JP2003013436A - 地下水位制御システム及び制御方法 - Google Patents

地下水位制御システム及び制御方法

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JP2003013436A
JP2003013436A JP2001202646A JP2001202646A JP2003013436A JP 2003013436 A JP2003013436 A JP 2003013436A JP 2001202646 A JP2001202646 A JP 2001202646A JP 2001202646 A JP2001202646 A JP 2001202646A JP 2003013436 A JP2003013436 A JP 2003013436A
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Japan
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water level
pumping
well
target
observation
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Application number
JP2001202646A
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English (en)
Inventor
Masami Kurihara
正美 栗原
Masaru Sudo
賢 須藤
Takayuki Ueno
孝之 上野
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】揚水井から過剰な揚水をすることなく施工上の
安全性を確保する。 【構成】本発明に係る地下水位制御システム1は、複数
の揚水井2内から揚水管3を介して揚水される地下水の
揚水量を該各揚水井ごとに計測する流量センサー4と、
各揚水管3に設置された開閉バルブ5と、複数の観測井
6内にそれぞれ設置された水位計7と、該水位計で計測
された水位データ及び流量センサー4で計測された流量
データを用いて各観測井6の水位が所定の水位にそれぞ
れ維持されるように各開閉バルブ5を操作して揚水量を
制御する制御部8とで構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディープウェル工
法において用いる地下水位制御システム及び制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】地盤の掘削を行う際には、地下水位が高
く、掘削底面や側面から地下水が湧出したり、掘削底面
の盤ぶくれが生じたりして、地盤が不安定となり掘削が
困難となることがないよう、地下水位を下げることによ
って地盤の安定を図っているが、このような地下水位低
下工法の1つに、ディープウェル工法がある。
【0003】ディープウェル工法は、地下水を低下させ
ようとする区域の周囲に一般に径30cm〜50cm程度の
深井戸を何本か掘って該深井戸に地下水を集水し、各井
戸にそれぞれ設置したポンプで揚水して地下水位を低下
させるものである。
【0004】このようなディープウェル工法において、
掘削領域の地下水位を所望の水位に保つためには、地下
水を揚水するための揚水井を掘削領域近傍に設けて揚水
するとともに、掘削領域の水位が実際に低下したか否か
を確認するための観測井を設け、該観測井の水位を測定
しながら揚水井からの揚水量を調整することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、掘削領
域近傍の地下水利用状況や降雨、季節変動など様々な要
因で地下水位は不規則に変動するとともに、掘削段階の
進行に応じて所望の管理水位も変わるため、地下水位を
常に所望の水位に保つためには多大な労力と時間を要す
るという問題を生じていた。
【0006】また、複数本の揚水井から適切に揚水して
所望の水位を確保することは難しいため、安全確保のた
めに必要以上に水位を低下させている場合が多く、その
結果、揚水処理にかかるコストが高くなるとともに、周
辺地盤の沈下や井戸枯れを引き起こす恐れがあるという
問題も生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、揚水井から過剰な揚水をすることなく施工上
の安全性を確保することが可能な地下水位制御システム
及び制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る地下水位制御システムは請求項1に記
載したように、掘削等の施工領域内への湧水及び被圧地
下水による盤ぶくれを防止するために該施工領域近傍に
配置された複数の揚水井内から所定の揚水管を介して揚
水される地下水の揚水量を該各揚水井ごとに計測する流
量センサーと、前記各揚水管に設置された開閉バルブ
と、前記施工領域近傍の水位変化を観測するために配置
された複数の観測井内に設置される水位計と、該水位計
で計測された水位データ及び前記流量センサーで計測さ
れた流量データを用いて前記各観測井ごとの水位が所定
の設計水位分布に基づいて前記各観測井ごとに定められ
た管理上限水位及び管理下限水位の間にそれぞれ維持さ
れるように前記各開閉バルブを操作して前記各揚水管を
流れる揚水量を制御する制御部とからなる地下水位制御
システムであって、前記制御部は、前記設計水位分布を
用いて前記各揚水井ごとに定められた所定の初期揚水量
を該各揚水井から揚水する際、前記観測井のうち、少な
くともいずれかの観測井が管理上限水位を上回ったとき
に水位低下不足と判断し、前記各観測井で計測された計
測水位分布が前記設計水位分布から均等に誤差を生じて
いる場合には、前記各揚水井から揚水する各揚水量を、
前記初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
