JP2002538581A - 繊維複合材料で形成されたケーブル用シールド - Google Patents

繊維複合材料で形成されたケーブル用シールド

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JP2002538581A
JP2002538581A JP2000601658A JP2000601658A JP2002538581A JP 2002538581 A JP2002538581 A JP 2002538581A JP 2000601658 A JP2000601658 A JP 2000601658A JP 2000601658 A JP2000601658 A JP 2000601658A JP 2002538581 A JP2002538581 A JP 2002538581A
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クライトマイア−ステク,ウォルフガング
ウォルフガング タウベル
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ユーロコプター・ドイッチェランド・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01B11/00Communication cables or conductors
    • H01B11/02Cables with twisted pairs or quads
    • H01B11/06Cables with twisted pairs or quads with means for reducing effects of electromagnetic or electrostatic disturbances, e.g. screens
    • H01B11/10Screens specially adapted for reducing interference from external sources
    • H01B11/1033Screens specially adapted for reducing interference from external sources composed of a wire-braided conductor

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  • Electromagnetism (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Communication Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、任意の導体構成のケーブル(例えば単芯ケーブル、多芯ケーブル、同軸ケーブル等)の電磁遮蔽のためのシールド装置に関するものである。従来のシールド装置と比べたときの主たる利点としては、大幅な軽量化が可能であること、それに、MHz領域という高い周波数領域における減衰度が向上するということがある。これら利点は、シールドの材料に、特別の材料(例えば炭素繊維)を使用することによって達成されており、この材料を使用したシールドの導電度は、金属材料製のシールドと比べるとかなり低い。その結果、低周波数領域では減衰効果が発現しないが、これは金属材料製のシールドでも同じことであり、一方、高周波数領域(>1MHz)では、このような低い導電度であっても、金属材料製のシールドと同程度の伝達インピーダンスを達成することができる。そのため、誘導性損失や容量性損失を僅かなものとすることができる。本発明には、更なる利点として、シールドが腐蝕にさらされることがなく、金属材料製の導体シールドと比べて、製造が格段に容易であるということがある。具体的な用途としては、特に、航空機や自動車の配線ケーブルとして使用するのに適しており、それは、それら用途では軽量化が要求されるからである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
電磁場を遮蔽するために、或いは、同一システム内での電磁結合や、同一構造
体内での電磁結合を防止するために、十分なシールドを備えたシールドケーブル
が広く用いられている。シールドケーブルが広く用いられているのは、大きな電
磁防護効果を提供するからである。ケーブルに電磁防護効果を付与するためのシ
ールドの材料としては、これまで、高い導電性を有する金属材料が用いられてき
た。金属材料製のシールドの減衰特性は、その金属材料に特別の遮蔽材料(例え
ばミューメタル)を使用している場合を除き、kHz領域を超えた高い周波数領
域へ入ってから減衰効果を発生しはじめ、周波数が高くなるにつれて、その減衰
度が一定の値へ近付いて行く傾向を有する。さらに従来のケーブルに使用されて
