JP2003009072A - Agc回路及び録画装置 - Google Patents

Agc回路及び録画装置

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JP2003009072A
JP2003009072A JP2001194020A JP2001194020A JP2003009072A JP 2003009072 A JP2003009072 A JP 2003009072A JP 2001194020 A JP2001194020 A JP 2001194020A JP 2001194020 A JP2001194020 A JP 2001194020A JP 2003009072 A JP2003009072 A JP 2003009072A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合映像信号にリップルがなく、輝度むらと
なる波形歪もない、安定した動作を可能とするAGC回
路を提供する。 【解決手段】 入力された映像信号の同期信号の振幅レ
ベルに応じて映像信号の振幅レベルを制御するキードA
GC動作部1aと、映像信号のピーク振幅レベルに応じ
て映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作部
1bとが互いに独立して動作し、かつ、AGC動作に必
要とする各種ゲート用信号を、キードAGC動作部1a
内のキードAGC用VCA11により複合映像信号に含
まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態において、
同期分離回路13により分離して生成せしめる。また、
ピークAGC用VCA制御値生成回路19として、複合
映像信号の最大振幅レベルと基準値との差分が、過渡応
答閾値として定めた値を超過している場合、各周期毎の
該差分を累積したAGCループゲインを生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AGC回路及び該
AGC回路を搭載した録画装置に関する。特に、VTR
(Video Tape Recorder)装置やD
VD(Digital Versatile Dis
k)装置等の録画装置における信号処理の一部に本発明
に係るAGC回路が適用される。
【0002】
【従来の技術】例えば、VTR(Video Tape
Recorder)装置においては、ビデオカメラや
テレビチューナから供給されてくる複合映像信号をFM
変調させて記録させる場合に、該複合映像信号に含まれ
ている輝度信号の振幅を一定のレベルに揃えることが必
要である。また、DVD(Digital Versa
tile Disk)装置においては、入力されてくる
輝度信号をMPEG2の信号形式にデータ変換する際に
は、前述のVTR装置の場合と同様に、輝度信号の振幅
を一定のレベルに揃えることが必要である。かかる輝度
信号の振幅値を一定のレベルに調整制御する目的から、
AGC(Automatic Gain Contro
l)回路が採用されている。
【0003】該AGC回路としては、アナログ処理の時
代から、今日のデジタル処理の時代に至るまでに、種々
の形式の回路が採用されてきている。かかるAGC回路
のうち、一般に良く知られている代表的なAGC回路と
して、「National Technical Report」Vol.25,No.
1(1979年2月発行)のp.102〜p.105に記
載されているAGC回路と、特開昭58−127480
号公報「AGC装置」,特開平11−289505号公
報「映像信号処理回路」のそれぞれにて開示されている
AGC回路とについて、以下に図を参照しながら説明す
る。
【0004】まず、「National Technical Report」V
ol.25,No.1(1979年2月発行)に記載されてい
る従来の代表的なAGC回路の構成例について、図7に
示す回路ブロックを参照しながら、説明する。なお、図
7に示す該AGC回路は、以下に示すように、キードA
GC(keyed AGC)動作とピークAGC(pe
ak AGC)動作との併用型の回路構成となってい
る。
【0005】図7に示す回路ブロックにおいて、71
は、入力された複合映像信号に含まれている同期信号の
振幅レベル即ち先端レベルを所定のレベルに揃えるため
の同期クランプ回路であり、72は、前記複合映像信号
から同期信号を分離するための同期分離回路である。
【0006】また、73は、同期分離回路72にて分離
された同期信号を所定の時間遅延させるための同期遅延
器であり、74は、同期遅延器73により遅延させた同
期信号を整形して一定レベルの参照用パルスとして、複
合映像信号に混合させるための混合器である。
【0007】また、75は、AGCの動作閾値としての
基準値を設定するための基準値設定器であり、76は、
基準値設定器75で設定された基準値と混合器74から
の複合映像信号のピーク振幅レベルを比較し、両者の差
分を出力するピークレベル比較器であり、77は、ピー
クレベル比較器76からの差分の大きさに応じて変化さ
せたVCA(Voltage−Controlled
Amplifier)制御値を生成し、複合映像信号の
増幅度を制御させるためのVCA制御値生成器であり、
78は、VCA制御値生成器77から出力されたVCA
制御値に応じて複合映像信号の増幅度を可変に増幅又は
減衰せしめるためのAGC用VCA(Voltage−
Controlled Amplifier)である。
【0008】即ち、図7に示すAGC回路構成において
は、同期遅延器73にて所定の時間遅延させた同期信号
を、複合映像信号のペデスタルレベルから所定の振幅レ
ベル、例えば、Vp1の振幅レベルにある参照用パルス
として整形せしめ、AGC用VCA78より出力された
複合映像信号に対して、混合器74にて混合させること
により、合成信号を生成せしめ、該合成信号のピーク振
幅レベルが、基準値設定器75で設定されている基準値
(即ち、AGCの動作閾値)に一致するように、複合映
像信号の振幅レベルが制御されることとなる。
【0009】かかるAGC回路の動作について、更に、
図8を用いて掘り下げて説明する。ここに、図8は、図
7に示す混合器74から出力される合成信号波形の一例
を示すものである。また、符号Vrefは、基準値設定
器75で設定されている基準値(即ち、AGCの動作閾
値)のレベルを示し、符号Vp1は、混合器74におい
て混合された参照用パルスのピーク振幅レベルを示し、
符号Vp2は、AGC用VCA78より出力されて、混
合器74において前記参照用パルスと混合される複合映
像信号に含まれている映像信号のピーク振幅レベルを示
している。
【0010】まず、図8(A)に示すごとく、混合器7
4から出力された複合映像信号に含まれている参照パル
スのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1が、
基準値Vrefにまで達していない場合、該参照パルス
のピーク振幅レベルVp1が、基準値Vrefのレベル
に一致するように、VCA制御値生成器77によりAG
C用VCA78の利得制御がなされ、複合映像信号中の
同期信号と映像信号とが共にレベル増幅されるように動
作せしめられる。
【0011】また、図8(B)に示すごとく、混合器7
4から出力された複合映像信号に含まれている参照パル
スのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1が、
基準値Vrefを超過している場合、該参照パルスのピ
ーク振幅レベルVp1が、基準値Vrefのレベルに一
致するように、VCA制御値生成器77によりAGC用
VCA78の利得制御がなされ、複合映像信号中の同期
信号と映像信号とが共にレベル圧縮されるように動作せ
しめられる。
【0012】即ち、図8(A)及び図8(B)の場合に
おいては、キードAGC動作(Keyed AGC動
作)が実行され、複合映像信号のうち、参照パルスのピ
ーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1は、基準値
Vrefのレベルと一致するが、一方、映像信号のピー
ク振幅レベルVp2は、図8(A)においては、基準値
Vrefを超えたレベルまで、増幅されてしまい、逆
に、図8(B)においては、基準値Vrefより益々隔
たった低いレベルにまで圧縮されてしまう。
【0013】続いて、図8(C)に示すごとく、混合器
74から出力された複合映像信号に含まれている参照パ
ルスのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1
は、基準値Vrefと一致しているが、映像信号のピー
ク振幅レベルVp2が、基準値Vrefを超過している
場合、映像信号のピーク振幅レベルVp2が、基準値V
refのレベルに一致するように、VCA制御値生成器
77によりAGC用VCA78の利得制御がなされ、複
