JP2003011897A - ロータブレード - Google Patents

ロータブレード

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JP2003011897A
JP2003011897A JP2002033210A JP2002033210A JP2003011897A JP 2003011897 A JP2003011897 A JP 2003011897A JP 2002033210 A JP2002033210 A JP 2002033210A JP 2002033210 A JP2002033210 A JP 2002033210A JP 2003011897 A JP2003011897 A JP 2003011897A
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Osami Matsumoto
修身 松本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低速回転でも揚力を増加させ、失速をなく
し、飛行速度を増加させるヘリコプタ用のロータブレー
ド、飛行機用プロペラそれに空気の圧縮性能を向上させ
るジェットエンジンの圧縮機及びタービンブレード及び
飛行速度を増加させるターボプロップエンジンプロペラ
並びに微風でも高トルクを得ることができ強風下でも回
転暴走しない風力発電機のプロペラブレードを提供す
る。 【解決手段】 ヘリコプタ用ロータブレードでは回転
中心軸の根元付近から先端に向けて緩やか且つ滑らかに
迎角を大きくし、先端で最も大きくして、根元付近と先
端の間で14度程度以下の迎角差とする。飛行機用プロ
ペラ、ジェットエンジンの圧縮機とタービンのブレー
ド、ターボプロップエンジンのプロペラ及び風力発電機
のプロペラのブレードでは、根元付近の迎角を20度以
下とし、先端に向けて、前縁の滑らかで緩やかな上反り
角で迎角を大きくし、先端での最大迎角を30度以下と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、駆動原動機により回転
駆動されるヘリコプタのロータブレード、飛行機のプロ
ペラのブレード、ジェットエンジンの圧縮機とタービン
のブレード及びターボプロップジェットエンジンのプロ
ペラ並びに風力発電機のロータブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘリコプタのロータ ブレード
は、ブレード根元とブレード先端で同一の迎角であり、
最大迎角で回転させても前進側のロータ ブレード先端
の相対空気速度が音速近くに達しやすいために衝撃失速
を起し、又、後退側のロータ ブレード先端の相対空気
速度が低く失速を起こすために飛行速度には限界があ
る。しかもロータのほぼ全長に渡ってブレードがあり、
当該ブレードが発生させる下降気流は機体に当たって揚
力を減少させると共に操縦性を低下させる作用をもたら
している。
【0003】1853年に英国の航空の父と呼ばれるケ
イリー卿の製作した歴史的な実験模型である図1に示す
回転浮揚器:英語名(Rotary Wafts)は、
現行のヘリコプタのメインロータ ブレードと同じ「一
様羽根角(迎角)」であり、日本では江戸時代享保・安
永頃、西暦1772〜1781頃から見られる竹とんぼ
も「一様羽根角(迎角)」であって、現行のプロペラ機
に使用されている「一様ピッチ羽根プロペラ」でもな
い。
【0004】ヘリコプタのメインロータ ブレードは、
オランダの風車の回転翼に似た形の回転翼から始まり、
スペインの航空技師ファン・デ・ラ・シェルパが製作し
た1924年のオートジャイロ「シェルパC−6A」か
ら現在のヘリコプタのメインロータ ブレードに近い形
になったもので、元々飛行機の「一様ピッチ羽根プロペ
ラ」とは縁がない。
