JP2003007232A - 表示装置および表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置および表示装置の製造方法

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JP2003007232A
JP2003007232A JP2001188993A JP2001188993A JP2003007232A JP 2003007232 A JP2003007232 A JP 2003007232A JP 2001188993 A JP2001188993 A JP 2001188993A JP 2001188993 A JP2001188993 A JP 2001188993A JP 2003007232 A JP2003007232 A JP 2003007232A
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nanotube
electron source
metal
wall
cathode electrode
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JP2001188993A
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English (en)
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Makoto Okai
誠 岡井
Yasuhiko Muneyoshi
恭彦 宗吉
Tomio Yaguchi
富雄 矢口
Nobuaki Hayashi
伸明 林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナノチューブ構造を有する表示装置において、
低電界で必要な電流密度を実現する。 【解決手段】電子源が設けられた電子源板と、蛍光体が
塗布された表示板とを備え、前記電子源板と表示板との
間の空間が真空雰囲気とされる表示装置であって、該電
子源板に形成された電極内部あるいは表面上に、金属を
そのウォールで囲まれた内部に含有したナノチューブを
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置、特に、
ナノチューブ構造を有する物質を電子源として用いた自
発光型平面表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電界放出型表示装置(FED:F
ield Emission Display)に用い
られる電子源としてはスピント(Spindt)型、ダ
イアモンド、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、
黒鉛粉末、カーボン繊維、あるいはカーボンナノチュー
ブを用いた電子源などが用いられていた。
【0003】この中で、カーボンナノチューブは、カー
ボン繊維とは異なり一般にウォールで囲まれた内部に中
空の部分を有した構造となっている。
【0004】そして、従来、ナノチューブ構造を有する
物質を電子源として用いる場合、中空のナノチューブ構
造が用いられていた。中空のシングルウォールカーボン
ナノチューブを電子源として用いて4.5インチの自発
光型平面表示装置を作製した例が、「SID 99 D
igest」のpp.1134−1137に記載されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法では、自発光
型平面表示装置を実現するために必要な10mA/cm
(ミリアンペア/平方センチメートル)以上の電流密
度を得るために、2V/μm(ボルト/ミクロン)以上
の電界を印可する必要があった。自発光型平面表示装置
の低消費電力化のためには、さらに低電界で必要な電流
密度を実現する必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、ナノチュー
ブのウォールで囲まれた内部(ナノチューブ内側の中空
部分)に金属を含有させることにより、ナノチューブの
電子放出特性を大幅に改善する。これは、ナノチューブ
構成材料からの電子放出に加えて、内包金属ナノロッド
からの電子放出が効率的に生じるためであると考えられ
る。
【0007】さらに、金属内包ナノチューブに磁場印加
することにより、基板に対してほぼ垂直方向にナノチュ
ーブを配向させることができる。これにより、ナノチュ
ーブ先端へ電界を効率的に集中させることができ、低電
界で高い電流密度を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例を図1、図
2、図3、図4および図5を用いて説明する。
【0009】図1は、本発明の表示装置の全体構成を説
明する斜視図である。本自発光平面ディスプレイ装置
は、電子源アレイを作製した電子源板101、電子源の
位置に合わせて蛍光体ストライプあるいはドットを作製
した蛍光表示板103、電子源板101と蛍光表示板1
03を所定の間隔に保って固定するための枠ガラスなど
の外枠102を備えている。また、図中には示さなかっ
たが、画面サイズが大きくなると、枠ガラス内部にも電
子源板101と蛍光表示板103を所定間隔に保つため
のスペーサが必要となる。
【0010】図2は、電子源板の構造を説明する平面図
である。横方向に複数本のカソード電極ストライプ20
1を、垂直方向に複数本のゲート電極ストライプ202
を形成する。カソード電極ストライプ201とゲート電
極ストライプ202は、絶縁膜を挿んで交差し、それぞ
れの交差点に電子源203を形成する。この電子源はゲ
ート電極ストライプ203とその下の絶縁膜を貫いた穴
の底部のカソード電極ストライプ201の表面に形成す
る。
【0011】図3は、蛍光表示板の構造を説明する平面
図である。電子源の位置に合わせて、赤、緑、青の蛍光
体ストライプを形成した構造になっている。まず、電子
源の横方向のピッチに合わせて、各蛍光体ストライプの
間の位置にブラックマトリックスのストライプをリフト
オフ法により作製する。次にスラリー法により赤30
1、緑302、青303の蛍光体ストライプによる繰り
返しストライプパターンを形成する。各々の蛍光体スト
