JP2003009181A - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

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JP2003009181A JP2001194415A JP2001194415A JP2003009181A JP 2003009181 A JP2003009181 A JP 2003009181A JP 2001194415 A JP2001194415 A JP 2001194415A JP 2001194415 A JP2001194415 A JP 2001194415A JP 2003009181 A JP2003009181 A JP 2003009181A
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淳一 石橋
Takashi Sawao
貴志 沢尾
Takahiro Nagano
隆浩 永野
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Toru Miyake
徹 三宅
Seiji Wada
成司 和田
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    • H04N2013/0092Image segmentation from stereoscopic image signals

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の混ざり合いの状態に対応して、2次元
画像から3次元画像を生成する。 【解決手段】 前景背景成分画像生成部91は、前景オ
ブジェクト成分のみからなる前景領域と、背景オブジェ
クト成分のみからなる背景領域と、前景オブジェクト成
分および背景オブジェクト成分とが混合されてなる混合
領域とからなる画像データから、前景オブジェクト成分
のみからなる前景成分画像と、背景オブジェクト成分の
みからなる背景成分画像とを生成する。前景視差画像生
成部93は、前景成分画像に視差を付加して右眼用前景
視差画像を生成すると共に、前景成分画像に視差を付加
して左眼用前景視差画像を生成する。合成部94−1お
よび94−2は、右眼用前景視差画像と背景画像とを合
成して右眼用視差画像を生成すると共に、左眼用前景視
差画像と背景画像とを合成して左眼用視差画像を生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、セ
ンサにより検出した信号と現実世界との違いを考慮した
画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
に関する。
【0002】
【従来の技術】現実世界における事象をセンサで検出
し、画像センサが出力するサンプリングデータを処理す
る技術が広く利用されている。
【0003】例えば、静止している所定の背景の前で移
動する物体をビデオカメラで撮像して得られる画像に
は、物体の移動速度が比較的速い場合、動きボケが生じ
ることになる。
【0004】また、2次元画像を3次元画像に変換する
技術がある。例えば、2次元画像の1フィールド画面内
を複数の領域に分割し、各領域で抽出された特徴情報、
すなわち奥行き情報に基づいて水平視差量を演算し、そ
の水平視差量に応じて生成された第1画像と第2画像と
を表示することにより3次元画像を表示することは、特
開平10−51812号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】静止している背景の前
で物体が移動するとき、移動する物体の画像自身の混ざ
り合いによる動きボケのみならず、背景の画像と移動す
る物体の画像との混ざり合いが生じる。従来は、背景の
画像と移動する物体の画像との混ざり合いの状態に対応
する処理は、考えられていなかった。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、画像の混ざり合いの状態に対応して、2次
元画像から3次元画像を生成することができるようにす
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分
のみからなる前景領域と、背景オブジェクトを構成する
背景オブジェクト成分のみからなる背景領域と、前景オ
ブジェクト成分および背景オブジェクト成分とが混合さ
れてなる混合領域とからなる画像データから、前景オブ
ジェクト成分のみからなる前景成分画像と、背景オブジ
ェクト成分のみからなる背景成分画像とを生成する前景
背景成分画像生成手段と、前景成分画像に対して右眼用
の視差を付加して右眼用前景視差画像を生成すると共
に、前景成分画像に対して左眼用の視差を付加して左眼
用前景視差画像を生成する前景視差画像生成手段と、右
眼用前景視差画像と任意の背景画像とを合成して右眼用
視差画像を生成すると共に、左眼用前景視差画像と背景
画像とを合成して左眼用視差画像を生成する視差画像生
成手段とを含むことを特徴とする。
【0008】画像処理装置は、前景背景成分画像生成手
段により生成された前景成分画像の動きボケの量を調整
する動きボケ量調整手段をさらに設けることができる。
【0009】前景背景成分画像生成手段は、画像データ
の、前景領域と、背景領域と、混合領域とを特定する領
域特定手段と、前景領域、背景領域、および混合領域の
特定の結果に基づいて、混合領域における前景オブジェ
クト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す
混合比を検出する混合比検出手段と設けることができ
る。
【0010】前景背景成分画像生成手段は、混合比に基
づいて、混合領域に属する画素を、前景オブジェクト成
分と背景オブジェクト成分とに分離し、分離された前景
オブジェクト成分および背景オブジェクト成分を基に、
前景成分画像および背景成分画像を生成する前景背景分
離手段をさらに設けることができる。
【0011】本発明の画像処理方法は、前景オブジェク
トを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領
域と、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成
分のみからなる背景領域と、前景オブジェクト成分およ
び背景オブジェクト成分とが混合されてなる混合領域と
からなる画像データから、前景オブジェクト成分のみか
らなる前景成分画像と、背景オブジェクト成分のみから
なる背景成分画像とを生成する前景背景成分画像生成ス
テップと、前景成分画像に対して右眼用の視差を付加し
て右眼用前景視差画像を生成すると共に、前景成分画像
に対して左眼用の視差を付加して左眼用前景視差画像を
生成する前景視差画像生成ステップと、右眼用前景視差
画像と任意の背景画像とを合成して右眼用視差画像を生
成すると共に、左眼用前景視差画像と背景画像とを合成
して左眼用視差画像を生成する視差画像生成ステップと
を含むことを特徴とする。
【0012】本発明の記録媒体のプログラムは、前景オ
ブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからな
る前景領域と、背景オブジェクトを構成する背景オブジ
ェクト成分のみからなる背景領域と、前景オブジェクト
成分および背景オブジェクト成分とが混合されてなる混
合領域とからなる画像データから、前景オブジェクト成
分のみからなる前景成分画像と、背景オブジェクト成分
のみからなる背景成分画像とを生成する前景背景成分画
像生成ステップと、前景成分画像に対して右眼用の視差
を付加して右眼用前景視差画像を生成すると共に、前景
成分画像に対して左眼用の視差を付加して左眼用前景視
差画像を生成する前景視差画像生成ステップと、右眼用
前景視差画像と任意の背景画像とを合成して右眼用視差
画像を生成すると共に、左眼用前景視差画像と背景画像
とを合成して左眼用視差画像を生成する視差画像生成ス
テップとを含むことを特徴とする。
【0013】本発明のプログラムは、コンピュータに、
前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみ
からなる前景領域と、背景オブジェクトを構成する背景
オブジェクト成分のみからなる背景領域と、前景オブジ
ェクト成分および背景オブジェクト成分とが混合されて
なる混合領域とからなる画像データから、前景オブジェ
クト成分のみからなる前景成分画像と、背景オブジェク
ト成分のみからなる背景成分画像とを生成する前景背景
成分画像生成ステップと、前景成分画像に対して右眼用
の視差を付加して右眼用前景視差画像を生成すると共
に、前景成分画像に対して左眼用の視差を付加して左眼
用前景視差画像を生成する前景視差画像生成ステップ
と、右眼用前景視差画像と任意の背景画像とを合成して
右眼用視差画像を生成すると共に、左眼用前景視差画像
と背景画像とを合成して左眼用視差画像を生成する視差
画像生成ステップとを実行させることを特徴とする。
【0014】本発明の画像処理装置および方法、記録媒
体、並びにプログラムにおいては、前景オブジェクトを
構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域
と、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分
のみからなる背景領域と、前景オブジェクト成分および
背景オブジェクト成分とが混合されてなる混合領域とか
らなる画像データから、前景オブジェクト成分のみから
なる前景成分画像と、背景オブジェクト成分のみからな
る背景成分画像とが生成され、前景成分画像に対して右
眼用の視差が付加されて右眼用前景視差画像が生成され
ると共に、前景成分画像に対して左眼用の視差が付加さ
れて左眼用前景視差画像が生成され、右眼用前景視差画
像と任意の背景画像とを合成して右眼用視差画像が生成
されると共に、左眼用前景視差画像と背景画像とを合成
して左眼用視差画像が生成される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る画像処理装
置の一実施の形態を示す図である。CPU(Central Proce
ssing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22、
または記憶部28に記憶されているプログラムに従って
各種の処理を実行する。RAM(RandomAccess Memory)2
3には、CPU21が実行するプログラムやデータなどが
適宜記憶される。これらのCPU21、ROM22、およびRA
M23は、バス24により相互に接続されている。
【0016】CPU21にはまた、バス24を介して入出
力インタフェース25が接続されている。入出力インタ
フェース25には、キーボード、マウス、マイクロホン
などよりなる入力部26、ディスプレイ、スピーカなど
よりなる出力部27が接続されている。CPU21は、入
力部26から入力される指令に対応して各種の処理を実
行する。そして、CPU21は、処理の結果得られた画像
や音声等を出力部27に出力する。
【0017】入出力インタフェース25に接続されてい
る記憶部28は、例えばハードディスクなどで構成さ
れ、CPU21が実行するプログラムや各種のデータを記
憶する。通信部29は、インターネット、その他のネッ
トワークを介して外部の装置と通信する。この例の場
合、通信部29はセンサの出力を取り込む取得部として
働く。
【0018】また、通信部29を介してプログラムを取
得し、記憶部28に記憶してもよい。
【0019】入出力インタフェース25に接続されてい
るドライブ30は、磁気ディスク51、光ディスク5
2、光磁気ディスク53、或いは半導体メモリ54など
が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されて
いるプログラムやデータなどを取得する。取得されたプ
ログラムやデータは、必要に応じて記憶部28に転送さ
れ、記憶される。
【0020】図2は、画像処理装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0021】なお、画像処理装置の各機能をハードウェ
アで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わな
い。つまり、本明細書の各ブロック図は、ハードウェア
のブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロ
ック図と考えても良い。
【0022】この明細書では、撮像の対象となる、現実
世界におけるオブジェクトに対応する画像を、画像オブ
ジェクトと称する。
【0023】画像処理装置に入力された入力画像は、距
離情報取得部71および3次元画像合成処理部73に供
給される。
【0024】距離情報取得部71は、入力画像を基に、
センサから前景に対応するオブジェクトまでの距離を取
得する。
【0025】一般的な画像において、前景に対応するオ
ブジェクトは、背景のオブジェクトの前に位置し、セン
サのピントは、前景に対応するオブジェクトに合ってい
る。従って、前景に対応するオブジェクトの画像は、背
景のオブジェクトの画像に比較して、高周波成分を多く
含む。同様に、前景に対応するオブジェクトの画像の輝
度および彩度は、背景のオブジェクトの画像に比較し
て、高い。
【0026】オブジェクトの画像に含まれる高周波成分
の量、またはオブジェクトの画像の輝度若しくは彩度に
所定の係数を乗算することにより、センサからオブジェ
クトまでの距離を求めることができる。
【0027】距離情報取得部71は、例えば、オブジェ
クトの画像に含まれる高周波成分の量、並びにオブジェ
クトの画像の輝度および彩度を基に、オブジェクトまで
の距離を示す距離情報を生成する。
【0028】距離情報取得部71は、センサから前景に
対応するオブジェクトまでの距離を示す距離情報を生成
し、生成した距離情報を視差演算部72に供給する。
【0029】視差演算部72は、距離情報取得部71か
ら供給された距離情報を基に、前景のオブジェクトに対
応する視差を演算して、求められた視差を3次元画像合
成処理部73に供給する。
【0030】3次元画像合成処理部73は、入力画像
を、前景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、
前景の成分とも称する)のみからなる前景成分画像と、
背景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、背景
の成分とも称する)のみからなる背景成分画像とに分離
する。3次元画像合成処理部73は、前景成分画像、背
景成分画像、および視差演算部72から供給された視差
を基に、右眼用画像(右眼用視差画像とも称する)およ
び左眼用画像(左眼用視差画像とも称する)を生成し、
生成した右眼用画像および左眼用画像を出力する。
【0031】次に、3次元画像および視差について説明
する。
【0032】図3に示すように、現実世界において、オ
ブジェクトを見たとき、オブジェクトまでの距離に対応
して、右眼に見えるオブジェクトの位置と、左眼に見え
るオブジェクトの位置は、異なる。右眼に見えるオブジ
ェクトの位置と、左眼に見えるオブジェクトの位置との
差異を、視差と称する。
【0033】3次元画像においては、視差に対応する位
置に表示されている右眼用のオブジェクトの画像を、右
眼に見せ、視差に対応する位置に表示されている左眼用
のオブジェクトの画像を、左眼に見せることにより、使
用者に、オブジェクトまでの距離を認識させることがで
きる。
【0034】図4を参照して、視差について、より詳細
に説明する。
【0035】図4において、xは、表示面の横方向の座
標を示し、yは、表示面に垂直な、奥行きの座標を示
し、zは、表示面の縦方向の座標を示す。
【0036】P0は、観察者(使用者)の両眼の中心位置
を示す。
【0037】Eは、眼間の長さを示す。PERは、右眼の位
置を示し、PELは、左眼の位置を示す。PERの座標は、(X
0,Y0,Z0)で表し、PELの座標は、(X1,Y1,Z1)で表す。
【0038】PDは、表示面と視軸の交点を示す。PDの座
標は、(Xd,Yd,Zd)で表す。
【0039】PDRは、左眼用画像提示位置を示し、PDL
は、右眼用画像提示位置を示す。PDRの座標は、(X2,Y2,
Z2)で表し、PDLの座標は、(X3,Y3,Z3)で表す。
【0040】Pは、表示されるオブジェクトの位置を示
す。Pの座標は、(Xp,Yp,Zp)で表す。
【0041】Wは、オブジェクトの表示面上の視差を示
す。
【0042】観察者によって、知覚されるオブジェクト
の座標P(Xp,Yp,Zp)は、右眼の座標PERと表示面上に提
示される右眼用画像提示位置PDLを結ぶ線分Lrと、左眼
の座標PELと表示面上に提示される左眼用画像提示位置P
DRを結ぶ線分Llとの交点として求められる。
【0043】線分Lrは、式(1)で表され、線分Llは、
式(2)で表される。 (x-X0)/(X2-X0)=(y-Y0)/(Y2-Y0)=(z-Z0)/(Z2-Z0) (1) (x-X1)/(X3-X1)=(y-Y1)/(Y3-Y1)=(z-Z1)/(Z3-Z1) (2)
【0044】従って、線分Lrと線分Llとの交点であるP
の座標は、式(3)乃至式(5)で表される。 Xp=Tfix-(X2-X0)+X0 (3) Yp=Tfix-(Y2-Y0)+Y0 (4) Zp=Tfix-(Z2-Z0)+Z0 (5) 式(3)乃至式(5)におけるTfixは、式(6)で表される。 Tfix={(X3-Y1)(Y0-Y1)-(X0-X1)(Y3-Y1)}/{(X2-X0)(Y3-Y1)-(X3-X1)(Y2-Y0)} (6)
【0045】次に、表示面の中心からy方向に距離Kだけ
離れた位置から見た画像を考える。表示面と視軸の交点
の座標をX,Y,Z座標の原点とすると、P0の座標、PDの座
標、PERの座標、PELの座標、PDRの座標、およびPDLの座
標は、次のように表すことができる。
【0046】すなわち、P0の座標は、(0,K,0)と表すこ
とができる。PDの座標(Xd,Yd,Zd)は、(0,0,0)と表すこ
とができる。PERの座標(X0,Y0,Z0)は、(E,K,0)と表すこ
とができる。PELの座標(X1,Y1,Z1)は、(-E,K,0)と表す
ことができる。
【0047】同様に、PDRの座標(X2,Y2,Z2)は、(W/2,0,
0)と表すことができる。PDLの座標(X3,Y3,Z3)は、(-W/
2,0,0)と表すことができる。
【0048】これらの関係を式(3)乃至式(5)に代
入すると、式(7)乃至式(9)を求めることができ
る。 Xp=0 (7) Yp=KW/(W-2E) (8) Zp=0 (9)
【0049】図5に示すように、オブジェクトの距離に
対応して、視差を算出し、視差に対応して移動させた右
眼用のオブジェクトの画像を、観察者の右眼に見せ、視
差に対応して移動させた左眼用のオブジェクトの画像
を、観察者の左眼に見せることにより、使用者に、オブ
ジェクトまでの距離を認識させることができる。
【0050】図2に戻り、距離情報取得部71は、オブ
ジェクトまでの距離を取得し、オブジェクトまでの距離
を示す距離情報を視差演算部72に供給する。
【0051】視差演算部72は、式(7)乃至式(9)
に示す演算を基に、オブジェクトまでの距離から、視差
を演算し、演算された視差を3次元画像合成処理部73
に供給する。
【0052】3次元画像合成処理部73は、視差演算部
72から供給された視差を基に、右眼用画像および左眼
用画像を生成する。
【0053】図6は、3次元画像合成処理部73の構成
を示すブロック図である。
【0054】前景背景成分画像生成部91は、入力画像
を基に、混合領域に含まれる画素に対応する混合比(以
下、混合比αと称する)を算出する。前景背景成分画像
生成部91は、算出した混合比αをオクルージョン補正
部92に供給する。
【0055】混合比αは、後述する式(12)に示され
るように、画素値における、背景のオブジェクトに対応
する背景の成分の割合を示す値である。
【0056】前景背景成分画像生成部91は、前景のオ
ブジェクトに対応する前景の成分のみからなる前景成分
画像と、背景のオブジェクトに対応する背景の成分のみ
からなる背景成分画像とに入力画像を分離して、背景成
分画像をオクルージョン補正部92に供給する。
【0057】前景背景成分画像生成部91は、分離され
た前景成分画像に含まれる動きボケの量を調整して、動
きボケの量が調整された前景成分画像を、前景視差画像
生成部93に供給する。
【0058】前景背景成分画像生成部91は、動きボケ
の量が調整された前景成分画像に対応する、画素毎に前
景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに属する
かを示す情報(以下、領域情報と称する)を前景視差画
像生成部93に供給する。前景領域、背景領域、および
混合領域の詳細については、後述する。
【0059】前景背景成分画像生成部91は、動きボケ
の量が調整された前景成分画像に対応する混合比αを算
出して、算出した混合比αを前景視差画像生成部93に
供給する。
【0060】オクルージョン補正部92は、前景背景成
分画像生成部91から供給された混合比αを基に、背景
成分画像のうち、前景のオブジェクトの陰となっていた
画像および前景のオブジェクトと混合されていた画像を
補正して、補正された背景成分画像を合成部94−1お
よび94−2に供給する。
【0061】前景視差画像生成部93は、視差演算部7
2から供給された視差、および前景背景成分画像生成部
91から供給された領域情報および混合比αを基に、右
眼用前景成分画像(右眼用前景視差画像とも称する)を
生成すると共に、右眼用前景成分画像に対応する領域情
報および混合比αを生成する。前景視差画像生成部93
は、右眼用前景成分画像、並びに右眼用前景成分画像に
対応する領域情報および混合比αを合成部94−1に供
給する。
【0062】前景視差画像生成部93は、視差演算部7
2から供給された視差、および前景背景成分画像生成部
91から供給された領域情報および混合比αを基に、左
眼用前景成分画像(左眼用前景視差画像とも称する)を
生成すると共に、左眼用前景成分画像に対応する領域情
報および混合比αを生成する。前景視差画像生成部93
は、左眼用前景成分画像、並びに左眼用前景成分画像に
対応する領域情報および混合比αを合成部94−2に供
給する。
【0063】合成部94−1は、前景視差画像生成部9
3から供給された右眼用前景成分画像に対応する領域情
報および混合比αを基に、オクルージョン補正部92か
ら供給された背景成分画像および前景視差画像生成部9
3から供給された右眼用前景成分画像を合成して、右眼
用画像を生成し、生成した右眼用画像を出力する。
【0064】合成部94−2は、前景視差画像生成部9
3から供給された左眼用前景成分画像に対応する領域情
報および混合比αを基に、オクルージョン補正部92か
ら供給された背景成分画像および前景視差画像生成部9
3から供給された左眼用前景成分画像を合成して、左眼
用画像を生成し、生成した左眼用画像を出力する。
【0065】以下、合成部94−1および合成部94−
2を個々に区別する必要がないとき、単に、合成部94
と称する。
【0066】図7は、前景背景成分画像生成部91の構
成を示すブロック図である。
【0067】前景背景成分画像生成部91に供給された
入力画像は、オブジェクト抽出部101、領域特定部1
03、混合比算出部104、および前景背景分離部10
5に供給される。
【0068】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応
する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景の
オブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出す
る。
【0069】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに
対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0070】また、例えば、オブジェクト抽出部101
は、内部に設けられている背景メモリに記憶されている
背景の画像と、入力画像との差から、前景のオブジェク
トに対応する画像オブジェクト、および背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出するように
してもよい。
【0071】動き検出部102は、例えば、ブロックマ
ッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシ
ブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出
して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置
情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情
報)を領域特定部103および動きボケ調整部106に
供給する。
【0072】動き検出部102が出力する動きベクトル
には、動き量vに対応する情報が含まれている。
【0073】また、例えば、動き検出部102は、画像
オブジェクトに画素を特定する画素位置情報と共に、画
像オブジェクト毎の動きベクトルを動きボケ調整部10
6に出力するようにしてもよい。
【0074】動き量vは、動いているオブジェクトに対
応する画像の位置の変化を画素間隔を単位として表す値
である。例えば、前景に対応するオブジェクトの画像
が、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4
画素分離れた位置に表示されるように移動していると
き、前景に対応するオブジェクトの画像の動き量vは、
4とされる。
【0075】なお、オブジェクト抽出部101および動
き検出部102は、動いているオブジェクトに対応した
動きボケ量の調整を行う場合に必要となる。
【0076】領域特定部103は、入力された画像の画
素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域
のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、ま
たは混合領域のいずれかに属するかを示す領域情報を混
合比算出部104、前景背景分離部105、および動き
ボケ調整部106に供給する。
【0077】混合比算出部104は、入力画像、および
領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合
領域に含まれる画素に対応する混合比αを算出して、算
出した混合比αを出力すると共に、混合比αを前景背景
分離部105に供給する。混合比算出部104が出力す
る混合比αは、前景背景成分画像生成部91が出力する
背景成分画像に対応している。
【0078】前景背景分離部105は、領域特定部10
3から供給された領域情報、および混合比算出部104
から供給された混合比αを基に、前景のオブジェクトに
対応する画像の成分のみから成る前景成分画像と、背景
の成分のみから成る背景成分画像とに入力画像を分離し
て、前景成分画像を動きボケ調整部106に供給する。
【0079】動きボケ調整部106は、動きベクトルか
らわかる動き量vおよび領域情報を基に、前景成分画像
に含まれる1以上の画素を示す処理単位を決定する。処
理単位は、動きボケの量の調整の処理の対象となる1群
の画素を指定するデータである。
【0080】動きボケ調整部106は、前景背景成分画
像生成部91に入力された動きボケ調整量、前景背景分
離部105から供給された前景成分画像、動き検出部1
02から供給された動きベクトルおよびその位置情報、
並びに処理単位を基に、前景成分画像に含まれる動きボ
ケを除去する、動きボケの量を減少させる、または動き
ボケの量を増加させるなど前景成分画像に含まれる動き
ボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前景成分
画像を出力する。動きベクトルとその位置情報は使わな
いこともある。
【0081】ここで、動きボケとは、撮像の対象とな
る、現実世界におけるオブジェクトの動きと、センサの
撮像の特性とにより生じる、動いているオブジェクトに
対応する画像に含まれている歪みをいう。
【0082】動きボケ調整部106は、動きボケの量を
調整した前景成分画像に対応する領域情報および混合比
αを生成し、生成した領域情報および混合比αを出力す
る。
【0083】次に、図8乃至図23を参照して、前景背
景成分画像生成部91に供給される入力画像について説
明する。
【0084】図8は、センサによる撮像を説明する図で
ある。センサは、例えば、固体撮像素子であるCCD(Cha
rge-Coupled Device)エリアセンサを備えたCCDビデオ
カメラなどで構成される。現実世界における、前景に対
応するオブジェクトは、現実世界における、背景に対応
するオブジェクトと、センサとの間を、例えば、図中の
左側から右側に水平に移動する。
【0085】センサは、前景に対応するオブジェクト
を、背景に対応するオブジェクトと共に撮像する。セン
サは、撮像した画像を1フレーム単位で出力する。例え
ば、センサは、1秒間に30フレームから成る画像を出
力する。センサの露光時間は、1/30秒とすることが
できる。露光時間は、センサが入力された光の電荷への
変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終
了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時
間とも称する。
【0086】図9は、画素の配置を説明する図である。
図9中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素
は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画
素に対応する1つの検出素子は、センサ上に配置されて
いる。センサが画像を撮像するとき、1つの検出素子
は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力
する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横
方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像
上の縦方向の位置に対応する。
【0087】図10に示すように、例えば、CCDである
検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力された
光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷
の量は、入力された光の強さと、光が入力されている時
間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応す
る期間において、入力された光から変換された電荷を、
既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出
素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力される光を
積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積す
る。検出素子は、時間に対して、積分効果があるとも言
える。
【0088】検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回
路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデ
ータなどの画素値に変換されて出力される。従って、セ
ンサから出力される個々の画素値は、前景または背景に
対応するオブジェクトの空間的に広がりを有するある部
分を、シャッタ時間について積分した結果である、1次
元の空間に射影された値を有する。
【0089】前景背景成分画像生成部91は、このよう
なセンサの蓄積の動作により、出力信号に埋もれてしま
った有意な情報、例えば、混合比αを抽出する。前景背
景成分画像生成部91は、前景の画像オブジェクト自身
が混ざり合うことによる生ずる歪みの量、例えば、動き
ボケの量などを調整する。また、前景背景成分画像生成
部91は、前景の画像オブジェクトと背景の画像オブジ
ェクトとが混ざり合うことにより生ずる歪みの量を調整
する。
【0090】図11は、動いている前景に対応するオブ
ジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクト
とを撮像して得られる画像を説明する図である。図11
(A)は、動きを伴う前景に対応するオブジェクトと、
静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して
得られる画像を示している。図11(A)に示す例にお
いて、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水