【0005】飛行機のプロペラのブレードでは、その根
元から先端まで一様に揚力が働くように根元の迎角を大
きくし、先端に向けて迎角を小さくし、その形は根元は
幅を狭く厚みを厚くし、途中で幅広で薄くしたもの、あ
るいは先端近くで再び幅を狭くしてもっと厚みを薄くし
た「一様ピッチ羽根(迎角)プロペラ」と云われるもの
である。
【0006】「一様ピッチ羽根(迎角)プロペラ」は、
英国で1837年にフランシス・ペテット・スミスによ
って発明された船のスクリュープロペラが起源であり、
その名が示す如く紀元前100年頃に地中海周辺のオリ
ーブ油作りの圧搾器に使われた、ねじ(スクリュー)の
ねじ込みをヒントにしたものであり、元々「一様ピッチ
羽根プロペラ」である。この場合は、固体の「雄ねじ」
と対の「雌ねじ」も固体でなければならず、一様ピッチ
でなければならない必然性がある。
【0007】しかし、雄ねじに相当する飛行機のプロペ
ラの相手、即ち雌ねじに相当するものは固体ではなく
「気体」であって、現行のプロペラ機の一様ピッチでな
ければならないとする理由は全くないにもかかわらず、
現在もこのねじの理論を踏襲している。この舶用一様ピ
ッチ羽根プロペラに倣う飛行機のプロペラに於いては、
その根元から先端まで一様に揚力が働くようにとの理論
で周速度の最も大きい回転外周付近では迎角を小さくし
てあり、回転数が高くなり、低い回転数で大きな揚力を
得るためには、決して有効に活かされているとはいえな
い。
【0008】ジェットエンジンの圧縮機とタービンのブ
レード及びターボプロップジェットエンジンのプロペラ
並びに風力発電機の可変ピッチロータ ブレードにおい
ても、形状の違いがあっても「一様ピッチ羽根プロペ
ラ」に準拠するものである。これらは、現在も、文献は
もとより現物においてでも、その「一様ピッチ羽根」形
状を容易に見ることができる。
【0009】風力発電機の可変ピッチプロペラのロータ
ブレードも「一様ピッチ羽根プロペラ」であり、ブレ
ード根元の幅を広くし、ブレード先端の幅を極端に狭く
した痩せ形三角形デザインのものが普及している。しか
し、この形状のブレードは、風力の作用点の分布がブレ
ードの根元付近で大きく、ブレード先端付近では小さい
ために風力による発生トルクが有効に活かされていな
い。したがって、微風でのトルクが小さいばかりでな
く、ブレード先端の回転時に受ける風切り抵抗が小さい
ために、回転慣性による回転数増大の効果があるもの
の、強風時には回転暴走に至る欠点があり、そのために
風利欲変化に合わせて迎角を変えられる高価な可変ピッ
チプロペラ構造にせざるを得ない。
【0010】唯一、舶用可変ピッチプロペラの技術「特
公平6−9999」では「翼形を翼根から翼端にいくに
したがってピッチをが増加する形状に成形されると共
に、・・・云々」の技術があるが、これは「海洋調査船
の低速航行時のスクリュー音の低減を可能にする」とさ
れる技術であって、本発明の技術「回転するブレードの
羽根角(迎角)を根元からブレード端に向けて漸次増加
させることは、ブレード上面の気流の遷移現象が起こ
り、並びに当該遷移現象を加勢するブレードの大きな遠
心力により、ブレード上面の気流の剥離が起こらず、そ
の結果ブレード先端部が大きな迎角にしても回転するブ
レードが失速しない。故にブレード先端の大きな迎角に
よって低速回転でも高揚力を出せ、延いてはプロペラの
回転数が低くなることによって飛行速度との合成速度の
内のプロペラブレード先端の角速度が低くなり、その角
速度が低くなった相当分、飛行速度を速くできる」とい
う技術とは全く異質であり、当該発明の目的とその効果
を何ら予測していないものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘリコプタのロ
ータ ブレードも飛行機用のプロペラも、ロータ ブレ
ードあるいはプロペラの回転によるブレード先端の周速
と飛行速度との合成された速度が音速近くに達すると回
