JP2003010697A - 光触媒構造体および光触媒反応器 - Google Patents

光触媒構造体および光触媒反応器

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JP2003010697A
JP2003010697A JP2001260078A JP2001260078A JP2003010697A JP 2003010697 A JP2003010697 A JP 2003010697A JP 2001260078 A JP2001260078 A JP 2001260078A JP 2001260078 A JP2001260078 A JP 2001260078A JP 2003010697 A JP2003010697 A JP 2003010697A
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light
titanium oxide
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photocatalyst structure
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JP2001260078A
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Shotaro Koga
正太郎 古賀
Kiyohiro Suzuki
清宏 鈴木
Ryuji Kojima
隆二 小島
Masaaki Kanamori
正晃 金森
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Nok Corp
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 担体自体の光透過性が高く、波長240〜420nm
の光源の光エネルギーの有効利用を可能とし、しかも廉
価な担体を用いた光触媒構造体およびそれを用いた光触
媒反応器を提供する。 【解決手段】 けい砂担体およびそれに担持せしめた光
触媒よりなる光触媒構造体。この光触媒構造体はこれを
光触媒反応励起用ランプを覆う光透過性管状体とさらに
それを覆う管状体とから形成される二重壁空間内に充填
することにより光触媒反応器として用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒構造体およ
び光触媒反応器に関する。更に詳しくは、担体自体の光
透過性が高く、廉価な担体を用いた光触媒構造体および
それを用いた光触媒反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】水質、大気、土壌汚染などの環境問題は
年々重要視されてきており、人為起源の化学物質、特に
有機溶剤、農薬、界面活性剤等の汚染物質や人体に悪影
響を及ぼすウイルスや菌の除去が強く望まれている。
【0003】また、魚介類の飼育および養殖時における
アンモニア性窒素の除去には、微生物ロ過法が多用され
ている一方で、水中有機物の除去、魚類の疾病防止のた
め、紫外線処理法やオゾン処理法が微生物ロ過法と併用
されている。紫外線処理法は、アンモニア性窒素の除去
効果が認められないため、微生物ロ過法との併用が不可
欠であり、一方のオゾン処理法は、毒性を低減させるた
めに、オゾン投与量を制御することが不可欠である。
【0004】酸化チタンを代表とする光触媒によりこれ
らの化学物質を分解する方法は、薬品等を用いないため
クリーンであり、太陽光などの光エネルギーの利用が可
能なため、現在注目されている環境浄化方法である。し
かしながら、特に水処理などの液相における分解処理に
関しては、処理後の光触媒の分離が困難なため、特に実
用化が遅れている。
【0005】こうした問題を解決するため、粒状および
膜状の光触媒が検討されているが、粒状光触媒を用いた
場合には、光触媒の分離が不要となるものの、光触媒の
光透過性が低くなり、光エネルギーの利用効率が低下す
る。
【0006】一方、膜状光触媒では、従来から光触媒の
担体として、フッ素樹脂(特開2000-51334号公報)、石
英、セラミックス(特開平11-156377号公報、同11-12863
1号公報、特開2000-24514号公報)などを用いることが知
られている。フッ素樹脂を用いた場合には、担体自体の
光透過性が低いため光を有効に利用することができない
ばかりではなく、一般には高価である。石英を用いた場
合には、光透過性が高いため光を有効に利用することが
できるが、これも一般には高価である。セラミックスを
用いた場合には、フッ素樹脂を用いた場合と同様に、担
体自体の光透過性が低いため光を有効に利用することが