じている場合には、前記設計水位分布との水位低下不足
が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
理上限水位を下回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (3) 影響係数;任意の揚水井からの単位揚水量に対する任意
の観測井での水位変化量から定まる修正揚水量を前記対
象揚水井から揚水する一方、前記観測井のうち、前記各
観測井の全てが管理上限水位を下回りかつ前記観測井の
うち、少なくともいずれかの観測井が管理下限水位を下
回ったときに水位低下過剰と判断し、前記各観測井で計
測された計測水位分布が前記設計水位分布から均等に誤
差を生じている場合には、前記各揚水井から揚水する各
揚水量を、前記初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
じている場合には、前記設計水位分布との水位低下過剰
が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
理下限水位を上回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (6) から定まる修正揚水量を前記対象揚水井から揚水するよ
うになっているものである。
【0009】また、本発明に係る地下水位制御方法は請
求項2に記載したように、掘削等の施工領域近傍に配置
された複数の揚水井から該施工領域内への湧水及び被圧
地下水による盤ぶくれを防止するために地下水を揚水す
るとともに、前記揚水井からの揚水による前記施工領域
近傍の水位変化を観測井にて観測し、前記各揚水井から
の揚水量及び前記各観測井内で計測された水位データを
用いて前記各観測井ごとの水位が所定の設計水位分布に
基づいて前記各観測井ごとに定められた管理上限水位及
び管理下限水位の間にそれぞれ維持されるように前記各
揚水井からの揚水量を制御する地下水位制御方法であっ
て、前記設計水位分布を用いて前記各揚水井ごとに定め
られた所定の初期揚水量を該各揚水井から揚水する際、
前記観測井のうち、少なくともいずれかの観測井が管理
上限水位を上回ったときに水位低下不足と判断し、前記
各観測井で計測された計測水位分布が前記設計水位分布
から均等に誤差を生じている場合には、前記各揚水井か
ら揚水する各揚水量を、前記初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
じている場合には、前記設計水位分布との水位低下不足
が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
理上限水位を下回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (3) 影響係数;任意の揚水井からの単位揚水量に対する任意
の観測井での水位変化量から定まる修正揚水量を前記対
象揚水井から揚水する一方、前記観測井のうち、前記各
観測井の全てが管理上限水位を下回りかつ前記観測井の
うち、少なくともいずれかの観測井が管理下限水位を下
回ったときに水位低下過剰と判断し、前記各観測井で計
測された計測水位分布が前記設計水位分布から均等に誤
差を生じている場合には、前記各揚水井から揚水する各
揚水量を、前記初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
じている場合には、前記設計水位分布との水位低下過剰
が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
理下限水位を上回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (6) から定まる修正揚水量を前記対象揚水井から揚水するも
のである。
【0010】本発明に係る地下水位制御システム及び制
御方法においては、まず、揚水によって低下する地下水
位の分布が設計水位分布とできるだけ近くなるように、
各揚水井ごとに所定の初期揚水量を設定する。
【0011】設計水位分布は、掘削前の地下水位や掘削
領域の規模等を考慮しながら、適宜定めればよい。
【0012】初期揚水量は、影響係数(j点での揚水井
からの単位揚水量に対するi点での観測井の水位変化
量;水位低下量係数)fkijを、実験を行い、あるいは
被圧井戸理論を用いて予め求めておき、この影響係数と
所定の設計水位分布から決定される各観測井での設計水
位低下量とを用いて、各揚水井ごとの初期揚水量を演算
する。なお、この演算は、fkijを要素としたマトリッ
クスの逆マトリックスを求め、該逆マトリックスに各観
測井における設計水位低下量(ベクトル量)を乗じるマ
トリックス演算として行う。
【0013】次に、揚水量が上述したように設定された
初期揚水量となるように流量センサーを用いて流量を制
御しながら、各揚水井から揚水を行いつつ、観測井の水
位を水位計を用いて計測する。
【0014】流量を制御するにあたっては、揚水管に取
り付けられた流量センサーで計測された流量データが設
定された初期揚水量となるように、制御部によって各揚
水管の開閉バルブの開閉量を操作し、各揚水管を流れる
揚水量を調整する。
【0015】観測井の水位については、本来であれば、
周囲からの地下水圧と均衡したときの水位で評価するべ
きであるが、時間的なロスを避けるため、均衡後の水位
を推定し、これを計測された水位とするのが望ましい。
【0016】次に、観測井で計測された水位と設計水位
分布から定まる各観測井ごとの水位(以下、設計水位)
とを比較しながら、観測井で計測された水位が常に所定
の範囲を満たすように、揚水井からの揚水量を以下の手
順で制御する。
【0017】ここで、揚水井からの揚水量を制御するに
あたっては、まず、水位低下が過剰なのか不足なのかを
判断する。判断にあたっては、少なくともいずれかの観
測井で計測された水位が管理上限水位を上回った場合に
は水位低下不足と判断し、逆に、各観測井の全てが管理