転失調、いわゆる衝撃失速となり、推進に必要な揚力が
なくなり、操縦に支障を来すばかりか原動機の過負荷を
もたらし、ヘリコプタあるいはプロペラ機等の航空機が
飛行不能に陥る等の現象が起こるためにプロペラあるい
はロータの回転数及び飛行速度に限界があって現在も解
決されていない。
【0012】本発明は、ヘリコプタ用のロータ ブレー
ドあるいは飛行機用のプロペラを低速回転させるにもか
かわらず揚力を増加させ、当該航空機の飛行速度を増加
させるヘリコプタ用のロータ ブレード、プロペラ機用
のプロペラあるいはターボプロップのプロペラ又、風力
発電機のプロペラのロータ ブレード、ジェットエンジ
ンの性能を向上させるジェットエンジン内の圧縮機とタ
ービンのブレードを提供することを目的としている。
【0013】風力発電機のプロペラのロータ ブレード
においては、微風でのトルクを大きくし、大きな減速比
で減速し、発電機に必要な所要のトルクを得ることが必
要であり、又、強風時においては回転暴走しないことが
望まれる。又、風力発電機のプロペラの構造は、可変ピ
ッチ構造ではなく、シンプル・安価なものもコストの点
で望まれる。
【0014】又、ヘリコプタ用のロータ ブレードで
は、ブレードの回転軸寄りの部分を無くして、ブレード
を支軸に代えて機体に当たる無駄な下降気流を発生させ
ることが無く、効果が少ない揚力発生を無くして、飛行
の安定性を増加させると共に騒音を減少させることを目
的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のヘリコプタ用のロータ ブレードでは回
転中心軸側のブレード根元付近からブレード先端に向け
て、緩やかで且つ滑らかに徐々に前縁を上げあるいは後
縁を下げることで迎角を大きくし、ブレード先端で迎角
を最も大きくして、当該迎角はブレード根元付近とブレ
ード先端の間で14度程度以下の迎角差を有するブレー
ドにする。
【0016】ロータ ブレードのブレード根元付近の迎
角より先端の迎角を大きくすることにより、ロータ ブ
レードが回転するとブレードの上面の揚力がブレード先
端ではロータ ブレードの直径の約3倍に比例して大き
くなる。当該ロータ ブレードを使用したヘリコプタの
操縦に於いて、ブレードの迎角をアップ、即ちブレード
根元付近の迎角が失速しない範囲の14度にした場合、
ブレード先端で迎角差14度がプラスされた28度の大
きな迎角になる。
【0017】しかし、ブレード先端に於いて28度の大
きな迎角になってもブレード根元との迎角に差があるた
めにブレード根元付近のブレードの上面の比較的高圧の
気流とブレード先端の上面の低圧の気流との間に圧力差
が生じ、気圧の高低差及び回転するブレードの遠心力に
よってブレード上面側表面とその近傍の気流がブレード
根元付近からブレード先端に遷移する。
【0018】このことは、当該「気流の遷移現象」によ
りブレード根元付近の低迎角部から28度の高迎角ブレ
ード先端上面に気流が供給され、従来の失速圏となる高
迎角28度の大きな迎角であるにもかかわらず失速しな
い現象が生じ、ロータ ブレードの回転による揚力発生
が正常に作用して当該ロータ ブレードの使用目的を達
成できる。
【0019】この気流の遷移現象は、従来のヘリコプタ
のロータ ブレードあるいは従来のプロペラ機用一様ピ
ッチ羽根プロペラの形状のものを使用している限り発見
できないものであって、本発明のロータ ブレードの実
験模型即ち竹とんぼ、しかも手回しのものを製作し、使
用・実験することによって初めて確認できるものであ
り、1903年からの航空機の実用化以来、今日まで見
逃されていた現象である。
【0020】又、ヘリコプタ用のロータ ブレードで
は、ブレードの回転軸寄りの部分を無くして支軸に代え
た場合、機体に当たる無駄な下降気流を発生させること
が無く、低効率・低効率な揚力発生を無くして、飛行の
安定性を増加させると共に騒音の減少の効果をもたらす