ライプが、両側のブラックストライプの間となるように
配置する。また、図には示さなかったが、蛍光体ストラ
イプを作製した後、全面にアルミニウムを10〜100
nm蒸着し、アノード電極を形成した。
【0012】以上のようにして作製した、電子源板と蛍
光表示板を枠ガラスを用いて所定間隔で対峙するように
配置し、電子源と蛍光体ストライプの位置を合わせた
後、内部を真空にしてフリットガラスにより封止してパ
ネルとする。封止は、パネルに排気管を直結した排気管
封止、あるいは排気管を用いずに真空チャンバ内で封止
を行う真空封止のどちらかの方法で行うことができる。
そしてカソード電極ストライプに走査信号を、ゲート電
極ストライプに画像信号を印加し、さらに蛍光表示板の
アノード電極に、カソード電極に対してプラスの加速電
圧を印加することにより、画像を表示させることができ
た。
【0013】図4は、電子源板上の詳細構造の説明図で
あり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’にお
ける断面図、(c)は(a)のB−B’における断面図
である。まず、ガラス基板表面に、印刷法によりAg電
極を形成することにより、厚さが10μmで、幅が30
0μm、間隔が60μmのカソード電極ストライプ40
1を600本形成する。550℃で焼成後、ナノチュー
ブ構造を有する物質を含有した樹脂ペーストをスクリー
ン印刷することにより、電子源ストライプ404をカソ
ード電極ストライプ401の上に形成する。電子源スト
ライプ404のパターン形状はカソード電極ストライプ
401と同じである。カソード電極ストライプ401と
電子源ストライプ404の二層ストライプ構造を形成し
た後、550℃で焼成することにより、樹脂ペーストに
含有されている樹脂分を除去する。次に、絶縁層405
をスクリーン印刷する。絶縁層405の厚みは30μm
であり、カソード電極ストライプ401とゲート電極ス
トライプ402の交差部分に直径30μmの電子源穴4
03が4個あいた構造になっている。この絶縁層405
を550℃で焼成後、Agペーストをスクリーン印刷す
ることにより、厚さが20μmで、幅が90μm、間隔
が30μmのゲート電極ストライプ402を2400本
形成する。なお、ゲート電極ストライプ402も、カソ
ード電極ストライプ401とゲート電極ストライプ40
2の交差部分に直径30μmの電子源穴403が4個あ
いた構造になっている。
【0014】このようにして作製した配線構造を用い
て、カソード電極ストライプ401に走査信号を、ゲー
ト電極ストライプ402に画像信号をインプットするこ
とで電子源とゲート電極との間の電位差で電子の放出の
オン・オフを含めた電子の放出量を制御し、さらにカソ
ード電極ストライプ401と図3の蛍光表示板に設けた
アノード電極の間に、加速電圧を印加することにより、
画像を表示させることができた。また、本発明のゲート
構造により、ゲート電極と、ナノチューブ先端との距離
をμmオーダで制御できるため、非常に低いゲート動作
電圧を実現することができた。
【0015】図5は、本発明の第1の実施例の説明図で
あり、電子源について説明する図である。本発明では、
カソード電極501の上に、金属503をそのウォール
内部中空領域全体に含有したマルチウォールナノチュー
ブ502を含んだ樹脂ペーストを印刷し、その後樹脂成
分を熱処理により除去することにより、電子源を形成し
た。ここで、マルチウォールナノチューブ502に内包
される金属503は一種類の金属でも、合金でも良い。
また、マルチウォールナノチューブ502を構成する元
素は炭素のように単独の元素でも、窒化ボロンのように
複数の元素であっても良い。また、マルチウォールのウ
ォール数は、何層であっても良いが、できるだけ層数の
揃ったマルチウォールナノチューブを使用する方が、エ
ミッションの面内分布均一化の観点からは望ましい。図
5では、ナノチューブ先端はキャップがなく、内包金属
502が露出した構造になっているが、ナノチューブの
キャップがある場合も、電子源として用いることができ
る。
【0016】このように、金属を内包したマルチウォー
ルカーボンナノチューブを電子源として用いることによ
り、電子放出特性が大幅に改善し、1V/μm以下の電
界で10mA/cm以上の電流密度を実現できるた
め、10V以下のゲート動作電圧を実現することができ
た。
【0017】次に、マルチウォールナノチューブ502
とカソード電極501の電気的コンタクトについて説明
する。本実施例では、マルチウォールナノチューブ50
2とカソード電極501とが機械的に接触することによ
り、両者間の電気的コンタクトを確保することができ
る。コンタクト抵抗は、1〜500キロオームであっ
た。さらにコンタクト抵抗を低減するために、プラズマ
処理等によりマルチウォールナノチューブ502とカソ
ード電極501の界面に、マルチウォールナノチューブ
502の構成元素とカソード電極501の構成金属の化
合物を構成することが有効である。また、マルチウォー
ルナノチューブ502とカソード電極501の界面に金
属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方法も、
コンタクト抵抗を低減するために有効である。このよう
にして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現できたた
めに、10000個/平方センチメートル以上の電子放
出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実現する
ことが出来た。
【0018】なお、本実施例ではカソード電極ストライ
プ401およびゲート電極ストライプ402をともにA
gで形成したが、必要な電気伝導性を有するいかなる金
属を用いることも可能である。また、合金ペーストを用
いることも可能である。
【0019】さらに、カソード電極をスパッタ法等とフ
ォトリソグラフィープロセスにより作製することも可能
である。また、本実施例では、下地のカソード電極の上
に、マルチウォールナノチューブを含んだ樹脂ペースト
を印刷することにより、電子源を形成したが、カソード
電極材料となる金属ペーストとマルチウォールナノチュ
ーブを混ぜ合わせたペーストを印刷することにより、一