できない。
【0007】ガラスを担体として用いた場合には、光の
透過性が高いため光を有効に利用することができ、一般
には廉価であるという利点がみられる。しかしながら、
一般的なソーダガラスに光触媒を担持して用いる場合
で、担持した光触媒層が薄い場合には、光触媒の結晶性
を高めるためのアニールの際、ソーダガラス担体に含ま
れるNaが光触媒層へ拡散し、光触媒の活性を低下させる
という問題がみられる。Naの拡散を防止するために、ソ
ーダガラス担体にSiO2層等のNaの拡散防止層を設けて、
光触媒の活性の低下を抑制することも提案されているが
(特開平9-72761号公報)、作製工程が増えるという問題
がみられる。
【0008】また、光触媒を用いる光触媒反応器に照射
される光源との関係でみてみると、ソーダガラスの光透
過特性は、透過波長360nmより短かい波長の光を吸収
し、波長310nmより短かい波長の光透過は著しく困難で
あるという特性を有しているため、ブラックライト蛍光
灯(放射波長300〜400nm)を光源とした場合には、波長
300〜360nmのエネルギーの一部がソーダガラスに吸収さ
れ、光触媒反応に利用できる光エネルギーは低下する。
また、放射波長254nm近傍で高い照度を示す殺菌灯を光
源にした場合には、殺菌灯から放射される放射エネルギ
ーの大部分が、ソーダガラスに吸収されることになる。
これら以外の光触媒反応に利用できる光源についても、
同様に光エネルギーの吸収は避けられず、ソーダガラス
担体を用いた光触媒の光エネルギー利用効率を低下させ
るという問題がある。
【0009】さらに、魚介類への安全性を確保しつつ、
アンモニア性窒素、水中有機物の除去、殺菌が可能な技
術として、光触媒を用いる方法が考えられ、この方法は
微生物ロ過法との併用が不要であり、魚介類への安全性
を確保し得るという長所を有している。
【0010】しかしながら、光触媒のバンドギャップに
最適と考えられる放射波長のブラックライト等、波長30
0nm以上の放射波長分布を有する光源を用いて、水中有
機物、アンモニア性窒素の除去、殺菌処理を、藻類共存
系の水槽や池で長期間実施した場合、光触媒反応器構成
部材表面における緑藻等の藻類発生により、光触媒へ到
達する光量が不足し、光触媒反応器の処理能力が低下す
るという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、担体
自体の光透過性が高く、波長240〜420nmの光源の光エネ
ルギーの有効利用を可能とし、しかも廉価な担体を用い
た光触媒構造体およびそれを用いた光触媒反応器を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
けい砂担体およびそれに担持せしめた光触媒よりなる光
触媒構造体によって達成され、この光触媒構造体はこれ
を光触媒反応励起用ランプを覆う光透過性管状体とさら
にそれを覆う管状体とから形成される二重壁空間内に充
填することにより光触媒反応器として用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】光触媒構造体の担体として用いら
れるけい砂は、殆んど石英の細かい粒のみからなり、Si
O2含有量が非常に高い砂である工業原料であり、波長21
0nmより長波長領域で光透過性を有し、放射波長240〜42
0nmの光透過性にすぐれている。本発明においては、入
手のし易さおよびコストの点から、平均粒径が約0.05〜
5mm、好ましくは0.1〜2mmのものが用いられる。このう
ち平均粒径がより小さいものを用いた場合には、光触媒
構造体を液相に分散させて用いることが可能であり、水
中の有機物の分解等に用いられる。一方、より大きな平
均粒径のものを用いた場合には、光触媒構造体充填層と
して用いることが可能であり、空気中の有機物の分解等
に利用することができる。なお、けい砂を担体とする光
触媒構造体の用途は、上記の如きものに限定されるもの
ではない。
【0014】これらのけい砂に担持される光触媒として
は、光触媒活性を有するものであれば任意のものを用い
ることができるが、一般には酸化チタンが用いられる。
酸化チタンの結晶構造としては、アナターゼ型、ルチル
型、ブルツカイト型があり、結晶化温度が低い場合に
は、アナターゼ型酸化チタンが形成され、高い場合には
ルチル型の酸化チタンが形成される。このうち、結晶構
造がルチル型に転移しない程度に結晶構造を高めたアナ
ターゼ型酸化チタンは、特に高い触媒活性を有する。一
方、ルチル型酸化チタンについては、被覆層として形成
された光触媒においても、活性の低下を招くことが開示
されている(特開平11−157966号公報)が、アナターゼ型
酸化チタンと共に用いられる場合には、アナターゼ型酸
化チタン単独で使用した場合よりもさらに高い触媒活性