ことができる。当該ロータ ブレードを使用した場合、
不慮のエンジン停止時にブレードのオートローテーショ
ンを良好に維持するためには、ブレードの弦長を大きく
することにより対処できる。
【0021】本発明は、実験模型即ち竹とんぼを使用し
ての実験により確認された当該「気流の遷移現象」とそ
の効果をを利用・応用することで、実機における高性能
のヘリコプタのロータブレードを提供するものである。
実機とラジコン模型並びに当該実験模型は、本質的に相
違はないからである。
【0022】プロペラ機あるいはターボプロップジェッ
トエンジンのプロペラにおいても、この現象とその作用
は、本質的に同じであり、プロペラの回転数を従来の回
転数の範囲以下で回転させても、プロペラが失速せず、
揚力すなわち飛行推力を増加させることができ、プロペ
ラの回転による翼端の角速度を低くでき、その結果、プ
ロペラ翼端の角速度と気体の飛行速度との合成速度の内
の飛行速度を増加させることができる。又、ジェットエ
ンジンの圧縮機及びタービンを低速回転で圧縮効果を増
加させ、あるいはタービンの揚力を増加させることがで
きる。
【0023】風力発電機用プロペラのロータ ブレード
においては、風力の作用点の分布をブレードの根元付近
で小さく、ブレード先端付近では大きくし、風力の作用
点と回転軸間のスパン長を大きくし、風力による発生ト
ルクを有効に活かし、微風でのトルクを大きくし、大き
な減速比で減速し、発電機に必要な回転数と所要のトル
クを得ることができる。しかも、ブレード先端付近が大
きな迎角であるためにブレード先端の回転時に受ける風
切り抵抗が大きくなり、その空気抵抗で回転慣性による
回転数増大の効果が制限され、強風時においても回転暴
走しないので、固定迎角でよく、現行では必須の可変ピ
ッチプロペラを必要としない特色がある。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を実施例を図面
を参照して説明する。図1は、ケイリー卿の「一様迎
角」ブレードの形態を示す回転浮揚器の図を模写した図
である。図2は、本発明に於いて発見された、ブレード
先端の大きな迎角でも失速しない効果をもたらす気流の
遷移現象を説明する「ブレード上面に現れる気流の遷移
現象図」である。
【0025】図3は、気流の遷移現象が発生する場合
と、それが発生しない場合の比較図であり、図3のA
は、本発明のロータ ブレードにおいて起きる「ブレー
ド上面に現れる気流の遷移現象図」である。この効果
は、ヘリコプタのメインロータ ブレード、プロペラ機
用プロペラ、ターボプロップジェットエンジンのプロペ
ラ及びジェットエンジンの圧縮機とタービンのブレード
においても同じである。尚、当該気流の遷移現象は、本
発明のほぼ直線的で等幅のブレードで顕著な効果が認め
られるが、ハイ・スキュー角を持ったプロペラではブレ
ード上面の気流剥離防止効果が低い。
【0026】図3のBは、飛行機用の従来の「一様ピッ
チ羽根プロペラ」であり、ブレード根元付近上面の気圧
が低く、ブレード先端付近の気圧が高いために気圧の移
動の向きが逆であり、遠心力に逆らう向きでもあるため
に当該気流の遷移現象は起きないし、遠心力によって付
勢されることもないことを示した図である。
【0027】図3のCは、現行ヘリコプタの「一様迎角
ブレード」の場合での状態を示す。ブレード根元付近上
面の気圧と、ブレード先端付近の気圧が同じであるため
に当該「気流の遷移現象」は起きないし、一見遠心力に
よって付勢されそうに思われるものの実験模型を使用し
ての実験ではその作用が認められない。
【0028】一般に、ブレード先端11の迎角があまり
大きくなるとブレード上側表面の気流が剥がれてしま
い、気流が乱れてブレード上面後方では大きな渦にな
る。このような状態になると、揚力の減少並びに大きな
空気抵抗が生ずる。これらがいわゆる失速の状態であ