いるシールドは、その重量が大きいことから、特に、航空機などの飛行体に配線
するケーブルに用いるのには不適当であった。
【0002】 本発明は、請求項1の前提部分に記載した装置に関するものである。本願の明
細書において提案する、システムに配線するケーブルに適した電磁遮蔽装置は、
以下の2点を目的としたものである。 ・ シールドの軽量化(一般的な金属材料製のケーブル用シールドを使用した場
合と比べて、最大70%までの軽量化)を図りつつ、しかも、下は数MHzから
、上はGHz領域に至る周波数領域において、金属材料製のシールドと同等の遮
蔽効果、ないしはそれより優れた遮蔽効果を提供することができ、しかも、製造
が容易であること。 ・ HF、VHF、及びUHFの周波数領域において、金属材料製のシールドと
比べて、明らかに優れた遮蔽特性を提供し、しかも、軽量化が可能であること。
【0003】 発明の概念の基礎を成す基本原理 本発明の基本原理は、遮蔽材料として、その大部分が導電性繊維(例えば炭素
繊維や、表面に金属材料をコートした炭素繊維)から成る繊維複合材料を用いる
ことにある。一般的に、ケーブル用シールドの遮蔽効果の大小を表す尺度として
は、いわゆる伝達インピーダンスが採用されており、この伝達インピーダンスを
用いることで、異なった種類のケーブル用シールドの間で、それらの電気特性の
優劣を比較することができる。伝達インピーダンスは、VG95373の第15
章(結合度及び遮蔽度の測定方法、KS01)に規定されている試験装置を使用
して得られる測定値に基づいて、以下の式に従って算出される。 ZT=UOL/ISTOL=シールド層の内部の開回路電圧 IST=シールド層に発生する浮遊電流
【0004】 金属材料製のケーブル用シールドの減衰特性は、特に良好な減衰効果が得られ
るようにミューメタルを材料とした特別のケーブルを別にすれば、そのケーブル
用シールドの両端のプラグとの接続部において、そのシールドの全周をプラグの
ハウジングに接続するようにした場合ですら、kHz領域を超えた高い周波数領
域でようやく減衰効果が発生しはじめるようなものであることが知られている(
後述の刊行物1の図9及び図10を参照のこと)。このことは、ケーブル用シー
ルドの減衰度を表す下記の数式から明らかであり、この数式は後述の刊行物2に
掲載されているものである。 as=20・log[μ0・f/(2・ZT)]/dB μ0=透磁率定数(=4π・107 As/V/m) f=周波数 as=減衰度 ZT=伝達インピーダンス 尚、この数式を用いることができるのは、ケーブル用シールドの長さと比べて
波長が十分に長い場合である。
【0005】 一般的には、電磁干渉のkHz領域のうちの、比較的高い周波数で減衰効果が
発生しはじめれば十分である。なぜならば、そのような周波数以下では、ケーブ
ルと外部との電磁結合が比較的小さく、ケーブル内の隣り合った導体どうしが非
常に近接していても、それら導体間のクロストーク減衰が80dB以上はあるか
らである。システム内のケーブルの配線長が、波長の10分の1以上になるほど
の高い周波数領域に至って、はじめて、ケーブルにシールドを装備することが意
味を持つようになる。従って、あるシステムにおけるケーブルの配線長が最大で
3mであるならば、そのケーブルに設けるシールドは、10MHzの周波数にお
いて、最適な遮蔽効果を提供するようなものであれば十分である。ただし、実際
に設定する限界周波数の値は、これ以外の要因によっても左右され、例えば、ケ
ーブル内の隣り合った導体の信号特性や、外部からケーブルへ入射しようとする
電磁場の周波数なども考慮される。
【0006】 更に、あるシステム及びそのシステム内のケーブルの配線形態の解析によって
判明したところによれば、シールドによる電磁遮蔽が、MHz領域の周波数に至
って、はじめて必要となり、それ以下の周波数では不要であるような場合には、
請求項1に記載した装置のように、その大部分が導電性繊維から成る繊維複合材
料で形成されたケーブル用シールドを使用すればよい。かかるシールドを装備し
たケーブルは、そのシールドを装備したことによるケーブルの重量の増加が比較
的僅かであるという、顕著な利点を有するばかりでなく、更に、耐蝕性に優れる
という利点も有するものである。
【0007】 また、上述のシステム解析によって判明したところによれば、より低い周波数
領域において既に電磁減衰が必要とされるような場合には、繊維複合材料で形成
されたシールドに、金属材料製のシールドや、比較的高い透磁率を有するシール
ドを併用するのがよい。また別法として、合成樹脂繊維に適当な強磁性体材料を
蒸着によりコートするようにしてもよい。
【0008】
【従来の技術】
良好な導電性を有する材料で形成されたケーブル用シールドは、その両端の、
機器のハウジングないしプラグのハウジングへの接続部において、そのシールド
の全周を接続するようにすれば、下限周波数以上の周波数領域において良好な電