回の印刷で、電子源を形成することも可能である。
【0020】また、本実施例では絶縁膜405の膜厚を
30μm、電子源穴403の直径を30μmとしたが、
膜厚および直径を任意に設計することにより、所望の電
圧でゲート動作を行わせることができる。
【0021】図6は、本発明の第2の実施例の説明図で
ある。第2の実施例では、カソード電極601の上に、
金属603をそのウォール内部中空領域の一部に含有し
たマルチウォールナノチューブ602を含んだ樹脂ペー
ストを印刷し、その後樹脂成分を熱処理により除去する
ことにより、電子源を形成した点が、第1の実施例と異
なる。ここで、マルチウォールナノチューブ602に内
包される金属603は一種類の金属でも、合金でも良
い。また、マルチウォールナノチューブ602を構成す
る元素は炭素のように単独の元素でも、窒化ボロンのよ
うに複数の元素であっても良い。また、マルチウォール
のウォール数は、何層であっても良いが、できるだけ層
数の揃ったマルチウォールナノチューブを使用する方
が、エミッションの面内分布均一化の観点からは望まし
い。図6では、ナノチューブ先端はキャップがなく、内
包金属602が露出した構造になっているが、ナノチュ
ーブのキャップがある場合も、電子源として用いること
ができる。
【0022】このように、金属を内包したマルチウォー
ルカーボンナノチューブを電子源として用いることによ
り、電子放出特性が大幅に改善し、1V/μm以下の電
界で10mA/cm以上の電流密度を実現できるた
め、10V以下のゲート動作電圧を実現することができ
た。
【0023】次に、マルチウォールナノチューブ602
とカソード電極601の電気的コンタクトについて説明
する。本実施例では、マルチウォールナノチューブ60
2とカソード電極601とが機械的に接触することによ
り、両者間の電気的コンタクトを確保することができ
る。コンタクト抵抗は、1〜500キロオームであっ
た。さらにコンタクト抵抗を低減するために、プラズマ
処理等によりマルチウォールナノチューブ602とカソ
ード電極601の界面に、マルチウォールナノチューブ
602の構成元素とカソード電極601の構成金属の化
合物を構成することが有効である。また、マルチウォー
ルナノチューブ602とカソード電極601の界面に金
属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方法も、
コンタクト抵抗を低減するために有効である。このよう
にして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現できたた
めに、10000個/平方センチメートル以上の電子放
出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実現する
ことが出来た。
【0024】なお、本実施例では第1の実施例と同様
に、カソード電極ストライプおよびゲート電極ストライ
プをともにAgで形成したが、必要な電気伝導性を有す
るいかなる金属を用いることも可能である。また、合金
ペーストを用いることも可能である。
【0025】さらに、カソード電極を、スパッタ法等と
フォトリソグラフィープロセスにより作製することも可
能である。また、本実施例では、下地のカソード電極の
上に、マルチウォールナノチューブを含んだ樹脂ペース
トを印刷することにより、電子源を形成したが、カソー
ド電極材料となる金属ペーストとマルチウォールナノチ
ューブを混ぜ合わせたペーストを印刷することにより、
一回の印刷で、電子源を形成することも可能である。
【0026】また、本実施例では第1の実施例と同様
に、絶縁膜の膜厚を30μm、電子源穴の直径を30μ
mとしたが、膜厚および直径を任意に設計することによ
り、所望の電圧でゲート動作を行わせることができる。
【0027】図7は、本発明の第3の実施例の説明図で
ある。第3の実施例では、カソード電極701の上に、
金属703をそのウォール内部中空領域全体に含有した
シングルウォールナノチューブ702を含んだ樹脂ペー
ストを印刷し、その後樹脂成分を熱処理により除去する
ことにより、電子源を形成した点が、第1の実施例と異
なる。ここで、シングルウォールナノチューブ702に
内包される金属703は一種類の金属でも、合金でも良
い。また、シングルウォールナノチューブ702を構成
する元素は炭素のように単独の元素でも、窒化ボロンの
ように複数の元素であっても良い。図7では、ナノチュ
ーブ先端はキャップがなく、内包金属702が露出した
構造になっているが、ナノチューブのキャップがある場
合も、電子源として用いることができる。
【0028】このように、金属を内包したシングルウォ
ールカーボンナノチューブを電子源として用いることに
より、電子放出特性が大幅に改善し、1V/μm以下の
電界で10mA/cm以上の電流密度を実現できるた
め、10V以下のゲート動作電圧を実現することができ
た。
【0029】次に、シングルウォールナノチューブ70
2とカソード電極701の電気的コンタクトについて説
明する。本実施例では、シングルウォールナノチューブ
702とカソード電極701とが機械的に接触すること
により、両者間の電気的コンタクトを確保することがで
きる。コンタクト抵抗は、1〜500キロオームであっ
た。さらにコンタクト抵抗を低減するために、プラズマ
処理等によりシングルウォールナノチューブ702とカ
ソード電極701の界面に、シングルウォールナノチュ
ーブ702の構成元素とカソード電極701の構成金属
の化合物を構成することが有効である。また、シングル
ウォールナノチューブ702とカソード電極701の界
面に金属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方
法も、コンタクト抵抗を低減するために有効である。こ
のようにして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現で
きたために、10000個/平方センチメートル以上の
電子放出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実
現することが出来た。
【0030】なお、本実施例では第1の実施例と同様
に、カソード電極ストライプおよびゲート電極ストライ