上限水位を下回りかつ少なくともいずれかの観測井で計
測された水位が管理下限水位を下回った場合には水位低
下過剰と判断する。
【0018】なお、管理上限水位及び管理下限水位は、
上述した設計水位分布に基づいて、各観測井ごとに適宜
設定すればよい。
【0019】まず、水位低下不足の場合には、さらに、
各観測井で計測された水位から評価される計測水位分布
と、設計時に定めた設計水位分布との乖離状態あるいは
誤差の状況を把握する必要があり、具体的には、計測水
位分布が設計水位分布から均等に誤差を生じたか、不均
等に誤差を生じたかを判断する。
【0020】次に、計測水位分布が設計水位分布から均
等に誤差を生じている、言い換えれば、計測水位分布が
設計水位分布から平行にずれていると判断された場合に
は、全ての揚水井から揚水する各揚水量を、初期揚水量
に補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、かかる
修正揚水量で各揚水井から地下水が揚水されるように流
量センサーを用いて流量を制御する。
【0021】ここで、補正係数αは、次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) を用いて求める。なお、分母分子とも、全観測井の平均
値として算出することが考えられる。
【0022】ここで、目標水位低下量は、管理上限水位
と管理下限水位との間で任意に設定された所定の水位
(以下、目標水位)と当初の地下水位との水位差として
定められるが、(1)式においては、例えば、設計水位
や管理上限水位を目標水位とすることが考えられる。
【0023】なお、かかる流量補正により、当初実験又
は理論で定めた影響係数は、実際の状況に合わせて修正
されることとなる。
【0024】一方、計測水位分布が設計水位分布から不
均等に誤差を生じている、言い換えれば、計測水位分布
が設計水位分布から非平行にずれていると判断された場
合には、設計水位分布との水位低下不足が最大となった
観測井を対象観測井とするとともに、該対象観測井の水
位変動に最も大きな影響を与える揚水井を対象揚水井と
して定める。
【0025】ここで、対象揚水井は、多数の揚水井から
選択することになるが、かかる選択を行うにあたって
は、対象観測井に対する影響係数が最も大きなものを基
準としてもよいし、離間距離が最も小さなものを基準と
してもよい。
【0026】次に、対象観測井の水位が管理上限水位を
下回るように、対象揚水井から揚水を行うが、その場合
の揚水量は、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期 揚水量 (3) から修正揚水量として定め、かかる修正揚水量が対象揚
水井から揚水されるように流量センサーで制御しなが
ら、対象揚水井からの揚水を行う。
【0027】なお、対象揚水井からの揚水作業を行って
いる間、他の揚水井については、初期揚水量での揚水を
維持する。
【0028】(2)式における目標水位は、水位低下不
足用目標水位であって、管理上限水位と管理下限水位と
の間であればどのように設定するかは任意であるが、例
えば、設計水位や管理上限水位を目標水位とすることが
考えられる。なお、水位低下不足用目標水位を管理上限
水位とした場合は、必要最低限の制御で目標水位に低下
させることができるため、揚水効率がよい。
【0029】また、かかる方法に代えて、対象揚水井か
らの揚水量を初期揚水量から少しずつ増加させながら、
対象観測井での水位を監視し、該対象観測井での水位が
目標水位に達したら、そのときの揚水量を維持するよう
にしてもかまわない。
【0030】なお、対象揚水井の周囲に他の揚水井が近
接していることによって、群井効果、すなわち、他の揚
水井からの揚水量を初期揚水量に維持することが困難に
なるおそれがある場合には、井戸能力あるいは群井戸能
力に応じて対象揚水井からの揚水量を適宜制限すればよ
い。
【0031】また、各揚水井にも、観測井と同様、水位
を計測するための水位計を設置しておき、該水位計から
のデータによって対象揚水井に井戸枯れが生じたことが
わかった場合には、井戸枯れした揚水井を除いた上で、
上述した基準に沿って次の対象揚水井を選択するように
すればよい。
【0032】一方、水位低下が過剰なのか不足なのかを
判断した結果が、水位低下過剰となった場合にも、上述
した水位低下不足の場合と同様、各観測井で計測された
水位から評価される計測水位分布と、設計時に定めた設
計水位分布との乖離状態あるいは誤差の状況を把握する
必要があり、具体的には、計測水位分布が設計水位分布
から均等に誤差を生じたか、不均等に誤差を生じたかを
判断する。
【0033】次に、計測水位分布が設計水位分布から均
等に誤差を生じている、言い換えれば、計測水位分布が
設計水位分布から平行にずれていると判断された場合に
は、全ての揚水井から揚水する各揚水量を、初期揚水量
に補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、かかる
修正揚水量で各揚水井から地下水が揚水されるように流
量センサーを用いて流量を制御する。
【0034】ここで、補正係数αは、次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) を用いて求める。なお、分母分子とも、全観測井の平均
値として算出することが考えられる。
【0035】ここで、目標水位低下量は、目標水位と当
初の地下水位との水位差として定められるが、(4)式
においては、例えば、設計水位や管理下限水位を目標水
位とすることが考えられる。
【0036】なお、かかる流量補正により、当初実験又
は理論で定めた影響係数は、実際の状況に合わせて修正
されることとなる。
【0037】一方、計測水位分布が設計水位分布から不
均等に誤差を生じている、言い換えれば、計測水位分布
が設計水位分布から非平行にずれていると判断された場
合には、設計水位分布との水位低下過剰が最大となった
