形状に配列したものであり、同一のトランスデ
ューサが超音波パルスの送信用およびエコー信号受信用
に兼用される。また、海底探査ソナーの場合は、図2
(B)に示すように、超音波振動子を半円筒形状(蒲鉾
形)に配列した送信用トランスデューサ1aと受信用ト
ランスデューサ1bがT字形に直交するように配置され
ている。これらのトランスデューサの形状は一例であ
り、本願発明が適用されるソナー装置のトランスデュー
サの形状はこれに限定されない。
【0035】図1(B)において、送受信部2は送信回
路部10、受信回路部11、ADコンバータ12、テス
ト信号発生部13を備えている。送信回路部10は定期
的にトランスデューサ1(送信用トランスデューサ1
a)に超音波パルス信号を印加する。各超音波振動子に
印加される超音波パルス信号は、トランスデューサ1か
ら海中に送出される超音波信号がビームを形成するよう
に位相(またはタイミング)が制御されている。トラン
スデューサ1から送出された超音波パルスビームは、物
標または海底で反射し、その反射エコー信号がトランス
デューサ1(受信用トランスデューサ1b)で受信され
る。トランスデューサ1が受信したエコー信号は受信回
路部11に入力される。受信回路部11は、このエコー
信号を増幅するとともに、帯域外のノイズを除去してA
Dコンバータ12に入力する。ADコンバータ12は、
この信号を8〜16ビットのデジタルデータに変換して
演算処理部3に出力する。
【0036】演算処理部3は、制御部15、移相部16
およびビーム形成部17を備えている。制御部15は、
このソナー装置全体を制御するコンピュータで構成され
ており、CPUのほか、ROM、RAM、HDDなどの
記憶手段を有している。送受信部2のADコンバータ1
2から入力されたデジタルデータ化されたエコー信号は
移相部16で位相変換される。この移相部16は、異な
るタイミングでAD変換されたエコー信号を同タイミン
グの信号として処理できるように位相変換するととも
に、受信回路部11のゲイン、位相のバラツキを補正す
る。ゲイン、位相のバラツキの補正については後述す
る。
【0037】移相部16で移相されたエコー信号はビー
ム形成部17でマッチドデータと乗算され、所定方向へ
のビーム信号に変換される。このビーム信号が表示部4
に入力され映像化されてディスプレイに表示される。な
お、処理されるエコー信号はデジタルデータであるため
移相部16およびビーム形成部17は、単一または複数
のDSPで構成することができる。
【0038】上述したように、受信回路部11は、トラ
ンスデューサ1の超音波振動子の数と同数の受信回路を
有している。1つの超音波振動子と受信回路の組み合わ
せをチャンネルという。これら複数のチャンネルのうち
数個程度が故障した場合でも、ビーム性能が低下したビ
ームが形成され、ソナー映像からビーム性能の低下を発
見することは困難であるため、数個程度のチャンネルに
不具合があってもそれを発見することは難しく、どのチ
ャンネルが異常であるかを特定することは極めて困難で
ある。そこで、このソナー装置では、各チャンネルの受
信回路に同一のテスト信号を入力し、この信号がどのよ
うに処理されて演算処理部3に入力されるかを各チャン
ネル別に個別にモニタすることによって、各チャンネル
の受信回路および超音波振動子の状態を判定する。
【0039】このため、このソナー装置は、送受信部2
にテスト信号発生部13を備えている。テスト信号発生
部13は、受信回路部11の各チャンネルの受信回路の
フロントエンドにテスト信号を印加する回路部である。
テスト信号の周波数は、送信回路部10が発生するパル
ス信号の周波数(キャリア周波数)である。テスト信号
のレベルは、トランスデューサ1が受信するエコー信号
の平均的なレベルとする。
【0040】このテスト信号が入力されると、各チャン
ネルの受信回路は、これを増幅およびフィルタリングし
てADコンバータ12に入力する。この増幅回路および
フィルタ回路の性能のバラツキにより、ADコンバータ
12に入力されデジタルデータ化されて演算処理部3に
入力される各チャンネルの信号は、各受信回路のゲイン
および位相特性のバラツキによりレベルおよび位相にバ
ラツキが生じる。
【0041】演算処理部3では、この信号は制御部15
に入力される。この信号はADコンバータ12から直接
制御部15に入力されるようにしてもよく、移相部16
を介して制御部15に入力されるようにしてもよい。こ
の場合、移相部16は移相処理を行わずに信号を出力す
る。制御部15は各信号の位相をそろえレベルを算出し
て、これを図5のように映像化して表示部4に出力す
る。同時に、制御部15が内部に有する記憶手段15a
にこのレベルのバラツキおよび位相のバラツキを記憶す
る。利用者は、この表示を見て、異常なチャンネルを発
見することができ、そのチャンネルの受信回路または超
音波振動子を修理または交換することができる。
【0042】また、超音波パルスビームを送波しその反
射エコーを受信する通常動作時に、送受信部2から入力
された各チャンネルの反射エコー信号(ADコンバータ
12でデジタル化されたデジタルデータ)に対し、移相
部16において、上記各チャンネルのレベル、位相のバ
ラツキをキャンセルするような補正係数処理をする。こ
れによって、各チャンネル間のバラツキを無くしビーム
形成の精度を向上することができる。
【0043】このテスト動作は、いつ行ってもよいが、
製造時、船舶への取付時に行うとともに、運用中に定期
的に行うようにすればよい。また、船室の室温などを監
視し、変化があったときに補正係数を更新するために行
うようにしてもよい。
【0044】図3はこの発明を海底探査ソナーに適用し
た場合の送受信部2の詳細なブロック図である。この図
において図1(B)と同一構成の部分は同一番号を付
す。この海底探査ソナーは、図2(B)のような送信・
受信別々のトランスデューサ1a,1bを備えるが、送
信トランスデューサ1a、受信トランスデューサ1bは
ともに、複数の超音波振動子を1列に配列した超音波振
動子アレイからなっている。送信トランスデューサ1a
は、振動子の配列方向が船首,船尾方向になるように船
底に設置され、受信トランスデューサ1bは、振動子の
配列方向が船側方向になるように船底に設置される。
【0045】送受信部2の送信回路10は、送信トラン
スデューサ1aの各エレメントに対してパルス信号を印
加する。送信トランスデューサ1aの各エレメントは、
このパルス信号によって駆動され、超音波信号を海中に
送出する。送信回路10は、320kHzの信号を発振
する発振器を内蔵しており、送波ビームが船体の真下に
扇形に形成されるように各エレメント毎にタイミングを
制御してパルス信号を印加する。このようにして形成さ
れる送波ビームは、前後1.5°、左右150°程度の
扇形である。各エレメントに入力されるパルス信号のパ
ルス幅は、320kHzで10波〜50波程度である。
このように真下にビームが形成されるため、船が動いて
いても殆どドップラ効果の影響がなく、海底からの反射
エコーは送信時と同じ320kHzのバースト波とな
る。
【0046】受信トランスデューサ1bは、160個の
エレメントを円周上に配置した円筒形状になっている。
この受信トランスデューサ1bに接続されている送受信
部2および演算処理部3は、各エレメントが受信した反
射エコーをサンプリングし、マッチドフィルタでリファ
レンスと比較することによって、前後20°、左右1.
