JP2002541475A - 鎖置換増幅およびバイオエレクトロニック・マイクロチップ技術を用いる核酸配列の増幅および分離 - Google Patents

鎖置換増幅およびバイオエレクトロニック・マイクロチップ技術を用いる核酸配列の増幅および分離

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JP2002541475A
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カール・エフ・エドマン
ジョン・ジェイ・カリノ
ルイス・オー・ジェルー
ジョナサン・エム・ダイバー
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ナノゲン/ベクトン・ディッキンソン・パートナーシップ
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Abstract

(57)【要約】 マイクロエレクトロニック・マイクロチップ技術と組合せて新規な鎖置換増幅技術を用いる試料中の核酸配列を多重増幅および分析するための事項のデバイス、方法および組成物を記載し、開示する。詳細には、試料中の核酸を増幅させてアンプリコンを形成させ、該アンプリコンをバイオエレクトロニック・マイクロチップの特定の電子的にアドレス指定可能な捕捉部位にアドレス指定し、該アドレス指定したアンプリコンを捕捉し標識し、ついで、該捕捉部位を標識の存在について分析する。試料は鎖置換増幅を用いて増幅し得る。また、本発明は、当業者によく知られている他の増幅法にも従う。捕捉および標識工程は、配列特異的レポーターを用いるユニバーサル捕捉の方法、またはユニバーサル・レポーターを用いる配列特異的捕捉の方法によって行い得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、能動的、多段階および多重の核酸配列の分離、増幅および診断分析
を行うための事項のデバイス、方法および組成物に関する。一般的に、それは、
試料中の核酸配列の増幅および分析用の事項のデバイス、方法および組成物に関
する。より詳細には、本発明は、バイオエレクトロニック・マイクロチップ技術
と組合せた新規な鎖置換増幅技術を用いて核酸を増幅および分析するための事項
の方法、デバイスおよび組成物に関する。本発明のデバイスおよび方法は、種々
の適用に有用であり、これには、例えば疾病診断(感染性ほか)、遺伝子解析、
農業および環境適用、薬剤の発見、ファーマコゲノミクス、ならびに食物および
/または水のモニターおよび分析が含まれる。
【0002】 発明の背景 以下の記載は、本発明に関する情報の概要を提供する。本明細書中に提供する
いずれかの情報がここに特許請求する発明に対して先行技術となることも、特異
的または潜在的に参照するいずれかの刊行物がその発明に対して先行技術となる
ことも許されない。
【0003】 定義 本発明の以下の記載には、本明細書中で用いている本発明の分野に特異的な膨
大な技術用語を含めた。一般的に、これらの用語の意味は当業者に知られており
、以下にさらに記載する:
【0004】 本明細書中で用いる“試料”とは、関心のある1またはそれを超える核酸の存
在につきアッセイする物質をいう。関心のある核酸または核酸群は他の核酸の混
合物中に存在し得る。関心のある核酸を含有する試料は、多くの方法で得ること
ができる。以下のものが試料を表すと想定される:細胞ライゼート、精製ゲノミ
ックDNA、ヒトまたは動物からのごとき体液、臨床試料、食物試料、他。
【0005】 本明細書中で用いる“標的核酸”および“標的配列”なる語句は、相互交換可
能に用いる。両方の語句とも核酸配列をいい、その存在または不存在が検出に望
まれる。標的核酸は一本鎖または二本鎖とし得、二本鎖の場合には、本明細書中
に記載する方法または他のよく知られている方法を用いてそれを検出する前に、
一本鎖形態に変性し得る。さらに、標的核酸は大部分の顕著なDNAまたはRN
Aのいずれの形態の核酸ともなり得る。
【0006】 本明細書中で用いる“増幅”とは、関心のある特定の核酸標的のコピー数にお
ける増加をいい、ここに該コピーは“アンプリコン”または“増幅産物”とも呼
ばれる。 本明細書中で用いる“増幅成分”とは、関心のある標的核酸のアンプリコンま
たは増幅産物を形成する増幅反応を行うために必要な酵素、緩衝液および核酸の
ごとき反応材料をいう。 本明細書中で用いる“多重増幅”なる語句は、関心のある1を超える核酸の増
幅をいう。例えば、それは、同一試料からの複数の配列の増幅または試料中の幾
つかの配列のうちの1の増幅をいうことができ、これは出典明示して本明細書の
一部とみなす、米国特許第5,422,252号および第5,470,723号に記載されている。
その語句は、同時または段階を追う様式のいずれかで複数の試料中に存在する1
またはそれを超える配列の増幅をもいう。
【0007】 本明細書中で用いる“オリゴヌクレオチド”とは、2またはそれを超える、好
ましくは3を超えるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含む分
子をいう。オリゴヌクレオチドの長さは、それをいかにして用いるかに依存する
であろう。オリゴヌクレオチドは、合成またはクローニングに由来し得る。オリ
ゴヌクレオチドは、タンパク質核酸(PNA)をも含み得る。
【0008】 本明細書中で用いる“プローブ”とは、標的核酸に選択的に結合することがで
きる、知られている配列の核酸をいう。より詳細には、“プローブ”とは、選択
したストリンジェントな条件下で当該プローブと核酸鎖がハイブリダイズするよ
うに、プローブ(probe)される核酸の1の鎖の配列に十分に相補的に設計され
たオリゴヌクレオチドをいう。特異的な型のオリゴヌクレオチド・プローブを本
発明の種々の具体例で用いる。例えば、“連結プローブ”とは、関心のある標的
核酸および増幅プローブの双方に結合するように設計された1の型のプローブを
記載する。さらに、“連結したプローブ”または“連結したプローブ・テンプレ
ート”とは、一対の連結プローブの間の連結反応の最終産物をいう。
【0009】 本明細書中で用いる“プライマー分子”および“プライマー”なる語は、相互
交換可能に用いる。プライマーは、“ブロック”されてさらなる核酸に共有結合
し得ないか、またはブロックされておらず、DNAポリメラーゼまたは逆転写酵
素によって触媒されるごとき核酸鎖の伸長を許容する3'末端の化学基を有する
かのいずれかの3'末端を有する核酸分子である。
【0010】 本明細書中で用いる”増幅プライマー”なる語句は、標的核酸配列を増幅する
ために用いるオリゴヌクレオチド・プライマーをいう。 本明細書中で用いる“プライマー伸長”なる語句は、遊離3−プライム(3'
)ヒドロキシル基からの核酸鎖のDNAポリメラーゼ誘導伸長をいい、それによ
って反対鎖に相補的な核酸の鎖を生成する。 本明細書中で用いる“アンプリコン”なる語は、増幅反応の産物をいう。用い
た両方のプライマーが標的配列にハイブリダイズする場合には、増幅した核酸も
含み得る。用いたプライマーのうちの1が標的配列にハイブリダイズしない場合
には、アンプリコンは増幅した核酸を含み得ない。したがって、この用語は一般
的に本明細書中で用い、増幅した核酸の存在を意味しない。 本明細書中で用いる“電子的にアドレス指定可能な”とは、核酸および酵素な
らびに他の増幅成分のごとき材料を、マイクロチップの捕捉部位の電子的バイア
スによってマイクロチップ上の1の位置からもう1の位置に指向させるマイクロ
チップの能力をいう。“電子的バイアス”とは、マイクロチップ上の捕捉部位ま
たは他の位置における電荷を、溶液中のマイクロチップと接触している帯電分子
がマイクロチップ上の1の位置に向けてもしくはそこから離れてまたは1の位置
からもう1の位置に指向され得るように、正味プラスおよび正味マイナスの電荷
の間で操作し得ることを意味する。
【0011】 本明細書中で用いる“捕捉部位”なる語句は、電子的にアドレス指定可能なマ
イクロチップ上の特定の位置をいい、そこで電子的バイアスを開始し、そこで核
酸プローブおよび標的分子のごとき分子をかかるバイアスによって結合またはア
ドレス指定する。 本明細書中で用いる“係留(anchored)”なる用語は、SDA反応で用いるプ
ライマー核酸または標的核酸を捕捉するために用いる核酸プローブのごとき、マ
イクロチップ上の特定の場所へ分子が結合することによる固定をいう。
【0012】 本明細書中で用いる“分岐プライマー対”なる用語は、増幅反応でプライマー
として用い得るオリゴヌクレオチドの対をいい、これはオリゴヌクレオチドがハ
イブリダイゼーションおよび増幅プライマーとしての使用に感受性であるように
化学基を介して一緒に連結している。 本明細書中で用いる“プライマー捕捉プローブ”なる用語は、選択した標的核
酸にハイブリダイズさせるために用い、かつ、捕捉部位へのかかる核酸用の係留
支持体を提供するオリゴヌクレオチドをいう。さらに、かかるオリゴヌクレオチ
ドは該標的核酸を増幅するための増幅プライマーとしても機能し得る。 本明細書中で用いる“ハイブリダイゼーション”および“結合”は相互交換可
能に用い、相補的核酸配列の互いの非共有結合または“塩基対形成”をいう。特
定のプローブがポリヌクレオチドと塩基対形成したままであるか否かは、相補性
の程度、プローブの長さ、および結合条件のストリンジェンシーに依存する。ス
トリンジェンシーが高ければ高いほど、相補性の程度もより高いにちがいなく、
および/または安定なままの結合または塩基対形成するプローブは長い。
【0013】 本明細書中で用いる“ストリンジェンシー”とは、極度のpH、高温、および
塩濃度のごとき核酸を付する条件の組合せをいい、それは二本鎖核酸の成分一本
鎖への解離を生じる。“高ストリンジェンシー”なる語句は、特異的な塩基対形
成のみが起こるような十分にストリンジェントまたは制限的であるハイブリダイ
ゼーション条件をいう。特異性は、(J.Mol.Biol., 98:503(1975)に記載さ
れているごとき)標準的なサザン・ハイブリダイゼーション・プロトコール下で
オリゴヌクレオチド・プローブまたは緊密に関連する配列を用いてユニーク配列
の検出を許容するのに十分でなければならない。 本明細書中で用いる“エンドヌクレアーゼ”とは、DNA分子内の部位でDN
Aを切断する酵素(例えば、制限エンドヌクレアーゼ、他)をいう。 本明細書中で用いる“制限エンドヌクレアーゼ認識部位”とは、DNA制限エ
ンドヌクレアーゼによって酵素的に認識および作用される二本鎖DNA中のヌク
レオチドの特異的配列をいう。
【0014】 本明細書中で用いる“切れ目を入れる”なる用語は、5'ヌクレオチドが遊離
3'ヒドロキシル基を有し、かつ、3'ヌクレオチドが5'リン酸基を有するよう
に2のヌクレオチド間の結合を破壊することによって、二本鎖核酸のうちの一本
鎖を切断することをいう。切れ目を入れることは、制限エンドヌクレアーゼを用
いて行うことが好ましく、この制限エンドヌクレアーゼは制限エンドヌクレアー
ゼ認識部位内の適当な場所で二本鎖核酸の切れ目を入れることを触媒することが
好ましい。
【0015】 本明細書中で用いる“改変ヌクレオチド”なる語句は、天然のヌクレオチドお
よびヌクレオチド三リン酸とは組成および/または構造において異なるヌクレオ
チドまたはヌクレオチド三リン酸をいう。本明細書中で用いる改変ヌクレオチド
またはヌクレオチド三リン酸は、制限エンドヌクレアーゼ認識部位が存在する二
本鎖核酸の一本鎖に改変が存在する場合には、改変ヌクレオチドまたはヌクレオ
チド三リン酸が制限酵素による切断に対して改変された鎖を保護するように改変
することが好ましい。したがって、改変ヌクレオチドまたはヌクレオチド三リン
酸の存在は、二本鎖核酸の切断よりも切れ目を入れることを助長する。
【0016】 本明細書中で用いる“DNAポリメラーゼ”なる語句は、5'から3'の向きで
核酸の3'ヒドロキシル末端にヌクレオチドを組込むことができる酵素をいう。
本明細書中に記載する方法に従って用いることができるDNAポリメラーゼの例
には、イー・コリ(E.coli)DNAポリメラーゼI、一般的には“クレノウ”ポ
リメラーゼとして知られているイー・コリDNAポリメラーゼIの大きなタンパ
ク質加水分解フラグメント、“Taq”ポリメラーゼ、T7ポリメラーゼ、Bs
t DNAポリメラーゼ、T4ポリメラーゼ、T5ポリメラーゼ、逆転写酵素、
エキソ−BCAポリメラーゼ、他が含まれる。
【0017】 本明細書中で用いる“置換”なる用語は、もう1の分子の直近から1の分子を
除去することをいう。二本鎖オリゴヌクレオチドおよび/または核酸に関しては
、該用語は二本鎖核酸分子を一本鎖にすることをいい、すなわち1の鎖が別の鎖
から置換されることをいう。二本鎖核酸の1の鎖の置換は、制限エンドヌクレア
ーゼが二本鎖核酸に切れ目を入れて遊離の3'ヒドロキシを創製し、これをDN
Aポリメラーゼによって用いて核酸の新たな鎖の合成を触媒する場合に生じ得る
。それとは別に、電子的にアドレス指定可能なマイクロチップの電子的バイアス
の作用によって1の核酸をもう1の核酸に置換し得る。
【0018】 本明細書中で用いる“リガーゼ”とは、ヌクレオチドの3'ヒドロキシル基を
第2のヌクレオチドの5'リン酸基に共有結合することができる酵素をいう。リ
ガーゼの例には、イー・コリDNAリガーゼ、T4DNAリガーゼ、他が含まれ
る。 本明細書中で用いる“連結する”とは、2の核酸分子を共有結合させて単一の
核酸分子を形成させることをいう。これは、典型的には、リガーゼを用いる処理
によって行い、これは1の配列の5'末端と他の配列の3'末端の間のホスホジエ
ステル結合の形成を触媒する。しかしながら、発明の文脈において、“連結する
”なる用語は、かかる配列を例えば化学的手段によって結合する他の方法も包含
することを意図する。
【0019】 本明細書中で用いる“結合する”とは、一般的に1の基を他の基に結合するこ
とをいう。例えば、オリゴマーおよびプライマーを捕捉部位の表面に結合し得る
。結合機構に関して、方法は、ビオチニル化プライマー、アンプリコンおよびス
トレプトアビジンに対するプローブ、他のごときビオチン基の連結、非共有結合
、結合のごとき結合手段を含むことを意図する。
【0020】 本明細書中で用いる“近位の”なる用語は、互いに直近に存在する核酸分子に
参照して用いる。該用語は、リガーゼ酵素によってそれらが連結され得るように
、1の核酸の5'末端が第2の核酸の3'末端と並列することを許容する2の核酸
分子間の十分な近接をもいう。 本明細書中で用いる“対立遺伝子特異的”なる用語は、同一遺伝子の他の対立
遺伝子の実質的な検出、増幅またはオリゴヌクレオチド・ハイブリダイゼーショ
ンなしの、遺伝子の1の対立遺伝子の検出、増幅またはオリゴヌクレオチド・ハ
イブリダイゼーションをいう。
【0021】 本明細書中で用いる“3−プライム”または“3’”なる用語は、核酸に関す
る特定の向きをいう。核酸は5−プライム(5’)または3−プライム(3’)
のいずれかで核酸の2の末端が識別されるように、異なる化学的な向きを有する
。核酸の3’末端は、末端ペントース糖の3'炭素に結合した遊離ヒドロキシル
基を含む。核酸の5'末端は、末端ペントース糖の5'炭素に結合した遊離ヒドロ
キシルまたはリン酸基を含む。 本明細書中で用いる“遊離3−プライム(3’)ヒドロキシル基”なる語句は
、核酸の鎖の3’末端に位置するヒドロキシル基の存在をいう。該語句は、遊離
ヒドロキシルがそれが新たな核酸合成を支持することができるように機能的であ
るという事実をもいう。
【0022】 本明細書中で用いる“5−プライム・オーバーハング”なる語句は、2の鎖の
末端が共に伸長しているのではなく、1の鎖の5'末端が対峙する相補鎖の3'末
端を超えて伸長するように平滑末端を有していない二本鎖核酸分子をいう。線状
核酸分子については0、1または2の5'オーバーハングを有することが可能で
ある。5'オーバーハングの意義は、それが3'ヒドロキシル基が1の鎖上に存在
し、一本鎖核酸の配列が対峙する鎖上に存在する領域を提供することである。D
NAポリメラーゼは、マイナス鎖の遊離3'ヒドロキシルから開始して、核酸の
一本鎖部分に相補的な核酸鎖を合成し得る。
【0023】 本明細書中で用いる“バンパー・プライマー”なる用語は、SDA反応におい
てプライマー伸長産物を置換するために用いるプライマーをいう。バンパー・プ
ライマーは、バンパー・プライマーの伸長が下流増幅プライマーおよびその伸長
産物を置換するように、増幅プライマーの上流の標的配列にアニーリングする。
【0024】 本明細書中で用いる“検出された”および“検出”なる用語は、相互交換可能
に用い、標的核酸またはその増幅した核酸産物の存在または不存在の識別をいう
。 本明細書中で用いる“標識”とは、増幅産物を検出する能力を提供する化学基
をいう。例えば、核酸上の標識は、32Pのごとき放射性同位元素または共有も
しくは非共有結合発色団、蛍光基、酵素、抗原、特異的反応性を有する基、化学
ルミネセンス基、および電気化学的に検出可能な基のごとき非−放射性分子を含
み得る。
【0025】 上記の定義は、本発明の趣旨を限定すると理解してはならない。むしろ、それ
らを用いて、明細書中の言葉を解釈し、適当な場合には、請求の範囲の言葉を解
釈すべきである。これらの用語は、本発明の記載の文脈でより十分に理解し得る
。上記に定義しなかったかまたはその文脈に基づいて解釈することができない用
語が詳細な説明または請求の範囲に含まれる場合には、当業者によって理解され
るのと同じ意味を有すると解釈されるべきである。
【0026】 背景技術 遺伝子の核酸配列を決定することは、多くの状況において重要である。例えば
、多くの疾病は正常な遺伝子に対する遺伝子配列中の突然変異によってかまたは
それと関連して引き起こされる。かかる突然変異には、“点突然変異”と呼ばれ
る1のみの塩基の他のものへの置換が含まれ得る。幾つかの例において、点突然
変異はそれを遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列中の変化をコードす
ることによって疾病の重篤な臨床的病徴が引き起こされ得る。例えば、鎌状赤血
球貧血症はかかる点突然変異から生じる。
【0027】 遺伝子のコピー数における増減と関連する疾病も存在する。したがって、配列
中の変化の存在または不存在を決定することが重要であるのみならず、試料中の
かかる配列の量を疾病の診断または疾病を発病する危険性の判定に用いることが
できる。さらに、原核生物および真核生物の両方の遺伝子配列中の変化が遺伝材
料の源を同定するのに非常に貴重であることが証明されている(例えば、制限断
片長多型(RFLP)によって他人から1のヒトをまたはDNAの源を同定する
こと)。
【0028】 微生物またはウイルスによって引き起こされるある種の感染症は、感染性生物
に独特の核酸配列を検出することによって診断することもできる。種々の製品の
安全性が関心事である、例えば献血された血液、血液製剤および器官の医療分野
におけるような、ならびに食物および水の供給者の安全性が公衆の健康に重要で
ある場合には、ウイルス、寄生体および他の微生物由来の核酸配列の検出も重要
である。
【0029】 したがって、試料からの核酸の単離による特異的な核酸配列の同定および配列
への探求の検出は、それによってヒトが疾病、生物または個人の存在を決定する
ことができる機構を提供する。一般的に、かかる検出は、関心のある標的核酸配
列に対して一部分相補的である合成核酸“プローブ”配列を用いることによって
行う。
【0030】 前記したごとく核酸の存在を検出することが望ましいが、核酸配列への探求が
極めて少数(例えば10未満)で試料起源中に存在する場合がある。少ない標
的分子数の条件は、それを検出し得るために標的配列の数を増幅するために研究
室技術を行う必要を生じる。数ある中の一部を挙げるにすぎないが、ポリメラー
ゼ鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、お
よび核酸配列ベース増幅(NASBA)のごとき標的化配列を増幅する多くのよ
く知られた方法が存在する。これらの方法は、以下の参考文献に一般的に記載さ
れている:(PCR)米国特許第4,683,195号、第4,683,202号および第4,800,15
9号;(LCR)1989年6月14日に公開された欧州特許出願番号第320,308号;(
SDA)米国特許第5,270,184号および第5,455,166号、ならびにPCR Methods an
d Applications, 3(1):1-6 (1993), Cold Spring Harbor Laboratory Press中の
G. T. Walkerによる“Empirical Aspects of Strand Displacement Amplificati
on”;および(NASBA)“Methods in Molocular Biology, Vol. 28: Proto
cols for Nucleic Acid Analysis by Nonradioactive Probes, 1994編. P.G.Isa
ac, Humana Press, Inc., Totowa, NJ”中の36章、L. Malekらによる“Nucleic
Acid Sequence-Based Amplification (NASBATM)”(前記の各参考文献は出典明
示して本明細書の一部とみなす)。
【0031】 標的核酸増幅した産物、すなわち“アンプリコン”の分析および/または同定
に関しては、比較サイズ、相対移動分析(例えば、サザンブロット分析)および
ハイブリダイゼーション分析を含む他のよく知られている技術が典型的に用いら
れている。しかしながら、比較サイズまたは相対移動分析は最適でない。それら
は望ましくない程度で遅くかつ不正確だからである。さらに、ハイブリダイゼー
ション分析はこれらの方法に超える多くの利点を供するが、ハイブリダイゼーシ
ョン分析は本発明の教示と比較して迅速でも高感度でもない。
【0032】 PCR技術に関してはサーマルサイクリングを要するため、PCRはマイクロ
エレクトロニック環境における使用に最適でない。サーマルサイクリングによっ
て引き起こされる熱的揺らぎがマイクロチップの表面に位置する捕捉部位に有害
だからである。そのうえ、サーマルサイクリングは、(例えば、均一な加熱を保
証するため、他の)複雑な機器、および分析を完了する許容できない時間の長さ
(各工程を順次に起こさなければならないからである)の必要を含む他の問題も
生じる。
【0033】 PCRとは反対に、SDA技術はマイクロエレクトロニック環境で有用である
。それはPCRの前記した望ましくない特徴の幾つかを克服するからである。例
えば、それは、等温方法であって増幅プロセスは非同時性であり、したがってよ
り迅速である。SDAの使用はPCRを超える利点を有するが、最近行われてい
るSDAスキームには、典型的に、(例えば、前掲の米国特許第5,455,166号に
開示されている)溶液ベース増幅プロトコールの使用が含まれる。SDA技術の
最近の修飾は、米国特許第5,624,825号に記載されているごとく、増幅用の個々
に設計したプライマーの数を最小限化するための技術を進歩させている。しかし
ながら、かかる進歩は、電子制御されたハイブリダイゼーションの本発明におい
て実現された向上から利益を受けていない。
【0034】 他の増幅法には、固体支持体に結合したプローブの使用が含まれる。しかしな
がら、かかる手法は、本明細書中に示し、かつ、電子的にアドレス指定可能なマ
イクロチップと結合して行う“係留”SDAと比較して、当該技術分野における
認識し得る進歩を供していない。例えば、米国特許第5,380,489号は、核酸増幅
方法および標的核酸の検出方法を開示するが、ここでは標的分子をより簡便に捕
捉および検出し得るように接着因子を用いて捕捉プローブを固定している。この
方法は、本発明が行っているようには、同時の増幅、捕捉および検出の争点を扱
っていない。もう1の例において、米国特許第5,474,895号はポリスチレン支持
体ベース・サンドイッチアッセイを用いる核酸の検出を開示している。再度、か
かる方法は、単に、受動的ハイブリダイゼーションにつづく、プローブの二次的
受動的ハイブリダイゼーション後の二次的検出を含むにすぎない。
【0035】 マイクロチップ・アレイも、核酸の増幅および検出に関連して用いられている
。例えば、発現モニター用に小型デバイスが首尾よく開発されている。例えば、
M. Schenaら, 270, Science 467-470 (1995), M. Schenaら, 93, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 10614-619 (1996), J. DeRisiら, 14, Nat. Genet. 457-60 (19
96), R. A. Hellerら, 94, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2150-55 (1997)およ
びJ. DeRisiら, 278, Science, 680-86 (1997)を参照されたい。小型デバイスは
、アンプリコン内の単一ヌクレオチド多型(SNPs)の分析用にも首尾よく開
発されている。例えば、Z. Guoら, 15, Nat. Biotechnol. 331-35 (1997)、およ
びE. Southern, 12 Trends Genet. 110-15 (1996)(前記の各刊行物は出典明示
して本明細書の一部とみなす)を参照されたい。これらのデバイスは、マイクロ
チップ技術の速度および感度とハイブリダイゼーションの特異性とを結合する潜
在能力を供する。しかしながら、本目的に好適ないずれの小型デバイスも首尾よ
く提供されていない。
【0036】 例えば、微小デバイスを用いて同時に複数のアンプリコンが分析されているが
(すなわち多重分析)、かかる多重分析はハイブリダイゼーション条件が試験す
る各アンプリコンに和合性である場合にのみ可能であった。この不利益は、注意
深い捕捉プローブ設計によって、非常に長い捕捉(例えば、発現モニター用のc
DNA)の使用によって(例えば、R. A. Hellerら, (1997)前掲、およびM. Sch
enaら, (1995)前掲を参照されたい)、またはより短い捕捉オリゴヌクレオチド
配列の過度な重複性および重複によって部分的に補い得る。しかしながら、ひと
まとめにして考えると、これらの考慮すべき事柄は大部分のマイクロチップ・デ
バイスの使用に対して制限を課している。さらに、短いオリゴヌクレオチド捕捉
配列と共に用いたごとき高レベルの重複性は、大きなアレイおよび得られたデー
タを解釈するための複雑なインフォーマティクス・プログラムの必要を生じ、な
おある種の配列−特異的領域が分析するのに困難なまま残り得る。別法として、
長い捕捉オリゴヌクレオチドの使用により、均一に上昇したハイブリダイゼーシ
ョン温度の使用が許容される。しかしながら、長い捕捉プローブおよび高いハイ
ブリダイゼーション温度(例えば、45ないし75℃の範囲)の使用は、非常に
関連性の高い配列の単一塩基対誤対合分析を妨げる。
【0037】 マイクロチップ上の増幅産物の捕捉の前に受動的ハイブリダイゼーションおよ
び溶液ベース増幅に依存するという点において、なおもう1の欠点が従来のマイ
クロチップでは明らかなってきている(例えば、米国特許第5,202,231号および
第5,545,531号、ならびにE. Southernら, Genomics 13, 1008-1017 (1992); M.