り、いくらロータ1の回転力を上げても抵抗が増すばか
りで揚力を得られなくなる。ヘリコプタの「一様迎角」
ロータ ブレードの失速を起こさない迎角は、16度く
らいまでであり、大きな迎角28度は通常では失速領域
になる。
【0029】しかし、本発明のロータ ブレード2は、
ブレード先端11の迎角が前縁8を上げあるいは後縁9
を下げることで、ブレード根元10の迎角よりも大きく
なっている。そのために、ブレード先端11の上側表面
の気流はブレード根元10の上側表面の気流より圧力が
低くなる。この圧力差があるために、高い圧力の気流1
2が低い圧力の気流13側に流れ込む遷移効果により、
ブレード先端11の上側表面の気流は乱されることな
く、従って失速しないことになる。しかも、ロータ ブ
レード2の回転による遠心力は、ブレード根元10の上
側表面の高い圧力の気流12をブレード先端11の上側
表面へ流れ込ませる遷移効果を相乗的に高めるように作
用する。従って、本発明のロータ ブレードは、先端の
迎角が相当大きいのにもかかわらず失速しないで使用で
きる。
【0030】図4は、当該「ブレード上面に現れる気流
の遷移現象」を利用した本発明のヘリコプタ用のロータ
ブレードの斜視図である。回転軸と接続のためのヒン
ジは省略してある。ジェットエンジンの圧縮機とタービ
ンのブレード並びにターボプロップジェットエンジンの
プロペラにおいても低速回転で圧縮効果を増加させある
いはターボプロップジェットエンジンのプロペラでも同
じであり、図面は省略する。
【0031】図5は、本発明のヘリコプタ用のロータ
ブレードの根元側の弦長の前後両縁部を切り欠いた形状
の概略図である。図6は、オートローテーション時に効
果がある幅広弦長のロータ ブレードの概略図ある。図
5及び図6共に回転軸と接続のためのヒンジ類は省略し
てある。
【0032】図7は、当該「ブレード上面に現れる気流
の遷移現象」を利用した飛行機用本発明のプロペラ及び
風力発電機用プロペラの斜視図である。プロペラのボス
部の形状は、図示の便宜のための形であり、実機のもの
と同一ではない。本発明のロータ ブレードあるいは飛
行機用プロペラ及び風力発電機用プロペラは、1組2枚
構成が基本的な構成であるが、1組3枚、1組4枚、1
組5枚、1組6枚及び1組7枚のものであっても機能は
同じである。使用に当たっては、当該航空機の現行の使
用回転数以下で回転させるが、それでもブレード端の迎
角が大きいために失速せず、揚力は低速回転でも現行の
プロペラよりアップし、プロペラ機やヘリコプタでは飛
行速度を増加させる。
【0033】風力発電機用プロペラは、微風でも低い回
転数で大きなトルクを得られ、減速比の大きい減速装置
を使用して発電機の高速回転を得ることができる。しか
も、ブレード先端の大きな迎角のために、空気抵抗で回
転数が制限され、台風や強風の時でも回転暴走を防止で
きるために、現行のような可変ピッチプロペラにする必
要がない。
【0034】図8は、本発明の実験に使用した3種類の
実験模型の仕様と性能の比較表と比較図である。試作品
No.001は、本発明のブレードを示す。試作品N
o.002は、現行ヘリコプタに相当するブレード及び
試作品No.003は、現行プロペラ機の一様ピッチ羽
根プロペラに相当するブレードである。性能を示す揚高
は、地上から測定した高さである。
【0035】図9は、本発明の実験に使用した3種類の
実験模型の図及び回転数と揚力との関係を比較したデー
タである。測定に使用した装置・器具及び測定器を以下
に示す。 1.扇風機:AC100V、50Hz時の回転数123
0rpm、風速190m/min、風量36.5m
mim、(株)朝日コーポレーション製。 2.台秤:計量範囲40〜500g、1目盛2g、型式
承認第D6932号、大和製衡(株)製。風力(揚力に
相当)測定及び実験模型の回転付与に使用。 3.段ボールの円板:直径300mm、風力(揚力に相
