JP2003003388A - メカニカルパルプの高温過酸化物による漂白 - Google Patents

メカニカルパルプの高温過酸化物による漂白

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JP2003003388A JP2002141134A JP2002141134A JP2003003388A JP 2003003388 A JP2003003388 A JP 2003003388A JP 2002141134 A JP2002141134 A JP 2002141134A JP 2002141134 A JP2002141134 A JP 2002141134A JP 2003003388 A JP2003003388 A JP 2003003388A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 メカニカルパルプを過酸化水素漂白により白
色度レベル向上を図る。 【解決手段】 漂白メカニカルパルプを製造する方法
が、一次リファイナーと二次リファイナーと組み込んだ
パルピング・ミルに関して開示されている。第1の工程
は、セルロース系材料(たとえば木材チップ)を供給して
パルプに精製することであり、このとき木材チップは初
期の白色度レベルを有する。第2の工程は、パルプ・ミ
ルのリファイニングシステムに漂白液を供給することで
あり、このとき前記漂白液は、0%より多い量〜100%の水
酸化マグネシウム、ソーダ灰、またはこれらの組合わせ
物を含んだある量のアルカリと、ある量の過酸化水素と
を含む。第3の工程は、パルプを漂白液と共に約85℃〜
約160℃の範囲の温度で約2分〜約180分にわたって保持
することである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明はメカニカルパルプの製造法に関し、さらに詳細
には、サーモメカニカルパルプの過酸化水素漂白および
これによって得られるパルプに関する。
【0002】発明の背景 メカニカルパルピングは、パルプを製造するために、木
材を機械的に粉砕して繊維を得る方法である。メカニカ
ルパルピングは、ケミカルパルピングと比較して高い収
率が得られることから、パルピングのための方法として
魅力的なものである。収率が高いのは、機械的にパルプ
化された木材からリグニンが除去されないからであり、
このことは、不充分な資源がより効率的に利用されると
いうことを意味している。従来のメカニカルパルピング
法を使用して製造されたパルプは主として新聞用紙に使
用されており、より高品質の又はより高耐久性の紙や物
品を造るには不適切である。これは一部には、通常はメ
カニカルパルプのほうがケミカルパルプより漂白するの
が困難だからである。
【0003】石粉砕(stone grinding)(SG)、加圧石粉砕
(pressurized stone grinding)、リファイナーメカニカ
ルパルピング(RMP)、サーモメカニカルパルピング(TM
P)、およびケミ-サーモメカニカルパルピング(CTMP)を
含めて、メカニカルパルピングには多くの変形がある。
あとの3つは、一般にはリファイナーパルピング法とし
て分類することができる。RMPにおいては、木材チップ
を回転金属ディスク間で粉砕する。この方法は通常、2
つの工程にて行われる。第1の工程は主として繊維を分
離するのに使用され、また第2の工程は、紙物品の改良
された繊維結合を得るべく繊維の表面を処理するのに使
用される。RMPにおいては、木材チップが、一次リファ
イナーと二次リファイナーの両方において大気圧にてリ
ファイニングされる。リファイナー法は、木材に対する
金属ディスクの摩擦によって熱を発生する。この熱は、
流入するチップを軟化するのに使用されることの多いあ
る量のスチームとして放出される。
【0004】TMPは、パルプが加圧リファイナー中で造
られるという点でRMPとは異なる。この方法において
は、2つの工程が通常の形で使用される。第1の工程のリ
ファイナーは高温・高圧にて作動し、第2の工程のリフ
ァイナーは周囲条件にて作動する。第1の工程では繊維
を分離し、第2の工程では繊維を処理する。TMPによって
製造されるパルプは強度が高く、従ってTMP法は最も好
ましいメカニカルパルピング法となる。しかしながら、
それでもまだ改良の余地がある。TMP法では多くのエネ
ルギーが消費され、TMP法で造られたパルプは、他のほ
とんどのパルプより黒ずんでいる場合が多い。
【0005】CTMPでは、化学的処理と熱的処理の両方を
使用して木材チップをパルプに加工する。CTMPは、リフ
ァイニングする前に先ずチップを、高温・高圧にて比較
的少量の水酸化ナトリウムと過酸化水素で予備処理する
という点以外は、TMPに類似したケミ-サーモメカニカル
法である。補助的な化学物質を使用することにより、リ
ファイナーにおけるセルロース系繊維の分離がより容易
になる。
【0006】パルピング法は決して前記の方法が全てで
はない。“The Handbook of Pulping and Papermaking,
第2版, by Christopher J. Biermann”(該文献を参照
により本明細書に含める)に記載のように、パルピング
法には多くの組合わせ形や変形がある。メカニカルパル
ピング法のうち、当業者の多くにより、市場の条件や環
境規制の点を考慮して最も好ましいと考えられているの
がTMP法である。しかしながら、ケミ-サーモメカニカル
パルピング法は、色が濃くてCODとBODの高い廃液(処理
するのが困難である)が生じる、という事実がなけれ
ば、CTMP法はTMP法を凌ぐ利点を有するであろう。なぜ
なら、CTMPに対して必要とされる粉砕エネルギーはTMP
の場合の約半分だからである。
【0007】漂白は、ケミカルパルプとメカニカルパル
プの白色度を上げるための、パルピング法におけるセミ
ケミカル工程もしくはケミカル工程に適用される用語で
ある。メカニカルパルピングにおいては、白色度のアッ
プは、リグニン中の共役二重結合の化学構造を変えるこ
とによって達成される。共役二重結合の化学種は発色団
と呼ばれる。“増白(brightening)”は、メカニカルパ
ルプの漂白について述べるときに、ケミカルパルプの漂
白プロセス(リグニンを完全に除去する点で異なる)と区
別するためにしばしば使用される用語である。本明細書
において以後使用する“漂白”は、“増白”のプロセス
もカバーするものとする。メカニカルパルプでは、増白
はパルピング法における単一工程にて行われることが多
い。漂白プロセスは従来より、ミル・プラントのパルピ
ング・セクションとは反対側の、ミル・プラントの別の
セクションにおいて、1つ又は複数の容器(漂白塔または
漂白段)中の漂白トレイン(a bleaching train)において
行われている。増白は、過酸化水素等の酸化剤および亜
ジチオン酸塩やヒドロ亜硫酸ナトリウム等の還元剤含め
た酸化性および/または還元性の化学薬品を使用して行
うことができる。通常は、過酸化水素(酸化剤)が水酸化
ナトリウムと共に使用される。漂白の化学についてのよ
り詳細な説明に対しては、“Pulp Bleaching - Princip
les and Practice, by J.Ross Anderson and B.Amini;
Section V: Chapter 1: Peroxide Bleaching of (Chem
i)mechanical Pulps, by J.R.Presley and R.T.Hill”
を参照のこと。水酸化ナトリウムは強アルカリであり、
活性なペルヒドロキシルイオンHOO-(パルプに対する漂
白効果を及ぼすと考えられる)を生成するのに必要な高
いpHをもたらす。水酸化ナトリウムは、入手性とエネル
ギーコストが悪化していることから、そのコストが上昇
しつつある。環境に対する懸念という点からも、水酸化
ナトリウムの供給量の減少をきたしている。従って、漂
白液用の適切な代替物及びある程度改良された漂白プロ
セスを見出すべく、異なったアルカリ供給源と異なった
方法について検討した。
【0008】従って、さらなる利点を有するプロセスに
よってより高い白色度のパルプが得られるよう、現行の
メカニカルパルピング法を改良することが求められてい
る。
【0009】発明の概要 高温でアルカリ過酸化物による漂白を行う場合、水酸化
ナトリウムの代わりにアルカリ緩衝剤(たとえば、ソー
バ灰や水酸化マグネシウム)を使用すると、より良好な
白色度が得られる。低いpH(約9〜約10.5)で系を緩衝す
ると、過酸化物による分解(peroxide decomposition)と
アルカリによる暗色化(alkali darkening)が妨げられる
が、それでも効果的な漂白を行うだけの充分なアルカリ
がもたらされる。緩衝液は、必要に応じてアルカリを放
出し、ペルヒドロキシルイオンを徐々に一様に生成させ
るための過不足のないアルカリ度を与える。本発明は、
漂白のためのペルヒドロキシルイオンを必要に応じて供
給することを提供し、また有効な漂白時間を長くする。
これによってペルオキシドがさらに有効となり、木質繊
維の分解を少なくすることによってより良好な白色度と
より高い収率がもたらされ、従って前記した問題のうち
の多くが解消する。
【0010】リファイニングシステムを有するパルピン
グ・ミルに関して、漂白メカニカルパルプを製造する方
法が開示されている。本発明による第1の工程は、初期
の白色度レベルを有するセルロース系材料(たとえば木
材チップ)を供給することである。本発明による第2の工
程は、パルプに転化させるためのリファイニングシステ
ムに前記セルロース系材料を導入することである。本発
明の方法における第3の工程は、前記リファイニングシ
ステムに漂白液を供給することであり、このとき前記漂
白液が、ある量の過酸化水素とある量のアルカリとを含
み、前記アルカリの最大100%までが水酸化マグネシウ
ム、ソーダ灰、またはこれらの組合わせ物である。適切
な量のアルカリに達するのに必要な追加残量はNaOHで供
給される。本発明の方法における第4の工程は、パルプ
の白色度を、初期の白色度レベルから、アルカリの100%
がNaOHであって、パルプと漂白液とをほぼ同じ温度・時
間条件で接触させた場合に得られる以上の白色度レベル
にまで上げるに足る効果的な温度および時間にて、パル