を有する。したがって、酸化チタンとしては、アナター
ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンあるいはこれらに
ジルコニウム、アルミニウム等の金属元素を添加したも
のなどが用いられ、好ましくはアナターゼ型酸化チタン
が、さらに好ましくはルチル型酸化チタンおよびアナタ
ーゼ型酸化チタンを含有する酸化チタンが用いられる。
ルチル型酸化チタンおよびアナターゼ型酸化チタンを含
有する酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタンを20〜
99重量%、好ましくは、30〜88重量%、アナターゼ型酸
化チタンを80〜1重量%、好ましくは70〜12重量%含有
する酸化チタンが用いられる。このルチル型、アナター
ゼ型の含有量については、被覆に用いたチタニアゾル溶
液をゲル化、アニールして粉末を得、このX線回折強度
から算出される。さらに、被処理対象物質の処理に適す
る銀、ニッケル、白金、パラジウム、銅等の金属を光触
媒表面に析出させ、反応効率を高めたものを用いること
もできる。なお、光触媒がアナターゼ型酸化チタンまた
はルチル型およびアナターゼ型酸化チタンを含有するこ
とを特徴とする光触媒構造体の用途は以下に述べる用途
に限定されるものではない。
【0015】これらの担体への光触媒の担持は、好まし
くは光触媒表面上への被覆層として形成される。被覆層
の形成は、ゾル・ゲル法、CVD法、真空蒸着法、スパッ
タリング法などの金属酸化物膜の形成法を用いて行われ
る。形成された光触媒膜の膜厚が0.03μmより薄いと、
所望の被処理物質の低減処理能力が得られず、一方1μm
より厚くしても同様である。なお、形成される光触媒膜
は、アナターゼ型酸化チタンのみを得るにあたっては、
それの結晶性を高めるために400〜600℃で、ルチル型お
よびアナターゼ型酸化チタンを得るにあたっては、所望
の結晶状態を得るために650〜800℃で、0.5〜5時間程度
アニール処理される。
【0016】図1は、本発明に係る光触媒反応器の一態
様を示す断面配置図であって、後記実施例2、参考例2お
よび比較例2で用いられている。ここで、表面に光触媒
膜を形成させた光触媒構造体1は、光触媒反応励起用ラ
ンプ2を覆う光透過性管状体3とさらにそれを覆う環状体
4とから形成される二重壁空間内に充填されるが、その
上部および下部にはシール用フィルター5,5′が設けら
れている。また、符号6,6′は反応管カバーであり、7は
被処理物質の供給口、8は排出口である。
【0017】光触媒反応励起用ランプとしては、放射波
長240〜420nmの光を放射できる光源、例えば放射中心波
長が240〜420nmの蛍光灯、殺菌灯、低圧水銀灯、高圧水
銀灯等が用いられる。
【0018】このランプを覆う光透過性管状体として
は、波長240〜420nmでの光透過率が高い素材であり、ラ
ンプを覆い、収容できる管、例えば石英ガラス、ソーダ
ガラス等のガラス管等が用いられる。このような光触媒
反応励起用ランプの放射光特性に適した素材および厚さ
の光透過性管状体と二重壁を形成する管状体としては、
光触媒体を収容できる素材であれば任意のものを使用す
ることができ、例えばアクリル樹脂等の合成樹脂やソー
ダガラス、石英ガラス等のガラスなどが用いられる。な
お、この管状体の素材として紫外域の光透過率が高い素
材を選択し、管状体外表面における波長240〜380nmの透
過光強度が強く、人体への影響が懸念される場合には、
この管状体の外側表面に光反射または光吸収作用を有す
る部材を配置することが好ましい。
【0019】光触媒構造体は、光透過性管状体外面、管
状体内面およびこれらによって形成される二重壁空間の
上下に設けられたフィルターよりなる空間内に充填さ
れ、その充填空間が光触媒構造体充填層となる。その光
触媒構造体充填層には、被処理物質供給口から供給さ
れ、その排出口から排出される被処理物質を接触せしめ
るが、その際光触媒構造体充填層を透過した光の波長24
0〜420nmにおける光強度が300μW/cm2以下となるような
値が採用される。なお、これよりも大きい光強度では、
光触媒反応器の光利用効率の低下が懸念される。
【0020】用いられる光透過性担体の平均粒径および
光触媒膜の膜厚を変化させることにより、あるいは光透
過性棒状担体の直径、長さおよび光触媒膜の膜厚を変化
させることにより、光触媒構造体の光利用効率および光
触媒構造体充填層の光透過率を制御することができる。
【0021】また、光触媒構造体充填層を透過した光の
波長240〜420nmにおける光強度が300μW/cm2以下となる
ように光触媒構造体層の厚さを変化させることにより、
光触媒構造体充填層における光利用効率の向上が図られ
