JP2002540517A5 - - Google Patents
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Description
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホストシステムを情報転送システムに接続するために、ホストシステムにあるスロットに受承させる装置であって、
第1筐体および第2筐体とからなるハウジングであって、前記第1筐体は、長手方向の中心線と、長手方向に平行に延在する複数の側部と、長手方向に直交する前端と、後端とを有していると共に、PCMCIAカードの幅規格にほぼ合致する幅と、PCMCIAタイプIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さとを有しており、前記第2筐体は、前記第1筐体の後端から後方に張り出して、前記第1筐体の高さよりも大きい高さを有し、また、前記基板上の回路構成部品と接続したソケット接点のあるソケットが少なくとも一つ形成されていて、このソケットには前記ソケット接点と係合するプラグ接点を備えた標準的な通信プラグが受承されて装置を前記情報転送システムに直接に接続できるようになっており、更に、前記第2筐体は前記中心線の片側に位置され、かつ、前記第2筐体の幅は前記第1筐体の幅の半分以下であり、前記基板の上に回路構成部品が設けられ、前記プラグ接点は前記回路構成部品と結合されている、ハウジングと、
前記ソケット接点が接続された回路構成部品が設けられて前記ハウジング内に収納された基板と、
前記基板に設けた回路構成部品と電気的に接続されていると共に、ハウジングの前記第1筐体の前記前端に装着されていて、ホストシステムにある前記スロット内の一対のホストコネクタの何れかに接続される装置コネクタと
からなる装置。
【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、
ハウジングの前記第1筐体の、前記前端からその後端までの全長が、PCMCIAカードの長さ規格に収まっている、装置。
【請求項3】 請求項1に記載の装置であって、ハウジングの前記第2筐体は後端を有し、PCMCIAタイプIIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さを有しており、また、第1筐体の前記前端から第2筐体の前記後端までの前記ハウジングの全長がPCMCIAカードの長さ規格にほぼ合致している、装置。
【請求項4】 請求項3に記載の装置であって、
前記少なくとも一つのソケットは、ハウジングの第2筐体の前記後端から前方へと延在しており、その大きさが標準的なRJ型モジューラプラグを受承する大きさとなっている、装置。
【請求項5】 請求項3に記載の装置であって、
該装置は、この装置とほぼ同一形状の別の装置と積み重ね可能になっており、その際、一方の装置のハウジングの第1筐体は他方の装置のハウジングの第1筐体に載置され、一方の装置のハウジングの第2筐体は他方の装置のハウジングの第2筐体に隣接するスペースに臨み、而して、積み重ねられた装置は、その全高がPCMCIAタイプIIIカードの厚み規格に合致して、何れかの装置を上側にしてホストシステムにある前記スロットに受承できるように電気的かつ機械的に構成されてなる装置。
【請求項6】 請求項1に記載の装置であって、
該装置は、表面上向きの状態と表面下向きの状態のいずれでもホストシステムにある前記スロットに受承できるように構成されてなる装置。
【請求項7】 請求項6に記載の装置であって、
前記装置コネクタは、装置をスロットに挿入するとき前記ホストコネクタにおける複数の接点位置とそれぞれ係合する接点位置を備えており、前記装置コネクタと前記ホストコネクタとの間でバスインターフェース信号の送受ができ、また、装置をホストシステムにあるスロットへ挿入するに当たっては、装置コネクタの前記接点位置がホストコネクタの対応する前記接点位置と合致する第1向きと、装置の前記接点位置が、該装置の接点位置に対して相補関係にあるホストコネクタの接点位置と合致する第2向きの何れかで挿入でき、
装置の機能を制御する第1回路であって、ホストコネクタの前記接点位置に対応する端子を備え、情報転送システムと接続可能な第1回路と、
選ばれたバスインターフェース信号に応答してホストシステムにあるスロット内での装置の向きを表す向き信号を発生する第2回路と、
前記装置コネクタと前記第1回路との間に介在している第3回路であって、装置が前記第1向きでホストにあるスロットに挿入されると、バスインターフェース信号を装置コネクタの接点位置と第1回路の対応する端子との間で送受する第1信号路、および、装置コネクタの接点位置と、対応する端子とは相補関係にある第1回路の端子との間で信号を送受する第2信号路とからなり、前記向き信号に応答して第1信号路と第2信号路の何れかを選択する第3回路と
を備える装置。
【請求項8】 一対のホストコネクタが上下段に設けられている、ホストシステムにあるPCMCIAカードスロットに受承されてホストシステムを情報転送システムに接続するための装置であって、
第1筐体および第2筐体とからなるハウジングであって、前記第1筐体は長手方向の中心線と、長手方向に平行に延在する側部と、長手方向に直交する前端と、後端とを有していると共に、PCMCIAカードの幅規格にほぼ合致する幅と、PCMCIAタイプIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さとを有しており、他方、前記第2筐体は、ハウジングの前記第1筐体の後端から後方に張り出して、前記第1筐体の高さよりも大きい高さを有し、また、前記基板上の回路構成部品と接続したソケット接点のあるソケットが少なくとも一つ形成されていて、このソケットには前記ソケット接点と係合するプラグ接点を備えた標準的な通信プラグを受承するようになって装置を前記情報転送システムに直接接続できるようになっており、更に、前記第2筐体は前記中心線の片側に位置され、かつ、前記第2筐体の幅は前記第1筐体の幅の約半分以下である、ハウジングと、
前記ソケット接点が接続された回路構成部品が設けられて前記ハウジング内に収納された基板と、
前記基板に設けた回路構成部品と電気接続されていると共に、ハウジングの前記第1筐体の前記前端に装着されていて、ホストシステムにある前記スロット内の一対のホストコネクタの何れかに接続される装置コネクタと
からなる装置。
【請求項9】 請求項8に記載の装置であって、
該装置は、表面上向きの状態と表面下向きの状態の何れでも、ホストシステムにある前記スロットに受承できるように電気的かつ機械的に構成され、装置が表面上向き状態で接続されると前記装置コネクタは上下段の内の一方のホストコネクタと係合するが、表面下向き状態で受承されると他方のホストコネクタと係合される、装置。
【請求項10】 請求項8に記載の装置であって、
ハウジングの前記第1筐体の、前記前端からその後端までの全長が、PCMCIAカードの長さ規格に収まっている、装置。
【請求項11】 請求項8に記載の装置であって、ハウジングの前記第2筐体は後端を有し、PCMCIAタイプIIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さを有しており、また、第1筐体の前記前端から第2筐体の前記後端までの前記ハウジングの全長がPCMCIAカードの長さ規格にほぼ合致している、装置。
【請求項12】 請求項11に記載の装置であって、
前記少なくとも一つのソケットは、ハウジングの第2筐体の前記後端から前方へと延在しており、その大きさが標準的なRJ型モジューラプラグを受承する大きさである、装置。
【請求項13】 請求項11に記載の装置であって、
該装置は、この装置とほぼ同一形状の別の装置と積み重ね可能であり、積み重ねの際、一方の装置のハウジングの第1筐体は他方の装置のハウジングの第1筐体に載置され、一方の装置のハウジングの第2筐体は他方の装置のハウジングの第2筐体に隣接するスペースに位置され、而して、積み重ねられた装置は、その全高がPCMCIAタイプIIIカードの厚み規格に合致して、何れかの装置を上側にしてホストシステムにある前記スロットに受承させると上下段のホストコネクタにそれぞれ接続できるように電気的かつ機械的に構成される、装置。
【請求項14】 複数の接点位置を有するホストコネクタが設けられている、ホストシステムにあるPCMCIAカードスロットに受承されてホストシステムを情報転送システムに相互接続するための装置であって、
端部を有するハウジングであって、該端部は、装置がホストシステムのスロットに挿入されるとき前記ホストコネクタと係合でき、装置コネクタとホストコネクタとの間でバスインターフェース信号の送受ができ、また、装置をホストシステムにあるスロットへ挿入するに当たっては、装置コネクタの前記接点位置がホストコネクタの対応する接点位置と合致する第1向きと、装置の前記接点位置が、該装置の接点位置に対して相補関係にあるホストコネクタの接点位置と合致する第2向きの何れかで挿入できるように構成したハウジングと、
装置の機能を制御する第1回路であって、ホストコネクタの前記接点位置に対応する端子を備え、情報転送システムと接続可能な第1回路と、
選ばれたバスインターフェース信号に応答してホストシステムにあるスロット内での装置の向きを表す向き信号を発生する第2回路と、
前記装置コネクタと前記第1回路との間に介在している第3回路であって、装置が前記第1向きでホストにあるスロットに挿入されると、バスインターフェース信号を装置コネクタの接点位置と第1回路の対応する端子との間で送受する第1信号路、および、装置コネクタの接点位置と、対応する端子とは相補関係にある第1回路の端子との間で信号を送受する第2信号路とからなり、前記向き信号に応答して第1信号路と第2信号路の何れかを選択する第3回路と
を備えてなる装置。
【請求項15】 請求項14に記載の装置であって、
前記ホストコネクタと前記装置コネクタのそれぞれが、PCMCIAPCカード規格に合致してバスインターフェース信号を送受する68接点位置を有する、装置。
【請求項16】 請求項14に記載の装置であって、
前記第3回路が信号マルチプレクサよりなり、該マルチプレクサは前記向き信号により制御される、装置。
【請求項17】 請求項14に記載の装置であって、
前記第2回路はホストシステムからのクロック信号に応答して前記向き信号を発生する、装置。
【請求項18】 請求項14に記載の装置であって、
前記第2回路はホストシステムからの選ばれた命令信号に応答して前記向き信号を発生する、装置。
【請求項19】 請求項14に記載の装置であって、
前記接点位置が、装置の有無と種類を示すバスインターフェース信号を送受する装置検出接点を備えており、
さらに、装置コネクタの前記装置検出接点と接続されて、ホストシステムが装置の向きとは無関係に装置の有無と種類を検出するようにした装置検出回路を設ける、装置。
【請求項20】 請求項14に記載の装置であって、さらに、
装置の向きとは無関係に、前記向き信号に応答して電源電圧を供給して装置をパワーアップする回路を設ける、装置。
【請求項21】 請求項14に記載の装置であって、
前記装置コネクタは、接地板を備えた上面と下面とを有しており、前記接地板はホストシステムのスロット内の接地接点と係合し、また、前記上面にある接地板は前記下面にある接地板と電気的に接続される、装置。
【請求項1】 ホストシステムを情報転送システムに接続するために、ホストシステムにあるスロットに受承させる装置であって、
第1筐体および第2筐体とからなるハウジングであって、前記第1筐体は、長手方向の中心線と、長手方向に平行に延在する複数の側部と、長手方向に直交する前端と、後端とを有していると共に、PCMCIAカードの幅規格にほぼ合致する幅と、PCMCIAタイプIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さとを有しており、前記第2筐体は、前記第1筐体の後端から後方に張り出して、前記第1筐体の高さよりも大きい高さを有し、また、前記基板上の回路構成部品と接続したソケット接点のあるソケットが少なくとも一つ形成されていて、このソケットには前記ソケット接点と係合するプラグ接点を備えた標準的な通信プラグが受承されて装置を前記情報転送システムに直接に接続できるようになっており、更に、前記第2筐体は前記中心線の片側に位置され、かつ、前記第2筐体の幅は前記第1筐体の幅の半分以下であり、前記基板の上に回路構成部品が設けられ、前記プラグ接点は前記回路構成部品と結合されている、ハウジングと、
前記ソケット接点が接続された回路構成部品が設けられて前記ハウジング内に収納された基板と、
前記基板に設けた回路構成部品と電気的に接続されていると共に、ハウジングの前記第1筐体の前記前端に装着されていて、ホストシステムにある前記スロット内の一対のホストコネクタの何れかに接続される装置コネクタと
からなる装置。
【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、
ハウジングの前記第1筐体の、前記前端からその後端までの全長が、PCMCIAカードの長さ規格に収まっている、装置。
【請求項3】 請求項1に記載の装置であって、ハウジングの前記第2筐体は後端を有し、PCMCIAタイプIIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さを有しており、また、第1筐体の前記前端から第2筐体の前記後端までの前記ハウジングの全長がPCMCIAカードの長さ規格にほぼ合致している、装置。
【請求項4】 請求項3に記載の装置であって、
前記少なくとも一つのソケットは、ハウジングの第2筐体の前記後端から前方へと延在しており、その大きさが標準的なRJ型モジューラプラグを受承する大きさとなっている、装置。
【請求項5】 請求項3に記載の装置であって、
該装置は、この装置とほぼ同一形状の別の装置と積み重ね可能になっており、その際、一方の装置のハウジングの第1筐体は他方の装置のハウジングの第1筐体に載置され、一方の装置のハウジングの第2筐体は他方の装置のハウジングの第2筐体に隣接するスペースに臨み、而して、積み重ねられた装置は、その全高がPCMCIAタイプIIIカードの厚み規格に合致して、何れかの装置を上側にしてホストシステムにある前記スロットに受承できるように電気的かつ機械的に構成されてなる装置。
【請求項6】 請求項1に記載の装置であって、
該装置は、表面上向きの状態と表面下向きの状態のいずれでもホストシステムにある前記スロットに受承できるように構成されてなる装置。
【請求項7】 請求項6に記載の装置であって、
前記装置コネクタは、装置をスロットに挿入するとき前記ホストコネクタにおける複数の接点位置とそれぞれ係合する接点位置を備えており、前記装置コネクタと前記ホストコネクタとの間でバスインターフェース信号の送受ができ、また、装置をホストシステムにあるスロットへ挿入するに当たっては、装置コネクタの前記接点位置がホストコネクタの対応する前記接点位置と合致する第1向きと、装置の前記接点位置が、該装置の接点位置に対して相補関係にあるホストコネクタの接点位置と合致する第2向きの何れかで挿入でき、
装置の機能を制御する第1回路であって、ホストコネクタの前記接点位置に対応する端子を備え、情報転送システムと接続可能な第1回路と、
選ばれたバスインターフェース信号に応答してホストシステムにあるスロット内での装置の向きを表す向き信号を発生する第2回路と、
前記装置コネクタと前記第1回路との間に介在している第3回路であって、装置が前記第1向きでホストにあるスロットに挿入されると、バスインターフェース信号を装置コネクタの接点位置と第1回路の対応する端子との間で送受する第1信号路、および、装置コネクタの接点位置と、対応する端子とは相補関係にある第1回路の端子との間で信号を送受する第2信号路とからなり、前記向き信号に応答して第1信号路と第2信号路の何れかを選択する第3回路と
を備える装置。
【請求項8】 一対のホストコネクタが上下段に設けられている、ホストシステムにあるPCMCIAカードスロットに受承されてホストシステムを情報転送システムに接続するための装置であって、
第1筐体および第2筐体とからなるハウジングであって、前記第1筐体は長手方向の中心線と、長手方向に平行に延在する側部と、長手方向に直交する前端と、後端とを有していると共に、PCMCIAカードの幅規格にほぼ合致する幅と、PCMCIAタイプIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さとを有しており、他方、前記第2筐体は、ハウジングの前記第1筐体の後端から後方に張り出して、前記第1筐体の高さよりも大きい高さを有し、また、前記基板上の回路構成部品と接続したソケット接点のあるソケットが少なくとも一つ形成されていて、このソケットには前記ソケット接点と係合するプラグ接点を備えた標準的な通信プラグを受承するようになって装置を前記情報転送システムに直接接続できるようになっており、更に、前記第2筐体は前記中心線の片側に位置され、かつ、前記第2筐体の幅は前記第1筐体の幅の約半分以下である、ハウジングと、
前記ソケット接点が接続された回路構成部品が設けられて前記ハウジング内に収納された基板と、
前記基板に設けた回路構成部品と電気接続されていると共に、ハウジングの前記第1筐体の前記前端に装着されていて、ホストシステムにある前記スロット内の一対のホストコネクタの何れかに接続される装置コネクタと
からなる装置。
【請求項9】 請求項8に記載の装置であって、
該装置は、表面上向きの状態と表面下向きの状態の何れでも、ホストシステムにある前記スロットに受承できるように電気的かつ機械的に構成され、装置が表面上向き状態で接続されると前記装置コネクタは上下段の内の一方のホストコネクタと係合するが、表面下向き状態で受承されると他方のホストコネクタと係合される、装置。
【請求項10】 請求項8に記載の装置であって、
ハウジングの前記第1筐体の、前記前端からその後端までの全長が、PCMCIAカードの長さ規格に収まっている、装置。
【請求項11】 請求項8に記載の装置であって、ハウジングの前記第2筐体は後端を有し、PCMCIAタイプIIIカードの厚み規格にほぼ合致する高さを有しており、また、第1筐体の前記前端から第2筐体の前記後端までの前記ハウジングの全長がPCMCIAカードの長さ規格にほぼ合致している、装置。
【請求項12】 請求項11に記載の装置であって、
前記少なくとも一つのソケットは、ハウジングの第2筐体の前記後端から前方へと延在しており、その大きさが標準的なRJ型モジューラプラグを受承する大きさである、装置。
【請求項13】 請求項11に記載の装置であって、
該装置は、この装置とほぼ同一形状の別の装置と積み重ね可能であり、積み重ねの際、一方の装置のハウジングの第1筐体は他方の装置のハウジングの第1筐体に載置され、一方の装置のハウジングの第2筐体は他方の装置のハウジングの第2筐体に隣接するスペースに位置され、而して、積み重ねられた装置は、その全高がPCMCIAタイプIIIカードの厚み規格に合致して、何れかの装置を上側にしてホストシステムにある前記スロットに受承させると上下段のホストコネクタにそれぞれ接続できるように電気的かつ機械的に構成される、装置。
【請求項14】 複数の接点位置を有するホストコネクタが設けられている、ホストシステムにあるPCMCIAカードスロットに受承されてホストシステムを情報転送システムに相互接続するための装置であって、