プを漂白液と共に保持することである。本発明の方法に
よって、少なくとも35ISOの、あるいは約55〜69.5ISOの
範囲の白色度を有するパルプが得られる。
【0011】1つの実施態様は、パルプと漂白液が保持
される条件として、約85℃〜約160℃の範囲の温度で約2
分〜約180分という条件を使用する。他の適切な温度範
囲としては、100℃を越える温度〜約160℃という範囲が
ある。他の適切な時間範囲としては、約10分〜180分未
満という範囲、あるいは60分を越える時間〜120分未満
という範囲、あるいは2分を越える時間〜60分未満とい
う範囲、ならびにこれら3つの時間範囲と温度範囲との
組合わせなどがある。さらに、上記の時間範囲および温
度範囲内にて、いかなる時間範囲または温度範囲も使用
することができる。
【0012】他の実施態様においては、上記の工程に加
えて、パルプのpHを約9〜約10.5の範囲に増大させる工
程が組み込まれる。他の実施態様においては、リファイ
ニングシステムを有するパルピング・ミルに関して、漂
白メカニカルパルプを製造する方法が開示されている。
本発明による第1の工程は、初期の白色度レベルを有す
るセルロース系材料を供給することである。本発明の方
法における第2の工程は、パルプに転化させるためのリ
ファイニングシステムにセルロース系材料を導入するこ
とである。本発明の方法における第3の工程は、前記リ
ファイニングシステムに漂白液を供給することであり、
このとき前記漂白液が、第1の量の過酸化水素とアルカ
リとを含み、前記アルカリの最大100%までが水酸化マグ
ネシウム、ソーダ灰、またはこれらの組合わせ物であ
る。本発明の方法における第4の工程は、パルプと漂白
液を、約85℃〜約160℃の範囲の温度で約2分〜約180分
保持することである。本発明の方法における第5の工程
は、パルプの白色度を、漂白液が前記第1の量より多い
第2の量の過酸化水素を含んでいて、アルカリの100%が
水酸化ナトリウムであって、そしてパルプと漂白液がほ
ぼ同じ温度・時間条件にて保持される場合に得られる白
色度レベル以下の白色度レベルに上げることである。
【0013】本発明に従ってTMPパルプを増白する方法
は大きな利点をもたらす。残留過酸化物のレベルが増大
し、このことは過酸化水素がより有効に使用されること
を意味している。シュウ酸塩濃度の減少が顕著であり、
このことはプロセス装置のスケール形成がより少なくな
ることを意味しており、従って早すぎる装置損耗が起こ
りにくくなる。パルプ収率のアップも達成される。さら
に、プラント廃液のCODレベルとBODレベルが減少し、従
って廃液は、より低い汚染度レベルにて廃水処理設備に
送られる。
【0014】好ましい実施態様の詳細な説明 図1を参照すると、本発明による漂白メカニカルパルプ
の製造法の概略図が示されている。ブロック100におい
ては、初期の白色度レベルを有するセルロース系材料が
供給される。本発明において使用するための適切なセル
ロース系材料は木材チップであり、従来からTMP法に対
する供給物として使用されている。しかしながら、本発
明は木材チップに限定されない。ある量のセルロースを
含有している材料及びメカニカルパルピング処理が可能
な材料は、本発明において使用するのに適したセルロー
ス系材料である。こうしたセルロース系材料は軟材と硬
材を含む。ブロック102においては、過酸化水素とアル
カリ〔最大100%までの水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、
ソーダ灰(Na2CO3)、またはこれらの混合物を含み、残部
は、適切な量のアルカリにするための水酸化ナトリウム
(NaOH)である〕とを含有する漂白液をセルロース系材料
に加えて混合物とする。実際には、水酸化マグネシウ
ム、ソーダ灰、またはこれらの組合わせ物によって得ら
れる緩衝能は、一部または全部が水酸化ナトリウムで置
き換えられると良好な結果をもたらす。ここで理解して
おかなければならないことは、漂白液の成分は、別々に
加えてもよいし(一度に1成分ずつ加える)、あるいは同
時に加えてもよい(2種以上の成分を一緒に加える)とい
う点である。さらに理解しておかなければならないこと
は、本発明にて使用されるアルカリはアルカリ性をもた
らす1種以上の化合物であって、漂白液に対して別個に
加えても同時に加えてもよいという点である。ブロック
104においては、セルロース系材料と漂白液とを混ぜて
混合物とし、約85℃〜約160℃の温度に加熱する。ブロ
ック106においては、パルプと漂白液を約2分〜約180分
保持する。プロセス容器中にて混合物の反応を行う。留
意しておくべきことは、プロセス容器は、タンク、パイ
プ、あるいはリファイニングシステムの一部を形成する
1種以上の構成要素の組合わせ物等のいかなる装置であ
ってもよいという点である。ブロック108においては、
プロセス容器内に収容されている混合物中のセルロース
系材料の白色度を、アルカリの100%が水酸化ナトリウム
であって、パルプと漂白液をほぼ同じ温度・時間条件に
保持するとして漂白液を使用してセルロース系材料を増
白する場合に達成される白色度レベルの上昇程度より高
い程度にまで上げる。
【0015】図16を参照すると、本発明に従って漂白メ
カニカルパルプを製造する代替法の概略図が示されてい
る。本実施態様は上記実施態様と類似しており、前記の
全てのブロックを含んでいる。しかしながら、水酸化マ
グネシウムおよび/またはソーダ灰をpH緩衝液として使
用して、パルプ混合物のpHを約9〜約10.5の範囲に調節
するために、追加の工程(ブロック504)が組み込まれて
いる。
【0016】本発明の方法は、図2に示すように、好ま
しくは第1段階のリファイナーの前から第2段階のリファ
イナーまで(第1段階のリファイナーに関連した高温・高
圧を有利に使用するための段間セクションを含む)、ミ
ルのリファイニングシステムにおいて砕木を処理する。
この処理は、過酸化水素(H2O2)を含んでいて、100%水酸
化ナトリウム(NaOH)の一部または全部が異なったアルカ
リで置き換えられている漂白用組成物(漂白液)と砕木と
を混合することを含む。本明細書で使用している“砕
木”とは、漂白用組成物、水、または助剤を含めた他の
物質と混合されている状態のセルロース系材料を意味し
ているものとする。従って“砕木”は、プロセスに先立
って調製されるスラリーにも適用できる用語である。
“パルプ”は“砕木”と互換的に使用され、さらに本発
明の方法によって造られる物品も含む。
【0017】よく知られているように、過酸化水素の活
性化学種はペルヒドロキシルイオン(HOO-)である。さら
に、溶液のpHを上げることによって下記の式 H2O2 + OH- ←→ H2O + HOO- (式1) の平衡を式の右側のほうに進行させて、所望のHOO-化学
種を生成させることができる、ということも知られてい
る。従来から使用されているアルカリ源は水酸化ナトリ
ウムである。水酸化ナトリウムは高性能のアルカリでは
あるが、原料供給量の減少とコストのアップのために生
産量が減少しており、従って水酸化ナトリウムは、以前
より魅力のないアルカリ供給源となっている。
【0018】本発明の方法は、100%水酸化ナトリウムか
ら得られるアルカリ度を、水酸化マグネシウム(Mg(O
H)2)および/またはソーダ灰(Na2CO3)あるいはこれらの
組合わせ物を含んだ代替アルカリで高温にて全部又は一
部置き換える。本明細書で使用している“アルカリ”
は、NaOH、Mg(OH)2、およびNa2CO3からの全てのアルカ
リ供給源を含むものとする。水酸化マグネシウムとソー
ダ灰はさらに、pHの大きな変動を防止する緩衝能を示
す。高温にてアルカリ過酸化物による漂白を行う場合、
水酸化ナトリウムの代わりに、あるいは水酸化ナトリウ
ムの他に緩衝剤(たとえば、ソーダ灰や水酸化マグネシ
ウム)を使用すると、より良好な白色度が得られる。低
いpH(約9〜約10.5)で系を緩衝すると、過酸化物による
分解と暗色化が妨げられるが、それでも所望の化学種を
生成させるだけの充分なアルカリ度が得られる。緩衝液
は、必要に応じてアルカリを放出し、ペルヒドロキシル
イオンを徐々に一様に生成させるための過不足のないア
ルカリ度を与える。本発明は、漂白のためのペルヒドロ
キシルイオンを必要に応じて供給することを提供し、ま
た有効な漂白時間を長くする。これによってペルオキシ
ドがさらに有効となり、より高い白色度が得られる。本
発明によれば、漂白液は、水酸化ナトリウムと置き換え
た物質としての水酸化マグネシウムまたはソーダ灰を、
0重量%より多い量〜100重量%の範囲にて、そして適切に
は約40重量%〜100重量%の範囲にて含む。アルカリ度に
基づいて算出すると、1ポンドの水酸化ナトリウムが、
約0.73ポンドの水酸化マグネシウムまたは約1.31ポンド
のソーダ灰に相当する。
【0019】本発明によれば、水酸化ナトリウムに対す
る適切な緩衝剤かつ代替アルカリは水酸化マグネシウム
であり、水酸化ナトリウムの適切量と考えられる量の0%
より多い量〜100%のいかなる量であってもよい(好まし
くは、水酸化ナトリウムの適切量の約40%〜100%であ
る)。水酸化ナトリウムの適切量は、乾量基準のパルプ1
トン当たり約10ポンド〜約100ポンドの範囲であること
がわかっている。本発明によれば、適切な組成における
漂白液は、10ポンド〜100ポンドの範囲の水酸化ナトリ
ウムに対して、それぞれ40%代替率にて約2.92ポンド〜
約7.3ポンドの水酸化マグネシウムを、そして100%代替
率にて約29.2ポンド〜約73ポンドの水酸化マグネシウム
を含有してよい(アルカリ度の残部は水酸化ナトリウム
によって供給される)。メカニカルパルプを漂白するた
めの方法を提供する本発明によれば、これらの量は、こ
のような方法において使用するのに適切な量である。
【0020】本発明によれば、水酸化ナトリウムに対す
る適切な緩衝剤且つ代替アルカリはソーダ灰であり、水
酸化ナトリウムの適切量と考えられている量の0%より多
い量〜100%のいかなる量であってもよい(適切には、水
酸化ナトリウムの適切量の約40%〜100%、さらに適切に
は約50%〜100%)。本発明によれば、適切な組成における
漂白液は、10ポンド〜100ポンドの範囲の水酸化ナトリ
ウムに対して、それぞれ40%代替率にて約5.24ポンド〜