Schenaら, Science 279, 467-470 (1995); M. Cheeら, Science 274, 610-614 (
1996);ならびにD. J. Lockhartら, Nature Biotechnology 14, 1675-1680 (1996
)(すべて出典明示して本明細書の一部とみなす))。
【0038】 さらに、これらのデバイスの多くは、複数の試料から標的分子の増幅を同時に
分析および/または検出することができない。巨視的なデバイスにおいては、こ
の後者の問題は、試料間に最小限のコンタミネーションしか存在せずに個々の試
料がユニークな幾何学的位置を占める“ドット・ブロット”形式によって従来取
扱われている。それに対して、大部分のマイクロチップについて、検出および分
析の問題は、通常、微視的なスケールという以外はドット・ブロットの巨視的沈
澱と同様な高価かつ複雑な核酸沈澱技術を要する。
【0039】 もう1の最近の開示(国際公開WO96/01836)においては、電子マイクロチッ
プが核酸のPCR型増幅と結合して用いられている。しかしながら、特定の捕捉
部位で標的アンプリコンの量を増加させるための増幅酵素および制限酵素の同時
の使用を必要とする増幅系は、その系において予期されておらず、可能でもなか
った。むしろ、捕捉した核酸種の制限消化は、酵素切断につづいて起こる標的種
の検出とPCR型増幅法の後の捕捉部位からの二本鎖核酸種の除去と結合して考
えられていた。さらに、該系は、PCR反応において機能的であった標的核酸の
1の鎖のみに相補的な係留増幅プライマーを提供した。
【0040】 他のマイクロチップベースの増幅および検出プラットフォームと同様に、国際
公開WO 96/01836号公報で概念化された発明は、本明細書中に開示する電子的に
アドレス指定可能なマイクロチップ上のSDAと比較して実質的に制限されてい
る。その公報に教示されている標的種のPCR型増幅は、二本鎖種の破壊ならび
に溶液ベースの逆プライマーの機能性を必要とするからである。かかる状況はプ
ライマー−プライマー相互作用による効率的な増幅の低下を引き起こす一方で、
制限酵素の使用が反応緩衝液条件における揺らぎにより阻害される。
【0041】 最後に、核酸の増幅および検出の他の態様は問題を含んでおり、および/また
は最適でない。1のかかる問題は、制限酵素による核酸の制限エンドヌクレアー
ゼ切断における特異性の喪失であった。例えば、幾つかの制限エンドヌクレアー
ゼが高い浸透圧または低い水分活性ではそのDNA認識配列についての特異性を
喪失することが知られている。C. R. Robinsonら, J. Mol. Biol., 234:302-306
(1993)。低い水分活性では、制限エンドヌクレアーゼは正常な認識部位から1
塩基対異なる認識部位でDNAを切断するであろう。1塩基対離れた認識部位は
“スター”部位と呼ばれ、これらのスター部位のエンドヌクレアーゼの認識およ
び切断は“スター活性”と呼ばれている。
【0042】 Robinsonらは、結合水がEcoRIのDNA切断の配列特異性に関係すること
を見出し(Biochmeistry 33(13): 3787-3793 (1994))、さらに反応を0ないし
100気圧の高圧で行うことによって静水圧を上昇させると、EcoRI、Pv
uIIおよびBamHIについて浸透圧により誘導されるスター活性が阻害され
て最終的には排除されるが、EcoRVについてはこれらの現象が起きないこと
を見出した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92: 3444-3448 (1995))。制限エン
ドヌクレアーゼに依存するSDAに伴う1の再発性の問題は、スター活性による
プライマー非依存的様式で非−標的配列が増幅される頻度である。したがって、
SDA反応におけるスター活性を低下または排除する必要がある。本発明の1の
具体例において、本発明者らは、高圧SDA法の適用によるSDA反応における
かかるスター活性の排除を提供する。
【0043】 スター活性を排除することによってSDA技術を進歩させることに加えて、本
発明者らは、バイオエレクトロニック・マイクロチップと組合せてSDAを用い
る核酸の検出における種々の他の利点も提供する。例えば、核酸配列の増幅およ
び分離は、連結−依存性SDAを用いて行い得る。捕捉工程によって出発材料か
ら増幅産物を分離することを必要とする、または連結前に結合したプローブから
遊離連結プローブを分離することを必要とする当該技術分野で知られている連結
−依存性増幅法に対して、本発明は単離工程を分離する必要性を排除する。さら
に、本発明は、当該技術分野で用いられているのと同様なバンパー・プライマー
の必要性を排除することによって、SDA増幅プロセス時を改良している。例え
ば、典型的な連結−依存的増幅法には、増幅の間に用いるプライマーのうちの1
を標識することによる捕捉工程が含まれる。分離を連結の前に起こさせて、プラ
イマーのテンプレート非依存的連結を防ぐことができ、あるいは、分離を連結後
に行って非−標識/増幅DNAから標的DNAアンプリコンを単離し得る。この
標識を含有する標的DNAアンプリコンは、非−標識/増幅DNAから分離する
。この分離は、増幅後の余分な工程を必要とする。試料のこの余分な操作は、手
法の複雑性を増大させ、それによって、それはPCRのごとき他の最新のDNA
増幅法に対する単純な別法としてあまり有用でないものとなる。また、この試料
の余分な操作は増幅手法の自動化を妨げる。本発明の1の具体例において、かか
る余分な工程を排除する連結−依存的SDA法を提供し、これは標的核酸の増幅
および検出の自動化を促進する。
【0044】 他の具体例において、本発明者らは、SDAおよび電子的にアドレス指定可能
なマイクロチップを用いる核酸の増幅および検出技術におけるさらなる進歩を提
供し、その進歩は関心のある標的核酸配列を効率的かつ最適に増幅し、検出し、
および分析するための事項のデバイス、方法および組成物に存在する要望を集合
的に示す。
【0045】 発明の概要 本発明は、核酸配列の多重増幅、検出および分析用の事項のデバイス、方法お
よび組成物に広く関し、ここでは増幅、検出および分析をバイオエレクトロニッ
ク・マイクロチップ技術と組合せたSDAを用いて最適に行う。本発明は、関心
のある標的核酸を増幅する種々の効率的かつ最適な方法、ならびに、得られたア
ンプリコンを分析するための方法を提供する。加えて、本発明は、単一のオープ
ン・バイオエレクトロニック・マイクロチップ上で標的核酸を含有する複数の試
料の増幅および分析(順次または同時のいずれか)を可能とする。
【0046】 本発明の1の態様において、マイクロチップ・デバイスは電子制御された微小
電極アレイである。出典明示して本明細書の一部とみなす、国際公開WO 96/018
36号を参照されたい。大部分の他のマイクロチップ・デバイスの受動的ハイブリ
ダイゼーション環境に対して、本発明の電子マイクロチップ・デバイス(または
能動的マイクロアレイ・デバイス)は、核酸を能動的に輸送するかまたは電子的
にアドレス指定して、微小電極アレイの表面上の場所に分離し、かつ、それらの
場所にアドレス指定された核酸を“捕捉部位”と指定された特定の場所のマイク
ロチップの表面またはその部位に以前に結合した核酸のいずれかに結合する能力
を供する。R. Sosnowskiら, 94, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 119-123 (1997)
およびC. Edmanら, 25, Nucleic Acids Res., 4907-14 (1997)を参照されたい。
これらの能動的マイクロアレイの使用は、受動的マイクロデバイスによって出く
わしていた多くの制限を回避する。
【0047】 本発明の能動的マイクロチップ・アレイは、捕捉オリゴヌクレオチドのサイズ
依存性および能動的マイクロデバイスの複雑性要件を克服する。また、本発明の
マイクロチップ・アレイは、関心のある核酸を含有する異なる試料を種々の微小
電極場所に選択的かつ独立して標的化することによって、同一のオープン・マイ
クロアレイ表面で複数の独立した試料分析を許容する。他言すれば、それは、オ
ープン・アレイ上の平行な複数試料のプロセシングを許容する。前述したごとく
、伝統的な核酸検出法は、分解可能なシグナルを達成するために必要なしばしば
長い増幅およびハイブリダイゼーション時間によって制限される。かかる方法に
対するさらなる制限は、その分析表面で多重ハイブリダイゼーション事象を行う
ことができないことであり、それによっていずれか1のアッセイで入手可能な情
報が制限される。これらの制限は両方とも、アレイ上の特異的部位にDNAを選
択的に標的化しかつ濃縮することができる能動的マイクロエレクトロニック・ア
レイの使用によって本発明においては克服される。このデバイスのさらなる強み
は、電子的ハイブリダイゼーションおよび変性を行って、単一塩基多型を識別す
る力である。したがって、この能動的微小電極アレイは、他のマイクロデバイス
で示されたものを超える、共通プラットフォーム上で広範な種々のタスクを取扱
う融通性を示す。
【0048】 本発明は、好ましくは伝統的なPCRとは異なる増幅方法を使用する。詳細に
は、本発明は、鎖置換増幅(SDA)を使用する。SDAは、複雑なバックグラ
ウンドにわたる少数の標的分子を迅速(例えば、約15−45分で)かつ対数的
に増幅させるのに十分な感度および頑丈さを有する増幅法である。例えば、C. S
pargoら, 10, Molecular and Cellular Probes, 247-56 (1996)を参照されたい
。PCRに対して、SDAはより単純な熱的制御および関連器具設計を必要とす
る等温技術である。SDAは、核酸を迅速に分析するための統一した増幅−ハイ
ブリダイゼーション−検出系とより和合する(すなわち、全ての工程が1の場所
、例えばマイクロアレイ・チップに統一された系である)。これは、主として、
電子的にアドレス指定可能なマイクロチップのマイクロアレイに対して有害とな
り得る条件(例えば、熱的サイクリング)をSDAが必要としないという事実に
よる。
【0049】 プローブが標的を捕捉するように設計され、かつ、アンプリコン核酸分子がマ
イクロアレイの表面に係留される受動的ハイブリダイゼーションにおける増幅反
応の効率は、つなぐ表面に位置する適当なプライマーに対する標的核酸種のハイ
ブリダイゼーションの低い頻度により、増幅の初期相の間は制限される。典型的
には、このプロセスには、低容積の溶液でさえ、数時間を要する。しかしながら
、このプロセスの効率は、“係留”プライマーの近くに核酸を電子的に濃縮する
(すなわち、アドレス指定する)ことによって劇的に上昇し、それによって、溶
液相の標的核酸と係留プライマーとの間の遭遇する頻度が上昇する。従来の概念
がマイクロアレイ上の特異的部位に係留されたPCR増幅に必要な2の増幅プラ
イマーのうちの1のみと結合したPCRを用いていたのに対して、本発明はSD
Aに必要な両方の増幅プライマーがマイクロアレイの特異的な捕捉サイトに係留
されていることを意図する。したがって、本発明の1の具体例において、以下に
記載するごとく、増幅反応緩衝液、酵素、ヌクレオチド、他の導入の前に、マイ
クロチップの表面に標的核酸を電子的に濃縮し、ハイブリダイズさせることは、
“係留SDA”のごとき“係留”増幅反応に大きな利益を与える。相補的な係留
増幅プライマーに対するテンプレート核酸分子の迅速な濃縮およびつづく特異的
なハイブリダイゼーションにより、アレイの表面を洗浄して、反応環境から望ま
しくないおよび恐らくは妨害する非−標的核酸を除去することが許容される。
【0050】 マイクロアレイ上の特異的場所への標的核酸の電子的アドレス指定を用いるこ
とは、従来の能動的ハイブリダイゼーション技術を超える少なくとも3の他の利
点を有する。第1に、増幅プロセスの全体時間および効率が劇的に改善される。
主要な律速段階(テンプレートが係留プライマーを見出すために要する時間のも
の)が全体の反応速度から除去されるからである。また、電子的アドレス指定の
使用は、係留増幅プローブに対する標的種のハイブリダイゼーションが等しい時
間に非−電子的な能動的ハイブリダイゼーション・マイクロアレイ上のいずれか
の特定の部位に見出されるであろう標的分子の数と比較して選択された部位にお
ける標的分子の数を増加させるように、標的核酸を電子的に濃縮するようにも作
用する。これは、増幅プロセス用の出発分子の絶対数を劇的に増加させて、増幅
産物の全体収率および少ない出発テンプレート数に対する感度の両方における改
善を生じる。
【0051】 第2の利点は、別々の標的核酸をアレイ表面上の特異的な場所に適用すること
ができ、それによって、複数の異なる核酸試料を1のアレイ上で同時に増幅する
ことが許容されることである。別法として、核酸試料は幾つかの異なる場所に標
的化することもでき、その各場所には複数の異なる増幅反応を単一の試料から同
時に行うことができるように特異的なセットの増幅プライマーが含まれる。前に
注記したごとく、反応混合物から不必要かつハイブリダイズしなかったDNAを
除去する能力は、このプロセスを非常に助ける。
【0052】 このアプローチに対する第3の利点は、増幅反応後にアレイ上の特異的部位に
アドレス指定され、結合されたアンプリコンを、(1)蛍光標識ヌクレオチドの
導入、または(2)増幅した材料の変性につづくつなげたアンプリコンに対して
特異性を有する適当なレポーター・オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーシ
ョンによる反応の終点におけるオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの
ごときによって、つづく分析に部位−特異的な様式で利用できることである。
【0053】 本明細書中に記載するごとく、従来の方法の前記した制限を克服するための電
子的にアドレス指定可能なマイクロチップおよびSDAの組合せと結合して用い
る電子的標的化の能力は、アンプリコン分析の2の例で示される。第1に、より
詳細に後記するごとく、多くの種の細菌によって共有されている共通の保存性の
高い遺伝子座(例えば、16S rRNA)の使用を、個々の試料の多重比較分
析に適用して異なる細菌の型を同定し得る。第2に、より詳細に後記するごとく
、本発明の電子的マイクロアレイを用いて、ヒト第V因子Leiden(R506Q)
遺伝子突然変異の存在について複数の個別の患者試料を同時に分析する。ヒト第
V因子Leiden(R506Q)遺伝子は活性化プロテインC耐性および脈管血栓症
に対する素因を示す。この例は、複数の患者からの首尾よい平行試料分析を示す
。この多重患者試料分析に用いた試験試料は、本発明のもう1の態様、すなわち
、より詳細に後記するごとく、SDAを用いる対立遺伝子−特異的な増幅方法を
提供する。
【0054】 本発明の他の態様は、種々の新たな増幅法に指向される。本発明のかかる新規
なSDA法は、種々の分析用のアンプリコンを提供するのに有用である。例えば
、本明細書中に記載するSDA法の幾つかは、電子的にアドレス指定可能なマイ
クロチップアレイ上で増幅を行うための増幅条件を最適化するのに有用である。
他のSDA法は、電子的にアドレス指定可能なマイクロチップアレイ上の使用に
特に適したアンプリコンを提供するのに有用である。なお他のSDA法は電子的
にアドレス指定可能なマイクロチップアレイ上で行う分析について分析条件を最
適化するのに有用である。
【0055】 より詳細には、本発明のSDA法の1の具体例は、対立遺伝子−特異的SDA
法を含む。該方法は、好ましくは特異的対立遺伝子を含む鎖のみを選択的に増幅
させる。該方法は、好ましくはその3'末端が目的の対立遺伝子のヌクレオチド
配列を相補するように設計された増幅プライマーを用いる。該プライマーは、好
ましくはその5'末端にビオチン基を含んで、増幅の前または電子的標的化後の
増幅の後のいずれかに、捕捉部位にアンプリコンおよび/または標的核酸を捕捉
するための容易な技術を提供する。さらに、もう1の対立遺伝子−特異的な具体
例において、所与の遺伝子の対立遺伝子の存在について核酸を含有する複数の試
料を分析するための方法を提供し、それは、“2本の鎖の”SDAによって各試
料中の核酸を増幅させてアンプリコンを産生させ、ここに第1の増幅は第1の対
立遺伝子に特異的なプライマーを用い、第2の増幅は第2の対立遺伝子に特異的
なプライマーを用い、アンプリコンをマイクロアレイ上に電子的にアドレス指定
し、結合したアンプリコンに1またはそれを超えるレポーター・プローブをハイ
ブリダイズさせ、ついでマイクロアレイ上のレポーター・プローブの存在および
場所を検出することを含む。
【0056】 本発明のもう1の具体例において、SDAおよび電子的にアドレス指定可能な
マイクロチップ上の増幅産物の同時検出の独特な組合せを提供する。好ましい具
体例において、SDAは電子的マイクロチップ上の指定された位置の表面で行い
、ここに増幅に必要な上流および下流の両方のプライマーはマイクロアレイ上の
同一の分離捕捉部位に係留される。1のかかる具体例において、マイクロチップ
の表面に“係留された”ユニークな分岐基を用いてプライマーを対形成させる。
この分岐プライマー対の設計は、互いに所定の距離および場所を有する接近して
離れたプライマーを提供する。さらに、この配置は、それによってSDAの速度
を制御し得る手段を提供する。さらに、本発明の他の要素と組合せて、プライマ
ー対の場所に生成される一本鎖増幅産物は、さらなるSDA用に電子的マイクロ
チップ上の同一または隣接する指定された捕捉部位に、使用されなかった分岐プ
ライマー対によって容易かつ迅速にアドレス指定され、捕捉され得る。
【0057】 好ましい具体例において、前記プライマー対の各プライマーは、さらに、標的
分子と相補的な核酸配列を有する核酸配列の5'に位置するエンドヌクレアーゼ
制限部位の1の鎖をコードする核酸配列を含む。さらなる好ましい具体例におい
て、プライマー中の制限部位の配列は、核酸骨格が制限酵素の作用によって切断
可能である天然のリン酸骨格を含む点において未改変である。さらに、SDAに
おいて有用な制限部位は、HincII、HindII、BsoBI、AvaI
、Fnu4HI、Tth111IおよびNciIのごとき、出典明示して本明細
書の一部とみなす参考文献に開示されているSDA手法で典型的に用いられるい
ずれの制限部位ともし得る。また、この方法に用い得る他のエンドヌクレアーゼ
には、BstXI、BsmI、BsrI、BsaI、NlaV、NspI、Pf
lMI、HphI、AlwI、FokI、AccI、TthIII、MraI、
MwoI、BsrBI、BstNI、BstOIおよびBsmAIが含まれる。
さらに、酵素は必ずしも好熱性でなくてもよい。さらに、プライマー伸長の間に
生成される二本鎖SDA増幅産物は、二本鎖SDA増幅産物が正常なSDA増幅
用のプライマー制限部位に適当に“切り目を入れる”ことができるように、ヘミ
メチル化またはヘミホスホロチエート化(または、当業者に知られている他のヘ
ミ改変形)となることがさらに好ましい具体例である。例えば、置換デオキシヌ
クレオシド三リン酸は、それが置換デオキシヌクレオチドを含有する鎖中の切断
は阻害するが、他の鎖の切断は阻害しないように改変すべきである。かかる置換
デオキシヌクレオシド三リン酸の例には、2'デオキシアデノシン 5'−O−(
1−チオ三リン酸)、5−メチルデオキシシチジン 5'−三リン酸、2'−デオ
キシウリジン 5'−三リン酸、および7−デアザ−2'−デオキシグアノシン
5'−三リン酸ガ含まれる。
【0058】 別の好ましい具体例において、制限部位の核酸骨格が前記したごとく改変され
ていることを要しない制限部位をSDA手法で用い得る。例えば、BstNBI
は、一本鎖切れ目を行う改変を必要としないため、その制限部位と結合して用い
て核酸に切れ目を入れ得る。その代わりに、BstNBIは天然活性として一本
鎖に切れ目を入れる。
【0059】 標的配列に相補的なプライマー対の核酸セグメントは、マイクロチップ上のS
DAの適正な機能に適当な温度および緩衝液の条件下におけるハイブリダイゼー
ションを許容するであろういずれかの有用な長さとし得る。典型的には、プライ
マー対の標的配列は、あり得る場合には、もう1のものから60ないし120塩
基上流または下流に離れたいずれかの場所に存在する標的核酸の部分と相補的で
ある配列を有する。全ての場合において、プライマー対の各プライマーは、標的
配列の異なる鎖(すなわち、プラス鎖またはマイナス鎖)に対して相補的である
。さらに、プライマー対が分岐した基上に存在する場合には、分岐結合基上のプ
ライマーの間の距離は分子スペーサー・エレメントによって調節して、SDA反
応の効率を最適に高め得る。かかるスペーサー・エレメントはポリエチレングリ
コール・ポリマー、ポリアミノ酸または核酸を含み得る。
【0060】 もう1の好ましい具体例において、離れたプライマーは、それらの対応する5
’末端で分岐した分子構造(例えば、‘Y’形状構造)に結合し得る。ついで、
分岐構造それ自体をYの遊離分岐を介してマイクロチップ上の指定した捕捉パッ
ド部位に係留する。マイクロチップ表面への結合法は、当該技術分野でよく知ら
れているストレプトアビジン/ビオチン・カップリングによるものとし得る。別
法として、結合法には、出典明示して本明細書の一部とみなす、米国特許第5,66
8,258号、第5,668,257号、第5,677,431号、第5,648,470号、第5,623,055号、第5
,594,151号および第5,594,111号のいずれかに開示されているものに匹敵する方
法が含まれ得る。1の好ましい具体例において、分岐分子はアミノ酸に結合した
核酸によって形成する。もう1の別の具体例において、分岐分子は、ポリエチレ
ングリコール・ポリマー、ポリアミノ酸または核酸のごとき異なるスペーサーを
核酸プライマーおよび二官能性分岐アミノ酸(例えば、リジン)の間に付加する
ことによって形成する。
【0061】 なおもう1の具体例において、係留SDA増幅プライマーは必ずしも分岐して
いなくてもよいが、その代わりに単に互いに極めて近接する捕捉部位に個別に係
留する。結合法は前記したごとく行い得る。
【0062】 本発明のもう1の好ましい態様において、標的核酸の増幅は係留プライマー対
の部位で排他的に行い、それによって、溶液ベース増幅に一般に関連する増幅速
度の不確実性を回避する。詳細には、溶液ベース増幅と比較して、複数の標的の
増幅または多重増幅は著しく改善される。かかる改善がプライマー間の競合の回
避および/または標的部位への結合を阻害し得るプライマー−プライマー相互作
用の回避による可能性がある。標的分子およびSDA産物の捕捉パッドSDA部
位への電子的アドレス指定の結合した影響によって、および増幅を許容するプラ
イマー(すなわち、分岐または非分岐のプライマー対)を固定された場所に係留