平に左から右に動いている。
【0091】図11(B)は、図11(A)に示す画像
の1つのラインに対応する画素値を時間方向に展開した
モデル図である。図11(B)の横方向は、図11
(A)の空間方向Xに対応している。
【0092】背景領域の画素は、背景の成分、すなわ
ち、背景のオブジェクトに対応する画像の成分のみか
ら、その画素値が構成されている。前景領域の画素は、
前景の成分、すなわち、前景のオブジェクトに対応する
画像の成分のみから、その画素値が構成されている。
【0093】混合領域の画素は、背景の成分、および前
景の成分から、その画素値が構成されている。混合領域
は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が
構成されているので、歪み領域ともいえる。混合領域
は、更に、カバードバックグラウンド領域およびアンカ
バードバックグラウンド領域に分類される。
【0094】カバードバックグラウンド領域は、前景領
域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に
対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して
背景成分が前景に覆い隠される領域をいう。
【0095】これに対して、アンカバードバックグラウ
ンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの
進行方向の後端部に対応する位置の混合領域であり、時
間の経過に対応して背景成分が現れる領域をいう。
【0096】このように、前景領域、背景領域、または
カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバ
ックグラウンド領域を含む画像が、領域特定部103、
混合比算出部104、および前景背景分離部105に入
力画像として入力される。
【0097】図12は、以上のような、背景領域、前景
領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およ
びアンカバードバックグラウンド領域を説明する図であ
る。図11に示す画像に対応する場合、背景領域は、静
止部分であり、前景領域は、動き部分であり、混合領域
のカバードバックグラウンド領域は、背景から前景に変
化する部分であり、混合領域のアンカバードバックグラ
ウンド領域は、前景から背景に変化する部分である。
【0098】図13は、静止している前景に対応するオ
ブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェ
クトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでい
る画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。
例えば、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の
1つのライン上に並んでいる画素を選択することができ
る。
【0099】図13に示すF01乃至F04の画素値は、静止
している前景のオブジェクトに対応する画素の画素値で
ある。図13に示すB01乃至B04の画素値は、静止してい
る背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。
【0100】図13における縦方向は、時間に対応し、
図中の上から下に向かって時間が経過する。図13中の
矩形の上辺の位置は、センサが入力された光の電荷への
変換を開始する時刻に対応し、図13中の矩形の下辺の
位置は、センサが入力された光の電荷への変換を終了す
る時刻に対応する。すなわち、図13中の矩形の上辺か
ら下辺までの距離は、シャッタ時間に対応する。
【0101】以下において、シャッタ時間とフレーム間
隔とが同一である場合を例に説明する。
【0102】図13における横方向は、図11で説明し
た空間方向Xに対応する。より具体的には、図13に示
す例において、図13中の”F01”と記載された矩形の
左辺から”B04”と記載された矩形の右辺までの距離
は、画素のピッチの8倍、すなわち、連続している8つ
の画素の間隔に対応する。
【0103】前景のオブジェクトおよび背景のオブジェ
クトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間
において、センサに入力される光は変化しない。
【0104】ここで、シャッタ時間に対応する期間を2
つ以上の同じ長さの期間に分割する。例えば、仮想分割
数を4とすると、図13に示すモデル図は、図9に示す
モデルとして表すことができる。仮想分割数は、前景に
対応するオブジェクトのシャッタ時間内での動き量vな
どに対応して設定される。例えば、4である動き量vに
対応して、仮想分割数は、4とされ、シャッタ時間に対
応する期間は4つに分割される。
【0105】図中の最も上の行は、シャッタが開いて最
初の、分割された期間に対応する。図中の上から2番目
の行は、シャッタが開いて2番目の、分割された期間に
対応する。図中の上から3番目の行は、シャッタが開い
て3番目の、分割された期間に対応する。図中の上から
4番目の行は、シャッタが開いて4番目の、分割された
期間に対応する。
【0106】以下、動き量vに対応して分割されたシャ
ッタ時間をシャッタ時間/vとも称する。
【0107】前景に対応するオブジェクトが静止してい
るとき、センサに入力される光は変化しないので、前景
の成分F01/vは、画素値F01を仮想分割数で除した値に等
しい。同様に、前景に対応するオブジェクトが静止して
いるとき、前景の成分F02/vは、画素値F02を仮想分割数
で除した値に等しく、前景の成分F03/vは、画素値F03を
仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F04/vは、
画素値F04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0108】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るとき、センサに入力される光は変化しないので、背景
の成分B01/vは、画素値B01を仮想分割数で除した値に等
しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止して
いるとき、背景の成分B02/vは、画素値B02を仮想分割数
で除した値に等しく、B03/vは、画素値B03を仮想分割数
で除した値に等しく、B04/vは、画素値B04を仮想分割数
で除した値に等しい。
【0109】すなわち、前景に対応するオブジェクトが
静止している場合、シャッタ時間に対応する期間におい
て、センサに入力される前景のオブジェクトに対応する
光が変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッ
タ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開
いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F0
1/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに
対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて4番目
の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vとは、
同じ値となる。F02/v乃至F04/vも、F01/vと同様の関係
を有する。
【0110】背景に対応するオブジェクトが静止してい
る場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサ
に入力される背景のオブジェクトに対応する光は変化し
ないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに
対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて2番目
の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シ
ャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する背
景の成分B01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッ
タ時間/vに対応する背景の成分B01/vとは、同じ値とな
る。B02/v乃至B04/vも、同様の関係を有する。
【0111】次に、前景に対応するオブジェクトが移動
し、背景に対応するオブジェクトが静止している場合に
ついて説明する。
【0112】図15は、前景に対応するオブジェクトが
図中の右側に向かって移動する場合の、カバードバック
グラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値
を時間方向に展開したモデル図である。図15におい
て、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時
間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、
等速で移動していると仮定することができる。図15に
おいて、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフ
レームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側
に表示されるように移動する。
【0113】図15において、最も左側の画素乃至左か
ら4番目の画素は、前景領域に属する。図15におい
て、左から5番目乃至左から7番目の画素は、カバード
バックグラウンド領域である混合領域に属する。図15
において、最も右側の画素は、背景領域に属する。
【0114】前景に対応するオブジェクトが時間の経過
と共に背景に対応するオブジェクトを覆い隠すように移
動しているので、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応
する期間のある時点で、背景の成分から、前景の成分に
替わる。
【0115】例えば、図15中に太線枠を付した画素値
Mは、式(10)で表される。
【0116】 M=B02/v+B02/v+F07/v+F06/v (10)
【0117】例えば、左から5番目の画素は、1つのシ
ャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5
番目の画素の混合比αは、1/4である。左から6番目の
画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を
含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含
むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2であ
る。左から7番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対
応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応
する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合
比αは、3/4である。
【0118】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図15中の左から4番目の画素の、シャッタが開い
て最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F07/vは、図1
5中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目
のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F07/vは、図15中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図15中の左から7番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0119】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開い
て最初のシャッタ時間/vの前景の成分F06/vは、図15
中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて2番目の
シャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F06/vは、図15中の左から5番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図15中の左から6番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0120】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開い
て最初のシャッタ時間/vの前景の成分F05/vは、図15
中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目の
シャッタ時間/vのに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F05/vは、図15中の左から4番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図15中の左から5番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0121】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図15中の最も左側の画素の、シャッタが開いて最
初のシャッタ時間/vの前景の成分F04/vは、図15中の
左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前
景の成分F04/vは、図15中の左から3番目の画素の、
シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分と、図15中の左から4番目の画素の、シャッ
タが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成
分とに、それぞれ等しい。
【0122】動いているオブジェクトに対応する前景の
領域は、このように動きボケを含むので、歪み領域とも
言える。
【0123】図16は、前景が図中の右側に向かって移
動する場合の、アンカバードバックグラウンド領域を含
む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開し
たモデル図である。図16において、前景の動き量v
は、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対
応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動している
と仮定することができる。図16において、前景に対応
するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として
次のフレームにおいて4画素分右側に移動する。
【0124】図16において、最も左側の画素乃至左か
ら4番目の画素は、背景領域に属する。図16におい
て、左から5番目乃至左から7番目の画素は、アンカバ
ードバックグラウンドである混合領域に属する。図16
において、最も右側の画素は、前景領域に属する。
【0125】背景に対応するオブジェクトを覆っていた
前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に
対応するオブジェクトの前から取り除かれるように移動
しているので、アンカバードバックグラウンド領域に属
する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対
応する期間のある時点で、前景の成分から、背景の成分
に替わる。
【0126】例えば、図16中に太線枠を付した画素値
M'は、式(11)で表される。
【0127】 M'=F02/v+F01/v+B26/v+B26/v (11)
【0128】例えば、左から5番目の画素は、3つのシ
ャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5
番目の画素の混合比αは、3/4である。左から6番目の
画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を
含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含
むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2であ
る。左から7番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対
応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応
する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合
比αは、1/4である。
【0129】式(10)および式(11)をより一般化
すると、画素値Mは、式(12)で表される。
【0130】
【数1】 ここで、αは、混合比である。Bは、背景の画素値であ
り、Fi/vは、前景の成分である。
【0131】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4である
ので、例えば、図16中の左から5番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F01/
vは、図16中の左から6番目の画素の、シャッタが開
いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等
しい。同様に、F01/vは、図16中の左から7番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図16中の左から8番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0132】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、仮想分割数が4であ
るので、例えば、図16中の左から6番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F0
2/vは、図16中の左から7番目の画素の、シャッタが
開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に
等しい。同様に、前景の成分F02/vは、図16中の左か
ら8番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ
時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0133】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4である
ので、例えば、図16中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F03/
vは、図16中の左から8番目の画素の、シャッタが開
いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等
しい。
【0134】図14乃至図16の説明において、仮想分
割数は、4であるとして説明したが、仮想分割数は、動
き量vに対応する。動き量vは、一般に、前景に対応する
オブジェクトの移動速度に対応する。例えば、前景に対
応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次の
フレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動
しているとき、動き量vは、4とされる。動き量vに対応
し、仮想分割数は、4とされる。同様に、例えば、前景
に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として
次のフレームにおいて6画素分左側に表示されるように
移動しているとき、動き量vは、6とされ、仮想分割数
は、6とされる。
【0135】図17および図18に、以上で説明した、
前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域若
しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合
領域と、分割されたシャッタ時間に対応する前景の成分
および背景の成分との関係を示す。
【0136】図17は、静止している背景の前を移動し
ているオブジェクトに対応する前景を含む画像から、前
景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例
を示す。図17に示す例において、前景に対応するオブ
ジェクトは、画面に対して水平に移動している。
【0137】フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレー
ムであり、フレーム#n+2は、フレーム#n+1の次のフレー
ムである。
【0138】フレーム#n乃至フレーム#n+2のいずれかか
ら抽出した、前景領域、背景領域、および混合領域の画
素を抽出して、動き量vを4として、抽出された画素の
画素値を時間方向に展開したモデルを図18に示す。
【0139】前景領域の画素値は、前景に対応するオブ
ジェクトが移動するので、シャッタ時間/vの期間に対応
する、4つの異なる前景の成分から構成される。例え
ば、図18に示す前景領域の画素のうち最も左側に位置
する画素は、F01/v,F02/v,F03/v、およびF04/vから構成
される。すなわち、前景領域の画素は、動きボケを含ん
でいる。
【0140】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、シャッタ時間に対応する期間において、センサ
に入力される背景に対応する光は変化しない。この場
合、背景領域の画素値は、動きボケを含まない。
【0141】カバードバックグラウンド領域若しくはア
ンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域に属
する画素の画素値は、前景の成分と、背景の成分とから
構成される。
【0142】次に、オブジェクトに対応する画像が動い
ているとき、複数のフレームにおける、隣接して1列に
並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画
素の画素値を時間方向に展開したモデルについて説明す
る。例えば、オブジェクトに対応する画像が画面に対し
て水平に動いているとき、隣接して1列に並んでいる画
素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選
択することができる。
【0143】図19は、静止している背景に対応するオ
ブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接し
て1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の
位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図であ
る。フレーム#nは、フレーム#n-1の次のフレームであ
り、フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームであ
る。他のフレームも同様に称する。
【0144】図19に示すB01乃至B12の画素値は、静止
している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値で
ある。背景に対応するオブジェクトが静止しているの
で、フレーム#n-1乃至フレームn+1において、対応する
画素の画素値は、変化しない。例えば、フレーム#n-1に
おけるB05の画素値を有する画素の位置に対応する、フ
レーム#nにおける画素、およびフレーム#n+1における画
素は、それぞれ、B05の画素値を有する。
【0145】図20は、静止している背景に対応するオ
ブジェクトと共に図中の右側に移動する前景に対応する
オブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接
して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一
の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図で
ある。図20に示すモデルは、カバードバックグラウン
ド領域を含む。
【0146】図20において、前景に対応するオブジェ
クトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景
の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示される
ように移動するので、前景の動き量vは、4であり、仮
想分割数は、4である。
【0147】例えば、図20中のフレーム#n-1の最も左
側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの
前景の成分は、F12/vとなり、図20中の左から2番目
の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの
前景の成分も、F12/vとなる。図20中の左から3番目
の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの
前景の成分、および図20中の左から4番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなる。
【0148】図20中のフレーム#n-1の最も左側の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F11/vとなり、図20中の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F11/vとなる。図20中の左から3番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F11/vとなる。
【0149】図20中のフレーム#n-1の最も左側の画素
の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F10/vとなり、図20中の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F10/vとなる。図20中のフレーム#n-1の最も
左側の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間
/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0150】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図20中のフレーム#n-1の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成
分は、B01/vとなる。図20中のフレーム#n-1の左から
3番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目の
シャッタ時間/vの背景の成分は、B02/vとなる。図20
中のフレーム#n-1の左から4番目の画素の、シャッタが
開いて最初乃至3番目のシャッタ時間/vの背景の成分
は、B03/vとなる。
【0151】図20中のフレーム#n-1において、最も左
側の画素は、前景領域に属し、左側から2番目乃至4番
目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合
領域に属する。
【0152】図20中のフレーム#n-1の左から5番目の
画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、その画素
値は、それぞれ、B04乃至B11となる。
【0153】図20中のフレーム#nの左から1番目の画
素乃至5番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n
の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、
F05/v乃至F12/vのいずれかである。
【0154】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図20中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、
F12/vとなり、図20中の左から6番目の画素の、シャ
ッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、
F12/vとなる。図20中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、お
よび図20中の左から8番目の画素の、シャッタが開い
て4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとな
る。
【0155】図20中のフレーム#nの左から5番目の画
素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F11/vとなり、図20中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F11/vとなる。図20中の左から7番目の画
素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F11/vとなる。
【0156】図20中のフレーム#nの左から5番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F10/vとなり、図20中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F10/vとなる。図20中のフレーム#nの左か
ら5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ
時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0157】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図20中のフレーム#nの左から6番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成
分は、B05/vとなる。図20中のフレーム#nの左から7
番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシ
ャッタ時間/vの背景の成分は、B06/vとなる。図20中
のフレーム#nの左から8番目の画素の、シャッタが開い
て最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、
B07/vとなる。
【0158】図20中のフレーム#nにおいて、左側から
6番目乃至8番目の画素は、カバードバックグラウンド
領域である混合領域に属する。
【0159】図20中のフレーム#nの左から9番目の画
素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、
それぞれ、B08乃至B11となる。
【0160】図20中のフレーム#n+1の左から1番目の
画素乃至9番目の画素は、前景領域に属する。フレーム
#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分
は、F01/v乃至F12/vのいずれかである。
【0161】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図20中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、
シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなり、図20中の左から10番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F12/vとなる。図20中の左から11番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分、および図20中の左から12番目の画素の、シ
ャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなる。
【0162】図20中のフレーム#n+1の左から9番目の
画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの期
間の前景の成分は、F11/vとなり、図20中の左から1
0番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時
間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図20中の左から
11番目の画素の、シャッタが開いて4番目の、シャッ
タ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0163】図20中のフレーム#n+1の左から9番目の
画素の、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vの
前景の成分は、F10/vとなり、図20中の左から10番
目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/v
の前景の成分も、F10/vとなる。図20中のフレーム#n+
1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて4番目の
シャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0164】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図20中のフレーム#n+1の左から10番目の画
素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の
成分は、B09/vとなる。図20中のフレーム#n+1の左か
ら11番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番
目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B10/vとなる。図
20中のフレーム#n+1の左から12番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景
の成分は、B11/vとなる。
【0165】図20中のフレーム#n+1において、左側か
ら10番目乃至12番目の画素は、カバードバックグラ
ウンド領域である混合領域に対応する。
【0166】図21は、図20に示す画素値から前景の
成分を抽出した画像のモデル図である。
【0167】図22は、静止している背景と共に図中の
右側に移動するオブジェクトに対応する前景を撮像した
画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画
素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を
時間方向に展開したモデル図である。図22において、
アンカバードバックグラウンド領域が含まれている。
【0168】図22において、前景に対応するオブジェ
クトは、剛体であり、かつ等速で移動していると仮定で
きる。前景に対応するオブジェクトが、次のフレームに
おいて4画素分右側に表示されるように移動しているの
で、動き量vは、4である。
【0169】例えば、図22中のフレーム#n-1の最も左
側の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/v
の前景の成分は、F13/vとなり、図22中の左から2番
目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/v
の前景の成分も、F13/vとなる。図22中の左から3番
目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/v
の前景の成分、および図22中の左から4番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F13/vとなる。
【0170】図22中のフレーム#n-1の左から2番目の
画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F14/vとなり、図22中の左から3番目の画
素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F14/vとなる。図22中の左から3番目の画
素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景
の成分は、F15/vとなる。
【0171】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図22中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、
シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/v
の背景の成分は、B25/vとなる。図22中のフレーム#n-
1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目お
よび4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B26/v
となる。図22中のフレーム#n-1の左から3番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の
成分は、B27/vとなる。
【0172】図22中のフレーム#n-1において、最も左
側の画素乃至3番目の画素は、アンカバードバックグラ
ウンド領域である混合領域に属する。
【0173】図22中のフレーム#n-1の左から4番目の
画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレー
ムの前景の成分は、F13/v乃至F24/vのいずれかである。
【0174】図22中のフレーム#nの最も左側の画素乃
至左から4番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、
それぞれ、B25乃至B28となる。
【0175】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図22中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、
F13/vとなり、図22中の左から6番目の画素の、シャ
ッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、
F13/vとなる。図22中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、お
よび図22中の左から8番目の画素の、シャッタが開い
て4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとな
る。
【0176】図22中のフレーム#nの左から6番目の画
素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F14/vとなり、図22中の左から7番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F14/vとなる。図22中の左から8番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成
分は、F15/vとなる。
【0177】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図22中のフレーム#nの左から5番目の画素
の、シャッタが開いて2番目乃至4番目のシャッタ時間
/vの背景の成分は、B29/vとなる。図22中のフレーム#
nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目お
よび4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B30/vと
なる。図22中のフレーム#nの左から7番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分
は、B31/vとなる。
【0178】図22中のフレーム#nにおいて、左から5
番目の画素乃至7番目の画素は、アンカバードバックグ
ラウンド領域である混合領域に属する。
【0179】図22中のフレーム#nの左から8番目の画
素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム
#nの前景領域における、シャッタ時間/vの期間に対応す
る値は、F13/v乃至F20/vのいずれかである。
【0180】図22中のフレーム#n+1の最も左側の画素
乃至左から8番目の画素は、背景領域に属し、画素値
は、それぞれ、B25乃至B32となる。
【0181】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図22中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、
シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F13/vとなり、図22中の左から10番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F13/vとなる。図22中の左から11番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分、および図22中の左から12番目の画素の、シ
ャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F13/vとなる。
【0182】図22中のフレーム#n+1の左から10番目
の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前
景の成分は、F14/vとなり、図22中の左から11番目
の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの
前景の成分も、F14/vとなる。図22中の左から12番
目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの
前景の成分は、F15/vとなる。
【0183】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図22中のフレーム#n+1の左から9番目の画素
の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時
間/vの背景の成分は、B33/vとなる。図22中のフレー
ム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3
番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B3
4/vとなる。図22中のフレーム#n+1の左から11番目
の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの
背景の成分は、B35/vとなる。
【0184】図22中のフレーム#n+1において、左から
9番目の画素乃至11番目の画素は、アンカバードバッ
クグラウンド領域である混合領域に属する。
【0185】図22中のフレーム#n+1の左から12番目
の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域
における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/v乃至F
16/vのいずれかである。
【0186】図23は、図22に示す画素値から前景の
成分を抽出した画像のモデル図である。
【0187】図7に戻り、領域特定部103は、複数の
フレームの画素値を用いて、前景領域、背景領域、カバ
ードバックグラウンド領域、またはアンカバードバック
グラウンド領域に属することを示すフラグを画素毎に対
応付けて、領域情報として、混合比算出部104および
動きボケ調整部106に供給する。
【0188】混合比算出部104は、複数のフレームの
画素値、および領域情報を基に、混合領域に含まれる画
素について画素毎に混合比αを算出し、算出した混合比
αを前景背景分離部105に供給する。
【0189】前景背景分離部105は、複数のフレーム
の画素値、領域情報、および混合比αを基に、前景の成
分のみからなる前景成分画像を抽出して、動きボケ調整
部106に供給する。
【0190】動きボケ調整部106は、前景背景分離部
105から供給された前景成分画像、動き検出部102
から供給された動きベクトル、および領域特定部103
から供給された領域情報を基に、前景成分画像に含まれ
る動きボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前
景成分画像を出力する。
【0191】図24のフローチャートを参照して、画像
処理装置による、3次元画像の合成の処理を説明する。
【0192】ステップS11において、距離情報取得部
71は、2次元画像である入力画像を基に、入力画像に
含まれる前景のオブジェクトまでの距離を示す距離情報
を取得する。距離情報取得部71は、距離情報を視差演
算部72に供給する。
【0193】ステップS12において、視差演算部72
は、距離情報を基に、視差を演算し、演算した視差を3
次元画像合成処理部73に供給する。
【0194】ステップS13において、3次元画像合成
処理部73は、入力画像から、前景のオブジェクトを構
成する前景の成分を抽出すると共に、背景のオブジェク
トを構成する背景の成分を抽出して、前景成分画像と背
景成分画像とに入力画像を分離する。
【0195】ステップS14において、オクルージョン
補正部92は、背景成分画像のうち、前景のオブジェク
トの陰になっている部分の画素、および混合領域に対応
する画素の画素値を補正する。
【0196】ステップS15において、前景視差画像生
成部93は、視差に対応して、前景成分画像を移動し、
右眼用前景成分画像および左眼用前景成分画像を生成す
る。
【0197】ステップS16において、合成部94−1
は、右眼用前景成分画像と背景成分画像とを合成して、
右眼用画像を生成し、合成部94−2は、左目用前景成
分画像と背景成分画像とを合成して、左眼用画像を生成
し、処理は終了する。
【0198】図25のフローチャートを参照して、ステ
ップS13に対応する、前景背景成分画像生成部91に
よるオブジェクトの分離の処理を説明する。ステップS
21において、領域特定部103は、入力画像を基に、
入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、カバードバッ
クグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウン
ド領域のいずれかに属するかを示す領域情報を生成する
領域特定の処理を実行する。領域特定の処理の詳細は、
後述する。領域特定部103は、生成した領域情報を混
合比算出部104、前景背景分離部105、および動き
ボケ調整部106に供給する。
【0199】なお、ステップS21において、領域特定
部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景
領域、背景領域、または混合領域(カバードバックグラ
ウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域
の区別をしない)のいずれかに属するかを示す領域情報
を生成するようにしてもよい。この場合において、前景
背景分離部105および動きボケ調整部106は、動き
ベクトルの方向を基に、混合領域がカバードバックグラ
ウンド領域であるか、またはアンカバードバックグラウ
ンド領域であるかを判定する。例えば、動きベクトルの
方向に対応して、前景領域、混合領域、および背景領域
と順に並んでいるとき、その混合領域は、カバードバッ
クグラウンド領域と判定され、動きベクトルの方向に対
応して、背景領域、混合領域、および前景領域と順に並
んでいるとき、その混合領域は、アンカバードバックグ
ラウンド領域と判定される。
【0200】ステップS22において、混合比算出部1
04は、入力画像および領域情報を基に、混合領域に含
まれる画素毎に、混合比αを算出する。混合比算出の処
理の詳細は、後述する。混合比算出部104は、算出し
た混合比αをオクルージョン補正部92に供給すると共
に、混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0201】ステップS23において、前景背景分離部
105は、領域情報、および混合比αを基に、入力画像
から前景の成分を抽出して、前景成分画像として動きボ
ケ調整部106に供給する。前景背景分離部105は、
分離された背景成分画像をオクルージョン補正部92に
供給する。
【0202】ステップS24において、動きボケ調整部
106は、動きベクトルおよび領域情報を基に、動き方
向に並ぶ連続した画素であって、アンカバードバックグ
ラウンド領域、前景領域、およびカバードバックグラウ
ンド領域のいずれかに属するものの画像上の位置を示す
処理単位を生成し、処理単位に対応する前景成分に含ま
れる動きボケの量を調整する。動きボケの量の調整の処
理の詳細については、後述する。
【0203】動きボケ調整部106は、動きボケが調整
された前景成分画像に対応する領域情報および混合比α
を生成する。
【0204】ステップS25において、前景背景成分画
像生成部91は、画面全体について処理を終了したか否
かを判定し、画面全体について処理を終了していないと
判定された場合、ステップS24に進み、処理単位に対
応する前景の成分を対象とした動きボケの量の調整の処
理を繰り返す。
【0205】ステップS25において、画面全体につい
て処理を終了したと判定された場合、動きボケが調整さ
れた前景成分画像を前景視差画像生成部93に供給する
と共に、生成した領域情報および混合比αを前景視差画
像生成部93に出力する。処理は終了する。
【0206】このように、前景背景成分画像生成部91
は、前景と背景を分離して、前景に含まれる動きボケの
量を調整することができる。すなわち、前景背景成分画
像生成部91は、前景の画素の画素値であるサンプルデ
ータに含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0207】以下、領域特定部103、混合比算出部1
04、前景背景分離部105、および動きボケ調整部1
06のそれぞれの構成について説明する。
【0208】図26は、領域特定部103の構成の一例
を示すブロック図である。図26に構成を示す領域特定
部103は、動きベクトルを利用しない。フレームメモ
リ201は、入力された画像をフレーム単位で記憶す
る。フレームメモリ201は、処理の対象がフレーム#n
であるとき、フレーム#nの2つ前のフレームであるフレ
ーム#n-2、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレー
ム#n-1、フレーム#n、フレーム#nの1つ後のフレームで
あるフレーム#n+1、およびフレーム#nの2つ後のフレー
ムであるフレーム#n+2を記憶する。
【0209】静動判定部202−1は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n+2の画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n+1の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、読み出した画素値の差の絶対値を
算出する。静動判定部202−1は、フレーム#n+2の画
素値とフレーム#n+1の画素値との差の絶対値が、予め設
定している閾値Thより大きいか否かを判定し、差の絶対
値が閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−1に供給する。フレーム#n
+2の画素の画素値とフレーム#n+1の画素の画素値との差
の絶対値が閾値Th以下であると判定された場合、静動判
定部202−1は、静止を示す静動判定を領域判定部2
03−1に供給する。
【0210】静動判定部202−2は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n+1の画素の画素値、およびフレーム#nの
対象となる画素の画素値をフレームメモリ201から読
み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部
202−2は、フレーム#n+1の画素値とフレーム#nの画
素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大
きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thよ
り大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域
判定部203−1および領域判定部203−2に供給す
る。フレーム#n+1の画素の画素値とフレーム#nの画素の
画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定され
た場合、静動判定部202−2は、静止を示す静動判定
を領域判定部203−1および領域判定部203−2に
供給する。
【0211】静動判定部202−3は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n-1の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。
静動判定部202−3は、フレーム#nの画素値とフレー
ム#n-1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾
値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値
が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−2および領域判定部203
−3に供給する。フレーム#nの画素の画素値とフレーム
#n-1の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であ
ると判定された場合、静動判定部202−3は、静止を
示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部
203−3に供給する。
【0212】静動判定部202−4は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n-1の画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n-2の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。
静動判定部202−4は、フレーム#n-1の画素値とフレ
ーム#n-2の画素値との差の絶対値が、予め設定している
閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値
が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−3に供給する。フレーム#n
-1の画素の画素値とフレーム#n-2の画素の画素値との差
の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動
判定部202−4は、静止を示す静動判定を領域判定部
203−3に供給する。
【0213】領域判定部203−1は、静動判定部20
2−1から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静
動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると
判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバード
バックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバッ
クグラウンド領域に属することを示す”1”を設定す
る。
【0214】領域判定部203−1は、静動判定部20
2−1から供給された静動判定が動きを示すか、また
は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静
止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属
しないと判定し、領域の判定される画素に対応するアン
カバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバ
ードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”
を設定する。
【0215】領域判定部203−1は、このように”
1”または”0”が設定されたアンカバードバックグラ
ウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ
204に供給する。
【0216】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静
動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素が静止領域に属すると判定し、領域の判定される
画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属す
ることを示す”1”を設定する。
【0217】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が動きを示すか、また
は、静動判定部202−3から供給された静動判定が動
きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素が静止領域に属しないと判定し、領域の判
定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領
域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0218】領域判定部203−2は、このように”
1”または”0”が設定された静止領域判定フラグを判
定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0219】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静
動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素が動き領域に属すると判定し、領域の判定される
画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属す
ることを示す”1”を設定する。
【0220】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が静止を示すか、また
は、静動判定部202−3から供給された静動判定が静
止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素が動き領域に属しないと判定し、領域の判
定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領
域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0221】領域判定部203−2は、このように”
1”または”0”が設定された動き領域判定フラグを判
定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0222】領域判定部203−3は、静動判定部20
2−3から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静
動判定部202−4から供給された静動判定が静止を示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定
し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグ
ラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド
領域に属することを示す”1”を設定する。
【0223】領域判定部203−3は、静動判定部20
2−3から供給された静動判定が静止を示すか、また
は、静動判定部202−4から供給された静動判定が動
きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素がカバードバックグラウンド領域に属しな
いと判定し、領域の判定される画素に対応するカバード
バックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグ
ラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0224】領域判定部203−3は、このように”
1”または”0”が設定されたカバードバックグラウン
ド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ20
4に供給する。
【0225】判定フラグ格納フレームメモリ204は、
領域判定部203−1から供給されたアンカバードバッ
クグラウンド領域判定フラグ、領域判定部203−2か
ら供給された静止領域判定フラグ、領域判定部203−
2から供給された動き領域判定フラグ、および領域判定
部203−3から供給されたカバードバックグラウンド
領域判定フラグをそれぞれ記憶する。
【0226】判定フラグ格納フレームメモリ204は、
記憶しているアンカバードバックグラウンド領域判定フ
ラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およ
びカバードバックグラウンド領域判定フラグを合成部2
05に供給する。合成部205は、判定フラグ格納フレ
ームメモリ204から供給された、アンカバードバック
グラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き
領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域
判定フラグを基に、各画素が、アンカバードバックグラ
ウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバッ
クグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情
報を生成し、判定フラグ格納フレームメモリ206に供
給する。
【0227】判定フラグ格納フレームメモリ206は、
合成部205から供給された領域情報を記憶すると共
に、記憶している領域情報を出力する。
【0228】次に、領域特定部103の処理の例を図2
7乃至図31を参照して説明する。
【0229】前景に対応するオブジェクトが移動してい
るとき、オブジェクトに対応する画像の画面上の位置
は、フレーム毎に変化する。図27に示すように、フレ
ーム#nにおいて、Yn(x,y)で示される位置に位置するオ
ブジェクトに対応する画像は、次のフレームであるフレ
ーム#n+1において、Yn+1(x,y)に位置する。
【0230】前景のオブジェクトに対応する画像の動き
方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展
開したモデル図を図22に示す。例えば、前景のオブジ
ェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平で
あるとき、図28におけるモデル図は、1つのライン上
の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを
示す。
【0231】図28において、フレーム#nにおけるライ
ンは、フレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0232】フレーム#nにおいて、左から2番目の画素
乃至13番目の画素に含まれているオブジェクトに対応
する前景の成分は、フレーム#n+1において、左から6番
目乃至17番目の画素に含まれる。
【0233】フレーム#nにおいて、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番