5°程度の受波ビームを形成する。この受波ビームを高
速に右から左にスキャンさせ、このスキャンを1回のパ
ルス送信に対して何度も繰り返して行うことにより海底
探査を行う。受信トランスデューサ1bは、半径125
mmの円筒形状であり、1.5°間隔で160個の超音
波振動子エレメントが配列されているため、中心角23
8.5°で円筒の一部が切り欠かれた形状になってい
る。
【0047】受信トランスデューサ1bの各エレメント
が受信した信号は、対応する受信チャンネルの信号とし
て送受信部2に入力される。送受信部2では、各チャン
ネル別にプリアンプ113で増幅され、フィルタ114
でろ波され、TVGアンプ115で増幅される。フィル
タ114は、送信トランスデューサ1aから送信された
超音波ビームの周波数(320kHz)付近の周波数以
外を除去するバンドパスフィルタである。上述したよう
に反射エコー信号はほぼ320kHzの狭帯域の信号で
あり、このバンドパスフィルタにより、帯域外の超音波
機器の信号や帯域外シーノイズ等のノイズが除去され
る。
【0048】TVGアンプ115は、時間可変ゲインア
ンプであり、送信トランスデューサ1aがバースト波を
発射したのち時間が経過するとともにゲインを上昇させ
てゆくアンプである。これはバースト波を発射してから
時間が経過するとともに遠くで反射し、伝搬距離が長く
信号レベルの小さい反射エコーを受信する必要があるた
め、これに対応してゲインを高くしてゆくものである。
TVGアンプ115の後段にはこのTVGアンプ115
のノイズを除去するための簡略なフィルタ116が介挿
入されている。こののち、マルチプレクサ117によ
り、160チャンネルの信号が10チャンネルに時分割
多重化される。第k(=0〜9)マルチプレクサには、
10n(=0〜15)+kの信号が入力される。すなわ
ち、第0マルチプレクサにはチャンネル0,10,2
0,…140,150の信号が入力され、第1マルチプ
レクサにはチャンネル1,11,21,…141,15
1の信号が入力され、…、第9マルチプレクサにはチャ
ンネル9,19,29,…149,159の信号が入力
される。第0〜第9マルチプレクサは、同期して全て同
じタイミングに入力信号の選択nを順次切り換えてゆ
く。
【0049】10チャンネルに多重化された反射エコー
信号は、再度TVGアンプ118で増幅される。一般的
なTVGアンプはゲイン制御範囲が40dB程度であ
り、広い範囲の海底探査を行おうとすれば40dB以上
のTVG範囲を必要とするため、このようにTVGアン
プを2段にしている。TVGアンプを2つともマルチプ
レクサの後段に配置しても過度応答特性を間に合わせる
ことができなくはないが、マルチプレクサ以降は広帯域
にする必要があり初段のTVGアンプで発生するノイズ
が問題になるため、初段のTVGアンプはマルチプレク
サの前段に各チャンネルごとに設け、アンプノイズを制
限する簡易なフィルタ116を介してマルチプレクサ1
17に接続するようにしている。
【0050】TVGアンプ118で増幅された信号は、
ADコンバータ12によってサンプリングされデジタル
サンプリングデータに変換される。ADコンバータ12
のサンプリングタイミングおよびマルチプレクサ117
の切換タイミングは、前記送信回路の発振器が発振する
信号に基づいて作成される。すなわち、送信パルス(反
射エコー信号)の周波数と、マルチプレクサ切換タイミ
ングおよびサンプリングタイミングとは完全に同期して
いる。
【0051】後段の演算処理部3では、反射エコー信号
を複素データとして処理するため、サンプリングにおい
て複素データ化しておくことが望ましい。しかし、実数
値信号にcos信号、sin信号をミキシングして実部
I、虚部Qの信号に分離し、別々にサンプリングするこ
とは、回路構成が複雑化するとともに、位相ずれなどに
よる測定誤差を招く原因になる。
【0052】そこで、この装置では、受信した反射エコ
ー信号の周波数が安定しており、サンプリングクロック
がこれに完全に同期していることを利用し、90°の位
相差で2回サンプリングすることによって一方を実部
(In−phase)のデータとし、他方を虚部(Qu
adrature)のデータとして用いることにより、
複素サンプリングデータを生成するようにしている。さ
らに、この装置では、反射エコー信号を90°の位相差
で4回(0°、90°、180°、270°)サンプリ
ングし、0°サンプリングデータと180°サンプリン
グデータを組み合わせ、且つ、90°サンプリングデー
タと270°サンプリングデータを組み合わせることに
よって反射エコー信号のDCバイアス成分を除去するよ
うにしている。
【0053】また、上記のように160チャンネルを時
分割で10系統に多重化しているため、各系統は、16
のチャンネルを担当することになる。各系統では、反射
エコーの周波数320kHzの1λ(1周期)に4チャ
ンネルの信号をサンプリングし、4λで16チャンネル
の信号をサンプリングするようにしている。
【0054】各チャンネルのサンプリングデータは平均
処理回路120に入力される。平均処理回路120は、
各チャンネル毎に、0°サンプリングデータと180°
サンプリングデータ、および、90°サンプリングデー
タと270°サンプリングデータの対で平均処理を行
う。送信周波数(反射エコー周波数)と同じクロックで
タイミングを設定されたサンプリングデータであるた
め、0°サンプリングデータと180°サンプリングデ
ータ、および、90°サンプリングデータと270°サ
ンプリングデータは、それぞれ殆ど同じ振幅レベルで極
性が異なるの値になっているはずである。したがって、
(0°サンプリングデータ−180°サンプリングデー
タ)/2の平均処理を行うことにより、DCオフセット
成分をキャンセルした0°サンプリングデータ(実部デ
ータR)を算出することができる。なお、DCオフセッ
ト成分は、正負非対称でのAC結合やADコンバータの
オフセット誤差によって発生するものである。また、9
0°サンプリングデータと270°サンプリングデータ
についても、(90°サンプリングデータ−270°サ
ンプリングデータ)/2の平均処理を行うことにより、
DCオフセット成分をキャンセルした90°サンプリン
グデータ(虚部データI)を算出することができる。こ
の信号処理の詳細は、本出願人の先行出願(特願200
0−223734)に詳細に記載されている。
【0055】これら実部データRと虚部データIを複素
サンプリングデータとして出力する。この複素サンプリ
ングデータは、光ファイバ等で結合された高速リンクに
より船室の演算処理部3に伝送される。
【0056】この海底探査ソナー装置において、テスト
モード時には、プリアンプ113の入力部にテスト信号
が供給され、この信号がプリアンプ113−フィルタ1
14−TVGアンプ115−フィルタ116−マルチプ
レクサ117−TVGアンプ118によって処理されて
出力される。テスト信号は320kHzの連続波(正弦
波でも矩形波でもよい)で、制御部121からのクロッ
クで生成され、マルチプレクサ117の切り換えタイミ
ングと同期関係にある。この出力信号をADコンバータ
12でデジタルデータに変換して演算処理部3に入力す
る。このとき、平均処理部120は処理を行わず、入力
されたデジタルデータをそのまま出力するように設定し
ておけばよい。なお、160チャンネルの信号はマルチ
プレクサ117によって10チャンネルに時分割多重化
されているため、テスト信号発生部13によるテスト信
号の供給を各時分割スロット毎に16回行うことによっ
て1回のテストサイクルが終了する。
【0057】また、TVGアンプ115、118の性能
をテストする場合には、システムと信号の供給を繰り返
し行い、その出力信号の時間変化を監視するようにすれ
ばよい。
【0058】図4は、上記ソナー装置の動作を示すフロ
ーチャートである。同図(A)はテスト時の動作を示す
フローチャートである。この動作は、演算処理部3にお
いて、テストモードが設定されたとき実行される。この
テストモード動作は、操作者のマニュアル操作により、
または、自動的に(定期的に)実行される。テストモー
ドが設定されると、テスト信号発生部13を動作させて
テスト信号を発生する(s1)。この信号は受信回路部
11の各チャンネルの受信回路のフロントエンドに入力