約13.1ポンドのソーダ灰を、そして100%代替率にて約5
2.4ポンド〜約131ポンドのソーダ灰を含有してよい(ア
ルカリ度の残部は水酸化ナトリウムによって供給され
る)。これらのアルカリ量は、本発明に従ってメカニカ
ルパルプを増白する方法に適用することができる。漂白
液中には過酸化水素が含まれており、過酸化水素は、1
種以上の漂白液成分と別々に加えてもよいし、あるいは
同時に加えてもよい。
【0021】本発明によれば、漂白液中の過酸化水素の
適切量は、乾量基準のパルプ1トン当たり約10ポンド〜
約200ポンドである。過酸化水素は従来より、水60重量%
と過酸化水素40重量%との混合物として供給業者から入
手することができるが、60:40混合物の10ポンド〜200ポ
ンドに相当する量であれば、水と過酸化水素は他の比率
であってもよい。アルカリ度と過酸化水素との許容しう
る比は、60:40混合物の重量基準にて約0.25〜約3であ
る。これらの過酸化水素量は、本発明に従ってメカニカ
ルパルプを増白する方法に適用することができる。
【0022】漂白液はさらに、アミノポリカルボン酸(A
PCA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリ
アミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ホスホン
酸、エチレンジアミンテトラメチレン-ホスホン酸(EDTM
P)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(D
TPMP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸(NTMP)、ポリ
カルボン酸、グルコン酸塩、クエン酸塩、ポリアクリル
酸塩、ポリアスパラギン酸塩、またはこれらの組合わせ
物(これらに限定されない)等の適切なキレート化剤を含
有してよい。キレート化剤は、最大10重量%までの量に
て漂白液に加えることができる。漂白液の他のすべての
成分の場合と同様に、キレート化剤は、リファイニング
システムにおける1つ以上の化学薬品添加個所にて、1種
以上の漂白液成分とは別々に加えてもよいし、あるいは
1種以上の漂白液成分と同時に加えてもよい。キレート
化剤は、金属と結合して過酸化水素の分解を防止すると
考えられている。漂白液はさらに、キレート化剤のほか
に漂白助剤を最大10重量%までの量にて含んでよい。漂
白助剤は、漂白活性をさらに高める。漂白助剤として
は、カナダのモントリオールのコンスタント・ラブズ(C
onstant Labs)から市販のチップ・エイド(Chip Aid)(登
録商標)やHPブースター(HP Booster)等の補助剤があ
る。キレート化剤や漂白助剤等の補助剤は、本発明によ
るメカニカルパルプを増白する方法に適用することがで
きる。
【0023】漂白液はさらに、最大約10重量%までの適
切な量のケイ酸ナトリウムを含有してよい。これらの量
のケイ酸塩を、本発明によるメカニカルパルプの増白法
に適用することができる。キレート化剤やケイ酸塩によ
って与えられる化学的活性に関しての詳細な説明を得る
には前記の文献を参照のこと。さらに、“Pulp Bleachi
ng: Principles and Practice, by Carlton W.Dence an
d Douglas W.Reeve”(該文献を参照により本明細書に含
める)を参照のこと。従来の知見とは異なり、本発明に
従って木材チップをサーモケミカルパルピングする場合
には、ケイ酸塩を1成分として漂白液に加える必要はな
い。NaOHの代わりにMg(OH)2を最大100%までの量にて使
用する場合、アルカリがNaOHであり、ケイ酸塩を漂白液
に加え、そしてパルプと漂白液をほぼ同じ温度・時間条
件にて保持した場合に達成されるのと同等の白色度レベ
ルを有するパルプを得るのにケイ酸塩を含む必要はな
い、ということが観察されている。
【0024】漂白液の組成物は混合物として説明されて
いるけれども、当然のことながら、漂白液の化合物は、
ミルのリファイニングシステムの異なった部分において
別々に加えることもできるし、あるいは混合物として同
時に加えることもできる。たとえば、Mg(OH)2を含有す
る漂白液の1つの実施態様においては、Mg(OH)2は第1段
階のリファイナーにおいて加えられ、残りのアルカリは
下流の段間セクションにおいて加えられる。本実施態様
は、本発明に従ってメカニカルパルプを漂白する方法に
適用することができる。
【0025】パルプの増白に対しては、幾つかのパラメ
ーターが影響を及ぼし、ある役割を果たしている。これ
らのパラメーターとしては、コンシステンシー、滞留時
間、およびアルカリ度などがある。
【0026】前記の式(1)で示されている反応はpHと温
度に依存する。温度またはpHを上げると、式(1)の反応
が右側に進み、より多くのペルヒドロキシル化学種が生
成する。本発明によれば、上記パラメーター(たとえば
時間、温度、およびアルカリ度)の値は、100%水酸化ナ
トリウムだけからのアルカリ度にて得られる場合に比べ
て、より高い白色度、改良された収率、より高い過酸化
水素残留値、ならびにより低いシュウ酸塩濃度、より低
いCOD濃度、およびより低いBOD濃度が得られるように決
定される。本発明は、温度パラメーターおよび時間パラ
メーターの最適値に達するよう、リファイナーによって
生成されるより高い圧力と温度を利用する。さらに、パ
ルプと漂白液とが接触する時間は、リファイナーと補助
的装置(たとえばブローライン、漂白塔、およびサージ
容器)とを介してパルプを単位時間当たりに処理する量
を増やすか又は減らすことによって調整することができ
る。
【0027】原材料である木材種に応じて、メカニカル
パルプまたはケミ-メカニカルパルプの初期白色度およ
び白色度の変化に対するレスポンスが異なる。過酸化物
漂白に対するパルプの白色度レスポンスは、過酸化物を
加える方法に密接に関係している。ほとんどの場合、過
酸化物の使用量を増やすとパルプの白色度が上がる。し
かしながら、高い白色度レベルはパルプの望ましい特性
ではあるが、過剰量のアルカリを使用することによって
高い白色度レベルを達成する際には、過剰使用(パルプ
の暗色化または黄色化を引き起こし、収率を低下させ
る)の危険性とバランスさせなければならない。アルカ
リ度が不充分であると、漂白が不充分になりやすい。ア
ルカリ度が高すぎると、パルプの黄色化が起こり、副反
応と競争するために、また過酸化水素が無駄になるため
に、活性ペルヒドロキシル化学種の消費が非効率的にな
る。パルプの白色度は、TAPPI基準のT452とT525を使用
することによって測定する。メカニカルパルプを増白す
るための方法を提供する本発明によれば、水酸化ナトリ
ウムだけを使用することによって達成される白色度レベ
ル以上のパルプ白色度レベルが、水酸化ナトリウムの一
部もしくは全部を、ソーダ灰、水酸化マグネシウム、ま
たはこれらの組合わせ物という緩衝用代替アルカリ(a b
uffering substitute alkali)で置き換えることにより
達成することができる。このような方法においては、水
酸化ナトリウムだけを使用する方法と比較して、パルプ
の白色度が少なくとも1白色度単位(ISO)上昇する。
【0028】過酸化水素による漂白は、木材からのリグ
ニンの除去をできるだけ抑えた状態で増白することがで
きると考えられる。それにも関わらず、メカニカルパル
プ中のリグニンと炭水化物は求核試剤(HOO-やHO-)によ
る攻撃を受ける(これは収率という観点からは望ましく
ない)。漂白液中には求核試剤が存在すると考えられ
る。求核試剤は、過酸化水素の分解により形成される活
性酸素化学種を含むことがある。たとえば、ペルヒドロ
キシルイオンは多糖類鎖を酸化してアルドン酸にするこ
とができ、これによりセルロース分子が、いわゆるアル
カリ促進による“ピーリング”反応によって分解され
る。さらに、ヒドロキシドイオンはパルプ中に酢酸の放
出を行うことができ、この結果セルロースが分解され
る。さらに、アルカリ性の漂白液中に酸性のヘミセルロ
ースが溶解する。アルカリと過酸化水素をパルプと接触
させるときに起こる反応の多くが、有効量のセルロース
繊維を全体として減少させ、従ってセルロースの全体と
しての損失をきたす。収率は、セルロース繊維の炭水化
物の分解量に関係する。従って収率は、パルピング法の
全体効率の目安である。高い収率が望ましく、このこと
は、より多くの量のセルロースとリグニンが、それほど
の分解を起こさずにリファイニング・漂白プロセスを受
けたということを意味している。収率は、プロセスによ
って得られるパルプの乾量を、出発原料または木材チッ
プの乾量で除して得られる1つの尺度であり、こうして
得られる分数がパーセントとして表示される。メカニカ
ルパルプを増白する方法を提供する本発明によれば、本
方法の終点でのより高い収率は、ソーダ灰、水酸化マグ
ネシウム、またはこれらの組合わせ物という緩衝用代替
アルカリを使用すると達成することができ、水酸化ナト
リウムだけをアルカリとして使用することによって達成
される収率より高い。1つの方法においては、水酸化ナ
トリウムだけを使用する方法と比較して収率が少なくと
も50%増大する。さらに他の方法においては、収率は95%
より大きい。水酸化マグネシウムの場合、マグネシウム
が重金属とキレートを形成し、これによってラジカルの
形成とそれに関連したセルロースの分解と収率の低下が
防止される。
【0029】さらに、水酸化ナトリウムと過酸化水素だ
けを使用する従来の方法は、非汚染形への酸化分解を必
要とする化合物を形成する、ということが知られてい
る。これらの化合物を評価するのに使用されている量が
COD(化学的酸素要求量)およびBOD(生物学的酸素要求量)
と呼ばれている。BODとCODは、汚染物を無害の代謝産物
に変換するために好気性微生物が必要とする酸素の量を
表わしている理論値である。廃水処理システムにおいて
汚染物が多すぎて酸素が不充分である場合、これら汚染
物の自然過程による生物学的分解が妨げられる。メカニ
カルパルプの過酸化物漂白は、ミルプラント廃水のCOD
レベルとBODレベルを増大させる。BODレベルとCODレベ
ルは、メカニカルパルプを増白する際に使用される水酸
化ナトリウムの量に関係する。CODレベルとBODレベルを