目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に
属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。
フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域
に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素で
あり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素
は、左から6番目乃至8番目の画素である。
【0234】図28に示す例において、フレーム#nに含
まれる前景の成分が、フレーム#n+1において4画素移動
しているので、動き量vは、4である。仮想分割数は、
動き量vに対応し、4である。
【0235】次に、注目しているフレームの前後におけ
る混合領域に属する画素の画素値の変化について説明す
る。
【0236】図29に示す、背景が静止し、前景の動き
量vが4であるフレーム#nにおいて、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17
番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ前の
フレーム#n-1において、左から15番目乃至17番目の
画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。ま
た、更に1つ前のフレーム#n-2において、左から15番
目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景
領域に属する。
【0237】ここで、背景に対応するオブジェクトが静
止しているので、フレーム#n-1の左から15番目の画素
の画素値は、フレーム#n-2の左から15番目の画素の画
素値から変化しない。同様に、フレーム#n-1の左から1
6番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から16番
目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n-1の左から
17番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から17
番目の画素の画素値から変化しない。
【0238】すなわち、フレーム#nにおけるカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム
#n-1およびフレーム#n-2の画素は、背景の成分のみから
成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほ
ぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域
に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム
#n-2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−4
により、静止と判定される。
【0239】フレーム#nにおけるカバードバックグラウ
ンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレ
ーム#n-1における背景の成分のみから成る場合と、画素
値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属
する画素、および対応するフレーム#n-1の画素に対する
静動判定は、静動判定部202−3により、動きと判定
される。
【0240】このように、領域判定部203−3は、静
動判定部202−3から動きを示す静動判定の結果が供
給され、静動判定部202−4から静止を示す静動判定
の結果が供給されたとき、対応する画素がカバードバッ
クグラウンド領域に属すると判定する。
【0241】図30に示す、背景が静止し、前景の動き
量vが4であるフレーム#nにおいて、アンカバードバッ
クグラウンド領域に含まれる画素は、左から2番目乃至
4番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ後
のフレーム#n+1において、左から2番目乃至4番目の画
素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。ま
た、更に1つ後のフレーム#n+2において、左から2番目
乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域
に属する。
【0242】ここで、背景に対応するオブジェクトが静
止しているので、フレーム#n+2の左から2番目の画素の
画素値は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値
から変化しない。同様に、フレーム#n+2の左から3番目
の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から3番目の画素
の画素値から変化せず、フレーム#n+2の左から4番目の
画素の画素値は、フレーム#n+1の左から4番目の画素の
画素値から変化しない。
【0243】すなわち、フレーム#nにおけるアンカバー
ドバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレ
ーム#n+1およびフレーム#n+2の画素は、背景の成分のみ
から成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値
は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混
合領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフ
レーム#n+2の画素に対する静動判定は、静動判定部20
2−1により、静止と判定される。
【0244】フレーム#nにおけるアンカバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、
フレーム#n+1における背景の成分のみから成る場合と、
画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域
に属する画素、および対応するフレーム#n+1の画素に対
する静動判定は、静動判定部202−2により、動きと
判定される。
【0245】このように、領域判定部203−1は、静
動判定部202−2から動きを示す静動判定の結果が供
給され、静動判定部202−1から静止を示す静動判定
の結果が供給されたとき、対応する画素がアンカバード
バックグラウンド領域に属すると判定する。
【0246】図31は、フレーム#nにおける領域特定部
103の判定条件を示す図である。フレーム#nの判定の
対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレ
ーム#n-2の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素
の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素
とが静止と判定され、フレーム#nの判定の対象となる画
素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画
素と、フレーム#nの画素とが動きと判定されたとき、領
域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素
がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0247】フレーム#nの判定の対象となる画素の画像
上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フ
レーム#nの画素とが静止と判定され、フレーム#nの画素
と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置
と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが静止と判定
されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の
対象となる画素が静止領域に属すると判定する。
【0248】フレーム#nの判定の対象となる画素の画像
上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フ
レーム#nの画素とが動きと判定され、フレーム#nの画素
と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置
と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定
されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の
対象となる画素が動き領域に属すると判定する。
【0249】フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の
対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレ
ーム#n+1の画素とが動きと判定され、フレーム#nの判定
の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフ
レーム#n+1の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画
素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画
素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フ
レーム#nの判定の対象となる画素がアンカバードバック
グラウンド領域に属すると判定する。
【0250】図32は、領域特定部103の領域の特定
の結果の例を示す図である。図32(A)において、カ
バードバックグラウンド領域に属すると判定された画素
は、白で表示されている。図32(B)において、アン
カバードバックグラウンド領域に属すると判定された画
素は、白で表示されている。
【0251】図32(C)において、動き領域に属する
と判定された画素は、白で表示されている。図32
(D)において、静止領域に属すると判定された画素
は、白で表示されている。
【0252】図33は、判定フラグ格納フレームメモリ
206が出力する領域情報の内、混合領域を示す領域情
報を画像として示す図である。図33において、カバー
ドバックグラウンド領域またはアンカバードバックグラ
ウンド領域に属すると判定された画素、すなわち混合領
域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する混合領
域を示す領域情報は、混合領域、および前景領域内のテ
クスチャの無い部分に囲まれたテクスチャの有る部分を
示す。
【0253】次に、図34のフローチャートを参照し
て、領域特定部103の領域特定の処理を説明する。ス
テップS201において、フレームメモリ201は、判
定の対象となるフレーム#nを含むフレーム#n-2乃至フレ
ーム#n+2の画像を取得する。
【0254】ステップS202において、静動判定部2
02−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位
置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された
場合、ステップS203に進み、静動判定部202−2
は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素
とで、静止か否かを判定する。
【0255】ステップS203において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、ステップS204に進み、領域判定部20
3−2は、領域の判定される画素に対応する静止領域判
定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−2は、静止領域判定フラグを
判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続き
は、ステップS205に進む。
【0256】ステップS202において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、または、ステップS203において、フレ
ーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動
きと判定された場合、フレーム#nの画素が静止領域には
属さないので、ステップS204の処理はスキップさ
れ、手続きは、ステップS205に進む。
【0257】ステップS205において、静動判定部2
02−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位
置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された
場合、ステップS206に進み、静動判定部202−2
は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素
とで、動きか否かを判定する。
【0258】ステップS206において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、ステップS207に進み、領域判定部20
3−2は、領域の判定される画素に対応する動き領域判
定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−2は、動き領域判定フラグを
判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続き
は、ステップS208に進む。
【0259】ステップS205において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、または、ステップS206において、フレ
ーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静
止と判定された場合、フレーム#nの画素が動き領域には
属さないので、ステップS207の処理はスキップさ
れ、手続きは、ステップS208に進む。
【0260】ステップS208において、静動判定部2
02−4は、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一
位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定され
た場合、ステップS209に進み、静動判定部202−
3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画
素とで、動きか否かを判定する。
【0261】ステップS209において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、ステップS210に進み、領域判定部20
3−3は、領域の判定される画素に対応するカバードバ
ックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラ
ウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域
判定部203−3は、カバードバックグラウンド領域判
定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給
し、手続きは、ステップS211に進む。
【0262】ステップS208において、フレーム#n-2
の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、動きと判
定された場合、または、ステップS209において、フ
レーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、
静止と判定された場合、フレーム#nの画素がカバードバ
ックグラウンド領域には属さないので、ステップS21
0の処理はスキップされ、手続きは、ステップS211
に進む。
【0263】ステップS211において、静動判定部2
02−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位
置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された
場合、ステップS212に進み、静動判定部202−1
は、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画
素とで、静止か否かを判定する。
【0264】ステップS212において、フレーム#n+1
の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止と判
定された場合、ステップS213に進み、領域判定部2
03−1は、領域の判定される画素に対応するアンカバ
ードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバード
バックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−1は、アンカバードバックグ
ラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモ
リ204に供給し、手続きは、ステップS214に進
む。
【0265】ステップS211において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、または、ステップS212において、フレ
ーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、
動きと判定された場合、フレーム#nの画素がアンカバー
ドバックグラウンド領域には属さないので、ステップS
213の処理はスキップされ、手続きは、ステップS2
14に進む。
【0266】ステップS214において、領域特定部1
03は、フレーム#nの全ての画素について領域を特定し
たか否かを判定し、フレーム#nの全ての画素について領
域を特定していないと判定された場合、手続きは、ステ
ップS202に戻り、他の画素について、領域特定の処
理を繰り返す。
【0267】ステップS214において、フレーム#nの
全ての画素について領域を特定したと判定された場合、
ステップS215に進み、合成部205は、判定フラグ
格納フレームメモリ204に記憶されているアンカバー
ドバックグラウンド領域判定フラグ、およびカバードバ
ックグラウンド領域判定フラグを基に、混合領域を示す
領域情報を生成し、更に、各画素が、アンカバードバッ
クグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバー
ドバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す
領域情報を生成し、生成した領域情報を判定フラグ格納
フレームメモリ206に設定し、処理は終了する。
【0268】このように、領域特定部103は、フレー
ムに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、
静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、または
カバードバックグラウンド領域に属することを示す領域
情報を生成することができる。
【0269】なお、領域特定部103は、アンカバード
バックグラウンド領域およびカバードバックグラウンド
領域に対応する領域情報に論理和を適用することによ
り、混合領域に対応する領域情報を生成して、フレーム
に含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静
止領域、または混合領域に属することを示すフラグから
成る領域情報を生成するようにしてもよい。
【0270】前景に対応するオブジェクトがテクスチャ
を有す場合、領域特定部103は、より正確に動き領域
を特定することができる。
【0271】領域特定部103は、動き領域を示す領域
情報を前景領域を示す領域情報として、また、静止領域
を示す領域情報を背景領域を示す領域情報として出力す
ることができる。
【0272】なお、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した領域を特定する処理を適用
することができる。例えば、背景領域に対応する画像が
一様に動いているとき、領域特定部103は、この動き
に対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応するオブ
ジェクトが静止している場合と同様に処理する。また、
背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを含んで
いるとき、領域特定部103は、動きに対応した画素を
選択して、上述の処理を実行する。
【0273】図35は、領域特定部103の構成の他の
一例を示すブロック図である。図35に示す領域特定部
103は、動きベクトルを使用しない。背景画像生成部
301は、入力画像に対応する背景画像を生成し、生成
した背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供
給する。背景画像生成部301は、例えば、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを抽出して、背景画像を生成する。
【0274】前景のオブジェクトに対応する画像の動き
方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展
開したモデル図の例を図36に示す。例えば、前景のオ
ブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水
平であるとき、図36におけるモデル図は、1つのライ
ン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデ
ルを示す。
【0275】図36において、フレーム#nにおけるライ
ンは、フレーム#n-1およびフレーム#n+1におけるライン
と同一である。
【0276】フレーム#nにおいて、左から6番目の画素
乃至17番目の画素に含まれているオブジェクトに対応
する前景の成分は、フレーム#n-1において、左から2番
目乃至13番目の画素に含まれ、フレーム#n+1におい
て、左から10番目乃至21番目の画素に含まれる。
【0277】フレーム#n-1において、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13
番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域
に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素であ
る。フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領
域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素
であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画
素は、左から6番目乃至8番目の画素である。フレーム
#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する
画素は、左から19番目乃至21番目の画素であり、ア
ンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左か
ら10番目乃至12番目の画素である。
【0278】フレーム#n-1において、背景領域に属する
画素は、左から1番目の画素、および左から14番目乃
至21番目の画素である。フレーム#nにおいて、背景領
域に属する画素は、左から1番目乃至5番目の画素、お
よび左から18番目乃至21番目の画素である。フレー
ム#n+1において、背景領域に属する画素は、左から1番
目乃至9番目の画素である。
【0279】背景画像生成部301が生成する、図36
の例に対応する背景画像の例を図37に示す。背景画像
は、背景のオブジェクトに対応する画素から構成され、
前景のオブジェクトに対応する画像の成分を含まない。
【0280】2値オブジェクト画像抽出部302は、背
景画像および入力画像の相関を基に、2値オブジェクト
画像を生成し、生成した2値オブジェクト画像を時間変
化検出部303に供給する。
【0281】図38は、2値オブジェクト画像抽出部3
02の構成を示すブロック図である。相関値演算部32
1は、背景画像生成部301から供給された背景画像お
よび入力画像の相関を演算し、相関値を生成して、生成
した相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0282】相関値演算部321は、例えば、図39
(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背景画
像の中のブロックと、図39(B)に示すように、背景
画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3
の入力画像の中のブロックに、式(13)を適用して、
4に対応する相関値を算出する。
【0283】
【数2】
【数3】
【数4】
【0284】相関値演算部321は、このように各画素
に対応して算出された相関値をしきい値処理部322に
供給する。
【0285】また、相関値演算部321は、例えば、図
40(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背
景画像の中のブロックと、図40(B)に示すように、
背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3
×3の入力画像の中のブロックに、式(16)を適用し
て、Y4に対応する差分絶対値を算出するようにしても
よい。
【0286】
【数5】
【0287】相関値演算部321は、このように算出さ
れた差分絶対値を相関値として、しきい値処理部322
に供給する。
【0288】しきい値処理部322は、相関画像の画素
値としきい値th0とを比較して、相関値がしきい値th0以
下である場合、2値オブジェクト画像の画素値に1を設
定し、相関値がしきい値th0より大きい場合、2値オブ
ジェクト画像の画素値に0を設定して、0または1が画素
値に設定された2値オブジェクト画像を出力する。しき
い値処理部322は、しきい値th0を予め記憶するよう
にしてもよく、または、外部から入力されたしきい値th
0を使用するようにしてもよい。
【0289】図41は、図36に示す入力画像のモデル
に対応する2値オブジェクト画像の例を示す図である。
2値オブジェクト画像において、背景画像と相関の高い
画素には、画素値に0が設定される。
【0290】図42は、時間変化検出部303の構成を
示すブロック図である。フレームメモリ341は、フレ
ーム#nの画素について領域を判定するとき、2値オブジ
ェクト画像抽出部302から供給された、フレーム#n-
1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェク
ト画像を記憶する。
【0291】領域判定部342は、フレームメモリ34
1に記憶されているフレーム#n-1、フレーム#n、および
フレーム#n+1の2値オブジェクト画像を基に、フレーム
#nの各画素について領域を判定して、領域情報を生成
し、生成した領域情報を出力する。
【0292】図43は、領域判定部342の判定を説明
する図である。フレーム#nの2値オブジェクト画像の注
目している画素が0であるとき、領域判定部342は、
フレーム#nの注目している画素が背景領域に属すると判
定する。
【0293】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の2
値オブジェクト画像の対応する画素が1であるとき、領
域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が前
景領域に属すると判定する。
【0294】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部3
42は、フレーム#nの注目している画素がカバードバッ
クグラウンド領域に属すると判定する。
【0295】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部3
42は、フレーム#nの注目している画素がアンカバード
バックグラウンド領域に属すると判定する。
【0296】図44は、図36に示す入力画像のモデル
に対応する2値オブジェクト画像について、時間変化検
出部303の判定した例を示す図である。時間変化検出
部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応
する画素が0なので、フレーム#nの左から1番目乃至5
番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0297】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n+1の
対応する画素が0なので、左から6番目乃至9番目の画
素をアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定
する。
【0298】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の
対応する画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素
が1なので、左から10番目乃至13番目の画素を前景
領域に属すると判定する。
【0299】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の
対応する画素が0なので、左から14番目乃至17番目
の画素をカバードバックグラウンド領域に属すると判定
する。
【0300】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、左から
18番目乃至21番目の画素を背景領域に属すると判定
する。
【0301】次に、図45のフローチャートを参照し
て、領域判定部103の領域特定の処理を説明する。ス
テップS301において、領域判定部103の背景画像
生成部301は、入力画像を基に、例えば、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを抽出して背景画像を生成し、生成した背景画像を2
値オブジェクト画像抽出部302に供給する。
【0302】ステップS302において、2値オブジェ
クト画像抽出部302は、例えば、図39を参照して説
明した演算により、入力画像と背景画像生成部301か
ら供給された背景画像との相関値を演算する。ステップ
S303において、2値オブジェクト画像抽出部302
は、例えば、相関値としきい値th0とを比較することに
より、相関値およびしきい値th0から2値オブジェクト
画像を演算する。
【0303】ステップS304において、時間変化検出
部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了す
る。
【0304】図46のフローチャートを参照して、ステ
ップS304に対応する領域判定の処理の詳細を説明す
る。ステップS321において、時間変化検出部303
の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶さ
れているフレーム#nにおいて、注目する画素が0である
か否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が
0であると判定された場合、ステップS322に進み、
フレーム#nの注目する画素が背景領域に属すると設定し
て、処理は終了する。
【0305】ステップS321において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が1であると判定された場合、ス
テップS323に進み、時間変化検出部303の領域判
定部342は、フレームメモリ341に記憶されている
フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、
フレーム#n-1において、対応する画素が0であるか否か
を判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であ
り、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0で