される。各受信回路のゲインを所定の値に設定する。こ
のゲインは全チャンネル同じ値にする。なお、受信回路
のゲイン調整機能のないソナー装置ではこの工程を省略
する。そして各チャンネルの受信回路から出力された信
号をADコンバータ12でAD変換して演算処理部3に
入力する。ADコンバータ12は、入力されたアナログ
信号を複素数データ(実数データI,虚数データQ)に
変換する。ここで、一般的なソナー装置ではチャンネル
数が100以上になるため、全てのチャンネルを同時に
AD変換することは困難である。すなわち、それほど多
チャンネルのADコンバータを備えることは困難であ
る。このため、全チャンネルを複数のグループに分割
し、グループ毎にAD変換するようにしている。このた
め、各グループ間でAD変換(サンプリング)タイミン
グのずれ、すなわち位相ずれが発生する。そこで、全チ
ャンネルの信号をAD変換したのち、各チャンネルの位
相を揃えるべく位相シフトをする(s4)。この位相シ
フトは上記AD変換(サンプリング)タイミングのずれ
をキャンセルすることのみ行い、全チャンネルから出力
された信号の位相を揃えることはしない。そしてこのサ
ンプリングタイミングのずれをキャンセルされた各チャ
ンネルの複素数データの位相θおよびレベルaを求めて
(s5)、記憶手段に記憶する(s6)とともに、表示
部4に表示する。位相角θはtan-1(Q/I)で求め
られ、レベルaは√(I2 +Q2 )で求められる。
【0059】上記テスト動作のテスト結果として検出さ
れた各受信回路のレベルおよび位相角の表示例を図5に
示す。この図は、後述する海底探査ソナーの受信回路の
テスト結果の例を示すものである。この海底探査ソナー
は160チャンネル(チャンネル0〜チャンネル15
9)を有している。キャリア周波数320kHzであ
る。この表示は、レベル(振幅)、位相ととも全チャン
ネルの平均値からの偏差で示しているが、絶対値で表示
するようにしてもよい。この表示例によると、チャンネ
ル20、チャンネル49、チャンネル91のレベルが他
のチャンネルに比べて大きくなっている。これにより、
操作者は、チャンネル20、チャンネル49、チャンネ
ル91については、受信アンプのフロントエンドに入力
されるテスト信号に対してバイパスとして機能する超音
波振動子が外れている可能性、または、受信回路のゲイ
ンが高すぎる可能性があると判断することができる。ま
た、逆にレベルが極端に小さいチャンネルがあった場合
には、回路異常または超音波振動子のショートの可能性
があると判断することができる。
【0060】このような場合において、超音波振動子の
異常であるか回路の異常であるかを特定するためには、
アンプを差し換えて再度テストを行い、同じチャンネル
に同じ症状が出る場合には超音波振動子の異常であると
判断し、症状が無くなった場合には差し換える前の回路
の異常であると判断することができる。後述するよう
に、この表示例の受信アンプ群は5枚のボードで構成さ
れ、1枚のボード上には32チャンネル分の受信アンプ
が形成されているため、異常のあったチャンネルのボー
トを予備のボードに差し換えるか、または、ボードを互
いに入れ換えることによって、異常の原因が超音波振動
子側にあるのか受信アンプ側にあるのかを判定すること
ができる。
【0061】また、図4(B)は通常動作時の動作を示
すフローチャートである。まず送信回路を駆動して超音
波パルスビームをトランスデューサ1から送出する(s
10)。こののち、受信回路を駆動し、一定時間毎に受
信回路の信号をAD変換して演算処理部3に取り込む
(s11)。そして、取り込んだ信号に対して、上記レ
ベルと位相のバラツキをキャンセルするような補正係数
を掛けてデータを補正するとともに、サンプリングタイ
ミングのずれを補正する位相シフトの係数を掛ける(s
12,s13,s14)。このs12〜s14の処理
は、一括して行ってもよい。そして、この修正されたデ
ータをビーム形成部17に入力して受波ビームを形成す
る。この形成された受波ビームの映像を表示部4に出力
して表示させる。なお、補正係数は、記憶手段に記憶さ
れている各チャンネルのレベルおよび位相に基づいて算
出するが、予め算出し記憶手段に記憶しておいてもよ
い。
【0062】この表示は、スキャニングソナーや海底探
査装置の通常の表示であるが、各受信回路のレベルおよ
び位相のバラツキがキャンセルされているため、形成さ
れるビームのQが高くなり、サイドローブレベルが低下
しているため、鮮明な映像となる。
【0063】このように、この発明では、各チャンネル
にテスト信号を入力することによって、各チャンネルの
超音波振動子および受信回路の異常を1つのチャンネル
に特定して発見することできるため、修理および修理の
決断が容易である。また、異常とする程でなくても各チ
ャンネル間で性能のバラツキがあるため、受信した信号
に対してこのバラツキをキャンセルするような補正係数
を掛けてやることにより、全チャンネルに対して全く同
じ性能の受信回路を用いた場合と同じ精度でビーム形成
をすることができる。
【0064】図6は、上記ソナー装置の送受信部の詳細
なブロック図である。この送受信部は海底探査ソナーに
用いられるものであり、チャンネル数は160である。
送受信部2は、マザーボードに相当するバックプレーン
22と、このバックプレーン22に差し込まれた複数の
ボードからなっている。ボードとしては、送信ボード
(TX_BRD)20、5枚の受信ボード(RCV_B
RD)21、ADボード(AD_BRD)23、コント
ロールボード(TR_CNT)24である。送信ボード
(TX_BRD)20は送信ドライバ50を有し、これ
が図1の送信回路部10に相当する。
【0065】また、5枚の受信ボード21には、それぞ
れ32チャンネルの受信回路が形成されており、5枚で
160チャンネルとなる。1つの受信回路は、アナログ
スイッチ31、プリアンプ32、フィルタ33、TVG
アンプ34、フィルタ35を有しており、フィルタ35
の出力はマルチプレクサ36に入力される。プリアンプ
32は、水底部の超音波振動子と接続されており、アナ
ログスイッチ31は、テストモード時にプリアンプ31
のフロントエンドおよび超音波振動子にテスト信号ドラ
イバ43を接続する。したがって、テスト信号は受信回
路(プリアンプ32)とともに超音波振動子にも入力さ
れる。フィルタ33,35は、送信ボード20がトラン
スデューサに印加した超音波パルス信号の周波数(32
0kHz)付近の信号のみを透過させて他の周波数帯域
のノイズを除去するためのフィルタである。TVGアン
プ34は差動アンプ41の出力によって制御される可変
ゲインアンプであり、最大40dBのゲインで入力信号
を増幅することができる。なお、信号ドライバ43およ
びプルアップ抵抗45には3端子電源44から電圧が供
給されている。
【0066】1枚の受信ボード21の32チャンネルの
受信回路は16チャンネルずつ2系統に分割されてお
り、同じ系統にまとめられた16チャンネルの受信回路
は、1つのマルチプレクサ36に接続されている。マル
チプレクサ36は、マルチプレクサドライバ40から入
力される選択信号によって16チャンネルのうちの1チ
ャンネルを選択する。選択された信号は、後段のTVG
アンプ37、ローパスフィルタ38、ドライバ39を介
してADボード23のADコンバータ51に入力され
る。TVGアンプ37は、差動アンプ42の出力によっ
て設定されたゲインでこの信号を増幅する。ローパスフ
ィルタ38は、高周波数帯域の雑音を除去するためのも
のである。ドライバ39はADコンバータ51が変換で
きるレベルまで信号を増幅する。増幅された信号は、A
Dボード12のADコンバータ51に入力される。
【0067】1枚の受信ボード21の32チャンネルの
受信回路は2系統(2つのマルチプレクサ)にグループ
化されるため、5枚の受信ボードの160チャンネルの
受信回路は10系統にグループ化される。このため、A
Dボード23は、10個のADコンバータ51を並列に
有している。各ADコンバータ51には各マルチプレク
サ36(ドライバ39)から16チャンネル分の受信エ
コー信号が順次入力される。各マルチプレクサは、非同
期デジタル回路53から出力されるクロック信号に応じ