端部を有するハウジングであって、該端部は、装置がホストシステムのスロットに挿入されるとき前記ホストコネクタと係合でき、装置コネクタとホストコネクタとの間でバスインターフェース信号の送受ができ、また、装置をホストシステムにあるスロットへ挿入するに当たっては、装置コネクタの前記接点位置がホストコネクタの対応する接点位置と合致する第1向きと、装置の前記接点位置が、該装置の接点位置に対して相補関係にあるホストコネクタの接点位置と合致する第2向きの何れかで挿入できるように構成したハウジングと、
装置の機能を制御する第1回路であって、ホストコネクタの前記接点位置に対応する端子を備え、情報転送システムと接続可能な第1回路と、
選ばれたバスインターフェース信号に応答してホストシステムにあるスロット内での装置の向きを表す向き信号を発生する第2回路と、
前記装置コネクタと前記第1回路との間に介在している第3回路であって、装置が前記第1向きでホストにあるスロットに挿入されると、バスインターフェース信号を装置コネクタの接点位置と第1回路の対応する端子との間で送受する第1信号路、および、装置コネクタの接点位置と、対応する端子とは相補関係にある第1回路の端子との間で信号を送受する第2信号路とからなり、前記向き信号に応答して第1信号路と第2信号路の何れかを選択する第3回路と
を備えてなる装置。
【請求項15】 請求項14に記載の装置であって、
前記ホストコネクタと前記装置コネクタのそれぞれが、PCMCIAPCカード規格に合致してバスインターフェース信号を送受する68接点位置を有する、装置。
【請求項16】 請求項14に記載の装置であって、
前記第3回路が信号マルチプレクサよりなり、該マルチプレクサは前記向き信号により制御される、装置。
【請求項17】 請求項14に記載の装置であって、
前記第2回路はホストシステムからのクロック信号に応答して前記向き信号を発生する、装置。
【請求項18】 請求項14に記載の装置であって、
前記第2回路はホストシステムからの選ばれた命令信号に応答して前記向き信号を発生する、装置。
【請求項19】 請求項14に記載の装置であって、
前記接点位置が、装置の有無と種類を示すバスインターフェース信号を送受する装置検出接点を備えており、
さらに、装置コネクタの前記装置検出接点と接続されて、ホストシステムが装置の向きとは無関係に装置の有無と種類を検出するようにした装置検出回路を設ける、装置。
【請求項20】 請求項14に記載の装置であって、さらに、
装置の向きとは無関係に、前記向き信号に応答して電源電圧を供給して装置をパワーアップする回路を設ける、装置。
【請求項21】 請求項14に記載の装置であって、
前記装置コネクタは、接地板を備えた上面と下面とを有しており、前記接地板はホストシステムのスロット内の接地接点と係合し、また、前記上面にある接地板は前記下面にある接地板と電気的に接続される、装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は概して、デスクトップ型や携帯型パーソナルコンピュータ、周辺器などのホストシステムを規格型のモジュラ通信プラグを利用して通信転送システムに直接接続するに当り、当該ホストシステムで利用するリムーバブル入出力装置(I/O装置)に関する。
【0002】
(背景技術)
よく知られているように、現今のラップトップ型、ノートブック型、デスクトップ型などのコンピュータのみならず、コンピュータの周辺器やその他の電子製品は、米国カリフォルニア州サンホゼ所在のPersonal Computer Memory Card International Association(PCMCIA団体)が2635Nで規定するPCカード規格に適ったカードの如くにリムーバブル装置が差し込まれるようになっている。このPCカード規格は、その最新版(1997年度版)も含めて、本願明細書の一部をなすものとしてここに挙げておく。PCカード規格では、カードと、該カードが差し込まれるポートないしスロットとの間のインターフェースを含むPCカードの電気的及び物理的仕様を定めている。この仕様には、16ビット用PCカードインターフェースと32ビットカードバス用PCカードインターフェースが含まれている。また、動作電圧も3.3ボルトと5ボルトの二種を定めている。3.3ボルト用カードの物理的なキー機構のお陰で、5ボルト用ホストシステムスロットに差し込まれても当該3.3ボルト用カードが壊れないように保護されている。また、このPCカード規格では、カードの種類としてタイプIとタイプIIとタイプIIIの三種を定めている。これらの三種のカードは長さが85.6ミリ、幅が54.0ミリと同じように定められているが、厚みだけが異なっている。即ち、タイプIカードの厚みは3.3ミリ、タイプIIカードの厚みは5.0ミリ、タイプIIIカードの厚みは10.5ミリとなっている。
【0003】
これらのPCカードは種々の目的に使われている。例えば、タイプIカードは一般に記憶装置として使われ、タイプIIカードは後述の如くのI/O装置として、また、タイプIIIカードは一般に回転型大量記憶装置(ディスクドライブ)を収納するのに使われている。現に、タイプIIカードは主として、携帯型コンピュータの如くのホストシステムのユーザをイーサーネットLANにリンクする通信リンクとして、或いは、ユーザを加入電話線に接続するデータ・ファックスモデムとして、更には、LAN・モデム両用カードとして使われている。一般に広まっている使い方としては、アダプタ用ケーブルを利用して比較的薄いタイプIIカードを、それよりは嵩張っている電話線やイーサーネット通信網の規格型RJ-11ないしRJ-45ソケットに接続している。このような方法には、ユーザはコンピュータ以外に、コンピュータをLANや電話回線に接続するのに一本以上の嵩張るアダプタ用ケーブルを携行しなければならず、そのために携帯型コンピュータの利便性が少なくともある程度、損なわれていると言った問題点がある。それに、アダプタ用ケーブルはなくしてしまうことも、時としてよくあることである。アダプタ用ケーブルのもうひとつの問題点を挙げれば、薄型カードとケーブルとの接続部が如何にも脆弱で、電気接続不良を来すことが多く、そのためにデータが失われることもある。
【0004】
PC規格型タイプII通信カードとRJ型コネクタとの間の前述した不整合性の問題については、タイプIIカードの後端に、RJ型コネクタプラグを受承できるように、その大きさを定めて構成したソケットを囲繞するほどの大きなハウジングを設けることでその問題を解消するようにしている。そのようなRJソケット用ハウジングを設ければ、両端にRJ-11型もしくはRJ-45型モジューラプラグを備えた既存のLAN用または電話回線用ケーブルを利用して厚み5ミリのタイプII通信カードをLANないし電話回線に直接つなげるようになっている。しかし、この方法では、アダプタ用ケーブルを別途用意する必要がないものの、RJ型コネクタを受承するためにカードの後端に設けたハウジングがホストシステム側の囲繞体から突出してしまい、そのために携帯型コンピュータをアタッシェケースなどに入れて運ぶときには、カードそのものを当該コンピュータから外さなければならないことがある。
【0005】
アダプタ用ケーブルを使わないで済ませている別の方法では、RJ型モジューラプラグがタイプII通信カードの格納自在アクセス部に形成した穴に直接差し込まれるようにしている。このことは、例えば1993年2月2日に付与された米国特許第5,183,404号に開示されているところである。もうひとつの方法としては、本願明細書の一部をなすものとしてここに挙げる、1998年6月30日に付与された米国特許第5,773,332号に開示されたものがある。この米国特許第5,773,332号の図21には、タイプIIIカードではあるが、その後端に一対のRJ-xx型ソケット(即にRJ-11型ソケットとRJ-45型ソケット)を設けて、カードをLAN通信網と電話回線との何れか、または両方に接続できるようにしている。
【0006】
一般的なホストシステムのカードスロットは、タイプIIIカードの厚み規格(10.5mm)に合わせてその高さを定めており、タイプIIIカード一枚か、厚みが5.0ミリのタイプIIPCカードを二枚、収容できるようになっている。このスロットには、上下にその長手方向に沿って延在する溝が形成されていて、各対の溝でカードの両長手側壁が摺動嵌入するようになっている。よく知られているように、各カードには一端側に68個の接点があり、そのカードがホストシステムのスロットに完全に差し込まれると当該スロットの後壁に設けられた対応する68本の接続ピンと係合するようになっている。従って、二枚のタイプIIカードを同時に収容できるスロットには、68本の接続ピンが一対、即ち、各カードに対応して上列と下列に並んで設けられている。PCカード規格に従って構成されているキーはカードの長手両側壁の前端に沿って設けられており、そのために各カードが裏返しで差し込まれるのを阻止していると共に、3.3ボルト用カードが5ボルト用スロットに差し込まれて破損してしまうのを防いでいる。
【0007】
前掲の特許文献に開示されているタイプIII通信カードの利点としては、斯かるカードの後部ソケットには、既存ケーブルに設けられているRJ-11型とRJ-45型プラグの如くの標準的なモジューラプラグを直接受承できる点にあり、そのためにアダプタ(「ドングル」としても知られている)を使わないで済んでいる。しかしながら、各カードには特殊ソケットないし組合せソケットが設けられていて、そのために新規通信機能を追加するか、バージョンアップするかの何れか、または両方を行うためには新規カードを購入せざるを得ない。このように新規カードを余計に購入すると、もとのカードと新規カードとを同一スロットで同時に利用することはできないから、それまで使っていたカードは無駄になるか、利用しても役立たずになってしまう。
【0008】
(発明の開示)
従って、ユーザには、通信カードの機能の組合せに多大な融通性がリーズナブルな費用で得られるようにするのが望まれているのである。
【0009】
そこで、本発明の一つの好ましい実施の形態では、タイプIIカードとタイプIIIカードの構造が高いに補足し合うようになっていると共に、重ねてホストシステムのスロットに差し込んでもホスト側の両方の68本の接続ピンとも接続できるように、タイプIIとタイプIIIの形式要素(form factor)を組み合わせたPCカードを提供している。従って、複数のソケット(例えば、RJ-11型、RJ-45型、GSMセルラー型)の種々の組合せを得ることができるのである。また、カード一枚だけでの利用も可能である。よって、ユーザとしては、先ず低費用で一枚の単機能カードを購入してもよいのである。一つかそれ以上の別の機能を使いたいのであれば、その時になって、最初のカードと一緒に同じスロットに同時に差し込める二枚目のカードを購入すればよいのである。
【0010】
詳述すれば、本発明の具体例では、ホストシステムを情報転送システムに接続するために当該ホストシステムにおけるスロットに差し込まれるようにしたPCカードであって、第1及び第2筐体部からなり、第1筐体部には、長手方向に沿って平行に延在する長手側部と、長手中心線と、ホストシステムのスロット内にある対応するホストコネクタと嵌合するようになっているコネクタを備えた第1直交端と、ほぼ直交する第2直交端とが備えあっているハウジングからなるPCカードが開示されている。ハウジングの第1筐体部は、その厚みがタイプIIPCカードの厚み規格に準拠していて、電子回路部品が搭載されている基板を囲繞すると共に、その回路要素にはハウジングの第1直交端におけるコネクタが電気的に接続されるようになっている。
【0011】
ハウジングの第2筐体部は、その上面と底面とは互いに平行になっていて、ハウジングの第1筐体部の第2直交端に取り付けられるようになっていると共に、タイプIIIPCカードの厚み規格にほぼ準拠している。このハウジングの第2筐体部には、ハウジングの第2筐体部の上面と底面とに概ね平行な方向に沿って標準的なプラグを受承するようにその寸法と形状が定められた少なくとも一つのソケットが形成されている。この少なくとも一つのソケットには、標準的なプラグを利用してPCカードを情報転送システムに直接接続されるようにする接点が設けられている。ハウジングの第2筐体部は、その第1筐体部の幅の約半分以下の幅を有しており、従って、当該第1筐体部の長手中心線に対してその片側に設けられている。
【0012】
本発明の別の面では、ハウジングの第2筐体部には、そのハウジングの第1筐体部における第2直交端とほぼ平行になっている直交端が備わっている。少なくとも一つのソケットが第1直交端に向かって延在しているので、長手軸とは概ね平行する方向に沿って標準的なプラグがそのソケットに差し込まれるようになっている。
ハウジングの第1筐体部における平行な長手側部の間隔が、PCカードの幅規格にほぼ準拠した幅を画成している。
また、本発明の別の面では、PCカードの全長は、ハウジングの第1筐体の第1直交端からそのハウジングの第2筐体の直交端までの間隔であり、これもPCカードの長さ規格に準拠している。
【0013】
以上のことから、前述の構成のカードの特定の実施の形態を平面視すると、カードのタイプIII部分は長手軸の片側にあって、その幅はタイプII部分の幅の約半分以下となっている。本発明による一枚のカードは、ホストシステムにおけるPCカードスロット内の上側溝か、下側溝の何れかに差し込めるようになっており、それに応じてホスト側の上側か、下側の68ピン型コネクタと接続されるようになっている。カードスロット内の上側溝と下側溝を利用する場合、溝の位置に応じてPCカードを裏返して利用できるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明によればカードを二枚重ねて、一方のカードのタイプIII部分と整合させた上で、他方のタイプIII部分近傍の空洞を占有する、或いは、その中に収容させることができるのは明らかである。よって、重ねた二枚のカードの全厚はタイプIIIカードの厚みと等しく、重ねたカードのそれぞれの68接点型コネクタはホスト側に二列備わっている68ピン型コネクタと接続されることになる。重ねたカードは何れの方向からでもスロットに挿入できる。
【0015】
本発明によるカードは、更に別の面からして、ホストシステムのスロットに挿入するに当たっては、表面を上向きにして差し込んでもよいし、または、裏返して裏面を上向きにして差し込むこともできるようになっている。このような裏返しでの利用ができるようにするために、従来のPCカードの長手側部の前端に通常設けられているキーをなくしている。しかし、接点とピンとを利用した68位置型コネクタ構成は物理的には垂直及び水平中心線を中心として対称構成になっているけれども、ピンの割当ては電気的には対称とはなっていない。従って、本発明のカードには、供給電圧の管理と、必要に応じてカード側コネクタの種々のピンに現れる信号の配分(direct)(または、カードが裏返しされた場合では再配分(redirect))のために、カードの有無、種類、向きを電子的に検出する回路を設けている。本発明のこの面によれば、このような回路は、カードの機能回路の他に、向き検出状態機構(orientation detection state machine)と信号マルチプレクサとを組み込んだアプリケーション専用集積回路(ASIC)からなる。
【0016】
向き検出状態機構は、16ビットカードの場合では或るバスインターフェース制御信号に応答して、また、32ビットカードの場合ではホストシステムのクロック信号に応答して、向き制御信号(Card_FlippedまたはCard_Not_Flipped)を発生するようになっている。信号マルチプレクサは、向き検出状態機構から出力された向き信号に応答してカード機能回路にカードインターフェース信号を配分ないし再配分(裏返しカードの場合)するようになっている。ASICに対して外部の第1回路はホストシステムに対して、ホストシステムのPCカードスロットにカードが挿入されたことを報知して、ホストシステムがカードバスの種類(16ビットか、32ビットか)を識別すると共に、それに必要な電圧(5ボルトか、3.3ボルトか)を供給できるようにする。ASICに対して外部の第2回路は向き検出状態機構からの向き信号に応答して、ホストシステムと、何れかの向きにあるカードとの間での電力供給接続を管理する。ここで重要なのは、ホストシステムのハードウェアやソフトウェアには何ら改変を施す必要はなく、カードが何れの向きにあっても、当該カードが充分機能するのに必要な回路は全てカードそのものに含まれていることである。
【0017】
詳述すれば、5ボルト用16ビットカードの場合では、そのカードが挿入されていることとその種類は、そのカードが表面上向きに挿入されていても、また、表面下向きに挿入されていてもホストシステムにおけるカード検出ピンをプルダウン抵抗を介して接地接続する一方、電圧センスピンを開放状態に維持することでホストシステムで検出されるのである。
【0018】
3.3ボルト用32ビットカードバス対応カードの場合では、そのカードが挿入されていることとその種類は、ASICの外部回路を介してカード検出ピンCD1と電圧センスピンVS1とを短絡する一方、カード検出ピンCD2をプルダウン抵抗を介して接地接続し、電圧センスピンVS2を開放状態に維持することにより、カードに電力が供給される前にホストシステムで検出されるのである。
【0019】
32ビットカードバス対応カードの場合でのカードの向きは、システムクロックピンと62ピンバスインターフェースにけるそれに相補するピンとをモニターすることにより判断できる。これらのピンの何れかにある信号が所定回数だけ変転(transition)すれば、変転したピンがクロック信号を搬送しているものと識別されるから、それでそのカードの向きが表されることになる。
【0020】
16ビットPCカードはホストシステムのクロックを利用しないから、本発明によれば、そのカードの向きを判定するのに別の方策を採ることができる。一般に、この場合では、68ピンバスインターフェースにでてくる或る命令信号とリセット信号とをモニターして、リセットが行われる前と後とで命令信号が安定しているかどうかを判断すればよい。
【0021】
本発明による32ビットカードバス対応PCカードと16ビットPCカードには、向き検出状態機構からの向き信号に応答して動作することで、電源接続(VccとVpp)を管理する回路が含まれている(回路接地ピンは、カードが表面上向きであっても、また表面した向きであっても一列になっているから、当該回路接地ピンについては考えなくてもよい)。
【0022】
(発明を実施するための最良の形態)
本明細書において用いる「表」、「裏」、「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「表面上向き」、「表面下向き」などの用語は、図示のPCカードの構造の説明の都合で用いたものであって、カードはどのような向きにあっても利用できるのは理解されよう。
【0023】
また、本発明のリムーバブルI/O装置は広範囲の利用性を持つものであって、通信用コネクタシステム(例えばモデムやイーサーネットLAN)と非通信用コネクタシステム(例えばビデオ、同軸、BNCなど)との両方を含む種々の標準的コネクタシステムとも利用できるものではあるが、本発明の説明は主として、本発明における特定の典型的な実施例としてRJ型標準モジューラコネクタに接続できるリムーバブルPCMCIA通信カードに適用したものとして行うものとする。ここで、「RJ型」標準モジューラコネクタとは、RJ-11やRJ-45を意味し、或いはそれと同じ類のコネクタ、例えば電話回線接続用、モデム用、LAN用のコネクタを意味する。