あると判定された場合、ステップS324に進み、フレ
ーム#nの注目する画素がカバードバックグラウンド領域
に属すると設定して、処理は終了する。
【0306】ステップS323において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#
n-1において、対応する画素が1であると判定された場
合、ステップS325に進み、時間変化検出部303の
領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶され
ているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、
かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0である
か否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が
1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素
が0であると判定された場合、ステップS326に進
み、フレーム#nの注目する画素がアンカバードバックグ
ラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0307】ステップS325において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#
n+1において、対応する画素が1であると判定された場
合、ステップS327に進み、時間変化検出部303の
領域判定部342は、フレーム#nの注目する画素を前景
領域と設定して、処理は終了する。
【0308】このように、領域特定部103は、入力さ
れた画像と対応する背景画像との相関値を基に、入力画
像の画素が前景領域、背景領域、カバードバックグラウ
ンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域の
いずれかに属するかを特定して、特定した結果に対応す
る領域情報を生成することができる。
【0309】図47は、領域特定部103の他の構成を
示すブロック図である。図47に示す領域特定部103
は、動き検出部102から供給される動きベクトルとそ
の位置情報を使用する。図35に示す場合と同様の部分
には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0310】ロバスト化部361は、2値オブジェクト
画像抽出部302から供給された、N個のフレームの2
値オブジェクト画像を基に、ロバスト化された2値オブ
ジェクト画像を生成して、時間変化検出部303に出力
する。
【0311】図48は、ロバスト化部361の構成を説
明するブロック図である。動き補償部381は、動き検
出部102から供給された動きベクトルとその位置情報
を基に、N個のフレームの2値オブジェクト画像の動き
を補償して、動きが補償された2値オブジェクト画像を
スイッチ382に出力する。
【0312】図49および図50の例を参照して、動き
補償部381の動き補償について説明する。例えば、フ
レーム#nの領域を判定するとき、図49に例を示すフレ
ーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブ
ジェクト画像が入力された場合、動き補償部381は、
動き検出部102から供給された動きベクトルを基に、
図50に例を示すように、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像
を動き補償して、動き補償された2値オブジェクト画像
をスイッチ382に供給する。
【0313】スイッチ382は、1番目のフレームの動
き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ3
83−1に出力し、2番目のフレームの動き補償された
2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−2に出
力する。同様に、スイッチ382は、3番目乃至N−1
番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像
のそれぞれをフレームメモリ383−3乃至フレームメ
モリ383−(N−1)のいずれかに出力し、N番目の
フレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレ
ームメモリ383−Nに出力する。
【0314】フレームメモリ383−1は、1番目のフ
レームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶
し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部
384−1に出力する。フレームメモリ383−2は、
2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画
像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重
み付け部384−2に出力する。
【0315】同様に、フレームメモリ383−3乃至フ
レームメモリ383−(N−1)のそれぞれは、3番目
のフレーム乃至N−1番目のフレームの動き補償された
2値オブジェクト画像のいずれかを記憶し、記憶されて
いる2値オブジェクト画像を重み付け部384−3乃至
重み付け部384−(N−1)のいずれかに出力する。
フレームメモリ383−Nは、N番目のフレームの動き
補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されて
いる2値オブジェクト画像を重み付け部384−Nに出
力する。
【0316】重み付け部384−1は、フレームメモリ
383−1から供給された1番目のフレームの動き補償
された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重み
w1を乗じて、積算部385に供給する。重み付け部38
4−2は、フレームメモリ383−2から供給された2
番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像
の画素値に予め定めた重みw2を乗じて、積算部385に
供給する。
【0317】同様に、重み付け部384−3乃至重み付
け部384−(N−1)のそれぞれは、フレームメモリ
383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のい
ずれかから供給された3番目乃至N−1番目のいずれか
のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画
素値に予め定めた重みw3乃至重みw(N-1)のいずれかを乗
じて、積算部385に供給する。重み付け部384−N
は、フレームメモリ383−Nから供給されたN番目の
フレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素
値に予め定めた重みwNを乗じて、積算部385に供給す
る。
【0318】積算部385は、1乃至N番目のフレーム
の動き補償され、それぞれ重みw1乃至wNのいずれかが乗
じられた、2値オブジェクト画像の対応する画素値を積
算して、積算された画素値を予め定めたしきい値th0と
比較することにより2値オブジェクト画像を生成する。
【0319】このように、ロバスト化部361は、N個
の2値オブジェクト画像からロバスト化された2値オブ
ジェト画像を生成して、時間変化検出部303に供給す
るので、図47に構成を示す領域特定部103は、入力
画像にノイズが含まれていても、図35に示す場合に比
較して、より正確に領域を特定することができる。
【0320】次に、図47に構成を示す領域特定部10
3の領域特定の処理について、図51のフローチャート
を参照して説明する。ステップS341乃至ステップS
343の処理は、図45のフローチャートで説明したス
テップS301乃至ステップS303とそれぞれ同様な
のでその説明は省略する。
【0321】ステップS344において、ロバスト化部
361は、ロバスト化の処理を実行する。
【0322】ステップS345において、時間変化検出
部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了す
る。ステップS345の処理の詳細は、図46のフロー
チャートを参照して説明した処理と同様なのでその説明
は省略する。
【0323】次に、図52のフローチャートを参照し
て、図51のステップS344の処理に対応する、ロバ
スト化の処理の詳細について説明する。ステップS36
1において、動き補償部381は、動き検出部102か
ら供給される動きベクトルとその位置情報を基に、入力
された2値オブジェクト画像の動き補償の処理を実行す
る。ステップS362において、フレームメモリ383
−1乃至383−Nのいずれかは、スイッチ382を介
して供給された動き補償された2値オブジェクト画像を
記憶する。
【0324】ステップS363において、ロバスト化部
361は、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたか
否かを判定し、N個の2値オブジェクト画像が記憶され
ていないと判定された場合、ステップS361に戻り、
2値オブジェクト画像の動き補償の処理および2値オブ
ジェクト画像の記憶の処理を繰り返す。
【0325】ステップS363において、N個の2値オ
ブジェクト画像が記憶されたと判定された場合、ステッ
プS364に進み、重み付け部384−1乃至384−
Nのそれぞれは、N個の2値オブジェクト画像のそれぞ
れにw1乃至wNのいずれかの重みを乗じて、重み付けす
る。
【0326】ステップS365において、積算部385
は、重み付けされたN個の2値オブジェクト画像を積算
する。
【0327】ステップS366において、積算部385
は、例えば、予め定められたしきい値th1との比較など
により、積算された画像から2値オブジェクト画像を生
成して、処理は終了する。
【0328】このように、図47に構成を示す領域特定
部103は、ロバスト化された2値オブジェクト画像を
基に、領域情報を生成することができる。
【0329】以上のように、領域特定部103は、フレ
ームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領
域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、ま
たはカバードバックグラウンド領域に属することを示す
領域情報を生成することができる。
【0330】図53は、混合比算出部104の構成の一
例を示すブロック図である。推定混合比処理部401
は、入力画像を基に、カバードバックグラウンド領域の
モデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算
出して、算出した推定混合比を混合比決定部403に供
給する。
【0331】推定混合比処理部402は、入力画像を基
に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応
する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を混合比決定部403に供給する。
【0332】前景に対応するオブジェクトがシャッタ時
間内に等速で動いていると仮定できるので、混合領域に
属する画素の混合比αは、以下の性質を有する。すなわ
ち、混合比αは、画素の位置の変化に対応して、直線的
に変化する。画素の位置の変化を1次元とすれば、混合
比αの変化は、直線で表現することができ、画素の位置
の変化を2次元とすれば、混合比αの変化は、平面で表
現することができる。
【0333】なお、1フレームの期間は短いので、前景
に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動して
いると仮定が成り立つ。
【0334】この場合、混合比αの傾きは、前景のシャ
ッタ時間内での動き量vの逆比となる。
【0335】理想的な混合比αの例を図54に示す。理
想的な混合比αの混合領域における傾きlは、動き量vの
逆数として表すことができる。
【0336】図54に示すように、理想的な混合比α
は、背景領域において、1の値を有し、前景領域におい
て、0の値を有し、混合領域において、0を越え1未満
の値を有する。
【0337】図55の例において、フレーム#nの左から
7番目の画素の画素値C06は、フレーム#n-1の左から7
番目の画素の画素値P06を用いて、式(17)で表すこ
とができる。
【0338】
【数6】
【0339】式(17)において、画素値C06を混合領
域の画素の画素値Mと、画素値P06を背景領域の画素の画
素値Bと表現する。すなわち、混合領域の画素の画素値M
および背景領域の画素の画素値Bは、それぞれ、式(1
8)および式(19)のように表現することができる。
【0340】 M=C06 (18) B=P06 (19)
【0341】式(17)中の2/vは、混合比αに対応す
る。動き量vが4なので、フレーム#nの左から7番目の
画素の混合比αは、0.5となる。
【0342】以上のように、注目しているフレーム#nの
画素値Cを混合領域の画素値と見なし、フレーム#nの前
のフレーム#n-1の画素値Pを背景領域の画素値と見なす
ことで、混合比αを示す式(12)は、式(20)のよ
うに書き換えられる。
【0343】 C=α・P+f (20) 式(20)のfは、注目している画素に含まれる前景の
成分の和ΣiFi/vである。式(20)に含まれる変数
は、混合比αおよび前景の成分の和fの2つである。
【0344】同様に、アンカバードバックグラウンド領
域における、動き量vが4であり、時間方向の仮想分割
数が4である、画素値を時間方向に展開したモデルを図
56に示す。
【0345】アンカバードバックグラウンド領域におい
て、上述したカバードバックグラウンド領域における表
現と同様に、注目しているフレーム#nの画素値Cを混合
領域の画素値と見なし、フレーム#nの後のフレーム#n+1
の画素値Nを背景領域の画素値と見なすことで、混合比
αを示す式(12)は、式(21)のように表現するこ
とができる。
【0346】 C=α・N+f (21)
【0347】なお、背景のオブジェクトが静止している
として説明したが、背景のオブジェクトが動いている場
合においても、背景の動き量vに対応させた位置の画素
の画素値を利用することにより、式(17)乃至式(2
1)を適用することができる。例えば、図55におい
て、背景に対応するオブジェクトの動き量vが2であ
り、仮想分割数が2であるとき、背景に対応するオブジ
ェクトが図中の右側に動いているとき、式(19)にお
ける背景領域の画素の画素値Bは、画素値P04とされる。
【0348】式(20)および式(21)は、それぞれ
2つの変数を含むので、そのままでは混合比αを求める
ことができない。ここで、画像は一般的に空間的に相関
が強いので近接する画素同士でほぼ同じ画素値となる。
【0349】そこで、前景成分は、空間的に相関が強い
ので、前景の成分の和fを前または後のフレームから導
き出せるように式を変形して、混合比αを求める。
【0350】図57のフレーム#nの左から7番目の画素
の画素値Mcは、式(22)で表すことができる。
【0351】
【数7】 式(22)の右辺第1項の2/vは、混合比αに相当す
る。式(22)の右辺第2項は、後のフレーム#n+1の画
素値を利用して、式(23)のように表すこととする。
【0352】
【数8】
【0353】ここで、前景の成分の空間相関を利用し
て、式(24)が成立するとする。
【0354】 F=F05=F06=F07=F08=F09=F10=F11=F12 (24) 式(23)は、式(24)を利用して、式(25)のよ
うに置き換えることができる。
【0355】
【数9】
【0356】結果として、βは、式(26)で表すこと
ができる。
【0357】 β=2/4 (26)
【0358】一般的に、式(24)に示すように混合領
域に関係する前景の成分が等しいと仮定すると、混合領
域の全ての画素について、内分比の関係から式(27)
が成立する。
【0359】 β=1-α (27)
【0360】式(27)が成立するとすれば、式(2
0)は、式(28)に示すように展開することができ
る。
【0361】
【数10】
【0362】同様に、式(27)が成立するとすれば、
式(21)は、式(29)に示すように展開することが
できる。
【0363】
【数11】
【0364】式(28)および式(29)において、
C,N、およびPは、既知の画素値なので、式(28)お
よび式(29)に含まれる変数は、混合比αのみであ
る。式(28)および式(29)における、C,N、およ
びPの関係を図58に示す。Cは、混合比αを算出する、
フレーム#nの注目している画素の画素値である。Nは、
注目している画素と空間方向の位置が対応する、フレー
ム#n+1の画素の画素値である。Pは、注目している画素
と空間方向の位置が対応する、フレーム#n-1の画素の画
素値である。
【0365】従って、式(28)および式(29)のそ
れぞれに1つの変数が含まれることとなるので、3つの
フレームの画素の画素値を利用して、混合比αを算出す
ることができる。式(28)および式(29)を解くこ
とにより、正しい混合比αが算出されるための条件は、
混合領域に関係する前景の成分が等しい、すなわち、前
景のオブジェクトが静止しているとき撮像された前景の
画像オブジェクトにおいて、前景のオブジェクトの動き
の方向に対応する、画像オブジェクトの境界に位置する
画素であって、動き量vの2倍の数の連続している画素
の画素値が、一定であることである。
【0366】以上のように、カバードバックグラウンド
領域に属する画素の混合比αは、式(30)により算出
され、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素
の混合比αは、式(31)により算出される。
【0367】 α=(C-N)/(P-N) (30) α=(C-P)/(N-P) (31)
【0368】図59は、推定混合比処理部401の構成
を示すブロック図である。フレームメモリ421は、入
力された画像をフレーム単位で記憶し、入力画像として
入力されているフレームから1つ後のフレームをフレー
ムメモリ422および混合比演算部423に供給する。
【0369】フレームメモリ422は、入力された画像
をフレーム単位で記憶し、フレームメモリ421から供
給されているフレームから1つ後のフレームを混合比演
算部423に供給する。
【0370】従って、入力画像としてフレーム#n+1が混
合比演算部423に入力されているとき、フレームメモ
リ421は、フレーム#nを混合比演算部423に供給
し、フレームメモリ422は、フレーム#n-1を混合比演
算部423に供給する。
【0371】混合比演算部423は、式(30)に示す
演算により、フレーム#nの注目している画素の画素値
C、注目している画素と空間的位置が対応する、フレー
ム#n+1の画素の画素値N、および注目している画素と空
間的位置が対応する、フレーム#n-1の画素の画素値Pを
基に、注目している画素の推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を出力する。例えば、背景が静止してい
るとき、混合比演算部423は、フレーム#nの注目して
いる画素の画素値C、注目している画素とフレーム内の
位置が同じ、フレーム#n+1の画素の画素値N、および注
目している画素とフレーム内の位置が同じ、フレーム#n
-1の画素の画素値Pを基に、注目している画素の推定混
合比を算出して、算出した推定混合比を出力する。
【0372】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を算出して、混合比決定部
403に供給することができる。
【0373】なお、推定混合比処理部402は、推定混
合比処理部401が式(30)に示す演算により、注目
している画素の推定混合比を算出するのに対して、式
(31)に示す演算により、注目している画素の推定混
合比を算出する部分が異なることを除き、推定混合比処
理部401と同様なので、その説明は省略する。
【0374】図60は、推定混合比処理部401により
算出された推定混合比の例を示す図である。図60に示
す推定混合比は、等速で動いているオブジェクトに対応
する前景の動き量vが11である場合の結果を、1ライ
ンに対して示すものである。
【0375】推定混合比は、混合領域において、図54
に示すように、ほぼ直線的に変化していることがわか
る。
【0376】図53に戻り、混合比決定部403は、領
域特定部103から供給された、混合比αの算出の対象
となる画素が、前景領域、背景領域、カバードバックグ
ラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領
域のいずれかに属するかを示す領域情報を基に、混合比
αを設定する。混合比決定部403は、対象となる画素
が前景領域に属する場合、0を混合比αに設定し、対象
となる画素が背景領域に属する場合、1を混合比αに設
定し、対象となる画素がカバードバックグラウンド領域
に属する場合、推定混合比処理部401から供給された
推定混合比を混合比αに設定し、対象となる画素がアン
カバードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合
比処理部402から供給された推定混合比を混合比αに
設定する。混合比決定部403は、領域情報を基に設定
した混合比αを出力する。
【0377】図61は、混合比算出部104の他の構成
を示すブロック図である。選択部441は、領域特定部
103から供給された領域情報を基に、カバードバック
グラウンド領域に属する画素および、これに対応する前
および後のフレームの画素を推定混合比処理部442に
供給する。選択部441は、領域特定部103から供給
された領域情報を基に、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素および、これに対応する前および後の
フレームの画素を推定混合比処理部443に供給する。
【0378】推定混合比処理部442は、選択部441
から入力された画素値を基に、式(30)に示す演算に
より、カバードバックグラウンド領域に属する、注目し
ている画素の推定混合比を算出して、算出した推定混合
比を選択部444に供給する。
【0379】推定混合比処理部443は、選択部441
から入力された画素値を基に、式(31)に示す演算に
より、アンカバードバックグラウンド領域に属する、注
目している画素の推定混合比を算出して、算出した推定
混合比を選択部444に供給する。
【0380】選択部444は、領域特定部103から供
給された領域情報を基に、対象となる画素が前景領域に
属する場合、0である推定混合比を選択して、混合比α
に設定し、対象となる画素が背景領域に属する場合、1
である推定混合比を選択して、混合比αに設定する。選
択部444は、対象となる画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属する場合、推定混合比処理部442から供
給された推定混合比を選択して混合比αに設定し、対象
となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
る場合、推定混合比処理部443から供給された推定混
合比を選択して混合比αに設定する。選択部444は、
領域情報を基に選択して設定した混合比αを出力する。
【0381】このように、図61に示す他の構成を有す
る混合比算出部104は、画像の含まれる画素毎に混合
比αを算出して、算出した混合比αを出力することがで
きる。
【0382】図62のフローチャートを参照して、図5
3に構成を示す混合比算出部104の混合比αの算出の
処理を説明する。ステップS401において、混合比算
出部104は、領域特定部103から供給された領域情
報を取得する。ステップS402において、推定混合比
処理部401は、カバードバックグラウンド領域に対応
するモデルにより推定混合比の演算の処理を実行し、算
出した推定混合比を混合比決定部403に供給する。混
合比推定の演算の処理の詳細は、図63のフローチャー
トを参照して、後述する。
【0383】ステップS403において、推定混合比処
理部402は、アンカバードバックグラウンド領域に対
応するモデルにより推定混合比の演算の処理を実行し、
算出した推定混合比を混合比決定部403に供給する。
【0384】ステップS404において、混合比算出部
104は、フレーム全体について、混合比αを推定した
か否かを判定し、フレーム全体について、混合比αを推
定していないと判定された場合、ステップS402に戻
り、次の画素について混合比αを推定する処理を実行す
る。
【0385】ステップS404において、フレーム全体
について、混合比αを推定したと判定された場合、ステ
ップS405に進み、混合比決定部403は、画素が、
前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、
またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに
属するかを示す、領域特定部103から供給された領域
情報を基に、混合比αを設定する。混合比決定部403
は、対象となる画素が前景領域に属する場合、0を混合
比αに設定し、対象となる画素が背景領域に属する場
合、1を混合比αに設定し、対象となる画素がカバード
バックグラウンド領域に属する場合、推定混合比処理部
401から供給された推定混合比を混合比αに設定し、
対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に
属する場合、推定混合比処理部402から供給された推
定混合比を混合比αに設定し、処理は終了する。
【0386】このように、混合比算出部104は、領域
特定部103から供給された領域情報、および入力画像
を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出
することができる。
【0387】図61に構成を示す混合比算出部104の
混合比αの算出の処理は、図62のフローチャートで説
明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0388】次に、図62のステップS402に対応す
る、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに
よる混合比推定の処理を図63のフローチャートを参照
して説明する。
【0389】ステップS421において、混合比演算部
423は、フレームメモリ421から、フレーム#nの注
目画素の画素値Cを取得する。
【0390】ステップS422において、混合比演算部
423は、フレームメモリ422から、注目画素に対応
する、フレーム#n-1の画素の画素値Pを取得する。
【0391】ステップS423において、混合比演算部
423は、入力画像に含まれる注目画素に対応する、フ
レーム#n+1の画素の画素値Nを取得する。
【0392】ステップS424において、混合比演算部
423は、フレーム#nの注目画素の画素値C、フレーム#
n-1の画素の画素値P、およびフレーム#n+1の画素の画素
値Nを基に、推定混合比を演算する。
【0393】ステップS425において、混合比演算部
423は、フレーム全体について、推定混合比を演算す
る処理を終了したか否かを判定し、フレーム全体につい
て、推定混合比を演算する処理を終了していないと判定
された場合、ステップS421に戻り、次の画素につい
て推定混合比を算出する処理を繰り返す。
【0394】ステップS425において、フレーム全体
について、推定混合比を演算する処理を終了したと判定
された場合、処理は終了する。
【0395】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を演算することができる。
【0396】図62のステップS403におけるアンカ
バードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混
合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域
のモデルに対応する式を利用した、図63のフローチャ
ートに示す処理と同様なので、その説明は省略する。
【0397】なお、図61に示す推定混合比処理部44
2および推定混合比処理部443は、図63に示すフロ
ーチャートと同様の処理を実行して推定混合比を演算す
るので、その説明は省略する。
【0398】また、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した混合比αを求める処理を適
用することができる。例えば、背景領域に対応する画像
が一様に動いているとき、推定混合比処理部401は、
背景の動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対
応するオブジェクトが静止している場合と同様に処理す
る。また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる背
景の動きを含んでいるとき、推定混合比処理部401
は、混合領域に属する画素に対応する画素として、背景
の動きに対応した画素を選択して、上述の処理を実行す
る。
【0399】また、混合比算出部104は、全ての画素
について、カバードバックグラウンド領域に対応するモ
デルによる混合比推定の処理のみを実行して、算出され
た推定混合比を混合比αとして出力するようにしてもよ
い。この場合において、混合比αは、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素について、背景の成分の割合
を示し、アンカバードバックグラウンド領域に属する画
素について、前景の成分の割合を示す。アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素について、このように
算出された混合比αと1との差分の絶対値を算出して、
算出した絶対値を混合比αに設定すれば、前景背景成分
画像生成部91は、アンカバードバックグラウンド領域
に属する画素について、背景の成分の割合を示す混合比
αを求めることができる。
【0400】なお、同様に、混合比算出部104は、全
ての画素について、アンカバードバックグラウンド領域
に対応するモデルによる混合比推定の処理のみを実行し
て、算出された推定混合比を混合比αとして出力するよ
うにしてもよい。
【0401】次に、混合比αが直線的に変化する性質を
利用して混合比αを算出する混合比算出部104につい
て説明する。
【0402】上述したように、式(20)および式(2
1)は、それぞれ2つの変数を含むので、そのままでは
混合比αを求めることができない。
【0403】そこで、シャッタ時間内において、前景に
対応するオブジェクトが等速で動くことによる、画素の
位置の変化に対応して、混合比αが直線的に変化する性
質を利用して、空間方向に、混合比αと前景の成分の和
fとを近似した式を立てる。混合領域に属する画素の画
素値および背景領域に属する画素の画素値の組の複数を
利用して、混合比αと前景の成分の和fとを近似した式
を解く。
【0404】混合比αの変化を、直線として近似する
と、混合比αは、式(32)で表される。
【0405】 α=il+p (32) 式(32)において、iは、注目している画素の位置を
0とした空間方向のインデックスである。lは、混合比
αの直線の傾きである。pは、混合比αの直線の切片で
ある共に、注目している画素の混合比αである。式(3
2)において、インデックスiは、既知であるが、傾きl
および切片pは、未知である。
【0406】インデックスi、傾きl、および切片pの関
係を図64に示す。
【0407】混合比αを式(32)のように近似するこ
とにより、複数の画素に対して複数の異なる混合比α
は、2つの変数で表現される。図64に示す例におい
て、5つの画素に対する5つの混合比は、2つの変数で
ある傾きlおよび切片pにより表現される。
【0408】図65に示す平面で混合比αを近似する
と、画像の水平方向および垂直方向の2つの方向に対応
する動きvを考慮したとき、式(32)を平面に拡張し
て、混合比αは、式(33)で表される。
【0409】α=jm+kq+p (33) 式(33)において、jは、注目している画素の位置を
0とした水平方向のインデックスであり、kは、垂直方
向のインデックスである。mは、混合比αの面の水平方
向の傾きであり、qは、混合比αの面の垂直方向の傾き
である。pは、混合比αの面の切片である。
【0410】例えば、図55に示すフレーム#nにおい
て、C05乃至C07について、それぞれ、式(34)乃至式
(36)が成立する。
【0411】 C05=α05・B05/v+f05 (34) C06=α06・B06/v+f06 (35) C07=α07・B07/v+f07 (36)
【0412】前景の成分が近傍で一致する、すなわち、
F01乃至F03が等しいとして、F01乃至F03をFcに置き換え