て切り換えられる。クロック信号はマクチプレクサドラ
イバ55、40を介してマルチプレクサに伝達される。
非同期デジタル回路53は、ADコンバータ51から入
力されるデータをクロック信号に同期してラッチし、こ
れを順次高速データリンク54に出力する回路である。
高速データリンク54はデジタル信号線を介して演算処
理部3に接続されている。
【0068】コントロールボード24は、非同期デジタ
ル回路60の制御により、送信パルス信号、TVGアン
プのゲイン制御信号、テスト信号およびアナログスイッ
チをオン/オフするための切換信号を出力する。送信パ
ルス信号は送信バッファ61を介して送信ドライバ50
に入力される。送信パルス信号の周波数は320kHz
である。ゲイン制御信号は、DA変換器62でデジタル
値から電圧レベル値に変換され差動アンプ63によって
差動出力に変換されたのち差動アンプ41および42に
伝送される。また、テスト信号は送信パルス信号と同じ
320kHzであるが、送信パルス信号(1ショット)
と異なり、連続パルス信号である。このテスト信号は、
テストモード時のみ出力され、バッファ64およびテス
トモードスイッチ65を介して受信ボード21のテスト
信号ドライバ43に入力される。テストモードスイッチ
65は2連スイッチであり、一方のスイッチは、オンし
たときバッファ64とテスト信号ドライバ43とを接続
し、他方のスイッチは、オンしたときアナログスイッチ
31をオンしてプリアンプ32、超音波振動子とテスト
信号ドライバ43とを接続する。
【0069】図7は、受信ボード21のテスト信号ドラ
イバ43、アナログスイッチ31付近の構成図である。
切換信号線は3端子電源44に接続されたプルアップ抵
抗45によってプルアップされており、図6に示すテス
トモードスイッチ65がオンされることによって、グラ
ンドレベルに落とされる。この信号はバッファ70−2
を介してアナログスイッチ31に伝達される。アナログ
スイッチ31は、切換信号がグランドレベル“L”に落
ちたときスイッチ回路をオンする。スイッチ回路の一端
には320kHzの連続パルス信号であるテスト信号が
バッファ70−1を介して入力されている。スイッチ回
路の他端は受信回路のフロントエンド(プリアンプ32
とトランスデューサとの接続点)に接続されている。な
お、このバッファ70−1,70−2はCMOSロジッ
ク回路で構成され、これが図6のテスト信号ドライバ4
3に相当する。ここにバッファを挿入することにより、
コントロールボード24とこの受信ボード21とをつな
ぐ信号線をハイインピーダンスにすることができる。
【0070】アナログスイッチ31がオンするとテスト
信号が受信回路のフロントエンドに供給される。超音波
振動子は320kHzの信号に対してほぼ250Ω程度
のインピーダンスを有し、プリアンプ32の入力インピ
ーダンスは500Ωであるため、信号は略1:2のレベ
ル比で超音波振動子とプリアンプに分流する。なお保護
回路は、超音波振動子が送信パルスを直接受信したと
き、その信号をプリアンプ32に入力しないようにバイ
パスする回路である。
【0071】図8は、1つのトランスデューサを送受信
に兼用するスキャニングソナーの受信回路のフロントエ
ンド付近の構成を示す図である。同図(A)はテスト信
号をアナログスイッチを介して供給する例である。同図
(B)はトランスを介してテスト信号を供給する例であ
る。供給されたテスト信号は、受信回路に入力されると
ともに、トラップを介してトランスデューサ(超音波振
動子)にも分流する。トラップの二次側が、正常にトラ
ンスデューサに接続されている場合、短絡している場
合、開放している場合でそれぞれ受信回路に入力される
テスト信号のレベルが変動する。これによって、トラン
スデューサ周りの異常を診断することができる。また、
受信回路が異常の場合には、当然に出力されてくる信号
が異常であるため、これによって受信回路の異常を診断
することができる。また、正常範囲であっても、各受信
回路間のレベル・位相のバラツキを検出し、これを補正
することができる。なお、同図(B)の回路において
は、テスト信号を供給するためのコイルがトラップコイ
ルとシリーズに接続されているため、超音波振動子が短
絡したとき受信回路に入力される信号レベルが大きくな
る。また、同図(B)の回路においてアナログスイッチ
を省略してもよい。
【0072】なお、この実施形態では、各受信回路に同
一のテスト信号を供給するようにしているが、各受信回
路に供給するテスト信号は全て同一でなくてもよく、各
受信回路毎に入力されたテスト信号と出力信号の相関を
するようにすればよい。また、受信回路から出力された
信号のレベルおよび位相を表示または記憶するようにし
ているが、レベルまたは位相の一方のみであってもよ
い。また、受信回路にテスト信号を供給するとき、受信
回路と超音波振動子とを切断して受信回路のみの正常・
異常を正確にテストするようにしてもよい。
【0073】上記、図4(A)のフローチャートおよび
図5の表示例において、テスト結果の出力レベルおよび
位相を基準値と比較して許容範囲から外れているか否か
を自動判定し、許容範囲から外れていて異常である思わ
れるチャンネルについては、表示態様を変えたり、アラ
ーム表示、アラーム音の発生などの処理をすることで、
装置にセルフテスト機能を持たせることができる。
【0074】≪第2実施形態≫図9以下の図面を参照し
て第2の実施形態について説明する。図9は第2の実施
形態に掛かるスキャニングソナーの概略構成を示す図で
ある。この図は、船底に設置される送受信部およびトラ
ンスデューサに設けられる超音波振動子73を1チャン
ネル分のみ示している。トランスデューサは、図2
(A)に示す円筒形状をしており、この実施形態では3
0×20の600個の超音波振動子からなり、したがっ
て、このスキャニングソナーは600チャンネルの送受
信部および超音波振動子を備えている。
【0075】送受信部は、CPU70、送信回路71、
トラップ72、受信回路74、アンプ75、A/Dコン
バータ76からなっている。CPU70は、ブリッジに
設置された指示部5からの指示に応じて送信回路71お
よびA/Dコンバータ76、アンプ75を制御する。通
常の探査動作時には、各送信回路71が発生して各超音
波振動子に入力する)送信パルス信号の位相または遅延
時間を制御することにより、全周方向に傘状の送波ビー
ムを送出し、こののち、A/Dコンバータ76およびア
ンプ75を制御して各受信回路74に入力された各超音
波振動子73が受信したエコー信号をディジタルデータ
に変換してブリッジの指示部5に送信する。指示部5は
各信号の位相または遅延時間を制御して合成することに
より、受波ビームを形成する。この受波ビームは垂直方
向に形成され、受信回路74の選択を順次切り換えてゆ
くことにより、この受波ビームが回転される。
【0076】なお、このスキャニングソナーは、船体が
揺動しても傘状の送波ビームを全周同じ角度で送出し、
且つ、受波ビームを垂直に形成して、水平に回転させる
ことができるスタビライズ機能を備えている。スタビラ
イズ機能とは、ビームの形成に使用する超音波振動子
を、配列の段や列に基づいて選択するのでなく、実際に
水平または垂直に並んでいる超音波振動子を列・段を越
えて船体の揺動角度に応じて位相合成することによっ
て、その揺動による送波ビーム、受波ビームの傾きをキ
ャンセルする機能である。この機能は、本出願人の先行
出願である特願2000−256193に詳細に開示さ
れている。
【0077】この機能を実現するため、送信回路71
は、トランスデューサ73の各超音波振動子にそれぞれ
個別に設けられており、各超音波振動子をそれぞれ独立
して駆動(励振)することができる。また、受信回路
も、垂直方向の受波ビームを形成し、この受波ビームを
水平方向に回転させるために各超音波振動子に個別に受
信回路が設けられている。
【0078】なお、上記通常の探査動作時においては、
送信回路71が超音波振動子73に送信パルス信号を入
力しているときおよびその直後は、受信回路74は入力
ゲインを0に絞ってトラップ72からの回り込み信号を
遮断するとともに、A/Dコンバータ76、アンプ75
はどの受信回路74の信号も選択しないようにされてい
る。
【0079】ところで、送信回路71および受信回路7
