JP2002539446A - 化学物質の受動的遠隔センサー - Google Patents

化学物質の受動的遠隔センサー

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JP2002539446A
JP2002539446A JP2000605185A JP2000605185A JP2002539446A JP 2002539446 A JP2002539446 A JP 2002539446A JP 2000605185 A JP2000605185 A JP 2000605185A JP 2000605185 A JP2000605185 A JP 2000605185A JP 2002539446 A JP2002539446 A JP 2002539446A
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Abstract

(57)【要約】 手持ち型、モバイル型又は自立型センサーとして使用するための遠隔センサーは、共通バックグランドノイズ成分の作用、光又はその他の放射線源の出力の差及び干渉する種による吸収又は放出を最少にするために、第1(12)及び第2(16)の光路、集光光学素子、第1の光路(12)内に配置されたサンプルフィルタ(10)アセンブリ、第2の光路(16)内に配置された基準フィルタ(14)アセンブリ、濾波された光又は差の他の放射線を検知するための検知器アセンブリ、及びBRDのような検知器出力比較装置を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、化学物質を検知するための受動的な遠隔装置及び方法に関する。よ
り特別には、本発明は、ガス、液体、固体及び吸着剤を含む化学物質を検知する
ために、吸収差放射計(DAR)又はノッチフィルタ調整放射計(NFCR)技
術を使用する受動的な遠隔センサー及び方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 危険なガス及びその他の物質の早期の受動的な遠隔検知ができる装置及び方法
の必要性が継続して存在する。最近は、このような装置の必要性は、化学戦争技
術の広がり及び世界的に増加しつつある数のテロ行為によって高まった。実際に
、危険な物質の本質的な放出は、軍隊だけでなく地域行政にとっても今や深刻な
問題である。
【0003】 受動的な遠隔検知の発達はまた、産業及び乗物の排気の作用の大きくなりつつ
ある問題のようなその他のファクタのみならず農薬の使用によって生じるものの
ような他の形態の環境汚染によっても進行して来ている。遠隔検知器はまた、こ
れらの原因が理解され且つ処理されるために環境条件における動向を監視し且つ
研究することだけでなく、地域の及び世界の人間の健康に影響を与えるかもしれ
ない日々の条件に関する警告を特定し且つ提供することも必要とされる。
【0004】 主として大気中においてガスの形態の化学物質の受動的な遠隔検知器は、8乃
至13.3μmのスペクトル範囲で理想的に作動する。このスペクトル範囲では
、(a)約25℃の標準温度で多くの物質及びガスが強い赤外線(IR)放出を
有し、(b)大気が長い距離に亘って比較的透明であり、(c)多くの目標種が
それらのバックグランドの特性に対してそれらの温度に依存する強い吸収(又は
放出)を有する。3乃至5μmのスペクトル範囲は(b)及び(c)の利点を提
供するかもしれないけれども、標準温度で対象物及びガスは大きな放射線を放出
しない。従って、太陽又は人工光のような択一的な放射線源が利用できる3乃至
5μmのスペクトル範囲においてのみ、遠隔検知器は、一般に有効に機能するか
もしれない。
【0005】 過去においては、いくつかのタイプの現場に孤立できる又は遠隔のセンサーが
提供されて来た。現在市販されている2つの卓越した現場で測定可能な装置は、
化学薬品監視装置(CAM)と、高いCAM(ECAM)とであり、これらは両
方とも、英国の Graseby Dynamics Ltd.によって製造さ
れ、イオン易動度の原理によって作動する。これらの装置は、両方とも、手持ち
型センサーとして設計されているECAMと共に持ち運び可能である。これらの
装置は、測定点の大気の連続的なサンプリングを必要とし、従って、センサーが
大気中に浸漬されている場合にのみ目標ガスを検知することができる。このこと
は、望ましくない制限であり、目標ガスが有害である場合には危険であり得る。
さらに、これらの装置は、化学雲(chemical cloud)の境界を決
定するのにたくさんの測定が必要とされるポイント形態での測定をすることがで
きるだけである。
【0006】 もう一つの市販により入手できる装置は、表面音波(SAW)ミニキャド(m
inicad)である。SAW装置もまた、持ち運び可能であり且つ例外的に0
.2mg/m3という高い感度を提供するけれども、特異性を欠いており且つガ
スの特定(specific identify)を規定することができない(
すなわち、ある数のガスのうちのどれかが存在することを判断できるだけである
)。干渉センサーが13個構築された平らな光導波管チップを使用する更に別の
現場測定装置が提案されてきた(“フォトニックスペクトル(Photonic
Spectra”1999年2月の42を参照)。この装置は、その上に蒸着
されたある種の膜の光学的屈折率の変化を検知する。これらの変化は、膜の各々
が感応する目標ガスが膜によって吸収されるときに起こる。この装置は、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、すべての有害な化学物質の百万分の100の検知を可
能にする。CAMのように、この装置は現場測定センサーである。更に、この装
置は、吸収膜が利用できるガスのみを検知することができる。
【0007】 化学物質の遠隔検知は、2つの群に分類することができる光学技術にほとんど
依存する。この2つの群とは、(a)ライダー(光の検知及び範囲に設定)のよ
うな能動的な技術、差動吸収ライダー(DIAL)又はレーザー誘導蛍光発光(
LIF)、(b)フーリエ変換IR分光学(FTIR)又はガスフィルタ対比放
射計(correlation radiometry)(GFCR)のような
マルチスペクトル若しくは超スペクトル技術のような受動的な技術、である。い
くつかの調査グループは、波長に敏感なCO2レーザーを使用する化学薬品(C
As)を検知するDIAL技術を開発しつつある。例えば、米国空軍による開発
の下でのレーザー空輸遠隔検知(LARS)装置は、21kmの距離からの大気
のパラメータの傾斜した経路検知可能性を実例により示して来た(Highla
ndらによる“レーザー長範囲検知プログラムの実験結果(Laser Lon
g−Range Sensing Program Experimental
Results)”SPIE Proceedings、第2580巻(19
95年)の30乃至37)及び2kmの距離におけるSF6及びNH3の例外的な
進行中の試験検知(Higdonらによる“米国空軍調査研究所の長範囲空輸C
2 DIAL 化学物質検知装置(Air Force Reseach L
aboratry Long−Range Airbone CO2 DIAL
Chemical Detection System)”Proc.第19
回国際レーザー・ラダー学会(1998年)第651乃至54;Senftらに
よる“airbone CO2 差動吸収ライダー装置による地面からの化学物
質検知結果試験(Chemical Detection Results F
rom Ground Tests of an Airbone CO2
ifferential Absorption Lidar System)
”Proc.第19回国際レーザー・ラダー学会(1998年)657乃至60
を参照せよ)。装置の投影された傾斜径路範囲は30kmである。DIAL及び
その他のライダー装置は、とりわけ、幅が狭く急速に回転可能なレーザー装置に
対する依存性を受ける。結局、これらは、極めて複雑で且つ高価であり、作動の
ための高い訓練を受けた人を必要とし、望ましくない限定された視野(FOV)
(レーザービームの発散によるこのような装置において範囲を定められている)
を提供する。これらの不利な点に加えて、米国空軍のLARS CO2 DIA
L 装置のフィルタ及び検知器要素は、液体窒素雰囲気内で冷却されなければな
らない。
【0008】 DIAL装置のような典型的なLIF装置としては、波長を調整可能なレーザ
ー及び大口径望遠鏡及び検知装置がある。しかしながら、DIAL装置と異なり
、 LIF装置における信号は、レーザーによって励起される目標種の蛍光発光によ
って発生される。従って、この信号は、DIAL装置の信号よりも弱く、範囲は
限定されている。他方、望ましくないバックグランド及び散乱された信号からの
蛍光信号を拒絶するLIF装置の能力、従って、このような装置の特性は、DI
AL装置の特性よりも優れている。LIF装置は、一般的には、生物種の検知の
ために使用される(Suligaらによる“米軍化学及び生物防衛司令部の短範
囲生物スタンドオフ検知装置(U.S. Army Chemical and
Biological Defense Command’s Short R
ange Biological Standoff Detection S
ystem)(SR−BSDS)”(1998年10月26−30日、バージニ
ア州、ウィリアムスバーグにおけるによる化学及び生物の保護のためのスタンド
オフ検知における合同研究会(Joint Workshop on Stan
doff Detection for Chemical and Biol
ogical Defense)における第265乃至74頁)を参照)。
【0009】 受動的な遠隔センサーの調査が、“検知及び保護:あなたが知らないものがあ
なたを殺す”ジェインズによる国際保護レビュー(1997年)の第30乃至4
8頁に提供されている。おそらく、現在入手可能な最も注目すべき受動的なセン
サーは、M21遠隔検知化学薬品警告(RSCAAL)である。この装置は、既
に配置に付けられており且つFTIR技術に基づいている。ガスとその周囲との
温度差が4°Kであるときに、5kmまでの距離からの有害薬品の雲を高い感度
で検知することができ且つ温度差がより少ないときにはより低い感度で検知する
ことができる。RSCAAL装置を含むFTIR装置の主な欠点は、これらの装
置が、完全なスペクトルの走査に依存し、その後にスペクトルの詳細な分析がな
されることである。この走査を達成するために、この装置は、野外における用途
のために十分に丈夫にするのが難しい複雑で高度に精密化された機械的調整構造
を必要とする。このような複雑な装置を作動させること及び詳細な出力を分析す
ることは、熟練した人を必要とする。更に、この装置は基本的に全スペクトルを
カバーし、各スペクトル位置で得られる放射線は、全走査の時間中に集められる
放射線のほんの一部分である。
【0010】 遠隔センサー装置においては、像形成技術を提供するために、超スペクトル又
はマルチスペクトルの像形成技術を採用してもよい。超スペクトル像形成分光学
においては、検知のために目標とされた化学物質の分布の二次元像を提供するた
めに、スペクトル的及び空間的に解像された情報が得られる。超スペクトル像が
、FOVにおける狭い帯が分光計の前方スリットに撮像される像形成分光計によ
って得られる。分光計内の分散要素は、像形成されたラインの各点の完全なスペ
クトルを形成し、それによって、分光計の背景面内の焦点面配列(FPA)によ
って記録される二次元パターン(波長対線形空間位置)を形成する。完全な超ス
ペクトルデータキューブ(data cube)は、点毎のスペクトル分布を記
録しつつFOV内に付加的な帯の像を形成することによって得られる。別の方法
として、データキューブはスペクトルの“スライス”に分割されてもよい。すな
わち、二次元FOVが、一時に一色を伝播する調整可能なバンドパスフィルタを
介してみることができる。二次元対象物の単色像が連続的に記録されて、異なる
波長毎に同じ対象物の像のスタックが得られる。
【0011】 超スペクトル技術は、広いスペクトル範囲をカバーする200以下のこのよう
な像を必要とするかもしれない。他方において、マルチスペクトル技術は、典型
的には、対象物毎に20のスペクトル片をカバーする。疑いもなく、超スペクト
ル技術を採用している装置は、よりたくさんの分光の詳細を提供し、従って、よ
り高い特異性(すなわち、検知のために目標とされない種による干渉を拒絶する
能力)を有している。しかしながら、これらの装置もまた、マルチスペクトルを
基本とする装置よりも、より長い走査、より大きなデータ記憶及び処理能力を必
要とし、従って、熟練していない人による操作又は速く動くブラットホームから
の操作に対して有用性が少ない。
【0012】 化学物質の遠隔検知のためのいくつかの超スペクトル及びマルチスペクトル像
形成技術が提案されて来た。正確な超スペクトル検知技術のうちの一つは、3c
-1の帯域幅で8−12μmの範囲の調整可能な音波−光フィルタ(AOTF)
の使用を含んでいる(Appl.Opt.の第37巻、No.12(1998年
)の第2340−45頁におけるSuhreらによる“3cm-1透過帯域の音波
−光の調整可能フィルタを備えた8−12μm領域のための像形成分光放射計(
Imaging Spectororadiometer for the
8−12μm Region with a 3cm-1 passband A
coustic−Optic Tunable Filter)”を参照)。し
かしながら、調整過程中に音波−光要素を付勢することによって、像が若干シフ
トせしめられ、それによって、異なる波長において得られた像同士の間の相関関
係を複雑にする。調整可能なファブリ−ペローのエタロンを使用した独特の技術
もまた、化学薬品の超スペクトル像形成のために開発されつつある(Senso
rs and Actuators A 46−47(1995年)の第413
−16頁における“赤外線分光学に使用するための調整可能な波長選択性を有す
るシリコンの微細機械加工された赤外線センサー(Silicon Micro
machined Infrared Sensor with Tunabl
e Wavelength Selectivity for Applica
tion in Infrared Spectroscopy)”を参照)。
しかしながら、ファブリ−ペローのフィルタは、移動しつつあるミラー間の良好
な整合及び間隔制御の必要性によって複雑化されている。最後に、ガス状の化学
物質の像形成のための調整可能な要素として回折レンズを使用することが提案さ
れた(参照番号を記すことによって本明細書に組み入れられている、1995年
12月26日に発行されたHinnrichsらに付与された米国特許第5,4
79,258号を参照)。しかしながら、スペクトル像間のクロストークが、こ
の技術の特異性を弱めている。
【0013】 ここに記載された三つの超スペクトル技術は全て、高いスペクトル分解能、広
いスペクトル走査能力及び優れた発光処理量を提供する。しかしながら、潜在的
な利点から利益を得るためには、別個の波長毎に最大限の像が記録されなければ
ならない。これらの技術が均一に10cm-1の帯域幅を提供することができると
仮定すると、関心のある多くの化学物質が分光的に活性である8−13.1μm
の範囲(1250ないし752cm-1)の全範囲をカバーするためには42の別
個の像が必要であろう。これらの像を得るのに必要とされる時間は、通常は、≦
50Hzで現在のところ有効である入手可能なFPAの最大の像形成効率によっ
て制限される。従って、完全なデータキューブを記録するためには、ほぼ一秒(
又は帯域幅がより狭いときにはより長い)必要である。
【0014】 超スペクトル像形成技術と対照的に、GFCR、DAR又はNFCR装置によ
って採用されているようなマルチスペクトル技術は、選択された目標種を検知す
るのに必要とされるスペクトル領域のみをカバーする。典型的なGFCRは、目
標種を含んでいるサンプルセルと基準真空セルとを含んでいる。サンプルセルと
基準セルとは、検知器内へ及び検知器から外へ機械的に動かされる(App.