ると式(37)が成立する。
【0413】 f(x)=(1-α(x))・Fc (37) 式(37)において、xは、空間方向の位置を表す。
【0414】α(x)を式(33)で置き換えると、式
(37)は、式(38)として表すことができる。
【0415】 f(x)=(1-(jm+kq+p))・Fc =j ・(-m・Fc)+k・(-q・Fc)+((1-p)・Fc) =js+kt+u (38)
【0416】式(38)において、(-m・Fc)、(-q・
Fc)、および(1-p)・Fcは、式(39)乃至式(41)
に示すように置き換えられている。
【0417】 s=-m・Fc (39) t=-q・Fc (40) u=(1-p)・Fc (41)
【0418】式(38)において、jは、注目している
画素の位置を0とした水平方向のインデックスであり、
kは、垂直方向のインデックスである。
【0419】このように、前景に対応するオブジェクト
がシャッタ時間内において等速に移動し、前景に対応す
る成分が近傍において一定であるという仮定が成立する
ので、前景の成分の和は、式(38)で近似される。
【0420】なお、混合比αを直線で近似する場合、前
景の成分の和は、式(42)で表すことができる。
【0421】 f(x)=is+u (42)
【0422】式(22)の混合比αおよび前景成分の和
を、式(33)および式(38)を利用して置き換える
と、画素値Mは、式(43)で表される。
【0423】 M=(jm+kq+p)・B+js+kt+u =jB・m+kB・q+B・p+j・s+k・t+u (43)
【0424】式(43)において、未知の変数は、混合
比αの面の水平方向の傾きm、混合比αの面の垂直方向
の傾きq、混合比αの面の切片p、s、t、およびuの6つ
である。
【0425】注目している画素の近傍の画素に対応させ
て、式(43)に示す正規方程式に、画素値Mまたは画
素値Bを設定し、画素値Mまたは画素値Bが設定された複
数の正規方程式を最小自乗法で解いて、混合比αを算出
する。
【0426】例えば、注目している画素の水平方向のイ
ンデックスjを0とし、垂直方向のインデックスkを0と
し、注目している画素の近傍の3×3の画素について、
式(43)に示す正規方程式に画素値Mまたは画素値Bを
設定すると、式(44)乃至式(52)を得る。 M-1,-1=(-1)・B-1,-1・m+(-1)・B-1,-1・q+B-1,-1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (44) M0,-1=(0)・B0,-1・m+(-1)・B0,-1・q+B0,-1・p+(0)・s+(-1)・t+u (45) M+1,-1=(+1)・B+1,-1・m+(-1)・B+1,-1・q+B+1,-1・p+(+1)・s+(-1)・t+u (46) M-1,0=(-1)・B-1,0・m+(0)・B-1,0・q+B-1,0・p+(-1)・s+(0)・t+u (47) M0,0=(0)・B0,0・m+(0)・B0,0・q+B0,0・p+(0)・s+(0)・t+u (48) M+1,0=(+1)・B+1,0・m+(0)・B+1,0・q+B+1,0・p+(+1)・s+(0)・t+u (49) M-1,+1=(-1)・B-1,+1・m+(+1)・B-1,+1・q+B-1,+1・p+(-1)・s+(+1)・t+u (50) M0,+1=(0)・B0,+1・m+(+1)・B0,+1・q+B0,+1・p+(0)・s+(+1)・t+u (51) M+1,+1=(+1)・B+1,+1・m+(+1)・B+1,+1・q+B+1,+1・p+(+1)・s+(+1)・t+u (52)
【0427】注目している画素の水平方向のインデック
スjが0であり、垂直方向のインデックスkが0であるの
で、注目している画素の混合比αは、式(33)より、
j=0およびk=0のときの値、すなわち、切片pに等しい。
【0428】従って、式(44)乃至式(52)の9つ
の式を基に、最小自乗法により、水平方向の傾きm、垂
直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuのそれぞれの値
を算出し、切片pを混合比αとして出力すればよい。
【0429】次に、最小自乗法を適用して混合比αを算
出するより具体的な手順を説明する。
【0430】インデックスiおよびインデックスkを1つ
のインデックスxで表現すると、インデックスi、インデ
ックスk、およびインデックスxの関係は、式(53)で
表される。
【0431】 x=(j+1)・3+(k+1) (53)
【0432】水平方向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片
p、s、t、およびuをそれぞれ変数w0,w1,w2,w3,w4、およ
びW5と表現し、jB,kB,B,j,k、および1をそれぞれa0,a1,
a2,a3,a4、およびa5と表現する。誤差exを考慮すると、
式(44)乃至式(52)は、式(54)に書き換える
ことができる。
【0433】
【数12】 式(54)において、xは、0乃至8の整数のいずれか
の値である。
【0434】式(54)から、式(55)を導くことが
できる。
【0435】
【数13】
【0436】ここで、最小自乗法を適用するため、誤差
の自乗和Eを式(56)に示すようにに定義する。
【0437】
【数14】
【0438】誤差が最小になるためには、誤差の自乗和
Eに対する、変数Wvの偏微分が0になればよい。ここ
で、vは、0乃至5の整数のいずれかの値である。従っ
て、式(57)を満たすようにwyを求める。
【0439】
【数15】
【0440】式(57)に式(55)を代入すると、式
(58)を得る。
【0441】
【数16】
【0442】式(58)のvに0乃至5の整数のいずれ
か1つを代入して得られる6つの式に、例えば、掃き出
し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用して、wyを算
出する。上述したように、w0は水平方向の傾きmであ
り、w1は垂直方向の傾きqであり、w2は切片pであり、w3
はsであり、w4はtであり、w5はuである。
【0443】以上のように、画素値Mおよび画素値Bを設
定した式に、最小自乗法を適用することにより、水平方
向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuを
求めることができる。
【0444】式(44)乃至式(52)に対応する説明
において、混合領域に含まれる画素の画素値をMとし、
背景領域に含まれる画素の画素値をBとして説明した
が、注目している画素が、カバードバックグラウンド領
域に含まれる場合、またはアンカバードバックグラウン
ド領域に含まれる場合のそれぞれに対して、正規方程式
を立てる必要がある。
【0445】例えば、図55に示す、フレーム#nのカバ
ードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを
求める場合、フレーム#nの画素のC04乃至C08、およびフ
レーム#n-1の画素の画素値P04乃至P08が、正規方程式に
設定される。
【0446】図56に示す、フレーム#nのアンカバード
バックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを求め
る場合、フレーム#nの画素のC28乃至C32、およびフレー
ム#n+1の画素の画素値N28乃至N32が、正規方程式に設定
される。
【0447】また、例えば、図66に示す、カバードバ
ックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出す
るとき、以下の式(59)乃至式(67)が立てられ
る。混合比αを算出する画素の画素値は、Mc5である。 Mc1=(-1)・Bc1・m+(-1)・Bc1・q+Bc1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (59) Mc2=(0)・Bc2・m+(-1)・Bc2・q+Bc2・p+(0)・s+(-1)・t+u (60) Mc3=(+1)・Bc3・m+(-1)・Bc3・q+Bc3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (61) Mc4=(-1)・Bc4・m+(0)・Bc4・q+Bc4・p+(-1)・s+(0)・t+u (62) Mc5=(0)・Bc5・m+(0)・Bc5・q+Bc5・p+(0)・s+(0)・t+u (63) Mc6=(+1)・Bc6・m+(0)・Bc6・q+Bc6・p+(+1)・s+(0)・t+u (64) Mc7=(-1)・Bc7・m+(+1)・Bc7・q+Bc7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (65) Mc8=(0)・Bc8・m+(+1)・Bc8・q+Bc8・p+(0)・s+(+1)・t+u (66) Mc9=(+1)・Bc9・m+(+1)・Bc9・q+Bc9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (67)
【0448】フレーム#nのカバードバックグラウンド領
域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式(5
9)乃至式(67)において、フレーム#nの画素に対応
する、フレーム#n-1の画素の背景領域の画素の画素値Bc
1乃至Bc9が使用される。
【0449】図66に示す、アンカバードバックグラウ
ンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、以
下の式(68)乃至式(76)が立てられる。混合比α
を算出する画素の画素値は、Mu5である。 Mu1=(-1)・Bu1・m+(-1)・Bu1・q+Bu1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (68) Mu2=(0)・Bu2・m+(-1)・Bu2・q+Bu2・p+(0)・s+(-1)・t+u (69) Mu3=(+1)・Bu3・m+(-1)・Bu3・q+Bu3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (70) Mu4=(-1)・Bu4・m+(0)・Bu4・q+Bu4・p+(-1)・s+(0)・t+u (71) Mu5=(0)・Bu5・m+(0)・Bu5・q+Bu5・p+(0)・s+(0)・t+u (72) Mu6=(+1)・Bu6・m+(0)・Bu6・q+Bu6・p+(+1)・s+(0)・t+u (73) Mu7=(-1)・Bu7・m+(+1)・Bu7・q+Bu7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (74) Mu8=(0)・Bu8・m+(+1)・Bu8・q+Bu8・p+(0)・s+(+1)・t+u (75) Mu9=(+1)・Bu9・m+(+1)・Bu9・q+Bu9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (76)
【0450】フレーム#nのアンカバードバックグラウン
ド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式
(68)乃至式(76)において、フレーム#nの画素に
対応する、フレーム#n+1の画素の背景領域の画素の画素
値Bu1乃至Bu9が使用される。
【0451】図67は、推定混合比処理部401の構成
を示すブロック図である。推定混合比処理部401に入
力された画像は、遅延部501および足し込み部502
に供給される。
【0452】遅延回路221は、入力画像を1フレーム
遅延させ、足し込み部502に供給する。足し込み部5
02に、入力画像としてフレーム#nが入力されていると
き、遅延回路221は、フレーム#n-1を足し込み部50
2に供給する。
【0453】足し込み部502は、混合比αを算出する
画素の近傍の画素の画素値、およびフレーム#n-1の画素
値を、正規方程式に設定する。例えば、足し込み部50
2は、式(59)乃至式(67)に基づいて、正規方程
式に画素値Mc1乃至Mc9および画素値Bc1乃至Bc9を設定す
る。足し込み部502は、画素値が設定された正規方程
式を演算部503に供給する。
【0454】演算部503は、足し込み部502から供
給された正規方程式を掃き出し法などにより解いて推定
混合比を求め、求められた推定混合比を出力する。
【0455】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を算出して、混合比決定部
403に供給することができる。
【0456】なお、推定混合比処理部402は、推定混
合比処理部401と同様の構成を有するので、その説明
は省略する。
【0457】図68は、推定混合比処理部401により
算出された推定混合比の例を示す図である。図68に示
す推定混合比は、等速で動いているオブジェクトに対応
する前景の動きvが11であり、7×7画素のブロック
を単位として方程式を生成して算出された結果を、1ラ
インに対して示すものである。
【0458】推定混合比は、混合領域において、図67
に示すように、ほぼ直線的に変化していることがわか
る。
【0459】次に、図67に構成を示す推定混合比処理
部401による、カバードバックグラウンド領域に対応
するモデルによる混合比推定の処理を図69のフローチ
ャートを参照して説明する。
【0460】ステップS521において、足し込み部5
02は、入力された画像に含まれる画素値、および遅延
回路221から供給される画像に含まれる画素値を、カ
バードバックグラウンド領域のモデルに対応する正規方
程式に設定する。
【0461】ステップS522において、推定混合比処
理部401は、対象となる画素についての設定が終了し
たか否かを判定し、対象となる画素についての設定が終
了していないと判定された場合、ステップS521に戻
り、正規方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0462】ステップS522において、対象となる画
素についての画素値の設定が終了したと判定された場
合、ステップS523に進み、演算部173は、画素値
が設定された正規方程式を基に、推定混合比を演算し
て、求められた推定混合比を出力する。
【0463】このように、図67に構成を示す推定混合
比処理部401は、入力画像を基に、推定混合比を演算
することができる。
【0464】アンカバードバックグラウンド領域に対応
するモデルによる混合比推定の処理は、アンカバードバ
ックグラウンド領域のモデルに対応する正規方程式を利
用した、図69のフローチャートに示す処理と同様なの
で、その説明は省略する。
【0465】なお、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した混合比を求める処理を適用
することができる。例えば、背景領域に対応する画像が
一様に動いているとき、推定混合比処理部401は、こ
の動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応す
るオブジェクトが静止している場合と同様に処理する。
また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを
含んでいるとき、推定混合比処理部401は、混合領域
に属する画素に対応する画素として、動きに対応した画
素を選択して、上述の処理を実行する。
【0466】このように、混合比算出部102は、領域
特定部101から供給された領域情報、および入力画像
を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出
することができる。
【0467】混合比αを利用することにより、動いてい
るオブジェクトに対応する画像に含まれる動きボケの情
報を残したままで、画素値に含まれる前景の成分と背景
の成分とを分離することが可能になる。
【0468】また、混合比αに基づいて画像を合成すれ
ば、実世界を実際に撮影し直したような動いているオブ
ジェクトのスピードに合わせた正しい動きボケを含む画
像を作ることが可能になる。
【0469】次に、前景背景分離部105について説明
する。図70は、前景背景分離部105の構成の一例を
示すブロック図である。前景背景分離部105に供給さ
れた入力画像は、分離部601、スイッチ602、およ
びスイッチ604に供給される。カバードバックグラウ
ンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウ
ンド領域を示す、領域特定部103から供給された領域
情報は、分離部601に供給される。前景領域を示す領
域情報は、スイッチ602に供給される。背景領域を示
す領域情報は、スイッチ604に供給される。
【0470】混合比算出部104から供給された混合比
αは、分離部601に供給される。
【0471】分離部601は、カバードバックグラウン
ド領域を示す領域情報、アンカバードバックグラウンド
領域を示す領域情報、および混合比αを基に、入力画像
から前景の成分を分離して、分離した前景の成分を合成
部603に供給するとともに、入力画像から背景の成分
を分離して、分離した背景の成分を合成部605に供給
する。
【0472】スイッチ602は、前景領域を示す領域情
報を基に、前景に対応する画素が入力されたとき、閉じ
られ、入力画像に含まれる前景に対応する画素のみを合
成部603に供給する。
【0473】スイッチ604は、背景領域を示す領域情
報を基に、背景に対応する画素が入力されたとき、閉じ
られ、入力画像に含まれる背景に対応する画素のみを合
成部605に供給する。
【0474】合成部603は、分離部601から供給さ
れた前景に対応する成分、スイッチ602から供給され
た前景に対応する画素を基に、前景成分画像を合成し、
合成した前景成分画像を出力する。前景領域と混合領域
とは重複しないので、合成部603は、例えば、前景に
対応する成分と、前景に対応する画素とに論理和の演算
を適用して、前景成分画像を合成する。
【0475】合成部603は、前景成分画像の合成の処
理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵して
いるフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格
納し、前景成分画像の合成の処理において、前景成分画
像を格納(上書き)する。従って、合成部603が出力
する前景成分画像の内、背景領域に対応する画素には、
画素値として0が格納されている。
【0476】合成部605は、分離部601から供給さ
れた背景に対応する成分、スイッチ604から供給され
た背景に対応する画素を基に、背景成分画像を合成し
て、合成した背景成分画像を出力する。背景領域と混合
領域とは重複しないので、合成部605は、例えば、背
景に対応する成分と、背景に対応する画素とに論理和の
演算を適用して、背景成分画像を合成する。
【0477】合成部605は、背景成分画像の合成の処
理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵して
いるフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格
納し、背景成分画像の合成の処理において、背景成分画
像を格納(上書き)する。従って、合成部605が出力
する背景成分画像の内、前景領域に対応する画素には、
画素値として0が格納されている。
【0478】図71は、前景背景分離部105に入力さ
れる入力画像、並びに前景背景分離部105から出力さ
れる前景成分画像および背景成分画像を示す図である。
【0479】図71(A)は、表示される画像の模式図
であり、図71(B)は、図71(A)に対応する前景
領域に属する画素、背景領域に属する画素、および混合
領域に属する画素を含む1ラインの画素を時間方向に展
開したモデル図を示す。
【0480】図71(A)および図71(B)に示すよ
うに、前景背景分離部105から出力される背景成分画
像は、背景領域に属する画素、および混合領域の画素に
含まれる背景の成分から構成される。
【0481】図71(A)および図71(B)に示すよ
うに、前景背景分離部105から出力される前景成分画
像は、前景領域に属する画素、および混合領域の画素に
含まれる前景の成分から構成される。
【0482】混合領域の画素の画素値は、前景背景分離
部105により、背景の成分と、前景の成分とに分離さ
れる。分離された背景の成分は、背景領域に属する画素
と共に、背景成分画像を構成する。分離された前景の成
分は、前景領域に属する画素と共に、前景成分画像を構
成する。
【0483】このように、前景成分画像は、背景領域に
対応する画素の画素値が0とされ、前景領域に対応する
画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値
が設定される。同様に、背景成分画像は、前景領域に対
応する画素の画素値が0とされ、背景領域に対応する画
素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が
設定される。
【0484】次に、分離部601が実行する、混合領域
に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離
する処理について説明する。
【0485】図72は、図中の左から右に移動するオブ
ジェクトに対応する前景を含む、2つのフレームの前景
の成分および背景の成分を示す画像のモデルである。図
72に示す画像のモデルにおいて、前景の動き量vは4
であり、仮想分割数は、4とされている。
【0486】フレーム#nにおいて、最も左の画素、およ
び左から14番目乃至18番目の画素は、背景の成分の
みから成り、背景領域に属する。フレーム#nにおいて、
左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分および前
景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に
属する。フレーム#nにおいて、左から11番目乃至13
番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カ
バードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにお
いて、左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分
のみから成り、前景領域に属する。
【0487】フレーム#n+1において、左から1番目乃至
5番目の画素、および左から18番目の画素は、背景の
成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#n+1に
おいて、左から6番目乃至8番目の画素は、背景の成分
および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウン
ド領域に属する。フレーム#n+1において、左から15番
目乃至17番目の画素は、背景の成分および前景の成分
を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレ
ーム#n+1において、左から9番目乃至14番目の画素
は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0488】図73は、カバードバックグラウンド領域
に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する
図である。図73において、α1乃至α18は、フレー
ム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比である。
図73において、左から15番目乃至17番目の画素
は、カバードバックグラウンド領域に属する。
【0489】フレーム#nの左から15番目の画素の画素
値C15は、式(77)で表される。
【0490】 C15=B15/v+F09/v+F08/v+F07/v =α15・B15+F09/v+F08/v+F07/v =α15・P15+F09/v+F08/v+F07/v (77) ここで、α15は、フレーム#nの左から15番目の画素の
混合比である。P15は、フレーム#n-1の左から15番目
の画素の画素値である。
【0491】式(77)を基に、フレーム#nの左から1
5番目の画素の前景の成分の和f15は、式(78)で表
される。
【0492】 f15=F09/v+F08/v+F07/v =C15-α15・P15 (78)
【0493】同様に、フレーム#nの左から16番目の画
素の前景の成分の和f16は、式(79)で表され、フレ
ーム#nの左から17番目の画素の前景の成分の和f17
は、式(80)で表される。
【0494】 f16=C16-α16・P16 (79) f17=C17-α17・P17 (80)
【0495】このように、カバードバックグラウンド領
域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fcは、
式(81)で計算される。
【0496】 fc=C-α・P (81) Pは、1つ前のフレームの、対応する画素の画素値であ
る。
【0497】図74は、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明
する図である。図74において、α1乃至α18は、フ
レーム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比であ
る。図74において、左から2番目乃至4番目の画素
は、アンカバードバックグラウンド領域に属する。
【0498】フレーム#nの左から2番目の画素の画素値
C02は、式(82)で表される。
【0499】 C02=B02/v+B02/v+B02/v+F01/v =α2・B02+F01/v =α2・N02+F01/v (82) ここで、α2は、フレーム#nの左から2番目の画素の混
合比である。N02は、フレーム#n+1の左から2番目の画
素の画素値である。
【0500】式(82)を基に、フレーム#nの左から2
番目の画素の前景の成分の和f02は、式(83)で表さ
れる。
【0501】 f02=F01/v =C02-α2・N02 (83) 同様に、フレーム#nの左から3番目の画素の前景の成分
の和f03は、式(84)で表され、フレーム#nの左から
4番目の画素の前景の成分の和f04は、式(85)で表
される。
【0502】 f03=C03-α3・N03 (84) f04=C04-α4・N04 (85)
【0503】このように、アンカバードバックグラウン
ド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fu
は、式(86)で計算される。
【0504】 fu=C-α・N (86) Nは、1つ後のフレームの、対応する画素の画素値であ
る。
【0505】このように、分離部601は、領域情報に
含まれる、カバードバックグラウンド領域を示す情報、
およびアンカバードバックグラウンド領域を示す情報、
並びに画素毎の混合比αを基に、混合領域に属する画素
から前景の成分、および背景の成分を分離することがで
きる。
【0506】図75は、以上で説明した処理を実行する
分離部601の構成の一例を示すブロック図である。分
離部601に入力された画像は、フレームメモリ621
に供給され、混合比算出部104から供給されたカバー
ドバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラ
ウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αは、分離処
理ブロック622に入力される。
【0507】フレームメモリ621は、入力された画像
をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ621は、
処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの1つ
前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、および
フレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1を記
憶する。
【0508】フレームメモリ621は、フレーム#n-1、
フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素を分離
処理ブロック622に供給する。
【0509】分離処理ブロック622は、カバードバッ
クグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド
領域を示す領域情報、並びに混合比αを基に、フレーム
メモリ621から供給されたフレーム#n-1、フレーム#
n、およびフレーム#n+1の対応する画素の画素値に図7
3および図74を参照して説明した演算を適用して、フ
レーム#nの混合領域に属する画素から前景の成分および
背景の成分を分離して、フレームメモリ623に供給す
る。
【0510】分離処理ブロック622は、アンカバード
領域処理部631、カバード領域処理部632、合成部
633、および合成部634で構成されている。
【0511】アンカバード領域処理部631の乗算器6
41は、混合比αを、フレームメモリ621から供給さ
れたフレーム#n+1の画素の画素値に乗じて、スイッチ6
42に出力する。スイッチ642は、フレームメモリ6
21から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n+1の
画素に対応する)がアンカバードバックグラウンド領域
であるとき、閉じられ、乗算器641から供給された混
合比αを乗じた画素値を演算器643および合成部63
4に供給する。スイッチ642から出力されるフレーム
#n+1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム
#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0512】演算器643は、フレームメモリ621か
ら供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ
642から供給された背景の成分を減じて、前景の成分
を求める。演算器643は、アンカバードバックグラウ
ンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合
成部633に供給する。
【0513】カバード領域処理部632の乗算器651
は、混合比αを、フレームメモリ621から供給された
フレーム#n-1の画素の画素値に乗じて、スイッチ652
に出力する。スイッチ652は、フレームメモリ621
から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n-1の画素
に対応する)がカバードバックグラウンド領域であると
き、閉じられ、乗算器651から供給された混合比αを
乗じた画素値を演算器653および合成部634に供給
する。スイッチ652から出力されるフレーム#n-1の画
素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応
する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0514】演算器653は、フレームメモリ621か
ら供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ
652から供給された背景の成分を減じて、前景の成分
を求める。演算器653は、カバードバックグラウンド
領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部
633に供給する。
【0515】合成部633は、フレーム#nの、演算器6
43から供給された、アンカバードバックグラウンド領
域に属する画素の前景の成分、および演算器653から
供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画
素の前景の成分を合成して、フレームメモリ623に供
給する。
【0516】合成部634は、フレーム#nの、スイッチ
642から供給された、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素の背景の成分、およびスイッチ652
から供給された、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素の背景の成分を合成して、フレームメモリ623
に供給する。
【0517】フレームメモリ623は、分離処理ブロッ
ク622から供給された、フレーム#nの混合領域の画素
の前景の成分と、背景の成分とをそれぞれに記憶する。
【0518】フレームメモリ623は、記憶しているフ
レーム#nの混合領域の画素の前景の成分、および記憶し
ているフレーム#nの混合領域の画素の背景の成分を出力
する。
【0519】特徴量である混合比αを利用することによ