当)測定に使用。 4.タコメータ:ディジタルハンドタコメータHT−4
100、小野測器製。
【0036】図10は、ヘリコプタのメインロータ ブ
レードの実験模型3種の性能比較をビジユアルに提示し
た実機に装着した場合を想定した図である。本発明の
「先端迎角(羽根角)大・根元迎角(羽根角)小ブレー
ド」は、図9のデータによれば、一様ピッチ羽根プロペ
ラの回転数に比べ53.5%(46.5%減)の回転数
で同じ揚力を出せ、一様迎角(羽根角)ブレードに比べ
67%(33%減)の回転数で同じ揚力を出せる。後者
の場合、測定誤差あるいは効率を考慮し、実効値のかな
り低めの0.75と仮定しても、〔33(%)×0.7
5=24.75(%)〕となり、このデータから少なく
とも現行ヘリコプタの飛行速度を24%以上アップする
ことが可能となる。プロペラ機では〔46.5(%)×
0.75=34.8(%)〕となり、現行の飛行速度を
34%以上アップすることが可能となる。
【0037】本発明のロータ ブレードの根元と先端間
の迎角差によって生ずる揚力の差によるロータ ブレー
ドの捻れ並びにロータ ブレード先端のやや大きな揚力
による曲げに対する強度の変化は、揚力よりも1桁大き
い回転による遠心力が働くために抑制され、無視できる
ほど微少であり、例えば、飛行機の前進角付の主翼で懸
念されるようなダイバージェンスによる破壊対策あるい
は高速機の後退翼端のねじり下げに見られる失速回避の
ような取り立てての対策を必要としないことである。飛
行機用の本発明プロペラに付いても同じことがいえる。
【0038】このことは、現行のヘリコプタのロータ
ブレードにおいて、ロータの根元部が天地方向に可動な
ヒンジ構造であるにもかかわらず、迎角を大きくし揚力
を増したフラッピング角が、機体重量に加えた積載重量
の大きな総和重量であっても、ブレードの回転遠心力に
よって支えられ、数度以内に抑えられてつり合うことで
明らかである。又、この現象と効果は、厚さ0.5mm
・幅20mm・全長200mmの硬質塩ビ製ブレードを
使用し、ブレード先端の迎角を大きくし、ブレード根元
の迎角を小さくした実験模型で実験して追試済みであ
り、再追試も容易にできる。因みに、当該実験模型の回
転数は、直径4mmの軸使用時1300〜1800rp
mであり、これはその平均値をとっても交流100V、
50Hzで使用する4極誘導電動機の回転数1425r
pmに相当する高速回転であり、大きな遠心力を発生さ
せる。
【0039】この実験では、俗に云うペラペラの薄い、
しかも捻れ強度不十分の材料であるにもかかわらず、遠
心力に抑えられて天・地いずれ側向きにも「捻れ」は起
きず、予め与えられている「捻れ」のままである。遠心
力の存在しない飛行機の前進角付きの主翼で起きるダイ
バージェンスは、凄まじい遠心力の効果があるヘリコプ
タのロータ ブレードにそのまま当てはめて考えるべき
ではないことの証左である。
【0040】尚、更に性能の優れた本発明のヘリコプタ
用のロータ ブレードの場合、ロータ ブレードの翼端
を残して翼の根元部を切り欠く場合には、図5に示す如
く、切り欠いたブレードに代えてロータ支軸17を長く
する。この形態は、カヌーのパドルやオールが水を有効
に掻くための作用とその効果に相当する。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようにヘリコプ
タ用のロータ ブレードにおいて周速度の大きいブレー
ド先端位置付近の迎角を大きくしてあるために、従来の
ストレートで「一様な迎角」のロータ ブレードより
も、気流の遷移現象により、失速することなしに、ロー
タの回転により受ける気流の当たる面積が、ブレード根
元の迎角14度、ブレード先端の迎角28度の迎角差1
4度の場合で、少なくても24%増加する。揚力の大き
さは、気流の当たる面積に比例し、気流の速度の二乗に
比例するから、当該面積の増加分のみでも、同一回転数