Opt.15(1976年)の第1222−28頁におけるHergetらによ
る“ガス状の汚染物質濃度の現場測定のための赤外線ガス−フィルタ対比装置(
Infrared Gas−filter Correlation Inst
rument for In−Situ Measurement of Ga
seous Pollutant Concentrations)”を参照)
。このような装置は、スタックを横切るIR発生源からの放射線の吸収によって
CO、NO、SO2、HCl及びHFのような煙突による汚染物質を監視するた
めに使用されて来た。これらの種の多くに対して、10−5000ppm−mの
検知範囲が達成されて来た。CH4、C26、HCl及びCOを検知するために
は、自然IR放射の極微量の大気中の種による吸収又は検知されたガス自体によ
る放射の検知のための代替的なGFCR方法が使用されて来た(App. Op
t.14(1975年)の第2896−904頁におけるWardらによる“ガ
スセル対比分光計(Gas Cell Correlation Spectr
ometer):GASPEC”を参照)。この装置は、300m以下の大気経
路内の上方監視方法及び天底監視方法の両方において使用されて来た。この装置
の特異性は、CO2のバックグランド負荷量内の1000ppm−mの変化が4
00ppm−mのCOの検知のノイズ等価量を形成したことを実験的に示すこと
によって実証されて来た。
【0015】 GFCRの第一の欠点は、センサーが、同センサーが取り扱いが難しい有害化
学物質又は化学物質の検知のために使用されるときに、危険性を付与するかもし
れないサンプル種を含むセルを含む必要があることである。更に、各目標化学物
質のための別個のセルのための要件によって嵩の高い検知器となる。更に、セル
をFOVへと及びFOVから機械的に切り換える必要性によって、装置の信頼性
及び速度が著しく低下し、連続した像同士の間での整合が失われることにより、
ガス雲又は液体汚染のような急増した化学物質の像形成を阻止するかもしれない
【0016】 参照番号を記すことによって全体が本明細書に組み入れられる1992年7月
7日に発行されたSachseらに付与された米国特許第5,128,797号
は、装置の光路の間で切り換えるために光学的偏光変調を使用する非機械的なG
FCR及びDARを提案している(ユタ州ソルトレイクシティーにおける大気の
光学的遠隔検知会議(1993年3月8−12日)におけるWangらによる“
2.3ミクロンでのCH4の測定による新規なGFCR方法の実証(Demon
stration of New GFCR Method with CH4
Measurements at 2.3Microns)”を参照)。この
方法はセル間における機械的な切り換えに伴う信頼性の欠如を避けているけれど
も、偏光変調器、二つの偏光ビームスプリッタ及び波長板を必要として複雑で高
価であるので望ましくない。更に、入手可能な8−13.3μmのスペクトル範
囲でのビームスプリッタの性能は、現在のところ、8−13.3μmの範囲での
使用のための上記‘797特許の設計の検知器を開発するには十分でない。
【0017】 参照番号を記すことによって全体が本明細書に組み入れられる1999年3月
18日に発行されたButlerらに付与された米国特許第5,905,571
号は、GFCRのサンプルセルによって形成される吸収スペクトルと類似したス
ペクトルを形成するために微細機械加工された回折格子を使用している新しいG
FCRのような装置を開示している。上記‘571特許によれば、各々一つの化
学種のサンプルセルを真似ている格子の列を準備することができるかも知れない
。格子を単一の検知器又は検知器の列の前方に配置することによって、GFCR
自体の測定と比較できるほど共通点があるがサンプルセルを使用するという本来
的な欠点のない測定法が形成される。しかしながら、この’571特許の格子を
基本とした設計は、この欠点を処理することを試みているけれども、たくさんの
付加的な欠点を導入している。標準的なGFCRとは異なり、格子を基本とした
GFCRは、所望の特性を有していない放射線から所望の分光特性を有する格子
によって導かれる放射線を分離するために、格子と検知器との間に狭いスリット
が配置されることを必要とする。このスリットはまた、格子を基本とする装置が
特に受け易い迷光による干渉を減じるためにも使用される。このようなスリット
が無いと、この装置はスペクトル分解能のいくつかを喪失する。検知器自体は比
較的広いスリットとして使用されてもよいが、装置のスペクトル分解能は著しく
低下する。結局、格子を基本とするGFCR装置の集光能力又はFOVは、スリ
ットの幅によって限定される。従って、二つの対立する要件、すなわち、広いス
リットを必要とする大きい信号若しくは大きいFOV又はスリットが狭いことを
必要とする高いスペクトル分解能との間での妥協がなされなければならない。
【0018】 上記‘571特許によって必要とされるスリットもまた、化学雲の空間分布の
像を形成する可能性を阻止する。更に、スリットに当たる光は集光され無ければ
ならないのに対して、格子上に当たる光は平行にされなければならないので、格
子を基本とするGFCRは、コリメーションレンズ及び集光綸子からなる光学要
素の列を有しなければならない。必要とされる光学系が与えられるとすれば、装
置は、格子とスリットとの間の光学的アライメントに感応し及び装置が適正な格
子による散乱のための十分な光路を作り出す必要があり(これは、格子とスリッ
トとの間に数センチメートル以下の距離を必要とするかもとれない)、格子を基
本とするGFCR装置は、明らかに小型化することができない。
【0019】 参照番号を記すことによって全体が本明細書に組み入れられる1976年5月
11日に発行されたKnightらに付与された米国特許第3,955,891
号は、同様の分散対比技術を開示している。この‘891特許の設計は、入射光
を種々のスペクトル成分に分散させるために凹状の格子を採用しており、次いで
、所望のスペクトルによって形成されたパターンと相関する形状とされた空間フ
ィルタを格子の焦点面に配置することによって所望の構成要素を選択する。この
装置は、格子を基本とするGFCRの特徴及び欠点の多くを有している。しかし
ながら、付加的な欠点は、凹状格子と空間フィルタのアセンブリとの組み合わせ
を必要とすることにより、装置を複雑で煩わしいものとすることである。
【0020】 参照番号を記すことによって全体が本明細書に組み入れられる1988年12
月13日に発行されたClarkeに付与された米国特許第4,790,654
号は、像の線状の焦点を形成し、この線状の焦点が次いで平面状の回折格子に投
影される円柱レンズがそれに引き続いて使用される像形成装置を使用している代
替的な分散マルチスペクトル技術を開示している。格子によって回折された放射
線は、各々異なる色で且つ若干異なる角度で進むたくさんの縞によって作られる
。 この放射線をセグメント化されたミラーによって遮ることによって、各色の構成
要素をその他の色と独立して制御することができる。例えば、あるミラーセグメ
ントの反射率を制御することによって、選択したスペクトル成分を像から取り出
すことができる。この‘654特許の技術は、予めプログラムされた種の像を形
成することができるばかりでなく、良好に規定された分光特性を提供することを
意図しているけれども、この装置は、とりわけ複雑であり且つスペクトル分解能
と、種自体を表すように設計された像とその像のバックグランドを示す像との間
の整合に影響を及ぼす細かい光学的アライメントを大きく依存する。
【0021】 1991年のOpt. Eng.における第1725−33頁のAlthou
seらによる“マルチスペクトルの熱による像形成装置による化学物質の蒸気の
検知(Chemical Vapor Detection with a M
ultispectral Thermal Imager)”は、8−13.
3μmの範囲をカバーするために、8個以下の0.5μmの帯域幅(又は35−
70cm-1)のバンドパス光学フィルタの縞を含んでいる縞状フィルタを採用し
ているマルチスペクトル技術を開示している。しかしながら、この方法は、望ま
しくない低い特異性をもたらすとりわけ広い帯域幅に依存するので不利である。
これは、全スペクトル範囲がたったの8つのバンドパスフィルタによってカバー
されているからである。更に、Althouseらの設計は、バックグランドの
差し引き及び標準化技術の必要性を認識することを怠っているので、望ましくな
い低い感度を有する。Althouseらは、極低温に冷却されたフィルタの使
用及びこのようなフィルタを検知器から十分に遠く離して配置して同フィルタか
らの放射線によるノイズの分布自体が許容可能なレベルまで減じられるようにす
ることを推奨している。
【0022】 フォトニクス設計及び用法ハンドブック(The Photonics De
sign and Applictions Handbook)H−212−
217(1997)におけるWimmersらによる“焦点面アレイ:新しい用
途のためのより良く且つより小さいIR像(Focal Plane Arra
ys: Better, Small IR Images for New
Applications)”は、バンドパスフィルタを使用している3−5μ
m範囲内のガス状化学物質を検知するための技術を開示している。4つのバンド
パスフィルタが、四位置フィルタホイールに取り付けられ且つ検知器の前方で回
転せしめられる。典型的には、各フィルタは、ある種のガス種の吸収スペクトル
に適合する透過帯域を有するように選択される。こようなフィルタを通してFO
Vの像を形成することによって、対応するフィルタの透過に適合する吸収を有す
るガス種の像を得ることができる。不利なことに、この設計は、フィルタが極低
温に冷却されることを必要とする。更に、この設計は、バックグランドの放射線
若しくは放出の作用又は大気若しくはその他のバックグランド種による吸収を補
正する方法を準備していない。更に、フィルタ間で切り換えるために機械的なフ
ィルタホイールを使用していることにより、装置の信頼性が低下し且つ小型化が
阻止される。更に、動くフィルタを使用することにより、本来的に、2つの異な
るフィルタによって得られる像間の整合の喪失につながり、それによって、一つ
の像を他の像から差し引くことができない。Wimmersらの方法もまた、バ
ックグランドの干渉を補正することを考慮していない。
【0023】 Sensors and Actuators A,37−38(1993)
の第502−06頁におけるLopezらによる“マルチスペクトル干渉フィル
タ及び汚染制御のためのコンパクトな非分散型赤外線ガス分析器の設計への応用
(Multispectral Interference Filters
and Their Application to the Design
of Compact Non−Dispersive Infrared G
as Analaysers for Pollution Control)
”は、複数種の同時検知を可能にするバンドパスフィルタに基づく方法を開示し
ている。この技術においては、単一の基材が複数の屈折層によってコーティング
され、次いで、エッチングされて、同基材の異なる位置のたくさんのバンドパス
フィルタが形成される。このフィルタは、種々のバンドパスフィルタの直線状の
アレイとして設計されるのが好ましい。各フィルタの透過線−中心は、選択され
た種の吸収及び放出と合致するように選択することができる。このバンドパスフ
ィルタ構造を線形検知器アレイの前方に配置することによって、複数の種による
吸収又は放出の同時測定が確保される。しかしながら、Lopezらは、強度の
値の直接的な測定のみを考慮しているフィルタの構造概念にのみ焦点を絞ってい
る。Lopezらは、バックグランドの干渉の補正の必要性又はこのような補正
が如何にすれば最も良く達成されるかということについて考えていない。
【0024】 従って、バックグランド、その成分及びその照度が急激に変化するときでも、
ガス状、液体、固体又は吸着した化学物質を遠隔的に検出し、好ましくは、その
像を形成することのできるセンサーが必要とされている。かかるセンサーは、コ
ンパクトで、堅牢、経済的で,非熟練者が使用し且つ解釈するのが容易であるの
に十分簡単な設計であることが好ましい。例えば、バックグランド放射線又は放
出及びバックグランドの大気又はその他の種による吸収効果を補正するのに満足
し得る感度、特定化、能力を有し、また、高像形成又は空間的分解能を有する一
方にて、手持ち型の化学的検出器としての形態とされ且つ使用するのに十分にコ
ンパクトで且つ堅牢なセンサーを有することが望ましい。また、かかるセンサー
は、代替的に、大きいカバー面積となるように大きいFOVを有し且つ長時間に
亘る独立した作動に有用である十分なエネルギ効率を有することも望ましい。か
かるセンサーは、塵、大気中の排出物、汚染物質、殺虫剤の蒸気、自然発生の大
気中のガス(例えば、H2O,CO2,O3,2O,NOX及びCOガス)、漏洩ガ
ス、流出液体、水素及び炭化水素の火、表面の不純物、プラズマ又は電気放電の
ようなガス状化学物質を検出し且つ好ましくはその像を形成することができるも
のであることが好ましい。かかるセンサーは、また、例外的に大きい信号対ノイ
ズ比を有し、これにより、手持ち型の適用例においてIR又はより小型の像形成
レンズ内で非冷却の検出器の使用を許容するのも好ましい。
【0025】 (発明の概要) 本発明は、従来の化学的遠隔検出技術の幾つかの短所及び不利益な点を課題と
するものである。全体として、本発明のセンサーは、第一の光路と、第二の光路
と、該第一及び第二の光路に沿って伝播し又は放出すべき光又はその他の放射線
を集める形態とされた集光光学素子と、第一の光路内で該集光光学素子の後に配
置されたサンプルフィルタアセンブリとを備えている。以下に詳細に説明するよ
うに、センサーは、第二の光路内で集光光学素子の後に配置された基準フィルタ
アセンブリを更に備えている。サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタア
センブリを通じて伝播された光又はその他の放射線を検出するために一つ以上の
検出器アセンブリを使用することができ、また、サンプル及び基準出力信号を比
較し且つ好ましくは基準化するために一つ以上の関係した検出器の出力比較装置
が使用される。サンプル及び基準出力を比較するとき、出力比較装置は、一つの
出力信号を他方の出力信号から減算することが好ましい。サンプル及び基準出力
を基準化するとき、出力比較装置は、サンプルと基準出力との差をサンプル出力
又は基準出力で割ることが好ましい。
【0026】 一つの実施の形態においては、サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタ
アセンブリの双方が使用され、その各々がバンドパスフィルタを有している。サ
ンプルのためのバンドパスフィルタは、目標種の吸収又は放出線(好ましくは、
強力な吸収線又は放出線)と一致する周波数の光を伝播させることができる形態
とすることができ、サンプルのためのバンドパスフィルタは、目標種のスペクト
ル線と一致していない周波数を伝播させ得る形態とされた基準バンドパスフィル
タと釣合わせることができる。このように、検出器の出力比較装置の出力は、目
標種のトータルの吸収又は放出を示すものであり、全体の照明レベルの変化とは
独立していることが好ましい。好ましくは、サンプルバンドパスフィルタアセン
ブリのバンドパス周波数が大気中のH2O、CO2、O3、N2O、NOX又はCO
ガス、又は大気中に見ることのできる別のガス又はエアーゾルのような非目標種
の吸収又は放出線と一致するとき、基準バンドパスフィルタアセンブリは、サン
プルフィルタアセンブリにより伝播される非目標種のスペクトル線と一致する周
波数にて伝播され、又は非目標種による吸収又は放出がサンプルのスペクトル線
にて非目標種による吸収又は放出と大きさの点にて同一又は比較可能である、非
目標種の別のスペクトル線と一致する周波数にて伝播させる形態とされる。かか
る形態を使用するならば、検出器の出力比較装置の出力は、大気中のガスのよう
な選択されたバックグランド成分の効果に対し補正された目標種のトータルの吸
収又は放出を示す。
【0027】 本発明の遠隔センサーの別の実施の形態においては、サンプルフィルタアセン
ブリは、第一の光路内に配置され、サンプルフィルタアセンブリは、ノッチフィ
ルタ(一つの周波数又はある範囲の周波数を遮断するが、他のスペクトルは伝播
させるフィルタ)を有している。サンプルノッチフィルタは、目標種の選択され
たスペクトル線と一致する周波数を減衰する形態とすることができ、第二の光路
は、フィルタを全く備えず、このため、全く減衰しない。これと代替的に、第二
の光路内にブランクを配置することにより精度を向上させてもよく、このブラン
クは、サンプルノッチフィルタの基材によって形成される。更に、サンプルのノ
ッチフィルタと一致する中心周波数を有するバンドパスフィルタは、サンプルノ
ッチフィルタ及びブランクの前の第一及び第二の光路の双方の前方に、又はサン
プルノッチフィルタ及びブランクの双方の後に配置することができる。
【0028】 サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリは、幾つかの組のサ
ンプルフィルタ及び基準フィルタから成るものとすることができる。サンプルフ
ィルタ及び基準フィルタは、複数の目標種を同時に検出するために、複数のフィ
ルタの繰り返しの配列を有する一つ以上の縞状フィルタを含むことができる。縞
状フィルタを使用することは、本発明の遠隔センサーに対し測定可能な像形成能
力を提供することになる。複数対のフィルタが使用される場合、これに相応する
複数の検出器又は検出器アレイを使用することができる。
【0029】 検出器の出力比較装置は、一般的なバックグランドノイズ成分、光又はその他
