JP2003007812A - 静電チャック及び半導体製造装置 - Google Patents

静電チャック及び半導体製造装置

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JP2003007812A
JP2003007812A JP2001195256A JP2001195256A JP2003007812A JP 2003007812 A JP2003007812 A JP 2003007812A JP 2001195256 A JP2001195256 A JP 2001195256A JP 2001195256 A JP2001195256 A JP 2001195256A JP 2003007812 A JP2003007812 A JP 2003007812A
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Japan
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electrostatic chuck
base material
insulating base
resin
vinylidene fluoride
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Application number
JP2001195256A
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English (en)
Inventor
Teruyuki Matsuki
照幸 松木
Mikihide Sugihara
幹英 杉原
Kanichi Kadotani
▲皖▼一 門谷
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】絶縁性有機高分子膜のエッチングによる劣化を
防止し、高性能で且つ優れた耐久性をもつ静電チャック
を得る。 【解決手段】金属製薄膜電極2をフッ化ビニリデンを主
成分とする樹脂3で被覆し、樹脂薄膜の露出表面部分を
四フッ化エチレン樹脂4により覆う。四フッ化エチレン
樹脂4 はフッソガスイオンやラジカルによってエッチン
グされず、かつ低分子量であるので融点が低くピンホー
ルを生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体基板に各種
のプラズマ処理を施す半導体製造装置に適用される静電
チャックと、同静電チャックが適用された半導体製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程におけるドライエッチン
グ工程や薄膜形成工程において、半導体基板などの保持
部材として静電チャックが用いられ、同静電チャックは
金属製のサセプタ(支持基盤)の上面に載置され、接着
剤などにより接合固定される。静電チャックは、導電体
からなる薄膜状の電極を電気絶縁層で被覆して構成さ
れ、前記電極と半導体基板との間に所定の直流電圧を印
加することにより発生するクーロン力により半導体基板
を吸着して保持する。
【0003】従来の静電チャックはサセプタの上表面と
導電体下面との間に電気的な絶縁性をもたせると共に接
着能を与えるために、ポリイミド樹脂層を介装してお
り、導電体上面にも、誘電及び熱伝導と電気絶縁性とを
目的としてポリイミド樹脂層で被覆して絶縁性母材を形
成していた。すなわち、従来の静電チャックは電極部分
をポリイミド樹脂の薄膜で被覆している。
【0004】特開2000−286332号公報には、
前述のごとく、金属製の導電性膜を、その全面にわたっ
て両面から挟み込むようにして一対のポリイミド樹脂フ
ィルムなどの絶縁性被膜で被覆している。こうして得ら
れるチャック本体の上面及び全側面とチャック本体が載
置固定される載置台のチャック本体周辺部の表面に、更
に四フッ化樹脂又は三フッ化樹脂からなる保護膜で被覆
し、載置台のチャック本体周辺部の露出面を更に保護リ
ングにより被覆している。
【0005】かかる構成により、静電チャック及びその
載置台の周辺部に対して、ダウンフロー型のエッチング
及びリアクティブイオンエッチングの何れにおいてもエ