プをともにAgで形成したが、必要な電気伝導性を有す
るいかなる金属を用いることも可能である。また、合金
ペーストを用いることも可能である。
【0031】さらに、カソード電極をスパッタ法等とフ
ォトリソグラフィープロセスにより作製することも可能
である。また、本実施例では、下地のカソード電極の上
に、シングルウォールナノチューブを含んだ樹脂ペース
トを印刷することにより、電子源を形成したが、カソー
ド電極材料となる金属ペーストとシングルウォールナノ
チューブを混ぜ合わせたペーストを印刷することによ
り、一回の印刷で、電子源を形成することも可能であ
る。
【0032】また、本実施例では第1の実施例と同様
に、絶縁膜の膜厚を30μm、電子源穴の直径を30μ
mとしたが、膜厚および直径を任意に設計することによ
り、所望の電圧でゲート動作を行わせることができる。
【0033】図8は、本発明の第4の実施例の説明図で
ある。第4の実施例では、カソード電極801の上に、
金属803をそのウォール内部中空領域の一部に含有し
たシングルウォールナノチューブ802を含んだ樹脂ペ
ーストを印刷し、その後樹脂成分を熱処理により除去す
ることにより、電子源を形成した点が、第1の実施例と
異なる。ここで、シングルウォールナノチューブ802
に内包される金属803は一種類の金属でも、合金でも
良い。また、シングルウォールナノチューブ802を構
成する元素は炭素のように単独の元素でも、窒化ボロン
のように複数の元素であっても良い。図8では、ナノチ
ューブ先端はキャップがなく、内包金属802が露出し
た構造になっているが、ナノチューブのキャップがある
場合も、電子源として用いることができる。
【0034】このように、金属を内包したシングルウォ
ールカーボンナノチューブを電子源として用いることに
より、電子放出特性が大幅に改善し、1V/μm以下の
電界で10mA/cm以上の電流密度を実現できるた
め、10V以下のゲート動作電圧を実現することができ
た。
【0035】次に、シングルウォールナノチューブ80
2とカソード電極801の電気的コンタクトについて説
明する。本実施例では、シングルウォールナノチューブ
802とカソード電極801とが機械的に接触すること
により、両者間の電気的コンタクトを確保することがで
きる。コンタクト抵抗は、1〜500キロオームであっ
た。さらにコンタクト抵抗を低減するために、プラズマ
処理等によりシングルウォールナノチューブ802とカ
ソード電極801の界面に、シングルウォールナノチュ
ーブ802の構成元素とカソード電極801の構成金属
の化合物を構成することが有効である。また、シングル
ウォールナノチューブ802とカソード電極801の界
面に金属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方
法も、コンタクト抵抗を低減するために有効である。こ
のようにして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現で
きたために、10000個/平方センチメートル以上の
電子放出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実
現することが出来た。
【0036】なお、本実施例では第1の実施例と同様
に、カソード電極ストライプおよびゲート電極ストライ
プをともにAgで形成したが、必要な電気伝導性を有す
るいかなる金属を用いることも可能である。また、合金
ペーストを用いることも可能である。
【0037】さらに、カソード電極をスパッタ法等とフ
ォトリソグラフィープロセスにより作製することも可能
である。また、本実施例では、下地のカソード電極の上
に、シングルウォールナノチューブを含んだ樹脂ペース
トを印刷することにより、電子源を形成したが、カソー
ド電極材料となる金属ペーストとシングルウォールナノ
チューブを混ぜ合わせたペーストを印刷することによ
り、一回の印刷で、電子源を形成することも可能であ
る。
【0038】また、本実施例では第1の実施例と同様
に、絶縁膜の膜厚を30μm、電子源穴の直径を30μ
mとしたが、膜厚および直径を任意に設計することによ
り、所望の電圧でゲート動作を行わせることができる。
【0039】図9は、本発明の第5の実施例の説明図で
ある。第5の実施例では、ガラス基板表面に、印刷法に
よりAg電極を形成し、550℃で焼成後、金属903
をそのウォール内部中空領域全体に含有したマルチウォ
ールナノチューブ構造を有する物質を含有した樹脂ペー
ストをスクリーン印刷することにより、カソード電極ス
トライプ901の上にナノチューブを配した後、磁場を
印加することにより、ナノチューブの軸方向を基板に対
してほぼ垂直方向に配向させた点が、第1の実施例と異
なる。ナノチューブを基板に対して、ほぼ垂直に配向さ
せた後、550℃で焼成することにより、樹脂ペースト
に含有されている樹脂分を除去した。また、磁場を印加
しながら焼成することも可能である。これ以外の電子源
板上の構造は第1の実施例と全く同様である。ナノチュ
ーブ内部に内包される金属903としては磁性体が好ま
しく、強磁性体である方がさらにに好ましい。
【0040】このようにして作製した配線構造を用い
て、カソード電極ストライプに走査信号を、ゲート電極
ストライプ構造に画像信号をインプットし、さらにカソ
ード電極ストライプと図3の蛍光表示板に設けたアノー
ド電極の間に、加速電圧を印加することにより、画像を
表示させることができた。また、本実施例のゲート構造
により、ゲート電極とナノチューブ先端との距離をμm
オーダで制御できるため、非常に低いゲート動作電圧を
実現することができた。
【0041】次に本実施例で用いたナノチューブについ
て説明する。本実施例では、金属903をその内部中空
領域全体に含有したマルチウォールナノチューブ902
を電子源として用いた。ここで、マルチウォールナノチ
ューブ902に内包される金属903は一種類の金属で
も、合金でも良い。また、マルチウォールナノチューブ
902を構成する元素は炭素のように単独の元素でも、
窒化ボロンのように複数の元素であっても良い。また、
マルチウォールのウォール数は、何層であっても良い
が、できるだけ層数の揃ったマルチウォールナノチュー
ブを使用する方が、エミッションの面内分布均一化の観