【0024】
RJ型やその系列コネクタについての、その寸法諸元などを含む詳細な情報については、米国政府刊行物である法典第47号(遠隔通信)である連邦法律施行規則の第1章(連邦通信委員会)第68部(端末装置における電話回線通信網との接続用コネクタ)におけるサブパートF(コネクタ)のセクション68.500(仕様)(1998年10月1日改訂)に含まれている。この刊行物はウェブサイト、http://www/access.gpo.gov/nara/cfr/waisidx_98/47cfr68_98-htmlでみることができ、その内容を本願明細書の一部をなすものとして、ここに挙げておく。
【0025】
図1に、一例としてノート型コンピュータ10からなるホストシステムを示す。このノート型コンピュータ10の片側にPCMCIA標準スロット12があって、PCMCIAインターフェース規格に合致していると共に、本発明を実施した装置14の如くの着脱自在通信装置がそのスロット12に挿入されるようになっている。後述するように、通信装置14は、例えばイーサーネットLANアダプタと電話回線用モデムを組み合わせてもよい。
【0026】
図2から図4に、従来のタイプIIPCカード20の上面図、前面図、側面図をそれぞれ概略的に示す。カード20は上面22と底面24と、その長手方向に平行に延在する側突条レール26、28とを備えている。また、このカード20の全部には相互接続域をなすマージン30が設けられている。カードのこの前部マージン30には、ホストシステム側のスロット内に設けられている68ピンホスト側コネクタと整合するようになっている68接点カードコネクタ32が配置されている。参考のために説明すると、図3に示すようにコネクタ32の接点列の四箇所の隅部は、接地接点位置1、34、35、68がそれぞれ占有している。
【0027】
図5と図6とは、ホストシステム10におけるPCカードスロット12の後壁38に装着してある上下二列配置の68ピンホスト側コネクタ34、36の前面図と側面図をそれぞれ示す。上列ホスト側コネクタ34の四箇所の接地ピン位置1、34、35、68が図示されている。各列のホスト側コネクタ34、36の68ピン群(カード側コネクタの68接点群も同様)は、34本のピンが二列に並んで構成されており、合計68本のピン群が垂直及び水平中心線40、42を中心として物理的に対称配置になっている。しかしながら、電気的には、標準PCカードインターフェースのピン割当ては対称にはなっていない。従って、従来のカード20とホストシステム10とが適切にインターフェース接続されるようにするためにも、このカード20とホスト側コネクタ34、36とは、カード20だけが表面上向き、即ち、上面22を上向きにした状態で差し込んで完全に挿入されるように、物理的に鍵をかけている(調製してある)。従って、カードの長手側突条レール26の前端に、ホスト側コネクタにある突条を受承するスロット44を水平中心線42を対称に形成している。また、突条28の前端には切欠き46を設けて、ホスト側コネクタにある補間形状の突起がその切欠き46に嵌合するようにしている。この切欠きのPCMCIA標準高さは、図2から図4に示した5ボルト用カードの切欠きと、3.3ボルト用カードの切欠きとの二種ある。このようにして、3.3ボルト用カードが5ボルト用スロットに完全に差し込まれるのを阻止している。
【0028】
図7は、従来のタイプIIカード20を二枚重ねて差し込んだときに長手側突条レール26、28が、ホストシステムのスロット12における溝50、52にそれぞれ嵌合している状態を示す横断図である。
【0029】
図8から図12に、本発明の第1実施の形態による通信装置60を示す。この通信装置60は、第1筐体すなわち前部筐体64と第2筐体すなわち後部筐体66とを有するハウジング62からなる。ハウジングの第1筐体64は長手方向の中心線68を有すると共に、この中心線68から等距離だけ両側に隔てた長手方向に平行に延在する側マージン70、72をも有している。ハウジングの第1筐体における長手側マージン70、72には、図7に示した態様でPCカードスロット12にある側溝と係合する側方突条レール74、76が備わっている。ハウジング62の第1筐体64は、その厚みT1が前述したようにタイプIIPCカード厚み規格とほぼ一致するようになっていて、5.0ミリ厚である。また、このハウジングの第1筐体64には、ホストシステム10におけるスロット12内にある何れかの列の68ピンコネクタと係合する標準68接点コネクタ80の設けられている長手方向に直交する直交前端部78が設けられている。更に、ハウジングの第1筐体64は上面82と下面84とを有している。86は、ハウジング62の第1筐体64のほぼ直交する後端を示す。
【0030】
ソケット部とも呼ぶハウジング62の第2筐体66は、第1筐体の後端86に取り付けられてそこから突出している。ハウジングのこの第2筐体は、上面88と、この上面に平行な下面90と、長手方向に直交する直交後端92とを有している。本発明の一例としての実施の形態では、ハウジングの第2筐体66の下面90は、ハウジングの第1筐体64の下面84の単なる延長部からなる。ハウジングのこの第2筐体は、その高さT2は前述したようにタイプIIIPCカード厚み規格とほぼ一致するようになっていて、10.5ミリである。ハウジング62の第2筐体66は、ハウジング62の第1筐体64における長手側突条レール74の延長部からなる長手側突条レール94を備えている。
【0031】
尚、ハウジング62の第2筐体66の幅はこのハウジング62の第1筐体64の幅の約半分であり、しかも、このハウジングの第2筐体は、平面視した場合でのカード60が概ねL字形を呈するように長手中心線68の片側に配置されている。この実施の形態によれば、ハウジングの第2筐体は、長手中心線68を含む垂直面と面一となる後方延在の垂直壁96を備えている。ハウジング62の第2筐体66は、添付図面に示したものよりも幾らか幅の狭いものとすることもできるが、最も好ましい実施の形態としては、ハウジングのこの第2筐体の幅は、図9に示したように長手中心線68から右方に張り出さないようにするのが望ましい。
【0032】
ハウジングの筐体64、66は従来公知の方法で、Lexan(商品名)か、類似の高衝撃強度のプラスチック材で成形作製してもよい。これらの筐体64、66は別々に成形して、接着材ないし超音波溶着により接続線98に沿って互いに分離不能状態に組み合わせてもよい。筐体64、66を別々に成形したり、ハウジング62を別々に成形すると、製造が容易になるが、それとは別に、筐体64、66を共成形、即ち、一体構成として成形することで、一体型ハウジングを形成することもできる。
【0033】
図9と図11とに示すように、ハウジング62の第1及び第2筐体には内部空洞100が形成されている。ハウジング62におけるこの空洞100内には、上面とした面とに集積回路やその他の電子回路部品104を搭載した印刷回路板(PCBA)102を構成する基板が配置されている。68接点コネクタ80は基板102の前方マージン108に装着されており、このコネクタから後方へ延在するリード110はPCBA102の前方マージンに沿う端子部に半田付けされている。平面視して、このPCBA102は、ハウジング62の第1筐体64に収まるようにした比較的広い前部112と、ハウジングの第2筐体66に収まるようにした、後方に延在する狭い部分114とからなるほぼL字形を呈している。PCBA102の後方マージン116には、標準的なRJ型モジューラプラグの接点と係合するようになっている線接点120を担持する接点ブロック118が装着されている。このような接点ブロックについては、前述した米国特許や特許出願に詳細に開示されている。
【0034】
ハウジング62の第1及び第2筐体により画成されている空洞100は、ほぼL字形の底部シート金属製カバーパネル126により塞がれており、このカバーパネル126は、ハウジング62の第1及び第2筐体の長手側部に沿う表面とそれぞれ係合する直立ロック用タブを備えた長手側部128を有している。このようなカバーパネルや、このカバーパネルがハウジング構成部品に取り付けられている態様などについては従来公知であるので、ここでは詳述しない。
【0035】
図8から図11までに示した通信装置60の幅は、PCカードの規格幅である約54.0ミリにほぼ合致するようになっている。同様に、通信装置60の全長、即ち、ハウジングの第1筐体64の直交前端78からハウジングの第2筐体66の直交後端92にかけての長さは、PCカードの規格である約85.6ミリにほぼ合致するようになっている。本発明の特定の実施の形態によれば、ハウジング62の第1筐体64の、直交前端78から直交後端86までの長さは、約55.8ミリであるのが望ましい。この場合、ハウジングの第2筐体66の長さは約29.8ミリとなる。
【0036】
ハウジング62の第2筐体66には、通信装置60を情報転送システムに直結するための標準的な通信プラグが差し込まれる少なくとも一つのソケットが備わっている。図示の実施の形態ではそのソケットは二個あるものとして、130と132とで示してある。ソケット130は、データ・ファックスのモデム送信のために電話回線と直接接続する標準的なRJ-11モジューラプラグが差し込まれるものであってもよく、他方、ソケット132は、イーサーネットLANと直接接続する標準的なRJ-45モジューラプラグが差し込まれるものであってもよい。これらのソケット130、132の詳細については、前掲の米国特許と米国出願に開示されている。
【0037】
通信装置のハウジングは、デジタルホストシステムと情報転送システムとの間をとりもつ回路構成部品が搭載されている基板ないし印刷回路板を収容するものである。斯かる回路については公知なので、ここでは詳細に説明しない。ただ、基板はハウジングの第1筐体に完全に収納されているか、必要に応じてその一部がハウジングの第2筐体に収納されている。ハウジングの第2筐体におけるソケットには、複数の電気接点があって、このソケットに差し込まれるようになっている標準的なモジューラプラグにある対応接点と係合するようになっている。同様に、ハウジングの前端にある68接点ソケットも、従来公知の態様で基板上の回路部品と電気接続されるようになっている。RJ型モジューラプラグの一例は図1にほぼ示してある。
【0038】
ここで図5から図7をも参照して、図8から図12に示した通信装置60は「表面上向き」状態で示されている、即ち、上面82、88がホストシステムに対して情報に向いた状態で示されているが、その状態でホストシステムのPCカードスロット12のおける下段溝50、52に差し込まれていて、通信装置の前端にある68接点コネクタはスロット内にある下段68ピンコネクタ36と接続されている。本発明の別の面によれば、通信装置60は、その下面84、90が上向きとなるように裏返しして、PCカードスロット12の上段溝50、52に差し込んで、スロット内の上段68ピンコネクタ34と係合するようにすることもできる。これができるためには、通信装置の長手側部の前端に沿って従来より設けられているキー44、46をなくしている。しかしながら、通信装置60には、表面上向きにしても、また、表面下向きにしても何れにも対応できるようにする回路が後述のように設けられている。従って、通信装置60は、スロット12における上段68ピンコネクタ34と下段68ピンコネクタ36の何れをも利用できるように差し込むことができるのである。
【0039】
通信装置60がこのような機能と構成とを有しているから、二つの通信装置60を、一方は表面上向きで、他方は表面した向きで互いに組み合わせて、上下段の68ピンスロットコネクタと接続できる複合通信装置140を構成できるのは明らかである。この点について図13から図17を参照しながら説明すると、本発明による二枚のカード60は、一方の装置60におけるハウジング62の第2筐体66が、他方の装置60におけるハウジングの第2筐体66近傍のスペース142に収納した形で合体されているのが分かるであろう。各カード60の上面82に設けた突起と凹所144、146と、垂直壁96に設けた係合突起148とからなる相補位置決め手段を設けて、二枚のカードが正確に位置決めされた状態で合体されると共に、その状態でホストシステムのスロット12に適切に差し込まれるようにするのが望ましい。互いに合体したタイプIIの第1筐体64は一緒に重なればタイプIIIカードの厚みを持つようになり、そのため、タイプIIIカードの厚みにほぼ等しくなる。前述したように、この複合通信装置ないし組立体140は、ホストシステムに、表面上向き(図17)の状態か、表面下向きの状態で完全に差し込むことができ、何れの向き状態にあっても68接点前部コネクタはPCカードスロット12内で対応する上下段コネクタと接続されるようになる。
【0040】
図18aから図18cまでは、本発明の通信装置を複数の情報転送システムの内の一つ、或いはそれ以上と接続するようにした第2筐体すなわち後部筐体66a〜66cの変形例を幾つか示したものである。即ち、図18aでは、ハウジングの第2筐体は、イーサーネットLAN通信だけのためにRJ-45プラグが差し込まれる一つの能動ソケット150を備えているのみである。この場合、通常は第2ソケットを画成することになるRJ-45ソケットの隣の部分はプラスチック製入れ子152により塞がれている。図18Bの例では、ハウジングの第2筐体部は、通信装置がモデムインターフェースと周辺器(例えばセルラー電話)用インターフェースの両方として機能するようになっている。図18cでは、周辺器用コネクタを受承する周辺器用ソケット154として形成されており、隣の部分は塞がれている。また、図示はしていないが、ハウジングの第2筐体部に同一構成のソケットを形成して、モデム用とスルーパス接続用のRJ-11プラグがそれぞれ差し込まれるようにしてもよい。尚、本発明の通信装置は、ユーザにとっては単一の通信装置として使ったり、或いは、前述したように二枚の通信装置を合体したりして広範囲のオプションが選べるようになっているのは明らかである。
【0041】
図19と図20には、長さを伸ばした本発明の実施の形態を示す。図19と図20に示した通信装置160は、第1筐体すなわち主筐体164と第2筐体すなわち後部筐体166とを有するハウジング162からなる。ハウジングの第1筐体164は、PCカード規格で規定の長さ(85.6ミリ)にほぼ合致するようになっている。図20に示したように、このように長さを伸ばした通信装置60は、ホストシステム10のスロット12内に完全に差し込まれるようになっており、ハウジング162の第2筐体そのもの、或いは、少なくともその一部分はホストシステムの側壁から外方に突き出すようになっている。このように外部に張り出していることから、この実施の形他はあまり好ましいものではないが、ハウジングの第1筐体部が長くなっていることから、より広い利用領域を有する基板ないしPCBAを組み込むことができる利点がある。
【0042】
尚、ハウジングの第2筐体におけるソケットは、長手方向に沿った挿入方向から対応するプラグが差し込まれるようにその向きが定まっているのが望ましいのではあるが、ソケットの向きは、差し込まれるプラグの上面と下面とが装置のソケットを画成する第2筐体の上外面と下外面とそれぞれほぼ平行に保持できる限りにおいて、ある程度長手方向から逸れた方向から対応するプラグが差し込まれるように如何様にも変えることができる。
【0043】
また、ハウジングの第2筐体には、図示したものに限られず種々のコネクタ・ソケット組合せを設けてもよい。更に、ハウジングの第2筐体は、米国内用と外国用との何れか、または両方の複数のデータないし情報転送システムのどれか一つ、或いはそれ以上に接続されるようにしてもよい。その他のコネクタとしては、それには限られないが、ミニDIN、BNC/同軸、D-sub、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE-1394コネクタが挙げられる。本発明による特定の通信装置には、タイプIIIカード形式要素と特に10.5ミリ制限高の範囲に収まる、関係業界で従来公知の標準コネクタを一つ、または組み合わせて設けることもできるものである。
【0044】
図21から図23に示す本発明の別の実施の形態では、反転自在通信装置ないしカード60に充填部材170を設けており、その装置ないしカード60だけが使われる場合に利用されるようになっている。この充填部材170は、カード60のL字形形状に合わせてL字形を呈しており、一体成形型シート様プラスチック材として低廉に製造することができる。この充填部材170は、タイプIIIPCカード規格に合致する厚みの後部172を有している。この充填部材の後部172は、カード60の第2筐体66近傍のスペース142を占有するようにその形状が定めており、その前部174の上面176は緩やかにカーブを描く湾曲面に仕上げられている。
【0045】
本発明による通信装置は32ビットカードバス規格に合致するものとしてもよく、その規格に合致させる場合、68接点前部コネクタの上面に接地接続板を設ける。斯かる接地接続板の一例は、本明細書の一部をなすものとしてここに挙げる1999年8月17日に付与された米国特許第5,940,275号に開示されている。よく知られているように、カードバス様接地接続板は、カードがスロットに完全に挿入されると、ホストシステムのスロットの内側にある接地端子と接触するようになっている。前述したように、本発明の原理によるPCカードは、表面上向きの状態にしても、また、表面下向きの状態にしてもホストシステムのスロットに差し込めるようになっている。従って、本発明のまた別の面によれば、図24と図25とに示すように、68接点前部コネクタ184の上面182に接地接続板180を備えているばかりではなくて、そのコネクタの下面188にも接地接続板186を備えたカードバス対応PCカードも実施の形態の一つである。上部接地接続板180には、PCBAにおける接地トレースと接続する半田末端(solder tail)が設けられている。この半田末端は、下面接地接続板186にはなくてもよい。その代わり、下面接地接続板186は、前部コネクタの端部196、198近傍にあるU字形導電片192、194に機械的かつ電気的に連なっている。従って、カードをホストシステムのスロットに表面下向き状態で差し込むと、下部接地接続板186はスロット内の接地端子と係合し、かくて、PCBA接地トレースへの接地接続路が端部導電片192、194と上面接地接続板180とを介して醸し出されることになる。
【0046】
本発明のまた別の面として、16ビット及び32ビットカードバス対応PCカードの反転自在挿入を可能とする電子回路も含まれており、その説明を以後に行う。
【0047】
A.電子回路のあらまし