観測井を対象観測井とするとともに、該対象観測井の水
位変動に最も大きな影響を与える揚水井を対象揚水井と
して定める。
【0038】ここで、対象揚水井は、多数の揚水井から
選択することになるが、かかる選択を行うにあたって
は、対象観測井に対する影響係数が最も大きなものを基
準としてもよいし、離間距離が最も小さなものを基準と
してもよい。
【0039】次に、対象観測井の水位が管理下限水位を
上回るように、対象揚水井から揚水を行うが、その場合
の揚水量は、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期 揚水量 (6) から修正揚水量として定め、かかる修正揚水量が対象揚
水井から揚水されるように流量センサーで制御しなが
ら、対象揚水井からの揚水を行う。
【0040】なお、対象揚水井からの揚水作業を行って
いる間、他の揚水井については、初期揚水量での揚水を
維持する。
【0041】(5)式における目標水位は、水位低下過
剰用目標水位であって、管理上限水位と管理下限水位と
の間であればどのように設定するかは任意であるが、例
えば、設計水位や管理下限水位を目標水位とすることが
考えられる。なお、水位低下過剰用目標水位を管理下限
水位とした場合は、必要最低限の制御で目標水位に回復
させることができるとともに、安全面でも望ましい選択
となる。
【0042】また、かかる方法に代えて、対象揚水井か
らの揚水量を初期揚水量から少しずつ低減させながら、
対象観測井での水位を監視し、該対象観測井での水位が
目標水位に達したら、そのときの揚水量を維持するよう
にしてもかまわない。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る地下水位制御
システム及び制御方法の実施の形態について、添付図面
を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の
部品等については同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0044】図1は、本実施形態に係る地下水位制御シ
ステムを示した図であり、(a)は全体ブロック図、(b)は
配置図である。同図に示すように、本実施形態に係る地
下水位制御システム1は、複数の揚水井2内から揚水管
3を介して揚水される地下水の揚水量を該各揚水井ごと
に計測する流量センサー4と、各揚水管3に設置された
開閉バルブ5と、複数の観測井6内にそれぞれ設置され
た水位計7と、該水位計で計測された水位データ及び流
量センサー4で計測された流量データを用いて各観測井
6の水位が所定の水位にそれぞれ維持されるように各開
閉バルブ5を操作して揚水量を制御する制御部8とで構
成してある。
【0045】水位計7は、例えば間隙水圧計で構成する
ことができる。
【0046】図2は、掘削の対象となる施工領域11を
示した平面図であり、同図でよく分かるように、4つの
揚水井2を矩形平面状の施工領域11の各出隅部近傍に
配置してあるとともに、5つの観測井6を施工領域11
の中央及び隣接する揚水井2の中間近傍に配置してあ
る。
【0047】揚水井2は、施工領域11内への湧水及び
被圧地下水による盤ぶくれを防止するために配置してあ
り、その内部に集められた地下水を揚水ポンプ9を用い
て揚水管3から揚水するようになっている。
【0048】観測井6は、揚水井2からの揚水による施
工領域11近傍の水位変化を観測するために配置してあ
り、その内部に設置した水位計7で観測井6の水位を計
測するようになっている。なお、観測井6を配置するに
あたっては、水位が低下しにくい場所に優先的に設置す
るのが望ましい。
【0049】制御部8は、図1(b)に示すようにパソコ
ン10を用いて構成してあり、水位データ及び流量デー
タを用いて、各観測井6ごとの水位が所定の設計水位分
布に基づいて各観測井6ごとに定められた管理上限水位
及び管理下限水位の間にそれぞれ維持されるように、各
揚水井2の開閉バルブ5の開閉量を操作して各揚水管3
を流れる揚水量を制御するようになっている。
【0050】具体的には、設計水位分布を用いて各揚水
井2ごとに定められた所定の初期揚水量を該各揚水井か
ら揚水する際、観測井6のうち、少なくともいずれかの
観測井6が管理上限水位を上回ったときに水位低下不足
と判断し、各観測井6で計測された計測水位分布が設計
水位分布から均等に誤差を生じている場合には、各揚水
井2から揚水する各揚水量を、初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
該修正揚水量で各揚水井2から地下水を揚水し、計測水
位分布が設計水位分布から不均等に誤差を生じている場
合には、設計水位分布との水位低下不足が最大となった
観測井6を対象観測井21とするとともに、該対象観測
井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井2を対象
揚水井22として定め、該対象観測井の水位が管理上限
水位を下回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (3) 影響係数;任意の揚水井からの単位揚水量に対する任意
の観測井での水位変化量から定まる修正揚水量を対象揚
水井22から揚水するようになっている。
【0051】一方、制御部8は、観測井6のうち、各観
測井6の全てが管理上限水位を下回りかつ観測井6のう
ち、少なくともいずれかの観測井6が管理下限水位を下
回ったときに水位低下過剰と判断し、各観測井6で計測
された計測水位分布が設計水位分布から均等に誤差を生
じている場合には、各揚水井2から揚水する各揚水量
を、初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
該修正揚水量で各揚水井2から地下水を揚水し、計測水
位分布が設計水位分布から不均等に誤差を生じている場
合には、設計水位分布との水位低下過剰が最大となった
観測井6を対象観測井21とするとともに、該対象観測