ッチングによる腐食を受けることがなく、静電チャック
装置の短寿命化を招くことがないとしている。
【0006】一方、特開2000−113850号公報
や特開2000−114358号公報にも記載されてい
るように、静電チャックの絶縁性母材に、従来からアル
ミナや窒化アルミなどのセラミックスを使用している。
このセラミック製の絶縁性母材をもつ静電チャックは、
プラズマガスに対する耐久性に優れ、母体自体の熱伝導
性もよいが、基板との接触面が固いため基板との密着性
に乏しく、接触熱抵抗が大きくなって十分な放熱性能が
得られない。そこで、特開2000−113850号公
報にもあるように、セラミックス製の絶縁性母材の上面
をシリコーンゴム膜で被覆しており、或いは基板と静電
チャックとの間にヘリウムなどの冷却用ガスを供給し
て、基板と静電チャックとの間の放熱を促進させている
のが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開200
0−286332号公報に開示されているように、静電
チャックの絶縁性母材としてポリイミド樹脂を採用する
と、次のような様々な解決すべき課題が発生する。
【0008】ポリイミド樹脂は硬度が高いため、基板表
面の凹凸に十分追従することができず、絶縁性母材の表
面と基板の表面との接触面では、セラミックスと同様
に、点接触又は線接触に近く接触熱抵抗が大きい。その
ため、チャック支持台と基板との間の熱伝達能力に乏し
く、高価なヘリウム等の熱伝達用ガスを使用する必要が
生じる。
【0009】プラズマ雰囲気中では、比較的短時間の使
用でも劣化によるポリイミド樹脂表面に硬化現象が見受
けられ、耐久性に乏しい。また、静電チャックによる繰
返し応力が作用するため、プラズマにより劣化したポリ
イミド表面からパーティクルが直接発生するなどして、
処理室内のクリーン度が低下し、不良品を発生させる一
つの要因ともなっている。
【0010】そこで、上記特開2000−286332
号公報の静電チャック装置では、ポリイミド樹脂からな
る絶縁性母材の表面に、四フッ化樹脂又は三フッ化樹脂
からなる保護膜で被覆しようとしているが、ポリイミド
樹脂とフッソ系樹脂との親和性が低く、接着剤を介して
接合しようとしても耐久性に乏しいものとなる。
【0011】一方、セラミックスからなる絶縁性母材の
上面がシリコーンゴムで被覆されているだけでは、基板
の吸着時にシリコーンゴムの表面状態が経時的に基板の
裏面への馴染みが進み、両者の接触面積が次第に増加し
て密着度が大きくなり、それによって離脱時に基板がシ
リコーンゴムから剥がれにくくなる。そのため、上記特
開2000−113850号公報では、前記シリコーン
ゴムの上面に同シリコーンゴムよりも離型性のよい電気
絶縁性被膜を更に配し、基板に対する離脱性を確保する
とともに、基板と馴染みやすくして、基板と静電チャッ
クとの間の熱伝達性能を向上させようとしている。
【0012】本発明の目的は、合成樹脂製の電気絶縁性
素材を使って従来のポリイミド樹脂やシリコーンゴムな
どがもつ上述の課題を克服し、接触熱抵抗の小さい高熱
伝達性能を備えるとともに基板の離脱性もが確保され、
しかも耐プラズマ性と耐久性に優れた静電チャックを提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
多様な実験を重ねた結果、当該分野においては過去には
使われていないにも関わらず、電気絶縁性に優れ、しか
も基板との密着性が確保でき、且つ基板との離脱性にも
優れた電気チャックの絶縁性母材に好適な合成樹脂素材
を見出し、請求項1に記載された発明に到達したもので
ある。
【0014】すなわち、請求項1に係る発明は電極を絶
縁性母材をもって被覆してなる静電チャックにあって、
前記絶縁性母材がフッ化ビニリデンを主成分とする合成
樹脂樹脂材料から構成されてなることを特徴とする静電
チャックにある。
【0015】前記フッ化ビニリデンを主成分とする合成
樹脂材料樹脂としては、例えばフッ化ビニリデンと三フ
ッ化エチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと六フッ
化プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとペルフ
ルオロビニルエーテルとの共重合体などが挙げられる。
これらのフッ化ビニリデンを主成分とする共重合体は非
圧延でも高誘電性の発現が可能であるため、製作が容易
であり、しかも吸着能力に優れている。これに対して、
通常のフッ化ビニリデン樹脂は圧延しないかぎり誘電性
が発揮されず製作が容易でない。
【0016】更には、金属との接着性能が得やすいた
め、金属製電極に簡単な表面処理を行うことにより、静
電チャックの絶縁性母材に埋設される同電極との強固な
接着を容易に確保できる。また、成形時にピンホールが
形成されにくく均一な薄膜化が可能である。
【0017】請求項2に係る発明は、前記フッ化ビニリ
デンを主成分とする合成樹脂材料から構成される絶縁性
母材の表面を四フッ化エチレン樹脂層にて更に被覆する
ことを特徴としている。この発明は、半導体製造装置の
加工がプラズマを使う場合に特に有効である。
【0018】四フッ化エチレン樹脂以外のフッソ系樹脂
や他のエンジニアリング樹脂はイオンによってエッチン
グされるが、誘電機能を備えた四フッ化エチレンは分子
内の電子の偏りが少ないので、プラズマエッチング時に
イオンによってエッチングされることはない。また、ラ
ジカルによってもエッチングされることはない。また、
通常の四フッ化エチレン樹脂は焼結などによらなくては
成形することはできず、ピンホールなどの欠陥が発生す
る。水分散型の低分子量の四フッ化エチレン樹脂はフッ
化ビニリデン樹脂との接着性がよく、融点も低いのでピ
ンホールは生じない。この低分子量の四フッ化エチレン
樹脂は、当然に融点の高い高分子量の四フッ化エチレン
樹脂との接着均一性も優れている。その上に、プラズマ
雰囲気下にあってもエッチングされないことから長期の
使用が可能となる。
【0019】更に、前述のごとく、分子量を調節するこ
とにより、熱変形温度を調節することが可能なため、フ
ッ化ビニリデン樹脂から構成される静電チャックの母材
表面に四フッ化エチレン樹脂を被覆しても、基板の凹凸
面に対する追従性が高く、しかも均一薄膜化に優れてい
るため、熱伝達性能にも影響を与えない。そのため、静
電チャックの保持台と被処理基板との間に高い熱伝性能
が得られる。また、四フッ化エチレン樹脂は結晶性であ
るため基板との離脱性にも優れている。
【0020】請求項3に係る発明は、前記絶縁性母材と
最外層の四フッ化エチレン樹脂層との間に、フッ化ビニ
リデンと四フッ化エチレンとの混合層が配され、その混
合比を内層から外層にかけて順次小さくしていることを
特徴としている。
【0021】たとえば、絶縁性母材であるフッ化ビニリ
デン側の四フッ化エチレンに対するるフッ化ビニリデン
を主成分とする樹脂の混合量を多くして絶縁性母材との
接着性を確保し、静電チャックの吸着側の最外層に向か
って、その混合量を段階的に少なくし、最外層ではフッ
化ビニリデンを主成分とする共重合体を零として100
%の四フッ化エチレン樹脂にて構成する。
【0022】このように絶縁性母材であるフッ化ビニリ
デン側と最外層である四フッ化エチレン樹脂層との間
に、外層に向けて共重合比を段階的に小さくすることに
より、フッ化ビニリデン主成分とする樹脂から構成され
る絶縁性母材と最外層の四フッ化エチレン樹脂層との間
に介装される樹脂層間の接着性が確保されると共に、前
記共重合比を調整することにより融点の調整も同時に行
うことができるため、被処理基板の凹凸面に対する十分
な追随性が得られ、接触抵抗を小さくして熱伝性能の向
上を図ることが可能となる。
【0023】請求項4に係る発明は、上記絶縁性母材の
表面からその吸着面側にかけて四フッ化エチレン樹脂層
の分子量を段階的に高く設定していることを特徴として
いる。たとえば、絶縁性母材であるフッ化ビニリデン側
の四フッ化エチレンを低分子量に設定して、フッ化ビニ
リデンを主成分とする樹脂との接着性を確保すると同時
に、吸着側に向かって徐々に四フッ化エチレン樹脂の分
子量を高くすることにより、所望の融点調整を行うこと
ができる。この融点調整を行うことにより、被処理基板
の凹凸面に対する追従性に優れた静電チャック表面が得
られる。
【0024】また、水分散型の低分子量の四フッ化エチ
レン樹脂はフッ化ビニリデン樹脂との接着性に優れてお
り、且つ融点も低いため、フッ化ビニリデン樹脂と比較