合映像信号中の同期信号と映像信号とが共にレベル圧縮
されるように動作せしめられ、図8(D)に示すごとき
複合映像信号となる。
【0014】即ち、ピークAGC動作(Peak AG
C動作)が実行され、複合映像信号のうち、映像信号の
ピーク振幅レベルVp2は、基準値Vrefのレベルと
一致するが、参照パルスのピーク振幅レベル(即ち、先
端レベル)Vp1は、基準値Vrefよりも低いレベル
にまで圧縮される。
【0015】次に、AGC回路構成に関する別の従来技
術として、特開昭58−127480号公報「AGC装
置」にて開示されている技術について、図9に示す回路
ブロックを参照しながら、説明する。該公報にて開示さ
れているAGC回路は、テレビジョン装置やVTR装置
のチューナに装備されることを前提として発明がなされ
たものである。
【0016】図9において、91は、放送電波信号を受
信するためのチューナであり、92は、選局された帯域
のみを透過させるためのバンドパスフィルタBPFであ
り、93は、搬送波増幅用のアンプ(増幅器)である。
【0017】また、94は、不要なスペクトルを除去す
るための表面波フィルタSWF(Surface Wa
ve Filter)であり、95は、映像中間周波数
を増幅するためのVIF(Video Interme
diate Frequency Amplifie
r:中間周波数増幅器)である。
【0018】また、96は、複合映像信号の帯域内から
同期信号成分を抽出するためのバンドパスフィルタBP
Fであり、97は、BPF96により抽出された同期信
号成分を増幅するためのVIFであり、98は、VIF
97により増幅された同期信号成分から同期信号を分離
するための同期分離回路SYNCSEPであり、99
は、SYNCSEP98により分離された同期信号か
ら、複合映像信号の同期信号のバックポーチ(即ち、同
期信号パルスの後縁から帰線消去信号の後縁までの部
分)に挿入するパルスを生成するための波形整形回路で
ある。
【0019】かかる回路構成において、キードAGC
(keyed AGC)機能が内蔵されている回路ブロ
ックがVIF95であり、一方、ピークAGC(pea
k AGC)機能が内蔵されている回路ブロックがVI
F97である。したがって、かかる構成においては、映
像信号に直接的に作用を及ぼすAGCは、キードAGC
のみとなっている。
【0020】次いで、AGC回路構成に関する更なる別
の従来技術として、特開平11−289505号公報
「映像信号処理回路」にて開示されている技術につい
て、図10に示す回路ブロックを参照しながら、説明す
る。該公報にて開示されているAGC回路は、AGC回
路の応答速度を改善せしめ、かつ、AGCエラー生成回
路の構成をより簡略化することを意図して発明がなされ
たものである。
【0021】図10において、101は、入力されたア
ナログビデオ信号を増幅するためのゲインコントロール
アンプであり、102は、周波数帯域制限用のプリフィ
ルタであり、103は、複合映像信号のシンクレベルを
揃えるためのクランプ回路である。
【0022】また、104は、アナログビデオ信号をデ
ジタルデータ信号に変換するためのA/Dコンバータで
あり、105は、複合映像信号に含まれている同期信号
成分を抽出するための低域フィルタLPFである。
【0023】また、106は、ピークAGC動作のため
のピーク振幅レベルを得るためのピークAGCレベル検
出回路であり、一方、107は、シンクAGC動作(あ
るいは、キードAGC動作)のためのシンクレベルを得
るためのシンクAGCレベル検出回路である。
【0024】また、108は、ピークAGC動作とシン
クAGC動作(あるいは、キードAGC動作)とを切り
替えるための信号選択回路である。更に、109は、ピ
ークAGCレベル検出回路106あるいはシンクAGC
レベル検出回路107から信号選択回路108を介して
出力されたAGCレベルを対数化するための対数変換回
路である。
【0025】また、110は、AGCの収束値(目標
値)を設定するためのレベル設定器であり、111は、
対数変換回路109にて対数変換されたAGCレベルと
レベル設定器110で設定された収束値(目標値)との
差分を得るための減算器であり、112は、減算器11
1からの差分に、所定の係数を掛け合わせた補正量を得
るための係数器である。
【0026】更に、113,114,115は、それぞ
れ加算器,リミッタ,遅延回路であり、係数器112か
らの補正量を積分するための積分回路ブロックを構成し
ている。
【0027】更に、116は、AGCループゲインを設
定するためのゲインデコーダであり、117は、ゲイン
コントロールアンプ101で発生したレベル変動分を補
償するための乗算器である。
【0028】かかる一連の回路ブロックにより構成され
た映像信号処理回路において、AGC回路の応答速度を
高速化するための処理は、ピークAGCレベル検出回路
106において、入力映像信号の変化レベルが大きいこ
とを検出した場合に、ピークAGCの動作時間単位をフ
ィールドあるいはフレーム時間単位から水平ライン時間
単位に切り替えることによって実現している。また、A
GCの制御値生成に関する回路規模の低減化(即ち、A
GCエラー生成回路構成の簡略化)については、対数変
換回路109によってAGC制御値を対数化して低ビッ
トレート化することにより、実現している。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来のAGC回路構成においては、以下のごとき問題を有
している。
【0030】即ち、図7に示すキードAGC(keye
d AGC)動作とピークAGC(peak AGC)
動作との併用型AGC回路においては、次のごとき問題
を有している。まず、第1の問題として、AGC動作が
不安定となり、複合映像信号にリップルが発生する場合
があることが挙げられる。
【0031】即ち、図7に示すAGC用VCA78より
出力された複合映像信号が、たとえば、図8(D)に示
すごとき状態にある場合、図7の混合器74に入力され
た複合映像信号のうち、映像信号のピーク振幅レベルV
p2は、基準値Vrefのレベルと一致しているが、参
照パルスのピーク振幅レベルVp1が、基準値Vref
にまで達していないため、VCA制御値生成器77によ
りAGC用VCA78の利得制御がなされ、複合映像信
号中の同期信号と映像信号とが共にレベル増幅されるよ
うに、AGC用VCA78の利得を増大させんとする。
【0032】而して、AGC用VCA78の利得が増大
すると、映像信号のピーク振幅レベルVp2が、基準値
Vrefのレベルを超過してしまうため、今度は、逆
に、AGC用VCA78の利得を減少せしめんとする。
【0033】かくのごとく、参照パルスのピーク振幅レ
ベルVp1を基準値Vrefのレベルに一致せしめんと
するキードAGC(keyed AGC)動作と、映像信
号のピーク振幅レベルVp2を基準値Vrefのレベル
に一致せしめんとするピークAGC(peak AG
C)動作とが交互に切り替わる状態が生起して、AGC
動作が不安定となり、複合映像信号レベルに関し、時間
によるレベル変動(即ち、リップル)が発生する要因と
なる。
【0034】また、第2の問題としては、一画面内に輝
度むらが発生する場合があることにある。即ち、一般
に、キードAGC(keyed AGC)動作の応答時
間は、一画面(即ち、一フィールド)時間内に設定され
ているため、従来のAGC動作においては、ピークAG
C(peak AGC)動作についても、一画面時間内
に応答することとなるが故に、一画面内で、映像信号の
ピーク振幅レベルVp2が、基準値Vrefを超過する
場合と超過しない場合とがあると、両者の場合につい
て、複合映像信号の振幅レベルに相違が発生することと
なり、一画面内で輝度むらが発生してしまうこととな
る。
【0035】更には、第3の問題としては、同期信号の
分離が不安定となる場合もある点にある。即ち、図7に
示すAGC回路においては、同期分離回路72に入力す
る同期分離入力信号を、同期クランプ回路71の出力で
ある複合映像信号としているが、もし、AGC回路に入
力され、同期クランプ回路71から出力されている複合
映像信号に含まれている同期信号の振幅レベルが小さい
場合には、同期分離回路72での同期分離が不安定とな
ってしまう。
【0036】かかる不安定を防止する手段として、同期
分離回路72に入力する同期分離入力信号を、同期クラ
ンプ回路71ではなく、AGC用VCA78の出力であ
る複合映像信号とすることも可能ではあるが、ピークA
GC(peak AGC)が動作した場合には、たと
え、AGC用VCA78の出力の複合映像信号を用いる
場合であっても、同期信号の振幅レベルが小さくなって
しまうことがあるため、前述の同期クランプ回路71の
出力を用いる場合と同様に、同期分離が不安定となる場
合を防ぎ切れない。
【0037】続いて、特開昭58−127480号公報
「AGC装置」にて開示されているAGC回路の構成に
