JP2002541425A - カートリッジ式の花火技術的なおとり閃光弾のための電気機械式の点火遅れ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、カートリッジ式の花火技術的なおとり閃光弾のための電気機械式の点火遅れ装置であって、底部に設けられた点火装置と、引火性の活物質（８）を発射するための発射薬（２）とを備えた円筒形のスリーブ（１０）と、活物質（８）を遅れて点火させるための装置とを有する形式のものに関する。この場合、発射薬（２）の電気的な点火ユニット（１）が、薬莢ベース（４）内に固定されたコンデンサエレメント（３）と電気的に接続されており、該コンデンサエレメント（３）が、活物質（８）内の機械的なスイッチオン部材（７）と電気的に接続されており、この場合に、スイッチオン過程が、スリーブ軸線に沿って薬莢ベース（４）から離れる方向で活物質（８）が相対運動することによってトリガーされるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、電気的に操作される弾薬のための、特に花火技術的、自然性又は 自然発火性の活物質を有するおとり閃光弾（デコイフレア・アミュニシュン；ｄ
ｅｃｏｙ ｆｌａｒｅ ａｍｍｕｎｉｔｉｏｎ）のための点火遅れ装置に関する
。

【０００２】 赤外線探査ヘッドで誘導飛行体を防衛するために、飛行機は特に花火技術的な
赤外線放射機、いわゆるフレア（Ｆｌａｒｅ）を使用する。このようなフレア閃
光弾は、一般的に、電気的な点火装置を備えたカートリッジスリーブと花火技術
的な活物質とから成っている。おとり閃光弾のためのカートリッジは、多くのサ
イズつまり寸法のものが提供可能である。従って、寸法が２６．５、３６，３８
．４０及び５５ｍｍの円筒形の弾薬が提供される。さらにまた、２５×２５、２
５×５２及び５２×６５のサイズで方形横断面を有する弾薬が提供される。活物
質としては、しばしば、マグネシウム／テフロン（登録商標）／ビトンを基とし た又は赤い蛍光体を基とした組み合わせが使用される。さらにまた自然性の又は 自然発火性の活物質が公知である。すべてのフレア活物質のための特性は、燃焼 の際に生じる強い熱発生及び火炎形成である。

【０００３】 投入戦略的な理由により、発射後にフレアを使用する際の最大の熱発生は、飛
行機のできるだけ近くで達成されなければならない。このことはつまり、最適な
保護効果を保証するために、活物質が、カートリッジスリーブから発射後の数デ
シメートルで既にその最大の変換速度が得られるようになっていなければならな
いということである。

【０００４】 これを得るために、花火技術的な照明弾と同様に、カートリッジスリーブ内で
発射火薬装入と同時に点火することが論理的である。しかしながらこの方法では
、大抵の場合、既に発射装置内で活物質がしばしば非常に激しく燃焼することに
よって、発射装置が又は飛行機自体が損傷及び破壊する危険性がある。

【０００５】 発射装置内で活物質がこのように早期に燃焼するのを避けるために、いわゆる
管形ヒューズ（Ｒｏｈｒｓｉｃｈｅｒｕｎｇ）が使用されている。この装置は、
活物質が確実に発射装置の外側でまず点火されることを保証する。

【０００６】 このような管形ヒューズは例えば、ＵＳ５５６１２５９号明細書に記載されて
いるようなスライド式ヒューズである。このヒューズつまり安全装置の原理は、
発射火薬の燃焼によって花火技術的な遅延装置（ＶＺ素子）が薬莢ベース内で作
動せしめられることに基づいている。薬莢ベースがスリーブの外に達すると、ば
ね力によってＶＺ素子と活物質側の燃焼開始との間の点火通路が開放され、活物
質の点火が行われる。例えば発射火薬が弱すぎて、また活物質及び特に薬莢ベー
スがまだスリーブ内に残っている場合、点火しようとするＶＺ素子間の点火通路
はさらに閉鎖され、活物質のトリガーが開始される。

【０００７】 別の形状の管形ヒューズは、終了促進によって薬莢ベース部材内の機械的な安
全装置いわゆるｇ−安全装置が無効にされるようになっている。この薬莢ベース
がカートリッジスリーブの外に達すると、前述のように、ばね力によってロック
が解除されて、雷管を介して活物質を作動させる撃針がトリガーされる。

【０００８】 このような形式の安全装置の欠点は、一方では大量の不活性部分が地上に落下
するので、人が住んでいる地域での演習はできないという点にある。また他方で
は、編隊飛行において、不活性部分が別の機械の駆動装置に侵入し、最悪の場合
にこの不活性部分が侵入した駆動装置が故障する危険性がある。

【０００９】 前記管形ヒューズにおいては、このような弾薬が実験時に不意にトリガーされ
る危険性があるという特別な欠点がある。従って、ｇ−安全装置を無効にして、
雷管をトリガーする撃針の安全装置を外し、それによって活物質体をカートリッ
ジスリーブから取り出した後で活物質をトリガーさせるためには、わずかな加速
負荷だけで十分である。