既に説明したように、ホストシステムにおけるPCカード用スロットでは68ピンコネクタを利用している。このカードを反転して、即ち、表面下向きの状態でホストシステムのPCカードスロットに差し込むと、通常はホスト側コネクタのピン01と接続されることになるカードコネクタの接点位置01はホスト側のピン68と接続される。同様に、通常はホスト側ピン02と接続されることになるカードコネクタの接点位置02はホスト側ピン67と接続される、と言ったようなことが他の接点位置についても起こる。従って、一般的な場合では、表面上向き状態でカードを挿入したときにホストシステムのピン(n)に通常接続される接点位置(n)は、カードを反転していると相補ピン(69-n)に接続されることになる。図26と図27に、16ビットPCカードと32ビットカードバス対応カードでの標準的なPCカードピン割当ての完全なリストを示すが、そこでのリストはピン番号01〜68を基準にしている。図示の方向は、特定の信号が双方向信号(B)か、出力信号(O)か、三状態出力信号(tri-stateable output)(T)か、入力信号(I)かどうかを示している。
【0048】
68位置PCカードコネクタの種々のピンに現れる電気信号は非対称になっていることから、従来のPCカードを誤って差し込むと、正常に機能しないばかりか、カードそのものが破損することがある。本発明では、PCカードをホストシステムに対して表面上向きにしても、また、表面下向きにしても、何れの状態で差し込むことができるようにしていることから、破損に対する安全策を採っていると共に、何れの状態で差し込まれても完全に機能できるようにしている。その能力があることから、カードの差し込みに当たって向きを一つの方向に制限することなく、ホストシステムにおけるPCカード挿入溝に嵌合する、前述した如くの新製品の創作が可能なのである。
【0049】
また、PCカードを上向き状態と下向き状態で挿入できるようにした場合、幾つかの問題点がある。即ち、カードの有無と種類の検出、カードの向きの検出、電源接続と管理、それに信号の多重化をどうすべきかの問題点がある。これらの問題点については、図28から図40に示したカード回路をとることにより解消できる。基本的には、そのような回路は、アプリケーション専用集積回路(ASIC)と、このASICの外部回路で、装置をホスト側スロットに挿入できるようにすると共に、何れの向きにあっても充分機能できるようにする関連回路とからなる。ASICと関連回路とはPCカードの種類に応じて異なっている。
【0050】
従来のPCカードをホストシステムのスロットに差し込むと、ホストシステムは、カードの挿入と挿入されたカードの種類とを、前記スロットへの電力供給開始に先立って判定するスキームを利用するようになっている。この従来のスキームでは、68ピンコネクタでの一組の四種の信号、即ち、カード検出信号CD1(ピン36)とCD2(ピン67)、電圧センス信号VS1(ピン43)とVS2(ピン57)をホストシステムが駆動、モニターするようになっている。これらの信号はASICに供給しなければならないことから、ASICには、チップに電力が供給される前では、即ち、ホストシステムがカードの有無を検出してその種類を判定している間、高インピーダンス状態になる特殊バッファを備えていなければならない。ホストシステムが5ボルト用反転自在16ビットPCカードを適切に検出できるためには、CD1とCD2とは接地接続し、VS1とVS2とは開放されていなければならない。3.3ボルト用反転自在カードバス対応PCカードの場合では、当該カードの挿入を適切に検出するためにはCD1とVS1とを互いに短絡し、CD2は接地接続し、VS2は開放されていなければならない。
【0051】
カードの挿入とその種類の検出の後では、68ピンコネクタにおける適当な信号を駆動ないしモニターするためにカードの向き(上向きか、下向きか)を判定する必要がある。本発明によれば、ASICには向き検出状態機構が設けられており、この機構がカードの種類(16ビットか、32ビットか)に特有のバス信号を利用して、カードが上向きか、下向きかを表す制御信号を出力するようになっている。
【0052】
電源及び接地接続については、カードを反転すると接地ピンは適切に整合する(line up)が、カードのVcc電圧接続(ピン17とピン51)はVpp接続(ピン18とピン52)と整合するようになる。Vpp信号がホストからプログラミング電圧を供給してしまい、これらがPCカードVcc電力供給源に接続されるのは望ましくない。従って、ASICの外部回路が、向き検出状態機構が出力する向き制御信号に応答してVpp電源を遮断する。最後に、カード機能回路に接続した信号マルチプレクサが、向き制御信号に応答してバスインターフェースとの間での種々の相補単方向信号、双方向信号、三状態信号(tristateable signal)を多重化する。
【0053】
B.5ボルト用反転自在16ビットPCカード
図28には、68接点I/Oバスインターフェースコネクタ208(本明細書においては、68ピンカードコネクタとも言う)を有する16ビットPCカード206がホストシステムにおけるPCMCIAスロットに上向きの状態でも、また、下向きの状態でも差し込めるようにするシステムの機能ブロック図を示す。図28のシステムは、向き検出状態機構212が組み込まれているASIC210と、信号マルチプレクサ214と、従来のカード機能回路216とからなり、従来のカード機能回路216は、制御器、インターフェース、それにホストシステムがイーサーネットLANや公衆電話交換網などに標準RJ-45及びRJ-11コネクタを介して接続されるようにするアダプタ回路とで構成されている。ライン218に表れるものとして集合的に示した或る命令信号とライン220におけるカードリセット信号とは、向き検出状態機構212がそれらを利用してカードの向きを判断するようになっており、判断結果に応じて「Card_Flipped(カード反転)」と「Card_Not_Flipped(カード非反転)」制御信号222、224を出力する。
【0054】
図28のシステムには、ASIC210の外部回路として、カード有無検出回路226とカード種類検出回路228とを含む回路と、カードの向きとは無関係にライン231を介してカードに正確な供給電圧(Vcc)を供給する電力接続回路230とが備わっている。カード検出回路226はライン232、234を介して、68ピンカードコネクタ208におけるカード検出CD1(ピン36)とその(69-n)相補端子であるIOISI6#(ピン33)とにそれぞれ接続されている。カード検出回路228は、図28に示したライン236、238を介してカード検出CD2(ピン67)とその(69-n)相補端子であるData03(ピン02)とにそれぞれ接続されている。電力接続回路230は、(a)ライン240を介して電圧供給源Vcc1、Vcc2(ピン17、51)の両方に、また、(b)ライン242を介して電圧供給源Vpp1、Vpp2(ピン18、52)にそれぞれ接続されている。
向き検出状態機構212から出力される制御信号222、224は、電力接続回路230と信号マルチプレクサ214(ライン243を介して)とを制御するようになっている。
【0055】
図29に、68ピンコネクタ208とASIC210との接続関係を詳細に示しているが、両者間の接続は、説明するまでもなく容易に理解されるところである。前述したように、5ボルト用反転自在16ビットPCカードの場合では、カード検出を正確にするためにはCD1とCD2とは接地接続し、VS1とVS2とは開放しておく。これは、カードの向きに拘らずCD1とCD2及びそれらの相補端子IOISI6#とData03におけるプルダウン抵抗を設けることにより達成できる。従って、カード検出回路226はCD1を接地接続する第1プルダウン抵抗244と、IOISI6#を接地接続する第2プルダウン抵抗246とからなる。同様に、カード検出回路228も、CD2と接地との間に接続した第1プルダウン抵抗248と、Data03を接地接続する第2プルダウン抵抗250とからなる。
【0056】
反転自在16ビットカードの向きの検出については、PCカードサイクルを制御するためにホストシステムにより駆動される或る一組の命令信号が使われる。カードを反転した場合、これらの命令信号の幾つかが、リセット信号と共にアドレスピンに供給されるようになる。アドレスピンの挙動は不確定だが、リセット信号と命令ラインの挙動は16ビットカード仕様により定められている。リセットが終わった(deasserted)後では、命令ラインは定位であって、不活性状態になっていなければならない。向き検出状態機構212はこれらの命令信号の挙動を利用してカードの向きを検出するのである。チップがパワーアップされると、このチップの機能回路はリセット状態となり、出力制御信号が不活性状態になる。ところで、カードの向きが正常であっても、また反転されても、向き回路212は入力リセットと命令信号ピンをモニターしている。一組の信号の挙動がリセット及び命令ラインと一致すると、カード向きが確定する。
【0057】
反転自在16ビットPCカードの実施の形態では、二つのフリップ状態モジュール(flipstate modules)、即ち、カードがあたかも上向き状態で差し込まれたかのように信号をモニターするモジュールと、カードが反転状態で差し込まれたかのように信号をモニターするモジュールとを利用している。詳述すれば、図29と図26とを参照して、向き検出状態機構212により利用された命令信号218は、図29に示したライン252〜257にでてくるバス信号CE1#、CE2#、OE#、WE#、IORDN、IOWRNからなり、これらのラインはコネクタ208のピン07、42、09、15、44、45にそれぞれ連なり、対応するパッドがASIC210に設けられている。これらの命令信号が全て定位であり、不活性状態であれば、PCカードバスはアイドル状態にあるものとみる。下記のアルゴリズムは、命令信号とリセット信号とをモニター(look)して、リセットを行った前後に命令信号が安定しているかどうかを判定するものである。
【0058】
バスがアイドル=IORDN # IOWRN & WE# & (OE#|(CE1# & CE2#))
ASIC状態機構疑似コード
状態(リセット)
リセット状態が((充分な時間が経過している)でない)である
バスがアイドルであれば、
タイマーを増加せよ
その他の場合では
タイマーを0にリセットせよ
リセットし、充分な時間が経過している場合、
タイマーをリセットせよ
NO_RESET状態へ移動せよ
状態(NO_RESET)
リセット状態が偽である
バスがアイドルであれば、
タイマーを増加せよ
それ以外では、
タイマーをリセットせよ
(バスがアイドル)でない場合、
リセット状態へ戻れ
充分な時間が経過した場合、
パス状態へ移動せよ
状態(パス)
タイマーを0にリセットである
リセット状態は偽である
(バスがアイドル)でない場合、
リセット状態へ戻れ
それ以外では
その他の状態機構のリセット状態が真であれば、
状態一致へ移動せよ
状態(一致)
タイマーは0である
リセット状態は偽である
検出向きは真である
【0059】
前述したように、反転自在PCカードの別の構成で考えられることに、スロットにおける電力と接地接続が挙げられる。カードが反転されていると接地信号は適切に整合(line up)するが、電力接続VccはVpp接続と整合する。Vpp信号はホストからプログラミング電圧を供給することがあり、これらがPCカード電力供給源に供給されるのは望ましくない。従って、Vpp源を断つために回路230を利用している。図30において、ASICからライン222における向き制御信号Card_Flippedが、68ピンコネクタ208にあるVccピンと接続した第1電子スイッチ手段260に供給される。ライン224における向き制御信号Card_Not_Flippedは、68ピンコネクタ208のVppピンと接続した第2電子スイッチ手段262に供給される。向きが判断されると、これらの向き制御信号はVcc源を接続状態に、Vpp源をオフにする。
【0060】
図31に、反転自在16ビットPCカードに利用できるものであって、pチャンネルMOSFET264、266からなる回路230の第1実施の形態230aを示す。PCカードへのVppとVcc供給源は、PCカードをパワーアップするとオンになる。VppFET264とVccFET26とは、それぞれプルダウン抵抗268、270により受動的にオンにされる。従って、カードVccはVcc、Vppホスト電力供給源により供給される。ASICからのVppOff信号とVccOFF信号とが、ASICがスロットにおけるPCカードの向きを判断するまで三状態(tri-stated)になっている。ASICが一旦PCカードの向きを判断すると、ASICは、適当な制御信号、Vpp_Off(Card_Not_Flipped)またはVcc_Off(Card_Flipped)、をカードVccレベルにすることにより、カードスロットのVpp電力ピンに物理的に接続されているFET264またはFET266をオフにする。回路が適切に機能するためには、内部にドレイン-ソースバック-ゲートダイオードを持たないFETを利用することである。また、充分なゲート-ドレイン電圧(gate to drain voltage)をFETに供給して、FETでのON状態電圧降下を最小限にする必要がある。
【0061】
C.反転自在32ビットカードバス対応PCカード
図32に、68接点I/Oインターフェースコネクタ282(68ピンカードコネクタとも言う)を有する32ビットカードバス対応PCカード280が、上向き状態と下向き状態の何れかでホストシステムのPCMCIAスロットに差し込めるようにするシステムの機能ブロック図を示す。図32のシステムは、向き検出状態機構286が組み込まれているASIC284と、信号マルチプレクサ288と、従来のカード機能回路290とからなり、従来のカード機能回路290は、制御器、インターフェース、それにホストシステムがイーサーネットLANや公衆電話交換網などに標準RJ-45及びRJ-11コネクタを介して接続されるようにするアダプタ回路とで構成されている。
【0062】
図32のシステムには、ASIC284の外部回路として、カード有無及び種類検出回路292、294、296とを含む回路と、カードの向きとは無関係にライン298を介してカードに正確な供給電圧(Vcc)を供給する前述の電力接続回路230とが備わっている。カード検出回路292はライン300、302を介して、68ピンカードコネクタ282におけるカード検出CD1(ピン36)とVS1(ピン43)とにそれぞれ接続されている。カード検出回路294は、ライン304、306を介してカード検出CD23(ピン26)とCLKRunN(ピン33)とにそれぞれ接続されている。カード検出回路296は、ライン308、310を介してCD2(ピン67)とその(69-n)相補端子であるCAD0(ピン02)とにそれぞれ接続されている。電力接続回路230は、(a)ライン312を介して電圧供給源Vcc1、Vcc2(ピン17、51)の両方に、また、(b)ライン314を介して電圧供給源Vpp1、Vpp2(ピン18、52)にそれぞれ接続されている。向き検出状態機構286は、ライン316、318にでてくるバスインターフェースクロック信号、CClK、CdevSelN、その(69-n)相補とをその入力として、外部回路230、292、294を制御するための向き制御信号320、322(Card_FlippedとCard_Not_Flipped)を発生する。この向き検出状態機構286は、信号マルチプレクサ288を制御するカード向き信号324をも出力するようになっている。
【0063】
図33に、68ピンコネクタ282とASIC284との接続関係を詳細に示しているが、両者間の接続は、説明するまでもなく容易に理解されるところである。前述したように、32ビットPCカードを適切に検出するためには、幾つかの要件の中でもCD2を接地接続する必要がある。従って、カード検出回路296は、CD2を接地接続する第1プルダウン抵抗326と、CAD0(CD2に相補)を接地接続する第2プルダウン抵抗328とからなる。
【0064】
3.3ボルト用反転自在32ビットカードバス対応カードの場合では、CD1とVS1とはカードの挿入を正確に検出するために互いに短絡する必要がある。そのため、CD1とVS1及びそれらの相補ピン対ClkRunNとCAd23との間を特殊回路292、294でそれぞれ接続することで、チップに電力が供給されていないときには短絡しているが、電力が供給されると開成して、ASICがこれらの信号を駆動するようにしている。この回路の要件としては、カード検出時の信号送り出し、検出後の信号遮断(signal isolation)、カード検出段階では外部電力供給不要、検出時とパワーアップ時の遮断への自動切替えなどがある。
【0065】
図34aと図34bとは、好ましい実施の形態による回路292、294の実現方法を示しており、また、図35aと図35bとは別の実施の形態を示している。図34aの回路は、正常モードCD1/VS1ピン対に、また、図34bの回路は、反転モード相補ピン対ClkRunNとCAd23にそれぞれ接続されている。
【0066】
代表例としてあげる回路292は、二個のショットキーダイオード330、332と、二個のバイポーラPNPトランジスタ334、336からなる。トランジスタ334、336のそれぞれのコレクタは互いに接続されており、ダイオード330はトランジスタ334のエミッタ-コレクタ間に接続されている。同様に、ダイオード332は、トランジスタ336のエミッタ-コレクタ間に接続されている。トランジスタ334のエミッタは68ピンコネクタ282のピンCD1に、また、トランジスタ336のエミッタはコネクタ282のピンVS1にそれぞれ接続されている。各トランジスタ334、336のベースないし制御ノードは、ベースバイアスネットワークを介して向き検出状態機構286のCard_Flipped制御出力320に接続されているが、前記ベースバイアスネットワークは、CD1接続トランジスタ334の場合では単に抵抗338で構成されている。VS1接続トランジスタ336は、直列抵抗340、342とコンデンサ344とからなる分岐(tapped)バイアスネットワークを接地させて、回路レスポンス時間を制御するようになっている。図34bに示した回路294も、図34aに示した回路292とほぼ同一であるが、トランジスタのベースが状態機構286のCard_Not_Flipped出力322に接続されている点で異なっている。
【0067】
図34aと図34bに示した回路の動作について説明すれば、カードをホスト側スロットに挿入すると、カード検出ピンに能動ピン対と接続されている回路292または294のPNPトランジスタの何れかのフォワードバイアスエミッタジャンクションを介して電流が供給される。不活性対は、カード検出が終わるまで三状態に保持されている。トランジスタのエミッタベースジャンクションを介して流れた電流は、ASICの制御ノードにベースバイアス抵抗により制限される。カード検出時ではカードはまだパワーアップされていないから、また、回路負荷抵抗がバイアス抵抗値よりも遙かに小さいから、バイアス抵抗はASIC制御ライン320または322を介してカード信号接地に効果的に返される。この構成で、PNPトランジスタのエミッタ-コレクタジャンクションを飽和させるのに充分な電流が得られ、信号電流のバルクが電圧センスピンへと残りのフォワードバイアスダイオードを介して流れる。この実施の形態では、ショットキーダイオードが、不活性のPNPトランジスタの寄生コレクタベースジャンクションを中心として信号電流を進める。回路はCD1/VS1電流に対しては双方向性を持つ。
【0068】