高くする化合物は、主として有機物質とパルプ残留物
(たとえばセルロース、ヘミセルロース、およびパルプ
スラリー液から生じるリグニン)で構成される。本発明
によれば、パルピングミル廃水流れのCODレベルとBODレ
ベルの両方を減少させることができる。CODは“HACH”
試験法によって測定し、BODはSM5210を使用して測定す
る。メカニカルパルプを増白する方法を提供する本発明
によれば、水酸化ナトリウムだけを使用することによっ
て達成されるCODレベルおよびBODレベルと比較して、水
酸化ナトリウムの一部もしくは全部を、ソーダ灰、水酸
化マグネシウム、またはこれらの組合わせ物等の緩衝用
代替アルカリで置き換えると、本方法の終点にてより低
いCODレベルとBODレベルを達成することができる。1つ
の方法においては、水酸化ナトリウムだけを使用する方
法と比較して、kg/ODMT(オーブン-乾燥メートルトン)表
示にてCODが少なくとも1単位減少する。他の方法におい
ては、水酸化ナトリウムだけを使用する方法と比較し
て、kg/ODMT表示にてBODが少なくとも1/10単位減少す
る。
【0030】コンシステンシーは、パルプスラリー中の
パルプの水に対する濃度の尺度である。コンシステンシ
ーはさらに、本発明に従って達成される最終的な白色度
に対してある役割を果たす。コンシステンシーの役割
は、ほとんどの場合、本発明における漂白効果を達成す
るのに必要な所望のペルヒドロキシルイオンを生成させ
る上で温度または時間ほどには重要ではない。しかしな
がら、メカニカルパルプを漂白するための本発明の1つ
の方法においては、パルプのコンシステンシーは3%より
大きい。
【0031】よく知られているように、過酸化水素の望
ましくない分解に対して金属がある役割を果たす。過酸
化水素の分解を抑えるために従来適用されている方法
は、木材チップまたはパルプをキレート化剤で処理する
という方法である。キレート化剤(たとえば前記したも
の)を加えて有機金属錯体を形成させることができる。
本質的に金属と結合し、もし結合しなければ過酸化水素
の(従ってペルヒドロキシルイオン化学種の)分解に寄与
すると思われる化学活性を金属から取り除く。従って本
発明では、このような試剤のキレート化作用を利用す
る。漂白液は、ケイ酸塩を最大約10重量%までの量にて
含んでよい。過酸化水素の分解をできるだけ抑える別の
アプローチは、漂白液を安定化させるという方法による
ものである。よく知られているように、ケイ酸ナトリウ
ムは、過酸化水素を使用するアルカリ漂白に対して安定
化作用を及ぼすことができる。従って、本発明はさら
に、漂白液の分解を抑えるための工程を含むのが有利で
ある(ケイ酸ナトリウム(ケイ酸塩)を加えると、過酸化
水素の分解を最小限に抑えるための安定化作用が得られ
る)。漂白液は、ケイ酸塩を最大約10重量%までの量にて
含んでよい。周知のように、パルピング技術においてキ
レート化剤とケイ酸塩が使用されているが、ある特定の
用途に対する最適量は明らかではない。なぜなら、化学
物質間の多くの反応や相互作用が、最終的な白色度の結
果に影響を及ぼすからである。メカニカルパルプを漂白
するための方法を提供する本発明によれば、漂白液中の
キレート化剤とケイ酸塩の範囲は、高温メカニカルパル
ピングで使用する場合に対しては、また特定のアルカリ
使用量に対しては決定されている。
【0032】周知のように、シュウ酸塩はミルの漂白装
置上に有害な堆積物を形成する。漂白がリファイナー中
で行われている場合は特に重大な問題となる。なぜな
ら、近接して配置された回転ディスク上にスケールが堆
積すると、破損が起きやすくなり、装置の保守にコスト
がかかるようになり、そしてパルプの加工が不充分にな
るからである。メカニカルパルプを漂白するための方法
を提供する本発明によれば、本方法の終点において生成
するシュウ酸の量は、水酸化ナトリウムの一部または全
部を緩衝用代替アルカリ(たとえばソーダ灰、水酸化マ
グネシウム、またはこれらの組合わせ物)で置き換えた
場合、水酸化ナトリウムだけを使用したときに生成する
シュウ酸量より少ない。1つの方法においては、非希釈
廃濾液(undiluted pressate)のシュウ酸塩濃度を、水酸
化ナトリウムだけを使用する方法より少なくとも10mg/l
減少させる。従って本発明は、漂白に関連して生成する
スケールの量を減少させることによって得られる利点を
提供する。スケール形成は所定の白色度にてシュウ酸塩
の量が少なくなることで抑えられ、またシュウ酸塩の生
成減少に対してマグネシウムがある役割を果たす。シュ
ウ酸塩の濃度はTAPPI法T699を使用して測定する。
【0033】残留過酸化水素は、パルプの漂白処理にお
ける過酸化水素の作用効率の目安となる。最終的に所望
の白色度レベルが得られるのであれば、初期の過酸化水
素使用量を減らすことも可能である。過酸化水素残留物
は、漂白プロセスに加えた過酸化水素の量と比較した場
合の、漂白プロセスの終点において消費されずに残った
過酸化物の量と定義される。従って所定量のパルプ処理
量に対して残存する残留過酸化物の量が多くなるほど、
漂白プロセスに再循環できる過酸化物の量も多くなる。
あるいはこれとは別に、残留過酸化物を利用してパルプ
の処理量を増やすこともできるし、あるいは最初から過
酸化水素の使用量を減らして、水酸化ナトリウムだけを
使用する方法(過酸化水素の量がより多い)によって達成
できる白色度レベルを得ることもできる。メカニカルパ
ルプを漂白するための方法を提供する本発明によれば、
水酸化ナトリウムの一部または全部を緩衝用代替アルカ
リ(たとえばソーダ灰、水酸化マグネシウム、またはこ
れらの組合わせ物)で置き換えたときに、水酸化ナトリ
ウムだけを使用することによって得られる残留過酸化物
のレベルと比較して、本方法の終点において残留過酸化
水素のより高いレベルを達成することができる。1つの
方法においては、水酸化ナトリウムだけを使用する方法
と比較して、残留過酸化物のレベルを少なくとも0.5%増
大させる。残留過酸化物は、ヨウ素還元滴定またはEMサ
イエンス:リフレクトクアント過酸化物試験(EM scienc
e: reflectoquant peroxide test)を使用して測定す
る。
【0034】メカニカルパルプを漂白するための方法を
提供する本発明の実施について、特定の実施態様と図面
を参照しつつ以下に説明する。図2を参照すると、メカ
ニカルパルプを漂白するための方法を提供する本発明を
実施するのに適したTMPミルのサーモメカニカル二段階
リファイニングシステムの概略図が示されている。“二
段階”とは、大気圧より高い圧力で作動する少なくとも
1つのリファイナーと、大気圧又はほぼ大気圧にて作動
する少なくとも1つのリファイナーとを有するプロセス
(従って段間セクションを有する)を表わしている。“段
間(interstage)”とは、第1段階リファイナーの出口か
ら始まって第2段階リファイナーへの入口にて終わる、
関連した全ての装置を含めたパルピングシステムのセク
ションを表わしている。言うまでもないことであるが、
ミルのパルピングシステムの構成物は、多かれ少なかれ
ユニット操作にて運転することができる。わかりやすく
するために、パルピングシステム中の補助的な装置は図
面から省いた。さらに、わかりやすくするために、図2
に示すパルピングシステムに先行または後続する幾つか
の補助的装置も省いた。
【0035】本発明においてセルロース系材料として使
用するのに適した木材チップは、モミ(たとえば、ダグ
ラス・ファーやバルサム・ファー)、マツ(たとえば、イ
ースタン・ホワイト・パインやロブロリー・パイン)、
トウヒ(たとえばホワイト・スプルース)、カラマツ(た
とえばイースタン・ラーチ)、ヒマラヤスギ、およびア
メリカツガ(たとえば、イースタン・ヘムロックとウェ
スタン・ヘムロック)等の軟材の木材種(これらに限定さ
れない)から得ることができる。本発明における出発原
料として有用なパルプ得ることのできる硬材種の例とし
ては、アカシア、ハンノキ(たとえば、レッド・アルダ
ーやヨーロピアン・ブラック・アルダー)、ポプラ(たと
えばクェイキング・アスペン)、ブナ、シラカンバ、オ
ーク(たとえばホワイト・オーク)、ゴムノキ(たとえ
ば、ユーカリノキやモミジバフウ)、ポプラ(たとえば、
バルサム・ポプラ、イースタン・コットンウッド、ブラ
ック・コットンウッド、およびイエロー・ポプラ)、グ
メリナ(gmelina)、カエデ(たとえばシュガー・メイプ
ル、レッド・メイプル、シルバー・メイプル、およびビ
ッグリーフ・メイプル)、およびユーカリノキ等がある
が、これらに限定されない。
【0036】ミルの別の部分で生成される木材チップ、
ミルの外部から移送される木材チップ、あるいはその他
の供給源からの木材チップをビン(bin)またはサイロ200
中に貯蔵する。リファイニングの前に木材チップを洗浄
機202において洗浄し、次いで脱水スクリーン204におい
て脱水する。この洗浄により、装置の損傷や早すぎる摩
損を引き起こしたりする粗粒や破片が木材チップ中に存
在している場合は、これらが除去される。
【0037】木材チップを、脱水スクリーン204から、
ロータリー供給弁206によってプロセス装置へと移動さ
せる。この供給弁によりコンベヤー208(スクリューであ
っても、又はベルトコンベヤーであってもよい)に移送
される。しかしながら、他のいかなる適切な移送装置も
使用することができる。木材チップを、コンベヤー208
から予熱器210に送る。本実施態様においては、予熱器2
10は、第1段階のリファイナー216に供給する前に木材チ
ップを加熱するための、下流のサイクロン218からの回
収スチーム248と補給ライン250からのスチームとを使用
する単位操作機器(a unit operation)である。チップ
を、予熱器210の出口からコンベヤー220によってリファ
イナー216に移送する。加熱によりチップは軟化してお
り、リファイニング段階におけるエネルギーを保存して
いる。第1段階のリファイナー216は、大気圧よりやや高
い圧力から数十ポンド/in2の圧力までの範囲で作動でき
る圧力リファイナーである。典型的な作動圧力は約10〜
40psiであるが、この範囲より高くても低くてもよい。
メカニカルパルプのミルにおいては、一般にはリファイ
ナーが使用される。リファイナーは、木材を機械的に浸