4は船底に設置される送受信部内において直近に設置さ
れる。このため、送信回路71が送信パルス信号を形成
・出力しているときは、受信回路74が入力ゲインを0
に絞ったとしても、静電結合などの原因による若干の漏
れ信号が受信回路74に入力される。したがって、受信
回路74は、送信回路71が送信パルス信号を形成して
いるときは、入力ゲインを絞っているにもかかわらず、
送信パルス信号の漏れ信号をアンプ自体のゲインで増幅
し、その増幅した信号を後段に出力している。
【0080】この実施形態のテストモードでは、この漏
れ信号を利用して送信回路71および受信回路74をテ
ストする。すなわち、テストを行う(1つの)チャンネ
ルの送信回路71に送信パルス信号を形成させ、この送
信回路71と同じチャンネルの受信回路74が出力する
漏れ信号の波形(レベル)をチェックすることにより、
このチャンネルの送信回路71および受信回路74が正
常に機能しているか否かをテストする。
【0081】テストを行うチャンネルの送信回路71が
送信パルス信号を形成して超音波振動子に出力している
期間の受信回路74の出力信号をアンプ75を介してA
/Dコンバータ76に入力し、ディジタルデータに変換
して指示部5に送る。指示部5は、ディスプレイを備え
ており、このディジタル変換された信号のレベルを判定
して色に変換して表示するとともに、このレベルに基づ
いて送信回路71、受信回路74の状態を判定する。
【0082】図10は、指示部5のディスプレイの表示
例を示す図である。この図では、600チャンネルを3
0列×20段の矩形で表示し、各矩形に表示される色が
そのチャンネルの受信回路7からの信号レベルに対応し
ている。このこの色分け表示は、レベルが高いほど濃い
色、低いほど薄い色が割り当てられ、32色で32dB
の範囲で表示が可能である。この色分け表示により、ユ
ーザは、各チャンネルの色の濃さによってそのチャンネ
ルの送信回路71または受信回路74の状態を判断する
ことができる。また、色の分布を見ることで、どのブロ
ックが不調であるかを判定することも可能である。
【0083】図11は、同スキャニングソナーの上記テ
ストモードの動作を示すフローチャートである。まず、
指示部5において、図10の画面を表示するための画像
メモリをクリアし(s20)、テストするチャンネルと
してチャンネル1を選択し、チャンネルナンバレジスタ
に1をセットする(s21)。そして、このテストする
チャンネルとして選択されたチャンネルの送信回路71
に送信パルス信号を生成するように指示するとともに
(s22)、この選択されたチャンネルの信号のみをA
/Dコンバータ76でディジタルデータに変換して指示
部5に送信する(s23)。
【0084】指示部5では、このディジタルデータの値
に基づいて信号レベルを検出し(s24)、この信号レ
ベルに対応する色を選択して(s25)、選択されたチ
ャンネルに対応する矩形をこの選択した色で塗りつぶす
(s26)。
【0085】以上の処理をチャンネル1から1つずつ順
次実行してゆき(s27)、最終チャンネル(チャンネ
ル600)について上記処理を終了したときは(s2
8)、このテストモードの動作を終了する。
【0086】上記フローチャートでは、チャンネル1〜
チャンネル600に対して順次テストを実行し、ディス
プレイにテスト結果を一覧表示するようにしているが、
係員が特定のチャンネルのみを指定してテストを行うよ
うにしてもよく、CPU70または指示部5が、稼働中
に異常と思われるチャンネルを発見したとき、そのチャ
ンネルのみについて上記テストを自動実行するようにし
てもよい。
【0087】また、指示部5が、各チャンネルの受信回
路74が出力した漏れ信号のレベルを各チャンネルのテ
スト結果として表示するのみでなく、その漏れ信号のレ
ベルに基づいて各チャンネルが正常であるか否かを判定
するようにしてもよい。すなわち、上記s23で取り込
んだ信号レベルを所定のしきい値と比較し、このしきい
値以下の場合にはそのチャンネルの送信回路71、受信
回路74のどこかに異常がある異常チャンネルであると
して、その旨を上記一覧の画面に表示したり音声で警告
するようにすればよい。
【0088】また、このスキャニングソナーは、送信回
路71からA/Dコンバータ76までを全てチャンネル
毎に独立した回路で構成してもよいが、送信回路や受信
回路をある程度多重化をしてもよい。図12は、受信回
路を多重化した例を示す図である。この回路では、受信
回路74からA/Dコンバータ76までの間にマルチプ
レクサを挿入してA/Dコンバータを時分割多重化して
使用するようにした例である。この構成は図3に示した
海底探査ソナーの送受信部の構成とほぼ同じであるため
詳細な説明は省略する。
【0089】このように、送信回路71から超音波振動
子73まで、および、超音波振動子から指示部5までの
チャンネル系統を多重化したソナー装置の場合、多重化
した箇所で異常が生じた場合、その多重化されているチ
ャンネルの全てに異常が発生する。したがって、上記指
示部5のディスプレイに表示される異常チャンネルが1
つでなく、複数チャンネルが異常チャンネルとなってい
た場合には、その複数チャンネルを多重化している箇所
の異常であると推定することが可能である。たとえば、
図12のマルチプレクサは、10チャンネル分を多重化
するものであるが、そのマルチプレクサで多重化される
チャンネル全てが異常チャンネルとなっている場合に
は、そのマルチプレクサに異常があるのではないかと推
定することが可能である。
【0090】また、この多重化部分の異常判定を指示部
5が自動実行・自動判定するようにしてもよい。すなわ
ち、チャンネル1〜チャンネル600までのテストを順
次実行し、異常チャンネルが複数発見されたとき、その
複数の異常チャンネルの組み合わせを判定し、その組み
合わせでチャンネルを多重化している箇所の異常である
と判定して警告表示や音声発生などのアラームするよう
にすればよい。
【0091】なお、上記フローチャートでは、1チャン
ネルずつテストを行うようにしているが、相互に漏れ信
号が伝わらない複数のチャンネルについて同時にテスト
を行うようにすれば全チャンネルをテストする場合でも
効率的である。
【0092】このように、この実施形態では、トラップ
72−超音波振動子73を経由せずに送信回路71から
受信回路74へ漏れる漏れ信号を用いたことにより、超
音波振動子73の良/不良とは無関係に送受信の回路系
統(特に送信回路)の状態をテストすることができる。
【0093】≪第3実施形態≫次に第3の実施形態で
は、1チャンネルの送信回路71で送信パルス信号を形
成して超音波振動子73に入力することにより、このチ
ャンネルの超音波振動子のみで超音波信号を送出させ、
この送信パルス信号の反射エコーを他の複数の超音波振
動子で受信してモニタすることにより、このチャンネル
の超音波振動子の正常/異常をテストする。この実施形
態のテストモードも第2の実施形態で開示したスキャニ
ングソナーで実行されるものである。
【0094】このテストモードにおいては、送信パルス
信号の送出は、1つの超音波振動子のみに送信パルス信
号を供給し、この1つの超音波振動子のみが超音波信号
を送出する。ただし、この送出した送信パルス信号(超
音波信号)の反射エコーの受信は、通常の探査動作と同
様に、垂直方向に形成された受波ビームを水平方向に回
転させて反射エコーを受信し、これをディスプレイ上に
展開して表示する。このように、1つの超音波振動子が
送出した超音波信号の反射エコーを他の複数の超音波振
動子で受信することにより、前記1つの超音波振動子が
正常であるか、すなわち正常に超音波信号を送出してい
るか否かをテストすることができる。
【0095】図13は、上記スキャニングソナーにおい
てこの第3の実施形態のテストモード処理を実行する場
合の動作を示すフローチャートである。同図(A)は自
動で全チャンネルをスキャンする場合の処理を示すフロ
ーチャートである。まず、テストするチャンネルとして
チャンネル1を選択し、チャンネルナンバレジスタに1
をセットする(s31)。そして、この選択されたチャ
ンネルの送信回路71に送信パルス信号を生成するよう
に指示する(s32)。このパルス信号の送信のち、全
チャンネルの受信回路74で反射エコーを受信して受波