する事実によって、増幅は1の場所で維持される。
【0063】 本発明のもう1の好ましい態様において、標的核酸は増幅の前にマイクロチッ
プ上の特異的部位に電子的にアドレス指定される。この態様は幾つかの方法にお
いて受動的ハイブリダイゼーション技術を超える進歩である。第1に、標的核酸
種を含有する試料溶液中の核酸はマイクロチップ上の特異的部位に電子的にアド
レス指定されるため、標的分子は標的分子を捕捉するよう設計されたプライマー
対に接触する好ましい利点を有する。第2に、一本鎖核酸標的分子を創製しなけ
ればならない事象においては、一本鎖種の形成を許容する試料溶液中の条件は、
PCRおよび溶液ベース増幅では通常に行われている反復的よりもむしろ一度の
みで行わなければならない。第3に、標的種をチップ上の特異的捕捉部位に電子
的にアドレス指定し、アニーリングさせることは、低塩濃度下で行い得、これは
古典的受動的ハイブリダイゼーション技術とは著しく対立する状況である。低塩
濃度条件(および電子的アドレス指定)は、捕捉プライマーへの一本鎖標的種の
ハイブリダイゼーションを高める。かかる条件は標的核酸鎖のその対応する相補
鎖への再アニーリングの低下を助長するからである。
【0064】 もう1の好ましい具体例において、本発明の係留SDA法は改善した効率を提
供する。1または他の係留プライマーの標的アニーリング位置に対して5'側の
標的上の位置に標的分子をアニーリングさせるのに1の標的特異的な“バンパー
”プライマーしか必要でないからである。もう1の具体例において、2のバンパ
ー・プライマーを(伝統的SDAにおいてとして)含み得るが、2のプライマー
を含める必要はない。むしろ、2のバンパー・プライマーの使用は、分岐プライ
マー対によって最初に捕捉された標的核酸の2の鎖のうちのいずれかに依存する
プライマー捕捉プローブのうちのいずれか1の向きに依存して、プライマー捕捉
プローブのいずれか1の対のいずれかの向きからのプライミングの開始を促進す
るだけである。2のバンパー・プライマーを含めることは、アンプリコン形成の
速度をさらに高め得る。
【0065】 本発明のなおもう1の態様において、高圧下でSDAを用いて試料中の標的核
酸配列(およびその相補鎖)を増幅させる方法を提供する。圧力を上昇すること
により、増幅の効率が向上する。制限エンドヌクレアーゼのその標的配列に対す
る特異性が高められるからである。該方法には、1)試料から標的配列を含有す
ることが疑われる核酸を単離し、2)標的配列の一本鎖フラグメントを創製し、
3)(a)核酸ポリメラーゼ、(b)デオキシリボヌクレオシド三リン酸、ホス
ホロチオエート化dNTP、エンドヌクレアーゼ、および(c)(i)標的フラ
グメントの3’末端付近の標的の部分のまたはそれに沿ってときどき存在する領
域に相補的であって、かつ、(ii)さらに、制限エンドヌクレアーゼに対する
認識配列である配列をその5’末端に有する少なくとも1のプライマーを含む混
合物を添加し、ついで4)該混合物を増幅産物を生成するのに十分な時間高圧で
反応させる工程が含まれる。標的核酸フラグメントが二本鎖核酸を含む場合には
、該方法は核酸フラグメントを変性させて一本鎖標的配列を形成させることをさ
らに含む。核酸がRNAを含む場合には、最初にRNAをDNAに変換させるた
めに逆転写酵素を用いることが好ましいが、RNAは本発明の全ての具体例にお
いて特異的に含まれる。
【0066】 さらなる具体例において、電子的マイクロチップと結合したSDAの方法を提
供し、ここにおいてSDA反応は連結ベースである。この具体例においては、2
セットのプライマーを用い、ここに1のプライマーセットは互いに近接する標的
配列の1の鎖にプライマーが結合するように設計され、一方第2のセットの各プ
ライマーは第1のプライマーセットのプライマーのうちの1の部分に結合するよ
うに設計され、一方、第2のプライマーセットの他のものは第1のプライマーセ
ットの他のものの部分に相補的である(すなわち、標的鎖配列と同一)。この具
体例を用いる場合、バンパー・プライマーの関与なしにSDAを行い得ることは
明らかであろう。好ましい具体例において、2のプライマーセットのうちの1は
本明細書中に記載するごとく“係留”し得る。
【0067】 もう1の具体例において、連結ベースSDAの方法を提供し、ここに当該方法
は電子的マイクロチップによって補助されない。この具体例においては、とりわ
け、いずれのプライマーも係留する必要がなく、多重増幅の間にプライマーセッ
トを分離することを補助する手法である。プライマーがユニバーサル--標的配列
を‘正確な’プライマーに指向させる必要がない、だからである。
【0068】 連結ベースSDA法の特定の具体例においては、標的配列にアニーリングする
ように設計したプローブセットは、連結して、SDAを支持することができる“
連結プローブテンプレート”を形成するようにならなければならない。さらに好
ましい具体例において、連結ベースの反応は、多重試験における全ての標的分子
の増幅に普遍的に適用可能である増幅プライマーの単一対(すなわち、上記した
第2のプライマーセット)を用い、ついでそれは低下した非−標的増幅ならびに
バンパー・プライマーの不存在による低下したプライマー競合相互作用を供する
【0069】 さらに好ましい具体例において、連結プローブ・テンプレートは、初期SDA
反応工程の間にその3'末端から伸長し得ないように改変する。適切な連結プロ
ーブを改変することにより、より詳細に後記するごとく、その3'末端が切断可
能な制限部位となるであろうものの形成により制限エンドヌクレアーゼによって
切断され得る二本鎖核酸の形成が防がれる。この改変は、連結プローブの標的−
配列非依存的連結から生じ得る連結プローブ・テンプレートの増幅も防ぐ。
【0070】 連結ベースSDA法のもう1の好ましい具体例において、関心のある核酸を標
的化し、連結プローブ・テンプレートを作製するのに用いたプローブの対は、そ
の対の各プローブが標的結合配列および“増幅プライマー”結合配列(すなわち
、前記した第2のプライマーセット)を含む点において二機能性である。標的結
合に特異的な配列は、それが標的DNAの近接配列に相補的であるように選択す
る。増幅で用いた核酸配列を有する連結プローブ・テンプレート・プライマーの
部分は、SDAの間に関心のある全ての標的種について増幅プライマーの単一セ
ットを用い得るように選択する。
【0071】 さらなる具体例において、第1の増幅プライマーは、2の5'オーバーハング
が生成されるように、連結プローブ・テンプレートの3'末端の連結プローブ・
テンプレートに結合する。図23(a)を参照されたい。5'オーバーハングを
有する二本鎖核酸は、通常、DNAポリメラーゼによるマイナス鎖の3'末端か
らの核酸合成を支持することができる。当該技術分野でよく知られているごとく
、対峙する鎖に相補的である鎖に塩基を取り込ませることによって、核酸の1の
鎖の長さを伸長することによりDNAポリメラーゼは機能する。
【0072】 しかしながら、さらなる好ましい具体例において、連結プローブ・テンプレー
トの3'末端からの核酸合成は、それが伸長することを抑える改変を有する3'末
端により妨げられる。当業者であれば、この改変が、限定されるものではないが
、連結プローブと増幅プライマーとの間に3'塩基誤対合を生成する;3'末端ジ
デオキシヌクレオチドを用いる;あるいは、例えばリン酸基で遊離3’ヒドロキ
シル基を置換える、ビオチン基、または当業者によく知られている他のブロッキ
ング基を付加することによって、核酸骨格のペントース糖の3'炭素に存在する
化学基を改変する、を含む多くの形態をとり得ることは理解する(出典明示して
本明細書の一部とみなす、標的非依存的連結を防ぐために連結プローブの末端を
改変するために用いることができる種々の試薬を論じている、米国特許第5,516,
663号、第5,573,907号および第5,792,607号を参照されたい)。この改変は、連
結ベース増幅プロセスの間にエンドヌクレアーゼによって不適切に“切れ目”が
入れられ得る二本鎖核酸の形成を妨害する。この改変は、連結プローブの標的配
列非依存的連結から生じ得る連結プローブ・テンプレートの増幅も妨害し、連結
プローブがプライマーに結合する場合に3'伸長を妨害する。この改変は、さら
なる捕捉工程なしに、連結および増幅反応も進行させる。
【0073】 さらなる好ましい具体例において、連結プローブは、エンドヌクレアーゼ制限
部位が連結プローブ・テンプレートの5'および3'末端付近に位置するように、
エンドヌクレアーゼ制限部位をコードする配列を含むように設計する。反応混合
物中に存在する制限エンドヌクレアーゼは、SDAが進行し得るように二本鎖核
酸に切れ目を入れ得る。切断よりもDNAに切れ目を入れることを起こす。連結
プローブの5'末端に相補的な鎖は、改変ヌクレオチド(例えば、dATPαS
またはdCTPαS)を含むヌクレオチドを用いてSDAの間に合成するからで
ある。
【0074】 さらなる具体例において、(前記したごとく、それらの増幅が溶液中のSDA
によって引き起こされるかまたは増幅の前に捕捉部位にアドレス指定されたプラ
イマーによって捕捉部位で直接引き起こされるかにかかわらず)それらの対応す
る形成後に連結ベースのSDAから生じるアンプリコンを捕捉部位にアドレス指
定し得る。
【0075】 本発明のなおもう1の具体例において、それによって試料中の標的核酸の存在
を検出し得る幾つかの手段が、電子的にアドレス指定可能なチップと係留SDA
の結合した適用により利用可能である。例えば、好ましい具体例において、捕捉
部位にアドレス指定されたアンプリコンは、蛍光によって直接的に分離し得る。
すなわち、検出がアンプリコンの生成と同時になるように緩衝液に蛍光色素を含
ませ得る。かかる蛍光化合物の例には、ボジピー(Bodipy)誘導体、Cy−誘導
体、フルオレセイン−誘導体、およびローダミン−誘導体が含まれ、これらは全
て当該技術分野でよく知られている。別法として、捕捉部位における核酸の検出
は、化学ルミネセンスまたはエレクトロ化学ルミネセンスを用いて直接的に行い
得る。化学ルミネセンスはレポーター・オリゴヌクレオチドに結合した酵素の使
用を取り込み、それは、適当な基質で活性化した場合、ルミネセンス・シグナル
を発する。かかる酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼおよびアルカリホ
スファターゼが含まれ、両方とも当該技術分野でよく知られている。エレクトロ
化学ルミネセンス(ECL)は,6桁の大きさにわたるダイナミックレンジを有
する非常に感度の高いプロセスである(200fmol/L)。この系において
は、反応種は電極の表面で安定な前駆体から生成する。これらの前駆体は互いに
反応して、DNA鎖に結合した標識の励起状態を形成する。励起状態は通常の蛍
光機構を通って基底状態に減衰し、620nmの波長を有するフォトンを発する
【0076】 本明細書中に開示するプライマーを用いて生成した増幅産物は、例えば、エチ
ジウムブロミドで染色したポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル上で、
特徴的なサイズによっても検出し得る。別法として、増幅した標的配列は、アッ
セイ・プローブによっても検出し得、これは検出可能な標識で標識したオリゴヌ
クレオチドである。1の具体例において、少なくとも1の標識アッセイプローブ
を、ハイブリダイゼーションによって(ディテクター・プローブ)、Walkerら(
1992, Nucl. Acids. Res., 20: 1691-1696)によって記載されているハイブリダ
イゼーションおよび伸長によって(ディテクター・プローブ)、またはEP 067
8582号に記載されているハイブリダイゼーション、伸長および二本鎖形態への変
換によって、増幅した標的配列の検出に用い得る(単一プライマー)。好ましく
は、アッセイ・プローブは、増幅プライマー間に存在する標的中の配列にハイブ
リダイズするように選択する。すなわち、それは、内部アッセイプローブとすべ
きである。別法として、その標的結合配列に対する増幅プライマーは、アッセイ
プローブとしても用い得る。
【0077】 アッセイプローブの検出可能な標識は、標的核酸の存在の表示として直接的ま
たは間接的のいずれかで検出し得る基である。標識の直接検出においては、当該
技術分野で知られているごとく、アッセイ・プローブをラジオアイソトープで標
識し、オートラジオグラフィーによって検出し得るか、または蛍光基で標識し、
蛍光によって検出し得る。別法として、アッセイ・プローブは、それをアドレス
指定可能とするためにはさらなる試薬を要する標識を付けることによっても間接
的に検出し得る。間接的に検出可能な標識には、例えば、標識した特異的結合パ
ートナー(例えば、抗体または抗原/ハプテン)に結合することによって検出し
得る、化学ルミネセンス剤、見える反応産物を生成する酵素、およびリガンド(
例えば、ハプテン、抗体または抗原)が含まれる。リガンドは、固相にリガンド
−標識オリゴヌクレオチド(捕捉プローブ)を固定化して、その検出を促進する
のにも有用である。特に有用な標識には、(標識したアビジンまたはストレプト
アビジンに結合することによて検出可能な)ビオチンおよび(酵素基質を添加し
て発色反応産物を生成することによって検出可能な)西洋ワサビペルオキシダー
ゼまたはアルカリホスファターゼのごとき酵素が含まれる。オリゴヌクレオチド
にかかる標識を付加する、またはその中にかかる標識を含ませる方法は当該技術
分野でよく知られており、これらいずれの方法も本発明における使用に好適であ
る。
【0078】 用い得る特異的な検出方法の例には、米国特許第5,470,723号に記載されてい
るごとき、ビオチン化捕捉プローブおよび酵素コンジュゲート・ディテクター・
プローブを用いて増幅産物を検出する化学ルミネセンス法が含まれる。これらの
2のアッセイ・プローブを(2の増幅プライマーの結合部位間の)標的配列のア
ッセイ領域中の異なる部位にハイブリダイゼーションさせた後に、複合体が捕捉
プローブによってストレプトアビジン被覆したマイクロタイタープレート上に捕
捉され、化学ルミネセンス・シグナルが発せられてルミノメーターで判読する。
増幅産物を検出するためのもう1の別法として、EP 0678582号に記載されている
シグナル・プライマーをSDA反応に含め得る。この具体例においては、標識し
た二次増幅産物を標的増幅依存性様式でSDAの間に生成し、関連する標識によ
って標的増幅の指標として検出し得る。
【0079】 もう1の別の検出方法において、標的特異的プライマー(すなわち、バンパー
プライマーまたは係留プライマーでないプライマーである標的シグナル・プライ
マー)を、増幅工程手法に含め得る係留プライマーまたはバンパープライマー部
位以外の位置の標的配列にアニーリングするように設計する。このシグナル・プ
ライマーはシグナル分子で標識し得、ついでこれを用いて、SDAの間にシグナ
ル・プライマーの伸長から形成された伸長産物を検出し得る。例えば、かかる標
識は、その捕捉が蛍光色素の存在によって検出し得るストレプトアビジンを含有
するマイクロチップ場所に捕捉し得るビオチンを含み得る。
【0080】 なおもう1の本発明の態様において、シグナル・プライマー伸長産物またはア
ンプリコンの使用は、それによって他のものを超える1の標的アンプリコン鎖の
モル比率を、標的配列の一本鎖増幅種がマイクロチップ上の特異的な部位に位置
する捕捉プローブによる捕捉について維持され得るように生成し得る手段を提供
する。換言すれば、シグナル・プライマーは、“非対称SDA”を許容する。さ
らに、増幅したシグナルを付けたアンプリコンは、二次捕捉部位に電子的にアド
レス指定することができ、これは、高い検出のためにバックグラウンド・シグナ
ルにおけるさらなる低下を促進する。
【0081】 商業的簡便性については、核酸の特異的検出および同定用の増幅プライマーは
、キットの形態で梱包し得る。典型的には、かかるキットは、少なくとも一対の
増幅プライマーを含有する。核酸増幅反応を行うための試薬を標的−特異的増幅
プライマーと共に含めることができ、これには、例えば緩衝液、さらなるプライ
マー、ヌクレオチド三リン酸、酵素、他が含まれる。キットの成分は、所望によ
り発明の方法の特異的な具体例を行うための使用説明書を含んでいてもよい、通
常の容器に一緒に梱包される。他の任意成分もキットに含めることができ、これ
は、例えばアッセイ・プローブとして使用するのに好適な標識で標識したオリゴ
ヌクレオチド、および/または標識を検出するための試薬もしくは手段を含む。
【0082】 好ましい具体例の詳細な説明 本発明は、試料中の核酸配列を増幅させるためのならびにそれらの配列を分析
するための事項のデバイス、方法および組成物に広く関する。該増幅および分析
は、SDAおよびバイオエレクトロニック・マイクロチップ技術を用いて最適に
成される。
【0083】 実施例1 本発明の好ましい具体例において、電子的に制御された微小電極アレイを含む
マイクロチップ・デバイスを、関心のある標的核酸を分析するために提供される
。他のマイクロチップ・デバイスで使用される均一なハイブリダイゼーション反
応環境および受動的ハイブリダイゼーションに対して、本発明の電子的マイクロ
チップベースのデバイスは、標的および/またはプライマー核酸を微小電極アレ
イの表面上の分離した場所の捕捉プローブに積極的に輸送およびハイブリダイズ
させる能力を供する。
【0084】 ここで、図1Aおよび1Bに参照して、本発明の中で具体化される電子的にア
ドレス指定可能なマイクロチップベースのハイブリダイゼーション系の単純化バ
ージョンを図示する。一般的には、基板10は電子的にアドレス指定可能な微小
場所12のマトリクスまたはアレイを支持し、それは四角形または円形のごとき
いずれかの構造形状とし得る。説明の単純のため、図1Aの種々の微小場所は1
2A、12B、12Cおよび12Dと標識している。浸透層14は電極12の上
方に配されており、全デバイス表面にわたって広がり得る。浸透層14はそれを
通しての比較的小さい帯電基の輸送は許容するが、核酸のごとき大きな帯電基の
運動は制限して、捕捉部位の浸透層の下方に位置する電極12と大きな帯電基が
容易に直接接触することを抑制する。浸透層14は、電極12と直接接触した場
合に起こり得る電気化学分解をも低下させる。ときとして、電気化学分解は、電
気化学分解反応の間の電極表面の反応性ラジカル種および極端なpHの両方の形
成によって誘導される。さらに、浸透層は電極表面への核酸の強力な、非特異的
吸着を最小限化するようにも作用する。結合領域または捕捉部位16は、浸透層
14上に配され、標的物質に対する特異的結合部位を提供する。図1Aにおける
捕捉部位16は、電極12A−Dの同定に対応して、各々、16A、16B、1
6Cおよび16Dと標識している。
【0085】 マイクロチップの中央領域は、複数の捕捉部位16を含有する領域の上方に試
料拡散を位置させるための貯蔵部18を含む。好ましい具体例において、貯蔵部
18内に位置する帯電した標的またはプローブ核酸のごとき帯電分子20は、い
ずれかの特異的な微小場所12に輸送され得る。活性化した場合、微小場所12
は、電極12Aに向けてのいずれかの帯電分子20(例えば、プローブ、標的核
酸またはアンプリコン)の自由場電気泳動輸送を発生させる。さらなる具体例に
おいて、プラスのバイアスで電極12Aをアドレス指定し、電極12Dをマイナ
スのバイアスでアドレス指定すると、電極12Aおよび12Dの間を走る力の電
気泳動線22を生じ、さらにマイナス電荷を有する帯電分子20のプラス電極1
2Aに向けての輸送を生じる。正味マイナス電荷を有する帯電物質20は、電気
泳動力下でマイナスに帯電した電極12Dに向けて運動する。電気泳動力下のそ
の運動の結果として正味マイナスに帯電した分子20が捕捉部位16A浸透層に
接触すると、帯電分子20は捕捉部位結合層16Aに結合するようになる。結合
は以下に論じる多くの方法によって成し得、それには捕捉部位16に係留された
相補的核酸プローブへの標的帯電分子20のハイブリダイゼーションによる結合
が含まれる。
【0086】 本発明の電子的にアドレス指定可能なマイクロチップ・アレイは、捕捉プロー
ブ・オリゴヌクレオチドのサイズ制限および受動的マイクロチップ・デバイスの
複雑性要件を克服する。アドレス指定可能なマイクロチップは、少なくとも一部
分、鎖分離に対する必要を大きく低下させる。核酸を捕捉部位に捕捉および増幅
する前に溶液中に存在する二本鎖核酸の寄生を阻害する低イオン環境の電流系に
おける使用だからである。さらに、本発明のマイクロチップ・アレイは、異なる
核酸試料を種々の微小電極場所に選択的かつ独立的に標的化することによって同
一のオープン・マイクロアレイ表面上における複数の独立した試料分析(すなわ
ち、多重試料分析)を許容する。換言すれば、それは、オープン・アレイ上の平
行した複数の試料プロセシングを許容する。後に詳記するごとく、受動的ハイブ
リダイゼーション法の前記した制限を克服する電子的標的化の能力を、以下の2
の実施例AおよびBにおいて説明する。
【0087】 実施例A−試料中の単一標的核酸の平行分析 第1の実施例において、試験試料中の単一核酸の捕捉および検出の平行分析は
、異なる細菌種によって共有される共通遺伝子座(16S rRNA)を用いて
行った。個々の試料の複数比較分析を用いて異なる細菌の型を同定した。 16S リボソームRNAサブユニットの二次構造要件は16S rRNA遺
伝子中の高度に保存された核酸配列を要求する。したがって、異なる種の細菌間
でこの遺伝子中に制限された配列多様性が存在する。全体の高度な保存性にもか
かわらず、16S rRNA遺伝子に微小な不均質のポケットが存在し、それは
極めて関連する細菌種の間を識別するために活用し得る(例えば、C. Woese, 51
, Microbiol. Revs., 221-271 (1987)を参照されたい)。
【0088】 保存された配列によるこれらの微小な不均質を一括することは、保存された配
列を含有するほぼ全ての細菌種に対して共通増幅(すなわち、種にかかわりなく
同一のプライマーを用いる均一な増幅)用の多くのプライマーを設計する機会を
提供する。図2Aに示すごとく、多型領域を挟む保存領域中にSDAプライマー
を設計し、SDA反応に用いた。得られたアンプリコンには、16S rRNA
遺伝子の“微小な不均質ドメイン”の種々の配列を含んでいた。これを種々の方
法によって分析した。
【0089】 以下に示すごとく、共通SDAプライマーは、種−特異的アンプリコンを生成
するために用い得、これをついで活動マイクロエレクトロニック・アレイ上のハ
イブリダイゼーションによって簡便に分析することができる。同様な実験が標的
増幅の手段としてPCRを用いて報告されている。例えば、D. Lintonら, 35, J
. Clin. Microbiol., 2568-72 (1997), M. Hughesら, 35, J. Clin. Microbiol.