ホストシステムは、カード検出ピンでの電圧上昇を検出して、カードを励起する。ASIC装置がパワーアップシーケンスを終えると、回路の制御ピンにおける論理レベル電圧で、回路2982と294の何れかが導電状態にあり、また、遮断状態にあるかを判定する。遮断状態にある回路の場合、ハイ論理レベルでトランジスタのエミッターベースジャンクションを介して導通するのを阻止し、かくて装置はオフ状態、エミッターコレクタになる。これにより、回路の信号路が効果的に遮断される。回路292、294の何れかで活性状態にある回路の場合では、制御ピンにおける論理ローレベルで、回路をカード検出状態に維持する。ASICには、電力供給時にカード検出ピンを活性状態にするための対策がとられている。検出状態からの回路の変移は、回路のVS側におけるカード接地に値の小さいコンデンサ334を設けたことにより遅らせているので、ホストから電力が供給された後にASICインターフェース装置をパワーアップする時間が得得られるのである。
【0069】
遮断状態(isolation)は、信号ピンの間で直列/並列に作用するダイオードとトランジスタの有効容量により定まる。最小ジャンクション容量とフォワード電圧降下とでダイオードの選択が定まる。コレクタエミッタ容量、電流利得、飽和電圧なども同様にトランジスタの選択に働きかける。図35aと図35bに示した二個のダイオードを利用した別実施の形態とは異なって、図34aと図34bに示した実施の形態では、一つのショットキーダイオードと一つのPNPトランジスタとを能動導電路に設けているから、カード検出時での全電圧降下量はより小さい。
【0070】
図35aと図35bとは、図34aと図34bの実施の形態に代わる別実施の形態を構成する回路360、361を示している。図34aと図34bに示した最初の実施の形態と同様に、図35aと図35bに示したそれぞれの回路は同一であるが、回路360は正常モードCD1/VS1ピン対に、回路361は反転モード相補ピン対ClkRunN、CAd23にそれぞれ接続されている。代表例として回路360は四個のショットキーダイオード362〜365と一個のバイポーラPNPトランジスタ366とからなり、ベースバイアス抵抗368がカードVCCレールに接続されている。また、小さいコンデンサ370がトランジスタ366と接地との間に介在している。
【0071】
図35aと図35bに示した回路の動作を説明すれば、ホスト側スロットにカードを挿入すると、カード検出ピンに能動ピン対と接続されている回路360または362のフォワードバイアスダイオードを介して電流が供給される。不活性対は、カード検出が終わるまで三状態に保持されている。トランジスタのエミッタベースジャンクションを介して流れた電流は、カード回路のVCCノードにベースバイアス抵抗により制限される。カード検出時ではカードはまだパワーアップされていないから、また、回路負荷抵抗がバイアス抵抗値よりも遙かに小さいから、バイアス抵抗はカード信号接地に効果的に返される。この構成で、PNP装置のエミッタ-コレクタジャンクションを飽和させるのに充分な電流が得られ、信号電流のバルクが電圧センスピンへと残りのフォワードバイアスダイオードを介して流れる。この回路はCD1/VS1電流に対しては双方向性を持つ。
【0072】
ホストは、電圧センスピンでの電圧上昇を検出して、カードを励起する。VCCレールの電圧を供給すると、トランジスタのエミッタベースジャンクションを介しての更なる導通が阻止され、装置はオフ状態、エミッターコレクタになり、かくて回路360、361の両方、即ち、能動カード検出ピンと接続されている回路とバス信号に接続されている回路との両方を通る信号路が遮断される。カードバスインターフェース装置には、電力供給時にカード検出ピンを活性状態にするための対策がとられている。検出状態から遮断状態への回路の変移は、値の小さいコンデンサ370を設けたで遅らせているので、ホストから電力が供給された後にカードバスインターフェース装置をパワーアップする時間が得られるのである。
【0073】
遮断状態は、信号ピンの間で直列/並列に作用するダイオードとトランジスタの有効容量により定まる。最小ジャンクション容量とフォワード電圧降下とでダイオードの選択が定まる。コレクタエミッタ容量、電流利得、飽和電圧なども同様にトランジスタの選択に働きかける。
【0074】
カードバス対応(32ビット)PCカードのカード向き検出については、向きに応じてシステムクロック(CClK)はピン19か、ピン50のどちらかにある。機能回路290はリセットされたままであり、ピン19、50は向き検出回路286によりモニターされている。どちらかの信号が所定回数変移すると、その信号はクロックであるものと識別され、かくてカードの向きが判定される。
【0075】
反転自在32ビットカードバス対応カードのスキームでは、図30に概略的に示したのと同じ基本的電力供給接続回路230が使われている。この回路230による3.3ボルト用32ビットPCカードの検出例を図36に示す。図36の回路230bは図31の回路230aと同一ではあるが、回路230bに、抵抗382と反転器384の直列回路からなるチャージポンプ回路380が設けられている点で異なって下り、前記チャージポンプ回路380はFETのゲート-ソース間に接続されていて、回路構成部品382、384との接続点に制御信号Vpp_OffとVcc_Offが供給されるようになっている。図37は、5ボルト用16ビットPCカードと3.3ボルト用32ビットPCカードの検出回路の両方に利用し得る電力供給接続回路230の別の実施の形態230cを示す。図37の実施の形態では、それぞれに内部チャージポンプ回路が含まれ、内部ドレイン-ソース・バックゲート・ダイオードが使われていないテキサス・インスツルメント社製TPS2021 FET386が使われている。
【0076】
ホストからカードへの電力の供給が遮断すると、或いは、ホストとの接続から切り離すと、電力損失がカードに起こる。カード回路をもとの状態へ適時に戻すには、新たな検出サイクルを開始する必要がある。電力損失後のカード回路の挙動は、Rをカードにおける能動回路の非線形電圧帯電流特性とし、Cをカード非接続とバルクフィルタ容量との全並列容量とするRC時定数で特徴付けられる。
【0077】
32ビットカードバス対応PCカードの場合、電力遮断後での能動回路の挙動は、カードのRC時定数を検出時間よりも小さい間隔に効果的に減少する放電機構を要するようになっている。図38aにおいて、32ビットカードバス対応カードの場合では、カード電源Vccと接地との間に接続した自動トリガー式能動負荷回路(active self triggered load circuit)402を用いることでこれが達成できる。回路402は、nチャンネルMOSFET404とバイポーラPNPジャンクショントランジスタ406とからなる。MOSFET404は、接地接続したゲートバイアス抵抗408を含んでいる。トランジスタ406は、カード電源Vccと接続したベースバイアス抵抗410を含んでいる。ダイオード412とコンデンサ414の直列回路は、Vccと接地との間に介在している。電力を供給した初期段階では、トランジスタ404、406はオフ状態にある。コンデンサ414は貯蔵容量として作用し、ダイオード412を介して供給電圧Vccを蓄える。Vcc供給レール8に対する電圧がなくなると、回路負荷により初めのうちは制御される正味減衰率がVccとなる。コンデンサ414は、放電路が確立するまで(Vcc-Vd)と等しい電圧に充電されたままである。前述の放電路は、前記供給がベースエミッタジャンクションのフォワードバイアス電圧と等しい量だけ減少してトランジスタ406が導電した時に得られる。このトランジスタ406を介して発生する電流により、MOSFET404のゲートにおける抵抗408に正味電圧が発生する。抵抗408の両端での電圧がMOSFET404のゲート閾電圧まで上昇すると、正フィードバック機構が生じる。このトランジスタ404が導通すると、Vcc電圧の減衰率が上昇し、かくてトランジスタ406のベース回路の有効電圧が増加する。正味減衰率は、ミルオームからオーム程度の、MOSFETチャンネルのON状態抵抗(RDSオン)(FETが完全に導通しているとドレイン-ソース抵抗)により定まる。シャント負荷抵抗416は、クローバーのカットオフ電圧以下で放電路を形成して、ASIC装置がその初期状態の回復する電圧以下にVccが降下できるようにしている。32ビットカードバス対応の用途では、この抵抗416の値は一般に10キロオーム程度である。
【0078】
図38Bにおいて、16ビットカードの場合、電力遮断時での減衰率と復帰機構とは、もとの状態に復帰するのに充分ではあり、負荷抵抗420のみがVcc供給源にある。この負荷抵抗42の抵抗値としては、実地では一般に1キロオームから10キロオーム程度が利用される。この負荷付けで、ASIC装置を電力供給遮断時に充分な速度で初期状態の復帰させるのを確実にすることができる。
【0079】
反転自在PCカードの向きが正しく判断されると、ASICは正常動作のためにPCカードインターフェース信号を適当に駆動ないしモニターしなければならない。従って、これらの信号は正常機能のために多重化されている必要があり、このために回路214(図28)、288(図32)が設けられているのである。
【0080】
カードの反転ができない場合、ASICは、双方向ピンのため似ず39に示したのと類似のパッド駆動回路430を通常利用する。この回路430はコネクタピン(n)用のパッド432と68ピンコネクタにあるその他のピン(69-n)用のパッド434とからなる。パッド432には、パッドからSignal(n)Inを供給する入力駆動回路436と、パッド432にSignal(n)Outを供給する出力駆動回路438とが接続されている。信号が出力だけか、または、三状態ドライバだけの場合では、入力駆動回路436は接続されない。同様に、入力だけの場合でも、出力駆動回路438は接続されない。三状態出力駆動回路に出力イネーブルが使われているが、出力のみのパッドには使われていない。
【0081】
カードを反転すると、ASICが検出した向きに応答して信号を多重化するようになる。これには、パッドからの入力と、パッドへの出力とパッドへの出力イネーブル(双方向ピンのため)の多重化が含まれている。
【0082】
図40に示した回路440は、図28と図36に一般に示した回路214、288を実現したものである。回路440は、向き制御信号に応答して上向き用信号路または下向き用信号路を選択するために相補ピン(69-n)における信号で多重化されるピン(n)ごとにパッド432、434と多重化装置442〜447とが接続される態様を示している。ピン(n)からの入力はピン(69-n)からの入力で多重化され、ピン(n)への出力はピン(69-n)への出力で多重化され、ピン(n)への出力イネーブル(OE)はピン(69-n)への出力イネーブルで多重化される。多重化装置442〜447は、ピン(n)がバスに接続されたか、または、ピン(69-n)に接続されたかを判定する向き検出論理からの向き制御信号により制御される。
【0083】
ここまで特定の実施の形態について本発明を詳述したが、本発明は説明した実施の形態の限定するつもりはなく、添付の請求の範囲で定めるべきである。当業者には、本発明の範囲と真髄から逸脱することなく、ここまで説明した実施の形態を改変したり、説明し、図示した種々の構成部品を等価物に置換したりすることが容易に考えられるものである。
【0001】
(技術分野)
本発明は概して、デスクトップ型や携帯型パーソナルコンピュータ、周辺器などのホストシステムを規格型のモジュラ通信プラグを利用して通信転送システムに直接接続するに当り、当該ホストシステムで利用するリムーバブル入出力装置(I/O装置)に関する。
【0002】
(背景技術)
よく知られているように、現今のラップトップ型、ノートブック型、デスクトップ型などのコンピュータのみならず、コンピュータの周辺器やその他の電子製品は、米国カリフォルニア州サンホゼ所在のPersonal Computer Memory Card International Association(PCMCIA団体)が2635Nで規定するPCカード規格に適ったカードの如くにリムーバブル装置が差し込まれるようになっている。このPCカード規格は、その最新版(1997年度版)も含めて、本願明細書の一部をなすものとしてここに挙げておく。PCカード規格では、カードと、該カードが差し込まれるポートないしスロットとの間のインターフェースを含むPCカードの電気的及び物理的仕様を定めている。この仕様には、16ビット用PCカードインターフェースと32ビットカードバス用PCカードインターフェースが含まれている。また、動作電圧も3.3ボルトと5ボルトの二種を定めている。3.3ボルト用カードの物理的なキー機構のお陰で、5ボルト用ホストシステムスロットに差し込まれても当該3.3ボルト用カードが壊れないように保護されている。また、このPCカード規格では、カードの種類としてタイプIとタイプIIとタイプIIIの三種を定めている。これらの三種のカードは長さが85.6ミリ、幅が54.0ミリと同じように定められているが、厚みだけが異なっている。即ち、タイプIカードの厚みは3.3ミリ、タイプIIカードの厚みは5.0ミリ、タイプIIIカードの厚みは10.5ミリとなっている。
【0003】
これらのPCカードは種々の目的に使われている。例えば、タイプIカードは一般に記憶装置として使われ、タイプIIカードは後述の如くのI/O装置として、また、タイプIIIカードは一般に回転型大量記憶装置(ディスクドライブ)を収納するのに使われている。現に、タイプIIカードは主として、携帯型コンピュータの如くのホストシステムのユーザをイーサーネットLANにリンクする通信リンクとして、或いは、ユーザを加入電話線に接続するデータ・ファックスモデムとして、更には、LAN・モデム両用カードとして使われている。一般に広まっている使い方としては、アダプタ用ケーブルを利用して比較的薄いタイプIIカードを、それよりは嵩張っている電話線やイーサーネット通信網の規格型RJ-11ないしRJ-45ソケットに接続している。このような方法には、ユーザはコンピュータ以外に、コンピュータをLANや電話回線に接続するのに一本以上の嵩張るアダプタ用ケーブルを携行しなければならず、そのために携帯型コンピュータの利便性が少なくともある程度、損なわれていると言った問題点がある。それに、アダプタ用ケーブルはなくしてしまうことも、時としてよくあることである。アダプタ用ケーブルのもうひとつの問題点を挙げれば、薄型カードとケーブルとの接続部が如何にも脆弱で、電気接続不良を来すことが多く、そのためにデータが失われることもある。
【0004】
PC規格型タイプII通信カードとRJ型コネクタとの間の前述した不整合性の問題については、タイプIIカードの後端に、RJ型コネクタプラグを受承できるように、その大きさを定めて構成したソケットを囲繞するほどの大きなハウジングを設けることでその問題を解消するようにしている。そのようなRJソケット用ハウジングを設ければ、両端にRJ-11型もしくはRJ-45型モジューラプラグを備えた既存のLAN用または電話回線用ケーブルを利用して厚み5ミリのタイプII通信カードをLANないし電話回線に直接つなげるようになっている。しかし、この方法では、アダプタ用ケーブルを別途用意する必要がないものの、RJ型コネクタを受承するためにカードの後端に設けたハウジングがホストシステム側の囲繞体から突出してしまい、そのために携帯型コンピュータをアタッシェケースなどに入れて運ぶときには、カードそのものを当該コンピュータから外さなければならないことがある。
【0005】
アダプタ用ケーブルを使わないで済ませている別の方法では、RJ型モジューラプラグがタイプII通信カードの格納自在アクセス部に形成した穴に直接差し込まれるようにしている。このことは、例えば1993年2月2日に付与された米国特許第5,183,404号に開示されているところである。もうひとつの方法としては、本願明細書の一部をなすものとしてここに挙げる、1998年6月30日に付与された米国特許第5,773,332号に開示されたものがある。この米国特許第5,773,332号の図21には、タイプIIIカードではあるが、その後端に一対のRJ-xx型ソケット(即にRJ-11型ソケットとRJ-45型ソケット)を設けて、カードをLAN通信網と電話回線との何れか、または両方に接続できるようにしている。
【0006】
一般的なホストシステムのカードスロットは、タイプIIIカードの厚み規格(10.5mm)に合わせてその高さを定めており、タイプIIIカード一枚か、厚みが5.0ミリのタイプIIPCカードを二枚、収容できるようになっている。このスロットには、上下にその長手方向に沿って延在する溝が形成されていて、各対の溝でカードの両長手側壁が摺動嵌入するようになっている。よく知られているように、各カードには一端側に68個の接点があり、そのカードがホストシステムのスロットに完全に差し込まれると当該スロットの後壁に設けられた対応する68本の接続ピンと係合するようになっている。従って、二枚のタイプIIカードを同時に収容できるスロットには、68本の接続ピンが一対、即ち、各カードに対応して上列と下列に並んで設けられている。PCカード規格に従って構成されているキーはカードの長手両側壁の前端に沿って設けられており、そのために各カードが裏返しで差し込まれるのを阻止していると共に、3.3ボルト用カードが5ボルト用スロットに差し込まれて破損してしまうのを防いでいる。
【0007】
前掲の特許文献に開示されているタイプIII通信カードの利点としては、斯かるカードの後部ソケットには、既存ケーブルに設けられているRJ-11型とRJ-45型プラグの如くの標準的なモジューラプラグを直接受承できる点にあり、そのためにアダプタ(「ドングル」としても知られている)を使わないで済んでいる。しかしながら、各カードには特殊ソケットないし組合せソケットが設けられていて、そのために新規通信機能を追加するか、バージョンアップするかの何れか、または両方を行うためには新規カードを購入せざるを得ない。このように新規カードを余計に購入すると、もとのカードと新規カードとを同一スロットで同時に利用することはできないから、それまで使っていたカードは無駄になるか、利用しても役立たずになってしまう。
【0008】
(発明の開示)
従って、ユーザには、通信カードの機能の組合せに多大な融通性がリーズナブルな費用で得られるようにするのが望まれているのである。
【0009】
そこで、本発明の一つの好ましい実施の形態では、タイプIIカードとタイプIIIカードの構造が高いに補足し合うようになっていると共に、重ねてホストシステムのスロットに差し込んでもホスト側の両方の68本の接続ピンとも接続できるように、タイプIIとタイプIIIの形式要素(form factor)を組み合わせたPCカードを提供している。従って、複数のソケット(例えば、RJ-11型、RJ-45型、GSMセルラー型)の種々の組合せを得ることができるのである。また、カード一枚だけでの利用も可能である。よって、ユーザとしては、先ず低費用で一枚の単機能カードを購入してもよいのである。一つかそれ以上の別の機能を使いたいのであれば、その時になって、最初のカードと一緒に同じスロットに同時に差し込める二枚目のカードを購入すればよいのである。
【0010】