磁減衰効果を提供できることが知られている。一方、シールドとプラグとの間の
接続が不完全である場合や、そもそもシールドをプラグのハウジングに接続して
いないような場合には、減衰度はそれより低下する。これらの場合には、被覆を
形成している繊維複合材料は、もはや単なる機械的防護層に過ぎず、以下に説明
する特許のうちの幾つかにおいては、繊維複合材料がそのような目的で使用され
ている。
【0009】 米国特許第5556697号:半導体材料で形成された電力ケーブル用シール
ド この米国特許の発明は、導体(特に電力ケーブルを構成している導体)の表面
にじかに半導体シールド層を形成し、その周囲を絶縁層で被覆し、更にその周囲
を外側シールド層で被覆するようにしたものである。ここでは、半導体シールド
層を形成する半導体材料の化学的組成を、通常の半導体シールド層のものとは異
なる特別な組成とすることで、通常の半導体シールド層と比べて、低収縮性、低
透水性、良好な加工性、また更に優れた電気特性を有している。本願の発明との
相違点は、本願の発明では、導体と繊維複合材料製のケーブル用シールドとの間
に絶縁層を設けるのに対して、この米国特許第5556697号の発明では、半
導体材料で形成するケーブル用シールドを、導体の表面にじかに設けていること
にある。そのため、電磁遮蔽という目的を達成するものとはなっていない。
【0010】 米国特許第5554678号:電磁遮蔽材料 この米国特許第5554678号の発明の目的は、電気機器のハウジングに電
磁遮蔽を施すための複合材料を定めることにある。解決手段として、この米国特
許の発明では、低周波数領域と高周波数領域との、いずれの領域においても、良
好な遮蔽効果が得られるようにしている。この目的は、熱可塑性樹脂と、良好な
導電性を有する金属繊維と、炭素繊維とを、所定量ずつ複合した複合材料によっ
て達成されている。この米国特許の発明は、本願の発明の主題であるケーブル用
シールドにとって重要な、炭素繊維の本質的な物理的特性、並びに、炭素繊維を
複合した繊維複合材料の本質的な物理的特性を利用したものである。この米国特
許第5554678号の発明は、その目的や、それを装備する構造体などの所定
形状のハウジングの形態などが、本願の発明と類似している。
【0011】 米国特許第4538151号:電磁波吸収材料 この米国特許の発明の目的は、(例えば、対レーダ隠蔽などのために)広い周
波数領域に亘って電磁波を吸収することのできる電磁波吸収コート層を、金属の
表面に形成することにある。この発明の目的は、分子合成した合成樹脂に、良好
な導電性を有する金属繊維と、強磁性体材料とを混合することによって達成され
ている。本願の発明とは異なり、この米国特許の発明では、電磁波を吸収する表
面コート層は、柔軟性を持たない剛性の高いコート層であり、このようなコート
層を使用した場合には、好適な特性を有するケーブル用シールドを形成すること
はできない。
【0012】 ドイツ特許公開DE19545559A1: このドイツ特許公開公報の発明の目的は、電気的構造ユニットや回路などを、
分極粒子であるフェライトや誘電体材料から成る吸収材料のコート層で被覆する
ことによってノイズを除去することにある。 本願の発明は、このドイツ特許の発明とは対照的に、非金属材料の導電性を利
用しており、従って、誘電体材料から成る吸収材料や、フェライトから成る吸収
材料を使用していない点が異なる。
【0013】 ドイツ/ヨーロッパ特許公開DE/EP0528611A1: このドイツ/ヨーロッパ特許公開公報の発明の目的は、導体上を伝送されてい
る信号による妨害や、電磁放射に起因したEMI(電磁障害)による妨害からの
防護機能を有する電線ないしケーブルを製造することにある。この目的は、球状
またはその他の所定形状のフェライト粒子を、ポリマーバインダまたはポリマー
マトリクス(例えばフルオロカーボン、ポリマー)の中に分散させた、特別の形
態の材料を使用することで達成されている。 このドイツ/ヨーロッパ特許公開公報の発明と、本願の発明との相違点は、本
願の発明では、球状またはその他の所定形状のフェライト粒子も、また、フルオ
ロカーボンやアクリレートなどのポリマーマトリックスも使用しておらず、導電
性の非磁性体材料を使用していることにある。更にもう1つの相違点として、本
願の発明に関係した周波数領域は、このドイツ/ヨーロッパ特許公開DE/EP
0528611A1の発明においては殆ど言及されていないということがある。 このドイツ/ヨーロッパ特許公開DE/EP0528611A1の従属請求項
はいずれも電磁遮蔽には言及しておらず、従って、本願の発明に特別の関連性を
有するものではない。
【0014】 ドイツ特許DE29802010号: このドイツ特許の発明の目的は、ケーブルに電気振動が発生するのを防止する
ことにあり、このケーブルの電気振動は、ケーブルの複数の導体どうしの間隔の