点からは望ましい。図9では、ナノチューブ先端はキャ
ップがなく、内包金属902が露出した構造になってい
るが、ナノチューブのキャップがある場合も、電子源と
して用いることができる。
【0042】このように、金属を内包したマルチウォー
ルカーボンナノチューブを電子源として用い、さらに基
板に垂直方向に配向させることにより、電子放出特性が
大幅に改善し、0.5V/μm以下の電界で10mA/
cm以上の電流密度を実現できるため、5V以下のゲ
ート動作電圧を実現することができた。
【0043】次に、マルチウォールナノチューブ902
とカソード電極901の電気的コンタクトについて説明
する。本実施例では、マルチウォールナノチューブ90
2とカソード電極901とが機械的に接触することによ
り、両者間の電気的コンタクトを確保することができ
る。コンタクト抵抗は、1〜500キロオームであっ
た。さらにコンタクト抵抗を低減するために、プラズマ
処理等によりマルチウォールナノチューブ902とカソ
ード電極901の界面に、マルチウォールナノチューブ
902の構成元素とカソード電極901の構成金属の化
合物を構成することが有効である。また、マルチウォー
ルナノチューブ902とカソード電極901の界面に金
属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方法も、
コンタクト抵抗を低減するために有効である。このよう
にして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現できたた
めに、10000個/平方センチメートル以上の電子放
出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実現する
ことが出来た。
【0044】なお、本実施例では、電子源として金属9
03をその内部中空領域全体に含有したマルチウォール
ナノチューブ902を用いたが、第2の実施例と同様
に、金属をその内部中空領域の一部に含有したマルチウ
ォールナノチューブ、第3の実施例と同様に、金属をそ
の内部中空領域全体に含有したシングルウォールナノチ
ューブ、あるいは第4の実施例と同様に、金属をその内
部中空領域の一部に含有したシングルウォールナノチュ
ーブを電子源として用いることができる。
【0045】なお、本実施例では第1の実施例と同様
に、カソード電極ストライプおよびゲート電極ストライ
プをともにAgで形成したが、必要な電気伝導性を有す
るいかなる金属を用いることも可能である。また、合金
ペーストを用いることも可能である。
【0046】さらに、カソード電極を、スパッタ法等と
フォトリソグラフィープロセスにより作製することも可
能である。また、本実施例では、下地のカソード電極の
上に、マルチウォールナノチューブを含んだ樹脂ペース
トを印刷することにより、電子源を形成したが、カソー
ド電極材料となる金属ペーストとマルチウォールナノチ
ューブを混ぜ合わせたペーストを印刷することにより、
一回の印刷で、電子源を形成することも可能である。
【0047】また、本実施例では第1の実施例と同様
に、絶縁膜の膜厚を30μm、電子源穴の直径を30μ
mとしたが、膜厚および直径を任意に設計することによ
り、所望の電圧でゲート動作を行わせることができる。
【0048】図10は、本発明の第6の実施例の説明図
であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’に
おける断面図、(c)は(a)のB−B’における断面
図である。まず、ガラス基板表面に、スパッタ法によ
り、厚さが500nmの鉄−ニッケル−クロム合金薄膜
を形成する。次にホトリソグラフィーとウエットエッチ
ングにより、幅が300μm、間隔が60μmのカソー
ド電極ストライプ1001を600本形成する。次にプ
ラズマ気相化学成長法等の気相成長法により、1μm厚
のガラス絶縁層1005を形成する。次にスパッタ法に
より、ガラス絶縁層1005の上に厚さが500nmの
アルミニウム薄膜を形成する。次に、ホトリソグラフィ
ーとウエットエッチングにより、幅が90μm、間隔が
30μmのゲート電極ストライプ1002を2400本
形成する。さらにホトリソグラフィーとウエットエッチ
ングにより、カソード電極ストライプ1001とゲート
電極ストライプ1002の交差部分に直径2μmの電子
源穴1003を1000個形成する。図10には、代表
して4個の電子源穴を描いている。次にプラズマ気相化
学成長法等の気相成長法により、この電子源穴1003
にナノチューブを選択的に成長し、電子源とした。
【0049】このようにして作製した配線構造を用い
て、カソード電極ストライプ1001に走査信号を、ゲ
ート電極ストライプ構造1002に画像信号をインプッ
トし、さらにカソード電極ストライプ1001と図3の
蛍光表示板に設けたアノード電極の間に、加速電圧を印
加することにより、画像を表示させることができた。
【0050】なお、本実施例ではカソード電極ストライ
プ1001に、鉄−ニッケル−クロム合金薄膜を用いた
が、ナノチューブの選択成長が可能ないかなる金属およ
び合金を使用しても良い。また、ゲート電極ストライプ
1002にアルミニウムを用いたが、必要な電気伝導性
を有するいかなる金属を用いることも可能である。ま
た、本発明では、絶縁膜1005の膜厚を1μm、電子
源穴1003の直径を2μmとしたが、膜厚および直径
を任意に設計することにより、所望の電圧でゲート動作
を行わせることができる。
【0051】また、ナノチューブとして、第1の実施例
と同様に、金属をその内部中空領域全体に含有したマル
チウォールナノチューブ、第2の実施例と同様に、金属
をその内部中空領域の一部に含有したマルチウォールナ
ノチューブ、第3の実施例と同様に、金属をその内部中
空領域全体に含有したシングルウォールナノチューブ、
あるいは第4の実施例と同様に、金属をその内部中空領
域の一部に含有したシングルウォールナノチューブを電
子源として用いることができる。
【0052】図11は、本発明の第7の実施例の説明図
であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’に
おける断面図、(c)は(a)のB−B’における断面
図である。まず、ガラス基板表面に、スパッタ法により