軟および/または切断して、その成分である繊維にする
(要するに、セルロース系繊維を取り出す)装置である。
リファイナーには、ディスク・リファイナーとコニカル
・リファイナーの2つの主要なタイプがある。メカニカ
ルパルピングにおいて使用されるリファイナーについて
の一般的な説明に対しては、“Handbook of Pulping an
d Papermaking, 第2版, Christopher J.Biermann”(該
文献を参照により本明細書に含める)を参照のこと。リ
ファイニングは、摩擦からの相当量の熱エネルギーを木
材チップに付与し(この熱エネルギーが、下流の装置に
おいてスチームの形で放出される)、従って砕木パルプ
の温度が上昇する。第1段階リファイナー216の下流のサ
イクロン218にスチームを集める。パルプとスチーム
が、第1段階リファイナー216の出口と連結しているブロ
ーライン224を介してサイクロン218に移動する。サイク
ロン218において集められたスチームを、エネルギーの
保存のために予熱器210に再循環する。サイクロン218か
ら出るパルプ流れ246を再循環のパルプ・リジェクト流
れ(pulp rejects stream)262と混合し、コンベヤー258
を介して第2段階のリファイナー222に送ることができ
る。容器226と230は、コンベヤー258から出てくる全て
のパルプ・リジェクト238、240、262に対するサージ能
力と貯蔵能力をもたらす。リジェクト262は第2段階リフ
ァイナー222に再循環されるように示されているが、リ
ジェクト262は、パルプミルの他のセクションにポンプ
送りしてもよいし、あるいは廃棄してもよい。第2段階
リファイナー222からのライン236におけるパルプをさら
に処理し、容器228、232、および234において脱水す
る。容器232からのライン242は、再循環のパルプリジェ
クトを、リジェクト容器230とコンベヤー258を介して第
2段階リファイナー222に移送する。第2段階リファイナ
ー222は、通常はほぼ大気圧にて操作する。第2段階リフ
ァイナー222からのパルプを容器228に送り、そこで容器
228、232、および234の1つ又は複数の容器に、ならびに
さらなる処理(スクリーニング、クリーニング、および
脱水を含んでよい)のためのユニット操作装置にポンプ
送りする。リファイニングシステムを出ていく、本発明
に従って得られたパルプ264は、パルプミル(図示せず)
の他のセクションにおいてさらに処理および/または加
工することができる。第2段階リファイナー222への供給
物246から取り出されるリジェクト流れ238をサージ容器
226に送り、次いで脱水容器230に送る。リジェクトは、
脱水容器230から再び第2段階リファイナー222に送られ
る。
【0038】再び図2を参照すると、複数の化学薬品付
加ポイント260、261、262、および263が示されている。
第1の化学薬品付加ポイント260、261、および263は、一
次リファイナーの場所又はその前であってよく、また第
2の化学薬品付加ポイント262は、一次リファイナー216
と二次リファイナー222との段間の場所(ブロック218、2
58、226、および230を含み、ラインが全てこのようなブ
ロックに連結している)であってよい。本明細書で使用
している“一次リファイナーにおける化学薬品付加”と
は、図2における一次リファイナー216とその前を含んだ
ブロック、および図3におけるブロック324と326とその
前を含んだブロックを意味している。メカニカルパルプ
を漂白するための方法を提供する本発明によれば、漂白
液は、260にて第1段階リファイナー216に導入してもよ
いし、あるいは一次リファイナー216と二次リファイナ
ー262との間の段間セクションである262にて導入しても
よい。これとは別に、漂白液の1つ又は複数の成分を第1
段階リファイナーまたはそれより前のブロックに導入
し、そして漂白液の1つ又は複数の成分を段間セクショ
ン224にて導入してもよいし、あるいはこれらを組合わ
せて導入してもよい。ここで指摘しておかなければなら
ないことは、段間の付加ポイントが、第1段階リファイ
ナー216の出口から第2段階リファイナー222への入口ま
でのいかなる容器またはライン(ユニット218、258、22
6、および230、ならびにライン224、246、262、238、24
0、および266を含む)であってもよいという点である。
【0039】さらに、言うまでもないことであるが、よ
り多くのユニット又はより少ないユニット(たとえば、
タンク、濾過器、容器、第1段階リファイナー、第2段階
リファイナー、サイクロン、ポンプ、コンベヤー、およ
び弁など)を、二段階メカニカルパルピングシステムが
得られるよう種々の組合わせにて使用することができ
る。
【0040】他のサーモメカニカルパルピングプロセス
が、Lowrieらによる米国特許第4,718,980号(該特許を参
照により本明細書に含める)に記載されている。二段階
メカニカルパルピングプロセスは全て、より高い白色
度、より高い収率、より多い残留過酸化物量、より少な
いシュウ酸生成量、より低いCOD、及びより低いBODを有
するパルプが得られるよう、本発明に従って、第1段階
リファイナー及び/又は段間に前記のプロセス条件にて
漂白液を加えることによって改良することができる。
【0041】図3を参照すると、本発明による段間化学
薬品付加ポイントとリファイナー化学薬品付加ポイント
とを有する、ミルのリファイニングシステムの実施態様
が示されている。木材チップを3つの隣接したサイロ300
a、300b、および300cに貯蔵する。これらのサイロによ
りチップ洗浄装置302に供給され、そこでチップが洗浄
されて、汚染物や他の望ましくない成分が除去される。
脱水スクリーン304が水とチップを分離する。ロータリ
ー・フィーダー306によってチップを移送し、ブローラ
イン(図示せず)を介してチップサイクロン310とサージ
ビン(surge bin)312に送る。チップサイクロン310とサ
ージビン312は、一体の装置として造られていてもよい
し、あるいはラインによって隔離された2つの別個の装
置であってもよい。サージビンからのチップが重量ベル
ト(weight belt)314にて重量測定され、計量スクリュー
316によって計量されて予熱器320に送られる。予熱器32
0がスチームで作動して木材チップの温度を上げ、これ
により木材チップが軟化する。予熱器320の出口がクロ
ス・スクリュー・コンベヤー322に連結されている。予
熱器320の入口の前に弁318が存在していて、木材チップ
の供給量を制御している。スクリュー・コンベヤー322
により一次リファイナー324に供給される。一次リファ
イナー中の圧力は約11〜40psiの範囲で変わってよい
が、約30〜33psiの圧力、約10〜50%(適切には約23〜45
%)のコンシステンシー、および約85℃〜約160℃の温度
で作動するのが適切である。水酸化マグネシウム、ソー
ダ灰、あるいは水酸化ナトリウムを容器326中に貯蔵
し、計量ポンプ(図示せず)で計量して第1段階リファイ
ナー324またはその前のブロックに送ることができる。
リファイニングは相当量の熱をチップに導入し、この熱
が、第1段階リファイナー324を出て、加圧分離用サイク
ロン328においてスチーム330として放出される。廃棄物
流れ330は、ダイジェスター(digestor)320またはミル全
体の他の熱交換器において使用することができる。砕木
パルプが第1の加圧サイクロン328からブローユニット33
2によって第2の大気圧サイクロン338に移送され、そこ
で圧力の低下によってさらなるスチーム340が生成す
る。一次リファイナー324と二次リファイナー362との間
の段間セクションも、1つの漂白液成分、幾つかの漂白
液成分、または全ての漂白液成分に対する付加ポイント
336として使用することができる。アルカリ、酸化剤、
ケイ酸塩、およびキレート化剤を、第1の加圧サイクロ
ン328と第2の大気圧サイクロン338との間の336にてブロ
ーライン334に導入することができる。しかしながら、
別の実施態様においては、段間セクションにおける他の
付加ポイントも可能である。別の段間付加ポイントは、
ブロック326、328、332、338、344、346、348、350、35
4、358、390、384、および380、ならびにこれらのブロ
ックへ出入りする全てのラインである。過酸化水素342
を大気圧サイクロン338の底部にて導入する。しかしな
がら他の実施態様では、段間セクション全体のいかなる
場所にて付加ポイントを有してもよい。スクリューコン
ベヤー344と346によって砕木パルプを大気圧サイクロン
340から過酸化物塔348に移送し、そこで砕木パルプに対
して化学作用を施して砕木パルプを増白する。平均的な
滞留時間は、この段間セクションにおいて約2分〜約180
分までのいかなる時間にも調節することができる。温度
は、サイクロン328の出口温度と実質的に同じ温度のま
まであってよい。しかしながら、温度は上記範囲内であ
るのが望ましい。漂白塔348のサイズを大きくすること
によって、より長い滞留時間を達成することができる。
言うまでもないことであるが、約1分の滞留時間後およ
びプロセス全体にわたってパルプをサンプリングするた
めに、第1段リファイナー324またはそれより前の第1の
化学薬品付加ポイントから第2段リファイナー362までの
いかなる場所にもサンプルタップ(sample taps)(図示せ
ず)を配置することができる。パルプが過酸化物塔348か
ら希釈チェスト350に入り、そこでパルプのコンシステ
ンシーを下げ、化学作用の進行を遅くする。次いでパル
プをプレス354に送り、それから第2のスクリューコンベ
ヤー358と二次リファイナー362に送る。二次のリファイ
ナーは、ほぼ大気圧、約13%〜約40%のコンシステンシ
ー、および上記温度範囲内の温度にて作動する。
【0042】二次リファイナー362からのパルプを精製
物貯蔵チェスト(a refined stockedchest)364に移送す
る。パルプ368を、精製物貯蔵チェスト364からサージチ
ェスト366にポンプ送りする。パルプ372を、サージチェ
スト366から一次スクリーニングユニット370に送る。パ