の放射線源の出力の差、干渉種による吸収又は放出を最少にし又は排除する形態
とすることができる。検出器の出力比較装置は、サンプル信号及び基準信号を減
算し且つ/又は基準化するため、コンピュータ、ロックイン増幅器又はその他の
適当な装置又はその組み合わせを備えることができる。該当するならば、この装
置は、この目的のために、一つ以上の釣合った比較計量検出器(BRD)アセン
ブリのようなノイズ消去回路を含むことが好ましい。
【0030】 本発明の遠隔センサーが第一及び第二の光路の双方に対し単一の検出器アセン
ブリを採用する実施の形態においては、センサーは、光又はその他の放射線の第
一の部分を第一の光路に沿って伝播し且つ光又はその他の放射線の第二の部分を
第二の光路に沿って反射する形態とされた第一のビームスプリッタを含むことが
できる。かかる形態において、サンプルフィルタアセンブリは、第一のビームス
プリッタの後方にて第一の光路内に配置され、基準フィルタアセンブリは、第二
の光路内において第一のビームスプリッタの後方に配置されている。単一の検出
器アセンブリは、サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリの後
方に配置され、光又は放射線の第一の部分及び第二の部分を検出器アセンブリへ
と向ける手段がサンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリと検出
器アセンブリとの間に配置される。この指向手段は、光又は光線の第一の部分及
び第二の部分の方向を所望に応じて変更する手段及び/又は第二のビームスプリ
ッタを備えることができる。ミラー及び第二のビームスプリッタに加えて又はこ
れらに代えて、この指向手段は、スイッチング装置を備えることができ、このス
イッチング装置は、択一的に、光又はその他の放射線の第二の部分が検知器アセ
ンブリに達するのを防止しつつ、その第一の部分が検知器アセンブリに達するの
を許容するか、光又はその他の放射線の第一の部分が検知器アセンブリに達する
のを防止しつつ、その第二の部分が検知器アセンブリに達するのを許容する。か
かる指向手段が使用されるならば、検出器の出力比較装置は、記憶装置及び/又
はコンピュータ又はその他のデータ処理装置を備えることができ、スイッチング
装置が光又はその他の放射線の第一の部分を検出器アセンブリに向けるときに発
生された検出器アセンブリの第一の出力を記憶し、このため、かかる第一の出力
を後続の第二の出力と比較することができる。このスイッチング装置は、任意の
適当な装置とすることができ、また、簡単で且つ堅牢な機械的なシャッタ装置又
はスロット付きのチョッパーホイール装置を備えることが好ましい。
【0031】 本発明のセンサーは、集光光学素子と、サンプルフィルタアセンブリ及び基準
フィルタアセンブリと、センサーを遠隔センサーとして使用することができるよ
うな形態とされた一つ以上の検出器アセンブリ及び検出器の出力比較装置とを備
えることが好ましい。手持ちで使用できるように、カメラの形状、銃の形状、ヘ
ッドホーン又は双眼鏡形態(例えば、一方の「眼」がセンサーを保持し、他方の
「眼」が視覚的テレスコープを保持するような)のような使用するための任意の
形態、地上又は海上に配置するのに有用な形態又は航空機に取り付けるのに有用
な形態のような任意の形態にてセンサーを形成することができる。好ましくは、
センサーは、12Vバッテリのような低電力の直流電源にて使用可能な形態とす
る。
【0032】 本発明はまた、目標種の存在、濃度及び/又は光学的濃度を測定する方法をも
含むものである。この方法は、目標種により吸収され又は目標種から放出された
光又は放射線を受け取るステップと、一方がサンプルフィルタアセンブリを通り
、他方が基準フィルタを通り、又は選択的に、フィルタブランクを通り又はフィ
ルタを全く通らない2つの光路に沿って光又はその他の放射線を導くステップと
、サンプルフィルタアセンブリから検出器アセンブリまで第一の経路に沿って光
又はその他の放射線を導き且つ検出器アセンブリを使用してその強さを検出する
ステップと、基準フィルタアセンブリから検出器アセンブリまで第一の経路に沿
って光又はその他の放射線を導き且つ検出器アセンブリを使用してその強さを検
出するステップと、サンプル信号を基準信号と比較し且つ目標種による光又は放
射線の吸収又は放出を示す信号を発生させるため、一つ以上のBRDのような検
出器の出力比較装置を使用するステップとを備えている。
【0033】 この方法は、検出のために、光又はその他の放射線の単一のビームを使用する
ことが望しい場合に、目標種により吸収され又はその目標種により放出された、
かかる光又は放射線のビームを受け取ることと、光又はその他の放射線を第一の
部分及び第二の部分に分割することと、同第一の部分を第一の光路に沿って且つ
サンプルフィルタアセンブリ内へと導き、同第二の部分を第二の光路に沿って且
つ基準フィルタアセンブリ内へと導くことと、第一の部分及び第二の部分をサン
プルフィルタアセンブリから検出器アセンブリへと導くことと、検知器アセンブ
リを使用して濾波した光又はその他の放射線の第一の部分及び第二の部分の強さ
を検出することと、サンプル信号を基準信号と比較し且つ目標種による光又は光
線の吸収又は放出を示す信号を発生するために、検出器の出力比較装置を使用す
ることとを備えている。本発明の方法は、本発明の遠隔センサー又は該遠隔セン
サーの色々な構成要素を使用して実施することができる。
【0034】 本発明は、多分、その最も有用な適用例であると考えられるガスの検知に関し
て説明するが、ガスのみならず、インターフェースに吸着された液体、固体、化
学薬剤、プラズマ及びその他の組み合わせの検出及び評価のために採用すること
もできる。
【0035】 従って、本発明の遠隔センサー及び化学的検出方法は、塵、CO2、O3、CH 4 、プロパン、N2O、NOX、CO、水素及び炭化水素の発火、排出液体及びプ
ラズマのような、対象とするあらゆるガス状媒体の存在、濃度及び光学的濃度を
遠隔的に検出し且つ測定するために使用することができる。
【0036】 本発明の上記及びその他の特徴、目的及び有利な点は、添付図面に関する以下
の詳細な説明から明らかになるであろうし、本発明の範囲は特許請求の範囲に記
載されている。
【0037】 本明細書に含まれ且つ本明細書の一部を掲載する添付図面は本発明の幾つかの
特徴及び実施の形態を示すものであり、本明細書の説明と共に、本発明の原理を
説明する機能を果たすものである。図面は本発明の好ましい実施の形態を示すこ
とのみを目的とするものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではな
い。
【0038】 (詳細な説明) 図1に概略図的に図示するように、本発明のセンサーは、全体として、第一の
光路12内に配置された第一のフィルタアセンブリ10と、第二の光路16内に
配置された第二のフィルタアセンブリ14とを備えている。第一及び第二の光路
12、16は、図1に図示するように入射光18、20の完全に分離した第一及
び第二のビームに相応し、又は図2に実施の形態に関して図示するように、単一
の入射ビーム22から得られたビームに相応するものとすることができる。本出
願の全体を通じて使用する「光」という語は、その発生源に関係無く、スペクト
ルの紫外領域(UV)から赤外領域(IR)の範囲に亙る光線の任意の波長を含
むことを意図するものである。
【0039】 通常、検出すべき入射光ビームは、典型的には、目標化学種による吸収又は放
出のスペクトルの生成物である。吸収の場合、ランプ、レーザ、グロー放電バー
、発光ダイオード、黒体放射源のような人工光源又は太陽のような自然光源又は
地面、建物又は生物のような遠赤外線源からの放射線は目標種の中を通過する。
目標種がその周囲温度よりも高温であるとき、例えば、空に向けた遠赤外線検出
器により化学汚染物質の雲を検出するようなとき、放出スペクトルが得られる。
目標種により放出され、又は自然光源又は人工光源から目標種の中を通過する放
射線により入射光又は放射線のビームが形成される。
【0040】 図1の二重ビームの実施の形態において、第一のフィルタアセンブリ10は、
「サンプル」フィルタアセンブリ10と称し、第二のフィルタアセンブリ14は
、「基準」フィルタアセンブリ14と称することができる。第一の入射光又は放
射線ビーム18及び第二の入射光又は放射線ビーム20は、例えば、レンズ、ホ
ログラフィックレンズ、ミラー、光ファイバ、光フィルタ、スリット、開口等の
ような当該技術分野で公知の一つ以上の光学的要素を含むことができる適当な集
光光学素子24により集められる。ひとたび第一及び第二の入射ビーム18、2
0が集光光学素子24により集められたならば、光はフィルタアセンブリ10、
14を通って進む。以下に詳細に説明するように、サンプルフィルタアセンブリ
及び基準フィルタアセンブリ10、14はバンドパスフィルタ又はノッチフィル
タとすることができる。ノッチフィルタとする場合(又は以下に説明するように
、サンプルフィルタアセンブリ10がノッチフィルタであり、基準フィルタアセ
ンブリ14が含まれていない場合)、一つ以上のバンドパスフィルタを含むこと
のできる付加的なバンドパスフィルタアセンブリ25を、サンプルフィルタアセ
ンブリ及び基準フィルタアセンブリ10、14を透過するバックグランド光線を
減少させ得るように第一及び第二の光路12、16内に配置する。バンドパスフ
ィルタアセンブリ25は、第一及び第二の光路12、16内の任意の位置に配置
することができ、好ましくは、サンプルフィルタの中心付近に線中心を有し、僅
かにより大きい帯域幅を有することが好ましい。
【0041】 光又は放射線の強さは、サンプル検知器アセンブリ26及び基準検出器アセン
ブリ28によりそれぞれ検出される。サンプル検出器及び基準検出器アセンブリ
26、28は、サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリ10、
14を透過する入射ビーム18、20の強さを表示するサンプル信号及び基準信
号をそれぞれ発生させる。サンプル信号及び基準信号を同時に検出することはバ
ックグランドをより現実的に差し引き且つより高検出感度を実現するから、第二
の入射光又は放射線のビーム20の検出は第一の入射光又は光線ビーム18の検
出と同時に行われることが好ましい。サンプル検出器アセンブリ26及び基準検
出器アセンブリ28を含む、本発明と共に使用される検出器は、例えば、赤外線
検出器又は赤外線焦点面アレイ(FPA)、フォトダイオード、アバランシェフ
ォトダイオード、光電子増倍管、半導体検出器(例えば、シリコン、ゲルマニウ
ム、砒化ガリウム、砒化インジウム、砒化インジウムガリウム、アンチモン化イ
ンジウム、硫化鉛、セレン化鉛、テルル化水銀カドニウムを含む)、熱検出器(
例えば、パイロエレクトリック、サーモパイル又はボロメータ)、電荷結合素子
、線形ダイオードアレイ又は線形検出器アレイのような当該技術分野で既知の任
意の検出器を含むことができる。
【0042】 サンプル検出器及び基準検出器の出力を検出器出力比較装置30によって互い
に比較し、該比較装置の出力は、任意の便宜な方法にてユーザに表示し又は伝達
することができる。例えば、この出力は、電子的にビデオ像に形成することがで
きる。検出器の出力比較器30は、コンピュータ、ロックイン増幅器又はサンプ
ル検出器の信号を基準検出器の信号から減算し又はその逆を行う別の同様の装置
を備えることができる。検出器の出力比較装置30は、サンプル検出器の信号又
は基準検出器の信号の何れかによりサンプル検出器の出力と基準検出器の出力と
の差を分割すべく高品質の信号を提供することのできる、平衡比率検出器(BR
D)又は別の装置のようなノイズ消去回路をも又は代替的に含むことができる。
BRDアセンブリは減算機能を行い、次に、検出器アセンブリ26又は28の何
れかにより測定された信号でサンプル信号と基準信号との差を割り、基準化した
差(例えば、(A−B)/B、(B−A)/B、(A−B)/A、(B−A)/
A、ここで、Aは基準検出器の信号、及びBはサンプル検出器の信号)を提供す
ることができる。勿論、BRDの一部又は全ての機能を実行するため、デジタル
コンピュータ又はロックイン増幅器並びにその他の従来の装置を使用することが
できる。サンプル信号及び基準信号を比較することは、一般的なノイズ成分、供
給源の強さの変化及び干渉種よる吸収(バンドパスフィルタが使用される場合)
を除去し又は減少させ、目標種の総吸収又は放出のみが記録されるようにする効
果がある。信号を基準化することは、これら成分の識別標識を拒絶しつつ、目標
種の識別標識を能動的に識別することを更に可能にする。このように、この技術
の独特の特徴は、かなり複雑なスペクトル分析が簡単な吸収差の測定に還元され
、また、これと選択的に基準化に還元される点である。
【0043】 図1のセンサーの二重入射光又は放射線のビーム形態と相違して、図2に図示
した単一ビームの形態は、単一の検出器の使用を可能にし、このことは、サンプ
ルフィルタアセンブリを通じて得られたもの、及び基準フィルタアセンブリを通
じて得られたものを含む2つの像を整列状態を失うことなく比較することを可能
にする点において有利な点である。このことは、また、FPAのような高価な検
出器が使用されるときのコストを削減することになる。最後に、このことは、図
1の2つの検出器の利得を互いに釣合わせることができないときに精度及び感度
を向上させることができる。
【0044】 図2の実施の形態において、単一の入射ビーム又は放射線のビーム22は、集
光光学素子32により集められ且つ第一のビームスプリッタ34により、第一の
光路38に沿って伝播される入射ビーム22の第一の部分36と、第二の光路4
2に沿って反射されるビーム22の第二の部分40とに分割される。次に、第一
及び第二の光又は放射線のビーム部分36、40は、第一のフィルタアセンブリ
44(「サンプル」フィルタアセンブリ44と称することができる)及び第二の
フィルタ46(「基準」フィルタ46と称することができる)をそれぞれ透過す
る。図1のサンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリ10、14
と同様に、サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリ44、46
は、以下に詳細に説明するように、バンドパスフィルタ又はノッチフィルタとす
ることができる。次に、第一のビーム部分及び第二のビーム部分36、40を第
一のミラー48及び第二のミラー50によってそれぞれ方向転換し、第二のビー
ムスプリッタ52は、サンプルフィルタ及び基準フィルタ44、46を通過した
後、光又は放射線のビーム22の第一の部分及び第二の部分36、40を組み合
わせるために採用されることが好ましい。第一のスイッチング装置及び第二のス
イッチング装置54、56は、ビーム22の第一の部分及び第二の部分36、4
0を調節し又はこれらを検出器60に選択的に向けるために使用され、集光光学
素子32と検出器60との間の任意の位置に配置することができる。第一のスイ
ッチング装置及び第二のスイッチング装置54、56は、別個の装置とし、又は
、チョッピングホイール又は音叉型チョッパーのような単一の装置とすることが
できる。
【0045】 従って、図2の実施の形態において、単一の検出器アセンブリ60は、第一の
光路38及び第二の光路40から選択的に信号を受け取る。例えば、検出器アセ
ンブリ60は、最初に、ビーム22の第一の部分36の強さを検出する。検出器
アセンブリ60は、この検出に基づいてサンプル信号を発生させ、サンプル信号
は、従来のコンピュータメモリのような検出器の出力比較装置62の一部とする
ことのできるメモリ装置内に記憶される。次に、スイッチング装置54、56は
、光又は放射線のビーム22の第二の部分40を検出器アセンブリ60に向け、
この検出器アセンブリ60は、ビーム22の第二の部分40の強さを示す基準信
号を発生させる。検出器の出力比較装置62は、コンピュータ、ロックイン増幅
器、又は同期的な検出及び信号の処理の技術分野からのような別の信号処理装置
(図示せず)を更に備えることができ、かかる信号処理装置は、次に、サンプル
信号から基準信号を減算するために使用される。検出器の出力比較装置62は、
また、図1の実施の形態において、検出器の出力比較装置30に関して説明した
やり方で生じる差を基準化する装置を備えることが好ましい。この基準化装置は
、デジタルコンピュータ(サンプル信号及び基準信号を記憶し、減算し且つ基準
化することができる)、ロックイン増幅器又はこの基準化機能を行うことのでき
る別の装置とすることができる。
【0046】 次に、目標種の総吸収光又は放出光を記録することができる。図1のバンドパ
スフィルタアセンブリ25に関して上述したように、バンドパスフィルタアセン
ブリ25(図1)又は64(図2)は、選択的に、検出器アセンブリ26、28
(図1)又は検出器アセンブリ60(図2)の前方に配置し、検出帯域幅外の不
要な放射線を更に減少させることができる。図1及び図2において、集光光学素
子24、32は、光路12、16又は38、40内で光又は放射線を集め且つ整
合させるべく使用される。図1にて検出器アセンブリ26,28上に放射線を合
焦させるためレンズアセンブリ29(図1)、65(図1)が使用される。
【0047】 (BRDの作用) 本発明のセンサーに関して、検出器の出力比較器30(図1)内でBRDアセ
ンブリ(又は、上述したような同等の装置)を使用することは、ショットノイズ
の制限値に近い正確さレベルにてサンプル検出器アセンブリの共通ノイズ成分か
ら基準検出器アセンブリの共通のノイズ成分を除去すること(又はその逆)を可
能にする。このアセンブリはまた、サンプル検出器の信号又は基準検出器の信号
の何れかにより差を割ることにより検出された信号の基準化も行う。光学的測定
値を制限する可能性のある幾つかのノイズ成分が存在するが、全ての測定値に対
する基本的な制限となるものは、光子及び電子の個別の性質に起因する統計学的
