JP2003004701A - 電気泳動用マイクロプレート - Google Patents

電気泳動用マイクロプレート

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JP2003004701A
JP2003004701A JP2001190873A JP2001190873A JP2003004701A JP 2003004701 A JP2003004701 A JP 2003004701A JP 2001190873 A JP2001190873 A JP 2001190873A JP 2001190873 A JP2001190873 A JP 2001190873A JP 2003004701 A JP2003004701 A JP 2003004701A
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reaction
well
channel
microplate
electrophoresis
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JP2001190873A
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Hidemi Yoshida
秀美 吉田
Yusuke Miyazaki
祐輔 宮崎
Masayoshi Kodama
正吉 児玉
Hiroaki Machida
浩昭 町田
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Hitachi High Tech Corp
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Hitachi Electronics Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲル泳動媒体と接触することなくPCR増幅
反応を行うことができ、DNAサンプルやPCR反応試
薬類の蒸発を防止することができ、特別な加熱ヒータ装
置を必要としない新規なDNAサンプル分析用マイクロ
プレートを提供する。 【解決手段】 一方の端部にグランド側泳動媒体用ウエ
ルを有し、他方の端部に高電圧側泳動媒体用ウエルを有
する分離用チャネルと、一方の端部に高電圧側泳動媒体
用ウエルを有し、前記分離用チャネルと交差する導入用
チャネルとを基板中に有する電気泳動用マイクロプレー
トにおいて、前記導入用チャネルの他方の端部はバッフ
ァ用ウエルを有し、該バッファ用ウエルと連通する反応
チャネルを更に有し、該反応チャネルの他方の端部には
PCR増幅反応用反応液注入用ウエルが設けられてお
り、該反応液注入用ウエルと被分析サンプル注入用ウエ
ルとの間の反応チャネルの中間にPCR増幅反応用反応
ポットが設けられていることを特徴とする電気泳動用マ
イクロプレート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロプレートと
呼ばれるような超小型電気泳動部材に関する。更に詳細
には、本発明は、プレート上で、遺伝子断片などのよう
なDNAサンプルをPCR法により増幅する機能を有
し、プレート上で生成されたDNA断片又は遺伝子断片
などの被分析サンプルを同時に電気泳動分析することが
できる電気泳動用マイクロプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】DNA等の塩基配列を決定する方法とし
て、ゲル電気泳動法が広く実施されている。電気泳動す
る際に、従来は試料をラジオアイソトープでラベルし、
分析していたが、この方法では手間と時間がかかる難点
があった。更に、放射能管理の点から常に最大限の安全
性と管理が求められ、特別な施設内でなければ分析を行
うことができない。このため、最近では、試料を蛍光体
でラベルする方式が検討されている。
【0003】光を用いる方法では、蛍光ラベルしたDN
A断片をゲル中を泳動させるが、泳動開始部から、15
〜20cm下方に各泳動路毎に光励起部と光検出器を設
けておき、ここを通過するDNA断片を順に計測する。
例えば、配列を決定しようとするDNA鎖を鋳型として
酵素反応(ダイデオキシ法)による操作で末端塩基種が
わかった種々の長さのDNAを複製し、これらに蛍光体
を標識する。つまり、蛍光体で標識されたアデニン
(A)断片群,シトシン(C)断片群,グアニン(G)
断片群およびチミン(T)断片群を得る。これらの断片
群を混合して電気泳動用ゲルの別々の泳動レーン溝に注