で、迎角が一様なロータ ブレードよりも少なくとも揚
力が24%程度以上増加することになる。
【0042】しかも、当該増加面積部は、回転外周寄り
に位置するため、より大きな速度の気流が作用するか
ら、当該気流の速度の二乗で揚力増加に作用する。更
に、迎角を大きくすることによって増加する揚力の増加
は、関連して増える空気抵抗よりも大きいものであり、
当該空気抵抗を差し引いても余りある。ジェットエンジ
ンの性能を向上させるジェットエンジン内の圧縮機とタ
ービンのブレードでもこの作用は同じである。
【0043】とりわけ、ヘリコプタより高速飛行するプ
ロペラ機では、一様ピッチ羽根プロペラの理論に基づく
プロペラ単体の効率ではなく、回転によるプロペラ先端
の角速度を可能な限り小さくすれば、プロペラ先端の角
速度と飛行速度を併せた合成速度の内の飛行速度を高め
ることができる。即ち、当該合成速度は、音速近づくと
飛行に支障を来すことから限界があるので、飛行速度を
アップさせるためには、プロペラ先端の角速度を可能な
限り小さくし、低い回転数でも大きな揚力が出せる本発
明のプロペラを使用すればその効果がある。この効果
は、ヘリコプタにおいても同様である。
【0044】そのために、原動機の出力が向上した現在
では、当該大出力原動機により、回転外周付近の迎角増
加による揚力増加すなわち負荷の増加に応えられるか
ら、プロペラ ブレード先端の迎角が大きい本発明のプ
ロペラの使用が可能である。
【0045】それに、翼端の迎角が大きいことは、前進
側ブレード翼端の空気相対速度を小さくした低い回転数
で高い回転数の場合と同様の揚力があり、その分航空機
の前進飛行速度を上げることができる。又、低い回転数
でも翼端の迎角が大きいために揚力が大きいことは、ヘ
リコプタの飛行におけるロータブレード回転の後退側ブ
レード翼端の失速を遅らせる効果がある。
【0046】以上説明したように、本発明のロータ ブ
レードあるいはプロペラを採用することでヘリコプタあ
るいはプロペラ機は、可能な限りの低い回転数で、所要
以上の揚力を得ることができ、大迎角であっても失速を
起こさないで、合成速度の内の飛行速度アップが達成さ
れる。本発明の数値的に検証した効果は、実験模型のモ
デル別に示した図9の実験模型3種類の回転数と揚力と
の関係を比較したデータによれば、ヘリコプタでは、相
当控えめにしても、少なくとも現行の24%以上、プロ
ペラ使用の飛行機では現行の34%以上の性能アップと
なる。
【0047】又、ヘリコプタ用のロータ ブレードで
は、ブレードの回転軸寄りの部分を無くしてブレードを
単なる支軸に代えると、機体に当たる無駄な下降気流を
発生させることが無く、低効率な揚力発生を無くして、
飛行の安定性を増加させると共に騒音の減少の効果をも
たらすことができる。それに、飛行の安全対策として不
慮のエンジン停止時に備えるために、ロータ ブレード
のオートローテーションを想定する必要があり、そのた
めには従来のロータ ブレードと同様の良好なオートロ
ーテーションを維持するために、図6に示すように、ブ
レードの弦長を大きくして対処することができる。これ
も実験模型により検証され、追試も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケイリー卿の回転浮揚器
【図2】ブレード上面に現れる気流の遷移現象図
【図3】ブレード上面に現れる気流の遷移現象の比較図
【図4】ヘリコプタ用本発明のロータ ブレードの斜視
【図5】ロータ ブレードの根元側の弦長の前後両縁部
を切り欠いた形状の概略図
【図6】オートローテーション時に効果がある幅広弦長
ロータ ブレードの概略図
【図7】プロペラ飛行機及び風力発電機用本発明のプロ
ペラの斜視図
【図8】実験に使用した3種類の実験模型の仕様と性能
の比較表及び比較図
【図9】本発明の実験に使用した3種類の実験模型の回
転数と揚力との関係を比較したデータ表及び比較図