(すなわちショット)ノイズである。光信号を増すことにより(ショットノイズ
に寄与するが、有意義な成分を有しない大きいバックグランドノイズを除いて)
又は長い積分時間を使用することによってのみ、ショットノイズを減少させるこ
とができる。このため、特定の設計パラメータを選んだならば、最早、ショット
ノイズのレベルを制御することはできない。このため、全ての計測器の設計上の
目的は、過剰なノイズ、すなわち、ショットノイズを超えるノイズ成分を除去す
ることである。過剰なノイズは、その他の因子の内、空の明るさの変化、電磁ノ
イズ、及びその温度の遅い変化に起因するような検出器の反応性のドリフトの変
化により生じる可能性がある。一つ以上の検出器を有するセンサー装置が採用さ
れる場合、使用されるすべての検出器に共通する過剰なノイズを補正するのに利
用可能な技術は殆どない。一部のものは、一つの検出器により得られた信号を他
方の検出器の信号により割るものであるが、かかる分割器はノイズを生じ易く、
基準電圧が必要とされるから、光学装置の作動中に使用することは難しい。現在
、利用可能である最良の分割器の一つは、最良の演算増幅器(op−amp)よ
りも約60dB劣る特徴を有する。
【0048】 減算は、過剰なノイズから一般的な成分を除去する別の代替法である。典型的
に、この方法は、サンプル検出器及び基準検出器の双方の光電流を演算増幅器の
合算接続部に供給し且つその出力を記録することにより実現される。不都合なこ
とに、信号のDCレベルが大きく変化すると、増幅器は飽和され、小さい信号の
分析を妨げる可能性がある。長波赤外線(8乃至13.3μm)を検出するため
には、かかる大きいDCレベルは、非冷却の光フィルタ自体の熱放出により生じ
させることができる。このように、手持ち型又は操作不要なセンサーのような何
らかの適用例の場合に好ましい、非冷却の光学要素又は検出器を使用するために
は、その熱放出に起因する信号の減算は、動的範囲内の減少を防止すべく増幅前
に行わなければならない。かかる前増幅した減算のために幾つかのアプローチ法
を使用することができるが、BRDは、極めて正確で、コンパクト、迅速、経済
的であり且つサンプル信号及び基準信号の基準化を一体化する点で優れている。
更に、BRDは、その他の使用分野にて成功を実証している。
【0049】 BRDは、その開示内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、199
2年7月18日付けでホブス(Hobbs)に対し発行された米国特許第5,1
34,276号に記載された型式のものとすることができる。これは、直接減算
及び直接分割技術の双方の短所を解決する設計とされた商業的に利用可能な簡単
な電子回路である。例えば、BRDは、ニューフォーカス(New Focus
)(カリフォルニア州、サンタクララ)から購入可能である。BRDは、サンプ
ル検出器及び基準検出器の信号を同時に監視し且つその2つの間で電子光電流の
釣合いを生じさせることでノイズを減少させる。この技術は、光通信のために開
発されたものであるが、ソネンフロス(Sonnenfroh)らは、例えば、
BRDを使用するNO2の直接的な吸収測定では、10-6が一部分という検出感
度が得られることが分かった。App.Optのvol.35の4053−58
頁(1996年)におけるソネンフロスらの「NO2の超感度可視調節可能なダ
イオードレーザの検出(Ultrasensitive,Visible Tu
nable Diode Laser Detection of NO2)」
を参照するとよい。図1に図示するような、装置に関するBRDの測定の場合、
一つの検出器は、サンプルフィルタアセンブリ10を通じて信号を見ることがで
き、このサンプルフィルタアセンブリ10は、幾つかのバックグランド放射線を
含み且つサンプルの光電流ISを提供する。基準検出器アセンブリ28は、基準
フィルタを通じて種を見て且つバックグランド放射線に丁度相応する基準光電流
Rを提供する。過剰なノイズを50dB以上消去し且つ大きい一般的なDC成
分を消去することは、op−ampの直前で検出器の各々の光電流を釣合わせる
ことにより実現される。このように、op−ampの出力の増幅した差は零に近
くなる。回路は、op−ampの出力を略零に保持する負のフィードバックを使
用してIS、IR間の予め定めた比を連続的に保とうとする効果がある。典型的に
、サンプルの電流はIS>IRに設定される。その双方の検出器の電流が同時に変
化するとき、フィードバックラインの電流は何ら観察可能な変化を示さない。し
かし、目標種による検出可能な吸収のため、検出器の一つ、すなわちサンプル検
出器のみが変化するとき、フィードバックラインは、電流をその予め設定した比
に再度釣合わせようとする。
【0050】 フィードバックラインの電圧は次の通りである。 V0=−ln((IS−IR)/IR) このように、フィードバック電圧の測定値は、基準電流により基準化されたサ
ンプルの電流と基準電流との差を直接測定するために使用することができる。測
定が放射線の絶対値に依存すること及び過剰なノイズの調節が解消されることの
ため、この単一のステップの減算及び基準化は魅力的である。更に、op−am
pへの入力はIS−IRまで減少するため、バンドパスフィルタ自体による熱放出
のような大きいDC成分は増幅前に除去され、これにより、増幅器を飽和させる
ことなく高利得の検出を許容する。この特徴的な特性は、大きい検出帯域幅と共
に、遠隔感知のための遠赤外線に非冷却の検出器及び非冷却のフィルタを使用す
る場合のようにバックグランドレベルが高いときでさえ、低信号を測定すること
を許容する一方にて、高感度を可能にすることである。全ての構成要素が低コス
トで且つ小さい寸法であることを考えるならば、幾つかの目標種を同時に検出す
ること、すなわち同一種の追加的なスペクトル線の検出による特定を向上させる
ことは、幾つかの対のセンサーセンブリ(例えば、図1の形態)を各対のセンサ
ーセンブリに対し一つずつ設けられた多数のBRD回路を有する検出器出力の比
較装置と組み合わせることにより、可能となる。
【0051】 (フィルタの選択) 本発明の図1及び図2の実施の形態において、一つ以上の目標種の吸収又は放
出線と一致する周波数に中心がある狭小な帯域(例えば、遠赤外線15cm-1
内で伝播させるバンドパスフィルタをサンプルフィルタアセンブリ10又は44
として選び、また、中心周波数が目標種の主要な吸収又は放出線と一致しないが
、帯域幅が同一又は略同一のバンドパスフィルタを基準フィルタアセンブリ14
又は46として選ぶことにより、種特有の検出が実現可能となる。その代わり、
基準フィルタアセンブリ14又は46の中心周波数は、一つ以上の雰囲気ガス(
例えば、一つ以上のH2O、CO2又はO3)のような、主要な又は影響力のある
バックグランド又は非目標種の一つ以上と一致するように選び、その選んだ雰囲
気ガス又はその他の非目標種の吸収又は放出が基準フィルタアセンブリ14又は
46を透過する量が、その同一種の吸収又は放出がフィルタアセンブリ10又は
44を透過する量に等しく又はそれと同等の程度であるようにする。より好まし
くは、同一目標種の別の吸収(又は放出)線と一致する第二のサンプルフィルタ
アセンブリ及び第二のサンプルフィルタアセンブリの透過帯域と一致する非目標
種による吸収(又は放出)を補正する基準フィルタアセンブリを使用する。同一
の目標種の2つの別個のスペクトル線を検出するため2つの異なる対のフィルタ
アセンブリを使用することは、分光測定的に同様の非目標種が存在する場合でさ
え、その目標種を特定するための追加的な手段を提供することになる。同様に、
他の目標種を検出し且つこれらの種と関係したバックグランド信号を補正するた
めの追加的なフィルタアセンブリ対を追加することができる。
【0052】 かかるフィルタの選択は、新しい型式の吸収差輻射計(DAR)を形成する。
本発明のDAR設計による効果は、サンプル検出器アセンブリ26又は60に対
する選ばれた非目標種による干渉が解消され又は最少とされ、目標種の検出感度
及び特定性を向上させることができることである。
【0053】 本発明によるDARとBRDアセンブリとを組み合わせることは、手持型の形
態又は操作不要の目標種の検出(例えば、遠隔的に誘導される車の場合)に対し
て特に魅力的であり、それは、かかる装置は、(1)大気状態(例えば、湿気及
び水)に拘らず且つ色々なバックグランド(建物、地形又は曇り空)の検出のた
めに使用することができ、(2)分光測定的に同様である他の種が存在する場合
でさえ、一つ以上の目標種を確実に特定することを許容し、(3)現場での複雑
な計算を行わずに、非熟練のオペレータがその結果を解釈することを許容し、(
4)例えば、非冷却の遠赤外線検出器の場合でさえ、低ノイズの等価スペクトル
放射輝度(NESR)となる広帯域の検出及び高生産能力を利用することを可能
にし、(5)単一点の測定用の形態とされたときに、ショットノイズの限界値の
検出を可能にし、また、例えば、非冷却の遠赤外線スペクトル成分による多くの
放出が存在するときでさえ、装置内で使用される前置増幅器の飽和を防止する特
徴的な減算技術を利用し、(6)手持ち型又は操作不要のセンサーとして使用す
ることを目的とする装置にとって必要とされるように、コンパクトで、エネルギ
効率的で、軽量で且つ堅牢であり、(7)像形成条件に適合する大きいFOVを
有する形態とすることができることである。
【0054】 これと代替的に、サンプルフィルタアセンブリ10又は44が目標種の主要な
スペクトルの特徴と一致する減衰帯域を有するノッチフィルタを備え、また、基
準フィルタアセンブリ14又は46がサンプルフィルタアセンブリ10又は44
のノッチフィルタの基材にて出来たブランクを備える、図1又は図2のセンサー
の代替的な実施の形態を使用して、更に優れた感度が得られるようにしてもよい
。また、基準経路内にブランクが存在しない場合でさえ、低感度の検出を行うこ
とができる。集光光学素子24又は32により集められ且つバンドパスフィルタ
25又は64を透過した放射線は、ノッチフィルタを一回透過し、次に、基準ブ
ランクを(又は基準フィルタブランク無しで基準経路に沿って)透過する。DA
R装置の場合と同様に、次に、放射線は検出器26又は28(図1)により同時
に記録され又は代替的に検出器60(図2)により各経路に対して記録される。
かかるフィルタの選択は、スペクトル特性をノッチフィルタラインを相関させる
ことにより、目標種による吸収又は放出と、干渉するバックグランド放射線とを
識別することができる、一つの型式のノッチフィルタ相関型電波強度計(NFC
R)を形成する。基準ブランク14又は46を通して目標を見たとき、バンドパ
スフィルタアセンブリ25又は64により画定された制限的な装置の帯域帯内の
その放射線の全ては略零の減衰状態で伝播される。このため、この放射線は、目
標種による吸収(放出)と組み合わさって、大気成分の場合はアルべド、赤外線
感知の場合は視野(FOV)内の物による熱放射、のような多くのバックグラン
ド成分を含む。目標種が寄与する程度は極めて僅かであり、直接、検出すること
ができないことがしばしばである。しかし、目標種の主要なスペクトル特性に一
致する帯域を有するノッチフィルタアセンブリ10又は44を通じて見たとき、
その特有の特性は選択的に減衰される。ノッチフィルタアセンブリ10又は44
の減衰スペクトルに一致しないその他の成分のスペクトル線を含む可能性のある
バックグランド自体は僅かしか減衰されない。このため、基準ブランク14又は
46を通じて得られた信号をノッチフィルタアセンブリ10又は44を通じて得
られた信号から減算するならば、ノッチフィルタ外の干渉特性及びその帯域と一
致する特性部分の殆どを消去することになる。この差は、ノッチフィルタアセン
ブリ10又は44の帯域と目標種のスペクトルとの間の相関関係(すなわち釣合
い)に強く関係しており、バックグランド又はその他の媒体による干渉を排除し
つつ、目標種の識別標識を確実に同定し且つその光学的濃度C×L(ここで、C
は濃度、Lは光路である)を測定するために使用される。図1及び図2に図示す
るように、放射線又は関係しないスペクトル成分による干渉を更に少なくするた
め、サンプル及び干渉路に共通の経路に沿った集光光学素子24又は32と検出
器26、28又は検出器60の間の任意の箇所に配置することのできるバンドパ
スフィルタアセンブリ25又は64により検出帯域幅を制限することができる。
バンドパスフィルタアセンブリ25又は64は、目標種の識別標識が最も顕著で
ある周波数範囲(例えば、DMMPの検出の場合、約1086cm-1の約15c
-1の範囲まで)にて通過するように選ばれる。
【0055】 NFCRは、遠隔感知又は遠隔像形成のために使用することができる。例えば
、NFCR装置及び検出器60としての単一のIR FRAを使用して大気中の
化学雲を検出すべき像形成のためには、基準ブランク46を通じて得られた像を
デジタル式に記憶し、次に、ノッチフィルタアセンブリ44を通じて別個に得ら
れた像から画素毎に減算する。これら2つの像の間の差は目標種が存在しない場
合でも失われない。しかし、大気中の排出物又はFOV中のその他の目標種の存
在により、その差は周囲環境に対して変化し、これにより目標種の分布像を提供
する。勿論、この差の程度は、特に、入射放射線の全体量に依存する一方、この
入射放射線の量は、FRA上で画素毎に変化する赤外光線を感知する場合、アル
べド又は表面温度のようなパラメータに依存する。かかる変化を補正するため、
ポイント測定すべく図1に図示したようなNFERを使用するとき、BRDアセ
ンブリ又はその他の装置により、又は像を形成する場合のように、基準ブランク
を通じて得られた像におけるその画素毎の差を割るだけで、その差の像を基準化
することができる。データ処理速度が高速度の像形成に一致しなければならない
迅速移動のプラットフォームから像を形成し且つ検出するのにNFCR装置は特
に有用である。NFCR装置は、固定された媒体又は可動の媒体の広い面積の探
索、捕獲及び照準決めに好適であり、DAR及びBRDアセンブリの組み合わせ
体に関して上述したものと同一の利点を有する。
【0056】 NFCR及びDARの双方は、多数スペクトル又は簡略化した超スペクトル像
形成技術と考えることができる。現在提案されている殆どの超スペクトル技術に
おいて、分散又は干渉測定用の像形成分光測定計によりスペクトルの全体が迅速
に走査され、特定の波長及び帯域幅の各々にて目標の多数の像が記憶される。例
えば、1998年10月26−30日にバージニア州ウィリアムズバーグで開催
された化学的及び生物学的防御のための独立的な検出に関する第4回合同研究会
でのギティンズ(Gittins)らによる「生物エアーゾルの受動、独立的な
赤外線検出(Passive Standoff Infrared Dete
ction of Bio−Aerosols)」、バージニア州ウィリアムス
バーグで開催された化学的及び生物学的防御のための独立的な検出に関する第4
回合同研究会(1998年10月26−30日)でのハインリッヒ(Hinnr
ichs)らによる「現在技術の赤外線超スペクトル像形成を使用するガス煙監
視のための遠隔感知(Remoto Sensing for Gas Plu
me Monitoring Using State of the Art
Infrared Hyperspectral Imaging)」を参照
するとよい。このように、遠赤外線にて感知するとき、各々が10cm-1の帯域
幅にて記録された約40個の像が8−13.3μmの範囲をカバーするのに必要
とされる。高空間分解能(すなわち、多数の画素)の必要性と組み合わさったと
き、デジタル記憶及び処理の必要性が顕著となる。多分より重要なことは、利用
可能なFPAが50Hz以下の像形成速度を提供することであろう。このように
、完全な超スペクトル走査を記録するには、約1秒かかる。可動のプラットフォ
ームから、かかる走査の開始の像は、その走査の終了時の像と同一の地面の特徴
を含まず、このため、正確な点ごとのスペクトル処理を煩雑にし又は不可能にし
さえもする。これに反して、本発明のNFCR及びDARの実施の形態の双方は
1/25秒以内で記録可能な2つの像があればよい。空気中のプラットフォーム
から像を形成する場合のように、500ミル/時にて、その速度における2つの
像の間の空間的シフトは9.144m(30フィート)以下であり、処理前にそ
の像をデジタル的にシフトすることにより補正することが可能である。
【0057】 本発明のNFCR及びDARの実施の形態はまた、別の重要な利点ももたらす
。例えば、DARは、短い距離からより優れた感度を提供することができる。他
方、非目標種による吸収の干渉又は遠隔感知のため大気中のアルべドのスペクト
ル変化に対しDARはNFCRよりも影響を受け易い。その結果、検出路の変化
(例えば、動きによる)又はその制限(例えば、大気の感知のための気象)の変
化は、性質上、かかる干渉効果を補正する、NFCRの場合よりもDARによる
測定の場合により大きい影響を与える。
【0058】 DAR型センサーにて使用するため、紫外線(UV)、可視光及び赤外線(1
80nm乃至20μm)内のバンドパスフィルタは、幾つかの製造メーカから入
手可能である。典型的に、これらのフィルタは、特定の線中心、特定の帯域幅(
例えば、遠赤外線にて11cm-1又は15cm-1、可視光及び紫外線にて1cm -1 以下)及び最高透過率(例えば0.64以上)となるように特別な設計のもの
とすることができる。特定の適用例において、フィルタは検出器の窓部に置換し
、これにより薄いフィルタに対する機械的支持体を提供しつつ寸法を小さくする
一体化した設計を提供することができる。NFCRにて使用するため、UV及び
可視光領域のノッチフィルタは幾つかの製造メーカから入手可能であり、その窓
部を置換しつつ検出器に直接取り付けることができる。遠赤外線分野にて商業的
に利用可能なノッチフィルタは、現在、存在しないと考えられる。しかし、ノッ