して更にピンホールができにくくできる。分子量の異な
る四フッ化エチレン樹脂同志の接着性も当然に優れてい
るため、各層間の剥離などの発生もない。その上に、プ
ラズマ雰囲気下にあってもエッチングされないことから
長期の使用に耐えることができる。
【0025】請求項5に係る発明は、前記電極の表面に
前記絶縁性母材に対する親和性処理がなされていること
を特徴としている。フッ化ビニリデン樹脂と金属との接
着性能は他のフッ素系樹脂と比較して高い方であるが、
更にその接着性を改良するには、例えばアルミニウム電
極とする場合には、同電極表面にアルマイト処理を施せ
ばよく、また同電極に対しては表面にトリアジン処理を
行う。このような表面処理を行うことにより、絶縁性母
材であるフッ化ビニリデンを主成分とする樹脂と電極と
の接着性を著しく向上させることができる。
【0026】請求項6に係る発明は、プラズマ発生室内
でプラズマ処理がなされる各種の半導体製造装置であっ
て、前記プラズマ発生室内に電極を絶縁性母材をもって
被覆してなる静電チャックと、同静電チャックを上面に
載置して固設する保持台とを備えてなり、前記絶縁性母
材がフッ化ビニリデンを主成分とする樹脂から構成さ
れ、同絶縁性母材及び前記保持台を含むプラズマ発生室
内に露出する周辺機材の表面が四フッ化エチレン樹脂に
より被覆されてなることを特徴とする半導体製造装置に
ある。
【0027】上述のごとく、四フッ化エチレン樹脂はプ
ラズマ雰囲気中でイオンやラジカルによってもエッチン
グされない。本発明は、この性質を有効に利用しようと
してなされたものであり、単に静電チャックのプラズマ
に曝される表面のみならず、静電チャックを支持して保
持する保持台は勿論のこと、周辺機器にあってプラズマ
に曝される部分をも四フッ化エチレン樹脂をもって被覆
しようとするものである。この四フッ化エチレン樹脂に
よって被覆することにより、周辺機器の耐久性も増し、
装置全体の長寿命化を図ることができる。
【0028】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施の形態図
示実施例を参照して具体的に説明する。図1は本発明の
静電チャックが適用された半導体製造装置の一種である
一般的なプラズマエッチング装置の概略構成を示してい
る。勿論、本発明の静電チャックは図示したようなプラ
ズマエッチング装置に適用されるばかりでなく、例えば
プラズマCVD装置、プラズマドーピング装置や、イオ
ンビームエッチング装置、イオンプレーティング装置な
どの半導体製造装置にも適用できる。
【0029】図1において、プラズマエッチング装置1
0はアルミニウムなどの導電性材料により気密に構成さ
れた処理室11を有しており、この処理室11の底部付
近の周壁部には外部の排気源に接続される排気孔が形成
されている。また、処理室の中央部には被処理体である
半導体ウェハWを載置して固定保持するチャック保持台
12が処理室の底部と電気的に絶縁状態で設置されてい
る。
【0030】このチャック保持台12は、基台13とそ
の上面に載置固定されるサセプタ14とから構成され、
基台13には冷媒循環させる冷却ジャケット15が形成
されている。サセプタ14の上面には、本発明の静電チ
ャック1が接着剤などにより接合保持される。前記基台
13と前記サセプタ14との間には温調用ヒータ16が
介装されている。この温調用ヒータ16は、前記冷却ジ
ャケット15による冷却量を調節して、半導体ウェハW
の温度を一定に維持する。前記冷却ジャケット15に
は、例えばチラーなどの冷媒が循環しており、その循環
する冷媒によりサセプタ14及び静電チャック1を介し
て半導体ウェハWを冷却する。
【0031】処理室11の上部にはエッチングガスのガ
ス供給部17が設けられている。このガス供給部17
は、外部の処理ガス源に接続されたガス供給管17aと
同ガス供給管17aの下端に連通して接続される中空円
盤17bとを有している。この中空円盤17bは、静電
チャック1に吸着保持された半導体ウェハWに対向させ
て配され、その下面には多数の小孔が内部に貫通して形
成されている。また、上記静電チャック1、処理室1
1、サセプタ14、温調ヒータ16及びガス供給部17
にはそれぞれリード線が接続され、各リード線は処理室