入し、電圧を印加する。DNAは負の電荷を持つ鎖状の
重合体高分子のため、ゲル中を分子量に反比例した速度
で移動する。短い(分子量の小さい)DNA鎖ほど早
く、長い(分子量の大きい)DNA鎖ほどゆっくりと移
動するので、分子量によりDNAを分画できる。
【0004】特開昭63−21556号公報には、レー
ザで照射される電気泳動装置のゲル上のラインと光ダイ
オードアレイの配列方向が電気泳動装置内のDNA断片
の泳動方向と直角となるように構成されたDNA塩基配
列決定装置が開示されている。この装置では、一対のガ
ラス板の間にポリアクリルアミドなどのゲル電解質を充
填し、ゲル電気泳動層を形成した後、該ゲル電気泳動層
の一端にDNAサンプルを注入し、ゲル電気泳動層の両
端をバッファ液に浸漬させながら、その両端に電圧を印
加してDNAサンプルを電気泳動させることによりゲル
電解質層上にDNA断片を展開する。光を用いる方法で
は、蛍光ラベルしたDNA断片をゲル中を泳動させる
が、泳動開始部から、15〜20cm下方に各泳動路毎
に光励起部と光検出器を設けておき、ここを通過するD
NA断片を順に計測する。例えば、配列を決定しようと
するDNA鎖を鋳型として酵素反応(ダイデオキシ法)
による操作で末端塩基種がわかった種々の長さのDNA
を複製し、これらに蛍光体を標識する。つまり、蛍光体
で標識されたアデニン(A)断片群,シトシン(C)断
片群,グアニン(G)断片群およびチミン(T)断片群
を得る。これらの断片群を混合して電気泳動用ゲルの別
々の泳動レーン溝に注入し、電圧を印加する。DNAは
負の電荷を持つ鎖状の重合体高分子のため、ゲル中を分
子量に反比例した速度で移動する。短い(分子量の小さ
い)DNA鎖ほど早く、長い(分子量の大きい)DNA
鎖ほどゆっくりと移動するので、分子量によりDNAを
分画できる。
【0005】しかし、このような装置では一度に多量の
サンプルを取り扱うことができるという利点があるもの
の、泳動作業に数十時間も要し、DNA診断などのよう
な迅速な分析を必要とするような要望には答えることが
できなかった。
【0006】このような迅速分析という要求に応えるた
めに、図7に示されるようなマイクロプレートと呼ばれ
る超小型DNA電気泳動部材が試作されている。従来の
マイクロプレート90は、ガラス又は合成樹脂(例え
ば、アクリル樹脂)などの透明基板100に分離用チャ
ネル102と、この分離用チャネル102と直交する導
入用チャネル104を有する。分離用チャネル102の
両端にはグランド側泳動媒体用ウエル106と高電圧側
泳動媒体用ウエル108が配設されている。また、導入
用チャネル104の一方の端部にはグランド側のDNA
サンプル用ウエル110と高電圧側泳動媒体用ウエル1
12が配設されている。
【0007】図8は図7における−線に沿った断面図で
ある。図示されているように、透明基板100を貫通す
るように泳動媒体用ウエル106及び108が設けら
れ、この基板100の下面側に、泳動媒体用ウエル10
6及び108に連通する分離用チャネル102が配設さ
れている。基板100の下面側に透明又は不透明な素材
(例えば、合成樹脂フィルム)からなる遮蔽シート11
4が接着されている。この遮蔽シート114の存在によ
り、ウエル及び溝内に泳動媒体及びDNAサンプルなど
を注入することができる。
【0008】図9は図7に示されたマイクロプレートの
使用方法を示す模式図である。先ず、ステップ(1)
で、分離用チャネル102の高電圧側泳動媒体用ウエル
108に電気泳動用の分離用泳動路となるべき泳動媒体
(例えば、ゲル電解質)を分注する。次いで、ステップ
(2)において、このウエル108から静かに圧力をか
けて、分離用チャネル102及び導入用チャネル104
に泳動媒体を充填させる。次いで、ステップ(3)にお
いて、ウエル106とウエル112に泳動媒体を分注す
る。次いで、ステップ(4)において、ウエル110に
DNAサンプル(遺伝子断片)を分注する。その後、ス
テップ(5)において、導入用チャネル104のウエル
110をグランド側とし、ウエル112を高電圧側と
し、導入用チャネル104に電圧を印加し、DNAサン
プルをウエル110からウエル112に向かって泳動さ
せる。次いで、ステップ(6)において、導入用チャネ
ル104への電圧印加を止め、分離用チャネル102の
ウエル106をグランド側とし、ウエル108を高電圧
側とし、分離用チャネル102に電圧を印加し、チャネ
ルの交差部116に存在するDNAサンプル(遺伝子断
片)をウエル108に向かって泳動させる。分離用チャ
ネル102の途中に光学測定位置118が存在し、この
位置まで泳動された分離断片に光源(図示されていな