ビームを形成し(s33)、これを回転させる。この動
作は通常の探査動作と同様である。そして受波ビームで
受信した反射エコーをディスプレイに映像として表示す
る(s34)。この処理をチャンネル1〜チャンネル6
00まで順次繰り返し実行し(s36)、全てのチャン
ネルについてテストを終えたとき(s35)、動作を終
了する。
【0096】上記フローチャートでは、チャンネル1〜
チャンネル600に対して順次テストを実行するように
しているが、係員が特定のチャンネルのみを指定してテ
ストを行うようにしてもよく、CPU70または指示部
5が、稼働中に異常と思われるチャンネルを発見したと
き、そのチャンネルのみについて上記テストを自動実行
するようにしてもよい。
【0097】このような特定チャンネルのみをテストす
る場合のフローチャートを同図(B)に示す。まず、係
員またはCPU70がテストするチャンネルを選択する
(s131)。そして、この選択されたチャンネルの送
信回路71に送信パルス信号を生成するように指示する
(s132)。このパルス信号の送信のち、全チャンネ
ルの受信回路74で反射エコーを受信して受波ビームを
形成し(s133)、これを回転させる。この動作は通
常の探査動作と同様である。そして受波ビームで受信し
た反射エコーをディスプレイに映像として表示する(s
134)。
【0098】また、指示部5が、テスト結果に基づいて
各チャンネルの超音波振動子73の正常/異常を自動判
定するようにしてもよいい。すなわち、上記s34また
はs134で表示する映像の内容を判定して超音波信号
が正常に輻射されているかを判定し、異常と判定した場
合にはその旨を画面に表示したり音声で警告するように
すればよい。
【0099】また、(テストするチャンネル以外のチャ
ンネルのみならずテストするチャンネルも含む)全チャ
ンネルで反射エコーを受信して画像を形成しているが、
テストを行うチャンネル以外の複数のチャンネルで反射
エコーを受信してその強度をチェックするようにしても
よい。
【0100】このように、この実施形態では、テストす
るチャンネルのみ送信パルス信号を出力し、それ以外の
チャンネルで反射エコーを受信するため、テストするチ
ャンネルの受信系統のバラツキの影響を受けることな
く、全てのチャンネルについて同じ基準で超音波振動子
のテストをすることができる。
【0101】≪第4実施形態≫次に、この発明の第4の
実施形態である、超音波振動子に送信パルス信号を印加
した直後の当該超音波振動子の出力波形に基づいて、超
音波振動子および送信回路の正常/異常をテストするテ
ストモードについて説明する。このテストモードも上記
第2、第3の実施形態で説明したスキャニングソナーに
おいて実行されるものである。
【0102】図14は、送信回路71に送信パルス信号
を形成させるゲート信号であるkp信号と超音波振動子
の振動波形とを対応付けた図である。送信回路71はゲ
ート信号kpが“H”に立ち上がったとき送信パルス信
号の形成を開始し、形成した送信パルス信号を超音波振
動子に印加する。この送信パルス信号によって超音波振
動子は励振され同図のように振動する。そして、kp信
号が“L”に落ちたとき送信回路71は送信パルス信号
の形成を停止するが超音波振動子は振動を即座に停止せ
ず、同図の80に示すように1ms程度の減衰振動のの
ち振動が0レベルとなる。この減衰振動部分の信号を尾
引き信号80という。そしてその直後に、この超音波振
動子は、ケースなどの極めて近接した箇所からの反射波
を受信して同図の81のようにやや強い振動をする。こ
の信号をケース反射信号81という。そしてこの後は、
近距離から遠距離の物標からの反射波(反射エコー)を
順次受信する。
【0103】スキャニングソナーでは、kp信号が
“H”で超音波振動子に送信パルス信号が印加されてい
るときの超音波振動子の振動は極めて大きいため、この
とき受信回路74はゲインを上げることができず、入力
ゲインを0にしてこの信号を入力しないようにしてい
る。しかし、そのkp信号が“L”に落とされた直後に
受信回路74の入力ゲインを若干あげると、超音波振動
子が正常であれば、上記の尾引き信号およびケース反射
信号を入力することができる。
【0104】そこで、このテストモードでは、テストす
るチャンネルの超音波振動子73に送信回路71からk
pの時間幅の送信パルス信号を印加し、この送信パルス
信号直後の超音波振動子73の振動、すなわち受信回路
74に入力される信号をモニタすることで、超音波振動
子73や送信回路71の状態をテストする。すなわち、
送信回路71および超音波振動子73の両方が正常であ
れば図14(B)に示す尾引き信号80およびケース反
射信号81を含む波形を観察(モニタ)することかでき
るが、送信回路のゲインが低すぎる場合には、図15に
示すような低い振幅の波形しか観察することができず、
これにより、送信回路71のゲインが低すぎると判定す
ることができる。また、送信回路71が殆ど機能してい
ない場合には、図16に示すような極めて低い振動波形
しか入力されず、これにより、送信回路71が機能して
いないと判定することができる。
【0105】また、図17のように尾引き信号80は検
出されるがケース反射信号81が検出されない場合に
は、この尾引き信号80は超音波振動子73の減衰振動
によるものではなく、送信回路71から受信回路74に
漏れた誘導信号であり、超音波振動子73は動作してい
ないと判断される。すなわち、送信回路71と受信回路
73とは電気的にある程度結合しており、相互誘導によ
り送信パルス信号の漏れ信号が伝達し、送信パルス信号
の停止後もこの漏れ信号が減衰しながら残留し、これが
波形に現れたものと考えられる。したがって、この場合
には、送信回路71と超音波振動子83の間の結線が断
線(またはショート)していると判定することができ
る。
【0106】なお、このテストモードにおいては、尾引
き信号も送信パルス信号が印加された直後の振動である
ためその振幅は極めて大きく飽和しやすいため、送信回
路71が発生する送信パルス信号の出力は小さく設定す
る。
【0107】図18、図20は、上記テストモードの動
作を実行する制御部の動作を示すフローチャートであ
る。まずテストモードのイニシャライズ処理を実行する
(s40)。この処理には、図10のような一覧表示を
行う画像メモリをクリアする動作も含まれている。そし
てチャンネル番号に1をセットする(s41)。そして
約2.5ms間kp信号を“H”にして送信回路71に
送信パルス信号の形成を行わせる(s42)。このkp
信号が“H”の時間だけ待機し(s43)、その直後の
受信回路73への入力信号をバッファする(s44)。
このバッファは、A/Dコンバータ76でディジタルデ
ータに変換された信号を受信した指示部5が行う。この
のち、この指示部5が、バッファした受信波形を検査し
てこのチャンネルの送信回路および超音波振動子が正常
であるか否かを判定する(s45)。そして、その判定
結果をディスプレイに表示する(s46)。このディス
プレイへの表示は、図10に示したように各チャンネル
を一覧表示し、表示色によって正常/送信回路異常/超
音波振動子異常などを表現するようにすればよい。
【0108】このテストモード動作をチャンネル1〜チ
ャンネル600の全てについて順次実行し(s48)、
すべてチャンネルのテストが完了すると(s47)、動
作を終了する。
【0109】図20は、上記45で実行される検査動作
を示すフローチャートである。バッファした受信波形を
形状を検査し、尾引き信号80が観察されるか否かを判
断する(s50)。もし尾引き信号が観察されない場合
には送信回路71が故障であると判定する(s51)。
尾引き信号が観察された場合には、そのレベルが正常値
の範囲であるか否かを判断する(s52)。レベルが正
常値の範囲よりも小さい場合には送信回路71が不調で
あると判定する(s53)。次にケース反射信号81が
観察されるか否かを判断する(s54)。ケース反射信
号が観察されない場合には、超音波振動子73と送信回
路71との結線が切断またはショートしていると判定す
る(s55)。上記全てのチェック項目に異常が無かっ
た場合には正常と判定する(s56)。以上の判定結果
を持って図18のs45にリターンする。
【0110】このテストモードでは、kp信号のパルス