外に配した図示せぬコントローラなどを介して同じく図
示せぬ電源と接続している。
【0032】かかる構成からなるプラズマエッチング装
置10を使って静電チャック1に吸引保持された半導体
ウェハWに所要のエンチングを行うには、先ず処理室1
1の内部から排気して室内の圧力を1Pa〜数10Pa
に減圧する。処理室11が減圧されたのち、半導体ウェ
ハWを静電チャックに載置して高圧の直流電圧を印加
し、クーロン力を作用させて半導体ウェハWを吸着させ
る。次いで、ガス供給部17を介して処理ガスを処理室
11内に供給するとともに、ガス供給部17とサセプタ
14との間に高周波電力を印加して、プラズマを発生さ
せて半導体ウェハWの表面にエッチング処理を行う。
【0033】次に、図2に基づいて本発明の第1実施例
による静電チャックの製法とその構造について具体的に
説明する。なお同図では、理解を容易にするため半導体
ウェハWと静電チャック1との接触面並びに周辺機器を
模式的に示している。本実施例による静電チャック1
は、中心部に薄膜状の電極2を有し、その全体をフッ化
ビニリデンを主成分とする樹脂材料からなる絶縁性母材
3により被覆して構成されている。
【0034】この静電チャック1はチャック保持台12
のサセプタ上にシリコーン系接着剤やポリイミド系接着
剤により接着固定されている。また、前記薄膜状電極2
はリード線2aを介して高圧の直流電圧が印加される。
チャック保持台12の基台13には、既述したとおり、
冷却ジャケット15が配され、ジャケット内部を冷媒が
循環している。
【0035】本実施例による静電チャック1の電極2に
はアルミニウムが使われる。このアルミニウム製電極2
の場合、その表面にアルマイト処理がなされており、フ
ッ化ビニリデンを主成分とする樹脂材料との接着性を改
善している。前記フッ化ビニリデンを主成分とする樹脂
材料として、フッ化ビニリデン−3フッ化エチレンの共
重合体(セントラル硝子(株)製 G150F200)
を用いた。
【0036】このフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン
の共重合体は、N−メチルクドン(以下、単にNMPと
いう。)に可溶であり、同時に通常のフッ化ビニリデン
とは異なり非圧延でも誘電率が発現する。この溶液をス
ピン塗布などにより上記アルミニウム製電極の表面に塗
布して、絶縁性母材3を形成した。このようにして簡単
に絶縁性母材3を形成できるため、薄膜化が容易である
が、得られる誘電率は5であり、通常のフッ化ビニリデ
ンの7.5よりも低いが、延伸フィルム等とは異なり十
分な薄膜化が可能なため、実際的な誘電力を大きくでき
る。
【0037】本実施例にあっては、NMP85重量%中
に15重量%のフッ化ビニリデン−3フッ化エチレンの
共重合体(G150F200)を溶解して均一溶液を作
製した。この溶液を、アルマイト処理を施したアルミニ
ウム製電極に塗布して100℃の温度下で20時間乾燥
し、膜厚40μm、全体厚80μmmの被覆体からなる
絶縁性母材3を形成した。
【0038】こうして得られたフッ化ビニリデン−3フ
ッ化エチレンの共重合体を絶縁性母材とする静電チャッ
ク1は、従来のポリイミド樹脂やセラミックスからなる
絶縁性母材と比較すると、表面硬度が小さく、半導体ウ
ェハWの凹凸面への追従性が高いため、接触熱抵抗が小
さくなり、熱伝達性能が向上する。また、本実施例によ
る絶縁性母材はシリコーンゴムよりも粘着性に乏しいた
め、長期の繰り返し応力によっても接着力が増加せず、
静電チャック表面に対する半導体ウェハの離脱製が確保
される。
【0039】図3は、本発明の第2実施例である静電チ
ャック装置を模式的に示したものであり、上記第1実施
例と異なるところは、静電チャック1のフッ化ビニリデ
ンを主成分とする樹脂材料から構成される絶縁性母材3
の処理室11の内部に露出する表面の全体を四フッ化エ
チレン樹脂4をもって被覆している点にある。
【0040】次に、その具体的な製造方法を説明する。
静電チャック1のフッ化ビニリデンを主成分とする樹脂
材料からなる絶縁性母材3としては、上記第1実施例と
同様のフッ化ビニリデン−3フッ化エチレンの共重合体
(セントラル硝子(株)製 G150F200)を用い