い)から励起光が照射され、断片に標識された蛍光体か
ら発生された蛍光を受光手段(図示されていない)で受
光し、分析を行う。
【0009】図10は前記のステップ(1)〜ステップ
(4)で行われる作業の模式図である。(A)におい
て、マイクロプレート90のウエル108等に電気泳動
用の分離用泳動路となるべきゲル泳動媒体をマイクロピ
ペット120のような公知慣用の注入手段で分注する。
次いで、(B)において、先端にゴムパッド122を有
するシリンジ124をウエル108に向けて下降させ
る。その後、(C)において、ゴムパッド122をウエ
ル108の上面に密着させ、シリンジ124で静かに加
圧することにより、ウエル108内のゲル126をチャ
ネル102及び104へ充填する。その後、(D)にお
いて、マイクロピペット120によりウエル106とウ
エル112にゲル126を分注し、更に、ウエル110
にDNAサンプル(遺伝子断片)を分注する。ウエル1
10に分注されたDNA断片については、必要に応じて
PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)による増幅処理が
行われる。PCR法が行われる場合、ウエル110には
DNAサンプルの他に、PCR反応に必要な試薬類も添
加される。
【0010】PCR法の原理は、例えば、実験医学,V
ol.7,No.2,14頁〜18頁(1989)に詳
細に説明されている。このPCR法は基本的に、特定
のDNA領域を挟んだ2種類のプライマーが結合された
2本鎖DNAを熱変性により1本鎖に変性し、プライ
マーをアニーリングし、Taqポリメラーゼにより伸
長させることからなる一連のサイクルからなり、このサ
イクルを数十回繰り返すことにより、その特定DNA領
域を数十万倍に増幅させることからなる。従って、ウエ
ル110内のDNA断片の温度を、熱変性、アニー
リング伸長にそれぞれ必要な温度に周期的に変化させ
る。例えば、熱変性の場合は約94℃、アニーリン
グの場合は約55℃、伸長の場合は約72℃にされ
る。
【0011】従って、図9におけるステップ(5)で
は、PCR法の反応終了後に電気泳動により被分析増幅
DNAサンプルを泳動路へ泳動していた。このため、D
NAサンプル導入用チャネル104内のゲル泳動媒体
が、PCR反応のためのウエル110と常に接触してい
ることとなる。しかし、通常使用するゲル泳動媒体には
PCR増幅反応を阻害する物質が含まれていることがあ
り、特殊なゲル泳動媒体を使用しないと十分なPCR増
幅反応効率が得られない場合があった。このようなPC
R反応を阻害しない特殊なゲル泳動媒体は高コストであ
り、経済的な面を考慮すれば、あまり使用したくない材
料である。
【0012】また、従来のマイクロプレート90では、
ウエル110内でPCR増幅反応を実施するために、図
11に示されるように、特別な加熱・冷却装置128を
マイクロプレート90の裏面に配置し、この加熱・冷却
装置128をマイクロプレート90の裏面に接触させた
り、分離させることにより加熱・冷却を行っていたが、
分析装置全体の構造が複雑になるなどの欠点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ゲル泳動媒体と接触することなくPCR増幅反応を
行うことができ、特別な加熱ヒータ装置を必要としない
新規なDNAサンプル分析用マイクロプレートを提供す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題は、一方の端部
にグランド側泳動媒体用ウエルを有し、他方の端部に高
電圧側泳動媒体用ウエルを有する分離用チャネルと、一
方の端部に高電圧側泳動媒体用ウエルを有し、前記分離
用チャネルと交差する導入用チャネルとを基板中に有す
る電気泳動用マイクロプレートにおいて、前記導入用チ
ャネルの他方の端部はバッファ用ウエルを有し、該バッ
ファ用ウエルと連通する反応チャネルを更に有し、該反
応チャネルの他方の端部にはPCR増幅反応用反応液注
入用ウエルが設けられており、該反応液注入用ウエルと
被分析サンプル注入用ウエルとの間の反応チャネルの中
間にPCR増幅反応用反応ポットが設けられていること
を特徴とする電気泳動用マイクロプレートにより解決さ
れる。
【0015】前記PCR増幅反応用反応ポットの配設位
置とほぼ同じ位置に、加熱手段を拝謁することが好まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の電気泳動用マイクロプレートを具体的に説明する。本
発明のマイクロプレートにおいて従来のマイクロプレー