幅を2.5msとしているが、これよりも長くしても短
くしてもよい。また、短いパルス〜長いパルスまで各種
のパルスを用いてテストをするようにしてもよい。ま
た、送信パルス信号の強度レベルを強弱各種用いてテス
トをするようにしてもよい。
【0111】また、上記テストモード処理動作では指示
部5が図20のフローチャートのように自動判定をして
いるが、バッファした波形をディスプレイに表示し、係
員がこれを見て判定するようにしてもよい。
【0112】上記フローチャートでは、チャンネル1〜
チャンネル600に対して順次テストを実行し、ディス
プレイにテスト結果を一覧表示するようにしているが、
係員が特定のチャンネルのみを指定してテストを行うよ
うにしてもよく、CPU70または指示部5が、稼働中
に異常と思われるチャンネルを発見したとき、そのチャ
ンネルのみについて上記テストを自動実行するようにし
てもよい。
【0113】なお、上記フローチャートでは、1チャン
ネルずつテストを行うようにしているが、相互に干渉し
ない複数のチャンネルについて同時にテストを行うよう
にすれば全チャンネルをテストする場合でも効率的であ
る。
【0114】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、多チャ
ンネルの送信回路、受信回路および超音波振動子を有す
る水中探知装置で、異常になっているチャンネルを容易
に発見することができ、そのチャンネルの受信回路、送
信回路、超音波振動子のどれが異常であるかを発見する
ことも容易である。
【0115】また、受信回路に異常がなくても各受信回
路はその性能にバラツキがあるが、この発明によれば、
これを補正して各受信回路が理想的に均一な性能である
ような信号を得ることができ、ビーム形成の精度が向上
する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるソナー装置の概略構
成図である。
【図2】スキャニングソナーおよび海底探査ソナーのト
ランスデューサの形状を示す図である。
【図3】この発明が適用された海底探査ソナーの送受信
部の詳細なブロック図である。
【図4】上記ソナー装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】上記ソナー装置のテスト結果表示例を示す図で
ある。
【図6】海底探査ソナーの送受信部の詳細なブロック図
である。
【図7】上記海底探査ソナーの受信回路付近のブロック
図である。
【図8】スキャニングソナーの受信回路付近のブロック
図である。
【図9】この発明の第2〜第4の実施形態が適用される
スキャニングソナーの概略ブロック図である。
【図10】同スキャニングソナーのテストモード時の表
示例を示す図である。
【図11】前記第2の実施形態のテストモード時の動作
を示すフローチャートである。
【図12】同スキャニングソナーの詳細ブロック図であ
る。
【図13】前記第3の実施形態のテストモード時の動作
を示すフローチャートである。
【図14】同スキャニングソナーの送信ゲート信号と超
音波振動子の振動波形とを示す図である。
【図15】送信回路が不調のときの送信ゲート信号と超
音波振動子の振動波形とを示す図である。
【図16】送信回路が動作していないときの送信ゲート
信号と超音波振動子の振動波形とを示す図である。
【図17】超音波振動子が接続されていないときの送信
ゲート信号と受信回路の入力波形とを示す図である。
【図18】前記第4の実施形態のテストモード時の動作
を示すフローチャートである。
【図19】前記テストモード時の波形判定処理動作を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…トランスデューサ 2…送受信部 3…演算処理部 4…表示部、 10…送信回路部 11…受信回路部 12…ADコンバータ 13…テスト信号発生部 15…制御部 16…移相部 17…ビーム形成部 20…送信ボード 21(21−1〜21−5)…受信ボード 22…バックプレーン 23…ADボード 24…コントロールボード 31…アナログスイッチ 32…プリアンプ 33…フィルタ 34…TVGアンプ 35…フィルタ 36…マルチプレクサ 37…TVGアンプ 38…ローパスフィルタ 39…ドライバ 40…マルチプレクサドライバ 41,42…差動アンプ 43…テスト信号ドライバ 44…3端子電源 45…プルアップ抵抗 50…送信ドライバ 51…ADコンバータ 53…コントーラ 54…高速データリンク 55…マルチプレクサドライバ 60…コントローラ 61…送信バッファ 62…DA変換器 63…差動アンプ 64…(テスト信号の)バッファ 65…テストモードスイッチ 113…プリアンプ 114…バンドパスフィルタ 115…TVGアンプ 116…バンドパスフィルタ 117…マルチプレクサ 118…TVGアンプ 119…ADコンバータ 120…平均化処理部 5…指示部、 70…CPU(送受信部の制御部)、 71…送信回路、 72…トラップ、 73…超音波振動子(トランスデューサ)、 74…受信回路、 75…アンプ、 76…A/Dコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 照幸 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 渡辺 光昭 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 佐藤 隆宣 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 森岡 泰隆 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 石原 真次 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 中野 孝一 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 Fターム(参考) 5J083 AA02 AB01 AB08 AD13 AF16 BC01 BC02 BE39 BE49 BE54 CA01 CA13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の超音波振動子と、各超音波振動子
    が受信したエコー信号を増幅する複数の受信回路と、を
    備えた水中探知装置において、 各受信回路のフロントエンドにテスト信号を供給するテ
    スト信号供給手段と、 前記テスト信号の入力に対応した各受信回路の出力信号
    のレベルまたは位相を表示する表示手段と、 を備えた水中探知装置。
  2. 【請求項2】 アレイ状に配列された複数の超音波振動
    子と、各超音波振動子が受信したエコー信号を増幅する
    複数の受信回路と、を備えた水中探知装置において、 各受信回路のフロントエンドにテスト信号を供給するテ
    スト信号供給手段と、 前記テスト信号の入力に対応した前記複数の受信回路の
    出力信号のレベルおよび位相を対応する超音波振動子の
    配列順に一覧表示する表示手段と、 を備えた水中探知装置。
  3. 【請求項3】 エコー信号を受信する複数の超音波振動
    子と、各超音波振動子が受信したエコー信号を増幅する
    アンプと、エコー信号の周波数帯域のみを通過させるフ
    ィルタと、各アンプおよびフィルタで処理された各超音
    波振動子のエコー信号をサンプリングしてデジタルデー
    タに変換するADコンバータと、を備え、デジタルデー
    タに変換されたエコー信号に基づいて受波ビームを形成
    する水中探知装置において、 各アンプのフロントエンドにテスト信号を供給するテス
    ト信号供給手段と、 前記テスト信号の入力に対応した前記ADコンバータの
    出力信号のレベルまたは位相を表示する表示手段と、 を備えた水中探知装置。
  4. 【請求項4】 エコー信号を受信する複数の超音波振動
    子と、各超音波振動子3が受信したエコー信号を増幅す
    るアンプと、エコー信号の周波数帯域のみを通過させる
    フィルタと、各アンプおよびフィルタで処理された各超