り、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを完全
に分離することが可能になる。
【0520】合成部603は、分離部601から出力さ
れた、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、前
景領域に属する画素とを合成して前景成分画像を生成す
る。合成部605は、分離部601から出力された、フ
レーム#nの混合領域の画素の背景の成分と、背景領域に
属する画素とを合成して背景成分画像を生成する。
【0521】図76は、図72のフレーム#nに対応す
る、前景成分画像の例と、背景成分画像の例を示す図で
ある。
【0522】図76(A)は、図72のフレーム#nに対
応する、前景成分画像の例を示す。最も左の画素、およ
び左から14番目の画素は、前景と背景が分離される前
において、背景の成分のみから成っていたので、画素値
が0とされる。
【0523】左から2番目乃至4番目の画素は、前景と
背景とが分離される前において、アンカバードバックグ
ラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成
分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番
目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カ
バードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0と
され、前景の成分がそのまま残されている。左から5番
目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成るの
で、そのまま残される。
【0524】図76(B)は、図72のフレーム#nに対
応する、背景成分画像の例を示す。最も左の画素、およ
び左から14番目の画素は、前景と背景とが分離される
前において、背景の成分のみから成っていたので、その
まま残される。
【0525】左から2番目乃至4番目の画素は、前景と
背景とが分離される前において、アンカバードバックグ
ラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成
分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番
目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カ
バードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0と
され、背景の成分がそのまま残されている。左から5番
目乃至10番目の画素は、前景と背景とが分離される前
において、前景の成分のみから成っていたので、画素値
が0とされる。
【0526】次に、図77に示すフローチャートを参照
して、前景背景分離部105による前景と背景との分離
の処理を説明する。ステップS601において、分離部
601のフレームメモリ621は、入力画像を取得し、
前景と背景との分離の対象となるフレーム#nを、その前
のフレーム#n-1およびその後のフレーム#n+1と共に記憶
する。
【0527】ステップS602において、分離部601
の分離処理ブロック622は、混合比算出部104から
供給された領域情報を取得する。ステップS603にお
いて、分離部601の分離処理ブロック622は、混合
比算出部104から供給された混合比αを取得する。
【0528】ステップS604において、アンカバード
領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、
フレームメモリ621から供給された、アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の
成分を抽出する。
【0529】ステップS605において、アンカバード
領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、
フレームメモリ621から供給された、アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の
成分を抽出する。
【0530】ステップS606において、カバード領域
処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレ
ームメモリ621から供給された、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽
出する。
【0531】ステップS607において、カバード領域
処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレ
ームメモリ621から供給された、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽
出する。
【0532】ステップS608において、合成部633
は、ステップS605の処理で抽出されたアンカバード
バックグラウンド領域に属する画素の前景の成分と、ス
テップS607の処理で抽出されたカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の前景の成分とを合成する。合
成された前景の成分は、合成部603に供給される。更
に、合成部603は、スイッチ602を介して供給され
た前景領域に属する画素と、分離部601から供給され
た前景の成分とを合成して、前景成分画像を生成する。
【0533】ステップS609において、合成部634
は、ステップS604の処理で抽出されたアンカバード
バックグラウンド領域に属する画素の背景の成分と、ス
テップS606の処理で抽出されたカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の背景の成分とを合成する。合
成された背景の成分は、合成部605に供給される。更
に、合成部605は、スイッチ604を介して供給され
た背景領域に属する画素と、分離部601から供給され
た背景の成分とを合成して、背景成分画像を生成する。
【0534】ステップS610において、合成部603
は、前景成分画像を出力する。ステップS611におい
て、合成部605は、背景成分画像を出力し、処理は終
了する。
【0535】このように、前景背景分離部105は、領
域情報および混合比αを基に、入力画像から前景の成分
と、背景の成分とを分離し、前景の成分のみから成る前
景成分画像、および背景の成分のみから成る背景成分画
像を出力することができる。
【0536】次に、前景成分画像の動きボケの量の調整
について説明する。
【0537】図78は、動きボケ調整部106の構成の
一例を示すブロック図である。動き検出部102から供
給された動きベクトルとその位置情報は、処理単位決定
部801、モデル化部802、および演算部805に供
給される。領域特定部103から供給された領域情報
は、処理単位決定部801に供給される。前景背景分離
部105から供給された前景成分画像は、足し込み部8
04に供給される。
【0538】処理単位決定部801は、動きベクトルと
その位置情報、および領域情報を基に、処理単位を生成
し、生成した処理単位をモデル化部802および足し込
み部804に供給する。
【0539】処理単位決定部801が生成する処理単位
は、図79に例を示すように、前景成分画像のカバード
バックグラウンド領域に対応する画素から始まり、アン
カバードバックグラウンド領域に対応する画素までの動
き方向に並ぶ連続する画素、またはアンカバードバック
グラウンド領域に対応する画素から始まり、カバードバ
ックグラウンド領域に対応する画素までの動き方向に並
ぶ連続する画素を示す。処理単位は、例えば、左上点
(処理単位で指定される画素であって、画像上で最も左
または最も上に位置する画素の位置)および右下点の2
つのデータから成る。
【0540】モデル化部802は、動きベクトルおよび
入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。より
具体的には、例えば、モデル化部802は、処理単位に
含まれる画素の数、画素値の時間方向の仮想分割数、お
よび画素毎の前景の成分の数に対応する複数のモデルを
予め記憶しておき、処理単位、および画素値の時間方向
の仮想分割数を基に、図80に示すような、画素値と前
景の成分との対応を指定するモデルを選択する。
【0541】例えば、処理単位に対応する画素の数が1
2でありシャッタ時間内の動き量vが5であるときにお
いては、モデル化部802は、仮想分割数を5とし、最
も左に位置する画素が1つの前景の成分を含み、左から
2番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から3番目
の画素が3つの前景の成分を含み、左から4番目の画素
が4つの前景の成分を含み、左から5番目の画素が5つ
の前景の成分を含み、左から6番目の画素が5つの前景
の成分を含み、左から7番目の画素が5つの前景の成分
を含み、左から8番目の画素が5つの前景の成分を含
み、左から9番目の画素が4つの前景の成分を含み、左
から10番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から
11番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から12
番目の画素が1つの前景の成分を含み、全体として8つ
の前景の成分から成るモデルを選択する。
【0542】なお、モデル化部802は、予め記憶して
あるモデルから選択するのではなく、動きベクトル、お
よび処理単位が供給されたとき、動きベクトル、および
処理単位を基に、モデルを生成するようにしてもよい。
【0543】モデル化部802は、選択したモデルを方
程式生成部803に供給する。
【0544】方程式生成部803は、モデル化部802
から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。図8
0に示す前景成分画像のモデルを参照して、前景の成分
の数が8であり、処理単位に対応する画素の数が12で
あり、動き量vが5であり、仮想分割数が5であるとき
の、方程式生成部803が生成する方程式について説明
する。
【0545】前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに
対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v
乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、式(87)
乃至式(98)で表される。
【0546】 C01=F01/v (87) C02=F02/v+F01/v (88) C03=F03/v+F02/v+F01/v (89) C04=F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (90) C05=F05/v+F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (91) C06=F06/v+F05/v+F04/v+F03/v+F02/v (92) C07=F07/v+F06/v+F05/v+F04/v+F03/v (93) C08=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v+F04/v (94) C09=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v (95) C10=F08/v+F07/v+F06/v (96) C11=F08/v+F07/v (97) C12=F08/v (98)
【0547】方程式生成部803は、生成した方程式を
変形して方程式を生成する。方程式生成部803が生成
する方程式を、式(99)乃至式(110)に示す。 C01=1・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (99) C02=1・F01/v+1・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (100) C03=1・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (101) C04=1・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (102) C05=1・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (103) C06=0・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (104) C07=0・F01/v+0・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+0・F08/v (105) C08=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (106) C09=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (107) C10=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (108) C11=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (109) C12=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+1・F08/v (110)
【0548】式(99)乃至式(110)は、式(11
1)として表すこともできる。
【0549】
【数17】 式(111)において、jは、画素の位置を示す。この
例において、jは、1乃至12のいずれか1つの値を有
する。また、iは、前景値の位置を示す。この例におい
て、iは、1乃至8のいずれか1つの値を有する。aij
は、iおよびjの値に対応して、0または1の値を有す
る。
【0550】誤差を考慮して表現すると、式(111)
は、式(112)のように表すことができる。
【0551】
【数18】 式(112)において、ejは、注目画素Cjに含まれる誤
差である。
【0552】式(112)は、式(113)に書き換え
ることができる。
【0553】
【数19】
【0554】ここで、最小自乗法を適用するため、誤差
の自乗和Eを式(114)に示すように定義する。
【0555】
【数20】
【0556】誤差が最小になるためには、誤差の自乗和
Eに対する、変数Fkによる偏微分の値が0になればよ
い。式(115)を満たすようにFkを求める。
【0557】
【数21】
【0558】式(115)において、動き量vは固定値
であるから、式(116)を導くことができる。
【0559】
【数22】
【0560】式(116)を展開して、移項すると、式
(117)を得る。
【0561】
【数23】
【0562】式(117)のkに1乃至8の整数のいず
れか1つを代入して得られる8つの式に展開する。得ら
れた8つの式を、行列により1つの式により表すことが
できる。この式を正規方程式と呼ぶ。
【0563】このような最小自乗法に基づく、方程式生
成部803が生成する正規方程式の例を式(118)に
示す。
【0564】
【数24】
【0565】式(118)をA・F=v・Cと表すと、C,A,vが
既知であり、Fは未知である。また、A,vは、モデル化の
時点で既知だが、Cは、足し込み動作において画素値を
入力することで既知となる。
【0566】最小自乗法に基づく正規方程式により前景
成分を算出することにより、画素Cに含まれている誤差
を分散させることができる。
【0567】方程式生成部803は、このように生成さ
れた正規方程式を足し込み部804に供給する。
【0568】足し込み部804は、処理単位決定部80
1から供給された処理単位を基に、前景成分画像に含ま
れる画素値Cを、方程式生成部803から供給された行
列の式に設定する。足し込み部804は、画素値Cを設
定した行列を演算部805に供給する。
【0569】演算部805は、掃き出し法(Gauss-Jord
anの消去法)などの解法に基づく処理により、動きボケ
が除去された前景成分Fi/vを算出して、動きボケが除去
された前景の画素値である、0乃至8の整数のいずれか
のiに対応するFiを算出して、図81に例を示す、動き
ボケが除去された画素値であるFiから成る、動きボケが
除去された前景成分画像を動きボケ付加部806および
選択部807に出力する。
【0570】演算部805は、動きボケが除去された前
景成分画像に対応する領域情報および混合比αを生成
し、生成した領域情報および混合比αを選択部807に
供給する。演算部805が生成する混合比αは、動きボ
ケが除去されているので、0または1である。演算部8
05が生成する領域情報は、動きボケが除去されている
ので、前景領域のみを示す。
【0571】なお、図81に示す動きボケが除去された
前景成分画像において、C03乃至C10のそれぞれにF01乃
至F08のそれぞれが設定されているのは、画面に対する
前景成分画像の位置を変化させないためであり、任意の
位置に対応させることができる。
【0572】動きボケ付加部806は、動き量vとは異
なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の
値の動きボケ調整量v'や、動き量vと無関係の値の動き
ボケ調整量v'を与えることで、動きボケの量を調整する
ことができる。例えば、図82に示すように、動きボケ
付加部806は、動きボケが除去された前景の画素値Fi
を動きボケ調整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'
を算出して、前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケ
の量が調整された画素値を生成する。例えば、動きボケ
調整量v'が3のとき、画素値C02は、(F01)/v'とさ
れ、画素値C03は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C04
は、(F01+F02+F03)/v'とされ、画素値C05は、(F02+F
03+F04)/v'とされる。
【0573】動きボケ付加部806は、動きボケの量を
調整した前景成分画像を選択部807に供給する。動き
ボケ付加部806は、動きボケの量を調整した前景成分
画像に対応する領域情報および混合比αを生成し、生成
した領域情報および混合比αを選択部807に供給す
る。
【0574】動きボケ付加部806が生成する混合比α
は、前景成分画像に動きボケが付加されているので、0
以上1以下の値を有する。例えば、図82の画素値C02
の画素に対応する混合比αは、2/3とされ、図82の画
素値C03の画素に対応する混合比αは、1/3とされる。
【0575】演算部805が生成する領域情報は、前景
成分画像に動きボケが付加されているので、前景領域お
よび混合領域を示す。例えば、図82の画素値C02の画
素に対応する領域情報は、混合領域を示し、図82の画
素値C03の画素に対応する領域情報は、混合領域を示
す。
【0576】選択部807は、例えば使用者の選択に対
応した選択信号を基に、演算部805から供給された動
きボケが除去された前景成分画像、領域情報、および混
合比α、並びに動きボケ付加部806から供給された動
きボケの量が調整された前景成分画像、領域情報、およ
び混合比αのいずれか一方を選択して、選択した前景成
分画像、領域情報、および混合比αを出力する。
【0577】このように、動きボケ調整部106は、選
択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を
調整することができる。
【0578】また、例えば、図83に示すように、処理
単位に対応する画素の数が8であり、動き量vが4であ
るとき、動きボケ調整部106は、式(119)に示す
行列の式を生成する。
【0579】
【数25】
【0580】動きボケ調整部106は、このように処理
単位の長さに対応した数の式を立てて、動きボケの量が
調整された画素値であるFiを算出する。同様に、例え
ば、処理単位に含まれる画素の数が100あるとき、1
00個の画素に対応する式を生成して、Fiを算出する。
【0581】図84は、動きボケ調整部106の他の構
成を示す図である。図78に示す場合と同様の部分には
同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0582】選択部821は、選択信号を基に、入力さ
れた動きベクトルとその位置信号をそのまま処理単位決
定部801およびモデル化部802に供給するか、また
は動きベクトルの大きさを動きボケ調整量v'に置き換え
て、その大きさが動きボケ調整量v'に置き換えられた動
きベクトルとその位置信号を処理単位決定部801およ
びモデル化部802に供給する。
【0583】このようにすることで、図84の動きボケ
調整部106の処理単位決定部801乃至演算部805
は、動き量vと動きボケ調整量v'との値に対応して、動
きボケの量を調整することができる。例えば、動き量v
が5であり、動きボケ調整量v'が3であるとき、図84の
動きボケ調整部106の処理単位決定部801乃至演算
部805は、図80に示す動き量vが5である前景成分画
像に対して、3である動きボケ調整量v'対応する図82
に示すようなモデルに従って、演算を実行し、(動き量
v)/(動きボケ調整量v')=5/3、すなわちほぼ1.7の動
き量vに応じた動きボケを含む画像を算出する。なお、
この場合、算出される画像は、3である動き量vに対応し
た動きボケを含むのではないので、動きボケ付加部80
6の結果とは動き量vと動きボケ調整量v'の関係の意味
合いが異なる点に注意が必要である。
【0584】以上のように、動きボケ調整部106は、
動き量vおよび処理単位に対応して、式を生成し、生成
した式に前景成分画像の画素値を設定して、動きボケの
量が調整された前景成分画像を算出する。
【0585】次に、図85のフローチャートを参照し
て、動きボケ調整部106による前景成分画像に含まれ
る動きボケの量の調整の処理を説明する。
【0586】ステップS801において、動きボケ調整
部106の処理単位決定部801は、動きベクトルおよ
び領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単
位をモデル化部802に供給する。
【0587】ステップS802において、動きボケ調整
部106のモデル化部802は、動き量vおよび処理単
位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステップS
803において、方程式生成部803は、選択されたモ
デルを基に、正規方程式を作成する。
【0588】ステップS804において、足し込み部8
04は、作成された正規方程式に前景成分画像の画素値
を設定する。ステップS805において、足し込み部8
04は、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設定
を行ったか否かを判定し、処理単位に対応する全ての画
素の画素値の設定を行っていないと判定された場合、ス
テップS804に戻り、正規方程式への画素値の設定の
処理を繰り返す。
【0589】ステップS805において、処理単位の全
ての画素の画素値の設定を行ったと判定された場合、ス
テップS806に進み、演算部805は、足し込み部8
04から供給された画素値が設定された正規方程式を基
に、動きボケの量を調整した前景の画素値を算出して、
処理は終了する。
【0590】このように、動きボケ調整部106は、動
きベクトルおよび領域情報を基に、動きボケを含む前景
画像から動きボケの量を調整することができる。
【0591】すなわち、サンプルデータである画素値に
含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0592】図86は、動きボケ調整部106の構成の
他の一例を示すブロック図である。動き検出部102か
ら供給された動きベクトルとその位置情報は、処理単位
決定部901および補正部905に供給され、領域特定
部103から供給された領域情報は、処理単位決定部9
01に供給される。前景背景分離部105から供給され
た前景成分画像は、演算部904に供給される。
【0593】処理単位決定部901は、動きベクトルと
その位置情報、および領域情報を基に、処理単位を生成
し、動きベクトルと共に、生成した処理単位をモデル化
部902に供給する。
【0594】モデル化部902は、動きベクトルおよび
入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。より
具体的には、例えば、モデル化部902は、処理単位に
含まれる画素の数、画素値の時間方向の仮想分割数、お
よび画素毎の前景の成分の数に対応する複数のモデルを
予め記憶しておき、処理単位、および画素値の時間方向
の仮想分割数を基に、図87に示すような、画素値と前
景の成分との対応を指定するモデルを選択する。
【0595】例えば、処理単位に対応する画素の数が1
2であり動き量vが5であるときにおいては、モデル化
部902は、仮想分割数を5とし、最も左に位置する画
素が1つの前景の成分を含み、左から2番目の画素が2
つの前景の成分を含み、左から3番目の画素が3つの前
景の成分を含み、左から4番目の画素が4つの前景の成
分を含み、左から5番目の画素が5つの前景の成分を含
み、左から6番目の画素が5つの前景の成分を含み、左
から7番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から8
番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から9番目の
画素が4つの前景の成分を含み、左から10番目の画素
が3つの前景の成分を含み、左から11番目の画素が2
つの前景の成分を含み、左から12番目の画素が1つの
前景の成分を含み、全体として8つの前景の成分から成
るモデルを選択する。
【0596】なお、モデル化部902は、予め記憶して
あるモデルから選択するのではなく、動きベクトル、お
よび処理単位が供給されたとき、動きベクトル、および
処理単位を基に、モデルを生成するようにしてもよい。
【0597】方程式生成部903は、モデル化部902
から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。
【0598】図87乃至図89に示す前景成分画像のモ
デルを参照して、前景の成分の数が8であり、処理単位
に対応する画素の数が12であり、動き量vが5である
ときの、方程式生成部903が生成する方程式の例につ
いて説明する。
【0599】前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに
対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v
乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、上述したよ
うに、式(87)乃至式(98)で表される。
【0600】画素値C12およびC11に注目すると、画素値
C12は、式(120)に示すように、前景の成分F08/vの
みを含み、画素値C11は、前景の成分F08/vおよび前景の
成分F07/vの積和から成る。従って、前景の成分F07/v
は、式(121)で求めることができる。
【0601】 F08/v=C12 (120) F07/v=C11-C12 (121)
【0602】同様に、画素値C10乃至C01に含まれる前景
の成分を考慮すると、前景の成分F06/v乃至F01/vは、式
(122)乃至式(127)により求めることができ
る。
【0603】 F06/v=C10-C11 (122) F05/v=C09-C10 (123) F04/v=C08-C09 (124) F03/v=C07-C08+C12 (125) F02/v=C06-C07+C11-C12 (126) F01/v=C05-C06+C10-C11 (127)
【0604】方程式生成部903は、式(120)乃至
式(127)に例を示す、画素値の差により前景の成分
を算出するための方程式を生成する。方程式生成部90
3は、生成した方程式を演算部904に供給する。
【0605】演算部904は、方程式生成部903から
供給された方程式に前景成分画像の画素値を設定して、
画素値を設定した方程式を基に、前景の成分を算出す
る。演算部904は、例えば、式(120)乃至式(1
27)が方程式生成部903から供給されたとき、式
(120)乃至式(127)に画素値C05乃至C12を設定
する。
【0606】演算部904は、画素値が設定された式に
基づき、前景の成分を算出する。例えば、演算部904
は、画素値C05乃至C12が設定された式(120)乃至式
(127)に基づく演算により、図88に示すように、
前景の成分F01/v乃至F08/vを算出する。演算部904
は、前景の成分F01/v乃至F08/vを補正部905に供給す
る。
【0607】補正部905は、演算部904から供給さ
れた前景の成分に、処理単位決定部901から供給され
た動きベクトルに含まれる動き量vを乗じて、動きボケ
を除去した前景の画素値を算出する。例えば、補正部9
05は、演算部904から供給された前景の成分F01/v
乃至F08/vが供給されたとき、前景の成分F01/v乃至F08/
vのそれぞれに、5である動き量vを乗じることにより、
図89に示すように、動きボケを除去した前景の画素値
F01乃至F08を算出する。
【0608】補正部905は、以上のように算出され
た、動きボケを除去した前景の画素値から成る前景成分
画像を動きボケ付加部906および選択部907に供給
する。
【0609】補正部905は、動きボケを除去した前景
の画素値から成る前景成分画像に対応する領域情報およ
び混合比αを生成し、生成した領域情報および混合比α
を選択部907に供給する。
【0610】動きボケ付加部906は、動き量vとは異
なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の
値の動きボケ調整量v'、動き量vと無関係の値の動きボ
ケ調整量v'で、動きボケの量を調整することができる。
例えば、図82に示すように、動きボケ付加部906
は、動きボケが除去された前景の画素値Fiを動きボケ調
整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'を算出して、
前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケの量が調整さ
れた画素値を生成する。例えば、動きボケ調整量v'が3
のとき、画素値C02は、(F01)/v'とされ、画素値C03
は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C04は、(F01+F02+F
03)/v'とされ、画素値C05は、(F02+F03+F04)/v'とさ
れる。
【0611】動きボケ付加部906は、動きボケの量を
調整した前景成分画像を選択部907に供給する。
【0612】動きボケ付加部906は、動きボケの量を
調整した前景成分画像に対応する領域情報および混合比
αを生成し、生成した領域情報および混合比αを選択部
907に供給する。
【0613】選択部907は、例えば使用者の選択に対
応した選択信号を基に、補正部905から供給された動
きボケが除去された前景成分画像、領域情報、および混
合比α、並びに動きボケ付加部906から供給された動
きボケの量が調整された前景成分画像、領域情報、およ
び混合比αのいずれか一方を選択して、選択した前景成
分画像、領域情報、および混合比αを出力する。
【0614】このように、動きボケ調整部106は、選
択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を
調整することができる。
【0615】次に、図86に構成を示す動きボケ調整部
106による前景の動きボケの量の調整の処理を図90
のフローチャートを参照して説明する。
【0616】ステップS901において、動きボケ調整
部106の処理単位決定部901は、動きベクトルおよ
び領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単
位をモデル化部902および補正部905に供給する。
【0617】ステップS902において、動きボケ調整
部106のモデル化部902は、動き量vおよび処理単
位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステップS
903において、方程式生成部903は、選択または生
成されたモデルを基に、前景成分画像の画素値の差によ
り前景の成分を算出するための方程式を生成する。
【0618】ステップS904において、演算部904
は、作成された方程式に前景成分画像の画素値を設定
し、画素値が設定された方程式を基に、画素値の差分か