井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井2を対象
揚水井22として定め、該対象観測井の水位が管理下限
水位を上回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (6) から定まる修正揚水量を対象揚水井から揚水するように
なっている。
【0052】図3乃至図5は本実施形態に係る地下水位
制御方法を示したフローチャートである。同図に示すよ
うに、本実施形態に係る地下水位制御システム1を用い
て地下水位制御を行うには、まず、揚水によって低下す
る地下水位の分布が設計水位分布とできるだけ近くなる
ように、各揚水井2ごとに所定の初期揚水量を設定する
(ステップ101)。
【0053】設計水位分布は、図6に示すように、掘削
前の地下水位や掘削領域11の規模等を考慮しながら、
適宜定めればよい。
【0054】初期揚水量は、影響係数(j点での揚水井
からの単位揚水量に対するi点での観測井の水位変化
量;水位低下量係数)fkijを、実験を行い、あるいは
被圧井戸理論を用いて予め求めておき、この影響係数
と、所定の設計水位分布から決定される各観測井6での
設計水位低下量とを用いて、各揚水井2ごとの初期揚水
量を演算する。なお、この演算は、fkijを要素とした
マトリックスの逆マトリックスを求め、該逆マトリック
スに各観測井6における設計水位低下量(ベクトル量)
を乗じるマトリックス演算として行う。
【0055】次に、揚水量が上述したように設定された
初期揚水量となるように流量センサー4を用いて流量を
制御しながら、各揚水井2から揚水を行いつつ、観測井
6の水位を水位計7を用いて計測する(ステップ10
2)。
【0056】流量を制御するにあたっては、揚水管3に
取り付けられた流量センサー4で計測された流量データ
が設定された初期揚水量となるように、制御部8によっ
て各揚水管3の開閉バルブ5の開閉量を操作し、各揚水
管3を流れる揚水量を調整する。
【0057】観測井6の水位については、本来であれ
ば、周囲からの地下水圧と均衡したときの水位で評価す
るべきであるが、時間的なロスを避けるため、均衡後の
水位を推定し、これを計測された水位とするのが望まし
い。
【0058】次に、観測井6で計測された水位と設計水
位分布から定まる各観測井6ごとの水位(以下、設計水
位)とを比較しながら、観測井6で計測された水位が常
に所定の範囲を満たすように、揚水井2からの揚水量を
以下の手順で制御する。
【0059】ここで、揚水井2からの揚水量を制御する
にあたっては、まず、水位低下が不足しているか否かを
判断する(ステップ103)。判断にあたっては、少な
くともいずれかの観測井6で計測された水位が管理上限
水位を上回った場合には水位低下不足と判断する。
【0060】なお、管理上限水位及び後述する管理下限
水位は、上述した設計水位分布に基づいて、各観測井6
ごとに適宜設定すればよい。
【0061】次に、水位低下不足と判断された場合には
(ステップ103、YES)、さらに、各観測井6で計
測された水位から評価される計測水位分布と、設計時に
定めた設計水位分布との乖離状態あるいは誤差の状況を
把握する必要があり、具体的には、計測水位分布が設計
水位分布から均等に誤差を生じたか、不均等に誤差を生
じたかを判断する(ステップ104)。
【0062】ここで、均等か不均等かを判断するにあた
っては、設計水位に対する計測された水位の比率、すな
わち水位低下率を各観測井6ごとにそれぞれ求め、水位
低下率が最大となった観測井6と最小となった観測井6
との水位低下率の差が10%以内であれば、計測水位分
布が設計水位分布から均等に誤差を生じたと判断する。
【0063】次に、図7(a)に示すように、計測水位分
布が設計水位分布から均等に誤差を生じている、言い換
えれば、計測水位分布が設計水位分布から平行にずれて
いると判断された場合には(ステップ104、YE
S)、全ての揚水井2から揚水する各揚水量を、初期揚
水量に補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、か
かる修正揚水量で各揚水井2から地下水が揚水されるよ
うに流量センサー4を用いて流量を制御しつつ、観測井
6の水位を計測する(ステップ105)。
【0064】ここで、補正係数αは、次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) を用いて求める。なお、分母分子とも、全観測井6の平
均値として算出する。
【0065】(1)式における目標水位低下量は、管理
上限水位と管理下限水位との間で任意に設定された所望
の水位(以下、目標水位)と初期水位との水位差として
定められるが、本実施形態では、設計水位を目標水位と
して補正係数αを求める。
【0066】なお、かかる流量補正により、当初実験又
は理論で定めた影響係数は、実際の状況に合わせて修正
されることとなる。
【0067】このように修正揚水量で各揚水井2から地
下水を揚水しつつ観測井6の水位を監視し、水位低下不
足が解消されたかどうかをステップ103にて判断し、
以下、この手順を繰り返す。
【0068】一方、図7(b)に示すように、計測水位分
布が設計水位分布から不均等に誤差を生じている、言い
換えれば、計測水位分布が設計水位分布から非平行にず
れていると判断された場合には(ステップ104、N
O)、設計水位分布との水位低下不足が最大となった観
測井を対象観測井21とするとともに、該対象観測井の
水位変動に最も大きな影響を与える揚水井を対象揚水井
22として定める(ステップ106)。
【0069】ここで、対象揚水井22は、多数の揚水井
2から選択することになるが、かかる選択を行うにあた
っては、対象観測井21に対する影響係数が最も大きな
ものを基準としてもよいし、離間距離が最も小さなもの
を基準としてもよい。
【0070】次に、対象観測井21の水位が管理上限水
位を下回るように、対象揚水井22から揚水を行うが、