ばらつきによって、それら導体のインダクタンス及びキャパシタスに関する特性
に不都合なばらつきが存在しており、そのために、それら導体に周期的な電気振
動が発生することによるものである。ケーブルの電気振動を防止するというこの
目的は、非金属繊維(特に炭素繊維など)から成る1本の導体を、追加の撚り線
として組込むことによって達成されている。 このドイツ特許の発明が本願の発明と相違している点は、非金属繊維の使用目
的が電磁結合を減衰させることにはなく、非金属繊維を、単にインダクタンスが
ゼロの間隔保持材として使用していることにある。これに対して、本願の発明で
は、電磁減衰を目的としているため、非金属線によって導体の全周を完全に被覆
するようにしている。更に、このドイツ特許DE29802010号では、金属
材料製の撚り線の上に絶縁被覆を施し、その絶縁被覆の外側にケーブル用シール
ドを設けている。 このドイツ特許の従属請求項はいずれも電磁遮蔽には言及しておらず、従って
本願の発明に特別の関連性を有するものではない。
【0015】 ドイツ特許DE3940293号: このドイツ特許の発明の目的は、その外側導電層の柔軟性及び導電性を従来の
ものより向上させた、平形ケーブルを提供することにある。この目的は、多数の
信号線から成る平形ケーブルを、高溶解粒子及び精製炭素繊維を複合した絶縁材
料で形成されたシールド層で被覆し、その上に金属材料をコートすることによっ
て達成されている。 このドイツ特許の発明と本願の発明との相違点は、本願の発明では高溶解粒子
を使用しておらず、金属材料もコートしていないことにある。更に、本願の発明
は、平形ケーブルに限定されるものではなく、いかなる種類の電線ないしケーブ
ルにも適用可能である。 このドイツ特許DE3940293号の従属請求項はいずれも電磁遮蔽には言
及しておらず、従って本願の発明に特別の関連性を有するものではない。
【0016】 ドイツ特許DE3878022号: このドイツ特許の発明の目的は、ケーブル用シールド被覆を装備することによ
って、低周波数領域(<100kHz)の電流を流している電流ケーブルからの
電磁波の放射を防止することにある。この目的は、従来の一般的な金属製シール
ド被覆を、特別のネジ式止着具と、多層絶縁層とを用いて接続することによって
達成されている。 本願の発明がこのドイツ特許の発明と相違する点は、本願の発明では、電磁シ
ールド層の材料として、導電性を有する非金属材料を使用しており、この非金属
材料は、特に、高周波数領域(>1MHz)において電磁遮蔽機能を発揮するも
のであり、また、電流供給の用途ばかりでなく、任意の信号伝送ないし多重伝送
の用途においても効果を発揮するものであることにある。
【0017】 ドイツ特許DE3438660号: このドイツ特許の発明の目的は、製造及び取扱いが容易なように、ケーブルを
改良することにある。この目的は、1本の導体を絶縁材料で被覆した上に更にシ
ールド層で被覆したケーブル、ないしは、個別に絶縁材料で被覆した複数本の導
体をまとめてシールド層で被覆したケーブルにおいて、そのシールド層の材料と
して、好ましくはアルミニウム薄片等の導電性粒子を合成樹脂に混合した材料を
用いることによって達成されている。 このドイツ特許の発明と本願の発明との相違点は、本願の発明では、導電性粒
子を混合した合成樹脂の代わりに、導電性粒子を混合していない単なる合成材料
(例えば、炭素繊維や、それと同等の導電性を有する非金属材料)を使用してい
ることにある。 このドイツ特許の従属請求項のうち、請求項2乃至5は、導電性シールド層の
基本的材料として金属材料を使用することを記載したものであり、これに対して
本願の発明では、非金属材料である導電性材料だけを被覆するようにしている。 このドイツ特許の従属請求項の幾つかは、請求項1乃至5に従属しており、そ
れらに従属していないものも、本願の請求項の特徴には言及していない。
【0018】 本発明の技術分野に関係した刊行物 様々な材料に関連した電磁場の特性が、それら材料の遮蔽特性に関して明らか
にされているが、しかしながら、これまで、ケーブルの電磁遮蔽のために非金属
材料を用いることについては何ら認識されておらず、それについて記載した刊行
物も公刊されていない。 /1/ W. Tauber, H. Oswald共著、Wirksamkeit von Signalschirmen、Mikrow
ellen Magazin 第14巻、第2号、1988年刊 /2/ D. Stoll著、EMC - Elektromagnetische Vertraeglichkeit, Stoerbeei
nflussung und Gegenmassnahmen、ベルリン、Elitera-Verlag社、1976年刊 /3/ A. Sshwab著、Elektromagnetische Vertraeglichkeit / EMV '98, 6. I