詳述すれば、本発明の具体例では、ホストシステムを情報転送システムに接続するために当該ホストシステムにおけるスロットに差し込まれるようにしたPCカードであって、第1及び第2筐体部からなり、第1筐体部には、長手方向に沿って平行に延在する長手側部と、長手中心線と、ホストシステムのスロット内にある対応するホストコネクタと嵌合するようになっているコネクタを備えた第1直交端と、ほぼ直交する第2直交端とが備えあっているハウジングからなるPCカードが開示されている。ハウジングの第1筐体部は、その厚みがタイプIIPCカードの厚み規格に準拠していて、電子回路部品が搭載されている基板を囲繞すると共に、その回路要素にはハウジングの第1直交端におけるコネクタが電気的に接続されるようになっている。
【0011】
ハウジングの第2筐体部は、その上面と底面とは互いに平行になっていて、ハウジングの第1筐体部の第2直交端に取り付けられるようになっていると共に、タイプIIIPCカードの厚み規格にほぼ準拠している。このハウジングの第2筐体部には、ハウジングの第2筐体部の上面と底面とに概ね平行な方向に沿って標準的なプラグを受承するようにその寸法と形状が定められた少なくとも一つのソケットが形成されている。この少なくとも一つのソケットには、標準的なプラグを利用してPCカードを情報転送システムに直接接続されるようにする接点が設けられている。ハウジングの第2筐体部は、その第1筐体部の幅の約半分以下の幅を有しており、従って、当該第1筐体部の長手中心線に対してその片側に設けられている。
【0012】
本発明の別の面では、ハウジングの第2筐体部には、そのハウジングの第1筐体部における第2直交端とほぼ平行になっている直交端が備わっている。少なくとも一つのソケットが第1直交端に向かって延在しているので、長手軸とは概ね平行する方向に沿って標準的なプラグがそのソケットに差し込まれるようになっている。
ハウジングの第1筐体部における平行な長手側部の間隔が、PCカードの幅規格にほぼ準拠した幅を画成している。
また、本発明の別の面では、PCカードの全長は、ハウジングの第1筐体の第1直交端からそのハウジングの第2筐体の直交端までの間隔であり、これもPCカードの長さ規格に準拠している。
【0013】
以上のことから、前述の構成のカードの特定の実施の形態を平面視すると、カードのタイプIII部分は長手軸の片側にあって、その幅はタイプII部分の幅の約半分以下となっている。本発明による一枚のカードは、ホストシステムにおけるPCカードスロット内の上側溝か、下側溝の何れかに差し込めるようになっており、それに応じてホスト側の上側か、下側の68ピン型コネクタと接続されるようになっている。カードスロット内の上側溝と下側溝を利用する場合、溝の位置に応じてPCカードを裏返して利用できるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明によればカードを二枚重ねて、一方のカードのタイプIII部分と整合させた上で、他方のタイプIII部分近傍の空洞を占有する、或いは、その中に収容させることができるのは明らかである。よって、重ねた二枚のカードの全厚はタイプIIIカードの厚みと等しく、重ねたカードのそれぞれの68接点型コネクタはホスト側に二列備わっている68ピン型コネクタと接続されることになる。重ねたカードは何れの方向からでもスロットに挿入できる。
【0015】
本発明によるカードは、更に別の面からして、ホストシステムのスロットに挿入するに当たっては、表面を上向きにして差し込んでもよいし、または、裏返して裏面を上向きにして差し込むこともできるようになっている。このような裏返しでの利用ができるようにするために、従来のPCカードの長手側部の前端に通常設けられているキーをなくしている。しかし、接点とピンとを利用した68位置型コネクタ構成は物理的には垂直及び水平中心線を中心として対称構成になっているけれども、ピンの割当ては電気的には対称とはなっていない。従って、本発明のカードには、供給電圧の管理と、必要に応じてカード側コネクタの種々のピンに現れる信号の配分(direct)(または、カードが裏返しされた場合では再配分(redirect))のために、カードの有無、種類、向きを電子的に検出する回路を設けている。本発明のこの面によれば、このような回路は、カードの機能回路の他に、向き検出状態機構(orientation detection state machine)と信号マルチプレクサとを組み込んだアプリケーション専用集積回路(ASIC)からなる。
【0016】
向き検出状態機構は、16ビットカードの場合では或るバスインターフェース制御信号に応答して、また、32ビットカードの場合ではホストシステムのクロック信号に応答して、向き制御信号(Card_FlippedまたはCard_Not_Flipped)を発生するようになっている。信号マルチプレクサは、向き検出状態機構から出力された向き信号に応答してカード機能回路にカードインターフェース信号を配分ないし再配分(裏返しカードの場合)するようになっている。ASICに対して外部の第1回路はホストシステムに対して、ホストシステムのPCカードスロットにカードが挿入されたことを報知して、ホストシステムがカードバスの種類(16ビットか、32ビットか)を識別すると共に、それに必要な電圧(5ボルトか、3.3ボルトか)を供給できるようにする。ASICに対して外部の第2回路は向き検出状態機構からの向き信号に応答して、ホストシステムと、何れかの向きにあるカードとの間での電力供給接続を管理する。ここで重要なのは、ホストシステムのハードウェアやソフトウェアには何ら改変を施す必要はなく、カードが何れの向きにあっても、当該カードが充分機能するのに必要な回路は全てカードそのものに含まれていることである。
【0017】
詳述すれば、5ボルト用16ビットカードの場合では、そのカードが挿入されていることとその種類は、そのカードが表面上向きに挿入されていても、また、表面下向きに挿入されていてもホストシステムにおけるカード検出ピンをプルダウン抵抗を介して接地接続する一方、電圧センスピンを開放状態に維持することでホストシステムで検出されるのである。
【0018】
3.3ボルト用32ビットカードバス対応カードの場合では、そのカードが挿入されていることとその種類は、ASICの外部回路を介してカード検出ピンCD1と電圧センスピンVS1とを短絡する一方、カード検出ピンCD2をプルダウン抵抗を介して接地接続し、電圧センスピンVS2を開放状態に維持することにより、カードに電力が供給される前にホストシステムで検出されるのである。
【0019】
32ビットカードバス対応カードの場合でのカードの向きは、システムクロックピンと62ピンバスインターフェースにけるそれに相補するピンとをモニターすることにより判断できる。これらのピンの何れかにある信号が所定回数だけ変転(transition)すれば、変転したピンがクロック信号を搬送しているものと識別されるから、それでそのカードの向きが表されることになる。
【0020】
16ビットPCカードはホストシステムのクロックを利用しないから、本発明によれば、そのカードの向きを判定するのに別の方策を採ることができる。一般に、この場合では、68ピンバスインターフェースにでてくる或る命令信号とリセット信号とをモニターして、リセットが行われる前と後とで命令信号が安定しているかどうかを判断すればよい。
【0021】
本発明による32ビットカードバス対応PCカードと16ビットPCカードには、向き検出状態機構からの向き信号に応答して動作することで、電源接続(VccとVpp)を管理する回路が含まれている(回路接地ピンは、カードが表面上向きであっても、また表面した向きであっても一列になっているから、当該回路接地ピンについては考えなくてもよい)。
【0022】
(発明を実施するための最良の形態)
本明細書において用いる「表」、「裏」、「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「表面上向き」、「表面下向き」などの用語は、図示のPCカードの構造の説明の都合で用いたものであって、カードはどのような向きにあっても利用できるのは理解されよう。
【0023】
また、本発明のリムーバブルI/O装置は広範囲の利用性を持つものであって、通信用コネクタシステム(例えばモデムやイーサーネットLAN)と非通信用コネクタシステム(例えばビデオ、同軸、BNCなど)との両方を含む種々の標準的コネクタシステムとも利用できるものではあるが、本発明の説明は主として、本発明における特定の典型的な実施例としてRJ型標準モジューラコネクタに接続できるリムーバブルPCMCIA通信カードに適用したものとして行うものとする。ここで、「RJ型」標準モジューラコネクタとは、RJ-11やRJ-45を意味し、或いはそれと同じ類のコネクタ、例えば電話回線接続用、モデム用、LAN用のコネクタを意味する。
【0024】
RJ型やその系列コネクタについての、その寸法諸元などを含む詳細な情報については、米国政府刊行物である法典第47号(遠隔通信)である連邦法律施行規則の第1章(連邦通信委員会)第68部(端末装置における電話回線通信網との接続用コネクタ)におけるサブパートF(コネクタ)のセクション68.500(仕様)(1998年10月1日改訂)に含まれている。この刊行物はウェブサイト、http://www/access.gpo.gov/nara/cfr/waisidx_98/47cfr68_98-htmlでみることができ、その内容を本願明細書の一部をなすものとして、ここに挙げておく。
【0025】
図1に、一例としてノート型コンピュータ10からなるホストシステムを示す。このノート型コンピュータ10の片側にPCMCIA標準スロット12があって、PCMCIAインターフェース規格に合致していると共に、本発明を実施した装置14の如くの着脱自在通信装置がそのスロット12に挿入されるようになっている。後述するように、通信装置14は、例えばイーサーネットLANアダプタと電話回線用モデムを組み合わせてもよい。
【0026】
図2から図4に、従来のタイプIIPCカード20の上面図、前面図、側面図をそれぞれ概略的に示す。カード20は上面22と底面24と、その長手方向に平行に延在する側突条レール26、28とを備えている。また、このカード20の全部には相互接続域をなすマージン30が設けられている。カードのこの前部マージン30には、ホストシステム側のスロット内に設けられている68ピンホスト側コネクタと整合するようになっている68接点カードコネクタ32が配置されている。参考のために説明すると、図3に示すようにコネクタ32の接点列の四箇所の隅部は、接地接点位置1、34、35、68がそれぞれ占有している。
【0027】
図5と図6とは、ホストシステム10におけるPCカードスロット12の後壁38に装着してある上下二列配置の68ピンホスト側コネクタ34、36の前面図と側面図をそれぞれ示す。上列ホスト側コネクタ34の四箇所の接地ピン位置1、34、35、68が図示されている。各列のホスト側コネクタ34、36の68ピン群(カード側コネクタの68接点群も同様)は、34本のピンが二列に並んで構成されており、合計68本のピン群が垂直及び水平中心線40、42を中心として物理的に対称配置になっている。しかしながら、電気的には、標準PCカードインターフェースのピン割当ては対称にはなっていない。従って、従来のカード20とホストシステム10とが適切にインターフェース接続されるようにするためにも、このカード20とホスト側コネクタ34、36とは、カード20だけが表面上向き、即ち、上面22を上向きにした状態で差し込んで完全に挿入されるように、物理的に鍵をかけている(調製してある)。従って、カードの長手側突条レール26の前端に、ホスト側コネクタにある突条を受承するスロット44を水平中心線42を対称に形成している。また、突条28の前端には切欠き46を設けて、ホスト側コネクタにある補間形状の突起がその切欠き46に嵌合するようにしている。この切欠きのPCMCIA標準高さは、図2から図4に示した5ボルト用カードの切欠きと、3.3ボルト用カードの切欠きとの二種ある。このようにして、3.3ボルト用カードが5ボルト用スロットに完全に差し込まれるのを阻止している。
【0028】
図7は、従来のタイプIIカード20を二枚重ねて差し込んだときに長手側突条レール26、28が、ホストシステムのスロット12における溝50、52にそれぞれ嵌合している状態を示す横断図である。
【0029】
図8から図12に、本発明の第1実施の形態による通信装置60を示す。この通信装置60は、第1筐体すなわち前部筐体64と第2筐体すなわち後部筐体66とを有するハウジング62からなる。ハウジングの第1筐体64は長手方向の中心線68を有すると共に、この中心線68から等距離だけ両側に隔てた長手方向に平行に延在する側マージン70、72をも有している。ハウジングの第1筐体における長手側マージン70、72には、図7に示した態様でPCカードスロット12にある側溝と係合する側方突条レール74、76が備わっている。ハウジング62の第1筐体64は、その厚みT1が前述したようにタイプIIPCカード厚み規格とほぼ一致するようになっていて、5.0ミリ厚である。また、このハウジングの第1筐体64には、ホストシステム10におけるスロット12内にある何れかの列の68ピンコネクタと係合する標準68接点コネクタ80の設けられている長手方向に直交する直交前端部78が設けられている。更に、ハウジングの第1筐体64は上面82と下面84とを有している。86は、ハウジング62の第1筐体64のほぼ直交する後端を示す。
【0030】
ソケット部とも呼ぶハウジング62の第2筐体66は、第1筐体の後端86に取り付けられてそこから突出している。ハウジングのこの第2筐体は、上面88と、この上面に平行な下面90と、長手方向に直交する直交後端92とを有している。本発明の一例としての実施の形態では、ハウジングの第2筐体66の下面90は、ハウジングの第1筐体64の下面84の単なる延長部からなる。ハウジングのこの第2筐体は、その高さT2は前述したようにタイプIIIPCカード厚み規格とほぼ一致するようになっていて、10.5ミリである。ハウジング62の第2筐体66は、ハウジング62の第1筐体64における長手側突条レール74の延長部からなる長手側突条レール94を備えている。
【0031】
尚、ハウジング62の第2筐体66の幅はこのハウジング62の第1筐体64の幅の約半分であり、しかも、このハウジングの第2筐体は、平面視した場合でのカード60が概ねL字形を呈するように長手中心線68の片側に配置されている。この実施の形態によれば、ハウジングの第2筐体は、長手中心線68を含む垂直面と面一となる後方延在の垂直壁96を備えている。ハウジング62の第2筐体66は、添付図面に示したものよりも幾らか幅の狭いものとすることもできるが、最も好ましい実施の形態としては、ハウジングのこの第2筐体の幅は、図9に示したように長手中心線68から右方に張り出さないようにするのが望ましい。
【0032】
ハウジングの筐体64、66は従来公知の方法で、Lexan(商品名)か、類似の高衝撃強度のプラスチック材で成形作製してもよい。これらの筐体64、66は別々に成形して、接着材ないし超音波溶着により接続線98に沿って互いに分離不能状態に組み合わせてもよい。筐体64、66を別々に成形したり、ハウジング62を別々に成形すると、製造が容易になるが、それとは別に、筐体64、66を共成形、即ち、一体構成として成形することで、一体型ハウジングを形成することもできる。
【0033】
図9と図11とに示すように、ハウジング62の第1及び第2筐体には内部空洞100が形成されている。ハウジング62におけるこの空洞100内には、上面とした面とに集積回路やその他の電子回路部品104を搭載した印刷回路板(PCBA)102を構成する基板が配置されている。68接点コネクタ80は基板102の前方マージン108に装着されており、このコネクタから後方へ延在するリード110はPCBA102の前方マージンに沿う端子部に半田付けされている。平面視して、このPCBA102は、ハウジング62の第1筐体64に収まるようにした比較的広い前部112と、ハウジングの第2筐体66に収まるようにした、後方に延在する狭い部分114とからなるほぼL字形を呈している。PCBA102の後方マージン116には、標準的なRJ型モジューラプラグの接点と係合するようになっている線接点120を担持する接点ブロック118が装着されている。このような接点ブロックについては、前述した米国特許や特許出願に詳細に開示されている。
【0034】
ハウジング62の第1及び第2筐体により画成されている空洞100は、ほぼL字形の底部シート金属製カバーパネル126により塞がれており、このカバーパネル126は、ハウジング62の第1及び第2筐体の長手側部に沿う表面とそれぞれ係合する直立ロック用タブを備えた長手側部128を有している。このようなカバーパネルや、このカバーパネルがハウジング構成部品に取り付けられている態様などについては従来公知であるので、ここでは詳述しない。
【0035】
図8から図11までに示した通信装置60の幅は、PCカードの規格幅である約54.0ミリにほぼ合致するようになっている。同様に、通信装置60の全長、即ち、ハウジングの第1筐体64の直交前端78からハウジングの第2筐体66の直交後端92にかけての長さは、PCカードの規格である約85.6ミリにほぼ合致するようになっている。本発明の特定の実施の形態によれば、ハウジング62の第1筐体64の、直交前端78から直交後端86までの長さは、約55.8ミリであるのが望ましい。この場合、ハウジングの第2筐体66の長さは約29.8ミリとなる。
【0036】
ハウジング62の第2筐体66には、通信装置60を情報転送システムに直結するための標準的な通信プラグが差し込まれる少なくとも一つのソケットが備わっている。図示の実施の形態ではそのソケットは二個あるものとして、130と132とで示してある。ソケット130は、データ・ファックスのモデム送信のために電話回線と直接接続する標準的なRJ-11モジューラプラグが差し込まれるものであってもよく、他方、ソケット132は、イーサーネットLANと直接接続する標準的なRJ-45モジューラプラグが差し込まれるものであってもよい。これらのソケット130、132の詳細については、前掲の米国特許と米国出願に開示されている。
【0037】
通信装置のハウジングは、デジタルホストシステムと情報転送システムとの間をとりもつ回路構成部品が搭載されている基板ないし印刷回路板を収容するものである。斯かる回路については公知なので、ここでは詳細に説明しない。ただ、基板はハウジングの第1筐体に完全に収納されているか、必要に応じてその一部がハウジングの第2筐体に収納されている。ハウジングの第2筐体におけるソケットには、複数の電気接点があって、このソケットに差し込まれるようになっている標準的なモジューラプラグにある対応接点と係合するようになっている。同様に、ハウジングの前端にある68接点ソケットも、従来公知の態様で基板上の回路部品と電気接続されるようになっている。RJ型モジューラプラグの一例は図1にほぼ示してある。
【0038】
ここで図5から図7をも参照して、図8から図12に示した通信装置60は「表面上向き」状態で示されている、即ち、上面82、88がホストシステムに対して情報に向いた状態で示されているが、その状態でホストシステムのPCカードスロット12のおける下段溝50、52に差し込まれていて、通信装置の前端にある68接点コネクタはスロット内にある下段68ピンコネクタ36と接続されている。本発明の別の面によれば、通信装置60は、その下面84、90が上向きとなるように裏返しして、PCカードスロット12の上段溝50、52に差し込んで、スロット内の上段68ピンコネクタ34と係合するようにすることもできる。これができるためには、通信装置の長手側部の前端に沿って従来より設けられているキー44、46をなくしている。しかしながら、通信装置60には、表面上向きにしても、また、表面下向きにしても何れにも対応できるようにする回路が後述のように設けられている。従って、通信装置60は、スロット12における上段68ピンコネクタ34と下段68ピンコネクタ36の何れをも利用できるように差し込むことができるのである。