ついては、次のごとき問題がある。即ち、図9に示すご
とく、ピークAGC動作が、同期分離回路SYNCSE
P98により、入力された複合映像信号から同期信号を
分離させる場合に対しては作用しているものの、入力さ
れた複合映像信号のうちの映像信号に対しては、直接的
に作用していないため、入力された映像信号に直接作用
することができるAGCの効果は、キードAGCのみと
なってしまっている。
【0038】而して、映像信号に重畳された同期信号の
振幅レベルが基準レベルよりも小さい場合には、映像信
号に対するAGCゲインが増加し過ぎることによる信号
歪が発生してしまうという弊害が生じる。
【0039】更には、同期分離用の複合映像信号に、キ
ードAGCを作用させていないため、図7に示す併用型
AGC回路における第3の問題として前述した場合と同
様に、同期信号の振幅レベルが基準レベルよりも小さい
場合に、同期分離が不安定となるという問題も有してい
る。
【0040】また、特開平11−289505号公報
「映像信号処理回路」にて開示されているAGC回路の
構成については、次のごとき問題がある。即ち、図7に
示す併用型AGC回路の場合における第1の問題と同様
に、図10に示すキードAGC動作の制御とピークAG
C動作の制御とが、同一のゲインコントロールアンプ1
01に作用しているため、キードAGC制御とピークA
GC制御との切り替え時にAGC動作の不安定を招き、
複合映像信号レベルに関し、時間によるレベル変動(即
ち、リップル)が発生することとなるという問題があ
る。
【0041】また、AGC回路の応答速度を高速化させ
るために、前述のごとく、入力複合映像信号の変化レベ
ルが大きい場合に、ピークAGC動作の動作時間単位を
フィールドあるいはフレーム時間単位から水平ライン時
間単位に切り替える処理が行なわれている。しかしなが
ら、水平ライン時間単位毎の処理では、一画面内での輝
度むらの発生を防止することは難しいという問題を有し
ている。そこで、図10に示すAGC回路においては、
後段の乗算器117において、かかる一画面内での輝度
むらの発生を防止するための制御がなされることとして
いる。
【0042】しかしながら、たとえば、ピークAGC動
作の動作基準値(即ち、図10に示すレベル設定器11
0にて設定されているAGCの収束値)を超過した画素
が、一画面内で、100ライン分の時間間隔を隔てて2
画素存在していた場合において、一つ目の画素が、動作
基準値の1.5倍、また、二つ目の画素が、動作基準値
の2.0倍のレベルであったとすると、ピークAGC動
作が、あくまでも、フィードバック制御であるために、
原理的にも、一つ目の画素に関して、前記動作基準値の
超過が検知された際に設定されるAGC制御値と、該一
つ目の画素から100ライン分の時間間隔が隔たった二
つ目の画素に関して、前記動作基準値の超過が検知され
た際に設定されるAGC制御値とが、同一の値となるこ
とはあり得ない。而して、後段の乗算器117で、たと
え、一画面内の輝度むらを補正せんとしたとしても、完
全に補正することはできない場合が存在していることと
なる。
【0043】以上に示した従来技術における問題を整理
すると、次の3つの問題に纏められる。即ち、第1の問
題は、キードAGC動作とピークAGC動作との切り替
え時において、複合映像信号にリップルが発生すること
にある。第2の問題は、AGC応答速度を向上させる対
策として、ピークAGCの動作時間単位を水平ライン時
間単位とすると、一画面内における輝度むらが生じるこ
ととなる波形歪の問題を回避することができないことに
ある。第3の問題は、同期信号の振幅レベルが小さい場
合に、同期信号を分離させる同期分離動作が不安定とな
ることにある。
【0044】かかる3つの問題について、複合映像信号
にリップルが生ずるとの第1の問題の発生要因は、キー
ドAGC動作のフィードバック制御ループとピークAG
C動作のフィードバック制御ループとを共用させている
ことにある。
【0045】また、一画面内での波形歪が生ずるとの第
2の問題の発生要因は、ピークAGC動作の応答速度を
向上させる手法として水平ライン時間単位に切り替えて
駆動させていることにある。
【0046】更に、同期信号の振幅レベルが小さい場合
に同期分離動作が不安定となる第3の問題の発生要因
は、同期分離入力信号に関して、同期信号のみの振幅レ
ベルを所定の値となるように、他の映像信号の振幅制御
とは独立させた制御がなされていない点にある。
【0047】本発明に係るAGC回路及び録画装置は、
かかる問題に鑑みてなされたものであり、前記第1の問
題に関しては、キードAGC動作のフィードバック制御
ループとピークAGC動作のフィードバック制御ループ
とを全く独立させた構成とすることにより解決せんとす
るものである。
【0048】また、前記第2の問題に関しては、ピーク
AGC動作における複合映像信号のピーク振幅レベルの
検出周期を、一画面時間分に相当するフィールド時間単
位毎の周期に固定することにより、一画面内における輝
度むらの発生という波形歪の問題を回避せんとするもの
である。なお、前記ピーク振幅レベルの検出周期を、フ
ィールド時間単位毎の周期に固定する際において生じる
こととなる、複合映像信号の振幅レベルの急峻な変動が
発生した場合におけるピークAGC動作の追従速度の低
下という問題に関しては、かかる急岐な変動を示す過渡
応答中であることを検知して、かくのごとき過渡応答期
間にある場合にあっては、ピークAGC動作を制御する
ためのAGCエラー量(即ち、AGCゲインの変化量)
を増加させて、追従速度を向上させることにより、対処
せんとするものである。
【0049】更には、前記第3の問題に関しては、前記
第1の問題に対する解決手段と同様に、キードAGC動
作のフィードバック制御ループとピークAGC動作のフ
ィードバック制御ループとを全く独立させた構成とし
て、ピークAGC動作に対して独立動作が可能となった
キードAGC動作により、一定の振幅レベルに調整され
た同期信号を含む複合映像信号を同期分離のための信号
とすることにより、解決せんとするものである。
【0050】
【課題を解決するための手段】第1の技術手段は、入力
された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定
させるように調整制御するAGC回路において、前記複
合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合
映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段
と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前
記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動
作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピー
クAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、か
つ、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記
キードAGC動作手段により、前記複合映像信号に含ま
れる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御さ
れた複合映像信号から分離して生成せしめるAGC回路
とすることを特徴とするものである。
【0051】第2の技術手段は、前記第1の技術手段に
記載のAGC回路において、前記ピークAGC動作手段
として、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピーク
AGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク
振幅レベルとあらかじめ定められたピークAGC基準値
との差分が、過渡応答閾値としてあらかじめ定められた
閾値を超過している場合には、各前記周期毎に、前記差
分に比例した調整量で、変化するAGCゲインを生成せ
しめ、逆に、前記過渡応答閾値を超過していない場合に
は、各前記周期毎に、前記差分の大きさの如何によら
ず、あらかじめ定められた微小な一定調整量で、変化す
るAGCゲインを生成せしめるAGC回路とすることを
特徴とするものである。
【0052】第3の技術手段は、前記第2の技術手段に
記載のAGC回路において、前記ピークAGC動作手段
として、各前記周期毎に、前記ピークAGC動作手段に
入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルと前記
ピークAGC基準値との差分が、前記過渡応答閾値を超
過していない場合においては、前記複合映像信号の振幅
レベルが前記ピークAGC基準値を、各前記周期毎に、
超過している超過回数を計数することにより、該超過回