厚さが500nmのアルミニウム薄膜を形成する。次に
ホトリソグラフィーとウエットエッチングにより、幅が
300μm、間隔が60μmのカソード電極ストライプ
1101を600本形成する。次にプラズマ気相化学成
長法等の気相成長法により、1μm厚のガラス絶縁層1
105を形成する。次にスパッタ法により、ガラス絶縁
層1105の上に厚さが500nmのアルミニウム薄膜
を形成する。次に、ホトリソグラフィーとウエットエッ
チングにより、幅が90μm、間隔が30μmのゲート
電極ストライプ1102を2400本形成する。さらに
ホトリソグラフィーとウエットエッチングにより、カソ
ード電極ストライプ1101とゲート電極ストライプ1
102の交差部分に直径2μmの電子源穴1103を1
000個形成する。図11には、代表して4個の電子源
穴が描いてある。インクジェット法等を用いて、この電
子源穴1103に選択的にナノチューブを含有したイン
クを塗布し、その後熱処理することにより、ナノチュー
ブ層1106を形成し、電子源とした。
【0053】また、ナノチューブとして、第1の実施例
と同様に、金属をその内部中空領域全体に含有したマル
チウォールナノチューブ、第2の実施例と同様に、金属
をその内部中空領域の一部に含有したマルチウォールナ
ノチューブ、第3の実施例と同様に、金属をその内部中
空領域全体に含有したシングルウォールナノチューブ、
あるいは第4の実施例と同様に、金属をその内部中空領
域の一部に含有したシングルウォールナノチューブを電
子源として用いることができる。
【0054】次にナノチューブとカソード電極1101
の電気的コンタクトについて説明する。本実施例では、
ナノチューブとカソード電極1101とが機械的に接触
することにより、両者間の電気的コンタクトを確保する
ことができる。コンタクト抵抗は、1〜500キロオー
ムであった。さらにコンタクト抵抗を低減するために、
プラズマ処理等によりナノチューブとカソード電極11
01の界面に、ナノチューブの構成元素とカソード電極
1101の構成金属の化合物を構成することが有効であ
る。また、ナノチューブとカソード電極1101の界面
に金属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方法
も、コンタクト抵抗を低減するために有効である。この
ようにして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現でき
たために、10000個/平方センチメートル以上の電
子放出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実現
することが出来た。
【0055】このようにして作製した配線構造を用い
て、カソード電極ストライプ1101に走査信号を、ゲ
ート電極ストライプ構造1102に画像信号をインプッ
トし、さらにカソード電極ストライプ1101と図3の
蛍光表示板に設けたアノード電極の間に、加速電圧を印
加することにより、画像を表示させることができた。
【0056】なお、本実施例ではカソード電極ストライ
プ1101およびゲート電極ストライプ1102にアル
ミニウムを用いたが、必要な電気伝導性を有するいかな
る金属を用いることも可能である。また、本発明では、
絶縁膜1105の膜厚を1μm、電子源穴1103の直
径を2μmとしたが、膜厚および直径を任意に設計する
ことにより、所望の電圧でゲート動作を行わせることが
できる。
【0057】図12は、本発明の第8の実施例の説明図
であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’に
おける断面図、(c)は(a)のB−B’における断面
図である。第8の実施例では、カソード電極が二層構造
になっている点が、第1の実施例と異なる。すなわち、
まず、金属ペーストを印刷し焼成することにより、金属
ペーストカソード電極1201を形成した後、その上に
金属薄膜を形成し、金属薄膜カソード電極1206を形
成する。金属薄膜カソード電極1206は、金属薄膜を
スパッタあるいは蒸着によりベタに形成した後、フォト
リソグラフィープロセスにより不要な部分をエッチング
除去することにより形成することができる。あるいは、
金属マスクを用いたスパッタ法により、直接形成するこ
ともできる。金属ペーストだけでは、ペーストに含まれ
ているガラス成分のために、金属ペーストとナノチュー
ブとの電気コンタクトが阻害されるおそれがあるため
に、金属ペーストカソード電極1201上に、金属薄膜
カソード電極1206を形成した。ナノチューブ層12
04は、金属薄膜カソード電極1206と機械的に接触
することにより、両者間の電気的コンタクトを確保する
ことができる。コンタクト抵抗は、1〜500キロオー
ムであった。さらにコンタクト抵抗を低減するために、
プラズマ処理等によりナノチューブとカソード電極12
06の界面に、ナノチューブの構成元素とカソード電極
1206の構成金属の化合物を構成することが有効であ
る。また、ナノチューブとカソード電極1206の界面
に金属コロイド等の微細な電気伝導物質を配置する方法
も、コンタクト抵抗を低減するために有効である。この
ようにして、面内で均一な低コンタクト抵抗が実現でき
たために、10000個/平方センチメートル以上の電
子放出ポイント密度を有する均一な電子放出特性を実現
することが出来た。
【0058】また、ナノチューブとして、第1の実施例
と同様に、金属をその内部中空領域全体に含有したマル
チウォールナノチューブ、第2の実施例と同様に、金属
をその内部中空領域の一部に含有したマルチウォールナ
ノチューブ、第3の実施例と同様に、金属をその内部中
空領域全体に含有したシングルウォールナノチューブ、
あるいは第4の実施例と同様に、金属をその内部中空領
域の一部に含有したシングルウォールナノチューブを電
子源として用いることができる。
【0059】図13は、本発明の第9の実施例の説明図
である。電子源板1310の表面にスパッタ法により、
アルミニウム薄膜を形成し、通常のフォトレジストプロ
セスにより、カソード電極1301を形成する。カソー
ド電極1301のパターン形状は、任意に選択すること
ができる。次にナノチューブ層1303を形成後、磁場
を印加することにより、ナノチューブを基板に対してほ