【0039】
通信装置60がこのような機能と構成とを有しているから、二つの通信装置60を、一方は表面上向きで、他方は表面した向きで互いに組み合わせて、上下段の68ピンスロットコネクタと接続できる複合通信装置140を構成できるのは明らかである。この点について図13から図17を参照しながら説明すると、本発明による二枚のカード60は、一方の装置60におけるハウジング62の第2筐体66が、他方の装置60におけるハウジングの第2筐体66近傍のスペース142に収納した形で合体されているのが分かるであろう。各カード60の上面82に設けた突起と凹所144、146と、垂直壁96に設けた係合突起148とからなる相補位置決め手段を設けて、二枚のカードが正確に位置決めされた状態で合体されると共に、その状態でホストシステムのスロット12に適切に差し込まれるようにするのが望ましい。互いに合体したタイプIIの第1筐体64は一緒に重なればタイプIIIカードの厚みを持つようになり、そのため、タイプIIIカードの厚みにほぼ等しくなる。前述したように、この複合通信装置ないし組立体140は、ホストシステムに、表面上向き(図17)の状態か、表面下向きの状態で完全に差し込むことができ、何れの向き状態にあっても68接点前部コネクタはPCカードスロット12内で対応する上下段コネクタと接続されるようになる。
【0040】
図18aから図18cまでは、本発明の通信装置を複数の情報転送システムの内の一つ、或いはそれ以上と接続するようにした第2筐体すなわち後部筐体66a〜66cの変形例を幾つか示したものである。即ち、図18aでは、ハウジングの第2筐体は、イーサーネットLAN通信だけのためにRJ-45プラグが差し込まれる一つの能動ソケット150を備えているのみである。この場合、通常は第2ソケットを画成することになるRJ-45ソケットの隣の部分はプラスチック製入れ子152により塞がれている。図18Bの例では、ハウジングの第2筐体部は、通信装置がモデムインターフェースと周辺器(例えばセルラー電話)用インターフェースの両方として機能するようになっている。図18cでは、周辺器用コネクタを受承する周辺器用ソケット154として形成されており、隣の部分は塞がれている。また、図示はしていないが、ハウジングの第2筐体部に同一構成のソケットを形成して、モデム用とスルーパス接続用のRJ-11プラグがそれぞれ差し込まれるようにしてもよい。尚、本発明の通信装置は、ユーザにとっては単一の通信装置として使ったり、或いは、前述したように二枚の通信装置を合体したりして広範囲のオプションが選べるようになっているのは明らかである。
【0041】
図19と図20には、長さを伸ばした本発明の実施の形態を示す。図19と図20に示した通信装置160は、第1筐体すなわち主筐体164と第2筐体すなわち後部筐体166とを有するハウジング162からなる。ハウジングの第1筐体164は、PCカード規格で規定の長さ(85.6ミリ)にほぼ合致するようになっている。図20に示したように、このように長さを伸ばした通信装置60は、ホストシステム10のスロット12内に完全に差し込まれるようになっており、ハウジング162の第2筐体そのもの、或いは、少なくともその一部分はホストシステムの側壁から外方に突き出すようになっている。このように外部に張り出していることから、この実施の形他はあまり好ましいものではないが、ハウジングの第1筐体部が長くなっていることから、より広い利用領域を有する基板ないしPCBAを組み込むことができる利点がある。
【0042】
尚、ハウジングの第2筐体におけるソケットは、長手方向に沿った挿入方向から対応するプラグが差し込まれるようにその向きが定まっているのが望ましいのではあるが、ソケットの向きは、差し込まれるプラグの上面と下面とが装置のソケットを画成する第2筐体の上外面と下外面とそれぞれほぼ平行に保持できる限りにおいて、ある程度長手方向から逸れた方向から対応するプラグが差し込まれるように如何様にも変えることができる。
【0043】
また、ハウジングの第2筐体には、図示したものに限られず種々のコネクタ・ソケット組合せを設けてもよい。更に、ハウジングの第2筐体は、米国内用と外国用との何れか、または両方の複数のデータないし情報転送システムのどれか一つ、或いはそれ以上に接続されるようにしてもよい。その他のコネクタとしては、それには限られないが、ミニDIN、BNC/同軸、D-sub、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE-1394コネクタが挙げられる。本発明による特定の通信装置には、タイプIIIカード形式要素と特に10.5ミリ制限高の範囲に収まる、関係業界で従来公知の標準コネクタを一つ、または組み合わせて設けることもできるものである。
【0044】
図21から図23に示す本発明の別の実施の形態では、反転自在通信装置ないしカード60に充填部材170を設けており、その装置ないしカード60だけが使われる場合に利用されるようになっている。この充填部材170は、カード60のL字形形状に合わせてL字形を呈しており、一体成形型シート様プラスチック材として低廉に製造することができる。この充填部材170は、タイプIIIPCカード規格に合致する厚みの後部172を有している。この充填部材の後部172は、カード60の第2筐体66近傍のスペース142を占有するようにその形状が定めており、その前部174の上面176は緩やかにカーブを描く湾曲面に仕上げられている。
【0045】
本発明による通信装置は32ビットカードバス規格に合致するものとしてもよく、その規格に合致させる場合、68接点前部コネクタの上面に接地接続板を設ける。斯かる接地接続板の一例は、本明細書の一部をなすものとしてここに挙げる1999年8月17日に付与された米国特許第5,940,275号に開示されている。よく知られているように、カードバス様接地接続板は、カードがスロットに完全に挿入されると、ホストシステムのスロットの内側にある接地端子と接触するようになっている。前述したように、本発明の原理によるPCカードは、表面上向きの状態にしても、また、表面下向きの状態にしてもホストシステムのスロットに差し込めるようになっている。従って、本発明のまた別の面によれば、図24と図25とに示すように、68接点前部コネクタ184の上面182に接地接続板180を備えているばかりではなくて、そのコネクタの下面188にも接地接続板186を備えたカードバス対応PCカードも実施の形態の一つである。上部接地接続板180には、PCBAにおける接地トレースと接続する半田末端(solder tail)が設けられている。この半田末端は、下面接地接続板186にはなくてもよい。その代わり、下面接地接続板186は、前部コネクタの端部196、198近傍にあるU字形導電片192、194に機械的かつ電気的に連なっている。従って、カードをホストシステムのスロットに表面下向き状態で差し込むと、下部接地接続板186はスロット内の接地端子と係合し、かくて、PCBA接地トレースへの接地接続路が端部導電片192、194と上面接地接続板180とを介して醸し出されることになる。
【0046】
本発明のまた別の面として、16ビット及び32ビットカードバス対応PCカードの反転自在挿入を可能とする電子回路も含まれており、その説明を以後に行う。
【0047】
A.電子回路のあらまし
既に説明したように、ホストシステムにおけるPCカード用スロットでは68ピンコネクタを利用している。このカードを反転して、即ち、表面下向きの状態でホストシステムのPCカードスロットに差し込むと、通常はホスト側コネクタのピン01と接続されることになるカードコネクタの接点位置01はホスト側のピン68と接続される。同様に、通常はホスト側ピン02と接続されることになるカードコネクタの接点位置02はホスト側ピン67と接続される、と言ったようなことが他の接点位置についても起こる。従って、一般的な場合では、表面上向き状態でカードを挿入したときにホストシステムのピン(n)に通常接続される接点位置(n)は、カードを反転していると相補ピン(69-n)に接続されることになる。図26と図27に、16ビットPCカードと32ビットカードバス対応カードでの標準的なPCカードピン割当ての完全なリストを示すが、そこでのリストはピン番号01〜68を基準にしている。図示の方向は、特定の信号が双方向信号(B)か、出力信号(O)か、三状態出力信号(tri-stateable output)(T)か、入力信号(I)かどうかを示している。
【0048】
68位置PCカードコネクタの種々のピンに現れる電気信号は非対称になっていることから、従来のPCカードを誤って差し込むと、正常に機能しないばかりか、カードそのものが破損することがある。本発明では、PCカードをホストシステムに対して表面上向きにしても、また、表面下向きにしても、何れの状態で差し込むことができるようにしていることから、破損に対する安全策を採っていると共に、何れの状態で差し込まれても完全に機能できるようにしている。その能力があることから、カードの差し込みに当たって向きを一つの方向に制限することなく、ホストシステムにおけるPCカード挿入溝に嵌合する、前述した如くの新製品の創作が可能なのである。
【0049】
また、PCカードを上向き状態と下向き状態で挿入できるようにした場合、幾つかの問題点がある。即ち、カードの有無と種類の検出、カードの向きの検出、電源接続と管理、それに信号の多重化をどうすべきかの問題点がある。これらの問題点については、図28から図40に示したカード回路をとることにより解消できる。基本的には、そのような回路は、アプリケーション専用集積回路(ASIC)と、このASICの外部回路で、装置をホスト側スロットに挿入できるようにすると共に、何れの向きにあっても充分機能できるようにする関連回路とからなる。ASICと関連回路とはPCカードの種類に応じて異なっている。
【0050】
従来のPCカードをホストシステムのスロットに差し込むと、ホストシステムは、カードの挿入と挿入されたカードの種類とを、前記スロットへの電力供給開始に先立って判定するスキームを利用するようになっている。この従来のスキームでは、68ピンコネクタでの一組の四種の信号、即ち、カード検出信号CD1(ピン36)とCD2(ピン67)、電圧センス信号VS1(ピン43)とVS2(ピン57)をホストシステムが駆動、モニターするようになっている。これらの信号はASICに供給しなければならないことから、ASICには、チップに電力が供給される前では、即ち、ホストシステムがカードの有無を検出してその種類を判定している間、高インピーダンス状態になる特殊バッファを備えていなければならない。ホストシステムが5ボルト用反転自在16ビットPCカードを適切に検出できるためには、CD1とCD2とは接地接続し、VS1とVS2とは開放されていなければならない。3.3ボルト用反転自在カードバス対応PCカードの場合では、当該カードの挿入を適切に検出するためにはCD1とVS1とを互いに短絡し、CD2は接地接続し、VS2は開放されていなければならない。
【0051】
カードの挿入とその種類の検出の後では、68ピンコネクタにおける適当な信号を駆動ないしモニターするためにカードの向き(上向きか、下向きか)を判定する必要がある。本発明によれば、ASICには向き検出状態機構が設けられており、この機構がカードの種類(16ビットか、32ビットか)に特有のバス信号を利用して、カードが上向きか、下向きかを表す制御信号を出力するようになっている。
【0052】
電源及び接地接続については、カードを反転すると接地ピンは適切に整合する(line up)が、カードのVcc電圧接続(ピン17とピン51)はVpp接続(ピン18とピン52)と整合するようになる。Vpp信号がホストからプログラミング電圧を供給してしまい、これらがPCカードVcc電力供給源に接続されるのは望ましくない。従って、ASICの外部回路が、向き検出状態機構が出力する向き制御信号に応答してVpp電源を遮断する。最後に、カード機能回路に接続した信号マルチプレクサが、向き制御信号に応答してバスインターフェースとの間での種々の相補単方向信号、双方向信号、三状態信号(tristateable signal)を多重化する。
【0053】
B.5ボルト用反転自在16ビットPCカード
図28には、68接点I/Oバスインターフェースコネクタ208(本明細書においては、68ピンカードコネクタとも言う)を有する16ビットPCカード206がホストシステムにおけるPCMCIAスロットに上向きの状態でも、また、下向きの状態でも差し込めるようにするシステムの機能ブロック図を示す。図28のシステムは、向き検出状態機構212が組み込まれているASIC210と、信号マルチプレクサ214と、従来のカード機能回路216とからなり、従来のカード機能回路216は、制御器、インターフェース、それにホストシステムがイーサーネットLANや公衆電話交換網などに標準RJ-45及びRJ-11コネクタを介して接続されるようにするアダプタ回路とで構成されている。ライン218に表れるものとして集合的に示した或る命令信号とライン220におけるカードリセット信号とは、向き検出状態機構212がそれらを利用してカードの向きを判断するようになっており、判断結果に応じて「Card_Flipped(カード反転)」と「Card_Not_Flipped(カード非反転)」制御信号222、224を出力する。
【0054】
図28のシステムには、ASIC210の外部回路として、カード有無検出回路226とカード種類検出回路228とを含む回路と、カードの向きとは無関係にライン231を介してカードに正確な供給電圧(Vcc)を供給する電力接続回路230とが備わっている。カード検出回路226はライン232、234を介して、68ピンカードコネクタ208におけるカード検出CD1(ピン36)とその(69-n)相補端子であるIOISI6#(ピン33)とにそれぞれ接続されている。カード検出回路228は、図28に示したライン236、238を介してカード検出CD2(ピン67)とその(69-n)相補端子であるData03(ピン02)とにそれぞれ接続されている。電力接続回路230は、(a)ライン240を介して電圧供給源Vcc1、Vcc2(ピン17、51)の両方に、また、(b)ライン242を介して電圧供給源Vpp1、Vpp2(ピン18、52)にそれぞれ接続されている。
向き検出状態機構212から出力される制御信号222、224は、電力接続回路230と信号マルチプレクサ214(ライン243を介して)とを制御するようになっている。
【0055】
図29に、68ピンコネクタ208とASIC210との接続関係を詳細に示しているが、両者間の接続は、説明するまでもなく容易に理解されるところである。前述したように、5ボルト用反転自在16ビットPCカードの場合では、カード検出を正確にするためにはCD1とCD2とは接地接続し、VS1とVS2とは開放しておく。これは、カードの向きに拘らずCD1とCD2及びそれらの相補端子IOISI6#とData03におけるプルダウン抵抗を設けることにより達成できる。従って、カード検出回路226はCD1を接地接続する第1プルダウン抵抗244と、IOISI6#を接地接続する第2プルダウン抵抗246とからなる。同様に、カード検出回路228も、CD2と接地との間に接続した第1プルダウン抵抗248と、Data03を接地接続する第2プルダウン抵抗250とからなる。
【0056】
反転自在16ビットカードの向きの検出については、PCカードサイクルを制御するためにホストシステムにより駆動される或る一組の命令信号が使われる。カードを反転した場合、これらの命令信号の幾つかが、リセット信号と共にアドレスピンに供給されるようになる。アドレスピンの挙動は不確定だが、リセット信号と命令ラインの挙動は16ビットカード仕様により定められている。リセットが終わった(deasserted)後では、命令ラインは定位であって、不活性状態になっていなければならない。向き検出状態機構212はこれらの命令信号の挙動を利用してカードの向きを検出するのである。チップがパワーアップされると、このチップの機能回路はリセット状態となり、出力制御信号が不活性状態になる。ところで、カードの向きが正常であっても、また反転されても、向き回路212は入力リセットと命令信号ピンをモニターしている。一組の信号の挙動がリセット及び命令ラインと一致すると、カード向きが確定する。
【0057】
反転自在16ビットPCカードの実施の形態では、二つのフリップ状態モジュール(flipstate modules)、即ち、カードがあたかも上向き状態で差し込まれたかのように信号をモニターするモジュールと、カードが反転状態で差し込まれたかのように信号をモニターするモジュールとを利用している。詳述すれば、図29と図26とを参照して、向き検出状態機構212により利用された命令信号218は、図29に示したライン252〜257にでてくるバス信号CE1#、CE2#、OE#、WE#、IORDN、IOWRNからなり、これらのラインはコネクタ208のピン07、42、09、15、44、45にそれぞれ連なり、対応するパッドがASIC210に設けられている。これらの命令信号が全て定位であり、不活性状態であれば、PCカードバスはアイドル状態にあるものとみる。下記のアルゴリズムは、命令信号とリセット信号とをモニター(look)して、リセットを行った前後に命令信号が安定しているかどうかを判定するものである。
【0058】
バスがアイドル=IORDN # IOWRN & WE# & (OE#|(CE1# & CE2#))
ASIC状態機構疑似コード
状態(リセット)
リセット状態が((充分な時間が経過している)でない)である
バスがアイドルであれば、
タイマーを増加せよ
その他の場合では
タイマーを0にリセットせよ
リセットし、充分な時間が経過している場合、
タイマーをリセットせよ
NO_RESET状態へ移動せよ
状態(NO_RESET)
リセット状態が偽である
バスがアイドルであれば、
タイマーを増加せよ
それ以外では、
タイマーをリセットせよ
(バスがアイドル)でない場合、
リセット状態へ戻れ
充分な時間が経過した場合、
パス状態へ移動せよ
状態(パス)
タイマーを0にリセットである
リセット状態は偽である
(バスがアイドル)でない場合、
リセット状態へ戻れ
それ以外では
その他の状態機構のリセット状態が真であれば、
状態一致へ移動せよ
状態(一致)
タイマーは0である
リセット状態は偽である
検出向きは真である
【0059】
前述したように、反転自在PCカードの別の構成で考えられることに、スロットにおける電力と接地接続が挙げられる。カードが反転されていると接地信号は適切に整合(line up)するが、電力接続VccはVpp接続と整合する。Vpp信号はホストからプログラミング電圧を供給することがあり、これらがPCカード電力供給源に供給されるのは望ましくない。従って、Vpp源を断つために回路230を利用している。図30において、ASICからライン222における向き制御信号Card_Flippedが、68ピンコネクタ208にあるVccピンと接続した第1電子スイッチ手段260に供給される。ライン224における向き制御信号Card_Not_Flippedは、68ピンコネクタ208のVppピンと接続した第2電子スイッチ手段262に供給される。向きが判断されると、これらの向き制御信号はVcc源を接続状態に、Vpp源をオフにする。