nternationale Fachmesse und Kongress Fuer Elektromagnetische Vertraeglic
hkeit, 10.-12. 1998年2月号、ベルリン、VDE-Verlag社、1998年刊 /4/ Elektromagnetische Vertraeglichkeit 2, DIN Taschenbuch DKE Auswa
hlreihe、ベルリン、ケルン、Beuth Verlag社、1989年刊 様々な導電度を有する種々の材料の電磁遮蔽の減衰効果に言及した刊行物は、
これまでに数多く公刊されている。低導電度の材料として、特に、金属粒子を蒸
着した合成樹脂材料について言及したものがある。しかしながら、電磁遮蔽を目
的として、低導電率の繊維から成る純粋な繊維材料を用いることについて考察し
たものは存在していない。
【0019】
【従来技術の問題】
従来用いられていた金属材料製のケーブル用シールドの短所としては、特に、
以下のことがある。 ・ 周波数が高くなるにつれて、外側のケーブル用シールドに流れる電流から内
部の導体への誘導性透過率及び容量性透過率により、伝達インピーダンスが高く
なること、 ・ 重量が大きいこと、 ・ 腐蝕のおそれがあること、そして、 ・ 製作コストがかさむこと。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、システムの大小にかかわらず、そのシステム内部における電
磁結合、並びに、そのシステムの内部と外部の電磁場との電磁結合を低減するこ
とのできる、全覆型ケーブル用シールドを提供することで、ケーブルを装備する
ことによる重量増加が僅かで済むようにし、また、高周波数領域における金属製
シールドの遮蔽特性を大幅に改善することにある。また、これによって、電磁放
射(システムから外部へ出射される電磁放射と、外部からシステムへ入射しよう
とする電磁放射との両方)に関する、重量の増加を伴うようなその他のEMC防
護対策を一切必要とせずに済むようになる。この軽量化は、省エネルギにも寄与
し得るものであり、また、滞空時間の延長(飛行体に使用した場合)や、走行距
離ないし航続距離の延長(陸上車両ないし船舶に使用した場合)、それに、高速
化(陸上車両や飛行体に使用した場合)にも寄与し得るものである。更に、品質
劣化や腐蝕によるシステムの電磁特性の悪化も、本発明によって事実上解消され
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、請求項1に記載した構成要件を備えた装置において、その装置の
両端を、その全周においてコネクタのハウジングに接続することによって達成さ
れる。実施例のうちには、機械的補強のために、通常行われているように、シー
ルド層の外側を絶縁材料(例えばシリコーン)で更に被覆したものもある。電磁
遮蔽効果が発揮される周波数領域は、シールド層の材料をどれほど使用するかに
よっても異なり、下限周波数と減衰特性とに関する所定の周波数領域において電
磁遮蔽効果が得られるようにする。一般的にその減衰特性は、金属材料製のシー
ルドを併用しない場合には、数MHz以上で減衰効果が発現しはじめ、周波数が
高くなるほど、金属材料製のケーブル用シールドだけを使用した場合と比べて、
優れた減衰特性を発揮するようになる。また、以下のように実施の形態を使い分
けることで、本発明の課題をより良く解決することができる。 1.ケーブル用シールドの遮蔽効果が、数MHzの周波数から発現しはじめる
ようにしたい場合: この場合には、請求項1に記載のケーブル用シールド装置が適している。 2.全周波数領域においてケーブル用シールドによって減衰効果が得られるよ
うにしたい場合: この場合には、請求項2に記載のケーブル用シールド装置を用いればよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明の主要な利点は、高周波数領域において、従来の金属材料製のシールド
と比べて格段に優れた遮蔽効果が得られ、またそれと同時に、システムの電磁特
性を低下させたり変化させたりすることなく、システムの軽量化を達成できると
いうことにある。繊維複合材料を用いることによって、ケーブル用シールドとコ
ネクタとの接続部の形態は従来のままでありながら、ケーブルを使用している間
に接続部の腐蝕が進行して不都合を生じるのを防止することができる。本発明の
更なる利点は、適当な繊維材料を使用することで、ケーブルの機械的強度(例え
ば引張強度)を増大させ得るということである。また更に、繊維複合材料で形成
されたシールドを装備したケーブルには、金属材料製のシールドを装備したケー
ブルと比べて、製造に要するエネルギが少なくて済むという利点もある。 また更に、ペア・ケーブルや、同軸ケーブル(請求項5に記載したもの)は、
その導体の伝送信号帯域幅に合わせて、伝送減衰が周波数依存性を持たないよう
な構成に設計することができ、この点でも有利である。