る。さらに、反応器中心軸から光触媒反応励起用ラン
プ、光透過性管状体、光触媒構造体充填層および管状体
を順次配置することで、光触媒反応器の光利用効率を向
上させることができ、液相または気相に溶存もしくは分
散している物質の光触媒反応処理に使用可能な光触媒反
応器の処理性能の向上が可能となり、従来技術における
問題点が解決される。
【0022】被処理物質としては、例えば魚介類の飼育
や養殖等の藻類共存系水槽または池等の藻類共存系水相
中に溶存または分散している物質あるいはイソプロパノ
ール等の水中有機化合物、アセトアルデヒド等の悪臭ガ
スや有毒ガス、また空気中有機化合物などがあげられ
る。
【0023】被処理物質が、魚介類の飼育や養殖等の藻
類共存系水槽または池等の藻類共存系水相中に溶存また
は分散している物質である場合には、緑藻含有成分であ
るクロロフィルの光吸収波長域300nm以上に主放射波長
を有する光源、例えばブラックライト蛍光灯を採用する
と、緑藻の繁殖が懸念されることから、クロロフィルの
光吸収波長300nm以上を除き、かつ光触媒反応を励起で
きる波長388nm以下を満足させる主放射波長である240〜
300nmの光を放射できる光源、例えば放射中心波長が254
nmの殺菌灯等が用いられる。
【0024】
【発明の効果】本発明により、担体自体の光透過性が高
く、波長240〜420nmの光源の光エネルギーの有効利用を
可能とし、しかも廉価な担体を用いた光触媒構造体およ
びそれを用いた光触媒反応器が提供される。また、ここ
で用いられる担体(けい砂)は、殆んどNaを含まないた
め、光触媒の結晶性を高めるためのアニール工程で、光
触媒の活性を低下させることがない。この光触媒構造体
は、緑藻含有成分であるクロロフィルの光吸収波長域を
避けた240〜300nmの光を放射できる光源、例えば殺菌灯
等を用いることにより、藻類共存系水相中の被処理物質
の低減化処理を可能とする。さらに、この光触媒構造体
は、例えばイソプロパノール等の水中有機化合物、アセ
トアルデヒド等の悪臭ガスや有毒ガスである有機化合物
の低減化処理にも有効に用いられる。このような低減化
処理効果は、ルチル型およびアナターゼ型よりなる酸化
チタンを用いた場合により高められる。
【0025】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0026】実施例1 チタンテトライソプロポキシド16gを2-メトキシエタノ
ール(エチレングリコールモノメチルエーテル)78gに溶
解させた溶液と1N塩酸2gを2-メトキシエタノール48gに
溶解させた溶液とを混合し、4時間攪拌混合してゾル溶
液を形成させた。このゾル溶液を、20〜30メッシュ(平
均粒径0.6〜0.85mm)のけい砂(関東化学製品)の表面上に
被覆、乾燥後、500℃の空気中で1時間アニールし、けい
砂担体表面にアナターゼ型酸化チタン膜(膜厚0.05μm)
を形成させた光触媒構造体を得た。
【0027】この光触媒構造体20gを石英製直管(内径8m
m)に充填し、そこに10ppmのイソプロパノール水溶液を
循環させると共に、透過光強度が300μW/cm2以下となる
ようにブラックライト蛍光灯で外部から光照射し、イソ
プロパノール濃度の経時変化を追跡した。4時間後、イ
ソプロパノール濃度の減少量は3ppmであった。
【0028】参考例1 実施例1において、けい砂の代りに石英ビーズ(粒径2mm)
を用いて形成された光触媒構造体について、イソプロパ
ノール濃度の経時変化を追跡すると、4時間後にその濃
度減少量は4ppmであった。
【0029】比較例1 実施例1において、けい砂の代りにソーダガラスビーズ
(粒径2mm)を用いて形成された光触媒構造体について、
イソプロパノール濃度の経時変化を追跡すると、4時間
後にその濃度減少量は0.5ppmであった。
【0030】実施例2 図1において、光触媒構造体1として実施例1で得られた
ものを用い、光触媒反応励起用ランプ2にブラックライ
ト蛍光灯(6W)を、光透過性管状体3に石英ガラス管を、
管状体4にアクリル樹脂管をそれぞれ用いて、以下の実
験を行った。
【0031】光源軸方向の中央部において、アクリル樹
脂管の内側表面における透過光の波長240〜420nmの透過
光強度が300μW/cm2以下となるように光触媒充填層の厚
さを10mmに選定して光触媒反応器を製作した。光触媒反
応器の処理特性を調べるため、濃度250ppmのドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を用いたTOC低減試
験を6時間の光照射条件下で実施した。この結果、TOC低
減率は71%となった。
【0032】実施例3 実施例2において、光触媒反応励起用ランプとして殺菌