た。同絶縁性母材3は、NMP85重量%中に15重量
%のG150F200を溶解して均一な溶液を作成し
た。この溶液をアルマイト処理したアルミニウム製薄膜
状の電極2に塗布したのち、100℃の温度下で12時
間乾燥させて、膜厚20μmの薄膜状絶縁性母材3を形
成した。
【0041】次に、NMP中に15重量%の四フッ化エ
チレン樹脂(セントラル硝子(株)製セフラルループ
I)の粉末を分散させた分散液、上記NMP85重量%
中に15重量%のG150F200を溶解して得られる
均一な溶液、及びNMPを等量混合して均一化したの
ち、G150F200からなる前記絶縁性母材3の表面
にG150F200と四フッ化エチレンからなる20μ
mの混合膜となるよう塗布した。これを、100℃の温
度下で3時間乾燥させたのち、150℃で更に12時間
加熱した。更に、こうして得られた混合膜の表面に、上
記NMP中に15重量%の四フッ化エチレン樹脂の粉末
を分散させた分散液を、四フッ化エチレン樹脂厚が20
μmとなるように塗布して、100℃の温度下で3時間
乾燥したのち、更に200℃の温度下で12時間加熱し
た。
【0042】つまり、本実施例ではアルミニウム製の薄
膜状電極2の全面をG150F200(フッ化ビニリデ
ン−3フッ化エチレンの共重合体)からなる絶縁性母材
3をもって被覆し、その絶縁性母材3の全面を四フッ化
エチレン樹脂及びG150F200の同一重量比からな
る混合膜をもって被覆し、更にその全面を四フッ化エチ
レン樹脂100%の被膜で被覆している。前記混合膜は
四フッ化エチレン樹脂及びG150F200の双方との
接着性が高く、各被膜間における強固な接着が得られ
る。
【0043】また、上記G150F200と最外層の四
フッ化エチレン樹脂との接着性を向上させるには、前述
のごとく、G150F200と四フッ化エチレンとの混
合膜をG150F200と最外層の四フッ化エチレン樹
脂との間に介装させる代わりに、G150F200と最
外層の四フッ化エチレン樹脂との間に低分子量の四フッ
化エチレン樹脂を介装させてもよい。水に分散できる低
分子量の四フッ化エチレン樹脂があり、この水分散型の
四フッ化エチレン樹脂を使えば薄膜の形成が容易であ
り、しかも低分子量である四フッ化エチレン樹脂はフッ
化ビニリデン樹脂との接着性がよく、融点も低いのでピ
ンホールが生じない。この低分子量の四フッ化エチレン
樹脂は、当然に融点の高い高分子量の四フッ化エチレン
樹脂との接着均一性も優れている。その上に、プラズマ
雰囲気下にあってもエッチングされないことから長期の
使用が可能である。
【0044】更に、G150F200と最外層の四フッ
化エチレン樹脂との接着性を向上させるべく、例えばG
150F200からなる絶縁性母材の全面に、第1中間
層としてG150F200が75重量%、四フッ化エチ
レン樹脂が25重量%の混合膜を形成し、その全面に第
2中間層としてG150F200及び四フッ化エチレン
樹脂を等量とした混合膜を形成し、更にその全面を第3
中間層としてG150F200が25重量%、四フッ化
エチレン樹脂が75重量%の混合膜を形成したのち、高
分子量の四フッ化エチレン樹脂膜もって全面を被覆する
ようにしてもよい。
【0045】いずれにしても、本実施例による静電チャ
ック1の全表面はピンホールをもたず分子内の電子の偏
りが少ない四フッ化エチレン樹脂をもって被覆されてい
るため、プラズマエッチング処理に際しても、イオンや
ラジカルによりエッチングされることがなく、耐久性に
富むものとなる。
【0046】更に、前述のごとく、分子量を調節するこ
とにより、熱変形温度を調節することが可能なため、フ
ッ化ビニリデン樹脂から構成される静電チャックの母材
表面に四フッ化エチレン樹脂を被覆しても、基板の凹凸
面に対する追従性が高く、しかも均一薄膜化に優れてい
るため、熱伝達性能にも影響を与えない。そのため、静
電チャックの保持台と被処理基板との間に高い熱伝性能
が得られる。また、四フッ化エチレン樹脂は結晶性であ
るため基板との離脱性にも優れている。
【0047】更に、本実施例にあっては、絶縁性母材3
のみならず、上記チャック保持台12などのプラズマエ
ッチング処理室内に露呈する部分にも上記四フッ化エチ
レン樹脂4をもって被覆している。上述のごとく、四フ