トと同じ構成部分については説明の便宜のために、同じ
符号を用いて説明する。
【0017】図1は本発明による電気泳動用マイクロプ
レート1の上面図である。本発明のマイクロプレート1
も従来のマイクロプレート90と同様に、透明基板10
0に、DNAサンプル分離用チャネル102と、この分
離用チャネル102と直交するDNAサンプル導入用チ
ャネル104を有する。分離用チャネル102の両端に
はグランド側泳動媒体用ウエル106と高電圧側泳動媒
体用ウエル108が配設されている。また、導入用チャ
ネル104の一方の端部には高電圧側泳動媒体用ウエル
112が配設されている。
【0018】従来のマイクロプレート90と異なる点
は、本発明のマイクロプレート1では、導入用チャネル
104の他方の端部のグランド側のDNAサンプル用ウ
エル110の代わりに、グランド側となるべきバッファ
用ウエル9が配設されていることである。また、従来の
マイクロプレート90と更に異なる点は、本発明のマイ
クロプレート1が、バッファ用ウエル9に連通するPC
R増幅反応用の反応チャネル3を有することである。こ
の反応チャネル3の他方の端部には、PCR増幅反応を
行うべきDNA断片及び反応チャネル3の、PCR増幅
反応試薬類を注入するための反応液注入ウエル5が設け
られていること及び反応液注入ウエル5とバッファ用ウ
エル9との間にPCR増幅反応ポット7が設けられてい
ることである。DNA断片のPCR増幅反応は実質的
に、このPCR増幅反応ポット7内で行われる。
【0019】本発明のマイクロプレート1によれば、反
応チャネル3とサンプル導入用チャネル104との間に
バッファ用ウエル9が設けられている。分離用チャネル
102及び導入用チャネル104にゲル泳動媒体を充填
し、反応チャネル3にPCR増幅反応用反応液を充填し
た後、バッファ用ウエル9にバッファ液を分注する。バ
ッファ用ウエル9内では、導入用チャネル104からの
ゲル泳動媒体と反応チャネル3からの反応液が混合され
ていることもあるが、実際のPCR増幅反応が行われる
反応ポット7までは反応チャネル3で接続されているた
め、バッファ用ウエル9内のゲル泳動媒体による反応阻
害などの悪影響は反応ポット7には殆ど及ばない。
【0020】PCR増幅反応終了後は、ウエル112を
高圧側に、又、反応液注入ウエル5をグランド側にする
ことにより、増幅サンプルを反応ポット7からバッファ
用ウエル9を通して導入用チャネル104に電気泳動に
より移動させることができる。
【0021】図2は図1における反応ポット7の部分拡
大図である。図示されているように、反応ポット7は略
S字状に蛇行させて形成されている。これは、PCR増
幅反応に必要な反応容積を確保するため及びPCR増幅
反応用反応液充填時に、反応ポット内に気泡が入るのを
防止するためである。反応ポット7を単純な真円形に成
形すると、PCR増幅反応用反応液充填時に反応ポット
7内に気泡が残りやすく、一度気泡ができると取り除く
ことは不可能であり、マイクロプレート自体を廃棄する
こととなる。反応ポット7を略S字状に蛇行させて形成
する別の利点は、反応ポット内の液面高さを低くするこ
とで、液内での温度ムラを小さくすることができる。従
来のポットの場合、基板厚さと同じ深さになるので液面
が高くなり、液の上面と下面で温度が異なりPCR増幅
反応が不均一に進行することがあった。更に別の利点
は、反応液の液面を下げることにより、加熱温度に対す
る追従性を向上させることができることである。その結
果、PCR増幅反応を高速化させることができる。しか
し。前記のような目的と効果を達成できれば、図示され
たようなS字状以外の形状の反応ポット7も使用でき
る。反応チャネル3と反応ポット7との接続部は丸みを
おびさせるか又は鈍角に形成することが好ましい。ま
た、反応ポット7も角部が無く、全体的に曲線状である
ことが好ましい。反応チャネル3と反応ポット7との接
続部が丸みを帯び、更に反応ポット7が全体的に曲線状
であれば、反応ポット7のどこにも気泡が発生しない。
これに対して、この接続部が例えば、直角の場合、この
角部に空気などの気泡が発生し、反応チャネル3を閉塞
する危険性がある。また、本発明のマイクロプレート1
では、バッファ用ウエル9を介して導入用チャネル10
4と反応チャネル3が接続されているので、導入用チャ
ネル104の深さを変えても、チャネル間に段差が生じ
ないため、ゲル泳動媒体及びDNAサンプル注入時に段
差部に気泡が発生する危険性もない。
【0022】反応チャネル3の溝は一般的に、深さが1
0μm〜1000μmの範囲内であり、幅(w)は1
0μm〜500μmの範囲内である。反応ポット7の溝