その場合の揚水量は、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期 揚水量 (3) から修正揚水量として定め、かかる修正揚水量が対象揚
水井22から揚水されるように流量センサー4で制御し
ながら、対象揚水井22からの揚水を行いつつ、対象観
測井21の水位を計測する(ステップ107)。
【0071】なお、対象揚水井22からの揚水作業を行
っている間、他の揚水井2については、初期揚水量での
揚水を維持する。
【0072】(2)式における目標水位は、水位低下不
足用目標水位であり、本実施形態では、管理上限水位を
水位低下不足用目標水位とする。なお、水位低下不足用
目標水位を管理上限水位とした場合は、必要最低限の制
御で目標水位に低下させることができるため、揚水効率
がよい。
【0073】なお、対象揚水井22の周囲に他の揚水井
6が近接していることによって、群井効果、すなわち、
他の揚水井6からの揚水量を初期揚水量に維持すること
が困難になるおそれがある場合には、井戸能力あるいは
群井戸能力に応じて対象揚水井22からの揚水量を適宜
制限すればよい。
【0074】このように修正揚水量で対象揚水井22か
ら地下水を揚水しつつ対象観測井21の水位を監視し、
水位低下不足が解消されたかどうかをステップ103に
て判断し、以下、この手順を繰り返す。
【0075】上述した手順によって、水位低下不足が解
消された、すなわち、全ての観測井6が管理上限水位を
下回ったならば(ステップ103、NO)、次に、水位
低下が過剰となっているか否かを判断する(ステップ1
08)。判断にあたっては、少なくともいずれかの観測
井6で計測された水位が管理下限水位を下回った場合に
は水位低下過剰と判断する。
【0076】水位低下過剰と判断された場合には(ステ
ップ108、YES)、上述した水位低下不足の場合と
同様、各観測井6で計測された水位から評価される計測
水位分布と、設計時に定めた設計水位分布との乖離状態
あるいは誤差の状況を把握する必要があり、具体的に
は、計測水位分布が設計水位分布から均等に誤差を生じ
たか、不均等に誤差を生じたかを判断する(ステップ1
09)。
【0077】ここで、均等か不均等かを判断するにあた
っては、ステップ104と同様、設計水位に対する計測
された水位の比率、すなわち水位低下率を各観測井6ご
とにそれぞれ求め、水位低下率が最大となった観測井と
最小となった観測井との水位低下率の差が10%以内で
あれば、計測水位分布が設計水位分布から均等に誤差を
生じたと判断する。
【0078】次に、図8(a)に示すように、計測水位分
布が設計水位分布から均等に誤差を生じている、言い換
えれば、計測水位分布が設計水位分布から平行にずれて
いると判断された場合には(ステップ109、YE
S)、全ての揚水井2から揚水する各揚水量を、初期揚
水量に補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、か
かる修正揚水量で各揚水井2から地下水が揚水されるよ
うに流量センサー4を用いて流量を制御しつつ、観測井
6の水位を計測する(ステップ110)。
【0079】ここで、補正係数αは、次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) を用いて求める。なお、分母分子とも、全観測井の平均
値として算出する。
【0080】(4)式における目標水位低下量は、目標
水位と初期水位との水位差として定められるが、本実施
形態では、管理下限水位を目標水位として補正係数αを
求める。
【0081】なお、かかる流量補正により、当初実験又
は理論で定めた影響係数は、実際の状況に合わせて修正
されることとなる。
【0082】このように修正揚水量で各揚水井2から地
下水を揚水しつつ観測井6の水位を監視し、揚水量の減
少によって水位低下不足が再び生じていないかどうかを
ステップ103にて判断し、以下、上述の手順を繰り返
す。
【0083】一方、図8(b)に示すように、計測水位分
布が設計水位分布から不均等に誤差を生じている、言い
換えれば、計測水位分布が設計水位分布から非平行にず
れていると判断された場合には(ステップ109、N
O)、設計水位分布との水位低下過剰が最大となった観
測井を対象観測井21とするとともに、該対象観測井の
水位変動に最も大きな影響を与える揚水井を対象揚水井
22として定める(ステップ111)。
【0084】ここで、対象揚水井22は、多数の揚水井
2から選択することになるが、かかる選択を行うにあた
っては、対象観測井21に対する影響係数が最も大きな
ものを基準としてもよいし、離間距離が最も小さなもの
を基準としてもよい。
【0085】次に、対象観測井21の水位が管理下限水
位を上回るように、対象揚水井22から揚水を行うが、
その場合の揚水量は、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期 揚水量 (6) から修正揚水量として定め、かかる修正揚水量が対象揚
水井22から揚水されるように流量センサー4で制御し
ながら、対象揚水井22からの揚水を行いつつ、対象観
測井21の水位を計測する(ステップ112)。
【0086】なお、対象揚水井22からの揚水作業を行
っている間、他の揚水井2については、初期揚水量での
揚水を維持する。
【0087】(5)式における目標水位は、水位低下過
剰用目標水位であり、本実施形態では、管理下限水位を
水位低下過剰用目標水位とする。なお、水位低下過剰用
目標水位を管理下限水位とした場合は、必要最低限の制
御で目標水位に回復させることができるとともに、安全
面でも望ましい選択となる。
【0088】このように修正揚水量で対象揚水井22か
ら地下水を揚水しつつ対象観測井21の水位を監視し、
揚水量の減少によって水位低下不足が再び生じていない
かどうかをステップ103にて判断し、以下、上述の手
順を繰り返す。
【0089】次に、ステップ101〜ステップ112を
実施することによって全ての観測井6における水位を管