灯(6W)が用いられた。ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムのTOC低減率は79%と、実施例2と同様の値を示し
た。
【0033】参考例2 実施例2において、実施例1においてけい砂の代わりに石
英ビーズ(粒径2mm)を用いて形成された光触媒構造体1が
用いられた。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの
TOC低減率は75%と実施例2と同等の値を示したが、石英
ガラスビーズが高いため製作コストが増大した。
【0034】比較例2 実施例2において、実施例1においてけい砂の代りにソー
ダガラスビーズ(粒径2mm)を用いて形成された光触媒構
造体1が用いられた。ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムのTOC低減率を測定すると、12%であった。
【0035】比較例3 図2に示されるように、実施例2におけるブラックライト
蛍光灯1本を管状体外側に配置し、その他の条件は実施
例2と同様の光触媒反応器を製作した。ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム水溶液のTOC低減率を調べた結
果、TOC低減率は47%となった。この値は実施例2より低
い値であり、光触媒反応器の光利用効率は低下した。
【0036】実施例4 実施例3において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム水溶液の代りに、観賞魚の飼育によりTOCを5ppmに
調整した飼育試験水を用い、2時間の光照射条件下で実
施すると、TOC低減率は21%となった。
【0037】この光触媒反応器を観賞魚飼育水槽内に設
置し、2週間の連続光照射処理を行った結果、光触媒充
填層における藻の発生は認められなかった。また、連続
光照射処理後のTOC低減率は20%であって、初期のTOC処
理特性が維持されていた。
【0038】比較例4 実施例3において、殺菌等の代りにブラックライト蛍光
灯(6W)を用いると、飼育試験水のTOC低減率は15%となっ
た。一方、2週間連続光照射処理後の光触媒充填層に
は、緑藻の発生が認められ、TOC低減率も2%となり、初
期のTOC処理特性が著しく低下していた。
【0039】比較例5 実施例3において、粒状けい砂の代りにソーダガラスビ
ーズ(直径2mm)を担体として用いた光触媒反応器の処理
特性を調べると、飼育試験水のTOC低減率は5%にすぎな
かった。
【0040】実施例5 実施例1と同様の方法で得られたけい砂担体表面にアナ
ターゼ型酸化チタン膜(膜厚0.05μm)を形成させた光触
媒構造体1.6gを石英製直管(内径8mm)に充填し、そこに
相対湿度50%(25℃)に加湿した12ppmのアセトアルデヒ
ド含有空気希釈ガスを流通させると共に、透過光強度が
300μW/cm2以下となるようにブラックライト蛍光灯で外
部から光照射し、アルデヒドの処理特性を調べた。充填
層下流におけるアセトアルデヒド濃度は、5.8ppmであ
り、アセトアルデヒド濃度低減率は、51%であった。ま
た、アセトアルデヒドからのCO2生成濃度/アセトアルデ
ヒド低減濃度の比を示すCO2転化率は、71%であった。
【0041】参考例3 実施例5において、けい砂の代りに石英ビーズ(粒径0.4m
m)を用いて形成された光触媒構造体について、相対湿度
50%(25℃)に加湿した12ppmのアセトアルデヒド含有空
気希釈ガスの処理特性を調べたところ、充填層下流にお
けるアセトアルデヒド濃度は、5.1ppmであり、アセトア
ルデヒド濃度低減率およびCO2の転化率は、それぞれ58
%、74%であった。
【0042】比較例6 実施例5において、けい砂の代りにソーダガラスビーズ
(粒径0.4mm)を用いて形成された光触媒構造体につい
て、相対湿度50%(25℃)に加湿した12ppmのアセトアル
デヒド含有空気希釈ガスの処理特性を調べたところ、充
填層下流におけるアセトアルデヒド濃度は、10.7ppmで
あり、アセトアルデヒド濃度低減率およびCO2の転化率
は、それぞれ11%、21%であった。
【0043】実施例6 実施例1において、ゾル溶液をけい砂の表面上に被覆、
乾燥後、700℃の空気中で1時間アニールし、けい砂担体
表面にルチル型(80重量%)およびアナターゼ型(20重量
%)よりなる酸化チタン膜(膜厚0.04μm)を形成させた光
触媒構造体を得た。
【0044】この光触媒構造体20gを石英製直管(内径8m
m)に充填し、そこに10ppmのイソプロパノール水溶液を
循環させると共に、透過光強度が300μW/cm2以下となる
ようにブラックライト蛍光灯で外部から光照射し、イソ
プロパノール濃度の経時変化を追跡した。4時間後、イ