数が、あらかじめ定められた基準回数を超過している際
には、各前記周期毎に、前記AGCゲインをあらかじめ
定められた微小な前記一定調整量で減衰せしめ、逆に、
前記超過回数が、前記基準回数を超過しない限りにおい
ては、各前記周期毎に、前記AGCゲインをあらかじめ
定められた微小な前記一定調整量で減衰量をゼロにせし
めるAGC回路とすることを特徴とするものである。
【0053】第4の技術手段は、前記第2の技術手段に
記載のAGC回路において、前記ピークAGC動作手段
として、各前記周期毎に、前記ピークAGC動作手段に
入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルと前記
ピークAGC基準値との差分が、前記過渡応答閾値を超
過している場合においては、各前記周期毎に、前記複合
映像信号の最大ピーク振幅レベルが前記ピークAGC基
準値よりも大きい場合は、前記AGCゲインを、前記差
分に比例した前記調整量で減衰せしめ、逆に、各前記周
期毎に、前記複合映像信号の最大ピーク振幅レベルが前
記ピークAGC基準値を超過しない限りにおいては、前
記AGCゲインを、前記差分に比例した前記調整量で減
衰量をゼロにせしめるAGC回路とすることを特徴とす
るものである。
【0054】第5の技術手段は、前記第1乃至第4の技
術手段のいずれかに記載のAGC回路において、前記ピ
ークAGC動作手段として、各前記周期毎に、前記ピー
クAGC動作手段に入力される複合映像信号のピーク振
幅レベルと前記ピークAGC基準値とが一致している場
合、入力された該ピーク振幅レベルをそのまま維持する
AGCゲインを生成せしめるAGC回路とすることを特
徴とするものである。
【0055】第6の技術手段は、前記第1乃至第5の技
術手段のいずれかに記載のAGC回路において、前記ピ
ークAGC動作手段として、あらかじめ定められた前記
周期が、一画面時間を示すフィールド時間単位の周期で
あるとするAGC回路とすることを特徴とするものであ
る。
【0056】第7の技術手段は、前記第1乃至第6の技
術手段のいずれかに記載のAGC回路を備えている録画
装置とすることを特徴とするものである。
【0057】即ち、前述のごとき各技術手段を採用した
AGC回路を構成することにより、キードAGC(ke
yed AGC)動作とピークAGC(peak AG
C)動作との切り替え時に発生するリップルを防止する
ことができ、入力ビデオ信号即ち入力複合映像信号の振
幅レベルの変化量が大きい場合であっても、AGC回路
の応答時間に問題がなく、また、同期信号を分離する同
期分離に関しても、キードAGC動作によって同期信号
の振幅レベルが安定した複合映像信号に含まれている同
期信号成分から確実に同期分離が行なわれるため、安定
したAGC動作が実現されることになる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るAGC回路
及び録画装置の一実施形態について、図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明に係るAGC回路の回路構
成の一例を示した回路ブロック図である。ここに、図1
に示すごとく、本発明に係るAGC回路1は、キードA
GC(keyed AGC)動作を行なうキードAGC
動作部1aと、ピークAGC(peak AGC)動作
を行なうピークAGC動作部1bとの2つの回路ブロッ
クから構成されており、それぞれの回路ブロックが、互
いに独立して動作を行なうことが可能な構成となってい
る。
【0059】図1において、11は、キードAGC用V
CA(Voltage−Controlled Amp
lifier)であり、AGC回路に入力された複合映
像信号の振幅レベルに関し、キードAGC動作により、
複合映像信号のうち、同期信号成分の振幅レベルが、キ
ードAGC基準値設定器14にて設定されているキード
AGC基準値のレベルと一致するように、制御がなされ
る。
【0060】12は、低域フィルタLPFであり、キー
ドAGC用VCA11からの複合映像信号から、映像信
号成分と高域ノイズ成分とを除去し、同期信号成分を抽
出して取り出すためのものである。
【0061】13は、同期分離回路であり、低域フィル
タLPF12からの同期信号成分から同期信号を分離し
て、分離されて得られた水平同期信号を基に、キードA
GC用VCA制御値生成回路15用のゲート信号である
ゲートパルスAと、分離して得られた垂直同期信号を基
に、ピークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲー
ト信号であるゲートパルスBとを生成するものである。
【0062】15は、前述のごとく、キードAGC用V
CA制御値生成回路であり、同期分離回路13から供給
されるキードAGC用VCA制御値生成回路15用のゲ
ート信号であるゲートパルスAのタイミングにて、低域
フィルタ12からの同期信号成分のピーク振幅レベル
と、キードAGC基準値設定器14で設定されているキ
ードAGC収束値(即ち、キードAGC基準値)とのず
れ量を検出して、該ずれ量に比例したキードAGC制御
値を、キードAGC用VCA11に対して出力すること
により、キードAGC用VCA11の出力である複合映
像信号に含まれる同期信号のピーク振幅レベルが、キー
ドAGC基準値設定器14で設定されているキードAG
C収束値(即ち、キードAGC基準値)と一致した振幅
レベルとなるように、AGCループゲインの利得制御が
なされ、キードAGCループ制御を実行せしめる。
【0063】16は、同期クランプ回路であり、複合映
像信号に含まれている同期信号のピーク振幅レベル(即
ち、先端レベル)が、所定の振幅レベルに揃うように動
作し、ピークAGC用VCA17に対して出力するもの
である。
【0064】17は、前述のごとく、ピークAGC用V
CAであり、同期クランプ回路16から出力される複合
映像信号の振幅レベルに関し、ピークAGC動作によ
り、複合映像信号のうち、映像信号のピーク振幅レベル
が、ピークAGC基準値設定器20で設定されているピ
ークAGC基準値のレベルと一致するように制御がなさ
れる。
【0065】18は、低域フィルタLPFであり、ピー
クAGC用VCA17のピークAGC動作により制御さ
れるべき複合映像信号が、極めて短い時間幅のインパル
ス性ノイズに対して応答して動作してしまうことを防止
するためのものである。
【0066】19は、ピークAGC用VCA制御値生成
回路であり、一画面時間分に相当するフィールド時間周
期毎に、即ち、同期分離回路13から供給されてくるピ
ークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号
であるゲートパルスBの発生周期毎に、周期的に、低域
フィルタ18からの複合映像信号のピーク振幅レベル
と、ピークAGC基準値設定器20で設定されている参
照値(即ち、ピークAGC用基準値)とが比較され、該
参照値を超過していた場合には、ピークAGC用VCA
17に対して、VCA利得を下げるような減衰利得を与
えるAGC制御値(即ち、AGCゲイン)を出力する。
【0067】一方、該参照値を超過していない場合にお
いては、ピークAGC用VCA17に対して、VCA利
得を上げるような増幅利得を与えるAGC制御値(即
ち、AGCゲイン)を出力する。
【0068】更には、該参照値と一致している場合に
は、ピークAGC用VCA17のVCA利得を「1」の
値(即ち、入力ピーク振幅レベルをそのまま維持して出
力する値)とするようなAGC制御値(即ち、AGCゲ
イン)を出力する。
【0069】ここで、ピークAGC用VCA制御値生成
回路19の動作について、図2を用いて、更に詳細に説
明する。図2は、図1に示すピークAGC用VCA制御
値生成回路19を構成する回路ブロックの一例を示すブ
ロック構成図である。
【0070】図2において、図1に示す低域フィルタL
PF18からの複合映像信号は、入力値判定器19aと
最大値判定器19cとにそれぞれ入力される。まず、入
力値判定器19aにおいては、入力された複合映像信号
のピーク振幅レベルが、図1に示すピークAGC基準値
設定器20で設定されている参照値(即ち、ピークAG
C基準値)を、図1に示す同期分離回路13からのピー
クAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号で
あるゲートパルスBの発生時間間隔(即ち、一画面時間
を示すフィールド時間単位の周期)の間に、何回超過し
たかをカウントしていき、該カウントにより求められた
超過回数を、エラー値生成器1 19bに出力する。
【0071】エラー値生成器1 19bにおいては、入
力された前記超過回数が、各周期毎に(即ち、一画面時
間を示すフィールド時間単位の周期毎に)、あらかじめ
定められた所定の閾値である基準回数を超過しているか
判定し、該基準回数を超過していると判定した場合に
は、あらかじめ定められた正の所定のエラー値(即ち、