, 2464-71 (1997)を参照されたい。しかしながら、本発明はサンドイッチ・アッ
セイを用い、その中では、一本鎖捕捉プローブをアレイ上に電子的に沈澱させ、
標的核酸またはそのアンプリコンとしての帯電分子の1の鎖を捕捉するように作
用する。好ましい具体例において、核酸捕捉プローブのごとき複数の分子を、ア
レイの異なるパッドに電子的に沈澱させ得る。帯電分子を捕捉部位に捕捉させた
後に、捕捉分子は、当該捕捉分子に結合する標識レポーター・プローブによって
検出し得る。
【0090】 図2Aに概要的に図示するごとく、その3'末端近くの16S rRNA遺伝
子は、両方の末端で保存された配列26によって挟まれた多型配列24の20を
超えて広がる連続ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド領域を有する。本明細書中
の配列表で特定する各細菌種のユニーク配列24を、電子的にアドレス指定可能
なマイクロチップにおけるSDA反応に用いて、これらの多型配列およびそれら
の対応するアンプリコンを特異的な捕捉部位に捕捉することによって異なる細菌
種間を識別することができることを示す。より詳細には、細菌リボソームRNA
の小サブユニットの高度に保存されたループIII構造に相補的な核酸配列を有
するプライマーを設計する。配列中の種−特異的な対立遺伝子または点突然変異
に相補的な3'塩基も設計し、作製した。図2Aに示すごとく、このプライマー
構造により、同一の保存された核酸配列を有するいずれかの特定の群の生物に対
するSDA増幅およびバンパー・プライマーを設計することが促進される。プラ
イマーは、それがSDAにおいて使用するための“ユニバーサル”として群の生
物を検出するようにも作製し得る。
【0091】 特異的な例において、細菌(イー・コリ(E.coli)0157:H7,サルモネラ・
チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、シゲラ・ディセンテリア(Shiger
a dysenteriae)、および/またはカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobact
er jejuni))からのゲノミックDNAを増幅した。(より詳細に後記する)“
共通”プライマーをコードする同セットの16S rRNAを各SDA反応で用
いた。SDA反応の産物を2%アガロースゲル上で分離して、異なる細菌種間の
増幅効率を比較した。得られたゲルを図2Bに示す。ここではイー・コリ015
7:H7、サルモネラ・チフィムリウムおよびシゲラ・ディセンテリアの各々に
ついて、ならびにカンピロバクター・ジェジュニからのゲノミックDNAを利用
した他の実験において(データは示さず)同一レベルの増幅効率が得られた。以
下の表Iは、これらの細菌種の増幅およびマイクロアレイ分析に用いたオリゴヌ
クレオチド配列を示す。
【0092】 2の異なるアプローチを用いて、増幅産物を分析した。第1の分析アプローチ
は、共通およびユニバーサル捕捉プローブならびに配列特異的プライマーを用い
た(すなわち、ユニバーサル捕捉/特異的レポーター法)。第2の分析アプロー
チは、識別する捕捉プライマーおよびユニバーサル・プライマーを用いた(すな
わち、特異的捕捉/ユニバーサル・レポーター法)。図2Cおよび2Dに示ごと
く、ユニバーサル捕捉プローブ28およびユニバーサル・レポーター32は、遺
伝子の保存領域26の少なくとも一部分に広がるように設計した(図2A)。ま
た、図2Cおよび2Dに示すごとく、配列特異的捕捉プローブ35および配列特
異的レポーター34は、多型領域24の少なくとも一部分に広がるように設計し
た(図2A)。
【0093】 ユニバーサル捕捉プローブ28を用いて核酸を捕捉する場合には、標的核酸と
ユニバーサル捕捉プローブとの間のハイブリダイゼーションの初期工程は、幾つ
かの理由により電子的に行った。第1に、電子的ハイブリダイゼーションは、非
常に希釈された標的またはアンプリコンのごとき低濃度の材料で作動する場合に
重要であるハイブリダイゼーションの動力学を大きく加速する。第2に、用いた
緩衝液系の極めて低いイオン強度、標的およびアンプリコンが一本鎖のままでプ
ローブによる捕捉を促進し、標的またはアンプリコンの相補鎖からより低い競合
、ならびに、したがって、捕捉プローブに対する核酸のより高い正味特異的な結
合のためである。その結果、電子的ハイブリダイゼーションは、捕捉プローブの
部位における遥かに高いレベルの核酸ハイブリダイゼーションを許容し、より高
い検出および識別感度を生じる。
【0094】 この実施例の各場合において、レポーター・ハイブリダイゼーションは受動的
、すなわち電子工学の助けなしに高い塩および温度で行う、であるが、電子工学
を用いてもよい。この特定の実施例においては、一本鎖標識オリゴヌクレオチド
の濃度は高いため、電子的ハイブリダイゼーション条件の使用を介して得られる
実践的な動力学利点がほとんどなかった。しかしながら、異なる環境下では、レ
ポーター・ハイブリダイゼーションの間の電子工学の使用は利点となり得る。
【0095】 図3Aに示すごとく、アンプリコンをマイクロチップ上の捕捉部位にアドレス
指定し、蛍光レポーター分子によって検出した(後記する)。図2Aで論じた細
菌16S rRNA標的の増幅産物がハイブリダイズした捕捉部位上の相対蛍光
は高度に識別された(すなわち、多型特異的サルモネラ・レポーター、多型シゲ
ラ・レポーター、および多型カンピロバクター・レポーター)。これらの実験に
おいて、ユニバーサル捕捉プローブ(“S”)を、対照としての非特異的捕捉プ
ローブ(“NS”)と一緒に最初にマイクロチップにアドレス指定した。ついで
、各菌株−特異的SDA反応からのアンプリコンを、各対応する列にアドレス指
定し、特異的レポーター・プローブで受動的にハイブリダイズさせた。図3Aは
サルモネラ特異的レポーターについての結果を示す。浸透層へのレポーター・プ
ローブの非特異的結合の対照として、マイナス捕捉/マイナス標的対照も行った
(−C/−T)。図示するごとく、捕捉部位にアドレス指定したサルモネラ・ア
ンプリコンのみがプラスのシグナルを供した。図3Bに示すごとく、図3Aに示
すサルモネラについて高い識別比が得られたのみならず、高い識別比は種々の他
の細菌標的間についても示された(蛍光イメージ・データは示さず)。
【0096】 配列特異的捕捉プローブを用いて核酸を捕捉した場合には、標的と捕捉プロー
ブとの間のハイブリダイゼーションの初期段階も電子的に行った。前記のユニバ
ーサル捕捉実施例におけるごとく、レポーター配列は、16S rDNAアンプ
リコン26の保存された領域を認識するように設計した。図3Cに示すごとく、
このアプローチは、対合と誤対合との間になおより高い識別比を供した。
【0097】 実施例B−複数の標的核酸の同時分析 第2の実施例において、多重アンプリコン分析を本発明の電子的マイクロアレ
イ上で行った。この実施例においては、ヒト第V因子Leiden(R506Q)遺伝子(
これは、活性化プロテインC耐性および種々の血栓症に対する素因を示す)の存
在を検出するために複数の患者試料からの標的核酸を捕捉部位に順次アドレス指
定した。この実施例においては、捕捉プローブは、R506Q遺伝子の対立遺伝
子に特異的であるように設計し、それによって対立遺伝子−特異的SDAを検出
する方法を提供する。
【0098】 本明細書中で説明するごとく、オープン・マイクロアレイ上の各捕捉部位は個
別に電子制御し得るため、複数の試料を分析し得る。各試料増幅反応の増幅およ
びポジション−特異的な標的化の後に、標的化アンプリコンの存在または不存在
について部位特異的な様式でアレイを評価した。試験系は幾つかの血液試料中の
ヒト第V因子Leiden突然変異の存在または不存在を検査した。X. Liuら, 4 Mol. Pathol., 191-197 (1995)を参照されたい。Leiden突然変異は第V因子遺伝子の
プロテインC切断部位における単一の点突然変異である。この突然変異が患者に
おいて同型接合存在を有する場合、それは活性化プロテインC耐性および深刻な
脈管血栓症に対する素因に通じる。例えば、R. Bertinaら, 369, Nature, 64-67
(1994)を参照されたし。
【0099】 識別における助けるために、対立遺伝子−特異的SDAアッセイを開発した。
対立遺伝子−特異的SDAは、正常または突然変異第V因子Leiden対立遺伝子の
いずれかを選択的に増幅するように設計した。アンチセンス向きのSDA増幅プ
ライマーは、エキソン10のセンス鎖が存在して、正常ヌクレオチド塩基Gまた
はLeiden点突然変異ヌクレオチド塩基Aのいずれかに相補的な3'末端を有して
設計した。後記の表Iは、第V因子遺伝子の増幅およびマイクロアレイ分析に用
いたオリゴヌクレオチドを示す。対応するセンス・プライマーは全反応において
共通した。しかしながら、センス・プライマーは、電子的標的化の後にアレイ上
のいずれかのアンプリコンを捕捉するための容易な機構を提供するために、その
5'末端にビオチン基を導入することによって改変した。
【0100】
【表1】
【0101】 増幅プライマーにおいて、BsoB1認識部位はボールドフェースで示し、
ゲノム相同性は下線を引き、第V因子対立遺伝子−特異的3'末端はイタリック
のボールドフェースで示す。記号“bio”はビオチン・コンジュゲートを表し、
“btr”は蛍光ボジピー・テキサス・レッド・トン寿ゲートを示す。FVRは第
V因子についてのレポーター、FVAは増幅用のセンス鎖で、一方、FVAwt
およびFVAmは各々野生型および突然変異についての増幅プライマーである。
FVBsおよびFVBaは第V因子についてのセンスおよびアンチセンス・バン
パー・プライマーである。 細菌16S配列はGenBankから、ヒト第V因子配列とはGenbank受入番号L327
64をいう。
【0102】 この多重第V因子遺伝子実験においては、患者の第V因子Leiden突然変異状況
の先の知見なしに、4の臨床DNA試料を2回分析した。2の対立遺伝子−特異
的DNA反応を試料(正常または突然変異プライマーのいずれかを含有する)当
りに行い、各患者の遺伝子型を調べた。増幅は平行で行った。5のこれらのペア
の反応からのPAGE結果を図4Aに示し、ここではこれらの条件下の対立遺伝
子−特異的増幅反応が非常に特異的であることが示されている。すなわち、目に
見える突然変異または正常−型のアンプリコンの選択的な不存在は、増幅反応が
、これらの個人における第V因子Leiden突然変異の存在または不存在に対して感
受性であることを示している。
【0103】 ゲル分析によって決定した増幅材料の存在または不存在にかかわりなく、全て
のアンプリコン反応は均一に処理し、マイクロアレイ上の特異的場所に順次標的
化した。3のDNA患者試料からの代表的な結果を図4Bに示す。これらの試料
は2回標的化した。標的アンプリコン上の保存領域に相補的なハイブリダイズし
たレポーター・オリゴヌクレオチド(すなわち、“ユニバーサル”レポーター・
プローブ)からの蛍光シグナルの存在または不存在は、第V因子アンプリコンの
存在または不存在を示す。示され得るように、蛍光シグナルは、図4Aでし召さ
れたゲルの結果とよく相関する。
【0104】 図4Aに示されるごとく、プラス・シグナルはバックグラウンド・シグナルよ
りも数倍大きかった。一般に、真の突然変異シグナルは野生型アンプリコンから
のものよりも低い(図4Bに示されるごとく)。部位は、単純に、プラス・シグ
ナルを非アドレス指定した捕捉部位に存在するバックグラウンド蛍光を少なくと
も2倍超えるものとする基準を作成することによって評点付けした。後記の表I
Iに示すごとく、ゲル分析による増幅した材料の存在とアレイ上の強力または適
度な蛍光シグナルの存在との間には完全な相関が存在した。
【0105】 蛍光シグナルの強度は、増幅材料の見かけの量に近づいた。このことは、図4
Aおよび4Bにおける患者961aからのDNAで示されたごとき、明らかにあ
まり効率的でない増幅反応を用いた試料において最も顕著であった。要するに、
これらの結果は、試料適用につづく単一レポーター検出による多重試料分析がマ
イクロエレクトロニック・アレイを用いて作動すること、ならびに、このプロセ
スが同一または同様な分析における他の形態の分析、例えばゲル電気泳動、を補
いまたは置換わるように作用し得ることを示している。
【0106】 これらの試料はそれらの突然変異状況を知る前に分析したため、増幅反応の見
かけの対立遺伝子特異性が、実際に臨床状況に対応していたか否かを判定するこ
とに関心があった。後記の表IIに示すごとく、対立遺伝子−特異的増幅反応の
感度は、PCRおよびMnII制限部位分析によって決定した各試料の第V因子
Leiden突然変異の状況と感染に一致した。(R. Press、未発表の知見)。したが
って、対立遺伝子−特異的SDAと結合して、電子的にアドレス指定可能なアレ
イ上のアンプリコン生成物形成の分析は、複数の患者試料における遺伝子点突然
変異を検出するための有用な方法である。
【0107】
【表2】
【0108】 “X”はプラスを示し、“O”はマイナスを示す。 遺伝子型は当業者によく知られている方法によってMn−1制限酵素を用い
るPCR−RFLPによって決定した。
【0109】 前記したデータで用いた実験プロトコール 材料−デオキシヌクレオチド5'−三リン酸(dGTP、dATP、TTP)
はPharmacia, Alameda, Californiaから購入した。2'−デオキシシトシン 5'
−O−(1−チオリン酸)(dCTPαS)、BsoB1制限エンドヌクレアー
ゼおよびBstポリメラーゼはBecton Dickinson, Sparks, Marylandによって供
給された。オリゴヌクレオチドはOligos, Etc., Wilsonville, Oregonによって
合成した。
【0110】 SDA増幅−増幅反応は30μlの容量中、1μgのゲノミックDNA(16
S)または0.1μgのゲノミックDNA(第V因子)のいずれかを利用した。
増幅条件および濃度は、以下の変化で以前に示されたもの(C. Spargoら, 10 Mo
lecular and Cellular Probes 247-256 (1996))から適合した: 出典明示して本明細書の一部とみなす、M. A. Millaら, Biotechniques, v24, p
. 392-396, 1998年3月に開示され、その中で使用されたエキソ−BCAポリメラ
ーゼに代る5'から3'エキソヌクレアーゼ欠失ポリメラーゼBst。16S増幅
については、25U/反応(Bst)および60U/反応(BsoB1)を用い
た。増幅反応に用いたオリゴヌクレオチドを前記表Iに示す。反応は、60℃に
て30分間進行させ、10μLの100mM EDTAの添加によって終結させ
、ついで−20℃にて保存した。
【0111】 ゲル電気泳動−増幅反応は、1%アガロース・ゲルまたは6%ポリアクリルア
ミド・ミニゲル(Novex, San Diego, California)のいずれかにつづいてエチジ
ウム・ブロミド染色を用いる標準的なプロトコールで分析した。 エレクトロニック・マイクロアレイ分析−マイクロエレクトロニック・アレイ
・アセンブリは以前に記載されている。R. Sosnowskiら, 94 J. Proc Natl. Aca
d. Sci. USA, 119-123 (1997)を参照されたい。捕捉オリゴヌクレオチド: GGATGTCAAGACCAGGTAAGGTTCTTC、Genbank遺伝子座988−1014bp(配列番号:15
)およびアンプリコン(16S)またはレポーター・オリゴヌクレオチド(第V
因子)のハイブリダイゼーションの電子的標的に用いた条件は他の場所で報告す
る。R. Rosnowski、前掲およびC. Edmanら, 25 J. Nucleic Acids Res.4907-491
4 (1997)を参照されたい。簡単には、蒸留水で予め平衡化したG6カラム(Bior
ad, Hercules, California)を介して2分間広げるか、または蒸留水に対して約
5時間以上マルチウェル・プレート(Millipore, Bedford, Massachusetts)中
に透析するかのいずれかで粗製増幅反応を行った。ついで、調製した試料を10
0mMヒスチジンと1:1の比で混合し、電子的にアドレス指定する前に5分間
95℃にて加熱した。16Sアンプリコンの分析については、アンプリコンの電
子的ハイブリダイゼーションを行い、つづいて特異的細菌配列に相同的な蛍光標
識オリゴヌクレオチド・レポーターの6×SSC中のハイブリダイゼーションを
行った。特異的ヌクレオチド配列を前記表Iに示す。受動的ハイブリダイゼーシ
ョンは、室温にて30分間進行させた。マイクロチップは、0.1×STE/1
%SDSにつづいて1×STEを用いて5ないし8回洗浄した。16S細菌rR
NA配列−特異的ビオチン−捕捉および検出用のの共通btr−標識レポーター
を持いる同様な条件を、前記の単一標的実験に用いた。第V因子アンプリコンの
分析については、蛍光標識オリゴヌクレオチド(btr-CTGTATTCCTCGCCTGTC)(配
列番号:10)を6×SSCに導入し、室温にて30分間ハイブリダイズさせた
。ついで、アレイを0.1×STE/1%SDSにつづいて1×STEで洗浄し
た。
【0112】 実施例2 ここで、本発明の電子的増幅態様に転じて、標的核酸を捕捉部位に位置する係
留プライマーの付近に電子的に濃縮し、SDAまたは他の増幅方法で用いた。標
的核酸はSDA反応成分(例えば、酵素、ヌクレオチド、他)を導入する前にマ
イクロチップ捕捉部位の表面に電子的に濃縮し、結合分子(例えば、捕捉プロー
ブ)にハイブリダイズさせ得、それによって、効率を高め、標的核酸の捕捉部位
上の係留捕捉プライマーに対するハイブリダイゼーションに必要な時間を短縮し
得る。SDA反応成分の添加前のマイクロアレイ上の特異的場所に対する標的核
酸のハイブリダイゼーションは、アレイ表面を洗浄して望ましくないおよびおそ
らく反応環境からの非標的核酸を妨害することを許容する。したがって、係留S
DAのごとき増幅反応は、電子的にアドレス指定可能なマイクロアレイ系を用い
ることによって大きな恩恵を受け得る。
【0113】 増幅反応それ自体の成分(テンプレートおよび増幅プライマーなしに)を導入
し、増幅反応を進行させた。テンプレート分子の電子的標的化を用いる少なくと
も3の利点が存在する。第1は増幅プロセスの全体時間および効率が劇的に改善
することである。主たる律速段階(係留プライマーを見出すためにテンプレート
に必要な時間のもの)が全体反応速度から除去されるからである。また、電子的
濃縮およびハイブリダイゼーションの使用は、等しい時間の間の非−電子的な受
動的ハイブリダイゼーションと比較して、選択された部位における標的分子の数
を増加させ、それによって増幅用の出発テンプレート分子の絶対数を増加させて
、増幅プロセスの全体収率およびより少ない出発テンプレート数に対する系の感
度の両方における改善を生じる。
【0114】 第2の利点は、アレイ表面上の特異的場所に分離した標的核酸試料を適用し得
、それによって1のアレイ上で複数の異なる核酸を同時に増幅させ得ることであ
る。別法として、核酸は、複数の異なる増幅反応が単一の試料から同時に行い得
るように、各々、特異的なセットの増幅プライマーを含有する幾つかの異なる場
所に標的化することもできる。前に注記したごとく、反応混合物から不要なおよ
びハイブリダイズしなかった核酸を除去する能力は、このプロセスを非常におお
いに助ける。
【0115】 このアプローチに対する第3の利点は、増幅反応後に、増幅反応の過程の間に
蛍光標識ヌクレオチドを導入するかまたは標識ヌクレオチドを取込ませることの
いずれかによって、あるいは捕捉部位に結合したアンプリコンの変性による反応
の終点に適当なレポーター・オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることに
よって、捕捉アンプリコンをつづく分析の部位-特異的な様式で利用可能である
ことである。
【0116】 この電子的アドレス指定具体例において、実験プロトコールは、マイクロチッ
プアレイ上の係留SDAプライマー(配列番号:20および21)に対する第V
因子をコードするテンプレート核酸の電子的ハイブリダイゼーションを用いるこ
とによって係留第V因子 SDA感度を向上するように設計した。SDAプライ
マーはその対応する5'末端でビオチニル化した。これらのプライマーは、Bs
oBI酵素切断部位も含む。反応混合物には、SDA用のバンパー・プライマー
(配列番号:22および23)を含ませた。マイクロチップ・アレイは、当該マ
イクロチップの外側電極からストレプトアビジン-アガロース層を削ることによ
って調製した。チップの縁部はRain-Xで防水化し、表面は綿棒アプリケー
ターで磨いて掃除した。アレイはmilli-Q水を用いて室温にて少なくとも
30分間インキュベートした。
【0117】 マイクロチップ上の電子的アドレス指定用に溶液を調製した。50mMヒスチ
ジン緩衝液中の1μMのSDAプライマー、50mMヒスチジン緩衝液中の1μ
Mのビオチニル化T12-brtオリゴヌクレオチド、および50mMヒスチジ
ン洗浄用緩衝液を調製した。マイクロチップは50mMヒスチジン緩衝液で洗浄
し、標準的なA/Cプロトコール(800nアンペアで25秒)を用いてビオチ
ニル化T12-btr・オリゴヌクレオチドを選択した捕捉部位にアドレス指定
して、ストレプトアビジン・マイクロチップの質をチェックした。SDAプライ
マーは、標準的なA/Cプロトコールを用いて示す選択した捕捉部位にアドレス
指定した。
【0118】 (受動的ハイブリダイゼーションとは反対に)電子的ハイブリダイゼーション
実験については、二本鎖PCR核酸テンプレートを最初に95℃にて変性させ、
ついで等容量の100mMヒスチジン緩衝液をテンプレートに添加した。ついで
、テンプレート混合物を、ハイブリダイゼーション用の標準的なA/Cプロトコ
ール(1.6μアンペア、60秒)を用いて捕捉SDAプライマーに電子的にハ
イブリダイズさせた。
【0119】 受動的ハイブリダイゼーション実験については、非対称PCR核酸テンプレー
トを最初に95℃にて5分間変性させた。ついで、20×SSC(3M NaC
l、0.3Mクエン酸ナトリウム)ストック溶液を用いて4×SSC濃度とし、
20μlの混合物をマイクロチップ(それは以前にSDAプライマーで電子的に
アドレス指定されている)上にピペットで添加し、室温にて一晩インキュベート
した。
【0120】 インキュベーション後、そのマイクロチップ・アレイを水で2×洗浄し、1m
g/mlのBSAと一緒に室温にて30分間インキュベートして、いずれの非−
特異的結合部位をもブロックした。そのマイクロチップを水で再度洗浄し(2×
)、60℃にて5分間予め温めた。全てのSDA溶液も60℃にて5分間予め温
めた。予め温めた後に、水をマイクロチップから除去し、給湿チャンバー中で、
10μlのSDA反応混合物(40mMのKHPO、pH7.6、1.6mM
の各dCTPαS、dTTP、dATPおよびdGTP,8.3mMのMgCl
、1.3単位のBsoBIおよび0.5単位のBstポリメラーゼ)と一緒に6
0℃にて30分間インキュベートした。反応は、マイクロチップ表面上の上清を
、2μlの100mM EDTAを含有するエッペンドルフ・チューブに取り出
すことによって停止させた。
【0121】 SDA反応後に、マイクロチップを0.5×SSC、pH7.2で3×洗浄した
。ついで、0.5×SSC、pH12.0を4分間添加して、SDA産物をマイク
ロチップ上でイン−サイチュで変性させ、マイクロチップをさらなる緩衝液で毎
分後に洗浄した。ついで、マイクロチップを0.5×SSC、pH7.2で少なく
とも3回、ついで4×SSC、pH7.2で少なくとも3回洗浄した。そのマイ
クロチップを4×SSC中、(配列番号:24または44のごとき)btr−標
識レポーター・オリゴヌクレオチドの1μM混合物と室温にて3分間インキュベ
ートし、室温にて4×SSCでよく洗浄し、ついでイメージした。
【0122】 異なる部位における第V因子 SDAプライマーでアドレス指定したマイクロ
チップ上の第V因子テンプレートの受動的ハイブリダイゼーションについては、
マイクロチップを、第V因子 SDAプライマーまたはSDA反応用のネガティ
ブ・コントロールとしてBsoBI部位を欠いている第V因子 SDAプライマ
ーのいずれかでアドレス指定した。ネガティブ・コントロールはBsoBI部位
を欠いているため、反応はテンプレートの結合時にプライマー伸長のみを行い得
、SDA増幅は行い得ない。この反応は、非−特異的結合の存在ならびにレポー
ター・オリゴヌクレオチドがそれと反応し得る非−特異的増幅産物の産生を制御
する。いずれのテンプレート制御も存在しない。ついで、これらのマイクロチッ
プを、蛍光透視法的に標識したbtr−レポーター・オリゴヌクレオチドを有す
る第V因子アンプリコンについて蛍光透視法的に分析した。SDA産物はSDA
テンプレートを一晩受動的にハイブリダイズさせたマイクロチップにのみ見られ