の深さは反応チャネル3の溝の深さと同一であるが、そ
の溝幅(w)は反応チャネル3の溝幅(w)と同一
であるか又はこれよりも若干大きい程度である。反応ポ
ット7の溝幅wが小さい場合は、PCR増幅反応に必
要な反応容積を確保するためにS字の折り返し数を増や
して反応容積を確保することが好ましい。一方、反応ポ
ット7の溝幅wが大きい場合は、PCR増幅反応用反
応液充填時に気泡が混入し易くなるので、気泡混入防止
対策が必要になる。。
【0023】分離用チャネル102及び導入用チャネル
104の各溝の幅は一般的に、深さが0.1μm〜10
00μmの範囲内であり、幅は1μm〜500μmの範
囲内である。各ウエル108,112,106,5及び
9の上部直径は一般的に、φ1〜φ4の範囲内である。
基板100の厚さは一般的に、1mm〜3mmの範囲内
である。従って、ウエルの深さも一般的に、1mm〜3
mmの範囲内である。従って、図面では、各チャネル及
びウエルは説明のために正規の縮尺を無視して誇張して
図示されている。
【0024】図3に示されるように、本発明のマイクロ
プレート1では、基板100の下面に接着される遮蔽シ
ート114の一方の面にパターン形成された発熱部18
が設けられている。熱効率の点から、発熱部18は遮蔽
シート114の基板100との接合面側に設けることが
好ましい。発熱部18の両端には電源(図示されていな
い)と接続するための接続端子20,20が配設されて
いる。発熱部18のパターン厚は例えば、0.5μm程
度である。発熱部18の上面には例えば、テフロン(登
録商標)コーティング(図示されていない)などを施す
こともできる。発熱部18は基板100の上面に配設す
ることもできる。図示されているように、発熱部18の
配設位置は反応ポット7の配設位置と同じ位置である。
【0025】図4は発熱部の別の実施態様を示す平面図
である。図4に示されるように、発熱部18に加えて、
温度測定部22が発熱部18の略中央部付近に配設され
ている。温度測定部22の両端には温度表示計(図示さ
れていない)と接続するための接続端子24,24が配
設されている。発熱部18及び温度測定部22のパター
ン厚は例えば、0.5μm程度である。図3と同様に、
発熱部18及び温度測定部22の上面には例えば、テフ
ロンコーティング(図示されていない)などを施すこと
もできる。
【0026】図5は図4に示された発熱部18及び温度
測定部22の部分拡大図である。発熱部18は例えば、
白金(Pt)又はクロム(Cr)などの導電性金属から
なるパターンである。線幅は例えば、0.3mm程度で
ある。発熱部18は反応ポット7を完全にカバーするの
に必要十分な平面積を有することが好ましい。例えば、
発熱部18は10mm×10mm程度の面積を有するこ
とが好ましい。温度測定部19は例えば、線幅が0.2
mm程度の銅パターン26と、線幅が0.2mm程度の
コンスタンタンパターン28とで構成される熱伝対であ
ることができる。銅パターン26とコンスタンタンパタ
ーン28とは中央で接続されている。銅及びコンスタン
タン以外の、例えば、クロメル・アルメル等のパターン
化可能な金属類からなる熱電対も使用できる。発熱部1
8及び温度測定部22はスクリーン印刷、転写などの常
用の手段で遮蔽シート114又は基板90の表面上に配
設することができる。
【0027】図6は発熱部の更に別の実施態様を示す平
面図である。この場合、発熱部18は、電源(図示され
ていない)と接続するための端子20,20の他に、温
度測定端子30,30を有する。この場合、発熱部18
に用いる導電性金属は白金又はクロムなどの測温抵抗体
でなければならない。これらの測温抵抗体は温度に比例
して抵抗値が変化する特性を有するので、この特性を利
用した温度センサーなどに用いられている材料である。
従って、この実施態様では、発熱部18を構成する導電
性金属パターンは、温度測定端子30,30にも接続さ
れている。発熱部18を構成する導電性金属パターンの
端子20,20を加熱用電源(図示されていない)に接
続して加熱し、温度測定端子30,30の抵抗値を適当
な温度測定器(図示されていない)でモニターすること
により1種類の導電性金属パターンのみで、加熱と温度
測定の両方の機能を達成させることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
プレートによれば、反応チャネルとサンプル導入用チャ
ネルとの間にバッファ用ウエルが設けられているので、
分離用チャネル及び導入用チャネルにゲル泳動媒体を充
填し、反応チャネル3にPCR増幅反応用反応液を充填
した後、バッファ用ウエル9にバッファ液を分注して