ルプ372を、一次スクリーン370にて2つの流れ376と378
に分ける。許容パルプ流れ(accepts pulp stream)376を
脱水スクリーン374に送る。水398を、脱水スクリーン37
4から白水チェスト(図示せず)に移す。仕上がったパル
プ生成物396を貯蔵タンク394に送る。一次スクリーニン
グユニット370からのリジェクト流れ378を一次スクリー
ンリジェクトチェスト380に送る。パルプを、一次スク
リーンリジェクトチェスト380から二次スクリーニング
ユニット384に送る。この二次スクリーニングユニット
は、リジェクト流れ388と許容流れ386を含む。二次スク
リーンリジェクト388を容器390に送り、さらに希釈容器
350に再循環して、リファイナー324からの新たに精製し
たパルプ352と混合する。許容流れ386がサージチェスト
366に入り、一次スクリーニングユニット370を介して再
循環される。従ってリジェクト流れ392は、二次リファ
イナー362においてさらなるリファイニングを受ける。
【0043】実施例1 NORPACチップ(70%ヘムロック/30%パイン)を、オハイオ
州スプリングフィールドのアンドリッツ(Andritz)パイ
ロットリサーチ設備にて精製した。一般的なTMPユニッ
トにおいて行われる幾つかのユニット操作を表わしてい
る単純化した概略図を図17に示す。当然のことながら、
各TMPプロセスは、図17に示す単純化プロセスのいずれ
かのブロックの前または後に、スクリーン、洗浄機、乾
燥機、コンベヤー、ポンプ、および容器(これらに限定
されない)を含めたより多くのユニット操作装置を含ん
でもよい。実施例1を実施する際に使用したパイロット
スケールプラントは、少なくとも図17のユニットブロッ
クを含んだ。パイロットプラントは、木材チップをスク
リーニングするためのユニット操作装置700、ブロック7
02におけるチップを予備蒸煮するためのユニット操作装
置、一次リファイナー704、サイクロン706、二次リファ
イナー708、およびプレスユニット710を含む。プレスユ
ニット710は、パルプサンプルを手で圧搾することを含
めて、パルプから液体を除去するためのいかなる適切な
装置であってもよい。パイロット設備には温度測定機器
が取り付けられていない。しかしながら、一次リファイ
ナーにおける温度は100℃より高いと推定される。なぜ
なら、一次リファイナーは大気圧より高い圧力で作動す
るからである。二次リファイナーの温度は約100℃以上
であると推定される。なぜなら、二次リファイナーはほ
ぼ大気圧にて作動し、さらに、一次リファイナーにおい
て発生した熱の多くをパルプが保持できるからである。
理解しておかなければならないことは、このパイロット
スケールプラントが、フルスケールの工業設備より多い
ユニットを含んでいても、あるいは少ないユニットを含
んでいてもよいという点である。
【0044】一次リファイニングの段階に対しては、36
インチの加圧ダブルディスクリファイナーを使用した。
第1段階リファイナーおよび/または下流の段間ブローラ
インに漂白液成分を加えた。漂白液は、約3%の過酸化物
(水と過酸化物との60:40混合物として)、約0.3%のDTP
A、および約2%のケイ酸塩を含んだ。約0.7という全アル
カリ度対過酸化物比を使用した。アルカリ度に基づく
と、1ポンドのNaOHは、0.73ポンドのMg(OH)2および1.31
ポンドのNa2CO3と同じアルカリ度を有する。漂白液の残
部は水とし、図4のフローシートと表1に従ってアルカリ
化学薬品を変えて適用して、各実験に対し複数の漂白液
組成物を調製した。一次リファイニングの後に、パルプ
サンプルを一次リファイナーサイクロンから採取し、55
ガロンのドラム缶中に入れ、最大60分までの反応時間に
わたって保持した。表1に示すように、各実験に対し11
通りの条件にて検討した。本実施例ではドラム缶を段間
の漂白容器348として使用しており、このことは、段間
の反応を図2と3のプロセスによって行うことができると
いうことを示している。
【0045】図4は、表1のデータをどのようにして得た
かを示している決定図である。ブロック600において
は、セルロースを含有するチップサンプルが供給され
る。ブロック602において、チップサンプルを約141℃で
約150秒間予備蒸煮する。ブロック604においては、一次
リファイナーにおいてアルカリを加えるかどうかを決定
する。ブロック604での回答がイエスである場合は、残
りの漂白成分をブロック606におけるブローラインまた
は段間セクションにて加える。ブロック604での回答が
ノーである場合は、全ての漂白成分をブロック608にお
けるブローラインまたは段間セクションにて加える。約
1ガロンのラボ・サンプルを55ガロンのドラム缶から採
取し、2分、15分、30分、および45分の間隔で白色度に
関して試験した。ラボ・サンプルをクエンチし、1%に希
釈して反応を停止し、白色度パッド(abrightness pad)
を作製した。データを表1に示す。60分の反応時間に
て、サンプルを55ガロンのドラム缶から直接取り出して
白色度を測定する。これらのサンプルからの白色度、残
留物、および収率が、表1、ならびに図6、7、11、およ
び12に記載されている。ドラム缶のサンプルは、ラボ・
サンプルとは異なって、サンプルのサイズが大きいこと
から温度をより良好に保持することができた。
【0046】ブロック612は、実験2A、2B、3、4、およ
び5が、一次リファイナーにて加えられたアルカリを含
んでいることを示している。ブロック610において、こ
れらの実験では約60分反応させ、ラボ・サンプルを取り
出して、2分、15分、30分、および45分の間隔にて白色
度を測定し、ドラム缶サンプルを使用して60分にて白色
度を測定した。ブロック616は、一次リファイナーにお
いてアルカリを加えていない実験2、3A、4A、6、および
7を示している。これらの実験での反応時間は約60分で
あった。ラボ・サンプルを取り出し、2分、15分、30
分、および45分の間隔にて白色度を測定し、ドラム缶サ
ンプルを使用して60分にて白色度を測定した。ブロック
620は、実験1が、ブローラインまたは段間にて加えられ
た成分を含んでいるが、アルカリを漂白液の一部として
含んでいないということを示している。従ってブロック
618においては、実験1が60分保持され、ほとんど反応は
起こらない。
【0047】ブロック622では、二次リファイニングの
ために、ドラム缶サンプルを3つのロードレベル(load l
evel)にて分割する。ドラム缶サンプルを、漂白反応か
らの残留化学薬品とpH残留物(pH leftover)で精製し、
これにより二次リファイニング中もパルプの反応を継続
した。二次リファイナーにおける条件を調節して、さら
に約65分、75分、および90分漂白反応を行った。ブロッ
ク624において、二次リファイニング後のサーモメカニ
カルパルプのサンプルを、65分、75分、または90分の時
点で採取する。二次リファイニング後における最下部の
フリーネスのパルプからの廃濾液サンプル(90分サンプ
ルに相当する)を使用して、全ソリッド、シュウ酸塩含
量、COD、およびBODを測定した。
【0048】表1を参照すると、11通りの実験に対する
白色度の測定結果が、種々の化学薬品濃度と時間に関し
て記載してある。実験番号が表の左側の縦列に並んでお
り、11通りの実験の結果が示されている。実験2aと2bで
は、水酸化ナトリウムを一次リファイナーにおいて加え
た。実験2bではさらに、ケイ酸塩を一次リファイナーに
おいて加えた。実験3、4、および5では、Mg(OH)2を一次
リファイナーにおいて加えた。これらの条件に対する過
酸化水素は3重量%である。白色度を時間に対して測定し
た。サンプルはブローライン(図3の参照番号334)から採
取した。2分漂白後のパルプに対する最も高い白色度レ
ベルは、実験3による55白色度単位のレベルであり、ア
ルカリの約40%が一次リファイナーにて加えられたマグ
ネシウムであって、残りが段間で加えた水酸化ナトリウ
ムである。15分後のパルプに対する最も高い白色度レベ
ルは、同じ実験からの57.7白色度単位である。30分後の
パルプに対する最も高い白色度レベルは、これも同じ実
験からの57.9白色度単位である。45分後のパルプに対す
る最も高い白色度レベルは58.2単位であり、実験7(アル
カリの100%がソーダ灰であって、段間にて加えられる)
によって達成される。
【0049】60分の反応時間後の白色度も示されてい
る。60分の漂白時間後のパルプに対する最も高い白色度
レベルは実験3による62.5単位であり、40%の水酸化マグ
ネシウムが一次リファイナーにて、そして60%の水酸化
ナトリウムが段間にて加えられる。ある量の水酸化ナト
リウム代替物を含んだパルプサンプル3、3a、4、4a、
5、6、および7に対する、60分の漂白時間でのpH範囲は8
〜8.3である。代替アルカリを使用して達成される残留
過酸化水素は、同じサンプルに関して60分の反応時間後
にて1.13%〜1.52%であった。代替アルカリを使用した場
合の最も高い残留値は、段間にて100%のソーダ灰を加え
た場合の1.52%であった。しかしながら最も高い残留値
は、一次リファイナーにおいて100%の水酸化ナトリウム
とケイ酸塩を加えた場合の2.24%であった。
【0050】二次リファイナー後の白色度も測定した。
約65分の反応時間後のパルプに対する最も高い白色度レ
ベルは実験3(40%の水酸化マグネシウムを一次リファイ
ナーにて、そして60%の水酸化ナトリウムを段間にて加
える)による66.1白色度単位である。75分後のパルプに
対する最も高い白色度レベルは実験4(50%の水酸化マグ
ネシウムを一次リファイナーにて、そして50%のソーダ
灰を段間にて加える)と実験7(100%のソーダ灰を段間に
て加える)による67.4である。約90分の反応時間後のパ
ルプに対する最も高い白色度レベルは実験7(100%のソー
ダ灰を段間にて加える)による69.5である。最終pHは、
代替アルカリ化合物を含有するパルプサンプル3、3a、
4、4a、5、6、および7に対して7.6〜8.2の範囲で変化し
た。過酸化水素残留値は、幾らかの量の代替アルカリを
含有する同じ実験に対して1.09%〜1.32%の範囲で変化し
た。1.32%という最も高い過酸化物残留レベルは実験7(1