チフィルタの機能は、所望のノッチフィルタと同一の特徴を有する絶縁被覆した
バンドパスフィルタの表面からの反射光を使用して実現可能である。このことは
、図3に図示されており、この場合、第一のミラー及び第二のミラー72、74
が図2に図示した装置の実施の形態に追加されビーム22の第一の部分36を絶
縁被覆したバンドパスフィルタ44の表面から反射させ且つその部分をその当初
の経路すなわち第一の光路38に戻す。同様のノッチフィルタを図1に図示した
本発明の実施の形態にて使用し得る形態とすることができる。
【0059】 NFCR又はDAR型のセンサーが使用されるかどうかに関係なく、センサー
内で使用されるバンドパスフィルタ又はノッチフィルタの特徴を測定し得るよう
にするためには、特定すべき目標種のスペクトル及び補正すべき非目標外種を分
析しなければならない。このことは、有毒な化学物質、大気中の汚染物質及びそ
の他の潜在的な目標種の遠隔感知技術は、必然的にかかる成分の放出光又は吸収
特性の何れかを利用し、その結果、光源(自然又は人工的なもの)と目標種との
間の放射線、次に、目標種と検出器との間の放射線を大気及びその他の干渉物質
を通って伝播しなければならないことになる。
【0060】 NFCR及びDARは,大気中の遠隔感知のために使用することができる。こ
の適用例において、大気中の透過率は重要なパラメータである。大気中の透過率
は、分子の吸収及び散乱、エアーゾルの吸収及び散乱、大気の屈折率の変化の間
の複雑な相互作用である。H2O、CO2、O3、CH4、N2Oのような分子は、
主として、分子の吸着を生じさせる。エアーゾルは高密度であるとき、例えば、
雲及び煙の場合、顕著に寄与する(これはその成分の分子吸着に加えられること
になる)。乱流はまた幾つかの測定値に影響する可能性がある。しかし、本発明
によるBRDアセンブリ又はその他の基準化装置による減算及び基準化は、エア
ーゾル及び乱流の殆どの効果を補正し、また、バンドパスフィルタが使用される
場合の基準フィルタの選択に依存して、大気中の分子の吸収の殆どを補正する。
このため、目標種自体により発生された信号が全てのノイズ発生源を上回る限り
、析出物、雲又は煙が存在する場合でさえ、DAR又はNFCRの何れかにより
、特に低感度の検出が可能である。
【0061】 大気の吸収による過度の減衰を防止するため、DAR又はNFCRセンサーの
各々は、制限された大気範囲内で作動しなければならない。これらの範囲の正確
な程度は、検出の範囲及び許容可能な減衰程度に依存するが、最も重要な範囲は
約0.3μm乃至約1.5μm、約3μm乃至約5.5μm、約8μm乃至13
.3μmの波長範囲であると考えられる。
【0062】 目標種を受動的に検出するため、かかる目標種の光学的吸収及び放出は自然な
分布状態間の遷移により行わなければならない(人工的に励起した状態間の遷移
により放出が行われるLIFの場合と相違する)。このため、受動的な検出は、
振動及び回転遷移が基底の電子状態にて生ずる赤外線及び遠赤外線に限定される
(電子状態間の遷移の殆どは目をくらませる太陽光線の紫外線にて生じ、火炎、
プラズマ及び電気放電のような高温の媒体に典型的である)。殆どの有毒な化学
物質はまた、上述した2つの大気範囲に属する3.3乃至4.2μm及び8乃至
13.3μmの範囲内で強力な吸収性を有する。しかし、3.3乃至4.2μm
の範囲内の多くの関連する目標種の帯域は、確実な同定を妨げる可能性のある多
くの大気中の炭化水素により3.1乃至4.1μmの範囲内の強力なC−Hの区
間と一致する。このように、8乃至13.3μmの範囲は受動的な遠隔大気感知
にとって最適であると考えられる。
【0063】 図4には、一例として、ジメチルメチルホスホン酸塩(DIMP)及びジイソ
プロピルメチルホスホン酸塩(DIMP)の殺虫剤として使用される2つの化学
薬剤のスペクトル変化が示してある。その双方が帯域の最高周波数、帯域幅及び
吸収率を含む、その他の極めて有毒な化学物質と同様のスペクトル特性を有する
ため、これらの化学薬剤は、遠赤外線にて遠隔センサーを試験するとき、分光測
定の励起体としてしばしば使用される。その結果、入手可能な報告は、目標種と
してDMMP及びDIMPを使用する測定を記載することがしばしばある。本発
明の特徴は、また、これらの化学薬剤を使用してモデル化し且つ評価したもので
ある。図4に図示したスペクトルは、Opt.Eng、vol.24、982−
84(1959)におけるホフランド(Hoffland)らによる「化学薬剤
及び励起体のスペクトル識別標識(Spectral Signatures
of Chemical Agents and Simulants)」に記
載されたものと同等である。(a)その双方の化学薬剤は、少なくとも部分的に
互いに重なり合うスペクトル成分を有することが明らかである。例えば、108
6cm-1で最高値となるDMMPの主要な線は、DIMPの第二の線の一つと重
なり合い、(b)通常、CO2のようなより軽い分子のスペクトルにて見られる
微細な構造体がそのスペクトルに存在せず、(c)これら線の吸収率は、例外的
な程に大きい。例えば、0.01gr*cm/リットル(又は標準的な大気状態
にて16.6ppm−m)のDMMPによる透過率は、0.72であり、また、
同様の光学的濃度を有するDIMPの通過率は、0.85である。これら強力な
吸収性であること及び微細な構造体が存在しないことは、本発明のDAR又はN
FCRのような簡単な検出器によってさえこれらの化学物質及び同様の有毒な化
学物質を敏感に検出することを許容する。他方、2つ以上の種の広い帯域線が重
なり合うこと及び微細な構造体が存在しないことは、DAR又はNFCRセンサ
ーの形態における単一の検出路によってスペクトル的に同様の成分を区別するこ
とを妨げる可能性がある。DARの形態に対するバンドパスフィルタ又はNFC
Rの形態に対するノッチフィルタと組み合わせて、一つ以上の追加的な対の検出
器(図1におけるように)又は検出路(図2にあけるように)を採用することは
、種間を区別すること、すなわち特定化が必要とされるときに望ましい。このこ
とは次の分析により示す。
【0064】 色々な光学的濃度C×Lにて特定の目標種又は化学物質が水平の大気経路を通
る透過を説明するための数式モデルが本発明により開発された。かかる種を検出
すべく使用されるとき、DAR及びNFCRのパラメータを最適にし、また、F
OV内に化学物質がある場合と無い場合とのその信号の差を推定するためにこの
モデルを使用した。図5に図示するように、基準フィルタの中心周波数が変化す
るときに基準化した総DAR信号の差を計算し、標準的な大気中における水の密
度と一致する、0.00775の大気圧の部分圧力にて水蒸気のみを含む大気圧
であると想定して、DARによる化学薬剤の検出を最適にする基準フィルタに対
する周波数を特定した。CO2又はO3のようなその他の吸収剤もこの構造に寄与
するが、標準的な大気状態におけるこの効果は、目標から1乃至3kmの位置で
小さく、より長い距離にて分かりきったものであることがしばしばである。この
モデルは、その水の吸収(放出)を最適に補正することができる基準フィルタを
選ぶことを許容する。図5には、FOV内でC×L=16.6ppm−mのDM
MP(23.85℃(297K)及び1気圧における0.01gr*cm/リッ
トル)を有する基準化した総吸収信号を示す上方曲線と、この化学薬剤が存在し
ない総吸収信号を示す下方曲線という2つの曲線が図示されている。これら曲線
の双方の場合、サンプルフィルタの中心線周波数はDMMPが強力な吸収効果を
有する、1086cm-1であった。その双方のフィルタの帯域幅及び透過率はそ
れぞれ12.6cm-1及び0.64であった。BRDアセンブリに関して上に説
明したように、検出器の各々の光電流を基準電極の電流で割ることにより基準化
のモデルを形成した。FOV内に種を有する場合又は有しない場合の吸収測定値
の差は、基準フィルタの周波数と共に変化するが、基準フィルタが928.5c
-1でありかつIR源がその種よりも遥かに高温であるとき、基準化信号の15
%以上である。この差は、予想されるSNRよりも著しく大きい。源(地面)が
その種よりも僅か5Kだけ高温度であるとき、その差は1.5%に低下する。目
標種の検出が放射による場合、すなわち、目標種がそのバックグランドよりも高
温であるとき、同様の変化(但し、方向は逆)を予想できる。
【0065】 図5の結果はまた、線の中心が928.5cm-1(図5の垂直線で表示)を有
する基準フィルタを選ぶとき、下方曲線は零を経て進むことを示す。このように
、この周波数に中心がある基準フィルタは、1086cm-1に中心があるサンプ
ルフィルタに対しバックグランドを略完全に消去することを可能にする。図5に
図示するように、その他の周波数もバックグランドを略完全に消去することもで
きるが、この選択により、水蒸気による吸収(放出)に対する略完全な補正を長
距離まで延長することが可能となる。このことは、大気が僅か0.0075大気
圧の水蒸気のみを含み、また、検出された光線が30kmの距離まで進むとき、
基準化した総DAR信号が略零の状態(下方曲線)で図6に図示されている。こ
のシミュレーションにおける装置のパラメータは図5に図示したものと同一であ
る。16.6ppm−mのDMMPを追加したとき、その信号は15%以上増加
するが、依然として、その距離から独立している。大気中の全ての成分を含むと
き(2つの上方曲線)、その測定値は最早、距離から独立していないが、依然と
して大気中の湿度から独立している。16.6ppm−mのDMMPをFOV中
に明確に添加すると、5kmの距離まで大気層のバックグランド信号よりも大き
い信号が発生する。このため、放射線が5km以下の距離にあるとき、DARの
絶対値を読むことでDMMPを検出することができる。より長距離において、F
OV中に化学物質が無いときに得られた独立的な測定値とこの測定値とを比較す
ることにより、DMMPを検出することができる。このように、バックグランド
の補正のためにこの基準フィルタの周波数を選ぶことにより、DMMPの検出及
び測定は、大気中の湿度と独立的であり、このことは、現場での測定にとって極
めて有益なことである。DMMP、その他の殺虫剤、大気中の排出物又は任意の
その他の目標種のその他のスペクトル線に対し同様に最適化したバックグランド
の減算法を開発することができる。
【0066】 上述したように、一つのサンプルフィルタ及び最適に選んだ一つの基準フィル
タと共に一対の検出器を使用することは、水蒸気のような一つのバックグランド
ガスの吸収又は放出効果を補正しつつ、一つの目標種を敏感に検出することを可
能にする。しかし、DIMP及びDMMP(図4)のような特定の化学薬剤の幾
つかのスペクトル線が重なり合うため、FOV中の一つの種が別の化学薬剤の検
出専用とされた単一のDAR又はNFCRセンサーによる測定を妨げる可能性が
ある。例えば、1086cm-1に中心があるサンプルフィルタを使用することに
よりDMMPを検出し得る形態とされたDARセンサーは、1110cm-1の線
に関係させたDIMPによる吸収を検出することができる。勿論、図5及び図6
のデータを得るために使用した12.6cm-1のような十分に狭小な帯域幅であ
る場合、そのフィルタを通じてのDIMPの検出は無視してよい。しかし、10
86cm-1にて水蒸気による吸収に最適に釣合うように選ばれた928.5cm -1 における基準フィルタは、917cm-1DIMP線の末端と一致する。その結
果、DMMPがFOV(図6)にあるとき、基準化した総DAR信号を増大させ
る減算法及び基準化法は、DIMPが存在するときDAR信号を減少させること
になる。このように、FOV中のDMMP及びDIMPの混合体は、不明確なD
AR測定値を提供し又は場合によっては、総信号を全く提供しない。例えば、0
.14gr*cm/リットルのDIMPは、0.01gr*cm/リットルのDM
MPによる基準化した総信号と略同一の絶対量を有する負のDAR信号を発生し
得るよう数値で示したものである。このように、DMMPのみを検出し得るよう
に最適化されたDARセンサーは、これら光学濃度における種の混合体がFOV
中にあるとき、総信号を全く発生させない。勿論、同一の検出器は、DMMP依
存の出力を提供するが、この出力だけは、バックグランドの補正がされず、大気
の湿度による影響を受ける。
【0067】 DMMPによるこの干渉の結果は、一つ以上の追加的なDMMPの線、一つ以
上のDIMPの線又はその組み合わせを検出し得るように最適化された検出器の
対から成る追加的なDARを導入することにより解消することができる。例えば
、4つの別個の検出器から成る、図7に図示したような、商業的に利用可能な4
位置検出器は、二重DARとして機能する2つのBRDを追加することによりそ
の形態を設定することができる。1086cm-1及び928.5cm-1のバンド
パスフィルタをこれら検出器の2つ(例えば、上側の2つ)に取り付けることに
より、これらフィルタは、水蒸気による吸収又は放出を補正し得るよう最適化さ
れた第一のDMMP DARセンサーとして一つのBRDと共に作用可能である
。第二のDMMP線の一つと一致し得るように948cm-1に中心があるバンド
パスフィルタを有する第三の検出器、及び第二のBRDと共に、水蒸気による吸
収又は放出効果を補正し得るように1007.75cm-1に中心があるバンドパ
スフィルタを有する第四の検出器が第二のDMMP DARセンサーを形成する
ことができる。その双方のDARにおいて、フィルタは12.6cm-1の帯域幅
及び64%の最高透過率を有するものと想定する。
【0068】 表1に示すように、0.01gr*cm/リットルのDMMPが1kmの距離
にてFOV中に存在するとき、第二のDMMP DARにより測定した基準化総
DAR信号は、バックグランド信号よりも約4.1%多い。比較により、第一の
DMMP DAR(図7の頂部の2つの4位置検出器)により基準化した総信号
はバックグランド信号よりも15.5%多い。これら2つの信号間の比は、相応
するDMMP線の最高吸収率の比と同程度である。勿論、大気中の分子及び目標
種による強力な吸収と関係した非線形性であるから、この比は、DMMPの光学
的濃度が増すとき又は大気中を通る吸収経路が増大するときに変化する。しかし
、この比は、10kmの範囲に亙って25%以内に保ち、これにより、特に短い
距離にてDMMPの指紋状の特定を可能にし且つDMMPのみが存在することを
確認する。
【0069】 第二のDMMP−DARによる検出は、第一のDARの場合と同様に、DIM
Pによって行われる。表1に示すように、0.1gr*cm/リットルのDIM
PをFOV中に挿入すると、第三及び第四の検出器により発生される基準化した
総信号はバックグランドDAR信号よりも約30%減少する。比較すれば、0.
01gr*cm/リットルのDMMPにより発生された第二のDAR出力は+4
.1%である。このように、同一量のDIMPは,第一のDMMP DARセン
サーの信号を略オフセットとするのに十分である一方、第二のDMMP DAR
センサーにDMMP信号と識別可能な信号を発生させる。この例は、DMMP及
びDIMPの2つの相違する光学的濃度dDMMP、dDIMPは4位置の2つのDAR
センサーにて2つの相違する応答を生じさせることを示す。実際の使用中及び較
正後、これらの応答は、その双方の種の光学的濃度を計算するために使用するこ
とができる2つの独立的な数学的等式に対する必要な項を提供することができる
。このように、専用のDARセンサーがない場合でも、DIMPを検出し且つそ
の光学的濃度を二重DMMP−DARセンサーにより測定することができる。こ
れらの測定値を独立的に確認することは、最大強さのDIMPの線にて985c
-1のフィルタと、バックグランド補正のため934cm-1のフィルタとを有す
る検出器から成る第三のDIMP−DARセンサーにより実現可能である。専用
のフィルタ及びBRDを有する追加的な4位置検出器を更なる特定のため又は追
加的な目標種を検出するために装置に追加することができる。これと代替的に、
極小型のフィルタエレメントから成る線形フィルタアレイを有する線形検出器ア
レイは、これら及び追加的な目標種を検出可能であると共に、追加的な大気種に
よるバックグランド効果を補正し得るような設計及び構造とすることができる。
商業的に入手可能な線形アレイは、256個の要素を備え、これにより、128
の異なる目標種の線を同時に検出し且つ各種に対する一つのバックグランド効果
を補正することを許容する。かかる大きいアレイにおける各対の検出器要素に対
しBRDを使用することは、データの採取、記憶及び処理労力を著しく簡略化す
ることにつながる。
【0070】 DARと異なり、NFCRセンサーは、サンプル検出器の周波数にてバックグ
ランド光線を集める。このため、サンプル検出器に影響を与える全てのバックグ
ランド種に対しバックグランドの吸収及び放出の補正が同時に行われる。更に、
この測定には、一つの周波数範囲しか含まれていないから、そのスペクトル線が
ノッチフィルタ又は帯域幅制限フィルタ(例えば、図1及び図2のフィルタ25
又は64)の帯域内で重なり合う場合にのみ、別の目標種を検出するときに一つ
の目標種による干渉が生じる可能性がある。このことは、0.01gr*cm/
リットルのDMMPによって生じたDMMP−NFCRの総NFCR信号を計算
することで実証された。このDMMP−NFCRの設計は、12.6cm-1の1
086cm-1の帯域幅及び透過率0.3のノッチフィルタと、15cm-1の帯域
幅及び透過率0.64の帯域幅制限フィルタとを備えるものとした。従来と同様
に、サンプル検出器及び基準検出器に接続されたBRDにより2つの一体形(単
一の要素)検出器のデータ処理が行われることが最良である。表1に示すように
、FOV内にDMMPが存在することは、信号をバックグランドよりも約1.8
%だけ減少させる。0.1gr*cm/リットルのDIMPをFOV内に導入し
たとき、基準化した総DMMP NFCR信号は、バックグランドよりも約2.