ピークAGC用VCA17のAGCゲインを、微小な一
定調整量で減衰せしめる値)を、エラーAとして、後段
の切替回路SWITCH19fに出力し、逆に、該基準
回数を超過していないと判定した場合には、あらかじめ
定められた負の所定のエラー値(即ち、ピークAGC用
VCA17のAGCゲインを、逆に、微小な前記一定調
整量で減衰量をゼロにせしめる値)を、エラーAとし
て、後段の切替回路SWITCH19fに出力する。
【0072】一方、最大値判定器19cにおいては、入
力された複合映像信号のピーク振幅レベルが、図1に示
す同期分離回路13からのピークAGC用VCA制御値
生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBの発
生時間間隔(即ち、一画面時間を示すフィールド時間)
の間における最大値となっている最大ピーク振幅レベル
を導出する。
【0073】導出された前記最大ピーク振幅レベルは、
エラー値生成器2 19dと過渡応答モード判定器19
eとに出力される。まず、エラー値生成器2 19dに
おいては、入力されてきた前記最大ピーク振幅レベル
と、図1に示すピークAGC基準値設定器20で設定さ
れているピークAGC基準値(即ち、参照値)との差分
を求めた後、該差分に所定の係数(即ち、AGCゲイン
に比例する所定の数値)を乗算せしめて、エラーBとし
て、後段の切替回路SWITCH19fに出力する。こ
こで、入力された前記最大ピーク振幅レベルが、前記ピ
ークAGC用基準値よりも大きい場合には、エラーBと
して、正の値(即ち、ピークAGC用VCA17のAG
Cゲインを、前記差分に比例した調整量で減衰せしめる
値)を出力し、逆に、前記ピークAGC用基準値を超過
しない限りにおいては、エラーBとして、負の値(即
ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインを、逆
に、前記差分に比例した調整量で減衰量をゼロにせしめ
る値)を出力する。
【0074】一方、過渡応答モード判定器19eにおい
ては、入力されてきた前記最大ピーク振幅レベルと図1
に示すピークAGC基準値設定器20で設定されている
前記ピークAGC基準値との差分が、あらかじめ定めら
れた所定の過渡応答閾値よりも大きい場合には、当該ピ
ークAGC動作が、過渡応答期間であるものと判定し、
例えば、「1」の論理値を、後段の切替回路SWITC
H19fに出力する。
【0075】逆に、該差分が、あらかじめ定められた所
定の前記過渡応答閾値よりも大きくない場合には、当該
ピークAGC動作が、安定動作期間にあるものと判定し
て、例えば、「0」の論理値を、後段の切替回路SWI
TCH19fに出力する。
【0076】ここで、過渡応答モード判定器19eから
後段の切替回路SWITCH19fに出力される前記論
理値は、後段の切替回路SWITCH19fにおける切
替制御用のコントロール信号となるものであり、切替回
路SWITCH19fにおいては、例えば、論理値が
「1」の場合、即ち、過渡応答期間にあると判定された
場合には、エラー値生成器2 19dからのエラーBが
選択されて、選択エラー値として出力され、一方、論理
値が「0」の場合、即ち、安定動作期間にあると判定さ
れた場合には、エラー値生成器1 19bからのエラー
Aが選択されて、選択エラー値として出力される。
【0077】次に、切替回路SWITCH19fから出
力される前記選択エラー値について、図3を用いて、更
に詳細に説明する。図3は、図2に示す切替回路SWI
TCH19fから出力される前記選択エラー値と、図2
に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19に入力
された複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークA
GC基準値とのずれ量(即ち、差分)との関係を模式的
に示すグラフであり、横軸に前記ずれ量(即ち、差分)
を、縦軸に前記選択エラー値を示している。ここに、前
記ずれ量とは、最大値判定器19cにおいて導出された
前記最大ピーク振幅レベルと、図1に示すピークAGC
基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値
との差分を示すものである。
【0078】また、図2に示す過渡応答モード判定器1
9eにおいて過渡応答期間の判定用として用いられるあ
らかじめ定められた所定の前記過渡応答閾値が、図3に
おいては、横軸のずれ量の値として、「a」あるいは
「−a」と表示されている。ここに、「a」は正数とし
ている。
【0079】更に、ずれ量が少なく、安定動作期間と判
定されている際に、切替回路SWITCH19fにおい
て、選択エラー値として、選択されることとなるエラー
値生成器1 19bからエラーAとして出力されている
微小な一定値(即ち、あらかじめ定められた微小な一定
調整量)が、図3においては、縦軸のエラー値として、
「b」あるいは「−b」と表示されている。ここに、
「b」は正数としている。なお、前記ずれ量(即ち、差
分)が、前記過渡応答閾値「a」あるいは「−a」とな
った時点において、エラー値生成器2 19dからエラ
ーBとして出力されている値も、「b」あるいは「−
b」となるように、エラー値生成器2 19dのゲイン
(即ち、前記所定の係数)が制御されている。
【0080】而して、図3において、入力された複合映
像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値と
のずれ量xと、切替回路SWITCH19fから出力さ
れる前記選択エラー値yとの関係は、次の式(1),
(2),(3)により表現される。即ち、AGCの安定
動作期間を示す0≦|x|≦|a|の場合においては、 x=0の場合、 y=0 (1) 0<|x|≦|a|の場合、 y=|b| (2) ここに、符号| |は絶対値を示し、xの値が正数であ
れば、|a|,|b|は、それぞれ、a,bであり、x
の値が負数であれば、|a|,|b|は、それぞれ、−
a,−bである。
【0081】即ち、ずれ量xが極めて小さいAGC動作
の安定動作期間においては、ずれ量(即ち、差分)xが
全くない場合でない限り(即ち、x≠0の場合)、式
(2)に示すごとく、前記選択エラー値yとしては、x
が正数であれば、差分の大きさの如何によらず、微小な
一定の正数であるbを、逆に、xが負数であれば、差分
の大きさの如何によらず、微小な一定の負数である−b
を出力することとなる。また、ずれ量xがない0である
場合(即ち、x=0の場合)には、式(1)に示すごと
く、前記選択エラー値yも0を出力する。
【0082】なお、AGC動作の安定動作期間において
は、ずれ量xが極めて小さい場合であり、前述したよう
に、ピーク振幅レベルがピークAGC基準値を超過して
いる超過回数に応じて、前記基準回数よりも多い場合に
は、正の微少な一定調整量bを、逆に、前期基準回数を
超えていない場合には、全く一致している場合でない限
り、負の微少な一定調整量−bを出力することとしてい
る。
【0083】一方、AGC動作の過渡応答期間を示す|
x|>|a|の場合においては、ずれ量xが大きく、過
渡応答期間と判定された場合に該当しており、かかる場
合においては、切替回路SWITCH19fにおいて選
択されることとなるエラー値生成器2 19dからエラ
ーBとして出力されている値が、選択エラー値yとな
る。即ち、次の式(3)のごとくになる。 |x|>|a|の場合、 y=α(x−|a|)+|b| (3) ここに、αは、前述した所定の係数(即ち、AGCゲイ
ンに比例する所定の数値)であり、ずれ量xに対して乗
算する値を示すものであり、正の数である。また、前述
した式(1),(2)の場合と同様に、xの値が正数で
あれば、|a|,|b|は、それぞれ、a,bであり、
xの値が負数であれば、|a|,|b|は、それぞれ、
−a,−bである。
【0084】而して、過渡応答期間の閾値を示すx=|
a|において設定されている、選択エラー値y=|b|
を起点として、ずれ量xの大きさに比例して、選択エラ
ー値yの大きさも、変化して出力されることとなる。
【0085】即ち、エラーBは、前述のごとく、エラー
値生成器2 19dに入力されてきた複合映像信号の前
記最大ピーク振幅レベルと、前記ピークAGC用基準値
との差分を求めて、該差分に所定の係数(即ち、AGC
ゲインに比例する所定の数値)αを乗算せしめたもので
あり、過渡応答期間におけるずれ量xに対する選択エラ
ー値yの係数αは、エラー値生成器2 19dにおい
て、前記所定の係数(即ち、AGCゲインに比例する所
定の数値)として設定される。
【0086】次に、図2に戻り、切替回路SWITCH
19fから出力された前記選択エラー値が入力される積
分器19g以降の回路の動作について説明する。即ち、
切替回路SWITCH19fから出力された図3に示す
ごとき特性を有する前記選択エラー値は、積分器19g
によって、積分される。ここに、積分の周期は、図1に