00%のソーダ灰を段間にて加える)によって得られた。60
分にて記録された最も高い残留値は、100%の水酸化ナト
リウムとケイ酸塩を一次リファイナーにて加える場合の
2.24%であった。
【0051】
【表1】
【0052】結果 サンプルのデータは、ミルプロセス(a mill process)に
よって起こりうる結果を示している。図3のミルプロセ
スは、パルプを二次リファイナーに送る前のブロック35
0において漂白反応を希釈・遅速化する。メカニカルパ
ルプを漂白する方法に従って行われる実施例において
は、パルプを希釈せず、また二次リファイナーに送る前
に反応のクエンチを行わなかった。残留化学薬品と漂白
反応条件のpHでパルプを精製した。このデータは、段間
の漂白塔348の後で反応のクエンチを行わなかったとし
ても、高い効率を得ることが可能であることを示してい
る。
【0053】リファイニングのためのエネルギーはそれ
ぞれの実験に対してほぼ同じであったが、段間処理のエ
ネルギー必要量が実験1(非漂白の対照標準)の場合の約1
5%で済むという大きな利点が得られた。実験2aと2b(一
次リファイナーに水酸化ナトリウムを加えた)は、他の
処理よりもやや高いエネルギー必要量を示した。エネル
ギー必要量を図5に示す。
【0054】図6は、表1において縦列で示した11通りの
実験に対する、約60分の漂白反応後の段間白色度値を示
している。実験2(100%の水酸化ナトリウムを段間にて加
える)のパルプの白色度は59.4であった。40%〜100%のMg
(OH)2を含む代替アルカリを一次リファイナーにて加え
て得られる漂白液に変えることによって、白色度は従来
実験2の約3.0ポイントから約3.1ポイントに増大した。
パルプサンプル2a、2b、3、4、および5は、アルカリ化
学薬品(NaOH、Mg(OH)2、またはNaOHとケイ酸塩との組合
わせ)を一次リファイナーに加えた場合の実験によるも
のである。サンプル3とサンプル3aとを、そしてサンプ
ル4とサンプル4aとを比較すると、水酸化マグネシウム
を段間のブローラインに加えて、一次リファイナーには
加えない場合には白色度が低下することがわかる。しか
しながら、NaOHに対してはこの逆も当てはまる(実験2と
2aを参照)。しかしながら、NaOHと共にケイ酸塩を一次
リファイナーに加えた場合は白色度の増大が観察される
(実験2bを参照)。ソーダ灰を含有する実験6と7のパルプ
も、実験2と比較して白色度が2.5ポイント程度増大し
た。
【0055】図7は、実験2(アルカリの100%がNaOHであ
って、段間にて加える)のパルプサンプルと比較した場
合の、パルプの白色度レベルの差異を示している。図8
は過酸化物残留量の結果を示す。これらの過酸化物残留
値は60分サンプルからのものである。実験2(100%の水酸
化ナトリウムを段間にて加える)のパルプの過酸化物残
留値は0.66%であった。実験2a〜7(代替アルカリを含む)
はいずれも、実験2より過酸化物残留値が70〜130%増大
した(約1.13%〜約1.52%の範囲を意味する)。過酸化物残
留値が増大したということは、充分な時間と温度が得ら
れればさらなる漂白が可能になるということを示してい
る。しかしながら実験2aと2bのように、100%のNaOHを一
次リファイナーにて加えた場合に、それぞれ1.81%およ
び2.24%という高い残留値が得られた。実験2bではさら
に、ケイ酸塩を一次リファイナーにて加えた。
【0056】図9は、1トン当たりの白色度ポイントに対
する漂白化学薬品のコストに関して、実験1(化学薬品を
使用しない対照標準)と比較した場合の実験2〜7のコス
ト増大率を示している。漂白化学薬品のコストは、実験
3と5の水酸化マグネシウム含有漂白液の場合が最も低
い。代替アルカリを使用すると、所定の白色度レベルに
達するのにより少ない量の漂白化学薬品で済むので、漂
白処理のコストが減少する。
【0057】図10は、2%過酸化物および3%過酸化物の漂
白化学薬品のコストに関して、実験1(化学薬品を使用し
ない対照標準)と比較した場合の実験2〜7のコスト増大
率を示している。もう一度図6を参照すると、3%過酸化
物における実験2、3、および6は約3ポイントの白色度増
大を示しており、このことは、Mg(OH)2を使用すること
によるコスト節減を可能にしつつ、過酸化水素の使用量
を3%から2%に減らすことができるということを意味して
いる。ソーダ灰は、一般には酸化マグネシウムより高価
であるので、コスト節減の程度はそれほどではないが、
しかしそれでも、ソーダ灰を使用するとそれなりのコス
ト節減効果がある。
【0058】各実験に対し、プレスユニットを出て、二
次リファイニング後に最も低いフリーネスのパルプとな
るパルプサンプルに関して、収率、全ソリッド、シュウ
酸塩含量、COD、およびBODを測定した。廃濾液サンプル
(pressate sample)は非希釈品であった。これらのパル
プサンプに対し、トータルの漂白時間は約1.5時間であ
った。パルプ収率の値を図11に示す。パルプ収率値は、
加圧した漂白液の固体から化学薬品の重量を引いた後に
算出した。ソーダ灰を含有する漂白液を使用したときの
パルプの収率値が、CO2の保持がある場合とない場合に
ついて記載してある(ソーダ灰中に存在するCO2の一部ま
たは全部が漂白処理中に放出される)。CO2は、高温によ
って引き起こされるNa2CO3の分解から生成することがあ
る。従って収率の計算は、Na2CO3のCO2への分解が起き
ている場合(すなわち消失)も、および分解が起きていな
い場合(すなわち保持)も仮定している。100%のNaOHを段
間で加えて実験2の漂白液を使用する場合のパルプ収率
は95.6%であった。50%のMg(OH)2と50%のNa2CO3を含んだ
漂白液を使用した場合に、CO2が保持されると仮定し
て、それぞれ98.0%および98.1%という最も高いパルプ収
率が得られた。Mg(OH)2を一次リファイナーにて加えた
場合は、わずかな改良しか観察されなかった。100%Mg(O
H)2を含んだ漂白液に対する最高収率は、一次リファイ
ナーに加えた場合にて97.8%であった。
【0059】実験2の対照標準からのパルプ収率の変化
を図12に示す。ある程度の代替アルカリを使用した場合
の実験全てに対して、収率の増大が達成された。実験7
(CO2の消失を考慮した場合)は、実験2と比較して収率の
低下を示した唯一の実験である。水酸化マグネシウムで
100%まで置き換えた場合に(一次リファイナーにて加え
る)、最大2.2%のパルプ収率の増大が観察された。ソー
ダ灰を含有する漂白液を使用すると(実験6と7)、0〜1%
の収率増大を示した。この収率増大は、CODとBODにおい
て見られる減少と矛盾しない。50%水酸化マグネシウム
と50%ソーダ灰との組合わせ実験4と4aは、CO2の消失を
考慮しない場合に最も高い収率増大を示した。実験4a
〔50%のMg(OH)2と50%のNa2CO3との混合物を使用し、化
学薬品を段間にて加えた〕の場合に、全体としてのパル
プ収率98.1%に対して2.5%という最も大きい収率増大が
観察された。
【0060】図13は、各実験に対して、非希釈廃濾液サ
ンプルのシュウ酸塩含量を示している。非漂白サンプル
(実験1)の非希釈廃濾液のシュウ酸塩含量は17mg/lであ
ったが、実験2(100%NaOHを段間にて加える)からのサン
プルのシュウ酸塩含量は200mg/lであった。一般には、
シュウ酸塩含量は、実験5〔100%Mg(OH)2を一次リファイ
ナーにて加える〕の場合(実験2の対照標準とほぼ同じ)
を除いて、代替アルカリパルプに関しては5〜20%低い。
最も低いシュウ酸塩含量は、実験2a(100%NaOHを一次リ
ファイナーにて加える)に対して140mg/lにて記録され
た。代替アルカリを使用した実験(実験3a、6、および7)
に対する最も低いシュウ酸塩レベルは、いずれも160mg/
lであった。これらは40%Mg(OH)2、50%Na2CO3、および10
0%Na2CO3で処理されたパルプであり、この場合、いずれ
の化学薬品も一次リファイナーにて加えないで段間にて
加えた。パルプ白色度の増大によって過酸化物の使用量
を減らすと、シュウ酸塩の含量がさらに減少した。
【0061】図14は、各実験に対するサンプルのCOD値
を示している。実験2(100%NaOHを段間にて加える)のパ
ルプは、97.5kg/ODMTのCODレベルを示した。サンプル2
(100%NaOH)と比較して、代替アルカリの漂白液を使用す
る実験の場合は、最大で18%のCODの減少が認められた。
マグネシウムのみを含む漂白液を使用した実験(実験3、
3a、および5)は、サンプル2と比較して最大15%の減少を
示し、ソーダ灰のみを含む漂白液を使用した実験(サン
プル6と7)は、サンプル2と比較して最大6%の減少を示
し、水酸化マグネシウムとソーダ灰との組合わせ物を含
む漂白液を使用した実験(サンプル4と4a)は、サンプル2
と比較して約17〜18%のCODの減少を示した。最も低いCO
D測定値は実験サンプル4に対するものであり、50%Mg(O
H)2と50%Na2CO 3を含む漂白液〔Mg(OH)2を一次リファイ
ナーにて加え、Na2CO3を段間にて加えた〕に対して全体
としてのCODレベルが79.6kg/ODMTであった。
【0062】図15は、各実験に対するサンプルのBOD値
の変化を示している。実験2(100%NaOHを段間にて加え
る)のパルプは、32.8kg/ODMTのBODレベルを示した。サ
ンプル2(100%NaOHを段間にて加える)と比較して、代替
アルカリの漂白液を使用するサンプルの場合は、最大で
21%ものBODの減少が認められた。水酸化マグネシウムの
みを含む漂白液を使用したサンプル(実験3、3a、および
5)は、実験サンプル2(100NaOHを段間にて加える)と比較
して約3%〜約14.9%のBOD減少を示した。ソーダ灰のみを
含む漂白液を使用したサンプル(実験サンプル6と7)は、
実験サンプル2(100%NaOHを段間にて加える)と比較して
約3%〜約21%のBOD減少を示した。水酸化マグネシウムと
ソーダ灰との組合わせ物を含む漂白液を使用した実験サ
ンプル4と4aは、サンプル2(100%NaoH)と比較して約14.9
%のBOD減少を示した。パルプに対する最も低いCOD読み
取り値は、100%Na2CO3を段間にて加えるサンプル7の25.