5%だけ増大する。DMMP−DARセンサーの場合と同様に、DIMPは、D
MMPの混合体として含まれたとき、DMMP−NFCR間のDMMPによって
発生された信号をオフセットすることができる。DIMP−NFCRのような第
二のNFCRセンサーは、かかる不明確さを解消すべく必要とされる。その主要
線におけるDIMPがかかる専用のDIMP−NFCRセンサーにより検出され
たならば、0.1gr*cm/リットルのDIMPの同一DIMP光学濃度と関
係した信号は、バックグランドより8.7%少ない。尚、同一のセンサー内の0
.01gr*cm/リットルのDMMPにより発生された信号はバックグランド
より僅か0.16%多い。このシミュレーション用として、DIMP NFCR
センサーは、その最大強さの線と一致するように、983cm-1に中心があるノ
ッチフィルタを含むものとした。センサーのその他のパラメータは、DMMP−
NFCRセンサーのパラメータと同一とした。このため、DARの場合と同様に
、2つの別個のNFCRセンサーにより検出したとき、同一のDMMP/DIM
Pを感知すれば、大幅に相違する2つの応答が得られる。
【0071】 センサーの各々により検出された種の各々に対し較正された応答パラメータを
使用することにより、FOV内に同時に存在する場合でさえ、その双方の種の光
学的濃度を算術的に求めることが可能である。DMMPの第二の線又は第二のD
IMP線、或いはその双方を検出するため、NFCRセンサーを導入することで
測定値を更に確認することができる。DARと同様に、追加的な4位置検出器又
は線形アレイを使用することは、その測定を追加的な種に拡張することを可能に
する。
【0072】 明らかにであるように、NFCRは、DARと同等の特定化を可能にすること
がでる。しかし、予想された残留するバックグランド信号(図示せず)は、補正
した後でも、DARの信号よりも多い。更に、ノッチフィルタは、現在、全ての
スペクトル領域内で使用できるとは限らない。ノッチ状の性能は、ミラーとして
(例えば、図3に図示するように)バンドパスフィルタを使用することにより実
現可能であるが、かかるアプローチ法は、装置の設計を多少複雑なものにする。
しかしながら、UVにて水素の発火を検出するような用途において、NFCRを
使用することが好ましい。この場合、主として、昼間又は夜間の光によるバック
グランド放射線レベルは、成層圏のオゾンにより太陽光線を吸収することにより
波長と共に迅速に変化する。このように、略同一の周波数にて基準及びサンプル
の検出を行うことは、バックグランドの補正を簡略化し且つ改良することになる
【0073】
【表1】 DAR装置の性能を更に示すため、遠赤外線におけるその感度を評価した。2
つのセンサーは、通常、本発明のDAR又はNFCR装置による目標化学薬剤の
検出感度を制限する、すなわち、ノイズ等価パワー(NFP)又は検出率D*
より決定された検出器のノイズ、及び非冷却フィルタの場合、バンドバスフィル
タ自体による熱放出は、同様に、それ自体のショットノイズを有する大きいDC
成分として現れる。この後者に関しては、この熱放出は、フィルタが室温にある
とき、伝導された放射輝度を著しく上廻る可能性がある。検出器の出力比較装置
によってサンプル電流から基準光電流を減算することは、そのDC成分を補正し
、この成分と関係したショットノイズを減算することはできない(事実上、これ
は、二乗平均値(RMS)としての加算値である)。このノイズは、フィルタを
冷却し、これにより放出を少なくするか、又は著しく長い積分時間とすることで
放出を少なくすることができる。以下の分析は、検出器ノイズ及びフィルタの熱
放出の効果を別個に考えて、全体的なSNRの推定値を提供するものである。
【0074】 その検出器のNEPに基づいてフーリエ変換赤外線分光計(FTIR)センサ
ーの検出限界値を推定するため、フラニガンの特許に詳細に記載された方法、す
なわち、MODTRANの使用による能動的な赤外線により危険な蒸気の検出限
界値の予測(Predication of the Limits of D
etection of Hazardous Vapors by Pass
ive Infrared With the Use of MODTRAN
)App.Opt.vol.35、6090−98(1996)を使用した。利
用可能な信号は、検出の立体角Ωにより及びレンズ面積Aにより制限される。こ
れら2つのパラメータは、直角入射の場合、次式で表すことができる、単一のパ
ラメータ、すなわち、etandue(E)に組み合わせることができる。
【0075】
【式1】
【0076】 等式2の二項は、幾何学的光学素子を使用して求められたestandueの
近似値であり、検出器の作用可能な領域のレンズf/#及び直径ddを含む。提
案されたf/lレンズ及び提案されたdd=0.3cmの場合、etandue
はE=0.056sr−cm2となる。このestandueを使用すれば、赤
外線検出器のノイズ等価スペクトル放射量(NESP)は、次式により特定する
ことができる。
【0077】
【式2】
【0078】 ここで、ADは、検出器の面積、t=10msは、提案された検出積分時間、
*=2.5 108cmHz1/2/W-1は、電気サーモパイルの検出率であり(
パイロ電気検出器に対するD*は同様である)、τs=0.64は典型的なバンド
パスフィルタの透過率、 はその帯域幅である。これらのパラメータによって、NFSR=1.98×10 -8 W(cm2−sr−cm-1)となる。比較のため、22.85℃(296゜K
)にて黒体による1086cm-1におけるスペクトル放射量(LBB)は次式とな
る。
【0079】
【式3】
【0080】 このように、熱放出に依存する測定とすることにより、これらの特性を有するセ
ンサーは、次のような信号対ノイズ比(SNR)を提供することができる。
【0081】
【式4】
【0082】 この高SNRは、一部分、 の広帯域幅の検出に帰すことができる。比較により、3kmの距離にて16.6
ppm−mDMMPによる吸収に起因する信号の変化は、検出器自体のSNR限
界値よりも15%以上多い(1kmに対する結果は図6に図示されており、この
場合、大口径のレンズの緊密な合焦に起因するフィルタの特定の帯域幅を上廻る
有効な帯域幅を等式3乃至6におけるように使用した)。しかし、殆どのIR感
知の主たる制限は、目標による放出を顕著に上廻るであろうフィルタ自体の熱放
出により課せられ、これにより増幅器を飽和させかつ目標種による僅かな吸収を
検出することを妨げることになる。
【0083】 上述したバンドパスフィルタの熱放出と関係したSNRは、フィルタにより透
過された放射量、次に、それ自体の熱放出によるショットノイズを別個に計算す
ることにより、推定することができる。IRフィルタにより透過された放射パワ
ーは、その透過帯域に亙って検出立体角Ω(FOVにより画成される)及びテレ
スコープ又はその他の集光光学素子のレンズ面積を積分することにより求めるこ
とができる。f=15mmの短焦点を有する第一のf/lレンズ、dd=3mm
の検出器、及び 検出帯域幅の場合、透過された放射量は、次の通りとなる。
【0084】
【式5】
【0085】 従来の場合と同様に(図3参照)、DAR/BRDによる15cm-1の広帯域
の検出は、狭小な帯域幅の検出の信号に比して大きい信号を提供する。 T=300゜Kの温度にてバンドパスフィルタ自体により放出された全放射線
は濾波されず(その透過の場合と異なり)、スペクトルの全体に亙って積分しな
ければならない。フィルタを検出器の上方に直接、接着するならば、その面積は
検出器自体の面積に等しく且つ完全に視認可能となる。穏当程度の放出率ε=0
.5の場合、フィルタにより放出され且つ検出器に照射された放射パワーは次の
通りである。
【0086】
【式6】
【0087】 ここで、σは、ステファン・ボルツマン定数である。明らかに、フィルタ放出
分は、信号自体よりも約500倍、多い(式4)。しかし、BRDの場合、その
フィルタの放出分は、増幅前に、一つの部分内で106まで減算される。勿論、
選んだ検出器の動的範囲は、BRDの性能に適合するように少なくとも106
なければならない。しかし、これは、サーモパイル及びパイロ電気検出器の双方
並びにHgCdTe(MCT)、近IR、可視光検出器及びUV検出器により可
能となる。このように、フィルタ放出分と関係したショットノズルが目標種自体
による吸収に伴う減衰ITよりも小さいならば、僅かな吸収を検出することが可
能となる。
【0088】 サーモパイル(又はパイロ電気検出器)により検出されたとき、IFと関係し
たショットノイズ及びITと比べたその大きさを決定するため、利用可能なサー
モパイルのパラメータを使用してその電流jF、jTの双方を計算した。例えば、
内部抵抗RS=18kΩ及び応答率r=15V/Wの場合、ITに対して検出され
た電流jTは、次式のようになる。
【0089】 jτ=(IT)(r/Rs)=2.9・10-9A (8) IPと関係した電流jτは、同様に、ITをIFで置換することで求められる。
こけらの電流に関係したSNRは次の通りである。
【0090】
【式7】
【0091】 式9の分子は、前置増幅器に利用可能な電子の数を表わす一方、分母はIF
関係したショットノイズを表わし、e=1.6.10-19Cは、電子の電荷であ
り、t=10msは提案された検出時間である。サンプルフィルタ及び基準フィ
ルタの双方が同一のショットノイズを発生させるならば、BRDによりその放射
量を減算した後の比率測定SNRは、(2)1/2だけ減少しなければならない。
しかも、これは、等式5のSNRよりも多くなければならない。このように、こ
の装置のSNRは、BRDにより大きいバックグランドの減算後、1%以下の変
化を検出するのに十分でなければならない一方、3kmにて、DMMPの16.
6ppm−mによる基準化した総信号の変化は15%以上である。このように、
フィルタを冷却しない場合でさえ、15ppm−m以上の優れた感度の検出が可
能でなければならない。増幅段階前に、フィルタの放出を減算することを可能に
するBRD回路が存在しなければ、この高SNRは不可能であることを認識すべ
きである。代替的な信号処理の場合、大きいバックグランドは増幅器を飽和させ
、これにより検出を妨げることになろう。勿論、単一段の熱電気冷却器を使用し
てフィルタを50℃冷却することにより、フィルタ放出を〜2倍減少させること
が可能である。
【0092】 (遠赤外線作用のための検出器の選択) 本発明のセンサーは、説明の目的のみで且つ非限定的に、汚染物質(例えば、
殺虫剤、N2O、NOX、CO)、CH4及びその他の炭化水素H2O、CO2、O3 、CH4を含む遠赤外線中のガス状の化学物質を受動的に検出する形態とするこ
とができる。このセンサーは、また、全ての水素及び炭化水素の発火の中間生成
物であるOH分子を検出するために使用することもできる。炎中のOHは、極紫
外線及び赤外線領域の双方にて明るく放出するから、その放出を検出すれば、さ
もなければ見えない火の発生を警告することができる。特別な例は、宇宙船の打
上げ及びレースカーの運転中に生じる火を含む。
【0093】 これら化学物質及びその他の可能な目標種の多くの検出を成功させるためには
、高応答率及び低NEPである赤外線検出器を必要とする。当該発明者が知る限
り、遠赤外線における最高感度で且つ最静粛な検出器は、77゜Kの極低温まで
冷却する必要のあるHgCdTe(MCT)である。この検出器は、光電流又は
光電圧モードの何れかにて作動することができる。この検出器は、広範囲のIR
波長にて最高感度を有しなければならない。例えば、10.5μmの最高感度の
とき、検出率は である。MCTを196.15℃(77゜K)に保つことは、手持ち型センサー
にとって便宜なことはなく、また、長時間の操作不要の作動のためには極低温冷
却用の必要エネルギ量が大であるから、不可能であろう。他方、冷却しなかった
ならば、8乃至13.3μmの範囲におけるその応答率及び検出率は敏感に検出
するのに不十分である。従って、代替的な非冷却のIR検出器であることが好ま
しい。
【0094】 現在、8乃至13.3μmの範囲内で利用可能である実際的な非冷却の検出器
の各々は、入射赤外光線に起因する温度の僅かな上昇を感知する基本的に熱検出
器である。これらの検出器の主要な短所は、典型的なMCTに比して(約2.5
×1010cmHz1/2-1<1μs)検出率がより小さく及び応答時間がより遅
い(それぞれ、約2.5×108cmHz1/2-1及び1ms)ことである。しか
し、その性質上のノイズの作用は、長い積分時間(約10ms)により減少させ
ることができるから、その上昇時間が遅いこと、及び検出率が低下することは大
きな不利益とはならない。更に、FTIR又はエタロン系センサーの帯域幅に比
して本発明と関係した比較的広い帯域幅の検出は、信号対ノイズ比を著しく改良
することになろう(例えば、App.Opt、vol.34、2636−39(
1995)におけるフラニガン(Flanigan)の「単一のローセンツ帯域
に対する、スペクトル分解能の関数としてのベーパの検出感度(Vapor D
etection Sensitivity as a Function o
f Spectral Resolution for a Single L
orentzian Band)」を参照)、これにより、非冷却のIR検出器
の低検出率を補償するかかる検出器は、また、大きい信号に対し必要とされる大
きいFOVを提供する大きい開口を有する必要がある(勿論、大きいFOVは、
像の解能を低下させ、このため、低感度にて像が形成されよう)。少なくとも1
5ppm−mの光学的濃度にて化学薬剤を測定するため約3mmの開口が必要と
されよう。このように、マイクロボロメータは、D*≒2.5×109cmHz1/ 2-1の優れた検出率を有するが、30乃至40μmの寸法は、高感度検出には
許容できない一方、より大型のボロメータでは感度が著しく低下し、このため、
その何れも許容できない。
【0095】 サーモパイル及びパイロ電気検出器は、手持ち型、無人すなわち遠隔運転車(
RPV)系センサーのような、本発明の幾つかの実施の形態に関して使用するの
に最も好ましい検出器である。その双方の型式の検出器は、非冷却状態で作動し
、例外的に広帯域の応答(0.6乃至35μ)を有し、上昇時間が長く(1乃至
200ms)及び開口がより大きい(5mm以上)状態で作動可能である。更に
、その価格が低廉であること(サーモパイルの場合、約40ドル、及び4位置パ
イロ電気検出器の場合、約500ドル)は、今日でさえ、これら検出器の幾つか
の対をそれ自体のBRDと共に組み合わせて、多数の種の検出又は同一種の多数
線の検出を行い、更なる特定化又は多数のバックグランド種の補正を可能にする
【0096】 サーモパイルは、全体として、低温接続部として作用するヒートシンク体に比
して検出表面の温度を直接、測定し得るように直列に接続された熱電対接続部の
アレイ(例えば、72)から成っている。この応答は温度に依存する。このため
、ヒートシンク体の温度変化は誤差を生じる可能性がある。しかし、センサーに
対し対にて使用される2つの熱電対のヒートシンク体の双方が同一の温度に保た
れるならば(例えば、これらのヒートシンク体を優れた熱導体と物理的に接続す
ることにより)、その共通の温度変化は、この測定に使用されるBRD又はその
他の減算技術によって減算され、測定に影響を与えることはない。市販のサーモ
パイル(例えば、デクスタ・リサーチ・センター・インコーポレーテッド(De
xter Research Center,Inc.)からの3M(登録商標
名)モデル)は、 の検出率、15V/Wの応答率及び18KΩの内部抵抗を有する。これらのパラ
メータにより、約13cm-1のフィルタ帯域幅及び約65%の透過率を使用して
3kmの距離から15ppm−mレベルの目標種の検出が可能となる。
【0097】 上述したように、幾つかの検出器と、複数の回路を有するBRDアセンブリと
を一体化することが可能であり、サンプル検出器アセンブリ内の一つ以上のサン
プル検出器が異なる目標又は目標群を感知し得る形態とされ、基準検出器内の一
つ以上の基準検出器は、同一のバックグランド種の異なるスペクトル線又は他の
バックグランド種の線と関係したバックグランド放射線を感知する形態とされる
。各サンプルセンサーの出力は、一つのBRDのサンプル伸長部に供給される一
方、基準検出器の出力は、BRDの適合した基準伸長部に供給される。バンドパ
スフィルタ又はノッチフィルタは、窓部としてそのそれぞれのサーモパイルと一
体化し、これにより、検出器をコンパクトで且つ堅牢にすることができる。
【0098】 パイロ電気検出器は、赤外線感知のため非冷却の検出器としてのサーモパイル
の代替物とすることができる。その検出率はサーモパイルの検出率と同様である
が、パイロ電気検出器は、900V/Wの電圧応答率と、1011Ωの内部抵抗と
を有し、これらは、サーモパイルの値よりも実質的に大きいものである。従って
、パイロ電気検出器は、より低いジョンソンノイズ及びより高い前増幅した出力
を提供し、これにより、より優れた信号対ノイズ比(SNR)が得られる。パイ
ロ電気検出器は、非対称に配置された結合イオンを含む鉄電気結晶(例えば、L
iTaO3)から成っている。温度が変化するとき、これらのイオンは、僅かに
変化し、これにより格子内に極電流を発生させる。その結果、パイロ電気検出器
は、温度の時間導関数(dT/dt)のみ感知可能である。
【0099】 温度が安定化し且つ静止した目標にて開始したとき、パイロ電気検出器の信号
は数秒以内で弱くなる。この性質は、近傍の非冷却の光学的構成要素の強力な熱
放出を検出するとき、又は検出器自体の温度が正確に制御できないとき、有益で
ある。大気中の汚染物質のような静止し又はゆっくりと変化する目標を感知する
ためには、センサーを動かし又は入射放射線を調整することにより必要な遷移状
態を人為的に生じさせなければならない。0.1乃至10Hzの範囲内で調整す
ることにより、5mmのLiTaO3検出器は、D*=4×108cmHz1/2-1 の検出率にて略均一な反応が得られる。更に、減算−基準化過程のため、この目
的にBRD又は別の装置を使用するかどうかを問わず、サンプル検出器及び基準
検出器の双方に等しく影響を与えることを条件として、不均一な調整に起因する
*の穏当な変動はリアルタイムにて消去される。パイル電気検出器は、単一体
の5mmの検出器又は20mmの4位置検出器の何れかの商業的パッケージ体と
することができる(例えば、図7参照)。バックグランドの感知及び補正のため
一つ以上の4位置部分を使用することができ、また、一つ以上の異なる型式の目
標種を感知するため残りの4位置部分を使用することができる。
【0100】 (目標種の像形成) 本発明のDAR及びNFCRセンサーは、像形成のため(例えば、FPAによ
り)、及び単一点検出のために使用することができる。これらのセンサーは、例
えば、一つ以上の目標種の広い面積を走査すべく閃光灯又は一つの「眼」がセン
サーから成り、もう一方の「眼」が通常のテレスコープから成る双眼鏡としてユ
ーザが目標領域に向けることのできる、簡単な手持ち型装置を含む多数の形態に
て使用することが可能である。本発明のDAR又はNFCRセンサーが手持ち型
装置として具体化される場合、これらは単一の検出器(すなわち、単一画素)の
みを利用するものであることが望ましい。しかし、双眼鏡状の装置又はカメラ状
の装置により化学蒸気雲の端縁の境を設定するといったその他の適用例は、FP
A又はその他の像形成装置の像形成能力による利益を受けることができる。例え
ば、バンドパスフィルタを通じてFPAにより検出するならば、像の形成は可能
である。検出のために選んだ化学薬剤の周波数に中心があるようにした複数のバ
ンドパス(又はノッチ)フィルタストリップを反復的な順序に配列して成る縞状
フィルタにより単一帯域のサンプルフィルタを置換することによりNFCR及び
DAR装置の双方の特定化を向上させることができる。「縞状フィルタ」という
語は、説明のためにのみ使用するものであることを理解すべきである。「縞状フ
ィルタ」は、縞又はストリップの形態としてより経済的に製造可能であるが、格
子、同心円、ハニカム又はその他の適当な形態にて形成することもできる。「縞
状フィルタ」という語は、かかる形態の任意のものを含むことを意図するもので
ある。
【0101】 図8Aには、周波数ν1、ν2、ν3に中心がある一連の3つのバンドバス透
過部分(すなわちノッチ)を有する縞状サンプルフィルタ66の一つの可能な形
態が図示されている。この配列順序はフィルタの全体に亙って反復するようにす
る。このフィルタの後方の検出器68は、フィルタストリップの各々を透過する