も、バッファ用ウエル内では、導入用チャネルからのゲ
ル泳動媒体と反応チャネルからの反応液が混合されてい
ることもあるが、実際のPCR増幅反応が行われる反応
ポットまでは反応チャネルで接続されているため、バッ
ファ用ウエル内のゲル泳動媒体によるPCR増幅反応阻
害などの悪影響は反応ポットには殆ど及ばない。また、
マイクロプレート自体に加熱手段が配設されているの
で、PCR増幅反応を迅速に進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電気泳動用マイクロプレートの一
例の平面図である。
【図2】図1における反応ポットの部分拡大図である。
【図3】本発明による電気泳動用マイクロプレートにお
いて加熱手段が配設された実施態様の平面図である。
【図4】本発明による電気泳動用マイクロプレートにお
いて加熱手段の他に温度測定手段を併設した実施態様の
平面図である。
【図5】図4に示された加熱手段と温度測定手段の部分
拡大平面図である。
【図6】本発明による電気泳動用マイクロプレートにお
いて一つの導電性金属パターンが加熱手段と温度測定手
段の両方の機能を果たす実施態様の平面図である。
【図7】従来のDNA電気泳動用マイクロプレートの一
例の概要平面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿った断面図であ
る。
【図9】図7に示されたDNA電気泳動用マイクロプレ
ートの使用方法を示す概要模式図である。
【図10】図9に示されたステップ(1)〜ステップ
(4)で行われる作業の模式図である。
【図11】従来のDNA電気泳動用マイクロプレートの
加熱・冷却手段の構成の一例を示す概要図である。
【符号の説明】
1 本発明の電気泳動用マイクロプレート 3 反応チャネル 5 反応液注入ウエル 7 反応ポット 9 バッファウエル 18 発熱部 22 熱電対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 331H 315K (72)発明者 児玉 正吉 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 町田 浩昭 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB60 DA12 DA13 FA11 FB05 HA14 JA07 4B029 AA07 AA08 AA23 AA27 BB16 BB20 CC01 FA12 FA15 GA08 GB09 GB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の端部にグランド側泳動媒体用ウエ
    ルを有し、他方の端部に高電圧側泳動媒体用ウエルを有
    する分離用チャネルと、一方の端部に高電圧側泳動媒体
    用ウエルを有し、前記分離用チャネルと交差する導入用
    チャネルとを基板中に有する電気泳動用マイクロプレー
    トにおいて、 前記導入用チャネルの他方の端部はバッファ用ウエルを
    有し、 該バッファ用ウエルと連通する反応チャネルを更に有
    し、 該反応チャネルの他方の端部にはPCR増幅反応用反応
    液注入用ウエルが設けられており、該反応液注入用ウエ
    ルと被分析サンプル注入用ウエルとの間の反応チャネル
    の中間にPCR増幅反応用反応ポットが設けられている
    ことを特徴とする電気泳動用マイクロプレート。
  2. 【請求項2】 前記PCR増幅反応用反応ポットは前記
    反応チャネルの溝の幅よりも広い幅を有する略S字状の
    形状を有することを特徴とする請求項1に記載の電気泳
    動用マイクロプレート。
  3. 【請求項3】 前記PCR増幅反応用反応ポットの配設
    位置とほぼ同じ位置に、加熱手段を更に有することを特
    徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロプレー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段と共に、熱電対からなる温
    度測定手段を更に有することを特徴とする請求項3に記
    載の電気泳動用マイクロプレート。
  5. 【請求項5】 前記加熱手段は誘電体パターンからな
    り、前記誘電体パターンが温度測定手段としても兼用さ
    れるされることを特徴とする請求項3に記載の電気泳動
    用マイクロプレート。
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