9kg/ODMTであった。過酸化物の使用量を減らすと、BOD
がさらに減少する。
【0063】本発明の好ましい実施態様について説明し
てきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更を行ってよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従ってメカニカルパルプを漂
白する方法の概略図である。
【図2】図2は、ミルのメカニカルパルピングセクショ
ンの概略図である。
【図3】図3は、ミルのメカニカルパルピングセクショ
ンを示す別の実施態様の概略図である。
【図4】図4は、図2と図3のパルピングミルのラボ・サ
ンプルに対する検討を行うための論理図である。
【図5】図5は、本発明による実験サンプルのエネルギ
ー必要量を示しているグラフである。
【図6】図6は、本発明による実験サンプルの白色度の
結果を示しているグラフである。
【図7】図7は、対照標準と比較した場合の、本発明に
よる実験サンプルの白色度ポイントの変化を示している
グラフである。
【図8】図8は、本発明による実験サンプルの過酸化物
残留値の結果を示しているグラフである。
【図9】図9は、本発明による白色度1ポイント当たり1
トン当たりの漂白化学薬品のドル表示コストを示してい
るグラフである。
【図10】図10は、1トン当たりの漂白化学薬品のドル
表示コストを示しているグラフである。
【図11】図11は、本発明による実験サンプルのパルプ
収率を示しているグラフである。
【図12】図12は、対照標準と比較した場合の、本発明
による実験サンプルのパルプ収率の変化を示しているグ
ラフである。
【図13】図13は、本発明による実験サンプルのシュウ
酸塩濃度を示しているグラフである。
【図14】図14は、本発明による実験サンプルのCOD濃
度を示しているグラフである。
【図15】図15は、本発明による実験サンプルのBOD濃
度を示しているグラフである。
【図16】図16は、本発明に従ってメカニカルパルプを
漂白する方法の他の実施態様の概略図である。
【図17】図17は、一般的なメカニカルパルピングシス
テムの概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロジャー・オー・キャンベル アメリカ合衆国ワシントン州98023,フェ デラル・ウェイ,サウスウエスト・スリー ハンドレッドトゥエンティフォース 506 (72)発明者 ゼーチャ・エル・ブルックス アメリカ合衆国オレゴン州97223,ティガ ード,サウスウエスト・アセンション・ド ライブ 13572 (72)発明者 アンソニー・パーリッシュ アメリカ合衆国ワシントン州98625,カラ マ,グレイト・ノーザン 120 (72)発明者 ロバート・ティー・ハミルトン アメリカ合衆国ワシントン州98107,シア トル,ノースウエスト・フィフティエイ ス・ストリート 3015 Fターム(参考) 4L055 AC03 AD01 AD10 BA14 BB13 BB20 FA05

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期の白色度レベルを有するセルロース
    系材料を供給する工程;パルプに転化させるためのリフ
    ァイニングシステムに前記セルロース系材料を導入する
    工程;前記リファイニングシステムに漂白液を供給する
    工程、ここで、前記漂白液が過酸化水素とアルカリを含
    み、前記アルカリの最大100%までがMg(OH)2、Na2CO3
    またはこれらの組合わせ物である;パルプと漂白液を約8
    5℃〜約160℃の範囲の温度で約2分〜約180分保持する工
    程; およびパルプの白色度を、少なくとも、アルカリの
    100%がNaOHであって、パルプと漂白液をほぼ同じ温度・
    時間条件に保持した場合に得られる白色度レベルにまで
    上げる工程;を含む、メカニカルパルプを増白する方
    法。
  2. 【請求項2】 パルプのpHを約9〜約10.5の範囲内の値
    に増大させる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記温度が100℃より高くて約160℃まで
    の温度である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記時間が約10分〜約180分未満までの
    時間である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記時間が60分より多くて120分未満ま
    での時間である、請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記時間が2分より多くて60分未満まで
    の時間である、請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記漂白液が、乾量基準のパルプ1トン
    当たり約10ポンド〜約100ポンドに相当する量のアルカ
    リを含む、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記アルカリの約40%〜約100%がMg(OH)2
    である、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記アルカリの約50%〜約100%がNa2CO3
    である、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記漂白液が、過酸化水素を、乾量基
    準のパルプ1トン当たり約10ポンド〜約200ポンドの量に
    て含む、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 パルプのコンシステンシーが約3%より
    大きい、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 アルカリ対過酸化水素の重量比が約0.
    25:約3である、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記漂白液がさらに、キレート化剤を
    最大約10重量%までの量にて含む、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記キレート化剤が、アミノポリカル
    ボン酸(APCA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチ
    レントリキサミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NT
    A)、ホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホス
    ホン酸(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレン
    ホスホン酸(DTPMP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸
    (NTMP)、ポリカルボン酸、グルコン酸塩、クエン酸塩、
    ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、またはこれ
    らの組合わせ物からなる群から選択される、請求項13記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 前記漂白液がさらに、ケイ酸塩を最大
    約10重量%までの量にて含む、請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 パルプの白色度を少なくとも約1白色
    度単位(ISO)だけ増大させる、請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記リファイニングシステムが、一次
    リファイナー、二次リファイナー、および前記一次と二
    次のリファイナー間の段間セクションを画定している、
    請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 ある量のアルカリが一次リファイナー
    にて供給される、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記アルカリがMg(OH)2である、請求
    項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 ある量のアルカリが段間セクションに
    て供給される、請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記アルカリがNa2CO3である、請求項
    20記載の方法。
  22. 【請求項22】 最終的な残留過酸化物レベルに関し
    て、前記残留過酸化物レベルを、アルカリの100%がNaOH
    であって、パルプと漂白液をほぼ同じ温度・時間条件に
    保持した場合に得られる残留過酸化物レベルより増大さ
    せる、請求項1記載の方法。
  23. 【請求項23】 パルプの残留過酸化物レベルを少なく
    とも約0.5%だけ増大させる、請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 残留過酸化物レベルが約0.7%より高
    い、請求項1記載の方法。
  25. 【請求項25】 最終的なパルプ収率に関して、前記パ
    ルプ収率を、アルカリの100%がNaOHであって、パルプと
    漂白液をほぼ同じ温度・時間条件に保持した場合に得ら
    れるパルプ収率より増大させる、請求項1記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記パルプ収率を少なくとも約0.5%だ
    け増大させる、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記パルプ収率が約95.9%より高い、
    請求項1記載の方法。
  28. 【請求項28】 最終的なシュウ酸塩濃度に関して、前
    記シュウ酸塩濃度を、アルカリの100%がNaOHであって、
    パルプと漂白液をほぼ同じ温度・時間条件に保持した場
    合に得られるシュウ酸塩濃度より減少させる、請求項1
    記載の方法。
  29. 【請求項29】 非希釈廃濾液のシュウ酸塩濃度を少な
    くとも10mg/lだけ減少させる、請求項1記載の方法。
  30. 【請求項30】 最終的なCODレベルに関して、前記COD
    を、アルカリの100%がNaOHであって、パルプと漂白液を
    ほぼ同じ温度・時間条件に保持した場合のCODより減少
    させる、請求項1記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記CODを、kg/ODMTの表示にて少なく
    とも約1単位だけ減少させる、請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 最終的なBODレベルに関して、前記BOD
    を、アルカリの100%がNaOHであって、パルプと漂白液を
    ほぼ同じ温度・時間条件に保持した場合のBODより減少
    させる、請求項1記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記BODを、kg/ODMTの表示にて少なく
    とも約1/10単位だけ減少させる、請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記リファイニングシステムが一次リ
    ファイナーと二次リファイナーとを画定しており、二次
    リファイナーより前にて漂白反応がクエンチされない、
    請求項1記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記漂白液がさらに、漂白助剤を最大
    約10重量%までの量にて含む、請求項1記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記漂白液が、水と過酸化水素との6
    0:40溶液のほぼ3重量%に相当する組み込み量の過酸化水
    素を含む、請求項1記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記漂白液が、水と過酸化水素との6
    0:40溶液のほぼ2重量%に相当する組み込み量の過酸化水
    素を含む、請求項1記載の方法。
  38. 【請求項38】 初期の白色度レベルを有するセルロー
    ス系材料を供給する工程;パルプに転化させるためのリ
    ファイニングシステムに前記セルロース系材料を導入す
    る工程;前記リファイニングシステムに漂白液を供給す
    る工程、ここで、前記漂白液が第1の量の過酸化水素と
    アルカリを含み、前記アルカリの最大100%までがMg(OH)
    2、Na2CO3、またはこれらの組合わせ物である;約85℃〜
    約160℃の範囲の温度で約2分〜約180分にわたって、パ
    ルプに漂白液を供給する工程; およびパルプの白色度
    を、前記第1の量より多い第2の量の過酸化水素を前記漂
    白液が含み、アルカリの100%がNaOHであって、パルプと
    漂白液をほぼ同じ温度・時間条件下に保持した場合に得
    られる白色度レベル以下にまで上げる工程;を含む、メ
    カニカルパルプを増白する方法。
  39. 【請求項39】 少なくとも約55ISOの白色度を有す
    る、請求項1記載の方法によって製造されるパルプ。
  40. 【請求項40】 約55ISO〜約69.5ISOの白色度を有す
    る、請求項39記載のパルプ。
  41. 【請求項41】 初期の白色度レベルを有するセルロー
    ス系材料を供給する工程;パルプに転化させるためのリ
    ファイニングシステムに前記セルロース系材料を導入す
    る工程;前記リファイニングシステムに漂白液を供給す
    る工程、ここで、前記漂白液が、過酸化水素、ケイ酸
    塩、およびアルカリを含み、前記アルカリの最大100%ま
    でがMg(OH)2、Na2CO3、またはこれらの組合わせ物であ
    る;パルプと漂白液を約85℃〜約160℃の範囲の温度で約
    2分〜約180分保持する工程; およびパルプの白色度を、
    少なくとも、アルカリの100%がNaOHであって、パルプと
    漂白液をほぼ同じ温度・時間条件に保持した場合に得ら
    れる白色度レベルにまで上げる工程;を含む、メカニカ
    ルパルプを増白する方法。
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