【0060】
図31に、反転自在16ビットPCカードに利用できるものであって、pチャンネルMOSFET264、266からなる回路230の第1実施の形態230aを示す。PCカードへのVppとVcc供給源は、PCカードをパワーアップするとオンになる。VppFET264とVccFET26とは、それぞれプルダウン抵抗268、270により受動的にオンにされる。従って、カードVccはVcc、Vppホスト電力供給源により供給される。ASICからのVppOff信号とVccOFF信号とが、ASICがスロットにおけるPCカードの向きを判断するまで三状態(tri-stated)になっている。ASICが一旦PCカードの向きを判断すると、ASICは、適当な制御信号、Vpp_Off(Card_Not_Flipped)またはVcc_Off(Card_Flipped)、をカードVccレベルにすることにより、カードスロットのVpp電力ピンに物理的に接続されているFET264またはFET266をオフにする。回路が適切に機能するためには、内部にドレイン-ソースバック-ゲートダイオードを持たないFETを利用することである。また、充分なゲート-ドレイン電圧(gate to drain voltage)をFETに供給して、FETでのON状態電圧降下を最小限にする必要がある。
【0061】
C.反転自在32ビットカードバス対応PCカード
図32に、68接点I/Oインターフェースコネクタ282(68ピンカードコネクタとも言う)を有する32ビットカードバス対応PCカード280が、上向き状態と下向き状態の何れかでホストシステムのPCMCIAスロットに差し込めるようにするシステムの機能ブロック図を示す。図32のシステムは、向き検出状態機構286が組み込まれているASIC284と、信号マルチプレクサ288と、従来のカード機能回路290とからなり、従来のカード機能回路290は、制御器、インターフェース、それにホストシステムがイーサーネットLANや公衆電話交換網などに標準RJ-45及びRJ-11コネクタを介して接続されるようにするアダプタ回路とで構成されている。
【0062】
図32のシステムには、ASIC284の外部回路として、カード有無及び種類検出回路292、294、296とを含む回路と、カードの向きとは無関係にライン298を介してカードに正確な供給電圧(Vcc)を供給する前述の電力接続回路230とが備わっている。カード検出回路292はライン300、302を介して、68ピンカードコネクタ282におけるカード検出CD1(ピン36)とVS1(ピン43)とにそれぞれ接続されている。カード検出回路294は、ライン304、306を介してカード検出CD23(ピン26)とCLKRunN(ピン33)とにそれぞれ接続されている。カード検出回路296は、ライン308、310を介してCD2(ピン67)とその(69-n)相補端子であるCAD0(ピン02)とにそれぞれ接続されている。電力接続回路230は、(a)ライン312を介して電圧供給源Vcc1、Vcc2(ピン17、51)の両方に、また、(b)ライン314を介して電圧供給源Vpp1、Vpp2(ピン18、52)にそれぞれ接続されている。向き検出状態機構286は、ライン316、318にでてくるバスインターフェースクロック信号、CClK、CdevSelN、その(69-n)相補とをその入力として、外部回路230、292、294を制御するための向き制御信号320、322(Card_FlippedとCard_Not_Flipped)を発生する。この向き検出状態機構286は、信号マルチプレクサ288を制御するカード向き信号324をも出力するようになっている。
【0063】
図33に、68ピンコネクタ282とASIC284との接続関係を詳細に示しているが、両者間の接続は、説明するまでもなく容易に理解されるところである。前述したように、32ビットPCカードを適切に検出するためには、幾つかの要件の中でもCD2を接地接続する必要がある。従って、カード検出回路296は、CD2を接地接続する第1プルダウン抵抗326と、CAD0(CD2に相補)を接地接続する第2プルダウン抵抗328とからなる。
【0064】
3.3ボルト用反転自在32ビットカードバス対応カードの場合では、CD1とVS1とはカードの挿入を正確に検出するために互いに短絡する必要がある。そのため、CD1とVS1及びそれらの相補ピン対ClkRunNとCAd23との間を特殊回路292、294でそれぞれ接続することで、チップに電力が供給されていないときには短絡しているが、電力が供給されると開成して、ASICがこれらの信号を駆動するようにしている。この回路の要件としては、カード検出時の信号送り出し、検出後の信号遮断(signal isolation)、カード検出段階では外部電力供給不要、検出時とパワーアップ時の遮断への自動切替えなどがある。
【0065】
図34aと図34bとは、好ましい実施の形態による回路292、294の実現方法を示しており、また、図35aと図35bとは別の実施の形態を示している。図34aの回路は、正常モードCD1/VS1ピン対に、また、図34bの回路は、反転モード相補ピン対ClkRunNとCAd23にそれぞれ接続されている。
【0066】
代表例としてあげる回路292は、二個のショットキーダイオード330、332と、二個のバイポーラPNPトランジスタ334、336からなる。トランジスタ334、336のそれぞれのコレクタは互いに接続されており、ダイオード330はトランジスタ334のエミッタ-コレクタ間に接続されている。同様に、ダイオード332は、トランジスタ336のエミッタ-コレクタ間に接続されている。トランジスタ334のエミッタは68ピンコネクタ282のピンCD1に、また、トランジスタ336のエミッタはコネクタ282のピンVS1にそれぞれ接続されている。各トランジスタ334、336のベースないし制御ノードは、ベースバイアスネットワークを介して向き検出状態機構286のCard_Flipped制御出力320に接続されているが、前記ベースバイアスネットワークは、CD1接続トランジスタ334の場合では単に抵抗338で構成されている。VS1接続トランジスタ336は、直列抵抗340、342とコンデンサ344とからなる分岐(tapped)バイアスネットワークを接地させて、回路レスポンス時間を制御するようになっている。図34bに示した回路294も、図34aに示した回路292とほぼ同一であるが、トランジスタのベースが状態機構286のCard_Not_Flipped出力322に接続されている点で異なっている。
【0067】
図34aと図34bに示した回路の動作について説明すれば、カードをホスト側スロットに挿入すると、カード検出ピンに能動ピン対と接続されている回路292または294のPNPトランジスタの何れかのフォワードバイアスエミッタジャンクションを介して電流が供給される。不活性対は、カード検出が終わるまで三状態に保持されている。トランジスタのエミッタベースジャンクションを介して流れた電流は、ASICの制御ノードにベースバイアス抵抗により制限される。カード検出時ではカードはまだパワーアップされていないから、また、回路負荷抵抗がバイアス抵抗値よりも遙かに小さいから、バイアス抵抗はASIC制御ライン320または322を介してカード信号接地に効果的に返される。この構成で、PNPトランジスタのエミッタ-コレクタジャンクションを飽和させるのに充分な電流が得られ、信号電流のバルクが電圧センスピンへと残りのフォワードバイアスダイオードを介して流れる。この実施の形態では、ショットキーダイオードが、不活性のPNPトランジスタの寄生コレクタベースジャンクションを中心として信号電流を進める。回路はCD1/VS1電流に対しては双方向性を持つ。
【0068】
ホストシステムは、カード検出ピンでの電圧上昇を検出して、カードを励起する。ASIC装置がパワーアップシーケンスを終えると、回路の制御ピンにおける論理レベル電圧で、回路2982と294の何れかが導電状態にあり、また、遮断状態にあるかを判定する。遮断状態にある回路の場合、ハイ論理レベルでトランジスタのエミッターベースジャンクションを介して導通するのを阻止し、かくて装置はオフ状態、エミッターコレクタになる。これにより、回路の信号路が効果的に遮断される。回路292、294の何れかで活性状態にある回路の場合では、制御ピンにおける論理ローレベルで、回路をカード検出状態に維持する。ASICには、電力供給時にカード検出ピンを活性状態にするための対策がとられている。検出状態からの回路の変移は、回路のVS側におけるカード接地に値の小さいコンデンサ334を設けたことにより遅らせているので、ホストから電力が供給された後にASICインターフェース装置をパワーアップする時間が得得られるのである。
【0069】
遮断状態(isolation)は、信号ピンの間で直列/並列に作用するダイオードとトランジスタの有効容量により定まる。最小ジャンクション容量とフォワード電圧降下とでダイオードの選択が定まる。コレクタエミッタ容量、電流利得、飽和電圧なども同様にトランジスタの選択に働きかける。図35aと図35bに示した二個のダイオードを利用した別実施の形態とは異なって、図34aと図34bに示した実施の形態では、一つのショットキーダイオードと一つのPNPトランジスタとを能動導電路に設けているから、カード検出時での全電圧降下量はより小さい。
【0070】
図35aと図35bとは、図34aと図34bの実施の形態に代わる別実施の形態を構成する回路360、361を示している。図34aと図34bに示した最初の実施の形態と同様に、図35aと図35bに示したそれぞれの回路は同一であるが、回路360は正常モードCD1/VS1ピン対に、回路361は反転モード相補ピン対ClkRunN、CAd23にそれぞれ接続されている。代表例として回路360は四個のショットキーダイオード362〜365と一個のバイポーラPNPトランジスタ366とからなり、ベースバイアス抵抗368がカードVCCレールに接続されている。また、小さいコンデンサ370がトランジスタ366と接地との間に介在している。
【0071】
図35aと図35bに示した回路の動作を説明すれば、ホスト側スロットにカードを挿入すると、カード検出ピンに能動ピン対と接続されている回路360または362のフォワードバイアスダイオードを介して電流が供給される。不活性対は、カード検出が終わるまで三状態に保持されている。トランジスタのエミッタベースジャンクションを介して流れた電流は、カード回路のVCCノードにベースバイアス抵抗により制限される。カード検出時ではカードはまだパワーアップされていないから、また、回路負荷抵抗がバイアス抵抗値よりも遙かに小さいから、バイアス抵抗はカード信号接地に効果的に返される。この構成で、PNP装置のエミッタ-コレクタジャンクションを飽和させるのに充分な電流が得られ、信号電流のバルクが電圧センスピンへと残りのフォワードバイアスダイオードを介して流れる。この回路はCD1/VS1電流に対しては双方向性を持つ。
【0072】
ホストは、電圧センスピンでの電圧上昇を検出して、カードを励起する。VCCレールの電圧を供給すると、トランジスタのエミッタベースジャンクションを介しての更なる導通が阻止され、装置はオフ状態、エミッターコレクタになり、かくて回路360、361の両方、即ち、能動カード検出ピンと接続されている回路とバス信号に接続されている回路との両方を通る信号路が遮断される。カードバスインターフェース装置には、電力供給時にカード検出ピンを活性状態にするための対策がとられている。検出状態から遮断状態への回路の変移は、値の小さいコンデンサ370を設けたで遅らせているので、ホストから電力が供給された後にカードバスインターフェース装置をパワーアップする時間が得られるのである。
【0073】
遮断状態は、信号ピンの間で直列/並列に作用するダイオードとトランジスタの有効容量により定まる。最小ジャンクション容量とフォワード電圧降下とでダイオードの選択が定まる。コレクタエミッタ容量、電流利得、飽和電圧なども同様にトランジスタの選択に働きかける。
【0074】
カードバス対応(32ビット)PCカードのカード向き検出については、向きに応じてシステムクロック(CClK)はピン19か、ピン50のどちらかにある。機能回路290はリセットされたままであり、ピン19、50は向き検出回路286によりモニターされている。どちらかの信号が所定回数変移すると、その信号はクロックであるものと識別され、かくてカードの向きが判定される。
【0075】
反転自在32ビットカードバス対応カードのスキームでは、図30に概略的に示したのと同じ基本的電力供給接続回路230が使われている。この回路230による3.3ボルト用32ビットPCカードの検出例を図36に示す。図36の回路230bは図31の回路230aと同一ではあるが、回路230bに、抵抗382と反転器384の直列回路からなるチャージポンプ回路380が設けられている点で異なって下り、前記チャージポンプ回路380はFETのゲート-ソース間に接続されていて、回路構成部品382、384との接続点に制御信号Vpp_OffとVcc_Offが供給されるようになっている。図37は、5ボルト用16ビットPCカードと3.3ボルト用32ビットPCカードの検出回路の両方に利用し得る電力供給接続回路230の別の実施の形態230cを示す。図37の実施の形態では、それぞれに内部チャージポンプ回路が含まれ、内部ドレイン-ソース・バックゲート・ダイオードが使われていないテキサス・インスツルメント社製TPS2021 FET386が使われている。
【0076】
ホストからカードへの電力の供給が遮断すると、或いは、ホストとの接続から切り離すと、電力損失がカードに起こる。カード回路をもとの状態へ適時に戻すには、新たな検出サイクルを開始する必要がある。電力損失後のカード回路の挙動は、Rをカードにおける能動回路の非線形電圧帯電流特性とし、Cをカード非接続とバルクフィルタ容量との全並列容量とするRC時定数で特徴付けられる。
【0077】
32ビットカードバス対応PCカードの場合、電力遮断後での能動回路の挙動は、カードのRC時定数を検出時間よりも小さい間隔に効果的に減少する放電機構を要するようになっている。図38aにおいて、32ビットカードバス対応カードの場合では、カード電源Vccと接地との間に接続した自動トリガー式能動負荷回路(active self triggered load circuit)402を用いることでこれが達成できる。回路402は、nチャンネルMOSFET404とバイポーラPNPジャンクショントランジスタ406とからなる。MOSFET404は、接地接続したゲートバイアス抵抗408を含んでいる。トランジスタ406は、カード電源Vccと接続したベースバイアス抵抗410を含んでいる。ダイオード412とコンデンサ414の直列回路は、Vccと接地との間に介在している。電力を供給した初期段階では、トランジスタ404、406はオフ状態にある。コンデンサ414は貯蔵容量として作用し、ダイオード412を介して供給電圧Vccを蓄える。Vcc供給レール8に対する電圧がなくなると、回路負荷により初めのうちは制御される正味減衰率がVccとなる。コンデンサ414は、放電路が確立するまで(Vcc-Vd)と等しい電圧に充電されたままである。前述の放電路は、前記供給がベースエミッタジャンクションのフォワードバイアス電圧と等しい量だけ減少してトランジスタ406が導電した時に得られる。このトランジスタ406を介して発生する電流により、MOSFET404のゲートにおける抵抗408に正味電圧が発生する。抵抗408の両端での電圧がMOSFET404のゲート閾電圧まで上昇すると、正フィードバック機構が生じる。このトランジスタ404が導通すると、Vcc電圧の減衰率が上昇し、かくてトランジスタ406のベース回路の有効電圧が増加する。正味減衰率は、ミルオームからオーム程度の、MOSFETチャンネルのON状態抵抗(RDSオン)(FETが完全に導通しているとドレイン-ソース抵抗)により定まる。シャント負荷抵抗416は、クローバーのカットオフ電圧以下で放電路を形成して、ASIC装置がその初期状態の回復する電圧以下にVccが降下できるようにしている。32ビットカードバス対応の用途では、この抵抗416の値は一般に10キロオーム程度である。
【0078】
図38Bにおいて、16ビットカードの場合、電力遮断時での減衰率と復帰機構とは、もとの状態に復帰するのに充分ではあり、負荷抵抗420のみがVcc供給源にある。この負荷抵抗42の抵抗値としては、実地では一般に1キロオームから10キロオーム程度が利用される。この負荷付けで、ASIC装置を電力供給遮断時に充分な速度で初期状態の復帰させるのを確実にすることができる。
【0079】
反転自在PCカードの向きが正しく判断されると、ASICは正常動作のためにPCカードインターフェース信号を適当に駆動ないしモニターしなければならない。従って、これらの信号は正常機能のために多重化されている必要があり、このために回路214(図28)、288(図32)が設けられているのである。
【0080】
カードの反転ができない場合、ASICは、双方向ピンのため似ず39に示したのと類似のパッド駆動回路430を通常利用する。この回路430はコネクタピン(n)用のパッド432と68ピンコネクタにあるその他のピン(69-n)用のパッド434とからなる。パッド432には、パッドからSignal(n)Inを供給する入力駆動回路436と、パッド432にSignal(n)Outを供給する出力駆動回路438とが接続されている。信号が出力だけか、または、三状態ドライバだけの場合では、入力駆動回路436は接続されない。同様に、入力だけの場合でも、出力駆動回路438は接続されない。三状態出力駆動回路に出力イネーブルが使われているが、出力のみのパッドには使われていない。
【0081】
カードを反転すると、ASICが検出した向きに応答して信号を多重化するようになる。これには、パッドからの入力と、パッドへの出力とパッドへの出力イネーブル(双方向ピンのため)の多重化が含まれている。
【0082】
図40に示した回路440は、図28と図36に一般に示した回路214、288を実現したものである。回路440は、向き制御信号に応答して上向き用信号路または下向き用信号路を選択するために相補ピン(69-n)における信号で多重化されるピン(n)ごとにパッド432、434と多重化装置442〜447とが接続される態様を示している。ピン(n)からの入力はピン(69-n)からの入力で多重化され、ピン(n)への出力はピン(69-n)への出力で多重化され、ピン(n)への出力イネーブル(OE)はピン(69-n)への出力イネーブルで多重化される。多重化装置442〜447は、ピン(n)がバスに接続されたか、または、ピン(69-n)に接続されたかを判定する向き検出論理からの向き制御信号により制御される。
【0083】
ここまで特定の実施の形態について本発明を詳述したが、本発明は説明した実施の形態の限定するつもりはなく、添付の請求の範囲で定めるべきである。当業者には、本発明の範囲と真髄から逸脱することなく、ここまで説明した実施の形態を改変したり、説明し、図示した種々の構成部品を等価物に置換したりすることが容易に考えられるものである。
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