    音波振動子のエコー信号をサンプリングしてデジタルデ
    ータに変換するADコンバータと、を備え、デジタルデ
    ータに変換されたエコー信号に基づいて受波ビームを形
    成する水中探知装置において、 各アンプのフロントエンドにテスト信号を供給するテス
    ト信号供給手段と、 前記テスト信号の入力に対応した前記ADコンバータの
    出力信号のレベルまたは位相に基づき、前記アンプ、フ
    ィルタまたは超音波振動子の動作状態を判定する判定手
    段と、 を備えた水中探知装置。
  5. 【請求項5】 前記アンプおよびフィルタで処理された
    各超音波振動子のエコー信号を該超音波振動子の個数よ
    りも少ない系統に多重化するマルチプレクサを備えると
    ともに、前記ADコンバータをこの系統数のみ設け、 前記テスト信号供給手段は、マルチプレクサの切り換え
    に同期関係にあるテスト信号を供給する請求項3および
    請求項4に記載の水中探知装置。
  6. 【請求項6】 複数の超音波振動子と、各超音波振動子
    が受信したエコー信号を増幅する複数の受信回路と、を
    備えた水中探知装置において、 各受信回路のフロントエンドにテスト信号を供給するテ
    スト信号供給手段と、 前記テスト信号の入力に対応した各受信回路の出力信号
    のレベルまたは位相を記憶する記憶手段と、 前記超音波振動子から入力されたエコー信号に対応した
    各受信回路の出力信号のレベルまたは位相を、前記記憶
    手段に記憶されている各受信回路の出力信号のレベルま
    たは位相のばらつきをキャンセルするような補正係数で
    補正する補正手段と、 を備えた水中探知装置。
  7. 【請求項7】 テスト信号供給手段は、受信回路と超音
    波振動子との接続を切断せずに、受信回路のフロントエ
    ンドにテスト信号を供給する請求項1乃至請求項6のい
    ずれかに記載の水中探知装置。
  8. 【請求項8】 複数チャンネルの超音波振動子と、 該複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設けら
    れ、送信信号を生成して前記超音波振動子に入力する複
    数の送信回路と、 前記複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設け
    られ、対応するチャンネルの超音波振動子から入力され
    たエコー信号を増幅して出力する複数の受信回路と、 テストを行うチャンネルにおいて、送信回路に送信信号
    を生成させるとともに前記超音波振動子から前記受信回
    路への信号の入力を制限し、このときに前記受信回路か
    ら出力される信号をモニタする制御手段と、 を備えた水中探知装置。
  9. 【請求項9】 複数チャンネルの超音波振動子と、該複
    数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設けられ、
    送信信号を生成して前記超音波振動子に入力する複数の
    送信回路と、前記複数チャンネルの超音波振動子に対し
    て個別に設けられ、対応するチャンネルの超音波振動子
    から入力されたエコー信号を増幅して出力する複数の受
    信回路と、を備えた水中探知装置のテスト方法であっ
    て、 テストを行うチャンネルにおいて、送信回路に送信信号
    を生成させるとともに前記超音波振動子から前記受信回
    路への信号の入力を制限し、 このときに前記受信回路から出力される信号をモニタす
    ることを特徴とする水中探知装置のテスト方法。
  10. 【請求項10】 複数チャンネルの超音波振動子と、 該複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設けら
    れ、送信信号を生成して前記超音波振動子に入力する複
    数の送信回路と、 前記複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設け
    られ、対応するチャンネルの超音波振動子から入力され
    たエコー信号を増幅して出力する複数の受信回路と、 テストを行うチャンネルの送信回路に送信信号を生成さ
    せて該チャンネルの超音波振動子にこの送信信号を入力
    し、前記テストを行うチャンネル以外のチャンネルで受
    信したエコー信号をモニタする制御手段と、 を備えた水中探知装置。
  11. 【請求項11】 複数チャンネルの超音波振動子と、該
    複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設けら
    れ、送信信号を生成して前記超音波振動子に入力する複
    数の送信回路と、前記複数チャンネルの超音波振動子に
    対して個別に設けられ、対応するチャンネルの超音波振
    動子から入力されたエコー信号を増幅して出力する複数
    の受信回路と、を備えた水中探知装置のテスト方法であ
    って、 テストを行うチャンネルの送信回路に送信信号を生成さ
    せて該チャンネルの超音波振動子にこの送信信号を入力
    し、 前記テストを行うチャンネル以外のチャンネルで受信し
    たエコー信号をモニタすることを特徴とする水中探知装
    置のテスト方法。
  12. 【請求項12】 複数チャンネルの超音波振動子と、 該複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設けら
    れ、送信信号を生成して前記超音波振動子に入力する複
    数の送信回路と、 前記複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設け
    られ、対応するチャンネルの超音波振動子から入力され
    たエコー信号を増幅して出力する複数の受信回路と、 テストを行うチャンネルにおいて、送信回路に送信信号
    を生成させて該チャンネルの超音波振動子に入力し、そ
    の後、送信信号を停止させた直後の超音波振動子から受
    信回路に入力される信号を一定時間モニタする制御手段
    と、 を備えた水中探知装置。
  13. 【請求項13】 複数チャンネルの超音波振動子と、該
    複数チャンネルの超音波振動子に対して個別に設けら
    れ、送信信号を生成して前記超音波振動子に入力する複
    数の送信回路と、前記複数チャンネルの超音波振動子に
    対して個別に設けられ、対応するチャンネルの超音波振
    動子から入力されたエコー信号を増幅して出力する複数
    の受信回路と、を備えた水中探知装置のテスト方法であ
    って、 テストを行うチャンネルにおいて、送信回路に送信信号
    を生成させて該チャンネルの超音波振動子に入力し、 その後、送信信号を停止させた直後の超音波振動子から
    受信回路に入力される信号を一定時間モニタすることを
    特徴とする水中探知装置のテスト方法。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、前記複数チャンネル
    について前記テストを行う請求項8、請求項10または
    請求項12に記載の水中探知装置。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、前記複数チャンネル
    についてのテスト結果を一覧表示する請求項14に記載
    の水中探知装置。
  16. 【請求項16】 前記制御手段は、前記テスト結果に基
    づいて、そのテスト対象となったチャンネルの正常/異
    常を判定し、その判定結果を表示する請求項8、請求項
    10、請求項12、請求項14または請求項15のいず
    れかに記載の水中探査装置。
  17. 【請求項17】前記テスト結果に基づいて、そのテスト
    対象となったチャンネルの正常/異常を判定し、その判
    定結果を表示することを特徴とする請求項9、11、1
    3のいずれかに記載の水中探査装置のテスト方法。
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