【００１０】 その他の現在使用されている従来公知の管形ヒューズは、電酸塩素子（Ｒｅｉ
ｂｓａｔｚｅｌｅｍｅｎｔ）を介して作動する。この場合、発射火薬によって活
物質体が薬莢ベースを越えてスリーブから突き出される。スリーブ開口における
アンダーサイジングされた狭窄部は、薬莢ベースを固定するために設けられてい
る。これに対して活物質は、加速に基づいてさらに移動し、薬莢ベースから分離
される。従って薬莢ベースに固定された摩擦ワイヤが、活物質内に組み込まれた
摩擦式雷管によって引っ張られ、活物質（Ｄｅｃｏｙ Ｆｌａｒｅ［デコイフレ
ア］ ＭＪＵ−８Ａ／Ｂ）をトリガーする。

【００１１】 このような技術的な解決策においては、不活性部分は発射されない。何故なら
ば、薬莢ベースはスリーブ内に止まって、雷管は活物質から分離されているから
である。しかしながら、電酸塩（Ｒｅｉｂｓａｔｚ）の機械的な高い感応性が欠
点である。従って過去において、このような弾薬の搬送、装填及び装填解除の際
に多くの事故が発生していた。

【００１２】 以上のような管形安全装置の問題点は、 発射された大量の不活性部分が、地面に落下し、場合によっては別の機械の駆動
装置内に侵入する。

【００１３】 加速式安全装置を備えた弾薬の実験時に意図せずにトリガーされる危険性がある
。

【００１４】 摩擦ワイヤ式安全装置を備えた弾薬において高い事故の危険性がある。

【００１５】 そこで本発明の課題は、このような欠点を取り除くことである。

【００１６】 この課題は本発明によれば、請求項１及び従属請求項に記載した特徴によって
解決された。

【００１７】 本発明によれば、電酸塩に関係した問題点は避けられ、活物質の発射後に不活
性部分が発射されることはない。

【００１８】 本発明による弾薬は、図１に示されているように、挿入された電気的な点火装
置１を備えたカートリッジスリーブ１０と薬莢ベース４と活物質８とから成って
いる。

【００１９】 接触ピン１ａ，１ｂとブリッジワイヤ１ｃとを備えた電気式の点火装置（起爆
管；Ｓｑｕｉｂ）１は、適当な電子回路１ｄを介してコンデンサエレメント３に
電気的に接続されており、このコンデンサエレメント３は薬莢ベース４内に配置
されている。

【００２０】 薬莢ベース４内のコンデンサエレメント３は同様に、活物質８内の機械的なス
イッチオン部材７に、符号７ａで示したように電気的に接続されている。

【００２１】 発射時に、電気的な点火パルスは、発射薬２を起爆管内のブリッジワイヤ１ｃ
を介して点火し、薬莢ベース４内のコンデンサエレメント３を荷電する。発射薬
２をガス圧縮することによって、薬莢ベース４は、荷電されたコンデンサエレメ
ント３及びこのコンデンサエレメント３上に位置する活物質８と共にスリーブ１
０によって移動せしめられる。この際に、薬莢ベース４と点火装置（起爆管）１
との間の電気的な接続が選択的に中断されるか維持される。スリーブ開口１１ａ
にはアンダーサイジングされたリング１１ｂは、薬莢ベース４が固定されるよう
に作用する。しかしながら活物質８は加速に基づいてさらに移動し、薬莢ベース
４から分離される。活物質８内で薬莢ベース４に接続されたスイッチオン部材７
は、活物質８の移動に進リよってフレクタ４に対して相対的に操作され、コンデ
ンサエレメント３と活物質８の点火薬９（点火装置）との間で電気的な接続が形
成され、それによって活物質８がトリガーされる。

【００２２】 本発明による構成の利点は特に、 不活性部分の発射が行われない。

【００２３】 スリーブ内での点火は不可能である。

【００２４】 衝撃又は摩擦によって意図しないトリガーの危険性はない。

【００２５】 弾薬の実験時に意図しないトリガーの危険性はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による弾薬の概略図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートリッジ式の花火技術的なおとり閃光弾のための電気機
   械式の点火遅れ装置であって、底部に設けられた点火装置と、引火性の活物質（
   ８）を発射するための発射薬（２）とを備えた円筒形のスリーブ（１０）と、活
   物質（８）を遅れて点火させるための装置とを有する形式のものにおいて、 発射薬（２）の電気的な点火ユニット（１）が、薬莢ベース（４）内に固定さ
   れたコンデンサエレメント（３）と電気的に接続されており、該コンデンサエレ
   メント（３）が、活物質（８）内の機械的なスイッチオン部材（７）と電気的に
   接続されており、この場合に、スイッチオン過程が、スリーブ軸線に沿って薬莢
   ベース（４）から離れる方向で活物質（８）が相対運動することによってトリガ
   ーされるようになっていることを特徴とする、カートリッジ式の花火技術的なデ
   コイフレア弾薬のための電気機械式の点火遅れ装置。
2. 【請求項２】 薬莢ベース（４）が、スリーブ（１０）の開口（１１ａ）内
   におけるアンダーサイジングされたリング（１１ｂ）によって保持され、これに
   対して、アンダーサイジングされた活物質が押しつぶされるようになっており、
   機械的なスイッチオン部材（７）が薬莢ベース（４）と堅固に結合されていて、
   それによって活物質（８）の点火後にスイッチオン部材（７）が薬莢ベース（４
   ）から引き出されるようになっている、請求項１記載の点火遅れ装置。