示す同期分離回路13からのピークAGC用VCA制御
値生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBの
発生時間間隔(即ち、一画面時間を示すフィールド時間
の周期)である。
【0087】積分器19gで積分された前記選択エラー
値は、ループゲイン調整回路19hに入力されて、ルー
プ利得調整が行なわれ、ループ利得調整値として、後段
の減算器19iに出力される。減算器19iにおいて
は、ピークAGC初期動作ゲイン設定器19jにて設定
されている初期AGゲイン値から、ループゲイン調整回
路19hから出力されてくる前記ループ利得調整値を差
し引いて、図1に示すピークAGC用VCA17のAG
C制御値(AGゲイン)として、ピークAGC用VCA
制御値生成回路19から出力される。
【0088】ここで、次に示す2つの事例を用いて、前
述したピークAGC動作に関する動作例について、更に
具体的に説明する。
【0089】まず、第1の事例として、図1に示すキー
ドAGC用VCA11に入力された複合映像信号の同期
信号のピーク振幅レベルが、キードAGC基準値設定器
14で設定されているキードAGC収束値(即ち、キー
ドAGC基準値)よりも小さいために、キードAGC動
作のゲインが増大されている場合における、ピークAG
C動作について説明する。
【0090】キードAGC動作のゲイン増加によって、
たとえば、ピークAGC用VCA17に入力されてくる
複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準
値設定器20で設定されているピークAGC基準値のレ
ベルの約2倍にまで増大していたとすると、かかる場合
においては、ピークAGC動作側の図2に示す過渡応答
モード判定器19eによって、過渡応答期間にある動作
状態と判定される。
【0091】而して、切替回路SWITCH19fから
出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、
エラー値生成器2 19dから出力されるエラーBとな
る。したがって、図3のグラフにて説明した通り、選択
エラー値即ちエラーBは、各周期毎に、ピークAGC基
準値との間のずれ量(即ち、差分)に比例した大きな正
の値(即ち、AGCゲインを減衰せしめる方向に調整す
る大きな調整量)となるので、図2に示す積分器19g
から、該調整量が累積されて出力される積分量が大幅に
増大することとなり、該積分量の変化がプラス側に大き
くなる。
【0092】而して、図2に示すループゲイン調整回路
19hから出力されるループ利得調整値が急速に増大す
るため、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回
路19から出力されるピークAGC用VCA17に対す
るAGC制御値(即ち、AGCゲイン)が、AGCゲイ
ンを減衰せしめる方向に急速に増大して変化することと
なり、ピークAGC用VCA17のAGCゲインが、各
周期毎に、急速に減衰されていくこととなる。
【0093】ピークAGC用VCA17のAGCゲイン
低下に伴い、ピークAGCのループゲインの設定値如何
にも依存するが、通常、約5フィールド時間程度の時間
が経過すれば、図1に示すピークAGC用VCA制御値
生成回路19に入力されてくる複合映像信号のピーク振
幅レベルが、ピークAGC基準値設定器20で設定され
ているピークAGC基準値のレベルに対して、所定の範
囲、即ち、前記過渡応答閾値の範囲に収まり、図2に示
す過渡応答モード判定器19eによって、安定動作期間
に移行しているとの判定がなされる。
【0094】而して、切替回路SWITCH19fから
出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、
エラー値生成器1 19bから出力されるエラーAとな
る。したがって、図3のグラフにて説明した通り、選択
エラー値即ちエラーAは、ピークAGC基準値との間の
ずれ量の如何によらず、微小な一定調整量(即ち、図3
においては、一定値である|b|)となるので、かかる
微小な一定調整量(即ち、ピークAGC用VCA17の
AGCゲインに対する微小な一定調整量)が、各周期毎
に、図2に示す積分器19gから累積出力されることと
なり、積分器19gの出力である積分量の変化は極めて
小さい量となる。
【0095】かくのごときAGC動作がなされた結果、
図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19か
ら出力されるピークAGC用VCA17に対するAGC
制御値(即ち、AGCゲインの変化量)がごく小さいも
のとなり、ピークAGC用VCA17から出力されるピ
ークAGC複合映像信号は安定したものとなる。
【0096】以上に示す第1の事例、即ち、ピークAG
C用VCA17に入力されてくる複合映像信号のレベル
の急峻な振幅増加が発生した場合におけるピークAGC
動作結果として、ピークAGC用VCA17から出力さ
れてくるピークAGC複合映像信号の一連の変化を、図
4に示している。即ち、図4においては、ピークAGC
用VCA17から出力されてくるピークAGC複合映像
信号に関して、かかる第1の事例の場合における振幅レ
ベルの時間的な変化の状況を示している。
【0097】なお、図4において、ピークAGC複合映
像信号の振幅レベルの変化に関する時間的な周期は、1
画面時間単位(即ち、1フィールド時間単位)の周期と
なっている。また、図4には、ピークAGC複合映像信
号のピーク振幅レベルを破線により結んで示している
が、かかる破線に示すごとく、過大な振幅レベルの複合
映像信号の入力がなされた過渡応答期間から安定動作期
間のAGC動作状態に至るまでに、約5フィールド時間
程度と、極めて迅速に応答して、一点鎖線で示すピーク
AGC基準値のレベルまで移行させることが可能であ
る。
【0098】また、図4において二点鎖線で示す直線
は、ピークAGC動作の動作モードを常に安定動作期間
のみとした場合におけるピークAGC複合映像信号のピ
ーク振幅レベルの変化を示しており、ピークAGC基準
値に到達するまでの応答時間が極めて長くなっている状
態を示している。
【0099】次に、第2の事例として、図1に示すピー
クAGC用VCA17に入力されてくる複合映像信号の
ピーク振幅レベルが、過大なレベルになっていたため
に、AGCゲインが下がっている状態(即ち、利得減衰
量が増大している状態)において、標準の振幅レベル
(即ち、ピークAGC基準値設定器20で設定されてい
るピークAGC基準値と同一レベル)にある複合映像信
号が切り替わって入力されてきた場合における、ピーク
AGC動作について説明する。
【0100】かかる場合においては、利得減衰量が増大
している状態にあるピークAGC用VCA17から出力
されて、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回
路19に対して入力される入力複合映像信号のピーク振
幅レベルが、ピークAGC基準値に比して、大幅に下回
ってしまうので、図2に示す過渡応答モード判定器19
eによって、過渡応答期間にある動作状態として判定さ
れる。而して、切替回路SWITCH19fから出力さ
れて積分器19gに入力される選択エラー値は、エラー
値生成器2 19dから出力されるエラーBとなる。
【0101】したがって、図3のグラフにて説明した通
り、かかる場合においては、ピークAGC基準値とのず
れ量(即ち、差分)がマイナス側になり、選択エラー値
即ちエラーBは、各周期毎に、ピークAGC基準値との
間のずれ量(即ち、差分)に比例した大きな負の値(即
ち、AGCゲインを増幅せしめる方向に調整する大きな
調整量)となるので、図2に示す積分器19gから出力
される積分量が、大幅に放出(減少)されていくことと
なり、該積分量の変化がマイナス側に大きくなる。
【0102】而して、図2に示すループゲイン調整回路
19hから出力されるループ利得調整値が急速に減衰す
るため、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回
路19から出力されるピークAGC用VCA17に対す
るAGC制御値が、AGCゲインを増幅せしめる方向に
急速に増加して変化することとなり、ピークAGC用V
CA17のAGCゲインが、各周期毎に、急速に増加し
て、「1」(即ち、入力の振幅レベルをそのまま出力す
るAGCゲイン)に近づいていくこととなる。
【0103】ピークAGC用VCA17のAGCゲイン
が急速に「1」に近づくにつれ、ピークAGC用VCA
17に入力されてくる複合映像信号のピーク振幅レベル
が、ピークAGC基準値を上回らない限りにおいて、ピ
ークAGC用VCA17から出力される複合映像信号の
ピーク振幅レベルも、標準の振幅レベルに急速に近づい
ていく。
【0104】而して、図5に示すごとく、約5フィール
ド時間程度の時間経過で、ピークAGC用VCA17の