た(図6C)。テンプレートを含まない対照マイクロチップ(図6A)またはB
soBIを反応物にインキュベートしなかったマイクロチップ(SDA反応につ
いてのもう1のネガティブ・コントロール)(図6B)においては、産物は見ら
れなかった。受動的にハイブリダイズしたマイクロチップ(図6C)においては
、SDA産物はSDAプライマーをアドレス指定した領域にのみ見られたが、ア
レイの切断不可能なSDAプライマークアドラントにおいては見られず、検出さ
れた産物が特異的であって、SDAベースのプロセスによって駆動されることが
確認された。このアッセイの欠点は、SDA反応後に見られるイメージが非常に
弱く、非希釈テンプレート・レベルについて1sの積算時間で14のMFI(平
均蛍光イメージ)値を有することである。
【0123】 マイクロチップ上の係留SDAプライマーに対する第V因子炎プレートの電子
的ハイブリダイゼーションについては、テンプレートのハイブリダイゼーション
を電子的アドレス指定によって促進した以外は、受動的ハイブリダイゼーション
について行った平行の様式で実験を行った。さらに、テンプレートも順次希釈し
た。対照として、第V因子テンプレートの受動的ハイブリダイゼーションを行い
、SDA反応におけるバックグラウンドを超える非常に小さい増加(ほぼ1MF
I単位)を生じた。再度、切断不可能プライマー・クアドラントにおいてシグナ
ルは見られず、これはこの系におけるSDA−指向増幅の必要を示している。そ
れとは反対に、電子的にハイブリダイズしたマイクロチップはSDAプライマー
・クアドラントにおいてシグナルを示し(図8)、全ての試験した希釈において
顕著なシグナルを示した(図9)。第V因子テンプレートの1:100の希釈に
おいてでさえ、シグナルは、ほぼ19.4MFI/秒で、なお非常に高かった。
電子的にアドレス指定可能なマイクロチップの1:100希釈のMFIシグナル
は、この実験における受動的にハイブリダイズしたチップからのシグナルよりも
19.4倍高く(かつ、テンプレートを希釈しなかった前記の受動的ハイブリダ
イゼーション実験におけるよりも1.4倍高い)、SDAアッセイの効率は電子
的ハイブリダイゼーション・プロトコールを用いることによってほぼ140−1
940%上昇することが供された。これは、マイクロチップに係留されたSDA
プライマーに対するテンプレートの電子的ハイブリダイゼーションがアッセイの
感度をほぼ1000倍高めることを示している。さらに、全体のSDA実験を行
うために要する時間は(有効な結合レベルを達成するためにはテンプレートを一
晩インキュベートすることが必要な受動的ハイブリダイゼーションと比較して)
まる1作業日短縮された。
【0124】 もう1の実施例において、本発明者らは、捕捉部位への標的分子の電子的アド
レス指定が核酸配列ベース増幅(NASBA)として知られる技術を用いてDN
AまたはRNA標的核酸の増幅を促進することを示す。この方法においては、3
の異なる酵素活性を増幅の等温方法と調和した様式で用いる。この電子的に媒介
するプロセスにおいては、異なる配列の同時または多重増幅は、部位特異的標的
化および増幅によってかまたは複数のプライマー・セットを用いるかのいずれか
によって可能である。さらに、本発明において実施するNASBAは、増幅溶液
中で係留したまたは溶液ベースのプライマーのいずれかで用い得る。いずれの場
合においても、その対応する増幅プライマーへの標的の電子的アドレス指定を用
いて反応を高める。
【0125】 この実施例においては、標的核酸配列を最初にマイクロチップ上の分離した場
所に電子的にハイブリダイズさせた。電子的洗浄もしくは受動的(非電子的)洗
浄またはそれら2つの組合せのいずれかによって、望ましくないまたは非−特異
的結合核酸を除去する。洗浄工程の後に、ハイブリダイゼーション溶液を、増幅
プライマー、ヌクレオチド、塩化マグネシウムおよび酵素または増幅に必要な酵
素活性を含む緩衝液カクテルで取り替えた(その酵素活性とは、逆転写酵素活性
;RNアーゼH活性;およびRNAポリメラーゼ活性である。これらの酵素の活
性は、NASBAの様式と同様な様式で単離した配列を増幅するように協同して
作用する)。増幅サイクルを完了したら、増幅した材料を電子的に単離および捕
捉し、ついで当該技術分野で知られている種々の方法によって定量化(すなわち
、検出)した。一般的に、かかる検出は、例えば、新たに合成した領域に特異的
な捕捉オリゴヌクレオチドまたは“サンドイッチ・アッセイ”における蛍光標識
オリゴヌクレオチドを用いて行い得る。
【0126】 このプロセスの各ステージは存在する技術と比較して増加した。例えば、標的
配列の電子的標的化につづく適当な捕捉オリゴ(例えば、増幅用のプライマー)
を用いるその特異的ハイブリダイゼーションは、望ましくないまたは夾雑してい
るDNAまたはRNAの電子的除去を許容する。非特異的な結合および増幅を引
き起こし得る非特異的ヌクレオチドの除去は、非常に複雑な増幅事象が同時に起
こることならびにより特異的な増幅を許容する。さらに、全ての増幅用プライマ
ーが係留されている場合には、異なる標的配列を用いる増幅事象をチップまたは
デバイス上の異なる場所で同時に、すなわち多重反応で起こし得る。酵素それ自
体も標的化し得、これは増幅事象またはステージを媒介することにおいてより高
い精密さを許容する。最後に、増幅反応の産物も別の部位に標的化して定量化し
得、これは続いて起こる増幅反応の進行を許容する。
【0127】 その実験に限定されるものではないが1の代表において、HTLV1プラスミ
ドのNASBA増幅を、3の異なるテンプレート・プラスミドの濃度(ほぼ1n
g、1pgおよび1fg)を用いて溶液中で行った。該反応は、95℃のDNA
テンプレートの初期溶解につづく、50℃にて15分間の等温アニーリング工程
を用いた。アニーリング反応は、8μlの2.5×NASBA混合物(100μ
Lの25mM NTP混合物、Pharmacia ロット番号60920250111;50μLの
25mM dNTP混合物、Pharmacia ロット番号6092035011;50μLの1
M トリス、pH8.5;31.25μLの2M KCl;15μLの1M Mg
Cl;および253.75μLの滅菌水)、1μlの5μM濃度のオリゴヌク
レオチド・プライマー(#885; 5'AATTCTAA TACGACTCAC TATAGGGAGA GGTGATCTGA
TGTCTGGAC AGG3')(配列番号:16)、および1ng、1pg、1fgおよび
0の最終濃度を達成する4の別々の試験管中の1μgのHTLV1プラスミドの
3の希釈のうちの1(または、なし)よりなる。95℃の変性工程を生存しない
であろう酵素は増幅工程の最初に添加した。したがって、1μLの100mM
DTT(ジチオスライトール)およびついで0.5μLのAMVERT(Boehrin
ger MannheimからのAMV逆転写酵素(カタログ番号1495 062;ロット番号837
24624−76))は、50℃工程で添加した。反応は、95℃に5分間加熱するこ
とによって終結させた。試験間を氷上に置いた。
【0128】 アニーリング反応の後に、10μLの2.5×NASBA混合物;1μLの2
50mM DTT;0.3μLのRNアーゼH(Boehringer Mannheimからのリボ
ヌクレアーゼH、カタログ番号786 349;ロット番号13656445−05);2.5μL
の酵素混合物(Boehringer Mannheimからの20μ T7ポリメラーゼ、ロット
番号83495822−31;8μ AMV RT;0.2μ RNアーゼH;およびPharm
acia番号6078914011からの2.5μgのRNアーゼおよびDNアーゼ・フリーの
BSA(牛血清アルブミン));6μLのプライマー混合物(5μLの5μM
プライマー番号885;5μLの5μM プライマー#882:ACTTCCCAGGGTTTGGACAG
AGT(配列番号:17);18.75μLの100%DMSO;ならびに1.25
μLのHO);および各々別々の試験管に入れた、4のアニーリング反応試験
管からの2μLのプライムドDNAよりなる4の試験管においても増幅反応を設
定した。反応物は40℃にて60分間インキュベートし、ついで氷上に置いた。
ついで、反応物(10μL)を2%アガロースゲル上で分離し、エチジウム・ブ
ロミドで染色した。
【0129】 最高濃度の出発テンプレート・プラスミドは最大量の産物を産生し、一方より
低い2の濃度は少ししかまたは全く産物を産生しなかった(図10a)。1ng
反応物の産物(ゲル上の明るいバンド)をゲルから切出し、ついで50mMのヒ
スチジン中で200−倍、500−倍または1000−倍のいずれかに希釈した
。1pgのテンプレート反応の反応産物も比較用に200−倍に希釈した。つい
で、これらの反応産物希釈物を、1分間の500μA定電流を用いて、特異的(
500μMのXL5R.bio,5'TTCTTTTCGGATACCCAGTCTACGTGTTTG3'(配列番号:
18)または非特異的(ATA5.bio)予め標的化した捕捉抗体のいずれかを
含有するマイクロアレイ上の捕捉部位に電子的に標的化し、緩衝液を交換し、洗
浄することなく次の捕捉部位に標的化した。反応産物を標的化した後に、捕捉部
位をヒスチジン(50mM)で5×洗浄し、25℃にて15分間、受動的に導入
した蛍光標識レポーターオリゴ(HTVPXs.313TR;(NH2)-ACTTCCCAGGG
TTTGGACAGAGT3'(配列番号:19)15μL)を用いて、各場所の蛍光を評価し
た(図10b)。1mLの0.2×STE/1%SDSで3回洗浄し、STE/
SDS中でさらに5分間洗浄した後に、捕捉部位を洗浄し、2秒のイメージをと
った。その後、緩衝液をヒスチジンに取り替え、200μA/パッドのカラムに
よって1分間捕捉部位を流し、洗浄し、2秒のイメージをとった。増幅した反応
物の電子的サンドイッチ・アッセイの結果は、図10bに示すごとく、導入した
増幅産物の相対量に平行した。
【0130】 実施例3 なおもう1の実施例において、係留SDAを、好ましくは特異的部位への標的
核酸の電子的標的化を用いて、かつ、好ましくは大きな比率の性状SDAプライ
マーと組合せた切断不可能オリゴヌクレオチド(すなわち、切断不可能プライマ
ーはSDAに必要な必須の制限エンドヌクレアーゼ部位を含まないが、それは他
の態様においてSDAプライマーと同一である)をアレイ上の特異的部位に含め
て行った。ついで、特異的部位へのテンプレート核酸の電子的標的化につづく増
幅およびレポーター・ハイブリダイゼーションを用いて係留SDAを行う。正常
プライマーに対する切断不可能の最適比は経験的に決定し、レポーター標識から
得たシグナルに基づく。別法として、つづく切断および分析または他の操作の目
的で、他の部位および/または官能基をこれらの増幅不可能プライマーに導入し
得る。これらの切断不可能プライマーの主たる基準は、標的核酸またはその増幅
産物に十分なホモロジーを3'末端が含んで、ハイブリダイスし、ポリメラーゼ
によるプライマー伸長の基礎として作用することである。
【0131】 この実施例の特異的な実験において、異なる比率の標準第V因子増幅プライマ
ーを、もはやBsoBI部位が存在しないプライマーと混合した。これらの混合
物をアレイ上の異なる場所に標的化し、希釈した第V因子 PCRアンプリコン
を各場所に標的化した。ついで、全体のアレイを洗浄し、SDA増幅反応成分を
含有する混合物(増幅プライマーを除く)を添加した。変性後に増幅反応を60
℃にて30分間進行させ、ボジピー-テキサスレッド標識レポーター・プローブ
を塩化してハイブリダイズさせた。ついで、各部位に存在する蛍光を定量化した
【0132】 この実験に続く実験プロトコールは、以下の通りであった。最初に、外側電極
からいずれのアガロースをも削り取り、各マイクロチップの表面をRain-X
で処理することによって、電子的アドレス指定およびハイブリダイゼーション用
のマイクロチップを調製した。該チップを3回水洗し、水中で少なくとも30分
間放置した。ついで、第V因子 SDAプライマー(すなわち、配列番号:20
および21)および切断不可能(NC)プライマー(すなわち、配列番号:42
および43)を合計2μMまで希釈し(SDAプライマーと混合した0-100
%の切断不可能プライマーから、後記の表IIIを参照されたい)、等容量の1
00mMのヒスチジンを添加して50mMのヒスチジン緩衝液中の1μMプライ
マー溶液を作製した。次に、10nM btr-T12および1μM ATA-5
オリゴを50mMヒスチジン中に対照として調製した。ついで、第V因子テンプ
レートSDAを適当な濃度まで希釈し、95.5℃にて約5分間インキュベート
した。等容量の100mMヒスチジンを添加して、最終濃度50mMのヒスチジ
ン緩衝液を作製した。
【0133】
【表3】
【0134】 ついで、SDA/切断不可能プライマー混合物ならびに対照を電子的にアドレ
ス指定し、テンプレートを各マイクロチップ・アレイにハイブリダイズさせた。
イメージをとり、マイクロチップを3回水洗し、1mg/mlのBSAと室温に
て30分間インキュベートした。ついで、マイクロチップを2回水洗し、給湿チ
ャンバー中(すなわち、湿らせたWhatman 3MMろ紙を有するペトリ皿)、60℃
にて5分間予めインキュベートした。
【0135】 40mMのKHPO、1.6mMのdCTPαS、1.6mMのdTTP、
1.6mMのdCTP、および1.6mMのdGTP、8.3MMのMgCl
1.3単位のBsoBI酵素、ならびに0.5単位のBstポリメラーゼを含むS
DA混合物を、60℃にて5分間予めインキュベートした。水をマイクロチップ
から除去し、10μlの予め温めたSDA混合物をマイクロチップを冷却するこ
となく、各マイクロチップに添加した。ついで、マイクロチップを60℃にて3
0分間インキュベートした。ついで、各マイクロチップから溶液を取り出し、そ
れを2μlの100mM EDTAを含有するエッペンドルフ・チューブに移す
ことによってSDA反応を終結させた。ついで、非-変性ポリアクリルアミド・
ゲル上で上清を分析した。
【0136】 そのマイクロチップを0.5×SSC溶液で少なくとも3回洗浄し、ここにS
SC溶液は75mMのNaClおよび7.5mMのクエン酸ナトリウム、pH7.
2を含む。次に、マイクロチップを、溶液を約毎分にピペットで上下させつつ、
0.5×SSC、pH12溶液中で4分間インキュベートさせた。各マイクロチ
ップを0.5×SSC、pH7.2で少なくとも3回洗浄し、ついで4×SSC溶
液で再度3回洗浄した。ついで、4×SSC中の1μMのレポーター・オリゴヌ
クレオチドの受動的ハイブリダイゼーションを室温にて3分間行った。各マイク
ロチップを4×SSCでよく洗浄した。必要なら、0.2×SSC/1%SDS
を用いてさらなるストリンジェント洗浄を室温にて5分間行った。ついで、マイ
クロチップを0.2×SSCでよく洗浄した。最後に、マイクロチップを適当な
レーザーおよびフィルターでイメージし、各部位に存在する蛍光を定量化した。
この実験からの結果を図11に示す。図11に示すごとく、係留SDA用のSD
Aプライマーに含まれる10%最適パーセントの切断不可能SDAプライマーは
、切断不可能プライマー不存在下(0%)を超える特異的シグナルにおけるほぼ
2倍の増加を与えた。予想されたごとく、SDAプライマーに対する切断不可能
の比が上昇すると、SDA反応の効率は検出し得るSDA増幅が全く見られない
レベルまで低下した。これは、効果においては二本鎖テンプレートの変性の前に
切れ目を入れ得るいずれかのシグナルを保持する、SDAプライマー混合物への
切断不可能プライマーの添加が、係留SDAにおけるシグナル強度を改善するこ
とを示す。
【0137】 実施例4 もう1つの具体例において、本発明の増幅方法は対立遺伝子−特異的SDA方
法を含む。該方法は、好ましくは、特異的対立遺伝子を含む鎖のみを選択的に増
幅する。該方法は、好ましくは、それらの各3’末端が、所望の対立遺伝子のヌ
クレオチド配列に相補的なヌクレオチド塩基を含むように設計された増幅プライ
マーを利用する。該プライマーの少なくとも1つは、好ましくは、電子標的化お
よび増幅に続くアレイへアンプリコンを捕捉する容易なメカニズムを供するため
にその5’末端にビオチン部位を含むことができる。一般に、本実施例のプロセ
スの特異性は、プライマーの3’末端ヌクレオチドが標的配列に相補的でない場
合に核酸鎖伸長の低い効率に由来する。
【0138】 この例の修飾において、個々の増幅された患者の核酸試料をマイクロアレイ上
の別の位置に固定化し、全ての試料を遺伝子または対立遺伝子−特異的レポータ
ープローブで同時にプローブする。個々の患者の試料は、SDAの間にビオチン
を試料に導入することによって固定化される。制限切断部位を有しない、従って
、切断可能でない5’ビオチンリンカーを含むSDAプライマーの1つを添加す
る。試料を変性し、個々の捕捉部位にアドレス指定させる。各患者からの一本鎖
アンプリコンを個々の捕捉部位に固定化する。一旦全ての患者の試料が固定化さ
れれば、それらを全て同時かつ平行してプローブする。かくして、開いたマイク
ロチップを用いて、最小の交差−汚染でもって複数の患者の試料を分析する。
【0139】 この例では、ビオチン化プライマーは、好ましくは、増幅で用いるフランキン
グプライマーの切断不能バージョンまたは内部配列のいずれかである。いずれの
場合においても、それは死滅した目的生成物(すなわち、さらに増幅されないも
の)を形成する。プライマーは、好ましくは、全プライマーが産物に変換される
ように限定された量で存在させる。例えば、第V因子Leiden突然変異のごとき遺
伝子突然変異につきスクリーニングする場合、2つの対立遺伝子(野生型および
突然変異体)があるにすぎない。増幅は、野生型遺伝子座に対して特異的である
が、対立遺伝子に対しては特異的でないプライマー(すなわち、突然変異体)を
用いて行われる。内部ビオチン化プライマーは、もし対立遺伝子が存在すれば、
伸長を通じて全長アンプリコンよりも短い産物に変換される。次いで、該断片を
パッドにアドレス指定させ、引き続いて、対立遺伝子−特異的プローブでプロー
ブするか、あるいは対立遺伝子−特異的ビオチン化内部プローブを用いる。増幅
は蛍光標識ヌクレオチドの存在下で行うことができる。好ましくは、次いで、異
なるパッドにアドレス指定される(野生型および突然変異体対立遺伝子のための
)対立遺伝子−特異的プライマーとの2つの別々の反応で各患者の試料が増幅さ
れるか、あるいは、2つの異なる色で蛍光を発するレポーター分子を用いて2つ
の反応を同時に行い、両方の産物を同一の捕捉部位にアドレス指定させる(この
場合、その患者についての部位に残る発蛍光団によって、遺伝子型が決定される
であろう)。 (対立遺伝子−特異的方法および技術のさらなる具体例については実施例1B
を参照)。
【0140】 実施例5 もう1つの具体例において、SDA産物を同時に生じさせ、本発明のマイクロ
チップ上のフローセル領域において好熱性SDA(tSDA)を行うことによっ
て、マイクロチップに特異的に捕捉することができる。(tSDAに対する議論
については米国特許5,468,211号およびシグナルプライマー伸長に対する
議論は米国特許5,547,861号参照(双方を引用して一体化させる))。t
SDAとは、ストリンジェント・ハイブリダイゼーションを容易にするために4
0℃を超える温度での操作を可能とする好熱酵素を用いるSDAを意味する。増
幅に先立ち、5’ビオチン修飾を有する内部捕捉配列を、好ましくは、特異的ス
トレプトアビジン−含有捕捉部位の位置に固定化する。一本鎖アンプリコンはS
DAプロセスの間に溶液中で生じるので、アンプリコンの画分は、固定化された
捕捉オリゴヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする。ハイブリダイズされた
鎖の検出は、好ましくは、本開始を通じて記載した方法のうちの1つを介して行
われる。該方法のこの具体例は(例えば、約10μlのオーダーの)非常に小さ
な試料容量の使用を可能とし、好ましくは別々の捕捉部位に位置し、SDAプラ
イミングを行うのに使用される配列に対して内部である捕捉用配列の使用により
、特異性制御を可能とする。さらに、SDA反応の間に生じ、それにより、同時
SDAおよびSDA反応および生じたアンプリコンのモニタリングを容易とする
ので、捕捉された配列の検出は「リアルタイム」で起こり得る。
【0141】 この方法に関しては、検出用の蛍光種を取り込むのに2つの例示的なスキーム
がある。検出用蛍光種を取り込むための第1のスキームでは、図5Aに示すよう
に、さらなるオリゴヌクレオチド36を増幅反応に含める。このさらなるオリゴ
ヌクレオチドは蛍光標識され、増幅プロセスによって生じたその一本鎖コンプレ
マーに結合する。結合に際し、SDA反応で用いるポリメラーゼ37によって、
このプライマーから5’ないし3’方向に重合が開始される。規則的な増幅プロ
セスの間に、増幅プライマーとして機能するオリゴヌクレオチドは、蛍光標識種
と同一鎖に対して5’上流に結合する。ポリメラーゼ伸長はこのプライマーから
起こるため、蛍光標識された鎖は置き換えられ、一本鎖種としてアレイ上の溶液
に放出される。アレイ上には、予めアドレス指定された係留相補的オリゴヌクレ
オチドがある。これらは、蛍光標識オリゴヌクレオチドの一部を捕捉するように
働き、アレイ上に蛍光シグナルを供し、これは位置−特異的であって、(従って
配列特異的であり)反応の間にわたって増加し続ける。
【0142】 検出用の蛍光種を取り込むための第2のスキームにおいて、図5Bに示される
ように、係留捕捉オリゴヌクレオチドは、SDA反応40を支持することができ
る未改変エンドヌクレアーゼ制限配列か、あるいはエンドヌクレアーゼ45によ
って認識されない改変された配列を有する。これらの係留捕捉プライマー種40
および45を用いて、増幅反応の一本鎖産物42を結合させる。これらの捕捉オ
リゴヌクレオチド種40および45は、ポリメラーゼ活性によるオリゴヌクレオ
チド伸長のための部位として働く。増幅反応の完了に際して、好ましくは、(例
えば、pH12でのアルカリ性を含めた)電子または化学的方法によって、二本
鎖物質は融解し、元のアンプリコンおよび伸長産物43を放出する。アレイを洗
浄し、次いで、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド44を導入する。これらのレ
ポーター・オリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴヌクレオチド40および45のポ
リメラーゼ伸長部分のみに特異的にハイブリダイズする。このスキームにおいて
、切断不能オリゴヌクレオチドに対する切断可能オリゴヌクレオチドの比率は、
約10:1であるのが好ましい。この比率は,レポータープローブによる検出用
の捕捉部位に残存する十分な数の切断されていない伸長産物を供しつつ、増幅反
応を最適に進行させると考えられている。
【0143】 実施例6 本発明のさらにもう1つの具体例において、SDAは、好ましくは、以下の条
件下で電子的にアドレス指定可能なマイクロチップ上で直接的に行う。まず試料
を調製し、約5kB未満までランダムに剪断する。次いで、試料を変性し、5’
および3’SDAプライマー双方を含有する単一の捕捉部位に標的核酸を捕捉す
る。捕捉プライマーの直ぐ上流にある領域にハイブリダイズする「バンパー・プ
ライマー」を、捕捉オリゴヌクレオチドの約1/10の相対濃度で添加する。S
DA混合物(すなわち、3つの未改変dNTP、1つのチオール改変NTP、(
および、恐らくは、蛍光標識されたNTP)および好ましくは好熱エキソ(−)
DNAポリメラーゼと制限酵素)を受動的に添加する。次いで、マイクロチップ
を約40ないし60℃まで加熱し、SDAを進行させる。
【0144】 SDA反応および産物アンプリコンの「リアルタイム」検出は蛍光エネルギー
交換または消光を可能とするNTPを取り込むことによって可能である。例えば
、ボジピー・テキサスレッドを含有するNTPを、Cy5を含有するものと組み
合わせる。ポリメラーゼ伸長を介するNTPの取り込みは、蛍光エネルギーのシ
フトをモニターすることによって継続的にモニターすることができる。 1つの理論の元では、パッド上の隣接オリゴヌクレオチドの間の好ましい最小
の見積もられた間隔は約1.25nm(10ODNs/80μm=100×
10/80×(10nm=1.25ODN/nm)であると考えら
れる。もしオリゴヌクレオチド架橋がSDAを開始させるのに必要であれば、最
適な増幅を可能とするSDA断片の最適な長さを経験的に決定することができる
と考えられる。出発点として、100bp=34nmは妥当なようである。
【0145】 実施例7 この具体例においては、増幅プライマー、標的DNAおよび酵素分子の間の空
間的関係を変更する係留SDA反応の新規な方法を提供する。両増幅プライマー
は相互に近接されるので、SDA反応の効率は現実には増加する。また、増幅プ
ライマーの間の空間的関係は、プライマーの間のリンカー・エレメントを変更す
ることによって調製することもでき、それにより、プライマーの化学量論的比率