ぼ垂直方向に配向させる。次に、メッシュ状のゲート電
極を図のように、ナノチューブの先端から10ミクロン
離して配することにより、ゲート電極1302を形成す
る。そして電子源板1310、ゲート電極1302、さ
らに蛍光表示板1311を、図13のように容器131
2の中に配し、容器内部を排気して封じることにより、
蛍光表示管を形成する。
【0060】このようにして形成した、カソード電極1
301とゲート電極1302の間に、ゲート電極130
2がプラスになるように、電圧を印加することにより、
ナノチューブから、30mA/cm以上のエミッショ
ン電流を取り出すことができた。また、このエミッショ
ン電流を、蛍光表示板1311に設けたアノード電極に
プラスの電圧を印加して加速することにより、1000
0cd/m以上の輝度の蛍光表示管を得ることができ
た。
【0061】また、本実施例ではアノード電極あるいは
ゲート電極を電気的に複数の領域に分割することによ
り、蛍光表示板を部分的に発光させることもできる。
【0062】なお、本実施例ではカソード電極材料とし
てアルミニウムを用いたが、必要な電気伝導性を有する
いかなる金属を用いることができる。
【0063】また、電子源の形成方法として、下地カソ
ード電極上への印刷、インクジェット法等による塗布、
有機金属気相成長法等による選択成長など、実施例1〜
8に記載したいかなる方法も利用可能である。
【0064】また、ナノチューブ層と下地のカソード電
極との電気コンタクトは、機械的に接触することによ
り、確保することができる。コンタクト抵抗は、1〜5
00キロオームである。さらにコンタクト抵抗を低減す
るために、プラズマ処理等によりナノチューブとカソー
ド電極の界面に、ナノチューブの構成元素とカソード電
極の構成金属の化合物を構成することが有効である。ま
た、ナノチューブとカソード電極の界面に金属コロイド
等の微細な電気伝導物質を配置する方法も、コンタクト
抵抗を低減するために有効である。このようにして、面
内で均一な低コンタクト抵抗が実現できたために、10
000個/平方センチメートル以上の電子放出ポイント
密度を有する均一な電子放出特性を実現することが出来
た。
【0065】また、ナノチューブとして、第1の実施例
と同様に、金属をその内部中空領域全体に含有したマル
チウォールナノチューブ、第2の実施例と同様に、金属
をその内部中空領域の一部に含有したマルチウォールナ
ノチューブ、第3の実施例と同様に、金属をその内部中
空領域全体に含有したシングルウォールナノチューブ、
あるいは第4の実施例と同様に、金属をその内部中空領
域の一部に含有したシングルウォールナノチューブを電
子源として用いることができる。
【0066】図14は、本発明の第10の実施例の説明
図である。電子源板1410の上に、スパッタ法により
膜厚500nmのアルミニウム薄膜を形成する。次に、
通常のフォトレジストプロセスによりアルミニウム薄膜
をパターンニングすることにより、カソード電極140
1を形成する。次にプラズマ気相化学成長法等の気相成
長法により、1μm厚のガラス絶縁層1403を形成す
る。次にスパッタ法により、ガラス絶縁層1403の上
に厚さが500nmのアルミニウム薄膜を形成する。次
に、ホトリソグラフィーとウエットエッチングにより、
ゲート電極1402を形成する。さらにホトリソグラフ
ィーとウエットエッチングにより、直径2μmの電子源
穴1404を1000個形成する。次に、インクジェッ
ト法等を用いて、この電子源穴1404に選択的にナノ
チューブを含有したインクを塗布し、その後熱処理する
ことにより、ナノチューブ層1405を形成し、電子源
とした。そして電子源板1410および蛍光表示板14
11を、図のように容器1412の中に配し、容器内部
を排気して封じることにより、蛍光表示管が完成する。
【0067】このようにして形成した、カソード電極1
401とゲート電極1402の間に、ゲート電極140
2がプラスになるように、電圧を印加することにより、
ナノチューブから、30mA/cm以上のエミッショ
ン電流を取り出すことができた。また、このエミッショ
ン電流を、蛍光表示板1411に設けたアノード電極に
プラスの電圧を印加して加速することにより、1000
0cd/m以上の輝度の蛍光表示管を得ることができ
た。
【0068】なお、本実施例では、アノード電極あるい
はゲート電極を電気的に複数の領域に分割することによ
り、蛍光表示板を部分的に発光させることもできる。ま
た穴の形状および個数は、任意に選択することができ
る。
【0069】なお、本実施例ではカソード電極およびゲ
ート電極材料としてアルミニウムを用いたが、必要な電
気伝導性を有するいかなる金属を用いることができる。
【0070】また、電子源の形成方法として、下地カソ
ード電極上への印刷、インクジェット法等による塗布、
有機金属気相成長法等による選択成長など、実施例1〜
8に記載したいかなる方法も利用可能である。
【0071】また、ナノチューブ層と下地のカソード電
極との電気コンタクトは、機械的に接触することによ
り、確保することができる。コンタクト抵抗は、1〜5
00キロオームである。さらにコンタクト抵抗を低減す
るために、プラズマ処理等によりナノチューブとカソー
ド電極の界面に、ナノチューブの構成元素とカソード電
極の構成金属の化合物を構成することが有効である。ま
た、ナノチューブとカソード電極の界面に金属コロイド
等の微細な電気伝導物質を配置する方法も、コンタクト
抵抗を低減するために有効である。このようにして、面
内で均一な低コンタクト抵抗が実現できたために、10
000個/平方センチメートル以上の電子放出ポイント
密度を有する均一な電子放出特性を実現することが出来
た。
【0072】また、ナノチューブとして、第1の実施例
と同様に、金属をその内部中空領域全体に含有したマル
チウォールナノチューブ、第2の実施例と同様に、金属
をその内部中空領域の一部に含有したマルチウォールナ
ノチューブ、第3の実施例と同様に、金属をその内部中
空領域全体に含有したシングルウォールナノチューブ、
あるいは第4の実施例と同様に、金属をその内部中空領
域の一部に含有したシングルウォールナノチューブを電
子源として用いることができる。
【0073】以上で説明した各実施例において、基板に
対してほぼ垂直方向に金属を内包したナノチューブを配