ッ化エチレン樹脂4はプラズマ雰囲気中でイオンやラジ
カルによってもエッチングされることがない。そこで、
本実施例では、単に静電チャック1のプラズマに曝され
る表面のみならず、静電チャック1を支持して保持する
チャック保持台12は勿論のこと、その周辺機器にあっ
てプラズマに曝される部分をも四フッ化エチレン樹脂4
をもって被覆している。このように、四フッ化エチレン
樹脂によって被覆することにより、周辺機器の耐久性も
増し、装置全体の長寿命化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャック装置を備えたプラズマエ
ッチング装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施例である静電チャックをもつ
静電チャック装置の概略構成図である。
【図3】本発明の第2実施例である静電チャックをもつ
静電チャック装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 静電チャック 2 薄膜状電極 2a リード線 3 絶縁性母材(フッ化ビニリデンを主成
分とする樹脂) 4 四フッ化エチレン 10 プラズマエッチング装置 11 処理室 12 チャック保持台 13 基台 14 サセプタ 15 冷却ジャケット 16 温調用ヒータ 17 ガス供給部 17a ガス供給管 17b 中空円盤 W 半導体ウェハ
フロントページの続き (72)発明者 門谷 ▲皖▼一 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究本部内 Fターム(参考) 5F004 AA15 BB22 BB30 5F031 CA02 HA02 HA03 HA16 HA37 HA38 MA32 PA26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を絶縁性母材をもって被覆してなる
    静電チャックにあって、 前記絶縁性母材がフッ化ビニリデンを主成分とする樹脂
    から構成されてなることを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性母材の表面が四フッ化エチレ
    ン樹脂層にて更に被覆されてなることを特徴とする請求
    項1記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性母材と最外層の四フッ化エチ
    レン樹脂層との間に、フッ化ビニリデンと四フッ化エチ
    レンとの混合層が配され、その混合比が内層から外層に
    かけて順次小さくされてなることを特徴とする請求項2
    記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性母材の表面からその吸着面側
    にかけて四フッ化エチレン樹脂層の分子量が段階的に高
    く設定されてなることを特徴とする請求項2記載の静電
    チャック。
  5. 【請求項5】 前記電極の表面に前記絶縁性母材に対す
    る親和性処理がなされてなることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の静電チャック。
  6. 【請求項6】 プラズマ発生室内でプラズマ処理がなさ
    れる各種の半導体製造装置であって、 前記プラズマ発生室内に電極を絶縁性母材をもって被覆
    してなる静電チャックと、同静電チャックを上面に載置
    して固設する保持台とを備えてなり、前記絶縁性母材が
    フッ化ビニリデンを主成分とする樹脂から構成され、 同絶縁性母材及び前記保持台を含むプラズマ発生室内に
    露出する周辺機材の表面が四フッ化エチレン樹脂により
    被覆されてなることを特徴とする半導体製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011511475A (ja) * 2008-02-08 2011-04-07 ラム リサーチ コーポレーション プラズマ処理チャンバのパーツのための保護被覆およびその使用方法

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