、プライマーの局所的濃度、部位特異的テンプレート捕捉、およびプライマーの
空間的関係の正確な定義を可能として、カップリング協働様式にてSDAメカニ
ズムを設定し、標的DNAの指数関数的増幅に益することができる。
【0146】 さて、図12または図15を参照し、SDA標的捕捉プライマーを、電子的に
アドレス指定可能なマイクロチップ上の特異的領域または捕捉部位5に結合させ
る。捕捉プライマーは、注目する標的核酸に特異的なSDAで要求される上流お
よび下流プライマー対双方が捕捉部位において相互に近接するように各部位に結
合される。図12については、分岐した構造3を捕捉部位5に、およびプラスお
よびマイナス鎖SDA核酸プライマーの5’末端に結合させる。各プライマーに
ついては、未改変制限部位配列1(すなわち、ヘミ修飾制限部位の未改変鎖)を
、標的特異的捕捉配列2および4の5’側に位置させる。図15については、線
状プラスおよびマイナス鎖核酸SDAプライマーを、それらの各5’末端におい
て捕捉部位5に結合させる。分岐プライマー対と同様に、線状SDAプライマー
は、標的特異的捕捉配列7および8に対して5’側に未改変制限部位6配列を含
む。
【0147】 マイクロチップは、ここに引用して一体化させる米国特許第5,605,662
号に開示された方法のごとき当該分野で知られた教示に従って調製することがで
きる。この例においては、SDAプライマーの添加に先立って、ストレプトアビ
ジン−アガロース層をマイクロチップの外部電極から掻き落とした。各マイクロ
チップのエッジはRain−X (Unelko Corporation,
Scottsdale, Alizona)で耐水性とし、マイクロチップの表
面は脱脂綿アプリケーターで緩衝化し、清浄化した。マイクロチップを使用前に
室温にて約30分間、ミリ−Q水と共にインキュベートした。
【0148】 次いで、50mMヒスチジン緩衝液でマイクロチップを洗浄し、50mMヒス
チジン緩衝液中に発蛍光団を有するビオチン化オリゴヌクレオチド(例えば、オ
リゴdT12−btr)を、標準A/Cでプロトコル(25秒間の80nAmp
)を用いて捕捉部位にアドレス指定させ、ストレプトアビジン・マイクロチップ
の品質をチェックした。btr用の適当な励起および発光フィルターを用いてb
tr発蛍光団をイメージした。SDAプライマー(配列番号20および21)を
、同標準A/Cプロトコルを用いて、選択された捕捉部位にアドレス指定させた
【0149】 図13に示すごとく、SDAは捕捉部位で行われる。二本鎖標的種の変性に続
き、まず、一本鎖標的分子(例えば、図13に示されるプラス鎖10+)を捕捉
部位にアドレス指定させる。種々のテンプレートの電子的ハイブリダイゼーショ
ンでは、二本鎖DNA標的配列をまず95℃で変性し、等しい容量の100mM
ヒスチジン緩衝液と混合した。次いで、ハイブリダイゼーション用の標準A/C
プロトコル(60秒間の1.6μAmp)を用い、テンプレート混合物を捕捉S
DAプライマーに電子的にハイブリダイズさせた。テンプレート混合物のハイブ
リダイゼーション後に、マイクロチップを水で2回洗浄し、1mg/mlのBS
Aと共に、室温で30分間インキュベートして、いずれの非特異的結合部位もブ
ロックした。マイクロチップを再度水で2回洗浄し、60℃にて5分間予備加温
した。また、全てのSDA溶液も60℃にて5分間予備加温した。予備加温後に
、水を除去し、給湿チャンバー中、10μl SDA反応混合物(40mM K HPO pH7.6mMの各dCTPαS、dTTP、dATPおよびdG
TP、8.3mM MgCl、1.3単位のBsoBIおよび0.5単位のB
stポリメラーゼ)と共に60℃にて30分間、マイクロチップをインキュベー
トした。マイクロチップ表面からの上清を2μlの100mM EDTAを含む
エッペンドルフ・チューブへ取り出すことによって反応を停止させた。
【0150】 図13に示すごとく、プラスおよびマイナス鎖双方の標的核酸の鎖伸長は置換
を受けて、プラスおよびマイナス一本鎖アンプリコン(例えば12−および13
+)を形成する。該プラスおよびマイナス鎖のアンプリコンは、各々、未使用プ
ライマー対組に隣接してまたはその近くに電子的にハイブリダイズさせることが
できる。
【0151】 この例においては、SDA反応に続き、マイクロチップを0.5×SSC、p
H7.2で3回洗浄した。次いで、0.5×SSC、pH12.0を添加して、
SDA産物をイン・サイチュにてマイクロチップ上で4分間変性し、ここに、マ
イクロチップは1分ごとに新鮮な緩衝液で洗浄した。次いで、マイクロチップを
0.5×SSC、pH7.2で少なくとも3回、4×SSC、pH7.2で約3
回洗浄した。次いで、4×SSC中のbtr−標識レポーターオリゴヌクレオチ
ドの1μM混合物と共に、マイクロチップを室温で3分間インキュベートし、続
いて、室温にて4×SSCで十分に洗浄し、次いで、適当なレーザーおよび励起
/発光フィルターにてイメージした。
【0152】 係留SDAの効率を示すのを簡単にするために、この例は増幅に続いてSDA
産物の検出を行うが、検出は、プローブの末端の3’OHよりはむしろ3’リン
酸基を取り込むことによるごとく、それらの各3’末端でブロックされた標識標
的特異的プローブを用いて増幅の間に行うことができる。そのような標識された
プローブは、さらに、標的としての増大するシグナルの検出を可能とする捕捉部
位に電子的にアドレス指定させることができる一本鎖核酸を含むことができ、プ
ローブそれ自体がSDA伸長または増幅プロセスに参加することをなくして、ア
ンプリコン種は捕捉パッド部位で増幅される。
【0153】 前記した電子制御される係留SDAに加えて、2つのさらなるプロトコルを対
照として追跡し、ここに、受動的ハイブリダイゼーション、続いて係留SDAに
よって標的核酸は捕捉され、SDAは溶液中で行った。まず、受動的ハイブリダ
イゼーション実験において、二本鎖標的核酸をまず95℃にて5分間変性した。
次いで、20×SSC(3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム)ストッ
ク溶液で4×SSC濃度とし、20μlの混合物を、(SDAプライマーで予め
電子的にアドレス指定された)マイクロチップにピペットで移し、室温にて一晩
インキュベートした。プライマーへの標的ハイブリダイゼーションに続いて、S
DA実験を前記したごとく行った。
【0154】 第2に、SDAを溶液中で行う場合、マイクロチップは使用しなかった。この
理由は、溶液ベースのSDAを行う目的は、溶液中とマイクロチップ上にて、標
的種を複数の様式で増幅する能力を比較することにあったからである。溶液ベー
スのSDA実験は、前記したごとく合計50μlのSDA混合物にてエッペンド
ルフ・チューブ中で行った。
【0155】 この例の第1の方法では、電子的にアドレス指定可能なマイクロチップ上の特
異的位置にアドレス指定されたプライマー対を用い、3つの異なる標的核酸種を
SDAによって増幅した。超純粋ヒト胎盤DNA、クラミジア(Chlamyd
ia)ゲノムテンプレートおよびデオキシヌクレオシド三リン酸はBecton
Dickensonから入手した。ヘモクロマトーシスと関連する遺伝子配列
および第V因子の存在を検出するよう指令された核酸用の標的テンプレートは、
SDAバンパー・プライマー(配列番号22および23)およびヒト胎盤DNA
を用いて得られた。そのようなテンプレートを増幅するためのPCR反応条件は
増幅分野の当業者によく知られている。各テスト標的種のためのSDA捕捉プラ
イマー対、バンパーおよびシグナル・プローブはOligos, Etc. (
Oregon)によって合成し、PAGE−精製した。プライマー配列にコード
された制限部位はBsoBIであった。
【0156】 以下のものは、標的種の各々についての種々のSDAプライマーおよびシグナ
ル・プローブのリストである。: SDAプライマーbiofacV10sSDA.213(配列番号20) 5’[biot]ACCGCATCGAATGCATGTCCTCGGGTCT
CTGGGCTAATAGGA3’ SDAプライマーbiofacVaSDA.297(配列番号21) 5’[biot]ACGATTCAGCTCCAGACTTCTCGGGTCA
GAATTTCTGAAAGG3’ バンパー・プライマーfacV10s.179(配列番号22)5’ ACTACAGTGACGTGGACATC3’ バンパー・プライマーfacV10a.−127(配列番号23)5’ TGTTATCACACTGGTGCTAA3’ シグナル・プローブfacV10a.276(配列番号24)5’[BTR] CTGTATTCCTCGCCTGTC3’ SDAプライマーchlaAL1.4811(配列番号25) 5’[biot]CACGTAGTCAATGCATGTCCTCGGGTAC
AACATCAACACCTG3’ SDAプライマーchlaAR1.4858(配列番号26) 5’[biot]ACGATTCAGCTCCAGACTTCTCGGGTGA
GACTGTTAAAGATA3’ バンパー・プライマーchlaBL1(配列番号27)5’CAGCAAATA
ATCCTTGG3’ バンパー・プライマーchlaBR1(配列番号28)5’CATTGGTTG
ATGGATTATT3’ シグナルプローブchlaDIL.4826(配列番号29)5’[BTR]G
TCGCAGCCAAAATG3’ シグナルプローブchlaCP2.4841(配列番号30)5’[BRR]T
TCCATCAGAAGCTGT3’ SDAプライマーhaemsdas.6679(配列番号31) 5’[biot]CACGTAGTCAATGCATGTCCTCGGGTAT
AACCTTGGCTGTAC3’ SDAプライマーhaemsdaa.6773(配列番号32) 5’[biot]ACGATTCAGCTCCAGACTTCTCGGGTGC
TCTCATCAGTCACA3’ バンパー・プライマーhaempcrs.6596(配列番号33)5’ TGAAGGATAAGCAGCCAAT3’ バンパー・プライマーhaempcra.6773(配列番号34)5’ CTCCTCTCAACCCCCAATA3’ シグナルプローブhaemreps.6712(配列番号35)5’ [BTR]AGATATACGTGCCAGGTG3’ シグナルプローブhaemreps.6733(配列番号36)5’ [BTR]CTGATCCAGGCCTGGGTG3’
【0157】 図16に示すごとく、第V因子(FAC V)についてのビオチン化SDAプ
ライマー、クラミジア(CHL)およびヘモクロマトーシス(HC)を、ストレ
プトアビジン−含有マイクロチップにつなぎ、第V因子、クラミジアおよびヘモ
クロマトーシス・テンプレートを電子的にプライマーにハイブリダイズさせた。
また、対照テンプレートT12もつないだ。
【0158】 前記したごとく、係留SDAを60℃にて30分間、イン・サイチュにてマイ
クロチップ上で行い、それに従い処理した。理解されるごとく、テンプレートが
マイクロチップ上のSDAプライマーにハイブリダイズしない場合、CDAアン
プリコンは検出できない(図17)。しかしながら、テンプレートの混合物がS
DAプライマーにハイブリダイズする場合、3つのアンプリコンシステムの同時
増幅が観察できる(図18ないし20)。従って、全ての3つのタイプのSDA
プライマーの存在下でテンプレートの1つの種のみがハイブリダイズする場合、
対応するSDAプライマーがつながれた領域のみがシグナルを示し、増幅が起こ
ったことを示す。これは、マイクロチップ上でイン・サイチュで行う場合の係留
SDAシステムの特異性ならびに柔軟性を確認する。興味深いことには、図21
に示すごとく、同一の3つのSDAプライマー組を用いて溶液−ベースのSDA
を行う場合、多重増幅は大いに危うくなる。第V因子、クラミジアおよびヘモク
ロマトーシスについて別々に、ならびに1つの反応(ALL)にて一緒に、溶液
SDAを行い、続いて6.0%非変性ポリアクリルアミドゲルで分析した。理解
されるごとく、別々に行う場合、全ての3つの系は増幅される。しかしながら、
全ての3つのプライマー組およびテンプレートを1つの反応に組み合わせる場合
、第V因子増幅は大いに低下する。加えて、受動的ハイブリダイゼーションによ
ってテンプレートがプライマーにハイブリダイズした場合、恐らくは、テンプレ
ートの再アニーリングによって引き起こされた効果的でないハイブリダイゼーシ
ョンのため、増幅効率はかなり低下した。これらの結果は、溶液ベースおよび/
または受動的ハイブリダイゼーション系で観察できるごとく、障害なくして、標
的種の多重増幅および検出を行うことができる多重増幅系のための本発明のそれ
のごときシステムにつき当該分野での要求を強調する。 この例の第2の具体例において、分岐したSDA標的捕捉プライマー対の調製
は多数の手段によって合成することができる。好ましい具体例においては、分岐
した部位は後記するごとく生じさせることができる。まず、図22に示すごとく
、Y−プライマー合成用の出発物質は、tert−ブチルオキシカルボニル−保
護α−アミノ末端を持つビオチン−コンジュゲーテッドリシンである。該α−ア
ミノ末端のtert−ブチルオキシカルボニル(TBC)部位は、別々に、SD
Aプライマーアームの選択的結合を可能とする。この場合、α−アミノ末端は保
護されるが、α−アミノ末端はカルボン酸と反応することができ、SDAセンス
プライマーがα−アミノ末端に結合するのを可能とする。次いで、α−アミノ末
端をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(TFA/DCM)で脱保護することが
でき、これはtert−ブチルオキシカルボニル部位を除去し、カルボン酸末端
を介するSDAアンチセンスプライマーの結合を可能とする。この結合配列は、
両SDAプライマーがそれらの各5’末端の分岐部位にアドレス指定されるY−
プライマーの形成を可能とする。次いで、得られたY−形状プライマー対を、マ
イクロチップ上のストレプトアビジン浸透層に結合させることができる。
【0159】 係留SDAについてのY−形状プライマー対の合成は、1)SDAプライマー
を相互に相対的に近接させ、それにより、1つの鎖の伸長されたアンプリコンの
間の相互作用の速度および反対側の鎖プライマーへの切断されたアンプリコンの
引き続きての結合を増加させることによって、および2)通常のオリゴヌクレオ
チドSDAプライマーにわたる与えられた領域中のプライマーの密度を増加させ
ることによって、SDA反応の全効率を2倍増加させることを意図する。前記し
た合成プロトコルにおいて、Y−プライマーがストレプトアビジン−ビオチン結
合を介してマイクロチップ浸透層に結合され;しかしながら、限定されるのでは
ないが、マクロ分子上へのプロリンクス、R−SHまたはいずれかの他の官能基
を含めた他のアミド−結合の結合化学を用いることができる。前記したSDA反
応を行うのに分岐プライマー対を用いることができる。
【0160】 実施例8 さらにもう1つの例は、SDAの間に生じるセンスおよびアンチセンスアンプ
リコンの間のハイブリダイゼーションの問題を扱うための非対称増幅方法を提供
する。SDAを用いる場合、一般に、センスおよびアンチセンス鎖は等しい量で
生じる。増幅の典型的な条件下では、相補鎖は一緒にハイブリダイズする。しか
しながら、(捕捉オリゴヌクレオチドへのアンプリマーのハイブリダイゼーショ
ンおよび蛍光標識レポーターオリゴヌクレオチドによるハイブリダイズした物質
の検出双方のための)マイクロエレクトロニックアレイ上の特異的部位へのオリ
ゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、アンプリコンからの一本鎖種の生
成を必要とする。従って、一緒にハイブリダイズする相補鎖は、1つの鎖が他方
よりも余計に増幅されるのでなければ(すなわち、増幅が非対称でなければ)、
アレイ上の捕捉へのハイブリダイゼーションに先立ちおよび/または標識レポー
ターによる検出に先立ち分離されなければならない。これは、通常、電子アドレ
ッシングの前または後に熱または化学変性を用いて行われる。非対称増幅は、そ
のような熱サイクル工程に対する必要性を排除する。
【0161】 非対称増幅の鍵となる特徴は、その相補的アンプリコン配列にわたる1つのア
ンプリコンの優勢を生じさせることである。溶液環境において、この方法は、典
型的には、増幅プライマーの比例しない比率を持たせることによって達成される
。増幅プロセスの最初の段階において、テンプレートに対して大過剰の効果的な
濃度のセンスおよびアンチセンス増幅プライマーは、元の二本鎖テンプレート物
質の指数関数的増幅に導く環境を作り出す。反応が進行するにつれ、元々少量で
存在する増幅プライマーは効果的に消費され、それにより、過剰に残存するプラ
イマーによる直線的増幅の条件に至る。SDAの間における増幅された物質のポ
リメラーゼ媒介置換の特別の効果は、この直線的に増幅された物質が溶液中で遊
離しており、二本鎖種の変性の必要性なくしてハイブリダイゼーションで利用で
きることを保証する。本発明の目的に関しては、別のアプローチは、両方のプラ
イマーを同一の濃度にて、溶液中に入れるが、1つの鎖の創生を部分的には阻害
するか、または「毒する」競合体を加えることである。時間がたつと、これは増
幅された標的の1つの鎖の圧倒性に導く。
【0162】 捕捉プローブをつなげた場合、支配的な1つの鎖の創生は、溶液中で生じそこ
に放出されるアンプリコンの1つの鎖に相補的な係留捕捉プローブを設計するこ
とによって増強することができる。好ましい具体例において、捕捉プライマーは
2つの点で正常なSDAプライマーとは異なる。まず、それらは好ましくは機能
的な制限部位を保有せず、それにより、エンドヌクレアーゼのニッキング/ポリ
メラーゼ伸長−置換工程をブロックする。第2に、捕捉プローブの3’末端は、
好ましくは、ポリメラーゼ活性による伸長に適したものではない。SDAの間に
、この修飾された捕捉プライマーは効果的にアンプリコン鎖にハイブリダイズし
、それをSDA経路からはずし、従って、それはさらなる増幅で利用できない。
そのような単一鎖の捕捉は、SDAが起こりつつある部位から離れた位置に位置
する捕捉部位で起こるように仕向けることができる。かくして、アンプリコン集
団のストランディッドネスの偏りが生じ、これは、増幅産物の1つの鎖の量の制
限により非対称増幅の効果的な形態である。
【0163】 もう1つの例において、非対称増幅は、プライマーの与えられた組のプライマ
ーのうちの1つの競合的阻害剤をSDA反応に含めることによって増強させるこ
とができる。前記した例におけるごとく、競合プライマーは、好ましくは、伸長
できないか、または切断できないかのいずれかである。競合プライマーを含める
と、直線的反応プロセスを通じて単一鎖の創生に向けて反応を偏らせる。 オリゴヌクレオチド配列は、3’OH末端のブロッキング、およびテンプレー
ト配列に対する3’末端ヌクレオチドのミスマッチを含めた種々の手段を用いて
伸長不可能とされる。オリゴヌクレオチド配列は、ホスホロチオエートのごとき
修飾された結合を含めることを介してオリゴヌクレオチド骨格を修飾することに
よって、またはより単純には、制限エンドヌクレアーゼ認識部位において配列を
変更することによって切断不能とされる。それ自体修飾されたプローブはハイブ
リダイゼーションに対して十分にコンピテントのままである。競合体の配列は、
好ましくは、増幅プライマーの1つのそれと同一(またはほとんど同一)である
。従って、競合体は標的配列とのハイブリダイゼーションにつき増幅プライマー
と競合することができる。標的配列に結合すると、競合体は、1)DNA−ポリ
メラーゼによって伸長できないか、2)伸長されて、標的配列のコピーを生じさ
せることができる。競合体を伸長させる場合、競合体は、標的配列の得られたコ
ピーが制限酵素によって切断できないように修飾される。使用される増幅方法に
応じて、異なるタイプの競合体が用いられる。
【0164】 PCRにおいて、競合体は伸長できないように修飾される。適当な修飾は前記
した通りである。反応の各サイクルにおいて、競合体は、利用できる標的配列へ
のハイブリダイゼーションにつきPCRプライマーのうちの1つと競合する。例
えば、競合体がPCRプライマーの濃度の10%で添加される反応において、ほ
ぼ10%のハイブリダイゼーション事象が、伸長産物が生じ得ない点で不成功と
なろう。反対のPCRプライマーは、全ての利用でき標的配列に自由にハイブリ
ダイズし、伸長される。従って、2つの伸長産物の相対的数の約10%の偏りが
、いずれの与えられたサイクルにおいても生じる。標的濃度が低いので初期サイ
クルでの10%偏りは有意ではなく、そのような偏りが(伸長産物のnM量以上
が生じる場合には)後期段階のサイクルで高い濃度の一本鎖物質を生じるであろ
う。
【0165】 SDSにおいて、いくつかの方法が好ましい。伸長不可能競合体の使用は、ニ
ッキングおよび伸長反応が一本鎖の置換された産物の1つを優先的に生じさせる
ようにする二本鎖テンプレートの生成を偏らせるであろう。伸長可能で切断不能
な競合体の使用は、ニッキング/置換反応に参加できない二本鎖産物を生じさせ
ることによって非対称に導く。1つの鎖のみがニックされ、置き換えることがで
きる場合、切断不能プライマーから生じた伸長産物は二本鎖分子の一部となるの
で、両方のタイプの競合体の使用が最適であろう(図14参照)。
【0166】 実施例9 本発明のこの実施例において、電子的にアドレス指定可能なマイクロチップと
組み合わせてSDAが行われ、ここに、SDA反応の気圧を上昇させる。 ゲノム核酸が用いられる場合、それはほぼ250ないし500bpの間の断片
に切断されるのが好ましい。これは、HhaI、FokIまたはDpnIのごと
き切断酵素によって行うことができる。 酵素および配列の長さの選択は、希望
する標的配列が生じた断片内にその全部が含まれるか、あるいは標的配列の少な
くとも十分な部分が断片中に存在して、SDA増幅プライマーの十分な結合を供
するようにすべきである。断片を生じさせるための他の方法は、PCRおよび音
波処理を含む。
【0167】 この方法で用いられるプライマーは、一般に、25ないし100ヌクレオチド
の長さを有する。ほぼ40ヌクレオチドのプライマーが好ましい。プライマー核
酸配列は、高ストリンジェンシー条件下でプライマーおよびテンプレート核酸の
間のハイブリダイゼーションが起こるように標的配列に対して実質的に相同であ
るべきである。
【0168】 標的核酸断片は、変性させてそれを一本鎖とし、標的鎖へのプライマーの結合
を可能とする。反応の温度をほぼ95℃まで上昇させるのが、核酸を変性させる
ための好ましい方法である。他の方法はpHを上昇させることを含むが、これは
、プライマーを標的に結合さるためにpHを低下させることを必要とするであろ
う。一本鎖標的分子の形成に続き、本明細書中に記載した多数の実施例で議論し
たごとくにSDAを行う。典型的には、SDA反応は、増幅の間における1つの
鎖のニッキングを容易とするための、プライマー伸長の間における少なくとも1
つの置換されたヌクレオチドの使用を含む。ヌクレアーゼは、前記したSDAで
典型的には有用であるいずれのヌクレアーゼであってもよい。
【0169】 この方法の好ましい具体例において、気圧は、SDA反応の成分を合わせる前
または後いずれかに上昇させる。該圧力を上昇させて、スター(star)活性
を低下させ、その標的に対する制限エンドヌクレアーゼの特異性を効果的に増大
させる。上昇した圧力の適用は、テンプレート核酸とのプライマーの相互作用の
特異性および使用される酵素の全反応速度も上昇させることができ、それにより
、その特異性を増加させつつ、SDA反応で必要な時間を短くする。スター活性
を低下させることによって、テンプレート非依存性増幅は減少し、それにより、
非特異的増幅による試薬の競合的消費を減少させる。
【0170】 上昇した圧力は、種々の方法によって増幅の間に適用することができる。例え
ば、反応は高圧容器中で行うことができるであろう。また、高圧装置(High Pre
ssure Equipment Co., Erie, PA)またはその一部に装着した反応チャンバーに容
器を入れることによって、反応を行うこともできる。それによって、標的核酸、
ヌクレオシド三リン酸および酵素を含有する水溶液に圧力を適用することができ
るシリコーン油 (Signa)のごとき非混和性相で水性反応媒体を覆うのが有利であ
ろう。好ましくは、圧力は約100ないし約500気圧の範囲で上昇させる。 この方法で有用なポリメラーゼは、切れ目部位において5’から3’への重合
を開始させるポリメラーゼを含む。該ポリメラーゼは重合された鎖を切れ目から
下流を置き換えるべきであり、重要なことには、いずれの5’→3’エキソヌク
レアーゼ活性も欠き、熱安定性でもあるべきである。DNAポリメラーゼIの大
きな断片およびDNAポリメラーゼIのエキソヌクレアーゼ欠損クレノウ断片な
らびにBstポリメラーゼからの同様の断片(New England Biochemicals, Beve
rly, Mass.)のごときポリメラーゼが好ましい。SEQUENASE1.0およびSEQUENASE2.