光線が幾つかの画素列を照射するのに十分な多数の画素から成るEPAである。
同様に、DARの基準フィルタ(又は、NFCR用の帯域幅制限フィルタ)は、
最適なバックグランド減算のため、サンプルフィルタ66のストリップに適合す
るバンドパスストリップを反復的な順序にて配列したものから成る。このように
、例えば、DARとして作用するためには、ν1、ν2、ν3における基準フィ
ルタ70のストリップは、その種及びサンプルフィルタ66のストライプを通し
て検出すべく選んだそのスペクトル線に対する最適なバックグランドの減算を可
能にするバンドパス透過の周波数である一方、NFCRの場合、これらのストリ
ップは、検出器68付近のv1、v2、v3における帯域幅制限フィルタである
【0102】 図8Bには、その縞状フィルタの形態を通じて像を形成したときの殺虫剤雲の
ような目標化学薬剤の雲の可能な像が図示されている。煙の典型的な寸法は像の
分解能を著しく上廻るから、ν2又はν3にて吸収作用を含まない雲の部分は見
えないままであるが、その境界は十分に画成される。効果として、図8A及び図
8Bに図示した装置は、より高度に特定化し得るよう装置の空間的分解能の一部
分である多重化した3チャネルセンサーである。しかし、雲の横方向への空間的
分布及びその深さを更に精密なものにするため、DIAL又はFTIRのような
協働する装置が像を更に精査することができる。更に、移動する車からの適用例
において、提案されたフィルタのストライプが車の経路に対し直角に方向決めさ
れるならば、センサーを「柄の長い押し箒」のモードにて使用することにより連
続的なカバーが実現可能となる。
【0103】 各配列に更なるストリップを追加することにより、更なる特定化が実現可能と
なる。同一の化学薬剤の2乃至3つのスペクトル線又は他の化学薬剤の線に適合
する「一組み」のフィルタストリップ(バンドパス又はノッチ)を使用してこれ
ら化学薬剤の任意のものを確実に検出することができる。選んだ化学薬剤の隣接
する作用部分が15cm-1以上、空間的に分離していることは、かかるバンドパ
スフィルタによりその化学薬剤を分解するのに十分である。化学薬剤を少なくと
も一つのストリップを通じて検出すれば検出できる。確実な同定は、他の化学薬
剤専用のストリップを通さずにその化学薬剤専用の2つ以上のストリップを通し
て検出することで実現される。更に、色々なフィルタのストリップを通して得ら
れた基準化した総信号の大きさを使用して、それらの化学薬剤を確実に同定する
ことができる。
【0104】 この形態の一つの重要な点は、サンプルフィルタ及び基準フィルタのストリッ
プを通して得られた像同士を正確に且つ再現可能に空間的に重ね合わせることで
ある。さもなければ、バックグランドを完全に減算できず又は「間違った」バッ
クグランドを減算することで更に悪くなることさえもあり得る。本発明に関して
説明したようなスイッチ装置を使用すれば、フィルタそれ自体に及びFPAと最
初に整合させた後、スイッチングサイクル中、その整合状態が保たれることが保
証される。従来の装置と相違して、本発明のアプローチ法は、検出を2つの経路
に分けることで空間的分解能又は検出可能な種の数を2倍にすることができる。
【0105】 (スイッチング装置) 上述したように、図2に図示するような本発明の実施の形態を採用するとき、
ビーム22の第一の部分36及び第二の部分40が検出器60に達するのを選択
的に許容するためスイッチング装置54、56を要求するであろう。最近まで、
2つのフィルタ間の切り換えは、例えば、検出器の前方にてフィルタ自体を動か
すことで機械的に行っていた。しかし、像形成のためには、フィルタのかかる並
進に関係した僅かな整合ずれがあっても、サンプルと基準像との間の整列の喪失
のため、大きい誤差を生じる可能性がある。NASAが開発した新しい技術は、
その開示内容を参考として引用し本明細書に含めた、上記に開示したサッチエ(
Sachse)らへの米国特許第5,128,797号に記載されている。この
米国特許第5,128,797号のスイッチングの設計は、各々がフィルタを保
持する2つの経路を光学的に切り換えるため、方向設定モジュレータ及び2つの
方向設定ビームスプリッタを使用することにより全ての可動部分を不要にするも
のである。3乃至5μmの範囲内で作動可能である非機械的なスイッチング装置
を使用するセンサーを製造することができるが、8乃至13.3μmの範囲内で
利用可能である方向設定ビームスプリッタの性能は、現在、8乃至13.3μm
の範囲内で使用すべくかかる検出器を開発するのに満足し得るものではない。ま
た、この装置は、望ましくない程に複雑で且つ高価である。
【0106】 従って、本発明は、8乃至13.3μmの範囲、又は方向設定モジュールのス
イッチング作用が不可能であるその他のスペクトル範囲内で作動し得るようにこ
のスイッチング装置は、簡単で経済的な機械的シャッター装置を備えている。か
かる装置は、視認状態をこれらの経路間で選択的に切り換え、これにより第一の
フィルタ及び第二のフィルタ44、46を通じて独立的に像を形成することを許
容すべく、第一の光路及び第二の光路38、40又は音叉シャッターの各々に一
つずつ設けられた、非同期型の電子的制御式の2つの機械的シャッター54、5
6を備えることができる。現在、利用可能な機械的シャッターのスイッチング速
度は、米国特許第5,128,797号の設計により実現される40kHzのス
イッチング速度よりも十分に遅いが、この速度は、利用可能なFPAsの像形成
速度(約50Hz)以上となり、これにより完全な装置性能を発揮することを可
能にすることができる。これと代替的に、スイッチング装置は、同様に簡単な装
置であり、シャッターよりも速いスイッチング速度を有し、また、持運び型セン
サー内に容易に組み込むことのできるスロット付きチョッパーホイールを備える
ことができる。方向設定アプローチ法の場合と同様に、非同期的機械的シャッタ
ー54、56を使用することは、像の正確な減算に必要とされる光路の整合に影
響を与えることはない。
【0107】 (集光光学素子の選択) 上述したように、本発明のセンサーと関連して使用される集光光学素子22又
は32は、例えば、レンズ、ホログラフィックレンズ、ミラー、光ファイバ、光
フィルタ、スリット、開口等を含む、一つ以上の光学要素を備えることができる
。好ましくは、本発明のセンサーは、悪環境下にて作動可能な持運び可能な装置
の構造であるようにする。従って、非像形成センサーは、堅牢な構造のコンパク
トな装置として製造することができる。コンパクトな構造に寄与するため、セン
サーの構成要素は一体化することができる。堅牢な構造に寄与するため、集光光
学素子は、非易損性レンズを備えることができる。集光光学素子は、非像形成の
適用例にて優れた集光能力を示すが、レンズが高像分解能を提供することは、必
須のことではない。これは、一部分、大きいΩにより実現される大きいetan
due(式2)を提供する。大きいdd又は小さいf/#により大きいFOVす
なわちΩが実現可能である。f=1.5cmのf/1のホログラフィックレンズ
は、etanduleを向上させると同時に、赤外線感知のため穏当な寸法及び
非易損性の構造を有している。これは、8乃至13.3μm及び3乃至5μmの
範囲の双方にて透過するそのパターンをAMTIR−1上にエンボス加工するこ
とにより形成することができる。この材料は、非結晶で且つ非易損性であり、3
0.48cm(12インチ)×45.72cm(18インチ)のシートにて利用
でき、これにより、任意な妥当な開口寸法の設計を許容する。ポログラムは、検
出器の各々に一つずつの多数の焦点を提供し、これにより、別個の検出器上に同
一の目標領域の像を形成することを許容する設計とすることができる。これと代
替的に、単焦点レンズは、目標の僅かにずらした領域の像を各検出器に提供する
。その他のスペクトル範囲用として、同様の性質を有するその他のホログラフィ
ックレンズを製造することができる。
【0108】 (エネルギ及び冷却の基準) 一つの実施の形態において、本発明のセンサーは、手持ち型とし且つ多分、操
作不要の適用例のためコンパクトな設計とされ且つ遠赤外線にて受動的に作用す
る。サーモパイル又はパイロ電気検出器、その増幅器及び一つ以上のBRD回路
を有するBRDアセンブリの合計必要電力量は、12V直流電流による100m
W程度である。このため手持ち型センサーは、標準型の12Vバッテリにて作動
可能である。例えば、12Vのエバレディー エナガイザー(Eveready Energizer)(登録商標名)アルカリバッテリは、その電圧が11V
以下に降下する迄、約0.2W−時を提供することができる。このため、100
mWの需要量の場合でさえ、12Vのバッテリにて2時間の連続作動が可能であ
る。
【0109】 サーモパイルの温度を一定に保たなければならないならば、検出器とその環境
との間の最大温度差ΔT=±5℃にて、ソリッドステートのペルチエ効果熱電気
冷却器を使用するとき、0.1Wの電力が必要であろう。この電力は、連続作動
寿命が約1時間の手持ち型装置の一つの12Vバッテリにて提供することもでき
る。
【0110】 上述したように、光フィルタの冷却は必要ないと考えられるが、この冷却は、
高感度が必要とされるとき、利点をもたらすことができる。フィルタへの熱伝導
の程度は、伝導率K=0.0017W/mKの二酸化ケイ素粉体/アルミニウム
絶縁体を亙って50℃の温度差があるものとして推定した。この全熱伝導の結果
、損失は僅か0.2Wに過ぎないことが分かった。性能係数が0.05であり、
よって4Wを必要とするソリッドステートの熱電気冷却器はこの熱を除去するこ
とができる。例えば、より大きいバッテリパック又は再充電可能なLiバッテリ
により短時間の作動が可能である。
【0111】 (センサーのパッケージ化) 本発明のセンサーは、多数の形態の任意のものにてパッケージ化することがで
きる。例えば、このセンサーは、手持ち型装置、操作不要の陸上又は海上用セン
サー、車の付属品、ヘリコプタ又はRPVsのような航空機のエビオニクス機器
の部品、機密保護、安全又は法定の用途用の操作不要のセンサーとして、パッケ
ージ化することができる。また、この装置は、迅速な走査及び検出励起能力を提
供すべくより専用的なセンサーにてハイブリット化することもできる。例えば、
センサーは、フーリエ変換赤外線分光計(FTIR)装置、吸収差ライダー(D
IAL)又はイオン可動性の分光計(IMS)又は吸着センサーのような現場の
センサーと一体化することができる。IMS又は吸着センサーのような現場のセ
ンサーは、測定点でのみ検出を可能にし、これにより複雑な探索パターンを使用
して多数の位置にてサンプルを採取し且つ分析することができる。しかし、かか
る現場のセンサーを本発明の高感度の手持ち型遠隔センサーと一体化することに
より、探索方法は、隙間無しのカバー範囲を提供するように大幅に簡略化し且つ
迅速化することができる。
【0112】 本発明のセンサーは、汚染物質及び有毒物質の検出に特に有用であると考えら
れる。手持ち型センサーとしてパッケージ化されたとき、該センサーは、例えば
、非常作動時、屋内の救出者に利用可能である。非像形成適用例の手持ち型セン
サーは、全体として、把持が容易なハンドルと、視準器とを有し、一方の「眼」
が感知専用とされた銃の形状とし、又は任意のその他の有用な形態とすることが
できる。上述したように、センサーは、複数対の検出器及びBRD又はその他の
データ処理回路を使用することにより、幾つかの化学薬剤を迅速に検出し且つ同
時に同定する能力を提供し得るように形成することができる。オペレータは、広
いカバー範囲が得られ且つどの領域に安全に入ることができるかを決定し得るよ
うセンサーを方向決めすることにより、目標領域を走査することができる。
【0113】 何ら温度制御機能を備えず、特定のバッテリパッケージ体を有する地上センサ
ーとして、本発明のセンサーは、中央コントロールセンターとの通信を可能にし
つつ、1回のバッテリの充電で30日間の連続作動が可能な設計とすることがで
きる。陸上センサーは、適合性の監視、秘密工作又は事前の警告のため飛行機か
ら落として展開し又は手作業で展開し得る設計とすることができる。飛行機のセ
ンサーとして、本発明のセンサーは、例えば、ペリコプターの搭乗者に対し前向
きの姿勢をとるよう警報する機能を提供することができる。同様に、RPV上に
て展開させるならば、該センサーは、該センサーの公称光学的検出範囲を超える
遠隔感知能力を提供することができる。
【0114】 本発明は、特に、但し非限定的に、8乃至13.3μmの範囲にて目標種の存
在又はその光学的濃度C×Lを決定する、従来のセンサー及び感知方法の幾つか
の不利益な点を課題とするセンサー及び方法を提供するものであることが理解さ
れよう。本発明の遠隔センサーは、簡単であり、コンパクトで、エネルギ効率的
で且つ使用が容易である。このセンサーは、また非像形成用途用の大きいFOV
を有し且つ優れた特定化及び分解機能を有し、更に経済的であるという有利な点
を併せ持つものである。該センサーは、また殺虫剤、その前駆体及び還元生成物
、大気中の排出物、水素及び炭化水素の火のようなガス状化学物質を検出し且つ
像を形成するため、手持ち型、可動又は独立的な操作に十分に適している。
【0115】 該センサーは、また、紫外線及び可視光の適用例にも十分に適している。例え
ば、該センサーは、火炎中のOH分子の放出を検出し、これにより水素、メタン
、その他の軽炭化水素又は非煤発生炎により形成された炎のような非可視又は青
みを帯びた炎の簡単な遠隔センサー又は遠隔像形成装置を提供する、炎中のOH
分子の放出を検出するDAR又はNFCRの形態とすることができる。宇宙船の
打上げ、レースカー又はパイプライン及び製油所の安全装置の用途も含むことが
できる。
【0116】 DAR炎センサーの形態とされたとき、サンプルフィルタ10又は44は、約
308nmの透過率及び約15nmの帯域幅を有し、炎中のOHが最も強力な自
然の放出状態となるようにすることができる。この放出は十分に画定され且つ約
320nmまで拡張するスペクトル帯域として形成される。このように、サンプ
ルフィルタを通じてこの範囲内の任意の箇所を検出すれば、炎中の化学的反応と
直接関係し且つ該炎の境を設定するために使用することができる優れた信号を提
供することが可能となる。更に、大気中のオゾンによる太陽光の自然の吸収によ
り、308nmにおける昼間光の強度すなわち空の光の放射輝度は弱く、これに
より昼間の検出の間又は空がバックグラウンドであるときでさえ、バックグラウ
ンド干渉は極めて少ない。このDAR適用例の基準フィルタ14又は46は、そ
の中心が350nmとなるようにすることができる。この場合、OHの放出は、
308nmの場合よりも少なくとも10倍少ない。このため、その波長における
放射線の殆どは、バックグラウンドからのものである。昼間光すなわち空の光の
強度は、350nmのとき308nmのときの3倍以上であるが、この差は、サ
ンプルフィルタよりも3倍広い帯域幅を有する基準フィルタ14又は46を選ぶ
ことで部分的に補償することができる。
【0117】 本発明のセンサーがNFCRの形態とされるとき、中心が308nmにあり、
帯域幅が15nmのノッチフィルタをサンプルフィルタ10又は44として使用
することができる。上述したように、同様に線中心が308nmにあり、帯域幅
が15nm以上である帯域幅制限フィルタ25又は64を使用することができる
【0118】 DAR及びNFCRの形態の双方は、紫外線感知型検出器を必要とする。非像
形成適用例にて使用される単一型検出器26、28は、紫外線感知型光カソード
を有する光電子増倍管(PMTs)を備えることが好ましい。かかるPMTsは
、幾つかの製造メーカから多くの形態にて入手可能である。紫外線感知能力を備
える新たな型式のソリットステートセンサーが現在利用可能となりつつあり且つ
実際に使用することもできる。
【0119】 像形成適用例の場合、炎感知DAR又はNFCRは、米国特許第5,128,
797号の特許に記載されたスイッチング装置を使用して図2に示すような形態
とすることができる。その双方の場合、検出器60は、紫外線感知型CCDアレ
イ又は紫外線感知型増感CCDアレイ又は撮像材料を含む、更なる同様の紫外線
感知型像形成装置を含むものとすることができる。
【0120】 本発明の多数の有利な点は、当該技術分野の当業者に明らかであろうと考えら
れる。また、その精神及び範囲から逸脱せずに多数の変更例及び改変例が具体化
可能であることも明らかであろう。従って、上記の説明は、限定的ではなくて単
に一例であると解釈されるべきである。本発明は特許請求の範囲によってのみ制
限されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセンサーの一つの実施の形態の概略図である。
【図2】 本発明のセンサーの別の実施の形態の概略図である。
【図3】 本発明のセンサーにおけるノッチフィルタのようなバンドパスフィルタを使用
する技術の概略図である。
【図4】 DIMP及びDMMPに対する吸収率/周波数曲線及び2つのDMMP−DA
Rセンサーに対する一例としてのサンプルフィルタ及び基準フィルタの選択を示
すグラフである。
【図5】 放射線源が1kmにあるとき、基準バンドパスフィルタアセンブリの中心線が
「水のみ」の大気中にある状態で、DMMPを目標種として基準化した総DAR
の変化を示すグラフである。
【図6】 経路が「水のみ」の大気及び通常の大気中を通るとき、DMMPを目標種とし
て基準化した総DAR信号の変化を示すグラフである。
【図7】 本発明のセンサーと共に使用することのできる4位置検出器の概略図である。
【図8】 8Aは、本発明のセンサーを使用する多数成分検出用の縞状フィルタの形態の
概略図である。 8Bは、図8Aの縞状フィルタの形態を使用して像形成された目標種の雲の像
を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW

Claims (61)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠隔センサーであって、 第1の光路及び第2の光路と、 前記第1及び第2の光路に沿って伝播される光又はその他の放射線を集光する
    ような構造とされた集光光学素子と、 サンプルフィルタアセンブリと、 前記サンプルフィルタアセンブリの後の前記第1の光路内に配置されたサンプ
    ル検知器アセンブリ及び前記集光光学素子の後の前記第2の光路内に配置された
    基準検知器アセンブリと、 検知器出力比較装置と、 を含む遠隔センサー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遠隔センサーであって、 前記集光光学素子と前記基準検知器との間の前記第2の光路内に配置された基
    準フィルタアセンブリを更に含み、 同サンプルフィルタが、バンドパスフィルタを含み且つサンプル出力を提供し
    、 前記基準フィルタアセンブリが、バンドパスフィルタを含み且つ基準出力を提
    供し、 前記検知器出力比較装置が、ノイズ消去回路を含んでいる、遠隔センサー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルバンドパスフィルタが、目標種のスペクトル線と一致した周波数
    で伝播するような構造とされており、同周波数はまた、非目標種の第1のスペク
    トル線と一致しており、 前記基準バンドパスフィルタは、前記非目標種の前記第1のスペクトル線又は
    同非目標種の第2のスペクトル線と一致した周波数で伝播するような構造とされ
    且つ前記サンプルバンドパスフィルタの前記周波数によって提供される前記非目
    標種の吸収又は放射の大きさと同じか又は比較できる大きさの前記非目標種の吸
    収又は放射の大きさを提供する、遠隔センサー。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の遠隔センサーであって、 前記基準のバンドパスフィルタは、H2O、CO2、O3、N2O、NOX及びC
    Oガスからなる群から選択された、塵、エアーゾル又は大気のスペクトル線と一
    致した周波数で伝播するような構造とされている、遠隔センサー。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の遠隔センサーであって、 前記目標種が、CO2、O3、炭化水素、N2O、NOX、CO、殺虫剤、化学戦
    争兵器、プラズマ、放電、OH及び固体又は液体インターフェースからなる群か