向させた方が低電界で高い電流密度を実現できるので好
ましいが、金属を内包したナノチューブの先端は他のナ
ノチューブよりも1μm以上離すようにしてもナノチュ
ーブ先端へ電界を集中させることができ、低電界で高い
電流密度を実現できるので好ましい。
【0074】また、金属を内包したナノチューブから電
子を放出させる際に、ゲート電極を設けずにアノードに
よって電界を印加する構成としても良いが、金属を内包
したナノチューブに対して近傍にゲート電極を設けて電
界を印加した方が低電圧で電子を放出させることができ
るので好ましい。
【0075】
【発明の効果】本発明により、非常に低電界で高密度の
電子放出を実現することができるため、それを電子源と
して用いることにより低消費電力の自発光型平面表示装
置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の全体構成を説明する斜視図
である。
【図2】電子源板の構造を説明する平面図である。
【図3】蛍光表示板の構造を説明する平面図である。
【図4】電子源板上の詳細構造の説明図であり、(a)
は上面図、(b)は(a)のA−A’における断面図、
(c)は(a)のB−B’における断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の説明図であり、電子源
について説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施例の説明図である。
【図7】本発明の第3の実施例の説明図である。
【図8】本発明の第4の実施例の説明図である。
【図9】本発明の第5の実施例の説明図である。
【図10】本発明の第6の実施例の説明図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’における断
面図、(c)は(a)のB−B’における断面図であ
る。
【図11】本発明の第7の実施例の説明図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’における断
面図、(c)は(a)のB−B’における断面図であ
る。
【図12】本発明の第8の実施例の説明図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’における断
面図、(c)は(a)のB−B’における断面図であ
る。
【図13】本発明の第9の実施例の説明図である。
【図14】本発明の第10の実施例の説明図である。
【符号の説明】
501…カソード電極 502…マルチウォールナノチューブ 503…金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢口 富雄 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 林 伸明 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 4G046 CA00 CB09 CC05 5C031 DD17 DD19 5C036 EE01 EE14 EF01 EF06 EF09 EG12 EH04 EH26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子源が設けられた電子源板と、蛍光体が
    塗布された表示板とを備え、前記電子源板と表示板との
    間の空間が真空雰囲気とされる表示装置であって、該電
    子源板に形成された電極内部あるいは表面上に、金属を
    そのウォールで囲まれた内部に含有したナノチューブを
    配置することにより前記電子源を形成したことを特徴と
    する表示装置。
  2. 【請求項2】前記ナノチューブはシングルウォールある
    いはマルチウォールのナノチューブであり、また前記ナ
    ノチューブ内部に含有される金属は、ナノチューブのウ
    ォールで囲まれた内部の全体あるいは一部分に存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 【請求項3】前記ナノチューブ内部に含有される金属は
    磁性体であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の表示装置。
  4. 【請求項4】前記ナノチューブはカーボンナノチューブ
    または窒化ボロンナノチューブであることを特徴とする
    請求項1から3の何れかに記載の表示装置。
  5. 【請求項5】電子源が設けられた電子源板と、蛍光体が
    塗布された表示板とを備え、前記電子源板と表示板との
    間の空間が真空雰囲気とされる表示装置の製造方法であ
    って、金属をそのウォールで囲まれた内部に含有したナ
    ノチューブを電極上に気相成長する方法、金属をそのウ
    ォールで囲まれた内部に含有したナノチューブを含んだ
    印刷ペーストを基板上又は下地電極上に印刷する方法、
    あるいは金属をそのウォールで囲まれた内部に含有した
    ナノチューブを含んだ溶液を電極上に塗布する方法によ
    り、前記電子源を形成することを特徴とする表示装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】磁場を印加することにより、前記金属をそ
    の内部に含有したナノチューブを基板に対してほぼ垂直
    方向に配向させることを特徴とする請求項5に記載の表
    示装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011008975A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Kyodo Printing Co Ltd 色素増感太陽電池用電極及びその製造方法ならびに色素増感太陽電池セル
WO2014021257A1 (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 国立大学法人信州大学 グラフェンとカーボンナノチューブからなる複合フィルムの製造方法

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