理上限水位と管理下限水位との間に維持可能な各揚水井
2からの定常的な揚水量が決定されたならば(ステップ
108、NO)、かかる定常的な揚水量を維持しながら
揚水作業を継続する(ステップ113)。
【0090】一方、工事の進捗や天候の変化によって、
上述した定常的な揚水量を変化させる必要がある場合に
は(ステップ114、YES)、ステップ103〜ステ
ップ113を実施することによって水位変動に対応すれ
ばよい。
【0091】以上説明したように、本実施形態に係る地
下水位制御システム1及び制御方法によれば、水位計7
で計測された水位データ及び流量センサー4で計測され
た流量データを用いて各観測井6の水位が所定の水位に
それぞれ維持されるように開閉バルブ5を操作して各揚
水井2からの揚水量を制御部8で制御するようにしたの
で、複数の揚水井2からの揚水量をそれぞれ適切に制御
し、不規則に変化する地下水位を常に管理上限水位と管
理下限水位との間に維持することが可能となり、施工時
の安全性を確保できるとともに、水位低下過剰となるこ
となく、必要最低限の揚水量に抑えることができる。
【0092】本実施形態では特に言及しなかったが、各
揚水井2にも、観測井6と同様、水位を計測するための
水位計を設置しておき、該水位計からの水位データによ
って対象揚水井に井戸枯れが生じたかを判断するととも
に、井戸枯れが生じた場合には、井戸枯れした揚水井を
除いた上で、上述したステップ106の基準に沿って次
の対象揚水井を選択するようにしてもかまわない。
【0093】また、本実施形態では、ステップ107に
おいては(2)式及び(3)式、ステップ112におい
ては(5)式及び(6)を用いて求めた修正揚水量が対
象揚水井22から揚水されるように揚水量を制御するよ
うにしたが、かかる方法に代えて、対象揚水井22から
の揚水量を初期揚水量から少しずつ増加又は低減させな
がら、対象観測井21での水位を監視し、該対象観測井
での水位が目標水位に達したら、そのときの揚水量を維
持するようにしてもかまわない。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る地下水
位制御システム及び制御方法によれば、複数の揚水井か
らの揚水量をそれぞれ適切に制御し、不規則に変化する
地下水位を常に管理上限水位と管理下限水位との間に維
持することが可能となり、施工時の安全性を確保できる
とともに、水位低下過剰となることなく、必要最低限の
揚水量に抑えることができる。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る地下水位制御システムを示し
た図で、(a)は全体ブロック図、(b)は配置図。
【図2】本実施形態に係る地下水位制御システムを用い
た施工領域を示した平面図。
【図3】本実施形態に係る地下水位制御方法を示したフ
ローチャート。
【図4】同じく、本実施形態に係る地下水位制御方法を
示したフローチャート。
【図5】同じく、本実施形態に係る地下水位制御方法を
示したフローチャート。
【図6】本実施形態に係る地下水位制御システム及び制
御方法の作用を示した断面図。
【図7】同じく、本実施形態に係る地下水位制御システ
ム及び制御方法の作用を示した断面図。
【図8】同じく、本実施形態に係る地下水位制御システ
ム及び制御方法の作用を示した断面図。
【符号の説明】
1 地下水位制御システム 2 揚水井 3 揚水管 4 流量センサー 5 開閉バルブ 6 観測井 7 水位計 8 制御部 11 施工領域 21 対象観測井 22 対象揚水井
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 孝之 東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会社 大林組技術研究所内 Fターム(参考) 2D043 CA04 CA20 DA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削等の施工領域内への湧水及び被圧地
    下水による盤ぶくれを防止するために該施工領域近傍に
    配置された複数の揚水井内から所定の揚水管を介して揚
    水される地下水の揚水量を該各揚水井ごとに計測する流
    量センサーと、前記各揚水管に設置された開閉バルブ
    と、前記施工領域近傍の水位変化を観測するために配置
    された複数の観測井内に設置される水位計と、該水位計
    で計測された水位データ及び前記流量センサーで計測さ
    れた流量データを用いて前記各観測井ごとの水位が所定
    の設計水位分布に基づいて前記各観測井ごとに定められ
    た管理上限水位及び管理下限水位の間にそれぞれ維持さ
    れるように前記各開閉バルブを操作して前記各揚水管を
    流れる揚水量を制御する制御部とからなる地下水位制御
    システムであって、前記制御部は、前記設計水位分布を
    用いて前記各揚水井ごとに定められた所定の初期揚水量
    を該各揚水井から揚水する際、前記観測井のうち、少な
    くともいずれかの観測井が管理上限水位を上回ったとき
    に水位低下不足と判断し、前記各観測井で計測された計
    測水位分布が前記設計水位分布から均等に誤差を生じて
    いる場合には、前記各揚水井から揚水する各揚水量を、
    前記初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
    該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
    計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
    じている場合には、前記設計水位分布との水位低下不足
    が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
    対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