0(U.S. Biochemical)、T5DNAポリメラーゼおよびPhi29DNAポリ
メラーゼもまた有用である。一般に、好熱性DNAポリメラーゼが好ましい。Ba
cillus stearothermophillus New England Biochemicals, Beverly, Mass.)から
のBst DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ欠損好熱性クレノウ断片が
最も好ましい。
【0171】 この方法においては、変性が起こってしまった後に単一の反応温度を用いるこ
とができ、そのような温度は、非特異的結合を最小化するストリンジェンシーの
レベルを設定するのに十分高いが、標的鎖への特異的ハイブリダイゼーションを
可能とするには十分に低くすべきである。加えて、好ましくは、約45℃ないし
65℃の温度の使用は効果的な酵素活性を支持するはずである。酵素および核酸
の変性は回避すべきである。
【0172】 SDA反応サイクルの間に、理論的には約20反復またはサイクルの結果、約
10倍の増幅となる(すなわち、SDA×220=10)。典型的には、1
倍以上の増幅が約30分の増幅で観察される。 配列決定のための高忠実度一本鎖核酸プローブまたは一本鎖テンプレートの生
成を含めた種々の使用では、高圧SDAが便利である。この目標では、単一のプ
ライマーにて、あるいは1つのプライマーが他のプライマーよりも過剰である場
合には、2つのプライマーを用いて高圧SDAを行うことができる。その結果、
他方よりも1つの置き換えられた一本鎖が過剰に生産される。
【0173】 次いで、増幅された標的の存在は、いずれかの数の方法によって検出すること
ができる。1つの方法は、ゲル電気泳動によって特異的サイズの反応産物を検出
することである。この方法は、使用されるヌクレオチドが32Pのごとき放射性
標識で標識される場合に特に有用である。他の方法は、ビオチンのごとき物理的
標識でヌクレオチドを標識することを含む。次いで、ペルオキシダーゼのごとき
シグナル発生酵素に結合したアビジンによって、ビオチン−含有反応産物を同定
することができる。もう1つの方法は、蛍光標識内部プライマーの伸長である。 本発明の実施で有用な検出系は、分離を要しない同種系、および異種系を含む
。各系において、1以上の検出マーカーを用い、検出系からの反応または発光を
好ましくは自動手段によってモニターする。同種系の例は、蛍光偏光、酵素媒介
免疫アッセイ、蛍光エネルギー移動、ハイブリダイゼーション保護(例えば、ア
クリジニウムルミネセンス)およびクローン化酵素ドナー免疫アッセイを含む。
異種系の例は、(ペルオキシダーゼアルカリ性ホスファターゼおよびベータ−ガ
ラクトシターゼのごとき)酵素標識、(酵素標識および直接的蛍光標識(例えば
、フルオレセインおよびローダミン)のごとき)蛍光標識、ケミルネセンスおよ
びバイオルミネセンスを含む。リポソームまたは他の袋様粒子を色素および他の
検出マーカーで充填することができ、そのような検出系で用いることができる。
これらの系において、検出マーカーを捕捉部位に直接的または間接的に結合させ
ることができるか、あるいは受容体に対するリガンドによって認識することがで
きる受容体の存在下で、増幅された産物を生じさせることができる。
【0174】 上昇した圧力下での鎖‐置換増幅(SDA)についてのプロトコル 増幅反応は、50μlの全容量にてほぼ100ngのゲノムDNA(第V因子
)を利用する。ゲノムDNA(ヒト胎盤DNA; Becton-Dickinson)を95℃
にて5分間変性し、続いて、遠心して濃縮物を収集する。次に、1μlのSDA
プライマーを添加し(50μMの各反応)、60℃にて5分間インキュベートす
る。SDA混合物(40mM KHPO pH7.6、1.4mMの各CT
PαS、dTTP、tATPおよびdGTP、8.3mM MgCl、40単
位/rxn BsoBI(New England Biochemicals)、15.6単位/rxn
Bstポリメラーゼ(New England Biochemicals)、および0.05μMの各
SDAバンパー・プライマーを添加し60℃にて5分間予備加温し、続いて、該
混合物をSDAプライマーおよび標的試料に添加する。シリコーン油を反応チュ
ーブの頂部に添加し、高圧チャンバー中に入れる。圧力を100および500気
圧の間まで上昇させ、60℃にて30分間インキュベートする。反応時間に続き
、圧力を気圧まで低下させ、10μlの100mM EDTAの添加によって停
止させる。SDA産物は、6%非変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動するこ
とによって可視化される。該ゲルを臭化エチジウムで染色し、UV‐蛍光下で写
真を撮る。
【0175】 別法として、ポリメラーゼおよび/または制限エンドヌクレアーゼの添加に先
立って温度/圧力を上昇させるデバイスを用いることができる。 上昇した圧力の使用は、前記した係留SDAまたはいずれかのSDA手法の実
行で用いることもできる。具体的には、係留SDAが電子的にアドレス指定可能
なマイクロチップで行われる場合、プライマー非依存性増幅を減少させることに
よって、上昇圧はスター活性を減少させ、効率を増大させるべきである。
【0176】 実施例10 もう1つの例において、SDA反応が「連結−依存性」または「連結−ベース
」である電子的にアドレス指定可能なマイクロチップと組み合わせてSDAを用
いることができる。この方法は、1対のユニバーサル増幅プライマーを用いて、
連結されたプローブをSDA増幅することを含む。増幅プライマーは、反応が多
重化されるか、または単数標的に向けられるかにかかわらず、テスト反応で全て
の連結プローブを増幅するようにそれが設計されている意味で普遍的である。連
結されたプローブは、標的配列にハイブリダイズされた1対の連結プローブを一
緒に連結することによって形成される。バンパ−プライマーは必要ではない。
【0177】 もう1つの具体例において、連結−ベースのSDAの方法が提供され、該方法
は電子マイクロチップによって援助されない。この具体例において、とりわけ、
いずれかのプライマーをつなぐ必要はなく、これは、プライマーは普遍的である
、すなわち標的配列を特異的プライマーに向ける必要性がないゆえに、多重増幅
の間にプライマー組を分離するのを助ける手法である。
【0178】 オリゴヌクレオチド試薬の以下の機能的記載は、それらの現実の物理的組成を
規定し、または限定する意図ではない。むしろ、該記載は、各試薬がある機能的
特徴を呈することを示すにすぎない。かくして、特異的核酸配列が1を超える機
能を達成することができる場合、与えられたオリゴヌクレオチド試薬の機能的領
域は重複するか、または、事実共伸長できることに注意すべきである。加えて、
いずれの与えられたオリゴマーにおける個々の塩基配列も、注目する標的核酸、
SDAでの使用のために選択された制限酵素、または増幅プライマーの一部のた
めに選択された任意の配列および連結プローブに依存し、従って、ある程度の普
遍性を増幅プロトコルに取り込むことができる。
【0179】 操作において、図23(a−c)に示すごとく、連結−ベースのSDA方法は
、標的上の隣接核酸配列にアニールする一対の連結プローブを用いる。機能的に
は、連結プローブの対は、それらが標的にアニールして連結されたプローブテン
プレートを形成しつつ、一緒に連結されうるように標的核酸配列に結合する。連
結は、連結プローブ対の双方の連結プローブの標的配列へのハイブリダイゼーシ
ョンに続いてのみ起こる。
【0180】 第1の連結プローブは3つの機能的領域:標的核酸にハイブリダイズできる5
’領域;中央領域;および第1の増幅プライマーにハイブリダイズできる核酸配
列を含む3’領域に分けることができる。また、第2の連結プローブは、3つの
機能的領域:第2の増幅プライマーに見出される核酸配列と同一の核酸配列を有
しかつ、制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有する5’領域;中央領域;および
標的核酸にハイブリダイズすることができる3’領域に分けることができる。 増幅プライマーに関しては、第1の増幅プライマーは2つの機能的領域:制限
エンドヌクレアーゼ認識部位を含有する5’領域および第1の連結プローブにハ
イブリダイズすることができる3’領域に分けることができる。また、第2の増
幅プライマーは、2つの機能的領域:DNA制限エンドヌクレアーゼに対する認
識部位を含有する5’領域および第2の連結プローブの5’領域と同一の配列を
有する核酸配列を含む3’領域に分けることができる。
【0181】 連結‐ベースのSDA反応は、多数の構成要素である工程を含む。工程1にお
いて、連結プローブの該対は、第2の連結プローブが、第1の連結プローブのハ
イブリダイゼーション位置に対して3’側にある標的上の位置にて標的鎖にハイ
ブリダイズするように一本鎖標的核酸の隣接配列にアニールする。工程2におい
て、DNAリガーゼは2つの連結プローブの連結を触媒して、連結されたプロー
ブテンプレートを形成する。好ましい具体例において、連結されたプローブテン
プレートの3’末端を修飾して、その末端からのプライマー伸長を防止する(図
23(a−c))。
【0182】 工程3において、第1の増幅プライマーは、該増幅プライマーがテンプレート
の末端を超えて伸び、5’突出を形成するように、連結されたプローブテンプレ
ートの3’末端に結合する。好ましい具体例において、DNAポリメラーゼは、
第1の増幅プライマーの3’末端からの新しいDNA合成を触媒し、連結された
プローブが標的核酸から置き換えられるようにする。この結果、一本鎖標的核酸
が放出され、5’突出を有する二本鎖DNAオリゴヌクレオチドが作り出される
(標識された産物I、図23)。一本鎖標的核酸の放出および二本鎖オリゴヌク
レオチドの創生はバンパー・プライマーの助けを借りることなく起こる。さらに
、標的一本鎖は、連結されていない第1および第2連結プローブのさらなる結合
で利用できるようになる。
【0183】 産物Iは、かくして、連結されたプローブテンプレートに対応する5’から3
’の配列を有する第1の鎖、および第1の増幅プライマーの5’末端に対応する
その5’末端にさらなる核酸配列を持つ連結されたプローブテンプレート鎖に相
補的な第2の鎖を含む。この2本鎖DNA分子は、ユニバーサル増幅プライマー
によって結合でき、増幅できる一本鎖DNA分子を生ずる一連のSDA反応を受
けることができる。また、これらの反応に由来する2本鎖DNA分子は増幅に対
して感受性でもある。制限エンドヌクレアーゼによるニッキング、続いてのプラ
イマー伸長および鎖置換は2本鎖DNA出発物質を実質的に再生する。一緒に考
え合わすと、これらの連結−依存性SDA反応は、連結されたプローブに対応す
るオリゴヌクレオチド配列を結局は増幅し、それにより、標的配列の検出を可能
とする。これらの反応は後で詳細に記載する。
【0184】 工程5において、産物Iは制限酵素によって切れ目を入れられて、産物IIを
生じる。工程6において、産物IIはプライマー伸長および当該切れ目からの鎖
置換を受け、その結果、産物IIIおよび産物IVが得られる。産物IIIは、
(産物Iの第1の鎖に対応する)産物IIIの第1の鎖が第1の増幅プライマー
の5’末端に相補的なその3’末端においてさらなる配列を含有する以外は産物
Iと実質的に同一である。産物IVは、この鎖が制限エンドヌクレアーゼによっ
て切れ目を入れた場所の3’側に位置する産物IIの第1の鎖を含む配列を持つ
1本鎖分子である。
【0185】 工程7において、産物IIIは制限エンドヌクレアーゼによって切れ目を入れ
られて産物Vを生じる。工程8において、産物Vはプライマー伸長および鎖置換
を受けて産物VIおよび産物VIIを生じる。産物VIは産物IIIと実質的に
同一である。産物VIIは、切れ目を入れた部位の3’側に位置する産物Vの切
れ目を入れた鎖を含む1本鎖DNA分子である。
【0186】 工程9において、第2の増幅プライマーは産物VIIに結合する。工程10に
おいて、産物VIIは両方向のプライマー伸長反応を受けて産物VIIIを生じ
る。産物VIIIは2本鎖核酸分子であり、第1の鎖は産物VIIに対応する配
列+第2の増幅プライマーの5’領域に相補的なさらなる3’配列を有し、第2
の鎖は第1の鎖に相補的である。工程11において、産物VIIIは制限エンド
ヌクレアーゼで切れ目を入れられて産物IXを生じる。産物IXは、産物IXの
5’末端が第2の増幅プライマーの5’領域に対応する核酸中に切れ目を含有す
る以外は産物VIIIと実質的に同一である。工程12において、産物IXはプ
ライマー伸長および鎖置換を受けて産物XおよびXIを生じる。産物Xは産物V
IIIと同一である。産物XIは、産物IXの切れ目を入れた鎖上の、当該切れ
目の3’側の配列に対応する配列を持つ1本鎖核酸分子である。工程13におい
て、産物XIには第1の増幅プライマーが結合し、工程14においては、両方向
のプライマー伸長の結果、産物XIIが得られる。産物XIIは、それが、工程
6の後であって、工程7に先立って前記した反応経路に入ることができる意味で
、産物IIIと同様な二本鎖核酸分子である。かくして、連結−依存性SDA経
路の最初の反応産物は結局は実質的に再生される。
【0187】 前記したごとく、該SDA反応は係留プローブを用いて行うことができる。連
結−ベースのSDAに関しては、係留プローブは、好ましくは、増幅プライマー
の一方または双方、あるいは連結プローブの一方または双方である。
【0188】 実施例10についての実験データ 実験1 この例では、標的核酸の好ましい連結−ベースのSDAのための一般的なプロ
トコルが提供される。反応成分の濃度および容量、ならびに時間および温度プロ
フィールは必要であれば調整することができる。容量は25μl連結反応容量お
よびSDAのための50μl最終反応溶液をとる。
【0189】 250μlマイクロ遠心管において、25μl連結反応容量中の各プローブの
最終濃度が5nMとなるように、連結プローブ水溶液の5μlアリコットを添加
する。次に、10μlの非特異的(担体)DNA(例えば、子ウシ胸腺DNA)
を20ないし100μl/mlの最終濃度まで添加する。次に、適当な濃度のテ
ンプレート核酸(例えば、細胞溶解物または精製されたゲノムDNA)を含有す
る5μlの試料を添加し、該チューブを60℃に3分間置いて温度平衡を行う。
平衡に続き、熱安定性DNAリガーゼを含有する5μlの溶液を、DNAリガー
ゼの機能を発揮させ、プローブ・ハイブリダイゼーションを可能とするのに必要
な緩衝液成分の十分な5×強度混合物と共に添加する。表IV参照。
【0190】 25μl連結反応を60℃にて15分間インキュベートし、次いで、さらなる
緩衝液成分dNTPおよび増幅プライマーを含有する20μlのSDAストック
混合物を、表Vに示した最終反応濃度(50μl中)を得るように添加する。1
つの具体例において、反応を95℃まで3分間加熱して、テンプレートからの連
結されたプローブを変性し、次いで、チューブを60℃にて3分間平衡化するさ
らなる工程を含める。この反応混合物に、SDA酵素を含有する5μlの液体を
添加して、50μlの最終反応容量中以下の最終濃度とする: BSOB1制限酵素:0.8酵素単位/μl(40U/rxn) BstDNAポリメラーゼ:0.32酵素単位/μl(16U/rxn) 反応混合物を60℃にて30分間インキュベートし、次いで、反応混合物を氷
上に置くことによって反応を停止させる。
【0191】
【表4】
【0192】
【表5】
【0193】 実験2 このさらなる例において、潜在的に試料中に存在する(その一部を図23dお
よび示された配列番号41に示す)Salmonella spaQ遺伝子を増
幅する。図23(d)に示された連結プローブLP1(配列番号37)およびL
P2(配列番号38)ならびに増幅プライマーS1(配列番号39)およびS2
(配列番号40)を用いて、実験1に記載された反応プロトコルを行う。実験2
に記載された例は一般的な適応性を有することを意図する。spaQ遺伝子に相
補的な連結プローブL1およびL2の配列を、注目するもう1の標的核酸に相補
的な配列で置き換えることによって、増幅プライマーS1およびS2に使用され
る異なる標的−特異的連結プローブを作り出すことができよう。さらに、図23
(d)に示されたもののごとき増幅プライマーS1およびS2を、1を超える標
的核酸の多重増幅で用いることができる。
【0194】 実験3 連結プローブの高濃度においては、リガーゼは標的非依存的に連結プローブの
連結を触媒することができる。得られた連結プローブはSADを支持することが
でき、かくして、偽陽性シグナルを生じうる。このさらなる例において、連結−
依存性SDAの好ましい態様が記載され、ここに、この問題は、連結プローブを
最初はリガーゼによって一緒に連結できないようにすることによって克服される
。この具体例において、1対の連結不可能プローブが連結可能とされて、標的特
異的連結−依存性SADを可能とする。
【0195】 一般に、標的非依存性であるバックグラウンド分子の増幅は、連結接合内に含
まれる連結プローブの末端を修飾することによって防止することができる。これ
はいくつかの方法で行うことができる。1つのそのような修飾は、第2の連結プ
ローブ(上流プローブ)の3’末端ヌクレオチドに存在する3’ヒドロキシル基
の(除去、ブロッキング等を含めた)修飾を含む。もう1つのそのような修飾は
、第1の連結プローブ(下流プローブ)の5’末端ヌクレオチドに存在する5’
リン酸基の(除去、ブロッキング等を含めた)修飾を含む。種々の方法はあり、
考案でき、ここにこれらの修飾の除去および/または変更は標的DNAの存在下
で優先的に起こる。
【0196】 具体的には、この例の1つの態様は、第2の連結プローブ(上流プローブ)の
3’末端ヌクレオチドに存在する3’ヒドロキシル基を修飾して、連結プローブ
間の平滑末端連結を防止する。修飾された連結不可能プローブをエンドヌクレア
ーゼ、好ましくは、エンドヌクレアーゼIVを用いて連結能力があるようにする
。この試薬はオリゴヌクレオチドから3’末端ヌクレオチドを切り出すことがで
き、かくして、これを用いて第2の連結プローブの3’末端ヌクレオチドを切り
出して、3’ヒドロキシル基を持つ新しい3’末端ヌクレオチドを得る。この反
応は、連結プローブ基質が標的DNAと会合する場合により好ましく、連結プロ
ーブ基質が他のDNA分子と会合しない場合は、より好ましくない。その結果、
一旦連結プローブが標的DNAに結合すれば、エンドヌクレアーゼ(好ましくは
エンドヌクレアーゼIV)は第2の連結プローブの3’末端ヌクレオチドを切り
出して、3’ヒドロキシル基を持つ新しい3’末端ヌクレオチドを得る。第1の
連結プローブの遊離5’リン酸基と共に第2の連結プローブの遊離3’ヒドロキ
シル基は、今や、DNAリガーゼによる連結用の基質である。
【0197】 基質オリゴヌクレオチドが2本鎖である場合はエンドヌクレアーゼはより効果
的に働く傾向があるので、それは、このプローブが標的DNAに結合した場合に
は第2の連結プローブの3’末端ヌクレオチドを優先的に切り出すであろうが、
それが溶液中に遊離している場合にはそうはできない。該エンドヌクレアーゼは
、連結−不能連結プローブを、それが標的DNAに存在する場合に、まず優先的
に連結コンピテントとするので、バックグラウンド分子の標的非依存性増幅は減
少する。
【0198】 この例のもう1つの態様は、連結プローブの間の平滑末端連結を防止するため
の第1の連結プローブ(下流プローブ)の5’末端ヌクレオチドに存在する5’
リン酸基の(除去、ブロッキング等を含めた)修飾を提供する。修飾された連結
不可能なプローブは、エキソヌクレアーゼ活性を持つDNAポリメラーゼを用い
て連結能があるようにされる。この試薬は、DNAの重合(新しいDNA合成)
が上流プローブ(第2の連結プローブ)の3’末端から下流(第1の連結)プロ
ーブの5’末端へと起こることを可能とする。ポリメラーゼが第1の連結プロー
ブの5’末端に接触すると、それは5’末端からヌクレオチドを切り出し始める
。それはヌクレオチドを第1の連結プローブから切り出すので、ヌクレオチドは
第2の連結プローブの3’末端に付加される。本質的には、これは「ギャップ」
を第1および第2の連結プローブの間に移動させ、当該接合は5’から3’へと
リガーゼによって連結される。溶液に存在する遊離ヌクレオチドの量および/ま
たはタイプを制御することによって、切り出しおよび置換の程度を制限すること
ができる。ポリメラーゼの解離に続き、該接合は遊離3’ヒドロキシル基および
遊離5’リン酸基を含有し、この双方はDNAリガーゼによる連結のための基質
である。前記で示したごとく、この反応は、連結プローブの基質が標的DNAと
会合する場合により好ましく、連結プローブ基質は他のDNA分子と会合してい
ない場合により好ましくない。再度、これは、連結プローブを連結可能とする反
応が、連結プローブがアニールされてdsDNAを形成するのを好むからである
。当業者に理解されるごとく、そのようなアニーリングは、非標的DNAにアニ
ールするよりもむしろ標的DNAに対して好ましい。かくして、バックグラウン
ド分子の非依存的増幅は減少する。
【0199】 この例のさらにもう1つの態様は、塩基誤対合を用いる連結のブロッキングを
提供する。ここに、下流(第1)プローブの5’末端に1以上の誤対合塩基を持
たせることによって、第1および第2の連結プローブの間の連結は防止される。
もしプローブが誤対合塩基を含有すると言われているならば、プローブは、標的
DNAと相補的なプローブの領域において、標的DNA配列に相補的ではないヌ
クレオチドを含有することを意味すると理解されるべきである。誤対合塩基は、
前記した例におけるごとく、誤対合塩基がDNAポリメラーゼで切り出されるま
でDNAリガーゼによる連結を妨げる。
【0200】 本発明のエキソヌクレアーゼ/リガーゼ−依存的SDA(XL−SDA)態様
を示すため、このさらなる例に記載するごとく、表VIに示された連結プローブ
の9つの組を合成した。これらのプローブは種々の示された細菌種を同定するよ
うに設計した。該プローブは特異的細菌遺伝子に相補的な領域およびSDA増幅
プライマー結合のために設計された領域を有する。
【0201】
【表6】
【0202】 反応における連結プローブの数が順番:1組(spaQ)、5組(spaQ、
stx、stx、sodB、ipaH)、6組(5+lcrVとして)、7
組(6+asdとして)、8組(7+eaeAとして)、9組(8+gndとし
て)で増加するように、かつ各プローブの最終濃度が5nMとなるように連結−
SDA反応の同一組に添加された。
【0203】 ゲノム同等体の見積もられた数が10、10、10または陰性対照とし
てのゼロとなるように、Salmonella enteritidisゲノム
DNAの全抽出物をテンプレートとして添加した。XL−SDA反応は後記する
ごとく行い、ゲル電気泳動およびミクロ電極アレイ上での電子ハイブリダイゼー
ション双方によって反応産物を分析した。
【0204】 反応成分の濃度および容量および時間/温度プロフィールは要すれば調整する
ことができるが、XL−SDA反応は以下のごとく行った。用いた容量は25μ
lの連結反応容量および50μlのSDA用の最終反応容量を採用する。 250μlのマイクロ遠心管において、以下の試薬の溶液を組み合わせて、示
された最終濃度を得た:(1)5nMの各プローブのプローブ濃度を与えるため
の2(またはそれ以上)の標的−特異的連結プローブ(例えば、注目する標的配
列の一部に実質的に相補的な5’配列およびユニバーサル増幅プライマーに相補
的な3’配列を有するプローブエキソ−LP1ならびにLP1の下流に位置した
標的配列の一部に実質的に相補的な3’末端配列および第2のユニバーサル増幅
プライマーと同一の5’末端配列を有するプローブエキソ−LP2);および、
(2)注目するテンプレートDNAを含有する溶液。
【0205】 エキソヌクレアーゼ/連結反応は以下のものを添加することによって開始させ
た:(Taq DNAリガーゼまたはPfu DNAリガーゼのごとき)熱安定
性DNAリガーゼ;(Taq DNAポリメラーゼのごとき)5’−3’エキソ
ヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼ;以下の表VIIに示さ
れた最終濃度を与える緩衝液塩;および25μl反応中2.8mMのdATP。
【0206】
【表7】
【0207】 連結/エキソヌクレアーゼ反応は60℃にて15ないし30分間インキュベー
トした。次いで、さらなる緩衝液成分、最終反応が全ての4つのdNTPを含有
するようなdNTPの混合物、および増幅プライマーを含有する20μlのSD
Aストック混合物を、図VIIIに示された最終反応濃度(50μl中)となる
ように添加する。
【0208】
【表8】
【0209】 次いで、SDA酵素を含有する5μlの溶液を以下の最終濃度となるように添
加する:0.8酵素単位/μl(40U/rxn)のBsoB1制限酵素および
0.32酵素単位/μl(16U/rxn)のBst DNAポリメラーゼ。次
いで、この反応混合物を60℃にて30分間インキュベートしてSDA反応を進
行させる。この反応はそれを氷上に置くことによって停止させ、増幅した産物を
検出する。
【0210】 生じた反応生成物を、アクリルアミドゲル電気泳動およびミクロ電極アレイ上
での電子ハイブリダイゼーション双方によって分析した。アクリルアミドゲル電
気泳動による5μlのXL−SDA反応の分析は、連結プローブの全ての組合せ
において、特異的増幅産物がテンプレート濃度依存的に作成されたことを示した
。Salmonella enteritidis spaQ遺伝子配列の特異
的増幅を示すために、連結−SDA反応産物をミクロ電極アレイ上で分析し、こ
こに、細菌遺伝子の5つについての特異的捕捉プローブは異なる位置に予め配置
される。図24は、分析した全ての試料において、spaQ配列が検出されたこ
とを示す。
【0211】 これまでのものは、本発明の具体例を説明することを意図し、断じて本発明を