【図10】メインロータ ブレードの実験模型3種の性
能比較の実機装着想定図
【符号の説明】
1 ロータ 2 ロータ ブレード 3 プロペラ 4 根元の迎角 5 先端の迎角 6 回転方向 7 揚力 8 前縁 9 後縁 10 ブレード根元 11 ブレード先端 12 高い圧力の気流 13 低い圧力の気流 14 遠心力 15 回転中心 16 気流の遷移 17 ロータ支軸 18 比較的高圧 19 低圧 20 高圧 21 更に高圧 22 同じ圧力 23 削除 24 内側の迎角 A 試作品No.001(気流の遷移が起きる) B 試作品No.003(気流の遷移は、起きない) C 試作品No.002(気流の遷移は、起きない) AA 先端迎角大タイプブレードα<β BA 一様ピッチ羽根プロペラα>β CA 一様迎角ブレードα=β a 気流と翼面の気流の圧力分布 b 迎角:小 c 迎角:大 D 現行のヘリコプタ E 試作品No.000タイプにした場合 F 現行飛行機のプロペラタイプにした場合 DD 理論的最高飛行速度400km/hは困難 EE 高速飛行可能:400km/h以上 FF 現行ヘリコプタよりも極端に飛行性能が劣る F1 ロータ ブレードの回転数が高すぎる F2 高い回転数にもかかわらず揚力が低い F3 高い回転数では飛行速度が現行より遅くなる

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中心軸側のブレード根元付近からブ
    レード先端に向けて、緩やか且つ滑らかに徐々に前縁を
    上げあるいは後縁を下げることで迎角を大きくし、ブレ
    ード先端で迎角を最も大きくして、当該迎角はブレード
    根元付近とブレード先端の間で14度程度以下の迎角差
    を有し、ブレードの枚数は最小限1組2枚とし、1組3
    枚、1組4枚、1組5枚、1組6枚及び1組7枚のもの
    を含むヘリコプタ用のロータ ブレード。
  2. 【請求項2】 回転中心軸側のブレード根元付近からブ
    レード先端までの長さの内、ブレード先端側から回転中
    心軸までの長さの55%をブレード先端側に残し、残り
    の内側のブレードを無くして軸に代えた請求項1のヘリ
    コプタ用のロータブレード。
  3. 【請求項3】 プロペラのブレード根元付近の迎角を2
    0度以下とし、ブレード先端に向けて、緩やか且つ滑ら
    かに迎角を大きくし、ブレード先端で迎角を最も大きく
    して、当該最大迎角を30度以下とし、ブレードの枚数
    は最小限1組2枚とし、1組3枚、1組4枚及び1組5
    枚のものを含む飛行機用プロペラのブレード。
  4. 【請求項4】ジェットエンジンのブレード及びターボプ
    ロップジェットエンジンのプロペラにおいて、圧縮機と
    タービン並びにターボプロップジェットエンジンのプロ
    ペラのブレード根元付近の迎角を20度以下とし、ブレ
    ード先端に向けて、緩やか且つ滑らかに迎角を大きく
    し、ブレード先端で迎角を最も大きくして、当該最大迎
    角を30度以下とし、当該迎角はブレード根元付近とブ
    レード先端の間で14度程度以下の迎角差を有するほぼ
    等幅のジェットエンジン用圧縮機及びタービンのブレー
    ド並びにターボプロップジェットエンジンのプロペラ。
  5. 【請求項5】風力発電機用プロペラのローターブレード
    において、ほぼ等幅なプロペラのブレード根元付近の迎
    角を20度以下とし、ブレード先端に向けて、緩やか且
    つ滑らかに迎角を大きくし、ブレード先端で迎角を最も
    大きくして、当該最大迎角を30度以下とし、当該迎角
    はブレード根元付近とブレード先端の間で14度程度以
    下の迎角差を有するローターブレード。
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