ソプロパノール濃度の減少量は6ppmであった。
【0045】実施例7 実施例1において、ゾル溶液をけい砂の表面上に被覆、
乾燥後、650℃の空気中で1時間アニールし、けい砂担体
表面にルチル型(45重量%)およびアナターゼ型(55重量
%)よりなる酸化チタン膜(膜厚0.04μm)を形成させた光
触媒構造体を得た。
【0046】この光触媒構造体2.5gを石英製直管(内径8
mm)に充填し、そこに相対湿度50%(25℃)に加湿した1pp
mのアセトアルデヒドガスを流通させると共に、透過光
強度が300μW/cm2以下となるようにブラックライト蛍光
灯で外部から光照射した。充填層下流におけるアセトア
ルデヒドの減少量は0.3ppmであった。なお、アニール温
度を500℃とし、けい砂担体表面にアナターゼ型酸化チ
タン膜(膜厚0.04μm)を形成させた光触媒構造体につい
て、同様にアセトアルデヒド濃度の減少量を測定する
と、0.2ppmであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一部の実施例で用いられた光触媒反応
器の断面配置図である。
【図2】従来技術である一部の比較例で用いられた光触
媒反応器の断面配置図である。
【符号の説明】
1 光触媒構造体 2 光触媒反応励起用ランプ 3 光透過性管状体 4 管状体 5 フィルター 6 反応管カバー 7 供給口 8 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/72 101 C02F 1/72 ZAB ZAB B01D 53/36 H Z J G (72)発明者 小島 隆二 茨城県つくば市和台25番地 エヌオーケー 株式会社内 (72)発明者 金森 正晃 茨城県つくば市和台25番地 エヌオーケー 株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA09 AB02 AB11 AB12 BA18 4D048 AA19 AA21 AA22 BA07X BA41X BB01 BB17 CA07 EA01 4D050 AA08 AB14 AB35 BC04 BC09 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA16A BA16B BA48A CA05 CA11 CA17 DA06 EA02X EA02Y EB18X EB18Y EC22X EC22Y ED10 FA01 FA02 FB23 FC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けい砂担体およびそれに担持せしめた光
    触媒よりなる光触媒構造体。
  2. 【請求項2】 平均粒径が約0.05〜5mmのけい砂担体が
    用いられた請求項1記載の光触媒構造体。
  3. 【請求項3】 光触媒が酸化チタンを含有してなる請求
    項1または2記載の光触媒構造体。
  4. 【請求項4】 酸化チタンがアナターゼ型酸化チタンを
    含有してなる請求項3記載の光触媒構造体。
  5. 【請求項5】 酸化チタンがルチル型およびアナターゼ
    型酸化チタンを含有してなる請求項3記載の光触媒構造
    体。
  6. 【請求項6】 ルチル型酸化チタン20〜99重量%、アナ
    ターゼ型酸化チタン80〜1重量%からなる請求項5記載
    の光触媒構造体。
  7. 【請求項7】 光触媒が担体被覆層として形成された請
    求項1記載の光触媒構造体。
  8. 【請求項8】 光触媒反応励起用ランプを覆う光透過性
    管状体とさらにそれを覆う管状体とから形成される二重
    壁空間内に請求項1記載の光触媒構造体を充填してなる
    光触媒反応器。
  9. 【請求項9】 液相または気相に溶存または分散した被
    処理物質を請求項8記載の光触媒反応器中の光触媒構造
    体充填層と接触させ、波長240〜420nmの紫外線を含む光
    照射により、光触媒反応させることを特徴とする被処理
    物質の低減化処理方法。
  10. 【請求項10】 被処理物質が悪臭ガスまたは有毒ガスで
    ある請求項9記載の被処理物質の低減化処理方法。
  11. 【請求項11】 被処理物質が藻類共存系水相に溶存また
    は分散した物質である請求項9記載の被処理物質の低減
    化処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018016115A1 (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 三菱電機株式会社 脱臭装置及び脱臭フィルタ

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