限定することを意図しない。本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく、
本発明の多数の変形および修飾を行うことができる。当業者に理解されるごとく
、前記した具体例の各々は組み合わせて一緒に用いることができる。例えば、S
DAは電子的にアドレス指定可能なマイクロチップと組み合わせて行うことがで
き、ここに、(注目する連結プローブまたは他の標的核酸に対して相補的な配列
を有する分岐または非分岐プライマー対のごとき)標的核酸に特異的な増幅プラ
イマーを電子的にアドレス指定可能な捕捉パッドにつなげ、標的核酸をそのよう
な捕捉パッドに電子的にアドレス指定させ、高圧下でSDAを行う。もう1つの
例において、SDAは電子的にアドレス指定可能なマイクロチップと組み合わせ
て行うことができ、ここに、(分岐または非分岐プライマー対のごとき)対立遺
伝子−特異的増幅プローブを電子的にアドレス指定可能な捕捉パッドにつなげ、
標的核酸をそのような捕捉パッドに電子的にアドレス指定させ、高圧下で、別法
として気圧においてSDAを行う。さらにもう1つの組合せ例において、SDA
は電子的にアドレス指定可能なマイクロチップと組み合わせて行うことができ、
ここに、SDA反応は切断不能プライマーを用い、あるいは非対称増幅条件下で
行われる。加えて、他の組合せは、上昇したまたは通常の気圧下で電子的にアド
レス指定可能なマイクロチップと組み合わせた連結−ベースのSDAを含む。当
業者に理解されるごとく、多くの他の組合せが可能である。
【0212】 特定の修飾に関して本発明を記載してきたが、その詳細は限定と解釈されるべ
きではなく、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変形および修飾を施す
ことができ、そのような同等な具体例はここに含まれるべきであると理解される
【0213】 全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が引用によっ
て具体的かつ個々に一体化されると示されるごとく引用によって本明細書に一体
化される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、本発明のバイオエレクトロニック・チップの具体例の
断面図を示す。
【図1B】 図1Bは、図1Aからのバイオエレクトロニック・チップの斜視
図を示す。
【図2A】 図2Aは、双方の側部を保存領域(各細菌株で同一配列を有する
)によって挟まれた多様領域(細菌株当り異なる配列を有する)を含む細菌16
S rRNA遺伝子の概略図を示す。BBsおよびBbaは、各々、細菌のセン
スおよびアンチセンス・バンパープライマーを表す。BasおよびBaaは、各
々、細菌のセンスおよびアンチセンス増幅プライマーを表す。試験した細菌株の
同定は、配列表に記する。
【図2B】 図2Bは、各菌株からの多様領域の特異的な増幅を示す、エチジ
ウム・ブロマイドで染色した1%アガロースゲル上で分解した16S rRNA
をコードするSDA増幅産物の結果を示す。
【図2C】 図2Cは、本発明のマイクロアレイ上の核酸ハイブリダイゼーシ
ョンに用いたサンドイッチ・アッセイ形式の1の態様を示し、ここではアッセイ
形式はユニバーサル捕捉プローブおよび配列特異的レポーターを利用している。
【図2D】 図2Dは、本発明のマイクロアレイ上の核酸ハイブリダイゼーシ
ョンに用いるサンドイッチアッセイ形式を示し、ここではアッセイ形式は配列特
異的捕捉プローブおよびユニバーサル・レポーターを利用している。
【図3A】 図3Aは、マイクロアレイ上のSDAアンプリコンの能動ハイブ
リダイゼーションに用いたサルモネラ(Salmonella)−特異的BTR標識レポー
ターを示し、ここではマイクロアレイの捕捉部位は、捕捉プローブまたは浸透層
自体へのレポーター・オリゴヌクレオチドの非特異的結合の対照として、捕捉プ
ローブを含有するが標的を含有しない部位(+C/−T)および捕捉プローブま
たは標的を含有しない部位(C−/T−)を含む。
【図3B】 図3Bは、ユニバーサル捕捉プローブを用いてSDAアンプリコ
ンを生成し、マイクロアレイ上の個々の部位に電子的にアドレス指定し、(16
S rRNA遺伝子の多様領域に指定した)配列−特異的btr−標識レポータ
ー・プローブが能動的にハイブリダイズして種々の細菌株を識別した場合の、各
細菌に認められた相対蛍光の比較を示す。
【図3C】 図3Cは、配列−特異的捕捉プローブを用いてSDAアンプリコ
ンを生成し、マイクロアレイ上の個々の部位に電子的にアドレス指定し、(16
S rRNA遺伝子の保存領域に指定した)btr−標識レポーター・プローブ
が捕捉物質に能動的にハイブリダイスした場合の、各際筋に認められた相対蛍光
の比較を示す。
【図4A】 各々の第V因子 Leiden突然変異につき分析する5の患者試料か
らの対立遺伝子−特異的反応のポリアクリルアミド・ゲル分析を示し、ここでは
各ゲノミックDNA試料を、正常遺伝子型(第V因子 R506)、W、または
Leiden突然変異(第V因子 Q506)、Mのいずれかを用いて対立遺伝子−特
異的SDAで2回増幅した。
【図4B】 図4Aの5の患者の試料のうちの3からの対立遺伝子−特異的反
応物のアレイ上の各アドレス指定された部位に存在する蛍光を比較した棒グラフ
を示す。
【図5A】 図5Aは、検出目的用の増幅反応に蛍光種を取込ませる第1のス
キームの図を示す。
【図5B】 図5Bは、検出目的用の増幅反応に蛍光種を取込ませる第2のス
キームの図を示す。
【図6A】 図6Aは、マイクロチップの蛍光分析を示し、ここではSDAテ
ンプレートは対照として存在しない。
【図6B】 図6Bは、マイクロチップの蛍光分析を示し、ここでは対照とし
て反応物中にBsoBIは含まれない。
【図6C】 図6Cは、マイクロチップの蛍光分析を示し、ここではSDAテ
ンプレートを一晩能動的にハイブリダイズさせた。
【図7】 図7は、図6A−6Cの蛍光分析の平均蛍光イメージを示す。
【図8】 図8は、マイクロチップの蛍光分析を示し、ここではSDAテンプ
レートを電子的に標的化した。
【図9】 図9は、図8のSDAテンプレート中の第V因子 PCRの力価を
示す。
【図10A】 図10Aは、NASBA増幅のゲル生成物を示す。
【図10B】 図10Bは、マイクロアレイに電子的に標的化した後のNAS
BA Taxプラスミドのサンドイッチ・アッセイ結果の蛍光分析を示す。
【図11】 図11は、第V因子係留SDAにおける切断不可SDAプライマ
ーの力価のグラフを示す。
【図12】 図12は、分岐プライマー設計の態様を示す係留プライマーの概
略図である。
【図13】 分岐プライマー対部位で標的核酸配列からアンプリコンを生成す
る段階的プロセスを示す概略図である。
【図14】 シグナルを有するアンプリコンをシグナル検出用の捕捉パッドに
電子的にアドレス指定し得るように、核酸アンプリコン鎖の非対称比を生成する
ためにシグナル・プライマーを用いる性質を示す概略図である。
【図15】 図15は、係留非−分岐SDA標的プライマーを示す概略図であ
る。
【図16】 図16は、実施例7で説明するごとく、試験した種々の標的種が
アドレス指定されるパッド上の場所を有するマイクロチップ・パッドのレイアウ
トを示す図である。
【図17】 図17は、対照SDA反応の写真であり、ここでは標的核酸は存
在しない。
【図18】 図18は、4の捕捉部位のみ以前にアドレス指定された第V因子
に特異的なSDA捕捉プライマー対のみに対する複数の標的種存在下のSDA増
幅第V因子標的の特異的な局在を示す写真である。
【図19】 図19は、特異的捕捉部位に以前にアドレス指定された第V因子
およびクラミジアに特異的な複数の標的種およびSDA捕捉プライマー対の存在
下で増幅させたSDA増幅した第V因子およびクラミジア標的の特異的な局在を
示す写真である。
【図20】 図20は、特異的捕捉部位に以前にアドレス指定された第V因子
、クラミジアおよびヘモクロマトーシスに特異的な複数の標的種およびSDA捕
捉プライマー対の存在下で増幅させたSDA増幅した第V因子、クラミジア、お
よびヘモクロマトーシスの特異的局在を示す写真である。
【図21】 図21は、第V因子、クラミジアおよびヘモクロマトーシス遺伝
子標的についての多重溶液ベースのSDA反応の結果を示すPAGEゲルである
。マイナス・レーンはテンプレートDNAが存在しない場合を示し、一方プラス
・レーンはテンプレートDNAを添加した場合を示す。
【図22】 図22は、分岐SDAプライマー対を合成するための提案反応配
列を示す図である。
【図23A】 図23Aは、標的核酸配列の連結−依存性増幅用の反応経路を
図示する。
【図23B】 図23Bは、標的核酸配列の連結−依存性増幅用の反応経路を
図示する。
【図23C】 図23Cは、標的核酸配列の連結−依存性増幅用の反応経路を
図示する。
【図23D】 図23Dは、図23A−Cで説明した方法を用いて試料中に存
在するサルモネラspaQ遺伝子を検出するために用いる連結プローブおよび増
幅プライマーを示す。
【図24】 図24は、分離した場所に予め配した5の細菌遺伝子用の捕捉プ
ローブを有する微小電極アレイと結合した、実施例10で説明するごとく、本発
明のエキソヌクレアーゼ連結依存性SDA態様を用いる特異的増幅を示すグラフ
である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月17日(2001.12.17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カール・エフ・エドマン アメリカ合衆国92130カリフォルニア州サ ンディエゴ、エル・カミノ・レアル12545 番 (72)発明者 ジョン・ジェイ・カリノ アメリカ合衆国92130カリフォルニア州サ ンディエゴ、シー・ノール・コート13129 番 (72)発明者 ルイス・オー・ジェルー アメリカ合衆国92130カリフォルニア州サ ンディエゴ、ジョージア・ストリート3907 番 (72)発明者 ジョナサン・エム・ダイバー アメリカ合衆国92131カリフォルニア州サ ンディエゴ、サンシャイン・パーク・コー ト11909番 Fターム(参考) 2G052 AA28 AA35 AA36 AA37 AB20 AD26 AD46 FD20 GA11 GA30 JA04 JA09 JA11 2G054 AA06 AB04 BA04 BB20 CA22 CD01 CE02 EA01 EA03 JA04 JA07

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.関心のある標的核酸の少なくとも1を複数の電子的にア
    ドレス指定可能な捕捉部位を有するバイオエレクトロニック・マイクロチップに
    導入し; b.該標的核酸を増幅させて該標的核酸のアンプリコンを形成させ; c.該アンプリコンを該マイクロチップの該複数の電子的にアドレス指定可能
    な捕捉部位のうちのいずれかにアドレス指定し; d.該アンプリコンに対して特異性を有する捕捉プローブによって、(c)の
    特定した電子的にアドレス指定可能な捕捉部位に該アンプリコンを捕捉させ;つ
    いで e.該捕捉されたアンプリコンの存在を検出する 工程を含むバイオエレクトロニック・マイクロチップを用いて関心のある標的核
    酸を増幅、多重アッセイ、および検出する方法。
  2. 【請求項2】 標的核酸の増幅を鎖置換増幅によって行う請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 (c)におけるアンプリコンのアドレス指定を、受動的ハイ
    ブリダイゼーションによって行う請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 (c)におけるアンプリコンのアドレス指定を、該捕捉部位
    の電子的バイアスによって行う請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 標的核酸の増幅を、鎖置換増幅、対立遺伝子−特異的鎖置換
    増幅、核酸配列ベース増幅、および連結ベース鎖置換増幅よりなる群から選択さ
    れる方法のうちの少なくとも1によって行う請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 標的核酸の増幅をPCRによって行う請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該増幅を切断不可能プライマーを用いて一部分行う請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 該増幅、多重アッセイおよび検出を、互いに連続的または同
    時のいずれかで行う請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 アンプリコンの検出を、蛍光、化学ルミネセンス、エレクト
    ロ化学ルミネセンスのうちの少なくとも1によって行う請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 関心のある標的核酸が、血液、唾液、大便、組織、培地、
    精液、毛髪、尿、食物、水、ならびに血液、唾液、大便、組織、培地、精液、毛
    髪、尿、食物および水のうちの少なくとも1を接種した培養液よりなる群から選
    択される起源由来である請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 関心のある核酸が、細菌、ウイルス、ヒト、動物、または
    植物よりなる群から選択される起源由来である請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 a.関心のある標的核酸のうちの少なくとも1を、複数の
    電子的にアドレス指定可能な捕捉部位を有するバイオエレクトロニック・マイク
    ロチップに導入し; b.該関心のある標的核酸を該捕捉部位のうちの少なくとも1に電子的にアド
    レス指定し; c.該標的核酸を増幅させて、該標的核酸のアンプリコンを形成させ; d.該標的核酸の該アンプリコンを、該アンプリコンに特異性を有する捕捉プ
    ローブによって該マイクロチップの特定の捕捉部位に捕捉させ;ついで e.該捕捉されたアンプリコンの存在を検出する 工程を含むバイオエレクトロニック・マイクロチップを用いて関心のある標的核
    酸を増幅、多重アッセイ、および検出する方法。
  13. 【請求項13】 標的核酸の増幅を鎖置換増幅によって行う請求項12記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 標的核酸の増幅を、鎖置換増幅、対立遺伝子−特異的鎖置
    換増幅、核酸配列ベース増幅、および連結ベース鎖置換増幅よりなる群から選択
    される少なくとも1の方法によって行う請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 標的核酸の増幅をPCRによって行う請求項12記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 該増幅を切断不可能プライマーを用いて一部分行う請求項
    12記載の方法。
  17. 【請求項17】 該増幅、多重アッセイおよび検出を、互いに連続的または
    同時のいずれかで行う請求項12記載の方法。
  18. 【請求項18】 アンプリコンの検出を、蛍光、化学ルミネセンス、および
    エレクトロ化学ルミネセンスのうちの少なくとも1によって行う請求項12記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 関心のある標的核酸が、血液、唾液、大便、組織、培地、
    精液、毛髪、尿、食物、水、ならびに血液、唾液、大便、組織、培地、精液、毛
    髪、尿、食物および水のうちの少なくとも1を接種した培養液よりなる群から選
    択される起源由来である請求項12記載の方法。
  20. 【請求項20】 関心のある核酸が、細菌、ウイルス、ヒト、動物、または
    植物よりなる群から選択される起源由来である請求項12記載の方法。
  21. 【請求項21】 a.試料をマイクロチップに導入し; b.つづく試料を導入する前に、該順次導入した試料の各々を核酸増幅反応に
    付して、該試料に含まれる特定の核酸のアンプリコンを形成させ; c.(b)における各導入した試料から形成された該アンプリコンを、各次の
    試料を導入する前に、その個々の固定化用の特定の該捕捉部位によって捕捉させ
    ; d.工程(a)、(b)および(c)の該試料の添加、増幅、および捕捉の後
    に、該試料のいずれかに由来する固定化アンプリコンに特異性を有する標識を該
    マイクロチップに導入し;ついで e.標識アンプリコンの存在を検出する 工程を含む複数の電子的にアドレス指定可能な捕捉部位を有する単一オープンア
    レイの電子的にアドレス指定可能なマイクロチップで複数試料中の特異的核酸配
    列を検出する方法。
  22. 【請求項22】 該(b)の増幅反応が、PCR増幅、鎖置換増幅、対立遺
    伝子−特異的鎖置換増幅、核酸配列ベース増幅、および連結ベース鎖置換増幅よ
    りなる群から選択される請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 該試料を順次に導入および増幅させる請求項22記載の方
    法。
  24. 【請求項24】 該(c)におけるアンプリコンの捕捉を、受動的ハイブリ
    ダイゼーションによって行う請求項21記載の方法。
  25. 【請求項25】 該(c)におけるアンプリコンの捕捉を、該捕捉部位の電
    子的バイアスによって行う請求項21記載の方法。
  26. 【請求項26】 該標識が複数の標識オリゴヌクレオチドを含み、ここに該
    オリゴヌクレオチドの各々が該固定化アンプリコンのうちのいずれか1に相補的
    なヌクレオチド配列を有する請求項21記載の方法。
  27. 【請求項27】 該標識が標識オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここに
    各セットが特異的試料に相補的なヌクレオチド配列を有し、さらに、該セットを
    順次該マイクロチップに導入し、その個々の固定化アンプリコンを含む捕捉部位
    に連続的かつ電子的にアドレス指定する請求項21記載の方法。
  28. 【請求項28】 該標識が標識オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここに
    各セットが特異的試料に相補的なヌクレオチド配列を有し、さらに該セットを該
    マイクロチップに順次に導入してその個々の固定化アンプリコンを含む捕捉部位
    に受動的に捕捉させる請求項21記載の方法。
  29. 【請求項29】 該増幅、捕捉および検出を、互いに連続的または同時のい
    ずれかで行う請求項21記載の方法。
  30. 【請求項30】 標識アンプリコンの存在を蛍光、化学ルミネセンス、およ
    びエレクトロ化学ルミネセンスのうちの少なくとも1によって検出する請求項2
    1記載の方法。
  31. 【請求項31】 該試料が、血液、唾液、大便、組織、培地、精液、毛髪、
    尿、食物、水、ならびに血液、唾液、大便、組織、培地、精液、毛髪、尿、食物
    および水のうちの少なくとも1を接種した培養液よりなる群から選択される起源
    由来である請求項21記載の方法。
  32. 【請求項32】 関心のある核酸が、細菌、ウイルス、ヒト、動物、または
    植物よりなる群から選択される起源由来である請求項21記載の方法。
  33. 【請求項33】 a.各試料を核酸増幅反応に付して、該試料の各々に含ま
    れる特定の核酸のアンプリコンを形成させ; b.該反応の後に、該試料の各々を該マイクロチップに導入し; c.つづく導入試料の導入の前に、(b)の導入した試料の各々を、特定の電
    子的にアドレス指定可能な捕捉部位への該試料の電子的指向化アドレス指定に付
    し; d.(c)の電子的指向化試料を捕捉部位に固定化し; e.(d)における該試料の固定化後に、該試料のうちのいずれかに由来する
    固定化アンプリコンに特異性を有する標識を該マイクロチップに導入し;ついで f.標識したアンプリコンの存在を検出する 工程を含む複数の電子的にアドレス指定可能な捕捉部位を有する単一オープン・
    アレイの電子的にアドレス指定可能なマイクロチップで複数の試料中の特異的核
    酸配列を検出する方法。
  34. 【請求項34】 該(a)の増幅反応が、PCR増幅、鎖置換増幅、対立遺
    伝子−特異的鎖置換増幅、核酸配列ベース増幅、および連結ベース鎖置換増幅よ
    りなる群から選択される請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 該試料を順次に導入し、増幅させる請求項33記載の方法
  36. 【請求項36】 該標識が複数の標識オリゴヌクレオチドを含み、ここに各
    オリゴヌクレオチドが該固定化アンプリコンのうちのいずれか1に相補的なヌク
    レオチド配列を有する請求項33記載の方法。
  37. 【請求項37】 該標識が標識オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここに
    各セットが特異的な試料に相補的なヌクレオチド配列を有し、さらに該セットを
    該マイクロチップに順次に導入し、その個々の固定化アンプリコンを含有する捕
    捉部位に電子的にアドレス指定する請求項33記載の方法。
  38. 【請求項38】 該標識が標識オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここに
    各セットが特異的な試料に相補的なヌクレオチド配列を有し、さらに該セットを
    該マイクロチップに順次に導入し、その個々の固定化アンプリコンを含有する捕
    捉部位に受動的に捕捉させる請求項33記載の方法。
  39. 【請求項39】 該増幅、捕捉および検出を、互いに連続的または同時のい
    ずれかで行う請求項33記載の方法。
  40. 【請求項40】 標識アンプリコンの存在を、蛍光、化学ルミネセンス、お
    よびエレクトロ化学ルミネセンスのうちの少なくとも1によって検出する請求項
    33記載の方法。
  41. 【請求項41】 該試料が、血液、唾液、大便、組織、培地、精液、毛髪、
    尿、食物、水、ならびに血液、唾液、大便、組織、培地、精液、毛髪、尿、食物
    および水のうちの少なくとも1を接種した培養液よりなる群から選択される起源
    由来である請求項33記載の方法。
  42. 【請求項42】 関心のある核酸が、細菌、ウイルス、ヒト、動物、または
    植物よりなる群から選択される起源由来である請求項33記載の方法。
  43. 【請求項43】 a.関心のある標的核酸を電子的にアドレス指定可能なマ
    イクロチップと接触させ、ここに該マイクロチップは電子的バイアスに感受性で
    ある複数の捕捉部位を有し; b.該電子的バイアスを用いて、該標的核酸が該標的核酸の塩基配列の相補的
    塩基配列を有する核酸プローブと接触およびハイブリダイズするように該捕捉部
    位にすぐ近くに該標的核酸を輸送および濃縮し、ここに該プローブはさらに該部
    位に共有結合または非共有結合のいずれかで結合し; c.鎖置換増幅プライマーのセットを用いて鎖置換増幅反応を行って、該標的
    核酸の増幅産物を形成させ、ここに該プライマーのセットはプライマーの対を含
    み、その該対の各々は該標的の核酸配列の反対の鎖に相補的な配列を有し、さら
    に該プライマーは(1)該部位に位置する該核酸プローブ、(2)係留鎖置換増
    幅プライマー、(3)分岐鎖置換増幅プライマー、(4)非分岐鎖置換増幅プラ
    イマー、(5)連結ベース鎖置換増幅プライマー、(6)切断不可鎖置換増幅プ
    ライマー、(7)係留分岐鎖置換増幅プライマー、(8)係留非分岐鎖置換増幅
    プライマー、(9)係留連結ベース鎖置換増幅プライマー、および(10)係留
    切断不可鎖置換増幅プライマーよりなる群から選択され;ついで d.該増幅産物を検出し、ここに該産物の検出を(1)該産物に結合するであ
    ろう標識レポーター分子を準備し、(2)該産物に結合するであろう蛍光色素で
    標識した分子を準備し、(3)該産物に結合するであろう化学ルミネセンス・レ
    ポーターで標識した分子を準備し、および(4)該産物に結合するであろうエレ
    クトロ化学ルミネセンス・レポーターで標識した分子を準備するよりなる群から
    選択される方法によって行い、さらに該方法が1、2、または4のいずれかの該
    標識またはレポーターの存在の観察を含む ことよるなる関心のある複数の標的核酸の多重増幅および検出の方法。
  44. 【請求項44】 該増幅および検出を互いに連続的または同時のいずれかで
    行う請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 該増幅を切断不可プライマーを用いて一部分行う請求項4
    3記載の方法。
  46. 【請求項46】 a.第V因子、ヘモクロマトーシスまたは細菌に特異的な
    1またはそれを超えるオリゴヌクレオチド、ここに該オリゴヌクレオチドは配列
    番号:1−62よりなる群から選択される増幅プライマー、バンパー・プライマ
    ー、捕捉プローブ、および/またはシグナル・プローブを含む を含むバイオエレクトロニック・マイクロチップと組合せてSDA反応を行うた
    めのキット。
  47. 【請求項47】 該シグナル・プローブが検出可能な標識で標識されている
    請求項46記載のキット。
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