AGCゲインは、最終的に、「1」に調整設定されてい
き、ピークAGC用VCA制御値生成回路19に入力さ
れてくる複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークA
GC基準値設定器20で設定されているピークAGC基
準値のレベルに対して、所定の範囲、即ち、前記過渡応
答閾値の範囲に収まり、図2に示す過渡応答モード判定
器19eによって、安定動作期間に移行しているとの判
定がなされる。
【0105】而して、切替回路SWITCH19fから
出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、
エラー値生成器1 19bから出力されるエラーAとな
る。したがって、図3のグラフにて説明した通り、選択
エラー値即ちエラーAは、ピークAGC基準値との間の
ずれ量の如何によらず、微小な一定調整量(即ち、図3
においては、一定値である|b|)となるので、かかる
微小な一定調整量(即ち、ピークAGC用VCA17の
AGCゲインに対する微小な一定調整量)が、各周期毎
に、図2に示す積分器19gから累積出力されることと
なり、積分器19gの出力である積分量の変化は極めて
小さい量となる。
【0106】かくのごときAGC動作がなされた結果、
図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19か
ら出力されるピークAGC用VCA17に対するAGC
制御値(即ち、AGCゲインの変化量)がごく小さいも
のとなり、ピークAGC用VCA17から出力されるピ
ークAGC複合映像信号は安定したものとなる。
【0107】以上に示す第2の事例、即ち、ピークAG
C用VCA17のAGCゲインが低下している状態(即
ち、利得減衰量が増大している状態)で、ピークAGC
基準値のレベルと等しい標準レベルの複合映像信号がピ
ークAGC用VCA17に入力されてくる場合における
ピークAGC動作結果として、ピークAGC用VCA1
7から出力されてくるピークAGC複合映像信号の一連
の変化を、図5に示している。即ち、図5においては、
図4の場合と同様に、ピークAGC用VCA17から出
力されてくるピークAGC複合映像信号に関して、かか
る第2の事例の場合ににおける振幅レベルの時間的な変
化の状況を示している。
【0108】なお、図5において、図4の場合と同様
に、ピークAGC複合映像信号の振幅レベルの変化に関
する時間的な周期は、1画面時間単位(即ち、1フィー
ルド時間単位)の周期となっている。また、図5には、
ピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルを破線に
より結んで示しているが、かかる破線に示すごとく、入
力される複合映像信号が標準の振幅レベルに切り替わっ
た直後には、ピークAGC用VCA17から出力される
ピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピー
クAGC基準値の約1/2程度になされたような過渡応
答期間に移行した場合であっても、該過渡応答期間から
安定動作期間のAGC動作状態に至るまでに、約5フィ
ールド時間程度と、極めて迅速に応答して、一点鎖線で
示すピークAGC基準値のレベルまで復元させることが
可能であり、以降は、安定なピークAGC動作がなされ
る。
【0109】また、図5において二点鎖線で示す直線
は、ピークAGC動作の動作モードを常に安定動作期間
のみとした場合におけるピークAGC複合映像信号のピ
ーク振幅レベルの変化を示しており、ピークAGC基準
値に到達するまでの応答時間が極めて長くなっている状
態を示している。
【0110】次に、図6は、図1に示す本発明に係るA
GC回路が備えられている録画装置の一例として、VT
R装置を例にとって、記録系の回路ブロック構成を示し
たブロック構成図である。
【0111】即ち、図6において、本発明に係る録画装
置の一例であるVTR装置60は、次のごとき記録系の
各回路ブロックを備えている。61は、低域フィルタL
PFであり、入力信号であるNTSC信号のうち、低域
周波数成分からなる輝度信号成分のみを透過させるもの
である。なお、該輝度信号成分には、同期信号も含まれ
ている。62は、本発明に係るAGC回路(自動利得調
整回路)であり、前述したごとく、キードAGC動作と
ピークAGC動作とを独立させて実行させることによ
り、常に、輝度信号の振幅ピーク値を所望の振幅レベル
に一致させるように、自動調整することが可能である。
63は、FM変調器であり、AGC回路62を経て、所
定の振幅レベルに調整設定された輝度信号を規定のFM
信号に変換するものである。この際に、高域周波数部の
振幅変調を行なうプリエンファシスもなされることとし
ても良い。
【0112】また、64は、帯域フィルタBPFであ
り、色信号成分のみを透過させるものである。65は、
ACC(Auto Chroma Control)回
路であり、常に一定であるべきカラーバースト信号の振
幅と基準値との比較により、色信号成分のピーク振幅レ
ベルを基準レベルと一致させるように振幅自動調整が行
なわれるものである。
【0113】66は、周波数変換を行なうコンバータで
あり、色信号成分を規定の低域周波数に変換するもので
ある。67は、混合器であり、FM変調器63によりF
M信号に変換された輝度信号とコンバータ66により低
域周波数に変換された色信号とを混合して、多重信号と
するものである。68は、録画増幅器であり、混合器6
7からの多重信号を増幅して、記録媒体である磁気テー
プ上に、記録ヘッド69により、所定の記録フォーマッ
トで記録させるものである。
【0114】即ち、図6に示す本発明に係るVTR装置
60においては、図1に示すごとき構成からなるAGC
回路(自動利得調整回路)62を用いることにより、入
力されてくる複合映像信号の輝度信号に関する信号の振
幅レベルを適切なレベルに自動的に設定せしめることに
より、リップルもなく、輝度むらもなく、かつ、安定し
た画質の映像情報を記録せしめることが可能である。
【0115】
【発明の効果】以上に説明したごとく、本発明に係るA
GC回路及び該AGC回路を備えた録画装置によれば、
以下のような作用効果を得ることができる。
【0116】キードAGC動作とピークAGC動作との
両者のフィードバックループを独立とすることにより、
かかる2つのAGC動作のフィードバックループを共用
している場合において発生する出力複合映像信号におけ
るリップルの発生を抑止することが可能となる。
【0117】ピークAGC動作に関しては、一画面時間
単位(即ち、フィールド時間単位)で動作することとし
ているので、一画面以内で複合映像信号の同期信号の振
幅レベルが変化することがなく、一画面内の輝度むらが
生じることを防止できる。
【0118】他方、入力複合映像信号の急峻な振幅レベ
ルの変化があった場合においても、各周期毎に、ピーク
AGC動作の基準値レベルと大幅に異なる振幅レベルに
ある過渡応答期間を検出して、該過渡応答期間において
は、ピークAGC動作の基準値レベルとの差分に比例し
た大きなAGCエラー量(即ち、ピークAGC動作のA
GCゲイン制御値)を生成させて、ピークAGC動作の
AGCゲインを調整させることにより、実用的に、全く
問題がない急速な応答速度で、所望の振幅レベルの複合
映像信号を出力させることが可能である。
【0119】また、AGCシステム全体の動作上、必須
となる各種のゲート信号であるゲートパルスについて
も、ピークAGC動作とは独立に動作するキードAGC
動作において、同期信号が所定の振幅レベルに揃った安
定した振幅レベル状態に達した後で、キードAGC動作
の出力である複合映像信号から同期信号を分離するの
で、同期信号の分離を確実に行なわせることが可能であ
り、該同期信号に基づいて各種のゲートパルスを生成さ
せているので、AGC回路に入力された複合映像信号の
同期信号の振幅レベルがかなり小さくなっていた場合で
あっても、安定したAGC動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAGC回路の回路構成の一例を示
した回路ブロック図である。
【図2】図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回
路19を構成する回路ブロックの一例を示すブロック構
成図である。
【図3】図2に示す切替回路SWITCH19fから出
力される選択エラー値と、図1に示すピークAGC用V
CA制御値生成回路19に入力された複合映像信号のピ
ーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値とのずれ量と
の関係を模式的に示すグラフである。
【図4】ピークAGC用VCAに入力されてくる複合映
像信号のレベルの急峻な振幅増加が発生した場合におけ
るピークAGC動作結果として、ピークAGC用VCA