ら前景の成分を抽出する。ステップS905において、
演算部904は、処理単位に対応する全ての前景の成分
を抽出したか否かを判定し、処理単位に対応する全ての
前景の成分を抽出していないと判定された場合、ステッ
プS904に戻り、前景の成分を抽出の処理を繰り返
す。
【0619】ステップS905において、処理単位に対
応する全ての前景の成分を抽出したと判定された場合、
ステップS906に進み、補正部905は、動き量vを
基に、演算部904から供給された前景の成分F01/v乃
至F08/vのそれぞれを補正して、動きボケを除去した前
景の画素値F01乃至F08を算出する。
【0620】ステップS907において、動きボケ付加
部906は、動きボケの量を調整した前景の画素値を算
出して、選択部907は、動きボケが除去された画像ま
たは動きボケの量が調整された画像のいずれかを選択し
て、選択した画像を出力して、処理は終了する。
【0621】このように、図86に構成を示す動きボケ
調整部106は、より簡単な演算で、より迅速に、動き
ボケを含む前景画像から動きボケを調整することができ
る。
【0622】ウィナー・フィルタなど従来の動きボケを
部分的に除去する手法が、理想状態では効果が認められ
るが、量子化され、ノイズを含んだ実際の画像に対して
十分な効果が得られないのに対し、図86に構成を示す
動きボケ調整部106においても、量子化され、ノイズ
を含んだ実際の画像に対しても十分な効果が認められ、
精度の良い動きボケの除去が可能となる。
【0623】以上のように、図7に構成を示す前景背景
成分画像生成部91は、入力画像を前景成分画像と背景
成分画像とに分離すると共に、前景成分画像に含まれる
動きボケの量を調整することができる。
【0624】次に、図91乃至図94を参照して、オク
ルージョン補正部92の処理を説明する。例えば、図9
1に示す、入力画像に含まれる前景に対応するオブジェ
クトについて、図92に示すように、フレーム#nにおい
て表示される位置が、フレーム#n-1において表示される
位置より右側に移動しているとき、図93に示すよう
に、前景に対応するオブジェクトの動き方向は、図中の
左側から右側に向いている。
【0625】図93に示すように、カバードバックグラ
ウンド領域である混合領域は、前景のオブジェクトの動
き方向の先端部に位置し、アンカバードバックグラウン
ド領域である混合領域は、前景のオブジェクトの動き方
向の後端部に位置する。
【0626】前景の成分が除去されて、背景の成分のみ
からなる背景成分画像の画素であって、分離される前に
おいて混合領域に属する画素の画素値は、図94(A)
に示すように、前景の成分が除去されるので、混合比α
に比例して、レベルが減少してしまう。
【0627】そこで、オクルージョン補正部92は、図
94(B)に示すように、分離される前において混合領
域に属する画素の画素値を混合比αで除算して、分離さ
れる前において混合領域に属する画素の画素値を補正す
る。
【0628】このようにすることで、前景のオブジェク
トと混合されることにより隠れていた、混合領域に属す
る画素に含まれる背景の成分を使用して、背景を生成す
ることができるようになる。混合領域に属する画素に含
まれる背景の成分を使用して、背景を生成するので、本
発明に係る画像処理装置は、より自然な3次元画像を生
成することができるようになる。
【0629】図95は、前景視差画像生成部93の構成
を示すブロック図である。
【0630】移動量生成部1001は、視差演算部72
から供給された視差を基に、右眼用前景成分画像を生成
するための移動量を生成し、生成した移動量を画像移動
部1002、領域情報移動部1003、および混合比移
動部1004に供給する。
【0631】移動量生成部1001は、視差演算部72
から供給された視差を基に、左眼用前景成分画像を生成
するための移動量を生成し、生成した移動量を画像移動
部1005、領域情報移動部1006、および混合比移
動部1007に供給する。
【0632】画像移動部1002は、移動量生成部10
01から供給された移動量を基に、前景背景成分画像生
成部91から供給された、動きボケの量が調整された前
景成分画像を移動し、右眼用前景成分画像を生成する。
画像移動部1002は、右眼用前景成分画像を出力す
る。
【0633】領域情報移動部1003は、移動量生成部
1001から供給された移動量を基に、前景背景成分画
像生成部91から供給された領域情報を移動し、右眼用
前景成分画像に対応する領域情報を生成する。領域情報
移動部1003は、右眼用前景成分画像に対応する領域
情報を出力する。
【0634】混合比移動部1004は、移動量生成部1
001から供給された移動量を基に、前景背景成分画像
生成部91から供給された混合比αを移動し、右眼用前
景成分画像に対応する混合比αを生成する。混合比移動
部1004は、右眼用前景成分画像に対応する混合比α
を出力する。
【0635】画像移動部1005は、移動量生成部10
01から供給された移動量を基に、前景背景成分画像生
成部91から供給された、動きボケの量が調整された前
景成分画像を移動し、左眼用前景成分画像を生成する。
画像移動部1005は、左眼用前景成分画像を出力す
る。
【0636】領域情報移動部1006は、移動量生成部
1001から供給された移動量を基に、前景背景成分画
像生成部91から供給された領域情報を移動し、左眼用
前景成分画像に対応する領域情報を生成する。領域情報
移動部1006は、左眼用前景成分画像に対応する領域
情報を出力する。
【0637】混合比移動部1007は、移動量生成部1
001から供給された移動量を基に、前景背景成分画像
生成部91から供給された混合比αを移動し、左眼用前
景成分画像に対応する混合比αを生成する。混合比移動
部1007は、左眼用前景成分画像に対応する混合比α
を出力する。
【0638】このように、前景視差画像生成部93は、
視差演算部72から供給された視差を基に、右眼用前景
成分画像を生成すると共に、右眼用前景成分画像に対応
する領域情報および混合比αを生成して、生成した右眼
用前景成分画像、領域情報、および混合比αを合成部9
4−1に供給する。前景視差画像生成部93は、視差演
算部72から供給された視差を基に、左眼用前景成分画
像を生成すると共に、左眼用前景成分画像に対応する領
域情報および混合比αを生成して、生成した左眼用前景
成分画像、領域情報、および混合比αを合成部94−2
に供給する。
【0639】図96は、合成部94の構成を示すブロッ
ク図である。
【0640】混合領域画像合成部1101は、前景視差
画像生成部93から供給された混合比αを基に、前景視
差画像生成部93から供給された右眼用前景成分画像ま
たは左目用前景成分画像、およびオクルージョン補正部
92から供給された背景成分画像を合成して、混合領域
合成画像を生成する。
【0641】すなわち、混合領域画像合成部1101
は、背景成分画像の画素値に混合比αを乗算して、混合
領域の画素に対応する、背景の成分の和を算出する。混
合領域画像合成部1101は、算出した背景の成分の和
を、右眼用前景成分画像または左目用前景成分画像の画
素のうち、対応する混合領域の画素の画素値に加算し
て、混合領域合成画像を生成する。
【0642】混合領域画像合成部1101は、生成した
混合領域合成画像を画像合成部1102に供給する。
【0643】画像合成部1102は、前景視差画像生成
部93から供給された領域情報を基に、混合領域画像合
成部1101から供給された混合領域合成画像、前景視
差画像生成部93から供給された右眼用前景成分画像ま
たは左目用前景成分画像、およびオクルージョン補正部
92から供給された背景成分画像を合成して、右眼用画
像または左目用画像に対応する合成画像を生成する。画
像合成部1102は、合成した右眼用画像または左目用
画像に対応する合成画像を出力する。
【0644】このように、合成部94は、右眼用前景成
分画像または左目用前景成分画像を、背景成分画像に合
成することができる。
【0645】特徴量である混合比αを基に前景成分画像
と背景成分画像とを合成して得られる3次元画像は、単
に画素を合成した画像に比較し、より自然なものとな
る。
【0646】なお、距離情報取得部71が距離情報を生
成すると説明したが、画像処理装置は、外部から供給さ
れた、入力画像に対応する距離情報を使用して、視差を
演算するようにしてもよい。
【0647】また、視差演算部72が視差を演算すると
説明したが、画像処理装置は、例えば、使用者により設
定された、外部から供給された視差を基に、3次元画像
を生成するようにしてもよい。
【0648】なお、視差演算部72が、距離情報を基
に、視差を演算すると説明したが、視差演算部72は、
距離情報と視差との対応を示すデータを予め記憶し、記
憶しているデータを基に、視差を求めるようにしてもよ
い。
【0649】また、合成部94−1および94−2は、
外部から供給された任意に背景画像と、右眼用前景成分
画像または左眼用前景成分画像を合成して、右眼用画像
および左眼用画像を生成するようにしてもよい。
【0650】なお、混合比αは、画素値に含まれる背景
の成分の割合として説明したが、画素値に含まれる前景
の成分の割合としてもよい。
【0651】また、前景となるオブジェクトの動きの方
向は左から右として説明したが、その方向に限定されな
いことは勿論である。
【0652】以上においては、3次元空間と時間軸情報
を有する現実空間の画像をビデオカメラを用いて2次元
空間と時間軸情報を有する時空間への射影を行った場合
を例としたが、本発明は、この例に限らず、より多くの
第1の次元の第1の情報を、より少ない第2の次元の第
2の情報に射影した場合に、その射影によって発生する
歪みを補正したり、有意情報を抽出したり、またはより
自然に画像を合成する場合に適応することが可能であ
る。
【0653】なお、センサは、CCDに限らす、固体撮像
素子である、例えば、BBD(Bucket Brigade Device)、
CID(Charge Injection Device)、CPD(Charge Primin
g Device)、またはCMOS(Complementary Mental Oxide
Semiconductor)センサでもよく、また、検出素子がマ
トリックス状に配置されているセンサに限らず、検出素
子が1列に並んでいるセンサでもよい。
【0654】本発明の信号処理を行うプログラムを記録
した記録媒体は、図1に示すように、コンピュータとは
別に、ユーザにプログラムを提供するために配布され
る、プログラムが記録されている磁気ディスク51(フ
ロッピ(登録商標)ディスクを含む)、光ディスク52
(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digita
l Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク53(M
D(Mini-Disc)(商標)を含む)、もしくは半導体メ
モリ54などよりなるパッケージメディアにより構成さ
れるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態
でユーザに提供される、プログラムが記録されているRO
M22や、記憶部28に含まれるハードディスクなどで
構成される。
【0655】なお、本明細書において、記録媒体に記録
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
【0656】
【発明の効果】本発明の画像処理装置および方法、記録
媒体、並びにプログラムによれば、前景オブジェクトを
構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域
と、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分
のみからなる背景領域と、前景オブジェクト成分および
背景オブジェクト成分とが混合されてなる混合領域とか
らなる画像データから、前景オブジェクト成分のみから
なる前景成分画像と、背景オブジェクト成分のみからな
る背景成分画像とが生成され、前景成分画像に対して右
眼用の視差が付加されて右眼用前景視差画像が生成され
ると共に、前景成分画像に対して左眼用の視差が付加さ
れて左眼用前景視差画像が生成され、右眼用前景視差画
像と任意の背景画像とを合成して右眼用視差画像が生成
されると共に、左眼用前景視差画像と背景画像とを合成
して左眼用視差画像が生成されるようにしたので、画像
の混ざり合いの状態に対応して、2次元画像から3次元
画像を生成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示
す図である。
【図2】画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】視差を説明する図である。
【図4】視差を説明する図である。
【図5】画像の移動を説明する図である。
【図6】3次元画像合成処理部73の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】前景背景成分画像生成部91を示すブロック図
である。
【図8】センサによる撮像を説明する図である。
【図9】画素の配置を説明する図である。
【図10】検出素子の動作を説明する図である。
【図11】動いている前景に対応するオブジェクトと、
静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して
得られる画像を説明する図である。
【図12】背景領域、前景領域、混合領域、カバードバ
ックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウ
ンド領域を説明する図である。
【図13】静止している前景に対応するオブジェクトお
よび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像し
た画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素
値を時間方向に展開したモデル図である。
【図14】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図15】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図16】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図17】前景領域、背景領域、および混合領域の画素
を抽出した例を示す図である。
【図18】画素と画素値を時間方向に展開したモデルと
の対応を示す図である。
【図19】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図20】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図21】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図22】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図23】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図24】3次元画像の合成の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図25】オブジェクトの分離の処理を説明するフロー
チャートである。
【図26】領域特定部103の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図27】前景に対応するオブジェクトが移動している
ときの画像を説明する図である。
【図28】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図29】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図30】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図31】領域判定の条件を説明する図である。
【図32】領域特定部103の領域の特定の結果の例を
示す図である。
【図33】領域特定部103の領域の特定の結果の例を
示す図である。
【図34】領域特定の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図35】領域特定部103の構成の他の一例を示すブ
ロック図である。
【図36】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図37】背景画像の例を示す図である。
【図38】2値オブジェクト画像抽出部302の構成を
示すブロック図である。
【図39】相関値の算出を説明する図である。
【図40】相関値の算出を説明する図である。
【図41】2値オブジェクト画像の例を示す図である。
【図42】時間変化検出部303の構成を示すブロック
図である。
【図43】領域判定部342の判定を説明する図であ
る。
【図44】時間変化検出部303の判定の例を示す図で
ある。
【図45】領域判定部103の領域特定の処理を説明す
るフローチャートである。
【図46】領域判定の処理の詳細を説明するフローチャ
ートである。
【図47】領域特定部103のさらに他の構成を示すブ
ロック図である。
【図48】ロバスト化部361の構成を説明するブロッ
ク図である。
【図49】動き補償部381の動き補償を説明する図で
ある。
【図50】動き補償部381の動き補償を説明する図で
ある。
【図51】領域特定の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図52】ロバスト化の処理の詳細を説明するフローチ
ャートである。
【図53】混合比算出部104の構成の一例を示すブロ
ック図である。
【図54】理想的な混合比αの例を示す図である。
【図55】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図56】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図57】前景の成分の相関を利用した近似を説明する
図である。
【図58】C,N、およびPの関係を説明する図である。
【図59】推定混合比処理部401の構成を示すブロッ
ク図である。
【図60】推定混合比の例を示す図である。
【図61】混合比算出部104の他の構成を示すブロッ
ク図である。
【図62】混合比の算出の処理を説明するフローチャー
トである。
【図63】推定混合比の演算の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図64】混合比αを近似する直線を説明する図であ
る。
【図65】混合比αを近似する平面を説明する図であ
る。
【図66】混合比αを算出するときの複数のフレームの
画素の対応を説明する図である。
【図67】混合比推定処理部401の他の構成を示すブ
ロック図である。
【図68】推定混合比の例を示す図である。
【図69】カバードバックグラウンド領域に対応するモ
デルによる混合比推定の処理を説明するフローチャート
である。
【図70】前景背景分離部105の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図71】入力画像、前景成分画像、および背景成分画
像を示す図である。
【図72】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図73】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図74】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図75】分離部601の構成の一例を示すブロック図
である。
【図76】分離された前景成分画像、および背景成分画
像の例を示す図である。
【図77】前景と背景との分離の処理を説明するフロー
チャートである。
【図78】動きボケ調整部106の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図79】処理単位を説明する図である。
【図80】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、
シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図であ
る。
【図81】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、
シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図であ
る。
【図82】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、
シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図であ
る。
【図83】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、
シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図であ
る。
【図84】動きボケ調整部106の他の構成を示す図で
ある。
【図85】動きボケ調整部106による前景成分画像に
含まれる動きボケの量の調整の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図86】動きボケ調整部106の構成の他の一例を示
すブロック図である。
【図87】画素値と前景の成分のとの対応を指定するモ
デルの例を示す図である。
【図88】前景の成分の算出を説明する図である。
【図89】前景の成分の算出を説明する図である。
【図90】前景の動きボケの除去の処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図91】オブジェクトの例を示す図である。
【図92】オブジェクトの例を示す図である。
【図93】混合領域の例を示す図である。
【図94】背景成分画像の補正を説明する図である。
【図95】前景視差画像生成部93の構成を示すブロッ
ク図である。
【図96】合成部94の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 26 入力
部, 27 出力部,28 記憶部, 29 通信部,
51 磁気ディスク, 52 光ディスク, 53
光磁気ディスク, 54 半導体メモリ, 71 距離
情報取得部,72 視差演算部, 73 3次元画像合
成処理部, 91 前景背景成分画像生成部, 92
オクルージョン補正部, 93 前景視差画像生成部,
94−1および94−2 合成部, 101 オブジ
ェクト抽出部, 102 動き検出部, 103 領域
特定部, 104 混合比算出部, 105 前景背景
分離部, 106 動きボケ調整部, 201 フレー
ムメモリ, 202−1乃至202−4 静動判定部,
203−1乃至203−3 領域判定部,204 判
定フラグ格納フレームメモリ, 205 合成部, 2
06 判定フラグ格納フレームメモリ, 301 背景
画像生成部, 302 2値オブジェクト画像抽出部,
303 時間変化検出部, 321 相関値演算部,
322 しきい値処理部, 341 フレームメモ
リ, 342 領域判定部, 361 ロバスト化部,
381 動き補償部, 382 スイッチ, 383
−1乃至383−N フレームメモリ、 384−1乃
至384−N 重み付け部, 385 積算部, 40
1 推定混合比処理部, 402 推定混合比処理部,
403 混合比決定部, 421 フレームメモリ,
422 フレームメモリ, 423 混合比演算部,
441 選択部, 442 推定混合比処理部, 4
43 推定混合比処理部, 444 選択部, 501
遅延回路,502 足し込み部, 503 演算部,
601 分離部, 602 スイッチ, 603 合
成部, 604 スイッチ, 605 合成部, 62
1フレームメモリ, 622 分離処理ブロック, 6
23 フレームメモリ,631 アンカバード領域処理
部, 632 カバード領域処理部, 633合成部,
634 合成部, 801 処理単位決定部, 80
2 モデル化部, 803 方程式生成部, 804
足し込み部, 805 演算部, 806 動きボケ付
加部, 807 選択部, 821 選択部, 901
処理単位決定部, 902 モデル化部, 903
方程式生成部, 904 演算部, 905 補正部,
906 動きボケ付加部, 907 選択部, 10
01 移動量生成部, 1002 画像移動部, 10
03 領域情報移動部,1004 混合比移動部, 1
005 画像移動部, 1006 領域情報移動部,
1007 混合比移動部, 1101 混合領域画像合
成部, 1102画像合成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G09G 5/36 510 G09G 5/36 510V (72)発明者 沢尾 貴志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 永野 隆浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 藤原 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 三宅 徹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 和田 成司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B050 AA09 BA11 DA02 EA03 FA02 FA06 GA04 5B057 CA08 CA12 CB08 CB13 CE04 CE08 CE09 CE11 DA17 DB03 DB09 DC30 5C061 AB12 AB18 AB24 5C082 AA27 BA12 BA47 BB02 BB15 BB44 CA54 CA55 DA22 DA53 DA63 DA86 MM10 5L096 AA09 DA01 DA04 EA35 EA39 FA19 GA49 HA03 JA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる画像データを処理する画像処理装置において、 前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみ
    からなる前景領域と、背景オブジェクトを構成する背景
    オブジェクト成分のみからなる背景領域と、前記前景オ
    ブジェクト成分および前記背景オブジェクト成分とが混
    合されてなる混合領域とからなる前記画像データから、
    前記前景オブジェクト成分のみからなる前景成分画像
    と、前記背景オブジェクト成分のみからなる背景成分画
    像とを生成する前景背景成分画像生成手段と、 前記前景成分画像に対して右眼用の視差を付加して右眼
    用前景視差画像を生成すると共に、前記前景成分画像に
    対して左眼用の視差を付加して左眼用前景視差画像を生
    成する前景視差画像生成手段と、 前記右眼用前景視差画像と任意の背景画像とを合成して
    右眼用視差画像を生成すると共に、前記左眼用前景視差
    画像と前記背景画像とを合成して左眼用視差画像を生成
    する視差画像生成手段とを含むことを特徴とする画像処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前記前景背景成分画像生成手段により生
    成された前記前景成分画像の動きボケの量を調整する動
    きボケ量調整手段をさらに含むことを特徴とする請求項
    1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記前景背景成分画像生成手段は、 前記画像データの、前記前景領域と、前記背景領域と、
    前記混合領域とを特定する領域特定手段と、 前記前景領域、前記背景領域、および前記混合領域の特
    定の結果に基づいて、前記混合領域における前記前景オ
    ブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分との混合の
    比率を示す混合比を検出する混合比検出手段とを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記前景背景成分画像生成手段は、 前記混合比に基づいて、前記混合領域に属する画素を、
    前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分
    とに分離し、分離された前記前景オブジェクト成分およ
    び前記背景オブジェクト成分を基に、前記前景成分画像
    および前記背景成分画像を生成する前景背景分離手段を
    さらに含むことを特徴とする請求項3に記載の画像処理
    装置。
  5. 【請求項5】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる画像データを処理する画像処理方法において、 前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみ
    からなる前景領域と、背景オブジェクトを構成する背景
    オブジェクト成分のみからなる背景領域と、前記前景オ
    ブジェクト成分および前記背景オブジェクト成分とが混
    合されてなる混合領域とからなる前記画像データから、
    前記前景オブジェクト成分のみからなる前景成分画像
    と、前記背景オブジェクト成分のみからなる背景成分画
    像とを生成する前景背景成分画像生成ステップと、 前記前景成分画像に対して右眼用の視差を付加して右眼
    用前景視差画像を生成すると共に、前記前景成分画像に
    対して左眼用の視差を付加して左眼用前景視差画像を生
    成する前景視差画像生成ステップと、 前記右眼用前景視差画像と任意の背景画像とを合成して
    右眼用視差画像を生成すると共に、前記左眼用前景視差
    画像と前記背景画像とを合成して左眼用視差画像を生成
    する視差画像生成ステップとを含むことを特徴とする画
    像処理方法。
  6. 【請求項6】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる画像データを処理する画像処理用のプログラムで
    あって、 前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみ
    からなる前景領域と、背景オブジェクトを構成する背景
    オブジェクト成分のみからなる背景領域と、前記前景オ
    ブジェクト成分および前記背景オブジェクト成分とが混
    合されてなる混合領域とからなる前記画像データから、
    前記前景オブジェクト成分のみからなる前景成分画像
    と、前記背景オブジェクト成分のみからなる背景成分画
    像とを生成する前景背景成分画像生成ステップと、 前記前景成分画像に対して右眼用の視差を付加して右眼
    用前景視差画像を生成すると共に、前記前景成分画像に
    対して左眼用の視差を付加して左眼用前景視差画像を生
    成する前景視差画像生成ステップと、 前記右眼用前景視差画像と任意の背景画像とを合成して
    右眼用視差画像を生成すると共に、前記左眼用前景視差
    画像と前記背景画像とを合成して左眼用視差画像を生成
    する視差画像生成ステップとを含むことを特徴とするコ
    ンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されてい
    る記録媒体。
  7. 【請求項7】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる画像データを処理するコンピュータに、 前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみ
    からなる前景領域と、背景オブジェクトを構成する背景
    オブジェクト成分のみからなる背景領域と、前記前景オ
    ブジェクト成分および前記背景オブジェクト成分とが混
    合されてなる混合領域とからなる前記画像データから、
    前記前景オブジェクト成分のみからなる前景成分画像
    と、前記背景オブジェクト成分のみからなる背景成分画
    像とを生成する前景背景成分画像生成ステップと、 前記前景成分画像に対して右眼用の視差を付加して右眼
    用前景視差画像を生成すると共に、前記前景成分画像に
    対して左眼用の視差を付加して左眼用前景視差画像を生
    成する前景視差画像生成ステップと、 前記右眼用前景視差画像と任意の背景画像とを合成して
    右眼用視差画像を生成すると共に、前記左眼用前景視差
    画像と前記背景画像とを合成して左眼用視差画像を生成
    する視差画像生成ステップとを実行させるプログラム。
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