    を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
    理上限水位を下回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (3) 影響係数;任意の揚水井からの単位揚水量に対する任意
    の観測井での水位変化量 から定まる修正揚水量を前記対象揚水井から揚水する一
    方、前記観測井のうち、前記各観測井の全てが管理上限
    水位を下回りかつ前記観測井のうち、少なくともいずれ
    かの観測井が管理下限水位を下回ったときに水位低下過
    剰と判断し、前記各観測井で計測された計測水位分布が
    前記設計水位分布から均等に誤差を生じている場合に
    は、前記各揚水井から揚水する各揚水量を、前記初期揚
    水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
    該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
    計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
    じている場合には、前記設計水位分布との水位低下過剰
    が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
    対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
    を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
    理下限水位を上回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (6) から定まる修正揚水量を前記対象揚水井から揚水するよ
    うになっていることを特徴とする地下水位制御システ
    ム。
  2. 【請求項2】 掘削等の施工領域近傍に配置された複数
    の揚水井から該施工領域内への湧水及び被圧地下水によ
    る盤ぶくれを防止するために地下水を揚水するととも
    に、前記揚水井からの揚水による前記施工領域近傍の水
    位変化を観測井にて観測し、前記各揚水井からの揚水量
    及び前記各観測井内で計測された水位データを用いて前
    記各観測井ごとの水位が所定の設計水位分布に基づいて
    前記各観測井ごとに定められた管理上限水位及び管理下
    限水位の間にそれぞれ維持されるように前記各揚水井か
    らの揚水量を制御する地下水位制御方法であって、前記
    設計水位分布を用いて前記各揚水井ごとに定められた所
    定の初期揚水量を該各揚水井から揚水する際、前記観測
    井のうち、少なくともいずれかの観測井が管理上限水位
    を上回ったときに水位低下不足と判断し、前記各観測井
    で計測された計測水位分布が前記設計水位分布から均等
    に誤差を生じている場合には、前記各揚水井から揚水す
    る各揚水量を、前記初期揚水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (1) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
    該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
    計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
    じている場合には、前記設計水位分布との水位低下不足
    が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
    対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
    を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
    理上限水位を下回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (2) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (3) 影響係数;任意の揚水井からの単位揚水量に対する任意
    の観測井での水位変化量 から定まる修正揚水量を前記対象揚水井から揚水する一
    方、前記観測井のうち、前記各観測井の全てが管理上限
    水位を下回りかつ前記観測井のうち、少なくともいずれ
    かの観測井が管理下限水位を下回ったときに水位低下過
    剰と判断し、前記各観測井で計測された計測水位分布が
    前記設計水位分布から均等に誤差を生じている場合に
    は、前記各揚水井から揚水する各揚水量を、前記初期揚
    水量に次式、 α=目標水位低下量/実際に計測された水位低下量 (4) で定まる補正係数αを乗じて補正して修正揚水量とし、
    該修正揚水量で前記各揚水井から地下水を揚水し、前記
    計測水位分布が前記設計水位分布から不均等に誤差を生
    じている場合には、前記設計水位分布との水位低下過剰
    が最大となった観測井を対象観測井とするとともに、該
    対象観測井の水位変動に最も大きな影響を与える揚水井
    を対象揚水井として定め、該対象観測井の水位が前記管
    理下限水位を上回るように、次式、 ΔS=前記対象観測井の水位−前記対象観測井の目標水位 (5) 修正揚水量=ΔS/前記対象揚水井及び前記対象観測井間の影響係数+初期揚 水量 (6) から定まる修正揚水量を前記対象揚水井から揚水するこ
    とを特徴とする地下水位制御方法。
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