から出力されてくるピークAGC信号の一連の変化を示
す模式図である。
【図5】ピークAGC用VCAのAGCゲインが低下し
ている状態で、ピークAGC基準値のレベルと等しい標
準レベルの複合映像信号がピークAGC用VCAに入力
されてくる場合におけるピークAGC動作結果として、
ピークAGC用VCAから出力されてくるピークAGC
複合映像信号の一連の変化を示す模式図である。
【図6】図1に示す本発明に係るAGC回路が備えられ
ている録画装置の一例として、VTR装置を例にとっ
て、記録系の回路ブロック構成を示したブロック構成図
である。
【図7】従来の代表的なAGC回路の構成例を示す回路
ブロック図である。
【図8】図7に示す混合器74から出力される合成信号
波形の一例を示すものである。
【図9】従来のAGC回路構成に関する別の例を示す回
路ブロック図である。
【図10】従来のAGC回路構成に関する更なる別の例
を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1…AGC回路、1a…キードAGC動作部、1b…ピ
ークAGC動作部、11…キードAGC用VCA、12
…低域フィルタLPF、13…同期分離回路、14…キ
ードAGC基準値設定器、15…キードAGC用VCA
制御値生成回路、16…同期クランプ回路、17…ピー
クAGC用VCA、18…低域フィルタLPF、19…
ピークAGC用VCA制御値生成回路、19a…入力値
判定器、19b…エラー値生成器1、19c…最大値判
定器、19d…エラー値生成器2、19e…過渡応答モ
ード判定器、19f…切替回路SWITCH、19g…
積分器、19h…ループゲイン調整回路、19i…減算
器、19j…ピークAGC初期動作ゲイン設定器、20
…ピークAGC基準値設定器、60…録画装置、61…
LPF、62…AGC回路、63…FM変調器、64…
BPF、65…ACC回路、66…コンバータ、67…
混合器、68…録画増幅器、69…記録ヘッド、71…
同期クランプ回路、72…同期分離回路、73…同期遅
延器、74…混合器、75…基準値設定器、76…ピー
クレベル比較器、77…VCA制御値生成器、78…A
GC用VCA、91…チューナ、92…BPF、93…
アンプ、94…表面波フィルタSWF、95…VIF、
96…BPF、97…VIF、98…同期分離回路SY
NCSEP、99…波形整形回路、101…ゲインコン
トロールアンプ、102…プリフィルタ、103…クラ
ンプ回路、104…A/Dコンバータ、105…LP
F、106…ピークAGCレベル検出回路、107…シ
ンクAGCレベル検出回路、108…信号選択回路、1
09…対数変換回路、110…レベル設定器、111…
減算器、112…係数器、113…加算器、114…リ
ミッタ、115…遅延回路、116…ゲインデコーダ、
117…乗算器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された複合映像信号を、所定の適切
    な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回
    路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベル
    に応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキ
    ードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅
    レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御
    するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC
    動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立
    して動作せしめ、かつ、AGC動作に必要とする各種ゲ
    ート用信号を、前記キードAGC動作手段により、前記
    複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃え
    た状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成
    せしめることを特徴とするAGC回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のAGC回路において、
    前記ピークAGC動作手段として、あらかじめ定められ
    た各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される
    複合映像信号の最大ピーク振幅レベルとあらかじめ定め
    られたピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値と
    してあらかじめ定められた閾値を超過している場合に
    は、各前記周期毎に、前記差分に比例した調整量で、変
    化するAGCゲインを生成せしめ、逆に、前記過渡応答
    閾値を超過していない場合には、各前記周期毎に、前記
    差分の大きさの如何によらず、あらかじめ定められた微
    小な一定調整量で、変化するAGCゲインを生成せしめ
    ることを特徴とするAGC回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のAGC回路において、
    前記ピークAGC動作手段として、各前記周期毎に、前
    記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最
    大ピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値との差分
    が、前記過渡応答閾値を超過していない場合において
    は、前記複合映像信号の振幅レベルが前記ピークAGC
    基準値を、各前記周期毎に、超過している超過回数を計
    数することにより、該超過回数が、あらかじめ定められ
    た基準回数を超過している際には、各前記周期毎に、前
    記AGCゲインをあらかじめ定められた微小な前記一定
    調整量で減衰せしめ、逆に、前記超過回数が、前記基準
    回数を超過しない限りにおいては、各前記周期毎に、前
    記AGCゲインをあらかじめ定められた微小な前記一定
    調整量で減衰量をゼロにせしめることを特徴とするAG
    C回路。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のAGC回路において、
    前記ピークAGC動作手段として、各前記周期毎に、前
    記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最
    大ピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値との差分
    が、前記過渡応答閾値を超過している場合においては、
    各前記周期毎に、前記複合映像信号の最大ピーク振幅レ
    ベルが前記ピークAGC基準値よりも大きい場合は、前
    記AGCゲインを、前記差分に比例した前記調整量で減
    衰せしめ、逆に、各前記周期毎に、前記複合映像信号の
    最大ピーク振幅レベルが前記ピークAGC基準値を超過
    しない限りにおいては、前記AGCゲインを、前記差分
    に比例した前記調整量で減衰量をゼロにせしめることを
    特徴とするAGC回路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のAG
    C回路において、前記ピークAGC動作手段として、各
    前記周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される
    複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基
    準値とが一致している場合、入力された該ピーク振幅レ
    ベルをそのまま維持するAGCゲインを生成せしめるこ
    とを特徴とするAGC回路。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のAG
    C回路において、前記ピークAGC動作手段として、あ
    らかじめ定められた前記周期が、一画面時間を示すフィ
    ールド時間単位の周期であることを特徴とするAGC回
    路。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のAG
    C回路を備えていることを特徴とする録画装置。
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