【0023】
【実施例】
本発明の幾つかの実施例を図に示した。以下に、それら実施例について詳細に
説明して行く。
【0024】 図1に、2本の導体を備えたツイスト・ペア・ケーブルを示した。2本の導体
繊維が、1本ずつ個別に絶縁層で被覆されており、請求項3に記載した実施の形
態に従って、ゴム系物質の溶解液を含浸させた炭素繊維編体によって電磁遮蔽が
施されている。
【0025】 図2に示した構成では、導体の束に対して、炭素繊維編体によって電磁遮蔽が
施されており、炭素繊維編体には、蒸着によって金属材料をコートするようにし
てもよい。また更に、炭素繊維編体を絶縁被覆で被覆してある。
【0026】 図3には、請求項4に記載したように、導体の束を2つの導電性の編体で二重
に被覆した構成を示した。この構成においても、最終的に完成したケーブルは、
絶縁被覆で被覆して保護されている。
【0027】 図4には、同軸ケーブルを例示した。この同軸ケーブルは、高い導電性を有す
る金属材料製の内側導体と、炭素繊維編体から成る外側導体とを備えている。
【0028】 図5には、請求項4に記載したように、1本の導体に遮蔽を施した構成の断面
図を示した。この実施例では、2つの導電層(装備する部位に応じて、例えば、
炭素繊維層や、強磁性体材料層などが用いられる)が、互いに接触した状態で装
備されている。この二重層構造は、絶縁層によって、金属材料から成る中心の導
体から分離されている。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月23日(2001.1.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 タウベル ウォルフガング ドイツ連邦共和国 85591 ヴァテルステ ッテン,ハインリッヒ−マーシュネル−シ ュトラッセ 42 Fターム(参考) 5G313 AA10 AB05 AC03 AD05 AE01 AE07 【要約の続き】 空機や自動車の配線ケーブルとして使用するのに適して おり、それは、それら用途では軽量化が要求されるから である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本の絶縁を施した導体または複数本の絶縁を施した導体を
    備えた装置において、 繊維複合材料で形成された被覆層によって、導体が1本ずつ個別に被覆され、
    または、複数本の導体がまとめて被覆されており、前記繊維複合材料は、その大
    部分が、電磁遮蔽効果を有する、導電性繊維(例えば炭素繊維)、または、炭素
    繊維材料と略々同等の導電率である約104S/mの導電率を有するその他の非
    金属材料から成るものであることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 強磁性体材料または金属材料を併用していることを特徴とす
    る請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 全体絶縁被覆及び機械的補強の手段として、繊維ストランド
    にゴム系物質の溶解液(例えば、シリコーン、ポリウレタン)を含浸させて硬化
    させるか、または、絶縁性チューブ(例えば収縮性チューブ)または非導電性の
    編体材料を被覆可能にしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
  4. 【請求項4】 導電性の編体を、重なり合った2つの層の両方に使用するこ
    とによって、より大きな電磁遮蔽効果が得られるようにし、ないしは、より高い
    周波数領域までカバーできるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    装置。
  5. 【請求項5】 その大部分が導電性繊維から成る繊維複合材料で形成された
    被覆層によって、1本の導体がじかに被覆されて、同軸ケーブルとされているこ
    とを特徴する請求項1又は2記載の装置。
  6. 【請求項6】 ペア・ケーブルの2本の導体それ自体が、その大部分が導電
    性繊維から成る繊維複合材料で形成されており、更に被覆されていることを特徴
    とする請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】 CFCケーブル用シールドをその全周においてコネクタのハ
    ウジングに接続し得る特別のカシメ技法を用いて製造されることを特徴とする請
    求項1又は2記載の装置。
JP2000601658A 1999-02-23 2000-02-23 繊維複合材料で形成されたケーブル用シールド Withdrawn JP2002538581A (ja)

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