    ら選択される、遠隔センサー。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルと基準フィルタアセンブリとによって通過せしめられるバックグ
    ランド放射線を減らすために、前記サンプルと基準検知器アセンブリとの前に、
    前記第1及び第2の光路内にバンドパスフィルタアセンブリが配置されている、
    遠隔センサー。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが、複数のフィルタの繰り返しの配列を含む
    第1の縞状フィルタを含んでおり、前記基準フィルタアセンブリが、複数のフィ
    ルタの繰り返しの配列を含む第2の縞状フィルタを含んでいる、遠隔センサー。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の遠隔センサーであって、 前記第1の縞状フィルタの前記複数のフィルタが同心円形態である、遠隔セン
    サー。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の遠隔センサーであって、 前記第1の縞状フィルタの前記複数のフィルタと、前記第2の縞状フィルタの
    前記複数のフィルタとは、複数の適合されたフィルタの対を含んでおり、前記サ
    ンプル検知器アセンブリと基準検知器アセンブリとは、前記複数の適合されたフ
    ィルタの対に対応する複数の検知器の対を含んでいる、遠隔センサー。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが、ノッチフィルタを含んでおり且つサンプ
    ル出力を提供するようになされた、遠隔センサー。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の遠隔センサーであって、 前記集光光学素子と前記基準検知器との間の前記第2の光路内に配置された基
    準フィルタアセンブリを更に含み、同基準フィルタアセンブリは、ノッチフィル
    タを含んでおり且つ基準出力を提供し、前記検知器出力比較装置が前記サンプル
    と基準出力とを比較するようになされた、遠隔センサー。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の遠隔センサーであって、 前記集光光学素子と前記基準検知器アセンブリとの間の前記第2の光路内に配
    置されたブランクを更に含む、遠隔センサー。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルノッチフィルタの前方の前記第1の光路内に配置されたバンドパ
    スフィルタを更に含み、同バンドパスフィルタは、前記サンプルノッチフィルタ
    の前記減衰周波数と同一の周波数中心を有している、遠隔センサー。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが、複数のフィルタの繰り返しの配列を含ん
    でいる縞状フィルタを含んでいる、遠隔センサー。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーが、手持ち型遠隔センサーとして使用できる構造とされてい
    る、遠隔センサー。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の遠隔センサーであって、 前記手持ち型センサーが銃の形状である、遠隔センサー。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の遠隔センサーであって、 前記手持ち型センサーがカメラのような構造である、遠隔センサー。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーが、不在時動作ができる構造とされている、遠隔センサー。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーが、操作車両内で作動するような構造とされている、遠隔セ
    ンサー。
  20. 【請求項20】 遠隔センサーであって、 第1の光路及び第2の光路と、 光又はその他の放射線を集光する構造とされた集光光学素子と、 光又はその他の放射線の第1の部分を第1の光路に沿って伝播し且つ同光又は
    その他の放射線の第2の部分を第2の光路に沿って反射させる構造とされた第1
    のビームと、 前記第1のビームスプリッタの後方の前記第1の光路内に配置されたサンプル
    フィルタアセンブリと、 前記サンプルフィルタアセンブリの後方に配置された検知器アセンブリと、 前記光又はその他の放射線の前記第1の部分及び第2の部分を前記検知器アセ
    ンブリへと導く手段であって、前記検知器アセンブリは、前記光又はその他の放
    射線の前記第1の部分が前記検知器アセンブリに到達したときにサンプル信号を
    検知し、光又はその他の放射線の前記第2の部分が前記検知器アセンブリに到達
    したときに基準信号を検知する構造とされた前記手段と、 前記検知器アセンブリの後方に配置された検知器出力比較装置と、 を含む遠隔センサー。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器出力比較装置が、前記サンプル信号と基準信号とを差し引き且つ標
    準化する、遠隔センサー。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器アセンブリが2つの検知器を含んでいる、遠隔センサー。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器出力比較装置がデジタルコンピュータである、遠隔センサー。
  24. 【請求項24】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリがバンドパスフィルタを含んでおり且つサン
    プル出力信号を提供し、 前記基準フィルタアセンブリが、バンドパスフィルタを含んでおり且つ基準出
    力信号を提供し、 前記検知器出力比較装置が、前記サンプル出力信号と前記基準出力信号とを比
    較する、ようになされた遠隔センサー。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが、目標種のスペクトル線と一致した周波数
    で伝播する構造とされており、同周波数もまた非目標種の第1のスペクトル線と
    も一致しており、 前記基準バンドパスフィルタアセンブリが、前記非目標種の前記第1のスペク
    トル線又は前記非目標種の第2のスペクトル線と一致した周波数で伝播するよう
    な構造とされ且つ前記サンプルバンドパスフィルタアセンブリの前記周波数によ
    って提供される非目標種の吸収又は放射の大きさと同じか又は比較できるほど共
    通点のある大きさの前記非目標種の吸収又は放射の大きさを提供し、 前記検知器出力比較装置は、前記バックグランド放射線の作用を最少にするた
    めに、前記サンプル出力信号と前記基準出力信号とを差し引く、ようになされた
    遠隔センサー。
  26. 【請求項26】 請求項24に記載の遠隔センサーであって、 前記基準のバンドパスフィルタは、H2O、CO2、O3、N2O、NOX及びC
    Oガスからなる群から選択された、塵、エアーゾル又は大気のスペクトル線と一
    致した周波数で伝播させるような構造とされている、遠隔センサー。
  27. 【請求項27】 請求項24に記載の遠隔センサーであって、 前記目標種が、CO2、O3、炭化水素、N2O、NOX、CO、殺虫剤、化学戦
    争兵器、プラズマ、放電、OH及び固体又は液体インターフェースからなる群か
    ら選択される、遠隔センサー。
  28. 【請求項28】 請求項24に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリ及び基準フィルタアセンブリによって通過さ
    れるバックグランド放射線を少なくするために、前記検知器アセンブリの前の前
    記第1及び第2の光路内にバンドパスフィルタアセンブリが配置されている、遠
    隔センサー。
  29. 【請求項29】 請求項24に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが、複数のフィルタの繰り返しの配列を含む
    第1の縞状フィルタを含んでおり、前記基準フィルタアセンブリが、複数のフィ
    ルタの繰り返しの配列を含む第2の縞状フィルタを含んでいる、遠隔センサー。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器アセンブリが検知器の線形のアレイを含んでいる、遠隔センサー。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器アセンブリが、検知器の二次元アレイを含んでいる、センサー。
  32. 【請求項32】 請求項24に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが複数のバンドパスフィルタを含んでおり、
    前記基準アセンブリが複数のバンドパスフィルタを含んでいる、遠隔センサー。
  33. 【請求項33】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが、ノッチフィルタを含み且つサンプル出力
    信号を提供する、遠隔センサー。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 前記集光光学素子と前記検知器アセンブリとの間の前記第2の光路内に配置さ
    れた基準フィルタアセンブリを更に含み、前記基準フィルタアセンブリが、ノッ
    チフィルタを含み且つ基準出力信号を提供し、それによって、前記検知器出力比
    較装置が、前記サンプル出力信号と基準出力信号とを比較する、ようになされた
    遠隔センサー。
  35. 【請求項35】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリと基準フィルタアセンブリとによって通過さ
    れたバックグランド放射線を少なくするために、前記サンプル検知器アセンブリ
    と基準検知器アセンブリとの前にバンドパスフィルタアセンブリが配置されてい
    る、遠隔センサー。
  36. 【請求項36】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記集光光学素子と前記検知器アセンブリとの間の前記第2の光路内に配置さ
    れたブランクを更に含んでいる、センサー。
  37. 【請求項37】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが複数のフィルタの繰り返しの配列を含む縞
    状フィルタを含んでいる、センサー。
  38. 【請求項38】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 前記サンプルフィルタアセンブリが複数のノッチフィルタを含んでいる、セン
    サー。
  39. 【請求項39】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーが双眼鏡の構造である、センサー。
  40. 【請求項40】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーがヘッドホンの構造である、センサー。
  41. 【請求項41】 請求項33に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーが飛行機内で作動する構造とされている、センサー。
  42. 【請求項42】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器アセンブリが、単一の検知器を含んでおり、光又はその他の放射線
    の第1の部分及び第2の部分を前記検知器アセンブリに導くための前記手段が、
    前記光又はその他の放射線の第1の部分及び第2の部分を前記第1の単一の検知
    器へと択一的に導くための手段を含んでいる、センサー。
  43. 【請求項43】 請求項42に記載の遠隔センサーであって、 前記光又はその他の放射線の第1の部分及び第2の部分を前記検知器アセンブ
    リへと導く前記手段が、機械的スイッチング装置を更に含んでいる、センサー。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の遠隔センサーであって、 前記機械的スイッチング装置が穴の開いたチョッパーホイール装置を含んでい
    る、センサー。
  45. 【請求項45】 請求項43に記載の遠隔センサーであって、 前記機械的スイッチング装置が機械的シャッター装置を含んでいる、センサー
  46. 【請求項46】 請求項42に記載の遠隔センサーであって、 前記光又はその他の放射線の第1の部分及び第2の部分を前記検知器アセンブ
    リへと導く前記手段が、前記サンプルフィルタアセンブリの後の前記第1の光路
    内に配置された第1のミラーと、前記基準フィルタアセンブリの後の前記第2の
    光路内に配置された第2のミラーと、を更に含み、同第1及び第2のミラーは、
    前記光又はその他の放射線の第1の部分及び第2の部分を第2のビームスプリッ
    タに導くように配置されており、同第2のビームスプリッタは、前記光又はその
    他の放射線の第1の部分及び第2の部分を再結合する構造とされている、センサ
    ー。
  47. 【請求項47】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器アセンブリが、赤外線検知器、赤外線焦点面アレイ、フォトダイオ
    ード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、半導体検知器、熱検知器
    、電荷結合素子、線形ダイオード及び線形検知器アレイ、からなる群から選択さ
    れた検知器を含む、センサー。
  48. 【請求項48】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記検知器アセンブリが焦点面アレイを含んでいる、センサー。
  49. 【請求項49】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記集光光学素子がホログラフレンズを含んでいる、センサー。
  50. 【請求項50】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 前記記憶装置がコンピュータを含んでいる、センサー。
  51. 【請求項51】 請求項20に記載の遠隔センサーであって、 当該遠隔センサーが12ボルトDC電源によって作動することができる、セン
    サー。
  52. 【請求項52】 目標種の存在を判断する方法であって、 目標種によって吸収されるか又は放出された光又はその他の放射線を受け取る
    ステップと、 前記光又はその他の放射線の第1の部分を、サンプルフィルタアセンブリ内へ
    導き且つ前記光又はその他の放射線の第2の部分を基準フィルタアセンブリ内へ
    導くステップと、 前記第1の部分を前記サンプルフィルタアセンブリから検知器アセンブリへと
    導き且つ前記第2の部分を前記サンプルフィルタアセンブリから同検知器アセン
    ブリへと導くステップと、 前記濾波された光又はその他の放射線の前記第1の部分の出力及び前記濾波さ
    れた光又はその他の放射線の第2の部分の出力を、前記検知器アセンブリを使用
    して検知するステップと、 前記サンプル信号を前記基準信号と比較し且つ標準化して、前記目標種による
    前記光又はその他の放射線の吸収又は放出を示す信号を形成するステップと、を
    含む方法。
  53. 【請求項53】 請求項52に記載の方法であって、 前記光又はその他の放射線を受け取るステップが、人工光源からの光を受け取
    ることを含む、方法。
  54. 【請求項54】 請求項52に記載の方法であって、 前記光又はその他の放射線の前記第1の部分をサンプルフィルタアセンブリ内
    へと導き且つ前記光又はその他の放射線の前記第2の部分を基準フィルタアセン
    ブリ内へと導くステップが、 前記光又はその他の放射線の前記第1の部分を、目標種の第1のスペクトル線
    と一致する周波数で伝播させるような構造とされたサンプルバンドパスフィルタ
    内へ導くステップであって、前記周波数は、非目標種の第1のスペクトル線とも
    一致している、ステップと、 前記前記光又はその他の放射線の前記第2の部分を、前記非目標種の第1のス
    ペクトル線又は第2のスペクトル線と一致する周波数で伝播させるような構造と
    され且つ前記サンプルバンドパスフィルタの前記周波数によって提供される前記
    非目標種の吸収又は放出の大きさと同じか又は比較できるほど共通点のある大き
    さの前記非目標種の吸収又は放出の大きさを提供する基準バンドパスフィルタ内
    へと導くステップと、を含む方法。
  55. 【請求項55】 請求項54に記載の方法であって、 非目標種のスペクトル線と一致した周波数で伝播する構造とされた基準バンド
    パスフィルタ内へ前記光又はその他の放射線の前記第2の部分を導く前記ステッ
    プが、H2O、CO2、O3、N2O、NOX及びCOガスからなる群から選択され
    た、大気のスペクトル線と一致した周波数で伝播させるような構造とされた基準
    バンドパスフィルタ内へ、前記光又はその他の放射線の前記第2の部分を導くこ
    とを含む、方法。
  56. 【請求項56】 請求項54に記載の方法であって、 目標種によって吸収されるか又は放出された光又はその他の放射線を受け取る
    前記ステップが、CO2、O3、炭化水素、N2O、NOX、CO、殺虫剤、化学戦
    争兵器、プラズマ、放電、OH及び固体又は液体インターフェースからなる群か
    ら選択された目標種によって吸収されるか又は放出された光又はその他の放射線
    を受け取ることを含む、方法。
  57. 【請求項57】 請求項52に記載の方法であって、 前記光又はその他の放射線の前記第1の部分をサンプルフィルタアセンブリ内
    へと導き且つ前記光又はその他の放射線の前記第2の部分を基準フィルタアセン
    ブリ内へ導く前記ステップが、前記光又はその他の放射線の前記第1の部分を目
    標種のスペクトル線と一致した周波数で減衰させる構造とされたノッチフィルタ
    内へと導き且つ前記光又はその他の放射線の前記第2の部分を減衰を提供しない
    ような構造とされたノッチフィルタ内へと導くことを含む、方法。
  58. 【請求項58】 請求項52に記載の方法であって、 前記光又はその他の放射線の第1の部分をサンプルフィルタアセンブリ内へと
    導き且つ前記光又はその他の放射線の第2の部分を基準フィルタアセンブリ内へ
    と導く前記ステップが、前記光又はその他の放射線を第1の部分と第2の部分と
    に分けること及び同第1の部分を第1の光路に沿って導き、前記第2の部分を第
    2の光路に沿って導くことを含む、方法。
  59. 【請求項59】 請求項58に記載の方法であって、 前記濾波された光又はその他の放射線の前記第1の部分を前記検知器アセンブ
    リへと導く前記ステップが、前記第1の部分が前記検知器アセンブリに到達する
    のを選択的に許容する一方で、前記濾波された光又はその他の放射線の前記第2
    の部分が前記検知器アセンブリに到達するのを阻止するスイッチング装置を使用
    することを含む、方法。
  60. 【請求項60】 請求項59に記載の方法であって、 前記濾波された光又はその他の放射線の前記第1の部分を前記検知器アセンブ
    リへと導く前記ステップが、機械的シャッター装置を使用することを含むスイッ
    チング装置を含む、方法。
  61. 【請求項61】 請求項59に記載の方法であって、 前記濾波された光又はその他の放射線の前記第1の部分を前記検知器アセンブ
    リへと導く前記ステップが、穴の開いたチョッパーホイール装置を使用すること
    を含む、方法。
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